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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038722
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】吸音パネル
(51)【国際特許分類】
   G10K 11/16 20060101AFI20240313BHJP
   E04B 1/86 20060101ALI20240313BHJP
   G10K 11/168 20060101ALI20240313BHJP
【FI】
G10K11/16 120
E04B1/86 Q
G10K11/168
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142958
(22)【出願日】2022-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】000199979
【氏名又は名称】川上産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(74)【代理人】
【識別番号】100148910
【弁理士】
【氏名又は名称】宮澤 岳志
(72)【発明者】
【氏名】川上 裕次郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 浩司
(72)【発明者】
【氏名】橋本 彰久
【テーマコード(参考)】
2E001
5D061
【Fターム(参考)】
2E001DF04
2E001FA03
2E001GA18
2E001HD02
2E001HD11
5D061AA06
5D061AA26
5D061BB24
5D061BB31
5D061BB35
(57)【要約】      (修正有)
【課題】一定の剛性を維持しつつ軽量化を図るための設計の自由度に優れた吸音パネルを提供する。
【解決手段】板状に形成されたフェノール樹脂発泡体である吸音体本体Hと、吸音体本体Hの表面側に添着された生地(ニードル生地)製の保護カバー材Jと、を備えて構成された板状吸音体Aと、プラスチック中空板Sにより形成され、板状吸音体Aの外面を覆うカバー体Bとを備えた吸音パネルPであって、カバー体Bが、板状吸音体Aの表面を覆うとともに板状吸音体Aにおける一部の表面を外部に露出させるための複数の連通孔hが設けられた表カバー壁11と、板状吸音体Aの裏面を覆う裏カバー壁21と、板状吸音体Aにおける表面と裏面との間に位置する外周端面を覆う周カバー壁Eとを備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状に形成されたフェノール樹脂発泡体を主体に構成された板状吸音体と、プラスチック中空板により形成されたものであり前記板状吸音体の外面を覆うカバー体とを備えた吸音パネルであって、
前記カバー体が、前記板状吸音体の表面を覆うとともに当該板状吸音体における一部の表面を外部に露出させるための単数又は複数の連通孔が設けられた表カバー壁と、前記板状吸音体の裏面を覆う裏カバー壁と、前記板状吸音体における前記表面と前記裏面との間に位置する外周端面を覆う周カバー壁とを備えている吸音パネル。
【請求項2】
前記板状吸音体が、略矩形板状に形成されたものである請求項1記載の吸音パネル。
【請求項3】
前記プラスチック中空板が、気泡を形成するための複数の突起を有するキャップシートと、このキャップシートにおける突起の開放側に添設され前記各突起に対応した複数の気泡を形成するバックシートと、前記キャップシートの突起の先端側に添設されたライナーシートとを備えたものである請求項2記載の吸音パネル。
【請求項4】
前記カバー体が、第一のカバー体構成要素と、当該第一のカバー体構成要素とは別体をなす第二のカバー体構成要素とを組み合わせることにより形成されたものである請求項3記載の吸音パネル。
【請求項5】
前記第一のカバー体構成要素が、前記表カバー壁と、この表カバー壁の周縁部から当該表カバー壁に対して略直交する後方に延設され前記周カバー壁における外層部を構成する外層周カバー壁部とを備えたものであり、
前記第二のカバー体構成要素が、前記裏カバー壁と、この裏カバー壁の周縁部から当該裏カバー壁に対して略直交する前方に延設され前記周カバー壁における内層部を構成する内層周カバー壁部とを備えたものであり、
前記外層周カバー壁部及び前記内層周カバー壁部が連結手段により連結されている請求項4記載の吸音パネル。
【請求項6】
前記板状吸音体が、少なくとも、前記裏カバー壁の内面、及び、前記表カバー壁の内面に対して添設されたものである請求項5記載の吸音パネル。
【請求項7】
建物又は什器を構成する起立壁体に対して、壁体取付具を介して固定可能である請求項1記載の吸音パネル。
【請求項8】
前記板状吸音体が、前記フェノール樹脂発泡体である吸音体本体と、この吸音体本体の表面側に添着された生地製の保護カバー材とを備えたものである請求項1記載の吸音パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸音パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、室内における残響発生の抑止あるいは騒音防止等を実現するべく、種々の吸音パネルが開発されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
従来の吸音パネルには、内部に吸音機能の主体をなす吸音体が配されており、その外面をアルミ材等の金属板を用いて部分的に被覆することにより全体の形態を維持させるようにしたものも存在している。
【0004】
ところが、このような吸音パネルは、重量が嵩みやすいものとならざるを得ず、一定の剛性を維持しつつ軽量化を図るための設計の自由度が極めて低いものとなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-009020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上のような事情に着目してなされたもので、少なくとも、一定の剛性を維持しつつ軽量化を図るための設計の自由度に優れた吸音パネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は次の構成をなしている。
【0008】
請求項1に記載の発明は、板状に形成されたフェノール樹脂発泡体を主体に構成された板状吸音体と、プラスチック中空板により形成されたものであり前記板状吸音体の外面を覆うカバー体とを備えた吸音パネルであって、前記カバー体が、前記板状吸音体の表面を覆うとともに当該板状吸音体における一部の表面を外部に露出させるための単数又は複数の連通孔が設けられた表カバー壁と、前記板状吸音体の裏面を覆う裏カバー壁と、前記板状吸音体における前記表面と前記裏面との間に位置する外周端面を覆う周カバー壁とを備えている吸音パネルである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記板状吸音体が、略矩形板状に形成されたものである請求項1記載の吸音パネルである。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記プラスチック中空板が、気泡を形成するための複数の突起を有するキャップシートと、このキャップシートにおける突起の開放側に添設され前記各突起に対応した複数の気泡を形成するバックシートと、前記キャップシートの突起の先端側に添設されたライナーシートとを備えたものである請求項2記載の吸音パネルである。
【0011】
請求項4に記載の発明は、前記カバー体が、第一のカバー体構成要素と、当該第一のカバー体構成要素とは別体をなす第二のカバー体構成要素とを組み合わせることにより形成されたものである請求項3記載の吸音パネルである。
【0012】
請求項5に記載の発明は、前記第一のカバー体構成要素が、前記表カバー壁と、この表カバー壁の周縁部から当該表カバー壁に対して略直交する後方に延設され前記周カバー壁における外層部を構成する外層周カバー壁部とを備えたものであり、前記第二のカバー体構成要素が、前記裏カバー壁と、この裏カバー壁の周縁部から当該裏カバー壁に対して略直交する前方に延設され前記周カバー壁における内層部を構成する内層周カバー壁部とを備えたものであり、前記外層周カバー壁部及び前記内層周カバー壁部が連結手段により連結されている請求項4記載の吸音パネルである。
【0013】
請求項6に記載の発明は、前記板状吸音体が、少なくとも、前記裏カバー壁の内面、及び、前記表カバー壁の内面に対して添設されたものである請求項5記載の吸音パネルである。
【0014】
請求項7に記載の発明は、建物又は什器を構成する起立壁体に対して、壁体取付具を介して固定可能である請求項1記載の吸音パネルである。
【0015】
請求項8に記載の発明は、前記板状吸音体が、前記フェノール樹脂発泡体である吸音体本体と、この吸音体本体の表面側に添着された生地製の保護カバー材とを備えたものである請求項1記載の吸音パネルである。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、少なくとも、一定の剛性を維持しつつ軽量化を図るための設計の自由度に優れた吸音パネルを提供することができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態を示す斜視図。
図2】同実施形態における斜視図。
図3】同実施形態における正面図。
図4図3におけるX-X線断面図。
図5】同実施形態における分解斜視図。
図6】同実施形態の使用例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を、図1~6を参照して説明する。
【0019】
この実施形態は、本発明を、一定の剛性を有しつつ軽量化に優れた吸音パネルPに適用したものである。
【0020】
吸音パネルPは、例えば、図6に示すような什器F(ブース)を構成する起立壁体Wや、建物の起立壁体に対して、図示しない壁体取付具を介して固定可能に構成されている。
【0021】
吸音パネルPは、板状に形成されたフェノール樹脂発泡体を主体に構成された板状吸音体Aと、プラスチック中空板Sにより形成されたものであり板状吸音体Aの外面を覆うカバー体Bとを備えたものである。
【0022】
以下、吸音パネルPの各構成について詳述する。
【0023】
<板状吸音体A>
板状吸音体Aは、フェノール樹脂発泡体である吸音体本体Hと、吸音体本体Hの表面側に添着された生地(ニードル生地)製の保護カバー材Jとを備えたものである。
【0024】
吸音体本体Hは、矩形板状に形成されたフェノール樹脂発泡体である。より具体的に言えば、この実施形態の吸音体本体Hは、松村アクア株式会社製のカルモフォーム(登録商標)が適用されている。
【0025】
吸音体本体Hは、正面視において正方形状をなし、上下寸法及び左右寸法が40~50cmの範囲内に設定されたものである。この実施形態では、吸音体本体Hは、上下寸法及び左右寸法が427mmに設定されており、前後寸法(厚み寸法)が16.5mmに設定されている。
【0026】
吸音体本体Hは、フェノール樹脂発泡体の材質特性に基づいて、吸音性、遮音性、及び、断熱性を発揮し得るものとなっている。なお、吸音体本体Hは、表面に衝撃を与えると凹みやすく、凹んだ場合は復元しないという材質的な特性を有している。また、吸音体本体Hは、粉が出やすく飛散しやすいものとなっている。吸音体本体Hは、そのPH値が2.5~±0.5であるため、酸性質なものであり、金属と接触する場合には錆を生じさせやすいものとなっている。
【0027】
吸音体本体Hは、上述した物性を備えているため、吸音パネルPにおけるその他の構成と協働して、取り扱い易さに優れた対策が施されたものとなっている。
【0028】
保護カバー材Jは、吸音体本体Hの表面側に接着剤により貼り付けられるものである。保護カバー材Jは、布材(ニードル生地)により構成されている。保護カバー材Jは、カバー体Bを構成する表カバー壁11と吸音体本体Hとの間に介設されたものとなる。このため、吸音体本体Hが表カバー壁11の連通孔hを通じて外部に直接的に露出しないものとなっており、吸音体本体Hが手指等の接触に伴って損傷したり凹んだりし難いものとなっている。
【0029】
保護カバー材Jは、正面視において正方形状をなし、上下寸法及び左右寸法が吸音体本体Hの前面の略全域を覆い得る大きさに設定されたものである。
【0030】
この実施形態では、保護カバー材Jは、上下寸法及び左右寸法が420mmに設定されており、前後寸法(厚み寸法)が3.0mmに設定されている。
【0031】
<カバー体B>
カバー体Bは、板状吸音体Aの表面を覆うとともに当該板状吸音体Aにおける一部の表面を外部に露出させるための複数の連通孔hが設けられた表カバー壁11と、板状吸音体Aの裏面を覆う裏カバー壁21と、板状吸音体Aにおける表面と裏面との間に位置する外周端面を覆う周カバー壁Eとを備えたものである。
【0032】
カバー体Bは、プラスチック中空板Sにより形成されている。
【0033】
プラスチック中空板Sは、図4に示すように、気泡(空気室)を形成するための複数の突起tを有するキャップシートs1と、キャップシートs1における突起tの開放側に添設され当該キャップシートs1と協働して各突起tに対応した複数の気泡を形成するバックシートs2と、キャップシートs1の突起tの先端側に添設されたライナーシートs3とを備えたものである
この実施形態のカバー体Bは、表カバー壁11を含み構成された第一のカバー体構成要素1と、当該第一のカバー体構成要素1とは別体をなしており、裏カバー壁21を含み構成された第二のカバー体構成要素2とを組み合わせることにより形成されたものである。
【0034】
第一のカバー体構成要素1は、表カバー壁11と、表カバー壁11の周縁部から当該表カバー壁11に対して略直交する後方に延設され周カバー壁Eにおける外層部を構成する外層周カバー壁部12とを備えたものである。
【0035】
なお、この実施形態における第一のカバー体構成要素1は、厚み寸法が5.5mmのプラスチック中空板Sにより作られている。
【0036】
第二のカバー体構成要素2は、裏カバー壁21と、裏カバー壁21の周縁部から当該裏カバー壁21に対して略直交する前方に延設され周カバー壁Eにおける内層部を構成する内層周カバー壁部22とを備えたものである。
【0037】
なお、この実施形態における第二のカバー体構成要素2は、厚み寸法が5.0mmのプラスチック中空板Sにより作られている。
【0038】
第一のカバー体構成要素1と第二のカバー体構成要素2とは、連結手段である止着具R、接着剤、又は、熱溶着により、相互に組み合わされた状態が保持されるものとなっている。
【0039】
なお、止着具Rは、第一のカバー体構成要素1と第二のカバー体構成要素2との間に介設されて当該第一、第二のカバー体構成要素1、2を相互に組み合わせることができるものであればよく、例えば、スクリュー式アンカー部材、リベット(ワンプッシュ式リベットを含む)、ねじ、ステープル、タッカー等、種々のものを適用することができる。
【0040】
具体的には、第一のカバー体構成要素1に設けられた外層周カバー壁構成部12と、第二のカバー体構成要素2に設けられた内層周カバー壁構成部22とが、止着具Rであるスクリュー式アンカー部材により連結されている。
【0041】
カバー体Bの内部に配設された板状吸音体Aは、裏カバー壁21の内面、内層周カバー壁部22の内面、及び、表カバー壁11の内面に対して添接し得るものとなっている。
【0042】
上述した実施形態における吸音パネルPは、上下寸法が450mmに設定されており、左右寸法が450mmに設定されており、前後寸法が30mmに設定されている。また、連通孔hが設けられた表カバー壁11の開口率は20%に設定されている。そして、JIS A 1405の規格に基づく測定方法による測定結果では、この実施形態の吸音パネルPは、500~630Hzにおいて吸音特性のピークを持っており、そのピークレンジにおける吸音率は約0.8となっている。
【0043】
つまり、この実施形態の吸音パネルPであれば、人間の会話によって生じ得る周波音(約250~2000Hz)の内、低周波音を好適に吸音できるものとなっている。
【0044】
このため、吸音パネルPは、例えば、図6に例示するような執務用の什器F(ブース)における起立壁体Wの内面や、その他、一般家屋等の建物における起立壁体の内面等に取り付けて、所期の機能を好適に発揮し得るものとなっている。
【0045】
以上説明したように、本実施形態に係る吸音パネルPは、板状に形成されたフェノール樹脂発泡体を主体に構成された板状吸音体Aと、プラスチック中空板Sにより形成されたものであり板状吸音体Aの外面を覆うカバー体Bとを備えたものである。
【0046】
そして、カバー体Bが、板状吸音体Aの表面を覆うとともに当該板状吸音体Aにおける一部の表面を外部に露出させるための複数の連通孔hが設けられた表カバー壁11と、板状吸音体Aの裏面を覆う裏カバー壁21と、板状吸音体Aにおける表面と裏面との間に位置する外周端面を覆う周カバー壁Eとを備えている。
【0047】
このため、この実施形態であれば、一定の剛性を維持しつつ軽量化を図るための設計の自由度に優れた吸音パネルPを提供することができるものとなる。
【0048】
つまり、カバー体Bが、プラスチック中空板Sにより形成されたものであるため、軽量であるにもかかわらず優れた剛性を発揮し得るものとなっている。また、カバー体Bが、フェノール樹脂発泡体を主体に構成された板状吸音体Aの外面を覆っているため、当該板状吸音体Aを好適に保護し得るものとなっている。
【0049】
板状吸音体Aが、略矩形板状に形成されたものである。
【0050】
このため、矩形板状をなす吸音パネルPを好適に形成し得るものとなる。吸音パネルPが矩形板状のものであれば、使用時において同一形状をなす複数の吸音パネルPを隣設配置し易いものとなっている。
【0051】
プラスチック中空板Sが、気泡を形成するための複数の突起tを有するキャップシートs1と、キャップシートs1における突起tの開放側に添設され各突起tに対応した複数の気泡を形成するバックシートs2と、キャップシートs1の突起tの先端側に添設されたライナーシートs3とを備えたものである。
【0052】
このため、カバー体Bは、プラスチック中空板Sを使用したものであるため剛性に優れているだけでなく、軽量なものとなっている。
【0053】
カバー体Bが、第一のカバー体構成要素1と、当該第一のカバー体構成要素1とは別体をなす第二のカバー体構成要素2とを組み合わせることにより形成されたものである。
【0054】
このため、吸音パネルPは、組み立て工程時において、板状吸音体Aを損傷させないようにカバー体B内に収容させることができる好適な構成をなしている。
【0055】
第一のカバー体構成要素1が、表カバー壁11と、表カバー壁11の周縁部から当該表カバー壁11に対して略直交する後方に延設され周カバー壁Eにおける外層部を構成する外層周カバー壁部12とを備えたものである。そして、第二のカバー体構成要素2が、裏カバー壁21と、裏カバー壁21の周縁部から当該裏カバー壁21に対して略直交する前方に延設され周カバー壁Eにおける内層部を構成する内層周カバー壁部22とを備えたものである。外層周カバー壁部12及び内層周カバー壁部22が止着具Rにより連結されている。
【0056】
このため、吸音パネルPは、組み立て工程時に板状吸音体Aを損傷させることなくカバー体B内に収容させることができる好適な構成をなしている。また、二層状をなすように周縁部に配設された外層周カバー壁部12及び内層周カバー壁部12を止着具Rにより連結させているため、第一のカバー体構成要素1と第二のカバー体構成要素2とを好適に連結させるものとなっている。
【0057】
板状吸音体Aが、少なくとも、裏カバー壁21の内面、及び、表カバー壁11の内面に対して添設されたものである。
【0058】
このため、板状吸音体Aは、カバー体Bの内部に安定的に収容されたものとなっている。
【0059】
吸音パネルPは、什器Fを構成する起立壁体Wや建物を構成する起立壁体に対して、壁体取付具を介して固定可能である。このため、吸音パネルPは、什器Fであるブースの起立壁体Wや一般家屋の起立壁体に対して好適に適用し得るものとなっている。
【0060】
板状吸音体Aが、フェノール樹脂発泡体である吸音体本体Hと、吸音体本体Hの表面側に添着された生地製の保護カバー材Jとを備えたものである。
【0061】
このため、吸音体本体Hが表カバー壁11の連通孔hを通じて外部に直接的に露出しないものとなっているため、吸音体本体Hの表面側が手指等の接触に伴って損傷したり凹んだりし難いものとなっている。
【0062】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0063】
吸音パネルは、任意の箇所に配設されてよいのは言うまでもない。すなわち、吸音パネルは、起立壁体だけでなく天井面や床面に対して配設されたものであってもよい。また、吸音パネルは、壁面に対して取り付けることなく、立てかけるように使用してもよい。
【0064】
表カバー壁の連通孔は、複数ではなく、単数であってもよい。
【0065】
カバー体は、表カバー壁と、裏カバー壁と、周カバー壁とを備えたものであればよく、その具体的な構成は適宜の構成を適用し得るものである。
【0066】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0067】
A…板状吸音体
H…吸音体本体
J…保護カバー材
S…プラスチック中空板
B…カバー体
1…第一のカバー体構成要素
2…第二のカバー体構成要素
11…表カバー壁
12…外層周カバー壁部
21…裏カバー壁
22…内層周カバー壁部
R…止着具
図1
図2
図3
図4
図5
図6