(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003873
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】包装準備方法
(51)【国際特許分類】
B65B 35/46 20060101AFI20240109BHJP
B65B 35/54 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
B65B35/46
B65B35/54
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103191
(22)【出願日】2022-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092978
【弁理士】
【氏名又は名称】真田 有
(72)【発明者】
【氏名】坂野 賀津士
【テーマコード(参考)】
3E054
【Fターム(参考)】
3E054AA01
3E054AA14
3E054BA07
3E054BA09
3E054CA09
3E054DA01
3E054DA02
3E054DD07
3E054DE02
3E054DE05
3E054EA04
3E054FA03
3E054FA07
3E054FC03
3E054FC09
3E054FC12
3E054FC15
3E054FE06
3E054GA01
3E054JA04
(57)【要約】
【課題】カートン群をなす包装対象のカートンの準備が煩雑であるのを抑える。
【解決手段】包装準備方法は、ティシュペーパが収容された所定数のカートンが所定の並び順をなすカートン群を一パックの単位で包装するために、カートン群をなすカートンの少なくとも一部が異なる外観をなすカートンを準備する。本包装準備方法は、カートン群をなすカートンを順次供給する前工程B1と、前工程B1で供給されたカートンを、所定数が並んで設けられた列のそれぞれに外観の同じカートンをまとめ、所定の並び順でカートンを並列に並べる中工程B3と、中工程B3で列に並べられたカートンのうち搬送方向下流端のカートンを所定数にまとめて所定の並び順をなすカートン群にして、カートン群を一パックの単位で包装するラッピング工程へ送給する後工程B4と、を備えている。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ティシュペーパが収容された所定数のカートンが所定の並び順をなすカートン群を一パックの単位で包装するために、前記カートン群をなす前記カートンの少なくとも一部が異なる外観をなす前記カートンを準備する包装準備方法であって、
前記カートン群をなす前記カートンを順次供給する前工程と、
前記前工程で供給された前記カートンを、前記所定数が並んで設けられた列のそれぞれに外観の同じ前記カートンをまとめ、前記所定の並び順で前記カートンを並列に並べる中工程と、
前記中工程で前記列に並べられた前記カートンのうち搬送方向下流端の前記カートンを前記所定数にまとめて前記所定の並び順をなす前記カートン群にして、前記カートン群を一パックの単位で包装するラッピング工程へ送給する後工程と、を備えた
ことを特徴とする包装準備方法。
【請求項2】
前記前工程で供給された前記カートンを前記中工程で前記カートンが並べられる前記列に振り分ける振分工程を備え、
前記前工程は、前記カートン群をなす前記カートンが搬送方向に沿って直列に並ぶ前記カートンを供給する
ことを特徴とする請求項1に記載の包装準備方法。
【請求項3】
前記カートンは、互いに対面する一対の底壁部どうしの間に互いに対面する一対の側壁部と互いに対面する一対の端壁部とが設けられた直方体状であり、
前記前工程は、前記底壁部が上下を向くとともに前記側壁部が搬送方向を向く姿勢である側前姿勢で前記カートンを供給し、
前記振分工程は、前記前工程で供給された前記カートンを前記側前姿勢のままで前記列に振り分け、
前記中工程は、前記振分工程で振り分けられた前記カートンを前記列に前記側前姿勢で並べる第一中工程と、前記第一中工程で並べられた前記側前姿勢の前記カートンを前記底壁部が上下を向くとともに前記端壁部が搬送方向を向く姿勢である端前姿勢に変更して並べ直す第二中工程と、前記第二中工程で前記端前姿勢に姿勢の変更された前記カートンを前記側壁部が上下を向くとともに前記端壁部が搬送方向を向く姿勢である縦姿勢に変更して並べ直す第三中工程と、を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の包装準備方法。
【請求項4】
前記カートンは、互いに対面する一対の底壁部どうしの間に互いに対面する一対の側壁部と互いに対面する一対の端壁部とが設けられた直方体状であり、
前記前工程は、前記底壁部が上下を向くとともに前記側壁部が搬送方向を向く姿勢である側前姿勢で前記カートンを供給し、
前記振分工程は、前記前工程で供給された前記カートンを前記側前姿勢のままで前記列に振り分け、
前記中工程は、前記振分工程で振り分けられた前記カートンを前記列に前記側前姿勢で並べる第一中工程と、前記第一中工程で並べられた前記側前姿勢の前記カートンを前記側壁部が上下を向くとともに前記端壁部が搬送方向を向く姿勢である縦姿勢に変更する第二中工程と、前記第二中工程で前記縦姿勢に変更された前記カートンを並べ直す第三中工程と、を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の包装準備方法。
【請求項5】
前記カートンは、互いに対面する一対の底壁部どうしの間に互いに対面する一対の側壁部と互いに対面する一対の端壁部とが設けられた直方体状であり、
前記前工程は、前記底壁部が上下を向くとともに前記側壁部が搬送方向を向く姿勢である側前姿勢で前記カートンを供給し、
前記振分工程は、前記前工程で供給された前記側前姿勢の前記カートンを前記底壁部が上下を向くとともに前記端壁部が搬送方向を向く姿勢である端前姿勢に変更して前記列に振り分け、
前記中工程は、前記振分工程で振り分けられた前記カートンを前記列に前記端前姿勢で並べる第一中工程と、前記端前姿勢の前記カートンを前記側壁部が上下を向くとともに前記端壁部が搬送方向を向く姿勢である縦姿勢に変更して並べ直す第二中工程と、を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の包装準備方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ティシュペーパを収容する所定数のカートンが所定の並び順をなすカートン群を一パックの単位で包装するために、カートンを準備する包装準備方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ティシュペーパを収容したカートン(いわゆる「ボックスティシュ」)は、個別に単数で販売されるほか、複数をまとめて一パックに包装された形態で販売されている。たとえば、五つや二つのカートンのうち少なくとも一つが異なる外観をなしており、これらのカートンがフィルムで一つにラッピングされた包装パック体として店頭に並べられている。
このように所定数のカートンが一つにまとめられた包装パック体は、予め設定された所定の並び順で各カートンが配置されている。具体的には、赤色,黄色,緑色,青色,橙色の順に五色のカートンが並んで包装パック体に配置されていたり、赤色,青色,赤色,青色,赤色の順に並ぶ二色のカートンが交互に包装パック体に配置されていたりする(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように所定数のカートンのうち一部のカートンが他のカートンとは異なる外観をなすカートン群が一パックの単位で包装される場合には、製造ラインの全域において搬送方向に沿って所定の並び順で並んでカートンが搬送される場合に、所定の並び順でないカートンが混在すると所定の並び順ではないカートン群が包装されるという課題を招く。このような課題を回避するために、製造ラインにおいてカートンが所定の並び順であるか否かを検査して、検査に適合しなかったカートンを含むカートン群を製造ラインから排出することで、包装対象のカートンを準備することが考えられるものの、排出したカートン群の処理が煩雑であるという課題を招く。
よって、カートン群をなす包装対象のカートンの準備が煩雑であることを抑えるうえで、改善の余地がある。
【0005】
本件の包装準備方法は、上記の課題に鑑みて創案されたものであり、カートン群をなす包装対象のカートンの準備が煩雑であるのを抑えることを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用および効果であって、従来の技術では得られない作用および効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここで開示する包装準備方法は、下記の(1)~(5)の構成を備えている。
(1)
ティシュペーパが収容された所定数のカートンが所定の並び順をなすカートン群を一パックの単位で包装するために、前記カートン群をなす前記カートンの少なくとも一部が異なる外観をなす前記カートンを準備する包装準備方法であって、
前記カートン群をなす前記カートンを順次供給する前工程と、
前記前工程で供給された前記カートンを、前記所定数が並んで設けられた列のそれぞれに外観の同じ前記カートンをまとめ、前記所定の並び順で前記カートンを並列に並べる中工程と、
前記中工程で前記列に並べられた前記カートンのうち搬送方向下流端の前記カートンを前記所定数にまとめて前記所定の並び順をなす前記カートン群にして、前記カートン群を一パックの単位で包装するラッピング工程へ送給する後工程と、を備えた
ことを特徴とする包装準備方法。
なお、前記中工程において前記カートンは搬送方向に沿って前記列に並べられている。すなわち、前記中工程で前記列のそれぞれに前記カートンが並べられる方向は、前記カートンの搬送方向に沿う方向である。
(2)
前記前工程で供給された前記カートンを前記中工程で前記カートンが並べられる前記列に振り分ける振分工程を備え、
前記前工程は、前記カートン群をなす前記カートンが搬送方向に沿って直列に並ぶ前記カートンを供給する
ことを特徴とする(1)に記載の包装準備方法。
(3)
前記カートンは、互いに対面する一対の底壁部どうしの間に互いに対面する一対の側壁部と互いに対面する一対の端壁部とが設けられた直方体状であり、
前記前工程は、前記底壁部が上下を向くとともに前記側壁部が搬送方向を向く姿勢である側前姿勢で前記カートンを供給し、
前記振分工程は、前記前工程で供給された前記カートンを前記側前姿勢のままで前記列に振り分け、
前記中工程は、前記振分工程で振り分けられた前記カートンを前記列に前記側前姿勢で並べる第一中工程と、前記第一中工程で並べられた前記側前姿勢の前記カートンを前記底壁部が上下を向くとともに前記端壁部が搬送方向を向く姿勢である端前姿勢に変更して並べ直す第二中工程と、前記第二中工程で前記端前姿勢に姿勢の変更された前記カートンを前記側壁部が上下を向くとともに前記端壁部が搬送方向を向く姿勢である縦姿勢に変更して並べ直す第三中工程と、を有する
ことを特徴とする(2)に記載の包装準備方法。
(4)
前記カートンは、互いに対面する一対の底壁部どうしの間に互いに対面する一対の側壁部と互いに対面する一対の端壁部とが設けられた直方体状であり、
前記前工程は、前記底壁部が上下を向くとともに前記側壁部が搬送方向を向く姿勢である側前姿勢で前記カートンを供給し、
前記振分工程は、前記前工程で供給された前記カートンを前記側前姿勢のままで前記列に振り分け、
前記中工程は、前記振分工程で振り分けられた前記カートンを前記列に前記側前姿勢で並べる第一中工程と、前記第一中工程で並べられた前記側前姿勢の前記カートンを前記側壁部が上下を向くとともに前記端壁部が搬送方向を向く姿勢である縦姿勢に変更する第二中工程と、前記第二中工程で前記縦姿勢に変更された前記カートンを並べ直す第三中工程と、を有する
ことを特徴とする(2)に記載の包装準備方法。
(5)
前記カートンは、互いに対面する一対の底壁部どうしの間に互いに対面する一対の側壁部と互いに対面する一対の端壁部とが設けられた直方体状であり、
前記前工程は、前記底壁部が上下を向くとともに前記側壁部が搬送方向を向く姿勢である側前姿勢で前記カートンを供給し、
前記振分工程は、前記前工程で供給された前記側前姿勢の前記カートンを前記底壁部が上下を向くとともに前記端壁部が搬送方向を向く姿勢である端前姿勢に変更して前記列に振り分け、
前記中工程は、前記振分工程で振り分けられた前記カートンを前記列に前記端前姿勢で並べる第一中工程と、前記端前姿勢の前記カートンを前記側壁部が上下を向くとともに前記端壁部が搬送方向を向く姿勢である縦姿勢に変更して並べ直す第二中工程と、を有する
ことを特徴とする(2)に記載の包装準備方法。
【発明の効果】
【0007】
本件の包装準備方法によれば、カートン群をなす包装対象のカートンの準備が煩雑であるのを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】ティシュペーパの収容されたカートンの分解斜視図である。
【
図2】複数のカートンが一つにまとめられた包装パック体を模式的に示す斜視図である。
【
図3】包装パック体の製造過程の概要を示す模式図である。
【
図4】第一包装準備パートを模式的に示す上面図である。
【
図5】第一包装準備パートの第三コンベアを説明する斜視図である。
【
図6】第二包装準備パートを模式的に示す上面図である。
【
図7】第三包装準備パートを模式的に示す上面図である。
【
図8】資材準備方法を説明するフローチャートである。
【
図9】包装準備方法を説明するフローチャートである。
【
図10】包装パック体の製造過程の第一変形例の概要を示す模式図である。
【
図11】包装パック体の製造過程の第二変形例の概要を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、ティシュペーパを収容する所定数のカートンが所定の並び順をなすカートン群を一パックの単位で包装するために、カートンを準備する包装準備方法を実施するための形態を説明する。
本実施形態の包装準備方法は、準備する対象がカートンであり、ティシュペーパを収容した複数のカートンがまとめて一パックに包装された包装パック体の製造方法の一部をなす。この製法には、包装準備方法のほか、カートンの資材を準備する方法(資材準備方法)も含まれる。
【0010】
本製法では、製造対象の包装パック体に製造される種々の半製品が連続的に搬送され、包装パック体が順次製造される。
本実施形態では、説明で用いる方法をつぎのように定める。
重力の作用方向を下方とし、下方の反対方向を上方とする。包装パック体に製造されるさまざまな半製品が搬送される方向を搬送方向とし、搬送方向を基準に上流および下流を定める。また、水平方向において搬送方向に直交する方向を幅方向とする。なお、搬送方向はいわゆる「MD方向」であり、幅方向はいわゆる「CD方向」であり、搬送方向および幅方向の双方に直交する方向はいわゆる「TD方向」である。
【0011】
[I.一実施形態]
下記の一実施形態では、包装パック体の製造方法に関する構成を項目[1]で述べ、項目[1]の構成による作用および効果を項目[2]で述べる。
[1.構成]
本項目[1]では、製造対象の包装パック体を小項目[1-1]で説明したうえで、包装パック体を製造する装置を小項目[1-2]で説明し、この製造装置で包装パック体を製造する方法を小項目[1-3]で説明する。
【0012】
[1-1.包装パック体]
本項目では、包装パック体の一部をなすカートンを説明し、その後に包装パック体を説明する。
図1に示すように、カートン1は、内部空間にティシュペーパ3が収容された箱(いわゆる「ボックスティシュ」)であり、直方体状をなす。内部空間には、ティシュペーパ3の積み重ねられた束が収容される。この束は、いわゆるポップアップ方式で取り出されるように折り重ねられている。
【0013】
上記の内部空間は、カートン1を形成する複数の壁部1U,1B,1X,1Yによって囲繞されている。このカートン1では、矩形状の壁部1U,1B,1X,1Yが直方体の表面に沿って平面状に設けられている。
これらの壁部1U,1B,1X,1Yは、配置箇所および延在方向によって下記の四つに大別される。
【0014】
・上底壁部1U:カートン1の上方で延在する横壁部
・下底壁部1B:カートン1の下方で延在する横壁部
・側壁部1X :底壁部1U,1Bどうしの間で互いに対面する一対の立壁部
・端壁部1Y :底壁部1U,1Bどうしの間で互いに対面する一対の立壁部
なお、底壁部1U,1Bは互いに対面して一対が設けられ、一対の底壁部1U,1Bが対面する方向と一対の側壁部1Xが対面する方向と一対の端壁部1Yが対面する方向との三方向は互いに直交する。
ここで例示するカートン1では、底壁部1U,1Bが側壁部1Xや端壁部1Yよりも大きな領域に延在している。
【0015】
また、本実施形態で例示するカートン1では、底壁部1U,1Bおよび側壁部1Xがたとえば一枚の資材で形成された一重構造をなすのに対し、端壁部1Yが複数枚の資材が重ね合わせられた多重構造をなしている。
この端壁部1Yには外フラップ部FUおよび内フラップ部FDが設けられ、内フラップ部FDの外側に外フラップ部FUが配置されている。
【0016】
外フラップ部FUは、上底壁部1Uから延在するフラップと、下底壁部1Bから延在するフラップとの一対で構成される。この外フラップ部FUは、上底壁部1U側のフラップの一部が下底壁部1B側のフラップの一部と重なるいわゆるオーバーフラップタイプである。
内フラップ部FDは、側壁部1Xから延在する一対のフラップで構成される。内フラップ部FDが内側に折り倒され、外フラップ部FUが内フラップ部FDを覆うように折り倒されることにより、端壁部1Yが形成される。
【0017】
上底壁部1Uには、ティシュペーパ3を引き出すための開口として取出口1Tが設けられている。取出口1Tは、上底壁部1Uの一部11が取り除かれることで形成される。詳細に言えば、上底壁部1Uの一部11が破断線に沿って切り離されると、一部11の領域が取り除かされ、取出口1Tが開放される。
この取出口1Tには、上底壁部1Uの内側に、取出口1Tを覆うようにプラスチック製のフィルム12が貼付されている。フィルム12には、前後方向に沿ってスリットが形成されており、スリットを介してティシュペーパ3を取り出せるようになっている。
【0018】
上記のように構成されるカートン1は、着色されており、コーポレートマークやキャラクターなどの図柄,バーコードといった外観をなすものが表面に施されている。
このカートン1には、外観の大部分が着色されており、上底壁部1Uに図柄が印刷され、下底壁部1Bにバーコードが印刷されている。このバーコードは、他の壁部1U,1X,1Yには設けられておらず、下底壁部1Bのみに設けられている。換言すれば、バーコードは、カートン1のウラ面に特有の外観をなす。
【0019】
上記のように構成されるカートン1は、シート状の資材1′(
図3の一箇所のみに符合を付す)が折り立てられることで製造される。
資材1′では、上底壁部および下底壁部だけでなく側壁部および端壁部のフラップも同一平面に沿うシート状をなす。
この資材1′は、カートン1の側壁部1Xと下底壁部1Bとの間における一側(
図1の左下側)で側壁部1Xが折り倒された状態かつ側壁部1Xと上底壁部1Uとの間における他側(
図1の右上側)で側壁部1Xが折り倒された状態をなす。このように折り倒された箇所を折り起こすことで、資材1′からカートン1の半製品が製造される。
【0020】
図2に示すように、包装パック体10は、積み重ねられた複数のカートン1がラップ材19で包装されている。具体的には、カートン1の上底壁部1U(
図1参照)に対して他のカートン1の下底壁部1B(
図1参照)が対面するように積み重ねられ、全カートン1の側壁部1X(
図1参照)が同一平面に沿って配置されるとともに全カートン1の端壁部1Y(
図1参照)が同一平面に沿って配置されている。
ここでは、五つ(複数)のカートン1がラップ材19で一つにまとめられた包装パック体10を例示する。ただし、包装パック体に二つや四つといった五つ以外の複数のカートンが一パックに包装されていてもよい。
【0021】
包装パック体10において包装される各カートン1のなす色(メインカラー)は、包装パック体10においてカートン1が積み重ねられる方向に沿う方向の並び順が予め設定されている。予め設定された並び順のパターンの例としては、下記の二パターンが挙げられる。
・マルチパターン:カートン1のそれぞれに設定される色が全て異なるパターン
・バイパターン :カートン1のそれぞれに設定される色が二色のパターン
【0022】
マルチパターンでは、包装パック体10においてカートン群をなすカートン1のそれぞれが異なる外観である。バイパターンでは、包装パック体10においてカートン群をなすカートン1の少なくとも一部が異なる外観である。
【0023】
マルチパターンおよびバイパターンでは、包装パック体10においてカートン1が積み重ねられる方向に沿う順に並ぶ各カートン1の色の順序も予め設定されている。
本実施形態では、「色A,色B,色C,色D,色E」のそれぞれに互いに異なる任意の色を紐付けた場合に、マルチパターンでは「色A,色B,色C,色D,色E」の順が並び順として予め設定され、バイパターンでは「色A,色B,色A,色B,色A」の順が並び順として予め設定された例を説明する。
【0024】
そのため、マルチパターンの包装パック体10における下記の並び順は、予め設定された並び順ではなく、不良なパターンとされる。
・「色E,色A,色B,色C,色D」(一つズレた並び)
・「色A,色B,色B,色D,色E」(色Bの重複,色Cの抜け)
・「色A,色C,色B,色D,色E」(色B,色Cの順序違い)
【0025】
また、バイパターンの包装パック体10における下記の並び順は、予め設定された並び順ではなく、不良なパターンとされる。
・「色B,色A,色B,色A,色A」(一つズレた並び)
・「色A,色B,色A,色B,色B」(色Bの連続)
なお、二つのカートン1で一パックの包装パック体10では、マルチパターンをバイパ
ターンと言うこともでき、バイパターンをマルチパターンと言うこともできる。
【0026】
そのほか、カートン1のなす色に応じて、カートン1に図柄が施されている。具体的には、以下に列挙する五種の図柄A~Eがカートン1の外観の一部をなす。これらの図柄A~Eは互いに異なる任意のデザインである。
・図柄A:色Aをなすカートン1に施された図柄
・図柄B:色Bをなすカートン1に施された図柄
・図柄C:色Cをなすカートン1に施された図柄
・図柄D:色Dをなすカートン1に施された図柄
・図柄E:色Eをなすカートン1に施された図柄
【0027】
[1-2.製造装置]
つぎに、
図3を参照して、包装パック体10を製造する装置を説明する。
本製造装置では、所定の並び順をなすカートン群を一パックの単位で包装するラッピングパートへ向けて、ティシュペーパ3(
図3では一箇所のみに符合を付す)の束を収容するカートン1(
図3では一箇所のみに符合を付す)が搬送される。この製造装置には、製造ラインに沿って、以下に列挙する各種のパートP1~P5が設けられている。
・束搬送パートP1 :ティシュペーパ3の束を搬送するパート
・資材準備パートP2 :カートン1の資材1′を準備するパート
・カートナパートP3 :カートン1にティシュペーパ3の束を収容するパート
・包装準備パートP4 :包装パック体10のためにカートン1を準備するパート
・ラッピングパートP5:五つ(所定数)のカートン1ごとに包装するパート
【0028】
束搬送パートP1で搬送されたティシュペーパ3の束は、資材準備パートP2で準備された資材1′が折り立てられたカートン1に収容される。すなわち、束搬送パートP1と資材準備パートP2とが並列に設けられており、束搬送パートP1によるティシュペーパ3の束の搬送と資材準備パートP2によって準備された資材1′のカートン1への折り立てが同時に実施される。そのため、束搬送パートP1と資材準備パートP2が並列に設けられたことは、パートP1,P2のそれぞれで実施される処理を並行して実施するように設けられたことを意味する。これらのパートP1,P2に対して下流のカートナパートP3で製造過程が合流する。
カートナパートP3の後、カートン1は包装準備パートP4で整列させられる。そして、包装準備パートP4で整列させられたカートン1が五つごとにラッピングパートP5で一パックに包装される。
【0029】
<束搬送パート>
束搬送パートP1では、多連機(「マルチスタンド式のインターフォルダ」とも称される)やロータリ式の折り機といった公知の機器で折り重ねられたティシュペーパ3の束が搬送される。この束は、カートン1に収容可能な製品サイズに裁断されており、つぎに説明する資材準備パートP2から搬送されるカートン1のそれぞれに対応する位置で並行して搬送される。
【0030】
<資材準備パート>
資材準備パートP2には、以下に列挙するパート21~24が設けられている。
・デポジットパート21:カートン1の資材1′を配置するパート
・スタックパート22 :配置された資材1′を重ね合わせるパート
・ストアパート23 :重ね合わせられた資材1′を一時的に貯蔵するパート
・フィードパート24 :貯蔵された資材1′を下流へ繰り出すパート
【0031】
デポジットパート21では、カートン群をなすカートン1のそれぞれに対応する資材1′が積重され、資材1′の搬送方向に沿って所定の並び順で資材1′が配置される。ここでいう「所定の並び順」は、包装パック体10の説明で上述の予め設定された並び順に対応する順序である。
このデポジットパート21は、包装パック体10に包装されるカートン1の数に応じた複数の箇所(ここでは五箇所)に設けられている。各デポジットパート21では、カートン1の取出口1T(
図3では図示省略,
図1参照)に対応する部位が資材1′において上方を向く姿勢で積重されていることが好ましい。このように取出口1Tが上向きのカートン1に組み立てられる資材1′を本実施形態では例示する。
【0032】
マルチパターンの包装パック体10が製造される場合のデポジットパート21には、以下に示す五つのパート2A~2Eが設けられる。
・第一パート2A:色Aの資材1′を配置するデポジットパート21
・第二パート2B:色Bの資材1′を配置するデポジットパート21
・第三パート2C:色Cの資材1′を配置するデポジットパート21
・第四パート2D:色Dの資材1′を配置するデポジットパート21
・第五パート2E:色Eの資材1′を配置するデポジットパート21
【0033】
これらのパート2A~2Eは、搬送方向に沿って並んで配置され、この配置は所定の並び順に対応した順序とされている。
なお、バイパターンの包装パック体10が製造される場合には、上記の第一パート2A,第二パート2B,第一パート2A,第二パート2B,第一パート2Aの順に五つのパート2A,2B,2A,2B,2Aが設けられる。
デポジットパート21のそれぞれでは、多数の資材1′が積み重ねられた状態とされており、下方に配置されたコンベア(図示省略)へ資材1′が一つずつ配置されるようになっている。
図3には、下方が開放された容器2(コンテナ)の内部およびその下方に多数のカートン1が積み重ねられた例を示す。
【0034】
スタックパート22では、デポジットパート21のそれぞれで積重された資材1′を搬送方向に一つ(言わば一枚)ずつ繰り出し、デポジットパート21において搬送方向の上流側から繰り出された資材1′に搬送方向の下流側から繰り出す資材1′が重ね合わせられる。このとき、カートン1の取出口1Tに対応する部位が上方を向く姿勢で各資材1′が重ね合わせられる。
具体的に言えば、第一パート2Aで配置された色Aの資材1′に対して上方に第二パート2Bで配置された色Bの資材1′が重ね合わせられる。このようにして重ね合わせられた色Aの資材1′および色Bの資材1′に対して、第三パート2Cで配置された色Cの資材1′が更に重ね合わせられる。同様に、第四パート2D,第五パート2Eで色D,色Eの二色の資材1′が順次重ね合わせられる。このようにして、所定の並び順に対応した順に五つの資材1′が重ね合わせられた資材組が製造される。
【0035】
ストアパート23では、スタックパート22で製造された資材組が重ね合わせられる。具体的には、先に製造された資材組に対して後に製造された資材組が上側に重ね合わせられる。
フィードパート24では、ストアパート23の下方から資材1′を一つずつ繰り出される。フィードパート24で繰り出された資材1′は、ラッピングパートP5(下流)へ向けて搬送される。
ストアパート23では、下方で資材1′が順次繰り出されるとともに上方で資材組が重ね合わせられることから、先入先出(First In First Out)方式が採用されている。このストアパート23では、資材組が重ね合わせられてから各資材1′が繰り出されるまでの一時的な期間だけ資材1′が貯蔵される。
【0036】
<カートナパート>
カートナパートP3では、フィードパート24から繰り出された資材1′を用いて、ティシュペーパ3の束が収容されたカートン1を順次製造する。
このカートナパートP3には、以下に示すパート31~33が設けられている。
・折立パート31:フィードパート24からの資材1′を折り立てるパート
・収容パート32:折り立てられた資材1′にティシュペーパ3を収容するパート
・封緘パート33:ティシュペーパ3の収容された資材1′を封緘するパート
【0037】
折立パート31では、フィードパート24から繰り出された資材1′が折り立てられて、カートン1の端壁部1Y(
図1参照)が開放された状態に組み立てられる。収容パート32では、折立パート31で組み立てられた資材1′(カートン1)に対して、束搬送パートP1で搬送されたティシュペーパ3の束が収容される。封緘パート33では、カートン1の端壁部1Y(
図1参照)が封緘される。これらのパート31~33によって、ティシュペーパ3の束が収容されたカートン1が一つずつ製造される。
このようにして製造されたカートン1は、下底壁部1B(
図1参照)がコンベアに載置された状態であって上底壁部1U(
図1参照)を上方に向けた姿勢で、つぎに説明する包装準備パートP4へ向けて搬送される。
【0038】
<包装準備パート>
包装準備パートP4は、ラッピングパートP5の包装のためにカートン1を準備するパートであり、製造ラインに組み込まれた包装準備装置とも言える。
この包装準備パートP4には、
図3に示すように、下記の四パート41,42,43,44が設けられている。
・前パート41 :カートン群をなすカートン1を順次供給するパート
・振分パート42:カートン1を色(外観)ごとに振り分けるパート
・中パート43 :五つの列40にカートン1を整列させるパート
・後パート44 :カートン群をラッピングパートP5へ送給するパート
【0039】
上記の四パート41,42,43,44は、搬送方向の上流側から下流側に向けて、前パート41,振分パート42,中パート43,後パート44の順に設けられている。
これらの四パート41,42,43,44では、カートン1の底壁部1U,1Bが上下を向く姿勢である横姿勢から、カートン1の側壁部1Xが上下を向く姿勢である縦姿勢に向きが変更される。
【0040】
ここでは、四パート41,42,43,44の説明に用いるカートン1の姿勢として、下記の四姿勢を例示する。
・側前姿勢 :側壁部1Xが搬送方向を向く横姿勢
・端側姿勢 :端壁部1Yが搬送方向を向く横姿勢
・第一縦姿勢:端壁部1Yが搬送方向を向く縦姿勢
・第二縦姿勢:底壁部1U,1Bが搬送方向を向く縦姿勢
【0041】
前パート41は、包装準備パートP4よりも搬送方向上流のパートP1~P3からのカートン1を振分パート42へ順次供給するパートである。
この前パート41では、側前姿勢のカートン1が供給され、供給されるカートン1にはカートン群をなす全色のカートン1が含まれている。換言すれば、前パート41で順次供給されるカートン1には、カートン群をなす全色のカートン1が混在している。前パート41においては、ベルトコンベアやローラコンベアといった周知の搬送装置によって側前姿勢のカートン1が直列に並んで順次供給される。ここでいう「直列に並んで」とは、搬送方向に沿って一つずつカートン1が並んでいる形態を意味する。
【0042】
振分パート42は、前パート41で供給されたカートン1を色ごとに中パート43の列40に振り分けるパートである。この振分パート42では、側前姿勢のまま列40にカートン1が振り分けられたり、側前姿勢から端側姿勢に姿勢が変更されつつ列40にカートン1が振り分けられたりする。
中パート43は、振分パート42で振り分けられたカートン1を後パート44に搬送するパートである。
【0043】
この中パート43には、五つの列40がそれぞれ搬送方向に沿って設けられており、列40のそれぞれに振り分けられるカートン1の色が予め設定されている。
所定の並び順としてマルチパターンが設定されている場合には、以下に示す五つの列40が並んで設けられる。
・第一列4A:色Aのカートン1がまとめて並べられる列40
・第二列4B:色Bのカートン1がまとめて並べられる列40
・第三列4C:色Cのカートン1がまとめて並べられる列40
・第四列4D:色Dのカートン1がまとめて並べられる列40
・第五列4E:色Eのカートン1がまとめて並べられる列40
上記の列4A,4B,4C,4D,4Eは、所定の並び順に対応した順序で並設されている。すなわち、中パート43では、列4A,4B,4C,4D,4Eにカートン1が所定の並び順で並列に並べられる。ここでいう「並列に並べられる」とは、幅方向に並んだ状態にされることを意味する。
【0044】
なお、所定の並び順としてバイパターンが設定されている場合には、以下に示す五つの列40が並んで設けられる。
・第一列4A:色Aのカートン1がまとめて並べられる列40
・第二列4B:色Bのカートン1がまとめて並べられる列40
・第三列4C:色Aのカートン1がまとめて並べられる列40
・第四列4D:色Bのカートン1がまとめて並べられる列40
・第五列4E:色Aのカートン1がまとめて並べられる列40
【0045】
すなわち、中パート43では、振分パート42によって列4A,4B,4C,4D,4Eのそれぞれに設定された色のカートン1が振り分けられることにより、列4A,4B,4C,4D,4Eのそれぞれに色の同じカートン1がまとめられ、所定の並び順でカートン1が並列に並べられる。なお、中パート43においてカートン1は搬送方向に沿って列4A,4B,4C,4D,4Eに並べられている。すなわち、中パート43で列4A,4B,4C,4D,4Eのそれぞれにカートン1が並べられる方向は、カートン1の搬送方向に沿う方向である。
以下、マルチパターンが所定の並び順に設定された場合について本実施形態では主に説明する。
【0046】
上記の中パート43で列4A,4B,4C,4D,4Eのそれぞれに並べられたカートン1のうち搬送方向下流端にある一つのカートン1は、カートン群をなす五つとして第一縦姿勢で後パート44へ送り出される。
後パート44は、中パート43から送り出された第一縦姿勢をなす五つのカートン1を第二縦姿勢でラッピングパートP5へ送給するパートである。後パート44においては、ベルトコンベアやローラコンベアといった周知の搬送装置によって、五つが所定の並び順をなす第二縦姿勢のカートン1が送給される。
【0047】
本実施形態では、包装準備パートP4について、第一包装準備パートP41,第二包装準備パートP42,第三包装準備パートP43の三種を例説する。
==第一包装準備パート==
図4に示すように、第一包装準備パートP41は、中パート43において、カートン1(
図4の一箇所のみに符合を付す)の姿勢を側前姿勢から端前姿勢に変更した後に第一縦姿勢に変更する包装準備パートP4である。
【0048】
第一包装準備パートP41の前パート41では、側前姿勢のカートン1を順次供給する。
第一包装準備パートP41の振分パート42では、前パート41で順次供給されたカートン1が側前姿勢のまま列4A,4B,4C,4D,4Eに振り分けられる。
振分パート42には、カラーセンサやカメラといった公知の光学機器を用いたライン自動振り分け装置(いわゆる「チャンネライザー」)やロボットアーム,エア噴出機構といった公知の振分機構が設けられている。たとえば、前パート41で順次供給されるカートン1の色が公知の光学機器で検出され、検出色に応じてカートン1が公知の振分機構によって列4A,4B,4C,4D,4Eに振り分けられる。
【0049】
第一包装準備パートP41の中パート43は、並べられたカートン1の姿勢によって、下記の三パート6A,6B,6Cに細別される。
・第一中パート6A:振り分けられたカートン1を側前姿勢で並べるパート
・第二中パート6B:側前姿勢のカートン1を端前姿勢に変更して並べ直すパート
・第三中パート6C:端前姿勢のカートン1を第一縦姿勢に変更して並べ直すパート
【0050】
これらの中パート6A,6B,6Cは、搬送方向に沿って隣接して設けられており、列4A,4B,4C,4D,4Eの一部をなす。
具体的に言えば、列4A,4B,4C,4D,4Eのうち、搬送方向上流側の一部を第一中パート6Aがなしており、搬送方向下流側の一部を第三中パート6Aがなしており、第一中パート6Aと第三中パート6Aとの間(いわば搬送方向中流部)の一部を第二中パート6Bがなしている。
【0051】
ここで例示する中パート6A,6B,6Cには、列4A,4B,4C,4D,4Eに並べられたカートン1を搬送する機構として、以下に示す三種のコンベア7A,7B,7C(
図4には列Aの一箇所のみに符号を付す)が設けられている。コンベア7A,7B,7Cには、ベルトコンベアやローラコンベアといった公知の搬送装置が用いられる。
・第一コンベア7A:第一中パート6Aに設けられたコンベア
・第二コンベア7B:第二中パート6Bに設けられたコンベア
・第三コンベア7C:第三中パート6Cに設けられたコンベア
【0052】
第一コンベア7Aの延設された方向(すなわち延在方向)と、第二コンベア7Bおよび第三コンベア7Cのそれぞれが延設された方向(すなわち延在方向)とは、上面視で直交する方向に設定されている。すなわち、列4A,4B,4C,4D,4Eにおいてカートン1が並べられる方向やカートン1が搬送される方向は、第一コンベア7Aと第二コンベア7Bおよび第三コンベア7Cとで互いに直交するように設けられている。
また、第一コンベア7Aおよび第二コンベア7Bは、上下方向位置が同じ位置に配置されている。一方、第三コンベア7Cは、第一コンベア7Aおよび第二コンベア7Bよりも上下方向位置が低い位置に配置されている。
【0053】
これらのコンベア7A,7B,7Cは、列4A,4B,4C,4D,4Eのそれぞれに設けられている。コンベア7A,7B,7Cは、各列4A,4B,4C,4D,4Eにおいて同様に設けられている。そこで、下記の説明では、列4A,4B,4C,4D,4Eのうち列Aに着目して説明する。
列Aには、第一コンベア7Aの搬送方向下流端部に隣接して第二コンベア7Bの搬送方向上流端部が配置され、第二コンベア7Bの搬送方向下流端部に隣接して第三コンベア7Cの搬送方向上流端部が配置されている。
【0054】
第一コンベア7Aには、振分パート42で振り分けられた側前姿勢のカートン1が搬送方向上流側から順次載置される。このように載置されたカートン1は、第一コンベア7Aによって水平方向に沿って搬送され、第二コンベア7Bへ一つずつ送り出される。
第二コンベア7Bが第一コンベア7Aに対して延在方向が直交することから、側前姿勢でカートン1を搬送する第一コンベア7Aから送り出されたカートン1は、端前姿勢で第二コンベア7Bに載置される。第二コンベア7Bに載置されたカートン1は、端前姿勢で搬送される。換言すれば、第一コンベア7Aおよび第二コンベア7Bの配置によって、上面視でカートン1の向きを変えずに搬送方向を直角に曲げるように設定することで、カートン1の搬送姿勢を変更している。
【0055】
第二コンベア7Bは、上記のように載置された端前姿勢のままでカートン1を搬送する。第二コンベア7Bによって搬送されたカートン1は、第三コンベア7Cへ一つずつ送り出される。
第三コンベア7Cには、
図5に示すように、端前姿勢のカートン1を第一縦姿勢に変更するために上下方向位置の異なるコンベア71,72が少なくとも一部で同じ搬送方向領域に並設されている。
【0056】
具体的には、幅方向の一側(
図5では右上側の半部)に第二コンベア7Bと上下方向位置が同じアッパコンベア71が設けられ、幅方向の他側(
図5では左下側の半部)にアッパコンベア71よりも上下方向位置の低いロアコンベア72が設けられている。
アッパコンベア71は、搬送方向下流側から見て、第二コンベア7Bにおいて端前姿勢をなすカートン1の右半部および左半部の一方のみと重複する領域に延設されている。な、ロアコンベア72は、搬送方向下流側から見て、第二コンベア7Bにおいて端前姿勢をなすカートン1の右半部および左半部の他方と少なくとも重複する領域の下方に延設されている。
【0057】
第二コンベア7Bから端前姿勢で第三コンベア7Cに送り出されたカートン1は、アッパコンベア71に幅方向の一側のみが一時的に載置されつつ幅方向の他側はロアコンベア72へ向けて落下するようにして、側壁部1Xのうち一方がロアコンベア72に載置されることで端前姿勢から第一縦姿勢にされる。
第一縦姿勢にされたカートン1はロアコンベア72によって搬送され、ロアコンベア72で搬送されたカートン1は、後パート44(
図4参照)へ一つずつ送り出される。
【0058】
なお、第一列4Aのロアコンベア72から後パート44へカートン1が送り出されるタイミングは、他の四列4B,4C,4D,4Eから後パート44へカートン1が送り出されるタイミングと同期される。このようにして、五つが所定の並び順をなす第一縦姿勢のカートン群が後パート44へ送り出される。
列4A,4B,4C,4D,4Eから後パート44へのカートン1の送り出しタイミングの同期は、カートン1の送り出しを一時的に停止するストッパや送り出しタイミング制御用のセンサを用いた公知の手法を用いることができる。
【0059】
図4に示すように、後パート44は、列4A,4B,4C,4D,4Eにおけるロアコンベア72の搬送方向下流部に隣接して配置されている。ここで例示する後パート44の搬送方向は、ロアコンベア72によるカートン1の搬送方向に対して上面視で直交する方向に設定される。
後パート44にベルトコンベアあるいはローラコンベアが用いられている場合には、用いられたコンベアの延設された方向が、ロアコンベア72の延設された方向と上面視で直交する。
後パート44がロアコンベア72に対して直交することから、第一縦姿勢のカートン1を搬送するロアコンベア72から送り出されたカートン1は、後パート44に用いられるコンベアに第二縦姿勢で載置され、第二縦姿勢でラッピングパートP5(
図3参照)へ送給される。
【0060】
==第二包装準備パート==
図6に示すように、第二包装準備パートP42は、中パート43′において、カートン1(
図6の一箇所のみに符合を付す)の姿勢を側前姿勢から第一縦姿勢に変更する包装準備パートP4である。
第二包装準備パートP42の前パート41′および振分パート42′は、第一包装準備パートP41の前パート41および振分パート42と同様に設けられている。
【0061】
第二包装準備パートP42の中パート43′は、並べられたカートン1の姿勢によって、下記の三パート6A′,6B′,6C′に細別される。
・第一中パート6A′:振り分けられたカートン1を側前姿勢で並べるパート
・第二中パート6B′:側前姿勢のカートン1を第一縦姿勢に変更するパート
・第三中パート6C′:第一縦姿勢のカートン1を並べ直すパート
【0062】
中パート6A′,6B′,6C′は、搬送方向に沿って隣接して設けられており、列4A,4B,4C,4D,4Eの一部をなす。
第一中パート6A′には第一コンベア7A′が設けられ、第三中パート6C′には第三コンベア7C′が設けられている。これらのコンベア7A′,7C′は、列4A,4B,4C,4D,4Eに並べられたカートン1を搬送する機構である。コンベア7A′,7C′には、ベルトコンベアやローラコンベアといった公知の搬送装置が用いられる。
一方、第二中パート6B′には、カートン1の姿勢を変更させるシュート7B′が設けられている。
【0063】
第一コンベア7A′およびシュート7B′は、上面視で同じ方向に延設されている。第三コンベア7C′は、第一コンベア7A′およびシュート7B′の延設された方向に対して直交する方向に延設されている。
また、第一コンベア7A′および第三コンベア7C′は水平方向に沿って設けられ、第一コンベア7A′よりも上下方向位置が低い位置に第三コンベア7C′が配置されている。シュート7B′は、第一コンベア7A′の搬送方向下流端部から第三コンベア7C′の搬送方向上流端部へ向かうほど上下方向位置が低く設けられている。たとえば、側面視で1/4円弧状をなすガイド部材70′がシュート7B′に設けられている。
なお、
図4には、上面視の第一中パート6A′および第三中パート6C′を模式的に示すに対して、側面視の第二中パート6B′を示している。この第二中パート6B′には、図示の便宜上、第一中パート6A′に設けられた第一コンベア7A′の下流部(一部)や第三中パート6C′に設けられた第三コンベア7C′の上流部(一部)も併せて図示している。
【0064】
列Aには、第一コンベア7A′の搬送方向下流端部に隣接してシュート7B′の搬送方向上流端部が配置され、シュート7B′の搬送方向下流端部に隣接して第三コンベア7C′の搬送方向上流端部が配置されている。
第一コンベア7A′には、振分パート42′で振り分けられた側前姿勢のカートン1が搬送方向上流側から順次載置される。このように載置されたカートン1は、第一コンベア7A′によって水平方向に沿って搬送され、シュート7B′へ一つずつ送り出される。
【0065】
シュート7B′では、ガイド部材70′によって搬送および落下の案内されることにより、側前姿勢から第一縦姿勢にカートン1の姿勢が変更される。シュート7B′によって姿勢の変更されたカートン1は、第三コンベア7C′に載置される。
第一包装準備パートP1のロアコンベア72と同様に、第一縦姿勢にされたカートン1は第三コンベア7C′によって搬送され、第三コンベア7C′によって搬送されたカートン1は、後パート44′へ一つずつ送り出される。具体的には、後パート44′に用いられるコンベアに第二縦姿勢で載置されたカートン1がラッピングパートP5(
図3参照)へ送給される。
【0066】
==第三包装準備パート==
図7に示すように、第三包装準備パートP43は、振分パート42″においてカートン1(
図7の一箇所のみに符合を付す)の姿勢を側前姿勢から端前姿勢に変更した後に、中パート43″において第一縦姿勢に変更する包装準備パートP4である。
第三包装準備パートP43の前パート41″は、上述の第一包装準備パートP41や第二包装準備パートP42の前パート41,41′と同様に設けられている。
【0067】
一方、第三包装準備パートP43の振分パート42″では、前工程41″で供給された側前姿勢のカートン1が端前姿勢に変更して列4A,4B,4C,4D,4Eに振り分けられる。
振分パート42″にには、カラーセンサやカメラといった公知の光学機器を用いたロボットアームやプッシャー,エア噴出機構といった公知の振分機構が設けられている。たとえば、前パート41″で順次供給されるカートン1の色が公知の光学機器で検出され、検出色に応じてカートン1が公知の振分機構によって列4A,4B,4C,4D,4Eに振り分けられる。
【0068】
第三包装準備パートP43の中パート43″は、並べられたカートン1の姿勢によって、下記の二パート6A″,6B″に細別される。
・第一中パート6A″:振り分けられたカートン1を端前姿勢で並べるパート
・第二中パート6B″:上述の第三中パート6Cと同様のパート
第一中パート6A″は、第一包装準備パートP41の第二中パート6Bに設けられた第二コンベア7Bと同様に、第一コンベア7A″が設けられている。
【0069】
第二中パート6B″は、第一包装準備パートP41の第三中パート6Cに設けられた第三コンベア7Cと同様に、第二コンベア7B″が設けられている。
第二コンベア7B″によって搬送された第一縦姿勢のカートン1は、後パート44″へ一つずつ送り出される。具体的には、後パート44″に用いられるコンベアに第二縦姿勢で載置されたカートン1がラッピングパートP5(
図3参照)へ送給される。
【0070】
<ラッピングパート>
図3に示すように、ラッピングパートP5では、ティシュペーパ3の束を収容するカートン1が所定の並び順をなすカートン群が一パックの単位で包装される。このラッピングパートP5では、五つのカートン1ごとのラップ材19による包装が実施される。
このようにして、包装パック体10が製造される。
【0071】
図3では、包装準備パートP4とラッピングパートP5との間の中間パートP45において、後パート44から送給された多数(ここでは五つ以上の個数)のカートン1が集められ、このようにして集められた多数のカートン1が五つずつに区分けされたうえでラッピングパートP5での処理が施される形態を例示する。
ただし、
図10に示すように、中間パートP45を設けることなく、後パート44から送給された五つのカートン1をそのままラッピングパートP5へ送給してもよい。すなわち、包装準備パートP4の直後に配置された包装機がラッピングパートP5に設けられていてもよい。この場合には、後パート44において送給される五つのカートン1のうち最も下流側(いわば先頭)のカートン1を一時的に止めることで、五つのカートン1が隣り合って接触した状態にすることができる。
【0072】
あるいは、
図11に示すように、後パート44において五つのカートン1を第一縦姿勢のままラッピングパートP5へ送給してもよい。すなわち、
図3や
図10に例示するように後パート44において第二縦姿勢のカートン1を送給する形態(いわゆる「横送り」)に限らず、
図11に例示するように中パート43から搬送されたカートン1の姿勢を変更せずに送給する形態であってもよい。
【0073】
上記のように同色のカートン1が搬送方向に沿って並んだ状態のままラッピングパートP5へ送給される形態によれば、
図3や
図10に例示したように搬送方向に沿って異なる色のカートン1が並んで送給される形態による不具合を回避することができる。ここでいう不具合の一例としては、後パート44からラッピングパートP5までの間に搬送方向に沿って並ぶカートンが所定の並び順であるか否かを公知の手法で検査した際に、所定の並び順ではない五つのカートンがまとめて製造ラインから排出されることである。すなわち、
図11に例示の送給形態によれば、後パート44からラッピングパートP5までの間に所定の並び順を検査したとしても、五つのカートンをまとめて製造ラインから排出するという不具合の回避が可能となる。
【0074】
[1-3.製造方法]
つぎに、包装パック体10を製造する方法を説明する。この製造方法では、五つのカートン1が所定の並び順をなすカートン群を一パックの単位で包装するラッピング工程がラッピングパートP5で実施され、このラッピング工程へ向けてカートン1が搬送される。
ここでは、資材準備パートP2で実施される資材準備方法,包装準備パートP4で実施される包装準備方法に着目して例説する。これらの方法では、項目[1-2]の製造装置の構成として上述の各パートにおいて、その名称のうち「パート」を工程に置換した工程が実施される。
【0075】
資材準備方法では、デポジットパート21でデポジット工程が実施されてからスタックパート22でスタック工程が実施される。
包装準備方法では、前パート41で前工程が実施されてから振分パート42で振分工程が実施され、その後に中パート43で中工程が実施され、さいごに後パート44で後工程が実施される。
【0076】
第一包装準備パートP41や第二包装準備パートP42の中工程では、第一中パート6A,6A′によって第一中工程が実施されてから第二中パート6B,6B′によって第二中工程が実施され、さいごに第三中パート6C,6C′によって第三中工程が実施される。
第三包装準備パートP43の中工程では、第一中パート6A″によって第一中工程が実施されてから、第二中パート6B″によって第二中工程が実施される。
【0077】
<資材準備方法>
資材準備方法は、ラッピング工程へ向けて連続的に搬送されるカートン1の資材1′を準備する方法である。
この資材準備方法では、
図8に示すように、デポジット工程(ステップA1),スタック工程(ステップA2),ストア工程(ステップA3),フィード工程(ステップA4)の順に各工程を実施する。これらの工程を実施した後には、カートナ工程が実施される。
【0078】
デポジット工程では、包装パック体10のカートン群をなすカートン1のそれぞれに対応する資材1′を積重し、搬送方向に沿って所定の並び順で資材1′を配置する。
スタック工程では、デポジット工程のそれぞれで積重された資材1′を搬送方向に一つずつ繰り出し、デポジット工程において上流側から繰り出された資材1′に下流側から繰り出す資材1′を重ね合わせる。
ストア工程では、スタック工程で重ね合わせられた資材1′である資材組を重ね合わせる。このストア工程では、資材組を上側に重ね合わせる。
フィード工程では、ストア工程で重ね合わせられた資材組をラッピング工程へ向けて繰り出す。このフィード工程では、各資材組をなす資材1′を一つずつ下側から繰り出す。
【0079】
<包装準備方法>
包装準備方法は、所定数のカートン1が所定の並び順をなすカートン群を一パックの単位で包装するために異なる外観のカートン1を準備する方法である。
この包装準備方法では、
図9に示すように、前工程(ステップB1),振分工程(ステップB2),中工程(ステップB3),後パート44(ステップB4)の順に各工程を実施する。これらの工程を実施した後には、ラッピング工程が実施される。
【0080】
前工程では、カートン群をなすカートン1を順次供給する。
振分工程では、前工程で供給されたカートン1を中工程でカートンが並べられる列4A,4B,4C,4D,4Eに振り分ける。
第一包装準備装置P41や第二包装準備装置P42による包装準備方法の振分工程では、前工程で供給されたカートン1が側前姿勢のままで振り分けられる。
第三包装準備装置P43による包装準備方法の振分工程では、前工程で供給された側前姿勢のカートン1を端前姿勢に変更したうえで振り分けられる。
【0081】
中工程では、振分工程で振り分けられたカートン1(前工程で供給されたカートン)を、五つが並んで設けられた列4A,4B,4C,4D,4Eのそれぞれに色の同じカートン1をまとめ、所定の並び順でカートン1を並列に並べる。
後工程では、中工程で列4A,4B,4C,4D,4Eに並べられたカートン1のうち搬送方向下流端のカートン1を五つにまとめて所定の並び順をなすカートン群にして、カートン群を一パックの単位で包装するラッピング工程へ送給する。
【0082】
以下、中工程および後工程の実施内容について、第一包装準備パートP41,第二包装準備パートP42,第三包装準備パートP43で実施される内容をそれぞれに説明する。
==第一包装準備方法==
第一包装準備装置P41による第一包装準備方法では、中工程において、第一中工程(ステップB31),第二中工程(ステップB32),第三中工程(ステップB33)の順に各工程を実施する。
【0083】
第一中工程では、振分工程で振り分けられたカートン1を列4A,4B,4C,4D,4Eに側前姿勢で並べる。第二中工程では、第一中工程で並べられた側前姿勢のカートン1を端前姿勢に変更して並べ直す。第三中工程では、第二中工程で端前姿勢に姿勢の変更されたカートン1を第一縦姿勢に変更して並べ直す。
後工程では、第三中工程で並べ直された第一縦姿勢のカートン1を第二縦姿勢でラッピング工程へ送給する
【0084】
==第二包装準備方法==
第二包装準備装置P42による第二包装準備方法では、中工程において、第一中工程(ステップB31),第二中工程(ステップB32),第三中工程(ステップB33)の順に各工程を実施する。
第一中工程では、第一包装準備装置P41と同様に、振分工程で振り分けられたカートン1を列4A,4B,4C,4D,4Eに側前姿勢で並べる。第二中工程では、第一中工程で並べられた側前姿勢のカートン1を第一縦姿勢に変更する。第三中工程では、第二中工程で第一縦姿勢に変更された前記カートンを並べ直す。
後工程では、第一包装準備装置P41と同様に、前記第三中工程で並べ直された第一縦姿勢のカートン1を第二縦姿勢でラッピング工程へ送給する。
【0085】
==第三包装準備方法==
第三包装準備装置P43による第三包装準備方法では、中工程において、第三中工程が実施されず、第一中工程(ステップB31),第二中工程(ステップB32)の順に各工程を実施する。
第一中工程では、振分工程で振り分けられたカートン1を列4A,4B,4C,4D,4Eに端前姿勢で並べる。第二中工程では、第一包装準備装置P41の第三中工程と同様に、端前姿勢のカートン1を第一縦姿勢に変更して並べ直す。
後工程では、第二中工程で並べ直された第一縦姿勢のカートン1を第二縦姿勢でラッピング工程へ送給する。
【0086】
[2.作用および効果]
本実施形態は上述のように構成されるため、下記のような作用および効果を得ることが
できる。
本項目[2]では、資材準備方法について小項目[2-1]で述べ、包装準備方法について小項目[2-2]で述べる。
【0087】
[2-1.資材準備方法]
(1)資材準備方法によれば、デポジット工程において、包装パック体10の各カートン1に対応する資材1′が積重された状態で搬送方向に沿って所定の並び順に応じた配置とされる。そのうえで、スタック工程において、上流側から一つずつ繰り出された資材1′に下流側から繰り出す資材1′が一つずつ重ね合わせられる。そのため、所定の並び順に対応した順序でカートン1の資材1′を準備することができる。
よって、所定の並び順に対応した順序でカートン1の資材1′を効率よく準備することができる。
【0088】
(2)スタック工程で重ね合わせられた資材1′である資材組がストア工程で重ね合わせられるため、所定の並び順に対応した秩序で資材1′を重ね合わせることができる。これにより、資材1′(資材組)が搬送方向に並んで配置されるのと比較して、これらの資材1′を供給するスペースが抑えられ、省スペース化に寄与する。
(3)ストア工程で上側に重ね合わせられた資材組は、ラッピング工程へ向けて繰り出すフィード工程で下側から資材1′が一つずつ繰り出される。このような先入先出方式によって、所定の並び順に対応した順序の資材1′を連続的に繰り出す(準備する)ことができる。延いては、包装パック体10の製造効率の向上に寄与する。
【0089】
[2-2.包装準備方法]
(1)包装準備方法によれば、搬送方向に沿って直列に並ぶカートン1を前工程で順次供給し、供給されたカートン1を振分工程で各列4A,4B,4C,4D,4Eへ色別に振り分ける。中工程では、色の同じカートン1を各列4A,4B,4C,4D,4Eにまとめて並べ、所定の並び順でカートン1を並列に並べる。そして、後工程によって各列4A,4B,4C,4D,4Eに並べられたカートン1のうち搬送方向下流端のカートン1を五つにまとめて所定の並び順をなすカートン群にしてラッピング工程へ送給する。
【0090】
ゆえに、前工程で供給されるカートン1を各色に対応する列4A,4B,4C,4D,4Eに振り分ける振分工程によって、各列4A,4B,4C,4D,4Eに並べるカートン1の色が検査されたものと言える。
そのため、たとえば資材準備方法で一つずつ繰り出すべき同色の資材1′が複数繰り出されてしまったり製造ラインからのカートン1の脱落や排出が生じたりして、前工程で所定の並び順でないカートン1が供給されたとしても、所定の並び順をなす五つのカートン1からなるカートン群をラッピング工程へ送給できる。
【0091】
また、カートン群をなす五つのカートン1が所定の並び順であるか否かを検査する工程を省略することができる。このような検査工程によって検査に適合しないカートン1やこのカートン1を含むカートン群が製造ラインから排出されることによる煩雑な処理を回避できる。
よって、カートン群をなす包装対象のカートンの準備が煩雑であることを抑えることができる。
【0092】
(2)本実施形態の包装準備方法によれば、前工程において側前姿勢で供給されるカートン1を列4A,4B,4C,4D,4Eに並べたうえで、ラッピング工程による包装に好適な縦姿勢にして送り出すことができる。
よって、カートン群をなす包装対象のカートンを効率よく準備することができる。
(3)第一包装準備方法によれば、列4A,4B,4C,4D,4Eにおけるカートン1は、第一中工程によって側前姿勢で並べられてから、第二中工程によって側前姿勢から端前姿勢に変更して並べ直され、第三中工程によって端前姿勢から第一縦姿勢に変更して並べ直される。
【0093】
このようにカートン1の姿勢を横姿勢のまま一回変更してからもう一回縦姿勢に変更することにより、横姿勢と比較して載置状態の不安定な縦姿勢のまま列4A,4B,4C,4D,4Eにカートン1を並べておく期間を抑えられる。よって、列4A,4B,4C,4D,4Eにおいて縦姿勢から横姿勢へカートン1が転倒するのを抑制できる。
本実施形態で例示の第一包装準備パートP41によれば、第一中工程,第二中工程および第三中工程の全工程をベルトコンベアあるいはローラコンベアといった汎用コンベアによって実施することもできる。
【0094】
(4)第二包装準備方法によれば、列4A,4B,4C,4D,4Eにおけるカートン1は、第一中工程によって側前姿勢で並べられてから、第二中工程によって側前姿勢から第一縦姿勢に変更され、第三中工程によって第一縦姿勢に変更されたカートン1が並べ直される。このように端前姿勢の状態で並べることなくカートン1を側前姿勢から第一縦姿勢に変更されるため、第一包装準備パートP41と比較して簡素な構成とするのに資する。
【0095】
(5)第三包装準備方法によれば、側前姿勢から端側姿勢に姿勢が変更されつつ列4A,4B,4C,4D,4Eにカートン1が振り分けらたうえで、振り分けられたカートン1は、第一中工程によって端前姿勢で並べられ、第二中工程によって端前姿勢から第一縦姿勢に変更して並べ直される。このように振分工程で側前姿勢から端前姿勢への姿勢変更を振分とともに実施することにより、側前姿勢の状態で並べることなくカートン1を端前姿勢から第一縦姿勢に変更されるため、第一包装準備パートP41と比較して簡素な構成とするのに資する。
(6)なお、包装準備パートP4によっても、上述の包装準備方法と同様の作用および効果を得ることができる。
【0096】
[II.変形例]
上述の実施形態はあくまでも例示に過ぎず、この実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせることもできる。
【0097】
たとえば、第一包装準備パートの第三中パートや第三包装準備パートの第二中パートには、上述のようにアッパコンベアおよびロアコンベアが設けられた構成に限らず、カートンの姿勢を端前姿勢から第一縦姿勢に変更可能な公知の構成を用いることができる。このような公知構成の一例としては、ガイドバーが挙げられる。
【0098】
また、包装準備方法の後工程においてカートンが送給される姿勢は、第二縦姿勢に限らず、第一縦姿勢であってもよい。第一縦姿勢のカートンをラッピング工程へ送給する後工程は、第一包装準備パートの第三中工程や第三包装準備パートの第二中工程における搬送方向に沿って延設されたコンベア(後パート)によって実施することができる。敷衍して言えば、ラッピング工程へ送給されるカートンの姿勢は、ラッピング工程に用いられる包装装置の種別に応じて好適な姿勢に設定すればよい。
【0099】
また、前工程において少なくともカートン群をなすカートンの全てが混在して順次供給されていればよく、所定の並び順ではないカートンが供給されていてもよいし、供給される姿勢も側前姿勢に限らない。
あるいは、第一列に並べられたカートンの個数が他の列に並べられたカートンの個数よりも少ない場合に、第一列に並べられる色をなすカートンの資材を多く供給するようにフィードバック制御してもよい。このように、中工程で列に並べられるカートン1の相対的な多寡に応じて資材の供給量を調整する工程が包装準備方法に含まれていてもよい。
【0100】
そのほか、裏返ったり破損したりした不良なカートンは、公知の不良検知手法によって製造ラインから排出してもよい。不良なカートンの排出は、振分工程による列への振り分け後であってもよいし、前工程よりも搬送方向上流側における適宜のタイミングであってもよい。
なお、前工程においてカートン群をなす各色のカートンを専用に製造する工程が並設されていれば、振分工程は省略可能である。この場合には、前工程に並設された製造ラインのうち一つが停止するだけで包装パック体の製造ライン全体が停止するものの、振分工程を実施する振分パートを省略できる点からは構成を簡素化できる。
【符号の説明】
【0101】
1 カートン
1B 下底壁部(底壁部)
1T 取出口
1U 上底壁部(底壁部)
1X 側壁部
1Y 端壁部
1′ 資材
10 包装パック体
19 ラップ材
21 デポジットパート
22 スタックパート
23 ストアパート
24 フィードパート
3 ティシュペーパ
31 折立パート
32 収容パート
33 封緘パート
40 列
4A 第一列
4B 第二列
4C 第三列
4D 第四列
4E 第五列
41 前パート
42 振分パート
43 中パート
44 後パート
6A 第一中パート
6B 第二中パート
6C 第三中パート
70′ ガイド部材
71 アッパコンベア
72 ロアコンベア
7A 第一コンベア
7B 第二コンベア
7B′ シュート
7C 第三コンベア
P1 束搬送パート
P2 資材準備パート
P3 カートナパート
P4 包装準備パート(包装準備装置)
P41 第一包装準備パート
P42 第二包装準備パート
P43 第三包装準備パート
P5 ラッピングパート