(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038840
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】メモリデバイスのフォーミング方法
(51)【国際特許分類】
G11C 13/00 20060101AFI20240313BHJP
【FI】
G11C13/00 480F
G11C13/00 270F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143161
(22)【出願日】2022-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】松下 直輝
(57)【要約】
【課題】スイッチング素子の信頼性を向上させる。
【解決手段】一実施形態のメモリデバイスのフォーミング方法は、複数の第1配線と、複数の第2配線と、各々が複数の第1配線のうちの1本及び複数の第2配線のうちの1本の組に対応づけられかつ直列接続された可変抵抗素子及びスイッチング素子を含む複数のメモリセルと、を含むメモリデバイスのフォーミング方法であって、フォーミング処理されていないメモリセルのうち、配線抵抗が最大のメモリセルを選択することと、選択されたメモリセル内のスイッチング素子に対してフォーミング処理を実行することと、選択すること及び実行することを複数のメモリセルに対して繰り返すことと、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1配線と、複数の第2配線と、各々が前記複数の第1配線のうちの1本及び前記複数の第2配線のうちの1本の組に対応づけられかつ直列接続された可変抵抗素子及びスイッチング素子を含む複数のメモリセルと、を含むメモリデバイスのフォーミング方法であって、
フォーミング処理されていないメモリセルのうち、配線抵抗が最大のメモリセルを選択することと、
前記選択されたメモリセル内のスイッチング素子に対してフォーミング処理を実行することと、
前記選択すること及び前記実行することを前記複数のメモリセルに対して繰り返すことと、
を備えた、メモリデバイスのフォーミング方法。
【請求項2】
前記メモリデバイスは、前記複数の第1配線のうちの1本を選択する第1回路と、前記複数の第2配線のうちの1本を選択する第2回路と、を含み、
前記選択することは、前記フォーミング処理されていないメモリセルから前記第1回路までの第1配線長と、前記第2回路までの第2配線長と、の和が最大のメモリセルを選択することを含む、
請求項1記載のフォーミング方法。
【請求項3】
前記複数の第1配線の各々は、第1シート抵抗を有し、
前記複数の第2配線の各々は、第2シート抵抗を有し、
前記メモリデバイスは、前記複数の第1配線のうちの1本を選択する第1回路と、前記複数の第2配線のうちの1本を選択する第2回路と、を含み、
前記選択することは、前記フォーミング処理されていないメモリセルから前記第1回路までの第1配線長及び前記第1シート抵抗の積と、前記第2回路までの第2配線長及び前記第2シート抵抗の積と、の和が最大のメモリセルを選択することを含む、
請求項1記載のフォーミング方法。
【請求項4】
前記フォーミング処理の実行後の前記スイッチング素子の第1閾値電圧は、前記フォーミング処理の実行前の前記スイッチング素子の第2閾値電圧より低い、
請求項3記載のフォーミング方法。
【請求項5】
前記実行することは、
前記選択されたメモリセルに対応する第1配線に第1電圧を印加し、
前記選択されたメモリセルに対応する第2配線に前記第1電圧より低い第2電圧を印加し、
前記選択されたメモリセルに対応する第1配線を除く全ての第1配線、及び前記選択されたメモリセルに対応する第2配線を除く全ての第2配線に前記第1電圧及び前記第2電圧の間の第3電圧を印加する
ことを含む、
請求項4記載のフォーミング方法。
【請求項6】
前記第1電圧と前記第2電圧との差は、前記第2閾値電圧より高い、
請求項5記載のフォーミング方法。
【請求項7】
前記第1電圧と前記第3電圧との差、及び前記第3電圧と前記第2電圧との差は、前記第1閾値電圧より低い、
請求項5記載のフォーミング方法。
【請求項8】
前記スイッチング素子は、2端子型のスイッチング素子である、
請求項1記載のフォーミング方法。
【請求項9】
前記メモリセルは、対応する1組の第1配線及び第2配線の間に設けられる、
請求項1記載のフォーミング方法。
【請求項10】
前記複数のメモリセルに対して前記フォーミング処理を実行した後、前記複数のメモリセルに対してライト処理及びリード処理を実行することを更に備えた、
請求項1記載のフォーミング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、メモリデバイスのフォーミング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
可変抵抗素子を記憶素子として用いたメモリデバイスが知られている。可変抵抗素子は、スイッチング素子と直列接続されてメモリセルとして機能する。スイッチング素子には、2端子型のスイッチング素子が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-129071号公報
【特許文献2】特開2014-49175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スイッチング素子の信頼性を向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のメモリデバイスのフォーミング方法は、複数の第1配線と、複数の第2配線と、各々が上記複数の第1配線のうちの1本及び上記複数の第2配線のうちの1本の組に対応づけられかつ直列接続された可変抵抗素子及びスイッチング素子を含む複数のメモリセルと、を含むメモリデバイスのフォーミング方法であって、フォーミング処理されていないメモリセルのうち、配線抵抗が最大のメモリセルを選択することと、上記選択されたメモリセル内のスイッチング素子に対してフォーミング処理を実行することと、上記選択すること及び上記実行することを上記複数のメモリセルに対して繰り返すことと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態に係るメモリデバイスを含むメモリシステムの構成の一例を示すブロック図。
【
図2】実施形態に係るメモリセルアレイの回路構成の一例を示す回路図。
【
図3】実施形態に係る可変抵抗素子の構成の一例を示す断面図。
【
図4】実施形態に係るメモリデバイスにおけるフォーミング処理の前後でのスイッチング素子の電流-電圧特性の一例を示すダイアグラム。
【
図5】実施形態に係るメモリデバイスにおけるメモリセルのフォーミング処理で印加される電圧の一例を示す図。
【
図6】実施形態に係るメモリデバイスにおけるメモリセルアレイのフォーミング処理の概要を示すフローチャート。
【
図7】実施形態に係るメモリデバイスにおけるメモリセルアレイのフォーミング処理におけるメモリセルの選択順番と配線抵抗との関係の一例を示すダイアグラム。
【
図8】実施形態に係るメモリデバイスにおけるメモリセルアレイのフォーミング処理におけるメモリセルの選択順番と総リーク電流との関係の一例を示すダイアグラム。
【
図9】第1変形例に係るメモリデバイスにおけるメモリセルアレイのフォーミング処理を示すフローチャート。
【
図10】第2変形例に係るメモリデバイスにおけるメモリセルアレイのフォーミング処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照していくつかの実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する構成要素については、共通する参照符号を付す。また、共通する参照符号を有する複数の構成要素を区別する場合、当該共通する参照符号に添え字を付して区別する。
【0008】
1.実施形態
実施形態について説明する。
【0009】
1.1 構成
1.1.1 メモリシステム
まず、実施形態に係るメモリデバイスを含むメモリシステムの構成について説明する。
図1は、実施形態に係るメモリデバイスを含むメモリシステムの構成の一例を示すブロック図である。
【0010】
メモリシステム1は、記憶装置である。メモリシステム1は、データのライト処理、及びリード処理を実行する。メモリシステム1は、メモリデバイス2及びメモリコントローラ3を含む。
【0011】
メモリデバイス2は、例えば、磁気メモリデバイス(MRAM:Magnetoresistive Random Access Memory)である。メモリデバイス2は、不揮発にデータを記憶する。メモリデバイス2は、複数の記憶素子を含む。記憶素子は、例えば、磁気抵抗効果素子である。磁気抵抗効果素子は、磁気トンネル接合(MTJ:Magnetic Tunnel Junction)によって磁気抵抗効果(Magnetoresistance effect)を有する可変抵抗素子(Variable resistance element)の一種である。磁気抵抗効果素子は、MTJ素子とも称される。
【0012】
メモリコントローラ3は、例えば、SoC(System-on-a-Chip)のような集積回路で構成される。メモリコントローラ3は、外部の図示せぬホスト機器からの要求に応じて、メモリデバイス2に対してライト処理及びリード処理を実行させる。ライト処理に際して、メモリコントローラ3は、書き込むデータをメモリデバイス2に送信する。リード処理に際して、メモリコントローラ3は、メモリデバイス2から読み出されたデータを受信する。
【0013】
1.1.2 メモリデバイス
次に、引き続き
図1を参照して、第1実施形態に係るメモリデバイスの内部構成について説明する。
【0014】
メモリデバイス2は、メモリセルアレイ10、ロウ選択回路11、カラム選択回路12、デコード回路13、書込み回路14、読出し回路15、電圧生成回路16、入出力回路17、及び制御回路18を備える。
【0015】
メモリセルアレイ10は、メモリデバイス2におけるデータの記憶部である。メモリセルアレイ10は、複数のメモリセルMCを備える。複数のメモリセルMCの各々は、行(row)及び列(column)の組に対応付けられる。同一行にあるメモリセルMCは、同一のワード線WLに接続され、同一列にあるメモリセルMCは、同一のビット線BLの組に接続される。
【0016】
ロウ選択回路11は、メモリセルアレイ10の行を選択する回路である。ロウ選択回路11は、ワード線WLを介してメモリセルアレイ10と接続される。ロウ選択回路11には、デコード回路13からのアドレスADDのデコード結果(ロウアドレス)が供給される。ロウ選択回路11は、アドレスADDのデコード結果に基づいた行に対応するワード線WLを選択する。以下において、選択されたワード線WLは、選択ワード線WLと言う。また、選択ワード線WL以外のワード線WLは、非選択ワード線WLと言う。
【0017】
カラム選択回路12は、メモリセルアレイ10の列を選択する回路である。カラム選択回路12は、ビット線BLを介してメモリセルアレイ10と接続される。カラム選択回路12には、デコード回路13からのアドレスADDのデコード結果(カラムアドレス)が供給される。カラム選択回路12は、アドレスADDのデコード結果に基づいた列に対応するビット線BLを選択する。以下において、選択されたビット線BLは、選択ビット線BLと言う。また、選択ビット線BL以外のビット線BLは、非選択ビット線BLと言う。
【0018】
なお、選択ワード線WL及び選択ビット線BLによって特定されたメモリセルMCは、選択メモリセルMCと言う。選択メモリセルMC以外のメモリセルMCは、非選択メモリセルMCと言う。選択メモリセルMCには、選択ワード線WL及び選択ビット線BLを介して、所定の電流を流すことができる。
【0019】
デコード回路13は、入出力回路17からのアドレスADDをデコードするデコーダである。デコード回路13は、アドレスADDのデコード結果を、ロウ選択回路11、及びカラム選択回路12に供給する。アドレスADDは、選択されるカラムアドレス、及びロウアドレスを含む。
【0020】
書込み回路14は、例えば、書込みドライバ(図示せず)を含む。書込み回路14は、ライト処理において、メモリセルMCへデータを書き込む。
【0021】
読出し回路15は、例えば、センスアンプ(図示せず)を含む。読出し回路15は、リード処理において、メモリセルMCからデータを読み出す。
【0022】
電圧生成回路16は、メモリデバイス2の外部(図示せず)から提供された電源電圧を用いて、メモリセルアレイ10の各種の処理のための電圧を生成する。例えば、電圧生成回路16は、ライト処理の際に必要な種々の電圧を生成し、書込み回路14に出力する。また、例えば、電圧生成回路16は、リード処理の際に必要な種々の電圧を生成し、読出し回路15に出力する。
【0023】
入出力回路17は、メモリコントローラ3との通信を司る。入出力回路17は、メモリコントローラ3からのアドレスADDを、デコード回路13に転送する。入出力回路17は、メモリコントローラ3からのコマンドCMDを、制御回路18に転送する。入出力回路17は、種々の制御信号CNTを、メモリコントローラ3と、制御回路18と、の間で送受信する。入出力回路17は、メモリコントローラ3からのデータDATを書込み回路14に転送する。入出力回路17は、読出し回路15から転送されたデータDATをメモリコントローラ3に出力する。
【0024】
制御回路18は、例えば、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ、及びROM(Read Only Memory)を含む。制御回路18は、制御信号CNT及びコマンドCMDに基づいて、メモリデバイス2内のロウ選択回路11、カラム選択回路12、デコード回路13、書込み回路14、読出し回路15、電圧生成回路16、及び入出力回路17の動作を制御する。
【0025】
1.1.3 メモリセルアレイ
次に、実施形態に係るメモリデバイスのメモリセルアレイの回路構成について説明する。
【0026】
図2は、実施形態に係るメモリセルアレイの回路構成の一例を示す回路図である。
図2では、ワード線WL及びビット線BLの各々が、インデックス(“<>”)を含む添え字によって分類されて示される。
【0027】
メモリセルアレイ10は、複数のメモリセルMC、複数のワード線WL、及び複数のビット線BLを含む。
図2の例では、複数のメモリセルMCは、(M+1)×(N+1)個のメモリセルMC<0,0>、…、MC<0,N>、…、MC<M,0>、…、及びMC<M,N>を含む(M及びNは、1以上の整数)。なお、
図2の例では、M及びNが1以上の整数である場合について示したが、これに限られない。M及びNは、0であってもよい。複数のワード線WLは、(M+1)本のワード線WL<0>、…、及びWL<M>を含む。複数のビット線BLは、(N+1)本のビット線BL<0>、…、及びBL<N>を含む。
【0028】
複数のメモリセルMCは、マトリクス状に配置される。メモリセルMCは、1本のワード線WL、及び1本のビット線BLの組に対応付けられる。すなわち、メモリセルMC<m,n>(0≦m≦M、0≦n≦N)は、ワード線WL<m>、ビット線BL<n>に接続される。メモリセルMC<m,n>は、スイッチング素子SW<m,n>、及び可変抵抗素子SE<m,n>を含む。スイッチング素子SW<m,n>及び可変抵抗素子SE<m,n>は、直列に接続される。
【0029】
スイッチング素子SWは、2端子型のスイッチング素子である。2端子型のスイッチング素子は、3個目の端子を含まない点において、トランジスタ等の3端子型のスイッチング素子と異なる。より具体的には、例えば、対応するメモリセルMCに印加される電圧が閾値電圧Vth未満の場合、スイッチング素子SWは、抵抗値の大きい絶縁体として電流を遮断する(オフ状態となる)。対応するメモリセルMCに印加される電圧が閾値電圧Vth以上の場合、スイッチング素子SWは、抵抗値の小さい導電体として電流を流す(オン状態となる)。スイッチング素子SWは、2端子間に印加される電圧がどちらの極性でも(流れる電流の方向に依らず)、対応するメモリセルMCに印加される電圧の大きさに応じて、電流を流すか遮断するかを切替える。
【0030】
以上のような構成により、メモリセルMCが選択されると、選択メモリセルMC内のスイッチング素子SWがオン状態となる。これにより、選択メモリセルMC内の可変抵抗素子SEに電流を流すことができる。
【0031】
可変抵抗素子SEは、記憶素子である。可変抵抗素子SEは、スイッチング素子SWがオン状態の際に流れる電流に基づき、抵抗値を低抵抗状態と高抵抗状態とに切替えることができる。可変抵抗素子SEは、その抵抗状態の変化によってデータを不揮発に記憶する。
【0032】
1.1.4 可変抵抗素子
次に、実施形態に係る可変抵抗素子の構成について説明する。
【0033】
図3は、実施形態に係る可変抵抗素子の構成の一例を示す断面図である。
図3では、可変抵抗素子SEが、磁気抵抗効果素子(MTJ素子)である場合の構成の一例が示される。磁気抵抗効果素子である場合、可変抵抗素子SEは、強磁性層21、非磁性層22、及び強磁性層23を含む。強磁性層21、非磁性層22、及び強磁性層23は、半導体基板(図示せず)の上方に積層される。
【0034】
強磁性層21は、強磁性を有する導電膜である。強磁性層21は、記憶層(Storage Layer)として使用される。強磁性層21は、積層面に垂直な方向に磁化容易軸方向を有する。強磁性層21の磁化方向は、可変である。強磁性層21は、鉄(Fe)を含む。強磁性層21は、コバルト(Co)、及びニッケル(Ni)のうちの少なくとも1つの元素を更に含んでもよい。また、強磁性層21は、ボロン(B)を更に含んでもよい。より具体的には、例えば、強磁性層21は、鉄コバルトボロン(FeCoB)又はホウ化鉄(FeB)を含んでもよい。
【0035】
強磁性層21の膜面上には、非磁性層22が設けられる。非磁性層22は、非磁性を有する絶縁膜である。非磁性層22は、トンネルバリア層(Tunnel Barrier Layer)として使用される。非磁性層22は、強磁性層21と強磁性層23との間に設けられて、これら2つの強磁性層と共に磁気トンネル接合を形成する。また、非磁性層22は、強磁性層21の結晶化処理において、強磁性層21との界面から結晶質の膜を成長させるための核となるシード材としても機能する。非磁性層22は、膜面が(001)面に配向したNaCl結晶構造を有する。非磁性層22は、例えば、酸化マグネシウム(MgO)を含む。
【0036】
非磁性層22に対して強磁性層21が設けられる膜面と反対側に位置する非磁性層22の膜面上には、強磁性層23が設けられる。強磁性層23は、強磁性を有する導電膜である。強磁性層23は、参照層(Reference Layer)として使用される。強磁性層23は、膜面に垂直な方向に磁化容易軸方向を有する。強磁性層23の磁化方向は、固定されている。
図3の例では、強磁性層23の磁化方向は、強磁性層21の方向を向いている。なお、「磁化方向が固定されている」とは、強磁性層21の磁化方向を反転させ得る大きさのトルクによって、磁化方向が変化しないことを意味する。強磁性層23は、例えば、コバルト白金(CoPt)、コバルトニッケル(CoNi)、及びコバルトパラジウム(CoPd)から選択される少なくとも1つの化合物を含む。
【0037】
磁気抵抗効果素子は、記憶層及び参照層の磁化方向の相対関係が平行か反平行かによって、低抵抗状態及び高抵抗状態のいずれかを取ることが出来る。以下では、磁気抵抗効果素子の抵抗状態を変化させる方式として、スピン注入書込み方式が用いられる場合について説明する。スピン注入書込み方式では、磁気抵抗効果素子に書込み電流を流すことによってスピントルクを発生させる。そして、発生させたスピントルクによって、参照層の磁化方向に対する記憶層の磁化方向を制御する。
【0038】
記憶層から参照層に向かって(
図3における矢印A1の方向に)磁気抵抗効果素子に書込み電流Iw0を流すと、記憶層及び参照層の磁化方向の相対関係は、平行になる。平行状態の場合、磁気抵抗効果素子は低抵抗状態に設定される。低抵抗状態は、例えば、データ“0”と対応づけられる。低抵抗状態は、「P(Parallel)状態」とも呼ばれる。
【0039】
また、参照層から記憶層に向かって(
図3における矢印A2の方向に)磁気抵抗効果素子に書込み電流Iw0より大きい書込み電流Iw1を流すと、記憶層及び参照層の磁化方向の相対関係は、反平行になる。反平行状態の場合、磁気抵抗効果素子は高抵抗状態に設定される。高抵抗状態は、例えば、データ“1”と対応づけられる。高抵抗状態は、「AP(Anti-Parallel)状態」とも呼ばれる。
【0040】
また、磁気抵抗効果素子に読出し電流Irを流すと、記憶層及び参照層の磁化方向は、変化しない。読出し回路15は、読出し電流Irに基づき、磁気抵抗効果素子の抵抗状態がP状態であるかAP状態であるかを判定する。これにより、読出し回路15は、メモリセルMCからデータを読み出すことができる。
【0041】
なお、抵抗状態とデータとの対応関係は、上述した例に限られない。例えば、P状態及びAP状態はそれぞれ、データ“1”及び“0”に対応づけられてもよい。また、読出し電流Irの極性は、負であってもよい。
【0042】
1.2 動作
次に、第1実施形態に係るメモリデバイスにおける動作として、フォーミング処理について説明する。フォーミング処理は、スイッチング素子SWの電流-電圧特性を初期状態から変化させる処理である。フォーミング処理は、例えば、メモリデバイス2の出荷前に実行される。すなわち、メモリデバイス2は、フォーミング処理によってスイッチング素子SWの電流-電圧特性を初期状態から変化させた後に出荷され、ライト処理及びリード処理等が実行される。
【0043】
1.2.1 スイッチング素子の特性の変化
図4は、実施形態に係るメモリデバイスにおけるフォーミング処理の前後でのスイッチング素子の電流-電圧特性の一例を示すダイアグラムである。
図4に示される電流-電圧特性は、電圧に対する電流の対数値である。
図4の例では、フォーミング処理前(すなわち、初期状態)でのスイッチング素子SWの主にオフ状態における電流-電圧特性が、線L1で示される。そして、フォーミング処理後での主にオフ状態におけるスイッチング素子SWの電流-電圧特性が、線L2で示される。
【0044】
フォーミング処理は、スイッチング素子SWにフォーミング電圧Vf以上の電圧が印加されることによって実行される。そして、スイッチング素子SWの電流-電圧特性は、フォーミング電圧Vf以上の電圧が印加されることによって、線L1に示される状態から、線L2に示される状態へと変化する。
【0045】
線L1に示されるように、フォーミング処理の前では、スイッチング素子SWは、フォーミング電圧Vf以上の電位差が印加されることによってオン状態となる。すなわち、フォーミング電圧Vfは、フォーミング処理が実行される前のスイッチング素子SWの閾値電圧ともいえる。一方、線L2に示されるように、フォーミング処理の後では、スイッチング素子SWは、フォーミング電圧Vfより低い閾値電圧Vth以上の電位差が印加されることによってオン状態となる。すなわち、フォーミング処理によって、スイッチング素子SWの閾値電圧は、フォーミング電圧Vfから閾値電圧Vthへと低下する。また、オフ状態でスイッチング素子SWに流れる電流量は、フォーミング処理の後の方が、フォーミング処理の前よりも大きくなる。
【0046】
1.2.2 印加電圧
図5は、実施形態に係るメモリデバイスにおけるメモリセルのフォーミング処理で印加される電圧の一例を示す図である。
図5の例では、メモリセルMC<m,n>のスイッチング素子SW<m,n>に対してフォーミング処理を実行する場合にメモリセルアレイ10に印加される電圧が示される。
【0047】
スイッチング素子SW<m,n>がフォーミング処理される場合、ロウ選択回路11は、例えば、ワード線WL<m>に電圧VSSを印加する。カラム選択回路12は、例えば、ビット線BL<n>に電圧Vappを印加する。電圧VSSは、例えば、0Vである。電圧Vappは、フォーミング電圧Vfより高い電圧である。
【0048】
また、ロウ選択回路11は、ワード線WL<m>を除く全てのワード線WLに、電圧Vuselを印加する。カラム選択回路12は、ビット線BL<n>を除く全てのビット線BLに電圧Vuselを印加する。電圧Vuselは、電圧VSSより高く電圧Vappより低い電圧である。電圧Vuselは、フォーミング処理の前後に関わらず、スイッチング素子SWをオフ状態にする電圧である。すなわち、電圧Vuselは、閾値電圧Vth未満の電圧である。電圧Vuselは、例えば、Vapp/2である。
【0049】
これにより、ワード線WL及びビット線BLの配線抵抗を無視した場合、メモリセルMC<m,n>には、電位差Vappが印加される。メモリセルMC<m,n>の状態は、選択状態とも呼ばれる。ワード線WL<m>又はビット線BL<n>に接続されるメモリセルMCのうちメモリセルMC<m,n>を除く全てのメモリセルMC<0,n>~MC<m-1,n>、MC<m+1,n>~MC<M,n>、MC<m,0>~MC<m,n-1>、及びMC<m,n+1>~MC<m,N>には、例えば、電位差Vapp/2が印加される。メモリセルMC<0,n>~MC<m-1,n>、MC<m+1,n>~MC<M,n>、MC<m,0>~MC<m,n-1>、及びMC<m,n+1>~MC<m,N>の状態は、半選択状態とも呼ばれる。ワード線WL<m>を除くワード線WL及びビット線BL<n>を除くビット線BLの組に接続される全てのメモリセルMCには、電位差が発生しない。選択状態及び半選択状態のいずれでもない全てのメモリセルMCの状態は、非選択状態とも呼ばれる。
【0050】
なお、実際のフォーミング処理では、ワード線WL及びビット線BLの配線抵抗を無視できない場合がある。ワード線WL及びビット線BLの配線抵抗が無視できない場合、選択状態のメモリセルMC<m,n>に印加される電位差Vcellは、電位差Vappを用いて、以下の式のように表される。以下の式において、フォーミング電圧Vf以上の電位差Vellを印加することによって、スイッチング素子SW<m,n>の電流-電圧特性を
図4の線L1の状態から線L2の状態へと変化させることができる。
Vcell=Vapp-(Vd_wl+Vd_bl)
=Vapp-(R_WL+R_BL)×(Icell+ΣIleak)
ここで、Vd_wl及びVd_blはそれぞれ、ワード線WL<m>及びビット線BL<n>で生じる電圧降下量である。R_WLは、ワード線WL<m>のうち、ロウ選択回路11からメモリセルMC<m,n>までの部分の配線抵抗である。R_BLは、ビット線BL<n>のうち、カラム選択回路12からメモリセルMC<m,n>までの部分の配線抵抗である。Icellは、メモリセルMC<m,n>を流れる電流である。Ileakは、メモリセルMC<m,n>以外のメモリセルMCに流れるリーク電流である。ΣIleakは、リーク電流Ileakの総和(総リーク電流)である。
【0051】
上述のフォーミング処理において、電位差Vcellがフォーミング電圧Vfに達するまでの間、電流Icellは0とみなすことができる。このため、電位差Vappと電位差Vcellとの差は、リーク電流Ileakと、配線抵抗R_WL及びR_BLとの積によって生じるとみなすことができる。
【0052】
1.2.3 フローチャート
図6は、実施形態に係るメモリデバイスにおけるメモリセルアレイのフォーミング処理の概要を示すフローチャートである。
【0053】
フォーミング処理を開始する旨のコマンドをメモリコントローラ3から受信すると(開始)、制御回路18は、フォーミング処理を実行していないメモリセルMCのうち、配線抵抗が最大のメモリセルMCを選択する(S10)。
【0054】
制御回路18は、S10の処理で選択されたメモリセルMCに対するフォーミング処理を実行する(S20)。具体的には、例えば、S10の処理でメモリセルMC<m,n>が選択された場合、ロウ選択回路11は、ワード線WL<m>に電圧VSSを印加し、ワード線WL<m>以外の全てのワード線WLに電圧Vuselを印加する。カラム選択回路12は、ビット線BL<n>に電圧Vappを印加し、ビット線BL<n>以外の全てのビット線BLに電圧Vappを印加する。これにより、メモリセルMC<m,n>のスイッチング素子SW<m,n>にフォーミング電圧Vf以上の電位差Vcellが印加される。このため、スイッチング素子SW<m,n>の電流-電圧特性が初期状態から変化する。
【0055】
S20の処理の後、制御回路18は、全てのメモリセルMCに対してフォーミング処理を実行したか否かを判定する(S30)。
【0056】
フォーミング処理を実行していないメモリセルMCが存在する場合(S30;no)、制御回路18は、フォーミング処理を実行していないメモリセルMCのうち、配線抵抗が最大のメモリセルMCを選択する(S10)。そして、S10の処理で選択されたメモリセルMCに対して、フォーミング処理を実行する(S20)。このように、全てのメモリセルMCに対してフォーミング処理が実行されるまで、S10及びS20の処理が繰り返される。
【0057】
全てのメモリセルMCに対してフォーミング処理が実行された場合(S30;yes)、メモリセルアレイ10のフォーミング処理が終了となる(終了)。
【0058】
1.3 実施形態に係る効果
実施形態によれば、制御回路18は、フォーミング処理されていないメモリセルMCのうち、配線抵抗(R_WL+R_BL)が最大のメモリセルMCを選択する。制御回路18は、当該選択されたメモリセルMC内のスイッチング素子SWに対してフォーミング処理を実行する。制御回路18は、上記選択すること及び上記実行することを、メモリセルアレイ10内の全てのメモリセルMCに対して繰り返す。これにより、フォーミング処理後のスイッチング素子SWの信頼性を向上させることができる。当該効果について、以下に説明する。
【0059】
図7は、実施形態に係るメモリデバイスにおけるメモリセルアレイのフォーミング処理におけるメモリセルの選択順番と配線抵抗との関係の一例を示すダイアグラムである。
図8は、実施形態に係るメモリデバイスにおけるメモリセルアレイのフォーミング処理におけるメモリセルの選択順番と総リーク電流との関係の一例を示すダイアグラムである。
図7及び
図8ではそれぞれ、横軸の選択順番に対して、縦軸に配線抵抗(R_WL+R_BL)及び総リーク電流ΣIleakが示される。
【0060】
図7に示されるように、フォーミング処理されていないメモリセルMCのうち配線抵抗(R_WL+R_BL)が最大のメモリセルMCから順に選択していく場合、選択されるメモリセルMCの配線抵抗(R_WL+R_BL)は、選択順番が後になるにしたがって、減少する。
【0061】
一方、フォーミング処理が実行済みのメモリセルMCの数は、選択順番が後になるにしたがって増加する。このため、半選択状態のメモリセルMCのうちフォーミング処理が実行済みのメモリセルMCの数は、選択順番が後になるにしたがって増加する。
【0062】
半選択状態のメモリセルMCを流れるリーク電流Ileakは、当該半選択状態のメモリセルMCに対するフォーミング処理が実行済みの場合の方が、フォーミング処理が未実行の場合よりも大きい。このため、
図8に示されるように、総リーク電流ΣIleakは、選択順番が後になるにしたがって増加する。
【0063】
このように、実施形態に係るフォーミング方法によれば、比較的先に選択されるメモリセルMCでは、配線抵抗(R_WL+R_BL)は比較的大きいが、総リーク電流ΣIleakは比較的小さくすることができる。そして、比較的後に選択されるメモリセルMCでは、総リーク電流ΣIleakは比較的大きいが、配線抵抗(R_WL+R_BL)は比較的小さくすることができる。これにより、選択順番によって配線抵抗(R_WL+R_BL)及び総リーク電流ΣIleakの積が大きく変化することを抑制できる。このため、選択順番が先の場合と後の場合との間に生じる電位差Vcellのばらつきを抑制できる。したがって、フォーミング電圧Vf未満の電位差Vcellが印加されることによって、スイッチング素子SWの電流-電圧特性を変化させることに失敗すること(フォーミング不良)を抑制できる。また、フォーミング電圧Vfを過剰に超える電位差Vcellが印加されることによって、例えば選択メモリセルMCの可変抵抗素子SEの非磁性層22が絶縁破壊を起こすことを抑制できる。
【0064】
2. 変形例等
なお、上述の実施形態には、種々の変形を適用し得る。
【0065】
2.1 第1変形例
例えば、フォーミング処理を実行する順番は、配線長に基づいて決定されてもよい。
【0066】
図9は、第1変形例に係るメモリデバイスにおけるメモリセルアレイのフォーミング処理の一例を示すフローチャートである。
図9は、実施形態における
図6に対応する。
【0067】
フォーミング処理を開始する旨のコマンドをメモリコントローラ3から受信すると(開始)、制御回路18は、フォーミング処理を実行していないメモリセルMCのうち、ワード線WLのロウ選択回路11からの配線長及びビット線BLのカラム選択回路12からの配線長の和が最大のメモリセルMCを選択する(S10A)。
【0068】
制御回路18は、S10Aの処理で選択されたメモリセルMCに対するフォーミング処理を実行する(S20)。
【0069】
S20の処理の後、制御回路18は、全てのメモリセルMCに対してフォーミング処理を実行したか否かを判定する(S30)。
【0070】
フォーミング処理を実行していないメモリセルMCが存在する場合(S30;no)、制御回路18は、フォーミング処理を実行していないメモリセルMCのうち、ワード線WLのロウ選択回路11からの配線長及びビット線BLのカラム選択回路12からの配線長の和が最大のメモリセルMCを選択する(S10A)。そして、S10Aの処理で選択されたメモリセルMCに対して、フォーミング処理を実行する(S20)。このように、全てのメモリセルMCに対してフォーミング処理が実行されるまで、S10A及びS20の処理が繰り返される。
【0071】
全てのメモリセルMCに対してフォーミング処理が実行された場合(S30;yes)、メモリセルアレイ10のフォーミング処理が終了となる(終了)。
【0072】
第1変形例によれば、フォーミング処理によるスイッチング素子SWの信頼性を損なうことなく、配線抵抗を直接評価する場合よりも簡便に配線抵抗の高いメモリセルMCを選択することができる。
【0073】
2.2 第2変形例
また、例えば、フォーミング処理を実行する順番は、配線長及びシート抵抗の積に基づいて決定されてもよい。
【0074】
図10は、第2変形例に係るメモリデバイスにおけるメモリセルアレイのフォーミング処理の一例を示すフローチャートである。
図10は、実施形態における
図6に対応する。
【0075】
フォーミング処理を開始する旨のコマンドをメモリコントローラ3から受信すると(開始)、制御回路18は、フォーミング処理を実行していないメモリセルMCのうち、ワード線WLのシート抵抗とロウ選択回路11からの配線長との積、及びビット線BLのシート抵抗とカラム選択回路12からの配線長との積の和が最大のメモリセルMCを選択する(S10B)。
【0076】
制御回路18は、S10Bの処理で選択されたメモリセルMCに対するフォーミング処理を実行する(S20)。
【0077】
S20の処理の後、制御回路18は、全てのメモリセルMCに対してフォーミング処理を実行したか否かを判定する(S30)。
【0078】
フォーミング処理を実行していないメモリセルMCが存在する場合(S30;no)、制御回路18は、フォーミング処理を実行していないメモリセルMCのうち、ワード線WLのシート抵抗とロウ選択回路11からの配線長との積、及びビット線BLのシート抵抗とカラム選択回路12からの配線長との積の和が最大のメモリセルMCを選択する(S10B)。そして、S10Bの処理で選択されたメモリセルMCに対して、フォーミング処理を実行する(S20)。このように、全てのメモリセルMCに対してフォーミング処理が実行されるまで、S10B及びS20の処理が繰り返される。
【0079】
全てのメモリセルMCに対してフォーミング処理が実行された場合(S30;yes)、メモリセルアレイ10のフォーミング処理が終了となる(終了)。
【0080】
第2変形例によれば、ワード線WLとビット線BLとでシート抵抗が異なる場合にも、配線抵抗の高いメモリセルMCから順番にフォーミング処理を実行できる。したがって、実施形態と同等の効果を奏することができる。
【0081】
3. その他
上述の実施形態並びに第1変形例及び第2変形例では、メモリセルMCの配線抵抗(R_WL+R_BL)の大きさに基づいてフォーミング処理における選択順番を決定する場合について説明したが、これに限られない。例えば、製造プロセスやメモリセルアレイ10のレイアウト上の特性に起因して、メモリセルMCの配線抵抗(R_WL+R_BL)の大きさによらず、大きなリーク電流Ileakが流れやすいメモリセルMCのアドレスが判明している場合、当該メモリセルMCのフォーミング処理を優先的に先に実行してもよい。また、例えば、製造プロセスやメモリセルアレイ10のレイアウト上の特性に起因して、メモリセルMCの配線抵抗(R_WL+R_BL)の大きさによらず、フォーミング不良が発生しやすいメモリセルMCのアドレスが判明している場合、当該メモリセルMCのフォーミング処理を優先的に先に実行してもよい。
【0082】
上述の実施形態並びに第1変形例及び第2変形例では、MRAMのような磁気メモリデバイスにフォーミング処理が適用される場合を例に説明したが、これに限らない。例えば、MRAMと同様の抵抗変化メモリ、例えばPCRAM(Phase - Change Random Access Memory)、及びReRAM(Resistive Random Access Memory)等の抵抗変化メモリにも上述のフォーミングを適用可能である。
【0083】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0084】
1…メモリシステム
2…メモリデバイス
3…メモリコントローラ
10…メモリセルアレイ
11…ロウ選択回路
12…カラム選択回路
13…デコード回路
14…書込み回路
15…読出し回路
16…電圧生成回路
17…入出力回路
18…制御回路
21,23…強磁性層
22…非磁性層