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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038551
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】壁掛け金具及び狭小設置型給湯器
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/06 20060101AFI20240313BHJP
【FI】
F24H9/06 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142628
(22)【出願日】2022-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】弁理士法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】竹下 昌也
(72)【発明者】
【氏名】森口 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】小泉 進
【テーマコード(参考)】
3L037
【Fターム(参考)】
3L037AA02
3L037CA03
3L037CB01
3L037CC03
(57)【要約】
【課題】狭小設置型給湯器の側壁の高剛性化を不要にしつつ側壁による壁掛け設置を可能にし、狭小設置型給湯器の軽量化、低廉化及び高施工性化に貢献する。
【解決手段】壁掛け金具2は、奥行方向の長さL1よりも幅方向の長さL2の方が短い狭小設置型給湯器1の側壁を設置壁3に壁掛け設置する。壁掛け設置状態で、設置壁3に対面する側壁を取付側壁とする。壁掛け金具2は、取付側壁の上部に奥行方向に延びて取り付けられる上補強部21と、取付側壁の下部に奥行方向に延びて取り付けられる下補強部22と、取付側壁の高さ方向に延びて上補強部21と下補強部22とに接続される1本以上の縦補強部23と、上補強部21に接続され、設置壁3に取り付けられる上取付部24と、下補強部22に接続され、設置壁3に取り付けられる下取付部25とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯器を設置壁に壁掛け設置するための壁掛け金具であって、
前記給湯器は、後壁、上壁、底壁、及び幅方向において互いに対向する一対の側壁を有し、前面が筐体開口によって開放された略箱状の筐体本体と、前記筐体開口を覆う前板とを有する筐体であって、少なくとも燃焼装置及び熱交換器を収容する前記筐体を備え、
前記筐体は奥行方向の長さよりも前記幅方向の長さの方が短い狭小設置型であり、
両前記側壁のうち、壁掛け設置状態で前記設置壁に対面するものを取付側壁とし、
前記取付側壁の上部に前記奥行方向に延びて取り付けられる上補強部と、
前記取付側壁の下部に前記奥行方向に延びて取り付けられる下補強部と、
前記取付側壁の高さ方向に延びて前記上補強部と前記下補強部とに接続される1本以上の縦補強部と、
前記上補強部に接続され、前記設置壁に取り付けられる上取付部と、
前記下補強部に接続され、前記設置壁に取り付けられる下取付部とを備えていることを特徴とする壁掛け金具。
【請求項2】
前記上補強部の長手方向の長さは、前記取付側壁における前記奥行方向の長さに略等しく、
前記下補強部の長手方向の長さは、前記取付側壁における前記奥行方向の長さに略等しい請求項1記載の壁掛け金具。
【請求項3】
前記縦補強部は、1本であり、前記上補強部及び前記下補強部の略中央に接続されている請求項1記載の壁掛け金具。
【請求項4】
前記縦補強部は、自己の長手方向に延びる開口を有する断面C字状をなしている請求項1記載の壁掛け金具。
【請求項5】
前記壁掛け金具が前記取付側壁に取り付けられる取付状態において、
前記縦補強部は、前記取付側壁から離れている請求項4記載の壁掛け金具。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項記載の前記壁掛け金具が前記筐体の前記取付側壁に着脱可能に取り付けられた狭小設置型給湯器であって、
両前記側壁は、上部に前記上補強部が着脱可能に取り付けられる上被取付部と、下部に前記下補強部が着脱可能に取り付けられる下被取付部とを有し、
設置現場の状況に応じて前記壁掛け金具が前記取付側壁に取り付け可能とされていることを特徴とする狭小設置型給湯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は壁掛け金具及び狭小設置型給湯器に関する。
【背景技術】
【0002】
給湯器は筐体を備えている。筐体は、筐体本体と、前板とを有し、燃焼装置及び熱交換器を収容する。燃焼装置は、高温の燃焼ガスを生成する。熱交換器は、内部を通過する水を燃焼ガスにより加熱して湯に変換する。筐体本体は、後壁、上壁、底壁、及び幅方向において互いに対向する一対の側壁を有し、前面が筐体開口によって開放された略箱状のものである。前板は筐体開口を覆う。
【0003】
筐体が奥行方向の長さよりも幅方向の長さの方が短い狭小設置型である場合、その給湯器は、所謂スリム給湯器であり、一般的に狭小設置型給湯器と呼ばれる。特許文献1に従来の狭小設置型給湯器が開示されている。従来の狭小設置型給湯器は地面等に設置された据置台の上に載置される。
【0004】
また、特許文献2には、狭小設置型ではない給湯器のための従来の壁掛け金具が開示されている。この壁掛け金具は、筐体の後壁における上部中央及び下部中央のそれぞれに取り付けられるとともに、家屋の外壁や内壁等の設置壁に締結される。これにより、給湯器が壁掛け設置され、その給湯器の後壁が家屋の設置壁に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-173983号公報
【特許文献2】特開2019-66113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、狭小設置型給湯器においては、設置性を向上させるべく、後壁ではなく、一対の側壁のうちの一方を設置壁に固定する壁掛け設置が望まれている。
【0007】
しかし、給湯器を壁掛け設置する場合、筐体における壁掛け金具が取り付けられる側壁は、壁掛け設置状態で給湯器全体の荷重を受けることになる。上記従来の壁掛け金具は筐体の側壁を補強する役割を果たさないため、筐体の側壁自体を荷重に耐え得るよう高剛性にする必要がある。側壁の高剛性化は、給湯器の重量増加やコスト増加につながるとともに、施工性の低下にもつながる。
【0008】
特に、狭小設置型給湯器にあっては、後壁よりも側壁の方が大きいため、側壁の一方を設置壁に対面させて壁掛け設置を可能にすべく、側壁の一方を高剛性化すれば、設置壁に対面する側壁が限定されてしまい、設置現場の状況に適切に対応できない。かといって、両側壁を高剛性化すれば、狭小設置型給湯器の重量増加、コスト増加及び施工性の低下につながり易い。また、狭小設置型給湯器を壁掛けせずに据置台に載置する場合には、一側壁又は両側壁の高剛性化自体が不要なものとなる。
【0009】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、狭小設置型給湯器の側壁の高剛性化を不要にしつつ側壁による壁掛け設置を可能にし、狭小設置型給湯器の軽量化、低廉化及び高施工性化に貢献し得る壁掛け金具を提供することを解決すべき技術課題とする。
【0010】
また、本発明は、側壁の高剛性化を不要にしつつ側壁による壁掛け設置を可能にし、軽量化、低廉化及び高施工性化に貢献し得る狭小設置型給湯器を提供することも解決すべき技術課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の壁掛け金具は、給湯器を設置壁に壁掛け設置するための壁掛け金具であって、
前記給湯器は、後壁、上壁、底壁、及び幅方向において互いに対向する一対の側壁を有し、前面が筐体開口によって開放された略箱状の筐体本体と、前記筐体開口を覆う前板とを有する筐体であって、少なくとも燃焼装置及び熱交換器を収容する前記筐体を備え、
前記筐体は奥行方向の長さよりも前記幅方向の長さの方が短い狭小設置型であり、
両前記側壁のうち、壁掛け設置状態で前記設置壁に対面するものを取付側壁とし、
前記取付側壁の上部に前記奥行方向に延びて取り付けられる上補強部と、
前記取付側壁の下部に前記奥行方向に延びて取り付けられる下補強部と、
前記取付側壁の高さ方向に延びて前記上補強部と前記下補強部とに接続される1本以上の縦補強部と、
前記上補強部に接続され、前記設置壁に取り付けられる上取付部と、
前記下補強部に接続され、前記設置壁に取り付けられる下取付部とを備えていることを特徴とする。
【0012】
本発明の壁掛け金具は、狭小設置型の筐体を備える狭小設置型給湯器の側壁を壁掛け設置するためのものである。本発明の壁掛け金具は、上補強部が狭小設置型の筐体における取付側壁の上部に取り付けられ、下補強部が取付側壁の下部に取り付けられ、縦補強部が上補強部と下補強部とに接続される。上補強部に接続された上取付部は設置壁に取り付けられ、下補強部に接続された下取付部が設置壁に取り付けられる。
【0013】
これにより、この壁掛け金具は、狭小設置型給湯器の取付側壁を設置壁に対して固定することができ、狭小設置型給湯器をその設置壁に壁掛け設置することが可能になる。
【0014】
この壁掛け金具では、取付側壁の上部で奥行方向に延びる上補強部と、取付側壁の下部で奥行方向に延びる下補強部とが取付側壁の高さ方向に延びる縦補強部により接続されている。このため、上補強部、下補強部及び縦補強部の三者が一体となって取付側壁を補強する。このため、狭小設置型給湯器の壁掛け設置を可能にするために、取付側壁を敢えて高剛性にする必要がない。その結果、この壁掛け金具は、狭小設置型給湯器の軽量化、低廉化及び高施工性化に貢献し得る。
【0015】
したがって、この壁掛け金具は、狭小設置型給湯器の側壁の高剛性化を不要にしつつ側壁による壁掛け設置を可能にし、狭小設置型給湯器の軽量化、低廉化及び高施工性化に貢献できる。
【0016】
上補強部の長手方向の長さは、取付側壁における奥行方向の長さに略等しいことが好ましい。また、下補強部の長手方向の長さは、取付側壁における奥行方向の長さに略等しいことが好ましい。この場合、取付側壁の奥行方向の長さ全体に亘って上補強部及び下補強部が取り付けられるため、取付側壁の補強効果がより一層高まる。その結果、取付側壁がより一層高剛性化され、より安定した壁掛け設置が可能になる。
【0017】
縦補強部は1本であり、上補強部及び下補強部の略中央に接続されていることが好ましい。この場合、上補強部、下補強部及び縦補強部の全体がH型構造となる。このため、取付側壁をより安価に高剛性化させることができる。
【0018】
縦補強部は、自己の長手方向に延びる開口を有する断面C字状をなしていることが好ましい。この場合、断面C字状をなす縦補強部自体が高剛性になるため、取付側壁をより一層高剛性化させることができる。
【0019】
縦補強部が断面C字状をなしている構成においては、壁掛け金具が取付側壁に取り付けられる取付状態において、縦補強部は、取付側壁から離れていることが好ましい。この場合、縦補強部自体の剛性が向上しているため、縦補強部を取付側壁に当接させなくても、上補強部、下補強部及び縦補強部の三者により取付側壁に必要な剛性を付与することができる。また、高さ方向に延びる縦補強部が仮に取付側壁に接触していると、取付側壁から縦補強部に振動が伝わり易く、静粛性が懸念される。この点、縦補強部が取付側壁から離れていれば、取付側壁から縦補強部に振動が伝わることを阻止でき、優れた静粛性を発揮する。
【0020】
本発明の狭小設置型給湯器は、本発明の壁掛け金具が前記筐体の前記取付側壁に着脱可能に取り付けられた狭小設置型給湯器であって、
両前記側壁は、上部に前記上補強部が着脱可能に取り付けられる上被取付部と、下部に前記下補強部が着脱可能に取り付けられる下被取付部とを有し、
設置現場の状況に応じて前記壁掛け金具が前記取付側壁に取り付け可能とされていることを特徴とする。
【0021】
本発明の狭小設置型給湯器は、両側壁のいずれに対しても本発明の壁掛け金具を着脱可能に取り付けることが可能であり、設置現場の状況に適切に対応できる。
【0022】
また、この狭小設置型給湯器は、一側壁又は両側壁の高剛性化を行っていないことから、無駄な材料費を要さずに、壁掛けせずに据置台に載置することもできる。
【0023】
したがって、この狭小設置型給湯器は、側壁の高剛性化を不要にしつつ側壁による壁掛け設置を可能にし、軽量化、低廉化及び高施工性化に貢献できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の壁掛け金具は、狭小設置型給湯器の側壁の高剛性化を不要にしつつ側壁による壁掛け設置を可能にし、狭小設置型給湯器の軽量化、低廉化及び高施工性化に貢献できる。
【0025】
また、本発明の狭小設置型給湯器は、側壁の高剛性化を不要にしつつ側壁による壁掛け設置を可能にし、軽量化、低廉化及び高施工性化に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、実施例1の狭小設置型給湯器の斜視図である。
図2図2は、実施例1の壁掛け金具の斜視図である。
図3図3は、実施例1の狭小設置型給湯器の要部を示す部分分解斜視図である。
図4図4は、実施例1の壁掛け金具に係り、上補強部の斜視図である。
図5図5は、実施例1の壁掛け金具に係り、縦補強部の部分斜視図である。
図6図6は、実施例1の狭小設置型給湯器に係り、壁掛け金具を取り外した状態における図1に示す狭小設置型給湯器の左側面図である。
図7図7は、実施例1の狭小設置型給湯器に係り、壁掛け金具を取り外した状態における図1に示す狭小設置型給湯器の右側面図である。
図8図8は、実施例1の狭小設置型給湯器の要部を示す部分断面図である。
図9図9は、実施例1の狭小設置型給湯器を壁掛け設置した状態を示す正面図である。
図10図10は、実施例1の狭小設置型給湯器を壁掛け設置した状態における要部を示す部分正面図である。
図11図11は、実施例2の壁掛け金具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を具体化した実施例1、2を図面を参照しつつ説明する。
【0028】
(実施例1)
図1に示すように、実施例1の狭小設置型給湯器(以下、単に「給湯器」と称する。)1は、本発明の壁掛け金具の具体的態様の一例である実施例1の壁掛け金具2を備えている。
【0029】
以下の説明では、給湯器1の筐体10の前板12側、すなわち図1の紙面手前側を給湯器1の前方と規定し、給湯器1の右側壁13R側、すなわち図1の紙面右側を給湯器1の右方と規定し、図1の紙面上側を給湯器1の上方と規定する。そして、図2以降の各図に示す前後、左右及び上下の各方向は、全て図1に対応させて表示する。また、給湯器1の筐体10の幅方向は左右方向と一致し、給湯器1の筐体10の奥行方向は前後方向と一致し、給湯器1の筐体10の高さ方向は上下方向と一致する。
【0030】
また、本実施例では、給湯器1を家屋の設置壁3(図9及び図10参照)に壁掛け設置する例、より具体的には給湯器1の左右一対の側壁である左側壁13L及び右側壁13Rのうち右側壁13Rを設置壁3に壁掛け設置する例について説明する。このため、本実施例では、右側壁13Rが取付側壁となる。
【0031】
<筐体>
図1に示すように、給湯器1は、筐体10を備えている。筐体10は、筐体本体11と、前板12とを有している。筐体本体11及び前板12は、鋼板等の金属板材からなる。
【0032】
筐体本体11は、前面が筐体開口によって開放された略箱状をなしている。前板12は、略矩形の平板状をなし、筐体本体11の筐体開口を覆っている。筐体本体11と前板12とにより、筐体10内に直方体形状の内部空間が区画されている。
【0033】
図1図6及び図7に示すように、筐体本体11は、左右一対の側壁、すなわち左側壁13L及び右側壁13Rと、後壁14と、上壁15と、底壁16とを有している。左側壁13Lと右側壁13Rとは、筐体10の幅方向において互いに対向している。後壁14と上壁15とは、上壁15の後端と後壁14の上端とが一体に接続されたL字状をなしている。この後壁14及び上壁15に対して、左側壁13L及び右側壁13Rが複数のビス17により締結されている。また、後壁14、左側壁13L及び右側壁13Rに対して、底壁16が複数のビス17により締結されている。こうして、左側壁13L、右側壁13R、後壁14、上壁15及び底壁16が一体化されて筐体本体11を形成している。そして、筐体本体11に対して、前板12が複数のビス17により締結されている。
【0034】
左側壁13Lの上端部には、3個のビス17により左側壁13Lと上壁15とが締結された3個のビス締結部17aが設けられている。また、左側壁13Lの下端部には、3個のビス17により左側壁13Lと底壁16とが締結された3個のビス締結部17aが設けられている。同様に、右側壁13Rの上端部には、3個のビス17により右側壁13Rと上壁15とが締結された3個のビス締結部17aが設けられている。また、右側壁13Rの下端部には、3個のビス17により右側壁13Rと底壁16とが締結された3個のビス締結部17aが設けられている。これらのビス締結部17aは、いずれも被取付部となる。具体的には、左側壁13L及び右側壁13Rの上端部に設けられたビス締結部17aが上被取付部となり、左側壁13L及び右側壁13Rの下端部に設けられたビス締結部17aが下被取付部となる。
【0035】
給湯器1は、幅方向において狭小な場所に設置可能となるように、筐体10の幅方向の長さL2が筐体10の奥行方向の長さL1よりも小さくなった所謂スリム給湯器である。具体的には、筐体10の奥行方向の長さL1は、筐体10の幅方向の長さL2の1.5倍よりも大きい。なお、筐体10の高さ方向の長さL3は、長さL2の3倍よりも大きい。
【0036】
<燃焼装置、熱交換器、給水管及び給湯管等>
図6図7及び図9に示すように、筐体10内には、燃焼装置18及び熱交換器19が設けられている。燃焼装置18は、筐体10における上下方向の中間部に配置されている。燃焼装置18は略箱状体であり、内部に図示しない燃焼室及び複数のガスバーナを有している。燃焼装置18の底面側には、燃焼ファン18aが接続されている。燃焼装置18は、燃焼ファン18aによって燃焼室内に燃焼用空気を供給し、各ガスバーナから吐出する燃料ガスを燃焼させることにより、高温の燃焼ガスを生成する。
【0037】
熱交換器19は、燃焼装置18の上方に配置されている。熱交換器19は、燃焼装置18の上方に配置された主熱交換器19aと、主熱交換器19aの上方に配置された副熱交換器19bとを有している。燃焼装置18によって生成された燃焼ガスは、主熱交換器19aの内部を通過した後、副熱交換器19bの内部を通過する。
【0038】
主熱交換器19aは、内部に図示しない伝熱管及び複数の伝熱フィンを有している。主熱交換器19aは、伝熱管内を流通する水と、内部を通過する燃焼ガスとの間で熱交換を行い、燃焼ガスの顕熱を吸収する。
【0039】
副熱交換器19bは、図示しない伝熱管を有している。伝熱管は、複数の直線部分と、円弧状に折り返して各直線部分を連通させる複数の折り返し部分とを含んで蛇行するコルゲート管である。副熱交換器19bは、伝熱管内を流通する水と、内部を通過する燃焼ガスとの間で熱交換を行い、燃焼ガスの潜熱を吸収する。
【0040】
副熱交換器19bの前面の上部には、排気口19cが接続されている。排気口19cは、略円筒状をなして前方に突出している。図1に示すように、排気口19cは、前板12の上端部に貫設された円形開口を通過して、筐体10の前面に露出している。副熱交換器19b内を通過した燃焼ガスは、排気口19cを経由して筐体10の外部に排気される。
【0041】
筐体10内には、図示しないガス供給管、給水管及び給湯管等が設けられている。外部のガス供給源からガス供給管を介して燃料ガスが燃焼装置18のガスバーナに供給される。外部の給水源から給水管を介して供給される水は副熱交換器19bの伝熱管に流入する。副熱交換器19bの伝熱管から流出する加熱途中の水は、主熱交換器19aの伝熱管に流入する。主熱交換器19aの伝熱管から流出する湯は、給湯管を介して外部に供給される。
【0042】
<壁掛け金具>
図1に示すように、壁掛け金具2は、取付側壁である右側壁13Rに複数のビス17により着脱可能に取り付けられている。
【0043】
図2に示すように、壁掛け金具2は、上補強部21と、下補強部22と、1本の縦補強部23と、上取付部24と、下取付部25とを有している。上補強部21、下補強部22、縦補強部23、上取付部24及び下取付部25は、いずれも鋼板等の金属板材からなる。
【0044】
上補強部21は、取付側壁である右側壁13Rの上端部に前後方向に延びて取り付けられている。下補強部22は、取付側壁である右側壁13Rの下端部に前後方向に延びて取り付けられている。上補強部21の長手方向の長さL4は、上補強部21が取り付けられる右側壁13Rの上端部における奥行方向の長さL1に略等しい。同様に、下補強部22の長手方向の長さは、下補強部22が取り付けられる右側壁13Rの下端部における奥行方向の長さL1に略等しい。
【0045】
図3及び図4に示すように、上補強部21は、上補強部21の長手方向に延びる開口を有する断面C字状をなしている。これにより、上補強部21の曲げ剛性が高められている。詳しくは、上補強部21は、互いに対向して長手方向に平行に延びる第1縦面部21a及び第2縦面部21bと、第1縦面部21a及び第2縦面部21bの上端縁同士を一体に接続する接続面部21cとを有している。第2縦面部21bと接続面部21cとは同じ長さで第1縦面部21aよりも長手方向に長く延びている。第2縦面部21bは、第1縦面部21aよりも上下方向の幅が小さい。
【0046】
第1縦面部21aは、長手方向の中央部に厚さ方向に貫通する貫通孔21dと、長手方向の中央部において下方に突出する突片21eとを有している。貫通孔21dは、ビス締結用のドライバが挿通可能である。第1縦面部21aにおける上端部付近には、上取付部24を上補強部21に締結するためのビス29aが螺合可能な3個のねじ穴21fが貫設されている。また、突片21eには、縦補強部23を上補強部21に締結するためのビス29bが螺合可能な2個のねじ穴21gが貫設されている。上補強部21の長手方向における突片21eの長さは、縦補強部23の後述する長さL5よりも若干短い。
【0047】
第2縦面部21bは、長手方向における両端部及び中央部においてそれぞれ下方に突出する3個の小突片21hを有している。上補強部21の長手方向において、第2縦面部21bの両端部の小突片21hは、第1縦面部21aの長手方向の両端からそれぞれ外側にはみ出ている。各小突片21hには、上補強部21を取付側壁である右側壁13Rに締結するためのビス17が挿通可能で、かつビス17が係止されるビス係止孔21iが貫設されている。各ビス係止孔21iは、ビス17の頭部が挿通可能な大径部21jと、ビス17の雄ねじ部が挿通可能でかつビス17の頭部が係止可能な小径部21kとを有している。図8に示すように、第2縦面部21bの中央部の小突片21hに設けられたビス係止孔21iの小径部21kは、第1縦面部21aに設けられた貫通孔21dと対応する位置に在り、小径部21kの中心軸と貫通孔21dの中心軸とは一致する。
【0048】
下補強部22は、基本的には、上補強部21と同様の構成を有する。図2に示すように、下補強部22は、下補強部22の長手方向に延びる開口を有する断面C字状をなしており、第1縦面部22aと、第2縦面部22bと、接続面部22cとを有している。第1縦面部22aは、ビス締結用のドライバが挿通可能な貫通孔22dと、長手方向の中央部において上方に突出する突片22eとを有している。第1縦面部22aにおける下端部付近には、下取付部25を下補強部22に締結するためのビス29aが螺合可能な3個のねじ穴(図示せず)が貫設されている。また、突片22eには、縦補強部23を下補強部22に締結するためのビス29bが螺合可能な2個のねじ穴(図示せず)が貫設されている。第2縦面部22bは、長手方向における両端部及び中央部においてそれぞれ上方に突出する3個の小突片22hを有している。なお、図2においては、第2縦面部22bの長手方向における両端部に設けられた2個の小突片22hのみが図示され、第2縦面部22bの長手方向における中央部に設けられた小突片22hは図示されていない。各小突片22hには、ビス係止孔22iが貫設されている。
【0049】
縦補強部23は、上下方向に延びて上補強部21と下補強部22とに接続されている。上補強部21の長手方向の中央部に縦補強部23の上端部がビス29bにより締結され、下補強部22の長手方向の中央部に縦補強部23の下端部がビス29bにより締結されている。すなわち、縦補強部23は、上補強部21及び下補強部22の長手方向の中央部同士を一体的に連結している。
【0050】
図5に示すように、縦補強部23は、縦補強部23の長手方向に延びる開口を有する断面C字状をなしている。これにより、縦補強部23の曲げ剛性が高められている。縦補強部23は、縦補強部23の幅と同じ幅及び同じ長さで長手方向に延びる平板部23aと、平板部23aの両端から直角に折り曲げられて平板部23aと同じ長さで長手方向に延びる一対の折り曲げ部23bとを有している。平板部23aの上端部には、縦補強部23を上補強部21に締結するためのビス29bの頭部が係止可能でかつビス29bの雄ねじ部が挿通可能な2個のビス挿通孔23cが貫設されている。同様に、平板部23aの下端部には、縦補強部23を下補強部22に締結するためのビス29bの頭部が係止可能でかつビス29bの雄ねじ部が挿通可能な2個のビス挿通孔(図示せず)が貫設されている。
【0051】
本実施例では、縦補強部23の幅、すなわち筐体10の奥行方向における縦補強部23の長さL5は、筐体10の奥行方向の長さL1の1/4程度とされている。給湯器1の取付側壁を補強する効果をより高める観点より、縦補強部23の長さL5は、筐体10の奥行方向の長さL1の1/10程度以上とすることが好ましく、1/5程度以上とすることがより好ましい。
【0052】
図3に示すように、上取付部24の下端部には、上取付部24を上補強部21に締結するためのビス29aの頭部が係止可能でかつビス29aの雄ねじ部が挿通可能な複数のビス挿通孔24aが貫設されている。また、上取付部24の上部には、上取付部24を家屋の設置壁3に締結するためのビス3a(図9図10参照)の頭部が係止可能でかつビス3aの雄ねじ部が挿通可能な複数のビス挿通孔24bが貫設されている。
【0053】
下取付部25は、基本的には、上取付部24と同様の構成を有する。すなわち、下取付部25の上端部には、下取付部25を下補強部22に締結するためのビス29aの頭部が係止可能でかつビス29aの雄ねじ部が挿通可能な複数のビス挿通孔(図示せず)が貫設されている。また、図2に示すように、下取付部25の下部には、下取付部25を家屋の設置壁3に締結するためのビス3a(図9参照)の頭部が係止可能でかつビス3aの雄ねじ部が挿通可能な複数のビス挿通孔25bが貫設されている。
【0054】
<壁掛け金具の組立>
図8に示すように、縦補強部23の上端部に、上補強部21の第1縦面部21aの突片21eを締結する。すなわち、縦補強部23の上端部の2個のビス挿通孔23cに2個のビス29bの雄ねじ部を挿通し、その雄ねじ部を上補強部21の突片21eの2個のねじ穴21gに螺合する。同様に、縦補強部23の下端部の2個のビス挿通孔に2個のビス29bの雄ねじ部を挿通し、その雄ねじ部を下補強部22の突片22eの2個のねじ穴に螺合することにより、縦補強部23の下端部に、下補強部22の第1縦面部22aの突片22eを締結する。
【0055】
そして、上補強部21の第1縦面部21aに上取付部24を締結する。すなわち、上取付部24の3個のビス挿通孔24aに3個のビス29aの雄ねじ部を挿通し、その雄ねじ部を上補強部21の3個のねじ穴21fに螺合する。同様に、下取付部25の3個のビス挿通孔に3個のビス29aの雄ねじ部を挿通し、その雄ねじ部を下補強部22の3個のねじ穴に螺合することにより、下補強部22の第1縦面部22aに下取付部25を締結する。
【0056】
こうして、上補強部21、下補強部22、縦補強部23、上取付部24及び下取付部25が締結により一体化されて、壁掛け金具2が組み立てられる。
【0057】
<取付側壁に対する壁掛け金具の取付>
図8に示すように、本実施例では、壁掛け金具2は、給湯器1の取付側壁である右側壁13Rに締結される。すなわち、右側壁13Rの上被取付部であるビス締結部17aに上補強部21の第2縦面部21bが共締めされる。具体的には、上壁15と右側壁13Rとを締結している3個のビス17によって、上壁15及び右側壁13Rに対して、上補強部21の第2縦面部21bが共締めされる。同様に、右側壁13Rの下被取付部であるビス締結部17aに下補強部22の第2縦面部22bが共締めされる。具体的には、底壁16と右側壁13Rとを締結している3個のビス17によって、底壁16及び右側壁13Rに対して、下補強部22の第2縦面部22bが共締めされる。
【0058】
<設置壁に対する給湯器の壁掛け設置>
図9及び図10に示すように、この給湯器1は、家屋の設置壁3に対して、壁掛け金具2により、取付側壁である右側壁13Rが壁掛け設置される。具体的には、壁掛け金具2の上取付部24のビス挿通孔24bにビス3aの雄ねじ部を挿通し、その雄ねじ部を設置壁3の図示しないねじ穴に螺合させる。同様に、壁掛け金具2の下取付部25のビス挿通孔25bにビス3aの雄ねじ部を挿通し、その雄ねじ部を設置壁3の図示しないねじ穴に螺合させる。
【0059】
<給湯器1の左側壁13Lを壁掛け設置する場合>
給湯器の設置現場の状況により、この給湯器1の左側壁13Lを設置壁に壁掛け設置する場合は、左側壁13Lが取付側壁となる。この場合、右側壁13Rからこの壁掛け金具2を取り外し、取り外したその壁掛け金具2を左側壁13Lに締結すればよい。
【0060】
すなわち、左側壁13Lの上被取付部であるビス締結部17aに上補強部21の第2縦面部21bを共締めするとともに、左側壁13Lの下被取付部であるビス締結部17aに下補強部22の第2縦面部22bを共締めする。これにより、上壁15と左側壁13Lとを締結している3個のビス17によって、上壁15及び左側壁13Lに対して、上補強部21の第2縦面部21bが共締めされるとともに、底壁16と左側壁13Lとを締結している3個のビス17によって、底壁16及び左側壁13Lに対して、下補強部22の第2縦面部22bが共締めされる。
【0061】
そして、給湯器1の右側壁13Rを壁掛け設置する場合と同様にして、家屋の設置壁に対して、壁掛け金具2により、取付側壁である左側壁13Lを壁掛け設置すればよい。
【0062】
<作用効果>
この壁掛け金具2は、縦補強部23の上端部が上補強部21の第1縦面部21aに締結されるとともに、縦補強部23の下端部が下補強部22の第1縦面部22aに締結される。また、上補強部21の第1縦面部21aに上取付部24が締結されるとともに、下補強部22の第1縦面部22aに下取付部25が締結される。
【0063】
給湯器1の狭小設置型の筐体10における取付側壁である右側壁13Rの上端部に設けられたビス締結部17aに上補強部21が共締めにより締結されるとともに、右側壁13Rの下端部に設けられたビス締結部17aに下補強部22が共締めにより締結される。
【0064】
上補強部21に締結された上取付部24が設置壁3に締結され、下補強部22に締結された下取付部25が設置壁3に締結される。
【0065】
これにより、この壁掛け金具2は、給湯器1の取付側壁である右側壁13Rを設置壁3に対して固定することができ、給湯器1をその設置壁3に壁掛け設置することが可能になる。
【0066】
この壁掛け金具2では、取付側壁である右側壁13Rの上部で奥行方向に延びる上補強部21と、右側壁13Rの下部で奥行方向に延びる下補強部22とが右側壁13Rの高さ方向に延びる縦補強部23により接続されている。このため、上補強部21、下補強部22及び縦補強部23の三者が一体となって右側壁13Rを補強する。このため、給湯器1の壁掛け設置を可能にするために、取付側壁である右側壁13Rを敢えて高剛性にする必要がない。その結果、この壁掛け金具2は、給湯器1の軽量化、低廉化及び高施工性化に貢献し得る。
【0067】
したがって、この壁掛け金具2は、給湯器1の側壁の高剛性化を不要にしつつ側壁による壁掛け設置を可能にし、給湯器1の軽量化、低廉化及び高施工性化に貢献できる。
【0068】
この給湯器1では、左側壁13L及び右側壁13Rのいずれもが、その上端部に上被取付部としてのビス締結部17aを有するとともに、その下端部に下被取付部としてのビス締結部17aを有している。このため、この給湯器1は、右側壁13R及び左側壁13Lのいずれもが取付側壁になり得る。その結果、この給湯器1では、設置現場の状況に応じて、右側壁13Rに取り付けられた壁掛け金具2を右側壁13Rから取り外すとともに、その壁掛け金具2を左側壁13Lに取り付けることができる。よって、この給湯器1は、設置現場の状況に適切に対応できる。
【0069】
また、この給湯器1は、左側壁13L及び右側壁13Rの高剛性化を行っていないことから、無駄な材料費を要さずに、壁掛けせずに据置台に載置することもできる。
【0070】
したがって、この給湯器1は、側壁の高剛性化を不要にしつつ側壁による壁掛け設置を可能にし、軽量化、低廉化及び高施工性化に貢献できる。
【0071】
この壁掛け金具2では、上補強部21の長手方向の長さL4は、取付側壁である右側壁13Rにおける奥行方向の長さL1に略等しい。また、下補強部22の長手方向の長さは、取付側壁である右側壁13Rにおける奥行方向の長さL1に略等しい。このため、取付側壁である右側壁13Rの奥行方向の長さL1の全体に亘って上補強部21及び下補強部22が取り付けられるため、右側壁13Rの補強効果がより一層高まる。その結果、取付側壁である右側壁13Rがより一層高剛性化され、より安定した壁掛け設置が可能になる。
【0072】
この壁掛け金具2では、縦補強部23は1本であり、上補強部21及び下補強部22の長手方向の中央に接続されている。このため、上補強部21、下補強部22及び縦補強部23の全体がH型構造となり、取付側壁である右側壁13Rをより安価に高剛性化させることができる。
【0073】
この壁掛け金具2では、上補強部21、下補強部22及び縦補強部23のいずれもが、自己の長手方向に延びる開口を有する断面C字状をなしている。この場合、断面C字状をなす上補強部21、下補強部22及び縦補強部23が高剛性になるため、取付側壁である右側壁13Rをより一層高剛性化させることができる。
【0074】
図8に示すように、壁掛け金具2が取付側壁である右側壁13Rに取り付けられた取付状態において、縦補強部23は、右側壁13Rから離れている。具体的には、上記取付状態において、縦補強部23は、断面C字状の開口が右側壁13Rに向き、かつ、その開口を挟む一対の折り曲げ部23bの先端面23dが右側壁13Rから離れている。すなわち、先端面23dと右側壁13Rとの間に隙間Sが設けられている。この場合、断面C字状とされた縦補強部23自体の剛性が向上しているため、縦補強部23を右側壁13Rに当接させなくても、上補強部21、下補強部22及び縦補強部23の三者により右側壁13Rに必要な剛性を付与することができる。また、高さ方向に延びる縦補強部23が仮に右側壁13Rに接触していると、右側壁13Rから縦補強部23に振動が伝わり易く、静粛性が懸念される。この点、一対の先端面23dが右側壁13Rから離れていれば、右側壁13Rから縦補強部23に振動が伝わることを阻止でき、優れた静粛性を発揮する。
【0075】
(実施例2)
図11に示すように、実施例2の壁掛け金具20は、2本の縦補強部を有しており、全体が略矩形枠状をなしている。すなわち、この壁掛け金具20は、上補強部26と、下補強部27と、前側の第1縦補強部23fと、後側の第2縦補強部23rと、上取付部24と、下取付部25とを有している。第1縦補強部23f、第2縦補強部23rは、本発明の「縦補強部」の一例である。
【0076】
上補強部26は、実施例1の壁掛け金具2と同様、第1縦面部26aを有している。この第1縦面部26aは、長手方向の前側の一端部に第1突片26fを有するとともに、長手方向の後側の他端部に第2突片26rを有している。第1突片26fには、第1縦補強部23fの上端部を上補強部26に締結するためのビス29bが螺合可能な2個のねじ穴(図示せず)が貫設されている。同様に、第2突片26rには、第2縦補強部23rの上端部を上補強部26に締結するためのビス29bが螺合可能な2個のねじ穴(図示せず)が貫設されている。
【0077】
下補強部27は、実施例1の壁掛け金具2と同様、第1縦面部27aを有している。この第1縦面部27aは、長手方向の前側の一端部に第1突片27fを有するとともに、長手方向の後側の他端部に第2突片27rを有している。第1突片27fには、第1縦補強部23fの下端部を下補強部27に締結するためのビス29bが螺合可能な2個のねじ穴(図示せず)が貫設されている。同様に、第2突片27rには、第2縦補強部23rの下端部を下補強部27に締結するためのビス29bが螺合可能な2個のねじ穴(図示せず)が貫設されている。
【0078】
第1縦補強部23fは、実施例1の壁掛け金具2と同様、長手方向に延びる開口を有する断面C字状をなしており、曲げ剛性が高められている。第1縦補強部23fの上端部には、第1縦補強部23fを上補強部26に締結するためのビス29bの頭部が係止可能でかつビス29bの雄ねじ部が挿通可能な2個のビス挿通孔(図示せず)が貫設されている。同様に、第1縦補強部23fの下端部には、第1縦補強部23fを下補強部27に締結するためのビス29bの頭部が係止可能でかつビス29bの雄ねじ部が挿通可能な2個のビス挿通孔(図示せず)が貫設されている。
【0079】
第2縦補強部23rは、実施例1の壁掛け金具2と同様、長手方向に延びる開口を有する断面C字状をなしており、曲げ剛性が高められている。第2縦補強部23rの上端部には、第2縦補強部23rを上補強部26に締結するためのビス29bの頭部が係止可能でかつビス29bの雄ねじ部が挿通可能な2個のビス挿通孔(図示せず)が貫設されている。同様に、第2縦補強部23rの下端部には、第2縦補強部23rを下補強部27に締結するためのビス29bの頭部が係止可能でかつビス29bの雄ねじ部が挿通可能な2個のビス挿通孔(図示せず)が貫設されている。
【0080】
第1縦補強部23fの幅、すなわち筐体10の奥行方向における第1縦補強部23fの長さは、実施例1の壁掛け金具2における縦補強部23の長さL5の半分程度とされている。同様に、第2縦補強部23rの幅、すなわち筐体10の奥行方向における第2縦補強部23rの長さは、実施例1の壁掛け金具2における縦補強部23の長さL5の半分程度とされている。
【0081】
この壁掛け金具20では、上補強部26の第1突片26fに対して、第1縦補強部23fの上端部が2個のビス29bにより締結されるとともに、上補強部26の第2突片26rに対して、第2縦補強部23rの上端部が2個のビス29bにより締結されている。同様に、下補強部27の第1突片27fに対して、第1縦補強部23fの下端部が2個のビス29bにより締結されるとともに、下補強部27の第2突片27rに対して、第2縦補強部23rの下端部が2個のビス29bにより締結されている。
【0082】
この壁掛け金具20は、第1縦補強部23fによって、上補強部26の前端部と下補強部27の前端部とが一体的に接続されるとともに、第2縦補強部23rによって、上補強部26の後端部と下補強部27の後端部とが一体的に接続されている。このため、この壁掛け金具20は、2本の縦補強部である第1縦補強部23f及び第2縦補強部23rにより、全体の剛性が高められている。その結果、給湯器1の取付側壁をより一層高剛性にすることができる。
【0083】
この壁掛け金具20は、その他の構成において、実施例1の壁掛け金具2と同様であり、実施例1の壁掛け金具2と同様の作用効果を奏する。
【0084】
以上において、本発明を実施例1、2に即して説明したが、本発明は上記実施例1、2に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0085】
実施例1、2では、壁掛け金具2、20の各構成要素をビスにより締結するが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、壁掛け金具2、20の各構成要素を溶接により接合してもよい。具体的には、縦補強部23の上端部に上補強部21を溶接するとともに縦補強部23の下端部に下補強部22を溶接し、さらに上補強部21に上取付部24を締結するとともに下補強部22に下取付部25を締結してもよい。また、溶接の代わりに接着剤により接合してもよい。また、プレス加工により、例えば上補強部21、下補強部22及び縦補強部23を一体的に形成してもよい。
【0086】
実施例1では1本の縦補強部23とし、実施例2では2本の第1縦補強部23f、第2縦補強部23rとするが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、縦補強部を3本以上にしてもよい。また、上補強部及び下補強部に対する縦補強部の取付位置は、上補強部及び下補強部の長手方向における中央部や両端部に限られず、壁掛け金具全体のバランスや給湯器1の形状等に応じて適宜設定可能である。
【0087】
実施例1、2では、上壁15に対して左側壁13L及び右側壁13Rの上端部をビス17により締結するビス締結部17aを上被取付部として、このビス締結部17aに上補強部21、26を共締めするとともに、底壁16に対して左側壁13L及び右側壁13Rの下端部をビス17により締結するビス締結部17aを下被取付部として、このビス締結部17aに下補強部22、27を共締めするが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、左側壁13L及び右側壁13Rの上端部に上補強部締結用のビスが螺合可能なねじ穴をビス締結部17aとは別に設け、このねじ穴を上被取付部とするとともに、左側壁13L及び右側壁13Rの下端部に下補強部締結用のビスが螺合可能なねじ穴をビス締結部17aとは別に設け、このねじ穴を下被取付部としてもよい。
【0088】
実施例1、2では、縦補強部23、第1縦補強部23f、第2縦補強部23rにおいて断面C字状の開口が取付側壁である右側壁13Rに向いているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、縦補強部における断面C字状の開口が、設置壁3側を向いていたり、あるいは給湯器1の前方側を向いていたりしてもよい。
【0089】
実施例1では、上補強部21、下補強部22及び縦補強部23が断面C字状であり、実施例2では、上補強部21、下補強部22、第1縦補強部23f及び第2縦補強部23rが断面C字状であるが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、上補強部、下補強部及び縦補強部のうち縦補強部のみが断面C字状に形成された構成や、上補強部、下補強部及び縦補強部のいずれもが断面C字状に形成されていない構成も本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、例えば、給湯機能のみを有する給湯器、給湯機能と風呂追焚機能とを有する給湯器、給湯機能と、暖房機器との間で湯水を循環させる機能とを有する給湯暖房機等に利用可能である。
【符号の説明】
【0091】
1…狭小設置型給湯器
2、20…壁掛け金具
3…設置壁
10…筐体
11…筐体本体
12…前板
13L…左側壁
13R…右側壁
14…後壁
15…上壁
16…底壁
17a…ビス締結部(上被取付部、下被取付部)
18…燃焼装置
19…熱交換器
21、26…上補強部
22、27…下補強部
23…縦補強部
23f…第1縦補強部(縦補強部)
23r…第2縦補強部(縦補強部)
24…上取付部
25…下取付部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11