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特開2024-38700外壁パネルの接合構造及び外壁パネルの接合方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038700
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】外壁パネルの接合構造及び外壁パネルの接合方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/56 20060101AFI20240313BHJP
   E04F 13/08 20060101ALI20240313BHJP
   E04B 1/684 20060101ALI20240313BHJP
【FI】
E04B2/56 621J
E04F13/08 X
E04B2/56 601A
E04B1/684 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142925
(22)【出願日】2022-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】307042385
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(72)【発明者】
【氏名】福田 真人
【テーマコード(参考)】
2E001
2E002
2E110
【Fターム(参考)】
2E001DA01
2E001EA10
2E001FA04
2E001HF01
2E002EA01
2E002FB07
2E002GA02
2E002MA01
2E110AA14
2E110AA42
2E110AA47
2E110AB04
2E110AB22
2E110BA05
2E110BD02
2E110BD13
2E110CB03
2E110CC17
2E110DA03
2E110DC12
2E110DD02
2E110DD03
2E110DD12
2E110EA01
2E110GB02W
2E110GB62Y
(57)【要約】
【課題】外壁パネルをより簡易且つより強固に接合する。
【解決手段】幅方向に隣接する外壁パネル100の接合構造であって、外壁パネル100は、パネル本体20と、スペーサー部材30と、一片41aを有する第一L字型部材41と、一片42aを有する第二L字型部材42と、を備え、一片41aと、一片42aは、パネル本体20の屋外側面よりも屋内側に位置しており、一方の外壁パネル100のスペーサー部材30及び一片41aと、他方の外壁パネル100の一片42aと、が屋内外方向に並んで配置されるとともに、第一固定部材400により固定され、一方の外壁パネル100のスペーサー部材30及びパネル本体20と、他方の外壁パネル100のパネル本体20とが、第二固定部材500により固定される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向に隣接する外壁パネルの接合構造であって、
前記外壁パネルは、
パネル本体と、
前記パネル本体の幅方向一端部における屋内側に沿って設けられるスペーサー部材と、
前記パネル本体の幅方向一端部における屋外側に沿って設けられ、一片が前記パネル本体の一側端面から突出し、他片が前記パネル本体の一側端面に固定される第一L字型部材と、
前記パネル本体の幅方向他端部における屋外側に沿って設けられ、一片が前記パネル本体の他側端面から突出し、他片が前記パネル本体の他側端面に固定される第二L字型部材と、を備え、
前記第一L字型部材の前記一片と、前記第二L字型部材の前記一片は、前記パネル本体の屋外側面よりも屋内側に位置しており、
前記隣接する外壁パネルのうちの一方の外壁パネルにおける前記スペーサー部材及び前記第一L字型部材の前記一片と、前記隣接する外壁パネルのうちの他方の外壁パネルにおける前記第二L字型部材の前記一片と、が屋内外方向に並んで配置されるとともに、第一固定部材により固定され、
前記一方の外壁パネルにおける前記スペーサー部材及び前記パネル本体と、前記他方の外壁パネルにおける前記パネル本体とが、第二固定部材により固定される外壁パネルの接合構造。
【請求項2】
前記第一固定部材及び前記第二固定部材は、汎用のビスである請求項1に記載の外壁パネルの接合構造。
【請求項3】
前記一方の外壁パネルにおける前記パネル本体の表面から前記第二固定部材が、前記スペーサー部材及び前記他方の外壁パネルにおける前記パネル本体に対して挿入され、且つ前記他方の外壁パネルにおける前記パネル本体の表面から前記第二固定部材が、前記一方の外壁パネルにおける前記スペーサー部材及び前記パネル本体に対して挿入されている請求項1に記載の外壁パネルの接合構造。
【請求項4】
前記第二固定部材は、前記屋内側から挿入されている請求項3に記載の外壁パネルの接合構造。
【請求項5】
前記外壁パネルは、前記パネル本体における前記屋外側の面に設けられる外装材を備え、
前記外装材の幅方向一端部は、前記第一L字型部材の前記他片に重ね合わせられ、
前記外装材の幅方向他端部は、前記第二L字型部材の前記他片に重ねあわされている請求項1に記載の外壁パネルの接合構造。
【請求項6】
前記第一L字型部材と前記第二L字型部材の間に目地部材が充填されている請求項1に記載の外壁パネルの接合構造。
【請求項7】
パネル本体と、
前記パネル本体の幅方向一端部における屋内側に沿って設けられるスペーサー部材と、
前記パネル本体の幅方向一端部における屋外側に沿って設けられ、一片が前記パネル本体の一側端面から突出し、他片が前記パネル本体の一側端面に固定される第一L字型部材と、
前記パネル本体の幅方向他端部における屋外側に沿って設けられ、一片が前記パネル本体の他側端面から突出し、他片が前記パネル本体の他側端面に固定される第二L字型部材と、を備え、幅方向に隣接する外壁パネルの接合方法であって、
前記第一L字型部材の前記一片と、前記第二L字型部材の前記一片は、前記パネル本体の屋外側面よりも屋内側に位置しており、
前記隣接する外壁パネルのうちの一方の外壁パネルにおける前記スペーサー部材及び前記第一L字型部材の前記一片と、前記隣接する外壁パネルのうちの他方の外壁パネルにおける前記第二L字型部材の前記一片と、を屋内外方向に並べて配置するパネル配置工程と、
前記一方の外壁パネルにおける前記スペーサー部材及び前記第一L字型部材の前記一片と、前記他方の外壁パネルにおける前記第二L字型部材の前記一片と、を第一固定部材により固定する第一固定工程と、
前記一方の外壁パネルにおける前記スペーサー部材及び前記パネル本体と、前記他方の外壁パネルにおける前記パネル本体とを、第二固定部材により固定する第二固定工程と、
を有する外壁パネルの接合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外壁パネルの接合構造及び外壁パネルの接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅の構築においては、その工業化が進み、例えば、壁や床、屋根といった構成要素をパネルを用いて施工するパネル工法がある。このパネル工法は、例えば特開平7-292767号公報に示されるように、予め工場にて、縦横の框材を矩形枠状に組んで枠体を構成し、この枠体の表裏面のうち少なくとも一方の面に面材を設けることにより床パネル、壁パネル、屋根パネル等を製造し、施工現場において、これらのパネルを組み立てることにより、住宅を構築するものである。
【0003】
特に外壁パネルに関して、特許文献1には、上下に配置した外壁面材を下地材で連結した外壁パネルを、建物躯体の外壁取付箇所とは異なる場所で組み立てるのに用いられる外壁パネルの地組架台が記載されている。
また、特許文献2には、壁パネルを構成する枠部材に遮熱板を取り付け可能な壁パネル及び取付部材が記載されている。
また、特許文献3には、隣り合う外壁パネルの小口間に形成される目地に装着される目地カバーにおいて、上記目地内に挿入されて各小口に係止される係止片部を有する係止部材と、上記係止部材の屋外側に位置して上記目地を覆う本体部材と、を備えることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-161699号公報
【特許文献2】特開2019-173495号公報
【特許文献3】特開2017-061825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記住宅の構築において外壁パネルを連結する際に、外壁パネルをより簡易且つより強固に接合したいという要望がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、より簡易且つより強固に接合できる外壁パネルの接合構造及び外壁パネルの接合方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、例えば図1及び図2に示すように、
幅方向(X軸方向)に隣接する外壁パネル100の接合構造であって、
前記外壁パネル100は、
パネル本体20と、
前記パネル本体20の幅方向一端部における屋内側に沿って設けられるスペーサー部材30と、
前記パネル本体20の幅方向一端部における屋外側に沿って設けられ、一片41aが前記パネル本体20の一側端面20Aから突出し、他片41bが前記パネル本体20の一側端面20Aに固定される第一L字型部材41と、
前記パネル本体20の幅方向他端部における屋外側に沿って設けられ、一片42aが前記パネル本体20の他側端面20Bから突出し、他片42bが前記パネル本体20の他側端面20Bに固定される第二L字型部材42と、を備え、
前記第一L字型部材41の前記一片41aと、前記第二L字型部材42の前記一片42aは、前記パネル本体20の屋外側面よりも屋内側に位置しており、
前記隣接する外壁パネル100のうちの一方の外壁パネル100における前記スペーサー部材30及び前記第一L字型部材41の前記一片41aと、前記隣接する外壁パネル100のうちの他方の外壁パネル100における前記第二L字型部材42の前記一片42aと、が屋内外方向(Y軸方向)に並んで配置されるとともに、第一固定部材400により固定され、
前記一方の外壁パネル100における前記スペーサー部材30及び前記パネル本体20と、前記他方の外壁パネル100における前記パネル本体20とが、第二固定部材500により固定される。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、外壁パネル100を幅方向に隣接配置するだけで、スペーサー部材30、第一L字型部材41及び第二L字型部材42によって、隣接する外壁パネル100間において目地(目地底)を形成することができ、より簡易に目地を形成できる。
また、隣接する外壁パネル100の第一L字型部材41及び第二L字型部材42をスペーサー部材30に第一固定部材400により固定し、さらに隣接する外壁パネル100を第二固定部材500により固定することで、より強固に隣接する外壁パネル100を接合できる。
これにより、隣り合う外壁パネル100をより簡易且つより強固に接合することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、例えば図1及び図2に示すように、請求項1に記載の外壁パネル100の接合構造において、
前記第一固定部材400及び前記第二固定部材500は、汎用のビスである。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、専用の固定部材を使用せずに、隣接する外壁パネル100を接合することができる。
これにより、より簡易に外壁パネル100を接合することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、例えば図1及び図2に示すように、請求項1に記載の外壁パネル100の接合構造において、
前記一方の外壁パネル100における前記パネル本体20の表面から前記第二固定部材500が、前記スペーサー部材30及び前記他方の外壁パネル100における前記パネル本体20に対して挿入され、且つ前記他方の外壁パネル100における前記パネル本体20の表面から前記第二固定部材500が、前記一方の外壁パネル100における前記スペーサー部材30及び前記パネル本体20に対して挿入されている。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、第二固定部材500は、外壁パネル100に対して斜めに挿入され、鉛直方向から見た場合にX字形状に交差して見えるようになっている。
これにより、隣接する外壁パネル100同士の接合強度は十分なものとなる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、例えば図1及び図2に示すように、請求項3に記載の外壁パネル100の接合構造において、
前記第二固定部材500は、前記屋内側から挿入されている。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、第二固定部材500を挿入する作業を屋内側から実施できる。
これにより、第二固定部材500を挿入する作業を屋外の環境に係らず実施することができ、また作業者の負担を軽減できる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、例えば図1及び図2に示すように、請求項1に記載の外壁パネル100の接合構造において、
前記外壁パネル100は、前記パネル本体20における前記屋外側の面に設けられる外装材10を備え、
前記外装材10の幅方向一端部(端面板部121)は、前記第一L字型部材41の前記他片41bに重ね合わせられ、
前記外装材10の幅方向他端部(端面板部122)は、前記第二L字型部材42の前記他片42bに重ねあわされている。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、隣接する外壁パネル100間の目地に目地部材300を充填すれば、隣接する外壁パネル100間の屋外側の面において隙間が生じない。
これにより、屋外側からの屋内側への水等の浸入を防ぐことができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、例えば図1及び図2に示すように、請求項1に記載の外壁パネル100の接合構造において、
前記第一L字型部材41と前記第二L字型部材42の間に目地部材300が充填されている。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、隣接する外壁パネル100間の目地に目地部材300を充填することで、隣接する外壁パネル100間の屋外側の面において隙間が生じない。
これにより、屋外側からの屋内側への水等の浸入を防ぐことができる。
【0019】
請求項7に記載の発明は、例えば図1及び図2に示すように、
パネル本体20と、
前記パネル本体20の幅方向一端部における屋内側に沿って設けられるスペーサー部材30と、
前記パネル本体20の幅方向一端部における屋外側に沿って設けられ、一片41aが前記パネル本体20の一側端面20Aから突出し、他片41bが前記パネル本体20の一側端面20Aに固定される第一L字型部材41と、
前記パネル本体20の幅方向他端部における屋外側に沿って設けられ、一片42aが前記パネル本体20の他側端面20Bから突出し、他片42bが前記パネル本体20の他側端面20Bに固定される第二L字型部材42と、を備え、幅方向に隣接する外壁パネル100の接合方法であって、
前記第一L字型部材41の前記一片41aと、前記第二L字型部材42の前記一片42aは、前記パネル本体20の屋外側面よりも屋内側に位置しており、
前記隣接する外壁パネル100のうちの一方の外壁パネル100における前記スペーサー部材30及び前記第一L字型部材41の前記一片41aと、前記隣接する外壁パネルのうちの他方の外壁パネル100における前記第二L字型部材42の前記一片42aと、を屋内外方向(Y軸方向)に並べて配置するパネル配置工程と、
前記一方の外壁パネル100における前記スペーサー部材30及び前記第一L字型部材41の前記一片41aと、前記他方の外壁パネル100における前記第二L字型部材42の前記一片42aと、を第一固定部材400により固定する第一固定工程と、
前記一方の外壁パネル100における前記スペーサー部材30及び前記パネル本体20と、前記他方の外壁パネル100における前記パネル本体20とを、第二固定部材500により固定する第二固定工程と、
を有する。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、外壁パネル100を幅方向に隣接配置するだけで、スペーサー部材30、第一L字型部材41及び第二L字型部材42によって、隣接する外壁パネル100間において目地(目地底)を形成することができ、より簡易に目地を形成できる。
また、隣接する外壁パネル100の第一L字型部材41及び第二L字型部材42をスペーサー部材30に第一固定部材400により固定し、さらに隣接する外壁パネル100を第二固定部材500により固定することで、より強固に隣接する外壁パネル100を接合できる。
これにより、隣り合う外壁パネル100をより簡易且つより強固に接合することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、外壁パネルをより簡易且つより強固に接合できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本実施形態の外壁のXY平面における断面図である。
図2図1の接合部の部分拡大図である。
図3】外壁パネルの斜視図である。
図4】接合方法の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の各図面は、模式的に図示されたものである。
【0024】
[1.構成の説明]
図1は、外壁1000のXY平面における断面図である。図2は、図1に示す接合部Aの部分拡大図である。
以下、X軸方向を外壁1000の幅方向とする。また、Y軸方向の正側を外壁1000の厚み方向における屋内側とし、Y軸方向の負側を外壁1000の厚み方向における屋外側とする。また、Z軸方向の正側を鉛直方向の上側とし、Z軸方向の負側を鉛直方向の下側とする。
【0025】
外壁1000は、複数の外壁パネル100と、内装材200と、目地部材300と、第一固定部材400と、第二固定部材500を備える。
【0026】
外壁パネル100は、外装材10と、パネル本体20と、スペーサー部材30と、第一L字型部材41と、第二L字型部材42を備える。
【0027】
外装材10は、鋼板等で形成され、屋外空間に面しており、パネル状である。
また、外装材10は、本体板部11と、端面板部121と、端面板部122を備える。
本体板部11は、パネル本体20のY軸方向(厚さ方向)負側の面を覆っている。つまり、本体板部11は、パネル本体20における屋外側の面に設けられる。
端面板部121は、本体板部11のX軸方向の正側端部(外装材10の幅方向一端部)に屈曲部を介して接続され、第一L字型部材41の他片41b(後述)に重ねあわされている。
端面板部122は、本体板部11のX軸方向の負側端部(外装材10の幅方向他端部)に屈曲部を介して接続され、第二L字型部材42の他片42b(後述)に重ねあわされている。
【0028】
パネル本体20は、図1図2に示すように、外装材10の本体板部11のY軸方向正側の面に接着剤等により接合されている。
パネル本体20において、図3に示すように、縦框材21と横框材22とが矩形状に組み立てられるとともに、この矩形枠の内部に補強芯材23が縦横に組まれて枠体24が形成され、枠体24のY軸方向(厚さ方向)の両方の面に合板等の面材25が貼設されている。
また、パネル本体20は、枠体24により形成される矩形枠内に、グラスウールやロックウール等の断熱材26(図1図2)を備える。
【0029】
スペーサー部材30は、木製の角材等で形成される。
また、スペーサー部材30は、図1図2に示すように、パネル本体20のX軸方向正側端部(幅方向一端部)に接着剤等により接合されて、パネル本体20のZ軸方向(高さ方向)の全長にわたって設けられる。そして、スペーサー部材30は、隣接する外壁パネル100のパネル本体20とY軸方向正側において略同一面に位置するように設けられる。つまり、スペーサー部材30は、外壁パネル100の屋内側に沿って設けられる。
また、スペーサー部材30のY軸方向の長さは、パネル本体20のY軸方向の長さ(厚み)より短い。
【0030】
第一L字型部材41及び第二L字型部材42は、パネル本体20のZ軸方向(高さ方向)の全長にわたって、パネル本体20に接合されている。
第一L字型部材41は、パネル本体20のX軸方向正側端部(幅方向一端部)における屋外側に沿って設けられる。
また、第一L字型部材41は、パネル本体20のX軸方向正側の面(一側端面20A)から突出する一片41aと、一側端面20Aに固定される他片41bを有する。
第二L字型部材42は、パネル本体20のX軸方向負側端部(幅方向他端部)における屋外側に沿って設けられる。
また、第二L字型部材42は、パネル本体20のX軸方向負側の面(他側端面20B)から突出する一片42aと、他側端面20Bに固定される他片42bを有する。
第一L字型部材41の一片41a、及び第二L字型部材42の一片42aは、パネル本体20のY軸方向負側の面(屋外側面)よりも屋内側に位置する。
また、第一L字型部材41の他片41bと、第二L字型部材42の他片42bは、Y軸方向の長さが異なる。例えば、本実施形態においては、第一L字型部材41の他片41bの方が第二L字型部材42の他片42bよりもY軸方向の長さが長い。なお、第二L字型部材42の他片42bの方が第一L字型部材41の他片41bよりもY軸方向の長さが長くなるように構成してもよい。
【0031】
複数の外壁パネル100が同一平面を形成するように、X軸方向(外壁パネル100の幅方向)において並べられ、図1に示すように、隣接する外壁パネル100同士が接合部Aにおいて連結して接合されることで外壁1000を構成している。
具体的には、図1図2に示すように、隣接する外壁パネル100のうちの一方の外壁パネル100のスペーサー部材30と、他方の外壁パネル100の縦框材21と、が当接される。そして、隣接する外壁パネル100のうちの一方の外壁パネル100におけるスペーサー部材30及び第一L字型部材41の一片41aと、隣接する外壁パネル100のうちの他方の外壁パネル100における第二L字型部材42の一片42aと、がY軸方向(屋内外方向)に並んで配置される。
これにより、外壁パネル100を幅方向に隣接配置するだけで、隣接する外壁パネル100間において目地(目地底)を形成することができる。つまり、より簡易に目地を形成できる。
【0032】
そして、重ね合わされた第一L字型部材41の一片41a及び第二L字型部材42の一片42aに第一固定部材400を屋外側から挿通し、スペーサー部材30に挿入して固定される。当該第一固定部材400は、例えば、テックスビス等の汎用のビスである。
【0033】
また、隣接する外壁パネル100のうちの一方の外壁パネル100におけるスペーサー部材30及びパネル本体20と、他方の外壁パネル100におけるパネル本体20とが、第二固定部材500により固定されている。当該第二固定部材500は、汎用のビス等である。
具体的には、隣接する外壁パネル100のうちの一方の外壁パネル100におけるパネル本体20の表面から(屋内側から)第二固定部材500が、一方の外壁パネル100のスペーサー部材30及び他方の外壁パネル100におけるパネル本体20に対して挿入されている。且つ他方の外壁パネル100におけるパネル本体20の表面から(屋内側から)第二固定部材500が、一方の外壁パネル100におけるスペーサー部材30及びパネル本体20に対して挿入されている。
以上のように、第二固定部材500は、外壁パネル100に対して斜めに挿入され、図1図2に示すように、Z軸方向から見た場合にX字形状に交差して見えるようになっている。これにより、隣接する外壁パネル100同士の接合強度は十分なものとなる。
以上のように、X軸方向に隣接する外壁パネル100同士が接合されている。
【0034】
内装材200は、石膏ボード等で形成される。
また、内装材200は、図1図2に示すように、外壁パネル100のY軸方向正側の面に当接して設けられる。
【0035】
目地部材300は、図2に示すように、屋外側から、隣接する外壁パネル100が備えるパネル本体20の間に充填または挿入されている。
具体的には、目地部材300は、隣接する外壁パネル100のうちの一方の外壁パネル100における端面板部121及び第一L字型部材41と、他方の外壁パネル100における端面板部122及び第二L字型部材42とで囲まれる空間に充填または挿入されている。これにより、第一固定部材400の頭部は、目地部材300に埋設される。
したがって、隣接する外壁パネル100間のY軸方向負側の面(屋外側の面)において隙間が生じないため、屋外側からの屋内側への水等の浸入を防ぐことができる。
【0036】
なお、本実施形態の外壁1000を備える建物は、壁や床、屋根といった建物の構成要素を予め工場でパネル化しておき、施工現場でこれらのパネルであるパネル本体20(建築用木質パネル)を組み立てて構築するパネル工法で構築されるが、これに限られるものではなく、従来の軸組工法、壁式工法、ツーバイフォー工法等で構築されるものとしてもよい。
【0037】
[2.取付方法の説明]
次に、外壁パネル100を接合する接合方法を説明する。
図4に、接合方法のフローチャートを示す。
【0038】
接合方法において、まず、複数の外壁パネル100が同一平面を形成するように、X軸方向において並べる。そして、隣接する外壁パネル100のうちの一方の外壁パネル100におけるスペーサー部材30及び第一L字型部材41の一片41aと、隣接する外壁パネル100のうちの他方の外壁パネル100における第二L字型部材42の一片42aと、をY軸方向(屋内外方向)に並べて配置する(ステップS1)。当該ステップS1がパネル配置工程である。
【0039】
次に、ステップS1において並べて配置された、隣接する外壁パネル100のうちの一方の外壁パネル100におけるスペーサー部材30及び第一L字型部材41の一片41aと、他方の外壁パネル100における第二L字型部材42の一片42aと、を第一固定部材400により固定する。
第一固定部材400は、パネル本体20の高さ方向(Z軸方向)に所定の間隔をおいて複数設けられる。これにより、隣接する外壁パネル100が仮固定される(ステップS2)。当該ステップS2が第一固定工程である。
【0040】
次に、隣接する外壁パネル100のうちの一方の外壁パネル100におけるスペーサー部材30及びパネル本体20と、他方の外壁パネル100におけるパネル本体20とを、第二固定部材500により固定する。
第二固定部材500は、パネル本体20の高さ方向(Z軸方向)に所定の間隔をおいて複数設けられる。これにより、隣接する外壁パネル100が本固定される(ステップS3)。当該ステップS3が第二固定工程である。
【0041】
次に、内装材200を、Y軸方向正側から外壁パネル100にビス等の固定部材により取り付ける(ステップS4)。
次に、屋外側から目地部材300を、隣接する外壁パネル100が備えるパネル本体20の間に充填または挿入(ステップS5)し、外壁パネル100の接合が完了する。
【0042】
[3.効果]
以上のように、本実施形態の外壁パネル100の接合構造は、幅方向(X軸方向)に隣接する外壁パネル100の接合構造であって、外壁パネル100は、パネル本体20と、パネル本体20の幅方向一端部における屋内側に沿って設けられるスペーサー部材30と、パネル本体20の幅方向一端部における屋外側に沿って設けられ、一片41aがパネル本体20の一側端面20Aから突出し、他片41bがパネル本体20の一側端面20Aに固定される第一L字型部材41と、パネル本体20の幅方向他端部における屋外側に沿って設けられ、一片42aがパネル本体20の他側端面20Bから突出し、他片42bがパネル本体20の他側端面20Bに固定される第二L字型部材42と、を備え、第一L字型部材41の一片41aと、第二L字型部材42の一片42aは、パネル本体20の屋外側面よりも屋内側に位置しており、隣接する外壁パネル100のうちの一方の外壁パネル100におけるスペーサー部材30及び第一L字型部材41の一片41aと、隣接する外壁パネル100のうちの他方の外壁パネル100における第二L字型部材42の一片42aと、が屋内外方向(Y軸方向)に並んで配置されるとともに、第一固定部材400により固定され、一方の外壁パネル100におけるスペーサー部材30及びパネル本体20と、他方の外壁パネル100におけるパネル本体20とが、第二固定部材500により固定される。
これによれば、外壁パネル100を幅方向に隣接配置するだけで、スペーサー部材30、第一L字型部材41及び第二L字型部材42によって、隣接する外壁パネル100間において目地(目地底)を形成することができ、より簡易に目地を形成できる。
また、隣接する外壁パネル100の第一L字型部材41及び第二L字型部材42をスペーサー部材30に第一固定部材400により固定し、さらに隣接する外壁パネル100を第二固定部材500により固定することで、より強固に隣接する外壁パネル100を接合できる。
したがって、隣り合う外壁パネル100をより簡易且つより強固に接合することができる。
【0043】
また、本実施形態の外壁パネル100の接合構造において、第一固定部材400及び第二固定部材500は、汎用のビスである。
これによれば、専用の固定部材を使用せずに、隣接する外壁パネル100を接合することができる。
したがって、より簡易に外壁パネル100を接合することができる。
【0044】
また、本実施形態の外壁パネル100の接合構造において、一方の外壁パネル100におけるパネル本体20の表面から第二固定部材500が、スペーサー部材30及び他方の外壁パネル100におけるパネル本体20に対して挿入され、且つ他方の外壁パネル100におけるパネル本体20の表面から第二固定部材500が、一方の外壁パネル100におけるスペーサー部材30及びパネル本体20に対して挿入されている。
これによれば、第二固定部材500は、外壁パネル100に対して斜めに挿入され、鉛直方向から見た場合にX字形状に交差して見えるようになっている。
したがって、隣接する外壁パネル100同士の接合強度は十分なものとなる。
【0045】
また、本実施形態の外壁パネル100の接合構造において、第二固定部材500は、屋内側から挿入されている。
これによれば、第二固定部材500を挿入する作業を屋内側から実施できる。
したがって、第二固定部材500を挿入する作業を屋外の環境に係らず実施することができ、また作業者の負担を軽減できる。
【0046】
また、本実施形態の外壁パネル100の接合構造において、外壁パネル100は、パネル本体20における屋外側の面に設けられる外装材10を備え、外装材10の幅方向一端部(端面板部121)は、第一L字型部材41の他片41bに重ね合わせられ、外装材10の幅方向他端部(端面板部122)は、第二L字型部材42の他片42bに重ねあわされている。
これによれば、隣接する外壁パネル100間の目地に目地部材300を充填すれば、隣接する外壁パネル100間の屋外側の面において隙間が生じない。
したがって、屋外側からの屋内側への水等の浸入を防ぐことができる。
【0047】
また、本実施形態の外壁パネル100の接合構造において、第一L字型部材41と第二L字型部材42の間に目地部材300が充填されている。
これによれば、隣接する外壁パネル100間の目地に目地部材300を充填することで、隣接する外壁パネル100間の屋外側の面において隙間が生じない。
したがって、屋外側からの屋内側への水等の浸入を防ぐことができる。
【0048】
また、本実施形態の外壁パネル100の接合方法は、パネル本体20と、パネル本体20の幅方向一端部における屋内側に沿って設けられるスペーサー部材30と、パネル本体20の幅方向一端部における屋外側に沿って設けられ、一片41aがパネル本体20の一側端面20Aから突出し、他片41bがパネル本体20の一側端面20Aに固定される第一L字型部材41と、パネル本体20の幅方向他端部における屋外側に沿って設けられ、一片42aがパネル本体20の他側端面20Bから突出し、他片42bがパネル本体20の他側端面20Bに固定される第二L字型部材42と、を備え、幅方向に隣接する外壁パネル100の接合方法であって、第一L字型部材41の一片41aと、第二L字型部材42の一片42aは、パネル本体20の屋外側面よりも屋内側に位置しており、隣接する外壁パネル100のうちの一方の外壁パネル100におけるスペーサー部材30及び第一L字型部材41の一片41aと、隣接する外壁パネル100のうちの他方の外壁パネル100における第二L字型部材42の一片42aと、を屋内外方向(Y軸方向)に並べて配置するパネル配置工程と、一方の外壁パネル100におけるスペーサー部材30及び第一L字型部材41の一片41aと、他方の外壁パネル100における第二L字型部材42の一片42aと、を第一固定部材400により固定する第一固定工程と、一方の外壁パネル100におけるスペーサー部材30及びパネル本体20と、他方の外壁パネル100におけるパネル本体20とを、第二固定部材500により固定する第二固定工程と、を有する。
これによれば、外壁パネル100を幅方向に隣接配置するだけで、スペーサー部材30、第一L字型部材41及び第二L字型部材42によって、隣接する外壁パネル100間において目地(目地底)を形成することができ、より簡易に目地を形成できる。
また、隣接する外壁パネル100の第一L字型部材41及び第二L字型部材42をスペーサー部材30に第一固定部材400により固定し、さらに隣接する外壁パネル100を第二固定部材500により固定することで、より強固に隣接する外壁パネル100を接合できる。
したがって、隣り合う外壁パネル100をより簡易且つより強固に接合することができる。
【0049】
また、近年、二酸化炭素の排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの推進による脱炭素社会の実現や、SDGs(Sustainable Development Goals)の目標達成が求められており、建築業界においても、建物を二酸化炭素排出量の少ない木造とする取り組みが進められている。本実施形態の外壁パネル100の接合構造により構成される外壁1000は、一部を木材によって構成されているので、カーボンニュートラルの推進による脱炭素社会の実現や、SDGsの目標達成に貢献できる。
【0050】
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記実施形態のスペーサー部材30は、パネル本体20のX軸方向正側の面に接着剤等により接合されているとしたがこれに限らない。ビス等の固定部材により接合されていてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1000 外壁
100 外壁パネル
10 外装材
11 本体板部
121 端面板部
122 端面板部
20 パネル本体
20A 一側端面
20B 他側端面
21 縦框材
22 横框材
23 補強芯材
24 枠体
25 面材
26 断熱材
30 スペーサー部材
41 第一L字型部材
41a 一片
41b 他片
42 第二L字型部材
42a 一片
42b 他片
200 内装材
300 目地部材
400 第一固定部材
500 第二固定部材
図1
図2
図3
図4