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特開2024-38494ロボットマニピュレータ入力値の指定方法
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  • 特開-ロボットマニピュレータ入力値の指定方法 図1
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  • 特開-ロボットマニピュレータ入力値の指定方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038494
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】ロボットマニピュレータ入力値の指定方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 9/22 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
B25J9/22 A
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024010611
(22)【出願日】2024-01-26
(62)【分割の表示】P 2021577211の分割
【原出願日】2020-06-26
(31)【優先権主張番号】102019117217.9
(32)【優先日】2019-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】521181769
【氏名又は名称】フランカ エーミカ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】FRANKA EMIKA GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】スペニンガー、アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ゴルツ、サスキア
(72)【発明者】
【氏名】パルーセル、スヴェン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ロボットマニピュレータに対する入力値の指定をより直感的にし、単純化する。
【解決手段】ロボットマニピュレータ(1)に入力値を指定するため、エミュレートされる特定の事前定義された入力デバイスを選択し、エミュレートされる各入力デバイスには、ロボットマニピュレータ(1)の少なくとも1つの自由度と、それぞれの自由度の局所制限が割り当てられ、自由度でのロボットマニピュレータ(1)の座標の伝達関数が入力値に割り当てられ、ロボットマニピュレータ(1)の少なくとも一部がそれぞれの自由度で、および局所制限内で、手動で動かすことができるように、ロボットマニピュレータ(1)を作動させ、センサユニット(7)によってロボットマニピュレータ(1)への入力の完了中または完了後のそれぞれの自由度におけるそれぞれの座標を記録し、および、伝達関数を適用して、それぞれの座標を入力値に割り当てる、ステップを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットマニピュレータの入力値を指定する方法(1)であって、前記ロボットマニピュレータ(1)は、関節によって互いに接続され、作動によって互いに移動することができ、以下のステップを有する複数の肢を備える:
-ユーザ側の指定または前記ロボットマニピュレータ1の制御ユニット(5)によって、エミュレートされる特定の入力デバイスを複数の事前定義された入力デバイスから選択(S1)し、ここで、エミュレートされる各入力デバイスには、前記ロボットマニピュレータ(1)の少なくとも1つの自由度が割り当てられ、そして、それぞれの自由度の局所制限と、自由度での前記ロボットマニピュレータ(1)の座標の伝達関数が、前記入力値に割り当てられ、
-前記ロボットマニピュレータ(1)の少なくとも一部を、エミュレートされる選択された入力デバイスに割り当てられたそれぞれの自由度で、エミュレートされる入力デバイスに割り当てられた局所制限内で、ユーザによって手動で動かすことができるように、前記ロボットマニピュレータ(1)を作動(S2)させ、
-前記ロボットマニピュレータ(1)に接続された少なくとも1つのセンサユニット(7)によって、前記ロボットマニピュレータ(1)上で、ユーザ側で手動ガイドによって実行される入力の完了中または完了後に、それぞれの自由度でそれぞれの座標を記録(S3)し、
-伝達関数を適用して、それぞれの座標を前記入力値に割り当て(S4)る、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットマニピュレータに入力値を指定するための方法、およびその方法を実行するために構成および実装されるロボットマニピュレータに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明の目的は、ロボットマニピュレータに対するユーザによる入力値の指定をより直感的にし、単純化することである。
【0003】
本発明は、独立請求項の特徴により定義される。好都合な発展形および実施形態は、従属請求項の主題である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様は、ロボットマニピュレータに入力値を指定するための方法に関し、ロボットマニピュレータは、関節によって互いに接続され、作動によって互いに移動することができ、以下のステップを有する複数の肢を備える:
-ユーザ側の指定またはロボットマニピュレータ1の制御ユニットによって、エミュレートされる特定の入力デバイスを複数の事前定義された入力デバイスから選択し、
ここで、エミュレートされる各入力デバイスには、ロボットマニピュレータの少なくとも1つの自由度が割り当てられ、そして、それぞれの自由度の局所制限と、自由度でのロボットマニピュレータの座標の伝達関数が、入力値に割り当てられ、
-ロボットマニピュレータの少なくとも一部を、エミュレートされる選択された入力デバイスに割り当てられたそれぞれの自由度で、エミュレートされる入力デバイスに割り当てられた局所制限内で、ユーザによって手動で動かすことができるように、ロボットマニピュレータを作動させ、
-ロボットマニピュレータに接続された少なくとも1つのセンサユニットによって、ロボットマニピュレータ上で、ユーザ側で手動ガイドによって実行される入力の完了中または完了後に、それぞれの自由度でそれぞれの座標を記録し、
-伝達関数を適用して、それぞれの座標を入力値に割り当てる。
【0005】
入力値は、特に、ロボットマニピュレータによって後で実行される制御プログラムのパラメータである。たとえば、パラメータは、速度、特に速度の指定、または力、特に力の指定、制限値、または増幅などのコントローラパラメータ、またはロボットマニピュレータのコントローラの帯域幅である。
【0006】
入力デバイスは、仮想的に物理的に存在するデバイスであり、ユーザは少なくとも1つの入力値を指定できる。エミュレートされる事前定義された入力デバイスに関するデータは、好ましくは、ロボットマニピュレータのメモリに格納される。一般に、入力デバイスは、ヒューマンマシンインターフェイスの多くの領域、車両、作業機械、家電製品、またはロボットマニピュレータで使用される。したがって、アナログの物理的に存在する入力デバイスは、スイッチ、トグルスイッチ、ロータリースイッチ、スライディングコントローラ、レバーなどの場合のように、特に互いに対して移動することができる材料構造を含む。ここにあるこれらの物理的に存在するデバイスはそれぞれ、特定の自由度に制限されており、例えば、従来のロータリースイッチは、垂直軸の周りでのみ回転することができ、ここで、ロータリースイッチのハウジングまたは支持体に対するロータリースイッチの現在の角度は、指定された値に対応する。本発明によれば、次に、ロボットマニピュレータが作動し、センサユニットのセンサーデータが読み取られるため、ロボットマニピュレータの現在の位置は、物理的に存在するロータリースイッチに適用されたかのように、そのような特定の指定値に対応する。ここでのロボットマニピュレータの位置は、特に、並進位置座標または位置ベクトルの両方に関連し、また、状況によっては、ロボットマニピュレータの2つの肢が互いに対して取る特定の角度に関連する。したがって、好ましくは、エンドエフェクタが配置されているロボットマニピュレータの肢に対してロボットマニピュレータの遠位端に配置されているエンドエフェクタの回転角は、仮想ロータリースイッチの関連する角度に変換され、それにより、ユーザにとって有利なことに、結果として生じる印象は、エンドエフェクタが実際に存在するロータリースイッチであるかのようである。
【0007】
したがって、入力デバイスは、ユーザが仮想入力デバイスの物理的同等物とインタラクトしているかのように、ユーザによる同様の動きがロボットマニピュレータ上で可能であるという点でエミュレートされる。追加の例は、ロボットマニピュレータ、またはロボットマニピュレータ上の選択されたポイント、特にロボットマニピュレータのエンドエフェクタが、空間内のライン上の事前定義された距離でのみユーザが手動でガイドできるロボットマニピュレータによってエミュレートされたスライディングコントローラである。
【0008】
それに対応して、ロボットマニピュレータの作動が起こり、ロボットマニピュレータは、関節によって互いに接続された肢を含む。特に、関節面では、アクチュエータは、好ましくは、肢を互いに対して動かすように設計されたトランスミッションによって配置される。したがって、アクチュエータを使用して、特定の自由度をブロックし、他の自由度を有効にすることもでき、ここで、本発明の意味での自由度という用語は、ロボットマニピュレータ上の特定の点が移動できる任意の方向または曲線として理解されるべきである。したがって、例えば、単一の関節のみを解放することによっても達成することができる3次元曲線も、自由度と呼ぶことができる。後者の場合、アクチュエータは、関節に配置された正確に2本の肢を除いて、ユーザによる手動ガイドによって引き起こされる動きに対してすべてがブロックされることを保証する。
【0009】
ロボットマニピュレータに接続されたセンサユニットは、好ましくは、ロボットマニピュレータの関節にすべての関節角度センサを含み、それにより、好ましくはカルテシアン空間における地上基準システムに対するエンドエフェクタの位置を常に決定することができる。あるいは、ロボットマニピュレータに接続されたセンサユニットは、好ましくは、カメラシステムまたは運動記録システムであり、その個々のセンサ要素は、ロボットマニピュレータの位置または特定の角度の外側から記録するために、ロボットマニピュレータの周りに配置される。したがって、選択した自由度でロボットマニピュレータの座標を記録することが可能である。
【0010】
指定された伝達関数によって、この記録された座標を関連する入力値に変換することができ、好ましくは、線形スケールを介して、ロボットマニピュレータの自由度の座標がこの入力値に変換される。有利には、現在の適用に最適なスケールを定義できる。非線形スケールも可能であるため、特に、実際の正確な数値よりも入力値の桁に焦点が当てられている場合は、対数目盛が有利である。
【0011】
ここで、局所制限は、仮想的に物理的に存在する入力デバイスの機械的制限に対応し、ここで、例えば、スライディングコントローラは左端と右端とを有し、ロータリーコントローラは、例えば、反時計回りの回転に下限を有し、時計回りの回転に上限を有する。局所制限は、ロボットマニピュレータのアクチュエータの対応する作動によってロボットマニピュレータ上に人工的に生成される。したがって、ユーザによってロボットマニピュレータに加えられる力に対する逆の運動量が生成され、その結果、ロボットマニピュレータは、手動ガイドによってこれらの限界を超えてさらに移動することができなくなる。
【0012】
ロボットマニピュレータに接続された少なくとも1つのセンサユニットによるユーザの手動ガイドによりロボットマニピュレータへの入力が完了した後、それぞれの座標がそれぞれの自由度で記録される場合、次に、ユーザ側のマニュアルガイドの最後の座標値のみが記録される。この点で、座標の完全な時系列ではなく最終値のみが記録され、それに応じてユーザのガイドの過程で記録される。この最終値が存在する場合、特に手動ガイドによる速度がロボットマニピュレータに存在しなくなったことが記録されるという点で、有利に自動的に決定される。
【0013】
エミュレートされるそれぞれの入力デバイスの、ロボットマニピュレータのそれぞれの自由度、それぞれの自由度の局所制限、および伝達関数への割り当ては、好ましくは事前定義されている。あるいは、この割り当ては、ユーザの指定時にも発生する可能性がある。
【0014】
本発明の有利な効果は、ユーザにとって、複数の可能な物理的入力デバイスの動作が利用可能であることである。このように、エミュレートできる入力デバイスは、ユーザが直感的に入力値を指定できるようにするために、現在の状況または既存のタスクに最も適したものである。特に、スライディングコントローラやロータリーコントローラなどの一般的に知られている入力デバイスを使用する場合、ロボットマニピュレータはそのような目的の入力デバイスの動作を問題なくシミュレートでき、ユーザが入力値を直感的に指定できるようにする。さらに、ロボットマニピュレータは、有利には、そのようなそれぞれの入力デバイスの物理的に存在する実装を必要とせず、したがって、より単純かつ費用効果的に設計することができる。
【0015】
有利な実施形態によれば、ロボットマニピュレータの作動は、ロボットマニピュレータの残りのすべての部分が、ユーザ側の手動ガイドに対してブロックされるように行われる。
【0016】
この実施形態によれば、ロボットマニピュレータの正確に単一の自由度が可能になり、ロボットマニピュレータの動きの残りのすべての可能性が抑制される。特に、自由度が空間内の直線距離である場合、ここで、直線距離は、ロボットマニピュレータの現在の関節角度とは無関係に定義することができ、ロボットマニピュレータ、特にこのロボットマニピュレータ上の選択された点は、空間内のこの直線距離でのみ移動することができ、ここで、ユーザ側の手動ガイドによるロボットマニピュレータの他の動きは許可されていない。有利には、ユーザは、ロボットマニピュレータの明確で直感的に理解できる動きの可能性を与えられる。
【0017】
追加の有利な実施形態によれば、ロボットマニピュレータの作動は、ロボットマニピュレータの残りの部分の少なくともサブセットが、ユーザ側での手動ガイドのために可能になるような方法で行われる。
【0018】
この実施形態によれば、ロボットマニピュレータの追加の動きの可能性は、例えば、エンドエフェクタで入力値の指定が行われ、ロボットマニピュレータの残りの関節が重力補償のみで作動する場合など、特に、追加の動きの可能性に関してロボットマニピュレータの自由度の手動ガイド中に結合または外乱が発生しない場合に許可することができる。有利には、この実施形態は、ユーザがロボットマニピュレータ上で他のブロックされていない動きの可能性を依然として使用できるので、ユーザにとってより大きな快適さをもたらす。
【0019】
追加の有利な実施形態によれば、ロボットマニピュレータの作動は、それぞれの自由度におけるロボットマニピュレータの少なくとも一部が触覚フィードバックを出力するように行われ、ここで、触覚フィードバックは、ロボットマニピュレータの手動ガイド中のユーザの力に対して、手動ガイドの距離に応じて変化する抵抗である。
【0020】
触覚フィードバックは、好ましくは、ロボットマニピュレータの自由度における座標の値の増加とともに増加する抵抗力、あるいは周期的に発生する抵抗力であり、その結果、有利には、触覚グリッドがロボットマニピュレータによって生成され、これにより、特に値の周期的な倍数のみが対象となる場合、ユーザは指定された入力値のレベルで触覚フィードバックを受け取る。
【0021】
追加の有利な実施形態によれば、抵抗は、ロボットマニピュレータのそれぞれの自由度における現在の座標が伝達関数を適用した結果の整数と一致する極小値を有する。
【0022】
有利には、この実施形態によって、特に、ロボットマニピュレータの触覚フィードバックが、ロボットマニピュレータが解放されると、ロボットマニピュレータ上の所定の点が、触覚フィードバックを生成するロボットマニピュレータの反力によって、そのような極小値に戻され、好ましくは減衰されるような力を加える場合に、小数を含む数値の入力は回避される。
【0023】
追加の有利な実施形態によれば、この方法はさらに、以下のステップを有する:
-ロボットマニピュレータに接続された少なくとも1つのセンサユニットによって、ロボットマニピュレータ上でユーザの手動ガイドによって実行される、入力中のそれぞれの自由度でのそれぞれの座標を連続的に記録する、および、
-それぞれの座標の連続記録と同期して:光出力ユニットへの入力値の出力。
【0024】
光出力ユニットは、好ましくは、仮想物理入力デバイスが表示されるロボットマニピュレータに接続されたスクリーンであり、ここで、表示は、現在表示されているバージョンの仮想物理入力デバイスが、現在の入力値が実際に物理入力デバイスに存在するかのような状態で表示されるように行われる。したがって、有利なことに、まず、エミュレートされる入力デバイスが実際にどのように見えるかに関して、ユーザに容易に理解できるフィードバックが提供され、これにより、ユーザは動きの特定の特性を直感的に導き出すことができ、ユーザには、現在の入力値が指定され、桁数または近似値、あるいは正確な値の、フィードバックが有利に提供される。
【0025】
追加の有利な実施形態によれば、エミュレートされる入力デバイスは、スライディングコントローラ、ロータリーコントローラ、ジョイスティック、押しボタンのうちの1つである。
【0026】
追加の有利な実施形態によれば、エミュレートされる入力デバイスの選択は、ロボットマニピュレータ上でユーザによって実行される触覚ジェスチャを実行および記録することによって、特に記録されたジェスチャを複数の保存されたジェスチャの1つに割り当てることによって行われる。
【0027】
追加の有利な実施形態によれば、エミュレートされる入力デバイスの選択は、タッチセンシティブスクリーン上にユーザによって入力された入力を記録することによって行われ、タッチセンシティブスクリーンは、ロボットマニピュレータ上に配置されるか、またはロボットマニピュレータ上に配置されるグリッパ上に配置される。
【0028】
本発明の追加の態様は、ロボットマニピュレータに関し、ロボットマニピュレータは、関節によって互いに接続され、作動によって互いに移動することができる複数の肢を含み、以下:
-エミュレートされる特定の入力デバイスを複数の事前定義された入力デバイスから選択するために設計された指定要素であって、ここで、エミュレートされる各入力デバイスには、ロボットマニピュレータの少なくとも1つの自由度と、それぞれの自由度の局所制限が割り当てられ、自由度でのロボットマニピュレータの座標の伝達関数が入力値に割り当てられ、
-エミュレートされるそれぞれの入力デバイスに割り当てられたそれぞれの自由度で、およびエミュレートされる入力デバイスに割り当てられた局所制限内で、ロボットマニピュレータの少なくとも一部をユーザが手動で移動できるようにロボットマニピュレータを作動させるように設計された制御ユニット、
-ロボットマニピュレータに接続されたセンサユニットは、ロボットマニピュレータのユーザ側で手動ガイドによって実行された入力の完了中または完了後に、それぞれの自由度でそれぞれの座標を記録するように設計され、ここで、制御ユニットは、伝達関数を適用することにより、それぞれの座標を入力値に割り当てるように設計されている、を含む。
【0029】
有利な実施形態によれば、ロボットマニピュレータを作動させるための制御ユニットは、ロボットマニピュレータの他のすべての部分が、ユーザ側の手動ガイドに対してブロックされるように設計されている。
【0030】
追加の有利な実施形態によれば、ロボットマニピュレータを作動させるための制御ユニットは、ロボットマニピュレータの残りの部分の少なくともサブセットが、ユーザ側で手動ガイドできるように設計されている。
【0031】
追加の有利な実施形態によれば、ロボットマニピュレータを作動させるための制御ユニットは、それぞれの自由度のロボットマニピュレータの少なくとも一部が触覚フィードバックを出力するように設計されており、ここで、触覚フィードバックは、ロボットマニピュレータの手動ガイド中のユーザの力に関して、手動ガイドの距離に応じて変化する抵抗である。
【0032】
追加の有利な実施形態によれば、抵抗は、ロボットマニピュレータのそれぞれの自由度における現在の座標が伝達関数を適用した結果の整数と一致する極小値を有する。
【0033】
追加の有利な実施形態によれば、ロボットマニピュレータに接続されたセンサユニットは、ロボットマニピュレータ上のユーザ側の手動ガイドによって実行される入力中に、それぞれの自由度でそれぞれの座標を連続的に記録するように設計され、ロボットマニピュレータ、特にロボットマニピュレータの制御ユニットに接続された光出力ユニットは、それぞれの座標の連続記録と同期して入力値を出力するように設計されている。
【0034】
提案されたロボットマニピュレータの利点および好適な発展形は、提案される方法との関連で上述された説明を類似の対応する転用から導き出すことができる。
【0035】
さらなる利点、特徴、および詳細は、必要であれば図面を参照し、少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する以下の説明から導き出すことができる。同一、類似、および/または機能的に同一の要素は同じ参照符号で示す。
【図面の簡単な説明】
【0036】
以下のとおり図に示す。
【0037】
図1図1は、本発明の実施例によるロボットマニピュレータを示す。
図2図2は、本発明の追加の実施例による、入力値の光出力の代替案を示す。
図3図3は、本発明の追加の実施例によるロボットマニピュレータの入力値を指定する方法を示す。
【0038】
図面の表現は、図式化されたものであり、縮尺通りではない。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、ロボットマニピュレータ1を示しており、ロボットマニピュレータ1は、関節によって互いに接続され、作動によって互いに対して移動することができる複数の肢を備える。ロボットマニピュレータ1は、ロボットマニピュレータ1に接続されたコンピュータを介して、エミュレートされる特定の入力デバイスをエミュレートされる複数の事前定義された入力デバイスから手動で選択するために使用される指定要素3を備える。エミュレートされる各入力デバイスには、ロボットマニピュレータ1の少なくとも1つの自由度が割り当てられる、つまり、ある範囲にわたって定義された動きの可能性が割り当てられ、そして、それぞれの自由度の局所制限と、自由度でのロボットマニピュレータ1の座標の伝達関数が入力値に割り当てられる。さらに、ロボットマニピュレータ1は、ロボットマニピュレータ1を、ロボットマニピュレータ1の少なくとも一部が、エミュレートされる選択された入力デバイスに割り当てられたそれぞれの自由度で、およびエミュレートされる入力デバイスに割り当てられた局所制限内で、ユーザによって手動で動かすことができるように作動させるように設計された制御ユニット5を備える。ロボットマニピュレータの関節角度センサの全体として設計されたセンサユニット7は、ロボットマニピュレータ1上のユーザ側の手動ガイドによる入力が完了した後、それぞれの自由度でそれぞれの座標を記録するために使用される。ここで、制御ユニット5は、伝達関数を適用することにより、それぞれの座標を入力値に割り当てる。表示ユニット9上でのユーザ入力と同期して表示される入力装置は、回転可能なロータリースイッチであるため、ロボットマニピュレータ1では、回転自由度もロボットマニピュレータ上で有効になっている。この回転自由度は、エンドエフェクタと、エンドエフェクタが配置されているロボットマニピュレータ1の遠位肢との間に位置している。
【0040】
図2は、図1に示したロータリースイッチの複数の代替案を示し、すなわち、(A)ではスライディングコントローラであり、スライディングコントローラは有限数の離散値しか想定できないため、ロボットマニピュレータ1では人工電位グリッドが指定されている触覚フィードバックが与えられ、ロボットマニピュレータ1が解放されると、ロボットマニピュレータ1が最も近い最小値の1つに自動的に移動される。一方、(B)には、連続スライディングコントローラが示されており、これは、数値精度と、関節内のロボットマニピュレータの位置センサの量子化信号のコンテキストで、任意の数値を入力値として想定できる。一方、(C)には、(A)に示されているスライディングコントローラと同様に、有限数の離散値しか想定できない代替のロータリーコントローラが示されている。
【0041】
ロボットマニピュレータ1の入力値を指定する方法を図3に示し、ここで、ロボットマニピュレータ1は、関節によって互いに接続され、作動によって互いに移動することができ、以下のステップを有する複数の肢を備える:
-ユーザ側の指定またはロボットマニピュレータ1の制御ユニットによって、エミュレートされる特定の入力デバイスを複数の事前定義された入力デバイスから選択しS1、
ここで、エミュレートされる各入力デバイスには、ロボットマニピュレータ1の少なくとも1つの自由度が割り当てられ、そして、それぞれの自由度の局所制限と、自由度でのロボットマニピュレータ1の座標の伝達関数が、入力値に割り当てられ、
-ロボットマニピュレータ1の少なくとも一部を、エミュレートされる選択された入力デバイスに割り当てられたそれぞれの自由度で、エミュレートされる入力デバイスに割り当てられた局所制限内で、ユーザによって手動で動かすことができるように、ロボットマニピュレータ1を作動S2させ、
-ロボットマニピュレータ1に接続された少なくとも1つのセンサユニットによって、ロボットマニピュレータ1上で、ユーザ側で手動ガイドによって実行される入力の完了中または完了後に、それぞれの自由度でそれぞれの座標を記録S3し、
-それぞれの自由度でのそれぞれの座標を連続的に記録S3Aし、
-伝達関数を適用して、それぞれの座標を入力値に割り当てS4、
および、
-それぞれの座標の連続記録と同期して、光出力ユニットに入力値を出力S4Aする。
【0042】
以上、好適な実施形態を用いて本発明を詳細に説明してきたが、本発明は開示された例に限定されるものではなく、ここから当業者によって本発明の保護の範囲を逸脱することなくその他の変形例を得ることも可能である。したがって、複数の変形例の可能性が存在することは明らかである。また、例示された実施形態は、実際に単なる例であり、例えば、保護の範囲、潜在的な利用可能性、または本発明の構成を限定するものとして理解されるべきではないことも明らかである。むしろ、上記の説明および図面の説明は、当業者に例示される実施形態を具体的に実施することを可能にするものであり、開示された発明概念の知識を持つ当業者には、例えば例示される実施形態に記載の個々の要素の機能または構成について、請求項、および、例えば明細書におけるさらなる説明など、請求項の法的な等価物に規定される保護の範囲を逸脱することなく、数多くの修正を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0043】
1:ロボットマニピュレータ
3:指定要素
5:制御ユニット
7:センサユニット
9:出力ユニット

S1:選択
S2:作動
S3:記録
S3A:出力
S4:割り当て
S4A:記録
図1
図2
図3