(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038578
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】樹脂管の接続装置
(51)【国際特許分類】
F16L 47/14 20060101AFI20240313BHJP
F16L 23/12 20060101ALI20240313BHJP
F16L 23/10 20060101ALI20240313BHJP
【FI】
F16L47/14
F16L23/12
F16L23/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142681
(22)【出願日】2022-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003340
【氏名又は名称】弁理士法人湧泉特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 誉大
【テーマコード(参考)】
3H016
【Fターム(参考)】
3H016CA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】樹脂管の接続の良否を簡単に判別できる接続装置を提供する。
【解決手段】接続装置5は、第1,2分割体10,20と、第1,2分割体の一端部を回動可能に連結するヒンジ手段と、第1,2分割体の他端部同士を締め付ける締結手段30とを備えている。締め付け時に、嵌合溝のテーパ面が樹脂管1,2のフランジ部のテーパ面を押圧することにより、フランジ部の突き合わせ面が互いに突き合わされ、樹脂管1の突き合わせ面の収容溝に収容されたシールリングが樹脂管2の突き合わせ面に密着して、突き合わせ面がシールされる。第1分割体10の締付側の端部には、対向面19に開口する貫通孔が形成され、第2分割体20の締付側の端部の対向面29には、貫通孔19に挿入される凸部52が設けられ、その先端部が接続良否を判別するインジケータとなる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
突き合せ面とテーパ面を有する環状のフランジ部が一端部に形成された2本の樹脂管を、前記フランジ部を突合せた状態で接続する接続装置において、
第1、第2分割体と、前記第1、第2分割体の一端部を互いに樹脂管の管軸と直交する平面に沿って回動可能に連結するヒンジ手段と、前記第1、第2分割体の他端部同士を近付けるように締め付ける締結手段と、を備え、
前記第1、第2分割体は、内周面に円弧状に延びる嵌合溝を有し、前記嵌合溝はその両側にテーパ面を有し、前記締結手段による締め付け時に、前記第1、第2分割体の前記他端部の対向面同士が互いに近づくとともに、前記嵌合溝の前記テーパ面が2本の樹脂管の前記フランジ部の前記テーパ面を押圧することにより、2本の樹脂管の前記フランジ部の突き合わせ面が互いに突き合わされ、一方の樹脂管の前記突き合わせ面の環状の収容溝に収容されたシールリングが他方の樹脂管の前記突き合わせ面に密着して、2本の樹脂管の前記突き合わせ面間がシールされるようになっており、
前記第1分割体の前記他端部には、前記対向面に開口する貫通孔が形成され、前記第2分割体の前記他端部の前記対向面には、前記貫通孔に挿入される凸部が設けられ、前記凸部の先端部が、前記シールリングが前記収容溝に正常に収容された状態で2本の樹脂管が接続されたか否かを判別するためのインジケータとなることを特徴とする樹脂管の接続装置。
【請求項2】
前記シールリングが前記収容溝に正常に収容された状態で2本の樹脂管が接続された場合には、前記凸部の先端部は、前記第1分割体の前記他端部において、前記対向面の反対側の面から突出することを特徴とする請求項1に記載の樹脂管の接続装置。
【請求項3】
前記シールリングが前記収容溝に正常に収容されていない状態で2本の樹脂管が接続された場合には、前記凸部の先端部が前記第1分割体の前記反対側の面から突出しないことを特徴とする請求項2に記載の樹脂管の接続装置。
【請求項4】
前記凸部は、前記第1、第2分割体と異なる色を有していることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の樹脂管の接続装置。
【請求項5】
前記凸部は、先端に向かって断面積が減じられる形状を有していることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の樹脂管の接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一端部にフランジ部を有する2本の樹脂管を融着せずに接続する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
給水配管の施工現場で融着作業をせずに樹脂管同士を接続することが求められる場合には、工場でフランジ部付きの短管を樹脂管本体にバット融着することにより、端部にフランジ部を有する樹脂管を製造する。フランジ部は先端側に樹脂管の管軸と直交する突き合わせ面とを有し、反対側にテーパ面を有している。施工現場では接続装置を用い、2本の樹脂管のフランジ部を突き合わせるようにして接続する。
【0003】
接続装置は、特許文献1に開示されているように、一対の分割体と、一対の分割体の一端部を互いに回動可能に連結するヒンジ手段と、一対の分割体の他端部同士を近付けるように締め付ける締結手段とを備えている。一対の分割体の内周面には、円弧状に延びる嵌合溝がそれぞれ形成されている。嵌合溝の両側にはテーパ面が形成されている。
【0004】
上記接続装置による樹脂管の接続工程を簡単に説明する。一対の分割体の嵌合溝間に2本の樹脂管のフランジ部を配置した状態で締付手段により締め付けると、分割体の嵌合溝の両側のテーパ面が2本の樹脂管のフランジ部のテーパ面を押圧する。これにより、2本の樹脂管の前記フランジ部の突き合わせ面が互いに突き合わされ、一方の樹脂管の突き合わせ面の環状の収容溝に収容されたシールリングが、他方の樹脂管の突き合わせ面に密着する。このようにして、2本の樹脂管の突き合わせ面間がシールされ、樹脂管の接続工程が完了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の接続工程において、シールリングが収容溝に正常に収容されていない状態で締付手段により締め付けると、2本の樹脂管の突き合わせ面に隙間が生じ、シールリングが突き合わせ面に全周にわたって密着せず、シール不良が生じる。上述の接続装置には、このような接続不良を作業者に認知させる手段がなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、突き合せ面とテーパ面を有する環状のフランジ部が一端部に形成された2本の樹脂管を、前記フランジ部を突合せた状態で接続する接続装置において、
第1、第2分割体と、前記第1、第2分割体の一端部を互いに樹脂管の管軸と直交する平面に沿って回動可能に連結するヒンジ手段と、前記第1、第2分割体の他端部同士を近付けるように締め付ける締結手段と、を備え、前記第1、第2分割体は、内周面に円弧状に延びる嵌合溝を有し、前記嵌合溝はその両側にテーパ面を有し、前記締結手段による締め付け時に、前記第1、第2分割体の前記他端部の対向面同士が互いに近づくとともに、前記嵌合溝の前記テーパ面が2本の樹脂管の前記フランジ部の前記テーパ面を押圧することにより、2本の樹脂管の前記フランジ部の突き合わせ面が互いに突き合わされ、一方の樹脂管の前記突き合わせ面の環状の収容溝に収容されたシールリングが他方の樹脂管の前記突き合わせ面に密着して、2本の樹脂管の前記突き合わせ面間がシールされるようになっており、前記第1分割体の前記他端部には、前記対向面に開口する貫通孔が形成され、前記第2分割体の前記他端部の前記対向面には、前記貫通孔に挿入される凸部が設けられ、前記凸部の先端部が、前記シールリングが前記収容溝に正常に収容された状態で2本の樹脂管が接続されたか否かを判別するためのインジケータとなることを特徴とする。
この構成によれば、接続完了後に作業者は、凸部の先端部の位置を確認することにより、シールリングが前記収容溝に正常に収容された状態で2本の樹脂管が接続されたか否かを簡単に判別することができる。
【0008】
好ましくは、前記シールリングが前記収容溝に正常に収容された状態で2本の樹脂管が接続された場合には、前記凸部の先端部は、前記第1分割体の前記他端部において、前記対向面の反対側の面から突出する。この構成によれば、凸部の先端部が所定量突出することにより、シールリングが前記収容溝に正常に収容された状態で2本の樹脂管が接続されたことを、容易に認知することができる。
【0009】
より好ましくは、前記シールリングが前記収容溝に正常に収容されていない状態で2本の樹脂管が接続された場合には、前記凸部の先端部が前記第1分割体の前記反対側の面から突出しない。この構成によれば、接続の良否をよりはっきりと認知することができる。
【0010】
好ましくは、前記凸部は、前記第1、第2分割体と異なる色を有している。この構成によれば、接続の良否をよりはっきりと認知することができる。
【0011】
好ましくは、前記凸部は、先端に向かって断面積が減じられる形状を有している。この構成によれば、貫通孔が小さくても、第1、第2分割体がヒンジ手段を中心に回動して閉じる際に、凸部は第1分割体と干渉せずに貫通孔に挿入することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の接続装置によれば、インジケータ機能により樹脂管の接続の良否を判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る接続装置を、樹脂管を接続するために閉じた状態で示す横断面図である。樹脂管は省略されている。
【
図2】同接続装置の上側分割体を示す下面図である。
【
図3】同接続装置の下側分割体を示す斜視図である。
【
図4】同接続装置により2本の樹脂管を接続する工程を順に示す縦断面図であり、(A)は接続工程の途中の状態を示し、(B)は接続工程が完了した状態を示す。
【
図5】シールリングが正常にセットされた状態で樹脂管の接続が完了した時の接続装置を示す正面図である。
【
図6】シールリングが正常にセットされない状態で樹脂管の接続が完了した時の接続装置を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しながら説明する。
≪樹脂管の構成≫
最初に
図4(A)を参照しながら接続対象となる樹脂管1,2について説明する。樹脂管1,2はポリエチレン等の樹脂からなり、一端部に環状のフランジ部1a,2aを有している。フランジ部1a,2aの先端面が管軸Lと直交する突き合わせ面1x、2xとなっており、反対側の面がテーパ面1y、2yとなっている。樹脂管1,2は、上記フランジ部1a,2aを有する短管と樹脂管本体とをバット融着することにより製造されている。一方の樹脂管1のフランジ部1aの突き合わせ面1xには、環状の収容溝1zが形成され、この収容溝1zにシールリング3が嵌められている。
樹脂管1,2の一端部内周には、ステンレス鋼等からなる短筒形状をなすインコア4がそれぞれ配置されている。
【0015】
≪接続装置の構成≫
次に、上記樹脂管1,2を接続するための接続装置5について
図1~
図3を参照しながら説明する。接続装置5は、上下一対の分割体すなわち上側分割体10(第1分割体)と下側分割体20(第2分割体)を備えている。分割体10、20は、例えばガラス繊維強化樹脂(ナイロン、ポリプロピレン、ポリアセタール等)からなり、それぞれ略半円筒形状の本体部11、21を有している。本体部11、21の内径は樹脂管1,2の外径と略等しい。
【0016】
分割体10,20の本体部11,21は、略半円筒形状をなしており、本体部11,21の内周面には、周方向に円弧状に延びる嵌合溝12,22が形成されている。嵌合溝12,22の両側にはテーパ面12a、22aが形成されている。このテーパ面12a、22aのテーパ角度は、樹脂管1,2のフランジ部1a,2aのテーパ面1y、2yと等しい。嵌合溝12,22の断面形状は、後述するようにフランジ部1a,2aの突き合わせ面1x、2xが接した状態でのフランジ部1a、2aの断面形状と略等しい。
【0017】
分割体10,20の本体部11,21は、その一端部に後述する閉じ状態で互いに対向する平坦な対向面11a,21aを有している。
上側分割体10の本体部11の一端部には、ヒンジ受部15が本体部11と一体をなして設けられている。このヒンジ受部15は、本体部11の一端部から径方向外側に突出するとともに対向面11aを越え対向面11aと直交して下方に(下側分割体20に向かって)延びており、略L字形をなしている。このヒンジ受部15には断面矩形の係合穴16が形成されている。
【0018】
下側分割体20の本体部21の一端部には、径方向外方向に突出するヒンジ突起25が本体部21と一体に形成されている。ヒンジ突起25の縦寸法、横寸法は、上側分割体10の係合穴16の縦寸法、横寸法より若干短い。下側分割体20のヒンジ突起25が上側分割体10の係合穴16に挿入されることにより、ヒンジ手段Hが構成される。このヒンジ手段Hは、上側分割体10を下側分割体20に対して樹脂管1,2の管軸Lと直交する平面に沿って相対回動可能に連結する。
【0019】
分割体10、20の本体部11,21の他端部には、径方向外側に突出する鍔形状の締結受部18、28が、それぞれ本体部11,21と一体をなして形成されている。本体部11の他端部の下面と締結受部18の下面は面一をなし、分割体20に対向する対向面19となっている。本体部21の他端部の上面と締結受部28の上面は面一をなし、分割体10と対向する対向面29となっている。締結受部18、28には、ボルト挿通孔18a,28aが形成されている。
図1に示すように、上記締結受部18,28を締結するための締結手段30は、ボルト挿通孔18a,28aに挿通されるボルト31と、ナット32により構成されている。
【0020】
≪インジケータ構造≫
接続装置5はさらに、樹脂管1,2の接続の良否を判別するためのインジケータ構造を備えている。このインジケータ構造は、
図2に示すように上側分割体10の締結側端部においてボルト挿通孔18aの両側(管軸L方向の両側)に形成された2つの貫通孔51と、
図3に示すように下側分割体20の締結側端部において貫通孔51に対応してボルト挿通孔28aの両側に形成された2つの凸部52により構成されている。
【0021】
貫通孔51は、樹脂管1,2の管軸Lと直交する方向(分割体10,20の径方向)に延びる長孔からなり、締結受部18の対向面19とその反対側の面19Aとの間を貫通している。凸部52は、締結受部28の対向面29から突出して形成されている。凸部52は管軸Lと直交する平面に沿う均一厚さの板形状をなし、管軸L方向から見ると三角形に近い台形状をなしている。すなわち、先端に向かって断面積(径方向の幅)が徐々に小さくなり、先端面が平坦をなしている。凸部52の基端部(対向面29の近傍部)の断面積は貫通孔51の断面積と等しいかこれより若干小さい。凸部52の高さ寸法は、上側分割体10の締結受部18の厚さ寸法より所定量ΔHだけ大きい。
【0022】
凸部52は、分割体10,20と異なる色を呈するのが好ましい。例えば分割体10,20を暗色にし、凸部52を明色又は蛍光色にする。凸部52と分割体20は2色成形してもよいし、分割体20と凸部52を同一材料で成形した後、凸部52に塗料を塗ってもよい。
【0023】
≪接続装置による樹脂管の接続工程≫
上記接続装置5による樹脂管1,2の接続工程について説明する。最初に樹脂管1,2のフランジ部1a,2aを、シールリング3が樹脂管2の突き合わせ面2xに軽く接する程度に近づけた状態で、下側分割体20に乗せる。フランジ部1a,2aが嵌合溝22に位置合わせされ、その一部が嵌合溝22に収容される。
【0024】
次に、上側分割体10を横方向から下側分割体20に近づけ、ヒンジ受部15の係合穴16にヒンジ突起25を挿入してヒンジ手段Hを作る。次に、
図4(A)に示すように上側分割体10を下側分割体20に近づけるようにヒンジ手段Hを中心として回動させることにより、上側分割体10の締結受部18が下側分割体20の締結受部28に近づき対峙する。この状態で、上側分割体10の嵌合溝12内にもフランジ部1a,2aの一部が収容される。
【0025】
次に、
図1に示すようにボルト31を分割体10、20の締結受部18、28の貫通穴18a,28aに通してナット32に螺合させ、下側分割体20と上側分割体10により樹脂管1,2のフランジ部1a,2aを挟んだ状態で締め付ける。この締め付けにより、嵌合溝12,22の両側のテーパ面12a,22aがフランジ部1a,2aのテーパ面1y、2yを押圧する。その結果、
図4(B)に示すように、フランジ部1a,2aの突き合わせ面1x、2x同士が突き合わされるともに、シールリング3が弾性変形を伴って突合せ面2xに密着する。このようにして、樹脂管1,2の突き合わせ面1x、2x間がシールされ、樹脂管1,2の接続工程が完了する。この接続完了時に、分割体10、20の締結受部18、28の対向面19、29は接した状態になる。
【0026】
《インジケータ構造の作用》
上記接続工程において下側分割体20に上側分割体10が閉じる過程で、下側分割体20の凸部52が、上側分割体10の貫通孔51に挿入される。凸部52は先端に向かって断面積が小さくなる形状であるため、貫通孔51が比較的小さくても、上側分割体10の回動の過程で上側分割体10と干渉せずに、貫通孔51に挿入される。
【0027】
シールリング3が樹脂管1のフランジ部1aの収容溝1zに正常に収容されている状態で上述の接続工程が実行されると、上述したように。締付手段30による締め付け時により、突き合わせ面1x、2xが突き合わされ、分割体10,20は締結受部18,28の対向面19、29が接する。この場合、凸部52の高さ寸法が締結受部18の厚さ寸法より所定量ΔH大きいので、
図5に示すように、凸部52の先端部は締結受部18の反対側の面19Aから所定量ΔHだけ突出する。作業者は、この凸部52の先端部が反対側の面19Aから突出した状態を見ることにより、樹脂管1,2が良好にシールされた状態で接続されたことを確認することができる。
【0028】
シールリング3が樹脂管1のフランジ部1aの収容溝1zに正常に収容されていない状態で上述の接続作業が実行されると、シールリング3が樹脂管1,2の突き合わせ面1x、2x間に挟まるため、樹脂管1,2の軸方向移動が制限され、締付手段30で締め付けても突き合わせ面1x、2xが突き合わされず隙間が生じ、シールリング3も突き合わせ面2xに全周にわたって密着した状態にならない。その結果、突き合わせ面1x、2x間のシールが不良となる。この場合、締め付け時の分割体10,20の相対回動も制限されるため、
図6に示すように、締結受部18,28の対向面19、29間に隙間が生じる。この隙間の幅と締結受部18の厚さの和が、凸部52の高さ寸法より大となるため、凸部52の先端部は締結受部18の上面すなわち対向面19の反対側の面19Aから突出しない。作業者は、凸部52の先端部が反対側の面19Aから突出していない状態を見ることにより、接続不良(シール不良)が生じていることを簡単に認知でき、接続作業をやり直すことができる。
【0029】
凸部28が分割体10,20と異なる色であるので、凸部28の先端部はインジケータ機能を最大限に発揮することができ、上述した接続の良否を一目で明確に判別することができる。
【0030】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨に反しない限りにおいて種々の改変をなすことができる。
インジケータ構造の凸部52を上述の実施形態より高くし、接続不良の場合にも対向面19との反対側の面19Aから突出するようにしてもよい。この構成では、凸部52の反対側の面19Aからの突出量の相違により、接続の良否を判別する。
インジケータ構造の凸部52を締結受部18の厚さと等しくしてもよい。この構成では、良好な接続の場合に凸部の先端面が反対側の面19Aと面一をなし、接続不良の場合には凸部の先端面が反対側の面19Aから陥没する。
上述の実施形態において、ヒンジ突起を有する分割体20を第1分割体として、この分割体に貫通孔を形成し、ヒンジ受部を有する分割体10を第2分割体として、この分割体に凸部を形成してもよい。
ヒンジ手段は上述の実施形態に限定されず、分割体と別体であってもよい。締結手段も上述の実施形態に限定されず、特殊なクランプ構造であってもよい。インジケータ構造の貫通孔と凸部の数は適宜選択することができ、1つずつでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、端部にフランジ部を有する樹脂管を接続する装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0032】
1、2 樹脂管
1a,2a フランジ部
1x、2x 突き合わせ面
1y、2y テーパ面
1z 収容溝
3 シールリング
5 接続装置
10 上側分割体(第1分割体)
20 下側分割体(第2分割体)
12、22 嵌合溝
12a、22a テーパ面
19、29 対向面
19A 反対側の面
30 締結手段
51 貫通孔
52 凸部
H ヒンジ手段
L 樹脂管の管軸