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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038498
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】カセットを有する自動注射器
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/28 20060101AFI20240312BHJP
   A61M 5/20 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
A61M5/28
A61M5/20 500
【審査請求】有
【請求項の数】53
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024010743
(22)【出願日】2024-01-29
(62)【分割の表示】P 2022518685の分割
【原出願日】2020-04-06
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2019/077061
(32)【優先日】2019-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2019/077065
(32)【優先日】2019-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2019/077068
(32)【優先日】2019-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】519130535
【氏名又は名称】フィリップス - メディサイズ エー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(72)【発明者】
【氏名】エスベン ウェルディング ヨハンセン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン オルセン
(72)【発明者】
【氏名】ニールズ スコビー ラーベック
(72)【発明者】
【氏名】ベント ラーセン
(72)【発明者】
【氏名】オレ レミング
(57)【要約】      (修正有)
【課題】改善されたカセット及び自動注射器システムを提供する。
【解決手段】薬剤を有するカセット500を受容し、カセット内の薬剤を患者に投与するように適合された改善された自動注射器1000に関し、自動注射器は、長手方向軸に沿って近位端から遠位端に延在し、カセットは、長手方向に沿って自動注射器内に取り外し可能に受容される。
【選択図】図18A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を有するカセット(500)を受容し、該カセット(500)内の前記薬剤を患者に投与するように適合された自動注射器(1000)であって、該自動注射器(1000)が、長手方向軸に沿って近位端から遠位端まで延在しており、前記カセット(500)が、長手方向に沿って前記自動注射器(1000)内に取り外し可能に受容され、該自動注射器が、前記カセット(500)を前記自動注射器(1000)内部に固設及び係止し、前記薬剤の投与を容易にするように適合された1つ以上のカセット相互作用部品を更に含み、該1つ以上のカセット相互作用部品が、前記自動注射器(1000)の長手方向軸と平行に移動するように構成されている、自動注射器(1000)。
【請求項2】
前記1つ以上のカセット相互作用部品が、前記自動注射器の長手方向軸と平行に移動することに加えて、前記1つ以上のカセット相互作用部品自体の軸を中心に回転するように構成されている、請求項1に記載の自動注射器。
【請求項3】
前記1つ以上のカセット相互作用部品が、前記自動注射器の長手方向軸と平行ではない方向に移動しないように構成されている、請求項1に記載の自動注射器。
【請求項4】
前記自動注射器(1000)が、ハウジング(1102)と、該ハウジング(1102)内部に配置された複数の内部注射器部品と、を備え、前記ハウジング(1102)が、
・前記注射器(1000)内に受容されたときに、前記カセット(500)の少なくとも一部分を覆うように延在するカセット覆いセクション(1108)と、
・前記カセット(500)が前記注射器(1000)内部に固設される前に、前記ハウジング(1102)内部の内部注射器部品を覆うように延在する遠位セクション(1106)と、を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項5】
薬剤を有するカセット(500)を受容し、前記薬剤を投与するように適合された自動注射器(1000)であって、前記カセット(500)が、前記自動注射器(1000)内に取り外し可能に受容され、前記自動注射器(1000)が、近位端(1103)から遠位端(1104)まで延在するハウジングと、該ハウジング(1102)内部に配置された複数の内部注射器部品と、から構成され、前記ハウジング(1102)が、
・前記注射器(1000)内部に受容されたときに、前記カセット(500)の少なくとも一部分を覆うように延在するカセット覆いセクション(1108)と、
・前記カセット(500)が前記注射器(1000)内部に固設される前に、前記ハウジング(1102)内部の内部注射器部品を覆うように延在する遠位セクション(1106)と、から構成されている、自動注射器(1000)。
【請求項6】
前記カセット(500)が前記注射器(1000)内部に受容されたときに、前記カセット覆いセクション(1108)は、前記カセット(500)の20~90%、例えば、該カセット(500)の30~75%、例えば、該カセット(500)の40~60%を覆うように延在する、請求項4又は5に記載の自動注射器(1000)。
【請求項7】
前記自動注射器(1000)が、該自動注射器(1000)内部に固設されたときに前記カセット(500)の遠位端(503、506)に当接するように適合されたカセット当接表面(1114a)を備え、該カセット当接表面(1114a)が、前記カセット(500)及び前記自動注射器(1000)を組み立てる前に、内部注射器部品が近位に実質的に延在しない近位端平面を画定する、請求項1~6のいずれか1項に記載の自動注射器(1000)。
【請求項8】
薬剤を有するカセット(500)を受容し、前記薬剤を投与するために適合された自動注射器(1000)であって、該自動注射器(1000)が、長手方向に沿って近位端(1103)から遠位端(1104)に延在するハウジング(1102)を備え、該ハウジング(1102)が、
・前記注射器(1000)内部に受容されたときに、前記カセット(500)を覆うように延在するカセット覆いセクション(1108)と、
・すべての内部注射器部品を覆うように延在する遠位セクション(1106)であって、前記自動注射器(1000)が、該自動注射器(1000)内部に固設されたときに前記カセット(500)の遠位端(503、506)に当接するように適合されたカセット当接表面(1114a)を備え、
該カセット当接表面(1114a)が、前記カセット(500)及び前記自動注射器(1000)を組み立てる前に、内部注射器部品が近位に実質的に延在しない近位端平面を画定する、遠位セクションと(1106)、を含む、自動注射器(1000)。
【請求項9】
前記カセット当接表面(1114a)が、空洞が遠位セクション(1106)内に遠位に実質的に延在しない近位端平面を画定する、請求項7又は8に記載の自動注射器。
【請求項10】
前記ハウジング(1102)が、内部注射器部品を囲み、該内部注射器部品が、少なくとも、ピストン(1168)と、該ピストンを近接して移動させるように適合された駆動モジュール(1150)と、シャーシ(1110)と、を含み、前記内部注射器部品が、近位端平面及び遠位端平面によって画定され、前記自動注射器が、内部部品の近位端平面及び遠位端平面の両方において騒音低減材料(1109、1155)を含む、請求項4~9のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項11】
薬剤を有するカセット(500)を受容し、前記薬剤を投与するように適合された自動注射器であって、前記カセット(500)が、前記自動注射器(1000)に取り外し可能に受容され、該自動注射器(1000)が、内部注射器部品を囲むハウジング(1102)を備え、前記内部注射器部品が、少なくとも、ピストン(1168)と、該ピストンを近接して移動させるように適合された駆動モジュール(1150)と、シャーシ(1110)と、を含み、前記内部注射器部品が、近位端平面及び遠位端平面によって画定され、前記自動注射器が、内部部品の近位端平面及び遠位端平面の両方において騒音低減材料(1109、1155)を含む、自動注射器。
【請求項12】
前記駆動モジュール(1150)が、前記ピストンを遠位に移動させるように更に適合されている、請求項10又は11に記載の自動注射器。
【請求項13】
前記騒音低減材料(1109、1155)が、1つ以上のOリングである、請求項10~12のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項14】
前記騒音低減材料(1109、1155)が、ゴムなどの軟質材料である、請求項10~13のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項15】
前記近位端平面が、前記自動注射器の長手方向と垂直な方向に延在する、請求項6~14のいずれか1項に記載の自動注射器(1000)。
【請求項16】
前記自動注射器(1000)が、前記カセット(500)を前記自動注射器内部に固設及び固定し、前記薬剤の投与を容易にするように適合された1つ以上のカセット相互作用部品を備え、該1つ以上のカセット相互作用部品が、前記カセット(500)を前記注射器内部に固設する前に、前記近位端平面から近位に延在しない、請求項5~15のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項17】
前記1つ以上のカセット相互作用部品は、カセット(500)が前記自動注射器(1000)内に配置された後に近位方向に移動するように適合されており、それによって前記カセット相互作用部品のうちの1つ以上の少なくとも一部分が、前記自動注射器内部で前記近位端平面から近位に延在している、請求項16に記載の自動注射器。
【請求項18】
前記カセット相互作用部品の各々が、該カセット相互作用部品のうちの別の1つとは独立して前記近位端平面を通って移動するように適合されている、請求項1及び16~17のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項19】
前記1つ以上のカセット相互作用部品が、前記カセット内に含まれるストッパの近位移動のために構成されたピストン(1168)と、1つ以上の注射器ピンであって、
・第1のカセット係止ピン(1156)と、
・皮膚センサピン(1158)と、を含む、1つ以上の注射器ピンと、を含む、請求項1及び16~18のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項20】
前記1つ以上の注射器ピンが、カセット検出ピン(1160)を更に含む、請求項19に記載の自動注射器。
【請求項21】
前記1つ以上の注射器ピンが、第2のカセット係止ピン(1159)を更に含む、請求項19又は20に記載の自動注射器。
【請求項22】
前記自動注射器が、シャーシ(1110)を備え、該シャーシ(1110)が、該シャーシの近位端(1111)に近位シャーシ部分(1114)を有する、請求項1~21のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項23】
前記近位シャーシ部分(1114)が、1つ以上の開口部(1115、1116、1118、1119)を含み、前記1つ以上の開口部が、前記自動注射器(1000)内部へのカセット(500)の固設後又は固設中に、各開口部を通した注射器ピン(1156、1158、1159)又は前記ピストン(1168)の通過を可能にするように適合されている、請求項22に記載の自動注射器。
【請求項24】
前記1つ以上の開口部は、
・前記自動注射器ピストン(1168)が内部を通過することを可能にするためのピストン開口部(1115)と、
・前記第1のカセット係止ピン(1156)が内部を通過することを可能にするための第1のピン開口部(1116)と、
・前記自動注射器の皮膚センサピン(1158)が内部を通過することを可能にするための第3のピン開口部(1118)と、を含む、請求項23に記載の自動注射器。
【請求項25】
前記1つ以上の開口部が、前記カセット(500)に含まれる第1のカセット皮膚センサピン(557)の通過を可能にするための第2のピン開口部(1117)を更に含む、請求項24に記載の自動注射器。
【請求項26】
前記1つ以上の開口部は、前記第2のカセット係止ピン(1159)が内部を通過することを可能にするための第4のピン開口部(1119)を更に含む、請求項24又は25に記載の自動注射器。
【請求項27】
前記1つ以上の開口部は、前記カセット検出ピン(1160)が内部を通過することを可能にするための第5の開口部(1120)を更に含む、請求項24~26のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項28】
前記自動注射器が、前記ピストン(1168)を前記長手方向軸に沿って近位方向に移動させるように適合された駆動モジュール(1150)を備える、請求項18~27のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項29】
前記駆動モジュール(1150)が、前記ピストン(1168)を前記長手方向軸に沿って遠位方向に移動させるように更に適合されている、請求項28に記載の自動注射器。
【請求項30】
駆動モジュール(1150)が、前記第1のカセット係止ピン(1156)、及び/又は前記皮膚センサピン(1158)、及び/又は前記第2のカセット係止ピン(1159)を前記長手方向軸に沿って前記近位方向に移動させるように更に構成されている、請求項28又は29に記載の自動注射器。
【請求項31】
前記第1のカセット係止ピン(1156)及び前記第2のカセット係止ピン(1159)は、前記ピストン(1168)及び前記カセット係止ピン(1156、1159)が、前記長手方向軸に沿って一緒に移動するように、前記ピストン(1168)に係止される、請求項28~30のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項32】
請求項1~31のいずれか1項に記載の自動注射器と、カセット(500)と、を備えるシステムであって、前記カセット(500)が、
○前記薬剤を収容し、近位端から遠位端まで延在するシリンジ区画(202)であって、前記近位端は、前記薬剤が前記シリンジ区画(202)から出ることを可能にされている針と接続されるように適合されている、シリンジ区画(202)と、
○ストッパ(208)であって、前記シリンジ区画を空にするために、前記ストッパを近位に移動させる前記自動注射器内のピストン(1168)によって、前記シリンジ区画内の遠位位置から近位位置まで移動可能である、ストッパ(208)と、
○前記シリンジ区画(202)の少なくとも一部の周囲に延在するシリンジホルダ(510)と、を含む、システム。
【請求項33】
前記カセット(500)が、共有の長手方向軸に沿って前記カセット(500)及び前記自動注射器を互いに向けて移動させることによって、前記共有の長手方向軸を中心とした前記カセットの著しい回転を伴わずに、前記自動注射器(1000)内に受容されるように適合されている、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記カセットが、前記シリンジ区画(202)の近位端と流体接続された中空針(204)を更に含む、請求項32又は33に記載のシステム。
【請求項35】
前記カセットが、前記シリンジ区画の近位端に接続され、中空針(204)を覆うように適合された剛性針シールド(206)を更に含む、請求項32~34のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項36】
前記シリンジ区画(202)、前記中空針(204)が、及び前記ストッパ(208)が、前記シリンジホルダ(510)内部に固定されたシリンジ(200)の部分である、請求項34又は35に記載のシステム。
【請求項37】
前記駆動モジュール(1150)が前記第1のカセット係止ピン(1156)を近位に移動させたときに、前記カセット(500)は、自動注射器(1000)内に係止される、請求項32~36のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項38】
前記カセットが、カセットキャップ(530)と、カセット皮膚センサ(550)と、を更に含む、請求項32~37のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項39】
前記カセットキャップ(530)が、前記剛性針シールド(206)と前記シリンジ区画(202)の近位端との間に配置された第1の部分(531)を含む、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記駆動モジュール(1150)が前記第1のカセット係止ピン(1156)を更に前記近位方向に移動させたときに、前記カセット皮膚センサ(550)が、前記シリンジホルダ(510)から遠位に係止解除されて、前記カセット皮膚センサ(550)の遠位移動を可能にするように適合されている、請求項38又は39に記載のシステム。
【請求項41】
前記駆動モジュール(1150)が、前記第2のカセット係止ピン(1158)を更に前記近位方向に移動させたときに、前記カセット皮膚センサ(550)は、前記シリンジホルダ(510)から近位に係止解除されて、前記シリンジホルダ(510)に対する前記カセット皮膚センサ(550)の近位方向の移動を可能にするように適合されている、請求項38~40のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項42】
少なくとも、前記第1のカセット係止ピン(1156)及び/又は前記第2のカセット係止ピン(1159)の近位方向への移動による前記シリンジホルダ(510)からのカセット皮膚センサ(550)の解放後に、自動注射器(1000)の皮膚センサピン(1158)を第2のカセット皮膚センサピン(558)に押し付けるように適合された皮膚センサばねシステム(1143)を更に備える、請求項38~41のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項43】
前記皮膚センサばねシステム(1143)が、前記カセット皮膚センサ(550)を近位方向に係止位置に押して、前記カセット皮膚センサ(550)の遠位方向への移動を防止するように適合されている、請求項42に記載のシステム。
【請求項44】
前記カセット覆いセクション(1108)が、前記ハウジング(1102)の長手方向に延在する少なくとも1つの開口部(1107)を含み、
前記カセットハウジング(540)が、該カセットハウジング(540)の長手方向軸に沿って延在する少なくとも1つの開口部(547)を含み、
前記カセットハウジング(540)内の少なくとも1つの開口部(547)、及び前記カセット覆いセクション(1108)内の少なくとも1つの開口部(1107)は、前記カセットが自動注射器内部に配置されたときに整列して、前記シリンジ区画(202)内の前記薬剤の検査を容易にする、請求項32~43のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項45】
前記カセット覆いセクション(1108)及び前記カセットハウジング(540)が各々、前記ハウジング(1102)及び前記カセットハウジング(540)の両側において前記長手方向に延在する2つの開口部(1107、547)をそれぞれ含み、該開口部(547、1107)は、前記カセットが自動注射器内部に配置されたときに整列して、2つの反対方向からのシリンジ区画(202)内の薬剤の検査を容易にする、請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
前記カセットハウジング及び前記自動注射器ハウジングが、該カセットハウジング(540)及び前記自動注射器ハウジング(1102)の長手方向軸と垂直な断面平面を有し、該断面平面が、楕円形又は正方形の形状などの非円形の形状である、請求項44又は45に記載のシステム。
【請求項47】
前記カセット覆いセクション(1108)が、前記カセットを前記カセット覆いセクション内に挿入するときに、前記カセットを正しい位置に案内するように構成された、前記長手方向と平行な内部案内トラックを含む、請求項44~46のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項48】
前記内部案内トラックが、自動注射器ハウジングのカセット覆いセクション(1108)内部の開口部(1107)の部分を形成している、請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
薬剤を有するカセット(500)と、前記薬剤を投与するための自動注射器(1000)と、を備えるシステムであって、前記カセット(500)が、前記自動注射器(1000)内に取り外し可能に受容され、
前記自動注射器(1000)が、長手方向軸に沿って近位端(1103)から遠位端(1104)まで延在するハウジング(1102)を含み、該ハウジング(1102)が、前記注射器(1000)内部に受容されたときに前記カセット(500)を覆うカセット覆いセクション(1108)を含み、該カセット覆いセクション(1108)が、前記ハウジング(1102)の長手方向に延在する少なくとも1つの開口部(1107)を含み、
前記カセットが、長手方向軸に沿って近位端(502、505)から遠位端(503、506)まで延在しており、カセットハウジング(540)を含み、該カセットハウジングが、少なくとも、
○前記薬剤を収容し、該薬剤を送達するための針と接続するように適合されているシリンジ区画(202)と、
○該シリンジ区画を空にするために、該シリンジ区画内部を遠位位置から近位位置まで移動可能なストッパ(208)と、を囲み、
前記カセットハウジング(540)が、該カセットハウジング(540)の長手方向軸に沿って延在する少なくとも1つの開口部(547)を含み、
前記カセットハウジング(540)内の開口部(547)、及び前記カセット覆いセクション(1108)内の開口部(1107)は、前記カセットが自動注射器内部に配置されたときに整列して、前記シリンジ区画(202)内の薬剤の検査を容易にする、システム。
【請求項50】
前記カセット覆いセクション(1108)及び前記カセットハウジング(540)が各々、前記ハウジング(1102)及び前記カセットハウジング(540)の両側において前記長手方向に延在する2つの開口部(1107、547)をそれぞれ含み、該開口部(547、1107)は、前記カセットが自動注射器内部に配置されたときに整列して、2つの反対方向からのシリンジ区画(202)内の薬剤の検査を容易にする、請求項49に記載のシステム。
【請求項51】
前記カセット覆いセクション(1108)が、前記カセットを前記カセット覆いセクション内に挿入するときに、前記カセットを正しい位置に案内するように構成された前記長手方向と平行な内部案内トラックを含む、請求項49又は50に記載のシステム。
【請求項52】
前記カセット覆いセクション(1108)が、前記長手方向と平行な内部案内トラックを含む、請求項49~51のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項53】
前記内部案内トラックが、自動注射器ハウジングのカセット覆いセクション(1108)内部の1つ以上の開口部(1107)の部分を形成している、請求項52に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善されたカセット及び自動注射器システムに関する。
【背景技術】
【0002】
患者への薬剤送達のための自動注射器は、患者に送達される薬剤の種類に応じて多くの種類になる。2つの部品間の良好な適合を得るための自動注射器及びカセットの組み立ては、2つの部品が特定の様式で整列されている場合にのみ確実にされることが多い。同じことは、カセット及び自動注射器内の個々の部品の組み立てにも当てはまる。
【0003】
自動注射器が、カセットが挿入される再使用可能な物品である場合、ユーザは、自動注射器の寿命を延ばすために、すべての動作部品が完全に機能することを確実にする必要がある。
【発明の概要】
【0004】
本明細書を通じて、近位方向又は近位表面へのすべての言及は、挿入方向、すなわち挿入針の方向、及び薬剤の注射中に皮膚に接触する自動注射器の外側部分の方向に配向された部品、表面、及び同様のものを指す。近位方向における及び/又は近接した部分の移動は、薬剤の注射中に挿入針及び自動注射器の外側部分が皮膚に接触する方向の動きを指す。
【0005】
同様に、遠位方向又は遠位面へのすべての参照は、挿入針の方向から離れる方向、すなわちユーザの方向に向けられた部分、表面、及び同様の方向を指す。遠位方向における及び/又は遠位への部分の移動は、挿入針から離れる方向、及び自動注射器の外側部品が薬剤の注射中に皮膚に接触する方向、すなわちユーザの方向への移動を指す。
【0006】
第1の態様において本明細書に開示されるのは、薬剤を有するカセットを受容し、カセット内の薬剤を患者に投与するように適合された自動注射器であって、自動注射器が、長手方向軸に沿って近位端から遠位端まで延在しており、カセットが、長手方向に沿って自動注射器内に取り外し可能に受容され、自動注射器が、カセットを自動注射器内部に固設及び係止し、薬剤の投与を容易にするように適合された1つ以上のカセット相互作用部品を更に備え、1つ以上のカセット相互作用部品が、自動注射器の長手方向軸と平行に移動するように構成されている、自動注射器である。
【0007】
取り外し可能に受容されるとは、再使用可能な自動注射器内に受容され得る使い捨てカセットを意味する。使い捨てカセットは、1回使用カセット、又は複数回投与を備えるカセットであり得る。
【0008】
自動注射器の長手方向軸と平行な移動により、自動注射器に最小の応力が発生することが確実にされる。これは、自動注射器の寿命を延ばす。更に、より薄い設計は、自動注射器の長手方向軸と平行なカセット相互作用部品の移動によって取得可能である。自動注射器及びカセットは、自動注射器と接触するように構成されてもよく、カセットは同じ長手方向軸を共有するように構成されてもよく、カセットが注射器内に内部で詰まるリスクが軽減される。これは、接続部をできるだけ薄くし、自動注射器をできるだけ頑丈にするのに役立つ。
【0009】
第2の態様において本明細書に開示されるのは、薬剤を有するカセットを受容し、薬剤を投与するように適合された自動注射器であって、カセットが、自動注射器内に取り外し可能に受容され、自動注射器が、近位端から遠位端まで延在するハウジングと、ハウジング内部に配置された複数の内部注射器部品と、から構成され、ハウジングが、
・注射器内部に受容されたときに、カセットの少なくとも一部分を覆うように延在するカセット覆いセクションと、
・カセットが注射器内部に固設される前に、ハウジング内部の内部注射器部品を覆うように延在する遠位セクションと、から構成されている、自動注射器である。
【0010】
内部注射器部品を覆うことによって、内部注射器部品を内部注射器部品の長手方向に延在する方向に沿って覆うことを意味する。
【0011】
2つのセクションを有することによって、自動注射器は、カセットが内部注射器部品の近位端において自動注射器と接触しており、カセットが自動注射器と同じ長手方向軸を共有するように構成され得る。これにより、カセットが注射器内に詰まってしまうリスクを軽減し、また、接続部を可能な限り薄くするのに役立つ。また、カセット覆いセクション内に配置されるカセットのみが必要とされる二断面構造によって、自動注射器内の内部部品へのユーザアクセスが遮断され得る。これはまた、不純物/埃が自動注射器内部部品に侵入することも低減し、次いで、例えば、汚れ及び埃などを収集する溝がないため、自動注射器を清潔に保つことが容易になる。それによって、より堅牢な自動注射器が取得される。これは、自動注射器の寿命を延ばす。
【0012】
第3の態様において本明細書に開示されるのは、薬剤を有するカセットを受容し、薬剤を投与するために適合された自動注射器であって、自動注射器が、長手方向に沿って近位端から遠位端に延在するハウジングを備え、ハウジングが、
・注射器内部に受容されたときに、カセットを覆うように延在するカセット覆いセクションと、
・すべての内部注射器部品を覆うように延在する遠位セクションであって、自動注射器は、自動注射器内部に固設されたときにカセットの遠位端に当接するように適合されたカセット当接表面を備え、
カセット当接表面が、カセット及び自動注射器を組み立てる前に、内部注射器部品が近位に実質的に延在しない近位端平面を画定する、遠位セクションと、を含む、自動注射器である。
【0013】
内部注射器部品を覆うことによって、内部注射器部品を内部注射器部品の長手方向に延在する方向に沿って覆うことを意味する。
【0014】
実質的には、内部注射器部品のわずかな部分のみが、カセット当接表面と比較して近位に2%、5%、又は10%まで突出するような、少量突出する状況が含まれる。いくつかの例では、部品が近接して突出していない。
【0015】
カセット及び自動注射器を組み立てる前に、内部注射器部品が近位に実質的に延在しないカセット当接表面を有することによって、滑らかな内部及びカセット接触部を提供し、これは、カセットが注射器内で内部に詰まるリスクを軽減する。また、カセット当接表面によって、自動注射器内の内部部品へのユーザアクセスが遮断され得る。これはまた、不純物/埃が自動注射器内部部品に侵入することも低減し、次いで、例えば、汚れ及び埃などを収集する溝がないため、自動注射器を清潔に保つことが容易になる。それによって、より堅牢な自動注射器が取得される。次に、自動注射器の寿命が延ばされる。
【0016】
1つ以上の例では、カセット当接表面は、実質的に空洞がない近位端平面を画定し、そこから遠位セクションに遠位に延在する。
【0017】
1つ以上の実施例では、ハウジングは、内部注射器部品を包囲し、内部注射器部品が、少なくとも、ピストンと、ピストンを近接して移動させるように適合された駆動モジュールと、シャーシと、を含み、内部注射器部品が、近位端平面及び遠位端平面によって画定され、自動注射器が、内部部品の近位端平面と遠位端平面との両方において騒音低減材料を備える。
【0018】
第4の態様において本明細書に開示されるのは、薬剤を有するカセットを受容し、薬剤を投与するように適合された自動注射器であって、カセットが、自動注射器に取り外し可能に受容され、自動注射器が、内部注射器部品を包囲するハウジングを備え、内部注射器部品が、少なくとも、ピストンと、ピストンを近接して移動させるように適合された駆動モジュールと、シャーシと、を含み、内部注射器部品が、近位端平面及び遠位端平面によって画定され、自動注射器が、内部部品の近位端平面と遠位端平面との両方において騒音低減材料を含む、自動注射器である。
【0019】
騒音低減材料によって、ユーザが気にする可能性のある使用中の音が、排除されない場合は低減されるので、ユーザ体験が改善される。第1の騒音低減材料は、カセットと内部注射器部品、すなわち近位端平面との間に配置され、自動注射器部品が移動してカセット部品に接触及び/又は作用するときに生じるノイズを減衰させることができる。自動注射器ハウジングはまた、第2の騒音低減材料が配置される遠位ハウジング端部プレートも備え得る。したがって、第2の騒音低減材料は、遠位ハウジング端部プレートの遠位端平面の間に配置され得る。これは、主に自動注射器の部品及び/又は自動注射器に力を伝達するカセットを遠位に移動させることによって騒音を減衰する。
【0020】
1つ以上の実施例では、駆動モジュールは、ピストンを遠位に移動させるように更に適合されている。したがって、駆動モジュールは、薬剤の終了送達後にピストンを遠位に移動させて自動注射器を復帰させ、新しいカセットが自動注射器に取り付けられたときに新しい薬剤用量を送達する準備ができるようにする。
【0021】
1つ以上の例では、騒音低減材料は、1つ以上のOリングである。代替的又は相補的に、騒音低減材料は、ゴムなどの軟質材料である。
【0022】
1つ以上の実施例では、近位端平面は、自動注射器の長手方向に垂直な方向に延在している。
【0023】
1つ以上の実施例では、自動注射器は、自動注射器内部のカセットを固設及び固定し、薬剤の投与を容易にするように適合された1つ以上のカセット相互作用部品を備え、1つ以上のカセット相互作用部品は、注射器内部にカセットを固設する前に近位端平面から近位に延在しない。
【0024】
1つ以上の例では、1つ以上のカセット相互作用部品は、カセットが自動注射器内に配置された後に近位方向に移動するように適合され、それによって、カセット相互作用部品のうちの1つ以上の少なくとも一部分は、自動注射器内の近位端平面から近位方向に延在している。
【0025】
1つ以上の実施例では、カセット相互作用部品の各々は、カセット相互作用部品のうちの別の1つとは独立して近位端平面を通って移動するように適合されている。
【0026】
1つ以上の実施例では、1つ以上のカセット相互作用部品は、カセット内に備えられるストッパの近位移動のために構成されたピストンと、1つ以上の注射器ピンであって、
・第1のカセット係止ピンと、
・皮膚センサピンと、を含む、1つ以上の注射器ピンと、を含む。
【0027】
1つ以上の実施例では、1つ以上のカセット相互作用部品は、カセット検出ピンを含む。カセット検出ピンは、磁気検出システムなどの他の検出手段によって、例えば、カセット上の磁石及び互いに接触している自動注射器表面、及びシャーシ内部の対応するホールセンサによって置換され得る。あるいは、カセットは、注射器上の表面と接触するピンを有し得、それによって、カセットの検出が自動注射器に記録される。
【0028】
1つ以上の実施例では、1つ以上の注射器ピンは、第2のカセット係止ピンを更に含む。「第1の」及び「第2の」カセット係止ピンという用語は、2つのピンの存在を表すことのみを意味する。ピンは、自動注射器に挿入されたときのカセットの配向に応じて同じ動作を実行し得る。したがって、両方のピンは、例えば、カセットを自動注射器内に係止するため、及び/又は、薬剤の送達を可能にするカセット部品を解放するため、及び/又は、例えば、薬剤の送達後に注射針への評価を防止するために薬剤の送達後にカセット部品を互いに対して係止するために機能し得る。自動注射器が特定の様式で配向される場合にのみカセットの挿入を可能にするように自動注射器が設計されている場合、より少ないピンが必要とされる。自動注射器が自動注射器と比較して複数の方法で配向されたときにカセットの挿入を可能にするように設計されている場合、追加のピンが通常必要とされる。ピンは、カセットを180度回転させるときにカセットの挿入を可能にする鏡像構成で配置されてもよい。
【0029】
1つ以上の実施例では、自動注射器は、シャーシを備え、シャーシは、シャーシの近位端に近位シャーシ部分を有する。近位シャーシ部分は、通常、自動注射器の長手方向と垂直である。近位シャーシ部分は、円形形状、楕円形形状、正方形形状、丸い角を有する正方形形状、又は同様のプレートであり得る。近位シャーシ部分は、少なくとも1つの鏡像平面の周囲で対称であり得る。
【0030】
1つ以上の実施例では、近位シャーシ部分は、1つ以上の開口部を備え、1つ以上の開口部は、自動注射器内部のカセットの固設後又は固設中に、各開口部を通して注射器ピン又はピストンの通過を可能にするように適合されている。近位シャーシ部分は、近位端平面を越えて遠位にある任意のカセット部品の移動を制限するように適合されたU形状を有する開口部を更に備え得る。U形状にはまた、鋭い角を有するUも含まれている。
【0031】
1つ以上の実施例では、1つ以上の開口部は、
・自動注射器ピストンが内部を通過することを可能にするピストン開口部と、
・第1のカセット係止ピンが内部を通過することを可能にするための第1のピン開口部と、
・自動注射器の皮膚センサピンが内部を通過することを可能にするための第3のピン開口部と、を備える。
【0032】
1つ以上の実施例では、1つ以上の開口部は、カセットに備えられる第1のカセット皮膚センサピンの通過を可能にするための第2のピン開口部を更に備える。第2のピン開口部は、第1のカセットセンサピンひいては自動注射器内部のカセット皮膚センサの遠位移動を制限する端面を有するU形状の開口部であり得る。
【0033】
1つ以上の実施例では、1つ以上の開口部は、第2のカセット係止ピンが内部を通過することを可能にするための第4のピン開口部を更に備える。上述したように、「第1の」及び「第2の」係止ピンの定義は、カセットが自動注射器に挿入されるときに、カセットの配向に依存して定義され得る。
【0034】
1つ以上の実施例では、1つ以上の開口部は、カセット検出ピンが内部を通過することを可能にするための第5の開口部を更に備える。カセット検出ピンは、代替のカセット検出システムによって置換されてもよく、第5の開口部が排除される必要性が排除されてもよい。
【0035】
1つ以上の例では、自動注射器は、ピストンを長手方向軸に沿って近位方向に移動させるように適合された駆動モジュールを備える。駆動モジュールは、ピストンを長手方向軸に沿って遠位方向に移動させるように更に適合されてもよい。
【0036】
1つ以上の実施例では、駆動モジュールは、第1のカセット係止ピン、及び/又は皮膚センサピン、及び/又は第2のカセット係止ピンを長手方向軸に沿って近位方向に移動させるように更に構成されている。更に、第1のカセット係止ピン及び第2のカセット係止ピンは、ピストン及びカセット係止ピンが長手方向軸に沿って一緒に移動するようにピストンに係止され得る。
【0037】
第6の態様において本明細書に開示されるのは、薬剤を有するカセットと、薬剤を投与するための自動注射器と、を備えるシステムであって、カセットが、自動注射器内に取り外し可能に受容されており、
自動注射器が、長手方向軸に沿って近位端から遠位端まで延在するハウジングを備え、ハウジングが、注射器内部に受容されたときにカセットを覆うカセット覆いセクションを備え、カセット覆いセクションは、ハウジングの長手方向に延在する少なくとも1つの開口部を備え、
カセットが、長手方向軸に沿って近位端から遠位端まで延在しており、カセットハウジングを備え、カセットハウジングが、少なくとも、
○薬剤を収容し、薬剤を送達するための針と接続するように適合されているシリンジ区画と、
○シリンジ区画を空にするために、シリンジ区画内部の遠位位置から近位位置まで移動可能なストッパと、を含み、
カセットハウジングが、カセットハウジングの長手方向軸に沿って延在する少なくとも1つの開口部を備え、
カセットハウジング内の開口部、及びカセット覆いセクション内の開口部は、カセットが自動注射器内部に配置されたときに整列して、シリンジ区画内の薬剤の検査を容易にする、システムである。
【0038】
開口部にはまた、シースルー材料によって覆われた開口部、すなわち窓タイプの開口部も含まれる。開口部は、薬剤の容易な検査を可能にする。更に、整列した開口部は、カセットの自動注射器へのユーザフレンドリーな組み立て及び案内を可能にする。
【0039】
1つ以上の例では、カセット覆いセクション及びカセットハウジングが各々、ハウジング及びカセットハウジングの両側において長手方向に延在する2つの開口部をそれぞれ含み、開口部は、カセットが自動注射器内部に配置されたときに整列して、2つの反対方向からのシリンジ区画内の薬剤の検査を容易にする。開口部は、ハウジング内に延在するU形状の開口部として形成され得る。これにより、ユーザは、デバイス全体を通して見ることができ、それによって、シリンジ区画内に収容される薬物中の可能性のある誤着色及び場合によっては微粒子のより良い視野を提供するために、シリンジ区画を通してより多くの光を当てることができる。
【0040】
1つ以上の例では、カセット覆いセクションは、カセットをカセット覆いセクション内に挿入するときに、カセットを正しい位置に案内するように構成された長手方向と平行な内部案内トラックを備える。自動注射器内部のカセットの容易な案内は、注射器内部の正しい配置を確実にしている。
【0041】
1つ以上の実施例では、カセット覆いセクションは、長手方向と平行な内部案内トラックを備える。
【0042】
1つ以上の実施例では、内部案内トラックは、自動注射器ハウジングのカセット覆いセクションの内部に1つ以上の開口部の部分を形成する。
【0043】
カセット受容シャーシ、ピストン、及び駆動モジュールは、自動注射器のハウジング内部に備えられる。カセットは、自動注射器内に取り外し可能に受容される。
【0044】
第5の態様において本明細書に開示されるのは、上記の態様のいずれかによる自動注射器と、カセットと、を備えるシステムであって、カセットは、
○薬剤を収容し、近位端から遠位端まで延在するシリンジ区画であって、近位端は、薬剤がシリンジ区画から出ることを可能にされている針と接続されるように適合されている、シリンジ区画と、
○ストッパであって、シリンジ区画を空にするために、ストッパを近位に移動させる自動注射器内のピストンによって、シリンジ区画内部の遠位位置から近位位置まで移動可能である、ストッパと、
○シリンジ区画の少なくとも一部の周囲に延在するシリンジホルダと、を備える、システムである。
【0045】
針は、シリンジ区画の近位端と流体接続し、シリンジの一部としてシリンジに接続された中空針であり得る。あるいは、薬剤の注射の前に、ルアー係止針をシリンジに接続することができる。更に別の代替例として、シリンジシステムは、その遠位端及びゴム製隔壁でその近位端にあるストッパにおいて終端したシリンジシステムを有し、遠位端の貫通針が注射器に取り付けられたときに隔壁を突き破り、近位針の端は患者の皮膚内に貫通する。
【0046】
1つ以上の実施例では、カセットは、シリンジ区画の近位端と流体接続する中空針を更に備える。更に、カセットは、シリンジ区画の近位端に接続され、中空針を覆うように適合された剛性針シールドを含み得る。中空針は、カセットの部分であってもよく、薬剤送達前にカセット内のシリンジに接続されてもよい。後者は、上述したようにカセットに接続されたときに、ルアー係止又は針システムがシリンジ内の隔壁を貫通する場合であってもよい。
【0047】
1つ以上の実施例では、カセットは、カセットキャップ及びカセット皮膚センサを更に備える。1つ以上の例では、カセットキャップは、剛性針シールドとシリンジ区画の近位端との間に配置される第1の部分を備える。第1の部分は、代替的に、鋭い縁部を有する「フック」を有することができ、これは、その遠位端での代わりに剛性針シールドの側部に刻み込む。また、他の代替案も可能である。
【0048】
したがって、カセットは、
○薬剤を収容し、近位端から遠位端まで延在するシリンジ区画と、
○シリンジ区画の近位端と流体接続する中空針と、
○シリンジ区画の近位端に接続され、中空針を覆う剛性針シールドと、
○ストッパであって、シリンジ区画を空にするためにストッパを近位に移動させるピストンによって、シリンジ区画内部の遠位位置から近位位置に移動可能である、ストッパと、
○シリンジ区画の少なくとも一部分の周囲に延在するシリンジホルダと、
○剛性針シールドとシリンジ区画の近位端との間に配置された第1の部分を有するカセットキャップと、
○カセット皮膚センサと、を備え得る。
【0049】
1つ以上の実施例では、シリンジ区画、中空針、及びストッパは、シリンジの部分である。注射器は、注射器の遠位端においてシリンジホルダ内部に固定され得る。
【0050】
1つ以上の実施例では、カセットは、カセットの遠位端において同じ長手方向軸を共有する自動注射器と相互作用する。これにより、カセットが注射器内に詰まってしまうリスクを軽減し、また、可能な限り滑動部として接続を行うのに役立つ。
【0051】
1つ以上の実施例では、カセットは、共有の長手方向軸に沿ってカセット及び自動注射器を互いに向けて移動させることによって、共有の長手方向軸を中心としたカセットの著しい回転を伴わずに、自動注射器内に受容されるように適合されている。
【0052】
1つ以上の実施例では、駆動モジュールが第1のカセット係止ピンを近位に移動させるときに、カセットは自動注射器に係止される。第2のカセット係止ピンは、第2のカセット係止ピンの近位移動によって自動注射器内のカセットを追加的に又は代替的に係止することができる。カセット係止ピンは、同時に又は個別に移動し得る。カセット係止ピンはまた、例えば、3つのピンを一緒に係止/接続することによって、ピストンとともに移動し得る。
【0053】
1つ以上の実施例では、駆動モジュールが第1のカセット係止ピンを更に近位方向に移動させたときに、カセット皮膚センサは、シリンジホルダから遠位に係止解除されてカセット皮膚センサの遠位移動を可能にするように適合されている。第2のカセット係止ピンは、第2のカセット係止ピンの更なる近位移動によってシリンジホルダを追加的に又は代替的に係止解除することができる。カセット係止ピンは、同時に又は個別に移動し得る。カセット係止ピンはまた、例えば、3つのピンを一緒に係止/接続することによって、ピストンとともに移動し得る。したがって、駆動モジュールが、第2のカセット係止ピンを更に近位方向に移動させたときに、カセット皮膚センサは、シリンジホルダから近位に係止解除されてシリンジホルダに対するカセット皮膚センサの近位方向の移動を可能にするように適合され得る。
【0054】
1つ以上の実施例では、駆動モジュールがピストンを近位に移動させるときに、第2のカセット係止ピンは、カセット皮膚センサの移動のためにも係止解除するように適合されている。
【0055】
1つ以上の実施例では、システムは、第1のカセット係止ピン及び/又は第2のカセット係止ピンの近位方向への移動によるシリンジホルダからのカセット皮膚センサの少なくとも解放後に、自動注射器の皮膚センサピンを第2のカセット皮膚センサピンに押し付けるように適合された皮膚センサばねシステムを更に備える。
【0056】
1つ以上の実施例では、皮膚センサばねシステムは、カセット皮膚センサを近位方向に係止位置に押して、カセット皮膚センサの遠位方向への移動を防止するように適合されている。これにより、薬剤の最終送達後に針が露出されないことが確実にされる。カセット皮膚センサは、カセット皮膚センサの遠位移動を防止する係止位置内に押され得る。遠位係止は、カセット皮膚センサアームによって容易にされ得、カセット皮膚センサアームの係止表面は、カセットハウジング内の内側開口部に係止する。カセット皮膚センサの近位移動はまた、例えば、ハウジング皮膚センサ表面の追加のセットによって防止され得る。
【0057】
1つ以上の実施例において、シリンジホルダは、シリンジ区画を支持するシリンジホルダ支持管を備える。
【0058】
1つ以上の実施例では、カセット皮膚センサは、シリンジホルダの大部分など、シリンジホルダの少なくとも一部を覆う。
【0059】
1つ以上の実施例では、カセット皮膚センサは、少なくとも第1皮膚センサピン及び/又はカセット皮膚センサの遠位端から延在する第2皮膚センサピンを含む。
【0060】
1つ以上の実施例において、シリンジホルダは、
・自動注射器の第1のカセット係止ピンが内部を通過することを可能にする第1のピン開口部と、
・第1のカセット皮膚センサピンの通過を可能にする第2のピン開口部と、
・自動注射器の皮膚センサピン及び/又は第2のカセット皮膚センサピンが内部を通過することを可能にする第3のピン開口部と、
・自動注射器の第2のカセット係止ピンが内部を通過することを可能にする第4のピン開口部と、
・自動注射器ピストンが内部を通過することを可能にするピストン開口部と、の群から選択される1つ以上の開口部を含む。
【0061】
1つ以上の実施例では、シリンジホルダはシリンジホルダプレートを備え、ピストン開口部及び/又はピン開口部のうちの1つ以上は、シリンジホルダプレート内に配置される。
【0062】
1つ以上の実施例では、シリンジホルダは、シリンジホルダプレートから近位方向に延在する第1のシリンジホルダアームを備える。
【0063】
1つ以上の実施例では、第1シリンジホルダアームは、近位面を備え、カセット皮膚センサは、近位面と係合する第1係止突起を備え、第1係止突起と近位面との係合は、カセット皮膚センサがシリンジホルダに向かって移動することを防止する。
【0064】
1つ以上の実施例では、第1のシリンジホルダアームは、シリンジホルダプレートに柔軟に接続される。
【0065】
1つ以上の実施例では、第1のシリンジホルダアームは、自動注射器の第1のカセット係止ピンの、シリンジホルダ内の第1のピン開口部を通る近位移動によって偏向可能であり、第1シリンジホルダアームの撓みは、カセット皮膚センサを解放して、シリンジホルダに向かって移動させる。
【0066】
1つ以上の実施例では、カセット皮膚センサがシリンジホルダに向かって移動すると、
-第1カセット皮膚センサピンが、シリンジホルダ内の第2のピン開口部に入る/延在する、及び
-第2カセット皮膚センサピンが、シリンジホルダ内の第3のピン開口部に入る/延在する。
【0067】
1つ以上の実施例では、シリンジホルダは、シリンジホルダプレートから近位方向に延在する第2のシリンジホルダアームを備える。
【0068】
1つ以上の実施例では、第2シリンジホルダアームは遠位面を備え、カセット皮膚センサは、遠位面が支えられる第2係止突起を備え、第2係止突起と遠位面との係合は、カセット皮膚センサのシリンジホルダから離れる移動を防止する。
【0069】
1つ以上の実施例では、第2のシリンジホルダアームは、シリンジホルダプレートに柔軟に接続される。
【0070】
1つ以上の実施例では、第2のシリンジホルダアームは、自動注射器の第2のカセット係止ピンの、シリンジホルダ内の第4のピン開口部を通る近位移動によって偏向可能であり、第2シリンジホルダアームの撓みは、カセット皮膚センサがシリンジホルダから離れる方向に移動することを可能にする。
【0071】
1つ以上の実施例では、シリンジホルダは、カセット内のシリンジを係止する1つ以上のシリンジ係止突出部を更に備える。
【0072】
1つ以上の実施例では、カセットが自動注射器内に配置されたとき、シリンジホルダ、したがってカセットは自動注射器ハウジングに係止される。
【0073】
1つ以上の実施例では、シリンジホルダ及び皮膚センサは、皮膚センサをシリンジホルダから解放すると、互いに対して長手方向に移動可能である。
【0074】
1つ以上の実施例では、カセットは、近位端から遠位端まで延在するカセットハウジングを更に備え、カセットハウジングは、少なくともシリンジホルダ及びカセット皮膚センサを封入する。
【0075】
1つ以上の実施例では、カセットハウジングは、遠位端に1つ以上の係止開口部を備え、開口部内に、シリンジホルダ上の1つ以上のシリンジホルダ係止突出部が、シリンジホルダをカセットハウジングに係止する。
【0076】
1つ以上の実施例では、カセットハウジングは、カセットハウジングの内側に、カセットハウジング内に皮膚センサを案内するための1つ以上の内部突出レールを備える。
【0077】
1つ以上の実施例では、カセットハウジングは、皮膚センサハウジング開口部を有する遠位端表面を含み、この開口部を通してカセット皮膚センサが延在する。
【0078】
1つ以上の実施例では、カセットハウジングは楕円形である。
【0079】
1つ以上の実施例では、カセットキャップは、第1の部分を有する内側剛性針シールド管と外側剛性針シールド管とを備え、
・外側剛性針シールド管は、内側剛性針シールド管を取り囲み、
・内側剛性針シールド管は、剛性針シールドを取り囲む。
【0080】
1つ以上の実施例では、外側剛性針シールド管は、カセットハウジングの遠位端面に当接し、カセット皮膚センサの近位端は、内側剛性針シールド管と外側剛性針シールド管との間に配置される。
【0081】
1つ以上の実施例では、カセットキャップは、シリンジ区画から取り外し可能であり、カセットキャップが取り外されると、剛性針シールドがそれに追従し、それによって中空針が露出する。
【0082】
1つ以上の実施例では、カセットキャップは、シリンジとカセット皮膚センサとの間に配置された細長い管である。
【0083】
1つ以上の実施例では、カセットキャップは、カセットキャップの遠位端から延在する少なくとも1つのホルダピンを備える。
【0084】
1つ以上の実施例では、少なくとも1つのホルダピンに当接する自動注射器内のカセットキャップピンの近位移動時に、カセットキャップ、それによって剛性針シールドも近位に押されて、剛性針シールドを解放する。
【0085】
1つ以上の実施例では、カセット覆いセクションは、ハウジングの長手方向に延在する少なくとも1つの開口部を備え、カセットハウジングは、カセットハウジングの長手方向軸に沿って延在する少なくとも1つの開口部を備え、カセットが自動注射器内部に配置されたときに、カセットハウジングの少なくとも1つの開口とカセット覆いセクションの少なくとも1つの開口が整列されて、シリンジ区画内の薬剤の検査を容易にする。開口部にはまた、シースルー材料によって覆われた開口部、すなわち窓タイプの開口部も含まれる。
【0086】
1つ以上の例では、カセット覆いセクション及びカセットハウジングが各々、ハウジング及びカセットハウジングの両側において長手方向に延在する2つの開口部をそれぞれ含み、開口部は、カセットが自動注射器内部に配置されたときに整列して、2つの反対方向からのシリンジ区画内の薬剤の検査を容易にする。開口部は、ハウジング内に延在するU形状の開口部として形成され得る。これにより、ユーザは、デバイス全体を通して見ることができ、それによって、シリンジ区画内に収容される薬物中の可能性のある誤着色及び場合によっては微粒子のより良い視野を提供するために、シリンジ区画を通してより多くの光を当てることができる。
【0087】
1つ以上の例では、カセットハウジング及び自動注射器ハウジングは、カセットハウジング及び自動注射器ハウジングの長手方向軸に垂直な断面平面を有し、断面平面は、楕円形又は正方形の形状などの非円形の形状である。断面平面は、長手方向軸と垂直な平面を意味する。楕円形状は、2つの垂直な半径が少なくとも10%、例えば20%、例えば30%だけ異なる断面平面を含み、最大50%である。
【0088】
1つ以上の例では、カセット覆いセクションは、カセットをカセット覆いセクション内に挿入するときに、カセットを正しい位置に案内するように構成された長手方向と平行な内部案内トラックを含む。自動注射器内部のカセットの容易な案内によって、注射器内部の正しい配置を確実にしている。
【0089】
1つ以上の実施例では、内部案内トラックは、自動注射器ハウジングのカセット覆いセクションの内部に開口部の部分を形成する。
【0090】
1つ以上の実施例では、カセット受容シャーシは、近位端から遠位端まで延在するカセット受容シャーシであり、シャーシの近位端は、近位シャーシ部分を備え、近位シャーシ部分は、
・自動注射器ピストンが内部を通過することを可能にするピストン開口部と、
・第1のカセット係止ピンが内部を通過することを可能にするための第1のピン開口部と、
・第1カセット皮膚センサピンの通過を可能にする第2のピン開口部と、
・第3のピン開口部であって、
-自動注射器の皮膚センサピンが通過すること、及び/又は
-第2カセット皮膚センサピンが内部を通過することを可能にするための第3のピン開口部と、
・第2のカセット係止ピンが内部を通過することを可能にするための第4のピン開口部と、
・カセット検出ピンが内部を通過することを可能にするための第5の開口部と、の群から選択される1つ以上の開口部を有する。
【0091】
1つ以上の実施例では、第2のピン開口部は、自動注射器の内側で第1のカセットセンサピン、したがってカセット皮膚センサの遠位移動を制限する端面を有する井戸型の開口部である。
【0092】
1つ以上の実施例では、駆動モジュールは、第1のカセット係止ピン、皮膚センサピン、第2のカセット係止ピン、及びカセット検出ピンを近位に移動させるように更に構成される。
【0093】
1つ以上の実施例では、駆動モジュールが第1のカセット係止ピンを近位に移動させるとき、カセット皮膚センサは、シリンジホルダから遠位に係止解除されてカセット皮膚センサの遠位移動を可能にし、カセット皮膚センサの係止解除が自動注射器内のカセットを係止する。
【0094】
1つ以上の実施例では、駆動モジュールが薬剤送達のためにピストンを近位に移動させるとき、第2のカセット係止ピンはまた、薬剤の送達及び/又は患者の皮膚からの自動注射器の取り外しの後に、カセット皮膚センサの近位への移動のために係止解除される。
【0095】
1つ以上の実施例では、自動注射器は、少なくとも第1のカセット係止ピン及び第2のカセット係止ピンの近位方向の移動によって、カセット皮膚センサがシリンジホルダから解放された後に、自動注射器の皮膚センサピンを第2のカセット皮膚センサピンに押し付ける皮膚センサばねシステムを更に備える。
【0096】
1つ以上の実施例では、皮膚センサばねシステムは、カセット皮膚センサの遠位移動を防止する係止位置でカセット皮膚センサを近位側に押す。
【0097】
1つ以上の実施例では、ハウジングは、カセットを受容するための近位開口部を有する1つの部品内にある。
【0098】
第7の態様において本明細書に開示されるのは、自動注射器で使用するためのカセットを組み立てるための方法であって、方法は、
・カセットハウジング及びカセットハウジングの近位端をカセットキャップの遠位端に接続することによってカセットハウジング及びカセットキャップを備える外側カセット部分を組み立てることと、
・内側カセット部分の近位端部を外側カセット部分の遠位端に挿入し、内側カセット部分の大部分が外側カセット部分によって覆われるように、内側カセット部分を外側カセット部分内に押すことと、を含む、方法である。
【0099】
この方法は、カセットの非常に容易な組み立てを可能にし、これは密封解除され、霧化され得る。また、方法は、カセットがシリンジをカセットに挿入する後続の工程のために異なる位置に出荷され得る位置の1つの場所でカセットを組み立てることを可能にする。これにより、カセットを異なる薬剤を収容する様々なシリンジとともに使用することができる。
【0100】
1つ以上の実施例では、内側カセット部分は、シリンジホルダを備えるaを備える。1つ以上の実施例では、方法は、シリンジホルダの近位端をカセット皮膚センサの遠位端に挿入し、シリンジホルダの一部分がカセット皮膚センサによって覆われるようにシリンジホルダをカセット皮膚センサ内に押すことによって、シリンジホルダ及びカセット皮膚センサを備える内側カセット部分を組み立てることを更に含む。外側カセット部分及び内側カセット部分の組み立ては、同時に又はランダムな順序で実行され得る。
【0101】
1つ以上の実施例では、カセット皮膚センサによって覆われるシリンジホルダの部分は、少なくとも10%、例えば少なくとも20%、例えば少なくとも30%、例えば少なくとも40%、例えば少なくとも50%を構成する。
【0102】
1つ以上の実施例では、カセットキャップは、長手方向軸に沿って遠位端から近位端まで延在し、方法は、遠位端が外側カセット部分の組み立て前に近位端の上に配置されるように、長手方向軸が上向き方向に配置された第1の取り付け部内にカセットキャップを配置することを更に含む。
【0103】
1つ以上の実施例では、カセットキャップは、外側カセット部分を組み立てながら、第1の取り付け部内の位置に配置されて維持される。
【0104】
1つ以上の実施例では、カセット皮膚センサは、長手方向軸に沿って遠位端から近位端まで延在し、方法は、遠位端が内側カセット部分の組み立て前に近位端の上に配置されるように、遠位端が上向き方向に配置された第2の取り付け部にカセット皮膚センサを配置することを含むことを更に含む。
【0105】
1つ以上の実施例では、カセット皮膚センサは、内側カセット部分を組み立てながら、第2の取り付け部内に配置されて維持される。
【0106】
1つ以上の例では、内側カセット部分は、外側カセット部分に挿入され、一方、外側カセット部分は、第1の取り付け部内に配置される。第1及び第2の取り付け部は、一体型取り付け部又は別個の取り付け部であり得る。第1の取り付け部は、例えば、取り付け部の第1の部分と、第2の取り付け部と、同じ取り付け部の第2の部分と、を備え得る。取り付け部を使用することによって、大量の部品を一度に組み立てることができる。
【0107】
カセットハウジングは、長手方向軸に沿って遠位端から近位端まで延在し得る。方法はまた、外側カセット部分の組み立て前に近位端が遠位端の上に配置されるように、カセットハウジングを上方向に配置することと、カセットハウジング及びカセットキャップの組み立てのために遠位端が上方に向くようにカセットハウジングを反転させることと、も含み得る。
【0108】
1つ以上の実施例では、シリンジホルダは、1つ以上のシリンジ係止突出部を備え、方法は、シリンジの近位端を内側カセット部分の遠位端に挿入し、注射器を内側カセット部分内部に押し、1つ以上の注射器係止突出部を移動させて、内側カセットの内側に注射器を係止することによって、内側カセット部分内部に注射器を固定することを更に含む。カセットハウジングがカセット係止突出部を有さない場合、シリンジは、シリンジホルダ内に摩擦力で固定され得る。
【0109】
1つ以上の実施例では、シリンジは、近位端から遠位端まで延在し、
○薬剤を収容し、近位端から遠位端まで延在するシリンジ区画であって、近位端は、薬剤がシリンジ区画から出ることを可能にされている針と接続されるように適合されている、シリンジ区画と、
○シリンジ区画内部の遠位位置から近位位置まで移動されるように適合されたストッパと、を備える。
【0110】
針は、シリンジ区画の近位端と流体接続し、シリンジの一部としてシリンジに接続された中空針であり得る。あるいは、薬剤の注射の前に、ルアー係止針をシリンジに接続することができる。更に別の代替例として、シリンジシステムは、その遠位端及びゴム製隔壁でその近位端にあるストッパにおいて終端したカートリッジを有し、遠位端の貫通針が注射器に取り付けられたときに隔壁を突き破り、近位針の端は患者の皮膚内に貫通する。
【0111】
1つ以上の実施例では、シリンジは、シリンジ区画の近位端と流体接続する中空針を更に備える。シリンジはまた、シリンジ区画の近位端に接続され、中空針を覆うように適合された剛性針シールドも備え得る。中空針は、カセットの部分であってもよく、薬剤送達前にカセット内のシリンジに接続されてもよい。後者は、上述したようにカセットに接続されたときに、ルアー係止又は針システムがシリンジ内の隔壁を貫通する場合であってもよい。
【0112】
この例では、シリンジは、例えば、2.25mlシリンジであり得る。
【0113】
1つ以上の実施例では、方法は、カセットスリーブの近位端をシリンジホルダの遠位端に挿入することと、シリンジホルダをカセット皮膚センサに挿入する前又は直後にカセットスリーブの大部分がシリンジホルダによって覆われるように、カセットスリーブをシリンジホルダ内に押すことを更に含み、カセットスリーブはそれによって内側カセット部分の一部分を構成する。
【0114】
1つ以上の実施例では、カセットスリーブは、近位の延在する偏向可能なスリーブアームを備える。
【0115】
1つ以上の実施例では、シリンジは、中空針及び剛性針シールドを備え、偏向可能なスリーブアームは、シリンジが内側カセット部分に挿入されたときに、剛性針シールドが偏向可能なスリーブアームを通過することを可能にする、シリンジホルダ及びカセット皮膚センサの開口部内に偏向する。
【0116】
1つ以上の実施例では、偏向可能なスリーブアームは、剛性針シールドが偏向可能なスリーブアームを通過した後に、剛性針シールドとシリンジ区画との間の位置に弛緩する。
【0117】
1つ以上の実施例では、偏向可能なスリーブアームが剛性針シールドとシリンジ区画との間の位置に弛緩した後、シリンジは、それをカセットに係止する前に更に近位に押され、カセットスリーブは、スリーブアームが偏向することができない位置内に回転する。カセットスリーブは、シリンジが近位に押されるときに、シリンジホルダ内部の少なくとも1つの内側螺旋表面部分と接触する少なくとも1つのスリーブ係止突出部を備え得る。少なくとも1つの内側螺旋表面部分の螺旋形状は、カセットスリーブを回転させる。回転は、70~110度、例えば80~100度、例えば85~95度、例えばおよそ90度であり得る。
【0118】
1つ以上の実施例では、カセットスリーブの回転は、見る人がシリンジ内部の薬剤を見ることができる位置にカセットスリーブを回転させる。
【0119】
1つ以上の実施例では、シリンジは、内側カセット部分に挿入され、一方、内側カセット部分と組み立てられた外側カセット部分は、第1の取り付け部内に配置される。
【0120】
カセットキャップは、シリンジが内側カセット部分内部に配置されたときに、剛性針シールドとシリンジ区画の近位端との間に配置された第1の部分と、第1の部分及び外側剛性針シールド管を有する内側剛性針シールド管と、を備え得、外側剛性針シールド管は、内側剛性針シールド管を取り囲み、内側剛性針シールド管は、剛性針シールドを取り囲む。
【0121】
カセットキャップの第1の部分は、外側カセット部分が組み立てられたときにカセットハウジング開口部内部に延在し得る。
【0122】
特定の態様/実施例と関連して記載される上記の特徴のいずれも、その態様/実施例に限定されず、そのように図示されていない場合でも、任意の他の実施例で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0123】
以下、図面を参照して、様々な実施例を説明する。同様の参照番号は、全体を通して同様の要素を指す。したがって、同様の要素は、各図の説明に関して詳細に説明されない。また、図面は、実施例の説明を容易にすることを意図したものであることにも留意されたい。それらは、特許請求される発明の網羅的な説明、又は特許請求される発明の範囲の限定として意図されていない。加えて、図示された例は、示されるすべての態様又は利点を有する必要はない。特定の実施例と関連して記載される態様又は利点は、必ずしもその実施例に限定されるものではなく、そのように図示されていない場合でも、任意の他の実施例で実施することができる。
【0124】
図1A】カセットの例を分解斜視図で示す。
図1B】異なる方向から見た図1Aにおけるカセット内のシリンジホルダの拡大図を示す。
図1C】もう1つの異なる方向から見た図1Aにおけるカセット内のシリンジホルダの拡大図を示す。
図2図1Aの組み立てられたカセットの切断図を示す。
図3】例えば図1図2に示されるようなカセットを受容するための自動注射器の例を示しており、自動注射器は分解図で示されている。
図4A図3の自動注射器の断面図を示す
図4B図3の自動注射器の側面図を示す。
図5図3に示されるシャーシの拡大図を示す。
図6A図3図5の自動注射器の切断図であり、図1図2に示されるようなカセットが自動注射器内のカセットの装填及び係止中の異なる位置にある。
図6B図3図5の自動注射器の切断図であり、図1図2に示されるようなカセットが自動注射器内のカセットの装填及び係止中の異なる位置にある。
図6C図3図5の自動注射器の切断図であり、図1図2に示されるようなカセットが自動注射器内のカセットの装填及び係止中の異なる位置にある。
図6D】カセットを備えた自動注射器を透視図で示す。
図7A図3図5の自動注射器によって、図1図2のカセット内のシリンジホルダからカセット皮膚センサを解放する工程を示す。
図7B図3図5の自動注射器によって、図1図2のカセット内のシリンジホルダからカセット皮膚センサを解放する工程を示す。
図7C図3図5の自動注射器によって、図1図2のカセット内のシリンジホルダからカセット皮膚センサを解放する工程を示す。
図7D】薬剤の送達後に近位位置にあるカセット皮膚センサの係止を示す。
図7E】薬剤の送達後に近位位置にあるカセット皮膚センサの係止を示す。
図7F】薬剤の送達後に近位位置にあるカセット皮膚センサの係止を示す。
図7G図7A~Fと比較して異なる角度から見たカセット皮膚センサを示す。
図8A】外側カセット部分の組み立てを示す。
図8B】外側カセット部分の組み立てを示す。
図9A】内側カセット部分の組み立てを示す。
図9B】内側カセット部分の組み立てを示す。
図9C】内側カセット部分の組み立てを示す。
図9D図9Cの内側カセット部分の切断図を示す。
図10A図8A~Cの外側カセット部分と、図9A~D内側カセット部分と、を備えるカセットの組み立てを示す。
図10B図8A~Cの外側カセット部分と、図9A~D内側カセット部分と、を備えるカセットの組み立てを示す。
図10C図8A~Cの外側カセット部分と、図9A~D内側カセット部分と、を備えるカセットの組み立てを示す。
図11A】シリンジを有する図10B~Cのカセットの組み立てを示す。
図11B】シリンジを有する図10B~Cのカセットの組み立てを示す。
図11C】シリンジを有する図10B~Cのカセットの組み立てを示す。
図11D】シリンジを有する図10B~Cのカセットの組み立てを示す。
図12A】カセットスリーブを示す。
図12B】カセットスリーブを示す。
図13A】カセットスリーブ及びシリンジホルダの内部を示す。
図13B】カセットスリーブ及びシリンジホルダの内部を示す。
図14A図12A~Bに示されるようなカセットスリーブが含まれるカセットへのシリンジの組み立てを示す。
図14B図12A~Bに示されるようなカセットスリーブが含まれるカセットへのシリンジの組み立てを示す。
図14C図12A~Bに示されるようなカセットスリーブが含まれるカセットへのシリンジの組み立てを示す。
図14D図12A~Bに示されるようなカセットスリーブが含まれるカセットへのシリンジの組み立てを示す。
図14E図12A~Bに示されるようなカセットスリーブが含まれるカセットへのシリンジの組み立てを示す。
図15A図12A~Bに示されるようなカセットスリーブが含まれるカセットへのシリンジの組み立てを、図14A~Eと比較して切断図で示す。
図15B図12A~Bに示されるようなカセットスリーブが含まれるカセットへのシリンジの組み立てを、図14A~Eと比較して切断図で示す。
図15C図12A~Bに示されるようなカセットスリーブが含まれるカセットへのシリンジの組み立てを、図14A~Eと比較して切断図で示す。
図15D図12A~Bに示されるようなカセットスリーブが含まれるカセットへのシリンジの組み立てを、図14A~Eと比較して切断図で示す。
図16】例えば図1図2又は図8図15に示されるようなカセットを受容するための自動注射器の例を示しており、自動注射器は分解図で示されている。
図17図16に示されるように組み立てられた自動注射器内の図を示す。
図18A】カセット及び自動注射器の組み立てを示す。
図18B】カセット及び自動注射器の組み立てを示す。
図19図16図18の自動注射器内の内部部品の切断図を示す。
図20A】カセット内のシリンジホルダからカセット皮膚センサを解放し、薬剤の送達後の近位位置におけるカセット皮膚センサの係止を示す。
図20B】カセット内のシリンジホルダからカセット皮膚センサを解放し、薬剤の送達後の近位位置におけるカセット皮膚センサの係止を示す。
図20C】カセット内のシリンジホルダからカセット皮膚センサを解放し、薬剤の送達後の近位位置におけるカセット皮膚センサの係止を示す。
図20D】カセット内のシリンジホルダからカセット皮膚センサを解放し、薬剤の送達後の近位位置におけるカセット皮膚センサの係止を示す。
図20E】カセット内のシリンジホルダからカセット皮膚センサを解放し、薬剤の送達後の近位位置におけるカセット皮膚センサの係止を示す。
図20F】カセット内のシリンジホルダからカセット皮膚センサを解放し、薬剤の送達後の近位位置におけるカセット皮膚センサの係止を示す。
図20G】カセット内のシリンジホルダからカセット皮膚センサを解放し、薬剤の送達後の近位位置におけるカセット皮膚センサの係止を示す。
図20H】カセット内のシリンジホルダからカセット皮膚センサを解放し、薬剤の送達後の近位位置におけるカセット皮膚センサの係止を示す。
図20I】カセット内のシリンジホルダからカセット皮膚センサを解放し、薬剤の送達後の近位位置におけるカセット皮膚センサの係止を示す。
【発明を実施するための形態】
【0125】
ここで、添付図面を参照して、例示的な実施形態をより完全に説明する。この点に関して、本実施例は、異なる形態を有してもよく、本明細書に記載される説明に限定されるものとして解釈されるべきではない。したがって、実施例は、態様を説明するために、図面を参照することによって、以下に単に説明される。本明細書で使用するとき、「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つ以上の任意及びすべての組み合わせを含む。「少なくとも1つの要素」などの表現は、要素のリストの前に、要素のリスト全体を修正し、リストの個々の要素を修正しない。
【0126】
図面では、複数の層及び領域の厚さは、その説明を明確にし容易にするために拡大された様式で示されている。層、領域、要素、又はプレートが、別の層、領域、要素、又はプレートの「上」と称される場合、それは、他の層、領域、要素、若しくはプレート上に直接存在してもよく、又は介在層、領域、要素、又はプレートがそれらの間に存在してもよい。逆に、層、領域、要素、又はプレートが、別の層、領域、要素、又はプレートの「直接」と称される場合、介在する層、領域、要素、又はプレートはそれらの間に介在する層、領域、要素、又はプレートが存在しない。更に、層、領域、要素、又はプレートが、別の層、領域、要素、又はプレートの「下方」と称される場合、他の層、領域、要素、若しくはプレート、又は介在層、領域、要素、若しくはプレートがそれらの間に存在してもよい。逆に、層、領域、要素、又はプレートが、別の層、領域、要素、又はプレートの「直下」と称される場合、介在する層、領域、要素、又はプレートはそれらの間に介在する層、領域、要素、又はプレートが存在しない。
【0127】
空間的に相対する用語「下部」又は「底部」、及び「上部」、「下方」、「下方」、「下方」、「下方」、「上方」、及び同様のものは、図面に示されるような1つの要素又は構成要素と別の要素又は構成要素との間の関係を説明するために説明を容易にするために使用されてもよい。空間的に相対的な用語は、図に示される向きに加えて、使用中又は動作中の装置の異なる向きを包含することが意図されると理解されるであろう。例えば、図面に示されているデバイスが回転される場合、他の要素の「下」側にあるものとして説明される要素、又は「下」又は「下」別の要素が、他の要素の「上方」側、又は「上方」の別の要素に配向される。したがって、「下」又は「下」という例示的な用語は、図の特定の向きに応じて、「下方」及び「上方」の配向位置の両方を含み得る。同様に、図の1つにある装置を裏返した場合、他の要素の「下」又は「下」と記述されている要素は、他の要素の「上」に配置される。したがって、例示的な用語「下」又は「下」は、上及び下の配向の両方を包含することができ、したがって、空間的に相対する用語は、記載される向きに応じて異なって解釈され得る。
【0128】
本明細書全体を通して、要素が別の要素に「接続されている」と称される場合、要素は、他の要素に「直接接続される」、又は、その間に介在する1つ以上の介在要素を用いて、他の要素に「電気的に接続される」。本明細書で使用される用語は、特定の例示的な実施形態のみを説明するためのものであり、限定することを意図するものではない。本明細書で使用するとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別途明確に示さない限り、「少なくとも1つの(at least one)」も含むことが意図され得る。「少なくとも1つの」は、「a」又は「an」を限定するものとして解釈されるべきではない。用語「含む(comprises )」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、及び/又は「含む(including )」という用語は、記載された特徴、整数、工程、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は追加を除外しないことが更に理解されるであろう。
【0129】
用語「第1」、「第2」、「第3」などは、様々な要素を説明するために本明細書で使用され得るが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことが理解されるであろう。これらの用語は、1つの要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。したがって、以下で説明する「第1の要素」は、「第2の要素」又は「第3の要素」、及び「第2の要素」、及び「第3の要素」は、本明細書の教示から逸脱することなく、同様に呼称され得る。
【0130】
本明細書で使用するとき、「約(About )」又は「およそ(approximately )」は、当業者によって決定される特定の値に対する許容可能な偏差範囲内の、記述された値及び手段を包含し、質問における測定及び特定の量の測定に関連する誤差(すなわち、測定システムの制限)を包含する。例えば、「約」は、1つ以上の標準偏差内、又は記載された値の±30%、20%、10%、5%以内を意味し得る。
【0131】
特に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義されるものなどの用語は、関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書において明示的に定義されない限り、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されない意味を有するものとして解釈されるべきであることが更に理解されるであろう。
【0132】
例示的な例は、本明細書において、理想化された実施例の概略図である断面図を参照して説明され、同様の参照番号は、本明細書全体を通して同様の要素を指す。したがって、例えば、製造技術及び/又は公差の結果として、図の形状からの変形が予想される。したがって、本明細書に記載される実施例は、本明細書に例示されるような領域の特定の形状に限定されるものとして解釈されるべきではなく、例えば製造から得られる形状の偏差を含むものである。例えば、平坦であるように図示又は説明される領域は、粗い及び/又は非線形の特徴を有してもよい。更に、図示される鋭角は、丸みを帯びていてもよい。したがって、図に示される領域は、本質的に概略的であり、それらの形状は、領域の正確な形状を例示することを意図するものではなく、本特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。本開示の例示的な実施例を具体的に説明するために、説明に関連付けられていない部品の一部は、提供されなくてもよい。
【0133】
近位方向又は近位面へのすべての言及は、挿入方向、すなわち挿入針の方向、及び薬剤の注入中に皮膚に接触する自動注射器の外側部分の方向に配向された部品、表面、及び同様のものを指す。
【0134】
同様に、遠位方向又は遠位面へのすべての参照は、挿入針の方向から離れる方向、すなわちユーザの方向に向けられた部分、表面、及び同様の方向を指す。
【0135】
図1Aは、カセット500の例を分解図で示している。カセット500を受容するための自動注射器1000を図3図5に示す。カセットは、薬剤を収容するシリンジ区画202を有するシリンジ200と、シリンジ区画と流体接続する中空針204と、シリンジ区画の近位端に接続され、中空針を覆う剛性針シールド206と、自動注射器のピストンによって遠位位置からシリンジ区画202内部の近位位置まで移動可能なストッパ208と、を備える。
【0136】
図1Aに示される針シールド206は、外側部分206及び内側部分207の両方を有する。部品は、通常、接続されていてもよく、又は一体型物品として製造されてもよい。
【0137】
シリンジ200の周囲に配置されたシリンジホルダ510は、シリンジ区画202の少なくとも一部分の周囲に延在する。シリンジホルダ510(図1B~Cの更なる詳細を参照)は、シリンジ区画202を支持するシリンジホルダ支持管511を有する。管511は、シリンジ区画202内の薬剤を検査するための開口部を有する。シリンジ200は、カラー状の形状を有するシリンジ200の遠位端205においてシリンジホルダ510内部に固定される。シリンジホルダ510内部でシリンジ200を更に固設するために、シリンジホルダリング507a、507bが使用されてもよい。これらは省略されてもよい。
【0138】
カセット500は、近位541から遠位端542まで延在するカセットハウジング540を備える。カセットハウジング540は楕円形であり、自動注射器1000内部のカセット500の正確な配置を確実にするのに役立つ。楕円形状はまた、カセットをよりコンパクトにすることができる。正方形のような代替形状もまた想像され得る。
【0139】
カセットハウジング540は、カセット皮膚センサ550を包囲している。カセットハウジング540の近位端541は、開口部545を有するハウジング肩部546であり、開口部545を通ってカセット皮膚センサ540が延在することができる。カセットハウジング540は、皮膚センサ550を案内するための内部に内部突出レール548(図には図示せず)を有する。2つの部品540、550は、係止解除構成で互いに対して移動可能である。カセット皮膚センサ550は、カセットハウジング540から近位に延在するように配置される。
【0140】
カセットハウジング540は、皮膚センサハウジング開口部545を有する遠位端面543を有し、この開口部を通してカセット皮膚センサ550が延在する。これは、例えば、図2のように、切断画像において最も明確に見られる。カセットハウジング540は、カセット500内の薬剤を検査するための長手方向に開口部547を有する。
【0141】
カセット皮膚センサ550は、2つのピン、すなわち、カセット皮膚センサ550の遠位端552から延在する第1の皮膚センサピン557及び第2の皮膚センサピン558を有する。
【0142】
カセット皮膚センサ550は、図1B~Cに前端透視図及び後端透視図でより詳細に示されているシリンジホルダ510の大部分ではないにしても少なくとも一部を覆っている。シリンジホルダ510は、薬剤を検査するための開口部を有する細長い管状部分511を有する。シリンジホルダ510の遠位端509には、第1のピン開口部526と、第2のピン開口部527と、第3のピン開口部528と、第4のピン開口部529と、ピストン開口部525と、を含む多数の開口部を有するシリンジホルダプレート519がある。ピストン開口部525を通して、薬剤が患者に送達されたときに自動注射器ピストン1168が延在するピストン開口部525を通る。開口部は、通常円形であるが、内部を通って延在するピンの形状を模倣する異なる形状も有し得る。開口部は、円形の開口部の部分のみがシリンジホルダプレート519内に延在するように、シリンジホルダプレート519の周縁に配置されてもよい。これは、図11C~Dの例で示されている。
【0143】
シリンジホルダ510はまた、シリンジホルダプレート519から近位方向に延在する第1のシリンジホルダアーム512も備える。第1のシリンジホルダアーム512は、アーム512の近位端に近位表面514を有する。カセット皮膚センサ550及びシリンジホルダ510が第1の位置にあるとき、カセット皮膚センサ550上の第1の係止突出部553は、近位表面514と係合する。第1の係止突出部553と近位表面514とのこの係合は、カセット皮膚センサ550のシリンジホルダ510に向かう移動を防止する。第1のシリンジホルダアーム512は、シリンジホルダプレート519に柔軟に接続される。
【0144】
シリンジホルダ510はまた、シリンジ200をシリンジホルダ510の内側に係止するシリンジホルダリング507aも備え得る。
【0145】
カセット500が自動注射器1000内に配置されたときに、第1のピン開口部526は、自動注射器1000の第1のカセット係止ピン1156が内部を通過することを可能にする。これは、例えば、図7A~Fに関連して見られ、説明される。自動注射器1000の第1のカセット係止ピン1156がシリンジホルダ510の第1のピン開口部526を通過するとき、第1のシリンジホルダアーム512と接触し、それを偏向させる。これにより、カセット皮膚センサ550が解放され、それがシリンジホルダ510に向かって、すなわち、カセット皮膚センサ550の遠位方向の移動に向かって移動することができるようになる。カセット皮膚センサ550がシリンジホルダ510に向かって移動すると、第1のカセット皮膚センサピン557は、シリンジホルダ510内の第2のピン開口部527に向かって、及び場合によってはそれを通って移動する。同様に、第2のカセット皮膚センサピン558は、カセット皮膚センサ558が遠位に移動するときに、シリンジホルダ510内の第3のピン開口部528に向かって、及び場合によってはそれを通って移動する。
【0146】
シリンジホルダ510及び皮膚センサ550は、皮膚センサ550をシリンジホルダ510から解放すると、互いに対して長手方向に移動可能である。
【0147】
シリンジホルダ510はまた、シリンジホルダプレート519(図7Gを参照)から近位方向に延在する第2のシリンジホルダアーム516も有する。第2のシリンジホルダアーム516は、アームの近位端に遠位面518を備える。遠位表面518は、カセット皮膚センサ550上の第2の係止突出部554に支えられる。この係合は、カセット皮膚センサ550がシリンジホルダ510から離れる方向に移動するのを防止する。第1のシリンジホルダアーム512の撓みによってカセット皮膚センサ550及びシリンジホルダ510を係止解除する前に、2つの部品は、互いに向かって及び互いから離れる方向に移動することを防止される。
【0148】
第2のシリンジホルダアーム516はまた、シリンジホルダプレート519にも柔軟に接続される。自動注射器1000の第2のカセット係止ピン1159が第4のピン開口部529を通って押されると、第2のシリンジホルダアーム516と接触する(図7Gを参照)。これにより、第2のシリンジホルダアーム516の偏向がもたらされ、これは、カセット皮膚センサ550を再び解放し、今度はシリンジホルダ510から近位方向に離れる方向にカセット皮膚センサ550を移動することができる。
【0149】
第3のピン開口部528は、自動注射器1000の皮膚センサピン1158(図7A~Fを参照)の通過を可能にし、このピンは、カセット皮膚センサ550の第2のカセット皮膚センサピン558に押し付ける。第2のカセット皮膚センサピン558はまた、皮膚センサピン1158と接触する前に、第3のピン開口部528を通過してもよい。
【0150】
シリンジホルダ510は、カセットハウジング540の遠位端541の開口部544に嵌合する2つのシリンジホルダ係止突出部524を有する。これは、シリンジホルダ510及びカセットハウジング540を一緒に係止する。より多くの係止突起/開口部も想像することができる。
【0151】
シリンジホルダ510は、シリンジ200をカセット500に係止する1つ以上のシリンジ係止突出部515を更に備える。
【0152】
カセット500は、剛性針シールド206とシリンジ区画201の近位端との間に配置された第1の部分531を有するカセットキャップ530を更に有する。カセットキャップ530は、第1の部分531及び外側剛性針シールド管536を有する内側剛性針シールド管535を備える。これは、図6A~Cに最も明確に見られる。外側剛性針シールド管536は、内側剛性針シールド管535を包囲し、内側剛性針シールド管535は剛性針シールド206を包囲する。
【0153】
外側剛性針シールド管536は、図2に示されるようにカセットハウジング540のハウジング肩部546に当接する。カセット皮膚センサ550の近位端560は、図2に示されるように、内側剛性針シールド管535と外側剛性針シールド管536との間に配置される。カセットキャップ530は、シリンジ区画202から取り外し可能であり、カセットキャップ530が取り外されたときに、剛性針シールド206がそれに追従し、それによって中空針204が露出される。
【0154】
図3図4は、図1図2のカセットを受容するための自動注射器1000の例を示している。自動注射器1000は、図3では分解図で示されているが、図4A~Bは、組み立てられた自動注射器1000を示す。自動注射器の内部で透明なビューを得るために、外側ハウジング1102は省略されている。外側ハウジング1102は、図6A~Dで見ることができる。
【0155】
自動注射器1000は、近位端から遠位端まで延在し、近位端1103から遠位端1104まで延在するハウジング1102を備える。ハウジングは、この例の自動注射器では一体型である。カセット500は、前面装着構成で自動注射器1000に装着される。
【0156】
自動注射器1000は、カセット500を受容するように構成されたカセット受容シャーシ1110を備える。カセット500は、カセット500の遠位端において自動注射器1000と接触し、それによって2つの部品は同じ長手方向軸を共有する。これにより、カセットが自動注射器内に詰まってしまうリスクを軽減する。更に、接続を可能な限り滑動させる。カセット500と平行に延在する唯一の自動注射器要素は、通常、注射器ハウジング1102である。したがって、注射器ハウジングは、2つのセクション、つまり、カセット覆いセクション1108と、自動注射器部品1000内部の注射器部品を覆う遠位セクション1106と、を有するものとして見ることができる(図18A~Bの自動注射器の例を参照する)。内部注射器部品は、ピストン1168を移動させるように適合された駆動モジュール1150を含む。ピストン1168は、シリンジ内部でストッパ208を近位に押して移動させ、それによって薬剤をシリンジ200から排出することができる。ピストン1168は、率いられたねじ1169上の雄ねじと係合する内側ねじ切り(図には示されていない)を有する。主ねじ1169が駆動要素1150によって回転されたときに、ピストン1168は近位に移動する。駆動モジュール1150はモータ1151を含み、モータ1151は、歯車アセンブリ1153を通って率いられたねじ1151を回転させる。歯車アセンブリ1153は、歯車カバー1152によって覆われ、いくつかのOリング1155及びシャーシカバー1154によって覆われている。Oリングは、騒音低減材料として見ることができ、これは、使用中に自動注射器内の内部部品によって任意の騒音を減衰することができる。同様の騒音低減材料は、より大きなOリング1109の形態で本明細書に示される内部部品の近位端に見出される。
【0157】
駆動要素1150はまた、自動注射器1000に含まれるピンの数の移動を制御する。図3に示されるように、ピンの数は、第1のカセット係止ピン1156と、皮膚センサピン1158と、第2のカセット係止ピン1159と、カセット検出ピン1160と、を含む。したがって、駆動モジュール1150は、第1のカセット係止ピン1156を、皮膚センサピン1158、第2のカセット係止ピン1159、及びカセット検出ピン1160を近位に移動させるように更に構成される。ピン及びピストンはまた、自動注射器1000内部でカセット500を固設及び係止するため、並びに薬剤の投与を容易にするために適合されたカセット相互作用部品とも呼ばれ得る。図3に示されるカセット相互作用部品に共通するのは、それらが自動注射器1000の長手方向軸と平行に移動することである。
【0158】
薬剤送達後にカセット皮膚センサ550を近位に押す皮膚センサピン1158に作用するのは、ばねシステム1140である。ばねシステム1140は、その周囲に、皮膚センサピン1158に接続された支持シャーシ1142が見られるばね案内ピン1141を含む。ばね1143もまた、案内ピン1141の周りに延在する。ばね1143が弛緩できるようになると、支持シャーシ1142を前方に押し、次いで、皮膚センサピン1158を近位に押す。皮膚センサピン1158の遠位端における皮膚センサピン1158内部は、皮膚センサピン1158用の案内ピン1161である。皮膚センサばねシステム1140が薬剤送達後にカセット皮膚センサ550を近位に押すと、カセット皮膚センサ550の遠位移動を防止する係止位置に押される。カセット皮膚センサ550の近位移動もまた、この係止された位置で防止され得る。
【0159】
自動注射器1000はまた、カセット500を受容するように構成されたカセット受容シャーシ1110も備える。カセット受容シャーシ1110は、図3及び図5に見られるようなシャーシの形状であり、後者はカセット受容シャーシ1110の拡大図を示す。カセット受容シャーシ1110は、近位端1111から遠位端1112まで延在する。シャーシ1110の近位端1111には、ピストン開口部1115と、第1のピン開口部1116と、第2のピン開口部1117と、第3のピン開口部1118と、第4のピン開口部1119と、第5の開口部1120と、を含む、いくつかの開口部を有する近位シャーシ部分1114がある。自動注射器内のピンの数に応じて、より少ない開口部も使用することができる。開口部は、この図5の図示される例では円形の開口部であるが、円形でない場合は、ピンの形状を模した異なる形状も有してもよい。
【0160】
カセット500が自動注射器1000内に配置されると、ピストン開口部1115は、シリンジホルダ510内のピストン開口部525と整列されて、自動注射器ピストン1168が内部を通って延在することを可能にする。同様に、シリンジホルダ510内の第1のピン開口部526は、第1のカセット係止ピン1156が両方の開口部を通過して第1シリンジホルダアーム512を偏向させ、それによって、カセット皮膚センサ550をシリンジホルダ510から係止解除することができるように、第1のピン開口部1116と整列される。
【0161】
近位シャーシ部分1114内の第2のピン開口部1117は、シリンジホルダ510内の第2のピン開口部527と整列されて、カセット皮膚センサ550の第1のカセット皮膚センサピン557が内部を通過することを可能にする。第2のピン開口部1117は、完全に延在するのではないが、代わりに、端面1121(図7Gを参照)を有し、これは、カセット皮膚センサ550の第1のカセット皮膚センサピン557の自動注射器に向かうその遠位移動を停止する。したがって、第2のピン開口部1117は、第1のカセットセンサピン557の遠位移動を制限する端面1121を有する溶接形状の開口部であり、それによって自動注射器1000内部のカセット皮膚センサ550である。
【0162】
第3のピン開口部1118は、皮膚センサピン1158及び/又は第2のカセット皮膚センサピン558が内部を通過することを可能にするために、シリンジホルダ510内の第3のピン開口部528と整列される。これは、図7A~Fに詳細に示されている。第4のピン開口部1119は、第2のカセット係止ピン1159が内部を通過することを可能にするために、シリンジホルダ510内の第4のピン開口部529と整列される。
【0163】
第5の開口部1120は、シリンジホルダ内に対応する開口部を有さない。その代わりに、第5の開口部1120を通じて、カセット検出ピン1160が延在する。カセット検出ピン1160は、カセット500が自動注射器1000に接続されているときを検出する。カセット検出ピン1160によるカセットの検出がない場合、カセット皮膚センサ550の解放は生じない。カセット検出ピンの代わりに、例えば、互いに接触するカセット及び自動注射器表面の磁石と、シャーシ内部の対応するホールセンサに基づく検出システムと、を使用して、検出ピンと近位シャーシ部分1114の対応する開口部を排除することもできる。あるいは、カセットは、注射器上の表面と接触するピンを有し得、それによって、カセットの検出が自動注射器に位置合わせされる。
【0164】
カセット受容シャーシ1110、ピストン1168及び駆動モジュール1150は、自動注射器1000のハウジング1102内部に備えられ、カセット500は自動注射器1000内に取り外し可能に受容される。取り外し可能な受容とは、カセットが使い捨てカセットであり、再使用可能な自動注射器に受容され得ることを意味する。使い捨てカセットは、1回使用カセット、又は複数の個々の注射のための複数回投与を含むカセットであり得る。
【0165】
図6A~Cは、自動注射器1000内のカセット500の装着及び係止中のカセット500を有する自動注射器1000の切断図を示す。図6Aでは、カセット500は自動注射器ハウジング1102内部に受容されている。図6A~Cに見られるように、注射器ハウジング1102はその内部に突出タブ1105を有する。カセット500が自動注射器1000内に配置されると、カセット係止突出部539は突出タブ1105の近くに配置される。その後、自動注射器は、図6A及び6Bを比較するときに見られるように、カセット係止ピン1156、1159をピストン1168とともに前方に移動させる。カセット係止突出部539は、ここで突出タブ1105を偏向することを防止され、それによってカセット500を自動注射器1000に係止する。カセット500が自動注射器1000内部にしっかりと係止されると、カセットキャップ530は、カセット500から手動で取り外すことができる。これはまた、針204を露出させる剛性針シールド206も取り外す。少なくとも第1のカセット係止ピン1156の更なる近位移動によって、カセット皮膚センサ500はシリンジホルダ510から解放される。このプロセスは、第1のカセット係止ピン1156を近位に移動させることによって、カセット皮膚センサ550をシリンジホルダ510から解放する工程を示す、図7A~Cに示される。図7Bに見られるように、アーム512の第1の係止突出部553及び近位表面514はもはや係合しない。自動注射器は、ここで、患者への針204の挿入の準備が整っている。これは、カセット500を患者の皮膚に向かって押圧することによって行われ、それによって、図7C及び図7Dに示されるようにカセット皮膚センサ550を遠位に押すことによって行われる。したがって、駆動モジュール1150が第1のカセット係止ピン1156を近位に移動させるとき、カセット皮膚センサ550は、カセット皮膚センサ550の遠位移動を可能にするように、シリンジホルダ510から遠位に係止解除され、カセット皮膚センサ550の係止解除は自動注射器1000内のカセット500を係止する。
【0166】
駆動モジュール1150が薬剤送達のためにピストン1168を近位に移動させるとき、第2のカセット係止ピン1156はまた、薬剤の送達及び/又は患者の皮膚からの自動注射器1000の取り外しの後に、カセット皮膚センサ550の近位への移動のために係止解除される。
【0167】
図7D~Eは、薬剤送達後の近位位置におけるカセット皮膚センサ550の係止を示している。図7Dは、送達位置を示している。この位置では、皮膚センサピン1158は、ばねシステム1140によって第2のカセット皮膚センサピン558に圧力を加える。図7Eでは、自動注射器は患者の皮膚から持ち上げられている。そうすることによって、ばねシステム1140は、カセット皮膚センサ550を近位方向に前方に押す。カセット皮膚センサ550が第2のカセット係止ピン1159による近位方向の移動のために係止解除されているため、カセット皮膚センサ550は、例えば、カセット皮膚センサ突出部と係合するカセットハウジング内部の突出部によって、針との接触が防止される前方位置に係止され得る。
【0168】
薬剤の送達後、駆動モジュールは、ピストン及び皮膚センサ解放ピン1156、1157を後退させ、これはカセットを自動注射器から係止解除し、ユーザがカセットを取り外すことを可能にする。剛性針シールド及びカセットキャップは、使用後にカセットに接続することができず、これにより、ユーザが使用されていないカセットを使用しないことを確実にする。
【0169】
図8A~B及び図9A~Cには、前の図に示され説明されたものと同様の部品を備えるカセット500の組み立てが示されている。図8Aは、カセットハウジング540及びカセットキャップ530を示しており、これらは、図8Bにおいて、カセットハウジング540の近位端541をカセットキャップ530の遠位端534に接続することによって外側カセット部分504を形成するように組み立てられている。図1A図2、及び図6A~Dの対応するカセットハウジング540と比較して、図8A~Bのカセットハウジングは、ハウジング肩部546が存在しない。
【0170】
カセットキャップ530は、カセットキャップ530の遠位端534に第1の部分531を備える。第1の部分531は、外側剛性針シールド管536によって包囲された内側の剛性針シールド管535の部分であってもよい。剛性針シールドを備えるシリンジがカセット500内に配置される場合、第1の部分531は、通常、図15Dに示されるように、剛性針シールド206とシリンジ区画の近位端との間、又は剛性針シールド206の遠位端の周囲に配置されることになり、ここで、第1の部分531は、剛性針シールドの遠位端の周囲に配置されている。カセットキャップ530の第1の部分531は、図8Bに示されるように、外側カセット部分504が組み立てられると、カセットハウジング開口部545内部に延在する。
【0171】
図9A~Cは、シリンジホルダ510とカセット皮膚センサ550とを備える内側カセット部分501の組み立てを示している。図9Aでは、シリンジホルダ510の近位端508をカセット皮膚センサ550の遠位端552内に挿入することによって組み立てる前の2つの部品は別々の部品として示されている。図9Bでは、シリンジホルダ510は、カセット皮膚センサ550の遠位端552内に途中まで押されており、図9C~Dでは、シリンジホルダ510の一部分がカセット皮膚センサ550によって覆われるように、2つの部品が組み立てられている。カセット皮膚センサ550によって覆われるシリンジホルダ510の部分は、少なくとも10%、例えば少なくとも20%、例えば少なくとも30%、例えば少なくとも40%、例えば少なくとも50%を構成する。
【0172】
内側及び外側カセット部品は、内側カセット部品501の近位端502を外側カセット部品504の遠位端506内に挿入し、内側カセット部品501の大部分が外側カセット部品504によって覆われるように、外側カセット部品504内に内側カセット部品501を押すことによって組み立てられる。これは、図10A~Bに示されており、図10Aは、図10B~Cにおいて完全に組み立てられる前のカセット部品の初期位置を示している。
【0173】
図11A~Dは、カセット500の内部へのシリンジ200の挿入及び固定を示している。カセット部品は、1つの位置に組み立てられ得、シリンジは、異なる位置に挿入され得る。図11Aでは、シリンジ200が、シリンジ200の近位端を内側カセット部分501の遠位端503内に挿入し、図11B~Cに示されるように、シリンジ200を内側カセット部分501内に押すことによって、カセット500内に挿入する準備が整っている。図9A~11Dに示されるシリンジホルダ510は1つ以上のシリンジ係止突出部515を備える。1つ以上のシリンジ係止突出部515を中心方向に移動させることによって、シリンジ200は内側カセット部501内部に係止される。これは、図11C図11Dを比較することで分かる。カセットハウジングがカセット係止突出部を有さない場合、シリンジは、シリンジホルダ510内に摩擦力で固定され得る。
【0174】
シリンジ200は、近位端201から遠位端203まで延在し、薬剤を収容するシリンジ区画202を含み、近位端は、薬剤がシリンジ区画202を出ることができる針に接続されるように適合されている。図11Aでは、針は、注射器区画の近位端と流体接続しており、すなわち、シリンジの一部としてシリンジに接続されている中空針204として示されている。あるいは、薬剤の注射の前に、ルアー係止針をシリンジに接続することができる。更に別の代替例として、シリンジシステムは、その遠位端及びゴム製隔壁でその近位端にあるストッパにおいて終端したカートリッジ有し、遠位端の貫通針がシリンジに取り付けられたときに隔壁を突き破り、近位の針は患者の皮膚内に貫通する。シリンジ区画202内部には、シリンジ区画202内部で遠位位置から近位位置まで移動されるように適合されたストッパ208がある。これにより、薬剤がシリンジから外れる。
【0175】
図11Aに示される注射器200はまた、シリンジ区画の近位端に接続され、中空針204を覆う剛性針シールド206も備える。中空針がシリンジの部分ではなく、代わりに、例えばルアー係止又はカセットに接続されたときにシリンジの隔壁を貫通する針システムによって、薬剤の送達前にシリンジに接続される場合、剛性針シールド206は依然としてカセットの一部として存在し、使用済みの針をユーザのために遮蔽するために薬剤の送達後に使用されてもよい。
【0176】
シリンジは、例えば1.00ml又は2.25mlの薬剤のような異なる量の薬剤を収容し得る。より小さいシリンジのためにカセット500を使用する場合、細いシリンジ200をシリンジホルダ510内に保持することを確実にするために、カセットスリーブ570がシリンジホルダ510の内部に含まれてもよい。カセットスリーブの例が図12A~Bに示されている。カセットスリーブ570を備えるカセット500内にシリンジ200を挿入する前に、カセットスリーブ570の近位端571はシリンジホルダ510の遠位端509内に挿入され、シリンジホルダ510をカセット皮膚センサ550内に挿入する前又は直後にシリンジホルダ510によってカセットスリーブ570の大部分を覆うようにシリンジホルダ510内に押される。それによって内側カセット部分501の一部分を構成するカセットスリーブ570は、図14Aにおいてカセット500に含まれるものとして示されている。スリーブ570は、シリンジホルダ510内に、カセットスリーブ570の小さな開口部576に嵌合するシリンジホルダ内の小さなタップによって固設される。
【0177】
カセットスリーブ570は、近位に延在する偏向可能なスリーブアーム573を備える(図12A~Bを参照)。偏向可能なスリーブアーム573は、シリンジホルダ510の開口部580を通って偏向することができる。
【0178】
図14A~E及び図15A~Dでは、カセットスリーブ570を備えるカセット500内部へのシリンジ200の挿入が示されている。注射器200を挿入することが中空針204と剛性針シールド206とを備えるとき、偏向可能なスリーブアーム573は、シリンジホルダ510の開口部内に偏向し、カセット皮膚センサ550は、剛性針シールド206が偏向可能なスリーブアーム573を通過するのを可能にする。この動作によって、カセットスリーブ570の開口部576における係止は係止解除される。更に、偏向可能スリーブアーム573は、剛性針シールド206が偏向可能スリーブアーム573を通過した後、剛性針シールド206とシリンジ区画202との間の位置に弛緩する。これは、図14B及び15Bに見られ、そこでは、剛性針シールド206が偏向可能なスリーブアーム573を通過した後に示されている。
【0179】
偏向可能なスリーブアーム573が剛性針シールド206とシリンジ区画202との間の位置に緩和し、シリンジ200が偏向可能なスリーブアーム573をカセット500に係止する前に更に近位に押された後、カセットスリーブ570はスリーブアーム573が偏向できない位置まで回転する。カセットスリーブ570の回転は図14B~14Dに見られ、図14Bは回転前のスリーブ570を示しており、図14Cはスリーブ570が半分の回転を示しており、図14Dはスリーブ570の完全な回転を示している。回転はまた、図15B~Dの切断図の例示でも見ることができる。カセットスリーブ570の回転は、見る人がシリンジ200内部の医薬品を見ることができる位置にカセットスリーブ570を回転させる。
【0180】
カセットスリーブ570は、図12A~Bに示されるように、少なくとも1つのスリーブ係止突出部574を備える。シリンジ200が近位に押されたときにスリーブ係止突出部574がシリンジホルダ510内部の内側螺旋表面部分575に接触すると、少なくとも1つの内側螺旋表面部分575の螺旋形状がカセットスリーブ570を回転させるように押す。この回転は、およそ90度である。内側螺旋表面部分575は、図13A~Bに示されている。シリンジ200がカセット500に挿入され、シリンジ係止突出部515がシリンジ200の周囲に係止されて、そしてそれによってカセットスリーブ570も遠位方向に移動することを防止しているとき、カセットスリーブ570は後方に回転することはできず、なぜなら、この回転運動は、内側螺旋表面部分575とスリーブ係止突出部574との相互作用により、カセットスリーブ570が遠位方向に移動ことを必要とすることになるためである。したがって、カセットスリーブ570の後方回転は、カセット500におけるシリンジ200の係止によって防止される。内側螺旋表面部分575が第1の方向への回転運動を停止させる端面点577を有するので、スリーブ570の更なる回転移動もまた防止される。端面点577は、スリーブ係止突出部574が再び離れる方向に移動する選択肢を伴わずに入る小さな開口部であり得る。
【0181】
図16図19は、図8図15のカセットを受容するための自動注射器1000の例を示している。自動注射器1000は、図16では分解図で示されているが、図17~19は、組み立てられた自動注射器1000の異なる図を示している。自動注射器の内部で透明なビューを得るために、図16及び図19において、外側ハウジング1102は省略されている。外側ハウジング1102は、図17及び図18A~Bで見ることができる。ハウジング1102は、自動注射器のこの例では、一体型である。二分割されたハウジングも想像され得る。
【0182】
カセット500は、前面装填構成で自動注射器1000に装着される。したがって、カセット500の近位端は、図18A~Bに図示されているように、自動注射器1000の近位端に挿入される。図18A~Bにも見られるように、ハウジング1102は、カセット500内の薬剤の検査を容易にする開口部1107を備える。開口部1107は、ハウジングの表面へと延在している。注射器ハウジング1102の長手方向軸に沿って、ハウジング1102は、2つのセクション、つまり、注射器1000内部に受容されたときにカセット500の少なくとも一部分を覆うカセット覆いセクション1108と、内部注射器部品を覆う遠位部1106とに分割されてもよい。これらの内部注射器部品は、図16に分解図で示されている。開口部1107は、カセット覆いセクション1108にあり、ハウジング1102の長手方向に延在している。
【0183】
図16に示されるような自動注射器1000は、カセット500を受容するように構成されたカセット受容シャーシ1110を備える。カセットを受容することは、カセットと接続/結合することを意味されることによって。カセット500は、カセット500の遠位端において自動注射器1000と接触し、それによって2つの部品は同じ長手方向軸を共有する。これにより、カセットが自動注射器内に詰まってしまうリスクを軽減する。更に、接続を可能な限り滑動させる。カセットが自動注射器に挿入されたときにカセット500と平行に延在する唯一の自動注射器要素は、通常、注射器ハウジング1102、すなわちカセット覆いセクション1108である。
【0184】
内部注射器部品は、ピストン1168を移動させるように適合された駆動モジュール1150を含む。ピストン1168は、シリンジ200内部でストッパ208を近位に押して移動させ、それによって薬剤をシリンジ200から排出することができる。ピストン1168は、率いられたねじ1169上の雄ねじと係合する内側ねじ切り(図19を参照)を有する。主ねじ1169が駆動要素1150によって回転されたときに、ピストン1168は近位に移動する。主ねじ1169の反対方向への回転は、ピストン1168を遠位方向に移動させる。ピストン1168の近位端には、ピストン端部板1178があり、これは、シャーシ1110の開口部1115に嵌合する。
【0185】
駆動モジュール1150はモータ1151を含み、モータ1151は、歯車アセンブリ通って率いられたねじ1169を回転させる。歯車1148、1149のセットと、率いられたねじプレート1176と、シャーシカバー1154と率いられたねじ1169との間の接続リングと、を備える歯車アセンブリ。この歯車セットの異なるバージョンもまた想像され得る。
【0186】
シャーシ1110は、自動注射器1000内部に固設されたときにカセット500の遠位端503、506を付勢するために適合されたカセット当接表面1114aを備える。カセット当接表面1114aは、カセット500と自動注射器1000とを組み立てる前に、内部注射器部品が実質的に近位方向に延在しない近位端平面を画定する。前記実質的には、ピン1156、1158、1159のうちの1つ以上の全長の、例えば、2%、5%、又は10%までの小さい先端が、カセット当接表面1114a外側に近接して延在することが含まれる。同様に、内部注射器部品の遠位端には、遠位平面がある。内部注射器部品の近位平面と遠位平面との両方において、騒音低減材料1109、1155が、使用中に任意の内部注射器部品によって生じる騒音を減衰させるために配置される。騒音低減材料1109、1155は、ゴムなどの可撓性材料、及び/又は1つ以上のOリング(複数可)、おそらく図16に示されるような正方形の形状のOリングの形態であってよい。
【0187】
駆動要素1150はまた、自動注射器1000に含まれるピンの数の移動を制御する。図16に示されるように、ピンの数は、第1のカセット係止ピン1156と、皮膚センサピン1158と、第2のカセット係止ピン1159と、を含み得る。第1の係止ピン1156及び第2の係止ピン1159は、ピストン1168に接続されている。これは、ピストン1168上の第1の係止ピンブリッジ接続部1162及び第2の係止ピンブリッジ接続部1163によって得られる。第1のカセット係止ピン1156の遠位端1166は、第1のカセット係止ピンブリッジ接続部1162に固定され、第2のカセット係止ピン1159の遠位端1167は、第2のカセット係止ピンブリッジ接続部1163に固定されている。これにより、駆動モジュール1150は、ピストン1168を移動させるときに、第1のカセット係止ピン1156、及び第2のカセット係止ピン1159を移動させることができる。あるいは、2つのカセット係止ピン1156、1159の移動は、ピストン1168の移動から切り離すことができる。したがって、カセット係止ピンの移動は、個々に、又は同時に移動する複数のペンの形態であってもよい。
【0188】
皮膚センサピン1158もまた、ピストン1168が近位に移動するときに一緒に移動する。皮膚センサ1158は、ばね1143と、ばね1143が近位方向に押圧するストッパ1144と、を含むばねシステムに結合される。ストッパ1144は、皮膚センサであるストッパ収容部1164に配置される。カセット500が自動注射器1000に配置され、皮膚センサピン1158が近接して移動されたときに、皮膚センサ1158は、第2のカセット皮膚センサピン558に接触する。カセット皮膚センサ550が遠位方向に押されている限り、これは、皮膚センサピン1158がピストン1168及び2つのカセット係止ピン1156、1158とともに近位方向に移動するのを防止する。これにより、ばね1143が引張される。引張されたばね1143は皮膚センサピン1158に作用するので、カセット皮膚センサ550を解放するとき、ばね1143はカセット皮膚センサ550を近位に押す。これにより、薬剤の最終送達後に針が露出されないことが確実にされる。カセット皮膚センサ550は、カセット皮膚センサ550の遠位移動を防止する係止位置内に押され得る。遠位係止は、カセット皮膚センサアーム566によって容易にされ、カセット皮膚センサアーム566の係止表面567は、カセットハウジング540内の内側開口部に係止する。カセット皮膚センサ550の近位移動はまたハウジング皮膚センサ表面の追加のセットによって防止され得る。
【0189】
カセット係止ピン1156、1159は、図16に示される自動注射器において対称的な構成で平行に移動するので、「第1の」及び「第2の」の命名が入れ替わることがある。また、カセット500が自動注射器1000に挿入される方向に応じて、命名が変わることがある。第1及び第2のシリンジホルダアーム512、516の特徴を1つのシリンジホルダアームに組み合わせることによって、第2のカセット係止ピン1159及び対応する開口部1119は、取り外され得る。これは、1つのカセット係止ピンが1つのシリンジホルダアームと接触することを確実にする特定の方法でカセット500が挿入されることを必要とする。
【0190】
ピン1156、1158、1159、及びピストン1168はまた、自動注射器1000内部でカセット500を固設及び係止するため、並びに薬剤の投与を容易にするために適合されたカセット相互作用部品とも呼ばれ得る。図16に示されるカセット相互作用部品に共通するのは、それらが自動注射器1000の長手方向軸と平行に移動することである。カセット相互作用部品は、おそらく、自動注射器の長手方向軸と平行に移動することに加えて、カセット相互作用部品自体の軸を中心として回転するように構成され得る。また、カセット相互作用部品は、自動注射器の長手方向軸と平行ではない方向に移動することを防止され得る。
【0191】
カセット500を受容するように構成されたカセット受容シャーシ1110。カセット受容シャーシ1110は、近位端1111から遠位端1112まで延在しており、遠位端において、遠位に延在するシャーシアーム1113が見出される。シャーシ1110の近位端1111には、ピストン開口部1115と、第1のピン開口部1116と、第2のピン開口部1117と、第3のピン開口部1118と、第4のピン開口部1119と、を含む、いくつかの開口部を有する近位シャーシ部分1114がある。自動注射器内のピンの数に応じて、より少ない開口部も使用することができる。開口部は円形の開口部であるが、円形でない場合は、ピンの形状を模した異なる形状も有してもよい。
【0192】
カセット500が自動注射器1000内に配置されると、ピストン開口部1115は、シリンジホルダ510内のピストン開口部525と整列されて、自動注射器ピストン1168が内部を通って延在することを可能にする。同様に、シリンジホルダ510内の第1のピン開口部526は、第1のカセット係止ピン1156が両方の開口部を通過して第1シリンジホルダアーム512を偏向させ、それによって、図7A~Gに関連して先に説明されたように、カセット皮膚センサ550をシリンジホルダ510から係止解除することができるように、第1のピン開口部1116と整列される。
【0193】
近位シャーシ部分1114内の第2のピン開口部1117は、シリンジホルダ510内の第2のピン開口部527と整列されて、カセット皮膚センサ550の第1のカセット皮膚センサピン557が内部を通過することを可能にする。第2のピン開口部1117は、完全に延在するのではないが、代わりに、端面1121(図7Gを参照)を有し、これは、カセット皮膚センサ550の第1のカセット皮膚センサピン557の自動注射器に向かうその遠位移動を停止する。第1のカセット皮膚センサピン557が短くなれば、第2のピン開口部1117を排除することができ、代わりに第1のカセット皮膚センサピン557は近位シャーシ部分1114によって停止される。
【0194】
第3のピン開口部1118は、皮膚センサピン1158及び/又は第2のカセット皮膚センサピン558が内部を通過することを可能にするために、シリンジホルダ510内の第3のピン開口部528と整列される。これはまた、図7A~Fの自動注射器との関連でも示され、説明された。第4のピン開口部1119は、第2のカセット係止ピン1159が内部を通過することを可能にするために、シリンジホルダ510内の第4のピン開口部529と整列される。
【0195】
カセット500が自動注射器1000に配置されたときに、カセット係止ピン1156、1159は、カセット500のピン開口部526、529内に通過し、カセット係止突出部を自動注射器ハウジング1102内に押し、注射器ハウジング1102内の内部部品が、カセットハウジング530の近接移動を防止し、それによって、カセット500を自動注射器1000に係止する。カセット係止ピン1156、1159がカセット500内に更に移動すると、第1のカセット係止ピン1156は、第1のシリンジホルダアーム512を偏向させる。これにより、カセット皮膚センサ550が解放され、それがシリンジホルダ510に向かって、すなわち、カセット皮膚センサ550の遠位方向の移動に向かって移動することができるようになる。シリンジホルダ510及び皮膚センサ550は、皮膚センサ550をシリンジホルダ510から解放すると、互いに対して長手方向に移動可能である。自動注射器を患者の皮膚に対して押圧することによって、カセット皮膚センサ550の移動が針を遠位に露出させるので、針を患者内部に挿入することができるようになる。
【0196】
カセット皮膚センサ550がシリンジホルダ510に向かって移動すると、第1のカセット皮膚センサピン557は、シリンジホルダ510内の第2のピン開口部527に向かって、及び場合によってはそれを通って移動する。同様に、第2のカセット皮膚センサピン558は、カセット皮膚センサ558が遠位に移動するときに、シリンジホルダ510内の第3のピン開口部528に向かって、及び場合によってはそれを通って移動する。第2のカセット皮膚センサピン558が開口部528、1118を通過するとき、上述したように皮膚センサピン1158に接触する。
【0197】
カセット係止ピン1156、1159のカセット500内への更なる移動により、第2のカセット係止ピン1159は、第2のシリンジホルダアーム516を偏向させる。これにより、カセット皮膚センサ550は、近位方向にシリンジホルダ510から離れる方向に移動することができるように解放される。したがって、ユーザが患者の皮膚から自動注射器を取り外すとき/場合、カセット皮膚センサ550は、薬剤注射後に針を覆うために近位に移動することができるようになる。皮膚センサピン1158に作用するばね1143は、上述したように、使用後にカセット皮膚センサ550が係止されることを確実にする。
【0198】
図16に示されるような自動注射器はまた、プリント回路基板(PCB)1180と、USB接続部1181と、USB PCBプレート1182と、バッテリ1184と、も備える。PCBボード1180上には、自動注射器内部のピンの位置を検出するためのいくつかのスイッチ1171a、1171b、1171cも配置されている。
【0199】
図17は、組み立てられた自動注射器1000を、カセット500が挿入される前面から見た図を示す。カセット当接表面1114aは、カセット500と自動注射器1000とを組み立てる前に、内部注射器部品が実質的に近位に延在しない近位端面を画定する。前記実質的に、には、内部注射器部品のわずかな部分のみが、カセット当接表面1114aと比較して近位に2%、5%、又は10%まで突出するような、少量突出する状況が含まれる。これは、図19に示されるように、第2のカセット係止ピン1159の先端がカセット当接表面1114a外側に突出している。ピン1156、1158、1159はまた、図17にも示されている。
【0200】
カセット当接表面1114aはまた、実質的に空洞がない近位端平面が遠位セクション1106内に遠位に延在するように画定してもよい。前記実質的に、には、ここでもまた、図7G、物品1121に示されるように、わずかに閉じたウェル型開口部が表面1114aに存在することが含まれる。
【0201】
滑らかなカセット当接表面1114a及びその後ろの支持プレート1114bは、例えば、汚れ及び埃などを収集するための溝を避けるために、自動注射器を簡単な方法で清潔に保つことができることを確実にする。また、ユーザが自動注射器の内部部品にアクセスすることが防止される。これは、自動注射器1000の寿命を延ばす。
【0202】
図20A~Iは、図8図15のカセット500と図16図19の自動注射器との間の相互作用を示している。図7A~Gと比較して、カセット解放ピン1156、1159は、第2のカセット解放ピン1159が皮膚センサピン1158の隣に配置されるように、切り替えられた位置を有する。カセット解放ピン1156、1158は交換可能な方法で動作し、一緒に移動するので、これは自動注射器1000とカセット500との間の相互作用に影響を与えない。また、図7A~Gと比較して、図20A~Iは、カセット500を180度回転させ、それによって、図7A~Fのように第1のシリンジホルダアーム512及び第1のカセット係止ピン1156の代わりに、図20A~Hの第2のシリンジホルダアーム516及び第2のカセット係止ピン1159を示している。
【0203】
カセット500及び自動注射器1000は、針の手動挿入を使用した構成で示され、説明される。自動針挿入もまた、ばねモータシステムを含むことによって想定され得る。
【符号の説明】
【0204】
200 シリンジ
201 シリンジ/シリンジ区画の近位端
202 シリンジ区画
203 シリンジ/シリンジ区画の遠位端
204 中空針
205 シリンジの遠位端面
206 剛性針シールド
207 剛性針シールドの内側部分
208 ストッパ
210 プランジャロッド
500 カセット
501 内側カセット部分
502 内側カセット部分の近位端
503 内側カセット部分の遠位端
504 外側カセット部分
505 外側カセット部分の近位端
506 外側カセット部分の遠位端
507a シリンジホルダリング
507b シリンジホルダリング
508 シリンジホルダの近位端
509 シリンジホルダの遠位端
510 シリンジホルダ
511 シリンジホルダ支持管
512 第1のシリンジホルダアーム
513 第1のシリンジホルダアームの近位端
514 第1のシリンジホルダアームの近位端の近位表面
515 シリンジ係止突出部
516 第2のシリンジホルダアーム
517 第2のシリンジホルダアームの近位端
518 第2のシリンジホルダアームの近位端の遠位表面
519 シリンジホルダプレート
520 シリンジホルダプレートの近位支持表面
521 シリンジホルダプレートの遠位支持表面
522 第1のシリンジホルダ係止アーム
523 第2のシリンジホルダ係止アーム
524 シリンジホルダ係止突出部ハウジング
525 シリンジホルダプレート内のピストン開口部
526 シリンジホルダプレート内の第1のピン開口部
527 シリンジホルダプレート内の第2のピン開口部
528 シリンジホルダプレート内の第3のピン開口部
529 シリンジホルダプレート内の第4のピン開口部
530 カセットキャップ
531 剛性針シールドとシリンジ区画の近位端との間に配置された第1の部分
532 カセットキャップの近位端
534 カセットキャップの遠位端
535 内側剛性針シールド管
536 外側剛性針シールド管
537 カセットキャップの遠位端
538 カセットキャップの近位端
539 カセット係止突出部
540 カセットハウジング
541 カセットハウジングの近位端
542 カセットハウジングの遠位端
543 カセットハウジングの遠位端面
544 カセットハウジング内の係止開口部
545 皮膚センサハウジング開口部
546 ハウジング肩部
547 薬物検査用のハウジング内の開口部
548 カセットハウジング内部の突出レール
549 シリンジ係止アーム
550 カセット皮膚センサ
552 カセット皮膚センサの遠位端
553 第1の係止突出部
554 第2の係止突出部
556 シリンジの検査用開口部
557 第1のカセット皮膚センサピン
558 第2のカセット皮膚センサピン
560 カセット皮膚センサの近位端
562 カセット皮膚センサの皮膚接触面
566 カセット皮膚センサアーム
567 カセット皮膚センサアームの係止面
568 カセットハウジング内部のレール内に嵌合するカセット皮膚センサレール
570 カセットスリーブ
571 カセットスリーブの近位端
572 カセットスリーブの遠位端
573 カセットスリーブ上のスリーブアーム
574 スリーブ係止突出部
575 内側螺旋表面部分
576 カセットスリーブの開口部
577 内側螺旋面の端面点
580 シリンジホルダの開口部
1000 自動注射器
1102 ハウジング
1103 ハウジングの近位端
1104 ハウジングの遠位端
1105 ハウジング内部の突出タブ
1106 内部注射器部品を覆うハウジングの遠位セクション
1107 ハウジングの開口部
1108 カセット覆いセクション
1109 騒音低減材料/Oリング
1110 カセット受容シャーシ
1111 シャーシの近位端
1112 シャーシの遠位端
1113 遠位に延在するシャーシアーム
1114 近位シャーシ部分
1114a 近位シャーシ部分/カセット当接表面の近位表面
1114b 支持プレート
1115 近位シャーシ部内のピストン開口部
1116 近位シャーシ部内の第1のピン開口部
1117 近位シャーシ部内の第2のピン開口部
1118 近位シャーシ部内の第3のピン開口部
1119 近位シャーシ部内の第4のピン開口部
1120 近位シャーシ部内の第5の開口部
1121 第2のピン開口部の端面
1140 皮膚センサに作用するばねシステム
1141 ばね案内ピン
1142 皮膚センサピンを案内するための支持シャーシ
1143 皮膚センサに作用するばねシステム内のばね
1144 皮膚センサに作用するばねシステム内のばねを停止するためのストッパ
1148 歯車
1149 歯車
1150 駆動モジュール
1151 モータ
1152 歯車カバー
1153 歯車アセンブリ
1154 シャーシカバー
1155 騒音低減材料/Oリング
1156 第1のカセット係止ピン
1158 皮膚センサピン
1159 第2のカセット係止ピン
1160 カセット検出ピン
1161 皮膚センサピン用案内ピン
1162 第1の係止ピンブリッジ接続部
1163 第2の係止ピンブリッジ接続部
1164 ストッパ格納部分
1166 ブリッジ接続部に接続する第1のカセット係止ピンの遠位端
1167 ブリッジ接続部に接続する第2のカセット係止ピンの遠位端
1168 率いられたねじに適合するように内部にねじ山を有するピストン
1169 率いられたねじ
1170 ブリッジ
1171 スイッチ
1171a スイッチ
1171b スイッチ
1171c スイッチ
1172 シャーシカバーの開口部
1174 シャーシカバーと率いられたねじとの間の接続リング
1176 率いられたねじプレート
1178 ピストン端部プレート
1180 プリント回路基板
1181 USB接続部
1182 USBプリント回路基板プレート
1184 バッテリ
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A-6B】
図6C-6D】
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図11D
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図15A
図15B
図15C
図15D
図16
図17
図18A
図18B
図19
図20A
図20B
図20C
図20D
図20E
図20F
図20G
図20H
図20I