(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038706
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】射出成型機の制御装置
(51)【国際特許分類】
G06F 21/31 20130101AFI20240313BHJP
【FI】
G06F21/31
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142937
(22)【出願日】2022-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】723004680
【氏名又は名称】新潟機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】水野 隆之
(72)【発明者】
【氏名】舘野 悦男
(57)【要約】
【課題】運転の継続を適正に管理することができる射出成型機の制御装置を提供する。
【解決手段】射出成型機1の制御装置10は、入出力部11と、記憶部13と、処理部15とを備える。入出力部11は、操作者によるパスワードの入力操作を受け付ける。記憶部13は、処理部15によって生成されるパスワードを記憶する。処理部15は、操作者によって入力されるパスワードと記憶部13に記憶されるパスワードとが一致する場合に所定期間に亘る射出成型機1の運転の継続を許容する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出装置及び型締め装置を備える射出成型機の制御装置であって、
所定期間に亘る前記射出成型機の運転の継続を許容するパスワードを生成する演算部と、
前記演算部によって生成される前記パスワードを記憶する記憶部と、
操作者によるパスワードの入力操作を受け付ける入力部と、
前記操作者によって入力される前記パスワードと前記記憶部に記憶される前記パスワードとが一致する場合に前記所定期間に亘る前記射出成型機の運転の継続を許容する制御部と
を備える
ことを特徴とする射出成型機の制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記所定期間の経過後に前記射出成型機の運転を停止させる
ことを特徴とする請求項1に記載の射出成型機の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記所定期間の経過後に前記射出成型機の運転を停止させる場合、前記型締め装置からの金型の取り外しを許容する
ことを特徴とする請求項2に記載の射出成型機の制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記所定期間の経過後に前記射出成型機の所定速度以下での運転のみを許容する
ことを特徴とする請求項1に記載の射出成型機の制御装置。
【請求項5】
前記所定期間の経過前に前記所定期間に関する情報を操作者に報知する出力部を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の射出成型機の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成型機の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばカウンタ値及び日付に応じて生成される一度限り有効のパスワード、いわゆるワンタイムパスワードによる認証を要する射出成型機が知られている(例えば、特許文献1参照)。この射出成型機では、メーカー等の管理者によってワンタイムパスワードが管理されることにより、無許可での運転は禁止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記したような従来技術の射出成型機は、ワンタイムパスワードを起動時の認証に用いるだけであり、認証後の運転継続は規制されない。しかしながら、無制限に運転の継続を許容する場合、例えば賃貸又は売掛等の契約の違反又は不履行に対して適切に対応することができないおそれがある。
【0005】
本発明は、運転の継続を適正に管理することができる射出成型機の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明は以下の態様を採用した。
本発明の一態様に係る射出成型機の制御装置は、射出装置及び型締め装置を備える射出成型機の制御装置であって、所定期間に亘る前記射出成型機の運転の継続を許容するパスワードを生成する演算部と、前記演算部によって生成される前記パスワードを記憶する記憶部と、操作者によるパスワードの入力操作を受け付ける入力部と、前記操作者によって入力される前記パスワードと前記記憶部に記憶される前記パスワードとが一致する場合に前記所定期間に亘る前記射出成型機の運転の継続を許容する制御部とを備える。
【0007】
上記に記載の射出成型機の制御装置では、前記制御部は、前記所定期間の経過後に前記射出成型機の運転を停止させてもよい。
【0008】
上記に記載の射出成型機の制御装置では、前記制御部は、前記所定期間の経過後に前記射出成型機の運転を停止させる場合、前記型締め装置からの金型の取り外しを許容してもよい。
【0009】
上記に記載の射出成型機の制御装置では、前記制御部は、前記所定期間の経過後に前記射出成型機の所定速度以下での運転のみを許容してもよい。
【0010】
上記に記載の射出成型機の制御装置は、前記所定期間の経過前に前記所定期間に関する情報を操作者に報知する出力部を備えてもよい。
【発明の効果】
【0011】
上記によれば、所定期間に亘る運転継続を許容するパスワードによって射出成型機を制御する制御部を備えることによって、例えば所定期間を超えて射出成型機の運転が継続されてしまうことを防ぎ、射出成型機の運転継続を適正に管理することができる。
【0012】
上記の場合、所定期間の経過後に射出成型機の運転を停止させる制御部を備えることによって、例えば賃貸又は売掛等の契約の違反又は不履行に対して、射出成型機の運転を停止させることができ、適切に対応することができる。
【0013】
上記の場合、射出成型機の運転を停止させる際に、型締め装置からの金型の取り外しを許容する制御部を備えることによって、他の装置での金型の転用を許容し、成形品の製造動作を過剰に妨げることを抑制することができる。
【0014】
上記の場合、所定期間の経過後に射出成型機の所定速度以下での運転のみを許容する制御部を備えることによって、成形品の製造動作を過剰に妨げることを抑制することができる。
【0015】
上記の場合、所定期間の経過前に所定期間に関する情報を操作者に報知する出力部を備えることによって、射出成型機の運転継続が予告無しに規制されてしまうことを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態の情報提供システムに備えられる射出成型機の制御装置の機能構成を示すブロック図。
【
図2】本発明の実施形態での射出成型機の制御装置によるパスワード生成処理を示すフローチャート。
【
図3】本発明の実施形態での射出成型機の制御装置によるパスワード生成処理での編集時の表示画面の一例を示す図。
【
図4】本発明の実施形態での射出成型機の制御装置による巡回及び停止処理を示すフローチャート。
【
図5】本発明の実施形態での射出成型機の制御装置によるパスワード入力時の表示画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態での射出成型機の制御装置について、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、実施形態に係る射出成型機1の機能構成を示すブロック図である。
実施形態に係る射出成型機1は、例えば横型又は堅型(縦型)の射出成型機である。
図1に示すように、射出成型機1は、射出装置3と、型締め装置5と、制御装置10とを備える。
【0018】
射出装置3は、例えばプラスチック樹脂等の樹脂材料を型締め装置5に固定された金型の内部の空間に射出する。射出装置3は、例えば、樹脂材料が注入されるシリンダと、シリンダ内の樹脂材料を混錬及び加圧するスクリューと、複数のサーボモータとを備える。複数のサーボモータは、例えば、第1モータ、第2モータ及び第3モータを備える。第1モータは、例えば、シリンダ内のスクリューを中心軸線の周りに回転させる回転機構を駆動する。第2モータは、例えば、シリンダ内のスクリューを中心軸線に沿った方向に移動させる移動機構を駆動する。第3モータは、例えば、シリンダ及びスクリューを型締め装置5に対して相対移動させる相対移動機構を駆動する。
【0019】
型締め装置5は、例えば金型の開閉及び成形品の突き出しを行う。型締め装置5は、例えば、金型を開閉する開閉機構と、金型から成形品の突き出しを行うエジェクタ機構と、複数のサーボモータとを備える。複数のサーボモータは、例えば、開閉機構を駆動する第4モータ及びエジェクタ機構を駆動する第5モータを備える。
【0020】
制御装置10は、射出成型機1の動作を制御する。制御装置10は、例えば、入出力部11と、記憶部13と、処理部15とを備える。
入出力部11は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等のディスプレイによるタッチパネル及び操作ボタンと、スピーカー及びブザーと、例えばUSB(Universal Serial Bus)デバイス等の外部デバイスを接続する入出力ポート(端子)とを備える。
記憶部13は、例えば後述する複数のパスワード等の各種データ等を記憶する。
【0021】
処理部15は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサによって所定のプログラムが実行されることにより機能するソフトウェア機能部である。ソフトウェア機能部は、CPUなどのプロセッサ、プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)及びタイマーなどの電子回路を備えるECU(Electronic Control Unit)である。なお、処理部15の少なくとも一部は、LSI(Large Scale Integration)などの集積回路であってもよい。
処理部15は、各種の演算及び制御を行う。
【0022】
制御装置10は、例えば、管理者権限が有効である場合に生成する少なくとも1つのパスワードによって、射出成型機1の所定期間に亘る運転の継続を制御する。管理者権限が有効である場合は、例えば入出力部11の入出力ポートに所定のセキュリティデバイスが接続された状態等である。管理者権限が有効である場合、操作者は、例えば制御装置10に内蔵される時計の変更等のように制御装置10を管理することができる。
セキュリティデバイスは、例えば接触型又は非接触型の各種デバイスによるセキュリティキー又はセキュリティトークン等である。セキュリティキーは、例えばデバイスの外部(制御装置10等)に取り出される秘密鍵によって署名処理が行われる。セキュリティトークンは、例えば内部に搭載するIC(Integrated Circuit)チップによって署名処理を行う。各種デバイスは、例えばUSB(Universal Serial Bus)デバイス又はNFC(Near Field Communication)デバイス等である。
セキュリティデバイスは、例えば、UID(User IDentifier)及びPID(Product IDentifier)等のデバイス識別子と、暗号キー(例えば、疑似乱数用のシードキー)とを格納している。
【0023】
制御装置10は、例えば、管理者権限が有効である場合に生成するパスワードを暗号化して記憶部13に格納する。制御装置10は、例えば、管理者権限が有効である場合に操作者によって入力される最終期限及び期限回数に基づいて、パスワードの有効期間に関する候補スケジュールを作成する。制御装置10は、例えば、現在時刻から最終期限までの期間を期限回数に応じて所定に分割することによって複数の異なる有効期間を作成し、各有効期間毎に異なるパスワードを設定する。
制御装置10は、例えば、管理者権限が有効である場合に操作者によって所定のロック操作が実行されると、記憶部13に格納されているパスワードによる射出成型機1の運転継続の制御を開始する。制御装置10は、ロック操作の実行後に操作者によるパスワードの入力を受け付け、操作者によって入力されるパスワードと記憶部13に格納されているパスワードとを照合する。制御装置10は、操作者によって入力されるパスワードと記憶部13に格納されているパスワードとが一致する場合に、パスワードに対応付けられている有効期間に亘る射出成型機1の運転の継続を許容する。一方、新たに有効なパスワードが入力されずにパスワードの有効期間を超過した場合、制御装置10は、例えば、射出成型機1の運転を強制的に停止させるとともに成型品の製造動作を禁止する。制御装置10は、例えば、射出成型機1の製造動作を禁止する際に、金型の取り外し等に要する相対的に低速(例えば、所定速度以下等)での操作を許容する。
【0024】
なお、制御装置10は、例えば、各有効期間毎のパスワードの入力試行回数が所定回数以上の場合、つまり操作者によって入力されるパスワードと記憶部13に格納されているパスワードとが不一致となる回数が所定回数以上の場合、操作者によるパスワードの入力及び照合を禁止する。制御装置10は、例えば、制御装置10を管理することができる管理者権限等によってパスワードの入力試行回数のリセット(初期化)及びパスワードの入力不可を解除する。
【0025】
以下、射出成型機1の制御装置10の動作として、制御装置10が実行する処理について説明する。
図2は、実施形態での射出成型機1の制御装置10によるパスワード生成処理を示すフローチャートである。
図3は、実施形態での射出成型機1の制御装置10によるパスワード生成処理での編集時の表示画面20の一例を示す図である。
【0026】
先ず、
図2に示すステップS01にて制御装置10は、例えば入出力部11の入出力ポートに所定のセキュリティデバイスが接続されたか否かを判定する。この判定結果が「NO」の場合、制御装置10は処理をエンドに進める。一方、この判定結果が「YES」の場合、制御装置10は処理をステップS02に進める。
次に、ステップS02にて制御装置10は、例えば
図3に示す編集時の表示画面20を入出力部11のディスプレイに表示させ、表示画面20での操作者の入力操作に応じて最終期限及び期限回数を取得する。
【0027】
図3に示すように、編集時の表示画面20は、例えば、射出成型機1の運転を許容するパスワードに関する最終期限及び期限回数を示す期限表示21と、少なくとも1つのパスワードの有効期間(例えば、開始タイミングを示す開始期間及び終了タイミングを示す終了期間等)を示す期間表示22と、期限作成スイッチ23と、全解除スイッチ24と、ロックスイッチ25とを備える。
期間表示22は、例えば、操作者による有効期間の直接的な入力操作を受け付ける。期限作成スイッチ23は、例えば、最終期限及び期限回数に応じた期限分割及びスケジュール作成の実行を指示する操作を受け付ける。全解除スイッチ24は、例えば、作成されたスケジュール及びパスワードの全ての解除を指示する操作を受け付ける。ロックスイッチ25は、例えば、後述する現在時刻と設定期間の比較及びパスワードの照合を巡回的に実行することを指示する操作(ロック操作)を受け付ける。
【0028】
次に、ステップS03にて制御装置10は、操作者による期限作成スイッチ23の操作に応じて射出成型機1の運転を許容する期限の作成指示を取得する。
次に、ステップS04にて制御装置10は、例えば操作者によって入力された最終期限及び期限回数等のデータが適正であるか否かを判定する。この判定結果が「NO」の場合、制御装置10は処理をステップS05に進める。一方、この判定結果が「YES」の場合、制御装置10は処理をステップS06に進める。
そして、ステップS05にて制御装置10は、入力されたデータが適正ではないことを報知して、処理をエンドに進める。
【0029】
そして、ステップS06にて制御装置10は、予め設定された所定の演算処理によって、最終期限及び期限回数に応じた期限分割及びスケジュール作成を実行し、作成した候補スケジュールを提示する。候補スケジュールは、例えば、期間表示22で提示されるパスワードの開始期間及び終了期間等の有効期間を備える。
次に、ステップS07にて制御装置10は、例えば期間表示22で提示される有効期間に対する操作者による直接的な入力操作等に応じて、候補スケジュールの修正を指示するスケジュール設定指示を取得する。
【0030】
次に、ステップS08にて制御装置10は、例えば期間表示22で設定されている有効期間に応じたスケジュールが適正であるか否かを判定する。この判定結果が「NO」の場合、制御装置10は処理をステップS09に進める。一方、この判定結果が「YES」の場合、制御装置10は処理をステップS11に進める。
そして、ステップS09にて制御装置10は、スケジュールが適正ではないことを報知して、処理をステップS10に進める。
次に、ステップS10にて制御装置10は、例えば期間表示22で提示される有効期間及びパスワードを削除して、処理をエンドに進める。
【0031】
そして、ステップS11にて制御装置10は、例えばセキュリティデバイスに格納されている暗号キーと、現在時刻と、射出成型機1に固有の識別番号となどに基づいて、期間表示22で設定されている有効期間毎にパスワードを生成する。
次に、ステップS12にて制御装置10は、暗号化したパスワードを記憶部13に格納する。
【0032】
次に、ステップS13にて制御装置10は、操作者によるロックスイッチ25の操作に応じて、例えば、後述する現在時刻と設定期間の比較及びパスワードの照合を巡回的に実行することを指示するロック実行指示を取得する。
次に、ステップS14にて制御装置10は、生成したパスワード、有効期間及び射出成型機1に固有の識別番号等の情報を備えるデータファイルをセキュリティデバイスに格納する。そして、制御装置10は、処理をエンドに進める。
【0033】
図4は、実施形態での射出成型機1の制御装置10による巡回及び停止処理を示すフローチャートである。
図5は、実施形態での射出成型機1の制御装置10によるパスワード入力時の表示画面20の一例を示す図である。
先ず、
図4に示すステップS21にて制御装置10は、現在時刻とパスワードの有効期間(設定期間)とを比較する。
次に、ステップS22にて制御装置10は、操作者によって入力されているパスワードと、記憶部13に格納されている有効期間のパスワードとを照合して、有効なパスワードが操作者によって入力されているか否かを判定する。この判定結果が「NO」の場合、制御装置10は処理をステップS23に進める。一方、この判定結果が「YES」の場合、制御装置10は処理をステップS32に進める。
図5に示すように、パスワード入力時の表示画面20は、例えば、文字入力のためのソフトウェアキーボードの画面31と、設定されたパスワードの画面32とを備える。画面31は、例えば、文字パレット41と、入力文字列42と、パスワードの入力回数制限を示す表示43とを備える。画面32は、例えば、パスワードの有効期間(例えば、開始タイミングを示す開始期間及び終了タイミングを示す終了期間等)を示す期間表示51と、パスワードの不一致により射出成型機1の強制的な運転停止が実行されることを示す表示52とを備える。
そして、
図4に示すステップS23にて制御装置10は、操作者によって入力されているパスワードと、記憶部13に格納されている有効期間のパスワードとが不一致となる回数は所定回数(例えば、10回等)以上であるか否かを判定する。この判定結果が「NO」の場合、制御装置10は処理をステップS22に戻す。一方、この判定結果が「YES」の場合、制御装置10は処理をステップS24に進める。
そして、ステップS24にて制御装置10は、パスワードの入力及び照合を禁止する。
【0034】
次に、ステップS25にて制御装置10は、射出成型機1の運転を停止させる処理を開始する。
次に、ステップS26にて制御装置10は、射出成型機1の初回の運転停止であるか否かを判定する。この判定結果が「YES」の場合、制御装置10は処理をステップS27に進める。一方、この判定結果が「NO」の場合、制御装置10は処理をステップS28に進める。
そして、ステップS27にて制御装置10は、射出成型機1での金型に対する加圧を解除する脱圧を行いつつ射出成型機1の動作を停止させる。制御装置10は、金型に対する脱圧によって射出成型機1からの金型の取り外しを許容する。そして、制御装置10は、処理をステップS31に進める。
【0035】
そして、ステップS28にて制御装置10は、射出成型機1の動作状態(モード)を確認する。
次に、ステップS29にて制御装置10は、射出成型機1の動作状態(モード)の停止を実行する。
次に、ステップS30にて制御装置10は、射出成型機1の各サーボモータの動作を停止させる。
次に、ステップS31にて制御装置10は、射出成型機1の運転停止を報知する。そして、制御装置10は、処理をリターンに進める。
【0036】
また、ステップS32にて制御装置10は、現在有効なパスワードの有効期間は所定期間未満であるか、つまり次回のパスワードの照合が所定期間未満で実行されるか否かを判定する。この判定結果が「NO」の場合、制御装置10は処理をリターンに進める。一方、この判定結果が「NO」の場合、制御装置10は処理をステップS33に進める。
そして、ステップS33にて制御装置10は、現在有効なパスワードが所定期間未満で期限切れになることを予告報知する。そして、制御装置10は、処理をリターンに進める。
【0037】
上述したように、実施形態の射出成型機1の制御装置10は、有効期間に亘る運転継続を許容するパスワードによって射出成型機1を制御することによって、例えば有効期間を超えて射出成型機1の制限の無い運転が継続されてしまうことを防ぎ、射出成型機1の運転継続を適正に管理することができる。
制御装置10は、有効期間の経過後に射出成型機1の運転を停止させることによって、例えば賃貸又は売掛等の契約の違反又は不履行に対して、射出成型機1の運転を停止させることができ、適切に対応することができる。
制御装置10は、射出成型機1の初回の停止時に脱圧を行うことによって、射出成型機1を安全に停止させることができる。
制御装置10は、作成したパスワードを暗号化して記憶部13に格納するので、例えば射出成型機1が所望の通信ネットワークに属していない場合であっても、射出成型機1の運転継続を適正に管理することができる。
【0038】
制御装置10は、射出成型機1の運転を停止させる際に、型締め装置5からの金型の取り外しを許容することによって、他の装置での金型の転用を許容し、成形品の製造動作を過剰に妨げることを抑制することができる。
制御装置10は、有効期間の経過後に射出成型機1の所定速度以下での運転のみを許容することによって、成形品の製造動作を過剰に妨げることを抑制することができる。
制御装置10は、有効期間の経過前に有効期間に関する情報を操作者に報知することによって、射出成型機1の運転継続が予告無しに規制されてしまうことを防ぐことができる。
【0039】
(変形例)
以下、実施形態の変形例について説明する。なお、上述した実施形態と同一部分については、同一符号を付して説明を省略又は簡略化する。
上述した実施形態では、制御装置10は、パスワードの有効期間を超過した場合、射出成型機1の運転を強制的に停止させるとともに成型品の製造動作を禁止するとしたが、これに限定されない。例えば、制御装置10は、パスワードの有効期間を超過した場合、射出成型機1の全ての機能を停止させてもよい、又は、一部の機能のみを動作可能にしてもよい。
【0040】
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0041】
1…射出成型機、3…射出装置、5…型締め装置、10…制御装置、11…入出力部(入力部、出力部)、13…記憶部、15…処理部(演算部、制御部)。