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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038694
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】防振装置
(51)【国際特許分類】
   F16F 13/10 20060101AFI20240313BHJP
【FI】
F16F13/10 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142918
(22)【出願日】2022-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】000201869
【氏名又は名称】倉敷化工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内山 敬介
【テーマコード(参考)】
3J047
【Fターム(参考)】
3J047AA03
3J047AB01
3J047CA04
3J047CC01
3J047FA01
(57)【要約】
【課題】弾性部を特定方向への振動に対してやわらかくするとともに、当該振動に対する弾性部の耐久性を向上させる。
【解決手段】液封マウントMは、支持体B及び被支持体間に取り付けられ、支持体Bに取り付けられるコア部1と、被支持体に取り付けられる取付部2と、コア部1から上方に離れた位置において取付部2と一体に設けられ、上下方向に貫通する空洞3aが設けられた被連結部3と、コア部1及び被連結部3間の空間S1を囲み、コア部1と空洞3aの内周部とを連結する弾性部4とを備える。空洞3aの内周部における弾性部4により結合された左右方向に対向する一対の第1結合部31a,31aの各々は、先端部32aにいくに従いコア部1までの距離が近くなるように突出した突出部32を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方が振動する支持体及び被支持体の間に取り付けられる防振装置であって、
前記支持体に取り付けられる、剛性を有するコア部と、
前記被支持体に取り付けられる、剛性を有する取付部と、
前記コア部からZ方向に離れた位置に設けられ、前記取付部と一体の、剛性を有する被連結部であって、Z方向に貫通する空洞が設けられた被連結部と、
前記コア部及び前記被連結部の間の空間を、前記空洞の内周部の周方向に沿って囲み、前記コア部と前記空洞の内周部とを連結する弾性部と
を備え、
Z方向に対して垂直で且つ互いに垂直な2つの方向を、X方向及びY方向とするとき、 前記空洞は、Y方向長さがX方向長さよりも長く、且つX方向及びY方向のいずれにおいても前記コア部の外形よりも大きく、
前記空洞の内周部における前記弾性部により結合された結合部において、Y方向に対向する部位を一対の第1結合部とするとき、各第1結合部は、前記コア部に向かって突出した突出部を有し、
前記突出部は、先端部にいくに従い前記コア部までの距離が近くなるように突出している、
防振装置。
【請求項2】
請求項1に記載の防振装置において、
前記空洞の内周部における前記結合部において、X方向に対向する部位を一対の第2結合部とし、前記空洞の中央部を通過してZ方向に延びる直線を中心線とするとき、
前記一対の第2結合部の各々は、Z方向に沿って前記コア部側にいくに従い、外形が前記中心線から遠ざかる傾斜面を有し、
前記コア部の外周部は、前記一対の傾斜面に対向する部位において、Z方向に沿って前記被連結部側にいくに従い外形が前記中心線に近づく外周面を有し、
前記弾性部は、Z方向に沿って前記被連結部側から前記コア部側にいくに従い、前記中心線に近づくように延びる、
防振装置。
【請求項3】
請求項2に記載の防振装置において、
前記一対の第1結合部の各々においてZ方向で最も前記コア部側に位置する端部を第1端部とし、前記一対の第2結合部の各々においてZ方向で最も前記コア部側に位置する端部を第2端部とするとき、
一対の前記第1端部は、いずれも一対の前記第2端部よりもZ方向で前記コア部側に位置している、
防振装置。
【請求項4】
請求項3に記載の防振装置において、
前記一対の第1端部は、Z方向で前記コア部側に面する端面として構成されており、該端面は、前記空洞の内周部の周方向に沿って延び、該端面全体が前記一対の第2端部よりもZ方向で前記コア部側に位置している、
防振装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の防振装置において、
前記コア部及び前記被連結部の間における、前記弾性部により囲まれた前記空間を、前記被連結部側から塞ぐ液封部を備え、
前記防振装置は、前記液封部により塞がれた前記空間を主液室とする液封マウントであり、
前記液封部の内部には、
副液室としての空間と、
前記空洞の内周部の周方向に沿って延び、前記主液室と前記副液室とを連通させる液体の流路と
が設けられている、
防振装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防振装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、防振装置が開示されている。この防振装置は、振動発生源側へ取付けられる第1取付金具(コア部)と、振動受け側へ取付けられる第2取付金具(取付部)と、これらを連結するインシュレータ(弾性部)とを備え、このインシュレータは内側に設けられた凹部空間を囲む平面視非円形の弾性壁部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6399882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、防振装置は、特定方向の振動に対してやわらかくなるように、弾性部のばね特性を設定したい場合がある。
【0005】
しかし、弾性部が特許文献1のインシュレータのように凹部空間を囲む形状の防振装置においては、弾性部を特定方向の振動に対してやわらかくすると、当該振動に対する弾性部の耐久性を損ねてしまう場合がある。
【0006】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、防振装置において、弾性部を特定方向への振動に対してやわらかくするとともに、当該振動に対する弾性部の耐久性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、少なくとも一方が振動する支持体及び被支持体の間に取り付けられる防振装置であって、前記支持体に取り付けられる、剛性を有するコア部と、前記被支持体に取り付けられる、剛性を有する取付部と、前記コア部からZ方向に離れた位置に設けられ、前記取付部と一体の、剛性を有する被連結部であって、Z方向に貫通する空洞が設けられた被連結部と、前記コア部及び前記被連結部の間の空間を、前記空洞の内周部の周方向に沿って囲み、前記コア部と前記空洞の内周部とを連結する弾性部とを備え、Z方向に対して垂直で且つ互いに垂直な2つの方向を、X方向及びY方向とするとき、前記空洞は、Y方向長さがX方向長さよりも長く、且つX方向及びY方向のいずれにおいても前記コア部の外形よりも大きく、前記空洞の内周部における前記弾性部により結合された結合部において、Y方向に対向する部位を一対の第1結合部とするとき、各第1結合部は、前記コア部に向かって突出した突出部を有し、前記突出部は、先端部にいくに従い前記コア部までの距離が近くなるように突出している。
【0008】
この第1の発明では、Y方向に対向する一対の第1結合部が、それぞれ突出部を有することにより、後述の実施例で示すように、X方向の振動に対する耐久性を向上させることができる。また、弾性部は、Y方向に対向する部位は一対の突出部に結合しているために伸縮変形が制限されてY方向に硬くなりやすいものの、X方向に対向する部位の伸縮変形は制限されないので、弾性部をX方向への振動に対してやわらかくなるようにばね特性を設定しやすい。以上より、弾性部を方向への振動に対してやわらかくするとともに、当該振動に対する弾性部の耐久性を向上させることができる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記空洞の内周部における前記結合部において、X方向に対向する部位を一対の第2結合部とし、前記空洞の中央部を通過してZ方向に延びる直線を中心線とするとき、前記一対の第2結合部の各々は、Z方向に沿って前記コア部側にいくに従い、外形が前記中心線から遠ざかる傾斜面を有し、前記コア部の外周部は、前記一対の傾斜面に対向する部位において、Z方向に沿って前記被連結部側にいくに従い外形が前記中心線に近づく外周面を有し、前記弾性部は、Z方向に沿って前記被連結部側から前記コア部側にいくに従い、前記中心線に近づくように延びる。
【0010】
この第2の発明では、弾性部は、Z方向に沿って被連結部側からコア部側にいくに従い、前記中心線に近づくように延びているため、X方向に対向する部位が延びる方向はX方向に平行になりやすいので、X方向の振動に対して当該部位が伸縮変形しやすい。また、一対の第2結合部の傾斜面は、Z方向に沿ってコア部側にいくに従い外形が前記中心線から遠ざかり、コア部の外周部において、前記傾斜面と対向する外周面は、Z方向に沿って前記被連結部側にいくに従い外形が前記中心線に近づくので、前記傾斜面及び前記外周面は、互いに平行になりやすい。前記傾斜面及び前記外周面が互いに平行に近づくと、弾性部の両者を連結するX方向に対向する部位における、伸縮変形可能な自由長を長くしやすい。その結果、X方向の振動に対して、弾性部が更にやわらかくなる。
【0011】
第3の発明は、第2の発明において、前記一対の第1結合部の各々においてZ方向で最も前記コア部側に位置する端部を第1端部とし、前記一対の第2結合部の各々においてZ方向で最も前記コア部側に位置する端部を第2端部とするとき、一対の前記第1端部は、いずれも一対の前記第2端部よりもZ方向で前記コア部側に位置している。
【0012】
この第3の発明では、一対の第1結合部における一対の第1端部は、いずれも一対の第2結合部における一対の第2端部よりもZ方向でコア部側に位置しているので、一対の第1結合部は一対の第2結合部よりも全体的にZ方向でコア部側寄りに位置する。このため、弾性部のY方向に対向する部位の延びる方向は、弾性部のX方向に対向する部位の延びる方向よりも、前記中心線からの傾き角度が大きくなる。その結果、弾性部のばね特性を、X方向とY方向とで、互いに異ならせることができる。
【0013】
第4の発明は、第3の発明において、前記一対の第1端部は、Z方向で前記コア部側に面する端面として構成されており、該端面は、前記空洞の内周部の周方向に沿って延び、該端面全体が前記一対の第2端部よりもZ方向で前記コア部側に位置している。
【0014】
この第4の発明では、弾性部に結合された第1端部は、Z方向で前記コア部側に面する端面として構成されており、この端面全体が前記第2端部よりもZ方向で前記コア部側に位置しているので、被連結部及びコア部がZ軸方向に沿って互いに近づくように相対変位するとき、第1端面が弾性部を介して当該相対変位を抑えやすい。
【0015】
第5の発明は、第1~第4の発明のいずれか1つにおいて、前記コア部及び前記被連結部の間における、前記弾性部により囲まれた前記空間を、前記被連結部側から塞ぐ液封部を備え、前記防振装置は、前記液封部により塞がれた前記空間を主液室とする液封マウントであり、前記液封部の内部には、副液室としての空間と、前記空洞の内周部の周方向に沿って延び、前記主液室と前記副液室とを連通させる液体の流路とが設けられている。
【0016】
この第5の発明では、第1~第4の発明の効果を奏する液封マウントが得られる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によると、弾性部を特定方向への振動に対してやわらかくするとともに、当該振動に対する弾性部の耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係る液封マウントを、右前方から示す斜視図である。
図2】実施形態に係る液封マウントを、左後方から示す斜視図である。
図3図2のIII-III断面図である。
図4図2のIV-IV断面図である。
図5】コア部、取付部及び被連結部を、上方から示す平面図である。
図6図5のVI-VI断面図である。
図7】実施例1に係る弾性部のYZ断面の応力分布図である。
図8】実施例1に係る弾性部のZX断面の応力分布図である。
図9】実施例1に係る弾性部の外周部を、右後方から見た応力分布図である。
図10】比較例1の図7相当図である。
図11】比較例1の図8相当図である。
図12】比較例1の図9相当図である。
図13】実施例2の図7相当図である。
図14】実施例2の図8相当図である。
図15】実施例2の図9相当図である。
図16】比較例2の図7相当図である。
図17】比較例2の図8相当図である。
図18】比較例2の図9相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物又はその用途を制限することを意図しない。
【0020】
(実施形態)
図1~4は、本発明に係る防振装置の一実施形態である液封マウントMを示す。液封マウントMは、エンジンの動力を伝達するトランスミッション(被支持体)と、エンジン及びトランスミッションを下方で支持する車体の一部である支持体Bとの間に取り付けられる。以下では、前後方向(X方向)、左右方向(Y方向)及び上下方向(Z方向)とは、それぞれ車両の前後方向、左右方向及び上下方向を意味する。
【0021】
図3は、図1及び2をY方向及びZ方向に沿った切断面で切断した断面(以下「YZ断面」という)を示し、図4は、図1及び2をZ方向及びX方向に沿った切断面で切断した断面(以下「ZX断面」という)を示す。
【0022】
液封マウントMは、支持体Bに固定されるコア部1と、トランスミッションに固定される取付部2と、コア部1から上方に離れた位置に設けられ、右側で取付部2と一体となった被連結部3とを備える。また、液封マウントMは、コア部1及び被連結部3の間の空間S1を囲み、コア部1及び被連結部3を連結する弾性部4と、コア部1及び被連結部3の間における弾性部4により囲まれた空間S1を、上方から塞ぐ液封部5とを備える。また、液封マウントMは、被連結部3の上方、前方、後方及び左方を覆うブラケット6を備える。コア部1、取付部2、被連結部3及びブラケット6は、いずれも剛性を有する、例えば樹脂製又は金属製のものであり、弾性部4は、弾性を有する、例えばゴム製のものである。
【0023】
図5は、上方から見た、コア部1、取付部2及び被連結部3を示す。なお、図5では、コア部1は、外形のみ破線によって示す。
【0024】
―コア部―
コア部1は、図5に破線で示すように、上方から見た外形が左右方向を長軸とする略楕円形状に形成されている。コア部1を上方から見た外形において、前後方向に対向する一対の端部は、それぞれ左右方向に延びる直線状に形成され、左右方向に対向する一対の端部は、それぞれ上方から見てコア部1中心を円の中心とする円周に沿った円弧状に形成されている。
【0025】
コア部1は、図3及び4に示すように、左右方向長さ及び前後方向長さが、いずれも上方にいくに従い徐々に小さくなるように形成されている。このため、コア部1の外周部は、被連結部3と対向する上端部近くの部位において、上方にいくに従い、外形が、後述する中心線C(図3及び4の一点鎖線を参照)に近づくように傾斜した外周面1aを有している。
【0026】
コア部1及び支持体Bには、ボルトに挿通されて固定されるための孔部1b,1bが2つ、上下方向に貫通形成されている。
【0027】
―取付部―
取付部2は、コア部1の右方に設けられている。取付部2は、図1に示すように、上下方向の高さが最も高い中央部21と、中央部21から前方及び後方に向かって、それぞれ高さが徐々に低くなった前部22及び後部23を有する。中央部21の上下方向高さは、コア部1の上下方向高さよりも3倍以上高く、取付部2全体の前後方向長さは、コア部1の前後方向長さよりも3倍以上長い。
【0028】
前部22及び後部23は、それぞれの下部に、トランスミッションに取り付けられるためにボルトにより挿通される孔22a,23aが上下方向に貫通形成されている。前部22及び後部23の間には、両者を前後方向に連結する連結部24が設けられている。連結部24は、前後方向に延びて形成されており、前側で前部22と一体に結合し、後側で後部23と一体に結合している。連結部24の前後方向中央部には、トランスミッションに取り付けられるためにボルトにより挿通される孔24aが上下方向に貫通形成されている。
【0029】
―被連結部―
被連結部3は、コア部1の上方で、且つ取付部2の中央部21の左方に設けられている。被連結部3は、図5に示すように、上方から見た外形が略矩形状である。被連結部3は、左右方向長さが前後方向長さよりも長く形成されている。被連結部3には、取付部2の上方で、上下方向に貫通した空洞3aが設けられている。空洞3aを上方から見た形状は、図5に示すように、コア部1を上方から見た外形を拡大したような形状である。すなわち、空洞3aを上方から見た形状は、左右方向を長軸方向とする略楕円形状である。空洞3aは、上方から見て、前後方向に対向する一対の内周部がそれぞれ左右方向に延びる直線状に形成されている。空洞3aは、上方から見て、左右方向に対向する一対の内周部が、空洞3a中心を円の中心とする円周に沿った円弧状に形成されている。空洞3aは、左右方向長さが前後方向長さよりも長く、且つ前後方向及び左右方向のいずれにおいてもコア部1の外形よりも大きく形成されている。
【0030】
図6は、図3における取付部2及び被連結部3のみ示すYZ断面(図5のVI-VI断面)を示す。空洞3aの内周部は、弾性部4により結合された結合部31を有する。結合部31は、図3及び4からもわかるように、空洞3aの内周部の下側の部位に設けられている。結合部31の上端部は、図3~5に示すように、空洞3aの内周部における上側の部位(結合部31以外の部位)よりも、全周にわたって内周側に突出している。
【0031】
各部位の名称を、以下のように定義する。図3及び6に示される、結合部31において左右方向に対向する一対の部位を、一対の第1結合部31a,31aとする。図4に示される、結合部31において前後方向に対向する部位を、一対の第2結合部31b,31bとする。各第1結合部31aにおいて最も下方に位置する端部を第1端部31cとする。各第2結合部31bにおいて最も下方に位置する端部を第2端部31dとする。また、空洞3aの中央部を通過して上下方向に延びる直線を中心線Cとする。
【0032】
各第1結合部31aは、図3に示すように、コア部1に向かって突出した突出部32を有している。各突出部32は、先端部32aにいくに従いコア部1までの距離が近くなるように突出している。各突出部32は、図5に示すように、空洞3aの内周部における、左右方向に対向する一対の円弧状の部位の周方向に沿って設けられている。
【0033】
各第2結合部31bは、図4に示すように、下方にいくに従い外形が中心線Cから遠ざかるように傾斜した傾斜面33を有している。各傾斜面33は、空洞3aの内周部における、前後方向に対向する、左右方向に延びる一対の直線状の部位に設けられている。
【0034】
一対の第1端部31c,31cは、図6からもわかるように、いずれも一対の第2端部31d,31dよりも下方に位置している。このため、第1端部31c,31cと、第2端部31d,31dとの間には、上下方向に段差Stが形成されている。
【0035】
一対の第1端部31c,31cは、下方に面する端面として構成されており、該端面は、前記空洞空洞3aの内周部の周方向に沿って延び、該端面全体が第2端部31b,31bよりも下方に位置している。
【0036】
―弾性部―
弾性部4は、図3及び4に示すように、被連結部3の内周部における結合部31と、コア部1の外周部及びコア部1の上面とを連結している。弾性部4は、肉厚の略ボウル状に形成されている。弾性部4は、コア部1及び被連結部3の間の空間S1を、被連結部3の空洞3aの内周部の周方向に沿って、全周にわたって囲むように設けられている。弾性部4は、被連結部3の空洞3aの内周部における結合部31から、下方にいくに従い、中心線Cに近づくように延びている。
【0037】
弾性部4は、被連結部3がコア部1に対して振動すると、当該振動にともない変形する。被連結部3がコア部1に対して前後方向に振動する場合、被連結部3がコア部1に対して左右方向に振動する場合よりも、やわらかい。すなわち、弾性部4は、左右方向よりも前後方向にやわらかい。
【0038】
―液封部―
液封部5は、図3及び4に示すように、弾性部4により囲まれた空洞3a内の空間S1の上方を塞ぎ、これによって当該空間S1を主液室としている。液封部5の内部には、後述するように、副液室としての空間S2と、空洞3aの内周部の周方向に沿って延び、副液室S2と主液室S1とを連通させる液体の流路S3とが設けられている。
【0039】
液封部5は、下側プレート51と、メンブラン52と、上側プレート53と、ダイヤフラム54と、リング55とを有する。下側プレート51、メンブラン52、上側プレート53、ダイヤフラム54及びリング55は、上方から見た外形が、いずれも空洞3aの内周部の周方向に沿った略楕円形状に形成されている。下側プレート51、上側プレート53及びリング55は、いずれも例えば金属製の、剛性のものであり、メンブラン52及びダイヤフラム54は、いずれもゴム製のものである。
【0040】
下側プレート51、メンブラン52、上側プレート53及びダイヤフラム54は、弾性部4によって囲まれた空間S1の上方において、下方から上方に向かってこの順序で設けられている。下側プレート51は、板状の底部51aと、底部51aの外周を囲む外周部51bとを有する。底部51aの上面には、下方に窪んだ凹部51cが設けられている。下側プレート51の外周部51bは、底部51aの外周側で且つ底部51aよりも上方に設けられている。このため、外周部51bの上面は、底部51aの上面よりも上方に位置し、底部51aの上方の空間は、外周部51bによって囲まれている。外周部51bの上面には、周方向に延びる溝が設けられている。
【0041】
メンブラン52は、下側プレート51の凹部51cと略同じ形状に形成されており、凹部51cに収容されている。上側プレート53は、上方からみた外形が、下側プレート51の外周部51bの内周面と略同じ形状に形成されている。上側プレート53は、下側プレート51の外周部51bによって囲まれた、底部51aの上方の空間に配置されている。
【0042】
ダイヤフラム54は、厚さが略均一な薄板状のゴムがYZ断面及びZX断面において波状となるように湾曲し、上側プレートの上方を覆うように設けられている。上側プレート53及びダイヤフラム54の間には、ダイヤフラム54の周方向に全周にわたって延びる、副液室としての空間S2が構成されている。ダイヤフラム54を上から見た外形は、下側プレート51の外周部51bの外形と略同じである。ダイヤフラム54において、下側プレート51の外周部51bの溝と上方で重なる部位には、ダイヤフラム54の厚さ方向全体が上方に隆起した隆起部が設けられている。すなわち、隆起部の下面側は、下側プレート51の外周部51bの溝を上下反転させた溝となっており、隆起部の上面側は上方に突出している。下側プレート51の外周部51bの溝、及びダイヤフラム54の下面側の溝は、上下で一体となって、液体の流路S3を構成している。流路S3は、主液室S1及び副液室S2と連通している。
【0043】
リング55は、下側プレート51の外周部51bの周方向に沿って延びる環状に形成されている。リング55の下面には、ダイヤフラム54の隆起部に対応する溝が設けられており、当該溝にダイヤフラム54の隆起部が下方から嵌合している。
【0044】
―ブラケット―
ブラケット6は、図1及び2に示すように、被連結部3の上方及び左方を覆っている。ブラケット6は、支持体Bに固定される、板状の一対の第1固定部61,61を有する。各第1固定部61には、ボルトを挿通して車体Bに固定されるための、上下方向に貫通する孔61a,61aが設けられている。
【0045】
ブラケット6は、一対の第1固定部61,61の上方で、被連結部3の前方及び後方に設けられた、一対の壁部62,62を有する。一対の壁部62,62は、被連結部3がコア部1に対して前後方向への変位する際、被連結部3の前端部及び後端部にそれぞれ当接して被連結部3の変位を制限する、一対のストッパとして機能する。
【0046】
ブラケット6は、被連結部3の上方及び左方にそれぞれ設けられた、一対の壁部62,62を互いに連結する第1補強部63と、第2補強部64とを有する。第1補強部63及び第2補強部64は、被連結部3の上方及び左方をそれぞれ覆っている。
【0047】
ブラケット6は、支持体Bに固定されるための、いずれも板状の第2固定部65と第3固定部66とを有する。第2固定部65及び第3固定部66には、ボルトを挿通して車体Bに固定されるための、厚さ方向に貫通する孔65a,66aが、それぞれ設けられている。
【0048】
―作用・効果―
本実施形態では、左右方向に対向する一対の第1結合部31a,31aが、それぞれ一対の突出部32,32を有することにより、後述の実施例で示すように、前後方向の振動に対する耐久性を向上させることができる。また、弾性部4は、左右方向に対向する部位(図3に示される部位)は一対の突出部32,32に結合しているために伸縮変形が制限されて左右方向に硬くなりやすいものの、前後方向に対向する部位(図4に示される部位)の伸縮変形は制限されないので、弾性部4を前後方向への振動に対してやわらかくなるようにばね特性を設定しやすい。以上より、弾性部4を前後方向への振動に対してやわらかくするとともに、当該振動に対する弾性部4の耐久性を向上させることができる。
【0049】
また、本実施形態では、弾性部4は、下方にいくに従い、中心線Cに近づくように延びているため、前後方向に対向する部位(図4に示される部位)が延びる方向は、前後方向に平行になりやすいので、前後方向の振動に対して当該部位が伸縮変形しやすい。また、一対の第2結合部31b,31bの傾斜面33,33は、下方にいくに従い外形が中心線Cから遠ざかり、コア部1の外周部において、前記傾斜面33,33と対向する外周面1aは、外形が、上方にいくに従い中心線Cに近づくので、前記傾斜面33,33及び前記外周面1aは、互いに平行になりやすい。前記傾斜面33,33及び前記外周面1a,1aが互いに平行に近づくと、弾性部4の両者を連結する前後方向に対向する部位(図4に示される部位)における、伸縮変形可能な自由長を長くしやすい。その結果、前後方向の振動に対して、弾性部4が更にやわらかくなる。
【0050】
また、本実施形態では、一対の第1結合部31a,31aにおける一対の第1端部31c,31cは、いずれも一対の第2結合部31b,31bにおける一対の第2端部31d,31dよりも下方に位置しているので、一対の第1結合部31a,31aは一対の第2結合部31b,31bよりも全体的に下方寄りに位置する。このため、弾性部4の左右方向に対向する部位の延びる方向は、弾性部4の前後方向に対向する部位の延びる方向よりも、中心線Cからの傾き角度が大きくなる。その結果、弾性部4のばね特性を、前後方向と左右方向とで、互いに異ならせることができる。
【0051】
ところで、車両は、発車及び停車にともない、前後方向に振動を受けやすいので、弾性部4を前後方向にやわらかくしたい場合がある。本実施形態に係る液封マウントMは、前記のように前後方向にやわらかいので、車両で用いる液封マウントMとして有用である。
【0052】
また、本実施形態では、弾性部4に結合された第1端部31c,31cは、下方に面する端面として構成されており、この端面全体が第2端部31d,31dよりも下方に位置しているので、被連結部3及びコア部1が上下方向に沿って互いに近づく相対変位を抑えやすい。さらに、弾性部4は、第1端部31c,31cだけでなく、突出部32,32全体に広い範囲で結合しているので、突出部32,32全体で、前記相対変位を更に抑えやすい。その結果、車両が、バンプ(隆起)のある路面を走行することにともなう、上下方向の揺れ、衝撃、振動等を抑え又は吸収して、乗り心地を向上させることができる。
【0053】
また、本実施形態に係る液封マウントMは、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標である持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)のうち、目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」及び目標12「つくる責任・つかう責任」の達成に貢献できる。
【0054】
(その他の実施形態)
本発明に係る防振装置は、液封マウントMに限られず、少なくとも一方が振動する支持体と被支持体との間に取り付けられるものであればよい。
【0055】
前記実施形態では、X方向、Y方向及びZ方向は、それぞれ車両の前後方向、左右方向及び上下方向に対応するが、これに限られず、X方向及びY方向がZ方向に対して垂直で且つ互いに垂直な2つの方向であればよい。
【0056】
また、前記実施形態の液封マウントMを上下逆の構成にしてもよい。すなわち、被連結部3がコア部1の下方に位置し、弾性部4が、被連結部3から上方にいくに従い、中心線Cに近づくように延びていてもよい。
【0057】
また、前記実施形態の液封マウントMを、Z方向を回転軸として90度回転させて配置してもよい。すなわち、前記実施形態の前後方向が左右方向を向き、前記実施形態の左右方向が前後方向を向くように液封マウントMを配置してもよい。
【0058】
傾斜面33は、ZX断面(図4)において真っすぐな平坦面である構成に限らず、湾曲面であってもよい。傾斜面33は、Z方向に沿ってコア部1側にいくに従い外形が中心線Cから遠ざかるように形成されていればよい。
【0059】
また、前記実施形態に係る液封マウントMは、Y方向に対向する一対の突出部32,32を備えているが、これら以外の突出部を更に備えていてもよい。例えば、X方向に対向する一対の突出部を更に備えていてもよい。
【0060】
また、液封マウントMは、コア部1において、X方向及びY方向のいずれか一方に、又はX方向及びY方向の両方向に、被連結部3の空洞3aの内周部に向かって突出する一対の突出部をそれぞれ備えていてもよい。これによって、弾性部4の耐久性を更に向上させることができる。
【実施例0061】
(シミュレーション)
前記実施形態に係る液封マウントについて、弾性部の耐久性を評価するために、弾性部に対して、前後方向及び左右方向に、圧縮及び引張の荷重をかけるシミュレーションを行った。以下に、実施例1~2及び比較例1~2に係るシミュレーションとその結果ついて説明する。各シミュレーションでは、MSCソフトウェア社製のソフトウェア(MARC(登録商標))を使用し、非線形有限要素解析により荷重に対する応力の分布(以下「応力分布」という)を計算した。
【0062】
―実施例1―
図7~9は、それぞれ、実施例1のシミュレーションにおける弾性部のYZ断面図及びZX断面図、並びに弾性部を右後方の外周側から見た図である。実施例1では、図1~4に示す液封マウントにおいて、コア部を動かさずに被連結部を前方に動かすように荷重をかけるシミュレーションを行った。当該シミュレーションにより、弾性部4にかかる圧縮応力をセル(体積素片)ごとに計算した。
【0063】
―比較例1―
図10~12は、それぞれ、比較例1のシミュレーションにおける弾性部のYZ断面図及びZX断面図、並びに弾性部を右後方の外周側から見た図である。比較例1では、被連結部に、図3~4に示す突出部32,32が設けられていない(図10を参照)。また、比較例1では、被連結部に、図6に示す第1端部31c及び第2端部31d間の段差Stがなく、第1端部31c及び第2端部31dの上下方向の位置が互いに同じとなっている。以上の点を除き、比較例1は、実施例1と同じである。
【0064】
―実施例2―
実施例2では、実施例1と同じ構成の液封マウントにおいて、コア部を動かさずに被連結部を後方に動かすように荷重をかけるシミュレーションを行った。当該シミュレーションにより、弾性部にかかる引張応力を体積素片ごとに計算した。
【0065】
―比較例2―
比較例2は、液封マウントの構成が比較例1と同じであるという点を除き、実施例2と同じである。
【0066】
―結果―
実施例1及び比較例1で得られた、圧縮に対する応力分布を図7~9(実施例1)及び図10~12(比較例1)にそれぞれ示す。なお、実施例1及び比較例1に係るシミュレーションでは、弾性部の後側略半分には主に圧縮応力がかかり、弾性部の前側略半分には主に引張応力がかかるが、図7~12には、弾性部にかかった圧縮応力のみの分布を示す。
【0067】
図11を参照すると、比較例1では、弾性部の後側略半分が前後方向に圧縮されると、図11で実線の丸で囲む部位Q2に、圧縮応力が集中し、当該部位Q2を起点として弾性部が屈曲しやすくなった。一方、図8を参照すると、実施例1では、図11の部位Q2に対応する部位P2において、圧縮応力の局在化が緩和され、圧縮応力が弾性部に全体的に非局在化していた。圧縮応力の局在化は、弾性部に屈曲などの負荷が大きくなるような変形をする原因となるため、圧縮応力が非局在化している方が、弾性部の耐久性が向上する。すなわち、実施例1では、比較例1に比べて耐久性が向上した。
【0068】
また、図7に示す部位P1の応力A1と図10に示す部位Q1の応力B1との比A1/B1を計算すると、0.74であり、図8に示す部位P2の応力A2と図11に示す部位Q2の応力B2との比A2/B2を計算すると、0.092であり、図8に示す部位P3の応力A3と図11に示す部位Q3の応力B3との比A3/B3を計算すると、0.84であった。このように、実施例1と比較例1とで、互いに対応する部位の応力を比較すると、前記のいずれの部位においても実施例1の応力の方が小さくなっていた。特に、比A2/B2は0.092という極めて小さい値となり、図8の部位P2における応力は図11の部位Q3に比べて著しく緩和されていることがわかる。
【0069】
次に、実施例2で得られた応力分布を図13~15に示し、比較例2で得られた応力分布を図16~18に示す。なお、実施例2及び比較例2に係るシミュレーションでは、弾性部の後側略半分には主に引張応力がかかり、弾性部の前側略半分には主に圧縮応力がかかるが、図13~18には、弾性部にかかった引張応力のみの分布を示す。
【0070】
図13示す部位P4の応力A4と図17に示す部位Q4の応力B4との比A4/B4を計算すると、0.90であり、図14に示す部位P5の応力A5と図18に示す部位Q5の応力B5との比A5/B5を計算すると、0.52であった。このように、実施例2と比較例2とで、互いに対応する部位の応力を比較すると、前記のいずれの部位においても実施例2の応力の方が小さくなっていた。
【0071】
なお、応力を対比した各部位P1~P5及びQ1~Q5は、比較例1,2に係るシミュレーション及び実測(ベンチ耐久試験)に基づき、耐久性が弱い又は亀裂が発生しやすいと判断された部位である。
【0072】
以上より、本発明に係る液封マウントのシミュレーションである実施例1,2では、応力分布が非局在化しており、耐久性が向上した。
【0073】
(実測)
次に、実施例1~2及び比較例1~2のシミュレーションと、それぞれ同じ液封マウントを製造して、弾性部の耐久性を実測により評価した、実施例3~4及び比較例3~4に係る評価試験とその結果について説明する。
【0074】
―実施例3―
実施例3では、実施例1と同じ液封マウントを製造し、温度100℃の下、コア部に対して被連結部を前後方向に、2Hzで、且つ車両の加減速時に相当する振幅で振動させた。弾性部に亀裂等の破損が生じるまでの振動の回数を計測した。
【0075】
―比較例3―
比較例3では、実施例3の液封マウントを比較例1のシミュレーションと同じものに代えたという点を除き、実施例3と同様に評価試験を行った。
【0076】
―実施例4―
実施例4では、静荷重1G(ここで、「G」とは、一般的な車両用エンジンの重量に相当する所定の静荷重を表す。)を下方に付与した状態で、コア部に対して被連結部を上下方向に2Hzで、且つ被連結部に上下方向にそれぞれ4Gの荷重をかけるように振動させたことを除き、実施例3と同様の試験を行った。
【0077】
―比較例4―
比較例4では、被連結部に対して1Gの静荷重を下方に付与した状態で、コア部に対して被連結部を上下方向に2Hzで、且つ被連結部に上下方向にそれぞれ4Gの荷重をかけるように振動させたことを除き、比較例3と同様の試験を行った。
【0078】
―結果―
実施例3では、160,000回振動させても弾性部に亀裂が生じなかったが、比較例3では、実施例3よりも早い段階で、弾性部に亀裂が生じた。また、実施例4では、225,000回振動させても弾性部に亀裂が生じなかったが、比較例4では、実施例4よりも早い段階で、弾性部に亀裂が生じた。本発明に係る実施例3,4の液封マウントの耐久性が、比較例3,4の液封マウントの耐久性よりも高いことが示された。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、防振装置として有用である。
【符号の説明】
【0080】
M 液封マウント(防振装置)
B 支持体
1 コア部
1a 外周面
2 取付部
3 被連結部
3a 空洞
31 結合部
31a 第1結合部
31b 第2結合部
31c 第1端部
31d 弾2端部
St 段差
32 突出部
32a 突出部の先端部
33 傾斜面
4 弾性部
5 液封部
S1 空間(主液室)
S2 空間(副液室)
S3 流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18