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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038794
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】半導体装置および半導体モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/338 20060101AFI20240313BHJP
   H01L 29/41 20060101ALI20240313BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20240313BHJP
   H01L 29/417 20060101ALI20240313BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20240313BHJP
【FI】
H01L29/80 E
H01L29/80 F
H01L29/80 H
H01L29/44 Y
H01L21/28 301B
H01L29/50 J
H01L29/44 P
H01L27/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143077
(22)【出願日】2022-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】舘 毅
【テーマコード(参考)】
4M104
5F038
5F102
【Fターム(参考)】
4M104AA04
4M104AA07
4M104BB02
4M104BB04
4M104BB14
4M104BB30
4M104CC01
4M104EE06
4M104EE14
4M104EE16
4M104EE17
4M104FF10
4M104FF11
4M104GG11
5F038AC04
5F038AC05
5F038CA02
5F038EZ02
5F038EZ20
5F102GA16
5F102GB01
5F102GC01
5F102GD04
5F102GJ02
5F102GJ03
5F102GJ04
5F102GJ10
5F102GK04
5F102GK08
5F102GL04
5F102GM04
5F102GQ01
5F102GT06
5F102GV03
5F102GV05
5F102GV07
5F102GV08
(57)【要約】
【課題】装置の設計を変えることなく、必要に応じて、ゲート-ソース間寄生容量を変化させることができる半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置10Aは、半導体基板11と、半導体基板11上に形成され、トランジスタと、半導体基板11上に設けられた絶縁層12と、絶縁層12の表面12Aに形成され、ソース電極に電気的に接続されたソースパッド41と、絶縁層12の表面12Aに形成され、ドレイン電極に電気的に接続されたドレインパッドと、絶縁層12の表面12Aに形成され、ゲート電極に接続されたゲートパッドと、絶縁層12の表面12Aに形成された特定パッド47と、キャパシタ60とを備える。キャパシタ60は、トランジスタのソース電極に電気的に接続されたソース側電極61、および特定パッド47に電気的に接続され、ソース側電極61に対向して配置された特定電極62を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板上に形成され、ソース電極、ドレイン電極、およびゲート電極を含むトランジスタと、
前記半導体基板上に設けられた絶縁層と、
前記絶縁層の表面に形成され、前記ソース電極に電気的に接続されたソースパッドと、
前記絶縁層の表面に形成され、前記ドレイン電極に電気的に接続されたドレインパッドと、
前記絶縁層の表面に形成され、前記ゲート電極に接続されたゲートパッドと、
前記絶縁層の表面に形成された特定パッドと、
前記ソース電極に電気的に接続されたソース側電極、および前記特定パッドに電気的に接続され、前記ソース側電極に対向して配置された特定電極を含むキャパシタと、を備える、半導体装置。
【請求項2】
前記特定電極は、前記絶縁層の一部を挟んで前記ソースパッドに対向して配置された対向部を含み、
前記ソース側電極は、前記ソースパッドによって構成されており、当該ソースパッドにおける前記対向部に対向する被対向部を含む、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記特定電極は、さらに、前記対向部と前記特定パッドとを電気的に接続するための接続部を備え、
前記特定電極は、前記半導体基板の厚さ方向から見て、前記ソースパッドと前記特定パッドとの双方に跨るように設けられている、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記接続部と前記特定パッドとの間の前記絶縁層を貫通して設けられ、前記接続部と前記特定パッドとを電気的に接続するビアを備える、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記対向部は、前記絶縁層の裏面に形成されている、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記対向部は、前記絶縁層内に埋め込まれた埋め込み導電層である、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記特定パッドは、前記絶縁層の表面に互いに離隔して形成された第1特定パッドおよび第2特定パッドを含み、
前記キャパシタは、第1キャパシタおよび第2キャパシタを含み、
前記第1キャパシタは、
前記ソース側電極であって、前記ソース電極に電気的に接続された第1ソース側電極と、
前記特定電極であって、前記第1特定パッドに電気的に接続され、前記第1ソース側電極に対向して配置された第1特定電極とを備え、
前記第2キャパシタは、
前記ソース側電極であって、前記ソース電極に電気的に接続された第2ソース側電極と、
前記特定電極であって、前記第2特定パッドに電気的に接続され、前記第2ソース側電極に対向して配置された第2特定電極とを備える、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1特定電極は、前記絶縁層の一部を挟んで前記ソースパッドに対向して配置された第1対向部を含み、
前記第1ソース側電極は、前記ソースパッドにおける前記第1対向部に対向している第1被対向部を含み、
前記第2特定電極は、前記絶縁層の一部を挟んで前記ソースパッドに対向して配置された第2対向部を含み、
前記第2ソース側電極は、前記ソースパッドにおける前記第2対向部に対向している第2被対向部を含む、請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1キャパシタの容量は、前記第2キャパシタの容量よりも大きい、請求項7に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1ソース側電極と前記第1特定電極との対向面積は、前記第2ソース側電極と前記第2特定電極との対向面積よりも大きい、請求項8に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記絶縁層の表面上において、前記第1特定パッドおよび前記第2特定パッドは、前記ソースパッドを挟んで配置されている、請求項7に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第1特定パッドおよび前記第2特定パッドは、前記半導体基板の厚さ方向から見て、前記ソースパッドが延びる第1方向に離隔して配置され、
前記ゲートパッドは、
前記半導体基板の厚さ方向から見て、前記第1方向と直交する第2方向に前記第1特定パッドと並んで配置された第1ゲートパッドと、
前記第2方向に前記第2特定パッドと並んで配置された第2ゲートパッドと、を含む、請求項7に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記絶縁層の表面上において、前記特定パッドは、前記ゲートパッドよりも前記ソースパッドに近い位置に配置されている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記絶縁層の表面上において、前記ゲートパッドは、前記ソースパッドよりも前記ドレインパッドに近い位置に配置されている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記トランジスタは、
窒化物半導体によって構成された電子走行層と、
前記電子走行層上に形成され、前記電子走行層よりも大きなバンドギャップを有する窒化物半導体によって構成された電子供給層と、
前記電子供給層上の一部に形成され、アクセプタ型不純物を含む窒化物半導体によって構成されたゲート層と、
前記ゲート層上に形成された前記ゲート電極と、
前記電子供給層に接している前記ソース電極および前記ドレイン電極と、を備え、
前記ゲート層は、前記電子供給層上において、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に位置している、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載の半導体装置と、
前記半導体装置を封止する封止樹脂と、を備える、半導体モジュール。
【請求項17】
前記特定パッドと前記ゲートパッドとを接続する特定ワイヤを備える、請求項16に記載の半導体モジュール。
【請求項18】
前記特定パッドは、前記ゲートパッドに対して電気的に非接続である、請求項16に記載の半導体モジュール。
【請求項19】
ソースリード、ドレインリード、およびゲートリードと、
前記ソースリードと前記ソースパッドとを接続するソースワイヤと、
前記ドレインリードと前記ドレインパッドとを接続するドレインワイヤと、
前記ゲートリードと前記ゲートパッドとを接続するゲートワイヤと、を含む、請求項16に記載の半導体モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置および半導体モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、GaNトランジスタなどのトランジスタが形成された半導体装置が知られている(たとえば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-37967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ブリッジ回路で構成されるインバータ回路および非絶縁型同期整流コンバータ回路などのように、トランジスタを高速スイッチング動作で使用する場合、トランジスタのドレイン-ソース間電圧が急峻に変化する。ドレイン-ソース間電圧が急峻に変化すると、トランジスタのゲート-ソース間電圧が立ち上がることにより、オフ状態のトランジスタが誤ってオン状態となる誤オン、所謂、セルフターンオンが発生する場合がある。
【0005】
セルフターンオンとは、オフ状態のトランジスタのドレイン-ソース間に急峻に電圧が印加されたとき、ゲート-ドレイン間寄生容量Cgdとゲート-ソース間寄生容量Cgsとの比で表されるCgd/Cgsに応じてゲート-ソース間寄生容量Cgsに閾値電圧を越えるゲート電圧が印加されることにより、トランジスタがターンオンする現象である。
【0006】
トランジスタが形成された半導体装置において、セルフターンオンを抑制する方法として、ゲート-ソース間寄生容量Cgsを大きくして上記比Cgd/Cgsを小さくすることが考えられる。一方、ゲート-ソース間寄生容量Cgsを大きくすると、ゲート駆動に必要な電荷量が増大することにより、電源効率が低下する。そのため、ゲート-ソース間寄生容量Cgsを大きくした設計の半導体装置は、セルフターンオンが発生しやすい部分に選択的に適用することが好ましい。しかしながら、この場合には、ゲート-ソース間寄生容量Cgsが異なるように設計された複数種類の半導体装置を用意することが必要になる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様である窒化物半導体装置は、半導体基板と、前記半導体基板上に形成され、ソース電極、ドレイン電極、およびゲート電極を含むトランジスタと、前記半導体基板上に設けられた絶縁層と、前記絶縁層の表面に形成され、前記ソース電極に電気的に接続されたソースパッドと、前記絶縁層の表面に形成され、前記ドレイン電極に電気的に接続されたドレインパッドと、前記絶縁層の表面に形成され、前記ゲート電極に接続されたゲートパッドと、前記絶縁層の表面に形成された特定パッドと、前記ソース電極に電気的に接続されたソース側電極、および前記特定パッドに電気的に接続され、前記ソース側電極に対向して配置された特定電極を含むキャパシタと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、半導体装置の設計を変えることなく、必要に応じて、半導体装置のゲート-ソース間寄生容量を変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態の半導体装置の概略平面図である。
図2図2は、図1のF2-F2線で切断した半導体装置の一部の概略断面図である。
図3図3は、図1のF3部分を詳細に示した拡大図である。
図4図4は、図3のF4部分の拡大図である。
図5図5は、図4のF5-F5線で切断した半導体装置の一部の概略断面図である。
図6図6は、図4のF6-F6線で切断した半導体装置の一部の概略断面図である。
図7図7は、図1のF7-F7線で切断した半導体装置の一部の概略断面図である。
図8図8は、第1実施形態の半導体モジュールの概略平面図である。
図9図9は、第2実施形態の半導体装置の一部の概略断面図である。
図10図10は、第3実施形態の半導体装置の概略平面図である。
図11図11は、変更例の半導体モジュールの概略平面図である。
図12図12は、変更例の半導体装置の一部の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本開示における半導体装置および半導体モジュールの実施形態を説明する。
なお、説明を簡単かつ明確にするために、図面に示される構成要素は必ずしも一定の縮尺で描かれていない。また、理解を容易にするために、断面図では、ハッチング線が省略されている場合がある。添付の図面は、本開示の実施形態を例示するに過ぎず、本開示を制限するものとみなされるべきではない。
【0011】
以下の詳細な記載は、本開示の例示的な実施形態を具体化する装置、システム、および方法を含む。この詳細な記載は本来説明のためのものに過ぎず、本開示の実施形態またはこのような実施形態の適用および使用を限定することを意図していない。
【0012】
<第1実施形態>
図1図8を参照して、第1実施形態の半導体装置および半導体モジュールの構成について説明する。
【0013】
[半導体装置の概略構造]
図1は、第1実施形態に係る半導体装置10Aの概略平面構造を示している。なお、本開示において使用される「平面視」という用語は、図1に示される互いに直交するXYZ軸のZ方向に半導体装置10Aを視ることをいう。また、図1に示される半導体装置10Aにおいて、便宜上、+Z方向を上、-Z方向を下、+X方向を右、-X方向を左と定義する。
【0014】
図1に示すように、半導体装置10Aは、半導体基板11と、半導体基板11上に形成されたトランジスタT(図示略)と、半導体基板11上に設けられた絶縁層12と含む。
半導体基板11としては、たとえばシリコン(Si)基板を用いることができる。あるいは、Si基板に代えて、シリコンカーバイド(SiC)基板、窒化ガリウム(GaN)基板、またはサファイア基板を用いることもできる。半導体基板11の厚さは、たとえば200μm以上1500μm以下とすることができる。
【0015】
なお、以下の説明において、明示的に別段の記載がない限り、厚さとは、図1のZ方向に沿った寸法を指す。以下、明示的に別段の記載がない限り、「平面視」とは、半導体基板11の厚さ方向に上方から視ること、即ち、半導体装置10AをZ軸に沿って上方から視ることを指す。
【0016】
絶縁層12は、たとえば窒化シリコン(SiN)、二酸化シリコン(SiO)、酸窒化シリコン(SiON)、アルミナ(Al)、AlN、および酸窒化アルミニウム(AlON)のうちいずれか1つを含む材料によって構成され得る。一例では、絶縁層12は、SiNを含む材料によって形成されている。
【0017】
半導体装置10Aは、平面視において、半導体基板11上における中央部分に位置するアクティブ領域A1と、半導体基板11上の外周側に位置してアクティブ領域A1を囲む枠状の周辺領域A2とを含む。アクティブ領域A1は、トランジスタTが形成されている領域であり、周辺領域A2は、トランジスタTが形成されていない領域である。
【0018】
[トランジスタの詳細]
図2は、図1のF2-F2の断面指示線で半導体装置10Aを切断したトランジスタTの概略断面構造の一例を示す断面図である。なお、図面の見やすさの観点から一部のハッチング線を省略して示している。また、トランジスタTの上に配置されている絶縁層12の図示を省略している。
【0019】
図2に示すように、トランジスタTは、窒化物半導体を用いた高電子移動度トランジスタ(HEMT)である。トランジスタTは、半導体基板11上に形成されたバッファ層14と、バッファ層14上に形成された電子走行層16と、電子走行層16上に形成された電子供給層18と、を含む。
【0020】
バッファ層14は、半導体基板11と電子走行層16との間の熱膨張係数の不整合によるウェハ反りやクラックの発生を抑制することができる任意の材料によって構成され得る。また、バッファ層14は、1つまたは複数の窒化物半導体層を含むことができる。バッファ層14は、たとえば、窒化物アルミニウム(AlN)層、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)層、および異なるアルミニウム(Al)組成を有するグレーテッドAlGaN層のうち少なくとも1つを含んでもよい。たとえば、バッファ層14は、AlNの単膜、AlGaNの単膜、AlGaN/GaN超格子構造を有する膜、AlN/AlGaN超格子構造を有する膜、またはAlN/GaN超格子構造を有する膜などによって構成されていてもよい。
【0021】
一例において、バッファ層14は、半導体基板11上に形成されたAlN層である第1バッファ層と、AlN層(第1バッファ層)上に形成されたAlGaN層である第2バッファ層を含むことができる。第1バッファ層はたとえば200nmの厚さを有するAlN層であってよく、第2バッファ層はたとえば300nmの厚さを有するグレーテッドAlGaN層であってよい。なお、バッファ層14におけるリーク電流を抑制するために、バッファ層14の一部に不純物を導入することによってバッファ層14の表層領域以外を半絶縁性にしてもよい。この場合、不純物は、たとえば炭素(C)または鉄(Fe)である。不純物濃度は、たとえば4×1016cm-3以上とすることができる。
【0022】
電子走行層16は、窒化物半導体によって構成されている。電子走行層16は、たとえばGaN層であってよい。電子走行層16の厚さは、たとえば0.5μm以上2μm以下とすることができる。なお、電子走行層16におけるリーク電流を抑制するために、電子走行層16の一部に不純物を導入することによって電子走行層16の表層領域以外を半絶縁性にしてもよい。この場合、不純物は、たとえばCである。不純物の濃度は、たとえば4×1016cm-3以上とすることができる。すなわち、電子走行層16は、不純物濃度の異なる複数のGaN層、一例ではCドープGaN層およびノンドープGaN層を含むことができる。この場合、CドープGaN層は、バッファ層14上に形成されている。CドープGaN層は、0.5μm以上2μm以下の厚さを有することができる。CドープGaN層中のC濃度は、5×1017cm-3以上9×1019cm-3以下とすることができる。ノンドープGaN層は、CドープGaN層上に形成されている。ノンドープGaN層は、0.05μm以上0.4μm以下の厚さを有することができる。ノンドープGaN層は、電子供給層18と接している。一例では、電子走行層16は、厚さ0.4μmのCドープGaN層と、厚さ0.4μmのノンドープGaN層とを含む。CドープGaN層中のC濃度は約2×1019cm-3である。
【0023】
電子供給層18は、電子走行層16よりも大きなバンドギャップを有する。電子供給層18は、たとえばAlGaN層であってよい。窒化物半導体では、Al組成が高いほどバンドギャップが大きくなる。このため、AlGaN層である電子供給層18は、GaN層である電子走行層16よりも大きなバンドギャップを有する。一例では、電子供給層18は、AlGa1-xNによって構成されている。つまり、電子供給層18は、AlGa1-xN層であるといえる。xは0<x<0.4であり、より好ましくは0.1<x<0.3である。電子供給層18は、たとえば5nm以上20nm以下の厚さを有することができる。
【0024】
電子走行層16と電子供給層18とは、バルク領域において異なる格子定数を有する。したがって、電子走行層16と電子供給層18とは格子不整合系の接合である。電子走行層16および電子供給層18の自発分極と、電子走行層16のヘテロ接合部が受ける圧縮応力に起因するピエゾ分極とによって、電子走行層16と電子供給層18との間のヘテロ接合界面付近における電子走行層16の伝導帯のエネルギーレベルはフェルミ準位よりも低くなる。これにより、電子走行層16と電子供給層18とのヘテロ接合界面に近い位置(たとえば、界面から数nm程度の距離)において電子走行層16内には二次元電子ガス(2DEG)20が広がっている。
【0025】
電子供給層18は、電子走行層16よりも大きなバンドギャップを有する。電子供給層18は、たとえばAlGaN層であってよい。窒化物半導体では、Al組成が高いほどバンドギャップが大きくなる。このため、AlGaN層である電子供給層18は、GaN層である電子走行層16よりも大きなバンドギャップを有する。一例では、電子供給層18は、AlGa1-xNによって構成されている。つまり、電子供給層18は、AlGa1-xN層であるといえる。xは0<x<0.4であり、より好ましくは0.1<x<0.3である。電子供給層18は、たとえば5nm以上20nm以下の厚さを有することができる。
【0026】
トランジスタTは、電子供給層18上に形成されたゲート層22と、ゲート層22上に形成されたゲート電極24と、電子供給層18、ゲート層22、およびゲート電極24を覆う絶縁層26と、をさらに含む。絶縁層26は、平面視でゲート層22に対してX方向の両側に設けられたソース開口部26Aおよびドレイン開口部26Bを有する。X方向は、ソース開口部26Aおよびドレイン開口部26Bの離隔方向ともいえる。
【0027】
ゲート層22は、電子供給層18よりも小さなバンドギャップを有するとともに、アクセプタ型不純物を含む窒化物半導体によって構成されている。ゲート層22は、たとえばAlGaN層である電子供給層18よりも小さなバンドギャップを有する任意の材料によって構成され得る。一例では、ゲート層22は、アクセプタ型不純物がドーピングされたGaN層(p型GaN層)である。アクセプタ型不純物は、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、およびCのうち少なくとも1つを含むことができる。ゲート層22中のアクセプタ型不純物の最大濃度は、たとえば1×1018cm-3以上1×1020cm-3以下である。
【0028】
上記のように、ゲート層22にアクセプタ型不純物が含まれることによって、電子走行層16および電子供給層18のエネルギーレベルが引き上げられる。このため、ゲート層22の直下の領域において、電子走行層16と電子供給層18との間のヘテロ接合界面付近における電子走行層16の伝導帯のエネルギーレベルは、フェルミ準位とほぼ同じか、またはそれよりも大きくなる。したがって、ゲート電極24に電圧を印加していないゼロバイアス時において、ゲート層22の直下の領域における電子走行層16には、2DEG20が形成されない。一方、ゲート層22の直下の領域以外の領域における電子走行層16には、2DEG20が形成されている。
【0029】
このように、アクセプタ型不純物がドーピングされたゲート層22の存在によってゲート層22の直下の領域で2DEG20が空乏化される。その結果、トランジスタTのノーマリーオフ動作が実現される。ゲート電極24に適切なオン電圧が印加されると、ゲート電極24の直下の領域における電子走行層16に2DEG20によるチャネルが形成されるため、ソース-ドレイン間が導通する。
【0030】
なお、ゲート層22の断面形状は特に限定されない。たとえば、ゲート層22は図1におけるXZ平面において、矩形状、台形状、またはリッジ状の断面を有することができる。
【0031】
ゲート電極24は、1つまたは複数の金属層によって構成されている。ゲート電極24は、一例では窒化チタン(TiN)層である。あるいは、ゲート電極24は、Tiを含む材料によって形成された第1金属層と、第1金属層上に積層され、TiNを含む材料によって形成された第2金属層とによって構成されていてもよい。ゲート電極24は、ゲート層22とショットキー接合を形成することができる。ゲート電極24は、平面視でゲート層22よりも小さい領域に形成され得る。ゲート電極24は、たとえば、50nm以上200nm以下の厚さを有することができる。
【0032】
絶縁層26は、電子供給層18上に形成されている。絶縁層26は、電子供給層18を覆っているともいえる。絶縁層26は、半導体基板11上に設けられた絶縁層12の一部である。換言すると、絶縁層26は、絶縁層12におけるアクティブ領域A1に位置する部分である。絶縁層26は、パッシベーション層であるともいえる。絶縁層26は、ゲート層22およびゲート電極24を覆う部分を有する。
【0033】
ソース開口部26Aおよびドレイン開口部26Bの各々は、ゲート層22から離隔されている。ゲート層22は、ソース開口部26Aとドレイン開口部26Bとの間に位置している。ゲート層22は、X方向においてドレイン開口部26Bよりもソース開口部26A寄りに配置されている。つまり、ゲート層22とドレイン開口部26BとのX方向の間の距離は、ゲート層22とソース開口部26AとのX方向の間の距離よりも長い。
【0034】
トランジスタTは、ソース開口部26Aを介して電子供給層18に接しているソース電極28と、ドレイン開口部26Bを介して電子供給層18に接しているドレイン電極30とをさらに含む。
【0035】
ソース電極28およびドレイン電極30は、1つまたは複数の金属層(たとえば、Ti、Al、AlCu、TiNなど)によって構成されている。ソース電極28およびドレイン電極30は、それぞれソース開口部26Aおよびドレイン開口部26Bを介して2DEG20とオーミック接触している。
【0036】
トランジスタTは、絶縁層26上に形成されたフィールドプレート電極31をさらに含む。フィールドプレート電極31は、平面視でゲート層22とドレイン電極30との間の領域に少なくとも部分的に延在している。フィールドプレート電極31は、ドレイン電極30から離隔されている。したがって、フィールドプレート電極31は、たとえば、平面視でドレイン電極30(ドレイン開口部26B)とゲート層22との間に位置する端部31Aを含む。
【0037】
フィールドプレート電極31は、ソース電極28に電気的に接続されている。その一例として、図2の例においては、フィールドプレート電極31は、ソース電極28と連続している。この場合、フィールドプレート電極31は、ソース電極28と一体的に形成されている。一体的に形成された電極のうち、ソース電極28は、少なくとも絶縁層26のソース開口部26Aに埋設された部分を含んでいてよく、フィールドプレート電極31は、残りの部分を含んでいてよい。フィールドプレート電極31は、ゲート電極24にゲート電圧が印加されていないゼロバイアス時に、ゲート電極24の端部近傍の電界集中を緩和する役割を果たす。
【0038】
ここで、図3は、図1のF3部分を詳細に示した拡大図であり、図4は、図3のF4部分の拡大図である。図4では、ソース電極28におけるソース開口部26Aに埋設された部分、ドレイン電極30におけるドレイン開口部26Bに埋設された部分、およびゲート電極24が透過して視えるように図示している。
【0039】
図4に示すように、ソース電極28、ドレイン電極30、およびゲート電極24の各々は、平面視においてY方向に沿って延びている。より詳細には、図2に示すHEMTの断面構造がY方向に連続して形成されている。そして、上記のHEMTの構造がX方向およびY方向の各々に複数形成されている。なお、図4では図示されていないが、ゲート電極24の両端部は、アクティブ領域A1から突出して周辺領域A2に位置している。また、図5および図6に示すように、周辺領域A2には、電子供給層18が形成されてなく、電子走行層16の上に接して絶縁層12が形成されている。図5および図6では、半導体基板11、バッファ層14、および電子走行層16を1つの層にまとめて示している。
【0040】
また、本実施形態では、平面視において、ソース電極28、ドレイン電極30、およびゲート電極24が延びる方向であるY方向が第1方向であり、Y方向に直交するX方向が第2方向である。以下では、Y方向を第1方向と記載し、X方向を第2方向と記載する場合がある。
【0041】
[ソースパッド、ドレインパッド、ゲートパッド、およびそれらの周辺構造]
図1に示すように、半導体装置10Aは、それぞれ絶縁層12の表面12Aに形成された、ソースパッド41、ドレインパッド42、およびゲートパッド43を含む。ソースパッド41、ドレインパッド42、およびゲートパッド43は、たとえば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、AlCu合金、タングステン(W)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)のうち少なくとも1つを含む任意の導体材料によって構成することができる。
【0042】
ソースパッド41は、トランジスタTのソース電極28に電気的に接続されている電極パッドである。ソースパッド41は、絶縁層12の表面12A上において、アクティブ領域A1の+X方向側にアクティブ領域A1と並んで位置するように周辺領域A2に配置されている。ソースパッド41は、平面視において、Y方向に延びる矩形状である。Y方向におけるソースパッド41の形成範囲は、Y方向におけるアクティブ領域A1の形成範囲とほぼ等しい。
【0043】
ドレインパッド42は、トランジスタTのドレイン電極30に電気的に接続されている電極パッドである。ドレインパッド42は、絶縁層12の表面12A上において、アクティブ領域A1の-X方向側にアクティブ領域A1と並んで位置するように周辺領域A2に配置されている。ドレインパッド42は、平面視において、Y方向に延びる矩形状である。Y方向におけるドレインパッド42の形成範囲は、Y方向におけるアクティブ領域A1の形成範囲とほぼ等しい。ソースパッド41およびドレインパッド42は、アクティブ領域A1を間に挟んで、X方向に離隔して配置されている。
【0044】
ゲートパッド43は、トランジスタTのゲート電極24に電気的に接続されている電極パッドである。ゲートパッド43は、第1ゲートパッド43Aおよび第2ゲートパッド43Bを含む。
【0045】
第1ゲートパッド43Aは、絶縁層12の表面12A上において、アクティブ領域A1よりも+Y方向側にアクティブ領域A1と並んで位置するように周辺領域A2に配置されている。また、第1ゲートパッド43Aは、ソースパッド41よりもドレインパッド42に近い位置に配置されている。図1に示す一例では、第1ゲートパッド43Aは、ドレインパッド42の+Y方向側に位置するように配置されている。なお、第1ゲートパッド43Aは、ドレインパッド42と離隔している。
【0046】
第2ゲートパッド43Bは、絶縁層12の表面12A上において、アクティブ領域A1よりも-Y方向側にアクティブ領域A1と並んで位置するように周辺領域A2に配置されている。また、第2ゲートパッド43Bは、ソースパッド41よりもドレインパッド42に近い位置に配置されている。図1に示す一例では、第2ゲートパッド43Bは、ドレインパッド42の-Y方向側に位置するように配置されている。なお、第2ゲートパッド43Bは、ドレインパッド42と離隔している。また、第1ゲートパッド43Aおよび第2ゲートパッド43Bは、ドレインパッド42を間に挟んで、Y方向に離隔して配置されている。
【0047】
第1ゲートパッド43Aおよび第2ゲートパッド43Bは、平面視において、X方向に延びる矩形状である。第1ゲートパッド43Aおよび第2ゲートパッド43Bは、ドレインパッド42よりも-X方向に突出している。第1ゲートパッド43Aおよび第2ゲートパッド43Bは、ドレインパッド42よりも+X方向に突出している。
【0048】
図1及び図3に示すように、半導体装置10Aは、ソースパッド41から延出する複数のソース配線44、ドレインパッド42から延出する複数のドレイン配線45、およびゲートパッド43から延出するゲート配線46を含む。図1においては、ソース配線44およびドレイン配線45の図示を省略している。
【0049】
ソース配線44の各々は、ソースパッド41のアクティブ領域A1側の縁(-X方向側の縁)からドレインパッド42に向けてX方向に延びている。ソース配線44の各々は、周辺領域A2およびアクティブ領域A1に跨って設けられるとともに、ソース配線44の各々の先端は、アクティブ領域A1に位置している。複数のソース配線44は、Y方向に等間隔に離間して配置されている。なお、ソース配線44の各々は、ソースパッド41と一体に形成されている。
【0050】
ドレイン配線45の各々は、ドレインパッド42のアクティブ領域A1側の縁(+X方向側の縁)からソースパッド41に向けてX方向に延びている。ドレイン配線45の各々は、周辺領域A2およびアクティブ領域A1に跨って設けられるとともに、ドレイン配線45の各々の先端は、アクティブ領域A1に位置している。複数のドレイン配線45は、Y方向に等間隔に離間して配置されている。また、アクティブ領域A1において、複数のソース配線44と、複数のドレイン配線45とは、Y方向に沿って交互に配置されている。複数のソース配線44と、複数のドレイン配線45とは、Y方向に離間して配置されている。なお、ドレイン配線45の各々は、ドレインパッド42と一体に形成されている。
【0051】
図1に示すように、ゲート配線46は、第1ゲート配線46Aおよび第2ゲート配線46Bを含む。第1ゲート配線46Aおよび第2ゲート配線46Bは、第1ゲートパッド43Aと第2ゲートパッド43Bとを接続する。また、第1ゲート配線46Aおよび第2ゲート配線46Bは、全体として、アクティブ領域A1、ソースパッド41、およびドレインパッド42を囲む枠状に配置されている。
【0052】
第1ゲート配線46Aは、絶縁層12の表面12A上において、ドレインパッド42の-X方向側に位置するように周辺領域A2に配置されている。第1ゲート配線46Aは、第1ゲートパッド43Aにおけるドレインパッド42よりも-X方向に突出している部分から、第2ゲートパッド43Bにおけるドレインパッド42よりも-X方向に突出している部分に向かってY方向に延びている。
【0053】
第2ゲート配線46Bは、絶縁層12の表面12A上において、アクティブ領域A1およびソースパッド41を囲むU字状に延びている。そして、第2ゲート配線46Bの一方の端部が第1ゲートパッド43Aに接続されるとともに、他方の端部が第2ゲートパッド43Bに接続されている。なお、ゲート配線46は、ゲートパッド43と一体に形成されている。
【0054】
ここで、図5は、図4のF5-F5の断面指示線で半導体装置10Aを切断した概略断面構造の一例を示す断面図である。図6は、図4のF6-F6の断面指示線で半導体装置10Aを切断した概略断面構造の一例を示す断面図である。図4および図5では、トランジスタTの断面構造は、図2の断面構造と比較して簡略化して示している。
【0055】
図4および図5に示すように、ソース配線44は、Z方向においてソース電極28と重なる部分44Aを有している。ソース配線44とソース電極28とが重なる部分44Aにおいて、ソース配線44とソース電極28との間に位置する絶縁層12には、絶縁層12を貫通して設けられ、ソース配線44とソース電極28とを電気的に接続するビアVsが形成されている。
【0056】
図4および図6に示すように、ドレイン配線45は、Z方向においてドレイン電極30と重なる部分45Aを有している。ドレイン配線45とドレイン電極30とが重なる部分45Aにおいて、ドレイン配線45とドレイン電極30との間に位置する絶縁層12には、絶縁層12を貫通して設けられ、ドレイン配線45とドレイン電極30とを電気的に接続するビアVdが形成されている。
【0057】
図4~6に示すように、アクティブ領域A1の外周部分には、アクティブ領域A1の中央部分を囲む四角枠状の第1外周ガードリング51および第2外周ガードリング52が設けられている。
【0058】
第1外周ガードリング51の一例は、電子供給層18上に接して設けられた半導体層51Aと、半導体層51A上に接して設けられた第1導電層51Bと、第1導電層51B上において、絶縁層12内に埋め込まれた第2導電層51Cとを含む。半導体層51Aは、たとえば、ゲート層22と同じ材料により構成されている。第1導電層51Bは、たとえば、ゲート電極24と同じ材料により構成されている。第2導電層51Cは、たとえば、ソース電極28およびドレイン電極30の一方または両方と同じ材料により構成されている。
【0059】
第2外周ガードリング52は、第1外周ガードリング51よりもアクティブ領域A1の外周側において、第1外周ガードリング51を囲むように設けられている。第2外周ガードリング52の一例は、電子供給層18上に接して設けられた導電層である。第2外周ガードリング52は、たとえば、ソース電極28およびドレイン電極30の一方または両方と同じ材料により構成されている。
【0060】
図7は、図1のF7-F7の断面指示線で半導体装置10Aを切断した概略断面構造の一例を示す断面図である。図7では、絶縁層12の構造を簡略化して示している。図7に示すように、絶縁層12の表面12A上には、保護膜48が設けられている。保護膜48は、半導体装置10Aにおける各パッドが形成されている側の表面(上面)を覆うように形成されている。また、保護膜48は、ソースパッド41、ドレインパッド42、ゲートパッド43、および後述する特定パッド47について、各パッドの一部または全体を露出させる部分を有している。
【0061】
図7に示す一例では、保護膜48は、特定パッド47とソースパッド41との間に位置する第2ゲート配線46Bおよび絶縁層12の表面12Aを覆っている。また、保護膜48は、特定パッド47の上面を部分的に覆う部分、およびソースパッド41の上面を部分的に覆う部分を有していてもよい。保護膜48は、たとえば、ポリイミドなどの絶縁材料によって構成することができる。なお、図7以外の図においては、保護膜48の図示を省略している。
【0062】
[特定パッドおよびキャパシタ]
図1および図7に示すように、半導体装置10Aは、絶縁層12の表面12Aに形成された特定パッド47と、キャパシタ60とを含む。特定パッド47およびキャパシタ60は、周辺領域A2に設けられている。
【0063】
図1に示す一例では、特定パッド47は、絶縁層12の表面12A上において、周辺領域A2における、ゲートパッド43よりもソースパッド41に近い位置に配置されている。また、特定パッド47は、絶縁層12の表面12A上において、第2ゲート配線46Bを間に挟んで、ソースパッド41の+Y方向側にソースパッド41と並んで位置するように配置されている。
【0064】
特定パッド47の一例は、平面視において、正方形状である。また、特定パッド47は、平面視において、正方形状以外の形状、たとえば、矩形状、円形状、楕円形状であってもよい。特定パッド47のX方向の幅の一例は、ソースパッド41のX方向よりも狭い。特定パッド47のX方向の幅は、ソースパッド41のX方向の幅よりも広くてもよいし、ソースパッド41のX方向の幅とほぼ等しくてもよい。
【0065】
キャパシタ60は、ソース電極28に電気的に接続されたソース側電極61と、特定パッド47に電気的に接続され、ソース側電極61に対向して配置された特定電極62とを含む。ソース側電極61は、ソース電極28に電気的に接続されているソースパッド41によって構成されている。キャパシタ60のソース側電極61の電位は、ソース電位である。
【0066】
図7に示すように、特定電極62は、絶縁層12の裏面12Bに形成されている第3導電層L1である。なお、絶縁層12は、表面12Aと、表面12Aの反対側に位置する裏面12Bとを含む。絶縁層12の表面12Aは、絶縁層12における+Z方向側を向く面(上面)であり、半導体基板11と反対側に位置する面である。絶縁層12の裏面12Bは、絶縁層12における-Z方向側、即ち、半導体基板11側を向く面(下面)である。
【0067】
第3導電層L1は、たとえば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、AlCu合金、タングステン(W)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)のうち少なくとも1つを含む任意の導体材料によって構成することができる。第3導電層L1の一例は、ゲート電極24と同じ材料、たとえば、窒化チタン(TiN)により構成されている。この場合、第3導電層L1は、ゲート電極24と同時にパターニングすることにより形成できる。また、第3導電層L1の別の一例は、ソース電極28およびドレイン電極30の一方または両方と同じ材料、たとえば、AlCu合金により構成されている。この場合、第3導電層L1は、ソース電極28およびドレイン電極30の一方または両方と同時にパターニングすることにより形成できる。
【0068】
図1および図7に示すように、特定電極62は、絶縁層12を挟んでソースパッド41に対向して配置された対向部62Aと、対向部62Aと特定パッド47とを接続するための接続部62Bとを含む。
【0069】
図1に示す一例では、対向部62Aは、平面視において、ソースパッド41に沿ってY方向に延びる矩形状である。対向部62AのX方向の幅は、ソースパッド41のX方向の幅よりも狭い。対向部62AのX方向の幅は、ソースパッド41のX方向の幅よりも広くてもよい。この場合、対向部62Aは、平面視において、ソースパッド41よりもX方向の一方または両方に突出する。また、平面視において、対向部62Aの先端(特定パッド47と反対側の端部)の位置は、ソースパッド41よりもY方向に突出した位置であってもよいし、ソースパッド41に重なる位置であってもよい。また、対向部62Aの平面視の形状は、矩形状でなくてもよい。
【0070】
接続部62Bは、対向部62Aから+Y方向に延出するとともに、その一部が特定パッド47の下方に位置している。対向部62Aおよび接続部62Bを含む特定電極62は、ソースパッド41と特定パッド47との双方に跨るように設けられている。接続部62Bは、Z方向において特定パッド47と重なる部分を有している。接続部62Bと特定パッド47とが重なる部分において、接続部62Bと特定パッド47との間に位置する絶縁層12には、絶縁層12を貫通して設けられ、接続部62Bと特定パッド47とを電気的に接続するビアV1が形成されている。
【0071】
キャパシタ60の特定電極62の電位は、特定パッド47の電位に等しく、特定パッド47に印加される電圧に応じて変化する。また、詳細は後述するが、特定パッド47は、必要に応じて、ゲートパッド43に電気的に接続される。この場合、特定電極62は、特定パッド47およびゲートパッド43を介してゲート電極24に電気的に接続される。そのため、この場合の特定電極62の電位は、ゲート電位である。
【0072】
ソース側電極61は、ソースパッド41における、特定電極62の対向部62Aに対向している被対向部41Aを含む。被対向部41Aは、ソースパッド41の一部分であってもよいし、ソースパッド41の全体であってもよい。ソースパッド41の全体を被対向部41Aとする場合、特定電極62の対向部62Aを、平面視でソースパッド41と同じまたはそれ以上の大きさに形成するとともに、ソースパッド41の全体に対向する位置に配置する。また、ソースパッド41は、上で述べたとおり、絶縁層12に形成されたビアVsを通じてソース電極28に電気的に接続されている。
【0073】
キャパシタ60は、第3導電層L1により形成されている特定電極62の対向部62A、ソースパッド41であるソース側電極61、および対向部62Aとソースパッド41との間に介在する絶縁層12とを含む。そして、キャパシタ60は、対向部62Aとソースパッド41との間に容量を形成する。以下では、キャパシタ60の容量を、特定容量Cspと記載する。
【0074】
特定容量Cspは、下記式(1)を用いて算出できる。
sp=ε×(S/d)…(1)
式(1)において、Sは、ソース側電極61と特定電極62との対向面積である。dは、ソース側電極61と特定電極62の間の電極間距離である。εは、ソース側電極61と特定電極62の間に介在する絶縁層12の比誘電率である。したがって、特定容量Cspは、対向面積S、電極間距離d、および絶縁層12の比誘電率εのうちの1つ以上を変更することにより変化させることができる。なお、絶縁層12の比誘電率εは、絶縁層12の種類を変更することにより変化させることができる。
【0075】
対向面積Sは、たとえば、0.02mm以上0.4mm以下である。上記対向面積Sは、平面視において、ソースパッド41における特定電極62の対向部62Aに対向している被対向部41Aの面積である。電極間距離dは、たとえば、50nm以上3000nm以下である。本実施形態において、電極間距離dは、周辺領域A2における絶縁層12の厚さに等しい。
【0076】
[半導体モジュール]
図8を参照して、半導体装置10Aを備えた半導体モジュール100の構成の一例について説明する。図8は、半導体モジュール100の配線構造を主に示す概略平面図である。
【0077】
半導体モジュール100は、ダイパッド101と、ダイパッド101に実装された半導体装置10Aと、半導体装置10Aを封止する封止樹脂102と、を備える。
ダイパッド101は、矩形板状に形成されている。ダイパッド101は、たとえば、銅(Cu)または銅を含む合金により形成されている。封止樹脂102は、たとえば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂などの絶縁性の樹脂材料によって形成されている。
【0078】
半導体モジュール100は、封止樹脂102から部分的に露出するソースリード103、ドレインリード104、およびゲートリード105を含む。ソースリード103は、ダイパッド101に一体に形成されている。
【0079】
また、半導体モジュール100は、ソースワイヤ106、ドレインワイヤ107、およびゲートワイヤ108を含む。ソースワイヤ106は、ダイパッド101とソースパッド41とを接続する。ドレインワイヤ107は、ドレインリード104とドレインパッド42とを接続する。ゲートワイヤ108は、ゲートリード105とゲートパッド43(第1ゲートパッド43A)とを接続する。ソースワイヤ106、ドレインワイヤ107、およびゲートワイヤ108の各々は、封止樹脂102により封止されている。
【0080】
また、半導体モジュール100は、さらに、特定パッド47とゲートパッド43(第1ゲートパッド43A)とを接続する特定ワイヤ109を備える。特定ワイヤ109は、封止樹脂102により封止されている。なお、特定ワイヤ109は、任意構成であり、必要に応じて省略できる。
【0081】
ソースワイヤ106、ドレインワイヤ107、ゲートワイヤ108、および特定ワイヤ109の各ワイヤは、ワイヤボンディング装置によって形成されるボンディングワイヤであり、たとえば金(Au),Al,Cu等の導体によって形成されている。本実施形態では、各ワイヤは、互いに同一の材料(たとえばCu)によって形成されている。なお、各ワイヤのうち少なくとも1本のワイヤが他のワイヤと異なる材料によって形成されていてもよい。
【0082】
[作用]
次に、第1実施形態の半導体装置10Aの作用を説明する。
半導体装置10Aは、ソース側電極61と、絶縁層12を挟んでソース側電極61に対向する特定電極62とを含むキャパシタ60を備えている。キャパシタ60のソース側電極61は、ソース電極28に電気的に接続されているソースパッド41である。キャパシタ60の特定電極62は、特定パッド47に電気的に接続されている。上記構成のキャパシタ60を備える半導体装置10Aは、特定パッド47とゲートパッド43とが電気的に非接続である第1適用形態と、特定パッド47とゲートパッド43とが電気的に接続されている第2適用形態とを有する。
【0083】
第1適用形態では、特定パッド47とゲートパッド43とが電気的に非接続である。より詳細には、特定パッド47は、無電位(フローティング状態)になるように、他の電極パッドに対して電気的に非接続である。これにより、キャパシタ60のソース側電極61の電位はソース電位となり、キャパシタ60の特定電極62の電位は無電位となる。この場合、キャパシタ60の特定容量Cspは、半導体装置10Aのゲート-ソース間寄生容量Cgsに影響を与えることはない。したがって、ゲート-ソース間寄生容量Cgsは、キャパシタ60が関与しない容量、即ち、半導体装置10Aの構造に基づく本来の容量(以下、基本容量と記載する。)になる。
【0084】
第2適用形態では、特定パッド47とゲートパッド43とが特定ワイヤ109により電気的に接続されている。これにより、キャパシタ60のソース側電極61の電位はソース電位となり、キャパシタ60の特定電極62の電位はゲート電位となる。この場合、キャパシタ60の特定容量Cspは、ゲート電極24とソース電極28との間に発生する容量になる。つまり、キャパシタ60の特定容量Cspが、半導体装置10Aのゲート-ソース間寄生容量Cgsに追加される。これにより、ゲート-ソース間寄生容量Cgsは、キャパシタ60の特定容量Cspの分だけ、基本容量よりも大きくなる。つまり、第2適用形態では、ゲート-ソース間寄生容量Cgsが第1適用形態よりも大きくなる。
【0085】
このように、半導体装置10Aは、ゲート-ソース間寄生容量Cgsが異なる2つの適用形態を取り得る。したがって、本実施形態の構成によれば、半導体装置10Aの設計を変えることなく、必要に応じて、特定パッド47とゲートパッド43とを接続するか否かを選択することにより、半導体装置10Aのゲート-ソース間寄生容量を変化させることができる。
【0086】
ゲート-ソース間寄生容量Cgsが相対的に大きい第2適用形態は、たとえば、セルフターンオンの発生しやすい部分に選択的に用いることができる。一方、ゲート-ソース間寄生容量Cgsが相対的に小さい第1適用形態は、たとえば、セルフターンオンが発生し難く、電源効率の向上が優先される部分に選択的に用いることができる。
【0087】
一例として、非絶縁型同期整流コンバータ回路におけるハイサイドスイッチとローサイドスイッチに半導体装置10Aを適用することを考える。非絶縁型同期整流コンバータ回路の場合、ハイサイドスイッチよりもローサイドスイッチの方が、セルフターンオンが発生しやすい。そのため、ローサイドスイッチとして、ゲート-ソース間寄生容量Cgsが相対的に大きい第2適用形態の半導体装置10Aを採用する。そして、ハイサイドスイッチとして、ゲート-ソース間寄生容量Cgsが相対的に小さい第1適用形態の半導体装置10Aを採用する。
【0088】
これにより、ローサイドスイッチにおいては、ゲート-ソース間寄生容量Cgsが通常容量よりも大きくなっていることにより、セルフターンオンの発生を抑制できる。一方、ハイサイドスイッチにおいては、ゲート-ソース間寄生容量Cgsは通常容量であるため、半導体装置10Aの本来の電源効率による性能を発揮できる。このように、ローサイドスイッチおよびハイサイドスイッチに適用される半導体装置10Aのゲート-ソース間寄生容量Cgsを異ならせること、およびローサイドスイッチとハイサイドスイッチに適用される半導体装置10Aの共通化を図ることを両立できる。
【0089】
[効果]
第1実施形態の半導体装置10Aによれば、以下の効果が得られる。
(1-1)
半導体装置10Aは、半導体基板11と、半導体基板11上に形成され、ソース電極28、ドレイン電極30、およびゲート電極24を含むトランジスタTと、半導体基板11上に設けられた絶縁層12と、絶縁層12の表面12Aに形成され、ソース電極28に電気的に接続されたソースパッド41と、絶縁層12の表面12Aに形成され、ドレイン電極30に電気的に接続されたドレインパッド42と、絶縁層12の表面12Aに形成され、ゲート電極24に接続されたゲートパッド43と、絶縁層12の表面12Aに形成された特定パッド47と、キャパシタ60とを備える。キャパシタ60は、ソース電極28に電気的に接続されたソース側電極61、および特定パッド47に電気的に接続され、ソース側電極61に対向して配置された特定電極62を含む。
【0090】
この構成の半導体装置10Aは、当該装置を備える半導体モジュール100を製造する際に、特定パッド47とゲートパッド43とを接続するか否かを選択することができる。特定パッド47とゲートパッド43とを非接続とした場合、半導体装置10Aのゲート-ソース間寄生容量Cgsは、基本容量になる。一方、特定パッド47とゲートパッド43とを接続した場合、ゲート-ソース間寄生容量Cgsは、キャパシタ60の容量(特定容量Csp)の分だけ、基本容量よりも大きくなる。このように、半導体装置10Aの設計を変えることなく、使用者が上記の選択を必要に応じて行うことによって、ゲート-ソース間寄生容量を変化させることができる。
【0091】
そして、この構成の場合、ゲート-ソース間寄生容量Cgsが大きいことが望まれる半導体装置、およびゲート-ソース間寄生容量Cgsが小さいことが望まれる半導体装置の両方に適用できる。そのため、この構成は、ゲート-ソース間寄生容量Cgsが異なる半導体装置の共通化を図る場合に有用である。
【0092】
(1-2)
特定電極62は、絶縁層12の一部を挟んでソースパッド41に対向して配置された対向部62Aを含む。ソース側電極61は、ソースパッド41によって構成されており、ソースパッド41における対向部62Aに対向する被対向部41Aを含む。
【0093】
この構成によれば、ソースパッド41と半導体基板11との間にキャパシタ60を配置できる。そのため、キャパシタ60を設けることに起因する半導体装置10Aの大型化を抑制できる。また、この構成によれば、特定電極62の対向部62Aの形成範囲を調整することによって、キャパシタ60の特定容量Cspを容易に調整できる。また、この構成によれば、半導体装置10Aにおけるソースパッド41と半導体基板11との間以外の部分にキャパシタ60を設ける構成(後述する図12に関する記載を参照。)と比較して、ソース側電極61と特定電極62との対向面積Sを大きく取ることが容易である。
【0094】
(1-3)
特定電極62は、対向部62Aと特定パッド47とを電気的に接続するための接続部62Bを備える。特定電極62は、平面視において、ソースパッド41と特定パッド47との双方に跨るように設けられている。この構成によれば、ソースパッド41と半導体基板11との間に配置されているキャパシタ60の特定電極62を特定パッド47に容易に接続できる。
【0095】
(1-4)
半導体装置10Aは、接続部62Bと特定パッド47との間の絶縁層12を貫通して設けられ、接続部62Bと特定パッド47とを電気的に接続するビアV1を備える。この構成によれば、ソースパッド41と半導体基板11との間に配置されているキャパシタ60の特定電極62と特定パッド47とを簡易な構造で接続できる。
【0096】
(1-5)
対向部62Aは、絶縁層12の裏面12Bに形成されている。この構成によれば、ソースパッド41と半導体基板11との間に位置する絶縁層12における厚さ方向の全体をキャパシタ60に利用できるため、キャパシタ60の特定容量Cspをより大きくできる。
【0097】
(1-6)
絶縁層12の表面12A上において、特定パッド47は、ゲートパッド43よりもソースパッド41に近い位置に配置されている。この構成によれば、ソースパッド41に近い位置に特定パッド47が配置されているため、ソースパッド41と半導体基板11との間に配置されているキャパシタ60の特定電極62と特定パッド47との接続が取りやすい。また、特定電極62の接続部62Bの形状が大型化すること、および複雑化することを抑制できる。
【0098】
(1-7)
絶縁層12の表面12A上において、ゲートパッド43は、ソースパッド41よりもドレインパッド42に近い位置に配置されている。この構成によれば、ソースパッド41から離れた位置にゲートパッド43が配置されるため、周辺領域A2におけるソースパッド41の近傍に特定パッド47を配置できるスペースが生じる。そのため、ソースパッド41に近い位置に特定パッド47を配置することが容易である。
【0099】
(1-8)
トランジスタTは、窒化物半導体によって構成された電子走行層16と、電子走行層16上に形成され、電子走行層16よりも大きなバンドギャップを有する窒化物半導体によって構成された電子供給層18と、電子供給層18上の一部に形成され、アクセプタ型不純物を含む窒化物半導体によって構成されたゲート層22と、ゲート層22上に形成されたゲート電極24と、電子供給層18に接しているソース電極28およびドレイン電極30と、を備える。ゲート層22は、電子供給層18上において、ソース電極28とドレイン電極30との間に位置している。
【0100】
この構成のトランジスタT(HEMT)は、他のトランジスタと比較して電子の移動速度が速いため、高速スイッチング素子として適用した場合に、セルフターンオンが発生しやすい。そのため、トランジスタTがHEMTである半導体装置10Aは、キャパシタ60によってゲート-ソース間寄生容量Cgsを大きくすることによるセルフターンオンの抑制効果がより顕著に得られる。
【0101】
(1-9)
半導体モジュール100は、半導体装置10Aと、半導体装置10Aを封止する封止樹脂102と、を備える。この構成によれば、半導体装置10Aを備える半導体モジュール100が得られる。
【0102】
(1-10)
半導体モジュール100は、特定パッド47とゲートパッド43とを接続する特定ワイヤ109を備える。この構成によれば、半導体装置10Aのゲート-ソース間寄生容量Cgsを大きくできる。そのため、半導体装置10Aにおけるセルフターンオンの発生を抑制できる。
【0103】
(1-11)
半導体モジュール100の特定パッド47は、ゲートパッド43に対して電気的に非接続である。この構成によれば、半導体装置10Aのゲート-ソース間寄生容量Cgsが、半導体装置10Aに備えられているキャパシタ60によって大きくならない。そのため、半導体装置10Aは、キャパシタ60に起因する電源効率の低下を抑制できる。
【0104】
<第2実施形態>
第2実施形態の半導体装置10Bは、キャパシタ60における特定電極62の構成が第1実施形態と異なる。その他の構成については、第1実施形態と同様である。以下では、第1実施形態と同様な構成要素については説明を省略し、第1実施形態と異なる構成要素について説明する。
【0105】
図9は、第2実施形態に係る半導体装置10Bの一部の概略断面図である。図9は、第1実施形態において図7に示されている部分に相当する部分を示している。
図9に示すように、絶縁層12の裏面12Bには、第3導電層L1が形成されている。また、ソースパッド41と半導体基板11との間に位置する絶縁層12の内部には、絶縁層12内に埋め込まれた第4導電層L2が形成されている。そして、第3導電層L1と第4導電層L2との間に位置する絶縁層12には、絶縁層12を貫通して設けられ、第3導電層L1と第4導電層L2とを電気的に接続するビアV2が形成されている。
【0106】
本実施形態の特定電極62の対向部62Aは、第4導電層L2によって形成されている。つまり、対向部62Aは、絶縁層12内に埋め込まれた埋め込み導電層である。特定電極62の接続部62Bは、第3導電層L1およびビアV2によって形成されている。
【0107】
したがって、キャパシタ60は、第4導電層L2により形成されている特定電極62の対向部62A、ソースパッド41であるソース側電極61、および対向部62Aとソースパッド41との間に介在する絶縁層12とを含む。この場合、絶縁層12における厚さ方向の一部、即ち、絶縁層12の上面12Sと第4導電層L2との間に位置する部分がキャパシタ60を構成している。そして、キャパシタ60は、対向部62Aとソースパッド41との間に容量を形成する。
【0108】
また、第3導電層L1により形成される接続部62Bは、平面視において、第4導電層L2により形成される対向部62Aと特定パッド47との双方に跨るように設けられている。そして、接続部62Bは、第1実施形態と同様にビアV1を通じて特定パッド47に電気的に接続されている。
【0109】
第3導電層L1は、たとえば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、AlCu合金、タングステン(W)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)のうち少なくとも1つを含む任意の導体材料によって構成することができる。第3導電層L1の一例は、ゲート電極24と同じ材料、たとえば、窒化チタン(TiN)により構成されている。この場合、第3導電層L1は、ゲート電極24と同時にパターニングすることにより形成できる。
【0110】
第4導電層L2は、たとえば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、AlCu合金、タングステン(W)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)のうち少なくとも1つを含む任意の導体材料によって構成することができる。第4導電層L2の一例は、ソース電極28およびドレイン電極30の一方または両方と同じ材料、たとえば、AlCu合金により構成されている。この場合、第4導電層L2は、ソース電極28およびドレイン電極30の一方または両方と同時にパターニングすることにより形成できる。
【0111】
[効果]
以上記述したように、第2実施形態の半導体装置10Bによれば、(1-5)に記載の効果を除いて、第1実施形態の半導体装置10Aと同様の効果を奏する。また、第2実施形態の半導体装置10Bによれば、以下の効果が得られる。
【0112】
(2-1)
対向部62Aは、絶縁層12内に埋め込まれた埋め込み導電層(第4導電層L2)である。この構成によれば、ソースパッド41と半導体基板11との間に位置する絶縁層12の裏面12Bに配線層などの他の層が設けられている場合に、平面視において、他の層と重なる範囲にも対向部62Aを配置することが可能である。したがって、対向部62Aの設計の自由度が向上する。
【0113】
<第3実施形態>
第3実施形態の半導体装置10Cは、特定パッド47の配置、およびキャパシタ60における特定電極62の構成が第1実施形態と異なる。その他の構成については、第1実施形態と同様である。以下では、第1実施形態と同様な構成要素については説明を省略し、第1実施形態と異なる構成要素について説明する。
【0114】
図10に示すように、半導体装置10Cの特定パッド47は、絶縁層12の表面12Aに互いに離隔して形成された第1特定パッド47Aおよび第2特定パッド47Bを含む。図10に示す一例では、第1特定パッド47Aおよび第2特定パッド47Bは、絶縁層12の表面12A上において、周辺領域A2における、ゲートパッド43よりもソースパッド41に近い位置に配置されている。
【0115】
絶縁層12の表面12A上において、第1特定パッド47Aおよび第2特定パッド47Bは、ソースパッド41が延びるY方向に離隔して配置されるとともにソースパッド41を挟んで配置されている。詳述すると、第1特定パッド47Aは、絶縁層12の表面12A上において、第2ゲート配線46Bを間に挟んで、ソースパッド41の+Y方向側にソースパッド41と並んで位置するように配置されている。第2特定パッド47Bは、絶縁層12の表面12A上において、第2ゲート配線46Bを間に挟んで、ソースパッド41の-Y方向側にソースパッド41と並んで位置するように配置されている。また、図10に示す一例では、ゲートパッド43の第1ゲートパッド43Aと第1特定パッド47Aとは、X方向に並んで配置されている。ゲートパッド43の第2ゲートパッド43Bと第2特定パッド47Bとは、X方向に並んで配置されている。
【0116】
第1特定パッド47Aおよび第2特定パッド47Bの一例は、平面視において、正方形状である。また、特定パッド47は、平面視において、正方形状以外の形状、たとえば、矩形状、円形状、楕円形状であってもよい。
【0117】
第1特定パッド47Aおよび第2特定パッド47BのX方向の幅の一例は、ソースパッド41のX方向の幅よりも狭い。第1特定パッド47Aおよび第2特定パッド47BのX方向の幅は、ソースパッド41のX方向の幅よりも広くてもよいし、ソースパッド41のX方向の幅にほぼ等しくてもよい。第1特定パッド47AのX方向の幅と第2特定パッド47BのX方向の幅は、同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0118】
半導体装置10Cのキャパシタ60は、第1キャパシタ60Aおよび第2キャパシタ60Bを含む。
第1キャパシタ60Aは、ソース電極28に電気的に接続された第1ソース側電極61Aと、第1特定パッド47Aに電気的に接続され、第1ソース側電極61Aに対向して配置された第1特定電極62Cとを含む。第1ソース側電極61Aは、ソース電極28に電気的に接続されているソースパッド41によって構成されている。第1キャパシタ60Aの第1ソース側電極61Aの電位は、ソース電位である。第1特定電極62Cは、第1実施形態と同様の構成であってもよいし、第2実施形態と同様の構成であってもよい。
【0119】
第1特定電極62Cは、絶縁層12を挟んでソースパッド41に対向して配置された第1対向部62A1と、第1対向部62A1と第1特定パッド47Aとを接続するための第1接続部62B1とを含む。図10に示す一例では、第1対向部62A1は、平面視において、ソースパッド41に沿ってY方向に延びる矩形状である。
【0120】
第1接続部62B1は、第1対向部62A1から+Y方向に延出するとともに、その一部が第1特定パッド47Aの下方に位置している。第1対向部62A1および第1接続部62B1を含む第1特定電極62Cは、平面視において、ソースパッド41と第1特定パッド47Aとの双方に跨るように設けられている。
【0121】
第1接続部62B1は、Z方向において第1特定パッド47Aと重なる部分を有している。第1接続部62B1と第1特定パッド47Aとが重なる部分において、第1接続部62B1と第1特定パッド47Aとの間に位置する絶縁層12には、絶縁層12を貫通して設けられ、第1接続部62B1と第1特定パッド47Aとを電気的に接続するビアV1が形成されている。
【0122】
第1ソース側電極61Aは、ソースパッド41における第1特定電極62Cの第1対向部62A1に対向している第1被対向部41A1を含む。第1被対向部41A1は、ソースパッド41の一部分である。
【0123】
第1キャパシタ60Aは、第1特定電極62Cの第1対向部62A1、ソースパッド41である第1ソース側電極61A、および第1対向部62A1とソースパッド41との間に介在する絶縁層12とを含む。第1キャパシタ60Aは、第1対向部62A1とソースパッド41との間に容量を形成する。
【0124】
第2キャパシタ60Bは、ソース電極28に電気的に接続された第2ソース側電極61Bと、第2特定パッド47Bに電気的に接続され、第2ソース側電極61Bに対向して配置された第2特定電極62Dとを含む。第2ソース側電極61Bは、ソース電極28に電気的に接続されているソースパッド41によって構成されている。つまり、第1ソース側電極61Aおよび第2ソース側電極61Bは、共通のソースパッド41によって構成されている。第2キャパシタ60Bの第2ソース側電極61Bの電位は、ソース電位である。第2特定電極62Dは、第1実施形態と同様の構成であってもよいし、第2実施形態と同様の構成であってもよい。
【0125】
第2特定電極62Dは、絶縁層12を挟んでソースパッド41に対向して配置された第2対向部62A2と、第2対向部62A2と第2特定パッド47Bとを接続するための第2接続部62B2とを含む。第1特定電極62Cの第1対向部62A1と、第2特定電極62Dの第2対向部62A2とは、平面視において、互いに重ならない範囲に配置されている。
【0126】
第2接続部62B2は、第2対向部62A2から-Y方向に延出するとともに、その一部が第2特定パッド47Bの下方に位置している部位である。第2対向部62A2および第2接続部62B2を含む第2特定電極62Dは、平面視において、ソースパッド41と第2特定パッド47Bとの双方に跨るように設けられている。
【0127】
第2接続部62B2は、Z方向において第2特定パッド47Bと重なる部分を有している。第2接続部62B2と第2特定パッド47Bとが重なる部分において、第2接続部62B2と第2特定パッド47Bとの間に位置する絶縁層12には、絶縁層12を貫通して設けられ、第2接続部62B2と第2特定パッド47Bとを電気的に接続するビアV1が形成されている。
【0128】
第2ソース側電極61Bは、ソースパッド41における第2特定電極62Dの第2対向部62A2に対向している第2被対向部41A2を含む。第2被対向部41A2は、ソースパッド41の一部分である。第1ソース側電極61Aの第1被対向部41A1と、第2ソース側電極61Bの第2被対向部41A2とは、平面視において、互いに重ならない範囲に配置されている。
【0129】
第2キャパシタ60Bは、第2特定電極62Dの第2対向部62A2、ソースパッド41である第2ソース側電極61B、および第2対向部62A2とソースパッド41との間に介在する絶縁層12とを含む。第2キャパシタ60Bは、第2対向部62A2とソースパッド41との間に容量を形成する。
【0130】
第1キャパシタ60Aの容量(以下、第1特定容量Csp1と記載する。)および第2キャパシタ60Bの容量(以下、第2特定容量Csp2と記載する。)は、任意に設定できる。たとえば、第1特定容量Csp1は、第2特定容量Csp2よりも大きくてもよいし、第2特定容量Csp2よりも小さくてもよいし、第2特定容量Csp2と同じでもよい。第1特定容量Csp1が第2特定容量Csp2よりも大きい場合、これら容量の比率(Csp1/Csp2)は、たとえば、2以上100以下である。
【0131】
第1特定容量Csp1は、第1ソース側電極61A(ソースパッド41)と第1特定電極62Cとの対向面積S1、第1ソース側電極61A(ソースパッド41)と第1特定電極62Cとの電極間距離d1および絶縁層12の比誘電率εのうちの1つ以上を変更することにより変化させることができる。第2特定容量Csp2は、第2ソース側電極61B(ソースパッド41)と第2特定電極62Dとの対向面積S2、第2ソース側電極61B(ソースパッド41)と第2特定電極62Dとの電極間距離d2および絶縁層12の比誘電率εのうちの1つ以上を変更することにより変化させることができる。したがって、第1キャパシタ60Aおよび第2キャパシタ60Bにおける上記対向面積同士を異ならせること、上記電極間距離同士を異ならせること、およびそれらの組み合わせによって、第1特定容量Csp1と第2特定容量Csp2の相対的な大きさを調整できる。
【0132】
上記対向面積同士は、たとえば、第1特定電極62Cの第1対向部62A1の形状と第2特定電極62Dの第2対向部62A2の形状を異ならせることにより、異ならせることができる。上記電極間距離同士は、たとえば、Z方向における第1対向部62A1の位置と、第2対向部62A2とを異ならせることにより、異ならせることができる。たとえば、第1対向部62A1を、絶縁層12の裏面12Bに配置される構成(第1実施形態の対向部62A)とし、第2対向部62A2を、絶縁層12内に埋め込まれる構成(第2実施形態の対向部62A)とする。
【0133】
図10に示す一例では、第1キャパシタ60Aの上記対向面積を、第2キャパシタ60Bの上記対向面積よりも大きくすることにより、第1特定容量Csp1が第2特定容量Csp2よりも大きくなっている。
【0134】
詳述すると、第1特定電極62Cおよび第2特定電極62Dの各々は、平面視においてY方向に延びる矩形状に形成されている。そして、第1特定電極62Cの第1対向部62A1および第2特定電極62Dの第2対向部62A2は、ソースパッド41に重なる範囲において、X方向に並ぶように配置されている。第1特定電極62Cの第1対向部62A1のY方向長さは、第2特定電極62Dの第2対向部62A2のY方向長さと同じである。
【0135】
第1特定電極62Cの第1対向部62A1のX方向長さは、第2特定電極62Dの第2対向部62A2のX方向長さよりも長い。したがって、第1特定電極62Cと第2ソース側電極61B(ソースパッド41)との対向面積は、第2特定電極62Dと第2ソース側電極61B(ソースパッド41)との対向面積よりも大きい。これにより、第1特定容量Csp1が第2特定容量Csp2よりも大きくなっている。第1キャパシタ60Aおよび第2キャパシタ60Bにおける上記電極間距離および絶縁層12の比誘電率は、同じである。
【0136】
なお、第1対向部62A1および第2対向部62A2の平面視形状および配置は、第1特定電極62Cの対向面積と第2特定電極62Dの対向面積とが任意の大小関係となるように適宜、設定される。たとえば、第1対向部62A1および第2対向部62A2のX方向長さを同じとし、Y方向の長さを異ならせてもよい。また、第1対向部62A1および第2対向部62A2の平面視形状は、L字状などの矩形状以外の形状であってもよい。また、第1対向部62A1および第2対向部62A2の配置を変更してもよく、たとえば、Y方向に並ぶように配置してもよい。
【0137】
半導体装置10Cは、当該装置を備える半導体モジュール100を製造する際に、必要に応じて、特定パッド47(第1特定パッド47Aおよび第2特定パッド47B)とゲートパッド43とが電気的に接続される。たとえば、第1特定パッド47Aは、特定ワイヤ109によって第1ゲートパッド43Aに接続されるとともに、第2特定パッド47Bは、特定ワイヤ109によって第2ゲートパッド43Bに接続される。なお、第1特定パッド47Aと第2ゲートパッド43Bとを接続してもよいし、第2特定パッド47Bと第1ゲートパッド43Aとを接続してもよい。
【0138】
[作用]
次に、第3実施形態の半導体装置10Cの作用を説明する。
半導体装置10Cは、第1実施形態と同様に、特定パッド47(第1特定パッド47Aおよび第2特定パッド47B)とゲートパッド43とが電気的に非接続である第1適用形態と、特定パッド47とゲートパッド43とが電気的に接続された第2適用形態とを有する。そして、半導体装置10Cは、さらに、第2適用形態として、ゲートパッド43と第1特定パッド47Aおよび第2特定パッド47Bとの接続方法が異なる複数の適用形態を有する。
【0139】
第1に、ゲートパッド43と第1特定パッド47Aとを接続し、ゲートパッド43と第2特定パッド47Bとを非接続とする。この場合、ゲート-ソース間寄生容量Cgsは、第1キャパシタ60Aの第1特定容量Csp1の分だけ、基本容量よりも大きくなる。
【0140】
第2に、ゲートパッド43と第1特定パッド47Aとを非接続とし、ゲートパッド43と第2特定パッド47Bとを接続する。この場合、ゲート-ソース間寄生容量Cgsは、第2キャパシタ60Bの第2特定容量Csp2の分だけ、基本容量よりも大きくなる。
【0141】
第3に、ゲートパッド43と、第1特定パッド47Aおよび第2特定パッド47Bの両方とを接続する。たとえば、第1ゲートパッド43Aと第1特定パッド47A、および第2ゲートパッド43Bと第2特定パッド47Bをそれぞれ接続する。または、第1ゲートパッド43Aおよび第2ゲートパッド43Bの一方と第1特定パッド47Aおよび第2特定パッド47Bの一方とを接続し、かつ第1特定パッド47Aと第2特定パッド47Bとを接続する。この場合、ゲート-ソース間寄生容量Cgsは、第1キャパシタ60Aの第1特定容量Csp1および第2キャパシタ60Bの第2特定容量Csp2を合計した分だけ、基本容量よりも大きくなる。
【0142】
このように、半導体装置10Cは、特定パッド47とゲートパッド43とが電気的に接続された第2適用形態として、ゲート-ソース間寄生容量Cgsが異なる複数の適用形態を取り得る。したがって、本実施形態の構成によれば、半導体装置10Cの設計を変えることなく、必要に応じて、半導体装置10Cのゲート-ソース間寄生容量を多段階で変化させることができる。具体的には、第1特定パッド47Aおよび第2特定パッド47Bの各々とゲートパッド43とを接続するか否かを選択することにより、半導体装置10Cのゲート-ソース間寄生容量を多段階で変化させることができる。
【0143】
[効果]
以上記述したように、第3実施形態の半導体装置10Cによれば、第1実施形態の半導体装置10Aと同様の効果を奏する。また、第3実施形態の半導体装置10Cによれば、以下の効果が得られる。
【0144】
(3-1)
特定パッド47は、互いに電気的に接続されていない第1特定パッド47Aおよび第2特定パッド47Bを含む。キャパシタ60は、第1キャパシタ60Aおよび第2キャパシタ60Bを含む。第1キャパシタ60Aは、ソース電極28に電気的に接続された第1ソース側電極61Aと、第1特定パッド47Aに電気的に接続され、第1ソース側電極61Aに対向して配置された第1特定電極62Cとを備える。第2キャパシタ60Bは、ソース電極28に電気的に接続された第2ソース側電極61Bと、第2特定パッド47Bに電気的に接続され、第2ソース側電極61Bに対向して配置された第2特定電極62Dとを備える。
【0145】
この構成の半導体装置10Cは、当該装置を備える半導体モジュール100を製造する際に、ゲートパッド43と第1特定パッド47Aとを接続するか否か、およびゲートパッド43と第2特定パッド47Bとを接続するか否かを選択することができる。これにより、ゲートパッド43と特定パッド47とを接続する第2適用形態として、第1特定パッド47Aのみがゲートパッド43に接続される形態、第2特定パッド47Bのみがゲートパッド43に接続される形態、並びに第1特定パッド47Aおよび第2特定パッド47Bの両方がゲートパッド43に接続される形態を取ることができる。これにより、半導体装置10Cの設計を変えることなく、使用者が上記の選択を必要に応じて行うことによって、特定パッド47とゲートパッド43とが電気的に非接続である第2適用形態を含めて、ゲート-ソース間寄生容量を多段階に変化させることができる。よって、ゲート-ソース間寄生容量のより細かな調整が可能になる。
【0146】
(3-2)
第1特定電極62Cは、絶縁層12の一部を挟んでソースパッド41に対向して配置された第1対向部62A1を含む。第1ソース側電極61Aは、ソースパッド41によって構成されており、ソースパッド41における第1対向部62A1に対向している第1被対向部41A1を含む。第2特定電極62Dは、絶縁層12の一部を挟んでソースパッド41に対向して配置された第2対向部62A2含む。第2ソース側電極61Bは、ソースパッド41によって構成されており、ソースパッド41における第2対向部62A2に対向している第2被対向部41A2を含む。
【0147】
この構成によれば、ソースパッド41と半導体基板11との間に第1キャパシタ60Aおよび第2キャパシタ60Bを配置できる。そのため、第1キャパシタ60Aおよび第2キャパシタ60Bを設けることに起因する半導体装置10Cの大型化を抑制できる。
【0148】
(3-3)
第1キャパシタ60Aの容量(第1特定容量Csp1)は、第2キャパシタ60Bの容量(第2特定容量Csp2)よりも大きい。
【0149】
この構成によれば、第1特定パッド47Aおよび第2特定パッド47Bのうちの第1特定パッド47Aのみがゲートパッド43に接続される形態と、第2特定パッド47Bのみがゲートパッド43に接続される形態との間で、ゲート-ソース間寄生容量を異ならせることができる。そのため、半導体装置10Cのゲート-ソース間寄生容量を、さらに多段階で変化させることができる。
【0150】
(3-4)
第1ソース側電極61Aと第1特定電極62Cとの対向面積は、第2ソース側電極61Bと第2特定電極62Dとの対向面積よりも大きい。この構成によれば、第1特定電極62Cの第1対向部62A1および第2特定電極62Dの第2対向部62A2の平面視形状を調整する、という簡易な方法によって、第1キャパシタ60Aの容量を第2キャパシタ60Bの容量よりも大きくできる。
【0151】
(3-5)
絶縁層12の表面12A上において、第1特定パッド47Aおよび第2特定パッド47Bは、ソースパッド41を挟んで配置されている。
【0152】
この構成によれば、第1特定電極62Cと第1特定パッド47Aとの接続、および第2特定電極62Dと第2特定パッド47Bとの接続が取りやすい。また、第1特定電極62Cの第1接続部62B1の形状および第2特定電極62Dの第2接続部62B2の形状がそれぞれ大型化すること、および複雑化することを抑制できる。
【0153】
(3-6)
第1特定パッド47Aおよび第2特定パッド47Bは、平面視において、ソースパッド41が延びるY方向に離隔して配置されている。ゲートパッド43は、平面視において、X方向に第1特定パッド47Aと並んで配置された第1ゲートパッド43Aと、X方向に第2特定パッド47Bと並んで配置された第2ゲートパッド43Bと、を含む。
【0154】
この構成によれば、ゲートパッド43が2つ設けられるとともに、それら2つのゲートパッド43(第1ゲートパッド43Aおよび第2ゲートパッド43B)をそれぞれ、第1特定パッド47Aおよび第2特定パッド47Bに近い位置に配置できる。そのため、特定ワイヤ109を用いてゲートパッド43と特定パッド47とを接続する際に、第1ゲートパッド43Aと第1特定パッド47Aとを接続し、第2ゲートパッド43Bと第2特定パッド47Bとを接続する方法を採用することにより、ゲートパッド43と特定パッド47とを接続する特定ワイヤ109を短くできる。
【0155】
<変更例>
上記各実施形態は例えば以下のように変更できる。上記各実施形態と以下の各変更例は、技術的な矛盾が生じない限り、互いに組み合せることができる。なお、以下の変更例において、上記各実施形態と共通する部分については、上記各実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0156】
・特定パッド47とゲートパッド43とを接続する構成は、特定ワイヤ109を用いた構成に限定されない。たとえば、半導体モジュール100は、チップサイズパッケージのように、特定パッド47とゲートパッド43とを接続する特定ワイヤ109を備えない構成であってもよい。特定パッド47とゲートパッド43とを、特定ワイヤ109を用いずに接続する構成の一例を図11に示す。
【0157】
図11は、プリント配線基板などの実装基板200に対して半導体装置10Aが表面実装されている状態を、実装基板200側から視た平面図である。図11では、半導体装置10Aが透過して視えるように実装基板200を破線で示している。
【0158】
実装基板200は、半導体装置10Aが実装される実装表面を有する。実装基板200の実装表面には、第1基板配線201、第2基板配線202、および第3基板配線203が形成されている。第1基板配線201は、実装基板200の実装表面における、半導体装置10Aのソースパッド41に対向する位置に配置されている部分を有する。第2基板配線202は、実装基板200の実装表面における、半導体装置10Aのドレインパッド42に対向する位置に配置されている部分を有する。
【0159】
第3基板配線203は、実装基板200の実装表面における、半導体装置10Aの第1ゲートパッド43Aに対向する位置に配置されている第1部分203A、および特定パッド47に対向する部分に配置されている第2部分203Bを有する。この場合、実装基板200側に設けられている第3基板配線203を通じて、特定パッド47と第1ゲートパッド43A(ゲートパッド43)とが電気的に接続される。
【0160】
・第2実施形態の半導体装置10Bにおいて、特定電極62の接続部62Bは、対向部62Aと同じ第4導電層L2であってもよい。
・第3実施形態の半導体装置10Cにおいて、キャパシタ60は、3以上のキャパシタを有していてもよい。
【0161】
・キャパシタ60は、ソース側電極61とは別に構成されるものであってもよい。また、キャパシタ60は、ソースパッド41と半導体基板11との間以外の部分に配置されるものであってもよい。
【0162】
たとえば、図12に示す一変更例のキャパシタ60は、特定パッド47と半導体基板11との間に容量を形成するように構成されている。当該変更例の特定電極62は、特定パッド47によって構成されるとともに、ソース側電極61は、第3導電層L1によって構成されている。ソース側電極61は、絶縁層12を挟んで特定パッド47に対向するソース対向部61Cと、ソース対向部61Cから延出するソース接続部61Dを有する。ソース接続部61Dの一部は、ソースパッド41の下方に位置している。Z方向にソース接続部61Dとソースパッド41とが重なる部分において、ソース接続部61Dとソースパッド41との間に位置する絶縁層12には、ソース接続部61Dとソースパッド41とを電気的に接続するビアV3が形成されている。この場合、キャパシタ60は、特定電極62と特定パッド47との間に容量を形成する。
【0163】
また、上記変更例において、第3導電層L1により構成されているソース側電極61に代えて、絶縁層12内に埋め込まれた第4導電層L2(図9参照)により構成されるソース側電極61としてもよい。
【0164】
また、キャパシタ60は、第3導電層L1および第4導電層L2の間に容量を形成する構成であってもよい。この場合、第3導電層L1および第4導電層L2のうちの一方によって、特定パッド47に電気的に接続される特定電極62が構成され、他方によってソース電極28に電気的に接続されるソース側電極61が構成される。
【0165】
また、キャパシタ60は、絶縁層12の外部において、ソースパッド41および特定パッド47に実装されている外部キャパシタであってもよい。この場合、外部キャパシタを構成する2つの電極のうち、ソースパッド41に接続されている電極がソース側電極61となり、特定パッド47に接続されている電極が特定電極62となる。
【0166】
・ソースパッド41、ドレインパッド42、ゲートパッド43、および特定パッド47の各電極パッドに関して、その平面視形状、数、および絶縁層12の表面12A上における配置は、上記実施形態に限定されない。
【0167】
・特定パッド47とゲートパッド43とが電気的に非接続である第1適用形態に関して、特定パッド47を無電位(フローティング状態)とすることに代えて、特定パッド47をワイヤなどによりソースパッド41に電気的に接続してもよい。この場合、特定パッド47および特定電極62の電位は、ソース電位になる。
【0168】
・上記各実施形態では、トランジスタTは、窒化物半導体を用いたHEMTであるが、各実施形態の半導体装置は、トランジスタTとして任意のトランジスタを適用可能である。
【0169】
本開示で使用される「~上に」という用語は、文脈によって明らかにそうでないことが示されない限り、「~上に」と「~の上方に」との双方の意味を含む。したがって、「第1層が第2層上に形成される」という表現は、或る実施形態では第1層が第2層に接触して第2層上に直接配置され得るが、他の実施形態では第1層が第2層に接触することなく第2層の上方に配置され得ることが意図される。すなわち、「~上に」という用語は、第1層と第2層との間に他の層が形成される構造を排除しない。
【0170】
本開示で使用されるZ方向は必ずしも鉛直方向である必要はなく、鉛直方向に完全に一致している必要もない。したがって、本開示による種々の構造(例えば、図2図3に示される構造)は、本明細書で説明されるZ方向の「上」および「下」が鉛直方向の「上」および「下」であることに限定されない。例えば、X方向が鉛直方向であってもよく、またはY方向が鉛直方向であってもよい。
【0171】
本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単に対象物を区別するために用いられており、対象物を順位づけするものではない。
<付記>
本開示から把握できる技術的思想を以下に記載する。なお、限定する意図ではなく理解の補助のために、付記に記載される構成要素には、実施形態中の対応する構成要素の参照符号が付されている。参照符号は、理解の補助のために例として示すものであり、各付記に記載された構成要素は、参照符号で示される構成要素に限定されるべきではない。
【0172】
[付記1]
半導体基板(11)と、
前記半導体基板上に形成され、ソース電極(28)、ドレイン電極(30)、およびゲート電極(24)を含むトランジスタ(T)と、
前記半導体基板(11)上に設けられた絶縁層(12)と、
前記絶縁層(12)の表面(12A)に形成され、前記ソース電極(28)に電気的に接続されたソースパッド(41)と、
前記絶縁層(12)の表面(12A)に形成され、前記ドレイン電極(30)に電気的に接続されたドレインパッド(42)と、
前記絶縁層(12)の表面(12A)に形成され、前記ゲート電極(24)に接続されたゲートパッド(43)と、
前記絶縁層(12)の表面(12A)に形成された特定パッド(47)と、
前記ソース電極(28)に電気的に接続されたソース側電極(61)、および前記特定パッド(47)に電気的に接続され、前記ソース側電極(61)に対向して配置された特定電極(62)を含むキャパシタ(60)と、を備える、半導体装置(10A,10B,10C)。
【0173】
[付記2]
前記特定電極(62)は、前記絶縁層(12)の一部を挟んで前記ソースパッド(41)に対向して配置された対向部(62A,62A1,62A2)を含み、
前記ソース側電極(61)は、前記ソースパッド(47)によって構成されており、当該ソースパッド(47)における前記対向部(62A,62A1,62A2)に対向する被対向部(41A,41A1,41A2)を含む、付記1に記載の半導体装置(10A,10B,10C)。
【0174】
[付記3]
前記特定電極(62)は、さらに、前記対向部(62A,62A1,62A2)と前記特定パッド(47)とを電気的に接続するための接続部(62B,62B1,62B2)を備え、
前記特定電極(62)は、前記半導体基板(11)の厚さ方向から見て、前記ソースパッド(41)と前記特定パッド(47)との双方に跨るように設けられている、付記2に記載の半導体装置(10A,10B,10C)。
【0175】
[付記4]
前記接続部(62B,62B1,62B2)と前記特定パッド(47)との間の前記絶縁層(12)を貫通して設けられ、前記接続部(62B,62B1,62B2)と前記特定パッド(47)とを電気的に接続するビア(V1)を備える、付記3に半導体装置(10A,10B,10C)。
【0176】
[付記5]
前記対向部(62A,62A1,62A2)は、前記絶縁層(12A)の裏面に形成されている、付記2~4のいずれか1つに記載の半導体装置(10A,10C)。
【0177】
[付記6]
前記対向部(62A,62A1,62A2)は、前記絶縁層(12)内に埋め込まれた埋め込み導電層(L2)である、付記2~4のいずれか1つに記載の半導体装置(10B,10C)。
【0178】
[付記7]
前記ソース側電極(61)は、前記ソースパッド(47)とは別に設けられている付記1に記載の半導体装置。
【0179】
[付記8]
前記特定パッド(47)は、前記絶縁層(12)の表面(12A)に互いに離隔して形成された第1特定パッド(47A)および第2特定パッド(47B)を含み、
前記キャパシタ(60)は、第1キャパシタ(60A)および第2キャパシタ(60B)を含み、
前記第1キャパシタ(60A)は、
前記ソース側電極(61)であって、前記ソース電極(28)に電気的に接続された第1ソース側電極(61A)と、
前記特定電極(62)であって、前記第1特定パッド(47A)に電気的に接続され、前記第1ソース側電極(61A)に対向して配置された第1特定電極(62C)とを備え、
前記第2キャパシタ(60B)は、
前記ソース側電極(61)であって、前記ソース電極(28)に電気的に接続された第2ソース側電極(61B)と、
前記特定電極(62)であって、前記第2特定パッド(47B)に電気的に接続され、前記第2ソース側電極(61B)に対向して配置された第2特定電極(62D)とを備える、付記1~7のいずれか1つに記載の半導体装置(10C)。
【0180】
[付記9]
前記第1特定電極(62C)は、前記絶縁層(12)の一部を挟んで前記ソースパッド(41)に対向して配置された第1対向部(62A1)を含み、
前記第1ソース側電極(61A)は、前記ソースパッド(47)によって構成されており、当該ソースパッド(41)における前記第1対向部に対向している第1被対向部(41A1)を含み、
前記第2特定電極(62D)は、前記絶縁層の一部を挟んで前記ソースパッドに対向して配置された第2対向部(62A2)を含み、
前記第2ソース側電極(61B)は、前記ソースパッド(47)によって構成されており、当該ソースパッド(41)における前記第2対向部(62A2)に対向している第2被対向部(41A2)を含む、付記8に記載の半導体装置(10C)。
【0181】
[付記10]
前記第1キャパシタ(60A)の容量は、前記第2キャパシタ(60B)の容量よりも大きい、付記7または付記9に記載の半導体装置(10C)。
【0182】
[付記11]
前記第1ソース側電極(61A)と前記第1特定電極(62C)との対向面積は、前記第2ソース側電極(61B)と前記第2特定電極(62D)との対向面積よりも大きい、付記8または付記10に記載の半導体装置(10C)。
【0183】
[付記12]
前記絶縁層(12)の表面(12A)上において、前記第1特定パッド(47A)および前記第2特定パッド(47B)は、前記ソースパッド(41)を挟んで配置されている、付記8~11のいずれか1つに記載の半導体装置(10C)。
【0184】
[付記13]
前記第1特定パッド(47A)および前記第2特定パッド(47B)は、前記半導体基板(11)の厚さ方向(Z方向)から見て、前記ソースパッド(41)が延びる第1方向(Y方向)に離隔して配置され、
前記ゲートパッド(43)は、
前記半導体基板(11)の厚さ方向(Z方向)から見て、前記第1方向(Y方向)と直交する第2方向(X方向)に前記第1特定パッド(47A)と並んで配置された第1ゲートパッド(43A)と、
前記第2方向(X方向)に前記第2特定パッド(47B)と並んで配置された第2ゲートパッド(43B)と、を含む、付記8~12のいずれか1つに記載の半導体装置(10C)。
【0185】
[付記14]
前記絶縁層(12)の表面(12A)上において、前記特定パッド(47)は、前記ゲートパッド(43)よりも前記ソースパッド(41)に近い位置に配置されている、付記1~13のいずれか1つに記載の半導体装置(10A,10B,10C)。
【0186】
[付記15]
前記絶縁層(12)の表面(12A)上において、前記ゲートパッド(43)は、前記ソースパッド(41)よりも前記ドレインパッド(42)に近い位置に配置されている、付記1~14のいずれか1つに記載の半導体装置(10A,10B,10C)。
【0187】
[付記16]
前記トランジスタ(T)は、
窒化物半導体によって構成された電子走行層(16)と、
前記電子走行層(16)上に形成され、前記電子走行層(16)よりも大きなバンドギャップを有する窒化物半導体によって構成された電子供給層(18)と、
前記電子供給層(18)上の一部に形成され、アクセプタ型不純物を含む窒化物半導体によって構成されたゲート層(22)と、
前記ゲート層上に形成された前記ゲート電極(24)と、
前記電子供給層(18)に接している前記ソース電極(28)および前記ドレイン電極(30)と、を備え、
前記ゲート層(22)は、前記電子供給層(18)上において、前記ソース電極(28)と前記ドレイン電極(30)との間に位置している、付記1~15のいずれか1つに記載の半導体装置(10A,10B,10C)。
【0188】
[付記17]
複数のトランジスタ(T)が形成されたアクティブ領域(A1)、前記アクティブ領域(A1)を囲む周辺領域(A2)と、前記周辺領域(A2)に前記アクティブ領域(A1)を挟むように配置された前記ソースパッド(41)および前記ドレインパッド(42)と、を備えた、付記1~16のいずれか1つに記載の半導体装置(10A,10B,10C)。
【0189】
[付記18]
前記ソースパッド(41)から前記ドレインパッド(42)に向けて延びる複数のソース配線(44)と、
前記ドレインパッド(42)から前記ソースパッド(41)に向けて延びる複数のドレイン配線(45)と、を備え、
前記複数のソース配線(44)と前記複数のドレイン配線(45)は、前記第1方向(Y方向)に沿って交互に配置され、
前記ソース電極(28)は前記ソース配線(44)に接続され、
前記ドレイン電極(30)は前記ドレイン配線(45)に接続されている、付記1~17のいずれか1つに記載の半導体装置(10A,10B,10C)。
【0190】
[付記19]
ダイパッド(101)と、
前記ダイパッド(101)に実装された、付記1~18のいずれか1つに記載の半導体装置(10A,10B,10C)と、
前記半導体装置(10A,10B,10C)を封止する封止樹脂(102)と、を備える、半導体モジュール(100)。
【0191】
[付記20]
前記特定パッド(47)と前記ゲートパッド(43)とを接続する特定ワイヤ(109)を備える、付記19に記載の半導体モジュール(100)。
【0192】
[付記21]
前記特定パッド(47)は、前記ゲートパッド(43)に対して電気的に非接続である、付記18または付記19に記載の半導体モジュール(100)。
【0193】
[付記22]
ソースリード(103)、ドレインリード(104)、およびゲートリード(105)と、
前記ソースリード(103)と前記ソースパッド(41)とを接続するソースワイヤ(106)と、
前記ドレインリード(104)と前記ドレインパッド(42)とを接続するドレインワイヤ(107)と、
前記ゲートリード(105)と前記ゲートパッド(43)とを接続するゲートワイヤ(108)と、を含む、付記18~21のいずれか1つに記載の半導体モジュール(100)。
【符号の説明】
【0194】
A1…アクティブ領域
A2…周辺領域
D…電極間距離
L1…第3導電層
L2…第4導電層
T…トランジスタ
Vd,Vs,V1,V2,V3…ビア
10A,10B,10C…半導体装置
11…半導体基板
12…絶縁層
12A…表面
12B…裏面
14…バッファ層
16…電子走行層
18…電子供給層
20…2DEG(二次元電子ガス)
22…ゲート層
24…ゲート電極
26…絶縁層
26A…ソース開口部
26B…ドレイン開口部
28…ソース電極
30…ドレイン電極
31…フィールドプレート電極
31A…端部
41…ソースパッド
41A…被対向部
41A1…第1被対向部
41A2…第2被対向部
42…ドレインパッド
43…ゲートパッド
43A…第1ゲートパッド
43B…第2ゲートパッド
44…ソース配線
44A…重なる部分
45…ドレイン配線
45A…重なる部分
46…ゲート配線
46A…第1ゲート配線
46B…第2ゲート配線
47…特定パッド
47A…第1特定パッド
47B…第2特定パッド
48…保護膜
51…第1外周ガードリング
51A…半導体層
51B…第1導電層
51C…第2導電層
52…第2外周ガードリング
60…キャパシタ
60A…第1キャパシタ
60B…第2キャパシタ
61…ソース側電極
61A…第1ソース側電極
61B…第2ソース側電極
61C…ソース対向部
61D…ソース接続部
62…特定電極
62A…対向部
62A1…第1対向部
62A2…第2対向部
62B…接続部
62B1…第1接続部
62B2…第2接続部
62C…第1特定電極
62D…第2特定電極
63…埋め込み導電層
100…半導体モジュール
101…ダイパッド
102…封止樹脂
103…ソースリード
104…ドレインリード
105…ゲートリード
106…ソースワイヤ
107…ドレインワイヤ
108…ゲートワイヤ
109…特定ワイヤ
200…実装基板
201…第1基板配線
202…第2基板配線
203…第3基板配線
203A…第1部分
203B…第2部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12