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特開2024-38615おにぎり食味情報提供装置及びおにぎり食味情報提供システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038615
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】おにぎり食味情報提供装置及びおにぎり食味情報提供システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20240313BHJP
   G06Q 30/0241 20230101ALI20240313BHJP
   G01N 33/10 20060101ALI20240313BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06Q30/02 380
G01N33/10
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142747
(22)【出願日】2022-09-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】307024967
【氏名又は名称】佐藤 順彦
(74)【代理人】
【識別番号】110003421
【氏名又は名称】弁理士法人フィールズ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 順彦
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】店舗で販売されるおにぎりの食味に関する情報を提供しておにぎりの販売促進に寄与する新規なおにぎり食味情報提供装置を提供する。
【解決手段】店舗で販売される複数種類のおにぎりの食味を評価するおにぎり食味情報提供装置は、複数種類のおにぎりそれぞれに使用される米についての食味分析計により測定された食味値を取得する第1データ格納部と、ユーザが店舗で購入した複数種類のおにぎりそれぞれについての当該ユーザの官能評価による食味に関する評価値であるユーザ評価情報を取得する第2データ格納部と、複数種類のおにぎりそれぞれに対応する食味値とユーザ評価情報とを関連付けた図表情報を生成する図表情報生成部と、複数種類のおにぎりそれぞれの図表情報を、通信ネットワークを介して接続する端末装置に送信して表示させる制御部とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗で販売される複数種類のおにぎりの食味を評価するおにぎり食味情報提供装置において、
前記複数種類のおにぎりそれぞれに使用される米についての食味分析計により測定された食味値を取得する第1データ格納部と、
ユーザが前記店舗で購入した前記複数種類のおにぎりそれぞれについての当該ユーザの官能評価による食味に関する評価値であるユーザ評価情報を取得する第2データ格納部と、
前記複数種類のおにぎりそれぞれに対応する前記食味値と前記ユーザ評価情報とを関連付けた図表情報を生成する図表情報生成部と、
前記複数種類のおにぎりそれぞれの前記図表情報を、通信ネットワークを介して接続する端末装置に送信して表示させる制御部とを備えることを特徴とするおにぎり食味情報提供装置。
【請求項2】
前記食味分析計は、炊飯される前の乾燥米の食味値を測定し、さらに、炊飯された米の食味値も測定し、
前記食味値は、当該炊飯される前の乾燥米の食味値と、当該炊飯された米の食味値の両方を含むことを特徴とする請求項1に記載のおにぎり食味情報提供装置。
【請求項3】
前記図表情報は、前記複数種類のおにぎりの前記食味値と前記ユーザ評価情報を座標軸上にプロットした座標情報又はマップ情報であることを特徴とする請求項2に記載のおにぎり食味情報提供装置。
【請求項4】
前記ユーザ評価情報は、前記ユーザが操作する前記端末装置に入力され、
前記第2データ格納部は、前記端末装置に入力された前記ユーザ評価情報を通信ネットワークを介して取得することを特徴とする請求項3に記載のおにぎり食味情報提供装置。
【請求項5】
前記ユーザが購入したおにぎりに対する前記店舗で発行されたレシートに表示される所定コード情報を前記端末装置に読み取らせる操作に基づいて、前記制御部は、前記端末装置からの送信要求を受け付け、前記端末装置に、前記ユーザが購入したおにぎりに対応する前記ユーザ評価情報を入力するための入力画面情報を送信して表示させ、
前記入力画面情報が表示された前記端末装置に対する入力操作に基づいて、前記第2データ格納部は、前記ユーザ評価情報を取得することを特徴とする請求項3に記載のおにぎり食味情報提供装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記ユーザ評価情報を前記端末装置から取得すると、ポイントデータを付与することを特徴とする請求項4又は5に記載のおにぎり食味情報提供装置。
【請求項7】
前記第1データ格納部は、前記複数種類のおにぎりそれぞれに用いる米の品種、産地、栽培条件を含む米に関する情報を記憶し、
前記制御部は、前記図表情報とともに、前記米に関する情報を前記端末装置に表示可能とすることを特徴とする請求項6に記載のおにぎり食味情報提供装置。
【請求項8】
サーバ装置と端末装置を有して構成される、店舗で販売される複数種類のおにぎりの食味を評価するおにぎり食味情報提供システムにおいて、
前記サーバ装置は、
前記複数種類のおにぎりそれぞれに使用される米についての食味分析計により測定された食味値を取得する第1データ格納部と、
ユーザが前記店舗で購入した前記複数種類のおにぎりそれぞれについての当該ユーザの官能評価による食味に関する評価値であるユーザ評価情報を取得する第2データ格納部と、
前記複数種類のおにぎりそれぞれに対応する前記食味値と前記ユーザ評価情報とを関連付けた図表情報を生成する図表情報生成部と、
前記複数種類のおにぎりそれぞれの前記図表情報を、通信ネットワークを介して接続する端末装置に送信して表示させるサーバ制御部とを備え、
前記端末装置は、
前記図表情報、及び前記ユーザ評価情報を入力するための入力画面情報を表示する表示部と、
前記入力画面情報からユーザによって入力された前記ユーザ評価情報を前記サーバ装置に送信する端末制御部とを備えることを特徴とするおにぎり食味情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗で販売されるおにぎりについて、機械的な測定装置である食味分析計で測定した食味と、ユーザの官能評価に基づく食味の両方を比較可能とするおにぎり食味情報提供装置及びおにぎり食味情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、炊飯米の食味測定方法であって、炊飯米を溶媒中で撹拌し、可溶性固形分量を測定する手法について開示する。特許文献2乃至13は、米の食味測定装置又は食味測定方法であって、米に照射した近赤外線の吸光度を利用して米の食味値を演算により求める手法について開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-185606号公報
【特許文献2】特開平1-54253号公報
【特許文献3】特開平1-13456号公報
【特許文献4】特開平1-6746号公報
【特許文献5】特開昭63-241338号公報
【特許文献6】特開昭63-217254号公報
【特許文献7】特開昭63-210750号公報
【特許文献8】特開昭63-188743号公報
【特許文献9】特開昭63-67547号公報
【特許文献10】特開昭63-58161号公報
【特許文献11】特開昭63-11841号公報
【特許文献12】特開昭62-299743号公報
【特許文献13】特開昭62-291546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
おにぎりは、炊飯した米(ご飯)を、三角形や球状等に加工成型した食べ物であって、古くから食されてきたとともに、現代においても、日常的に身近にある食べ物である。そして、おにぎりは、コンビニエンスストアやスーバーマーケットなどの食料品を取り扱う店舗や、惣菜店や飲食店など幅広い店舗で販売されており、さらに、近年では、おにぎりの具や素材、米の品質などに特徴を際立たせた(こだわりを有する)おにぎり販売専用店舗なども現れ、多種多様なおにぎり商品が存在する。
【0005】
また、おにぎりの味(食味)や品質等に対する消費者の要求も高く、おにぎり製造・販売業者は、自社の製造・販売するおにぎりを他商品との差別化を図る必要がある。
【0006】
本願発明者は、自社製造・販売のおにぎりを消費者(ユーザ)にアピールし、その販売を促進するための研究・開発を進め、今般、新規なおにぎり食味情報提供装置及びおにぎり食味情報提供システムの開発に至った。
【0007】
そこで、本発明の目的は、店舗で販売されるおにぎりの食味に関する情報を提供しておにぎりの販売促進に寄与する新規なおにぎり食味情報提供装置及びおにぎり食味情報提供システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明のおにぎり食味情報提供装置は、店舗で販売される複数種類のおにぎりの食味を評価するおにぎり食味情報提供装置において、前記複数種類のおにぎりそれぞれに使用される米についての食味分析計により測定された食味値を取得する第1データ格納部と、ユーザが前記店舗で購入した前記複数種類のおにぎりそれぞれについての当該ユーザの官能評価による食味に関する評価値であるユーザ評価情報を取得する第2データ格納部と、前記複数種類のおにぎりそれぞれに対応する前記食味値と前記ユーザ評価情報とを関連付けた図表情報を生成する図表情報生成部と、前記複数種類のおにぎりそれぞれの前記図表情報を、通信ネットワークを介して接続する端末装置に送信して表示させる制御部とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明のおにぎり食味情報提供システムは、サーバ装置と端末装置を有して構成される、店舗で販売される複数種類のおにぎりの食味を評価するおにぎり食味情報提供システムにおいて、前記サーバ装置は、前記複数種類のおにぎりそれぞれに使用される米についての食味分析計により測定された食味値を取得する第1データ格納部と、ユーザが前記店舗で購入した前記複数種類のおにぎりそれぞれについての当該ユーザの官能評価による食味に関する評価値であるユーザ評価情報を取得する第2データ格納部と、前記複数種類のおにぎりそれぞれに対応する前記食味値と前記ユーザ評価情報とを関連付けた図表情報を生成する図表情報生成部と、前記複数種類のおにぎりそれぞれの前記図表情報を、通信ネットワークを介して接続する端末装置に送信して表示させるサーバ制御部とを備え、前記端末装置は、前記図表情報、及び前記入力画面情報を表示する表示部と、前記入力画面情報からユーザによって入力された前記ユーザ評価情報を前記サーバ装置に送信する端末制御部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、店舗で販売されるおにぎりの食味に関する情報を図表情報として視覚的に分かりやすく提供し、おにぎりの販売促進に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態におけるおにぎり食味情報提供システムの構成例を示す図である。
図2】サーバ装置10の第1データ格納部11に格納される食味値データベース11aのデータ例を示す図である。
図3】サーバ装置10の第2データ格納部12に格納されるユーザ評価情報データベース12aのデータ例を示す図である。
図4】サーバ装置10で生成され且つ端末装置20に表示される図表情報のデータ例を示す図である。
図5】サーバ装置10で生成され且つ端末装置20に表示される図表情報の別のデータ例を示す図である。
図6】本発明の実施の形態におけるおにぎり食味情報提供システムにおけるサーバ装置10と端末装置20の処理フローを示す図である。
図7】評価入力画面の例を示す図である。
図8】ユーザデータベースの例を示す図である。
図9】本発明の実施の形態におけるおにぎり食味情報提供システムにおける食味値データとユーザ評価情報を関連付けた図表情報の表示処理のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明の実施の形態について、具体的な図に基づいて説明する。
【0013】
おにぎりは、炊飯した米(ご飯)を所定形状に成型したシンプルな食品であるが、その食味は、材料としての米自体の食味や、炊飯条件、冷めた状態の食味、塩加減や具との相性などさまざまな要素に基づいて多角的に評価する必要があり、本発明では、機械的な測定装置である食味分析計での測定により科学的に求められる食味値と、おにぎりを実際に食したユーザ(消費者)の官能的な評価から得られる食味情報の両方を同時に表示することで、おにぎりを購入するユーザに有益な情報を提供する。
【0014】
本発明の実施の形態では、さまざまな種類(品種、産地、生産者など)の米から製造されたおにぎりの食味について、既存の食味分析計により定量的に測定された食味値の情報(食味値情報)と、そのおにぎりを食した人(ユーザ)の主観的な食味に関する評価値(ユーザ評価情報)の両方を収集し、その食味値情報とユーザ評価情報とを関連付けた図表情報を生成し、その図表情報をユーザに表示可能にして提供する食味情報提供システムが提案される。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態におけるおにぎり食味情報提供システムの構成例を示す図である。店舗で販売される複数種類のおにぎりの食味を評価するおにぎり食味情報提供システム1は、通信ネットワーク上のサーバ装置(おにぎり食味情報提供装置)10と、通信ネットワークを介して当該サーバ装置10と通信可能に接続する複数の端末装置20とを備えて構成されるコンピュータシステムである。通信ネットワークは、インターネットや携帯電話通信網などの商用通信回線である。
【0016】
サーバ装置(おにぎり食味情報提供装置)10は、本実施の形態における表示処理を実行するためのコンピュータプログラムや各種データを格納する記憶装置、コンピュータプログラムを実行する演算装置(CPU)などを備える汎用コンピュータ装置であり、端末装置20はパーソナルコンピュータや携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末などユーザが個々に保有する表示画面(ディスプレイ)を備えたコンピュータ装置である。
【0017】
サーバ装置(おにぎり食味情報提供装置)10は、食味分析計により測定された複数種類のおにぎりそれぞれに使用される米の食味値データを取得し記憶する第1データ格納部11と、ユーザが店舗で購入した複数種類のおにぎりそれぞれの食味についてのユーザ評価情報を取得し記憶する第2データ格納部12と、複数種類のおにぎりそれぞれに対応する食味値とユーザ評価情報とを関連付けた図表情報を生成する図表情報生成部13と、複数種類のおにぎりそれぞれの図表情報及びユーザ評価情報を入力するための入力画面情報を通信ネットワークを介して接続する端末装置に送信して表示させる処理を含む各種制御を実行する制御部14とを備える。制御部14は、コンピュータプログラムを実行する演算装置(CPU)などにより実現される。第1データ格納部11は、食味値データを記憶する食味値データベース11aを有し、第2データ格納部12は、ユーザ評価情報データを記憶するユーザ評価情報データベース12aを有する。
【0018】
端末装置20は、受信した図表情報及び入力画面情報等を表示する表示部(ディスプレイ)21と、サーバ装置10と通信を行い、入力画面情報からユーザによって入力されたユーザ評価情報をサーバ装置に送信する処理、及びサーバ装置10から図表情報を受信する処理を含む各種制御を実行する制御部22とを備える。制御部22は、コンピュータプログラムを実行する演算装置(CPU)などにより実現される。
【0019】
サーバ装置10の第1データ格納部11に入力される米の食味値は、市販されている食味分析計(炊飯前の乾燥米の食味を分析する装置の一例として、製品名「米粒食味計」(登録商標)(形式:RLTA10C、株式会社サタケ製))を用いて測定される。食味分析計は、炊飯前の米を食味分析計の投入口に投入すると、米粒に含まれる水分、タンパク質、アミロース、脂肪酸度を測定し、さらに、その測定値から所定の計算式に基づいた食味値(100点満点)を演算する。店舗で販売されるおにぎりに使用される複数種類の米について、食味分析計により食味値を測定し、あらかじめサーバ装置10の第1データ格納部11に入力され、取得される。
【0020】
さらに、別の食味分析計として、炊飯後の米(ご飯)の食味を分析する食味分析計が追加的に用いられてもよい。炊飯後の米(ご飯)の食味を分析する装置の一例として、製品名「炊飯食味計」(登録商標)(形式:STA1B、株式会社サタケ製)を用いて測定される。炊飯後の米の食味を分析する食味分析計は、炊飯された米の外観、硬さ、粘りなどの官能評価項目について機械的に測定するものであって、さらに、その測定値から所定の計算式に基づいた食味値(100点満点)を演算する。
【0021】
図2は、サーバ装置10の第1データ格納部11に格納される食味値データベース11aのデータ例を示す図である。食味値データベース11aは、販売されるおにぎりの種類について識別符号(おにぎりID)を付し、おにぎりIDごとに、各おにぎりの食味に関する情報を記憶・登録する。具体的には、食味に関する情報は、食味分析計により測定された食味値と、おにぎりの米に関する情報を含み、少なくとも以下の項目が登録される。
・食味分析計により測定された食味値(炊飯前の乾燥米の食味値、炊飯された米の食味値)
・品種(例えば、ひとめぼれ、コシヒカリ、ササニシキ、あきたこまち、つや姫など)
・産地(宮城県石巻市産、宮城県仙台市産、新潟県魚沼市産など)
・減農薬の度合い(無農薬、1/2減農薬、減農薬なし)
・化学肥料の使用度合い(化学肥料なし、化学肥料あり)
・土質(砂、粘土、泥炭、火山灰など)
図2に示されないが、さらに、販売店舗名、販売店舗の住所、米の生産者名、上記の農薬、化学肥料、土質以外の他の栽培条件に関する特記事項を登録することもできる。
【0022】
米の品種、産地、栽培条件(農薬、化学肥料、土質など)を含む米に関する情報は、食味に関連する情報であり、第1データ格納部11に一体的に登録されることが好ましいが、第1データ格納部11に限らず、第2データ格納部12やアクセス可能な別のデータ格納手段に登録されてよい。
【0023】
サーバ装置10の第2データ格納部12に入力されるユーザ評価情報は、店舗で販売されるおにぎりを購入して食したユーザのその食味に関する主観的な官能評価値であって、例えば5段階(5点満点1点刻み)または10段階評価(10点満点1点刻み)の数値で表される。評価値は、ユーザの端末装置20から入力され、通信ネットワークを介してサーバ装置10の第2データ格納部12によって受信され、取得される。
【0024】
図3は、サーバ装置10の第2データ格納部12に格納されるユーザ評価情報データベース12aのデータ例を示す図である。ユーザ評価情報データベース12aは、販売されるおにぎりの種類について識別符号(おにぎりID)を付し、おにぎりIDごとに、各おにぎりの評価値を記憶・登録する。具体的には、少なくとも以下の項目が登録される。
・評価値ごとの人数(5段階評価の場合は、各点数の人数)
・平均値(加重平均)
・販売個数(販売された各おにぎりの数量に対するユーザからの評価値入力がフィードバックされた割合を判定するため)
【0025】
サーバ装置10の図表情報生成部13は、おにぎりの種類ごとに図2で示した食味値の情報と図3に示されたユーザ評価情報のデータを関連付けた図表情報を生成する。そして、サーバ装置10の制御部14は、図4又は図5で示す図表情報を端末装置20に送信し、その図表情報を端末装置20の表示部21に表示させる。なお、図表情報生成部13は、制御部14の一機能として表されてもよい。
【0026】
図4は、サーバ装置10で生成され且つ端末装置20に表示される図表情報のデータ例を示す図である。図4に示す図表情報は、二次元座標図であり、横軸に、ユーザ評価情報における評価値の平均値、縦軸に、炊飯前の乾燥米の食味値(食味分析計により測定された値)をプロットした図表である。各おにぎりの食味について、機械的に測定された食味値(乾燥米)と、その米をおにぎりとして食したユーザの官能評価の値とが関連付けられて対比可能に一覧表示される。なお、例えば、おにぎりIDが表示されている部分を、クリック操作又はタップ操作することで、そのおにぎりIDに対応するおにぎりの情報(上記食味値データベース11aに登録される情報)が別ウィンドウ又はポップアップ画面として表示されてよい。また、図4でのおにぎりIDの表示は、店舗での実際の商品名であることを表す。座標情報に限られず、他の表示形態を用いたマップ情報として表示されてよい。
【0027】
図5は、サーバ装置10で生成され且つ端末装置20に表示される図表情報の別のデータ例を示す図である。図5に示す図表情報は、三次元座標図であり、平面座標におけるX軸に、炊飯前の乾燥米の食味値(食味分析計により測定された値)、平面座標におけるY軸に、炊飯された米(ご飯)の食味値(食味分析計により測定された値)、さらに、縦方向のZ軸に、ユーザ評価情報における評価値の平均値をプロットした図表である。各おにぎりの食味について、機械的に測定された食味値(炊飯前の乾燥米と炊飯された米の両方)と、その米をおにぎりとして食したユーザの官能評価の値とが関連付けられて対比可能に一覧表示される。図5の図表情報では、炊飯前の乾燥米と炊飯された米の機械測定値も対比することができ、炊飯前から炊飯後における米の食味値を変化も知ることができる。なお、図4の場合と同様に、例えば、おにぎりIDが表示されている部分を、クリック操作又はタップ操作することで、そのおにぎりIDに対応するおにぎりの情報(上記食味値データベース11aに登録される情報)が別ウィンドウ又はポップアップ画面として表示されてよい。また、図5でのおにぎりIDの表示は、店舗での実際の商品名であることを表す。座標情報に限られず、他の表示形態を用いたマップ情報として表示されてよい。
【0028】
図4及び図5に示すように、おにぎりの食味について、視覚的にわかりやすい図表情報を表示することにより、ユーザによる閲覧を促し、おにぎりに対する広告効果を高め、おにぎりの販売促進につなげることができる。
【0029】
図6は、本発明の実施の形態におけるおにぎり食味情報提供システムにおけるユーザ評価情報の登録処理のフローチャートを示す図である。本処理は、サーバ装置10の制御部14及び端末装置20の制御部22により実行される。
【0030】
ユーザが店舗でおにぎりを購入し、その食味についての評価を送信するために、ユーザは端末20を操作して、サーバ装置10にアクセスして、評価入力画面の送信要求を行い(S100)、サーバ装置10は、それに対して評価入力画面データを送信し(S200)、端末装置20に評価入力画面を表示させる(S102)。例えば、おにぎりの購入の際に受け取るレシート紙には、サーバ装置10にアクセスするためのコード情報(バーコードや二次元コードなど)が印刷されており、端末20のカメラ機能でそのコードを撮像することで、端末装置20はサーバ装置10にアクセスし(評価入力画面の送信を要求し)、サーバ装置10から送信される評価入力画面を表示する。購入確認の観点から、実際に購入したおにぎりに対する評価情報を入力するため、サーバ装置10は、コード情報に含まれる購入商品情報に応じて購入した商品に対応する評価入力画面を生成し、送信する。
【0031】
図7は、評価入力画面の例を示す図である。評価入力画面は、購入したおにぎり専用のユーザ評価情報入力画面であり、評価値を5段階で入力する場合は、図示のように、1-5の数値のいずれか選択可能な操作画面であって、入力後に、送信ボタンを操作することで、ユーザ評価情報がサーバ10に送信される。
【0032】
端末装置20は、ユーザ操作によりユーザ評価情報の入力を受け付け(S104)、入力されたユーザ評価情報をサーバ装置10に送信する(S106)。
【0033】
サーバ装置10は、ユーザ評価情報を受信すると、受信したユーザ評価情報をユーザ評価情報データベース12aに格納し(S202)、さらに、そのユーザ評価情報を送信したユーザにポイントデータを発行し(S204)、ユーザデータベースに登録する。
【0034】
図8は、ユーザデータベースの例を示す図であり、あるユーザAのポイントデータ獲得及び利用の履歴を管理するデータを例示する。ユーザデータベースに関する処理は、サーバ装置10の制御部14により実行される。
【0035】
購入したおにぎり1個に対するユーザ評価情報を送信するごとに、例えば1ポイント付与され、積算された合計ポイントのデータが更新される。例えば、合計ポイントが10ポイントに達すると、クーポンデータが発行され、ユーザAに電子メールにて送信される。クーポンデータは、例えば、おにぎり1個を無料で購入できる優待券であり、ユーザAの端末装置20にそのクーポンデータをコード情報(バーコードなど)として表示させ、店舗がそのクーポンデータを読み取ることで利用することができる。おにぎりの購入に応じたポイントデータを付与することにより、ユーザに対して継続したおにぎりの購入を促すことができる。
【0036】
図9は、本発明の実施の形態におけるおにぎり食味情報提供システムにおける食味値データとユーザ評価情報を関連付けた図表情報の表示処理のフローチャートを示す図である。本処理は、サーバ装置10の制御部14及び端末装置20の制御部22により実行される。端末装置20は、サーバ装置10に対して図表情報のデータ送信を要求する(S300)。サーバ装置10の図表情報生成部13は、当該要求に対して、図2の食味値データベース及び図3のユーザ評価情報データベースに基づいて、図4又は図5に例示する図表情報を作成し(S400)、端末装置20に送信する。端末装置20は、受信した図表情報を表示する(S302)。
【0037】
以上に説明したように、本発明のおにぎり食味情報提供システムによれば、食味分析計のような機械で測定された食味値と、ユーザの官能的なユーザ評価情報を比較可能にした図表情報を同時に表示することで、品種、産地などが異なるさまざま米から作られたおにぎりを多角的に評価して選択することができる。
【0038】
なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る、各種変形、修正を含む、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0039】
1:おにぎり食味情報提供システム、10:サーバ装置(おにぎり食味情報提供装置)、11:第1データ格納部、11a:食味値データベース、12:第2データ格納部、12a:ユーザ評価情報データベース、13:図表情報生成部、14:制御部(サーバ制御部)、20:端末装置、21:表示部、22:制御部(端末制御部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2022-10-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗で販売される複数種類のおにぎりの食味を評価するおにぎり食味情報提供装置において、
前記複数種類のおにぎりそれぞれに使用される米についての食味分析計により測定された食味値を取得する第1データ格納部と、
ユーザが前記店舗で購入した前記複数種類のおにぎりそれぞれについての当該ユーザの官能評価による食味に関する評価値であるユーザ評価情報を取得する第2データ格納部と、
前記複数種類のおにぎりそれぞれに対応する前記食味値と前記ユーザ評価情報とを関連付けた図表情報を生成する図表情報生成部と、
前記複数種類のおにぎりそれぞれの前記図表情報を、通信ネットワークを介して接続する端末装置に送信して表示させる制御部とを備え
前記食味分析計は、炊飯される前の乾燥米の食味値を測定し、さらに、炊飯された米の食味値も測定し、
前記食味値は、当該炊飯される前の乾燥米の食味値と、当該炊飯された米の食味値の両方を含み、
前記図表情報は、前記複数種類のおにぎりの前記食味値と前記ユーザ評価情報を座標軸上にプロットした座標情報又はマップ情報であることを特徴とするおにぎり食味情報提供装置。
【請求項2】
前記ユーザ評価情報は、前記ユーザが操作する前記端末装置に入力され、
前記第2データ格納部は、前記端末装置に入力された前記ユーザ評価情報を通信ネットワークを介して取得することを特徴とする請求項に記載のおにぎり食味情報提供装置。
【請求項3】
前記ユーザが購入したおにぎりに対する前記店舗で発行されたレシートに表示される所定コード情報を前記端末装置に読み取らせる操作に基づいて、前記制御部は、前記端末装置からの送信要求を受け付け、前記端末装置に、前記ユーザが購入したおにぎりに対応する前記ユーザ評価情報を入力するための入力画面情報を送信して表示させ、
前記入力画面情報が表示された前記端末装置に対する入力操作に基づいて、前記第2データ格納部は、前記ユーザ評価情報を取得することを特徴とする請求項に記載のおにぎり食味情報提供装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記ユーザ評価情報を前記端末装置から取得すると、ポイントデータを付与することを特徴とする請求項2又は3に記載のおにぎり食味情報提供装置。
【請求項5】
前記第1データ格納部は、前記複数種類のおにぎりそれぞれに用いる米の品種、産地、栽培条件を含む米に関する情報を記憶し、
前記制御部は、前記図表情報とともに、前記米に関する情報を前記端末装置に表示可能とすることを特徴とする請求項に記載のおにぎり食味情報提供装置。
【請求項6】
サーバ装置と端末装置を有して構成される、店舗で販売される複数種類のおにぎりの食味を評価するおにぎり食味情報提供システムにおいて、
前記サーバ装置は、
前記複数種類のおにぎりそれぞれに使用される米についての食味分析計により測定された食味値を取得する第1データ格納部と、
ユーザが前記店舗で購入した前記複数種類のおにぎりそれぞれについての当該ユーザの官能評価による食味に関する評価値であるユーザ評価情報を取得する第2データ格納部と、
前記複数種類のおにぎりそれぞれに対応する前記食味値と前記ユーザ評価情報とを関連付けた図表情報を生成する図表情報生成部と、
前記複数種類のおにぎりそれぞれの前記図表情報を、通信ネットワークを介して接続する端末装置に送信して表示させるサーバ制御部とを備え、
前記端末装置は、
前記図表情報、及び前記ユーザ評価情報を入力するための入力画面情報を表示する表示部と、
前記入力画面情報からユーザによって入力された前記ユーザ評価情報を前記サーバ装置に送信する端末制御部とを備え、
前記食味分析計は、炊飯される前の乾燥米の食味値を測定し、さらに、炊飯された米の食味値も測定し、
前記食味値は、当該炊飯される前の乾燥米の食味値と、当該炊飯された米の食味値の両方を含み、
前記図表情報は、前記複数種類のおにぎりの前記食味値と前記ユーザ評価情報を座標軸上にプロットした座標情報又はマップ情報であることを特徴とするおにぎり食味情報提供システム。