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  • 特開-床下収納庫又は点検口用の蓋体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038499
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】床下収納庫又は点検口用の蓋体
(51)【国際特許分類】
   E04F 19/08 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
E04F19/08 103C
E04F19/08 101B
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024010848
(22)【出願日】2024-01-29
(62)【分割の表示】P 2019206431の分割
【原出願日】2019-11-14
(71)【出願人】
【識別番号】319011502
【氏名又は名称】YPC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141586
【弁理士】
【氏名又は名称】沖中 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治
(72)【発明者】
【氏名】溝田 豊彦
(57)【要約】
【課題】組立時の作業性、さらには、軽量化やデザイン性を向上することができ、軽量で取り扱いが容易な床下収納庫又は点検口用の蓋体を提供すること。
【解決手段】床Fに設けた床下収納庫又は点検口の開口部分を塞ぐために用いられるもので、表側部材2と裏側部材3とを、蓋枠4を介して、一体化してなり、蓋枠4の下端部に第1の係合部41を設けるとともに、裏側部材3の外周部に、第1の係合部41と係合する第2の係合部31を設ける。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床下収納庫又は点検口の開口部分を塞ぐために用いられる、表側部材と裏側部材とを、蓋枠を介して、一体化してなる蓋体において、前記蓋枠の下端部に第1の係合部を設けるとともに、裏側部材の外周部に、第1の係合部と係合する第2の係合部を設けてなることを特徴とする床下収納庫又は点検口用の蓋体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床下収納庫又は点検口用の蓋体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、床下収納庫や点検口の開口部分を塞ぐために、表側部材と裏側部材とを、蓋枠を介して、一体化してなる蓋体が汎用されている。
【0003】
ところで、このような蓋体の蓋枠として、内向きに鍔部を有し、この鍔部で表側部材の周縁を上面から押え付け、また、蓋枠は、その裏面に、多数のねじ穴を形成し、裏側部材の裏面側からねじによって、裏側部材に対して締め込み、固定される構造としたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-278122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の蓋体は、蓋枠を、裏側部材の裏面側からねじによって、裏側部材に対して締め込み、固定される構造とされているため、多数のねじの締め込み作業に手数を要するとともに、ねじ穴を形成する蓋枠に一定の厚みが必要となるため、軽量化やデザイン性を向上するための障害となっていた。
【0006】
本発明は、上記従来の蓋体の有する問題点に鑑み、組立時の作業性、さらには、軽量化やデザイン性を向上することができ、軽量で取り扱いが容易な床下収納庫又は点検口用の蓋体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の床下収納庫又は点検口用の蓋体は、床下収納庫又は点検口の開口部分を塞ぐために用いられる、表側部材と裏側部材とを、蓋枠を介して、一体化してなる蓋体において、前記蓋枠の下端部に第1の係合部を設けるとともに、裏側部材の外周部に、第1の係合部と係合する第2の係合部を設けてなることを特徴とする。
【0008】
この場合において、前記第1の係合部が、爪状の突起からなり、第2の係合部が、第1の係合部の爪状の突起が係合する窪みからなるようにすることができる。
【0009】
また、前記裏側部材側からねじ込んだねじのねじ面が、蓋枠の下端部に半掛けされてなるようにすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の床下収納庫又は点検口用の蓋体によれば、蓋枠の下端部に第1の係合部を設けるとともに、裏側部材の外周部に、第1の係合部と係合する第2の係合部を設けてなるようにすることにより、蓋枠と裏側部材とを締結するねじの本数を少なくする(又はねじの使用をなくす)ことで、組立時の作業性を向上することができ、取り扱いが容易な床下収納庫又は点検口用の蓋体を提供することができる。
【0011】
また、裏側部材側からねじ込んだねじのねじ面が、蓋枠の下端部に半掛けされてなるよ
うにすることにより、蓋枠の厚みを薄くすることが可能となるため、軽量化やデザイン性を向上することができ、軽量な床下収納庫又は点検口用の蓋体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の床下収納庫又は点検口用の蓋体を適用した床下点検口の一例を示し、(a)は平面図、(b)は縦断面図である。
図2】本発明の床下収納庫又は点検口用の蓋体の一実施例を示す平面図である。
図3】同蓋体を示し、(a)は図2のA-A断面図、(b)は同B-B断面図、(c)は同C-C断面図である。
図4】同蓋体を示す、図3(b)の詳細図である。
図5】同蓋体の裏側部材を示す斜視図である。
図6】同蓋体の裏側部材を示す正面図である。
図7】同蓋体の蓋枠を示す斜視図である。
図8】同蓋体の蓋枠を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の床下収納庫又は点検口用の蓋体の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0014】
図1図8に、本発明の床下収納庫又は点検口用の蓋体の一実施例を示す。
この床下収納庫又は点検口用の蓋体1は、床Fに設けた床下収納庫又は点検口の開口部分を塞ぐために用いられるもので、表側部材2と裏側部材3とを、蓋枠4を介して、一体化してなり、蓋枠4の下端部に第1の係合部41を設けるとともに、裏側部材3の外周部に、第1の係合部41と係合する第2の係合部31を設けてなるものである。
【0015】
ここで、裏側部材3には、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂等の合成樹脂材料で形成されてなる、上面部3Aと、下方を膨出させた下面部3Bと、上面部3Aと下面部3Bとを合わせることで形成される空間内に配置されてなる格子構造(又はハニカム構造)の補強用リブ部(図示省略)とを備え、上面部3A、下面部3B及び補強用リブ部が、一体化されてなるものを好適に用いることができる。
そして、補強用リブ部のリブ間に、発泡樹脂、グラスウール、ロックウール等の断熱材を充填するようにすることもできる。
【0016】
裏側部材3は、従来の床下収納庫又は点検口用の蓋体と同様、例えば、床Fの材料と同じ材料からなる表側部材2と組み合わせ、蓋枠4に加え、裏側部材3の裏面側からねじ等の締結手段(図示省略)を用いて組み立てることで、床面(床F)に形成した開口部の枠部材5内に嵌め込んで使用する蓋体1とすることができる。
【0017】
この場合において、本実施例においては、第1の係合部41が、爪状の突起からなり、第2の係合部31が、第1の係合部41の爪状の突起が係合する窪みからなるように、より具体的には、内向きの爪状の突起からなる第1の係合部41が、裏側部材3の上面部3Aの外周部の下方に形成された窪み(裏側部材3の下面部3Bの後退部)からなる第2の係合部31に係合するようにしている。
【0018】
裏側部材3の下面部3Bは、外周部に、第2の係合部31を構成する窪み(裏側部材3の下面部3Bの後退部)及び第1の係合部41を外周側から覆う、下から上に向けて立ち上がる起立片32を形成するようにしている。
【0019】
ここで、第1の係合部41及び第2の係合部31の形状や形成位置や方向は、本実施例のものに限定されず、任意の係合構造を採用することができ、例えば、外向きの爪状の突
起からなる第1の係合部41が、裏側部材3の起立片32の内周面に形成された窪みからなる第2の係合部31に係合するようにしたり、第2の係合部31を爪状の突起で、第1の係合部41をこの爪状の突起が係合する窪みで、それぞれ構成するようにしたりすることができる。
【0020】
第1の係合部41と第2の係合部31を係合することにより、表側部材2を蓋枠4の鍔部42で押さえ、裏側部材3との間で挟み込むようにした状態で、蓋枠4を裏側部材3に固定することができるが、さらに、必要に応じて、裏側部材3と蓋枠4をねじ6を用いて固定することができる。
【0021】
裏側部材3と蓋枠4をねじ6を用いて固定する場合、裏側部材3側からねじ込んだねじ6のねじ面が、蓋枠4の下端部に半掛けされてなるようにすることができる。
裏側部材3には、上面部3A及び下面部3Bに、ねじ6の締め込み過ぎによるねじの空転を防止するためのねじ穴33A、33Bを形成するようにする。
これにより、蓋枠4にねじ穴を形成しない分だけ蓋枠4の厚みを薄くすることが可能となるため、軽量化やデザイン性を向上することができ、軽量な床下収納庫又は点検口用の蓋体1を提供することができる。
【0022】
また、裏側部材3の下面部3Bの裏面に、パッキン装着部34を周溝状に形成する。
このパッキン装着部34は、直線部と裏側部材3の角部に位置するコーナ部とからなり、パッキン装着部34のパッキン35を装着する装着面を、内周側と外周側との高さを違えた傾斜面に形成するようにしている。
ここで、傾斜面に形成する箇所は、少なくともコーナ部(本実施例においては、直線部とコーナ部とからなるパッキン装着部34の全部。直線部の傾斜面をそのままコーナ部まで延長し、アール形状にしたり、角を落とした形状にしたりするようにしている。なお、直線部は、水平面に形成することもできる。)とする。
また、傾斜面は、本実施例のように、下方内向きの傾斜面に形成するほか、下方外向きの傾斜面に形成することもできる。
そして、パッキン装着部34には、断面形状が略矩形をしたパッキン35を、直線部からコーナ部にかけて連続して貼着するようにする。
このように、パッキン装着部34の装着面を傾斜面に形成することにより、周溝状に形成したパッキン装着部のコーナ部における、パッキン装着部に装着したパッキン35の内周側と外周側の伸縮差を少なくすることができ、コーナ部におけるパッキン35の撚れや皺の発生を防止し、パッキン35の装着性及び気密性を向上することができる。
【0023】
この床下収納庫又は点検口用の蓋体1によれば、蓋枠4の下端部に第1の係合部41を設けるとともに、裏側部材3の外周部に、第1の係合部41と係合する第2の係合部31を設けてなるようにすることにより、蓋枠4と裏側部材3とを締結するねじの本数を少なくする(又はねじの使用をなくす)ことで、組立時の作業性を向上することができ、取り扱いが容易な床下収納庫又は点検口用の蓋体1を提供することができる。
【0024】
以上、本発明の床下収納庫又は点検口用の蓋体について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明の床下収納庫又は点検口用の蓋体は、組立時の作業性、さらには、軽量化やデザイン性を向上することができ、軽量で取り扱いが容易であるという特性を有していることから、床下収納庫用の蓋体や床下点検口用の蓋体の用途に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0026】
1 蓋体
2 表側部材
3 裏側部材
3A 上面部
3B 下面部
31 第2の係合部
32 起立片
33A ねじ穴
33B ねじ穴
34 パッキン装着部
35 パッキン
4 蓋枠
41 第1の係合部
42 鍔部
5 枠部材
6 ねじ
F 床
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8