(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038816
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】断熱材
(51)【国際特許分類】
E04B 1/80 20060101AFI20240313BHJP
C09K 21/02 20060101ALI20240313BHJP
C09K 21/14 20060101ALI20240313BHJP
C09D 201/00 20060101ALI20240313BHJP
C09D 7/61 20180101ALI20240313BHJP
【FI】
E04B1/80 100P
C09K21/02
C09K21/14
C09D201/00
C09D7/61
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143118
(22)【出願日】2022-09-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】595131857
【氏名又は名称】株式会社チャフローズコーポレーション
(71)【出願人】
【識別番号】504237050
【氏名又は名称】独立行政法人国立高等専門学校機構
(74)【代理人】
【識別番号】100186060
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】笹谷 廣治
(72)【発明者】
【氏名】古崎 睦
【テーマコード(参考)】
2E001
4H028
4J038
【Fターム(参考)】
2E001DD01
2E001HC01
2E001HC07
2E001HE05
2E001JC04
2E001JC05
2E001JC08
4H028AA10
4H028AA41
4H028BA03
4H028BA04
4J038EA011
4J038HA206
4J038KA08
4J038NA01
4J038NA14
4J038NA23
4J038PB05
(57)【要約】
【課題】おが屑や古紙、牡蠣などの貝殻、落ち葉、古着布地、廃棄漁網などの廃棄物、また木質建築廃材や間伐材を有効利用し、廃棄物の焼却処分や埋め立て処分によって生じていた自然環境への負荷を軽減する。
【解決手段】断熱材1を、ホタテ貝殻の焼成粉砕物からなる粉末カルシウムと樹脂とを成分として含む塗料2とこの塗料2と混合される芯材3とを有するものとした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホタテ貝殻の焼成粉砕物からなる粉末カルシウムと樹脂とを成分として含む塗料と、
前記塗料と混合されて塗料を支持する芯材と
を有することを特徴とする断熱材。
【請求項2】
上記塗料は、
海中の二酸化炭素とカルシウムとが合成されてなる炭酸カルシウムを主成分として有していて、前記二酸化炭素を大気に対して非放出にしているバイオマスであるホタテ貝殻の非焼成粉砕物
を含んでいる請求項1に記載の断熱材。
【請求項3】
上記塗料は、
大気中の二酸化炭素と水との光合成で生成された炭水化物を主成分として有していて、前記二酸化炭素を大気に対して非放出にしているバイオマスである籾殻
を含んでいる請求項1に記載の断熱材。
【請求項4】
上記塗料と芯材とを混合した混合物は多孔状である請求項1に記載の断熱材。
【請求項5】
上記多孔状とした混合物は小塊の集合体の形態とされている請求項4に記載の断熱材。
【請求項6】
上記芯材は、木質建築廃材または間伐材からなる木質材である請求項1に記載の断熱材。
【請求項7】
上記芯材は、織物または編物からなる繊維材であって、織物形態または編物形態を有している請求項1に記載の断熱材。
【請求項8】
上記芯材は、織物または編物からなる繊維材を塊状に集積した集合体である請求項1に記載の断熱材。
【請求項9】
ホタテ貝殻の焼成粉砕物からなる粉末カルシウムと樹脂とを成分として含む塗料と、
前記塗料が固着される芯材と
を有し、
上記芯材は、木質建築廃材または間伐材からなる木質材であって板状とされており、板状とした芯材の表面に塗料が固着されて平板状にしていることを特徴とする断熱材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然素材のホタテ貝殻からなる塗料を利用した断熱材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ホタテに関しては水揚げされて食用部分を取り外したあとの貝殻が大量に廃棄物として処理されてきているが、廃棄物となったホタテ貝殻の有効利用方法が数々提案されている。
【0003】
その一つとして、天日乾燥と焼成とを行ない粉砕した粉砕物から得られるホタテ貝殻粉末と天然素材から得た接着剤としてのカルボキシメチルセルロースとを含んで、耐火性のある壁塗布材を得るようにした工夫が知られている(非特許文献1)。そして、ホタテ貝殻は粉末の形態であっても多孔質性を示していて、建材や壁材などから空気中に放出されたホルムアルデヒドを吸着、分解する作用を有する(非特許文献2)。
【0004】
また、非特許文献3にあっては、ホタテ貝殻粉末を骨材として内装用塗り壁材に利用し、抗カビ効果を発揮させることを目的とし、非焼成ホタテ貝殻の粉砕物を骨材としてモルタルに混合させる工夫が示されている。
【0005】
また、特許文献1にあっては、住宅などの建物の壁、天井、床などの建築構成部材の空間内部に吹き込み材料を吹き込み充填する有機繊維系断熱材の湿式吹き込みが示されていて、古紙を解織して得られる天然木質繊維のセルロースファイバ、天然接着剤、貝殻カルシウム(粉砕したホタテ貝殻の焼成物であって、貝殻主成分の炭酸カルシウムが酸化された酸化カルシウム、水和した水酸化カルシウム)の混合物とする点が示されている。
【0006】
そして、この吹き込み材料と水とを、外壁仕上げ材と施工用シートと柱、間柱とで仕切られた空間部内に充填して、断熱層となる有機繊維系断熱材を形成する点が示されている。
【0007】
また、吹き込み材料が含む貝殻カルシウムは、空気中の有害物質及び汚染物質を吸着分解する機能、消臭する機能を有し、住居者の健康に悪影響を与えるシックハウス症候群の発生を抑止する点が示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】ホタテ貝殻塗料内装仕上材(https://www.chaff-scallop.co.jp/chaffwall/chaffwallpanf.pdf)
【非特許文献2】ホタテ貝殻の有効利用「ホタテ貝殻のバイオニックデザイン、小山信次」(https://ms-laboratory.jp/scallop/scallop.htm)
【非特許文献3】学位論文「ホタテ貝殻利活用による建材開発と施工方法に関する研究」(2021年9月、北海道科学大学大学院、小松幸雄)
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記ホタテ貝殻以外にも多くの不要物が廃棄物として処理されていて、例えば、おが屑や古紙、牡蠣などの貝殻、落ち葉、古着布地、廃棄漁網などが廃棄物として処理されてきているが、焼却による環境汚染の問題や埋め立て地の不足が問題となってきている。
【0011】
そこで、おが屑や古紙、牡蠣などの貝殻、落ち葉、古着布地、廃棄漁網などの廃棄物、また木質建築廃材や間伐材を有効利用することを課題とし、廃棄物の焼却処分や埋め立て処分によって生じていた自然環境への負荷を軽減することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(請求項1の発明)
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、ホタテ貝殻の焼成粉砕物からなる粉末カルシウムと樹脂とを成分として含む塗料と、
前記塗料と混合されて塗料を支持する芯材と
を有することを特徴とする断熱材を提供して、上記課題を解消するものである。
【0013】
(請求項2の発明)
そして、上記発明において、上記塗料は、
海中の二酸化炭素とカルシウムとが合成されてなる炭酸カルシウムを主成分として有していて、前記二酸化炭素を大気に対して非放出にしているバイオマスであるホタテ貝殻の非焼成粉砕物
を含んでいることが良好である。
【0014】
(請求項3の発明)
また、上記発明において、上記塗料は、
大気中の二酸化炭素と水との光合成で生成された炭水化物を主成分として有していて、前記二酸化炭素を大気に対して非放出にしているバイオマスである籾殻
を含んでいることが良好である。
【0015】
(請求項4の発明)
また、上記発明において、上記塗料と芯材とを混合した混合物は多孔状であることが良好である。
【0016】
(請求項5の発明)
また、上記発明において、上記多孔状とした混合物は小塊の集合体の形態とされていることが良好である。
【0017】
(請求項6の発明)
また、上記発明において、上記芯材は、木質建築廃材または間伐材からなる木質材であることが良好である。
【0018】
(請求項7の発明)
また、上記発明において、上記芯材は、織物または編物からなる繊維材であって、織物形態または編物形態を有していることが良好である。
【0019】
(請求項8の発明)
また、上記発明において、上記芯材は、織物または編物からなる繊維材を塊状に集積した集合体であることが良好である。
【0020】
(請求項9の発明)
そして、もう一つの発明は、
ホタテ貝殻の焼成粉砕物からなる粉末カルシウムと樹脂とを成分として含む塗料と、
前記塗料が固着される芯材と
を有し、
上記芯材は、木質建築廃材または間伐材からなる木質材であって板状とされており、板状とした芯材の表面に塗料が固着されて平板状にしていることを特徴とする断熱材であり、この断熱材を提供して上記課題を解消するものである。
【発明の効果】
【0021】
(請求項1の発明の効果)
請求項1の発明によれば、断熱材が、ホタテ貝殻の焼成粉砕物からなる粉末カルシウムと樹脂とを成分として含む塗料と、この塗料と混合される芯材とを有して構成されているので、前記塗料を表面に配した芯材を備える断熱材となり、廃棄物や不要物を芯材として採用できる。
【0022】
(請求項2の発明の効果)
請求項2の発明によれば、ホタテ貝殻の非焼成の粉砕物をバイオマスとしてかつ不燃物として使用する構成となり、廃棄物として処理されてきた非焼成のホタテ貝殻を有効に利用できる。
【0023】
また、ホタテは、貝殻を成長させる過程で海中から二酸化炭素、カルシウムを取り込んでいて、この二酸化炭素、カルシウムを材料として貝殻を形成している。そのため、非焼成のホタテ貝殻は粉砕物の形態にしても、成長の過程で貝殻成形材料として取り込んだ二酸化炭素が分離することはなく、ホタテ貝殻の非焼成の粉砕物を用いることで、大気中に温室効果ガスを放出させないという利点がある。
なお、バイオマスは、動植物から得られた再利用可能な有機性の資源(石油などの化石燃料を除く)を表している。
【0024】
(請求項3の発明の効果)
請求項3の発明によれば、籾殻をバイオマスとして使用する構成となり、処理として採用されてきた焼却処分を行なわずにかつ準不燃物として籾殻を有効に利用できる。
【0025】
また、籾殻は、植物組織を形成する上で大気中から二酸化炭素を取り込み、水との光合成で形成された植物組織の一部であり、粉砕物の形態にしても、稲作を行なう上で大気中から取り込んだ二酸化炭素が分離されることはなく、籾殻の粉砕物を用いることで、大気中に温室効果ガスを放出させないという利点がある。
【0026】
(請求項4の発明の効果)
請求項4の発明によれば、塗料と芯材との混合物は多孔状であるので、断熱材自体に通気性を備えている。
そして、塗料中のホタテ貝殻の焼成粉砕物からなる粉末カルシウムには、空気中のホルムアルデヒドなどの有害物質を吸着し分解する機能があることが知られている。
よって、断熱材の孔部分を空気が通過することで、空気中の有害物質の吸着や分解が行なわれ、断熱材で空気の清浄化ができる。
【0027】
(請求項5の発明の効果)
請求項5の発明によれば、塗料と芯材との混合物の形態が小塊の集合体を呈するものであり、多数個の小さな塊にしてそれを袋に入れるようにすれば、細かな場所や壁内の間柱が存在するような異形の場所でも、空間形状に応じて断熱材を設けることができる。
【0028】
(請求項6の発明の効果)
請求項6の発明によれば、芯材は、木質建築廃材または間伐材からなる木質材であるので、民家などを解体して生じる木質建築廃材や、森林の管理で生じる間伐材をバイオマスとして有効に利用できる。
【0029】
(請求項7の発明の効果)
請求項7の発明によれば、芯材は織物や編物からなる繊維材であり、織物形態や編物形態を呈しているので、芯材に対する塗料の定着が良好な断熱材となる。
【0030】
(請求項8の発明の効果)
織物や編物からなる繊維材としては例えば、古着の布地や廃棄される漁網がある。そして、請求項8の発明によれば、上記芯材は、織物または編物からなる繊維材を塊状に集積した集合体であるので、廃棄物として処理されてきた古着の布地や廃棄漁網を断熱材の一部として利用できるという効果を奏する。
【0031】
(請求項9の発明の効果)
請求項9の発明によれば、木質建築廃材または間伐材からなる断熱材を新たな建材として採用することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の断熱材の第一の実施の形態を断面で概略的に示す説明図である。
【
図3】同じく第二の実施の形態を概略的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
(第一の実施の形態)
つぎに本発明を図に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明における第一の実施の形態を断面で示している。図中1は多孔とされた断熱材であり、該断熱材1は塗料2と芯材3とを有してなるものである。
【0034】
(塗料)
上記断熱材1の塗料2は、ホタテ貝殻の焼成粉砕物からなる粉末カルシウムと例えばカルボキシメチルセルロースからなる樹脂とを成分として含んでいて、塗料全体としては天然素材を材料として作成されている。この塗料2自体は不燃材である。なお、ホタテ貝殻から粉末カルシウムを得るまでの製造に関しては、二酸化炭素を発生させないように焼成温度は調整される。
【0035】
また、上記塗料2には、バイオマスであって不燃物であるホタテ貝殻の非焼成粉砕物4と、同じくバイオマスであって乾燥した準不燃物である籾殻5とが混合されている。
塗料2について、塗料2の全量中に対するホタテ貝殻の非焼成粉砕物4と前記籾殻5との配合量と、ホタテ貝殻の非焼成粉砕物4と籾殻5との粉砕粒度とは、所要の溶媒を含んだ状態のこの塗料2が塗布対象及び含侵対象に対して固着する状態が損なわれないものとなるように調整されている。
【0036】
本実施の形態では、塗料2は、成分中にバイオマスであるホタテ貝殻の非焼成粉砕物4とバイオマスであって乾燥した籾殻5との両方を含んで混合されているものとして説明したが、本発明はこの例に限定されるものではない。
例えば、塗料2は、成分中にホタテ貝殻の非焼成粉砕物4と籾殻5との何れかを含んでいるものであってもよい。
【0037】
(芯材)
芯材3は、本実施の例の断熱材1において後述するように不要物や廃棄物だったものであり、断熱材1での芯材3として不要物、廃棄物を利用することで、不要物や廃棄物を有用なものに変化している。
【0038】
上記実施の例での芯材3は多孔状のものであり、塗料2と混合することによって多孔の骨格の部分で塗料2を定着させて支持し、塗料2と芯材3とを混合した混合物も孔の部分を多くした多孔状態にして形成されている。
【0039】
多孔状態に形成された部分では空気が移動できる数多くの透孔6を備えており、数多くの透孔6の内表面に塗料2の粉末カルシウムが表出し、この粉末カルシウムでの空気中の有害物質の吸着分解が効率よく進むように設けている。
【0040】
また、第一の実施の形態での断熱材1において、塗料2と芯材3の混合物が多孔状態となっていることから、断熱材1自体は軽量でありながら厚味を有する断熱部材として構成されている。
【0041】
芯材3を構成する材料としては、おが屑や古紙、落ち葉、牡蠣などの貝殻を採用することができる。従来からおが屑と古紙と落ち葉とはそれぞれ不要物として処理されているが、これらの不要物を種別分けしてそれぞれの種別を揃えて集積されたものとし、板状の形態、また塊の形態とすることで多孔状の芯材3が得られる。そして、塗料2と混合することで製造された混合物も多孔状であって板状のものとなり(
図1)、また塊状のものとなり(
図2)、非常に多くの孔を有した形態にすることが容易である。前述した牡蠣などの貝殻も食用部を取り外した後は貝殻の部分が不要物と処理されており、この牡蠣などの貝殻の部分も芯材3を構成する材料として用いることができ、大きさなどの調整も必要に応じて粉砕などを行なうようにすればよい。
【0042】
また、芯材3は織物や編物かなる繊維材であって、織り上げられた織物形態、編み上げられた編物形態のものであってもよい。具体的には、古着布地や廃棄漁網が挙げられ、これらを芯材3として採用することができる。そして、これらの繊維材を塊状に集積して多数の塊の集合物や板状の集合物にし、これを塗料2と混合する。
上述した例と同じように塗料2と混合することで製造された混合物も多孔状であって塊状のものとなり、また板状のものとなり、非常に多くの孔を有した形態にすることが容易である。
【0043】
塗料2と芯材3とを混合する方法としては、例えば芯材3に塗料2を塗布したり含侵させたりし、その後、塗料2を硬化させることで断熱材1が得られる。
また、断熱材1を塊状の前記混合物とする場合、小塊の集合体の形態を呈するように作製し、この小塊の集合体をさらに袋に入れて、建物の壁内に前記袋を取り付けるなどの方法が採用できる。
【0044】
(第二の実施の形態)
上記実施の形態の断熱材1では、塗料2が塗料成分中にホタテ貝殻の非焼成粉砕物4と籾殻5とを含むものとするとともに、塗料2と芯材3とを有していて、芯材3の部分で塗料2を支持する多孔構造(多くの孔を有した状態の構造物)を形成するようにしたものであるが、本発明はこの実施の形態に限定されず、以下に示す第二の実施の形態とすることも可能である。
【0045】
即ち、第二の実施の形態では
図3に示すように断熱材1は芯材3を、木質建築廃材または間伐材からなる木質材からなるものとしている。
【0046】
そして、この芯材3は板状とされており、芯材3の表面に塗料2を塗布により固着することによって断熱材1自体も板状に形成されているものである。
【0047】
第二の実施の形態において塗料2は、不燃物である上記ホタテ貝殻の非焼成粉砕物4と準不燃物である籾殻5との両者を塗料成分中には含んでいない。このホタテ貝殻の非焼成粉砕物4と籾殻5との両者は、塗料成分中に必ず含めなければならないというものではなく、何れか一方を含むものであってもよく、また、両者を含まないものであってもよい。この点は第一の実施の形態での塗料2においても同様である。
【符号の説明】
【0048】
1…断熱材
2…塗料
3…芯材
4…ホタテ貝殻の非焼成粉砕物
5…籾殻
6…透孔
【手続補正書】
【提出日】2023-12-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホタテ貝殻の焼成粉砕物からなる粉末カルシウムと樹脂とを成分として含む塗料と、前記塗料と混合されて塗料を支持する芯材とを有する断熱材であり、
前記ホタテ貝殻の焼成粉砕物からなる粉末カルシウムと樹脂とを成分として含む前記塗料には、
海中の二酸化炭素とカルシウムとが合成されてなる炭酸カルシウムを主成分として有していて、前記二酸化炭素を大気に対して非放出にしている不燃物のバイオマスであるホタテ貝殻の非焼成粉砕物と、
大気中の二酸化炭素と水との光合成で生成された炭水化物を主成分として有していて、前記二酸化炭素を大気に対して非放出にしている準不燃物のバイオマスである籾殻と
が混合され、
かつ前記塗料と前記芯材とを混合した混合物により多孔状となる小塊の集合体の形態とされており、
前記集合体の形態とされた多孔状の前記小塊それぞれの骨格の部分に、前記ホタテ貝殻の非焼成粉砕物と前記籾殻を混合している前記塗料を定着させて、前記集合体の形態とされた前記小塊それぞれが備える多数の透孔の内表面に、前記塗料が位置するとともに、
前記集合体の形態とされた多孔状の前記小塊それぞれの外表面に、前記ホタテ貝殻の非焼成粉砕物と前記籾殻を混合している前記塗料の部分が小塊内に向けて凹み外表面側が開口してなる凹所が複数形成されていることを特徴とする断熱材。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、ホタテ貝殻の焼成粉砕物からなる粉末カルシウムと樹脂とを成分として含む塗料と、前記塗料と混合されて塗料を支持する芯材とを有する断熱材であり、
前記ホタテ貝殻の焼成粉砕物からなる粉末カルシウムと樹脂とを成分として含む前記塗料には、
海中の二酸化炭素とカルシウムとが合成されてなる炭酸カルシウムを主成分として有していて、前記二酸化炭素を大気に対して非放出にしている不燃物のバイオマスであるホタテ貝殻の非焼成粉砕物と、
大気中の二酸化炭素と水との光合成で生成された炭水化物を主成分として有していて、前記二酸化炭素を大気に対して非放出にしている準不燃物のバイオマスである籾殻と
が混合され、
かつ前記塗料と前記芯材とを混合した混合物により多孔状となる小塊の集合体の形態とされており、
前記集合体の形態とされた多孔状の前記小塊それぞれの骨格の部分に、前記ホタテ貝殻の非焼成粉砕物と前記籾殻を混合している前記塗料を定着させて、前記集合体の形態とされた前記小塊それぞれが備える多数の透孔の内表面に、前記塗料が位置するとともに、
前記集合体の形態とされた多孔状の前記小塊それぞれの外表面に、前記ホタテ貝殻の非焼成粉砕物と前記籾殻を混合している前記塗料の部分が小塊内に向けて凹み外表面側が開口してなる凹所が複数形成されていることを特徴とする断熱材を提供して、上記課題を解消するものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
そして、上記発明において、上記塗料は、
海中の二酸化炭素とカルシウムとが合成されてなる炭酸カルシウムを主成分として有していて、前記二酸化炭素を大気に対して非放出にしているバイオマスであるホタテ貝殻の非焼成粉砕物
を含んでいることが良好である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
また、上記発明において、上記塗料は、
大気中の二酸化炭素と水との光合成で生成された炭水化物を主成分として有していて、前記二酸化炭素を大気に対して非放出にしているバイオマスである籾殻
を含んでいることが良好である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
また、上記発明において、上記塗料と芯材とを混合した混合物は多孔状であることが良好である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
また、上記発明において、上記多孔状とした混合物は小塊の集合体の形態とされていることが良好である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
本発明によれば、断熱材が、ホタテ貝殻の焼成粉砕物からなる粉末カルシウムと樹脂とを成分として含む塗料と、この塗料と混合される芯材とを有して構成されているので、前記塗料を表面に配した芯材を備える断熱材となり、廃棄物や不要物を芯材として採用できる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
また本発明によれば、ホタテ貝殻の非焼成の粉砕物をバイオマスとしてかつ不燃物として使用する構成となり、廃棄物として処理されてきた非焼成のホタテ貝殻を有効に利用できる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
また本発明によれば、籾殻をバイオマスとして使用する構成となり、処理として採用されてきた焼却処分を行なわずにかつ準不燃物として籾殻を有効に利用できる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
また本発明によれば、塗料と芯材との混合物は多孔状であるので、断熱材自体に通気性を備えている。
そして、塗料中のホタテ貝殻の焼成粉砕物からなる粉末カルシウムには、空気中のホルムアルデヒドなどの有害物質を吸着し分解する機能があることが知られている。
よって、断熱材の孔部分を空気が通過することで、空気中の有害物質の吸着や分解が行なわれ、断熱材で空気の清浄化ができる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
また本発明によれば、塗料と芯材との混合物の形態が小塊の集合体を呈するものであり、多数個の小さな塊にしてそれを袋に入れるようにすれば、細かな場所や壁内の間柱が存在するような異形の場所でも、空間形状に応じて断熱材を設けることができる。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】削除
【補正の内容】