(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038580
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】移動支援装置、移動支援方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/02 20160101AFI20240313BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240313BHJP
B60L 53/12 20190101ALI20240313BHJP
B60M 7/00 20060101ALI20240313BHJP
B60L 5/00 20060101ALI20240313BHJP
B60L 58/12 20190101ALI20240313BHJP
G01C 21/36 20060101ALI20240313BHJP
【FI】
H02J7/02 V
H02J7/00 P
H02J7/00 301D
H02J7/00 X
B60L53/12
B60M7/00 X
B60L5/00 B
B60L58/12
G01C21/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142688
(22)【出願日】2022-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】504050275
【氏名又は名称】株式会社 ミックウェア
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 秀幸
【テーマコード(参考)】
2F129
5G503
5H105
5H125
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129DD13
2F129DD15
2F129DD21
2F129DD40
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2F129DD49
2F129EE02
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2F129FF20
2F129GG17
2F129HH12
2F129HH18
2F129HH20
5G503AA01
5G503BA01
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5G503CA08
5G503EA01
5G503EA05
5G503FA06
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5H105BA09
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5H105EE15
5H125AA01
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5H125AC12
5H125AC25
5H125CA18
5H125EE27
5H125EE61
(57)【要約】
【課題】従来、移動体のバッテリーの劣化を防ぐような充電レーンの利用に関する技術が存在しなかった。
【解決手段】移動体Bが移動する経路上または経路の周辺に、移動体Bが通過することで移動体Bに送電することが可能な充電レーンCが存在することを検知する検知部131と、移動体Bのバッテリー2の充電状態を示すSOC情報を取得するSOC取得部135と、検知部131が充電レーンCの存在を検知した場合に、SOC情報に基いて、充電レーンCの利用の推奨または非推奨を示すレコメンド情報を決定する決定部137と、レコメンド情報を出力する出力部14とを具備する移動支援装置1により、移動体のバッテリーの劣化を防ぎつつ、適切に充電レーンを利用できる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体が移動する経路上または経路の周辺に、当該移動体が通過することで当該移動体に送電することが可能な充電レーンが存在することを検知する検知部と、
前記移動体のバッテリーの充電状態を示すSOC情報を取得するSOC取得部と、
前記検知部が前記充電レーンの存在を検知した場合に、前記SOC情報に基いて、前記充電レーンの利用の推奨または非推奨を示すレコメンド情報を決定する決定部と、
前記レコメンド情報を出力する出力部とを具備する移動支援装置。
【請求項2】
前記移動体が移動する環境に関する環境情報を取得する環境取得部をさらに具備し、
前記決定部は、
前記環境情報をも用いて、前記レコメンド情報を決定する、請求項1記載の移動支援装置。
【請求項3】
前記移動体の外部の電力に関する外部情報を取得する外部取得部をさらに具備し、
前記決定部は、
前記外部情報をも用いて、前記レコメンド情報を決定する、請求項1記載の移動支援装置。
【請求項4】
前記決定部は、
前記充電レーンの利用を推奨しない旨の非推奨情報であるレコメンド情報を決定する、請求項1から請求項3いずれか一項に記載の移動支援装置。
【請求項5】
バッテリーを搭載した移動体の移動支援方法であって、
検知部と、SOC取得部と、決定部と、出力部とにより実現される移動支援方法であって、
前記検知部が、移動体が移動する経路上または経路の周辺に、当該移動体が通過することで当該移動体に送電することが可能な充電レーンが存在することを検知する検知ステップと、
前記SOC取得部が、前記移動体のバッテリーの充電状態を示すSOC情報を取得するSOC取得ステップと、
前記決定部が、前記検知ステップで前記充電レーンの存在を検知した場合に、前記SOC情報に基いて、前記充電レーンの利用の推奨または非推奨を示すレコメンド情報を決定する決定ステップと、
前記出力部が、前記レコメンド情報を出力する出力ステップとを具備する移動支援方法。
【請求項6】
バッテリーを搭載した移動体に搭載されたコンピュータを、
前記移動体が移動する経路上または経路の周辺に、当該移動体が通過することで当該移動体に送電することが可能な充電レーンが存在することを検知する検知部と、
前記移動体のバッテリーの充電状態を示すSOC情報を取得するSOC取得部と、
前記検知部が前記充電レーンの存在を検知した場合に、前記SOC情報に基いて、前記充電レーンの利用の推奨または非推奨を示すレコメンド情報を決定する決定部と、
前記レコメンド情報を出力する出力部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電レーンを走行することにより搭載するバッテリーに電力を充電する機能を備えた移動体の移動支援技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気自動車(Battery Electric Vehicle:BEV)またはハイブリッド自動車の普及が進むことで、充電レーンが混雑することを課題として、充電レーンの効率的な使用を促進する運転支援装置があった(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来において、充電レーンの適切な利用を促す技術はなかった。さらに具体的には、従来において、例えば、移動体のバッテリーの劣化を防ぐことを目的とする技術であり、充電レーンの利用に関する技術が存在しなかった。
【0005】
かかる課題に鑑み、本発明は、例えば、バッテリーの劣化を早める充電を抑制し、過度な充電レーンの利用による混雑を防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本第一の発明の移動支援装置は、移動体が移動する経路上または経路の周辺に、移動体が通過することで移動体に送電することが可能な充電レーンが存在することを検知する検知部と、移動体のバッテリーの充電状態を示すSOC情報を取得するSOC取得部と、検知部が充電レーンの存在を検知した場合に、SOC情報に基いて、充電レーンの利用の推奨または非推奨を示すレコメンド情報を決定する決定部と、レコメンド情報を出力する出力部とを具備する移動支援装置である。
【0007】
かかる構成により、移動体のバッテリーの劣化を防ぎつつ、適切に充電レーンを利用できる。
【0008】
また、本第二の発明の移動支援装置は、第一の発明に対して、移動体が移動する環境に関する環境情報を取得する環境取得部をさらに具備し、決定部は、環境情報をも用いて、レコメンド情報を決定する、移動支援装置である。
【0009】
かかる構成により、移動体のバッテリーの劣化を防ぎつつ、より適切に充電レーンを利用できる。
【0010】
また、本第三の発明の移動支援装置は、第一または第二の発明に対して、移動体の外部の電力に関する外部情報を取得する外部取得部をさらに具備し、決定部は、外部情報をも用いて、レコメンド情報を決定する、移動支援装置である。
【0011】
かかる構成により、移動体のバッテリーの劣化を防ぎつつ、より適切に充電レーンを利用できる。
【0012】
また、本第四の発明の移動支援装置は、第一から第三いずれか1つの発明に対して、決定部は、充電レーンの利用を推奨しない旨の非推奨情報であるレコメンド情報を決定する、移動支援装置である。
【0013】
かかる構成により、移動体のバッテリーの劣化を防ぐために、非推奨情報を出力できる。
【0014】
また、本第五の発明の移動支援装置は、第四の発明に対して、決定部は、SOC情報が第1割合値以上または第1割合より大きいことであるレコメンド条件を満たす場合に、非推奨情報であるレコメンド情報を決定する、移動支援装置である。
【0015】
かかる構成により、移動体のバッテリーの劣化を防ぐために、非推奨情報を出力できる。
【0016】
また、本第六の発明の移動支援装置は、第一から第三いずれか1つの発明に対して、決定部は、SOC情報が第2割合値以下または第2割合値未満であることであるレコメンド条件を満たす場合、充電レーンの利用を推奨する旨の推奨情報であるレコメンド情報を決定する、移動支援装置である。
【0017】
かかる構成により、適切な推奨情報を出力できる。
【0018】
また、本第七の発明の移動支援装置は、第一から第六いずれか1つの発明に対して、決定部は、移動体の現在位置と特定地点との距離に応じた消費電力とSOC情報とに関するレコメンド条件を満たす場合に、レコメンド情報を決定する、移動支援装置である。
【0019】
かかる構成により、適切な推奨情報を出力できる。
【0020】
また、本第八の発明の移動支援装置は、第七の発明に対して、現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、移動体の目的地を示す目的地情報を取得する目的地取得部と、位置情報と目的地情報とに基いて、現在位置から目的地までの距離を算出し、距離に消費される消費電力を算出する算出部と、決定部は、SOC情報が、第1割合値未満かつ第2割合値以上であって、消費電力が、SOC情報から取得される残存電力より小さい場合、充電レーンの利用を推奨しないことを示す非推奨情報であるレコメンド情報を決定する、移動支援装置である。
【0021】
かかる構成により、適切な推奨情報を出力できる。
【0022】
また、本第九の発明の移動支援装置は、第一から第八いずれか1つの発明に対して、出力部は、レコメンド条件に合致する場合に、レコメンド情報を出力し、レコメンド条件は、移動体の種類に応じて異なる、移動支援装置である。
【0023】
かかる構成により、移動体の種類に応じた適切なレコメンド条件の元、より適切に充電レーンを利用できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明による移動支援装置によれば、バッテリーの劣化を早める充電を抑制することができ、過度な充電レーン利用による混雑を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】実施の形態1における移動支援システムAの概念図
【
図3】同移動支援装置1の動作例について説明するフローチャート
【
図4】同レコメンド情報決定処理の第一の例について説明するフローチャート
【
図5】同レコメンド情報決定処理の第二の例について説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、移動支援装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0027】
(実施の形態1)
本実施の形態において、バッテリーのSOC情報がレコメンド条件に合致する場合に、充電レーンの利用に関するレコメンドを行う移動支援装置について説明する。
【0028】
また、本実施の形態において、例えば、天気、気温、時間帯等の環境情報をも利用して、充電レーンの利用に関するレコメンドを行う移動支援装置について説明する。
【0029】
また、本実施の形態において、例えば、電力の切迫の状態に関する情報、家での蓄電量等の外部情報をも利用して、充電レーンの利用に関するレコメンドを行う移動支援装置について説明する。
【0030】
また、本実施の形態において、移動体の種類に応じて、レコメンド条件が異なる移動支援装置について説明する。
【0031】
なお、本実施の形態において、情報Xが情報Yに対応付いていることは、情報Xから情報Yを取得できること、または情報Yから情報Xを取得できることであり、その対応付けの方法は問わない。情報Xと情報Yとがリンク付いていても良いし、同じバッファに存在していても良いし、情報Xが情報Yに含まれていても良いし、情報Yが情報Xに含まれている等でも良い。
【0032】
図1は、本実施の形態における移動支援システムAの概念図である。移動支援システムAは、移動体B、充電レーンCを備える。移動体Bは、移動支援装置1、バッテリー2、充電部3を備える。
【0033】
移動体Bは、例えば、自動車、二輪車であるが、充電レーンを走行する車両であれば良く、その種類は問わない。
【0034】
充電部3は、充電レーンCから電気を取り込み、バッテリー2を充電する。充電部3は、ワイヤレス給電のために使用される。充電部3は、例えば、受電コイル31、および受電電力変換部32を備える。充電部3は、公知技術により実現可能であるので、詳細な説明は省略する。また、ここでのワイヤレス給電の方法は、電磁誘導方式、磁気共鳴方式等、問わない。
【0035】
充電レーンCは、移動体Bが具備するバッテリー2に充電するための走行レーンである。充電レーンCは、例えば、送電コイルC1、および送電電力変換部C2を備える。充電レーンCは、公知技術により実現可能であるので、詳細な説明は省略する。充電レーンCは、例えば、走行中ワイヤレス給電レーン等と言っても良い。
【0036】
図2は、本実施の形態における移動支援装置1のブロック図である。移動支援装置1は、記憶部11、位置情報取得部12、制御部13、および出力部14を備える。制御部13は、検知部131、環境取得部132、外部取得部133、目的地取得部134、SOC取得部135、算出部136、および決定部137を備える。
【0037】
移動支援装置1を構成する記憶部11には、各種の情報が格納される。各種の情報は、例えば、後述するレコメンド条件、レコメンド情報、後述する検知条件、位置情報、環境情報、外部情報、目的地情報、SOC情報、地図情報、種類情報である。なお、記憶部11のレコメンド条件は、ユーザによりカスタマイズできても良い。また、レコメンド条件は、種類情報に対応付いていても良い。また、レコメンド情報またはレコメンド情報の元になるレコメンド元情報が、レコメンド条件に対応付いていることは好適である。
【0038】
地図情報は、例えば、充電レーンCの存在場所を特定するレーン位置情報を有する。地図情報は、例えば、図示しないナビゲーションシステムで使用される装置である。なお、移動支援装置1は、いわゆるナビゲーション機能を有しても良い。
【0039】
種類情報とは、移動体Bの種類を特定する情報である。種類情報は、例えば、電気自動車を示す「BEV」、ハイブリッド車を示す「HC」である。
【0040】
位置情報取得部12は、現在位置を示す位置情報を取得する。位置情報取得部12は、通常、移動体Bの現在位置を示す位置情報を取得する。位置情報は、例えば、(緯度,経度)または(緯度,経度,高度)であるが、現在位置を特定する情報であれば良い。
【0041】
制御部13は、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、検知部131、環境取得部132、外部取得部133、目的地取得部134、SOC取得部135、算出部136、決定部137が行う処理である。
【0042】
制御部13は、例えば、レコメンド条件を受け付け、当該レコメンド条件を記憶部11に蓄積する。かかる処理により、移動支援装置1ごとのレコメンド条件のカスタマイズが可能となる。
【0043】
制御部13は、例えば、目的地情報を受け付け、経路探索し、経路情報を取得し、当該経路情報を記憶部11に蓄積する。つまり、制御部13は、例えば、ナビゲーション機能を実現する。
【0044】
検知部131は、移動体Bが移動する経路上または経路の周辺に、充電レーンCが存在することを検知する。充電レーンCは、移動体Bが通過することで移動体Bに送電することが可能な走行レーンである。
【0045】
移動体Bが移動する経路上とは、例えば、移動体Bの現在位置から目的地までの経路の上である。移動体Bが移動する経路上とは、例えば、移動体Bが走行中の道路上である。移動体Bが移動する経路上とは、例えば、移動体Bの現在位置から目的地までの経路の上である。
【0046】
移動体Bが移動する経路の周辺とは、例えば、移動体Bの現在位置から目的地までの経路のいずれかの地点から閾値以内の地点または閾値より近い地点である。なお、閾値は、例えば、1km、500m等であり、問わない。閾値は、例えば、移動時間の値(例えば、5分)でも良い。
【0047】
検知部131は、例えば、移動体Bが移動する経路上であり、現在位置から閾値以内または閾値より短い距離のところに充電レーンCが存在することを検知する。なお、距離は、物理的な距離でも、時間的な距離でも良い。
【0048】
検知部131は、例えば、記憶部11の地図情報を参照し、地図情報が有するレーン位置情報を用いて、移動体Bの現在位置から目的地までの経路の上に、充電レーンCが存在するか否かを判断する。
【0049】
検知部131は、例えば、記憶部11の地図情報を参照し、地図情報が有するレーン位置情報を用いて、移動体Bが移動する経路上であり、現在位置から閾値以内または閾値より短い距離のところに、充電レーンCが存在するか否かを判断する。
【0050】
検知部131は、例えば、記憶部11の地図情報を参照し、当該地図情報が有するレーン位置情報を用いて、現在位置から閾値以内または閾値より短い距離のところに、充電レーンCが存在するか否かを判断する。現在位置から閾値以内または閾値より短い距離のところは、移動体Bが移動する経路の周辺であると言える。
【0051】
検知部131は、例えば、近くに、充電レーンCが存在することを示す存在信号を、図示しない送信機器から受信する。かかることにより、検知部131は、移動体Bが移動する経路上または経路の周辺に、充電レーンCが存在することを検知しても良い。また、送信機器は、例えば、ビーコンであるが、問わない。
【0052】
検知部131は、例えば、現在位置と充電レーンCが存在する場所とが、検知条件を満たす場合に、充電レーンCが存在することを検知する。
【0053】
検知条件とは、充電レーンCを検知するための条件である。検知条件は、例えば、「移動体Bが移動する経路上であり、現在位置を示す位置情報から閾値(例えば、50m)以内であること」、「現在位置を示す位置情報から閾値(例えば、100m)以内であること」である。
【0054】
環境取得部132は、移動体Bが移動する環境に関する環境情報を取得する。環境情報とは、例えば、天気、気温、時間帯である。
【0055】
環境取得部132は、例えば、移動体Bが移動する地点の天気、気温を取得する。かかる場合は、環境取得部132は、例えば、カメラと当該カメラで取得した画像を解析し、天気(例えば、「晴」「雨」など)を取得する。また、環境取得部132は、例えば、温度センサにより、移動体Bの外部の気温を取得する。また、環境取得部132は、例えば、図示しないサーバから位置情報が示す現在位置の天気、気温を受信する。
【0056】
環境取得部132は、例えば、図示しない時計または外部の図示しないサーバ(例えば、NTPサーバ)から現在時刻を取得する。
【0057】
外部取得部133は、移動体Bの外部の電力に関する外部情報を取得する。外部情報とは、例えば、切迫情報、蓄電情報である。
【0058】
切迫情報とは、該当する国(例えば、「日本」)または地域(例えば、「関東」「兵庫県」)における電力の切迫に関する情報である。切迫情報は、例えば、「電力が切迫している(ON)」「電力が切迫していない(OFF)」「電力の切迫度」である。
【0059】
蓄電情報とは、移動体Bのユーザの自宅での蓄電量に関する情報である。蓄電情報は、例えば、蓄電量、蓄電量が閾値以上であるか否かを示す情報、蓄電量が閾値未満であるか否かを示す情報である。
【0060】
外部取得部133は、例えば、図示しないサーバまたはビーコン等から切迫情報を受信する。外部取得部133は、例えば、移動体Bのユーザの自宅の蓄電装置(図示せず)から、蓄電情報を受信する。
【0061】
目的地取得部134は、移動体Bの目的地を示す目的地情報を取得する。目的地取得部134は、移動支援装置1が受け付けた目的地情報を取得する。移動支援装置1は、例えば、ユーザから目的地情報を受け付ける。移動支援装置1は、例えば、ユーザが保有する図示しない端末から目的地情報を受信する。目的地取得部134は、例えば、記憶部11から目的地情報を取得する。
【0062】
SOC取得部135は、移動体Bのバッテリー2のSOC情報を取得する。SOC情報とは、バッテリー2の充電状態を示す情報である。SOC情報とは、State Of Charge(SOC)に関する情報である。SOC情報は、例えば、充電率であるが、残存電力の量、充電率が閾値以上であるか否か、充電率が閾値未満であるか否か等でも良い。なお、SOC取得部135は、公知技術により実現可能であるので、詳細な説明は省略する。
【0063】
算出部136は、位置情報と目的地情報とに基いて、現在位置から目的地までの距離を算出する。次に、算出部136は、算出した距離を用いて、当該距離の移動に消費される消費電力を算出する。なお、距離から、当該距離を走行する場合の消費電力を算出する処理は公知技術であるので、詳細な説明は省略する。
【0064】
決定部137は、SOC取得部135が取得したSOC情報に基いて、レコメンド情報を決定する。決定部137は、例えば、検知部131が充電レーンCの存在を検知した場合に、SOC取得部135が取得したSOC情報に基いて、レコメンド情報を決定する。
【0065】
なお、レコメンド情報とは、充電レーンCの利用を推奨するまたは推奨しないことを示す情報である。充電レーンCの利用を推奨する情報を、適宜、推奨情報と言う。充電レーンCの利用を推奨しないことを示す情報を、適宜、非推奨情報と言う。
【0066】
また、レコメンド情報を決定することは、レコメンド情報を取得することでも良いし、選択されるレコメンド情報を特定する情報(例えば、レコメンド情報のID)を取得すること等でも良い。
【0067】
決定部137は、充電レーンCの利用を推奨しない旨の非推奨情報であるレコメンド情報を決定することは好適である。かかることにより、過度な充電レーンの利用によるバッテリーの劣化、および充電レーンの混雑を防げる。
【0068】
決定部137は、例えば、SOC取得部135が取得したSOC情報がレコメンド条件を満たす場合に、レコメンド情報を決定する。決定部137は、例えば、検知部131が充電レーンCの存在を検知した場合であり、SOC取得部135が取得したSOC情報がレコメンド条件を満たす場合に、レコメンド情報を決定する。
【0069】
決定部137は、例えば、SOC情報が第1割合値以上または第1割合より大きいことであるレコメンド条件を満たす場合に、非推奨情報であるレコメンド情報を決定する。
【0070】
決定部137は、例えば、SOC情報が第2割合値以下または第2割合値未満であることであるレコメンド条件を満たす場合に、推奨情報であるレコメンド情報を決定する。
【0071】
決定部137は、例えば、移動体Bの現在位置と特定地点との距離に応じた消費電力とSOC情報とに関するレコメンド条件を満たす場合に、レコメンド情報を決定する。なお、移動体Bの現在位置は、通常、位置情報取得部12が取得した情報である。また、消費電力は、通常、算出部136が取得した情報である。
【0072】
なお、特定地点とは、例えば、目的地取得部134が取得した目的地情報が示す地点、または記憶部11に格納されている自宅の情報が示す地点である。
【0073】
決定部137は、例えば、SOC情報が、第1割合値未満かつ第2割合値以上であって、消費電力がSOC情報から取得される残存電力より小さい場合に、非推奨情報であるレコメンド情報を決定する。
【0074】
決定部137は、環境取得部132が取得した1または2以上の環境情報をも用いて、レコメンド情報を決定することは好適である。つまり、例えば、レコメンド条件は、天気、気温、時刻、時間帯等の環境情報に応じて異なることは好適である。
【0075】
決定部137は、例えば、環境取得部132が取得した天気が「雨」の場合において、「晴」の場合と比較して、推奨情報であるレコメンド情報を決定するためのSOC情報の閾値を小さい値とする。つまり、決定部137は、例えば、天気が「雨」の場合は、「晴」の場合と比較して、SOC情報が小さい値でも、充電レーンの利用を進めることはしない。
【0076】
決定部137は、例えば、環境取得部132が取得した外気温が第一閾値(例えば、摂氏30度)と第二閾値(例えば、摂氏10度)の間である場合、外気温が第一閾値より高い場合または第二閾値より低い場合と比較し、推奨情報であるレコメンド情報を決定するためのSOC情報の閾値を小さい値とする。つまり、決定部137は、例えば、エアコンの使用の必要がないような外気温の時には、エアコンの使用の必要な外気温が暑い時または寒い時と比較して、SOC情報が小さい値でも、充電レーンの利用を進めることはしない。エアコンを使用しない場合は、電力消費が抑えられるからである。
【0077】
決定部137は、例えば、電気の単価が高い時間帯において、単価が安い時間帯より、推奨情報であるレコメンド情報を決定するためのSOC情報の閾値を小さい値とする。つまり、決定部137は、例えば、電気の単価が高い時間帯において、単価が安い時間帯よと比較して、SOC情報が小さい値でも、充電レーンの利用を進めることはしない。
【0078】
決定部137は、外部取得部133が取得した1または2以上の外部情報をも用いて、レコメンド情報を決定することは好適である。つまり、例えば、レコメンド条件は、外部情報に応じて異なることは好適である。
【0079】
決定部137は、例えば、切迫情報が世の中の電力事情が切迫していることを示す情報である場合は、切迫情報が通常の場合と比較して、より小さい値のSOC情報である場合に、推奨情報であるレコメンド情報を決定する。
【0080】
決定部137は、例えば、切迫情報が、電力事情が切迫していることを示す情報である場合は、切迫情報が通常の場合と比較して、より小さい値のSOC情報である場合でも、非推奨情報であるレコメンド情報を決定する。つまり、電力事情が切迫している場合には、できる限り、推奨情報を決定せず、非推奨情報を決定するようにすることは好適である。
【0081】
決定部137は、移動体Bの種類に応じて、異なるレコメンド条件を使用することは好適である。異なるレコメンド条件とは、例えば、上述した第1割合値、または第2割合値が異なることである。
【0082】
決定部137は、移動体Bの種類を特定する種類情報を記憶部11から取得し、当該種類情報と対になるレコメンド条件を記憶部11から取得し、当該レコメンド条件に合致した場合に、レコメンド情報を決定することは好適である。
【0083】
出力部14は、決定部137が決定したレコメンド情報を出力する。出力部14は、レコメンド条件に合致する場合に、レコメンド情報を出力することは好適である。
【0084】
ここで、出力とは、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。
【0085】
記憶部11は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0086】
記憶部11に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が記憶部11で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が記憶部11で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が記憶部11で記憶されるようになってもよい。
【0087】
位置情報取得部12は、例えば、GPS受信機により実現される。ただし、位置情報取得部12は、位置情報を取得する他の手段により実現されても良い。
【0088】
制御部13、検知部131、環境取得部132、外部取得部133、目的地取得部134、SOC取得部135、算出部136、決定部137は、例えば、プロセッサやメモリ等から実現され得る。制御部13等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。なお、プロセッサは、CPU、MPU、GPU等であり、その種類は問わない。
【0089】
環境取得部132、外部取得部133は、無線または有線の通信手段で実現されても良い。
【0090】
出力部14は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部14は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0091】
次に、移動支援システムAを構成する移動支援装置1の動作例について、
図3のフローチャートを用いて説明する。
【0092】
(ステップS301)検知部131は、移動体Bが移動する経路上または経路の周辺に、充電レーンCを検知したか否かを判断する。充電レーンCを検知した場合はステップS302に行き、充電レーンCを検知しなかった場合はステップS301に戻る。
【0093】
(ステップS302)SOC取得部135は、バッテリー2のSOC情報を取得する。
【0094】
(ステップS303)決定部137は、レコメンド情報を決定する処理を行う。かかるレコメンド情報決定処理の例について、
図4、
図5のフローチャートを用いて説明する。
【0095】
(ステップS304)出力部14は、ステップS303で取得された1または2以上のレコメンド情報を出力する。処理を終了する。
【0096】
なお、
図3のフローチャートにおいて、移動支援装置1は、充電レーンCを検知した後に、レコメンド情報決定処理を行った。しかし、
図3のフローチャートにおいて、移動支援装置1は、SOC情報等がレコメンド条件に合致するに至った場合に、充電レーンCを検知する処理を行っても良い。また、移動支援装置1は、充電レーンCの検知は行わずに、レコメンド情報を出力しても良い。かかることは、例えば、通信装置の不具合、または通信環境の悪化により、充電レーンCを検知できない場合に、有用な処理である。
【0097】
次に、ステップS303のレコメンド情報決定処理の第一の例について、
図4のフローチャートを用いて説明する。
【0098】
(ステップS401)決定部137は、記憶部11から種類情報を取得する。
【0099】
(ステップS402)決定部137は、ステップS401で取得した種類情報と対になる1以上のレコメンド条件を記憶部11から取得する。
【0100】
(ステップS403)決定部137は、カウンタiに1を代入する。
【0101】
(ステップS404)決定部137は、ステップS402で取得したレコメンド条件の中で、i番目のレコメンド条件が存在するか否かを判断する。i番目のレコメンド条件が存在する場合はステップS405に行き、i番目のレコメンド条件が存在しない場合は上位処理にリターンする。
【0102】
(ステップS405)決定部137は、i番目のレコメンド条件を取得する。
【0103】
(ステップS406)環境取得部132は、i番目のレコメンド条件が環境情報に基づく条件であるか否かを判断する。i番目のレコメンド条件が環境情報に基づく条件である場合はステップS407に行き、環境情報に基づく条件でない場合はステップS408に行く。
【0104】
(ステップS407)環境取得部132は、i番目のレコメンド条件で使用される1または2以上の環境情報を取得する。
【0105】
(ステップS408)外部取得部133は、i番目のレコメンド条件が外部情報に基づく条件であるか否かを判断する。i番目のレコメンド条件が外部情報に基づく条件である場合はステップS409に行き、外部情報に基づく条件でない場合はステップS410に行く。
【0106】
(ステップS409)外部取得部133は、i番目のレコメンド条件で使用される1または2以上の外部情報を取得する。
【0107】
(ステップS410)決定部137は、取得されたSOC情報、または取得されたSOC情報と1以上の環境情報、または取得されたSOC情報と1以上の外部情報、または取得されたSOC情報と1以上の環境情報と1以上の外部情報が、i番目のレコメンド条件を満たすか否かを判断する。i番目のレコメンド条件を満たす場合はステップS411に行き、満たさない場合はステップS412に行く。
【0108】
(ステップS411)決定部137は、i番目のレコメンド条件に対応するレコメンド情報を取得する。
【0109】
(ステップS412)決定部137は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS404に戻る。
【0110】
次に、ステップS303のレコメンド情報決定処理の第二の例について、
図5のフローチャートを用いて説明する。
【0111】
(ステップS501)決定部137は、取得されたSOC情報が第1割合値以上または第1割合値より大きいか否かを判断する。かかるレコメンド条件を満たす場合はステップS507に行き、かかるレコメンド条件を満たさない場合はステップS502に行く。なお、ここでのレコメンド条件は、通常、SOC情報が第1割合値以上または第1割合値より大きく、かつ100%以下である。
【0112】
(ステップS502)決定部137は、取得されたSOC情報が第2割合値以上または第2割合値より大きいか否かを判断する。かかるレコメンド条件を満たす場合はステップS503に行き、かかるレコメンド条件を満たさない場合はステップS508に行く。
【0113】
なお、ここでのレコメンド条件は、通常、SOC情報が第1割合値以下または第1割合値より小さく、かつ第2割合値以上または第2割合値より大きいことである。また、ステップS508に行く場合のレコメンド条件は、SOC情報が第2割合値未満または第2割合値以下であり、かつ0%以上である。
【0114】
(ステップS503)位置情報取得部12は、移動支援装置1の現在位置を示す位置情報を取得する。
【0115】
(ステップS504)目的地取得部134は、目的地情報を取得する。なお、目的地情報は、移動支援装置1が受け付け、記憶部11に格納されている。
【0116】
(ステップS505)算出部136は、ステップS503で取得された位置情報とステップS504で取得された目的地情報とを用いて、現在位置から目的地までの距離を算出する。次に、算出部136は、算出した距離を用いて、当該距離の移動に消費される消費電力を算出する。
【0117】
(ステップS506)決定部137は、取得されたSOC情報から残存電力を取得する。次に、決定部137は、条件「消費電力<残存電力」を満たすか否かを判断する。当該条件を満たす場合はステップS507に行き、満たさない場合はステップS508に行く。
【0118】
なお、ここで条件は、「消費電力<残存電力」ではなく、少し余裕を待たせた、または消費電力の誤差を考慮した「消費電力+α(αは正の定数)<残存電力」等であっても良い。
【0119】
(ステップS507)決定部137は、非推奨情報を取得する。上位処理にリターンする。
【0120】
(ステップS508)決定部137は、推奨情報を取得する。上位処理にリターンする。
【0121】
以下、本実施の形態における移動支援システムAを構成する移動支援装置1の具体的な動作例について説明する。
【0122】
今、ユーザAの移動体Bが有する移動支援装置1の記憶部11には、
図6に示すレコメンド情報管理表が格納されている。レコメンド情報管理表とは、レコメンド条件に対応するレコメンド情報を管理する表である。レコメンド情報管理表は、「ID」「種類情報」「レコメンド条件」「レコメンド情報」を有する1以上のレコードを管理する。「レコメンド条件」は、「SOC情報(S)」「環境情報」「外部情報」を有する。「環境情報」は「天気」「気温」「時間帯」を有する。「外部情報」は「切迫情報」「蓄電情報」を有する。「レコメンド情報」は、ここでは、推奨情報、または非推奨情報を採り得る。推奨情報は、例えば、『XXm先に「充電レーン」があります。容量は十分ありますので、充電レーンへの進入は控えて下さい。』である。また、非推奨情報は、例えば、『XXm先に「充電レーン」があります。目的地までに要する電力は十分ありますので、充電レーンへの進入は控えて下さい。』である。
【0123】
図6の「ID=1」のレコードは、移動体Bの種類情報に関わらず、レコメンド条件が同じ場合である。「ID=1」のレコードは、SOC情報に基づいたレコメンド条件を有する。
【0124】
図6の「ID=2」のレコードは、移動体Bの種類情報が「BEV」である場合と「HC」である場合とで、レコメンド条件が異なる場合である。「ID=2」のレコードは、SOC情報、環境情報、および外部情報に基づいたレコメンド条件を有する。
【0125】
「ID=2」のレコードの種類情報「BEV」に対応する最初の行のレコメンド条件は「SOC情報<=80% AND 天気=雨」である。「ID=2」のレコードの種類情報「BEV」に対応する2行目のレコメンド条件は「SOC情報<=80% AND 切迫情報=ON」である。なお、「切迫情報=ON」は、切迫していることを示す情報である。「ID=2」のレコードの種類情報「BEV」に対応する3行目のレコメンド条件は「SOC情報<=80% AND 蓄電情報>=閾値」である。「ID=2」のレコードの種類情報「HC」に対応する最初の行のレコメンド条件は「SOC情報<=90% AND 天気=雨 AND 気温<=30度 時間帯=9:00-18:00」である。さらに、「ID=2」のレコードの種類情報「HC」に対応する2行目のレコメンド条件は「SOC情報<=90% AND 蓄銭情報>=閾値」である。
【0126】
なお、移動支援装置1の記憶部11には、その移動体Bの種類情報が格納されている、とする。
【0127】
また、記憶部11には、検知条件「移動体Bが移動する経路上であり、現在位置を示す位置情報から50m以内であること」が格納されている、とする。
【0128】
また、移動支援装置1は、ナビゲーション機能を有する、とする。そして、移動支援装置1の記憶部11には、ユーザから受け付けた目的地を示す目的地情報が格納されている、とする。また、記憶部11には、現在位置の位置情報と目的地情報とが示す経路を特定する経路情報が格納されている、とする。
【0129】
さらに、記憶部11には、ユーザが選択したレコメンド条件「ID=1」が格納されている、とする。
【0130】
かかる状況において、ユーザAは、移動体Bでドライブを開始した、とする。なお、移動支援装置1が有するナビゲーション機能は動作しており、移動支援装置1のディスプレイには、地図情報や現在位置が表示されている、とする。
【0131】
移動支援装置1の検知部131は、記憶部11から検知条件を取得する。そして、検知部131は、移動体Bの移動中に、継続して、記憶部11の地図情報を参照し、経路情報が示す経路上であり、現在の位置情報から50m以内の地点に充電レーンCを検知する処理を行い、ようやく充電レーンCを検知した、とする。
【0132】
次に、SOC取得部135は、バッテリー2のSOC情報(ここでは、「充電率=65%」)を取得した、とする。
【0133】
次に、決定部137は、
図6の「ID=1」のレコメンド条件を参照し、「充電率=65%」に対応する条件「消費電力<残存電力」を取得する。
【0134】
次に、SOC取得部135は、「充電率=65%」と記憶部11の充電率が100%の時の電力とから、残存電力(RP)を取得した、とする。
【0135】
また、算出部136は、現在の位置情報と目的地情報との距離を算出する。次に、算出部136は、当該距離を用いて消費電力(CP)を算出する。
【0136】
次に、決定部137は、「CP<RP」である、と判断した、とする。次に、決定部137は、
図6の「ID=1」の2行目のレコメンド条件に合致する、と判断する。そして、
図6の「ID=1」の2行目のレコメンド条件と対になるレコメンド情報「非推奨情報」を取得する。次に、決定部137は、記憶部11の非推奨情報の元になる情報『XXm先に「充電レーン」があります。目的地までに要する電力は十分ありますので、充電レーンへの進入は控えて下さい。』を取得し、「XX」に「50」を代入し、非推奨情報を構成する。
【0137】
次に、出力部14は、取得された非推奨情報であるレコメンド情報を、ナビゲーションの画面に出力する。かかる画面例は、
図7である。
図7の70は、移動支援装置1のディスプレイである。71は目的地であり、72は非推奨情報の表示例であり、73は充電レーンCであり、74は現在地であり、75は現在地から充電レーンCの地点までに走行すべきレーンを示す。
【0138】
以上、本具体例において、移動支援装置1は、SOC情報を用いて、適切に非推奨情報をユーザに提示できる。かかることにより、バッテリーの劣化を早める充電を抑制することができ、過度な利用による充電レーンCの混雑を防ぐことができる。
【0139】
なお、本具体例において、SOC取得部135が取得したSOC情報が「充電率=85%」であった、とする。すると、決定部137は、
図6の「ID=1」の最初の行のレコメンド条件に合致することを検知する。そして、決定部137は、非推奨情報を取得する。次に、出力部14は、取得された非推奨情報であるレコメンド情報を、ナビゲーションの画面に出力する。かかる画面例は、
図8である。
図8の80は、移動支援装置1のディスプレイである。81は目的地であり、82は非推奨情報の表示例であり、83は充電レーンCであり、84は現在地であり、85は現在地から充電レーンCの地点までに走行すべきレーンを示す。
【0140】
また、本具体例において、SOC取得部135が取得したSOC情報が「充電率=15%」であった、とする。すると、決定部137は、
図6の「ID=1」の3行目のレコメンド条件に合致することを検知する。そして、決定部137は、3行目のレコメンド条件と対になる推奨情報を取得する。次に、出力部14は、取得された推奨情報であるレコメンド情報を、ナビゲーションの画面に出力する。かかる画面例は、
図9である。
図9の90は、移動支援装置1のディスプレイである。91は目的地であり、92は推奨情報の表示例であり、93は充電レーンCであり、94は現在地であり、95は現在地から充電レーンCまでの経路を示す。
【0141】
以上、本実施の形態によれば、移動体のバッテリーの劣化を防ぎつつ、適切に充電レーンを利用できる。
【0142】
また、本実施の形態によれば、移動体のバッテリーの劣化を防ぐために、非推奨情報を出力できる。
【0143】
また、本実施の形態によれば、適切な推奨情報を出力できる。
【0144】
さらに、本実施の形態によれば、移動体の種類に応じた適切なレコメンド条件を使用することにより、より適切に充電レーンを利用できる。
【0145】
なお、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD-ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における移動支援装置1を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、バッテリーを搭載した移動体に搭載されたコンピュータを、前記移動体が移動する経路上または経路の周辺に、当該移動体が通過することで当該移動体に送電することが可能な充電レーンが存在することを検知する検知部と、前記移動体のバッテリーの充電状態を示すSOC情報を取得するSOC取得部と、前記検知部が前記充電レーンの存在を検知した場合に、前記SOC情報に基いて、前記充電レーンの利用の推奨または非推奨を示すレコメンド情報を決定する決定部と、前記レコメンド情報を出力する出力部として機能させるためのプログラムである。
【0146】
また、
図10は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した種々の実施の形態の移動支援装置1等を実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。
図10は、このコンピュータシステム300の概観図であり、
図11は、システム300のブロック図である。
【0147】
図10において、コンピュータシステム300は、CD-ROMドライブを含むコンピュータ301と、キーボード302と、マウス303と、モニタ304とを含む。
【0148】
図11において、コンピュータ301は、CD-ROMドライブ3012に加えて、MPU3013と、CD-ROMドライブ3012等に接続されたバス3014と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM3015と、MPU3013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM3016と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク3017とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ301は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
【0149】
コンピュータシステム300に、上述した実施の形態の移動支援装置1等の機能を実行させるプログラムは、CD-ROM3101に記憶されて、CD-ROMドライブ3012に挿入され、さらにハードディスク3017に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ301に送信され、ハードディスク3017に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM3016にロードされる。プログラムは、CD-ROM3101またはネットワークから直接、ロードされても良い。
【0150】
プログラムは、コンピュータ301に、上述した実施の形態の移動支援装置1等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム300がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0151】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0152】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0153】
また、上記各実施の形態において、各処理は、単一の装置によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0154】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0155】
以上のように、本発明にかかる移動支援装置1は、移動体のバッテリーの劣化を防ぎつつ、適切に充電レーンを利用できるという効果を有し、ナビゲーション端末等として有用である。
【符号の説明】
【0156】
1 移動支援装置
11 記憶部
12 位置情報取得部
13 制御部
14 出力部
131 検知部
132 環境取得部
133 外部取得部
134 目的地取得部
135 SOC取得部
136 算出部
137 決定部