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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038801
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】日除け具
(51)【国際特許分類】
   A45B 11/02 20060101AFI20240313BHJP
   A45F 3/00 20060101ALI20240313BHJP
   A41D 13/00 20060101ALI20240313BHJP
   A41D 13/05 20060101ALI20240313BHJP
【FI】
A45B11/02
A45F3/00 300
A41D13/00 102
A41D13/05 112
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143094
(22)【出願日】2022-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】523375696
【氏名又は名称】櫻井 康成
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 康成
【テーマコード(参考)】
3B011
3B211
【Fターム(参考)】
3B011AA00
3B011AB01
3B011AC16
3B211AA00
3B211AB01
3B211AC16
(57)【要約】
【課題】 組立性及び収納性を向上する。
【解決手段】 上部構造Aと、前記上部構造Aの下方に配置される下部構造Bと、を備え、前記上部構造Aは、上部フレーム構造体A1と、この上部フレーム構造体A1に着脱自在に取り付けられる日除け用のシート体A2とを有し、前記下部構造Bは、下部フレーム構造体B1と、この下部フレーム構造体B1に取り付けられ、前記下部フレーム構造体B1を着用者の背中に固定する装着体B2とを有し、前記上部フレーム構造体A1及び前記下部フレーム構造体B1の内部は、密閉された気体室として形成されるとともに、前記気体室に通じる開閉可能な通気口により前記気体室に気体が注入されることで、前記上部フレーム構造体A1及び前記下部フレーム構造体B1を保形するようにした。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部構造と、
前記上部構造の下方に配置される下部構造と、を備え、
前記上部構造は、上部フレーム構造体と、この上部フレーム構造体に着脱自在に取り付けられる日除け用のシート体とを有し、
前記下部構造は、下部フレーム構造体と、この下部フレーム構造体に取り付けられ、前記下部フレーム構造体を着用者の背中に固定する装着体とを有し、
前記上部フレーム構造体及び前記下部フレーム構造体の内部は、密閉された気体室として形成されるとともに、前記気体室に通じる開閉可能な通気口により前記気体室に気体が注入されることで、前記上部フレーム構造体及び前記下部フレーム構造体を保形するようにした
ことを特徴とする日除け具。
【請求項2】
前記上部フレーム構造体と前記下部フレーム構造体とは、着脱可能に連接され、それぞれ分離、接続可能であることを特徴とする請求項1に記載の日除け具。
【請求項3】
前記上部フレーム構造体は、
前後方向へ延設された左右の第1縦フレームと、
前記左右の前記第1縦フレームの後端側にそれぞれ接続されるとともに、前後方向後側に向けて下り傾斜して延設された左右の第2縦フレームと、
前記左右の前記第2縦フレームの後端側にそれぞれ接続されるとともに、前後方向前側に向けて下り傾斜して延設された左右の第3縦フレームと、
右側の前記第1縦フレーム、前記第2縦フレーム及び前記第3縦フレームと、左側の前記第1縦フレーム、前記第2縦フレーム及び前記第3縦フレームとの間に接続された複数の横フレームと、
前記第2縦フレーム及び前記第3縦フレームの接続部位と、前記第1縦フレームとを接続するように設けられた左右の支承フレームと、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の日除け具。
【請求項4】
前記上部フレーム構造体の前記支承フレームには、着用者の肩に支持される支承部材が着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項3に記載の日除け具。
【請求項5】
前記上部フレーム構造体の前記支承フレームは、第1支承部、第2支承部及び第3支承部を有し、
前記第1支承部は、前後方向後方に下り傾斜するように形成されるとともに、その上端が前記第1縦フレームの延設方向の途中箇所に接続され、
前記第2支承部は、略鉛直方向に延びるように形成されるとともに、その上端が前記第1支承部に接続され、
前記第3支承部は、前後方向に略水平に延びるように形成されるとともに、その前端が前記第2支承部の下端に接続されるとともに、その後端が前記第2縦フレームと前記第3縦フレームとの接続部位に接続されることを特徴とする請求項3に記載の日除け具。
【請求項6】
前記上部構造は、
着用者の頭部上方を前後方向へわたって覆うように形成された天部と、
着用者の背中に沿うように前記天部に対し交差状に接続されて下方へ延設された背部と、を有し、
前記天部の一部は折り畳み可能に構成され、前記天部の前後方向の長さを変更可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の日除け具。
【請求項7】
前記シート体は、太陽光から発電することのできる太陽光発電部を着脱自在に取り付け可能に構成した請求項1又は2に記載の日除け具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着用者に装着されて着用者が日射や雨等を受けるのを防ぐ日除け具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載されるように、人の背中に背負うことが可能な平板状の背負い容器と、上記背負い容器に収納可能に構成される頭上保護部と、上記背負い容器に収納可能に構成される肩保護部と、これら各部間に接続された張架ロープとを備えた背負い式傘携帯セットが知られている。
この特許文献1に記載された背負い式傘携帯セットは、両手をフリーにした状態で任意の場所に自由に持ち運び携帯して、必要時にも両手をフリーにした状態で展開して日射や雨から身体を保護することができる、というものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020―78372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来技術は、部品点数が多いため着用者が装着する際に組立方法を即座に理解し難いこと、収納時に張架ロープ等が絡み易く装着時にはこの絡んだ張架ロープ等を解く必要があること等、改良の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題に鑑みて、本発明は、以下の構成を具備するものである。
上部構造と、前記上部構造の下方に配置される下部構造と、を備え、前記上部構造は、上部フレーム構造体と、この上部フレーム構造体に着脱自在に取り付けられる日除け用のシート体とを有し、前記下部構造は、下部フレーム構造体と、この下部フレーム構造体に取り付けられ、前記下部フレーム構造体を着用者の背中に固定する装着体とを有し、前記上部フレーム構造体及び前記下部フレーム構造体の内部は、密閉された気体室として形成されるとともに、前記気体室に通じる開閉可能な通気口により前記気体室に気体が注入されることで、前記上部フレーム構造体及び前記下部フレーム構造体を保形するようにしたことを特徴とする日除け具。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、以上説明したように構成されているので、組立性及び収納性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明に係る日除け具の一例について、使用状態を示す側面概念図である。
図2図2は、同日除け具を斜め後方側から視た斜視概念図である。
図3図3は、同日除け具の正面概念図である。
図4図4は、同日除け具における上部構造の他の装着の態様を示す側面概念図である。
図5図5は、本発明に係る上部フレーム構造体及び下部フレーム構造体の変形例を示す側面概念図である。
図6図6(a)(b)は、本発明に係る上部フレーム構造体の変形例を示す側面概念図である。
図7図7(a)(b)は、本発明に係る上部フレーム構造体の変形例を示す側面概念図である。
図8図8は、本発明に係る上部フレーム構造体の変形例を示す斜視概念図である。
図9図9は、本発明に係る上部フレーム構造体の変形例を示す斜視概念図である。
図10図10は、本発明に係る下部構造の変形例を示す正面概念図である。
図11図11は、本発明に係る日除け具の変形例を示す斜視概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施の形態では、以下の特徴を開示している。
第一の特徴は、上部構造と、前記上部構造の下方に配置される下部構造と、を備え、前記上部構造は、上部フレーム構造体と、この上部フレーム構造体に着脱自在に取り付けられる日除け用のシート体とを有し、前記下部構造は、下部フレーム構造体と、この下部フレーム構造体に取り付けられ、前記下部フレーム構造体を着用者の背中に固定する装着体とを有し、前記上部フレーム構造体及び前記下部フレーム構造体の内部は、密閉された気体室として形成されるとともに、前記気体室に通じる開閉可能な通気口により前記気体室に気体が注入されることで、前記上部フレーム構造体及び前記下部フレーム構造体を保形するようにした(図1図11参照)。
【0009】
第二の特徴として、前記上部フレーム構造体と前記下部フレーム構造体とは、着脱可能に連接され、それぞれ分離、接続可能である(図1図11参照)。
【0010】
第三の特徴として、前記上部フレーム構造体は、前後方向へ延設された左右の第1縦フレームと、前記左右の前記第1縦フレームの後端側にそれぞれ接続されるとともに、前後方向後側に向けて下り傾斜して延設された左右の第2縦フレームと、前記左右の前記第2縦フレームの後端側にそれぞれ接続されるとともに、前後方向前側に向けて下り傾斜して延設された左右の第3縦フレームと、右側の前記第1縦フレーム、前記第2縦フレーム及び前記第3縦フレームと、左側の前記第1縦フレーム、前記第2縦フレーム及び前記第3縦フレームとの間に接続された複数の横フレームと、前記第2縦フレーム及び前記第3縦フレームの接続部位と、前記第1縦フレームとを接続するように設けられた左右の支承フレームと、を有する(図2図3参照)。
【0011】
第四の特徴として、前記上部フレーム構造体の前記支承フレームには、着用者の肩に支持される支承部材が着脱自在に取り付けられる(図8参照)。
【0012】
第五の特徴として、前記上部フレーム構造体の前記支承フレームは、第1支承部、第2支承部及び第3支承部を有し、前記第1支承部は、前後方向後方に下り傾斜するように形成されるとともに、その上端が前記第1縦フレームの延設方向の途中箇所に接続され、前記第2支承部は、略鉛直方向に延びるように形成されるとともに、その上端が前記第1支承部に接続され、前記第3支承部は、前後方向に略水平に延びるように形成されるとともに、その前端が前記第2支承部の下端に接続されるとともに、その後端が前記第2縦フレームと前記第3縦フレームとの接続部位に接続される(図2図3参照)。
【0013】
第六の特徴として、前記上部構造は、着用者の頭部上方を前後方向へわたって覆うように形成された天部と、着用者の背中に沿うように前記天部に対し交差状に接続されて下方へ延設された背部と、を有し、前記天部の一部は折り畳み可能に構成され、前記天部の前後方向の長さを変更可能である(図6図7参照)。
【0014】
第七の特徴として、前記シート体は、太陽光から発電することのできる太陽光発電部を着脱自在に取り付け可能に構成した(図11参照)。
【0015】
<第一の実施態様>
次に、上記特徴を有する具体的な実施態様について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1には、本発明に係る日除け具の一例について、使用状態を示す側面概念図が示されている。本発明に係る日除け具1は、上部構造Aと、この上部構造Aと着脱可能に連接される下部構造Bとを有するものであり、具体的には、上部構造Aの上部フレーム構造体A1と、下部構造Bの下部フレーム構造体B1とが着脱可能に連接されており、それぞれ分離、接続可能に構成されるものである。
【0016】
上部構造Aは、上部フレーム構造体A1とシート体A2を含み構成され、下部構造Bは、下部フレーム構造体B1と装着体B2を含み構成される。
着用者Mは、図1に示すように、上部構造A及び下部構造Bから構成される日除け具1を装着することで、日射や雨等を受けるのを防ぐものである。
なお、図1の二点鎖線には、下部構造Bから取り外された状態の上部構造Aが示されている。
【0017】
以下、日除け具1における上部構造A及び下部構造Bの具体的な構成について説明する。
図2には、本発明の実施態様に係る日除け具を斜め後方側から視た斜視概念図が示されており、図3には、日除け具の正面概念図が示されている。
(上部構造A)
日除け具1の上部構造Aは、上部フレーム構造体A1と、この上部フレーム構造体A1に着脱自在に取り付けられとともに、少なくとも着用者Mの頭上を覆うように張設されるシート体A2とを含み構成される。この上部構造Aは、図1に示すように着用者Mの頭部域から肩部域を覆うように構成されるものであって、着用者Mの頭部上方を前後方向へわたって覆うように形成された天部a1と、同着用者Mの背中に沿うように天部a1に対し交差状に接続されて下方へ延設された背部a2とを備えて構成される。
【0018】
<上部フレーム構造体A1>
上部フレーム構造体A1は、図2に示すように、前後方向へ延設された左右の第1縦フレーム2と、これら第1縦フレーム2の後端側にそれぞれ接続されるとともに、前後方向後側に向けて下り傾斜して延設された左右の第2縦フレーム3と、これら第2縦フレーム3の後端側にそれぞれ接続されるとともに、前後方向前側に向けて下り傾斜して延設された左右の第3縦フレーム4と、右側の第1~第3縦フレーム2~4と左側の第1~第3縦フレーム2~4との間に接続された複数の横フレーム(第1横フレーム5、第2横フレーム6、第3横フレーム7、第4横フレーム8)と、第2縦フレーム3及び第3縦フレーム4の接続部位と第1縦フレーム2とを接続するように設けられた左右の支承フレーム9と、を有する。
【0019】
左右の第1縦フレーム2、左右の第2縦フレーム3、左右の第3縦フレーム4、第1~第4横フレーム5~8、及び支承フレーム9は、それぞれ中空パイプ状(筒状)に形成され、これらの内部が連通して密閉された単一の気体室を構成する。
また、左右の第1縦フレーム2、第1横フレーム5及び第2横フレーム6は、それら各フレームが連接されており、その内部の気体室に空気等の気体が注入されることで保形され、上部構造Aにおける天部a1側の骨格構造を構成する。
また、左右の第2縦フレーム3、左右の第3縦フレーム4、第2横フレーム6、第3横フレーム7及び第4横フレーム8は、それら各フレームが連接されており、その内部の気体室に空気等の気体が注入されることで保形され、上部構造Aにおける背部a2側の骨格構造を構成する。
【0020】
上部フレーム構造体A1は、非通気性かつ可撓性の材料により一体的に構成され、その内部に、天部a1及び背部a2に跨って密閉された気体室を有し、その内部の気体室に空気等の気体が注入されることで図2に示す状態に保形される。
【0021】
上部フレーム構造体A1の材料は、軟質合成樹脂材料やゴム材料等からなる非通気性かつ可撓性のシート材(例えば、ポリウレタンや、軟質塩化ビニール、クロロプレンゴム等からなるシート材)、あるいは、上記材料に布やその他の可撓性シートを積層してなるシート材等とすればよい。
【0022】
以下、上部フレーム構造体A1を構成する各フレームについて説明する。
左右の第1縦フレーム2は、着用者Mの頭部を間に置くように間隔を置いて、左右両側に設けられる。これら左右の第1縦フレーム2は、略平行に配置されており、着用者Mに装着された状態で、前端側が着用者Mよりも前方へ突出する。第1縦フレーム2は、前後方向へ略直線状に連続する略円筒状に形成され、その内部が、気体室の一部になっている。
【0023】
左右の第2縦フレーム3は、前後方向後側に向けて下り傾斜する略直線状に連続する略円筒状に形成され、その内部が、気体室の一部になっている。
左右の第3縦フレーム4は、前後方向前側に向けて下り傾斜する略直線状に連続する略円筒状に形成され、その内部が、気体室の一部になっている。
【0024】
第1横フレーム5は、左右の第1縦フレーム2の前端部間にわたって連続する略円筒状に形成され、その内部が、気体室の一部になっている。
【0025】
第2横フレーム6は、左側の第1縦フレーム2と第2縦フレーム3の交差部分(接続部位)と、右側の第1縦フレーム2と第2縦フレーム3の交差部分(接続部位)とにわたって連続する略円筒状に形成され、その内部が、気体室の一部になっている。
【0026】
第3横フレーム7は、左側の第2縦フレーム3と第3縦フレーム4の交差部分(接続部位)と、右側の第2縦フレーム3と第3縦フレーム4の交差部分(接続部位)とにわたって連続する略円筒状に形成され、その内部が、気体室の一部になっている。
【0027】
第4横フレーム8は、左右の第3縦フレーム3の下端部間にわたって連続する略円筒状に形成され、その内部が、気体室の一部になっている。
この第4横フレーム8の周壁部には、後述する下部フレーム構造体B1の第5横フレーム12と着脱自在に連結するための接合部材40が設けられる。図2に示す例では、第4横フレーム8の周壁部には、接合部材40としての面ファスナーのフック部40aが設けられ、後述する下部フレーム構造体B1の第5横フレーム12の周壁部に設けられた面ファスナーのループ部40bと着脱可能に構成されている。
なお、この接合部材40は、その他、ホックやボタン、磁石等として構成してもよいし、その設置数も任意に設定することができる。
【0028】
また、第4横フレーム8の周壁部には、開閉可能な複数(図示例によれば二つ)の通気口8a,8bが延設方向に間隔を置いて設けられる。一方の通気口8aは通気用の通気口であり、他方の通気口8bは排出用の通気口である。
これら通気口8a,8bは、例えば浮き袋やゴムボート等に用いられる周知の構成とすればよい。注入用の通気口8aは、気体注入路となる筒体や、上記気体注入路を注入方向にのみ開放する弁体、上記筒体の開口を開閉する着脱可能なキャップ等からなる。また、排出用の通気口8bは、注入用の通気口8aから弁体を省いた構造である。
なお、これら通気口8a,8bは、気体室と外部を仕切る壁部に設ければよく、他例としては、第1~第3縦フレーム2~4や、第1~第3横フレーム5~7、支承フレーム9等の部分に設けることも可能である。
【0029】
左右の支承フレーム9は、図2に示すように、第1縦フレーム2と第2縦フレーム3の内角側に位置し、一端部と他端部の間にわたって略円筒形状の断面を連続しており、その内部が、気体室の一部になっている。また、左右の支承フレーム9は、第1支承部9a、第2支承部9b及び第3支承部9cを有する。
第1支承部9aは、前後方向後方に下り傾斜するように形成されており、その上端が第1縦フレーム2の延設方向の途中箇所に接続される。
【0030】
第2支承部9bは、略鉛直方向に延びるように形成されており、その上端が第1支承部9aに接続される。したがって、第1支承部9aと第2支承部9bとは、前後方向後方に凹む(凹み部分を形成する)ように連接される。
この凹み部分は、日除け具1が着用者Mに装着された際に、着用者Mの左右方向の視界が阻まれるのを軽減し、左右方向の視界を広く確保することができる。
【0031】
第3支承部9cは、前後方向に略水平に延びるように形成されており、その前端が第2支承部9bの下端に接続されるとともに、その後端が第2縦フレーム3と第3縦フレーム4との接続部位に接続される。
この第3支承部9cは、着用者Mの肩に載せられて支持される肩載せ部として機能する。
【0032】
なお、この支承フレーム9と第1縦フレーム2との交差部分(接続部位)の表面や、支承フレーム9と第1、第2縦フレーム3,4との交差部分(接続部位)の表面には、必要に応じて補強シート(不図示)が、接着剤等を介して貼り付けられてもよい。この補強シートの材質は、第1縦フレーム2等を構成するシート材と同様のものとすればよい。
【0033】
<シート体A2>
シート体A2は、少なくとも、光の通過を阻む機能を有する可撓性のシートからなるシート部20を有し、このシート部20は、左右の第1縦フレーム2、左右の第2縦フレーム3、第1横フレーム5、第2横フレーム6及び第3横フレーム7にわたって張設された可撓性の不透明シートである。このシート部20は、上部フレーム構造体A1の第1、第2縦フレーム2,3及第1~第3横フレーム5~7に対し、接合部材(不図示)により複数箇所で着脱可能に固定されている。接合部材は、例えば、一般的なホックやボタン、面ファスナー、磁石等とすればよく、シート部20と上記各フレーム2,3,5~7との間に設けられる。
【0034】
このシート部20は、例えば、光の通過を阻む機能を有する可撓性のシートとして、例えば、光の通過を阻む有色の布シートや合成樹脂シート、また、これらを適宜に重ね合わせたり複合したりしたシート等とすればよい。また、好ましくは、光の通過を阻む機能に加え、防水機能を有するシートとするのがよい。
本実施の形態の一例では、シート部20として、日除け及び雨除けになるように、孔等の貫通部の無い有色で防水性を有する可撓性シートを用いている。
【0035】
(下部構造B)
次に、日除け具1の下部構造Bを説明する。
日除け具1の下部構造Bは、図1に示すように、下部フレーム構造体B1と、この下部フレーム構造体B1に取り付けられる装着体B2とを含み構成され、着用者Mの肩部域から腰部域に配され、上部構造Aの支持構造として機能する。
【0036】
<下部フレーム構造体B1>
下部フレーム構造体B1は、図2に示すように、上下方向に延びる左右の第4縦フレーム10と、左右の第4縦フレーム10の後端に連結されるとともに、前後方向前側に延設された左右の第5縦フレーム11と、右側の第4、第5縦フレーム10,11と、左側の第4、第5縦フレーム10,11との間に接続された複数の横フレーム(第5横フレーム12、第6横フレーム13、第7横フレーム14)と、を有する。
【0037】
左右の第4縦フレーム10、左右の第5縦フレーム11、第5~第7横フレーム12~14は、それぞれ中空パイプ状(筒状)に形成され、これらの内部が連通して密閉された単一の気体室を構成し、この気体室に空気等の気体が注入されることで保形され、下部フレーム構造体B1の骨格構造を構成する。
この下部フレーム構造体B1は、図1に示すように着用者Mの背中に位置し、上部構造Aを支持する。
【0038】
下部フレーム構造体B1は、非通気性かつ可撓性の材料により一体的に構成され、その内部に密閉された気体室を有する。下部フレーム構造体B1は、その内部の気体室に空気等の気体が注入されることで図2に示す状態に保形される。
【0039】
下部フレーム構造体B1の材料は、上部フレーム構造体A1と同様に、軟質合成樹脂材料やゴム材料等からなる非通気性かつ可撓性のシート材(例えば、ポリウレタンや、軟質塩化ビニール、クロロプレンゴム等からなるシート材)、あるいは、上記材料に布やその他の可撓性シートを積層してなるシート材等とすればよい。
【0040】
以下、下部フレーム構造体B1を構成する各フレームについて説明する。
左右の第4縦フレーム10は、上下方向に略直線状に連続する略円筒状に形成され、その内部が気体室の一部になっている。
左右の第5縦フレーム11は、第4縦フレーム10の後端に連結されるとともに、前後方向に略直線状に連続する略円筒状に形成され、その内部が、気体室の一部になっている。
【0041】
第5横フレーム12は、左右の第4縦フレーム10の上端部間にわたって連続する略円筒状に形成され、その内部が気体室の一部になっている。
この第5横フレーム12の周壁部には、上部フレーム構造体A1の第4横フレーム8と着脱自在に連結するための接合部材40が設けられる。図2に示す例では、第5横フレーム12の周壁部には、接合部材40としての面ファスナーのループ部40bが設けられ、上部フレーム構造体A1の第4横フレーム8の周壁部に設けられた面ファスナーのフック部40aと着脱可能に構成されている。
なお、この接合部材40は、その他、ホックやボタン、磁石等として構成してもよいし、その設置数も任意に設定することができる。
【0042】
第6横フレーム13は、左側の第4縦フレーム10と第5縦フレーム11の交差部分(接続部位)と、右側の第4縦フレーム10と第5縦フレーム11の交差部分(接続部位)とにわたって連続する略円筒状に形成され、その内部が、気体室の一部になっている。
【0043】
第6横フレーム13の周壁部には、開閉可能な複数(図示例によれば二つ)の通気口13a,13bが延設方向に間隔を置いて設けられる。一方の通気口13aは通気用の通気口であり、他方の通気口13bは排出用の通気口である。これら通気口13a,13bは、上述した通気口8a,8bと同様に構成される。
なお、これら通気口13a,13bは、気体室と外部を仕切る壁部に設ければよく、他例としては、第4,第5縦フレーム10,11や、第5、第7横フレーム12,14の部分に設けることも可能である。
【0044】
第7横フレーム14は、左右の第5縦フレーム11の前後方向の前端部間にわたって連続する略円筒状に形成され、その内部が気体室の一部になっている。
【0045】
左右の第5縦フレーム11と、左右の各第5縦フレーム11の前端部に接続された第7横フレーム14とは、全体として、平面視コ字状に前方に向けて突出するように形成されており、この第7横フレーム14は、着用者Mの腰部に当接する。したがって、下部フレーム構造体B1の第4縦フレーム10は、着用者Mの背中と離間して配されることで隙間を構成することができることから、この隙間が通気する空間として機能する。
【0046】
<装着体B2>
日除け具1を着用者Mに装着するための装着体B2は、例えば、図3に示す着脱具30から構成され、下部フレーム構造体B1を着用者Mの背中の位置に固定するために設けられる。
この着脱具30は、可撓性の長尺帯状(あるいは紐状)の長尺部材からなる左右の肩掛け部31、この肩掛け部31の長さを調整する長さ調整具31a、可撓性の長尺帯状(あるいは紐状)の長尺部材からなる胴巻き部32、この胴巻き部32の長さを調整するとともに、胴巻き部32を分離・接続可能であって且つ長さ調整可能にする着脱調整具32a等によって構成される。これら肩掛け部31及び胴巻き部32の材質は、引張強度や、折り畳んだ際の収納性等を考慮して適宜に選定すればよい。
【0047】
各肩掛け部31は、図3に示すように、一端側を第5横フレーム12に止着するとともに、他端側を胴巻き部32の端部側に接続している。この肩掛け部31の他端側は、胴巻き部32の端部側とともに、第7横フレーム14に止着されている。
また、肩掛け部31の延設方向の途中部分には、長さ調整具31aが設けられる。
【0048】
胴巻き部32は、帯状に延設され、その一端側と他端側が、それぞれ、第7横フレーム14に止着されている。
この胴巻き部32の延設方向の途中には、この胴巻き部32を分離可能であって且つ長さ調整可能にする着脱調整具32aが設けられる。
長さ調整具31aや着脱調整具32aは、例えば、バックル等と呼称される部品や、面ファスナー等の周知構造を使用すればよい。
この装着体B2により、下部フレーム構造体B1は着用者Mの背中にしっかりと固定することができるので、日除け具1は着用者Mに対して安定して装着することができる。
【0049】
次に、日除け具1の特徴的な作用効果を説明する。
日除け具1の上部フレーム構造A1及び下部フレーム構造体B1は、気体室に気体が注入されていない状態では、可撓性の略平坦状物であり、自由に折畳むことが可能であり、持ち運びも容易に行うことができる。
【0050】
図示しない電動又は手動のエアーポンプ等により、上部フレーム構造体A1及び下部フレーム構造体B1の各注入用の通気口8a,13aから気体室内に気体(例えば、空気)が注入されると、上部フレーム構造体A1の第1~第3縦フレーム2~4、第1~第4横フレーム5~8、支承フレーム9、及び、下部フレーム構造体B1の第4、第5縦フレーム10,11、第5~第7横フレーム12~14は、それぞれ断面略円形状に膨れて、図2に示す上部フレーム構造体A1及び下部フレーム構造体B1の状態に保形される。これら上部フレーム構造体A1及び下部フレーム構造体B1の保形状態は、気体室内の気体圧により保持される。
【0051】
保形された上部フレーム構造体A1に、接合部材(不図示)を用いてシート体A2(シート部20)を取り付けることで上部構造Aが構成される。
また、上部フレーム構造体A1の接合部材40(40a)と下部フレーム構造体B1の接合部材40(40b)とを接合させることで、上部構造Aと下部構造Bは一体化し、日除け具1が構成される。
【0052】
着用者Mは、上部フレーム構造体A1の支承フレーム9(第3支承部9c)を着用者Mの肩に載せ、さらに、装着体B2(着脱具30)の左右の肩掛け部31にそれぞれ両腕を通すとともに、胴巻き部32を胴体に掛け回して着脱調整具32aを接続することで、日除け具1は着用者Mに装着される(図1参照)。
下部構造Bは、装着体B2(着脱具30)により着用者Mの背中に固定され、また、上部構造Aは、下部構造Bに支持されていることから、日除け具1を着用者Mに安定して装着することができる。
【0053】
また、日除け具1は、上部フレーム構造体A1における支承フレーム9の第3支承部9cと下部フレーム構造体B1における肩掛け部31とを、連結部材(不図示)を用いて連結するように構成してもよい。例えば、連結部材として、上述した接合部材40と同様に面ファスナーや、その他、ホック、ボタン、磁石等からなる接合部材を第3支承部9cと肩掛け部31との間に介在させてもよい。また、連結部材として、第3支承部9cと肩掛け部31とを連結するベルトや紐等の周知の結束部材を用いることもできる。
【0054】
この装着状態において、着用者Mは、屋外等での日差しのある空間において、上方や後方からの日差しを上部構造Aのシート体A2(シート部20)によって遮ることができる。
また、例えば、屋外から屋内に移動した際には、上部構造Aのみを下部構造Bから取り外すだけで(下部構造Bは着用者Mに装着した状態)、屋内での行動(作業)を円滑に行うこともできる。さらに、再度屋外に移動する場合であっても、上部構造Aを、着用者Mが既に装着している下部構造Bに装着するだけで済むため、その装着も容易に行える。
上部フレーム構造体A1と下部フレーム構造体B1とは、着脱可能に連接され、それぞれ分離、接続可能であることから、屋内や屋外での使用性が向上する。
【0055】
また、風により煽られた場合でも、上部フレーム構造体A1の第1縦フレーム2と第2縦フレーム3とが支承フレーム9で連結されているため、上部フレーム構造体A1の天部a1が背部a2に対し上方や下方に曲がるように変形するのを防ぐことができる。
さらに、上部フレーム構造体A1における支承フレーム9の第3支承部9cと、下部フレーム構造体B1における肩掛け部31とを連結部材(不図示)を用いて連結すれば、風により煽られた場合でも安定した装着状態を維持することができる。
【0056】
また、上部フレーム構造体A1における支承フレーム9の第1支承部9aと第2支承部9bとは、前後方向後方に凹む(凹み部分を形成する)ように連接されるため、日除け具1が着用者Mに装着された際に、この凹み部分によって着用者Mの左右方向の視界が阻まれるのを軽減することができる。
【0057】
また、日除け具1を収納する際は、装着体B2(着脱具30)の胴巻き部32及び肩掛け部31を外し、両肩から支承フレーム9の第3支承部9cを引き離して、着用者Mから日除け具1を分離する。そして、排出用の通気口8bを開放して、気体室の気体を外部に排出する。すると、日除け具1は、元の可撓性の略平坦状物に戻り、自由に折畳めるようになり、収納性が優れている。
【0058】
また、シート部20は、上述した接合部材の着脱により上部フレーム構造体A1を構成する各フレーム2,3,5~7から外すことが可能である。したがって、日除け具1の使用中に、部分的にシート部20を上記フレームから外して、通気性を向上することが可能である。また、日除け具1を収納する際に、シート部20を上部フレーム構造体A1から外し独立して折畳んだり収納したりすることが可能である。
【0059】
よって、本発明に係る実施態様の日除け具1は、使用時と収納時の何れにおいても軽量であり、しかも、組立性及び収納性が良好である。
【0060】
また、本発明の日除け具1の上部構造Aは、下部構造Bに支持させることなく、例えば、着用者Mが外出時に利用するリックサック等の背負い物に支持させて装着することもできる。図4には、日除け具における上部構造の他の装着の態様を示す側面概念図が示されており、具体的には、着用者Mが、背負バンド30’を有するリックサックB’を背負った状態で、日除け具1の上部構造Aを装着した例が示されている。
【0061】
着用者Mは、上部フレーム構造体A1の支承フレーム9(第3支承部9c)を着用者Mの肩に載せるとともに、上部フレーム構造体A1の第4横フレーム8(図2参照)をリックサックB’の上方部位に当接させて支持させる。
さらに、上部フレーム構造体A1の支承フレーム9(第3支承部9c)と、リュックサックB’における背負バンド30’の肩に位置する部分とを着脱自在に連結する連結部材50を用いて連結するように構成すればよい。例えば、連結部材50として、第3支承部9cと背負バンド30’とを着脱自在に連結するベルトや紐等の周知の結束部材を用いればよい。
【0062】
このように、着用者Mは、リックサックB’を背負った状態でも、日除け具1の上部構造Aを装着して、日差しのある空間において、上方や後方からの日差しを遮ることができる。また、この日除け具1の上部構造Aは、例えば、農作業用途等に使用する背負い式のタンクを有する背負式噴霧器や、その他屋外で利用する背負いバンドを有する各種背負い物に取り付けて使用することもできる。
【0063】
次に、本発明に係る日除け具の他の実施例について説明する。
<変形例1>
図5には、本発明に係る上部フレーム構造体及び下部フレーム構造体の変形例を示す側面概念図が示されている。なお、図5に示す日除け具1-1は、図1及び図2に示す日除け具1に対しその一部を変更したものであるため、主にその変更部分について説明し、日除け具1と同一となる構成には同一の符号を付けて重複する説明を省略する。
【0064】
図5に示す日除け具1-1は、上部構造A(1-1)と下部構造B(1-1)から構成される。上部構造A(1-1)は、上部フレーム構造体A1(1-1)とシート体A2を有し、下部構造B(1-1)は、下部フレーム構造体B1(1-1)と装着体B2を有する。
上部構造A(1-1)は、図1及び図2に示す上部構造Aにおける上部フレーム構造体A1の天部a1を、前方方向に上向き傾斜して設ける(図2に示す第1支承部9aをより長く形成し、第1縦フレーム2を上向き傾斜するように支持する)とともに、背部a2における左右の第3縦フレーム4及び第4横フレーム8を取り除いて構成したものである。なお、上部フレーム構造体A1(1-1)におけるその他のフレームの構成は、図2に示す各フレームの構成と同様の配置構造である。
【0065】
下部構造B(1-1)の下部フレーム構造体B1(1-1)は、図1及び図2に示す下部フレーム構造体B1の上部に追加のフレームを取付けて構成したものである。具体的には、図2に示す左右の第4縦フレーム10の上端に、左右の第5縦フレーム11と同様の水平に延びる縦フレームを連接するとともに、この縦フレームの前端部に、第7横フレーム14と同様の横フレームを接続して構成したものである。したがって、この下部フレーム構造体B1(1-1)は、図5に示すように、側面視コ字状をなす。なお、下部フレーム構造体B1(1-1)におけるその他のフレームの構成は、図2に示す各フレームの構成と同様の配置構造である。
【0066】
また、上部フレーム構造体A1(1-1)と下部フレーム構造体B1(1-1)とが当接する各フレームの部位には、図2に示す接合部材40と同様の接合部材が設けられ、上部フレーム構造体A1(1-1)と下部フレーム構造体B1(1-1)とを着脱自在に連結する。
【0067】
この日除け具1-1を使用する場合には、上述した日除け具1と同様の作用効果を奏する。
また、上部構造A(1-1)における上部フレーム構造体A1(1-1)の天部a1(1-1)が、前方方向に上向き傾斜して設けられていることから、前方及び上方の視界をより広く確保することができる。
さらに、上部フレーム構造体A1(1-1)の第3支承部9c(図2参照)が、下部フレーム構造体B1(1-1)の上方に配置された上記左右の縦フレームと横フレームとに支持されることになり、その支持部分(当接部位)を広く確保することができるので、上部フレーム構造体A1(1-1)を下部フレーム構造体B1(1-1)により、より安定して支持することができる。
【0068】
<変形例2>
次に、上部フレーム構造体の他の実施例について説明する。
図6(a)(b)には、本発明に係る上部フレーム構造体の変形例(使用の状態を示す側面概念図)が示されている。図6(a)は、日除け具1’の天部a1’を延ばした通常の使用の状態を示し、図6(b)は、日除け具1’の天部a1’を折り曲げて短くした状態での使用の態様を示している。
なお、図6(a)(b)に示す日除け具1’は、図1に示す日除け具1に対しその一部を変更したものであるため、主にその変更部分について説明し、日除け具1と同一となる構成には同一の符号を付けて重複する説明を省略する。
【0069】
図6(a)(b)に示す日除け具1’は、上部構造A’と下部構造Bから構成され、上部構造A’は、上部フレーム構造体A1’とシート体A2を有する。この上部構造A’は、図1に示す上部構造Aの上部フレーム構造体A1(天部a1)を、上部フレーム構造体A1’(天部a1’)に変形して構成したものである。具体的には、図2に示す上部フレーム構造体A1の左右の第1縦フレーム2を左右の第1縦フレーム2’に置き換えたものであり、他のフレームは、図2に示す各フレーム3~9と同様に構成されている。
【0070】
上部フレーム構造体A1’の左右の第1縦フレーム2’は、図6(a)に示すように前後方向前側に位置する前部2aと前後方向後側に位置する後部2bを有し、前部2aと後部2bとの間の位置には、前後方向と直交する方向(左右方向)に延びる凹み部2cが形成されている。上部フレーム構造体A1’は、その内部の気体室に空気等の気体が注入されることで図6(a)に示すように延伸した状態に保形される。
日除け具1’をこの状態で使用する場合には、上述した日除け具1と同様の作用効果を奏する。
【0071】
上部フレーム構造体A1’は、左右の第1縦フレーム2’に凹み部2cが形成されていることで、天部a1’の一部(前部2a)が折り畳み可能に構成されている。左右の第1縦フレーム2’の前部2aは、この凹み部2cより後方に折り曲げられて、固定具60を用いて折り曲げ状態を保持することができる。この固定具60として、例えば、上部フレーム構造体A1’を構成する第1横フレーム5と第2横フレーム6との間に着脱自在に連結される紐、ベルト等の固定具を用いることができる。この場合、シート体A2のシート部20には、固定具60(紐、ベルト等)を挿通するための孔やスリットを設ければよい。
【0072】
また、第1縦フレーム2’と第2縦フレーム3と第2横フレーム6とが接続されている連接部から、さらに上方に延びる左右の突出部(不図示)を形成することもできる。この場合には、上記固定具60を、上部フレーム構造体A1’を構成する第1横フレーム5と、上記突出部との間に着脱自在に連結して、左右の第1縦フレーム2’の前部2aを後方に折り曲げて保持すればよい。
【0073】
このように、上部フレーム構造体A1’の左右の第1縦フレーム2’を後方に折り曲げて使用する場合には、上部構造A’における天部a1’の前後方向の長さを短く設定することができるので、着用者Mの前方及び上方の視覚を広げることができる。
したがって、この日除け具1’によれば、上述した実施形態の日除け具1と同様の作用効果が得られる上、着用者Mの視界を広く確保することもできる。
【0074】
次に、上部フレーム構造体の他の実施例について説明する。
<変形例3>
図7(a)(b)には、本発明に係る上部フレーム構造体の変形例(使用の状態を示す側面概念図)が示されている。図7(a)は、日除け具1’-1の天部a1’-1を延ばした通常の使用の状態を示し、図7(b)は、日除け具1’-1の天部a1’-1を折り曲げて短くした状態での使用の態様を示している。
なお、図7(a)(b)に示す日除け具1’-1は、図6に示す日除け具1’に対しその一部を変更したものであるため、主にその変更部分について説明し、重複する説明を省略する。
【0075】
図7(a)(b)に示す日除け具1’-1は、上部構造A’-1と下部構造Bから構成され、上部構造A’-1は、上部フレーム構造体A1’-1とシート体A2を有する。この上部構造A’-1は、図1に示す上部構造Aの上部フレーム構造体A1(天部a1)を、上部フレーム構造体A1-1’(天部a1-1’)に変形して構成したものである。具体的には、図2に示す上部フレーム構造体A1の左右の第1縦フレーム2を左右の第1縦フレーム2’-1に置き換えたものであり、他のフレームは、図2に示す各フレーム3~9と同様に構成されている。
【0076】
上部フレーム構造体A1’-1の左右の第1縦フレーム2’-1は、図7(a)に示すように前後方向前側に位置する前部2a-1と前後方向後側に位置する後部2b-1を有し、前部2a-1と後部2b-1との間の位置には、前後方向と直交する方向(左右方向)に延びる凹み部2c-1が形成されている。
この凹み部2c-1は、第1縦フレーム2’-1の上方及び下方から凹むことで、前部2a-1と後部2b-1とは、その内部に独立した気体室を形成する。具体的には、左右の前部2a-1と第1横フレーム5(図2参照)がその内部に独立した気体室を形成するとともに、左右の後部2b-1と他の各フレーム3,4,6~9(図2参照)がその内部に独立した気体室を形成し、それら二つの気体室が凹み部2c-1により連接された態様をなしている。この場合、左右の前部2a-1と第1横フレーム5の適宜の周壁部には、上述した通気口8a,8bと同様な通気口(不図示)が設けられる。
【0077】
したがって、上部フレーム構造体A1’-1は、上記二つの気体室に空気等の気体が注入されるとともに、第1縦フレーム2’-1の前部2a-1と後部2b-1のそれぞれに、シート体A2を接合部材(不図示)により着脱可能に固定する(垂れ下がらないように支持する)ことで、図7(a)に示すように延伸した状態に保形される。
日除け具1’-1をこの状態で使用する場合には、上述した日除け具1と同様の作用効果を奏する。
【0078】
上部フレーム構造体A1’-1は、左右の第1縦フレーム2’-1に凹み部2c-1が形成されていることで、天部a1’-1の一部(前部2a-1)が折り畳み可能となり、この構成については、図6に示す上部フレーム構造体A1’と同様であるのでその説明を省略する。
【0079】
上部フレーム構造体A1’-1の左右の第1縦フレーム2’-1を後方に折り曲げて使用する場合には、上部構造A’-1の天部a1’-1を前後方向の長さを短く設定することができるので、着用者Mの前方及び上方の視覚を広げることができる。また、左右の第1縦フレーム2’-1に形成された凹み部2c-1は、第1縦フレーム2’-1の上方及び下方から凹むように構成されていることから、天部a1’-1の一部(前部2a-1)を容易に折り畳むことができる。
したがって、この日除け具1’によれば、上述した実施形態の日除け具1と同様の作用効果が得られる上、着用者Mの視界を広く確保することもできる。
【0080】
次に、上部フレーム構造体の他の実施例について説明する。
<変形例4>
図8には、本発明に係る上部フレーム構造体の他の変形例(斜視概念図)が示されている。
なお、図8に示す上部フレーム構造体A1’’は、図2に示す上部フレーム構造体A1に対しその一部を変更したものであるため、主にその変更部分について説明し、上部フレーム構造体Aと同一となる構成には同一の符号を付けて重複する説明を省略する。
【0081】
図8に示す上部フレーム構造体A1’’は、図2に示す上部フレーム構造体A1の第3横フレーム7を取り除いて構成したものであり、他のフレーム2~6、8,9は、図2に示す各フレーム2~6、8,9と同様の配置構造である。
上部フレーム構造体A1’’には、着用者Mの肩に支持される補助の支承部材70が着脱自在に取り付けられるように構成されている。この支承部材70は、前後方向に延びる左右の縦フレーム71とこの縦フレーム71の後端部間を接続する横フレーム72により構成される。
【0082】
縦フレーム71及び横フレーム72は、それぞれ中空パイプ状(筒状)に形成され、これらの内部が連通して密閉された単一の気体室を構成し、この気体室に空気等の気体が注入されることで図8に示すように平面視コ字状に保形される。なお、各フレーム71,72の適宜の周壁部には、上述した通気口8a,8bと同様な通気口(不図示)が設けられる。
【0083】
また、支承フレーム9における第3支承部9cの周壁部と、支承部材70における縦フレーム71の周壁部には、支承フレーム9と支承部材70とを着脱自在に連結するための連結部材73が設けられる。補助の支承部材70は、上部フレーム構造体A1’’に連結部材73により取り付けられることで着用者Mの肩と当接する肩載せ部として機能する。
【0084】
図8に示す例では、第3支承部9cの周壁部に連結部材73としての面ファスナーのフック部73aが設けられ、縦フレーム71の周壁部に、上記フック部73aと係合する面ファスナーのループ部73bが設けられている。なお、連結部材73として、第3支承部9cと縦フレーム71とを連結するベルトや紐等の周知の結束部材を用いることもできる。
【0085】
したがって、例えば、女性や子供などの肩幅の狭い着用者Mが上部フレーム構造体A1’’を装着する場合であっても、上部フレーム構造体A1’’に補助の支承部材70を取付け、当該支持部材70を肩に支持させることで安定した装着が行える。
【0086】
次に、上部フレーム構造体の他の実施例について説明する。
<変形例5>
図9には、本発明に係る上部フレーム構造体の他の変形例(斜視概念図)が示されている。この図9に示す上部フレーム構造体A1’’’は、第1構造体100、第2構造体200及び第3構造体300を有して構成されている。これらの各構造体100,200,300は、それぞれ分離、接続可能に構成されている。以下に説明する。
【0087】
第1構造体100は、前後方向へ延設された左右の第1縦フレーム110と、これら第1縦フレーム100の前後端側にそれぞれ接続される第1横フレーム120及び第2横フレーム130とを有し、平面視略矩形に形成されている。
この第1構造体100は、上述した実施態様と同様に、非通気性かつ可撓性の材料により一体的に構成され、その内部が密閉された気体室として形成されるとともに、前記気体室に通じる開閉可能な通気口(不図示)により前記気体室に気体が注入されることで、図9に示す状態に保形される。
【0088】
また、第1構造体100における左右の第1縦フレーム110には、後述する第2構造体200の第2縦フレーム210及び第3構造体300の第5縦フレーム310と着脱自在に連結するための複数の固定具140が設けられている。この固定具140は、例えば、リング形状の弾性体や、ベルト、紐等の周知の結束部材を用いることができる。
【0089】
第2構造体200は、前後方向に延びる左右の第2縦フレーム210と、第2縦フレーム210の前端に連接されるとともに下方に延びる左右の第3縦フレーム220と、第3縦フレーム220の下端に連接されるとともに下方に延びる左右の第4縦フレーム230と、左右の第3縦フレーム220の間に接続される第3横フレーム240及び第4横フレーム250と、左右の第4縦フレーム230の下端に接続される第5横フレーム260とを有する。
【0090】
また、第3縦フレーム220と第4縦フレーム230は、側面視くの字状に接続されている。
また、第5横フレーム260には、図2に示す第4横フレーム8と同様に、その周壁部には、下部フレーム構造体B1の第5横フレーム12と着脱自在に連結するための接合部材(不図示)が設けられる。
【0091】
第2構造体200は、上述した実施態様と同様に、非通気性かつ可撓性の材料により一体的に構成され、その内部が密閉された気体室として形成されるとともに、前記気体室に通じる開閉可能な通気口(不図示)により前記気体室に気体が注入されることで、図9に示す状態に保形される。
また、第2構造体200における左右の第3縦フレーム220と第4縦フレーム230の接続部位には、後述する第3構造体300の第7縦フレーム330と着脱自在に連結するための固定具270が設けられている。この固定具270は、例えば、リング形状の弾性体や、ベルトや紐等の周知の結束部材を用いることができる。
【0092】
第3構造体300は、前後方向に延びる左右の第5縦フレーム310と、第5縦フレーム310の前端に連接されるとともに下方に延びる左右の第6縦フレーム320と、上下方向に延びる左右の第7縦フレーム330と、第7縦フレーム330の前端に連接されるとともに前後方向に延びる左右の第8縦フレーム340と、第8縦フレーム340の前端に連接されるとともに下方に延びる左右の第9縦フレーム350と、第9縦フレーム350の下端に連接されるとともに下方に延びる第10縦フレーム360と、左右の第9縦フレーム350の間に接続される第6横フレーム370とを有する。また、第6縦フレーム320の下端は、第8縦フレーム340の前端寄りの位置に連接される。
【0093】
この第3構造体300は、上述した実施態様と同様に、非通気性かつ可撓性の材料により一体的に構成され、その内部が密閉された気体室として形成されるとともに、前記気体室に通じる開閉可能な通気口(不図示)により前記気体室に気体が注入されることで、図9に示す状態に保形される。
【0094】
これら第1構造体100、第2構造体200及び第3構造体300は、それぞれの気体室に気体が注入されて保形されるとともに、第1構造体100に設けられた固定具140により第2縦フレーム210及び第5縦フレーム310が固定され、さらに、第2構造体200に設けられた固定具270に第7縦フレーム330が固定されることにより、上部フレーム構造体A1’’’が構成される。
【0095】
この上部フレーム構造体A1’’’を用いて日除け具を構成しても、上述した実施形態の日除け具1と同様の作用効果が得られる。また、上部フレーム構造体A1’’’は、第1構造体100、第2構造体200及び第3構造体300がそれぞれ分離、接続可能に構成されていることから、各構造体100,200,300を分離することで、メンテナンス等を容易に行うことができる。
さらに、第3構造体300の左右の第10縦フレーム360は、着用者Mの胸元に位置することから、着用者Mは、この第10縦フレーム360を両手で掴み保持することで、より安定して日除け具を装着することができる。
【0096】
次に、下部構造の他の実施例について説明する。
<変形例6>
図10には、本発明に係る下部構造の変形例(正面概念図)が示されている。
なお、図10に示す下部構造B’は、図2及び図3に示す下部構造Bに対しその一部を変更したものであるため、主にその変更部分について説明し、下部構造Bと同一となる構成には同一の符号を付けて重複する説明を省略する。
【0097】
図10に示す下部構造B’は、図3に示す下部構造Bの装着体B2を、装着体B2’に変形して構成したものであり、下部フレーム構造体B1は、図2,3に示す下部フレーム構造体B1と同様に構成されている。
装着体B2’は、例えば、着脱具80から構成され、下部フレーム構造体B1を着用者Mの背中に固定するために設けられる。
【0098】
この装着体B2’(着脱具80)は、可撓性の長尺帯状(あるいは紐状)の長尺部材からなり、着用者Mの前面から肩上を介して背面に延びる左右の肩掛け部81と、この肩掛け部81の長さを調整する長さ調整具81aと、可撓性の長尺帯状(あるいは紐状)の長尺部材からなり、着用者Mの胴回りに延びる胴巻き部82と、胴巻き部82を分離・接続可能であって且つ長さ調整可能にする着脱調整具83等によって構成される。これら肩掛け部81及び胴巻き部82の材質は、引張強度や、折り畳んだ際の収納性等を考慮して適宜に選定すればよい。
【0099】
肩掛け部81は、図10に示すように、一端側(背面側)を第7横フレーム14及び胴巻き部82に止着し、他端側(前面側)を着脱調整具83に接続している。さらに、背面側に延びる肩掛け部81の途中部分は第5横フレーム12に止着され、また、前面側に延びる肩掛け部31の途中部分には、長さ調整具81bが設けられる。
【0100】
胴巻き部82は、図10に示すように、背面側の一部分を各肩掛け部81の一端側(背面側)及び第7横フレーム14止着し、前面側の両端部は、着脱調整具83に分離可能であって且つ長さ調整可能に接続されている。前面側の両端部と着脱調整具83との接続は、面ファスナー、ホック、ボタン、磁石等を用いて接続することができる。
【0101】
この装着体B2’によっても、装着体B2と同様に、下部フレーム構造体B1を着用者Mの背中に確実に固定することができる。
【0102】
次に、日除け具の他の実施例について説明する。
<変形例7>
図11には、本発明に係る日除け具の変形例(斜視概念図)が示されている。図11に示す日除け具1’’は、図1に示す日除け具1におけるシート体A2をシート体A2’に変更したものであるため、主にその変更部分について説明する。なお、日除け具1’’における上部及び下部フレーム構造体A1,B1は、図2及び図3に示す上部及び下部フレーム構造体A1,B1と同様に構成されている。
【0103】
図11に示すシート体A2’は、シート部500、太陽光発電部510、送風ファン520及び電源530等を含み構成され、図2に示すシート体A2と交換的に用いて使用することができる。
【0104】
シート部500は、シート体A2のシート部20と同様の素材からなり、左右の第1~第4縦フレーム2~4,10及び第1~第6横フレーム5~8,12,13にわたって張設される第1シート部500aと、着用者Mの胴体部分を覆う左右の第2シート部500bを有する。
このシート部500は、上部フレーム構造体A1及び下部フレーム構造体B1における、第1~第4縦フレーム2~4,10及び第1~第6横フレーム5~8,12,13に対し、接合部材(不図示)により複数箇所で着脱可能に固定される。接合部材は、例えば、一般的なホックやボタン、面ファスナー、磁石等とすればよく、シート部500と上記各フレーム2~8,10,12,13との間に設けられる。
また、シート部500の第1シート部500aと第2シート部500bとは、例えば面ファスナー等の接合部材で着脱自在に一体化してもよく、あるいは、第1シート部500aと第2シート部500bとを一体に成形してもよい。
【0105】
シート部500には、太陽光発電部510、送風ファン520及び電源530等が取り付けられ、例えば、シート部500の第1シート部500aには、電源530を収容するポケット(不図示)等が設けられ、左右の第2シート部500bには、送風ファン520を取付けるための開口500b1が設けられている。
また、シート部500の左右の第2シート部500bには、着用者Mの腕を通すための開口500b2が設けられる。さらに、左右の第2シート部500bの前縁500b3には、例えば、上下方向に沿って設けられるファスナー等の接合部材(不図示)が設けられ、この接合部材により左右の第2シート部500bの前縁500b3は開閉可能に構成される。
【0106】
太陽光発電部510は、例えば、太陽光発電フィルムや太陽光発電パネル等からなり、太陽光から発電した電気を配線540により電源530に供給し、電源530を充電することができる。この太陽光発電部510は、シート部500に対して、例えば、第1シート部500aの天部a1の領域に接合部材により複数箇所で着脱可能に固定される。接合部材は、例えば、面ファスナー、ホック、磁石等とすればよく、シート部500と太陽光発電部510との間に設けられる。
【0107】
送風ファン520は、左右の第2シート部500bに形成した開口500b1に着脱自在に取り付けられ、電源530に配線540により接続される。この送風ファン520は、電源530から供給される電気によって作動し、外気を第2シート部500bの内側に送風することができる。
なお、太陽光発電部510で発電した電気を、直接、送風ファン520へ供給し、送付ファン520を作動させるように構成してもよい。
【0108】
電源530は、例えば、携帯型のバッテリー等からなり、送風ファン520に配線540を介して接続され、送風ファン520に電気を供給する。また、電源530は、太陽光発電部510で発電した電気により充電される。
【0109】
このシート体A2’を用いた日除け具1によれば、着用者Mは、屋外等での日差しのある空間において、上方や後方からの日差しをシート体A2’のシート部500によって遮ることができる。
さらに、第2シート部500bに設けられた送風ファン520により、外気(空気)をその内側に送風し、第2シート部500bと着用者Mとの間に外気(空気)を流動させることができるので、着用者Mは効率よく冷まされて爽快感を得ることができる。
【0110】
なお、送風ファン520及び電源530の設置位置や設置数は、上記の例に限定されず、シート部500の適宜の位置に適宜の数が設置可能である。
【0111】
<その他の変形例>
【0112】
また、上記実施形態は、日除け具1を、上部構造Aと、この上部構造Aと着脱可能に連接される下部構造Bとを用いて構成したが、上部構造Aの上部フレーム構造体A1と、下部構造Bの下部フレーム構造体B1とを一体化して構成してもよい。
この場合、上部フレーム構造体A1の第4横フレーム8と、下部フレーム構造体B1の第5横フレーム12を接着材等で接着し、分離不能に構成することもできる。
また、上部フレーム構造体A1の第4横フレーム8と、下部フレーム構造体B1の第5横フレーム12とを一体的なものとして構成すること、あるいは、左右の第3縦フレーム4と左右の第4縦フレーム10とを連接するとともに、その連接部位に第4横フレーム8(又は第5横フレーム12)を配置するように構成してもよい。この場合には、上部フレーム構造体と下部フレーム構造体とが連通して密閉された単一の気体室を構成することになる。
このように、上部構造Aの上部フレーム構造体A1と、下部構造Bの下部フレーム構造体B1とを一体化して構成した場合、下部構造Bの左右の第5縦フレーム11と、左右の第5縦フレーム11の前端部に接続された第7横フレーム14とは、全体として、平面視コ字状に前方に向けて突出するように形成されており、この第7横フレーム14は、着用者Mの腰部に当接するため、下部フレーム構造体B1の第4縦フレーム10は、着用者Mの背中と離間して配されることで隙間を構成することができることから、この隙間が通気する空間として機能する。
【0113】
また、上記実施態様によれば、シート部20を天部a1と背部a2の一部に設けたが、他例としては、シート部20を天部a1から背部a2にわたる全面に設けてもよい。
【0114】
また、上記実施態様によれば、シート部20,500として貫通部の無いシートを用いたが、他例としては、通気性を向上するために、シート部20,500に貫通状の通気部(図示せず)を設けるようにしてもよい、
上記通気部の具体例としては、シート部20,500の一部分に小孔やスリット等の貫通部を形成したり、シート部20,500の一部分又は全部をメッシュ状(言い換えれば、金網状)の生地やシートにより形成したりすればよい。
上記通気部を配設する箇所は、例えば、天部a1や、背部a2、側部等とすればよい。上記通気部は、特に夏場の暑さ対策として有効である。
【0115】
また、上記実施態様によれば、肩掛け部31,81及び胴巻き部32,82を帯状等の可撓性部材から構成したが、他例としては、これら肩掛け部31,81と胴巻き部32,82のうち、その一方又は両方を、下部フレーム構造体B1と同様に、可撓性材料によって、下部フレーム構造体B1に接続されるとともに気体室に連通する中空パイプ状に形成することも可能である。
【0116】
また、上記実施態様に付加する構成として、着用者Mの顔の前方や側方を覆うように、天部a1に透明材料からなる飛散防止シート(図示せず)を吊り下げるようにしてもよい。
この飛散防止シートは、例えば、軟質塩化ビニール等からなる略矩形状の無色透明又は色付き透明のシートであり、その上端部を第1縦フレーム2や第1横フレーム5に対し前後方向、左右方向へわたって止着するとともに下端部を自由垂下させて、着用者Mの顔面の前方や側方を覆うように構成する。
この構成によれば、着用者Mから発せられる飛沫が前方へ飛散するのを上記飛散防止シートにより阻むことができ、ウィルス感染等の低減に寄与することができる。
【0117】
また、上記実施態様によれば、気体室へ空気注入作業が容易であり且つ排気作業も容易に行えるように、弁機構付きの通気口8a,13aと弁機構なしの通気口8b,13bを設けたが、他例としては、弁機構付きの通気口8a,13aのみ、あるいは、弁機構なしの通気口8b,13bのみで構成することも可能である。
【0118】
また、上記実施態様は、二種類の通気口を略同形状で同じ大きさのものとして構成したが、他の好ましい一例としては、これら二種類の通気口について、区別し易いように、大きさを異ならせてもよい。この場合、弁機構なしの通気口の径方向寸法を、弁機構付きの通気口よりも大きくすれば、気体室の気体の排出作業をいっそう早めることができる。
なお、他例としては、上記複数種類の通気口について、色を異ならせた態様や、形状を異ならせた態様等とすることも可能である。
【0119】
また、上記実施態様によれば、上部フレーム構造体A1の第1~第4横フレーム5~8を第1~第3縦フレーム2~4に対し一体に設けたが、他例としては、第1~第4横フレーム5~8を第1~第3縦フレーム2~4に対し着脱可能に設けるようにしてもよい。
【0120】
また、本発明は上述した実施態様に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
また、本発明は、上記実施態様及び上記変更例を適宜組み合わせて日除け具を構成することができる。
【符号の説明】
【0121】
1,1-1,1’,1’-1,1’’:日除け具
2:第1縦フレーム
3:第2縦フレーム
4:第3縦フレーム
5:第1横フレーム
6:第2横フレーム
7:第3横フレーム
8:第4横フレーム
8a,8b:通気口
9:支承フレーム
9a:第1支承部
9b:第2支承部
9c:第3支承部
10:第4縦フレーム
11:第5縦フレーム
12:第5横フレーム
13:第6横フレーム
13a,13b:通気口
14:第7横フレーム
20,500:シート部
70:支承部材
510:太陽光発電部
A,A(1-1),A’,A’-1:上部構造
a1:天部
a2:背部
A1,A1(1-1),A1’,A1’-1,A1’’,A1’’’:上部フレーム構造体
A2,A2’:シート体
B:下部構造
B1,B1(1-1):下部フレーム構造体
B2,B2’:装着体
図1
図2
図3
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図5
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図11