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特開2024-38705服薬指導システム、服薬指導方法及び服薬指導プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038705
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】服薬指導システム、服薬指導方法及び服薬指導プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/10 20180101AFI20240313BHJP
【FI】
G16H20/10
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142934
(22)【出願日】2022-09-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-05
(71)【出願人】
【識別番号】395011562
【氏名又は名称】三菱電機ITソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 公昭
(72)【発明者】
【氏名】高野 謙司
(72)【発明者】
【氏名】園田 康博
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA25
(57)【要約】
【課題】服薬指導の際に使用する、患者に提示する資材の選択を容易にする。
【解決手段】服薬指導システム100では、患者に提示する複数の資材それぞれの特性が資材特性情報として記憶されている。服薬指導システム100は、服薬指導の際、資材特性情報を参照して、薬剤が処方される患者に対応する特性を有する1つ以上の資材を特定する。服薬指導システム100は、特定された1つ以上の資材それぞれを、優先度に基づき提示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
服薬指導の際、患者に提示する複数の資材それぞれの特性を示す資材特性情報を参照して、薬剤が処方される患者に対応する特性を有する1つ以上の資材を特定する資材特定部と、
前記資材特定部によって特定された前記1つ以上の資材それぞれを、優先度に基づき提示する提示部と
を備える服薬指導システム。
【請求項2】
前記特性には、前記患者に処方される薬剤と、処方された薬剤の処方回数及び処方間隔の少なくともいずれかとが含まれる
請求項1に記載の服薬指導システム。
【請求項3】
前記特性には、前記患者の疾患が含まれる
請求項1に記載の服薬指導システム。
【請求項4】
前記特性には、前記患者の体質とアレルギーと嗜好品と併用薬との少なくともいずれかが含まれる
請求項2に記載の服薬指導システム。
【請求項5】
前記特性には、前記患者の体質とアレルギーと嗜好品と併用薬との少なくともいずれかが含まれる
請求項3に記載の服薬指導システム。
【請求項6】
前記服薬指導システムは、さらに、
前記複数の資材のうちのいずれかの資材である使用資材を使用して服薬指導を行った場合の有効度の入力を受け付ける有効度受付部と、
前記有効度受付部によって受け付けされた前記有効度に基づき、前記使用資材に効果点数を設定する点数設定部と
を備え、
前記提示部は、前記点数設定部によって設定された前記効果点数により、前記優先度を付与する
請求項1に記載の服薬指導システム。
【請求項7】
前記資材特性情報は、1つの資材に対して、1つ以上の特性の組によって構成された1つ以上の条件が定められ、条件毎に前記効果点数が設定されており、
前記資材特定部は、前記患者に対応する特性が、前記1つ以上の条件のうち少なくともいずれかの条件を満たす資材を特定し、
前記提示部は、前記患者に対応する特性が満たす条件のうち、条件を構成する特性の数と効果点数とにより、前記優先度を付与する
請求項6に記載の服薬指導システム。
【請求項8】
前記資材特性情報は、1つの資材に対して、1つ以上の特性の組によって構成された1つ以上の条件が定められ、条件毎に前記効果点数が設定されており、
前記資材特定部は、前記患者に対応する特性が、前記1つ以上の条件のうち少なくともいずれかの条件を満たす資材を特定し、
前記提示部は、前記患者に対応する特性が満たす条件についての効果点数の合計により、前記優先度を付与する
請求項6に記載の服薬指導システム。
【請求項9】
前記点数設定部は、前記有効度に基づき、前記使用資材に対して定められた前記患者に対応する特性が満たす条件のうち、条件を構成する特性の数が多い条件に設定された前記効果点数にのみ加点する
請求項7に記載の服薬指導システム。
【請求項10】
前記点数設定部は、前記有効度に基づき、前記使用資材に対して定められた前記患者に対応する特性が満たす条件について、条件を構成する特性の数が多い条件に設定された前記効果点数ほど多くの点数を加点する
請求項7に記載の服薬指導システム。
【請求項11】
前記提示部は、前記資材の選択を受け付け、選択された資材による服薬指導を行ったと判定し、選択された資材についての情報を服薬指導履歴として記憶させる
請求項1に記載の服薬指導システム。
【請求項12】
コンピュータが、服薬指導の際、患者に提示する複数の資材それぞれの特性を示す資材特性情報を参照して、薬剤が処方される患者に対応する特性を有する1つ以上の資材を特定し、
コンピュータが、前記1つ以上の資材それぞれを、優先度に基づき提示する服薬指導方法。
【請求項13】
服薬指導の際、患者に提示する複数の資材それぞれの特性を示す資材特性情報を参照して、薬剤が処方される患者に対応する特性を有する1つ以上の資材を特定する資材特定処理と、
前記資材特定処理によって特定された前記1つ以上の資材それぞれを、優先度に基づき提示する提示処理と
を行う服薬指導システムとしてコンピュータを機能させる服薬指導プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、服薬指導の支援を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤師は、処方箋に従い調剤を行う対物業務だけでなく、患者への服薬指導といった対人業務を行う。服薬指導は、薬剤師の経験値又は知識の差が、質の差として現れ易い。担当する薬剤師によらず、質の高い服薬指導を行えるようにすることが望まれている。
【0003】
特許文献1には、患者に対して説明する必要性が高い副作用を抽出して表示することが記載されている。これにより、多岐にわたる副作用から説明すべき副作用を薬剤師が選択する際の負担の軽減を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-052905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
服薬指導を行う際には、副作用の説明等必ず指導すべき項目についての指導だけでなく、服薬の仕方と患者の健康促進に役立つアドバイスといった様々な説明を行う。説明内容によっては、言葉だけでは患者には分かりづらいこともある。医薬品メーカは、薬剤師による患者への説明を支援するため、患者に提示可能な資材を薬局に提供している。しかし、提供されている資材の数が多く、患者に合った適切な資材を選択することは難しい。そのため、資材の活用が進んでいない。
【0006】
特許文献1には、患者に対して説明する必要性が高い副作用を抽出することは記載されている。しかし、特許文献1では、患者に合った適切な資材を抽出することは記載されていない。
【0007】
本開示は、服薬指導の際に使用する資材の選択を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る服薬指導システムは、
服薬指導の際、患者に提示する複数の資材それぞれの特性を記憶した資材特性記憶部を参照して、薬剤が処方される患者に対応する特性を有する1つ以上の資材を特定する資材特定部と、
前記資材特定部によって特定された前記1つ以上の資材それぞれを、優先度に基づき提示する提示部と
を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示では、患者に対応する特性を有する1つ以上の資材が特定され、提示される。これにより、薬剤師は、適切な資材を容易に選択することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る服薬指導システム100の構成図。
図2】実施の形態1に係る服薬指導装置10の構成図。
図3】実施の形態1に係る薬局端末20の構成図。
図4】実施の形態1に係る患者情報131の説明図。
図5】実施の形態1に係る処方情報132の説明図。
図6】実施の形態1に係る資材特性情報133の説明図。
図7】実施の形態1に係る資材情報231の説明図。
図8】実施の形態1に係る服薬指導システム100の全体的な処理のフローチャート。
図9】実施の形態1に係る指導情報送信処理のフローチャート。
図10】実施の形態1に係る指導情報表示処理のフローチャート。
図11】実施の形態1に係る表示される情報の説明図。
図12】実施の形態1に係る指導結果登録処理のフローチャート。
図13】変形例3に係る資材特性情報133の説明図。
図14】実施の形態2に係る資材特性情報133の説明図。
図15】実施の形態2に係る指導情報送信処理のフローチャート。
図16】実施の形態2に係る指導情報表示処理のフローチャート。
図17】実施の形態2に係る指導結果登録処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1を参照して、実施の形態1に係る服薬指導システム100の構成を説明する。
服薬指導システム100は、服薬指導装置10と、1台以上の薬局端末20とを備える。服薬指導装置10と各薬局端末20とは、ネットワーク90を介して接続されている。
服薬指導装置10は、クラウドサーバといったコンピュータである。薬局端末20は、薬局30に設置され、薬剤師によって操作されるPC等のコンピュータである。PCは、Personal Computerの略である。
薬局端末20は、同じ薬局30に複数台設置する構成でもよい。また複数台の薬局端末20を設置する場合は、PCとタブレット端末等異なる装置を組み合わせて設置してもよい。
【0012】
図2を参照して、実施の形態1に係る服薬指導装置10の構成を説明する。
服薬指導装置10は、コンピュータである。
服薬指導装置10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信インタフェース14とのハードウェアを備える。プロセッサ11は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
【0013】
服薬指導装置10は、機能構成要素として、資材特定部111と、点数設定部112とを備える。服薬指導装置10の各機能構成要素の機能はソフトウェアにより実現される。
ストレージ13には、服薬指導装置10の各機能構成要素の機能を実現するプログラムが格納されている。このプログラムは、プロセッサ11によりメモリ12に読み込まれ、プロセッサ11によって実行される。これにより、服薬指導装置10の各機能構成要素の機能が実現される。
【0014】
ストレージ13には、患者情報131と、処方情報132と、資材特性情報133とが記憶される。
【0015】
図3を参照して、実施の形態1に係る薬局端末20の構成を説明する。
薬局端末20は、コンピュータである。
薬局端末20は、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信インタフェース24とのハードウェアを備える。プロセッサ21は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。薬局端末20がPCの場合、ハードウェアとして複数のモニターに接続されていてもよい。
【0016】
薬局端末20は、機能構成要素として、処方箋処理部211と、提示部212と、有効度受付部213とを備える。薬局端末20の各機能構成要素の機能はソフトウェアにより実現される。
ストレージ23には、薬局端末20の各機能構成要素の機能を実現するプログラムが格納されている。このプログラムは、プロセッサ21によりメモリ22に読み込まれ、プロセッサ21によって実行される。これにより、薬局端末20の各機能構成要素の機能が実現される。
【0017】
ストレージ23には、資材情報231が記憶される。
【0018】
プロセッサ11,21は、プロセッシングを行うICである。ICはIntegrated Circuitの略である。プロセッサ11,21は、具体例としては、CPU、DSP、GPUである。CPUは、Central Processing Unitの略である。DSPは、Digital Signal Processorの略である。GPUは、Graphics Processing Unitの略である。
【0019】
メモリ12,22は、データを一時的に記憶する記憶装置である。メモリ12,22は、具体例としては、SRAM、DRAMである。SRAMは、Static Random Access Memoryの略である。DRAMは、Dynamic Random Access Memoryの略である。
【0020】
ストレージ13,23は、データを保管する記憶装置である。ストレージ13,23は、具体例としては、HDDである。HDDは、Hard Disk Driveの略である。また、ストレージ13,23は、SD(登録商標)メモリカード、CompactFlash(登録商標)、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク、DVDといった可搬記録媒体であってもよい。SDは、Secure Digitalの略である。DVDは、Digital Versatile Diskの略である。
【0021】
通信インタフェース14,24は、外部の装置と通信するためのインタフェースである。通信インタフェース14,24は、具体例としては、Ethernet(登録商標)、USB、HDMI(登録商標)のポートである。USBは、Universal Serial Busの略である。HDMIは、High-Definition Multimedia Interfaceの略である。
【0022】
図2では、プロセッサ11は、1つだけ示されていた。しかし、プロセッサ11は、複数であってもよく、複数のプロセッサ11が、各機能を実現するプログラムを連携して実行してもよい。同様に、図3では、プロセッサ21は、1つだけ示されていた。しかし、プロセッサ21は、複数であってもよく、複数のプロセッサ21が、各機能を実現するプログラムを連携して実行してもよい。
【0023】
***動作の説明***
図4から図12を参照して、実施の形態1に係る服薬指導システム100の動作を説明する。
実施の形態1に係る服薬指導システム100の動作手順は、実施の形態1に係る服薬指導方法に相当する。また、実施の形態1に係る服薬指導システム100の動作を実現するプログラムは、実施の形態1に係る服薬指導プログラムに相当する。
【0024】
図4を参照して、実施の形態1に係る患者情報131を説明する。
患者情報131には、患者ID毎に、患者名と、薬局IDと、患者情報と、特記事項とが含まれる。IDは、IDentifierの略である。
患者IDは、患者の識別子である。ここでは、患者IDは、患者情報131で一意に特定できる情報であればよく、例えば保険者番号および枝番であってもよい。患者名は、患者の氏名である。薬局IDは、患者が利用したことのある薬局の識別子である。患者情報は、性別及び年齢といった患者の個人情報である。特記事項には、患者頭書き情報と、疾患とが記録される。患者頭書き情報は、患者についての体質、既往歴、併用薬、アレルギー及び嗜好品を示す。疾患は、高血圧及び糖尿病といった患者が患っている病である。
【0025】
図5を参照して、実施の形態1に係る処方情報132を説明する。
処方情報132には、薬局IDと、患者IDと、調剤日と、医療機関IDと毎に、薬品名と、分量と、用法とが含まれる。
薬局ID及び患者IDは上述した通りである。調剤日は、調剤が行われた日である。医療機関IDは、処方箋を発行した医療機関の識別子である。薬品名は、処方された薬品の名称である。分量は、処方された薬品の分量である。用法は、処方された薬品の用法である。また図示していないが、処方情報132には過去に行われた服薬指導の履歴情報である服薬指導履歴を含む。
【0026】
図6を参照して、実施の形態1に係る資材特性情報133を説明する。
資材特性情報133には、薬局IDと、資材IDと毎に、1つ以上の条件と効果点数との組が含まれる。薬局IDは上述した通りである。資材IDは、薬剤師による患者への説明を支援するため、患者に提示可能な資材の識別子である。資材は、医薬品メーカ等から薬局に提供されるあるいは、薬局が独自に作成するものであり、イラスト、写真、説明文章等、あるいはそれらの組み合わせからなるものを示す。また資材は、使用説明のための動画等であってもよい。
条件は、有効な資材を判定するための条件である。条件は、1つ以上の特性の組によって構成される。特性には、処方される薬剤と、処方タイミングと、性別と、年齢と、患者頭書き情報と、疾患とが含まれる。処方タイミングは、初回、継続又は再開のように、処方された薬剤の処方回数及び処方間隔との少なくともいずれかを示す。効果点数は、条件を構成する特性の組に対する資材の有効度を示す。ここでは、効果点数の値が大きいほど有効度が高いとする。
【0027】
図6の1行目の条件は、「A薬品の初回処方、かつ、男性で糖尿病の患者」であることを意味する。図6の2行目の条件は、「B薬品の継続処方」であることを意味する。図6の1行目及び2行目は、いずれも資材IDS001の資材についての条件である。したがって、資材IDS001の資材は、「A薬品の初回処方、かつ、男性で糖尿病の患者」と「B薬品の継続処方」との少なくともいずれかである場合に有効であることになる。
図6の3行目の条件は、「C薬品の再開処方」であることを意味する。再開処方とは、過去に処方歴があり、一定期間処方歴がなく、再度処方が行われたことを意味する。したがって、資材IDS002の資材は、「C薬品の再開処方」である場合に有効であることになる。
図6の4行目の条件は、「処方された薬品がD薬品」であることを意味する。したがって、資材IDS003の資材は、「処方された薬品がD薬品」である場合に有効であることになる。
図6の5行目の条件は、「16~75歳の男性で、かつ、深夜勤務の患者」であることを意味する。図6の6行目の条件は、「16~75歳の男性で、かつ、高血圧の患者」であることを意味する。図6の5行目及び6行目は、いずれも資材IDS0034の資材についての条件である。したがって、資材IDS004の資材は、「16~75歳の男性で、かつ、深夜勤務の患者」と「16~75歳の男性で、かつ、高血圧の患者」との少なくともいずれかである場合に有効であることになる。
図6の7行目の条件は、「75歳以上で、かつ、高脂血症の患者」であることを意味する。したがって、資材IDS005の資材は、「75歳以上で、かつ、高脂血症の患者」である場合に有効であることになる。
【0028】
図7を参照して、実施の形態1に係る資材情報231を説明する。
資材情報231には、資材ID毎に、概要と、資材とが含まれる。
資材IDは上述した通りである。概要は、資材の内容の簡単な説明である。資材は、資材そのものである。
概要は、図7に示すように資材によりどのような指導が行えるかを表す情報である。資材情報231を記憶するときに、資材全体を参照した人からの入力により概要を特定するように構成してもよいし、資材を機械学習することにより、概要を特定するように構成してもよい。
【0029】
図8を参照して、実施の形態1に係る服薬指導システム100の全体的な処理を説明する。
(ステップS1:受付表示処理)
薬局端末20の処方箋処理部211は、処方箋の受付画面を表示する。薬剤師は、対応中の患者である対象患者から受け取った処方箋の情報を受付画面に入力する。処方箋の情報には、対象患者の患者ID及び氏名と、処方された薬剤の情報とが含まれている。
【0030】
(ステップS2:依頼送信処理)
薬局端末20の処方箋処理部211は、患者の情報の送信を依頼する依頼情報を服薬指導装置10に送信する。依頼情報には、ステップS1で入力された対象患者の患者IDと、処方された薬剤の情報とが含まれる。
【0031】
(ステップS3:指導情報送信処理)
服薬指導装置10の資材特定部111は、ステップS2で送信された依頼情報を受け付ける。資材特定部111は、依頼情報に基づき、患者情報131及び処方情報132から患者についての情報を抽出する。また、資材特定部111は、依頼情報と、抽出された患者についての情報に基づき、資材特性情報133から資材IDを抽出する。資材特定部111は、患者についての情報と、資材IDとを、依頼情報の送信元の薬局端末20に送信する。
【0032】
(ステップS4:指導情報表示処理)
薬局端末20の提示部212は、ステップS3で送信された患者についての情報を表示装置に表示する。また、提示部212は、資材情報231からステップS3で送信された資材IDが示す資材を抽出して、表示装置に表示する。薬剤師は、表示装置に表示された情報を参照して、対象患者に対して服薬指導を行う。
【0033】
(ステップS5:指導結果登録処理)
薬局端末20の有効度受付部213は、患者が次に来店した際に、資材を使用した服薬指導の有効度を服薬指導装置10に送信する。服薬指導装置10の点数設定部112は、有効度に基づき使用された資材の効果点数を更新する。
【0034】
図9を参照して、実施の形態1に係る指導情報送信処理(図8のステップS3)を説明する。
(ステップS31:情報抽出処理)
資材特定部111は、依頼情報に基づき、患者情報131及び処方情報132から患者についての情報を抽出する。
具体的には、資材特定部111は、依頼情報に含まれる患者IDに基づき、患者情報131から対象患者についての患者名と薬局IDと患者情報と特記事項との情報を抽出する。また、資材特定部111は、依頼情報に含まれる患者IDに基づき、患者情報131から、過去の処方情報を抽出する。
この際、資材特定部111は、抽出された情報から、服薬指導に必要な情報を特定してもよい。服薬指導に必要な情報とは、例えば、前回の処方薬と、今回の処方薬との差異である。
【0035】
(ステップS32:資材ID判定処理)
資材特定部111は、依頼情報と、ステップS31で抽出された情報とに基づき、条件を満たす資材IDがあるか否かを判定する。
具体的には、資材特定部111は、依頼情報に含まれる処方された薬剤の情報と、ステップS31で抽出された情報とが、資材特性情報133における条件を満たす資材IDがあるか否かを判定する。資材特定部111は、条件を満たす資材IDがある場合には、処理をステップS33に進める。一方、条件を満たす資材IDがない場合には、処理をステップS34に進める。
【0036】
(ステップS33:資材ID抽出処理)
資材特定部111は、条件を満たす資材IDを抽出する。
具体的には、資材特定部111は、資材特性情報133から、ステップS32で条件を満たすと判定されたレコードの資材IDを抽出する。この際、資材特定部111は、資材IDを抽出したレコードの効果点数も抽出する。
【0037】
(ステップS34:情報送信処理)
資材特定部111は、ステップS32で抽出された情報を、依頼情報の送信元の薬局端末20に送信する。また、資材特定部111は、ステップS33で資材ID及び効果点数の組が抽出された場合には、資材ID及び効果点数の組も依頼情報の送信元の薬局端末20に送信する。
【0038】
図10を参照して、実施の形態1に係る指導情報表示処理(図8のステップS4)を説明する。
(ステップS41:情報表示処理)
図11の(A)に示すように、提示部212は、ステップS3で送信された患者についての情報を表示装置に表示する。この際、提示部212は、服薬指導が必要な情報を強調して表示する等してもよい。また、提示部212は、ステップS3で送信された資材IDと、資材情報231における資材IDに対応する概要とを表示する。この際、提示部212は、ステップS3で送信された資材IDそれぞれに対して、その資材IDについての効果点数による優先度に基づき資材を表示する。例えば、提示部212は、提示部212は、効果点数の高い順に資材IDを上から順番に並べて表示する。提示部212は、資材IDとともに効果点数を表示してもよい。
【0039】
ステップS41で表示された情報を確認しながら、薬剤師によって服薬指導が行われる。服薬指導を行う際、薬剤師は、患者との話の内容等に応じて、服薬の仕方と患者の健康促進に役立つアドバイスといった説明を行う。説明の内容によっては資材を用いることで、患者の理解を助けることが可能になる。資材を使用する場合には、薬剤師は、使用する資材の資材IDを選択する。この際、薬剤師は、概要を参照して使用する資材を決定する。また、服薬指導が終了した場合には、薬剤師は、指導終了ボタンを押下する。
【0040】
(ステップS42:入力判定処理)
提示部212は、入力されたか否かを判定する。
提示部212は、資材IDが選択された場合には、処理をステップS43に進める。提示部212は、指導終了ボタンが押下された場合には、薬剤師による患者に対する服薬指導情報を服薬指導装置10に送信して、処理を終了する。具体的には、提示部212は、処方情報として薬局IDと、患者IDと、調剤日と、医療機関IDと毎に、薬品名と、分量と、用法とを服薬指導装置10に送信する。また、提示部212は、薬剤師が選択した資材IDに基づき、使用資材を特定し使用資材による服薬指導を行ったと判定し、資材情報213を参照して資材IDから特定される概要も合わせて服薬指導情報として服薬指導装置10に送信する。その後服薬指導装置10の処理部(図示せず)は、提示部212によって送信された情報に基づき処方情報132にデータの追加を行う。資材IDから特定される概要は、服薬指導履歴として記憶される。
資材IDが選択されず、かつ、指導終了ボタンが押下されていない場合には、提示部212は、処理をステップS42に戻す。
【0041】
(ステップS43:資材表示処理)
図11の(B)に示すように、提示部212は、選択された資材IDが示す資材を表示装置に表示する。この際、薬剤師は資材を表示した画面を患者に見せながら服薬指導を行ってもよい。上述したように、薬局端末20に複数のモニターが接続されていれば、いずれかのモニターを患者の方向に回転させ、患者に資材を見せながらの服薬指導が可能となる。また薬局端末20がタブレット端末等であれば、薬剤師と患者とが同じ画面を見ながらの服薬指導も可能となる。ステップS42で選択された資材IDはステップ42で送信される服薬指導情報の一部となるため、ステップS43終了時には、選択された資材IDをメモリ22に記憶する。
また図11の(B)のように資材を表示するとき、複数の資材を同時に表示するように構成してもよい。その場合、資材IDの順番で表示をしてもよいし、資材IDの順番は優先度に基づくため、その優先度に基づき見やすさを重視して表示してもよい。具体的には例えば4以上の資材を表示するときは、Zの法則のように、左上、右上、左下、右下と配置する方法がある。またFの法則のように、左上、左下、右上、右下と配置する方法がある。
【0042】
図12を参照して、実施の形態1に係る指導結果登録処理(図8のステップS5)を説明する。
【0043】
(ステップS51:有効度受付処理)
有効度受付部213は、患者が前回来店した際にステップS43で表示された資材である使用資材を使用して服薬指導を行った場合の有効度の入力を受け付ける。実施の形態1では、有効度は、使用資材が有効であったか否かを示す。例えば、服薬アドヒアランスが向上した場合、又は、健康促進に繋がる活動が行われるようになった場合には、有効と判断される。
有効度受付部213は、ステップS43で表示された資材である使用資材の資材ID及び有効度の組を服薬指導装置10に送信する。点数設定部112は、使用資材の資材ID及び有効度の組を受信する。
【0044】
(ステップS52:有効度判定処理)
点数設定部112は、有効度が、使用資材が有効であったことを示すか否かを判定する。
点数設定部112は、有効度が有効であったことを示す場合には、処理をステップS53に進める。一方、点数設定部112は、有効度が有効でなかったことを示す場合には、処理を終了する。
【0045】
(ステップS53:点数設定処理)
点数設定部112は、資材特性情報133における有効度受付部213によって送信された資材IDのレコードのうち、ステップS32で条件を満たすと判定された条件のレコードに設定された効果点数に1加算する。ステップS32で条件を満たすと判定された条件については、メモリ12に保持しておくようにしてもよいし、前回来店時の特性に基づき特定されてもよい。
【0046】
なお、図12の処理では、有効であった場合に効果点数に加点された。しかし、有効であった場合に効果点数に加点することに代えて、有効でなかった場合に効果点数を減点してもよい。また、有効であった場合に効果点数に加点することに加えて、有効でなかった場合に効果点数を減点してもよい。
【0047】
***実施の形態1の効果***
以上のように、実施の形態1に係る服薬指導装置10は、患者に対応する特性を有する1つ以上の資材を特定し、優先度を付与した上で提示する。これにより、薬剤師は、優先度の高いものから参照することで、適切な資材を容易に選択することが可能である。
【0048】
実施の形態1に係る服薬指導装置10は、使用した資材についての有効度の入力を受け付け、有効度に基づき資材の効果点数を設定する。そして、服薬指導装置10は、効果点数により優先度を付与する。これにより、資材に適切な優先度を付与することが可能である。
【0049】
***他の構成***
<変形例1>
実施の形態1では、服薬指導装置10と薬局端末20とが機能構成要素を分散して備えた。しかし、服薬指導システム100の機能構成要素については、服薬指導システム100が備えていればよく、服薬指導装置10と薬局端末20とのどちらが機能構成要素を備えていてもよい。
【0050】
例えば、薬局端末20が、全ての機能構成要素を備えてもよい。この構成では、服薬指導装置10を、データを記憶するためのデータベースサーバとみなすことができる。
また、例えば、服薬指導装置10が、全ての機能構成要素を備えてもよい。この構成では、薬局端末20を、薬剤師とのインタフェースを担うだけの端末とみなすことができる。
【0051】
また、服薬指導システム100は、1台のコンピュータで構成されてもよい。つまり、服薬指導装置10と薬局端末20との両方の機能を1台のコンピュータに持たせてもよい。
【0052】
<変形例2>
実施の形態1では、有効度は、使用資材が有効であったか否かを示した。しかし、有効度は、使用資材の有効性を示す点数であってもよい。ここでは、点数は、有効度が高いほど、高くなるものとする。例えば3段階で点数を付けるとき、3点が最も有効度が高くなり、1点が最も有効度が低くなる。
この場合には、図12のステップS52からステップS53の処理は、対象の組の有効度が示す点数を、対象の組の資材IDについての効果点数に加算する処理に変更される。
【0053】
<変形例3>
1つの資材には、複数のページを有するものがある。この場合、ページによって内容が少しずつ異なっている。
実施の形態1では、資材特性情報133は、薬局IDと、資材IDと毎に、1つ以上の条件と効果点数との組が含まれた。変形例3として、図13に示すように、1つの資材が複数のページを有することを考慮して、資材特性情報133は、薬局IDと、資材IDと、ページ番号毎に、1つ以上の条件と効果点数との組が含まれるようにしてもよい。これにより、薬剤師は、どの資材のどのページを使用すべきかを容易に選択することが可能である。
【0054】
例えば、「B薬品の継続処方」の場合には、資材IDがS001の資材の1ページと2ページとの両方の条件を満たす。この場合には、図8のステップS3では、資材IDS001については、1ページと2ページとのうち、効果点数が高い2ページのレコードが特定される。そして、図8のステップS4では、資材IDS001の2ページが表示される。この際、2ページのレコードの効果点数を用いて優先度が付与される。
図12のステップS51では、有効度受付部213は、使用資材の資材IDとページ番号と有効度との組を服薬指導装置10に送信する。図12のステップS53では、点数設定部112は、資材特性情報133における有効度受付部213によって送信された資材ID及びページ番号のレコードのうち、ステップS32で条件を満たすと判定された条件のレコードに設定された効果点数に1加算する。
【0055】
<変形例4>
実施の形態1では、各機能構成要素がソフトウェアで実現された。しかし、変形例4として、各機能構成要素はハードウェアで実現されてもよい。この変形例4について、実施の形態1と異なる点を説明する。
【0056】
各機能構成要素がハードウェアで実現される場合には、服薬指導装置10は、プロセッサ11とメモリ12とストレージ13とに代えて、電子回路を備える。電子回路は、服薬指導装置10の各機能構成要素と、メモリ12と、ストレージ13との機能とを実現する専用の回路である。
【0057】
同様に、各機能構成要素がハードウェアで実現される場合には、薬局端末20は、プロセッサ21とメモリ22とストレージ23とに代えて、電子回路を備える。電子回路は、薬局端末20の各機能構成要素と、メモリ22と、ストレージ23との機能とを実現する専用の回路である。
【0058】
電子回路としては、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、FPGAが想定される。GAは、Gate Arrayの略である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略である。FPGAは、Field-Programmable Gate Arrayの略である。
各機能構成要素を1つの電子回路で実現してもよいし、各機能構成要素を複数の電子回路に分散させて実現してもよい。
【0059】
<変形例5>
変形例5として、一部の各機能構成要素がハードウェアで実現され、他の各機能構成要素がソフトウェアで実現されてもよい。
【0060】
プロセッサ11とメモリ12とストレージ13と電子回路とを処理回路という。つまり、各機能構成要素の機能は、処理回路により実現される。
【0061】
実施の形態2.
実施の形態2は、資材特性情報133の資材IDに副番を持たせた点が実施の形態1と異なる。実施の形態2では、この異なる点を説明し、同一の点については説明を省略する。
【0062】
図14を参照して、実施の形態2に係る資材特性情報133を説明する。
資材特性情報133は、資材IDに副番を持っている点が図6に示す資材特性情報133と異なる。
副番は、資材IDの枝番である。実施の形態2では、副番が大きいほど、多くの特性の組によって条件が設定される。そのため、1つの資材について同時に満たすことが可能な複数の条件が設定されている場合には、副番が大きいほど、条件を満たすことが難しくなる。したがって、副番が大きいほど、対応する患者属性との適応度合が強くなる。
例えば、資材IDS001の資材については、副番が1から3までのレコードがある。副番1のレコードでは条件は、「糖尿病の患者」であることである。副番3のレコードでは条件は、「A薬品の初回処方、かつ男性で糖尿病の患者」であることである。そのため、副番3のレコードの条件を満たす場合には、副番1のレコードの条件も満たすことになる。副番が大きい副番3のレコードの方が、副番1のレコードよりも条件が厳しくなっており、条件を満たすことが難しくなっている。
なお、資材IDS010の資材のように、いずれか1つの条件だけしか満たすことがないような設定も可能である。
【0063】
図15を参照して、実施の形態2に係る指導情報送信処理(図8のステップS3)を説明する。
ステップS33及びステップS34以外の処理は、実施の形態1と同じである。
【0064】
(ステップS33:特性ID抽出処理)
資材特定部111は、条件を満たす資材IDを抽出する。
具体的には、資材特定部111は、患者に対応する特性が、少なくともいずれかの条件を満たす資材の資材IDを抽出する。この際、資材特定部111は、患者に対応する特性が満たす条件のうち、条件を構成する特性の数が多い条件に設定された効果点数を抽出する。つまり、資材特定部111は、患者に対応する特性が満たす条件のうち、副番が最も大きいレコードの効果点数を抽出する。また、資材特定部111は、副番が最も大きいレコードの条件を構成する特性の数を特定する。
【0065】
(ステップS34:情報送信処理)
資材特定部111は、ステップS32で抽出された情報と、ステップS33で抽出された資材IDと効果点数と条件を構成する特性の数との組とを、依頼情報の送信元の薬局端末20に送信する。
【0066】
図16を参照して、実施の形態2に係る指導情報表示処理(図8のステップS4)を説明する。
ステップS41以外の処理は、実施の形態1と同じである。
【0067】
(ステップS41:情報表示処理)
提示部212は、実施の形態1と同様に、患者についての情報を表示装置に表示するとともに、資材IDと、資材情報231における資材IDに対応する概要とを表示する。
但し、この際、提示部212は、ステップS3で送信された条件を構成する特性の数と効果点数とにより、優先度を付与する。例えば、提示部212は、条件を構成する特性の数を効果点数に乗じた値により優先度を付与する。
【0068】
図17を参照して、実施の形態2に係る指導結果登録処理(図8のステップS5)を説明する。
ステップS53以外の処理は、実施の形態1と同じである。
【0069】
(ステップS53:点数設定処理)
点数設定部112は、資材特性情報133における対象の組の資材IDのレコードのうち、患者に対応する特性が満たす条件のレコードであり、かつ、条件を構成する特性の数が多い条件のレコードに設定された効果点数に1加算する。つまり、点数設定部112は、患者に対応する特性が満たす条件のレコードであり、かつ、副番が最も大きいレコードに設定された効果点数に1加算する。
【0070】
***実施の形態2の効果***
以上のように、実施の形態2に係る服薬指導装置10は、資材IDに副番を持たせる。そして、服薬指導装置10は、患者に対応する特性が満たす条件のうち、条件を構成する特性の数が多い条件に設定された効果点数と、条件を構成する特性の数とにより、優先度を付与する。これにより、より患者にあった優先度を付与することが可能である。
【0071】
***他の構成***
<変形例6>
実施の形態2では、各資材IDに対して、条件を構成する特性の数と効果点数とにより、優先度が付与された。しかし、各資材IDに対して、患者に対応する特性が満たす条件についての効果点数の合計により、優先度が付与されてもよい。
この場合には、図15のステップS33では資材特定部111は、患者に対応する特性が、少なくともいずれかの条件を満たす資材の資材IDを抽出する。この際、資材特定部111は、抽出した資材IDについて、患者に対応する特性が満たす全ての条件に設定された効果点数を抽出し、合計する。図15のステップS34では資材特定部111は、ステップS32で抽出された情報と、ステップS33で抽出された資材IDと効果点数の合計との組とを、依頼情報の送信元の薬局端末20に送信する。そして、図6のステップS41では提示部212は、ステップS3で送信された効果点数の合計により、優先度を付与する。
【0072】
<変形例7>
実施の形態2では、図17のステップS54で、点数設定部112は、患者に対応する特性が満たす条件のレコードであり、かつ、条件を構成する特性の数が多い条件のレコードに設定された効果点数に加点した。しかし、点数設定部112は、患者に対応する特性が満たす条件の全てのレコードの効果点数に加点してもよい。この際、点数設定部112は、条件を構成する特性の数が多いほど、加点する点数を多くしてもよい。
【0073】
なお、以上の説明における「部」を、「回路」、「工程」、「手順」、「処理」又は「処理回路」に読み替えてもよい。
【0074】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
服薬指導の際、患者に提示する複数の資材それぞれの特性を示す資材特性情報を参照して、薬剤が処方される患者に対応する特性を有する1つ以上の資材を特定する資材特定部と、
前記資材特定部によって特定された前記1つ以上の資材それぞれを、優先度に基づき提示する提示部と
を備える服薬指導システム。
(付記2)
前記特性には、前記患者に処方される薬剤と、処方された薬剤の処方回数及び処方間隔の少なくともいずれかとが含まれる
付記1に記載の服薬指導システム。
(付記3)
前記特性には、前記患者の疾患が含まれる
付記1又は2に記載の服薬指導システム。
(付記4)
前記特性には、前記患者の体質とアレルギーと嗜好品と併用薬との少なくともいずれかが含まれる
付記2に記載の服薬指導システム。
(付記5)
前記特性には、前記患者の体質とアレルギーと嗜好品と併用薬との少なくともいずれかが含まれる
付記3に記載の服薬指導システム。
(付記6)
前記服薬指導システムは、さらに、
前記複数の資材のうちのいずれかの資材である使用資材を使用して服薬指導を行った場合の有効度の入力を受け付ける有効度受付部と、
前記有効度受付部によって受け付けされた前記有効度に基づき、前記使用資材に効果点数を設定する点数設定部と
を備え、
前記提示部は、前記点数設定部によって設定された前記効果点数により、前記優先度を付与する
付記1から5までのいずれか1項に記載の服薬指導システム。
(付記7)
前記資材特性情報は、1つの資材に対して、1つ以上の特性の組によって構成された1つ以上の条件が定められ、条件毎に前記効果点数が設定されており、
前記資材特定部は、前記患者に対応する特性が、前記1つ以上の条件のうち少なくともいずれかの条件を満たす資材を特定し、
前記提示部は、前記患者に対応する特性が満たす条件のうち、条件を構成する特性の数と効果点数とにより、前記優先度を付与する
付記6に記載の服薬指導システム。
(付記8)
前記資材特性情報は、1つの資材に対して、1つ以上の特性の組によって構成された1つ以上の条件が定められ、条件毎に前記効果点数が設定されており、
前記資材特定部は、前記患者に対応する特性が、前記1つ以上の条件のうち少なくともいずれかの条件を満たす資材を特定し、
前記提示部は、前記患者に対応する特性が満たす条件についての効果点数の合計により、前記優先度を付与する
付記6に記載の服薬指導システム。
(付記9)
前記点数設定部は、前記有効度に基づき、前記使用資材に対して定められた前記患者に対応する特性が満たす条件のうち、条件を構成する特性の数が多い条件に設定された前記効果点数にのみ加点する
付記7又は8に記載の服薬指導システム。
(付記10)
前記点数設定部は、前記有効度に基づき、前記使用資材に対して定められた前記患者に対応する特性が満たす条件について、条件を構成する特性の数が多い条件に設定された前記効果点数ほど多くの点数を加点する
付記7又は8に記載の服薬指導システム。
(付記11)
前記提示部は、前記資材の選択を受け付け、選択された資材による服薬指導を行ったと判定し、選択された資材についての情報を服薬指導履歴として記憶させる
付記1から10までのいずれか1項に記載の服薬指導システム。
(付記12)
コンピュータが、服薬指導の際、患者に提示する複数の資材それぞれの特性を示す資材特性情報を参照して、薬剤が処方される患者に対応する特性を有する1つ以上の資材を特定し、
コンピュータが、前記1つ以上の資材それぞれを、優先度に基づき提示する服薬指導方法。
(付記13)
服薬指導の際、患者に提示する複数の資材それぞれの特性を示す資材特性情報を参照して、薬剤が処方される患者に対応する特性を有する1つ以上の資材を特定する資材特定処理と、
前記資材特定処理によって特定された前記1つ以上の資材それぞれを、優先度に基づき提示する提示処理と
を行う服薬指導システムとしてコンピュータを機能させる服薬指導プログラム。
【0075】
以上、本開示の実施の形態及び変形例について説明した。これらの実施の形態及び変形例のうち、いくつかを組み合わせて実施してもよい。また、いずれか1つ又はいくつかを部分的に実施してもよい。なお、本開示は、以上の実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0076】
100 服薬指導システム、10 服薬指導装置、11 プロセッサ、12 メモリ、13 ストレージ、14 通信インタフェース、111 資材特定部、112 点数設定部、131 患者情報、132 処方情報、133 資材特性情報、20 薬局端末、21 プロセッサ、22 メモリ、23 ストレージ、24 通信インタフェース、211 処方箋処理部、212 提示部、213 有効度受付部、231 資材情報、90 ネットワーク。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2023-12-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
服薬指導の際、患者に提示する複数の資材それぞれについて、1つ以上の特性の組によって構成された1つ以上の条件が定められ、条件毎に効果点数が設定された資材特性情報を参照して、薬剤が処方される患者に対応する特性が前記1つ以上の条件のうち少なくともいずれかの条件を満たす1つ以上の資材の資材IDを特定する資材特定部と、
前記資材特定部によって特定された1つ以上の資材IDが示す資材それぞれを、その資材の優先度に基づき提示する提示部と
前記複数の資材のうちのいずれかの資材である使用資材を使用して服薬指導を行った場合の有効度の入力を受け付ける有効度受付部と、
前記有効度受付部によって受け付けされた前記有効度に基づき、前記使用資材に対して前記条件毎の前記効果点数を設定する点数設定部と
を備え、
前記提示部は、前記1つ以上の資材それぞれを対象として、対象の資材について前記患者に対応する特性が満たす条件に対して設定された前記効果点数により、前記対象の資材に対して前記優先度を付与する服薬指導システム。
【請求項2】
前記特性には、前記患者に処方される薬剤と、処方された薬剤の処方回数及び処方間隔の少なくともいずれかとが含まれる
請求項1に記載の服薬指導システム。
【請求項3】
前記特性には、前記患者の疾患が含まれる
請求項1に記載の服薬指導システム。
【請求項4】
前記特性には、前記患者の体質とアレルギーと嗜好品と併用薬との少なくともいずれかが含まれる
請求項2に記載の服薬指導システム。
【請求項5】
前記特性には、前記患者の体質とアレルギーと嗜好品と併用薬との少なくともいずれかが含まれる
請求項3に記載の服薬指導システム。
【請求項6】
記提示部は、前記患者に対応する特性が満たす条件のうち、条件を構成する特性の数と効果点数とにより、前記優先度を付与する
請求項に記載の服薬指導システム。
【請求項7】
記提示部は、前記患者に対応する特性が満たす条件についての効果点数の合計により、前記優先度を付与する
請求項に記載の服薬指導システム。
【請求項8】
前記点数設定部は、前記有効度に基づき、前記使用資材に対して定められた前記患者に対応する特性が満たす条件のうち、条件を構成する特性の数が多い条件に設定された前記効果点数にのみ加点する
請求項に記載の服薬指導システム。
【請求項9】
前記点数設定部は、前記有効度に基づき、前記使用資材に対して定められた前記患者に対応する特性が満たす条件について、条件を構成する特性の数が多い条件に設定された前記効果点数ほど多くの点数を加点する
請求項に記載の服薬指導システム。
【請求項10】
前記提示部は、前記資材の選択を受け付け、選択された資材による服薬指導を行ったと判定し、選択された資材についての情報を服薬指導履歴として記憶させる
請求項1に記載の服薬指導システム。
【請求項11】
コンピュータが、服薬指導の際、患者に提示する複数の資材それぞれについて、1つ以上の特性の組によって構成された1つ以上の条件が定められ、条件毎に効果点数が設定された資材特性情報を参照して、薬剤が処方される患者に対応する特性が前記1つ以上の条件のうち少なくともいずれかの条件を満たす1つ以上の資材の資材IDを特定し、
コンピュータが、特定された1つ以上の資材IDが示す資材それぞれを、その資材の優先度に基づき提示し、
コンピュータが、前記複数の資材のうちのいずれかの資材である使用資材を使用して服薬指導を行った場合の有効度の入力を受け付け、
コンピュータが、受け付けされた前記有効度に基づき、前記使用資材に対して前記条件毎の前記効果点数を設定し、
コンピュータが、前記1つ以上の資材それぞれを対象として、対象の資材について前記患者に対応する特性が満たす条件に対して設定された前記効果点数により、前記対象の資材に対して前記優先度を付与する服薬指導方法。
【請求項12】
服薬指導の際、患者に提示する複数の資材それぞれについて、1つ以上の特性の組によって構成された1つ以上の条件が定められ、条件毎に効果点数が設定された資材特性情報を参照して、薬剤が処方される患者に対応する特性が前記1つ以上の条件のうち少なくともいずれかの条件を満たす1つ以上の資材の資材IDを特定する資材特定処理と、
前記資材特定処理によって特定された1つ以上の資材IDが示す資材それぞれを、その資材の優先度に基づき提示する提示処理と
前記複数の資材のうちのいずれかの資材である使用資材を使用して服薬指導を行った場合の有効度の入力を受け付ける有効度受付処理と、
前記有効度受付処理によって受け付けされた前記有効度に基づき、前記使用資材に対して前記条件毎の前記効果点数を設定する点数設定処理と
を行う服薬指導システムとしてコンピュータを機能させ
前記提示処理では、前記1つ以上の資材それぞれを対象として、対象の資材について前記患者に対応する特性が満たす条件に対して設定された前記効果点数により、前記対象の資材に対して前記優先度を付与する服薬指導プログラム。