IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 松田 明の特許一覧

<>
  • 特開-支柱の建柱方法 図1
  • 特開-支柱の建柱方法 図2
  • 特開-支柱の建柱方法 図3
  • 特開-支柱の建柱方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038685
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】支柱の建柱方法
(51)【国際特許分類】
   E21B 7/00 20060101AFI20240313BHJP
【FI】
E21B7/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142896
(22)【出願日】2022-09-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-04
(71)【出願人】
【識別番号】503220004
【氏名又は名称】松田 明
(74)【代理人】
【識別番号】100095359
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 篤
(72)【発明者】
【氏名】松田 明
【テーマコード(参考)】
2D129
【Fターム(参考)】
2D129AA10
2D129AB17
2D129BB04
2D129EA04
2D129EA09
(57)【要約】
【課題】粘性質層を有する地中であっても容易に支柱を立てることが可能な支柱用基礎管埋設装置および支柱の建柱方法を提供する。
【解決手段】掘削スクリュー12が、基礎管11の内部に挿入可能に設けられている。長さ調整ロッド13が、掘削スクリュー12の後端に1または複数接続されている。接続ロッド14が、掘削スクリュー12の後端に接続されている。オーガ15が、掘削スクリュー12を回転させて地中を掘削可能に、接続ロッド14の後端に取り付けられている。固定部材16が、掘削スクリュー12を基礎管11の内部に挿入し、掘削スクリュー12の先端を基礎管11の先端から突出させた状態または引込めた状態に選択的に配置して、基礎管11を掘削スクリュー12とともに回転させるよう、基礎管11をその後端側で接続ロッド14に着脱可能に固定するようになっている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎管と、
前記基礎管の内部に挿入可能に設けられた掘削スクリューと、
側面に長さ方向に沿って互いに間隔を開けて設けられた複数の固定用穴を有し、前記掘削スクリューの後端側に接続された接続ロッドと、
前記掘削スクリューを回転させて地中を掘削可能に、前記接続ロッドの後端側に取り付けられたオーガと、
前記基礎管の後端部に着脱可能に固定され、各固定用穴に挿入可能に設けられた挿入具を有し、前記掘削スクリューを前記基礎管の内部に挿入し、前記掘削スクリューの先端を前記基礎管の先端から突出させた状態または引込めた状態に選択的に配置して、前記基礎管を前記掘削スクリューとともに回転させるよう、前記挿入具をいずれかの固定用穴に挿入して前記基礎管を後端側で前記接続ロッドに着脱可能に固定する固定部材とを、
有することを特徴とする支柱用基礎管埋設装置。
【請求項2】
前記掘削スクリューと前記接続ロッドとを連結するよう、前記掘削スクリューと前記接続ロッドとの間に設けられた1または複数の長さ調整ロッドを有することを特徴とする請求項1記載の支柱用基礎管埋設装置。
【請求項3】
粘性質層を有する地中への支柱の建柱方法であって、
請求項1または2記載の支柱用基礎管埋設装置を用い、前記掘削スクリューの先端を前記基礎管の先端から引込めた状態で前記オーガにより前記接続ロッドと前記掘削スクリューとを前記掘削スクリューが前進する方向に回転させながら前記接続ロッドを下方に押し込んで前記基礎管を所定の深さまで埋め込み後、前記オーガの回転を停止し、前記固定部材の前記挿入具を前記固定用穴から抜出して前記基礎管と前記接続ロッドとの固定を解除し、固定解除後、前記オーガを前記掘削スクリューが前進する方向に回転させながら前記掘削スクリューを引き上げて前記基礎管から抜き取ることを特徴とする支柱の建柱方法。
【請求項4】
非粘性質層の下層に粘性質層を有する地中への支柱の建柱方法であって、
請求項1または2記載の支柱用基礎管埋設装置を用い、前記非粘性質層では前記掘削スクリューの先端を前記基礎管の先端から突出させた状態で前記オーガにより前記接続ロッドと前記掘削スクリューとを前記掘削スクリューが前進する方向に回転させながら前記接続ロッドを下方に押し込んで前記掘削スクリューにより非粘性質層を掘削し、前記粘性質層では前記掘削スクリューの先端を前記基礎管の先端から引込めた状態で前記オーガにより前記接続ロッドと前記掘削スクリューとを前記掘削スクリューが前進する方向に回転させながら前記接続ロッドを下方に押し込んで前記基礎管を所定の深さまで埋め込み後、前記オーガの回転を停止し、前記固定部材の前記挿入具を前記固定用穴から抜出して前記基礎管と前記接続ロッドとの固定を解除し、固定解除後、前記オーガを前記掘削スクリューが前進する方向に回転させながら前記掘削スクリューを引き上げて前記基礎管から抜き取ることを特徴とする支柱の建柱方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明灯などの支柱を立てるための基礎管を埋設するのに使用される支柱用基礎管埋設装置および支柱の建柱方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、補助鋼管からオーガロッドの回転軸を突出させ、建柱車によりオーガロッドの上端部を回転押圧しながら埋設用丸形鋼管を所定の深さに埋設してからオーガロッドを逆回転して引き抜き、補助鋼管を埋設用丸形鋼管から引き離し、フランジ付き照明灯用支柱のフランジを埋設用丸形鋼管のフランジに合わせて固定することからなる照明灯用支柱の建柱方法が本発明者により開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、基礎用鋼管の内部に挿入可能に設けられた掘削スクリューと、掘削スクリューの後端側に接続された接続ロッドと、掘削スクリューを回転させて地面を掘削可能に、接続ロッドの後端側に取り付けられたオーガと、掘削スクリューを基礎用鋼管の内部に挿入し、掘削スクリューの先端を基礎用鋼管の先端から突出させた状態で、基礎用鋼管を掘削スクリューとともに回転させるよう、基礎用鋼管をその後端側で接続ロッドに着脱可能に固定する固定部材とを有する支柱用基礎管埋設装置が本発明者により開発されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-97890号公報
【特許文献2】実用新案登録第3185621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の照明灯用支柱の建柱方法および特許文献2に記載の支柱用基礎管埋設装置は、非粘性質層の地中への支柱の建柱には効果的であるが、関東ローム層のような粘性質層を有する地中への建柱では、掘削スクリューを回転させても掘削スクリューに粘性質の土が付着して掘削、建柱がしにくいという課題があった。
【0006】
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、粘性質層を有する地中であっても容易に支柱を立てることが可能な支柱用基礎管埋設装置および支柱の建柱方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る支柱用基礎管埋設装置は、基礎管と、前記基礎管の内部に挿入可能に設けられた掘削スクリューと、側面に長さ方向に沿って互いに間隔を開けて設けられた複数の固定用穴を有し、前記掘削スクリューの後端側に接続された接続ロッドと、前記掘削スクリューを回転させて地中を掘削可能に、前記接続ロッドの後端側に取り付けられたオーガと、前記基礎管の後端部に着脱可能に固定され、各固定用穴に挿入可能に設けられた挿入具を有し、前記掘削スクリューを前記基礎管の内部に挿入し、前記掘削スクリューの先端を前記基礎管の先端から突出させた状態または引込めた状態に選択的に配置して、前記基礎管を前記掘削スクリューとともに回転させるよう、前記挿入具をいずれかの固定用穴に挿入して前記基礎管を後端側で前記接続ロッドに着脱可能に固定する固定部材とを、有することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る支柱用基礎管埋設装置は、前記掘削スクリューと前記接続ロッドとを連結するよう、前記掘削スクリューと前記接続ロッドとの間に設けられた1または複数の長さ調整ロッドを有することが好ましい。この場合、掘削スクリューに比べて基礎管がかなり長くなるときなどに、基礎管の長さに応じて、長さ調整ロッドで掘削スクリューからオーガまでの長さを大まかに調整することができる。
【0009】
本発明に係る第1の支柱の建柱方法は、粘性質層を有する地中への支柱の建柱方法であって、前述の支柱用基礎管埋設装置を用い、前記掘削スクリューの先端を前記基礎管の先端から引込めた状態で前記オーガにより前記接続ロッドと前記掘削スクリューとを前記掘削スクリューが前進する方向に回転させながら前記接続ロッドを下方に押し込んで前記基礎管を所定の深さまで埋め込み後、前記オーガの回転を停止し、前記固定部材の前記挿入具を前記固定用穴から抜出して前記基礎管と前記接続ロッドとの固定を解除し、固定解除後、前記オーガを前記掘削スクリューが前進する方向に回転させながら前記掘削スクリューを引き上げて前記基礎管から抜き取ることを特徴とする。
粘性質層では、掘削スクリューを回転させても掘削しにくく基礎管の埋込みが難しいが、基礎管を接続ロッドとともに下方に押し込むことにより基礎管を地中に埋め込むことができる。基礎管と接続ロッドとの固定を解除後は、掘削スクリューを前進する方向に回転させながら引き上げることにより、粘性質層の土を地上に上げることができ、基礎管の埋込みを容易にすることができる。
【0010】
本発明に係る第2の支柱の建柱方法は、非粘性質層の下層に粘性質層を有する地中への支柱の建柱方法であって、前述の支柱用基礎管埋設装置を用い、前記非粘性質層では前記掘削スクリューの先端を前記基礎管の先端から突出させた状態で前記オーガにより前記接続ロッドと前記掘削スクリューとを前記掘削スクリューが前進する方向に回転させながら前記接続ロッドを下方に押し込んで前記掘削スクリューにより非粘性質層を掘削し、前記粘性質層では前記掘削スクリューの先端を前記基礎管の先端から引込めた状態で前記オーガにより前記接続ロッドと前記掘削スクリューとを前記掘削スクリューが前進する方向に回転させながら前記接続ロッドを下方に押し込んで前記基礎管を所定の深さまで埋め込み後、前記オーガの回転を停止し、前記固定部材の前記挿入具を前記固定用穴から抜出して前記基礎管と前記接続ロッドとの固定を解除し、固定解除後、前記オーガを前記掘削スクリューが前進する方向に回転させながら前記掘削スクリューを引き上げて前記基礎管から抜き取ることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る支柱用基礎管埋設装置は、容易に掘削作業を進めるために、掘削スクリューの先端にオーガヘッドが取り付けられていることが好ましい。また、基礎管の先端面に超硬合金製のビットが取り付けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、粘性質層を有する地中であっても容易に支柱を立てることが可能な支柱用基礎管埋設装置および支柱の建柱方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態の支柱用基礎管埋設装置のオーガの高さと掘削スクリューの位置を示す説明側面図である。
図2図1に示す支柱用基礎管埋設装置の、(a)掘削スクリュー、接続ロッド、基礎管および固定部材の連結状態、(b)さらに長さ調整部材を連結した状態を示す説明側面図である。
図3図1に示す支柱用基礎管埋設装置のオーガ、接続ロッドおよび固定部材の連結状態を示す説明側面図である。
図4図1に示す支柱用基礎管埋設装置の使用状態を示す(a)埋設位置に吊り下げたとき、(b)基礎管を埋め込んだ直後の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図4は、本発明の実施の形態の支柱用基礎管埋設装置を示している。
図1図3に示すように、支柱用基礎管埋設装置10は、基礎管11と掘削スクリュー12と長さ調整ロッド13と接続ロッド14とオーガ15と固定部材16とを有している。
【0015】
図1および図2に示すように、基礎管11は、照明灯の支柱を立てるための基礎管として地中に埋め込んで使用されるものであり、市販の円筒形の鋼管から成っている。基礎管11は、上端の開口に沿って設けられたフランジ21を有している。また、基礎管11は、先端面に超硬合金製のビットが複数取り付けられている。
【0016】
掘削スクリュー12は、市販のオーガスクリューから成り、基礎管11の内部に挿入可能な径を有している。掘削スクリュー12は、先端にオーガヘッド23が取り付けられている。長さ調整ロッド13は、円柱形状を成し、基礎管11の内部に挿入可能な径を有している。長さ調整ロッド13は、掘削スクリュー12の後端に1または複数接続されている。接続ロッド14は、断面が正方形の角棒状を成し、長さ調整ロッド13よりも小さい断面を有している。接続ロッド14は、側面に、長さ方向に沿って所定の間隔をあけて複数の固定用穴14aおよび連結用穴14bを有している。連結用穴14bは、接続ロッド14の両端付近に設けられている。長さ調整ロッド13は、一端が接続ロッド14の先端の連結用穴14bに接続されている。
【0017】
なお、支柱用基礎管埋設装置10は、基礎管11の長さに応じて、長さ調整ロッド13の本数を調整すればよく、具体的な例では、図1(a)のとき、短い長さ調整ロッド13が1本、図1(b)~(e)のとき長い長さ調整ロッド13が1本、短い長さ調整ロッド13が1本である。また、基礎管11の長さによっては、長さ調整ロッド13を使用しなくてもよく、その場合、接続ロッド14を直接、掘削スクリュー12の後端に接続すればよい。基礎管11と掘削スクリュー12と長さ調整ロッド13と接続ロッド14とは、一直線上に配置される。
【0018】
図1および図3に示すように、オーガ15は、市販の電動オーガから成り、接続ロッド14の後端に取り付けられている。オーガ15は、接続ロッド14、長さ調整ロッド13および掘削スクリュー12を、それぞれの中心軸回りに回転させて、掘削スクリュー12により地中を掘削可能になっている。
【0019】
図1図3に示すように、固定部材16は、管固定部材25とロッド固定部材26とを有している。管固定部材25は、短い円筒状の短管部31と、短管部31の下端の開口に沿って設けられたフランジ32を有している。短管部31は、挿入された接続ロッド14とともに回転可能に、中心の孔の一部が、接続ロッド14の断面形状に合わせた正方形状に形成されている。管固定部材25は、フランジ32の表面を基礎管11のフランジ21の表面と合わせた状態で、ボルトおよびナットによりフランジ32とフランジ21とを接続して固定するようになっている。これにより、管固定部材25は、基礎管11の後端部に着脱可能に固定されるようになっている。
【0020】
ロッド固定部材26は、短管部31の上部を覆って短管部31に固定可能に設けられた碗状部34と、碗状部34の上方に設けられた円筒状の胴体部35と、胴体部35の側壁を貫通して設けられた挿入具36とを有している。胴体部35は、挿入された接続ロッド14とともに回転可能に、中心の孔が接続ロッド14の断面形状に合わせた正方形状に形成されている。挿入具36は、胴体部35に対して進退可能に螺合して取り付けられており、先端部が接続ロッド14の各固定用穴14aに挿入可能になっている。ロッド固定部材26は、挿入具36を接続ロッド14のいずれかの固定用穴14aに挿入することにより、接続ロッド14に着脱可能に固定されるようになっている。長さ調整ロッド13は、固定治具17によりロッド固定部材26に着脱可能に固定される。
【0021】
図2に示すように、固定部材16は、短管部31に接続ロッド14を挿入し、掘削スクリュー12、長さ調整ロッド13および接続ロッド14を挿入した基礎管11の後端部に管固定部材25を固定し、さらに、胴体部35に接続ロッド14を挿入し、短管部31の上部を碗状部34で覆うよう管固定部材25の上部にロッド固定部材26を配置して管固定部材25に固定し、挿入具36を接続ロッド14のいずれかの固定用穴14aに挿入して接続ロッド14に固定されるようになっている。
【0022】
接続ロッド14に対するロッド固定部材26の固定位置と長短の長さ調整ロッド13との組み合わせにより、掘削スクリュー12の先端のオーガヘッド23を基礎管11の先端から突出させた状態または引込めた状態に選択的に配置することができる。
こうして、固定部材16は、基礎管11をその後端で接続ロッド14に着脱可能に固定するようになっている。固定部材16により、基礎管11を掘削スクリュー12、長さ調整ロッド13および接続ロッド14とともに回転させることができる。
【0023】
支柱用基礎管埋設装置10は、以下の方法で、照明灯の支柱を立てるための基礎管を埋設することができる。非粘性質層の下層に粘性質層を有する地中へ支柱を建柱する場合、まず、図1に示すように、後端側に長さ調整ロッド13および接続ロッド14が接続された掘削スクリュー12を、基礎管11の内部に挿入し、掘削スクリュー12の先端を基礎管11の先端から突出させた状態で、基礎管11を固定部材16で接続ロッド14に固定する。次に、図4(a)に示すように、建柱車1のクレーンで、接続ロッド14の後端側に取り付けられたオーガ15ごと吊り下げ、掘削スクリュー12の先端を埋設位置に位置付ける。
【0024】
埋設位置に位置付けたならば、オーガ15により、接続ロッド14、長さ調整ロッド13および掘削スクリュー12を回転させながら接続ロッド14、長さ調整ロッド13および掘削スクリュー12を下方に押し込んで、掘削スクリュー12により非粘性質層の地中を掘削する。このとき、基礎管11が掘削スクリュー12とともに回転するよう固定部材16により固定されているため、基礎管11を回転させながら、掘削スクリュー12で掘削された掘削孔に埋め込むことができる。
【0025】
基礎管11が関東ローム層のような粘性質層に達したならば、固定部材16を調整し、掘削スクリュー12の先端のオーガヘッド23を基礎管11の先端から引込めた状態に設定する。オーガ15により接続ロッド14と掘削スクリュー12とを掘削スクリュー12が前進する方向(正方向)に回転させながら接続ロッド14を下方に押し込んで基礎管11を所定の深さまで埋め込む。
【0026】
図4(b)に示すように、基礎管11を上端が地面の高さになる深さまで埋め込んだならば、オーガ15の回転を停止し、固定部材16の挿入具36を接続ロッド14の固定用穴14aから抜出して基礎管11と接続ロッド14との固定を解除する。固定解除後、オーガ15を掘削スクリュー12が前進する方向に回転させながら接続ロッド14、長さ調整ロッド13および掘削スクリュー12を引き上げて基礎管11から抜き取る。こうして、照明灯支柱用の基礎管を埋設することができる。
【0027】
粘性質層では、掘削スクリュー12を回転させても掘削しにくく基礎管11の埋込みが難しいが、基礎管11を接続ロッド14とともに下方に押し込むことにより基礎管11を地中に埋め込むことができる。基礎管11と接続ロッド14との固定を解除後は、掘削スクリュー12を前進する方向に回転させながら引き上げることにより、粘性質層の土を地上に上げることができ、基礎管11の埋込みを容易にすることができる。
【0028】
支柱用基礎管埋設装置10は、埋め込む地盤の状態に応じて掘削スクリュー12や基礎管11を取り換えても、適切な固定用穴14aを選択して挿入具36を挿入するだけで、掘削するのに最適な位置で基礎管11を接続ロッド14に固定することができ、容易に掘削や埋め込み作業を行うことができる。このため、基礎管11の固定位置からオーガ15までの長さを調整する必要がなく、長さ調整をしなければならない場合と比べて、作業効率を高めることができ、設備費を低減することができる。
【0029】
支柱用基礎管埋設装置10は、掘削スクリュー12の先端のオーガヘッド23および基礎管11の先端面の超硬合金製ビットにより、容易に掘削作業を進めることができる。また、基礎管11の長さに応じて、長さ調整ロッド13で掘削スクリュー12からオーガ15までの長さを大まかに調整することができる。さらに細かい位置調整は、固定部材16の挿入具36により行うことができる。
【符号の説明】
【0030】
1 建柱車
10 支柱用基礎管埋設装置
11 基礎管
21 フランジ
12 掘削スクリュー
23 オーガヘッド
13 長さ調整ロッド
14 接続ロッド
14a 固定用穴
14b 連結用穴
15 オーガ
16 固定部材
25 管固定部材
31 短管部
32 フランジ
26 ロッド固定部材
34 碗状部
35 胴体部
36 挿入具
17 固定治具
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-11-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非粘性質層の下層に粘性質層を有する地中への支柱の建柱方法であって、
基礎管と、
前記基礎管の内部に挿入可能に設けられた掘削スクリューと、
側面に長さ方向に沿って互いに間隔を開けて設けられた複数の固定用穴を有し、前記掘削スクリューの後端側に接続された接続ロッドと、
前記掘削スクリューを回転させて地中を掘削可能に、前記接続ロッドの後端側に取り付けられたオーガと、
前記基礎管の後端部に着脱可能に固定され、各固定用穴に挿入可能に設けられた挿入具を有し、前記掘削スクリューを前記基礎管の内部に挿入し、前記掘削スクリューの先端を前記基礎管の先端から突出させた状態または引込めた状態に選択的に配置して、前記基礎管を前記掘削スクリューとともに回転させるよう、前記挿入具をいずれかの固定用穴に挿入して前記基礎管を後端側で前記接続ロッドに着脱可能に固定する固定部材とを、
有する支柱用基礎管埋設装置を用い、
前記非粘性質層では前記掘削スクリューの先端を前記基礎管の先端から突出させた状態で前記オーガにより前記接続ロッドと前記掘削スクリューとを前記掘削スクリューが前進する方向に回転させながら前記接続ロッドを下方に押し込んで前記掘削スクリューにより非粘性質層を掘削し、前記粘性質層では前記掘削スクリューの先端を前記基礎管の先端から引込めた状態で前記オーガにより前記接続ロッドと前記掘削スクリューとを前記掘削スクリューが前進する方向に回転させながら前記接続ロッドを下方に押し込んで前記基礎管を所定の深さまで埋め込み後、前記オーガの回転を停止し、前記固定部材の前記挿入具を前記固定用穴から抜出して前記基礎管と前記接続ロッドとの固定を解除し、固定解除後、前記オーガを前記掘削スクリューが前進する方向に回転させながら前記掘削スクリューを引き上げて前記基礎管から抜き取ることを特徴とする支柱の建柱方法。
【請求項2】
前記支柱用基礎管埋設装置は、前記掘削スクリューと前記接続ロッドとを連結するよう、前記掘削スクリューと前記接続ロッドとの間に設けられた1または複数の長さ調整ロッドを有することを特徴とする請求項1記載の支柱の建柱方法
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、照明灯などの支柱を立てるための基礎管を埋設するのに使用される支柱の建柱方法に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、粘性質層を有する地中であっても容易に支柱を立てることが可能な支柱の建柱方法を提供することを目的とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に関する支柱用基礎管埋設装置は、基礎管と、前記基礎管の内部に挿入可能に設けられた掘削スクリューと、側面に長さ方向に沿って互いに間隔を開けて設けられた複数の固定用穴を有し、前記掘削スクリューの後端側に接続された接続ロッドと、前記掘削スクリューを回転させて地中を掘削可能に、前記接続ロッドの後端側に取り付けられたオーガと、前記基礎管の後端部に着脱可能に固定され、各固定用穴に挿入可能に設けられた挿入具を有し、前記掘削スクリューを前記基礎管の内部に挿入し、前記掘削スクリューの先端を前記基礎管の先端から突出させた状態または引込めた状態に選択的に配置して、前記基礎管を前記掘削スクリューとともに回転させるよう、前記挿入具をいずれかの固定用穴に挿入して前記基礎管を後端側で前記接続ロッドに着脱可能に固定する固定部材とを、有することを特徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明に関する支柱用基礎管埋設装置は、前記掘削スクリューと前記接続ロッドとを連結するよう、前記掘削スクリューと前記接続ロッドとの間に設けられた1または複数の長さ調整ロッドを有することが好ましい。この場合、掘削スクリューに比べて基礎管がかなり長くなるときなどに、基礎管の長さに応じて、長さ調整ロッドで掘削スクリューからオーガまでの長さを大まかに調整することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明に関する支柱の建柱方法は、粘性質層を有する地中への支柱の建柱方法であって、前述の支柱用基礎管埋設装置を用い、前記掘削スクリューの先端を前記基礎管の先端から引込めた状態で前記オーガにより前記接続ロッドと前記掘削スクリューとを前記掘削スクリューが前進する方向に回転させながら前記接続ロッドを下方に押し込んで前記基礎管を所定の深さまで埋め込み後、前記オーガの回転を停止し、前記固定部材の前記挿入具を前記固定用穴から抜出して前記基礎管と前記接続ロッドとの固定を解除し、固定解除後、前記オーガを前記掘削スクリューが前進する方向に回転させながら前記掘削スクリューを引き上げて前記基礎管から抜き取ることを特徴とする。
粘性質層では、掘削スクリューを回転させても掘削しにくく基礎管の埋込みが難しいが、基礎管を接続ロッドとともに下方に押し込むことにより基礎管を地中に埋め込むことができる。基礎管と接続ロッドとの固定を解除後は、掘削スクリューを前進する方向に回転させながら引き上げることにより、粘性質層の土を地上に上げることができ、基礎管の埋込みを容易にすることができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明に係る支柱の建柱方法は、非粘性質層の下層に粘性質層を有する地中への支柱の建柱方法であって、前述の支柱用基礎管埋設装置を用い、前記非粘性質層では前記掘削スクリューの先端を前記基礎管の先端から突出させた状態で前記オーガにより前記接続ロッドと前記掘削スクリューとを前記掘削スクリューが前進する方向に回転させながら前記接続ロッドを下方に押し込んで前記掘削スクリューにより非粘性質層を掘削し、前記粘性質層では前記掘削スクリューの先端を前記基礎管の先端から引込めた状態で前記オーガにより前記接続ロッドと前記掘削スクリューとを前記掘削スクリューが前進する方向に回転させながら前記接続ロッドを下方に押し込んで前記基礎管を所定の深さまで埋め込み後、前記オーガの回転を停止し、前記固定部材の前記挿入具を前記固定用穴から抜出して前記基礎管と前記接続ロッドとの固定を解除し、固定解除後、前記オーガを前記掘削スクリューが前進する方向に回転させながら前記掘削スクリューを引き上げて前記基礎管から抜き取ることを特徴とする。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本発明に関する支柱用基礎管埋設装置は、容易に掘削作業を進めるために、掘削スクリューの先端にオーガヘッドが取り付けられていることが好ましい。また、基礎管の先端面に超硬合金製のビットが取り付けられていることが好ましい。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本発明によれば、粘性質層を有する地中であっても容易に支柱を立てることが可能な支柱の建柱方法を提供することができる。