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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038537
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】二輪車用車体カバー
(51)【国際特許分類】
   B62J 19/00 20060101AFI20240313BHJP
【FI】
B62J19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142607
(22)【出願日】2022-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】522356935
【氏名又は名称】有限会社ハンド・メイド
(74)【代理人】
【識別番号】100190230
【弁理士】
【氏名又は名称】荒井 良吉
(72)【発明者】
【氏名】越野 勝彦
(57)【要約】
【課題】様々なサイズの二輪車に対応して全体をカバーでき、風で飛ばされるのを防止する操作を簡単にでき、二輪車をぴったりカバーして雨水のたまりを防止でき、かつ軽量な、二輪車カバーを提供する。
【解決手段】二輪車を上から被せて覆う袋状のカバー1であって、前記二輪車の上部、前部、後部、左側部及び右側部をそれぞれ覆う上面部11、前面部12、後面部13、左側面部14及び右側面部15からなり、下端部16が開いた袋状を有するカバー本体10と、前記後面部13の下端部13aを側面視で対角方向中央側に引き寄せる後下側緊結ベルト20、及び、前記前面部12の下端部12aを側面視で対角方向中央側に引き寄せる前下側緊結ベルト10、の少なくとも一方を有する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二輪車を上から被せて覆う袋状のカバーであって、
前記二輪車の上部、前部、後部、左側部及び右側部をそれぞれ覆う上面部、前面部、後面部、左側面部及び右側面部からなり、下端部が開いた袋状を有するカバー本体と、
前記後面部の下端部を側面視で対角方向中央側に引き寄せる後下側緊結ベルト、及び、前記前面部の下端部を側面視で対角方向中央側に引き寄せる前下側緊結ベルト、の少なくとも一方を有する、二輪車用車体カバー。
【請求項2】
前記後下側緊結ベルト又は前記前下側緊結ベルトは、一端部が前記左側面部の外表面に固定され他端部が第1のバックル部材に接続された第1のベルト部分と、一端部が前記右側面部の外表面に固定され他端部が前記第1のバックル部材に着脱可能に結合する第2のバックル部材に接続された第2のベルト部分からなり、前記後面部の下端部又は前記前面部の下端部の外側を回って配置され、前記第1と第2のバックル部材を結合して、前記第1のベルト部分又は前記第2のベルト部分の長さを緊縮することにより、前記後面部又は前記前面部の下端部を側面視で対角方向中央側に引き寄せるように構成された、請求項1に記載の二輪車用車体カバー。
【請求項3】
前記後下側緊結ベルト又は前記前下側緊結ベルトは、一端部が前記右側面部又は前記左側面部の外表面に固定され他端部が第1のバックル部材に接続された第1のベルト部分と、一端部が前記後面部の下端部又は前記前面部の下端部に固定され他端部が前記第1のバックル部材に着脱可能に結合する第2のバックル部材に接続された第2のベルト部分からなり、前記第1と第2のバックル部材を結合して、前記第1のベルト部分又は前記第2のベルト部分の長さを緊縮することにより、前記後面部又は前面部の下端部を側面視で対角方向中央側に引き寄せるように構成された、請求項1に記載の二輪車用車体カバー。
【請求項4】
前記左側部及び右側部は、前記二輪車の車輪スポーク部を覆う互いに対向する位置に、ハトメ金具で縁が保護されたベルト通し孔を有し、前記後下側緊結ベルト又は前記前下側緊結ベルトは、一端部が第1のバックル部材に接続され、中間部が前記右側面部又は前記左側面部の外表面に固定され、他端部が前記第1のバックル部材に着脱可能に結合する第2のバックル部材に接続され、前記一端部を前記左側部及び右側部のそれぞれの前記ベルト通し孔及び前記二輪車の車輪スポーク間を通して周回させ、前記後面部の下端部又は前記前面部の近傍で前記第1と第2のバックル部材を結合して、前記後下側緊結ベルト又は前記前下側緊結ベルトの長さを緊縮することにより、前記後面部又は前面部の下端部を側面視で対角方向中央側に引き寄せるように構成された、請求項1に記載の二輪車用車体カバー。
【請求項5】
前記左側部及び右側部のそれぞれの前記ベルト通し孔は、前記二輪車の盗難防止器具を取付けるためにも用いられる、請求項4に記載の二輪車用車体カバー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自転車やバイク等の二輪車を雨や埃から保護するためのカバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、自転車やバイク等を保護するための様々な二輪車用カバーが提案されている。
この目的のカバーとしては、二輪車の形状に適合する袋状のカバーで、二輪車車上部から被せて全体を覆う形態が主流である。このようなカバーにおいては、開口した下端部から風が入って飛ばされることを防ぐ様々な工夫がされている。
【0003】
例えば、特許文献1のカバーでは、下縁を絞るストッパ付きの紐を設けるとともに、下縁中央部に設けたベルトと係合部材で止めている。
また、左右両側の上部や後面上端部に、多数の通気孔が開口され、下からの風が抜けるようになっている。
【0004】
特許文献2のカバーでは、車体カバーの前部上下方向に前部スライドファスナーを設け、カバーの後部上下方向に後部スライドファスナーを設けている。また、カバー下端にはカバーの両下端部を相互に係着できる係着帯を設けている。
【0005】
特許文献3のカバーでは、単車カバーに吹き飛び防止用の止め金具を取り付けた紐または伸縮帯を取り付け、単車スタンドに巻き付けている。
【0006】
特許文献4のカバーでは、カバーの前後部適位置には、当該カバーを前後方向から弾性的に密着させるための伸縮テープを設けている。
【0007】
特許文献5のカバーでは、自転車カバーを掛ける際の足腰、膝への負担を軽減させるために、自転車カバーの一端に重りを設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2021-187164号公報
【特許文献2】実用新案登録第3173532号
【特許文献3】実全昭61-183281号公報
【特許文献4】実全昭55-91395号公報
【特許文献5】特開2020-11733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来のカバーにおける、下縁中央部に係合部材付きベルトを設けて下縁同士を繋ぐ方法では、飛ばされ防止の効果はあるが、その着脱のために下に屈まなければならず、操作性が必ずしも良くない。
一方、カバーをファスナで閉める方法は、操作性は良いが、カバーのサイズが対象に二輪車に合っていなければならず、1つのカバーで様々なサイズの二輪車に対応させるのは困難という欠点がある。
また、ストッパ付きの紐でカバーの下縁を前後方向に絞る方法や、スタンドに紐を掛ける方法、前後方向に伸縮テープを設ける方法では、飛ばされ防止の効果があるが、上下方向の張力が必ずしも働かないので、上部の弛みをなくして水たまりを防止する効果は少ないと思われる。
また、重りを設ける方法では、重りによってカバー自体が重くなるという欠点がある。
【0010】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、様々なサイズの二輪車に対応して全体をカバーでき、風で飛ばされるのを防止する操作を簡単にでき、二輪車をぴったりカバーして雨水のたまりを防止でき、かつ軽量な、二輪車カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために、本発明のカバーは、二輪車を上から被せて覆う袋状のカバーであって、前記二輪車の上部、前部、後部、左側部及び右側部をそれぞれ覆う上面部、前面部、後面部、左側面部及び右側面部からなり、下端部が開いた袋状を有するカバー本体と、前記後面部の下端部を側面視で対角方向中央側に引き寄せる後下側緊結ベルト、及び、前記前面部の下端部を側面視で対角方向中央側に引き寄せる前下側緊結ベルト、の少なくとも一方を有する、ことを特徴とする。
【0012】
前記後下側緊結ベルト又は前記前下側緊結ベルトは、一端部が前記カバーの左側面の外表面に固定され他端部が第1のバックル部材に接続された第1のベルト部分と、一端部が前記カバーの右側面の外表面に固定され他端部が前記第1のバックル部材に着脱可能に結合する第2のバックル部材に接続された第2のベルト部分からなり、前記カバーの前記後面部の下端部又は前記前面部の下端部の外側を回って配置され、前記第1と第2のバックル部材を結合して、前記第1のベルト部分又は前記第2のベルト部分の長さを緊縮することにより、前記後面部又は前面部の下端部を側面視で対角方向中央側に引き寄せるように構成された、ものであることが好ましい。
【0013】
代替として、前記後下側緊結ベルト又は前記前下側緊結ベルトは、それぞれ、一端部が前記右側面部又は前記左側面部の外表面に固定され他端部が第1のバックル部材に接続された第1のベルト部分と、一端部が前記後面部の下端部又は前記前面部の下端部に固定され他端部が前記第1のバックル部材に着脱可能に結合する第2のバックル部材に接続された第2のベルト部分からなり、前記第1と第2のバックル部材を結合して、前記第1のベルト部分又は前記第2のベルト部分の長さを緊縮することにより、前記後面部又は前面部の下端部を側面視で対角方向中央側に引き寄せるように構成された、ものであってもよい。
【0014】
代替として、前記左側部及び右側部は、前記二輪車の車輪スポーク部を覆う互いに対向する位置に、ハトメ金具で縁が保護されたベルト通し孔を有し、前記後下側緊結ベルト又は前記前下側緊結ベルトは、一端部が第1のバックル部材に接続され、中間部が前記右側面部又は前記左側面部の外表面に固定され、他端部が前記第1のバックル部材に着脱可能に結合する第2のバックル部材に接続され、前記一端部又は他端部の一方を前記左側部及び右側部のそれぞれの前記ベルト通し孔及び前記二輪車の車輪スポーク間を通して周回させ、前記後面部の下端部又は前記前面部の近傍で前記第1と第2のバックル部材を結合して、前記後下側緊結ベルト又は前記前下側緊結ベルトの長さを緊縮することにより、前記後面部又は前面部の下端部を側面視で対角方向中央側に引き寄せるように構成された、ものであってもよい。
【0015】
前記左側部及び右側部のそれぞれの前記ベルト通し孔は、前記二輪車の盗難防止器具を取付けるためにも用いられるものであってもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る二輪車用車体カバーによれば、前記後辺部の下隅部又は前記前辺部の下隅部を前記カバーの中央側に引き寄せる緊結ベルトを設けたので、後辺部の下隅部又は前辺部の下隅部が、二輪車の後輪又は前輪の斜め下側から押しあたることにより、カバーが飛ばされるのを防止することができる。また、下隅部の対角線方向反対側の上隅部が二輪車の上側、例えばハンドルや荷台に押しあたることにより、カバー上辺部の弛みがなくなり雨水のたまりを防止できる。
また、上記操作により、二輪車本体の大きさに合わせてカバーぴったりフィットさせることができる。
また、下隅部を前記カバーの中央側に引き寄せる操作は、あまり下に屈まずに行うことができ、操作性が良い。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の実施形態の二輪車用カバーを概念的に示す左側面図であり、二輪車を覆い、緊結ベルトのバックルを外した状態を示す図である。
図2図1のカバーにおいて、緊結ベルトのバックルを接続した状態を概念的に示す左側面図である。
図3図2の状態における斜視図である。
図4図2の状態における部分拡大斜視図で、(a)は全面側、(b)は後面側を示す。
図5】本発明の第2の実施形態の二輪車用カバーを概念的に示す左側面図であり、二輪車を覆い、緊結ベルトのバックルを外した状態を示す図である。
図6図4のカバーにおいて、緊結ベルトのバックルを接続した状態を概念的に示す左側面図である。
図7図6の状態における斜視図である。
図8図6の状態における部分拡大斜視図で、(a)は全面側、(b)は後面側を示す。
図9】本発明の第3の実施形態の二輪車用カバーを概念的に示す左側面図であり、二輪車を覆い、緊結ベルトのバックルを外した状態を示す図である。
図10図9のカバーにおいて、緊結ベルトのバックルを接続した状態を概念的に示す左側面図である。
図11図10の状態における斜視図である。
図12図11の状態における部分拡大斜視図で、(a)は全面側、(b)は後面側を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の二輪車用カバー1を概念的に示す左側面図であり、緊結ベルト20,30のバックル40を外した状態を示す図である。
本実施形態のカバーは、カバー本体10と、後下側緊結ベルト20と、前下側緊結ベルト30とを含む。
【0020】
カバー本体10は、二輪車を上から被せて覆うように構成され、二輪車60の上部、前部、後部、左側部及び右側部をそれぞれ覆う上面部11、前面部12、後面部13、左側面部14及び右側面部15からなり、下端部16が開いた袋状をなす。カバー本体10の全体形状は、膨らませた状態で、二輪車60の外形に概略適合する立体的形状を有する。
具体的には、図1に示す側面視で、前面部12は、下端部16から立ち上がって、二輪車60の前輪に合わせて若干湾曲し、かご部の前上側に向かって延び、上面部11は、そこから、ハンドルの上側を通って、荷台の後端部の上側に伸び、後面部13は、そこから後輪に合わせて若干湾曲して下端部に至っている。また、上面部11は、上面視(図示省略)で、ハンドルの収容部分で幅が広がった前後方向に長い略六角形を成す。
カバー本体10の材質は、ナイロン布であり、裁断及び縫製等公知の方法により、製造する。
【0021】
後下側緊結ベルト20は、カバー本体10の後面部13の下端部13aを側面視で対角方向中央側に引き寄せるベルトであり、前下側緊結ベルト30は、カバー本体10の前面部12の下端部12aを側面視で対角方向中央側に引き寄せるベルトである。
尚、本明細書において「側面視で対角方向」とは、カバー本体10の側面視形状を矩形で近似した場合の、その矩形の対角方向をいう。
本実施形態では、後下側緊結ベルト20は、図4(b)に示すように、一端部21aがカバー本体10の左側面部14の外表面に固定され他端部21bが第1のバックル部材40aに接続された第1のベルト部分21と、一端部22aがカバー本体10の右側面部15の外表面に固定され他端部22bが第2のバックル部材40bに接続された第2のベルト部分22からなる。
第1のベルト部分21は、側面視で対角方向に、カバー本体10の後面部13の下端部13a(図1参照)へ向かって伸びるように、一端部21aがカバー本体10の左側面部14の外表面に固定されている。第2のベルト部分22も、側面視で対角方向に、カバー本体10の後面部13の下端部13a(図1参照)へ向かって伸びるように、一端部22aがカバー本体10の右側面部15の外表面に固定されている。
第1のバックル部材40aと第2のバックル部材40bは、公知のサイドプッシュ型ワンタッチバックル40を構成し、互いに着脱可能である。図1の状態では、第1と第2のバックル部材40a,40bは未接続なので、第1と第2のベルト部分は、カバー本体10の左右それぞれの側にある。
【0022】
前下側緊結ベルト30も同様に、図4(a)に示すように、一端部31aがカバー本体10の左側面部14の外表面に固定され他端部31bが第1のバックル部材40aに接続された第1のベルト部分31と、一端部32aがカバー本体10の右側面部15の外表面に固定され他端部32bが第2のバックル部材40bに接続された第2のベルト部分32からなる。
第1のベルト部分21は、側面視で対角方向に、カバー本体10の前面部12の下端部12a(図1参照)へ向かって伸びるように、一端部21aがカバー本体10の左側面部14の外表面に固定されている。第2のベルト部分22も、側面視で対角方向に、カバー本体10の前面部12の下端部12a(図1参照)へ向かって伸びるように、一端部22aがカバー本体10の右側面部15の外表面に固定されている。
図1の状態では、第1と第2のバックル部材40a,40bは未接続なので、第1と第2のベルト部分31,32は、カバー本体10の左右それぞれの側にある。
【0023】
この状態では、図1に示すカバー本体10の前面部12及び後面部13は、それぞれ二輪車の前輪及び後輪に押し当てられておらず、緩く接触しているが隅間がある状態である。このため、カバーの取り外しには便利であるが、風により飛ばされやすい状態にある。また、上面部11にも張力が生じていないので、例えば、ハンドルを覆う部分と荷台を覆う部分との間に弛みがあり、雨水が貯まりやすい状態にある。
【0024】
図2は、二輪車用カバー1の後下側緊結ベルト20及び前下側緊結ベルト30のそれぞれのバックル40を接続した状態を概念的に示す左側面図であり、図3はその斜視図、図4はその前面図(a)及び後面図(b)である。
後下側緊結ベルト20は、その第1のベルト部分21と第2のベルト部分22が、カバー本体10の後面部13の下端部13aの外側を回って、それぞれのバックル部材40a,40bで結合されている。
また、前下側緊結ベルト30は、その第1のベルト部分31と第2のベルト部分32が、カバー本体10の前面部12の下端部12aの外側を回って、それぞれのバックル部材40a,40bで結合されている。
なお、各第1のベルト部分21,31は、第1のバックル部材40aとの係合位置を変えることにより、すなわち出張部分21c,31c(図4(a)(b)参照)を引っ張ることにより、それぞれの長さを緊縮している。
【0025】
これにより、カバー本体10の後面部13の下端部13aは側面視で対角方向中央側に引き寄せられ、前面部12の下端部12aは側面視で対角方向中央側に引き寄せられている。その結果、カバー本体10は二輪車にフィットし、下端部13a,12aは、二輪車の後輪及び前輪の斜め下側から押しあたることにより、カバーが飛ばされるのを防止することができる。また、後下側緊結ベルト20及び前下側緊結ベルト30により、カバー本体10に対角線方向の張力が生ずるので、上面部11が二輪車の上側、例えばハンドルや荷台に押しあたることにより、カバー上面部11の弛みがなくなり雨水のたまりを防止できる。
【0026】
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態の二輪車用カバー2を概念的に示す左側面図であり、二輪車60を覆い、緊結ベルトのバックル40を外した状態を示す図である。
本実施形態は、第1の実施形態において、後下側緊結ベルト20及び前下側緊結ベルト30それぞれの第2のベルト部分22,32が、カバー本体10の右側面部15の外表面の代わりに、後面部13の下端部13a又は前面部12の下端部12aに固定された形態である。
後下側緊結ベルト20及び前下側緊結ベルト30それぞれの第1のベルト部分21,31は、第1の実施形態同様、側面視で対角方向に、カバー本体10の後面部13の下端部13a又は前面部12の下端部12aへ向かって伸びるように、カバー本体10の左側面部14の外表面に固定されている。
この構成では、後下側緊結ベルト20及び前下側緊結ベルト30とも、第1と第2のバックル部材40a,40bが未接続でも、第1と第2のベルト部分は、カバー本体10の左側面部14側からアクセスできる位置にある。このため、二輪車の駐輪場所によっては、カバーの着脱操作がしやすいという利点がある。
この点以外は、第1の実施形態と同様なので、重複する説明は省略する。
【0027】
図6は、第2の実施形態のカバーにおいて、緊結ベルト20,30のバックル40を接続した状態を概念的に示す左側面図であり、図7は、その斜視図で、図8は、その前面図(a)及び後面図(b)である。
後下側緊結ベルト20は、その第1のベルト部分21と第2のベルト部分22が、カバー本体10の左側面部14で、それぞれのバックル部材40a,40bで結合されている。
また、前下側緊結ベルト30は、その第1のベルト部分31と第2のベルト部分32が、カバー本体10の左側面部14で、それぞれのバックル部材40a,40bで結合されている。
なお、各第1のベルト部分21,31は、第2のバックル部材40aとの係合位置を変えることにより、すなわち出張部分21c,31cを引っ張ることにより、それぞれの長さを緊縮している。
【0028】
これにより、図6に示すように、カバー本体10の後面部13の下端部13aは、側面視で対角方向中央側に引き寄せられ、前面部12の下端部12aも、側面視で対角方向中央側に引き寄せられている。その結果、カバー本体10は二輪車4にフィットし、下端部13a,12aは、二輪車の後輪及び前輪の斜め下側から押しあたることにより、カバーが飛ばされるのを防止することができる。また、後下側緊結ベルト20及び前下側緊結ベルト30により、カバー本体10に対角線方向の張力が生ずるので、上面部11が二輪車の上側、例えばハンドルや荷台に押しあたることにより、カバー上面部11の弛みがなくなり雨水のたまりを防止できる。
【0029】
(第3の実施形態)
図9は、第3の実施形態の二輪車用カバー3を概念的に示す左側面図であり、二輪車60を覆い、緊結ベルトのバックルを外した状態を示す図である。
本実施形態は、第1の実施形態において、後下側緊結ベルト20を第1のベルト部分21と第2のベルト部分22に分割せずに、中間部20cを左側面部の外表面に固定し、一方の端部をベルト通し孔50及び二輪車60の車輪スポーク間を通して周回させ、後面部13の下端部13a近傍で、一端部20a及び他端部20bを結合できるようにした形態である。また、前下側緊結ベルト30も第1のベルト部分31と第2のベルト部32に分割せずに、中間部30cを左側面部の外表面に固定し、一方の端部をベルト通し孔50及び二輪車60の車輪スポーク間を通して周回させ、前面部12の下端部12a近傍で、一端部30a及び他端部30bを結合できるようにした形態である。
【0030】
後下側緊結ベルト20は、側面視で対角方向に、一端部20aがカバー本体10の後面部13の下端部13aへ向かって伸び、他端部20bがベルト通し孔50に向かって伸びるように、中間部20cがカバー本体10の左側面部14の外表面に固定されている。また、前下側緊結ベルト30は、側面視で対角方向に、一端部30aがカバー本体10の前面部12の下端部12aへ向かって伸び、他端部30bがベルト通し孔50に向かって伸びるように、中間部30cがカバー本体10の左側面部14の外表面に固定されている。
【0031】
ベルト通し孔50は、縁がハトメ金具50aで保護され、後下側緊結ベルト20又は前下側緊結ベルト30の一端部を通しやすくなっている。尚、ベルト通し孔50は、二輪車の盗難防止器具(図示省略)を取付けるためにも用いられるものであってもよい。ベルト通し孔50の孔径に余裕があれば、後下側緊結ベルト20又は前下側緊結ベルト30と盗難防止器具の両方を通すことができる。
【0032】
図9の状態では、第1と第2のバックル部材40a,40bは未接続なので、後下側緊結ベルト20及び前下側緊結ベルト30は、それぞれ全体が、カバー本体10の一方の側(左側面部14側)にある。
【0033】
図10は、第3の実施形態のカバーにおいて、後下側緊結ベルト20及び前下側緊結ベルト30のそれぞれの一方の端部をベルト通し孔50及び二輪車の車輪スポーク51間を通して周回させ、バックル40を接続した状態を概念的に示す左側面図である。図11は、その斜視図で、図12は、その前面図(a)及び後面図(b)である。
後下側緊結ベルト20は、その他端部20bをベルト通し孔50及び二輪車の車輪スポーク51間を通して周回させ、そのバックル部材40bを一端部20a側のバックル部材40aと結合させている。
また、前下側緊結ベルト30は、その他端部30bをベルト通し孔50及び二輪車の車輪スポーク51間を通して周回させ、そのバックル部材40bを一端部30a側のバックル部材40aと結合させている。
なお、各緊結ベルト20,30は、第2のバックル部材40bとの係合位置を変えることにより、すなわち出張部分20d,30dを引っ張ることにより、それぞれの長さを緊縮している。
【0034】
この構成によれば、第1及び第2の実施形態の効果が得られる他、後下側緊結ベルト20又は前下側緊結ベルト30を、ベルト通し孔50及び二輪車の車輪スポーク間を通すことにより、確実にカバーの飛ばされを防止することができる。
【0035】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されない。当業者であれば本発明の範囲で、種々の追加や変更を行うことができる。例えば、上記各実施形態では、後下側緊結ベルト20と前下側緊結ベルト30の両方を設けたが、カバー形状等によっては一方のみ設けてもよい。
【0036】
また、上記各実施形態では、後下側緊結ベルト20と前下側緊結ベルト30の両方を設ける場合、後下側緊結ベルト20と前下側緊結ベルト30の形態を同じにしたが、例えば、後下側緊結ベルト20の形態を第1又は第2の実施形態にして、前下側緊結ベルト30の形態を第3の実施形態にする等、異なる形態にしてもよい。
【0037】
また、上記第1及び第2の実施形態において、後下側緊結ベルト20と前下側緊結ベルト30は、それぞれ第1のベルト部分21,31と第2のベルト部分22,32が、バックル40(40a,40b)で結合し、その係合位置を変えて長さを調整することにより、下端部12a,13aを側面視で対角方向中央側に引き寄せる構成としたが、本発明はこれに限られず、例えば、一方のベルト部分を省略し、それに接続すべきバックル部材40a,40bをカバー本体10に直接取付けてもよい。
【0038】
また、上記各実施形態では、バックル40として、サイドプッシュ型のワンタッチバックルを用いたが、本発明はこれに限られず、ベルトの端部同士の着脱及び長さ調整が出来るものであれば、いずれでもよい。
例えば、バックルの代わりにマジックテープ(登録商標)等の面ファスナを用いても良い。
【0039】
また、上記第2の実施形態では、後下側緊結ベルト20及び前下側緊結ベルト30とも、第1のベルト部分21,31をカバー本体10の左側面部14に固定したが、後下側緊結ベルト20及び前下側緊結ベルト30の第1のベルト部分21,31のうちいずれか一方又は両方を右側面部15に固定してもよい。
【0040】
また、上記第3の実施形態では、後下側緊結ベルト20及び前下側緊結ベルト30とも、中間部20c,30cをカバー本体10の左側面部14に固定したが、後下側緊結ベルト20及び前下側緊結ベルト30の中間部20c,30cのうちいずれか一方又は両方を右側面部15に固定してもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 二輪車用カバー(第1の実施形態)
2 二輪車用カバー(第2の実施形態)
3 二輪車用カバー(第3の実施形態)
10 カバー本体
11 上面部
12 前面部
12a (前面部の)下端部
13 後面部
13a (後面部の)下端部
14 左側面部
15 右側面部
16 下端部
20 後下側緊結ベルト
20a 一端部側(第3の実施形態)
20b 他端部側(第3の実施形態)
20c 中間部(第3の実施形態)
20d 出張部分(第3の実施形態)
21 第1のベルト部分
21a 一端部
21b 他端部
21c 出張部分
22 第2のベルト部分
22a 一端部
22b 他端部
30 前下側緊結ベルト
30a 一端部側(第3の実施形態)
30b 他端部側(第3の実施形態)
30c 中間部(第3の実施形態)
30d 出張部分(第3の実施形態)
31 第1のベルト部分
31a 一端部
31b 他端部
31c 出張部分
32 第2のベルト部分
32a 一端部
32b 他端部
40 バックル(サイドプッシュ型ワンタッチバックル)40
40a 第1のバックル部材
40b 第2のバックル部材
50 ベルト通し孔
50a ハトメ金具
60 二輪車
61 スポーク
図1
図2
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図10
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図12