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特開2024-38500医用画像分析、決定サポートシステム、および関連するグラフィカルユーザインタフェース(GUI)アプリケーションのためのネットワーク
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038500
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】医用画像分析、決定サポートシステム、および関連するグラフィカルユーザインタフェース(GUI)アプリケーションのためのネットワーク
(51)【国際特許分類】
   G01T 1/161 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
G01T1/161 D
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024010876
(22)【出願日】2024-01-29
(62)【分割の表示】P 2022010804の分割
【原出願日】2017-10-26
(31)【優先権主張番号】62/413,936
(32)【優先日】2016-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519141494
【氏名又は名称】プロジェニクス ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マーク アール. ベイカー
(57)【要約】
【課題】医用イメージング検査の改善された分析ならびにそれらの結果、診断、予後、治療推奨事項、および患者に関連付けられたリスクの通信のためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】たとえば、がん治療の経過について決定を行うプロセスを支援するためならびに/または治療および/もしくは疾患の進行を追跡するための、医療従事者および/またはその患者による使用のための、クラウドベースのプラットフォームおよびサポートされるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)意思決定ツールが、本明細書において提示される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
図面に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2016年10月27日に出願された米国仮出願番号第62/413,936号の利益を主張しており、その内容は、その全体が本明細書によって参考として本明細書中に援用される。
【0002】
技術分野
本発明は、一般に、医用画像データの作成、分析、および/または提示のためのシステムおよび方法に関する。より詳細には、ある特定の実施形態では、本発明は、たとえば、がん治療の経過について決定を行うプロセスを支援するためならびに/または治療および/もしくは疾患の進行を追跡するための、医療従事者および/またはその患者による使用のための、クラウドベースのプラットフォームおよびサポートされるGUI意思決定ツールに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
標的画像分析は、疾患の進行中に変化する、体内の特定の受容体、酵素、およびタンパク質に結合する、放射標識された小分子の使用を伴う。患者への投与後、これらの分子は、目的とする標的を見つけるまで、血液中を循環する。結合された放射性医薬品は疾患の部位に留まるが、薬剤の残りは身体から出て行く。分子の放射性部分はビーコンとして働くことにより、世界中のほとんどの病院で見られる単光子放射コンピュータ断層撮影(SPECT)カメラまたは陽電子放射断層撮影(PET)カメラとして公知である一般に利用可能な核医学カメラを使用して、疾患位置および濃度を描く画像が取得され得る。次いで、医師は、この情報を使用して、患者内での疾患の存在および程度を判定することができる。医師は、この情報を使用して、推奨される治療の経過を患者に提供し、疾患の進行を追跡することができる。
【0004】
PET画像およびSPECT画像の分析および増強に利用可能なさまざまなソフトウェアベースの分析技法が、放射線科医または医師によって使用可能である。特定の種類のがんを撮像するために利用可能ないくつかの放射性医薬品もある。たとえば、小分子診断1404は、前立腺がん細胞の95%超の細胞の表面上で増幅されるタンパク質であり、原発性前立腺がんおよび転移性前立腺がんの検出のための検証された標的である、前立腺特異的膜抗原(PSMA)の細胞外ドメインを標的とする。1404は、広く入手可能であり、比較的安価で、効率的な用意を容易にし、核医学イメージング適用例にとって魅力的なスペクトル特性を有するガンマ放射体同位元素であるテクネチウム-99mで標識される。
【0005】
放射性医薬品の別の例は、臨床段階にある、前立腺がんのためのフッ化PSMA標的PET造影剤である、PyL(商標)([18F]DCFPyLとしても公知である)である。Journal of Molecular Imaging and Biologyの2015年4月号において発表された概念実証試験において、PyL(商標)を用いたPETイメージングにより、推定される転移性疾患および原発性腫瘍の部位内での高レベルのPyL(商標)摂取が示され、前立腺がんを検出する際の高い感度および特異度の可能性が示唆されることが実証された。
【0006】
腫瘍専門医は、患者の標的PET検査または標的SPECT検査からの画像を、患者が特定の疾患、たとえば前立腺がんに罹患しているかどうか、疾患のどのステージが明らかなのか、推奨される治療の経過(もしあれば)はどのようなものか、外科的介入が指し示されるかどうか、および見込みのある予後のアセスメントにおいて入力として使用してよい。腫瘍専門医は、このアセスメントにおいて放射線科医の報告を使用してよい。放射線科医の報告は、イメージング試験を要求した医師のために放射線科医によって用意されたPET画像またはSPECT画像の技術的評価であり、たとえば、実行された試験のタイプ、病歴、画像間の比較、試験を実行するために使用された技法、放射線科医の所見および知見、ならびに放射線科医がイメージング検査結果に基づいて持ち得る全体的な印象および推奨事項を含む。署名された放射線科医報告は、医師のレビューのために検査をオーダーした医師に送出され、続いて、結果および治療の推奨事項について医師と患者との間で議論が行われる。
【0007】
したがって、プロセスは、患者に対するイメージング検査を放射線科医に実行させることと、取得された画像を分析することと、放射線科医報告を作成することと、その報告を要求元の医師にフォワーディングすることと、アセスメントおよび治療推奨事項を医師に策定させることと、医師に、結果、推奨事項、およびリスクを患者に通信させることとを伴う。プロセスは、不確かな結果によりイメージング検査を繰り返すこと、または初期結果に基づいてさらなるテストをオーダーすることも伴うことがある。
【0008】
イメージング検査が、患者が、特定の疾患または状態(たとえば、がん)を有することを示す場合、医師は、手術を含む種々の治療選択肢、ならびに手術を受けるのではなく、何もしないリスクまたは慎重な待機手法もしくは積極的サーベイランス手法を採用するリスクについて論じる。
【0009】
医師の観点から、および患者の観点からの両方で、このプロセスに関連付けられた制限がある。放射線科医の報告は確かに有用であるが、医師は、患者のためのアセスメントおよび推奨事項を策定する際に、最終的には自分の経験に依拠しなければならない。そのうえ、患者は、医師に大きな信頼を置かなければならない。医師は、患者に患者のPET/SPECT画像を示すことがあり、患者に、種々の治療選択肢または特定の予後の可能性に関連付けられた、数字上のリスクを告げることがあるが、患者は、この情報の意味を理解しようと非常に奮闘することがある。さらに、特に、がんが診断されたが、患者が手術しないことを選ぶ場合、患者の家族は質問がある可能性が多いであろう。患者および/または患者の家族成員は、補足情報をオンラインで調査することがあり、診断された状態のリスクについて誤りが伝えられることがある。困難な試練が、より大きな精神的ショックとなることがある。
したがって、医用イメージング検査の改善された分析ならびにそれらの結果、診断、予後、治療推奨事項、および患者に関連付けられたリスクの通信のためのシステムおよび方法が依然として必要とされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Journal of Molecular Imaging and Biologyの2015年4月号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の要旨
たとえば、がん治療の経過について決定を行うプロセスを支援するためならびに/または治療および/もしくは疾患の進行を追跡するための、医療従事者および/またはその患者による使用のための、クラウドベースのプラットフォームおよびサポートされるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)意思決定ツールが、本明細書において提示される。
【0012】
たとえば、患者のための画像データの所与のセットに関するフィードバックを複数のユーザが記憶する、アクセスする、分析する、および/または提供することを可能にするネットワークベース(たとえば、クラウドベース)のサポートプラットフォームが、本明細書において提示され、プラットフォームは、標的PET/SPECT/または他の画像の自動化された分析、放射線科医報告の生成、画像が分析されるプロセスを更新するための機械学習アルゴリズムの適用(たとえば、増大する画像データベースに基づいてセグメンテーションおよび/または分類ルーチンを更新すること)のためのソフトウェアツールをサポートする。ある特定の実施形態では、標的PET/SPECT画像は、PyL(商標)および/または1404を放射性医薬品として使用して取得され得る。ある特定の実施形態では、複数の(認定された)ユーザは、たとえば、データ解釈に関する議論などに加わるために、情報にアクセスすることができる。
【0013】
参照画像との比較のための患者臓器(および/または他の組織)に対応する3Dリスク画像の提示を調整するための(たとえば、意思決定サポートとしての患者への結果の通信において使用するための)制御をもつグラフィカルユーザインタフェース(GUI)要素を特徴とするソフトウェアツール(たとえば、モバイルアプリ)が本明細書においても提示される。たとえば、ツールは、上記のネットワークベースのサポートプラットフォームによってサポートされてよい。このツールは、患者に(および/または医師に、または患者の許可を得て患者の家族に)患者の状態についての情報を通信するために、容易に理解され、ユーザフレンドリーかつ対話型で制御可能な、絵で表した表示を提供することができる。たとえば、がんのリスクが検出される患者は、リスクのエリアおよび/または程度を指し示すマップを表示することができ、このリスクマップを、所与の治療の過程が推奨される他者のリスクマップと比較することができる。たとえば、このツールは、(たとえば、前立腺がんの検出されたリスクに対して)手術を受けるべきかどうかの患者の決定において患者を助けることができる。患者は、自分のリスクマップを、手術が推奨されるであろう典型的なリスクレベルを表すマップと視覚的に比較することができ、この典型的なリスクレベルよりも下では、手術を受けることを選ばず、経過観察手法もしくは積極的サーベイランスに関与することが合理的であることがある。したがって、がんの非ゼロリスクを有すると医師に言われた低リスク患者は、患者の状況と誰かの状況との間の視覚的で制御可能な比較に快適さを見出し得る(たとえば、患者のリスク状況がそれと比較される参照が、患者の年齢、体重、および/または他のリスク因子に同調可能である場合)。
【0014】
一態様では、本発明は、(たとえば、ネットワークまたはインターネットホストサーバの)プロセッサと、その上に記憶された命令を有するメモリであって、この命令は、プロセッサによって実行されるとき、以下の機能(i)から(v):(i)医用画像[たとえば、標的PET画像、標的SPECT画像、コンピュータ断層撮影(CT)画像、磁気共鳴(MR)画像、超音波(US)画像、ガンマカメラ(すなわちシンチレーションカメラ)画像、および上記のいずれかの組合せ、融合物、または派生物のうちの1つまたは複数を含む]を受信し、データベース[たとえば、標的PET/SPECT/ガンマカメラ画像が、1つまたは複数の放射性医薬品(たとえば、[18F]DCFPyLおよび/または1404および/またはテクネチウム99mを含む組成物{たとえば、テクネチウム99mメチレンジホスホネート(99mTc MDP)})を使用して取得される、ならびに/または医用画像が、非放射性剤を使用して、もしくは剤を使用することなく、取得される]に記憶することであって、各医用画像は特定の患者に関連付けられる、受信および記憶すること、(ii)ユーザコンピューティングデバイス上での表示のためのユーザへの送信に対する、ユーザ要求のあったときに(たとえば、要求された画像および/またはデータをユーザが受信するために適正に資格が与えられた自動化された検証に続いて)、データベースからの特定の患者に関連付けられた医用画像および/または関係データのうちの1つまたは複数にアクセスすること、(iii)医用画像のうちの1つまたは複数を自動的に分析すること[たとえば、現在の疾患のリスクまたは疾患たとえばがんの再発のリスクの領域をマークするグラフィカル記号(たとえば、テクスチャコーディングまたはカラーコーディング)をもつリスク指標(たとえば、BSI)および/またはリスクマップ、たとえば、組織(たとえば、臓器または身体の他のパーツ)の視覚的表現(たとえば、3D表現)を生成するために、たとえば、リスクマップは、組織のPET/SPECT/CT/MRI/US/合成/派生/融合画像の重ね合せとして表示される、または組織の画像の場所にある]、(iv)患者のための医用画像のうちの1つまたは複数に応じて、患者のための放射線科医報告を生成すること、ならびに(v)データベース内の蓄積された画像データを使用して、医用画像のうちの1つまたは複数を自動的に分析するためのプロセスを更新するために、機械学習アルゴリズムを適用すること[たとえば、上記の(iii)および/または(v)における1つまたは複数の医用画像の自動分析が、以下の(a)から(d):(a)組織の(たとえば、PET、SPECT、CT、MRI、および/またはUS)画像の自動化された融合、(b)患者の画像化された組織の1つまたは複数の臓器、臓器構造、下位臓器(sub-organ)、臓器領域、および/または他の領域の地理的識別、ならびに重ね合わされたPET、SPECT、CT、MRI、および/またはUSデータを用いた地理的に識別された組織の3D画像の生産、(c)データベースからのデータ、組織の画像、および/または(b)における3D画像を使用した、1つもしくは複数のリスク指標を含むリスク情報、リスクフィールド、またはリスクマップの計算、ならびに(d)患者のための3Dリスクピクチャを生産するための(c)において計算されたリスク情報(たとえば、およびデータベースからのデータ)の使用、のうちのいずれか1つまたは複数を含む場合]、のうちの1つまたは複数を実行することをプロセッサに行わせる、メモリとを備えるネットワークベース(たとえば、クラウドベース)の決定サポートシステムを対象とする。
【0015】
ある特定の実施形態では、データベース内の医用画像は、経時的に(たとえば、1人または複数の医師への複数の通院の過程にわたって)撮影された第1の患者の医用画像のシリーズを含み、命令は、シリーズの各医用画像のための少なくとも第1のリスク指標の値を判定し、それによって、第1の患者のための少なくとも第1のリスク指標の判定された値を経時的に追跡することをプロセッサに行わせる。
【0016】
ある特定の実施形態では、医用画像は、99mTcで標識された1404を含む造影剤の第1の患者への投与に続いて(たとえば、1つまたは複数のホットスポットを識別するために)取得された第1の患者の単光子放射コンピュータ断層撮影(SPECT)スキャンと、第1の患者の(たとえば、解剖学的特徴を識別するための)コンピュータ断層撮影(CT)スキャンとを含み、命令は、SPECTスキャンをCTスキャンに重ね合わせて第1の患者の合成画像(SPECT-CT)を作成することをプロセッサに行わせる。
【0017】
ある特定の実施形態では、医用画像は、[18F]DCFPyL(18Fで標識されたDCFPyL)を含む造影剤の第1の患者への投与に続いて(たとえば、1つまたは複数のホットスポットを識別するために)取得された第1の患者の陽電子放射断層撮影(PET)スキャンと、第1の患者のCTスキャンとを含み、命令は、PETスキャンをCTスキャンに重ね合わせて第1の患者の合成画像(PET-CT)を作成することをプロセッサに行わせる。
【0018】
ある特定の実施形態では、医用画像は、テクネチウム99mメチレンジホスホネート(99mTc MDP)を含む造影剤の第1の患者への投与に続いてガンマカメラを用いてなされた第1の患者の全身スキャン(たとえば、前面ビューと後面ビューとを含む)を含む。
【0019】
ある特定の実施形態では、医用画像は第1の患者の合成画像を含み、合成画像は、CTスキャンと実質的に同じ時間に、放射性核種を含む(たとえば放射性核種で標識された)前立腺特異的膜抗原(PSMA)結合剤を含む造影剤の第1の患者への投与に続いて、取得された核医学画像(たとえばSPECTスキャン、たとえばPETスキャン)が重ね合わされたCTスキャンを含み、命令は、(a)合成画像を使用して、(たとえば、核医学画像の、3D境界内に含まれるおよび/またはその外側の部分が互いと区別可能であるように)核医学画像内の画像化された組織の1つまたは複数の領域[たとえば臓器(たとえば前立腺、たとえば肝臓、たとえば1つまたは複数の肺、たとえばリンパ節)、臓器構造、下位臓器、臓器領域、および/または他の領域(たとえば、1つまたは複数の特定の骨、たとえば、患者の骨格領域)、たとえば、目的の領域]の各々に対する3D境界を地理的に識別すること、および(c)1つまたは複数の領域の識別された3D境界とともに核医学画像を使用して、(i)1つもしくは複数のリスク指標の各々の値および/または(ii)リスクマップを計算することによって、合成画像を自動的に分析することをプロセッサに行わせる。
【0020】
ある特定の実施形態では、命令は、1つまたは複数のリスク指標のうちの少なくとも1つのリスク指標に対して、1つまたは複数の領域の各々に対して、領域の3D境界内の核医学画像の強度値に基づいて、(たとえば、核医学画像内で、領域の3D境界内の複数のホットスポットを識別すること、ならびに識別されたホットスポットの総数および/または全体積を計算することによって)領域内の対応するがん組織レベルを判定すること、および1つまたは複数の領域内の判定されたがん組織レベルに基づいて、リスク指標の値を計算することによって、リスク指標の値を計算することをプロセッサに行わせる。
【0021】
ある特定の実施形態では、核医学画像はSPECTスキャンである。
【0022】
ある特定の実施形態では、造影剤は、PSMA結合剤にキレート化された金属を含み、この金属は放射性核種である[たとえば、金属は、テクネチウム(Tc)の放射性同位元素である(たとえば、金属はテクネチウム-99m(99mTc))である、たとえば、金属はレニウム(Re)の放射性同位元素である(たとえば、金属はレニウム-188(188Re)である、たとえば、金属はレニウム-186(186Re)である)、たとえば、金属はイットリウム(Y)の放射性同位元素である(たとえば、金属は90Yである)、たとえば、金属はルテチウム(Lu)の放射性同位元素である(たとえば、金属は177Luである)、たとえば、金属はガリウム(Ga)の放射性同位元素である(たとえば、金属は68Gaである、たとえば、金属は67Gaである)、たとえば、金属はインジウムの放射性同位元素(たとえば、111In)である、たとえば、金属は銅(Cu)の放射性同位元素である(たとえば、金属は67Cuである)]。
【0023】
ある特定の実施形態では、造影剤は、99mTc-MIP-1404を含む。
【0024】
ある特定の実施形態では、核医学画像はPETスキャンである。
【0025】
ある特定の実施形態では、放射性核種は、ハロゲンの放射性同位元素[たとえば、フッ素の放射性同位元素(たとえば18F)、たとえば、ヨウ素の放射性同位元素(たとえば123I、たとえば124I、たとえば125I、たとえば126I、たとえば131I)、たとえば、臭素の放射性同位元素(たとえば75Br、たとえば76Br、たとえば77Br、たとえば80Br、たとえば80mBr、たとえば82Br、たとえば83Br)、たとえば、アスタチンの放射性同位元素(たとえば211At)]である。
【0026】
ある特定の実施形態では、造影剤は、[18F]DCFPyL(18Fで標識されたDCFPyL)を含む。
【0027】
ある特定の実施形態では、放射性核種は、ガリウム(Ga)の放射性同位元素(たとえば、68Ga)である。
【0028】
ある特定の実施形態では、医用画像は、放射性核種(たとえば、99mTc)を含む造影剤(たとえば、造影剤は99mTc MDPを含む)の第1の患者への投与に続く第1の患者の核医学画像(たとえば、ガンマカメラを用いてなされた全身スキャン)を含み、命令は、(a)(たとえば、核医学画像の、境界内に含まれるおよび/またはその外側の部分が互いと区別可能であるように)核医学画像内の画像化された組織の1つまたは複数の領域[たとえば、臓器(たとえば前立腺、たとえば肝臓、たとえば1つまたは複数の肺、たとえばリンパ節)、臓器構造、下位臓器、臓器領域、および/または他の領域(たとえば、1つまたは複数の特定の骨、たとえば、患者の骨格領域)、たとえば、目的の領域]の各々のための境界(たとえば2D境界、たとえば3D境界)を地理的に識別すること、ならびに(c)1つまたは複数の領域の識別された境界とともに核医学画像を使用して、(i)1つもしくは複数のリスク指標の各々の値および/または(ii)リスクマップを計算することによって、核医学画像を自動的に分析することをプロセッサに行わせる。
【0029】
ある特定の実施形態では、命令は、1つまたは複数のリスク指標のうちの少なくとも1つのリスク指標に対して、1つまたは複数の領域の各々に対して、領域の境界内の核医学画像の強度値に基づいて、(たとえば、核医学画像内で、領域の境界内の複数のホットスポットを識別すること、ならびに識別されたホットスポットの総数および/または全体積を計算することによって)領域内の対応するがん組織レベルを判定すること、および
1つまたは複数の領域内の判定されたがん組織レベルに基づいて、リスク指標の値を計算することによって、リスク指標の値を計算することをプロセッサに行わせる。
【0030】
ある特定の実施形態では、システムは、クラウドベースのシステムである。
【0031】
ある特定の実施形態では、プロセッサは、1つまたは複数のネットワークまたはインターネットホストサーバのプロセッサである。
【0032】
別の態様では、本発明は、以下の(i)から(v):(i)サーバコンピューティングデバイスのプロセッサによって、医用画像[たとえば、標的PET画像、標的SPECT画像、コンピュータ断層撮影(CT)画像、磁気共鳴(MR)画像、超音波(US)画像、ガンマカメラ(すなわちシンチレーションカメラ)画像、および上記のいずれかの組合せ、融合、または派生物のうちの1つまたは複数を含む]を受信して(たとえば、ネットワーク上でクライアントコンピューティングデバイスから受信する)データベースに記憶する[たとえば、標的PET/SPECT/ガンマカメラ画像は、1つもしくは複数の放射性医薬品、たとえば、[18F]DCFPyLおよび/もしくは1404および/もしくはテクネチウム99mを含む組成物たとえばテクネチウム99mメチレンジホスホネート(99mTc MDP)を使用して取得される、ならびに/または医用画像は、非放射性剤を使用して、もしくは薬剤を使用せずに、取得される]ことであって、各医用画像は特定の患者に関連付けられる、受信および記憶すること、(ii)プロセッサによって、ユーザコンピューティングデバイス上での表示のためのユーザへの送信に対する、ユーザ要求のあったときに(たとえば、ユーザが要求された画像および/またはデータを受信するために適正に資格が与えられた自動化された検証に続いて)、データベースからの特定の患者に関連付けられた医用画像および/または関係データのうちの1つまたは複数にアクセスすること、(iii)プロセッサによって、医用画像のうちの1つまたは複数を自動的に分析すること[たとえば、現在の疾患のリスクまたは疾患たとえばがんの再発のリスクの領域をマークするグラフィカル記号(たとえば、テクスチャコーディングまたはカラーコーディング)をもつリスクマップ、たとえば、組織(たとえば、臓器または身体の他のパーツ)の視覚的表現(たとえば、3D表現)を生成するために、たとえば、リスクマップは、組織のPET/SPECT/CT/MRI/US/合成/派生/融合画像の重ね合せとして表示される、または組織の画像の場所にある]、(iv)患者のための医用画像のうちの1つまたは複数に応じて、プロセッサによって、患者のための放射線科医報告を生成すること、ならびに(v)プロセッサによって、データベース内の蓄積された画像データを使用して、医用画像のうちの1つまたは複数を自動的に分析するためのプロセスを更新するために、機械学習アルゴリズムを適用すること[たとえば、上記の(iii)および/または(v)における1つまたは複数の医用画像を自動的に分析することは、以下の(a)から(d):(a)組織の(たとえば、PET、SPECT、CT、MRI、および/またはUS)画像を自動的に融合させること、(b)患者の画像化された組織の1つまたは複数の臓器、臓器構造、下位臓器、臓器領域、および/または他の領域を地理的に識別すること、ならびに重ね合わされたPET、SPECT、CT、MRI、および/またはUSデータを用いた地理的に識別された組織の3D画像の生産、(c)データベースからのデータ、組織の画像、および/または(b)における3D画像を使用した、1つもしくは複数のリスク指標を含むリスク情報、リスクフィールド、またはリスクマップを計算すること、ならびに(d)患者のための3Dリスクピクチャを生産するための(c)において計算されたリスク情報(たとえば、およびデータベースからのデータ)を使用すること、のうちのいずれか1つまたは複数を含む]、のうちのいずれか1つまたは複数を含む方法を対象とする。
【0033】
ある特定の実施形態では、データベース内の医用画像は、経時的に(たとえば、1人または複数の医師への複数の通院の過程にわたって)撮影された第1の患者の医用画像のシリーズを含み、方法は、シリーズの各医用画像のための少なくとも第1のリスク指標の値を判定し、それによって、少なくとも第1のリスク指標の判定された値を経時的に追跡することを含む。
【0034】
ある特定の実施形態では、医用画像の受信および記憶は、各々が異なる時間に(たとえば、1人または複数の医師への異なる通院において)取得された第1の患者の複数の医用画像を経時的に繰り返し受信および記憶して、第1の患者の医用画像のシリーズを取得することを含む。
【0035】
ある特定の実施形態では、医用画像は、99mTcで標識された1404を含む造影剤の第1の患者への投与に続いて(たとえば、1つまたは複数のホットスポットを識別するために)取得された第1の患者の単光子放射コンピュータ断層撮影(SPECT)スキャンと、第1の患者の(たとえば、解剖学的特徴を識別するための)コンピュータ断層撮影(CT)スキャンとを含み、方法は、SPECTスキャンをCTスキャンに重ね合わせて第1の患者の合成画像(SPECT-CT)を作成することを含む。
【0036】
ある特定の実施形態では、医用画像は、[18F]DCFPyL(18Fで標識されたDCFPyL)を含む造影剤の第1の患者への投与に続いて取得された第1の患者の陽電子放射断層撮影(PET)スキャンと、第1の患者のCTスキャンとを含み、方法は、PETスキャンをCTスキャンに重ね合わせて第1の患者の合成画像(PET-CT)を作成することを含む。
【0037】
ある特定の実施形態では、医用画像は、テクネチウム99mメチレンジホスホネート(99mTc MDP)を含む造影剤の第1の患者への投与に続いてガンマカメラを用いてなされた第1の患者の全身スキャン(たとえば、前面ビューと後面ビューとを含む)を含む。
【0038】
ある特定の実施形態では、医用画像は第1の患者の合成画像を含み、この合成画像は、実質的に同じ時間に、放射性核種を含む前立腺特異的膜抗原(PSMA)結合剤を含む造影剤の第1の患者への投与に続いて、獲得された核医学画像(たとえばSPECTスキャン、たとえばPETスキャン)が重ね合わされたCTスキャンを含み、方法は、(a)合成画像を使用して、(たとえば、核医学画像の、3D境界内に含まれるおよび/またはその外側の部分が互いと区別可能であるように)核医学画像内の画像化された組織の1つまたは複数の領域[たとえば臓器(たとえば前立腺、たとえば肝臓、たとえば1つまたは複数の肺、たとえばリンパ節)、臓器構造、下位臓器、臓器領域、および/または他の領域(たとえば、1つまたは複数の特定の骨、たとえば、患者の骨格領域)、たとえば、目的の領域]の各々に対する3D境界を地理的に識別すること、および(c)1つまたは複数の領域の識別された3D境界とともに核医学画像を使用して、(i)1つもしくは複数のリスク指標の各々の値および/または(ii)リスクマップを計算することによって、合成画像を自動的に分析することを含む。
【0039】
ある特定の実施形態では、ステップ(c)は、1つまたは複数のリスク指標の少なくとも1つのリスク指標に対して、1つまたは複数の領域の各々に対して、領域の3D境界内の核医学画像の強度値に基づいて、(たとえば、核医学画像内で、領域の3D境界内の複数のホットスポットを識別すること、ならびに識別されたホットスポットの総数および/または全体積を計算することによって)領域内の対応するがん組織レベルを判定すること、および1つまたは複数の領域内の判定されたがん組織レベルに基づいて、リスク指標の値を計算することによって、リスク指標の値を計算することを含む。
【0040】
ある特定の実施形態では、核医学画像はSPECTスキャンである。
【0041】
ある特定の実施形態では、造影剤は、PSMA結合剤にキレート化された金属を含み、この金属は放射性核種である[たとえば、金属は、テクネチウム(Tc)の放射性同位元素である(たとえば、金属はテクネチウム-99m(99mTc)である)、たとえば、金属はレニウム(Re)の放射性同位元素である(たとえば、金属はレニウム-188(188Re)である、たとえば、金属はレニウム-186(186Re)である)、たとえば、金属はイットリウム(Y)の放射性同位元素である(たとえば、金属は90Yである)、たとえば、金属はルテチウム(Lu)の放射性同位元素である(たとえば、金属は177Luである)、たとえば、金属はガリウム(Ga)の放射性同位元素である(たとえば、金属は68Gaである、たとえば、金属は67Gaである)、たとえば、金属はインジウムの放射性同位元素(たとえば、111In)である、たとえば、金属は銅(Cu)の放射性同位元素である(たとえば、金属は67Cuである)]。
【0042】
ある特定の実施形態では、造影剤は、99mTc-MIP-1404を含む。
【0043】
ある特定の実施形態では、核医学画像はPETスキャンである。
【0044】
ある特定の実施形態では、放射性核種は、ハロゲンの放射性同位元素[たとえば、フッ素の放射性同位元素(たとえば18F)、たとえば、ヨウ素の放射性同位元素(たとえば123I、たとえば124I、たとえば125I、たとえば126I、たとえば131I)、たとえば、臭素の放射性同位元素(たとえば75Br、たとえば76Br、たとえば77Br、たとえば80Br、たとえば80mBr、たとえば82Br、たとえば83Br)、たとえば、アスタチンの放射性同位元素(たとえば211At)]である。
【0045】
ある特定の実施形態では、造影剤は、[18F]DCFPyL(18Fで標識されたDCFPyL)を含む。
【0046】
ある特定の実施形態では、放射性核種は、ガリウム(Ga)の放射性同位元素(たとえば、68Ga)である。
【0047】
ある特定の実施形態では、医用画像は、放射性核種(たとえば、99mTc)を含む造影剤(たとえば、造影剤は99mTc MDPを含む)の第1の患者への投与に続いて取得された第1の患者の核医学画像(たとえば、ガンマカメラを用いてなされた全身スキャン)を含み、方法は、(a)(たとえば、核医学画像の、3D境界内に含まれるおよび/またはその外側の部分が互いと区別可能であるように)核医学画像内の画像化された組織の1つまたは複数の領域[たとえば、臓器(たとえば前立腺、たとえば肝臓、たとえば1つまたは複数の肺、たとえばリンパ節)、臓器構造、下位臓器、臓器領域、および/または他の領域(たとえば、1つまたは複数の特定の骨、たとえば、患者の骨格領域)、たとえば、目的の領域]の各々のための境界(たとえば2D境界、たとえば3D境界)を地理的に識別すること、ならびに(c)1つまたは複数の領域の識別された境界とともに核医学画像を使用して、(i)1つもしくは複数のリスク指標の各々の値および/または(ii)リスクマップを計算することによって、核医学画像を自動的に分析することを含む。
【0048】
ある特定の実施形態では、ステップ(c)は、1つまたは複数のリスク指標の少なくとも1つのリスク指標に対して、1つまたは複数の領域の各々に対して、領域の境界内の核医学画像の強度値に基づいて、(たとえば、核医学画像内で、領域の3D境界内の複数のホットスポットを識別すること、ならびに識別されたホットスポットの総数および/または全体積を計算することによって)領域内の対応するがん組織レベルを判定すること、および1つまたは複数の領域内の判定されたがん組織レベルに基づいて、リスク指標の値を計算することによって、リスク指標の値を計算することを含む。
【0049】
ある特定の実施形態では、プロセッサは、クラウドベースのシステムのプロセッサである。
【0050】
ある特定の実施形態では、プロセッサは、1つまたは複数のネットワークまたはインターネットホストサーバのプロセッサである。
【0051】
別の態様では、本発明は、(たとえば、ネットワークもしくはインターネットホストサーバの、またはポータブルコンピューティングデバイスの)プロセッサと、その上に記憶された命令を有するメモリであって、この命令は、プロセッサによって実施されるとき、対話型グラフィカルユーザインタフェース(GUI)要素を生成し、その表示を引き起こす(たとえば、たとえばモバイルアプリを介して、ラップトップコンピュータ上またはリモートコンピューティングデバイス上でのGUI要素の表示を引き起こす)ことをプロセッサに行わせ、このGUI要素は、(たとえば、意思決定サポートとして患者への結果の通信において使用するための)プロセッサによって表示させられる参照画像との比較のために患者の3Dリスクピクチャのデジタル提示を選択および/または調整するためのユーザが選択可能および/またはユーザが調整可能なグラフィカルコントロール(たとえば、スライダバー、オプションボタン、テキストバー、ドロップダウンボックス、ウィンドウ、アニメーション、および/または他の任意のGUIウィジェット)を有する(たとえば、ユーザに対して表示されるまたはユーザによる選択のために提示される参照画像は、患者に関連付けられた1つまたは複数の所定の変数、たとえば、患者の年齢、診断以降の時間、以前の治療、および/または将来の治療に応じて合わせることが可能である)、メモリとを備えるシステムを対象とする。
【0052】
ある特定の実施形態では、対話型GUI要素は、患者の医用画像[たとえば、以下のもの:標的PET画像、標的SPECT画像、磁気共鳴(MR)画像、超音波(US)画像、ガンマカメラ(すなわちシンチレーションカメラ)画像、および上記のいずれかの組合せ、融合、または派生物のうちの1つまたは複数を含む]および/または他の画像もしくは情報(たとえば、受信され、本明細書において説明される態様および/または実施形態のいずれかのネットワークベースの決定サポートシステムのデータベースに記憶された他の画像)から生産される。
【0053】
別の態様では、本発明は、1人または複数の患者に対して、前立腺がん進行および治療効果を経時的に追跡するための方法であって、(a)経時的に(たとえば、1人または複数の医師への複数の通院の過程にわたって)、コンピューティングデバイス(たとえば、サーバコンピューティングデバイス)のプロセッサによって、1人または複数の患者の各々のための複数の医用画像を繰り返し受信し、データベースに記憶して、1人または複数の患者の各々のために、経時的に撮影された医用画像のシリーズを取得することと、(b)1人または複数の患者の各々に対して、プロセッサによって、患者のための医用画像のシリーズを自動的に分析して、シリーズの各医用画像に対する1つまたは複数のリスク指標の値[たとえば、患者における前立腺がんの容態および/または進行を表す数値(たとえば特定のがんステージを識別する数値、たとえば患者のための判定された全生存率に対応する数値)に対応する1つまたは複数のリスク指標の値]を判定し、それによって、患者に対する過程前立腺がん進行および治療にわたって1つまたは複数のリスク指標の判定された値を追跡することと、(c)1人または複数の患者の各々に対して、プロセッサによって、さらなる処理のために患者に対する1つまたは複数のリスク指標の判定された値を記憶すること、および/またはプロセッサによって、患者に対する1つまたは複数のリスク指標の判定された値のグラフィカル表現の表示を引き起こすこと(たとえば、経時的に患者のための1つまたは複数のリスク指標の判定された値の変動を示すグラフの表示を引き起こすこと)とを含む方法を対象とする。
【0054】
ある特定の実施形態では、1人または複数の患者のうちの特定の患者のための医用画像のシリーズは、(i)各々が第1の放射性医薬品(たとえば、99mTc-MIP-1404)(たとえば、第1の放射性医薬品は、限局性疾患たとえば限局性前立腺がんのイメージングを容易にする)の特定の患者への投与に続く、第1の核イメージングモダリティを使用して取得された1つまたは複数の医用画像(たとえばSPECTスキャン、たとえば合成SPECT-CT画像)を含む、第1の画像サブシリーズと、(ii)各々が第2の放射性医薬品(たとえば[18F]DCFPyL、たとえば99mTc MDP)(たとえば、第2の放射性医薬品は、転移性疾患たとえば転移性前立腺がんのイメージングを容易にする)の特定の患者への投与に続く、第2の核イメージングモダリティを使用して取得された1つまたは複数の医用画像(たとえばPETスキャン、たとえば合成PET-CT画像、たとえば全身スキャン)を含む、第2の画像サブシリーズとを含み、したがって、特定の患者のためのステップ(b)において判定される1つまたは複数のリスク指標の値は、第1の画像サブシリーズの自動化された分析によって判定される第1のリスク指標の値の第1のサブシリーズと、第2の画像サブシリーズの自動化された分析によって判定される第2のリスク指標の値の第2のサブシリーズとを含む。
【0055】
ある特定の実施形態では、特定の患者の前立腺がんが限局性である(たとえば、特定の患者の前立腺に実質的に限局性である)とき、第1の画像サブシリーズの医用画像は第1の時間期間にわたって取得され、特定の患者の前立腺がんが転移性である(たとえば、患者の前立腺の外側の領域に拡散されている)とき、第2の画像サブシリーズの医用画像は第2の時間期間にわたって取得される。
【0056】
ある特定の実施形態では、第1の画像サブシリーズは1つまたは複数の合成SPECT-CT画像を含み、各合成SPECT-CT画像は、実質的に同じ時間に獲得されたSPECTスキャンが重ね合わされたCTスキャンを含み、第2の画像サブシリーズは1つまたは複数の合成PET-CT画像を含み、各合成PET-CT画像は、実質的に同じ時間に獲得されたPETスキャンが重ね合わされたCTスキャンを含み、ステップ(b)は、合成SPECT-CT画像を使用して、(たとえば、前立腺領域の3D境界内に含まれるおよび/またはその外側の核医学画像の部分が互いと区別可能であるように)合成SPECT-CT画像のSPECTスキャン内の(たとえば、患者の前立腺に対応する)前立腺領域の3D境界を地理的に識別すること、および前立腺領域の識別された3D境界とともにSPECTスキャンを使用して、第1のリスク指標の値を計算する(たとえば、前立腺領域の識別された3D境界に対応するSPECTスキャンの領域に基づいて計算される)ことによって、1つまたは複数の合成SPECT-CT画像の各々を自動的に分析することと、合成PET-CT画像を使用して、合成PET-CT画像のPETスキャン内の1つまたは複数の転移性領域の3D境界を地理的に識別することであって、1つまたは複数の転移性領域は、(たとえば、1つまたは複数の転移性領域の3D境界の内に含まれるおよび/またはその外側のPETイメージングスキャンの部分が互いと区別可能であるように)前立腺の外側の患者組織位置に対応する領域[たとえば、臓器(たとえば前立腺、たとえば肝臓、たとえば1つまたは複数の肺、たとえばリンパ節)、臓器構造、下位臓器、臓器領域、および/または他の領域(たとえば1つまたは複数の特定の骨、たとえば患者の骨格に対応する骨格領域)、たとえば目的の領域]を含む、識別すること、および1つまたは複数の転移性領域の識別された3D境界とともにPETスキャンを使用して、第2のリスク指標の値を計算することによって、1つまたは複数の合成PET-CT画像の各々を自動的に分析することとを含む。
【0057】
ある特定の実施形態では、第1の画像サブシリーズは1つまたは複数の合成SPECT-CT画像を含み、各合成SPECT-CT画像は、実質的に同じ時間に獲得されたSPECTスキャンが重ね合わされたCTスキャンを含み、第2の画像サブシリーズは1つまたは複数の全身スキャンを含み、ステップ(b)は、合成SPECT-CT画像を使用して、(たとえば、前立腺領域の3D境界内に含まれるおよび/またはその外側の核医学画像の部分が互いと区別可能であるように)合成SPECT-CT画像のSPECTスキャン内の(たとえば、患者の前立腺に対応する)前立腺領域の3D境界を地理的に識別すること、および前立腺領域の識別された3D境界とともにSPECTスキャンを使用して、第1のリスク指標の値を計算する(たとえば、前立腺領域の識別された3D境界に対応するSPECTスキャンの領域に基づいて計算される)ことによって、1つまたは複数の合成SPECT-CT画像の各々を自動的に分析することと、全身スキャン内の1つまたは複数の転移性領域の境界を地理的に識別することであって、1つまたは複数の転移性領域は、(たとえば、1つまたは複数の転移性領域の境界内に含まれるおよび/またはその外側の全身スキャンの部分が、互いと区別可能であるように)前立腺の外側の患者組織位置に対応する領域[(たとえば1つまたは複数の特定の骨、たとえば患者の骨格に対応する骨格領域)、たとえば目的の領域]を含む、識別すること、および1つまたは複数の転移性領域の識別された3D境界とともにPETスキャンを使用して、第2のリスク指標の値を計算することによって、1つまたは複数の全身スキャンの各々を自動的に分析することとを含む。
【0058】
別の態様では、本発明は、1人または複数の患者に対して、前立腺がん進行および治療効果を経時的に追跡するためのシステムであって、(たとえば、ネットワークまたはインターネットホストサーバの)プロセッサと、その上に記憶された命令を有するメモリであって、この命令は、プロセッサによって実行されるとき、(a)経時的に、1人または複数の患者の各々のための複数の医用画像を繰り返し受信し、データベースに記憶して1人または複数の患者の各々のために、経時的に(たとえば、1人または複数の医師への複数の通院の過程にわたって)撮影された医用画像のシリーズを取得することと、(b)1人または複数の患者の各々に対して、患者のための医用画像のシリーズを自動的に分析して、シリーズの各医用画像に対する1つまたは複数のリスク指標の値[たとえば、患者における前立腺がんの容態および/または進行を表す数値(たとえば特定のがんステージを識別する数値、たとえば患者のための判定された全生存率に対応する数値)に対応する1つまたは複数のリスク指標の値]を判定し、それによって、患者に対する過程前立腺がんの進行および治療にわたって1つまたは複数のリスク指標の判定された値を追跡することと、(c)1人または複数の患者の各々に対して、さらなる処理のために患者に対する1つまたは複数のリスク指標の判定された値を記憶すること、および/または患者に対する1つまたは複数のリスク指標の判定された値のグラフィカル表現の表示を引き起こすこと(たとえば、経時的に患者のための1つまたは複数のリスク指標の判定された値の変動を示すグラフの表示を引き起こすこと)とをプロセッサに行わせる、メモリとを含む、システムを対象とする。
【0059】
ある特定の実施形態では、1人または複数の患者のうちの特定の患者のための医用画像のシリーズは、(i)各々が第1の放射性医薬品(たとえば、99mTc-MIP-1404)(たとえば、第1の放射性医薬品は、限局性疾患たとえば限局性前立腺がんのイメージングを容易にする)の特定の患者への投与に続く、第1の核イメージングモダリティを使用して取得された1つまたは複数の医用画像(たとえばSPECTスキャン、たとえば合成SPECT-CT画像)を含む、第1の画像サブシリーズと、(ii)各々が第2の放射性医薬品(たとえば[18F]DCFPyL、たとえば99mTc MDP)(たとえば、第2の放射性医薬品は、転移性疾患たとえば転移性前立腺がんのイメージングを容易にする)の特定の患者への投与に続く、第2の核イメージングモダリティを使用して取得された1つまたは複数の医用画像(たとえばPETスキャン、たとえば合成PET-CT画像、たとえば全身スキャン)を含む、第2の画像サブシリーズとを含み、したがって、特定の患者のためのステップ(b)において判定される1つまたは複数のリスク指標の値は、第1の画像サブシリーズの自動化された分析によって判定される第1のリスク指標の値の第1のサブシリーズと、第2の画像サブシリーズの自動化された分析によって判定される第2のリスク指標の値の第2のサブシリーズとを含む。
【0060】
ある特定の実施形態では、特定の患者の前立腺がんが限局性である(たとえば、特定の患者の前立腺に実質的に限局性である)とき、第1の画像サブシリーズの医用画像は第1の時間期間にわたって取得され、特定の患者の前立腺がんが転移性である(たとえば、患者の前立腺の外側の領域に拡散されている)とき、第2の画像サブシリーズの医用画像は第2の時間期間にわたって取得される。
【0061】
ある特定の実施形態では、第1の画像サブシリーズは1つまたは複数の合成SPECT-CT画像を含み、各合成SPECT-CT画像は、実質的に同じ時間に獲得されたSPECTスキャンが重ね合わされたCTスキャンを含み、第2の画像サブシリーズは1つまたは複数の合成PET-CT画像を含み、各合成PET-CT画像は、実質的に同じ時間に獲得されたPETスキャンが重ね合わされたCTスキャンを含み、命令は、ステップ(b)において、合成SPECT-CT画像を使用して、(たとえば、前立腺領域の3D境界内に含まれるおよび/またはその外側の核医学画像の部分が互いと区別可能であるように)合成SPECT-CT画像のSPECTスキャン内の(たとえば、患者の前立腺に対応する)前立腺領域の3D境界を地理的に識別すること、および前立腺領域の識別された3D境界とともにSPECTスキャンを使用して、第1のリスク指標の値を計算する(たとえば、前立腺領域の識別された3D境界に対応するSPECTスキャンの領域に基づいて計算される)ことによって、1つまたは複数の合成SPECT-CT画像の各々を自動的に分析することと、合成PET-CT画像を使用して、合成PET-CT画像のPETスキャン内の1つまたは複数の転移性領域の3D境界を地理的に識別することであって、1つまたは複数の転移性領域は、(たとえば、1つまたは複数の転移性領域の3D境界の内に含まれるおよび/またはその外側のPETイメージングスキャンの部分が互いと区別可能であるように)前立腺の外側の患者組織位置に対応する領域[たとえば、臓器(たとえば前立腺、たとえば肝臓、たとえば1つまたは複数の肺、たとえばリンパ節)、臓器構造、下位臓器、臓器領域、および/または他の領域(たとえば1つまたは複数の特定の骨、たとえば患者の骨格に対応する骨格領域)、たとえば目的の領域]を含む、識別すること、および1つまたは複数の転移性領域の識別された3D境界とともにPETスキャンを使用して、第2のリスク指標の値を計算することによって、1つまたは複数の合成PET-CT画像の各々を自動的に分析することとをプロセッサに行わせる。
【0062】
ある特定の実施形態では、第1の画像サブシリーズは1つまたは複数の合成SPECT-CT画像を含み、各合成SPECT-CT画像は、実質的に同じ時間に獲得されたSPECTスキャンが重ね合わされたCTスキャンを含み、第2の画像サブシリーズは1つまたは複数の全身スキャンを含み、命令は、ステップ(b)において、合成SPECT-CT画像を使用して、(たとえば、前立腺領域の3D境界内に含まれるおよび/またはその外側の核医学画像の部分が互いと区別可能であるように)合成SPECT-CT画像のSPECTスキャン内の(たとえば、患者の前立腺に対応する)前立腺領域の3D境界を地理的に識別すること、および前立腺領域の識別された3D境界とともにSPECTスキャンを使用して、第1のリスク指標の値を計算する(たとえば、前立腺領域の識別された3D境界に対応するSPECTスキャンの領域に基づいて計算される)ことによって、1つまたは複数の合成SPECT-CT画像の各々を自動的に分析することと、全身スキャン内の1つまたは複数の転移性領域の境界を地理的に識別することであって、1つまたは複数の転移性領域は、(たとえば、1つまたは複数の転移性領域の境界内に含まれるおよび/またはその外側の全身スキャンの部分が、互いと区別可能であるように)前立腺の外側の患者組織位置に対応する領域[(たとえば1つまたは複数の特定の骨、たとえば患者の骨格に対応する骨格領域)、たとえば目的の領域]を含む、識別すること、および1つまたは複数の転移性領域の識別された3D境界とともにPETスキャンを使用して、第2のリスク指標の値を計算することによって、1つまたは複数の全身スキャンの各々を自動的に分析することとをプロセッサに行わせる。
【0063】
本発明の一態様に関して説明される実施形態は、本発明の別の態様に適用されてよい(たとえば、1つの独立請求項、たとえば方法請求項に関して説明される実施形態の特徴は、他の独立請求項、たとえばシステム請求項の他の実施形態に適用可能であることが企図されており、その逆も同様である)。
【0064】
本開示の前述および他の目的、態様、特徴、および利点は、添付の図面と併せて取り上げられる以下の説明を参照することによって、より明らかになり、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0065】
図1図1は、例示的な実施形態による、3つのクラウドベースのサービスのためのモバイルアプリアイコンを示すグラフィカルユーザインタフェース(GUI)のスクリーンショットである。
【0066】
図2図2は、本発明の例示的な実施形態による、アプリケーションを走らせるプラットフォームとコンピューティングデバイス(たとえば、パーソナルコンピュータ、またはモバイルコンピューティングデバイス、たとえば、スマートフォン)との関係を示す概略図である。
【0067】
図3図3は、例示的な実施形態による、ユーザが患者についての情報を入力し、患者のための医用画像、たとえば、ある時間期間にわたって取得される画像のシリーズをアップロードするおよび/またはこれにアクセスすることを可能にする、(ユーザに対して表示される)BSIクラウドアプリケーション内のGUIウィンドウのスクリーンショットである。
【0068】
図4図4は、例示的な実施形態による、システムによって自動的に識別されたホットスポットを示す代表的なフルボディガンマカメラ画像を示すBSIクラウドアプリケーション内のGUIウィンドウのスクリーンショットであり、特定の画像セットに対する対応する全体的な計算されたBSI値は、所与の時間に取得される。
【0069】
図5図5は、例示的な実施形態による、放射線科医によって署名および日付記入可能な、自動的または半自動的に生成された放射線科医報告を示す、BSIクラウドアプリケーション内のGUIウィンドウのスクリーンショットである。
【0070】
図6図6は、例示的な実施形態による、本明細書において説明されるクラウドベースのプラットフォームおよびサポートされるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)意思決定ツールによって与えられる機能のセットを示すブロック図である。
【0071】
図7図7は、ある特定の実施形態において使用される、例となるクラウドコンピューティング環境のブロック図である。
【0072】
図8図8は、ある特定の実施形態において使用される例証的なコンピューティングデバイスおよび例証的なモバイルコンピューティングデバイスのブロック図である。
【0073】
図9図9は、例示的な実施形態による、本明細書において説明されるクラウドベースのプラットフォームを実装するための例証的なアーキテクチャのブロック図である。
【0074】
図10図10は、例示的な実施形態による、種々の疾患容態にとって適切な種々のセラピーおよび診断イメージングモダリティとともに、前立腺がんの進行のステージを示す概略図である。
【0075】
図11図11は、例示的な実施形態による、経時的に前立腺がん進行および治療効果を追跡するためのプロセスのブロックフロー図である。
【0076】
本開示の特徴および利点は、図面と併せて取り上げられるとき以下に記載される詳細な説明からより明らかになるであろう。図面では、同じ参照文字は、全体を通じて対応する要素を識別する。図面では、同じ参照番号は、一般に、同一の、機能的に類似した、および/または構造的に類似した要素を指し示す。
【発明を実施するための形態】
【0077】
詳細な説明
特許請求された発明のシステム、デバイス、方法、およびプロセスが、本明細書において説明される実施形態からの情報を使用して開発された変形形態および適応形態を包含することが企図されている。本明細書において説明されるシステム、デバイス、方法、およびプロセスの適応形態および/または修正形態は、当業者によって実行されてよい。
【0078】
説明全体を通じて、物品、デバイス、およびシステムが、特定の構成要素を有する、含む、もしくは備えると説明される場合、またはプロセスおよび方法が、特定のステップを有する、含む、または備えると説明される場合、加えて、列挙された構成要素から本質的になる、またはこれからなる、本発明の物品、デバイス、およびシステムがあること、ならびに列挙された処理ステップから本質的になる、またはこれからなる、本発明によるプロセスおよび方法があることが企図されている。
【0079】
本発明が動作可能なままである限り、ステップの順序またはある特定のアクションを実行するための順序は重要でないことが理解されるべきである。さらに、2つまたはそれよりも多いステップまたはアクションは、同時に遂行されてよい。
【0080】
本明細書における、たとえば「背景技術」セクションにおける、任意の公報の言及は、その公報が、本明細書において提示される請求項のいずれかに関する従来技術として働くという承認ではない。「背景技術」セクションは、明快さの目的で提示され、任意の請求項に関する従来技術の説明と意味されない。
【0081】
見出しは、読者の便利さのために提供される。見出しの存在および/または留置は、本明細書において説明される主題の範囲を限定することを意図したものではない。
【0082】
A. 医用イメージングモダリティ、関連付けられた放射性医薬品、および計算されるリスク指標
図1は、例示的な実施形態による、3つのクラウドベースのサービスのためのモバイルアプリアイコン100を示す。以下で説明されるように、本明細書において説明されるプラットフォームのクラウドベースのサービスは、完全に自動化されたやり方および/またはユーザ相互作用との組合せで(たとえば、半自動化されたやり方で)医用画像の処理および分析を提供する。医用画像は、ガンマカメラを用いた全身スキャン、陽電子放射断層撮影(PET)スキャン、および単光子放射断層撮影(SPECT)スキャンなどの核イメージングモダリティを使用して取得された核医学画像を含む。
【0083】
ある特定の実施形態では、核医学画像は、放射性医薬品を含む造影剤を使用する。核医学画像は、患者への放射性医薬品の投与に続いて取得され、患者内部での放射性医薬品の分布に関する情報を提供する。放射性医薬品は、放射性核種を含む化合物である。
【0084】
本明細書において使用されるとき、「放射性核種」は、少なくとも1つの元素の放射性同位元素を含む成分(moiety)を指す。例示的な適切な放射性核種は、本明細書において説明される放射性核種を含むが、これらに限定されない。一部の実施形態では、放射性核種は、陽電子放射断層撮影(PET)において使用される核種である。一部の実施形態では、放射性核種は、単光子放射コンピュータ断層撮影(SPECT)において使用される核種である。一部の実施形態では、放射性核種の非限定的なリストは、99mTc、111In、64Cu、67Ga、68Ga、186Re、188Re、153Sm、177Lu、67Cu、123I、124I、125I、126I、131I、11C、13N、15O、18F、153Sm、166Ho、177Lu、149Pm、90Y、213Bi、103Pd、109Pd、159Gd、140La、198Au、199Au、169Yb、175Yb、165Dy、166Dy、105Rh、111Ag、89Zr、225Ac、82Rb、75Br、76Br、77Br、80Br、80mBr、82Br、83Br、211At、および192Irを含む。
【0085】
本明細書において使用されるとき、「放射性医薬品」という用語は、放射性核種を含む化合物を指す。ある特定の実施形態では、放射性医薬品は、診断および/または治療目的で使用される。ある特定の実施形態では、放射性医薬品は、1つまたは複数の放射性核種で標識された小分子と、1つまたは複数の放射性核種で標識された抗体と、1つまたは複数の放射性核種で標識された、抗体の抗原結合部分とを含む。
【0086】
核医学画像(たとえばPETスキャン、たとえばSPECTスキャン、たとえば全身スキャン、たとえば合成PET-CT画像、たとえば合成SPECT-CT画像)は、放射性医薬品の放射性核種から発された放射線を検出して、画像を形成する。患者内での特定の放射性医薬品の分布は、血流または灌流などの生物学的メカニズムによって、ならびに特定の酵素結合相互作用または受容体結合相互作用によって判定され得る。異なる放射性医薬品は、異なる生物学的メカニズムおよび/または特定の特異的酵素結合相互作用もしくは受容体結合相互作用を利用し、したがって、患者に投与されたとき、患者内の特定のタイプの組織および/または領域内に選択的に集中するように設計されてよい。患者内部の、他の領域よりも高い濃度の放射性医薬品を有する領域から、より多くの量の放射線が発され、したがって、これらの領域は、核医学画像では、より明るく見える。したがって、核医学画像内での強度変動は、患者内での放射性医薬品の分布をマップするために使用可能である。このマップされた患者内での放射性医薬品の分布は、たとえば、患者の身体の種々の領域内でのがん組織の存在を推測するために使用可能である。
【0087】
たとえば、患者への投与時、テクネチウム99mメチレンジホスホネート(99mTc
MDP)は、患者の骨格領域内で、特に悪性骨病変に関連付けられた異常な骨形成をもつ部位において、選択的に蓄積する。これらの部位における放射性医薬品の選択的な集中によって、識別可能なホットスポット-核医学画像内の高強度の限局性領域が生産される。したがって、転移性前立腺がんに関連付けられた悪性骨病変の存在は、患者の全身スキャン内でのそのようなホットスポットを識別することによって推測可能である。以下で説明されるように、患者の全生存、および疾患容態、進行、治療効果などを表す他の予後メトリックと相関するリスク指標は、患者への99mTc MDPの投与に続いて取得された全身スキャンにおける強度変動の自動化された分析に基づいて計算可能である。ある特定の実施形態では、他の放射性医薬品は、99mTc MDPと類似したやり方でも使用可能である。
【0088】
ある特定の実施形態では、使用される特定の放射性医薬品は、使用される特定の核医学イメージングモダリティに依存する。たとえば、18Fフッ化ナトリウム(NaF)も、99mTc MDPと同様に、骨病変内に蓄積するが、PETイメージングとともに使用可能である。ある特定の実施形態では、PETイメージングは、前立腺がん細胞によって容易に吸収されるビタミンコリンの放射性形も利用してよい。
【0089】
ある特定の実施形態では、特定の目的のタンパク質または受容体、特に、その発現ががん組織内で増加するものに選択的に結合する放射性医薬品が使用されてよい。そのような目的のタンパク質または受容体としては、結腸直腸癌で発現する、CEAなどの腫瘍抗原、複数のがんで発現するHer2/neu、乳がんおよび卵巣がんで発現するBRCA1およびBRCA2、ならびに黒色腫で発現するTRP-1およびTRP-2があるが、これらに限定されない。
【0090】
たとえば、ヒト前立腺特異的膜抗原(PSMA)は、転移性疾患を含む前立腺がんにおいてアップレギュレーションされる。PSMAは、ほとんどすべての前立腺がんによって発現され、その発現は、低分化型癌腫、転移性癌腫、およびホルモン不応性癌腫では、さらに増加される。したがって、1つまたは複数の放射性核種で標識されたPSMA結合剤(たとえば、PSMA高親和性化合物)に対応する放射性医薬品は、患者の核医学画像を取得するために使用可能であり、この核医学画像から、患者のさまざまな領域(たとえば、骨格領域を含むが、それに限定されない)内での前立腺がんの存在および/または容態がアセスメント可能である。ある特定の実施形態では、PSMA結合剤を使用して取得された核医学画像は、疾患が限局性容態であるとき、前立腺内でのがん組織の存在を識別するために使用される。ある特定の実施形態では、PSMA結合剤を含む放射性医薬品を使用して取得された核医学画像は、疾患が転移性であるとき関係があるように、前立腺だけでなく、肺、リンパ節、および骨などの他の臓器および組織領域も含む、さまざまな領域内でのがん組織の存在を識別するために使用される。
【0091】
特に、患者への投与時、放射性核種で標識されたPSMA結合剤は、PSMAに対する親和性に基づいて、がん組織内で選択的に蓄積する。上記で99mTc MDPに関して説明された様式と類似した様式では、患者内の特定の部位において放射性核種で標識されたPSMA結合剤の選択的集中によって、核医学画像内で検出可能なホットスポットが生産される。PSMA結合剤が、PSMAを発現するさまざまながん組織および身体の領域内に集中すると、患者の前立腺内の限局性がんおよび/または患者の身体の種々の領域内の転移性がんが、検出され、評価可能である。以下で説明されるように、患者の全生存、および疾患容態、進行、治療効果などを表す他の予後メトリックと相関するリスク指標は、患者へのPSMA結合剤放射性医薬品の投与に続いて取得される核医学画像における強度変動の自動化された分析に基づいて計算可能である。
【0092】
さまざまな放射性核種で標識されたPSMA結合剤は、前立腺がんを検出および評価するために、核医学イメージングのための放射性医薬品造影剤として使用されてよい。ある特定の実施形態では、使用される、特定の放射性核種で標識されたPSMA結合剤は、特定のイメージングモダリティ(たとえばPET、たとえばSPECT)および画像化されることになる患者の特定の領域(たとえば、臓器)などの要因に依存する。たとえば、ある特定の放射性核種で標識されたPSMA結合剤はPETイメージングに適しているが、他のPSMA結合剤はSPECTイメージングに適している。たとえば、ある特定の放射性核種で標識されたPSMA結合剤は、患者の前立腺を画像化することを容易にし、主に、疾患が限局性であるときに使用されるが、他のPSMA結合剤は、患者の身体全体にわたって臓器および領域を画像化することを容易にし、転移性前立腺がんを評価するのに有用である。
【0093】
さまざまなPSMA結合剤およびその放射性核種で標識されたバージョンは、米国特許第8,778,305号、第8,211,401号、および第8,962,799号に記載されており、これらの特許の各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。A.i 放射性核種で標識されたPSMA結合剤のPETイメージング
【0094】
ある特定の実施形態では、放射性核種で標識されたPSMA結合剤は、PETイメージングに適切な、放射性核種で標識されたPSMA結合剤である。
【0095】
ある特定の実施形態では、放射性核種で標識されたPSMA結合剤は、[18F]DCFPyL(PyL(商標)とも呼ばれ、DCFPyL-18Fとも呼ばれる)
【化1】
または薬学的に許容されるその塩を含む。
【0096】
ある特定の実施形態では、放射性核種で標識されたPSMA結合剤は、[18F]DCFBC
【化2】
または薬学的に許容されるその塩を含む。
【0097】
ある特定の実施形態では、放射性核種で標識されたPSMA結合剤は、68Ga-PSMA-HBED-CC(68Ga-PSMA-11とも呼ばれる)
【化3】
または薬学的に許容されるその塩を含む。
【0098】
ある特定の実施形態では、放射性核種で標識されたPSMA結合剤は、PSMA-617
【化4】
または薬学的に許容されるその塩を含む。ある特定の実施形態では、放射性核種で標識されたPSMA結合剤は、68Gaで標識されたPSMA-617である68Ga-PSMA-617、または薬学的に許容されるその塩を含む。ある特定の実施形態では、放射性核種で標識されたPSMA結合剤は、177Luで標識されたPSMA-617である177Lu-PSMA-617、または薬学的に許容されるその塩を含む。
【0099】
ある特定の実施形態では、放射性核種で標識されたPSMA結合剤は、PSMA-I&T
【化5】
【0100】
または薬学的に許容されるその塩を含む。ある特定の実施形態では、放射性核種で標識されたPSMA結合剤は、68Gaで標識されたPSMA-I&Tである68Ga-PSMA-I&T、または薬学的に許容されるその塩を含む。
【0101】
ある特定の実施形態では、放射性核種で標識されたPSMA結合剤は、PSMA-1007
【化6】
【0102】
または薬学的に許容されるその塩を含む。ある特定の実施形態では、放射性核種で標識されたPSMA結合剤は、18Fで標識されたPSMA-1007である18F-PSMA-1007、または薬学的に許容されるその塩を含む。
【0103】
A.ii 放射性核種で標識されたPSMA結合剤のSPECTイメージング
ある特定の実施形態では、放射性核種で標識されたPSMA結合剤は、SPECTイメージングに適切な、放射性核種で標識されたPSMA結合剤である。
【0104】
ある特定の実施形態では、放射性核種で標識されたPSMA結合剤は、1404(MIP-1404とも呼ばれる)
【化7】
または薬学的に許容されるその塩を含む。
【0105】
ある特定の実施形態では、放射性核種で標識されたPSMA結合剤は、1405(MIP-1405とも呼ばれる)
【化8】
または薬学的に許容されるその塩を含む。
【0106】
ある特定の実施形態では、放射性核種で標識されたPSMA結合剤は、1427(MIP-1427とも呼ばれる)
【化9】
または薬学的に許容されるその塩を含む。
【0107】
ある特定の実施形態では、放射性核種で標識されたPSMA結合剤は、1428(MIP-1428とも呼ばれる)
【化10】
または薬学的に許容されるその塩を含む。
【0108】
ある特定の実施形態では、PSMA結合剤は、それを金属の放射性同位元素[たとえばテクネチウム(Tc)の放射性同位元素(たとえば、テクネチウム-99m(99mTc))、たとえばレニウム(Re)の放射性同位元素(たとえば、レニウム-188(188Re)、たとえば、レニウム-186(186Re))、たとえばイットリウム(Y)の放射性同位元素(たとえば、90Y)、たとえばルテチウム(Lu)の放射性同位元素(たとえば、177Lu)、たとえばガリウム(Ga)の放射性同位元素(たとえば68Ga、たとえば67Ga)、たとえばインジウムの放射性同位元素(たとえば、111In)、たとえば銅(Cu)の放射性同位元素(たとえば、67Cu)]にキレート化することによって、放射性核種で標識される。
【0109】
ある特定の実施形態では、1404は、放射性核種で標識される(たとえば、金属の放射性同位元素にキレート化される)。ある特定の実施形態では、放射性核種で標識されたPSMA結合剤は、99mTcで標識された(たとえば、これにキレート化された)1404である99mTc-MIP-1404
【化11】
または薬学的に許容されるその塩を含む。ある特定の実施形態では、1404は、他の金属放射性同位元素[たとえばレニウム(Re)の放射性同位元素(たとえばレニウム-188(188Re)、たとえばレニウム-186(186Re))、たとえばイットリウム(Y)の放射性同位元素(たとえば、90Y)、たとえばルテチウム(Lu)の放射性同位元素(たとえば、177Lu)、たとえばガリウム(Ga)の放射性同位元素(たとえば68Ga、たとえば67Ga)、たとえばインジウムの放射性同位元素(たとえば、111In)、たとえば銅(Cu)の放射性同位元素(たとえば、67Cu)]にキレート化されて、上記で示される99mTc-MIP-1404のための構造に類似した構造を有する化合物を形成してよく、他の金属放射性同位元素が99mTcに置換される。
【0110】
ある特定の実施形態では、1405は、放射性核種で標識される(たとえば、金属の放射性同位元素にキレート化される)。ある特定の実施形態では、放射性核種で標識されたPSMA結合剤は、99mTcで標識された(たとえば、これにキレート化された)1405である99mTc-MIP-1405
【化12】
または薬学的に許容されるその塩を含む。ある特定の実施形態では、1405は、他の金属放射性同位元素[たとえばレニウム(Re)の放射性同位元素(たとえばレニウム-188(188Re)、たとえばレニウム-186(186Re))、たとえばイットリウム(Y)の放射性同位元素(たとえば、90Y)、たとえばルテチウム(Lu)の放射性同位元素(たとえば、177Lu)、たとえばガリウム(Ga)の放射性同位元素(たとえば68Ga、たとえば67Ga)、たとえばインジウムの放射性同位元素(たとえば、111In)、たとえば銅(Cu)の放射性同位元素(たとえば、67Cu)]にキレート化されて、上記で示される99mTc-MIP-1405のための構造に類似した構造を有する化合物を形成してよく、他の金属放射性同位元素が99mTcに置換される。
【0111】
ある特定の実施形態では、1427は、金属の放射性同位元素で標識され(たとえば、キレート化され)、以下の式
【化13】
【0112】
による化合物または薬学的に許容されるその塩を形成し、ここで、Mは、1427で標識された金属放射性同位元素[たとえばテクネチウム(Tc)の放射性同位元素(たとえば、テクネチウム-99m(99mTc))、たとえばレニウム(Re)の放射性同位元素(たとえば、レニウム-188(188Re)、たとえば、レニウム-186(186Re))、たとえばイットリウム(Y)の放射性同位元素(たとえば、90Y)、たとえばルテチウム(Lu)の放射性同位元素(たとえば、177Lu)、たとえばガリウム(Ga)の放射性同位元素(たとえば68Ga、たとえば67Ga)、たとえばインジウムの放射性同位元素(たとえば、111In)、たとえば銅(Cu)の放射性同位元素(たとえば、67Cu)]である。
【0113】
ある特定の実施形態では、1428は、金属の放射性同位元素で標識され(たとえば、キレート化され)、以下の式
【化14】
【0114】
による化合物または薬学的に許容されるその塩を形成し、ここで、Mは、1428で標識された金属放射性同位元素[たとえばテクネチウム(Tc)の放射性同位元素(たとえば、テクネチウム-99m(99mTc))、たとえばレニウム(Re)の放射性同位元素(たとえば、レニウム-188(188Re)、たとえば、レニウム-186(186Re))、たとえばイットリウム(Y)の放射性同位元素(たとえば、90Y)、たとえばルテチウム(Lu)の放射性同位元素(たとえば、177Lu)、たとえばガリウム(Ga)の放射性同位元素(たとえば68Ga、たとえば67Ga)、たとえばインジウムの放射性同位元素(たとえば、111In)、たとえば銅(Cu)の放射性同位元素(たとえば、67Cu)]である。
【0115】
ある特定の実施形態では、放射性核種で標識されたPSMA結合剤は、PSMA I&S
【化15】
【0116】
または薬学的に許容されるその塩を含む。ある特定の実施形態では、放射性核種で標識されたPSMA結合剤は、99mTcで標識されたPSMA I&Sである99mTc-PSMA I&S、または薬学的に許容されるその塩を含む。
【0117】
A.iii 全身骨スキャン
図1を参照すると、BSIクラウド130は、BSI値を実装するクラウドベースの決定サポートシステムを指す。BSIは骨スキャン指標を指し、骨スキャン指標は、放射性核種テクネチウム99mメチレンジホスホネート(99mTc MDP)の投与に続いてガンマカメラを用いて全身スキャン(ならびに前面ビューおよび後面ビュー)から骨格病変を検出するための方法から計算された値である。BSIのさらなる解説は、たとえば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,855,387号において、ならびにその全体が参照により本明細書に組み込まれる、2016年9月30日に出願された米国特許出願第15/282422号において提供される。
【0118】
具体的には、BSIは、患者の全身スキャンの前面ビューおよび後面ビューをセグメンテーションして、ビュー内の、患者の骨格の種々の部分に対応する領域の境界を地理的に識別することによって、全身スキャンから計算される。患者の骨格のセグメンテーションは、アクティブシェイプモデルベースの手法および米国特許第8,855,387号において記載されるアトラス画像登録手法(すでにセグメンテーションされている参照全身スキャンの参照前面ビューおよび参照後面ビュー(アトラス画像と呼ばれる)とともに全身スキャンの前面ビューおよび後面ビューを登録する)などのさまざまな手法を使用して実行可能である。機械学習技法(たとえば人工ニューラルネットワーク(ANN)、たとえば畳み込みニューラルネットワーク(CNN))に基づいた他の手法も使用されてよい。
【0119】
BSI値は、種々の骨格領域の識別された境界内の全身スキャンの強度値に基づいて計算される。上記で論じられたように、全身スキャンのビュー(前面ビューおよび/または後面ビュー)内の高強度の限局性領域に対応するホットスポットが検出可能である。ホットスポットは、米国特許第8,855,387号に記載されているようにANNなどの機械学習技法を含むさまざまな手法を使用して、がん病変(たとえば、転移)に対応するものとして検出および/または分類されてよい。
【0120】
患者の骨格内のがん組織病変に対応するホットスポットは、ひとたび検出されると、患者のための疾患容態の尺度を提供するリスク指標を判定するために使用されてよい。たとえば、特定の骨および/または全体的な骨格領域などの1つまたは複数の領域内のがん組織レベルは、検出されたホットスポット(たとえば、転移と分類される検出されたホットスポット)の特徴に基づいて判定可能である。たとえば、領域(たとえば特定の骨、たとえば全体的な骨格領域)内のがん組織レベルは、領域内の検出されたホットスポットの総数、領域内の検出されたホットスポットの全体積、検出されたホットスポットの平均強度、検出されたホットスポットの最大強度など、ならびにその組合せに基づいて(たとえば、その関数として)、判定されてよい。それらの面積または体積などの1つまたは複数の領域の性質も使用されてよい。たとえば、検出されたホットスポットの総数および/または全体積は、ホットスポットが検出される領域の体積および/または面積によって標準化(たとえば、除算)されてよい。リスク指標は、直接的に、たとえば、単一の領域内のがん組織レベルとして、または複数の領域内のがん組織レベルから(たとえば平均として、たとえばスケーリングされた合計として、たとえば比として、など)、またはさらには機械学習手法を使用して、1つまたは複数の領域内の判定されたがん組織レベルに基づいて判定されてよい。
【0121】
たとえば、BSI値は、検出されたホットスポットに基づいて、がん組織(たとえば、腫瘍)によって関与させられる患者の全骨格の画分(fraction)を定量化する数値である、リスク指標である。BSI値は、異なる患者間で比較され、特定の患者に対する疾患容態およびリスクの客観的尺度として使用可能である。特に、BSIは、自動化されたやり方で計算されるので、画像の放射線科医による解釈などの人的要因による変動性が回避される。
【0122】
さらに、さまざまなアクション可能な情報は、患者のBSI値から取得可能である。たとえば、BSIは、患者に対する疾患容態、進行、期待寿命(たとえば、全生存)、治療効果などの尺度を提供する予後値と相関可能である。したがって、患者のBSI値は、がんがどの容態にあるか、がんがどれくらい早く進行しているか、見通しがどのようであるか、および1つまたは複数の特定の治療が効果的であることを証明しているかどうかという客観的なメトリックを患者または患者の医師に提供するために、経時的に(たとえば、1人または複数の医師への複数の通院の過程にわたって)使用および追跡可能である。
【0123】
A.iv 陽電子放射断層撮影(PET)スキャン
PyLクラウド120は、薬剤PyL(商標)を用いて取得された医用画像を使用するクラウドベースのシステムを指し、PyL(商標)は、18F([18F]DCFPyL)で標識されたDCFPyLである。患者は、造影剤の注入後、ホットスポットを識別する陽電子放射断層撮影(PET)スキャンと、CTスキャンとを受ける。PyL(商標)造影剤についてのさらなる情報は、上記と、たとえば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,778,305号において提供されている。
【0124】
ある特定の実施形態では、PETスキャンとCTスキャンは、PETスキャンと重ね合わされたCTスキャンを含む合成画像として組み合わされる。本明細書において使用されるとき、1つの画像(たとえば、CTスキャン)に別の(たとえば、PETスキャン)を重ね合わせることは、(たとえば、患者内の)同じ物理的位置を表す2つの画像の座標および/またはピクセルもしくはボクセル間のマッピングを確立することを指す。CTスキャンは、内部臓器、骨、軟部組織、および血管の詳細な3次元(3D)画像の形をした正確な解剖学的情報を提供する。したがって、画像化された組織の特定の領域の3D境界は、CTスキャンの分析によって正確に識別可能である。たとえば、CTスキャンの自動化されたセグメンテーションは、特定の臓器(たとえば、前立腺、リンパ節、1つまたは複数の肺)、下位臓器、臓器領域、ならびに患者の特定の骨および全体的な骨格領域などの画像化された組織の他の領域の3D境界を識別するために実行可能である。CTスキャンの自動化されたセグメンテーションは、機械学習技法[たとえば、ANNベースの手法(たとえば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を含む)]、アトラス画像登録、およびその組合せを含むさまざまな手法を介して、達成可能である。ある特定の実施形態では、CT画像の手動セグメンテーションも、単独で、または自動化されたセグメンテーション手法との組合せで(たとえば、自動化されたセグメンテーションを介して識別された3D境界を改良するために、たとえば、自動化されたセグメンテーション手法のための初期開始点を提供するために)、利用可能である。
【0125】
ひとたび種々の領域の3D境界が、合成画像のCTスキャンとPETスキャンとの間のマッピングによって、合成画像のCTスキャン内で識別されると、識別された3D境界がPET画像に移されることが可能である。したがって、識別された3D境界内に含まれるおよび/またはその外側のPET画像の領域は、正確に識別可能である。
【0126】
ある特定の実施形態では、PETスキャンが重ね合わされたCTスキャンを含む合成画像は、多数の病院において一般的な専用PET-CTスキャナ機器を使用して取得され、本明細書において説明されるクラウドベースのプラットフォームに医用画像としてアップロードされる。ある特定の実施形態では、PETスキャンおよび対応するCTスキャンは、別個に(しかし、実質的に同じ時間に)取得され、本明細書において説明されるクラウドベースのプラットフォームにアップロードされる。そのようなケースでは、別個に取得されたPETスキャンおよびCTスキャンは、自動的に融合されて合成画像を作成することができる。
【0127】
ある特定の実施形態では、ひとたびPETスキャン内で種々の領域の3D境界が識別されると、1つまたは複数のリスク指標は、上記でBSIに関して説明されたやり方に類似したやり方で計算可能である。具体的には、ある特定の実施形態では、識別された領域の3D境界に関係する(たとえば、その内側および/または外側にある)PETスキャンの強度値は、たとえば、検出されたホットスポット(たとえば、転移に対応する検出されたホットスポット)の特徴に基づいて、識別された領域内のがん組織のレベルを判定するために使用可能である。次いで、判定されたがん組織レベルに基づいて、リスク指標が計算可能である。たとえば、PETスキャン内のホットスポットは、識別可能であり、それらの大きさ、数、および識別された領域に対する分布などの特徴に基づいて、1つまたは複数のリスク指標を計算するために使用可能である。BSIと同様に、PETスキャンから判定されたリスク指標は、予後値を相関され、がんがどの容態にあるか、がんがどれくらい早く進行しているか、見通しがどのようであるか、および1つまたは複数の特定の治療が効果的であることを証明しているかどうかという客観的なメトリックを患者または患者の医師に提供するために、経時的に(たとえば、1人または複数の医師への複数の通院の過程にわたって)追跡可能である。PyL(商標)を放射性医薬品として使用するPETイメージングに関して本明細書において説明される手法は、NaF、コリンの放射性同位元素、および上記のA.iセクションにおいて説明されたPSMA結合剤のいずれかを含むがこれらに限定されない、上記で説明された放射性医薬品などの、さまざまな他の放射性医薬品に適用可能である。
【0128】
A.v 単光子放射コンピュータ断層撮影(SPECT)スキャン
1404クラウド130は、薬剤99mTc-MIP-1404を用いて取得された医用画像を使用するクラウドベースのシステムを指し、99mTc-MIP-1404は、上記説明されたように、Tc99mで標識された1404である。造影剤の注入後、患者は、たとえばホットスポットを識別する単光子放射コンピュータ断層撮影(SPECT)スキャンと、たとえば解剖学的特徴を識別するコンピュータ断層撮影(CT)スキャンとを受ける。これらの画像は、合成画像(SPECT/CT)を作るために重ね合わされる。99mTc-MIP-1404造影剤についてのさらなる情報は、上記と、たとえば、米国特許第8,211,401号および第8,962,799号において提供されており、これらの特許の両方は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0129】
SPECTスキャンおよびCTスキャンは、1つまたは複数のリスク指標を判定するために、上記でPETスキャンおよびCTスキャンに関して説明された様式に類似した様式で分析可能である。具体的には、PETスキャンおよびCTスキャンと同様に、SPECTスキャンおよびCTスキャンは、CTスキャンがSPECTスキャンと重ね合わされる合成画像-合成SPECT-CT画像において組み合わせ可能である。合成PET-CT画像と同様に、合成SPECT-CT画像は、本明細書において説明されるクラウドベースのプラットフォームによって医用画像(たとえば、病院において専用SPECT-CTイメージャを介して取得された)として直接的に受信されてもよいし、または別個のSPECTスキャンおよびCTスキャンの受信に続いてクラウドベースのプラットフォームによって作成されてもよい。
【0130】
PET-CT画像に類似して、画像化された組織の種々の領域の3D境界は、合成画像のCT画像との重ね合わせによってSPECT画像内で識別可能である。3D境界に関する、SPECT画像内での強度変動は、1つまたは複数のリスク指標を計算するために使用可能である。合成PET-CT画像からリスク指標を計算するための手法と同様に、これは、たとえば識別される領域の3D境界内のホットスポットを検出することによって、識別される領域内のがん組織のレベルを判定することを含んでよい。そのようなリスク指標は、予後値を相関され、がんがどの容態にあるか、がんがどれくらい早く進行しているか、見通しがどのようであるか、および1つまたは複数の特定の治療が効果的であることを証明しているかどうかという客観的なメトリックを患者または患者の医師に提供するために、経時的に(たとえば、1人または複数の医師への複数の通院の過程にわたって)追跡可能である。99mTc-MIP-1404を放射性医薬品として使用するSPECTイメージングに関して本明細書において説明される手法は、上記のA.iiセクションにおいて説明されたPSMA結合剤のいずれかを含むがこれらに限定されない、上記で説明された放射性医薬品などの、さまざまな他の放射性医薬品に適用可能である。
【0131】
B. プラットフォームサービスおよびコンピューティングデバイス構成要素
図2は、本発明の例示的な実施形態による、アプリケーションを走らせるプラットフォームとコンピューティングデバイス(たとえば、パーソナルコンピュータ、またはモバイルコンピューティングデバイス、たとえば、スマートフォン)との関係を示す概略図200である。プラットフォームは、種々のサービス、たとえば、ユーザ認証(「認証」)、画像および他のデータの記憶(「スライスボックス)などを実行する-示されるサービスよりもはるかに多くのサービスが提供されてよい。アプリケーションは、プラットフォーム構成要素とデバイス構成要素(たとえば、クライアントデバイス上のネイティブアプリ)の両方を有することがある。
【0132】
図9は、本明細書において説明されるクラウドベースのプラットフォームを実装し、上記で説明されたBSIクラウドサービス、PyLクラウドサービス、および1404クラウドサービスなどの種々のサービスを提供するための例証的なアーキテクチャ900を示す。図9に示されるアーキテクチャは、本明細書において説明されるプラットフォームを、公的に利用可能なデータセンタを含むさまざまなデータセンタ上で実装するために使用可能である。データセンタは、サーバおよびネットワークの形をしたインフラストラクチャを提供し、たとえばネットワーキング、メッセージング、認証、ロギング、および記憶のためのサービスを提供する。プラットフォームのためのアーキテクチャ900は、マイクロサービスと呼ばれる限定された範囲をもつ機能ユニットのシリーズを使用する。各マイクロサービスは、画像記憶、リスク指標の算出、医用画像タイプの識別、および他のタスクなどの、タスクの隔離されたセットを扱う。サービス(たとえば、マイクロサービス)は、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)などの標準的なプロトコルを使用して、互いと通信することができる。図9のアーキテクチャ900に示されるように、プラットフォームをマイクロサービスのネットワークに編成することによって、プラットフォームのパーツが、高い需要を満たし、最小ダウンタイムを保証するように、個々にスケーリングされることが可能になる。
【0133】
ある特定の実施形態では、そのようなアーキテクチャは、構成要素がプラットフォームの他のパーツに影響することなく改善されるまたは置き換えられることを可能にする。図9に示される例証的なアーキテクチャ900は、プラットフォーム内の2つまたはそれよりも多いアプリケーションに共通するマイクロサービスのセット920を含む。左パネル910および右パネル930は、2つのアプリケーション内のマイクロサービスを示す。左パネル910に示されるマイクロサービスネットワークは、上記で説明されたようにBSIクラウドサービスのバージョンを実装し、自動化されたBSI指標(aBSI)の算出を提供し、自動化されたBSI指標(aBSI)は、ガンマカメラを用いて取得された全身スキャンの自動化された分析から導き出されたリスク指標である。右パネル930に示されるマイクロサービスネットワークは、上記で説明されたように1404クラウドサービスのバージョンを実装し、SPECT指標の自動化された算出を提供し、SPECT指標は、合成SPECT-CT画像の自動化された分析から導き出されたリスク指標である。
【0134】
C. 画像収集、分析、および結果提示
図3は、ユーザが患者についての情報を入力し、患者のための医用画像、たとえば、ある時間期間にわたって取得される画像のシリーズをアップロードするおよび/またはこれにアクセスすることを可能にする、(ユーザに対して表示される)BSIクラウドアプリケーション内のGUIウィンドウ300である。
【0135】
図4は、システムによって自動的に識別されたホットスポットを示す代表的なフルボディガンマカメラ画像を示すBSIクラウドアプリケーション内のGUIウィンドウ400であり、特定の画像セットに対する対応する全体的な計算されたBSI値は、所与の時間に取得される。左のグラフ410は、BSI値がこの特定の患者に対して経時的にどのように変化したか(増加)を示す。
【0136】
図5は、放射線科医によって署名および日付記入可能な、自動的または半自動的に生成された放射線科医報告510を示す、BSIクラウドアプリケーション内のGUIウィンドウである。ある特定の実施形態では、自動的に識別されるホットスポットは、放射線科医(または患者の手当てをする他の医療従事者)によって調整されてよく、変化は報告に反映される。たとえば、識別されるホットスポットは、放射線科医によって非アクティブ化されてよいし、新しいホットスポットは放射線科医によってアクティブ化されてよく、そのような変化は、おそらく、報告内で表示される計算されるBSI値に影響する。
【0137】
図6は、本発明の例示的な実施形態による、例示的なネットワークベースの(たとえば、クラウドベースの)決定サポートシステムのブロックフロー図である。図6は、本明細書において説明されるクラウドベースのサービスによって実行されてよい種々の機能を示す。これらは、(i)医用画像のセットを受信し、データベースに記憶すること、(ii)ユーザコンピューティングデバイス上での表示のためのユーザへの送信のために、医用画像のうちの1つまたは複数にアクセスすること、(iii)リスク指標(たとえば、BSI)を計算するために、および/またはリスクマップを生成するために、プロセッサによって、医用画像を自動的に分析すること、(iv)患者の画像および/またはリスク指標/リスクマップに応じて、患者のための放射線科医報告を生成すること、ならびに機能(iii)の自動的な分析のためのプロセスを更新するために、機械学習アルゴリズムを適用すること、を含む。
【0138】
図10は、種々の疾患容態にとって適切な種々のセラピー1020および診断イメージングモダリティ1030とともに、前立腺がん進行の臨床的ステージ1010を示す概略図である。概略図に示されるように、患者の前立腺がんの臨床状態に応じて、異なるイメージングモダリティおよび/または異なる放射性医薬品が適切であることがある。同様に、異なるイメージングモダリティおよび/または異なる放射性医薬品に基づいて計算された異なるリスク指標は、患者の前立腺がんの容態に応じて、最も適切であることがある。
【0139】
たとえば、ある特定の実施形態では、患者が、限局性容態である前立腺がんに罹患している、またはその疑いがある、のどちらかであるとき、合成SPECT-CTイメージングが使用されてよい。限局性前立腺がんの評価のために使用される合成SPECT-CT画像のSPECTスキャンは、限局性前立腺がんのイメージングを容易にする、99mTc-MIP-1404などの特定の放射性医薬品の投与に続いて取得可能である。したがって、SPECT-CT画像自体、その派生物、およびSPECT-CT画像から計算されたリスク指標のいずれも、限局性前立腺がんに対するリスク、疾患容態、進行、治療効果などをアセスメントするために使用可能である。
【0140】
ある特定の実施形態では、患者が、前立腺の外部に転移した転移性前立腺がんに罹患している、またはその疑いがあるとき、他のイメージング技法が使用されてよい。たとえば、99mTc-MDPの投与に続いて取得された全身スキャンは、患者の骨格内の腫瘍量をアセスメントするために使用可能である。上記で論じられたように、全身スキャンから計算されるBSI値は、患者の前立腺がんが骨格に転移したとき、リスク、疾患容態、進行、治療効果などをアセスメントするために使用可能である。ある特定の実施形態では、ある特定のイメージングモダリティおよび/または放射性医薬品は、限局性容態と転移性容態の両方において、前立腺がんの評価に使用可能である。たとえば、図10に例示されるように、PET-CTイメージングは、限局性容態と転移性容態の両方において、前立腺がんを評価するために使用可能である。図に示されるように、そのようなPET-CT画像は、限局性前立腺がんと転移性前立腺がんの両方のイメージングを容易にする、PyL(商標)などの適切な放射性医薬品を使用して取得されてよい。
【0141】
ある特定の実施形態では、クラウドベースのプラットフォームは、経時的に前立腺がん進行および治療効果を評価することを容易にする。たとえば、図11のブロックフロー図の例証的なプロセス1100に示されるように、ある特定の実施形態では、特定の患者の医用画像は、患者による1人または複数の医師および/または臨床的専門家(たとえば、放射線科医)への複数の通院の過程にわたって、経時的に繰り返し受信および記憶される1110。この様式で、患者のための医用画像のシリーズが取得される。医用画像のシリーズは、経時的に判定された値の変化を追跡するように、1つまたは複数のリスク指標の値を判定するために自動的に分析可能である1120。判定されたリスク指標値は、(たとえば、さらなる処理のために)記憶されてよい1130a。ある特定の実施形態では、このプロセスは、グラフなどの、判定されたリスク指標値のグラフィカル表現を(たとえばユーザコンューティングデバイス上に、たとえばウェブベースのポータルを介して)表示させる1130b。
【0142】
特に、合成SPECT-CT画像、全身スキャン、および合成PET-CT画像などのさまざまな異なる医用画像タイプを受信、記憶、および分析する、本明細書において説明されるクラウドベースのプラットフォームの能力によって、医用画像は、同じタイプである必要はない。
【0143】
たとえば、医用画像の第1のサブシリーズは、患者の前立腺がんが限局性容態であるとき、99mTc-MIP-1404を用いたSPECT-CTイメージングなどの、第1のイメージングモダリティおよび第1の放射性医薬品を使用して、取得されてよい。患者の前立腺がんが転移性容態に進行した場合、画像の第2のサブシリーズは、異なる第2のイメージングモダリティおよび/または異なる第2の放射性医薬品を介して取得された画像を含んでよい。たとえば、医用画像の第2のサブシリーズは、PyL(商標)を使用して取得されたPET-CT画像であってよい。たとえば、医用画像の第2のサブシリーズは、99mTc-MDPを使用して取得された全身スキャンであってよい。
【0144】
リスク指標は、経時的に患者の前立腺がん進行および治療の統一された状況を提供するために、第1の画像サブシリーズに対して、および第2の画像サブシリーズに対して計算可能である。この手法は、たとえば、特定の治療の効果を他の治療または対照と比較するために、各患者の疾患進行および治療の特定の過程に対する意思決定目的だけでなく、臨床試験の場面においても、複数の患者に対して実行可能である。
【0145】
D. コンピュータシステムおよびネットワーク環境
図7は、本明細書において説明される方法およびシステムにおいて使用するための例示的なネットワーク環境700を示す。短い概要では、次に図7を参照すると、例となるクラウドコンピューティング環境700のブロック図が示され、説明される。クラウドコンピューティング環境700は、1つまたは複数のリソースプロバイダ702a、702b、702c(総称して702)を含んでよい。各リソースプロバイダ702は、コンピューティングリソースを含んでよい。一部の実装形態では、コンピューティングリソースは、データを処理するために使用される任意のハードウェアおよび/またはソフトウェアを含んでよい。たとえば、コンピューティングリソースは、アルゴリズム、コンピュータプログラム、および/またはコンピュータアプリケーションを実施することが可能であるハードウェアおよび/またはソフトウェアを含んでよい。一部の実装形態では、例示的なコンピューティングリソースは、アプリケーションサーバならびに/または記憶能力および検索能力をもつデータベースを含んでよい。各リソースプロバイダ702は、クラウドコンピューティング環境700内の他の任意のリソースプロバイダ702に接続されてよい。一部の実装形態では、リソースプロバイダ702は、コンピュータネットワーク708上で接続されてよい。各リソースプロバイダ702は、コンピュータネットワーク708上の、1つまたは複数のコンピューティングデバイス704a、704b、704c(総称して704)に接続されてよい。
【0146】
クラウドコンピューティング環境700は、リソースマネージャ706を含んでよい。リソースマネージャ706は、コンピュータネットワーク708上のリソースプロバイダ702およびコンピューティングデバイス704に接続されてよい。一部の実装形態では、リソースマネージャ706は、1つまたは複数のリソースプロバイダ702による1つまたは複数のコンピューティングデバイス704へのコンピューティングリソースの提供を容易にしてよい。リソースマネージャ706は、特定のコンピューティングデバイス704からコンピューティングリソースに対する要求を受信してよい。リソースマネージャ706は、コンピューティングデバイス704によって要求されたコンピューティングリソースを提供することが可能である1つまたは複数のリソースプロバイダ702を識別してよい。リソースマネージャ706は、コンピューティングリソースを提供するためにリソースプロバイダ702を選択してよい。リソースマネージャ706は、リソースプロバイダ702と特定のコンピューティングデバイス704との間の接続を容易にしてよい。一部の実装形態では、リソースマネージャ706は、特定のリソースプロバイダ702と特定のコンピューティングデバイス704との間の接続を確立してよい。一部の実装形態では、リソースマネージャ706は、特定のコンピューティングデバイス704を、要求されたコンピューティングリソースをもつ特定のリソースプロバイダ702にリダイレクトしてよい。
【0147】
図8は、本開示において説明される方法およびシステムにおいて使用可能なコンピューティングデバイス800およびモバイルコンピューティングデバイス850の一例を示す。コンピューティングデバイス800は、ラップトップ、デスクトップ、ワークステーション、携帯情報端末、サーバ、ブレードサーバ、メインフレーム、および他の適切なコンピュータなどの、種々の形のデジタルコンピュータを表すことが意図されている。モバイルコンピューティングデバイス850は、携帯情報端末、セルラー式電話、スマートフォン、および他の類似のコンピューティングデバイスなどの、種々の形のモバイルデバイスを表すことが意図されている。ここに示される構成要素、それらの接続および関係、ならびにそれらの機能は、例にすぎないことが意味されており、限定的であることは意味されていない。
【0148】
コンピューティングデバイス800は、プロセッサ802と、メモリ804と、記憶デバイス806と、メモリ804および複数の高速拡張ポート810に接続する高速インタフェース808と、低速拡張ポート814および記憶デバイス806に接続する低速インタフェース812とを含む。プロセッサ802、メモリ804、記憶デバイス806、高速インタフェース808、高速拡張ポート810、および低速インタフェース812の各々は、種々のバスを使用して相互接続され、共通マザーボード上に取り付けられてもよいし、必要に応じて他の様式で取り付けられてもよい。プロセッサ802は、高速インタフェース808に連結されたディスプレイ816などの外部入力/出力デバイス上のGUIに対するグラフィカル情報を表示するための、メモリ804内または記憶デバイス806上に記憶された命令を含む、コンピューティングデバイス800内での実施のための命令を処理することができる。他の実装形態では、複数のプロセッサおよび/または複数のバスは、必要に応じて、複数のメモリおよびメモリのタイプとともに使用されてよい。また、複数のコンピューティングデバイスが接続されてよく、各デバイスは、必要な動作の部分(たとえば、サーババンク、ブレードサーバの群、またはマルチプロセッサシステムとして)を提供する。したがって、その用語が本明細書において使用されるとき、複数の機能が、「プロセッサ」によって実行されると説明される場合、これは、複数の機能が任意の数のコンピューティングデバイス(1つまたは複数)の任意の数のプロセッサ(1つまたは複数)によって実行される実施形態を包含する。そのうえ、機能が、「プロセッサ」によって実行されると説明される場合、これは、機能が(たとえば、分散コンピューティングシステム内の)任意の数のコンピューティングデバイス(1つまたは複数)の任意の数のプロセッサ(1つまたは複数)によって実行される実施形態を包含する。
【0149】
メモリ804は、コンピューティングデバイス800内の情報を記憶する。一部の実装形態では、メモリ804は、1つまたは複数の揮発性メモリユニットである。一部の実装形態では、メモリ804は、1つまたは複数の不揮発性メモリユニットである。メモリ804は、磁気ディスクまたは光ディスクなどの、別の形のコンピュータ可読媒体であってもよい。
【0150】
記憶デバイス806は、コンピューティングデバイス800に大容量記憶装置を提供することが可能である。一部の実装形態では、記憶デバイス806は、フロッピー(登録商標)ディスクデバイス、ハードディスクデバイス、光ディスクデバイス、またはテープデバイス、フラッシュメモリもしくは他の類似のソリッドステートメモリデバイスなどのコンピュータ可読媒体であってもよいし、これを含んでもよいし、またはストレージエリアネットワークまたは他の構成におけるデバイスを含むデバイスのアレイであってもよいし、これを含んでもよい。命令は、情報キャリア内に記憶可能である。命令は、1つまたは複数の処理デバイス(たとえば、プロセッサ802)によって実施されるとき、上記で説明された方法などの1つまたは複数の方法を実行する。命令はまた、コンピュータ可読媒体または機械可読媒体(たとえば、メモリ804、記憶デバイス806、またはプロセッサ802上のメモリ)などの、1つまたは複数の記憶デバイスによって記憶可能である。
【0151】
高速インタフェース808は、コンピューティングデバイス800のための帯域幅を多く使う動作を管理するが、低速インタフェース812は、帯域幅をそれほど使わない動作を管理する。そのような機能の割り振りは、例にすぎない。一部の実装形態では、高速インタフェース808は、メモリ804に、ディスプレイ816(たとえば、グラフィックスプロセッサまたはアクセラレータを通じて)に、および種々の拡張カード(図示せず)を受け入れ得る高速拡張ポート810に連結される。実装形態では、低速インタフェース812は、記憶デバイス806および低速拡張ポート814に連結される。種々の通信ポート(たとえば、USB、Bluetooth(登録商標)、イーサネット(登録商標)、ワイヤレスイーサネット(登録商標))を含んでよい低速拡張ポート814は、たとえば、ネットワークアダプタを通じて、キーボード、ポインティングデバイス、スキャナ、またはスイッチもしくはルータなどのネットワークデバイスなどの、1つまたは複数の入力/出力デバイスに連結されてよい。
【0152】
コンピューティングデバイス800は、図に示されるように、いくつかの異なる形で実装されてよい。たとえば、コンピューティングデバイス800は、標準的なサーバ820として実装されてもよいし、またはそのようなサーバの群の中で何度も実装されてもよい。加えて、コンピューティングデバイス800は、ラップトップコンピュータ822などのパーソナルコンピュータ内で実装されてよい。コンピューティングデバイス800は、ラックサーバシステム824の一部として実装されてもよい。あるいは、コンピューティングデバイス800からの構成要素は、モバイルコンピューティングデバイス850などのモバイルデバイス(図示せず)内の他の構成要素と組み合わされてよい。そのようなデバイスの各々は、コンピューティングデバイス800およびモバイルコンピューティングデバイス850のうちの1つまたは複数を含んでよく、システム全体は、互いと通信する複数のコンピューティングデバイスから構成されてよい。
【0153】
モバイルコンピューティングデバイス850は、さまざまな構成要素の中でもとりわけ、プロセッサ852と、メモリ864と、ディスプレイ854などの入力/出力デバイスと、通信インタフェース866と、トランシーバ868とを含む。モバイルコンピューティングデバイス850は、追加の記憶装置を提供するために、マイクロドライブまたは他のデバイスなどの記憶デバイスも備えてよい。プロセッサ852、メモリ864、ディスプレイ854、通信インタフェース866、およびトランシーバ868の各々は、種々のバスを使用して相互接続され、構成要素のうちのいくつかは、共通マザーボード上に取り付けられてもよいし、必要に応じて他の様式で取り付けられてもよい。
【0154】
プロセッサ852は、メモリ864内に記憶された命令を含めて、命令をモバイルコンピューティングデバイス850内で実施することができる。プロセッサ852は、別個の複数のアナログプロセッサおよびデジタルプロセッサを含むチップのチップセットとして実装されてよい。プロセッサ852は、たとえば、ユーザインタフェース、モバイルコンピューティングデバイス850によって走らされるアプリケーション、およびモバイルコンピューティングデバイス850によるワイヤレス通信の制御などの、モバイルコンピューティングデバイス850の他の構成要素の協調を提供してよい。
【0155】
プロセッサ852は、制御インタフェース858と、ディスプレイ854に連結されたディスプレイインタフェース856を通じて、ユーザと通信してよい。ディスプレイ854は、たとえば、TFT(薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ)ディスプレイもしくはOLED(有機発光ダイオード)ディスプレイであってもよいし、他の適切なディスプレイ技術であってもよい。ディスプレイインタフェース856は、グラフィカルな情報および他の情報をユーザに提示するようにディスプレイ854を駆動するための適切な回路を含んでよい。制御インタフェース858は、ユーザからコマンドを受信し、そのコマンドをプロセッサ852への提出のために変換してよい。加えて、外部インタフェース862が、モバイルコンピューティングデバイス850の他のデバイスとの近隣エリア通信を可能にするように、プロセッサ852に通信を提供してよい。外部インタフェース862は、たとえば、一部の実装形態ではワイヤード通信を提供してもよいし、他の実装形態ではワイヤレス通信を提供してもよく、複数のインタフェースも使用されてよい。
【0156】
メモリ864は、モバイルコンピューティングデバイス850内の情報を記憶する。メモリ864は、1つもしくは複数のコンピュータ可読媒体、1つもしくは複数の揮発性メモリユニット、または1つもしくは複数の不揮発性メモリユニットのうちの1つまたは複数として実装されてよい。拡張メモリ874も提供され、拡張インタフェース872を通じてモバイルコンピューティングデバイス850に接続されてよく、拡張インタフェース872は、たとえば、SIMM(シングルインラインメモリモジュール)カードインタフェースを含んでよい。拡張メモリ874は、モバイルコンピューティングデバイス850に予備記憶空間を提供してもよいし、アプリケーション、またはモバイルコンピューティングデバイス850に関する他の情報も記憶してもよい。具体的には、拡張メモリ874は、上記で説明されたプロセスをなすまたは補う命令を含んでよく、セキュアな情報も含んでよい。したがって、たとえば、拡張メモリ874は、モバイルコンピューティングデバイス850にセキュリティモジュールとして提供されてよく、モバイルコンピューティングデバイス850のセキュアな使用を可能にする命令をもつようプログラムされてよい。加えて、セキュアなアプリケーションは、ハッキング不可能な様式でSIMMカード上に識別情報を置くことなど、追加情報とともに、SIMMカードを介して提供されてよい。
【0157】
メモリは、以下で論じられるように、たとえば、フラッシュメモリおよび/またはNVRAMメモリ(不揮発性ランダムアクセスメモリ)を含んでよい。一部の実装形態では、命令は、情報キャリア内に記憶され、1つまたは複数の処理デバイス(たとえば、プロセッサ852)によって実施されるとき、上記で説明された方法などの1つまたは複数の方法を実行する。命令はまた、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体または機械可読媒体(たとえば、メモリ864、拡張メモリ874、またはプロセッサ852上のメモリ)などの、1つまたは複数の記憶デバイスによっても記憶可能である。一部の実装形態では、命令は、たとえば、トランシーバ868または外部インタフェース862上で、伝播される信号内で受信可能である。
【0158】
モバイルコンピューティングデバイス850は、通信インタフェース866を通じてワイヤレスで通信してよく、通信インタフェース866は、必要な場合はデジタル信号処理回路を含んでよい。通信インタフェース866は、とりわけ、GSM(登録商標)音声通話(Global System for Mobile communications)、SMS(ショートメッセージサービス)、EMS(拡張メッセージングサービス)、またはMMSメッセージング(マルチメディアメッセージングサービス)、CDMA(符号分割多元接続)、TDMA(時分割多元接続)、PDC(パーソナルデジタルセルラー)、WCDMA(登録商標)(広帯域符号分割多元接続)、CDMA2000、またはGPRS(汎用パケット無線サービス)などの、種々のモードまたはプロトコルの下で通信を提供してよい。そのような通信は、たとえば、ある無線周波数を使用するトランシーバ868を通じて行われてよい。加えて、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(商標)、または他のそのようなトランシーバ(図示せず)などを使用する短距離通信が行われてよい。加えて、GPS(全地球測位システム)受信機モジュール870は、追加のナビゲーションおよび位置関係のワイヤレスデータをモバイルコンピューティングデバイス850に提供してよく、このデータは、モバイルコンピューティングデバイス850上で走らせるアプリケーションによって必要に応じて使用されてよい。
【0159】
モバイルコンピューティングデバイス850はまた、オーディオコーデック860を使用して可聴的に通信してよく、オーディオコーデック860は、発話された情報をユーザから受け取って、それを使用可能なデジタル情報に変換し得る。オーディオコーデック860は、同様に、たとえばモバイルコンピューティングデバイス850のハンドセット内の、スピーカなどを通る、ユーザのための可聴音を生成してよい。そのような音は、音声電話通話からの音を含んでよく、記録された音(たとえば、音声メッセージ、音楽ファイルなど)を含んでよく、モバイルコンピューティングデバイス850上で動作するアプリケーションによって生成された音も含んでよい。
【0160】
モバイルコンピューティングデバイス850は、図に示されるように、いくつかの異なる形で実装されてよい。たとえば、モバイルコンピューティングデバイス850は、セルラー式電話880として実装されてよい。モバイルコンピューティングデバイス850は、スマートフォン882、携帯情報端末、または他の類似のモバイルデバイスの一部として実装されてもよい。
【0161】
本明細書で説明されるシステムおよび技法の種々の実装形態は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組合せにおいて実現可能である。これらの種々の実装形態は、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステム上で実施可能および/または解釈可能である1つまたは複数のコンピュータプログラムにおける実装形態を含むことができ、プログラマブルプロセッサは、特殊目的または多目的であり、データおよび命令をストレージシステム、少なくとも1つの入力デバイス、および少なくとも1つの出力デバイスから受け取り、これらにデータおよび命令を送るために連結されてよい。
【0162】
これらのコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、またはコードとしても公知である)は、プログラマブルプロセッサのための機械命令を含み、高水準手続きプログラミング言語および/もしくはオブジェクト指向プログラミング言語で、ならびに/またはアセンブリ/機械言語で実装可能である。本明細書において使用されるとき、機械可読媒体およびコンピュータ可読媒体という用語は、機械可読信号として機械命令を受け取る機械可読媒体を含む、プログラマブルプロセッサに機械命令および/またはデータを提供するために使用される、任意のコンピュータプログラム製品、装置、および/またはデバイス(たとえば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブル論理デバイス(PLD))を指す。機械可読信号という用語は、プログラマブルプロセッサに機械命令および/またはデータを提供するために使用される任意の信号を指す。
【0163】
ユーザとの相互作用を提供するために、本明細書で説明されるシステムおよび技法は、ユーザに対して情報を表示するためのディスプレイデバイス(たとえば、CRT(陰極線管)モニタまたはLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)とユーザがコンピュータに入力を提供することができるキーボードおよびポインティングデバイス(たとえば、マウスまたはトラックボール)とを有するコンピュータ上で実装可能である。他の種類のデバイスも、ユーザとの相互作用を提供するために使用可能である。たとえば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形の感覚フィードバック(たとえば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバック)とすることができ、ユーザからの入力は、音響入力、発話入力、または触覚入力を含む任意の形で受け取り可能である。
【0164】
本明細書で説明されるシステムおよび技法は、バックエンド構成要素を(たとえば、データサーバとして)含むコンピューティングシステム、またはミドルウェア構成要素(たとえば、アプリケーションサーバ)を含むコンピューティングシステム、またはフロントエンド構成要素(たとえば、本明細書で説明されるシステムおよび技法の実装形態とユーザが相互作用することができるグラフィカルユーザインタフェースまたはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータ)を含むコンピューティングシステム、またはそのようなバックエンド構成要素、ミドルウェア構成要素、もしくはフロントエンド構成要素の任意の組合せを含むコンピューティングシステムにおいて実装可能である。システムの構成部品は、デジタルデータ通信(たとえば、通信ネットワーク)の任意の形または媒体によって相互接続可能である。通信ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、およびインターネットがある。
【0165】
コンピューティングシステムは、クライアントと、サーバとを含むことができる。クライアントおよびサーバは、一般に、互いから遠く離れており、典型的には、通信ネットワークを通じて相互作用する。クライアントとサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で走り、互いに対するクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。一部の実装形態では、本明細書において説明されるモジュールおよび/またはサービス(たとえば、BSIクラウド110、PyLクラウド120、1404クラウド130などのクラウドベースのサービス、たとえば、本明細書において説明されるマイクロサービスのいずれか)は、分離される、組み合わされる、または単一のもしくは組み合わされたモジュールおよび/もしくはサービスに組み込まれることが可能である。図に描かれるモジュールおよび/またはサービスは、本明細書において説明されるシステムを、その中に示されるソフトウェアアーキテクチャに限定することを意図したものではない。
【0166】
本発明は、特に、具体的な好ましい実施形態に関して示され、説明されてきたが、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、形および詳細における種々の変更がその中でなされてよいことが、当業者によって理解されるべきである。
本発明の実施形態の例として、以下の項目が挙げられる。
(項目1)
プロセッサと、
その上に記憶された命令を有するメモリであって、前記命令が、前記プロセッサによって実行されるとき、以下の機能(i)から(v):
(i)医用画像を受信してデータベースに記憶することであって、各医用画像が特定の患者に関連付けられる、受信および記憶すること、
(ii)ユーザコンピューティングデバイス上での表示のためのユーザへの送信に対する、ユーザ要求のあったときに、前記データベースからの特定の患者に関連付けられた前記医用画像および/または関係データのうちの1つまたは複数にアクセスすること、
(iii)前記医用画像のうちの1つまたは複数を自動的に分析すること、
(iv)患者のための前記医用画像のうちの1つまたは複数に応じて、前記患者のための放射線科医報告を生成すること、ならびに
(v)前記データベース内の蓄積された画像データを使用して、前記医用画像のうちの1つまたは複数を自動的に分析するためのプロセスを更新するために、機械学習アルゴリズムを適用すること、
のうちの1つまたは複数を実行することを前記プロセッサに行わせる、メモリと
を備える、ネットワークベースの決定サポートシステム。
(項目2)
前記データベース内の前記医用画像が、経時的に撮影された第1の患者の医用画像のシリーズを含み、前記命令が、前記シリーズの各医用画像のための少なくとも第1のリスク指標の値を判定し、それによって、前記第1の患者のための少なくとも前記第1のリスク指標の判定された値を経時的に追跡することを前記プロセッサに行わせる、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記医用画像が、99mTcで標識された1404を含む造影剤の第1の患者への投与に続いて取得された前記第1の患者の単光子放射コンピュータ断層撮影(SPECT)スキャンと、前記第1の患者のコンピュータ断層撮影(CT)スキャンとを含み、前記命令が、前記SPECTスキャンを前記CTスキャンに重ね合わせて前記第1の患者の合成画像(SPECT-CT)を作成することを前記プロセッサに行わせる、先行する項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目4)
前記医用画像が、[18F]DCFPyLを含む造影剤の第1の患者への投与に続いて取得された前記第1の患者の陽電子放射断層撮影(PET)スキャンと、前記第1の患者のCTスキャンとを含み、前記命令が、前記PETスキャンを前記CTスキャンに重ね合わせて前記第1の患者の合成画像(PET-CT)を作成することを前記プロセッサに行わせる、先行する項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目5)
前記医用画像が、テクネチウム99mメチレンジホスホネート(99mTc MDP)を含む造影剤の第1の患者への投与に続いてガンマカメラを用いてなされた前記第1の患者の全身スキャンを含む、先行する項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目6)
前記医用画像が第1の患者の合成画像を含み、前記合成画像が、前記CTスキャンと実質的に同じ時間に、放射性核種を含む前立腺特異的膜抗原(PSMA)結合剤を含む造影剤の前記第1の患者への投与に続いて、取得された核医学画像が重ね合わされたCTスキャンを含み、前記命令は、
(a)前記合成画像を使用して、前記核医学画像内の画像化された組織の1つもしくは複数の領域の各々に対する3D境界を地理的に識別すること、ならびに
(c)前記1つまたは複数の領域の前記識別された3D境界とともに前記核医学画像を使用して、(i)1つもしくは複数のリスク指標の各々の値および/または(ii)リスクマップを計算すること
によって、前記合成画像を自動的に分析することを前記プロセッサに行わせる、先行する項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目7)
前記命令が、前記1つまたは複数のリスク指標のうちの少なくとも1つのリスク指標に対して、
前記1つまたは複数の領域の各々に対して、前記領域の前記3D境界内の前記核医学画像の強度値に基づいて、前記領域内の対応するがん組織レベルを判定すること、および
前記1つまたは複数の領域内の前記判定されたがん組織レベルに基づいて、前記リスク指標の前記値を計算すること
によって、前記リスク指標の前記値を計算することを前記プロセッサに行わせる、項目6に記載のシステム。
(項目8)
前記核医学画像がSPECTスキャンである、項目6または7のいずれかに記載のシステム。
(項目9)
前記造影剤が、前記PSMA結合剤にキレート化された金属を含み、前記金属が前記放射性核種である、項目8に記載のシステム。
(項目10)
前記造影剤が99mTc-MIP-1404を含む、項目9に記載のシステム。
(項目11)
前記核医学画像がPETスキャンである、項目6または7のいずれかに記載のシステム。
(項目12)
前記放射性核種がハロゲンの放射性同位元素である、項目11に記載のシステム。
(項目13)
前記造影剤が[18F]DCFPyLを含む、項目12に記載のシステム。
(項目14)
前記放射性核種がガリウム(Ga)の放射性同位元素である、項目11に記載のシステム。
(項目15)
前記医用画像が、放射性核種を含む造影剤の第1の患者への投与に続く前記第1の患者の核医学画像を含み、前記命令が、
(a)前記核医学画像内の画像化された組織の1つまたは複数の領域の各々に対する境界を地理的に識別すること、ならびに
(c)前記1つまたは複数の領域の前記識別された境界とともに前記核医学画像を使用して、(i)1つもしくは複数のリスク指標の各々の値および/または(ii)リスクマップを計算すること
によって、前記核医学画像を自動的に分析することを前記プロセッサに行わせる、先行する項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目16)
前記命令が、前記1つまたは複数のリスク指標のうちの少なくとも1つのリスク指標に対して、
前記1つまたは複数の領域の各々に対して、前記領域の前記境界内の前記核医学画像の強度値に基づいて、前記領域内の対応するがん組織レベルを判定すること、および
前記1つまたは複数の領域内の前記判定されたがん組織レベルに基づいて、前記リスク指標の前記値を計算すること
によって、前記リスク指標の前記値を計算することを前記プロセッサに行わせる、項目15に記載のシステム。
(項目17)
前記システムがクラウドベースのシステムである、先行する項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目18)
前記プロセッサが、1つまたは複数のネットワークまたはインターネットホストサーバのプロセッサである、先行する項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目19)
以下の(i)から(v):
(i)サーバコンピューティングデバイスのプロセッサによって、医用画像を受信してデータベースに記憶することであって、各医用画像が特定の患者に関連付けられる、受信および記憶すること、
(ii)前記プロセッサによって、ユーザコンピューティングデバイス上での表示のためのユーザへの送信に対する、ユーザ要求のあったときに、前記データベースからの特定の患者に関連付けられた前記医用画像および/または関係データのうちの1つまたは複数にアクセスすること、
(iii)前記プロセッサによって、前記医用画像のうちの1つまたは複数を自動的に分析すること、
(iv)患者のための前記医用画像のうちの1つまたは複数に応じて、前記プロセッサによって、前記患者のための放射線科医報告を生成すること、ならびに
(v)前記プロセッサによって、前記データベース内の蓄積された画像データを使用して、前記医用画像のうちの1つまたは複数を自動的に分析するためのプロセスを更新するために、機械学習アルゴリズムを適用すること
のうちのいずれか1つまたは複数を含む方法。
(項目20)
前記データベース内の前記医用画像が、経時的に撮影された第1の患者の医用画像のシリーズを含み、前記方法が、前記シリーズの各医用画像のための少なくとも第1のリスク指標の値を判定し、それによって、少なくとも前記第1のリスク指標の判定された値を経時的に追跡することを含む、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記医用画像の前記受信および記憶が、各々が異なる時間に取得された前記第1の患者の複数の医用画像を経時的に繰り返し受信および記憶して、前記第1の患者の医用画像の前記シリーズを取得することを含む、項目20に記載の方法。
(項目22)
前記医用画像が、99mTcで標識された1404を含む造影剤の第1の患者への投与に続いて取得された前記第1の患者の単光子放射コンピュータ断層撮影(SPECT)スキャンと、前記第1の患者のコンピュータ断層撮影(CT)スキャンとを含み、前記方法が、前記SPECTスキャンを前記CTスキャンに重ね合わせて前記第1の患者の合成画像(SPECT-CT)を作成することを含む、項目19から21のいずれか一項に記載の方法。
(項目23)
前記医用画像が、[18F]DCFPyLを含む造影剤の第1の患者への投与に続いて取得された前記第1の患者の陽電子放射断層撮影(PET)スキャンと、前記第1の患者のCTスキャンとを含み、前記方法が、前記PETスキャンを前記CTスキャンに重ね合わせて前記第1の患者の合成画像(PET-CT)を作成することを含む、項目19から22のいずれか一項に記載の方法。
(項目24)
前記医用画像が、テクネチウム99mメチレンジホスホネート(99mTc MDP)を含む造影剤の第1の患者への投与に続いてガンマカメラを用いてなされた前記第1の患者の全身スキャンを含む、項目19から23のいずれか一項に記載の方法。
(項目25)
前記医用画像が第1の患者の合成画像を含み、前記合成画像が、実質的に同じ時間に、放射性核種を含む前立腺特異的膜抗原(PSMA)結合剤を含む造影剤の前記第1の患者への投与に続いて、獲得された核医学画像が重ね合わされたCTスキャンを含み、前記方法が、
(a)前記合成画像を使用して、前記核医学画像内の画像化された組織の1つもしくは複数の領域の各々に対する3D境界を地理的に識別すること、ならびに
(c)前記1つまたは複数の領域の前記識別された3D境界とともに前記核医学画像を使用して、(i)1つもしくは複数のリスク指標の各々の値および/または(ii)リスクマップを計算すること
によって、前記合成画像を自動的に分析することを含む、項目19から24のいずれか一項に記載の方法。
(項目26)
ステップ(c)が、前記1つまたは複数のリスク指標の少なくとも1つのリスク指標に対して、
前記1つまたは複数の領域の各々に対して、前記領域の前記3D境界内の前記核医学画像の強度値に基づいて、前記領域内の対応するがん組織レベルを判定すること、および
前記1つまたは複数の領域内の前記判定されたがん組織レベルに基づいて、前記リスク指標の前記値を計算すること
によって、前記リスク指標の前記値を計算することを含む、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記核医学画像がSPECTスキャンである、項目25または26のいずれかに記載の方法。
(項目28)
前記造影剤が、前記PSMA結合剤にキレート化された金属を含み、前記金属が前記放射性核種である、項目27に記載の方法。
(項目29)
前記造影剤が99mTc-MIP-1404を含む、項目28に記載の方法。
(項目30)
前記核医学画像がPETスキャンである、項目25または26のいずれかに記載の方法。
(項目31)
前記放射性核種がハロゲンの放射性同位元素である、項目30に記載の方法。
(項目32)
前記造影剤が[18F]DCFPyLを含む、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記放射性核種がガリウム(Ga)の放射性同位元素である、項目30に記載の方法。(項目34)
前記医用画像が、放射性核種を含む造影剤の第1の患者への投与に続いて取得された前記第1の患者の核医学画像を含み、前記方法が、
(a)前記核医学画像内の画像化された組織の1つまたは複数の領域の各々に対する境界を地理的に識別すること、ならびに
(c)前記1つまたは複数の領域の前記識別された境界とともに前記核医学画像を使用して、(i)1つもしくは複数のリスク指標の各々の値および/または(ii)リスクマップを計算すること
によって、前記核医学画像を自動的に分析することを含む、項目19から33のいずれか一項に記載の方法。
(項目35)
ステップ(c)が、前記1つまたは複数のリスク指標の少なくとも1つのリスク指標に対して、
前記1つまたは複数の領域の各々に対して、前記領域の前記境界内の前記核医学画像の強度値に基づいて、前記領域内の対応するがん組織レベルを判定すること、および
前記1つまたは複数の領域内の前記判定されたがん組織レベルに基づいて、前記リスク指標の前記値を計算すること
によって、前記リスク指標の前記値を計算することを含む、項目34に記載の方法。
(項目36)
前記プロセッサが、クラウドベースのシステムのプロセッサである、項目19から35のいずれか一項に記載の方法。
(項目37)
前記プロセッサが、1つまたは複数のネットワークまたはインターネットホストサーバのプロセッサである、項目19から36のいずれか一項に記載の方法。
(項目38)
プロセッサと、
その上に記憶された命令を有するメモリであって、前記命令が、前記プロセッサによって実施されるとき、対話型グラフィカルユーザインタフェース(GUI)要素を生成し、その表示を引き起こすことを前記プロセッサに行わせ、前記GUI要素が、前記プロセッサによって表示させられる参照画像との比較のために患者の3Dリスクピクチャのデジタル提示を選択および/または調整するためのユーザが選択可能および/またはユーザが調整可能なグラフィカルコントロールを有する、メモリと
を備えるシステム。
(項目39)
前記対話型GUI要素が、前記患者の医用画像および/または他の画像もしくは情報から生産される、項目38に記載のシステム。
(項目40)
1人または複数の患者に対して、前立腺がん進行および治療効果を経時的に追跡するための方法であって、
(a)経時的に、コンピューティングデバイスのプロセッサによって、前記1人または複数の患者の各々のための複数の医用画像を繰り返し受信し、データベースに記憶して、前記1人または複数の患者の各々のために、経時的に撮影された医用画像のシリーズを取得することと、
(b)前記1人または複数の患者の各々に対して、前記プロセッサによって、前記患者のための医用画像の前記シリーズを自動的に分析して、前記シリーズの各医用画像に対する1つまたは複数のリスク指標の値を判定し、それによって、前記患者に対する過程前立腺がん進行および治療にわたって前記1つまたは複数のリスク指標の判定された値を追跡することと、
(c)前記1人または複数の患者の各々に対して、前記プロセッサによって、さらなる処理のために前記患者に対する前記1つまたは複数のリスク指標の前記判定された値を記憶すること、および/または前記プロセッサによって、前記患者に対する前記1つまたは複数のリスク指標の前記判定された値のグラフィカル表現の表示を引き起こすことと
を含む方法。
(項目41)
前記1人または複数の患者のうちの特定の患者のための前記医用画像のシリーズが、
(i)各々が第1の放射性医薬品の前記特定の患者への投与に続く、第1の核イメージングモダリティを使用して取得された1つまたは複数の医用画像を含む、第1の画像サブシリーズと、
(ii)各々が第2の放射性医薬品の前記特定の患者への投与に続く、第2の核イメージングモダリティを使用して取得された1つまたは複数の医用画像を含む、第2の画像サブシリーズと
を含み、
したがって、前記特定の患者のためのステップ(b)において判定される前記1つまたは複数のリスク指標の前記値が、前記第1の画像サブシリーズの自動化された分析によって判定される第1のリスク指標の値の第1のサブシリーズと、前記第2の画像サブシリーズの自動化された分析によって判定される第2のリスク指標の値の第2のサブシリーズとを含む、項目40に記載の方法。
(項目42)
前記特定の患者の前立腺がんが限局性であるとき、第1の画像サブシリーズの前記医用画像が第1の時間期間にわたって取得され、前記特定の患者の前立腺がんが転移性であるとき、前記第2の画像サブシリーズの前記医用画像が第2の時間期間にわたって取得される、項目41に記載の方法。
(項目43)
前記第1の画像サブシリーズが1つまたは複数の合成SPECT-CT画像を含み、各合成SPECT-CT画像が、実質的に同じ時間に獲得されたSPECTスキャンが重ね合わされたCTスキャンを含み、
前記第2の画像サブシリーズが1つまたは複数の合成PET-CT画像を含み、各合成PET-CT画像が、実質的に同じ時間に獲得されたPETスキャンが重ね合わされたCTスキャンを含み、
ステップ(b)が、
前記合成SPECT-CT画像を使用して、前記合成SPECT-CT画像の前記SPECTスキャン内の前立腺領域の3D境界を地理的に識別すること、および
前記前立腺領域の前記識別された3D境界とともに前記SPECTスキャンを使用して、前記第1のリスク指標の値を計算すること
によって、前記1つまたは複数の合成SPECT-CT画像の各々を自動的に分析することと、
前記合成PET-CT画像を使用して、前記合成PET-CT画像の前記PETスキャン内の1つまたは複数の転移性領域の3D境界を地理的に識別することであって、前記1つまたは複数の転移性領域が、前記前立腺の外部の患者組織位置に対応する領域を含む、識別すること、および
前記1つまたは複数の転移性領域の前記識別された3D境界とともに前記PETスキャンを使用して、前記第2のリスク指標の値を計算すること
によって、前記1つまたは複数の合成PET-CT画像の各々を自動的に分析することと
を含む、項目41または42のいずれかに記載の方法。
(項目44)
前記第1の画像サブシリーズが1つまたは複数の合成SPECT-CT画像を含み、各合成SPECT-CT画像が、実質的に同じ時間に獲得されたSPECTスキャンが重ね合わされたCTスキャンを含み、
前記第2の画像サブシリーズが1つまたは複数の全身スキャンを含み、
ステップ(b)が、
前記合成SPECT-CT画像を使用して、前記合成SPECT-CT画像の前記SPECTスキャン内の前立腺領域の3D境界を地理的に識別すること、および
前記前立腺領域の前記識別された3D境界とともに前記SPECTスキャンを使用して、前記第1のリスク指標の値を計算すること
によって、前記1つまたは複数の合成SPECT-CT画像の各々を自動的に分析することと、
前記全身スキャン内の1つまたは複数の転移性領域の境界を地理的に識別することであって、前記1つまたは複数の転移性領域が、前記前立腺の外部の患者組織位置に対応する領域を含む、識別すること、および
前記1つまたは複数の転移性領域の前記識別された3D境界とともに前記PETスキャンを使用して、前記第2のリスク指標の値を計算すること
によって、前記1つまたは複数の全身スキャン合成SPECT-CT画像の各々を自動的に分析することと
を含む、項目41または42のいずれかに記載の方法。
(項目45)
1人または複数の患者に対して、前立腺がん進行および治療効果を経時的に追跡するためのシステムであって、
プロセッサと、
その上に記憶された命令を有するメモリであって、前記命令が、前記プロセッサによって実行されるとき、
(a)経時的に、前記1人または複数の患者の各々のための複数の医用画像を繰り返し受信し、データベースに記憶して、前記1人または複数の患者の各々のために、経時的に撮影された医用画像のシリーズを取得することと、
(b)前記1人または複数の患者の各々に対して、前記患者のための医用画像の前記シリーズを自動的に分析して、前記シリーズの各医用画像に対する1つまたは複数のリスク指標の値を判定し、それによって、前記患者に対する過程前立腺がん進行および治療にわたって前記1つまたは複数のリスク指標の判定された値を追跡することと、
(c)前記1人または複数の患者の各々に対して、さらなる処理のために前記患者に対する前記1つまたは複数のリスク指標の前記判定された値を記憶すること、および/または前記患者に対する前記1つまたは複数のリスク指標の前記判定された値のグラフィカル表現の表示を引き起こすことと
を前記プロセッサに行わせる、メモリと
を備えるシステム。
(項目46)
前記1人または複数の患者のうちの特定の患者のための前記医用画像のシリーズが、
(i)各々が第1の放射性医薬品の前記特定の患者への投与に続く、第1の核イメージングモダリティを使用して取得された1つまたは複数の医用画像を含む、第1の画像サブシリーズと、
(ii)各々が第2の放射性医薬品の前記特定の患者への投与に続く、第2の核イメージングモダリティを使用して取得された1つまたは複数の医用画像を含む、第2の画像サブシリーズと
を含み、
したがって、前記特定の患者のためのステップ(b)において判定される前記1つまたは複数のリスク指標の前記値が、前記第1の画像サブシリーズの自動化された分析によって判定される第1のリスク指標の値の第1のサブシリーズと、前記第2の画像サブシリーズの自動化された分析によって判定される第2のリスク指標の値の第2のサブシリーズとを含む、項目45に記載のシステム。
(項目47)
前記特定の患者の前立腺がんが限局性であるとき、第1の画像サブシリーズの前記医用画像が第1の時間期間にわたって取得され、前記特定の患者の前立腺がんが転移性であるとき、前記第2の画像サブシリーズの前記医用画像が第2の時間期間にわたって取得される、項目46に記載のシステム。
(項目48)
前記第1の画像サブシリーズが1つまたは複数の合成SPECT-CT画像を含み、各合成SPECT-CT画像が、実質的に同じ時間に獲得されたSPECTスキャンが重ね合わされたCTスキャンを含み、
前記第2の画像サブシリーズが1つまたは複数の合成PET-CT画像を含み、各合成PET-CT画像が、実質的に同じ時間に獲得されたPETスキャンが重ね合わされたCTスキャンを含み、
前記命令が、ステップ(b)において、
前記合成SPECT-CT画像を使用して、前記合成SPECT-CT画像の前記SPECTスキャン内の前立腺領域の3D境界を地理的に識別すること、および
前記前立腺領域の前記識別された3D境界とともに前記SPECTスキャンを使用して、前記第1のリスク指標の値を計算すること
によって、前記1つまたは複数の合成SPECT-CT画像の各々を自動的に分析することと、
前記合成PET-CT画像を使用して、前記合成PET-CT画像の前記PETスキャン内の1つまたは複数の転移性領域の3D境界を地理的に識別することであって、前記1つまたは複数の転移性領域が、前記前立腺の外部の患者組織位置に対応する領域を含む、識別すること、および
前記1つまたは複数の転移性領域の前記識別された3D境界とともに前記PETスキャンを使用して、前記第2のリスク指標の値を計算すること
によって、前記1つまたは複数の合成PET-CT画像の各々を自動的に分析することと
を前記プロセッサに行わせる、項目46または47のいずれかに記載のシステム。
(項目49)
前記第1の画像サブシリーズが1つまたは複数の合成SPECT-CT画像を含み、各合成SPECT-CT画像が、実質的に同じ時間に獲得されたSPECTスキャンが重ね合わされたCTスキャンを含み、
前記第2の画像サブシリーズが1つまたは複数の全身スキャンを含み、
前記命令が、ステップ(b)において、
前記合成SPECT-CT画像を使用して、前記合成SPECT-CT画像の前記SPECTスキャン内の前立腺領域の3D境界を地理的に識別すること、および
前記前立腺領域の前記識別された3D境界とともに前記SPECTスキャンを使用して、前記第1のリスク指標の値を計算すること
によって、前記1つまたは複数の合成SPECT-CT画像の各々を自動的に分析することと、
前記全身スキャン内の1つまたは複数の転移性領域の境界を地理的に識別することであって、前記1つまたは複数の転移性領域が、前記前立腺の外部の患者組織位置に対応する領域を含む、識別すること、および
前記1つまたは複数の転移性領域の前記識別された3D境界とともに前記PETスキャンを使用して、前記第2のリスク指標の値を計算すること
によって、前記1つまたは複数の全身スキャンの各々を自動的に分析することと
を前記プロセッサに行わせる、項目46または47のいずれかに記載のシステム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【外国語明細書】