(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038821
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/38 20120101AFI20240313BHJP
【FI】
G06Q20/38 310
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143123
(22)【出願日】2022-09-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】302005020
【氏名又は名称】野村證券株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】藤井 康平
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA71
(57)【要約】
【課題】より適切に電子コンテンツを普及させることが可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】管理サーバ装置60は、電子書籍のオリジナルデータ及び二次創作データが記憶される記憶部61と、二次創作データに対応するNFTを分散型台帳上で発行するトークン管理部634と、端末装置と通信を行う通信部62と、を備える。二次創作データに対応するNFTには、オリジナルデータにアクセスすることが可能なURL情報と、二次創作データにアクセスすることが可能なURL情報とが含まれている。通信部62は、端末装置から前者のURL情報へのアクセスが要求された場合にはオリジナルデータを端末装置に送信し、端末装置から後者のURL情報へのアクセスが要求された場合には二次創作データを端末装置に送信する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子コンテンツのオリジナルデータ、及び前記オリジナルデータから二次創作された二次創作データが記憶される記憶部と、
前記二次創作データに対応する代替不可能なトークンを分散型台帳上で発行するトークン管理部と、
端末装置と通信を行う通信部と、を備え、
前記二次創作データに対応するトークンには、前記記憶部に記憶される前記オリジナルデータにアクセスすることが可能な第1アクセス情報と、前記記憶部に記憶される前記二次創作データにアクセスすることが可能な第2アクセス情報とが含まれており、
前記通信部は、
前記端末装置から前記第1アクセス情報へのアクセスが要求された場合には、前記記憶部に記憶される前記オリジナルデータを前記端末装置に送信し、
前記端末装置から前記第2アクセス情報へのアクセスが要求された場合には、前記記憶部に記憶される前記二次創作データを前記端末装置に送信する
情報処理装置。
【請求項2】
前記二次創作データに対応するトークンには、前記二次創作データの貸し出し価格の情報、及び前記電子コンテンツの二次流通時の印税価格の情報が更に含まれている
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記トークン管理部は、前記二次創作データに対応するトークンとは別に、前記オリジナルデータに対応する代替不可能なトークンを前記分散型台帳上で更に発行し、
前記オリジナルデータに対応するトークンには、前記第1アクセス情報が含まれる一方、前記第2アクセス情報が含まれていない
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記電子コンテンツのオリジナルデータの発行者に対して前記二次創作データを承認するか否かを選択する処理を要求する二次創作承認要求部を更に備える
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記オリジナルデータに対応するトークンには、前記オリジナルデータの販売価格の情報、及び前記電子コンテンツの二次流通時の印税価格の情報が含まれている
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記通信部は、
前記端末装置から専用のアプリケーションを介して前記第1アクセス情報へのアクセスが要求されることに基づいて前記オリジナルデータを前記端末装置に送信し、
前記端末装置から前記専用のアプリケーションを介して前記第2アクセス情報へのアクセスが要求されることに基づいて前記二次創作データを前記端末装置に送信する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1アクセス情報及び前記第2アクセス情報は、URL情報である
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
電子コンテンツのオリジナルデータ、及び前記オリジナルデータから二次創作された二次創作データが記憶される記憶部と、
前記二次創作データに対応する代替不可能なトークンを分散型台帳上で発行するトークン管理部と、
端末装置と通信を行う通信部と、を備え、
前記二次創作データに対応するトークンには、前記記憶部に記憶される前記オリジナルデータにアクセスすることが可能な第1アクセス情報と、前記記憶部に記憶される前記二次創作データにアクセスすることが可能な第2アクセス情報とが含まれており、
前記通信部は、
前記端末装置から前記第1アクセス情報へのアクセスが要求された場合には、前記記憶部に記憶される前記オリジナルデータを前記端末装置に送信し、
前記端末装置から前記第2アクセス情報へのアクセスが要求された場合には、前記記憶部に記憶される前記二次創作データを前記端末装置に送信する
情報処理システム。
【請求項9】
コンピュータを、
オリジナルデータから二次創作された二次創作データに対応する代替不可能なトークンを分散型台帳上で発行するトークン管理部と、
端末装置と通信を行う通信部と、として機能させ、
前記二次創作データに対応するトークンには、記憶部に記憶される前記オリジナルデータにアクセスすることが可能な第1アクセス情報と、記憶部に記憶される前記二次創作データにアクセスすることが可能な第2アクセス情報とが含まれており、
前記通信部は、
前記端末装置から前記第1アクセス情報へのアクセスが要求された場合には、前記記憶部に記憶される前記オリジナルデータを前記端末装置に送信し、
前記端末装置から前記第2アクセス情報へのアクセスが要求された場合には、前記記憶部に記憶される前記二次創作データを前記端末装置に送信する
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記の特許文献1に記載のシステムがある。このシステムは、電子書籍をユーザに提供するためのシステムである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子書籍等の電子コンテンツに関しては、例えば海外展開を考慮した場合、翻訳等の二次創作が行われたもの、いわゆる二次創作品の普及が拡大することが望ましい。一方、近年では、電子コンテンツの二次創作に関して原作者の許可なく改変が行われて、例えば海賊版という形で市場に流通することが問題視されている。そのため、電子コンテンツの普及に関しては、なお改善の余地を残すものとなっている。
【0005】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より適切に電子コンテンツを普及させることが可能な情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する情報処理装置は、電子コンテンツのオリジナルデータ、及びオリジナルデータから二次創作された二次創作データが記憶される記憶部と、二次創作データに対応する代替不可能なトークンを分散型台帳上で発行するトークン管理部と、端末装置と通信を行う通信部と、を備える。二次創作データに対応するトークンには、記憶部に記憶されるオリジナルデータにアクセスすることが可能な第1アクセス情報と、記憶部に記憶される二次創作データにアクセスすることが可能な第2アクセス情報とが含まれている。通信部は、端末装置から第1アクセス情報へのアクセスが要求された場合には、記憶部に記憶されるオリジナルデータを端末装置に送信し、端末装置から第2アクセス情報へのアクセスが要求された場合には、記憶部に記憶される二次創作データを端末装置に送信する。
【0007】
上記課題を解決する情報処理システムは、電子コンテンツのオリジナルデータ、及びオリジナルデータから二次創作された二次創作データが記憶される記憶部と、二次創作データに対応する代替不可能なトークンを分散型台帳上で発行するトークン管理部と、端末装置と通信を行う通信部と、を備える。二次創作データに対応するトークンには、記憶部に記憶されるオリジナルデータにアクセスすることが可能な第1アクセス情報と、記憶部に記憶される二次創作データにアクセスすることが可能な第2アクセス情報とが含まれている。通信部は、端末装置から第1アクセス情報へのアクセスが要求された場合には、記憶部に記憶されるオリジナルデータを端末装置に送信し、端末装置から第2アクセス情報へのアクセスが要求された場合には、記憶部に記憶される二次創作データを端末装置に送信する。
【0008】
上記課題を解決する情報処理プログラムは、コンピュータを、オリジナルデータから二次創作された二次創作データに対応する代替不可能なトークンを分散型台帳上で発行するトークン管理部と、端末装置と通信を行う通信部と、として機能させる。二次創作データに対応するトークンには、記憶部に記憶されるオリジナルデータにアクセスすることが可能な第1アクセス情報と、記憶部に記憶される二次創作データにアクセスすることが可能な第2アクセス情報とが含まれている。通信部は、端末装置から第1アクセス情報へのアクセスが要求された場合には、記憶部に記憶されるオリジナルデータを端末装置に送信し、端末装置から第2アクセス情報へのアクセスが要求された場合には、記憶部に記憶される二次創作データを端末装置に送信する。
【0009】
これらの構成によれば、電子コンテンツのオリジナルデータ及び二次創作データを記憶部で管理することができるため、それらの意図しない改変を未然に防止することができる。また、二次創作データに対応するトークンを分散型台帳上で発行し、且つそのトークンに第1アクセス情報及び第2アクセス情報を含めることとすれば、それらの第1アクセス情報及び第2アクセス情報を利用することで、オリジナルデータ及び二次創作データのそれぞれに対応した電子コンテンツを容易に端末装置が取得できるようになる。結果的に、より容易に電子コンテンツを普及させることができる。さらに、二次創作データに対応するトークンはブロックチェーン上で代替不可能なトークンとして管理されているため、意図しない改変が行われた海賊版の電子コンテンツと、正規のオリジナルデータ及び二次創作データに対応した電子コンテンツとを判別し易くなる。そのため、海賊版の電子コンテンツを市場から排除し易くなるため、より適切に電子コンテンツを普及させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラムによれば、より適切に電子コンテンツを普及させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態の情報処理システムの概略構成を示すブロック図。
【
図2】実施形態の端末装置及び管理サーバ装置のハードウェア的な構成を示すブロック図。
【
図3】実施形態の管理サーバ装置の機能的な構成を示すブロック図。
【
図4】実施形態の情報処理システムにおける電子書籍の流通態様を模式的に示す図。
【
図5】(A),(B)は、実施形態のオリジナル書籍データのNFTに含まれる情報の一例を示す図。
【
図6】(A),(B)は、実施形態の二次創作書籍データ及びオリジナル書籍データのそれぞれのNFTに含まれる情報の一例を示す図。
【
図7】(A),(B)は、実施形態の電子書籍のオリジナルデータが購入された際の金銭の移動態様を模式的に示す図。
【
図8】実施形態の電子書籍の二次創作データが購入された際の金銭の移動態様を模式的に示す図。
【
図9】実施形態の端末装置の機能的な構成を示すブロック図。
【
図10】実施形態の情報処理システムの動作例を示すシーケンスチャート。
【
図11】実施形態の情報処理システムの動作例を示すシーケンスチャート。
【
図12】(A),(B)は、他の実施形態の電子書籍のオリジナルデータが購入された際の金銭の移動態様、及び電子書籍の二次創作データが購入された際の金銭の移動態様を模式的にそれぞれ示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラムの一実施形態について図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
<情報処理システムの概要>
図1に示される情報処理システム10は、原作者及び二次創作者により作成された電子コンテンツの管理及び販売等を行うためのシステムである。電子コンテンツには、電子書籍、楽曲データ、静止画像データ、及び動画像データ等が含まれる。以下では、電子コンテンツが電子書籍である場合について説明する。電子書籍には、電子データ化された漫画や小説等が含まれる。
図1に示されるように、情報処理システム10は、端末装置20,30,40と、分散型台帳システム50と、管理サーバ装置60とを備えている。端末装置20,30、分散型台帳システム50、及び管理サーバ装置60はネットワーク回線Nを介して互いに通信可能に接続されている。
【0013】
端末装置20,30,40は例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末である。
端末装置20は電子書籍のオリジナルデータの発行者により所有される。電子書籍のオリジナルデータの発行者は例えば電子書籍の原作者や出版社である。以下では、電子書籍のオリジナルデータを「オリジナル書籍データ」と称する。本実施形態では、オリジナル書籍データが電子コンテンツのオリジナルデータに相当する。発行者は、端末装置20にインストールされている電子書籍アプリケーションを利用することにより、オリジナル書籍データを管理サーバ装置60に登録することができる。電子書籍アプリケーションは、管理サーバ装置60により提供される電子書籍サービスを利用するための専用のアプリケーションである。
【0014】
端末装置30はオリジナル書籍データの購入者により所有される。以下では、オリジナル書籍データの購入者を「一次購入者」と称する。一次購入者は、端末装置30にインストールされている電子書籍アプリケーションを利用することにより、発行者により販売されているオリジナル書籍データを購入することができる。これにより、一次購入者は、電子書籍アプリケーションにおいてオリジナル書籍データの閲覧及び他者への貸し出しを行うことが可能となる。
【0015】
また、一次購入者はオリジナル原稿データから電子書籍の二次創作を行うことが可能である。二次創作により作成される電子書籍とは、例えばオリジナル書籍データが所定の言語で記載されている場合、その言語とは別の言語で翻訳した電子書籍である。以下では、二次創作により作成される電子書籍の二次創作データを「二次創作書籍データ」と称する。一次購入者は、作成した二次創作書籍データを、端末装置30にインストールされている電子書籍アプリケーションを利用することにより管理サーバ装置60に登録することができる。二次創作書籍データがオリジナル書籍データの発行者により承認されることで、一次購入者は電子書籍アプリケーションにおいて二次創作書籍データの貸し出しを行うことが可能となる。
【0016】
端末装置40は、一次購入者により貸し出されているオリジナル書籍データ及び二次創作データの少なくとも一方の購入者により所有される。以下では、一次購入者により貸し出されているオリジナル書籍データ及び二次創作データの少なくとも一方の購入者を「二次購入者」と称する。二次購入者は、端末装置30にインストールされている電子書籍アプリケーションを利用することにより、一次購入者により貸し出されているオリジナル書籍データ及び二次創作書籍データの少なくとも一方を借りることができる。これにより、二次購入者は、オリジナル書籍データ及び二次創作書籍データの少なくとも一方を閲覧することができる。
【0017】
分散型台帳システム50は複数のノード51を有している。各ノード51は分散型台帳510を有している。分散型台帳システム50は、管理サーバ装置60からの要求に基づいて、オリジナル書籍データ及び二次創作書籍データのそれぞれに対応した代替不可能なトークン、いわゆるNFT(Non Fungible Token)を発行すると共に、発行したNFTを公知の分散型台帳技術を用いて各ノード51の分散型台帳510に格納する。
【0018】
管理サーバ装置60は、電子書籍アプリケーションを介して電子書籍サービスを提供する装置である。例えば、管理サーバ装置60は、発行者により登録されるオリジナル書籍データ、及び一次購入者により登録される二次創作書籍データを管理する。また、管理サーバ装置60は、電子書籍アプリケーションを介してオリジナル書籍データ及び二次創作書籍データの購入や貸し出し等が可能な電子書籍サービスを提供する。本実施形態では、管理サーバ装置60が情報処理装置に相当する。
【0019】
なお、以下では、一次購入者及び二次購入者をまとめて「購入者」とも称する。また、発行者、一次購入者、及び二次購入者をまとめて「ユーザ」とも称する。
<端末装置及び管理サーバ装置のハードウェア的な構成>
図2に示されるように、端末装置20,30,40及び管理サーバ装置60は、ハードウェア的な構成として、プロセッサ11、記憶装置12、通信装置13、入力装置14、及び出力装置15等を有している。プロセッサ11はCPU(Central Processing Unit)やGPU(GraphicalProcessing Unit)等である。記憶装置12は、例えばメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、及びSSD(Solid State Drive)の少なくとも一つにより構成される。通信装置13は有線通信又は無線通信を行う。入力装置14は、ユーザの入力操作を受け付ける装置であり、例えばキーボード、タッチパネル、マウス、マイクの少なくとも一つにより構成される。出力装置15は、情報の出力を行う装置であり、例えばディスプレイ、タッチパネル、及びスピーカの少なくとも一つにより構成される。
【0020】
<管理サーバ装置の構成>
図3に示されるように、管理サーバ装置60は、その機能的な構成として、記憶部61と、通信部62と、制御部63とを備えている。
記憶部61には、各種プログラムの他、ユーザデータベース610及び原稿データベース611等の各種データを記憶する機能を有している。記憶部61は、例えば
図2に示される記憶装置12により実現可能である。
【0021】
ユーザデータベース610には、電子書籍アプリケーションを利用するユーザごとにアカウント情報、電子書籍の購入履歴、ウォレット情報、権限情報、及びユーザ設定情報等が記憶されている。アカウント情報には、電子書籍サービスを利用する際に用いられるユーザの識別番号やパスワード等が含まれている。ウォレット情報には、ユーザが登録した銀行口座情報やクレジットカード情報等が含まれている。権限情報は、電子書籍アプリケーション上の操作に関する権限が付与されているか否かを示す情報である。電子書籍アプリケーション上で付与される権限には、例えばオリジナル書籍データの閲覧権限、及び貸し出し権限、並びに二次創作書籍データの創作権限、閲覧権限、及び貸し出し権限が含まれている。ユーザ設定情報には、ユーザが設定した価格情報等が含まれている。例えば、発行者のユーザ設定情報には、発行者により設定されたオリジナル書籍データの販売価格及び二次流通時の印税価格等の情報が含まれている。また、一次購入者のユーザ設定情報には、一次購入者により設定されたオリジナル書籍データの貸し出し価格、及び二次創作データの貸し出し価格等の情報が含まれている。
【0022】
原稿データベース611には、オリジナル書籍データと、オリジナル書籍データから作成された二次創作書籍データとが対応付けられて記憶されている。また、オリジナル書籍データ及び二次創作書籍データには、それらのデータへのインターネット上でのアクセスを可能とするURL情報が個別に割り当てられている。原稿データベース611では、オリジナル書籍データに対して、オリジナル書籍データを作成した発行者の識別番号、及びURL情報等が対応付けられて記憶されている。また、原稿データベース611では、二次創作書籍データに対して、二次創作書籍データを作成した創作者の識別番号、及びURL情報等が対応付けられて記憶されている。本実施形態では、オリジナル書籍データに対応するURL情報が第1アクセス情報に相当し、二次創作書籍データに対応するURL情報が第2アクセス情報に相当する。
【0023】
通信部62は、ネットワーク回線Nを介して端末装置20,30,40及び分散型台帳システム50と各種通信を行う機能を有するものである。通信部62は、例えば記憶部61に記憶されているプログラムを
図2に示されるプロセッサ11が実行して通信装置13を制御することにより実現可能である。
【0024】
制御部63は、管理サーバ装置60を統括的に制御する機能を有するものである。制御部63は、例えば記憶部61に記憶されるプログラムを
図2に示されるプロセッサ11が実行することにより実現可能である。制御部63は、その機能的な構成として、データ登録部630と、権限設定部631と、閲覧データ送信部632と、二次創作承認要求部633と、トークン管理部634と、取引処理部635とを備えている。
【0025】
(データ登録部)
データ登録部630は、端末装置20から電子書籍アプリケーション上でオリジナル書籍データの登録が要求されると、そのオリジナル書籍データを原稿データベース611に登録する。具体的には、管理サーバ装置60には、端末装置20からオリジナル書籍データと共に発行者の識別番号が送信される。データ登録部630は、通信部62を介してオリジナル書籍データ及び発行者の識別番号を受信すると、当該オリジナル書籍データにアクセス可能な専用のURL情報を作成するとともに、作成したURL情報、オリジナル書籍データ、及び発行者の識別番号を関連付けて原稿データベース611に登録する。
【0026】
また、データ登録部630は、端末装置30から電子書籍アプリケーション上で二次創作書籍データの登録が要求されると、その二次創作書籍データを原稿データベース611に登録する。具体的には、管理サーバ装置60には、端末装置20から二次創作書籍データと共に一次購入者の識別番号が管理サーバ装置60に送信される。データ登録部630は、通信部62を介して二次創作書籍データ及び一次購入者の識別番号を受信すると、当該二次創作書籍データにアクセス可能な専用のURL情報を作成するとともに、作成したURL情報、二次創作書籍データ、及び一次購入者の識別番号を関連づけて原稿データベース611に登録する。
【0027】
(権限設定部)
権限設定部631は、電子書籍の購入者に対して電子書籍アプリケーション上の権限の設定を行う。
例えば、権限設定部631は、オリジナル書籍データを一次購入者が購入した場合、その一次購入者に対してオリジナル書籍データの閲覧権限及び貸し出し権限、並びに二次創作書籍データの創作権限及び閲覧権限等を付与する。権限が付与されることにより、それに対応した操作をユーザが電子書籍アプリケーション上で実行することが可能となる。
【0028】
また、権限設定部631は、一次購入者が作成した二次創作書籍データに対して発行者の承認が得られた場合には、一次購入者に対して二次創作書籍データの貸し出し権限を更に付与する。これにより、一次購入者は二次創作書籍データを他者に貸し出すことが可能となる。なお、一次購入者が作成した二次創作書籍データに対して発行者の承認が得られなかった場合、一次購入者は二次創作書籍データを他者に貸し出すことはできない。
【0029】
一方、権限設定部631は、一次購入者により貸し出されているオリジナル書籍データを二次購入者が購入した場合、その二次購入者に対してオリジナル書籍データの閲覧権限を付与する。また、権限設定部631は、一次購入者により貸し出されている二次創作書籍データを二次購入者が購入した場合、その二次購入者に対して二次創作書籍データの閲覧権限を付与する。したがって、二次購入者は、オリジナル書籍データ及び二次創作書籍データの少なくとも一方の閲覧のみが可能である。
【0030】
なお、権限設定部631により設定された権限情報は、アカウント情報等と共にユーザごとにユーザデータベース610に記憶される。ユーザデータベース610に記憶されている権限情報は、各端末装置30,40において電子書籍アプリケーションを起動する際に管理サーバ装置60から各端末装置30,40に送信されて用いられる。例えば、一次購入者の端末装置20において電子書籍アプリケーションが起動された場合、一次購入者に対応した権限情報が端末装置20に送信される。これにより、端末装置20では、その権限情報に応じた操作、具体的にはオリジナル書籍データの閲覧、オリジナル書籍データの貸し出し、及び二次創作書籍データの創作等の操作が電子書籍アプリケーション上で可能となる。
【0031】
なお、本実施形態では、オリジナル書籍データの閲覧、貸し出し、及び販売、並びに二次創作書籍データの創作、閲覧、及び貸し出し等、オリジナル書籍データ及び二次創作書籍データに関連する各種操作は専用の電子書籍アプリケーション上でのみ可能となっている。
【0032】
(閲覧データ送信部)
閲覧データ送信部632は、一次購入者の端末装置30から電子書籍アプリケーション上でオリジナル書籍データのURL情報に対するアクセスが行われた場合、そのURL情報に対応したオリジナル書籍データを端末装置30に通信部62を介して送信する。これにより、一次購入者は、端末装置30においてオリジナル書籍データを閲覧することが可能となる。また、閲覧データ送信部632は、二次購入者の端末装置40から電子書籍アプリケーション上でオリジナル書籍データのURL情報に対するアクセスが行われた場合にも同様に動作する。
【0033】
さらに、閲覧データ送信部632は、二次購入者の端末装置40から電子書籍アプリケーション上で電子書籍の二次創作のURL情報に対するアクセスが行われた場合、そのURL情報に対応した二次創作書籍データを端末装置40に通信部62を介して送信する。これにより、二次購入者は、端末装置30においてオリジナル書籍データを閲覧することが可能となる。
【0034】
(二次創作承認要求部)
二次創作承認要求部633は、一次購入者が二次創作書籍データを作成した場合に、その二次創作書籍データの承認処理を発行者に要求する。例えば、二次創作承認要求部633は、データ登録部630に二次創作書籍データが登録されると、その二次創作書籍データの承認処理を発行者の端末装置20に対して要求する。これにより、端末装置20では、二次創作書籍データを承認するか否かを発行者が選択可能となる。発行者は、承認が要求されている二次創作書籍データを端末装置20において閲覧しつつ、それを承認するか否かを判断することが可能である。
【0035】
発行者が端末装置20において二次創作書籍データを承認する操作を行った場合、二次創作承認要求部633は、データ登録部630に登録されている二次創作書籍データを電子書籍アプリケーション上で公開する。これにより、二次購入者は電子書籍アプリケーションを介して二次創作書籍データを購入することが可能となる。
【0036】
一方、発行者が二次創作書籍データを承認する操作を行わなかった場合、すなわち発行者が二次創作書籍データの承認を拒否した場合、二次創作承認要求部633は、データ登録部630に登録されている二次創作書籍データを電子書籍アプリケーション上で公開しない。この場合には電子書籍アプリケーションを介して二次創作書籍データを購入することは不可能であり、二次創作書籍データが市場に流通することはない。
【0037】
(トークン管理部)
トークン管理部634は、オリジナル書籍データ及び二次創作書籍データが購入される都度、それに対応したNFTの発行を分散型台帳システム50に要求する。
【0038】
例えば
図4に示されるように発行者であるユーザA10がオリジナル書籍データを作成し、そのオリジナル書籍データを、一次購入者であるユーザA11が購入した場合、トークン管理部634は、そのオリジナル書籍データに対応したNFT110の発行を分散型台帳システム50に要求する。
図5(A)に示されるように、このNFT110には、トークンIDと共に、NFTの発行者、NFTの所有者、オリジナル書籍データに対応したメタデータ、及び取引データ等が含まれている。トークンIDはNFT固有の識別番号である。NFTの発行者は管理サーバ装置60の管理会社等である。NFTの所有者はユーザA11である。メタデータには、作品名、オリジナル書籍データの作成者、オリジナル書籍データの販売価格、二次流通時の印税価格、及びオリジナル書籍データのURL情報等が含まれている。販売価格及び二次流通時の印税価格は、電子書籍の原作者や出版社により端末装置20を通じて設定される。取引データは、オリジナル書籍データの取引履歴に関する情報である。取引データには、現在までに行われたオリジナル書籍データの譲渡や売却等の取り引きに関する情報、例えば取り引きの際の移譲元と移譲先とが対応付けられて記憶されている。
【0039】
図4に示されるようにユーザA11とは別のユーザA12がオリジナル書籍データを購入した場合、トークン管理部634は、そのオリジナル書籍データとは別のNFT111の発行を分散型台帳システム50に要求する。このNFT111は、
図5(B)に示されるように、NFT110とは異なるトークンIDが設定され、且つNFTの所有者がユーザA12に設定されている点を除き、NFT110と同様の情報を有している。
【0040】
一方、
図4に示されるようにユーザA11がオリジナル書籍データから二次創作書籍データを作成した後、その二次創作書籍データを、二次購入者であるユーザB11が購入した場合、トークン管理部634は、その二次創作書籍データに対応したNFT120の発行を分散型台帳システム50に要求する。
図6(A)に示されるように、このNFT120には、オリジナル書籍データのNFT110と同様に、トークンIDと共に、NFTの発行者、NFTの所有者、二次創作書籍データに対応したメタデータ、及び取引データ等が含まれている。この場合、NFTの所有者はユーザB11である。メタデータには、作品名、オリジナル書籍データの作成者、二次創作書籍データの作成者、オリジナル書籍データの貸し出し価格、二次創作書籍データの貸し出し価格、二次流通時の印税価格、オリジナル書籍データのURL情報、二次創作書籍データのURL情報等が含まれている。オリジナル書籍データの貸し出し価格及び二次創作書籍データの貸し出し価格はユーザB11により端末装置30を通じて設定される。
【0041】
また、
図4に示されるように、ユーザB11とは別のユーザB12がオリジナル書籍データをユーザA12から購入した場合、トークン管理部634は、そのオリジナル書籍データに対応したNFT121の発行を分散型台帳システム50に要求する。このNFT121は、
図6(B)に示されるように、基本的には、
図5(A),(B)に示されるNFT110,111と同様の情報を有している。
【0042】
(取引処理部)
図3に示される取引処理部635は、電子書籍アプリケーション上でオリジナル書籍データ又は二次創作書籍データが購入された場合、その取引に関する入出金処理を実行する。
【0043】
具体的には、一次購入者が端末装置30を操作してオリジナル書籍データを購入した場合、取引処理部635は、一次購入者及び発行者のそれぞれのウォレット情報に基づいて、一次購入者から発行者への金銭の支払い処理を実行する。例えば、
図4に示されるように、一次購入者であるユーザA11がオリジナル書籍データを購入した場合、取引処理部635は、発行者により設定されたオリジナル書籍データの販売価格の情報をユーザデータベース610から取得するとともに、取得した販売価格に応じた金額をユーザA11のウォレットから出金する。例えばオリジナル書籍データの販売価格が500円に設定されている場合、取引処理部635はユーザA11のウォレットから500円を出金する。そして、取引処理部635は、
図7(A)に示されるように、販売価格に、支払い料率Pを乗算した金額「500円×P」を、電子書籍サービスを提供する管理会社のウォレットに入金する。なお、支払い料率Pは百分率であって、例えば50%に設定されている。支払い料率は管理会社により予め設定されている。また、取引処理部635は、販売価格に「100-P」を乗算した金額「500円×(100-P)」を発行者のウォレットに入金する。
【0044】
一次購入者が貸し出しているオリジナル書籍データを二次購入者が購入した場合、取引処理部635は、発行者、一次購入者、及び二次購入者のそれぞれのウォレット情報に基づいて、二次購入者から一次購入者及び発行者への金銭の支払い処理を実行する。例えば、
図4に示されるように、二次購入者であるユーザB12が、一次購入者であるユーザA12により貸し出されているオリジナル書籍データを購入した場合、取引処理部635は、一次購入者により設定されたオリジナル書籍データの貸し出し価格の情報をユーザデータベース610から取得するとともに、取得した貸し出し価格の情報に応じた金額をユーザB12のウォレットから出金する。例えばオリジナル書籍データの貸し出し価格が300円に設定されている場合、取引処理部635は、ユーザB12のウォレットから300円を出金する。そして、取引処理部635は、
図7(B)に示されるように、貸し出し価格から二次流通時の印税価格を減算することで算出される差額50円(=300円-250円)をユーザA12のウォレットに入金する。また、取引処理部635は、二次流通時の印税価格である250円を発行者のウォレットに入金する。
【0045】
一方、一次購入者が貸し出している二次創作書籍データを二次購入者が購入した場合、取引処理部635は、発行者、一次購入者、及び二次購入者のそれぞれのウォレット情報に基づいて、二次購入者から一次購入者及び発行者への金銭の支払い処理を実行する。例えば、
図4に示されるように、二次購入者であるユーザB11が、一次購入者であるユーザA11により貸し出されている二次創作書籍データを購入した場合、取引処理部635は、一次購入者により設定された二次創作書籍データの貸し出し価格の情報をユーザデータベース610から取得するとともに、取得した貸し出し価格の情報に応じた金額をユーザB11のウォレットから出金する。例えばオリジナル書籍データの貸し出し価格が800円に設定されている場合、取引処理部635は、ユーザB11のウォレットから800円を出金する。そして、取引処理部635は、
図8に示されるように、貸し出し価格から二次流通時の印税価格を減算することで算出される差額550円(=800円-250円)をユーザA11のウォレットに入金する。また、取引処理部635は、二次流通時の印税価格である250円を発行者のウォレットに入金する。
【0046】
<分散型台帳システムの構成>
図1に示される分散型台帳システム50は、いわゆるブロックチェーンの技術に基づいてオリジナル書籍データ及び二次創作書籍データのそれぞれのNFTを管理するシステムである。分散型台帳システム50は、管理サーバ装置60からの要求に基づいて、具体的にはオリジナル書籍データ及び二次創作書籍データのそれぞれのNFTの発行要求に基づいてNFTを分散型台帳510に登録する。また、分散型台帳システム50は、オリジナル書籍データ及び二次創作書籍データのそれぞれに関して譲渡等の取り引きが行われた場合には、その取引データを分散型台帳510に登録する。具体的には、分散型台帳510には、ハッシュ値及びトランザクションのリストを含む複数のブロックが記憶されている。トランザクションは、NFTに対応付けられた書籍データの取り引きに関する情報である。ハッシュ値は、一つ前のトランザクションの一部からハッシュ関数に基づいて算出される。分散型台帳510では、各ブロックがハッシュ値によりチェーンのように繋がった状態で取引履歴が記憶されている。
【0047】
<発行者の端末装置の構成>
図9に示されるように、発行者の端末装置20は、その機能的な構成として、表示部21と、記憶部22と、通信部23と、入力部24と、制御部25とを備えている。
【0048】
表示部21は、各種画面を表示する機能を有するものである。表示部21は、例えば電子書籍アプリケーションの操作画面を表示する。表示部21は、例えば
図2に示される出力装置15により実現可能である。
記憶部22には、端末装置20の各種情報を記憶する機能を有するものである。記憶部22には、各種プログラム等が記憶されるとともに、電子書籍アプリケーションがインストールされている。また、記憶部22には、電子書籍アプリケーションを利用する際に用いられる発行者のアカウント情報が記憶されている。さらに、記憶部22にはオリジナル書籍データが記憶されている。記憶部22は、例えば
図2に示される記憶装置12により実現可能である。
【0049】
通信部23はネットワーク回線Nを介して管理サーバ装置60と各種通信を行う機能を有するものである。通信部23は、例えば記憶部22に記憶されているプログラムを
図2に示されるプロセッサ11が実行して通信装置13を制御することにより実現可能である。
入力部24は、ユーザの操作を受け付ける機能を有するものである。入力部24は、例えば
図2に示される入力装置14により実現可能である。
【0050】
制御部25は、端末装置20を統括的に制御する機能を有するものである。制御部25は、例えば記憶部22に記憶されるプログラムを
図2に示されるプロセッサ11が実行することにより実現可能である。制御部25は、その機能的な構成として、アプリケーション実行部250と、表示制御部251とを備えている。
【0051】
(アプリケーション実行部)
アプリケーション実行部250は、入力部24に対するユーザの操作に基づいて、記憶部22に記憶されている電子書籍アプリケーションを実行する。アプリケーション実行部250は、電子書籍アプリケーションを実行すると、通信部23を介して管理サーバ装置60と各種情報を授受することにより、当該アプリケーション上で電子書籍サービスに関連する各種操作を可能とする。
【0052】
例えば、アプリケーション実行部250は、入力部24に対する発行者の操作に基づいて電子書籍アプリケーションを起動すると、記憶部22に記憶されているアカウント情報を管理サーバ装置60に送信する。これによりアカウント情報に基づいた認証が管理サーバ装置60により実行される。当該認証が成立すると、発行者は、電子書籍アプリケーションを介して、管理サーバ装置60が提供する電子書籍サービスを利用することが可能となる。電子書籍サービスでは、オリジナル書籍データの登録、オリジナル書籍データの販売価格の設定、電子書籍の二次流通時の印税価格の設定、及び二次創作データの承認等の操作が可能である。
【0053】
(表示制御部)
表示制御部251は表示部21の表示出力を制御する。例えば、表示制御部251は、アプリケーション実行部250により実行される電子書籍アプリケーションの操作画面を表示部21に表示する。
【0054】
<一次購入者の端末装置の構成>
一次購入者の端末装置30は、基本的には、
図9に示される端末装置20と同様の構成を有しているため、以下では端末装置20との相違点を中心に説明する。
【0055】
記憶部22には、発行者のアカウント情報に代えて、一次購入者のアカウント情報が記憶されている。
一次購入者は、アプリケーション実行部250により実行される電子書籍アプリケーションを介して、管理サーバ装置60が提供する電子書籍サービスを利用することが可能である。電子書籍サービスでは、オリジナル書籍データの購入、二次創作書籍データの登録、及び二次創作書籍データの販売価格の設定等の操作が可能である。
【0056】
表示制御部251は電子書籍アプリケーションの操作画面を表示部21に表示する。表示制御部251は、電子書籍アプリケーションを起動する際、管理サーバ装置60のユーザデータベース610に登録されている一次購入者の権限情報を取得するとともに、取得した権限情報に基づいて各種操作の許可及び禁止を切り換える。例えば、表示制御部251は、取得した権限情報において、オリジナル書籍データの閲覧権限が付与されている場合、それが可能な閲覧画面を表示する。この閲覧画面には、例えばオリジナル書籍データを閲覧する際に操作するためのアイコンが表示される。表示制御部251は、このアイコンが一次購入者により操作された場合、オリジナル書籍データを表示する。
【0057】
具体的には、通信部23は、オリジナル書籍データに対応するアイコンが操作された場合、オリジナル書籍データのNFTに含まれるメタデータの情報を分散型台帳システム50から通信部23を介して取得する。例えば、一次購入者が、
図4に示されるユーザA11である場合、通信部23はオリジナル書籍データのNFT110、すなわち
図5(A)に示されるNFT110に含まれるメタデータの情報を分散型台帳システム50から取得する。そして、通信部23は、このメタデータからオリジナル書籍データのURL情報を取得するとともに、取得したURL情報にアクセスすることにより管理サーバ装置60からオリジナル書籍データを取得する。表示制御部251は、通信部23により取得されたオリジナル書籍データを表示部21に表示する。
【0058】
<二次購入者の端末装置の構成>
二次購入者の端末装置40は、基本的には、
図9に示される端末装置20と同様の構成を有しているため、以下では端末装置20との相違点を中心に説明する。
【0059】
記憶部22には、発行者のアカウント情報に代えて、二次購入者のアカウント情報が記憶されている。
表示制御部251は電子書籍アプリケーションの操作画面を表示部21に表示する。表示制御部251は、電子書籍アプリケーションを起動する際、管理サーバ装置60のユーザデータベース610に登録されている二次購入者の権限情報を取得するとともに、取得した権限情報に基づいて各種操作の許可及び禁止を切り換える。例えば、表示制御部251は、取得した権限情報において、オリジナル書籍データ及び二次創作書籍データの閲覧権限が付与されている場合、それが可能な閲覧画面を表示する。この閲覧画面には、例えばオリジナル書籍データを閲覧する際に操作するための第1アイコン、及び二次創作書籍データを閲覧する際に操作するための第2アイコンが表示される。表示制御部251は、第1アイコンが二次購入者により操作された場合にはオリジナル書籍データを表示し、第2アイコンが二次購入者により操作された場合には二次創作書籍データを表示する。
【0060】
具体的には、通信部23は、第1アイコン又は第2アイコンが操作された場合、二次創作書籍データのNFTに含まれるメタデータの情報を分散型台帳システム50から通信部23を介して取得する。例えば、二次購入者が、
図4に示されるユーザB11である場合、通信部23は、ユーザB11が購入した二次創作書籍データのNFT120、すなわち
図6(A)に示されるNFT120に含まれるメタデータの情報を分散型台帳システム50から取得する。そして、通信部23は、第1アイコンが操作された場合、メタデータからオリジナル書籍データのURL情報を取得するとともに、取得したURL情報にアクセスすることにより、管理サーバ装置60からオリジナル書籍データを取得する。また、通信部23は、第2アイコンが操作された場合、メタデータから二次創作書籍データのURL情報を取得するとともに、取得したURL情報にアクセスすることにより、管理サーバ装置60から二次創作書籍データを取得する。表示制御部251は、通信部23により取得されたオリジナル書籍データ又は二次創作書籍データを表示部21に表示する。
【0061】
なお、表示制御部251は、取得した権限情報において、権限が付与されていない操作に関しては、それに対応するアイコンを表示しない。例えば二次購入者には二次創作書籍データの創作権限が付与されていないため、表示制御部251は、二次創作書籍データの創作が可能な画面を表示部21に表示しない。結果的に、二次購入者は二次創作書籍データを作成することはできない。
【0062】
また、
図4に示される二次購入者であるユーザB12には、オリジナル書籍データの閲覧権限のみが付与されている。したがって、ユーザB12の端末装置40には、オリジナル書籍データを閲覧する際に操作するための第1アイコンのみが表示され、二次創作書籍データを閲覧する際に操作するための第2アイコンは表示されない。
【0063】
<情報処理システムの動作例>
次に、
図10及び
図11を参照して、本実施形態の情報処理システム10の動作例について説明する。
図10に示されるように、発行者が端末装置20を操作してオリジナル書籍データの登録を管理サーバ装置60に対して要求したとする(ステップS10)。この登録要求には、発行者により設定されるオリジナル書籍データの販売価格、及び二次流通時の印税価格等の情報が含まれている。管理サーバ装置60のデータ登録部630は、端末装置20から送信される登録要求を受信すると(ステップS20)、オリジナル書籍データに対応したURL情報を作成するとともに(ステップS21)、そのURL情報と関連付けてオリジナル書籍データを原稿データベース611に登録する(ステップS22)。
【0064】
その後、一次購入者が端末装置30においてオリジナル書籍データを購入する操作を行うと(ステップS40)、その操作が行われた旨が端末装置30から管理サーバ装置60に送信される。管理サーバ装置60の取引処理部635は、オリジナル書籍データの購入が行われた旨を受信すると(ステップS23)、その取引処理を実行する(ステップS24)。また、管理サーバ装置60のトークン管理部634は、購入されたオリジナル書籍データに対応したNFTの発行を分散型台帳システム50に要求する(ステップS25)。このNFTには、オリジナル書籍データの販売価格及び二次流通時の印税価格、並びにオリジナル書籍データに対応したURL情報等がメタデータとして含まれている。分散型台帳システム50は、管理サーバ装置60からの要求を受信すると(ステップS30)、オリジナル書籍データに対応したNFTを分散型台帳510に登録する(ステップS31)。続いて、管理サーバ装置60の権限設定部631は、オリジナル書籍データの閲覧権限、オリジナル書籍データの貸し出し権限、及び二次創作書籍データの創作権限等を一次購入者に付与する(ステップS26)。これ以降、一次購入者は、それらの権限に対応した操作を電子書籍アプリケーション上で実行することが可能となる。
【0065】
その後、一次購入者が端末装置30においてオリジナル書籍データを閲覧するための操作を行うと、端末装置30の通信部23は、オリジナル書籍データのNFTを分散型台帳システム50から取得するとともに(ステップS41)、取得したNFTに含まれるURL情報に基づいてオリジナル書籍データの閲覧を管理サーバ装置60に対して要求する(ステップS42)。この要求が管理サーバ装置60の通信部62により受信されると(ステップS27)、通信部62は、URL情報に対応したオリジナル書籍データを原稿データベース611から読み込むとともに、読み込んだオリジナル書籍データを端末装置30に送信する(ステップS28)。管理サーバ装置60から送信されるオリジナル書籍データを端末装置30の通信部23が受信すると(ステップS43)、そのオリジナル書籍データが端末装置30において表示可能となる。これにより、一次購入者がオリジナル書籍データを閲覧することが可能となる。
【0066】
一方、
図11に示されるように、一次購入者が電子書籍アプリケーション上で二次創作書籍データを作成した後、その登録を管理サーバ装置60に対して要求したとする(ステップS44)。この登録要求には、一次購入者により設定されるオリジナル書籍データの貸し出し価格、及び二次創作書籍データの貸し出し価格等の情報が含まれている。管理サーバ装置60のデータ登録部630は、端末装置30から送信される登録要求を受信すると(ステップS50)、二次創作書籍データに対応したURL情報を作成するとともに(ステップS51)、そのURL情報と関連付けて二次創作書籍データを原稿データベース611に登録する(ステップS52)。
【0067】
その後、二次購入者が端末装置40を操作して二次創作書籍データを購入したとすると(ステップS60)、その操作が行われた旨が端末装置40から管理サーバ装置60に送信される。管理サーバ装置60の取引処理部635は、二次創作書籍データの購入が行われた旨を受信すると(ステップS53)、その取引処理を実行する(ステップS54)。また、管理サーバ装置60のトークン管理部634は、購入された二次創作書籍データに対応したNFTの発行を分散型台帳システム50に要求する(ステップS55)。このNFTには、オリジナル書籍データの貸し出し価格、二次流通時の印税価格、及び二次創作書籍データの貸し出し価格、並びに二次創作書籍データのURL情報等がメタデータとして含まれている。分散型台帳システム50は、管理サーバ装置60からの要求を受信すると(ステップS32)、二次創作書籍データに対応したNFTを分散型台帳510に登録する(ステップS33)。続いて、管理サーバ装置60の権限設定部631は、オリジナル書籍データの閲覧権限及び二次創作データの閲覧権限等を二次購入者に付与する(ステップS56)。これ以降、二次購入者は、それらの権限に応じた操作を電子書籍アプリケーション上で実行することが可能となる。
【0068】
その後、二次購入者が端末装置40において二次創作書籍データを閲覧するための操作を行うと、端末装置40の通信部23は、二次創作書籍データのNFTを分散型台帳システム50から取得するとともに(ステップS61)、取得したNFTに含まれるURL情報に基づいて二次創作書籍データの閲覧を管理サーバ装置60に対して要求する(ステップS62)。この要求が管理サーバ装置60の通信部62により受信されると(ステップS57)、管理サーバ装置60の通信部62は、URL情報に対応した二次創作書籍データを原稿データベース611から読み込むとともに、読み込んだ二次創作書籍データを端末装置40に送信する(ステップS58)。管理サーバ装置60から送信される二次創作書籍データを端末装置40の通信部23が受信すると(ステップS63)、その二次創作書籍データを端末装置40において表示可能となる。これにより、二次購入者が二次創作書籍データを閲覧することが可能となる。
【0069】
<作用及び効果>
以上説明した本実施形態の情報処理システム10によれば、以下の作用及び効果を得ることができる。
【0070】
管理サーバ装置60は、記憶部61と、トークン管理部634と、通信部62とを備えている。記憶部61にはオリジナル書籍データ及び二次創作書籍データが記憶されている。トークン管理部634は、二次創作書籍データに対応するNFTを分散型台帳510上で発行する。通信部62は端末装置40と通信を行う。二次創作書籍データに対応するトークンには、記憶部61に記憶されるオリジナル書籍データにアクセスすることが可能なURL情報と、記憶部61に記憶される二次創作書籍データにアクセスすることが可能なURL情報とが含まれている。通信部62は、端末装置40から前者のURL情報へのアクセスが要求された場合には、記憶部61に記憶されるオリジナル書籍データを端末装置40に送信する。また、通信部62は、端末装置40から後者のURL情報へのアクセスが要求された場合には、記憶部61に記憶される二次創作書籍データを端末装置40に送信する。
この構成によれば、オリジナル書籍データ及び二次創作書籍データを記憶部61で管理することができるため、それらの意図しない改変を未然に防止することができる。また、二次創作書籍データに対応するNFTを分散型台帳510上で発行し、且つそのNFTにURL情報を含めることとすれば、そのURL情報を利用することで、オリジナル書籍データ及び二次創作書籍データを容易に端末装置40が取得できるようになる。結果的に、より容易に電子書籍を普及させることができる。さらに、二次創作書籍データに対応するトークンはNFTとして管理されているため、意図しない改変が行われた海賊版の電子書籍のデータと、正規のオリジナル書籍データ及び二次創作書籍データとを判別し易くなる。結果的に、海賊版の電子書籍を市場から排除し易くなるため、より適切に電子書籍を普及させることが可能となる。
【0071】
二次創作書籍データに対応するNFTには、二次創作書籍データの貸し出し価格の情報、及び二次流通時の印税価格の情報が含まれている。
この構成によれば、それらの価格情報を容易に確認することが可能となる。
【0072】
トークン管理部634は、二次創作書籍データに対応するNFTとは別に、オリジナル書籍データに対応するNFTを分散型台帳510上で更に発行する。オリジナル書籍データに対応するNFTには、オリジナル書籍データに対応するURL情報が含まれる一方、二次創作書籍データに対応するURL情報が含まれていない。
この構成によれば、オリジナル書籍データ及び二次創作書籍データを別々に管理することが可能となるため、それらの管理が容易になる。
【0073】
管理サーバ装置60は二次創作承認要求部633を更に備える。二次創作承認要求部633は、オリジナル書籍データの発行者に対して二次創作データを承認するか否かを選択する処理を要求する。
この構成によれば、例えば発行者が二次創作データを承認しなかった場合には、その二次創作データが市場に出回ることがないため、発行者の意図しない二次創作データの普及を未然に防止することができる。
【0074】
オリジナル書籍データに対応するNFTには、オリジナル書籍データの販売価格の情報及び二次流通時の印税価格の情報が含まれている。
この構成によれば、それらの価格情報を容易に確認することが可能となる。
【0075】
通信部62は、端末装置40から専用の電子書籍アプリケーションを介してオリジナル書籍データのURL情報へのアクセスが要求されることに基づいてオリジナル書籍データを端末装置40に送信する。また、通信部62は、端末装置40から専用の電子書籍アプリケーションを介して二次創作書籍データのURL情報へのアクセスが要求されることに基づいて二次創作書籍データを端末装置40に送信する。
この構成によれば、専用の電子書籍アプリケーションを介さずにオリジナル書籍データ及び二次創作書籍データを取得することは困難であるため、それらのデータの不正な取得を未然に防止することが可能となる。
【0076】
<他の実施形態>
なお、上記実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
例えばオリジナル書籍データを購入した一次購入者がオリジナル書籍データの所有権を他人に譲渡することが可能であってもよい。譲渡は有償及び無償のいずれであってもよい。なお、オリジナル書籍データの所有権の譲渡は専用の電子書籍アプリケーション上でのみ実行可能であってもよい。オリジナル書籍データの所有権の譲渡に関する情報は、そのNFTの取引データとして分散型台帳システム50で管理される。よって、オリジナル書籍データが購入される都度、NFTを発行した場合であっても、各オリジナル書籍データの所有者を適切に管理することが可能である。二次創作書籍データに関しても同様の構成を採用してもよい。
【0077】
図7(B)では、二次購入者であるユーザB12の支払い額を、一次購入者であるユーザA12及び発行者に分配する場合を例示したが、これに限らず、例えば管理会社に更に分配してもよい。例えば取引処理部635は、
図12(A)に示されるように、貸し出し価格から二次流通時の印税価格を減算することで算出される差額50円(=300円-250円)に支払い料率Qを乗算した金額「50円×Q」を管理会社のウォレットに入金する。なお、支払い料率Qは百分率であって、例えば50%に設定されている。また、取引処理部635は、差額50円に「100-Q」を乗算した金額「50円×(100-Q)」を発行者のウォレットに入金する。さらに、取引処理部635は、二次流通時の印税価格である250円を発行者のウォレットに入金する。なお、
図8に示される場合に関しても、例えば
図12(B)に示されるように、ユーザB11の支払い額を、一次購入者であるユーザA11、発行者、及び管理会社に分配してもよい。
【0078】
上記実施形態では、一次購入者がオリジナル書籍データ又は二次創作書籍データを二次購入者に貸し出す場合について例示したが、一次購入者はオリジナル書籍データ又は二次創作書籍データを二次購入者に販売してもよい。換言すれば、二次購入者が一次購入者のオリジナル書籍データ又は二次創作書籍データを購入可能であってもよい。この構成によれば、一次購入者からオリジナル書籍データ又は二次創作書籍データを購入した二次購入者が、それらのデータを更に別のユーザ、すなわち三次購入者に販売することが可能となる。このように、上記実施形態の情報処理システム10は、nを2以上の整数とするとき、n次購入者にも対応可能である。
【0079】
上記のようにオリジナル書籍データの一次購入者が二次創作した二次創作書籍データを二次購入者に販売するような場合、二次創作書籍データを創作したオリジナルデータの一次購入者が二次創作書籍データの発行者に相当し、その二次創作書籍データを購入した二次購入者が二次創作書籍データの一次購入者に相当することになる。このように、本実施形態の「一次購入者」は、オリジナル書籍データを基準とした場合、オリジナル書籍データの発行者からオリジナル書籍データを購入した者(オリジナルデータの一次購入者)となり、二次創作書籍データを基準とした場合、二次創作書籍データの創作者から二次創作書籍データを購入した者(二次創作書籍データの一次購入者)となる。また、本実施形態の「二次購入者」は、オリジナル書籍データを基準とした場合、オリジナルデータの一次購入者からオリジナル書籍データ又はその二次創作書籍データを借りる者又は購入する者となり、二次創作書籍データを基準とした場合、二次創作書籍データの一次購入者から二次創作書籍データを借りる者又は購入する者となる。
【0080】
上記のようにオリジナル書籍データの一次購入者が二次創作した二次創作書籍データを二次購入者に販売するような場合、二次購入者が、二次創作書籍データから新たな書籍データを二次創作可能、言わば三次創作書籍データを創作可能であってもよい。この場合、三次創作書籍データに関して、上記の二次創作書籍データと同様にNFT等の情報を設定すれば、実施形態の情報処理システム10において三次創作書籍データを管理することも可能である。本実施形態の「二次創作データ」には、オリジナルデータから直接的に二次創作された電子コンテンツだけでなく、オリジナルデータを利用して二次的に創作された全ての電子コンテンツ、換言すればオリジナルデータから派生して創作された全ての電子コンテンツが含まれる。
【0081】
実施形態の情報処理システム10において用いられる電子コンテンツは電子書籍に限らず、楽曲データ、静止画像データ、及び動画像データ等であってもよい。
なお、本開示は上記の具体例に限定されるものではない。上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素、及びその配置、条件、形状等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【符号の説明】
【0082】
10:情報処理システム、40:端末装置、60:管理サーバ装置(情報処理装置)、61:記憶部、62:通信部、63:制御部(コンピュータ)、510:分散型台帳、633:二次創作承認要求部、634:トークン管理部。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子コンテンツのオリジナルデータ、及び前記オリジナルデータから二次創作された二次創作データが記憶される記憶部と、
前記二次創作データに対応する代替不可能なトークンを分散型台帳上で発行するトークン管理部と、
端末装置と通信を行う通信部と、を備え、
前記二次創作データに対応するトークンには、前記記憶部に記憶される前記オリジナルデータにアクセスすることが可能な第1アクセス情報と、前記記憶部に記憶される前記二次創作データにアクセスすることが可能な第2アクセス情報とが含まれており、
前記通信部は、
前記二次創作データに対応するトークンに含まれる前記第1アクセス情報へのアクセスが前記端末装置から要求された場合には、前記記憶部に記憶される前記オリジナルデータを前記端末装置に送信し、
前記二次創作データに対応するトークンに含まれる前記第2アクセス情報へのアクセスが前記端末装置から要求された場合には、前記記憶部に記憶される前記二次創作データを前記端末装置に送信する
情報処理装置。
【請求項2】
前記二次創作データに対応するトークンには、前記二次創作データの貸し出し価格の情報、及び前記電子コンテンツの二次流通時の印税価格の情報が更に含まれている
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記トークン管理部は、前記二次創作データに対応するトークンとは別に、前記オリジナルデータに対応する代替不可能なトークンを前記分散型台帳上で更に発行し、
前記オリジナルデータに対応するトークンには、前記第1アクセス情報が含まれる一方、前記第2アクセス情報が含まれておらず、
前記通信部は、
前記オリジナルデータに対応するトークンに含まれる前記第1アクセス情報へのアクセスが前記端末装置から要求された場合には、前記記憶部に記憶される前記オリジナルデータを前記端末装置に送信する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記電子コンテンツのオリジナルデータの発行者に対して前記二次創作データを承認するか否かを選択する処理を要求する二次創作承認要求部を更に備える
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記オリジナルデータに対応するトークンには、前記オリジナルデータの販売価格の情報、及び前記電子コンテンツの二次流通時の印税価格の情報が含まれている
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記通信部は、
前記端末装置から専用のアプリケーションを介して前記第1アクセス情報へのアクセスが要求されることに基づいて前記オリジナルデータを前記端末装置に送信し、
前記端末装置から前記専用のアプリケーションを介して前記第2アクセス情報へのアクセスが要求されることに基づいて前記二次創作データを前記端末装置に送信する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1アクセス情報及び前記第2アクセス情報は、URL情報である
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
電子コンテンツのオリジナルデータ、及び前記オリジナルデータから二次創作された二次創作データが記憶される記憶部と、
前記二次創作データに対応する代替不可能なトークンを分散型台帳上で発行するトークン管理部と、
端末装置と通信を行う通信部と、を備え、
前記二次創作データに対応するトークンには、前記記憶部に記憶される前記オリジナルデータにアクセスすることが可能な第1アクセス情報と、前記記憶部に記憶される前記二次創作データにアクセスすることが可能な第2アクセス情報とが含まれており、
前記通信部は、
前記二次創作データに対応するトークンに含まれる前記第1アクセス情報へのアクセスが前記端末装置から要求された場合には、前記記憶部に記憶される前記オリジナルデータを前記端末装置に送信し、
前記二次創作データに対応するトークンに含まれる前記第2アクセス情報へのアクセスが前記端末装置から要求された場合には、前記記憶部に記憶される前記二次創作データを前記端末装置に送信する
情報処理システム。
【請求項9】
コンピュータを、
オリジナルデータから二次創作された二次創作データに対応する代替不可能なトークンを分散型台帳上で発行するトークン管理部と、
端末装置と通信を行う通信部と、として機能させ、
前記二次創作データに対応するトークンには、記憶部に記憶される前記オリジナルデータにアクセスすることが可能な第1アクセス情報と、記憶部に記憶される前記二次創作データにアクセスすることが可能な第2アクセス情報とが含まれており、
前記通信部は、
前記二次創作データに対応するトークンに含まれる前記第1アクセス情報へのアクセスが前記端末装置から要求された場合には、前記記憶部に記憶される前記オリジナルデータを前記端末装置に送信し、
前記二次創作データに対応するトークンに含まれる前記第2アクセス情報へのアクセスが前記端末装置から要求された場合には、前記記憶部に記憶される前記二次創作データを前記端末装置に送信する
情報処理プログラム。