特開 2024-387 残債管理装置、残債管理方法、および、残債管理プログラム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024000387

(43)【公開日】2024-01-05

(54)【発明の名称】残債管理装置、残債管理方法、および、残債管理プログラム

(51)【国際特許分類】

   G06Q 40/12 20230101AFI20231225BHJP

【ＦＩ】

G06Q40/00 420

【審査請求】未請求

【請求項の数】10

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022099139

(22)【出願日】2022-06-20

(71)【出願人】

【識別番号】398040527

【氏名又は名称】株式会社オービック

(74)【代理人】

【識別番号】110002147

【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】田中 豪

(72)【発明者】

【氏名】上野 剛光

【テーマコード（参考）】

5L055

【Ｆターム（参考）】

5L055BB64

(57)【要約】      （修正有）

【課題】一度設置を行った機械について、機械のシリアル番号毎に受取手形の残債管理を実行することができる残債管理装置、残債管理方法及び残債管理プログラムを提供する。
【解決手段】記憶部と制御部とを備えた残債管理装置であって、記憶部は、機械の売上番号及び売上金額を紐付けて設定した売上データを記憶する売上データベースと、売上番号及び機械を構成する部品の製造番号を紐付けて設定した製造番号データを記憶する製造番号データベースと、を備える。制御部は、売上番号及び受取金額を紐付けて設定した入金データを取得する入金取得部と、売上データ、製造番号データ及び入金データに基づいて、製造番号に対応する機械毎の残債状況を表示させる残債照会部と、を備える。
【選択図】図３

【特許請求の範囲】

【請求項1】

記憶部と制御部とを備えた残債管理装置であって、
前記記憶部は、
機械の売上番号、および、売上金額を紐付けて設定した売上データを記憶する売上記憶手段と、
前記売上番号、および、前記機械を構成する部品の製造番号を紐付けて設定した製造番号データを記憶する製造番号記憶手段と、
を備え、
前記制御部は、
前記売上番号、および、受取金額を紐付けて設定した入金データを取得する入金取得手段と、
前記売上データ、前記製造番号データ、および、前記入金データに基づいて、前記製造番号に対応する前記機械毎の残債状況を表示させる残債照会手段と、
を備えたことを特徴とする残債管理装置。

【請求項2】

前記入金データは、
更に、入金方法が紐付けて設定され、
前記残債照会手段は、
前記入金方法が受取手形である場合、前記売上データ、前記製造番号データ、および、前記入金データに基づいて、前記入金データに対応する受取手形の支払期日が未到来である場合、前記製造番号に対応する前記機械毎の前記残債状況を残債ありとして表示させることを特徴とする請求項１に記載の残債管理装置。

【請求項3】

前記入金データは、
更に、券面番号が紐付けて設定され、
前記制御部は、
前記入金方法が前記受取手形である前記入金データに基づいて、前記券面番号、前記支払期日、および、前記受取金額を紐付けて設定した前記受取手形の受取手形データを取得する手形取得手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項２に記載の残債管理装置。

【請求項4】

前記手形取得手段は、
更に、前記受取手形の手形ジャンプが承認された場合、前記受取手形データの組戻処理を実行し、前記受取手形の前記券面番号とは異なる組戻券面番号、組戻後支払期日、および、前記受取金額を設定した組戻手形データを取得することを特徴とする請求項３に記載の残債管理装置。

【請求項5】

前記残債照会手段は、
更に、前記入金方法が現金または振込である場合、前記売上データ、前記製造番号データ、および、前記入金データに基づいて、前記現金または前記振込の入金が完了した場合、前記製造番号に対応する前記機械毎の前記残債状況を残債なしとして表示させることを特徴とする請求項２に記載の残債管理装置。

【請求項6】

前記入金取得手段は、
更に、前記機械の自社割賦の割賦契約データを取得し、
前記残債照会手段は、
更に、前記割賦契約データ、前記売上データ、前記製造番号データ、および、前記入金データに基づいて、前記自社割賦の割賦契約が完了した場合、前記製造番号に対応する前記機械毎の前記残債状況を残債なしとして表示させることを特徴とする請求項２に記載の残債管理装置。

【請求項7】

前記入金取得手段は、
更に、前記機械のリース契約データを取得し、
前記残債照会手段は、
更に、前記リース契約データ、前記売上データ、前記製造番号データ、および、前記入金データに基づいて、前記機械のリース契約が完了した場合、前記製造番号に対応する前記機械毎の前記残債状況を残債なしとして表示させることを特徴とする請求項２に記載の残債管理装置。

【請求項8】

前記残債照会手段は、
前記製造番号を設定可能な残債照会画面を表示させ、前記残債照会画面に前記製造番号が設定された場合、前記売上データ、前記製造番号データ、および、前記入金データに基づいて、当該製造番号に対応する前記機械毎の前記残債状況を前記残債照会画面に表示させることを特徴とする請求項１に記載の残債管理装置。

【請求項9】

記憶部と制御部とを備えた残債管理装置に実行させるための残債管理方法であって、
前記記憶部は、
機械の売上番号、および、売上金額を紐付けて設定した売上データを記憶する売上記憶手段と、
前記売上番号、および、前記機械を構成する部品の製造番号を紐付けて設定した製造番号データを記憶する製造番号記憶手段と、
を備え、
前記制御部で実行させる、
前記売上番号、および、受取金額を紐付けて設定した入金データを取得する入金取得ステップと、
前記売上データ、前記製造番号データ、および、前記入金データに基づいて、前記製造番号に対応する前記機械毎の残債状況を表示させる残債照会ステップと、
を含むことを特徴とする残債管理方法。

【請求項10】

記憶部と制御部とを備えた残債管理装置に実行させるための残債管理プログラムであって、
前記記憶部は、
機械の売上番号、および、売上金額を紐付けて設定した売上データを記憶する売上記憶手段と、
前記売上番号、および、前記機械を構成する部品の製造番号を紐付けて設定した製造番号データを記憶する製造番号記憶手段と、
を備え、
前記制御部において、
前記売上番号、および、受取金額を紐付けて設定した入金データを取得する入金取得ステップと、
前記売上データ、前記製造番号データ、および、前記入金データに基づいて、前記製造番号に対応する前記機械毎の残債状況を表示させる残債照会ステップと、
を実行させるための残債管理プログラム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、残債管理装置、残債管理方法、および、残債管理プログラムに関する。

【背景技術】

【0002】

特許文献１には、支払手形をデータベースに蓄積し、手形管理を行い、支払手形の残債がある場合、残債をグラフ表示する構成が開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２００３－３１６９３５号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

しかしながら、上記特許文献１記載の発明においては、機械のシリアル番号毎に受取手形の残債管理をすることができないという課題があった。

【0005】

本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、一度設置を行った機械について、機械のシリアル番号毎に受取手形の残債管理を実行することができる残債管理装置、残債管理方法、および、残債管理プログラムを提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る残債管理装置は、記憶部と制御部とを備えた残債管理装置であって、前記記憶部は、機械の売上番号、および、売上金額を紐付けて設定した売上データを記憶する売上記憶手段と、前記売上番号、および、前記機械を構成する部品の製造番号を紐付けて設定した製造番号データを記憶する製造番号記憶手段と、を備え、前記制御部は、前記売上番号、および、受取金額を紐付けて設定した入金データを取得する入金取得手段と、前記売上データ、前記製造番号データ、および、前記入金データに基づいて、前記製造番号に対応する前記機械毎の残債状況を表示させる残債照会手段と、を備えたことを特徴とする。

【0007】

また、本発明に係る残債管理装置において、前記入金データは、更に、入金方法が紐付けて設定され、前記残債照会手段は、前記入金方法が受取手形である場合、前記売上データ、前記製造番号データ、および、前記入金データに基づいて、前記入金データに対応する受取手形の支払期日が未到来である場合、前記製造番号に対応する前記機械毎の前記残債状況を残債ありとして表示させることを特徴とする。

【0008】

また、本発明に係る残債管理装置において、前記入金データは、更に、券面番号が紐付けて設定され、前記制御部は、前記入金方法が前記受取手形である前記入金データに基づいて、前記券面番号、前記支払期日、および、前記受取金額を紐付けて設定した前記受取手形の受取手形データを取得する手形取得手段、を更に備えたことを特徴とする。

【0009】

また、本発明に係る残債管理装置において、前記手形取得手段は、更に、前記受取手形の手形ジャンプが承認された場合、前記受取手形データの組戻処理を実行し、前記受取手形の前記券面番号とは異なる組戻券面番号、組戻後支払期日、および、前記受取金額を設定した組戻手形データを取得することを特徴とする。

【0010】

また、本発明に係る残債管理装置において、前記残債照会手段は、更に、前記入金方法が現金または振込である場合、前記売上データ、前記製造番号データ、および、前記入金データに基づいて、前記現金または前記振込の入金が完了した場合、前記製造番号に対応する前記機械毎の前記残債状況を残債なしとして表示させることを特徴とする。

【0011】

また、本発明に係る残債管理装置において、前記入金取得手段は、更に、前記機械の自社割賦の割賦契約データを取得し、前記残債照会手段は、更に、前記割賦契約データ、前記売上データ、前記製造番号データ、および、前記入金データに基づいて、前記自社割賦の割賦契約が完了した場合、前記製造番号に対応する前記機械毎の前記残債状況を残債なしとして表示させることを特徴とする。

【0012】

また、本発明に係る残債管理装置において、前記入金取得手段は、更に、前記機械のリース契約データを取得し、前記残債照会手段は、更に、前記リース契約データ、前記売上データ、前記製造番号データ、および、前記入金データに基づいて、前記機械のリース契約が完了した場合、前記製造番号に対応する前記機械毎の前記残債状況を残債なしとして表示させることを特徴とする。

【0013】

また、本発明に係る残債管理装置において、前記残債照会手段は、前記製造番号を設定可能な残債照会画面を表示させ、前記残債照会画面に前記製造番号が設定された場合、前記売上データ、前記製造番号データ、および、前記入金データに基づいて、当該製造番号に対応する前記機械毎の前記残債状況を前記残債照会画面に表示させることを特徴とする。

【0014】

また、本発明に係る残債管理方法は、記憶部と制御部とを備えた残債管理装置に実行させるための残債管理方法であって、前記記憶部は、機械の売上番号、および、売上金額を紐付けて設定した売上データを記憶する売上記憶手段と、前記売上番号、および、前記機械を構成する部品の製造番号を紐付けて設定した製造番号データを記憶する製造番号記憶手段と、を備え、前記制御部で実行させる、前記売上番号、および、受取金額を紐付けて設定した入金データを取得する入金取得ステップと、前記売上データ、前記製造番号データ、および、前記入金データに基づいて、前記製造番号に対応する前記機械毎の残債状況を表示させる残債照会ステップと、を含むことを特徴とする。

【0015】

また、本発明に係る残債管理プログラムは、記憶部と制御部とを備えた残債管理装置に実行させるための残債管理プログラムであって、前記記憶部は、機械の売上番号、および、売上金額を紐付けて設定した売上データを記憶する売上記憶手段と、前記売上番号、および、前記機械を構成する部品の製造番号を紐付けて設定した製造番号データを記憶する製造番号記憶手段と、を備え、前記制御部において、前記売上番号、および、受取金額を紐付けて設定した入金データを取得する入金取得ステップと、前記売上データ、前記製造番号データ、および、前記入金データに基づいて、前記製造番号に対応する前記機械毎の残債状況を表示させる残債照会ステップと、を実行させることを特徴とする。

【発明の効果】

【0016】

本発明によれば、メーカー側で申請を受けた機械のシリアル番号に対して残債の有無の確認を行い、残債が無いことを条件に移動・転売の許可を行うことができるという効果を奏する。また、本発明によれば、手形ジャンプを行った場合、当初手形の支払期日から、新手形の支払期日に切り替えての管理をすることができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【0017】

【図1】図１は、本実施形態における残債管理処理の一例を示す図である。

【図2】図２は、本実施形態における残債管理処理の一例を示す図である。

【図3】図３は、本実施形態における残債管理装置の構成の一例を示すブロック図である。

【図4】図４は、本実施形態における残債管理装置の処理の一例を示すフローチャートである。

【図5】図５は、本実施形態における残債管理処理の一例を示す図である。

【図6】図６は、本実施形態における残債照会内容の一例を示す図である。

【図7】図７は、本実施形態における残債照会画面の一例を示す図である。

【発明を実施するための形態】

【0018】

本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。

【0019】

［１．概要］
まず、図１および図２を参照して、本発明の概要を説明する。図１および図２は、本実施形態における残債管理処理の一例を示す図である。

【0020】

従来から、一度設置を行った遊技機等の機械について、移動・転売を行うためには、店舗よりメーカーに対して機械のシリアル番号単位で中古機移動の許可申請を行い、メーカーより許可を得る必要がある。

【0021】

そのため、従来から、メーカーでは、申請を受けた機械シリアル番号に対して残債の有無の確認を行い、原則、残債が無いことを条件に移動・転売の許可を行っており、残債有無の判断条件として、入金方法別に判断を行っている。ここで、残債有無の判断としては、入金方法が現金または振込の場合、入金が完了している時点で残債なしと判断している。また、残債有無の判断としては、入金方法が自社割賦の場合、割賦契約が完了している時点で残債なしとして判断している。また、残債有無の判断としては、入金方法がリースの場合、リース契約が完了している時点で残債なしとして判断している。また、残債有無の判断としては、入金方法が手形の場合、手形の状態によって区別され、該当機械に関する手形のうち一部でも期日未到来（現金化が未完了）の場合、残債ありとして判断しており、該当機械に関する全手形が現金化済の場合、残債なしとして判断している。なお、残債管理においては、販売した遊技機等に対して、手形で支払を受けている場合、手形の支払期日まで考慮した残債有無の判断が必要であるため、手形ジャンプを行った場合、当初手形の支払期日から、新手形の支払期日に切り替えての管理を可能とする必要があり、手形ジャンプされたデータの加味も必要である。

【0022】

そこで、本実施形態においては、遊技機等の機械のシリアル番号、すなわち、機械を構成する主要部品の製造番号別の残債管理を実行する仕組みを提供している。

【0023】

例えば、図１に示すように、本実施形態においては、残債照会処理として、手形以外の回収方法で回収完了している場合、この時点で残債無しとして判断し、手形の場合、手形の顛末データを保持し、この時点で確認可能な残債の回収状況・現金回収見込は、当初の受取手形の支払期日・回収状況により残債有無を判断している。

【0024】

また、図２に示すように、本実施形態においては、手形ジャンプが発生する場合、組戻入力処理として、ジャンプ対象の手形について組戻を行い、受取手形入力処理として、新手形のデータを登録し、受取手形履歴照会処理として、組戻についても参照対象に加えて、手形画像を確認可能とし、残債照会処理として、精算完了時点で、残債無しとして判断している。

【0025】

［２．構成］
本実施形態に係る残債管理装置１００の構成の一例について、図３を参照して説明する。図３は、本実施形態における残債管理装置１００の構成の一例を示すブロック図である。

【0026】

図３に示すように、残債管理装置１００は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、残債管理装置１００は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、ＰＤＡ（Ｐｅｒｓｏｎａｌ Ｄｉｇｉｔａｌ Ａｓｓｉｓｔａｎｔｓ）、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。

【0027】

残債管理装置１００は、制御部１０２と通信インターフェース部１０４と記憶部１０６と入出力インターフェース部１０８と、を備えている。残債管理装置１００が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。

【0028】

通信インターフェース部１０４は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、残債管理装置１００をネットワーク３００に通信可能に接続する。通信インターフェース部１０４は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク３００は、残債管理装置１００とサーバ２００とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）等である。

【0029】

入出力インターフェース部１０８には、入力装置１１２および出力装置１１４が接続されている。出力装置１１４には、モニタ（タッチパネルを含む）の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置１１２には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置１１４をモニタ１１４またはプリンタ１１４とし、入力装置１１２をキーボード１１２またはマウス１１２として記載する場合がある。

【0030】

記憶部１０６には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部１０６には、ＯＳ（Ｏｐｅｒａｔｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ）と協働してＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部１０６として、例えば、ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）・ＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部１０６は、売上データベース１０６ａと製造番号データベース１０６ｂと残債管理データベース１０６ｃとを備えている。

【0031】

売上データベース１０６ａは、機械の売上データを記憶する。ここで、売上データベース１０６ａは、機械の売上番号、および、売上金額を紐付けて設定した売上データを記憶していてもよい。

【0032】

製造番号データベース１０６ｂは、機械を構成する部品の製造番号データを記憶する。ここで、製造番号データベース１０６ｂは、売上番号、および、機械を構成する部品の製造番号を紐付けて設定した製造番号データを記憶していてもよい。

【0033】

残債管理データベース１０６ｃは、機械の残債管理データを記憶する。ここで、残債管理データは、入金データ、受取手形データ、組戻手形データ、割賦契約データ、および、リース契約データを含んでいてもよい。

【0034】

制御部１０２は、残債管理装置１００を統括的に制御するＣＰＵ等である。制御部１０２は、ＯＳ等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部１０２は、機能概念的に、入金取得部１０２ａと手形取得部１０２ｂと残債照会部１０２ｃとを備えている。

【0035】

入金取得部１０２ａは、入金データを取得する。ここで、入金取得部１０２ａは、売上番号、および、受取金額を紐付けて設定した入金データを取得してもよい。また、入金データは、入金方法が紐付けて設定されていてもよい。また、入金データは、券面番号が紐付けて設定されていてもよい。また、入金取得部１０２ａは、機械の自社割賦の割賦契約データを取得してもよい。また、入金取得部１０２ａは、機械のリース契約データを取得してもよい。

【0036】

手形取得部１０２ｂは、手形の手形データを取得する。ここで、手形取得部１０２ｂは、入金方法が受取手形である入金データに基づいて、券面番号、支払期日、および、受取金額を紐付けて設定した受取手形の受取手形データを取得してもよい。また、手形取得部１０２ｂは、受取手形の手形ジャンプが承認された場合、受取手形データの組戻処理を実行し、受取手形の券面番号とは異なる組戻券面番号、組戻後支払期日、および、受取金額を設定した組戻手形データを取得してもよい。

【0037】

残債照会部１０２ｃは、機械の残債状況を表示させる。ここで、残債照会部１０２ｃは、売上データ、製造番号データ、および、入金データに基づいて、製造番号に対応する機械毎の残債状況を表示させてもよい。また、残債照会部１０２ｃは、入金方法が受取手形である場合、売上データ、製造番号データ、および、入金データに基づいて、入金データに対応する受取手形の支払期日が未到来である場合、製造番号に対応する機械毎の残債状況を残債ありとして表示させてもよい。また、残債照会部１０２ｃは、入金方法が現金または振込である場合、売上データ、製造番号データ、および、入金データに基づいて、現金または振込の入金が完了した場合、製造番号に対応する機械毎の残債状況を残債なしとして表示させてもよい。また、残債照会部１０２ｃは、割賦契約データ、売上データ、製造番号データ、および、入金データに基づいて、自社割賦の割賦契約が完了した場合、製造番号に対応する機械毎の残債状況を残債なしとして表示させてもよい。また、残債照会部１０２ｃは、リース契約データ、売上データ、製造番号データ、および、入金データに基づいて、機械のリース契約が完了した場合、製造番号に対応する機械毎の残債状況を残債なしとして表示させてもよい。また、残債照会部１０２ｃは、製造番号を設定可能な残債照会画面を表示させ、残債照会画面に製造番号が設定された場合、売上データ、製造番号データ、および、入金データに基づいて、当該製造番号に対応する機械毎の残債状況を残債照会画面に表示させてもよい。

【0038】

［３．具体例］
本実施形態の具体例について、図４から図７を参照して説明する。

【0039】

［残債管理処理］
ここで、図４を参照して、本実施形態における残債管理処理の一例について説明する。図４は、本実施形態における残債管理装置１００の処理の一例を示すフローチャートである。

【0040】

図４に示すように、入金取得部１０２ａは、売上番号、入金方法、券面番号、および、受取金額を紐付けて設定した入金データを取得する（ステップＳＡ－１）。

【0041】

そして、手形取得部１０２ｂは、入金方法が受取手形である入金データに基づいて、券面番号、支払期日、および、受取金額を紐付けて設定した受取手形の受取手形データを取得する（ステップＳＡ－２）。

【0042】

そして、手形取得部１０２ｂは、受取手形の手形ジャンプが承認された場合、受取手形データの組戻処理を実行し、受取手形の券面番号とは異なる組戻券面番号、組戻後支払期日、および、受取金額を設定した組戻手形データを取得する（ステップＳＡ－３）。

【0043】

そして、残債照会部１０２ｃは、製造番号を設定可能な残債照会画面を出力装置１１４に表示させ、ユーザにより入力装置１１２を介して残債照会画面に製造番号が設定された場合、組戻手形データ、売上データ、製造番号データ、および、入金データに基づいて、当該製造番号に対応する機械毎の残債状況、および、手形状況を残債照会画面に表示させ（ステップＳＡ－４）、処理を終了する。

【0044】

ここで、図５を参照して、本実施形態における残債管理処理の一例について説明する。図５は、本実施形態における残債管理処理の一例を示す図である。

【0045】

図５に示すように、本実施形態においては、売上番号にて紐付けられた売上データ、製造番号データ、および、入金・入金消込データに基づいて、顛末毎の手形ステータス履歴を示す受取手形データを作成している。ここで、本実施形態における製造番号データに設定された製造番号１～３においては、店舗に設置されている機械を構成する主要部品の特定の種類毎にそれぞれ採番され（それぞれの番号が一意の採番となる）、１台の機械に対する製造番号１～３の組み合わせで１台の機械の判別・特定を可能としている。

【0046】

また、図６を参照して、本実施形態における残債照会の一例について説明する。図６は、本実施形態における残債照会内容の一例を示す図である。

【0047】

図６に示すように、本実施形態においては、ユーザにより残債照会で指定された基準日１）～４）の日付毎に、残債状況（手形の場合は現金化状況）の内容が取得される。

【0048】

また、図７を参照して、本実施形態における残債照会画面の一例について説明する。図７は、本実施形態における残債照会画面の一例を示す図である。

【0049】

図７に示すように、本実施形態における残債照会画面においては、ユーザにより指定（抽出項目指定）された項目である製造番号１～３に基づいて、残債状況および手形状況を含む照会項目が残債照会画面に設定され、ユーザにより残債照会画面上の「Ｆ７：入金状況」ボタンが押下された場合、該当機械明細に対する入金状況の確認が可能となる。

【0050】

［４．国連が主導する持続可能な開発目標（ＳＤＧｓ）への貢献］
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、ＳＤＧｓの目標８及び９に貢献することが可能となる。

【0051】

また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、ＳＤＧｓの目標１２、１３及び１５に貢献することが可能となる。

【0052】

また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、ＳＤＧｓの目標１６に貢献することが可能となる。

【0053】

［５．他の実施形態］
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。

【0054】

例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。

【0055】

また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。

【0056】

また、残債管理装置１００に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。

【0057】

例えば、残債管理装置１００が備える処理機能、特に制御部１０２にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、ＣＰＵおよび当該ＣＰＵにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて残債管理装置１００に機械的に読み取られる。すなわち、ＲＯＭまたはＨＤＤ（Ｈａｒｄ Ｄｉｓｋ Ｄｒｉｖｅ）などの記憶部などには、ＯＳと協働してＣＰＵに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、ＲＡＭにロードされることによって実行され、ＣＰＵと協働して制御部を構成する。

【0058】

また、このコンピュータプログラムは、残債管理装置１００に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。

【0059】

また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、ＵＳＢ（Ｕｎｉｖｅｒｓａｌ Ｓｅｒｉａｌ Ｂｕｓ）メモリ、ＳＤ（Ｓｅｃｕｒｅ Ｄｉｇｉｔａｌ）カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ＲＯＭ、ＥＰＲＯＭ（Ｅｒａｓａｂｌｅ Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）、ＥＥＰＲＯＭ（登録商標）（Ｅｌｅｃｔｒｉｃａｌｌｙ Ｅｒａｓａｂｌｅ ａｎｄ Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）、ＣＤ－ＲＯＭ（Ｃｏｍｐａｃｔ Ｄｉｓｋ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）、ＭＯ（Ｍａｇｎｅｔｏ－Ｏｐｔｉｃａｌ ｄｉｓｋ）、ＤＶＤ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｖｅｒｓａｔｉｌｅ Ｄｉｓｋ）、および、Ｂｌｕ－ｒａｙ（登録商標） Ｄｉｓｃ等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。

【0060】

また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、ＯＳに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。

【0061】

記憶部１０６に格納される各種のデータベース等は、ＲＡＭ、ＲＯＭ等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。

【0062】

また、残債管理装置１００は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、残債管理装置１００は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア（プログラムまたはデータ等を含む）を実装することにより実現してもよい。

【0063】

更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。

【産業上の利用可能性】

【0064】

本発明は、機械の残債管理をシリアル番号別に行う必要のある遊技機業界等の業界において有用である。

【符号の説明】

【0065】

１００ 残債管理装置
１０２ 制御部
１０２ａ 入金取得部
１０２ｂ 手形取得部
１０２ｃ 残債照会部
１０４ 通信インターフェース部
１０６ 記憶部
１０６ａ 売上データベース
１０６ｂ 製造番号データベース
１０６ｃ 残債管理データベース
１０８ 入出力インターフェース部
１１２ 入力装置
１１４ 出力装置
２００ サーバ
３００ ネットワーク

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】