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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038849
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】探傷装置及び探傷検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 29/265 20060101AFI20240313BHJP
【FI】
G01N29/265
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143171
(22)【出願日】2022-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】594126159
【氏名又は名称】神鋼検査サービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100137143
【弁理士】
【氏名又は名称】玉串 幸久
(72)【発明者】
【氏名】福島 盛弘
(72)【発明者】
【氏名】中島 聡文
【テーマコード(参考)】
2G047
【Fターム(参考)】
2G047AA05
2G047AB01
2G047AD07
2G047BA03
2G047BC07
2G047DB03
2G047DB18
2G047GJ08
2G047GJ12
(57)【要約】
【課題】検査済みの被検査管から別の被検査管に繋ぎ替えながら探傷検査を行う場合に、探傷装置における排水の必要のない水が排水されることを抑制して、探傷検査の効率を向上できる探傷装置及び探傷検査方法を提供する。
【解決手段】探傷装置100は、ポンプユニット122と、切替ユニット123と、ケーブル送り装置130と、送り流路141と、戻し流路142と、上側遮断部150と、下側遮断部160とを備える。上側遮断部150は、被検査管200と送り流路141及び戻し流路142の一方とを連通させる上側流路152と、上側流路152から分岐する分岐流路156と、を有する。下側遮断部160は、被検査管200と送り流路141及び戻し流路142の他方とを連通させる下側流路162と、下側流路162から分岐するドレン流路166と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
探傷センサーが取り付けられた浮子ケーブルを水流の力を利用して被検査管内に送り込み、被検査管を探傷する探傷装置であって、
前記浮子ケーブルを送り出すように構成されたケーブル送り装置と、
水を送り出すように構成されたポンプユニットと、
ポンプユニットから送り出された水を、前記ケーブル送り装置から前記被検査管に送り出す方向に循環させる状態と、前記被検査管から前記ケーブル送り装置に戻る方向に循環させる状態との間で切り替えを行う切替ユニットと、
前記ケーブル送り装置に接続された送り流路と、
前記切替ユニットに接続された戻し流路と、
前記送り流路及び前記戻し流路の一方に接続される一方で、前記被検査管の上側端部に着脱可能に設けられた上側遮断部と、
前記送り流路及び戻し流路の他方に接続される一方で、前記被検査管の下側端部に着脱可能に設けられた下側遮断部と、を備え、
前記上側遮断部は、前記上側端部に取り付けられることによって前記被検査管と前記送り流路及び前記戻し流路の前記一方とを連通させる上側流路と、前記上側流路から分岐する吸気流路と、を有するとともに、前記上側流路及び前記吸気流路を開閉可能に構成されており、
前記下側遮断部は、前記下側端部に取り付けられることによって前記被検査管と前記送り流路及び前記戻し流路の前記他方とを連通させる下側流路と、前記下側流路から分岐するドレン流路と、を有するとともに、前記下側流路及び前記ドレン流路を開閉可能に構成されている、探傷装置。
【請求項2】
前記上側遮断部及び前記下側遮断部のうちの前記送り流路に接続された遮断部には、前記上側流路及び前記下側流路のうち前記送り流路に繋がる流路の内部を視認可能なサイトグラスが設けられている、請求項1に記載の探傷装置。
【請求項3】
前記ポンプユニットに水を供給する貯水槽をさらに備え、
前記ドレン流路は、前記貯水槽に接続された貯水槽接続流路に接続されている、請求項1または請求項2に記載の探傷装置。
【請求項4】
ケーブル送り装置から浮子ケーブルを送り出し、浮子ケーブルの先端に取り付けられた探傷センサーによって複数の被検査管の探傷を行う探傷検査方法であって、
前記ケーブル送り装置に接続された送り流路及び切替ユニットに接続された戻し流路の一方に接続された上側遮断部を、前記被検査管の上側端部に取り付け、
前記ケーブル送り装置に接続された前記送り流路及び前記切替ユニットに接続された前記戻し流路の他方に接続された下側遮断部を、前記被検査管の下側端部に取り付け、
前記上側遮断部に設けられた上側流路及び前記下側遮断部に設けられた下側流路が開き且つ前記上側遮断部に設けられた吸気流路及び前記下側遮断部に設けられたドレン流路が閉じた状態で、ポンプユニットから送り出された水及び浮子ケーブルを、前記ケーブル送り装置から一の被検査管に送り出して、当該一の被検査管の探傷を行い、
前記一の被検査管から前記浮子ケーブルを前記ケーブル送り装置に引き戻した上で、前記上側流路及び前記下側流路を閉じるとともに前記吸気流路及び前記ドレン流路を開き、それによって、前記吸気流路と、前記一の被検査管と、前記ドレン流路とが連通した状態とし、
前記上側遮断部及び前記下側遮断部を、前記一の被検査管から取り外した後、別の被検査管における上側端部及び下側端部に取り付け、
前記上側流路及び前記下側流路が開き且つ前記吸気流路及び前記ドレン流路が閉じた状態で、前記ポンプユニットから送り出された水及び前記浮子ケーブルを、前記ケーブル送り装置から前記別の被検査管に送り出して、当該別の被検査管の探傷を行う、探傷検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、探傷装置及び探傷検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被検査管内に浮子付きケーブルを挿入して、管の内壁に生じた割れや減肉等の材料キズを探傷する探傷装置が知られている。特許文献1には、図5に示すように、ポンプ508からの送水を利用して、先端に探傷センサー506が取り付けられた浮子ケーブル510を、ボイラ501の被検査管502(伝熱管)内に送り込み探傷検査を行う探傷装置500が開示されている。浮子ケーブル510は、ケーブル本体507と、ケーブル本体507に所定間隔で固定された複数の浮子509と、を有している。
【0003】
探傷装置500は、貯水槽513と、貯水槽513の水を送り出すポンプ508と、ポンプ508からの水の流入先を切り替える水切替ユニット512と、ケーブル巻取機511から引き出した浮子ケーブル510を被検査管502に向けて送り出すケーブル送り装置515と、を備える。探傷装置500には、ケーブル送り装置515と水切替ユニット512とをつなぐ接続管503と、水切替ユニット512と被検査管502の一端である入口ノズル521とを繋ぐ挿入管504と、被検査管502の他端である出口ノズル522と水切替ユニット512とを繋ぐ導出管505と、が設けられている。
【0004】
探傷検査時、ケーブル送り装置515から送り出された浮子ケーブル510は、接続管503、水切替ユニット512及び挿入管504を通じて被検査管502内に導かれる。このとき、ポンプ508から水切替ユニット512に送られた水が、挿入管504を通じて入口ノズル521から被検査管502内に流入し、さらに出口ノズル522から導出管505に流出して水切替ユニット512へ戻される。このため、探傷検査時には、探傷装置500及び被検査管502では、水切替ユニット512、挿入管504、被検査管502及び導出管505を水が流れるような循環経路が形成される。この探傷装置500では、水戻し管516を通じて水切替ユニット512から貯水槽513に、導出管505からの水が戻される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭61-178465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の探傷装置500では、一の被検査管502に繋がれた探傷装置500を別の被検査管502に繋ぎ替えるようにして、複数の被検査管502に対して順番に探傷検査を行うことがある。この場合、一の被検査管502の探傷検査が終わった後、前記一の被検査管502の入口ノズル521及び出口ノズル522から取り外された探傷装置500の挿入管504及び導出管505を、別の被検査管502の入口ノズル521及び出口ノズル522に繋ぎ替えた上で、前記別の被検査管502の探傷検査が行われる。
【0007】
探傷装置500では、前記一の被検査管502の入口ノズル521及び出口ノズル522から探傷装置500の挿入管504及び導出管505を取り外す際に、前記循環経路が開放されるため、前記循環経路内の水が外部に流出する。このため、探傷装置500を前記別の被検査管502に繋ぎ替えた後に、探傷装置500の前記循環経路内を改めて水で満たす必要がある、という課題がある。
【0008】
そこで本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、探傷装置を検査済みの被検査管から別の被検査管に繋ぎ替えて探傷検査を行う場合に、探傷検査の効率を向上できる探傷装置及び探傷検査方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示における探傷装置は、探傷センサーが取り付けられた浮子ケーブルを水流の力を利用して被検査管内に送り込み、被検査管を探傷する探傷装置であって、前記浮子ケーブルを送り出すように構成されたケーブル送り装置と、水を送り出すように構成されたポンプユニットと、ポンプユニットから送り出された水を、前記ケーブル送り装置から前記被検査管に送り出す方向に循環させる状態と、前記被検査管から前記ケーブル送り装置に戻る方向に循環させる状態との間で切り替えを行う切替ユニットと、前記ケーブル送り装置に接続された送り流路と、前記切替ユニットに接続された戻し流路と、前記送り流路及び前記戻し流路の一方に接続される一方で、前記被検査管の上側端部に着脱可能に設けられた上側遮断部と、前記送り流路及び戻し流路の他方に接続される一方で、前記被検査管の下側端部に着脱可能に設けられた下側遮断部と、を備える。前記上側遮断部は、前記上側端部に取り付けられることによって前記被検査管と前記送り流路及び前記戻し流路の前記一方とを連通させる上側流路と、前記上側流路から分岐する吸気流路と、を有するとともに、前記上側流路及び前記吸気流路を開閉可能に構成されている。前記下側遮断部は、前記下側端部に取り付けられることによって前記被検査管と前記送り流路及び前記戻し流路の前記他方とを連通させる下側流路と、前記下側流路から分岐するドレン流路と、を有するとともに、前記下側流路及び前記ドレン流路を開閉可能に構成されている。
【0010】
このように構成された探傷装置では、上側遮断部が被検査管の上側端部に取り付けられるとともに、下側遮断部が被検査管の下側端部に取り付けられ、この状態で、ポンプユニットからの水とケーブル送り装置から送り出されたケーブルとが被検査管内に送り込まれて、被検査管内の探傷検査が行われる。このとき、上側流路及び下側流路を開通させ、吸気流路及びドレン流路を閉じることにより、切替ユニットとケーブル送り装置と被検査管との間で水が流れるような循環経路が形成される。
【0011】
この探傷装置では、吸気流路が設けられた上側遮断部が被検査管の上側端部に取り付けられ、ドレン流路が設けられた下側遮断部が被検査管の下側端部に取り付けられる。このため、上側流路及び下側流路が閉じられ、吸気流路及びドレン流路が開かれた状態では、送り流路及び戻し流路から外部に水を流出させることなく、下側端部を通して被検査管内の水をドレン流路に流入させることができる。さらに、送り流路、戻し流路、切替ユニット内及びケーブル送り装置内に水が充填された状態を保持したまま、探傷装置の上側遮断部及び下側遮断部を被検査管の両端部から取り外して、別の被検査管の両端部に繋ぎ替えることができる。
【0012】
これにより、検査済みの被検査管から別の被検査管に繋ぎ替える際に、探傷装置内における排水する必要のない水の排水を抑制しつつ被検査管内の水抜きを行うことができる。したがって、探傷装置の繋ぎ替え作業時の時間ロスが抑制されるため、複数の被検査管に対する探傷検査の効率を向上できる。
【0013】
前記上側遮断部及び前記下側遮断部のうちの前記送り流路に接続された遮断部には、前記上側流路及び前記下側流路のうち前記送り流路に繋がる流路の内部を視認可能なサイトグラスが設けられていてもよい。
【0014】
この態様では、送り流路に接続された遮断部に、上側流路及び下側流路のうち当該送り流路に繋がる流路の内部を視認可能なサイトグラスが設けられている。このため、探傷検査が終了して浮子ケーブルが被検査管から引き戻されるときには、浮子ケーブルの先端が遮断部を通過したことをサイトグラスにより視認できるため、浮子ケーブルの先端が遮断部を通過したことを確認した上で、ケーブル送り装置による浮子ケーブルの引き戻しを停止できる。このため、浮子ケーブルの先端(探傷センサ)が遮断部を通過し且つ遮断部に近い位置に配置された状態することにより、浮子ケーブルがケーブル送り装置側に戻され過ぎることを抑制できるため、探傷装置の繋ぎ替え作業の効率をさらに向上できる。
【0015】
前記探傷装置は、前記ポンプユニットに水を供給する貯水槽をさらに備えてもよく、この場合、前記ドレン流路は、前記貯水槽に接続された貯水槽接続流路に接続されていてもよい。
【0016】
この態様では、被検査管の水抜き時に、下側遮断部のドレン流路を通して被検査管から抜き出した水が貯水槽接続流路を通して貯水槽に戻されるため、被検査管からの排水を廃棄することなく別の被検査管の探傷検査に再利用できる。
【0017】
本開示における探傷検査方法は、ケーブル送り装置から浮子ケーブルを送り出し、浮子ケーブルの先端に取り付けられた探傷センサーによって複数の被検査管の探傷を行う探傷検査方法であって、前記ケーブル送り装置に接続された送り流路及び切替ユニットに接続された戻し流路の一方に接続された上側遮断部を、前記被検査管の上側端部に取り付け、前記ケーブル送り装置に接続された前記送り流路及び前記切替ユニットに接続された前記戻し流路の他方に接続された下側遮断部を、前記被検査管の下側端部に取り付け、前記上側遮断部に設けられた上側流路及び前記下側遮断部に設けられた下側流路が開き且つ前記上側遮断部に設けられた吸気流路及び前記下側遮断部に設けられたドレン流路が閉じた状態で、ポンプユニットから送り出された水及び浮子ケーブルを、前記ケーブル送り装置から一の被検査管に送り出して、当該一の被検査管の探傷を行い、前記一の被検査管から前記浮子ケーブルを前記ケーブル送り装置に引き戻した上で、前記上側流路及び前記下側流路を閉じるとともに前記吸気流路及び前記ドレン流路を開き、それによって、前記吸気流路と、前記一の被検査管と、前記ドレン流路とが連通した状態とし、前記上側遮断部及び前記下側遮断部を、前記一の被検査管から取り外した後、別の被検査管における上側端部及び下側端部に取り付け、前記上側流路及び前記下側流路が開き且つ前記吸気流路及び前記ドレン流路が閉じた状態で、前記ポンプユニットから送り出された水及び前記浮子ケーブルを、前記ケーブル送り装置から前記別の被検査管に送り出して、当該別の被検査管の探傷を行う。
【発明の効果】
【0018】
本開示における探傷装置及び探傷検査方法によれば、探傷装置を検査済みの被検査管から別の被検査管に繋ぎ替えながら探傷検査を行う場合に、探傷装置における排水の必要のない水が排水されることを抑制することにより、探傷検査の効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施形態に係る探傷装置の構成を示す概略図である。
図2】第2実施形態に係る探傷装置の構成を示す概略図である。
図3】その他の形態に係る探傷装置の構成を示す概略図である。
図4】その他の形態に係る探傷装置の構成を示す概略図である。
図5】特許文献1の探傷装置の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1実施形態)
本実施形態に係る探傷装置100は、図1に示すように、探傷センサー110を有する浮子付き探傷ケーブル111(以下、単に「ケーブル111」とも称する)を水流の力を利用して被検査管200内に送り込み、被検査管200の管内に生じる減肉や割れ等の材料キズを内部から検査するための検査装置である。被検査管200は、たとえば、ボイラの伝熱管のように、直管及び湾曲管により形成された配管である。被検査管200は、両端部のうち上下方向において上に位置する上側端部201と、上側端部201よりも下に位置する下側端部202と、を有している。
【0021】
探傷装置100は、貯水槽121と、貯水槽121から供給された水を送り出すように構成されたポンプユニット122と、ポンプユニット122から送り出された水の流入先を切り替える切替ユニット123と、ケーブル111を送り出すように構成されたケーブル送り装置130と、切替ユニット123とケーブル送り装置130とを繋ぐ送水流路143と、を備える。切替ユニット123は、ケーブル送り装置130から被検査管200に向けて流れるように水を循環させる第1状態と、被検査管200からケーブル送り装置130に向けて流れるように水を循環させる第2状態との間で、ポンプユニット122からの水の流入先を切り替えるように構成されている。切替ユニット123には、切替ユニット123から貯水槽121に水を戻す第1貯水槽流路144が接続され、ケーブル送り装置130には、ケーブル送り装置130から貯水槽121に水を戻す第2貯水槽流路145が接続されている。第2貯水槽流路145には、貯水部146及びポンプ147が設けられている。
【0022】
ケーブル111は、被検査管200よりも長い形状であり、ケーブル111上には複数の浮子113が所定間隔で固定されている。ケーブル111は、一端側がケーブル送り装置130内に引き込まれるようにして、ケーブル収容部115に収容されている。
【0023】
ケーブル111は、ケーブル送り装置130側の端部(先端)に探傷センサー110(たとえば、超音波センサー)が取り付けられており、ケーブル収容部115側の端部が、探傷センサー110に発振信号を出力するとともに探傷センサー110から信号を受信して解析・記録するための超音波探傷器112に接続されている。探傷センサー110は、超音波探傷器112からの発振信号に基づいて超音波を発振するとともに、返ってきた受信信号を出力するように構成されている。
【0024】
ケーブル送り装置130は、装置本体131と、装置本体131から一方向に延びる引込路132と、装置本体131から一方向に延びる送出路133と、を有する。ケーブル送り装置130内には、引込路132、装置本体131及び送出路133に亘って、ケーブル111を通過させる挿通路131aが設けられている。送水流路143は、水流路を有する水導入部135を通して送出路133につながっている。したがって、送水流路143を流れる水は、水流路を通して挿通路131aに流入する。引込路132は、水流路を有する排水部136を通して第2貯水槽流路145につながっている。
【0025】
装置本体131には、装置本体131内に回転可能に取り付けられ、挿通路131aのケーブル111を送り出し可能に構成された図略のプーリと、このプーリを回転させるための図略のハンドルが設けられている。装置本体131は、プーリを正転させることによりケーブル111を送出路133側に移動させる一方で、プーリを逆転させることによりケーブル111を引込路132側に移動させる。装置本体131は、プーリの正転時に、引込路132を通じてケーブル収容部115から挿通路131aにケーブル111を引き込むとともに、送出路133を通じて、送水流路143からの水とともにケーブル111を送り流路141に送り出す。
【0026】
引込路132は、引込路132内の水が外部に漏れることを抑制するためのシール構造(ラビリンス構造)を有している。このシール構造により、ケーブル送り装置130内の水が引込路132から外部に流出することが抑制される。ただし、ケーブル送り装置130内の水の一部が、このシール構造を通じて排水部136に漏れ出すことがある。排水部136に漏れ出した水は、第2貯水槽流路145を通じて貯水槽121に戻される。
【0027】
探傷装置100は、被検査管200の上側端部201に取り付けられるように構成された上側遮断部150を備えている。上側遮断部150は、本実施形態では戻し流路142に接続されている。上側遮断部150は、戻し流路142に連通する上側流路152と、上側流路152の端部に設けられるとともに上側流路152を開口させる上側アダプタ154と、上側流路152から分岐する吸気流路156と、を有する。
【0028】
上側アダプタ154は上側端部201に着脱可能に構成されている。上側アダプタ154を上側端部201に接続することにより、上側流路152が被検査管200に連通するため、上側流路152を通して被検査管200から戻し流路142に水を流入させることができる。
【0029】
上側流路152には、吸気流路156の分岐部155に対して戻し流路142側の部位に配置され、手動操作により開閉可能に構成された上側開閉弁153が設けられている。上側開閉弁153は、上側流路152を開閉するために用いられる。すなわち、上側開閉弁153は、被検査管200に水を流す際に開かれ、その一方で、上側アダプタ154を上側端部201から取り外す際に閉じられる。
【0030】
吸気流路156には、手動操作により開閉可能に構成された吸気弁157が設けられている。吸気弁157は、上側アダプタ154を上側端部201から取り外す際に開かれて外部から空気を流入させ、その一方で、被検査管200に水を流す際に閉じられる。
【0031】
吸気流路156には、吸気弁157よりも根元側の部位において排気路158が分岐しており、排気路158の先端には、上側流路152から外部への空気の通過を許容する排気弁159が設けられている。排気弁159が設けられることにより、被検査管200に水を流す際に、被検査管200から空気を抜くことができる。
【0032】
なお、上側遮断部150では、排気路158が吸気流路156から分岐するように設けられているが、これに代えて、排気路158は、上側流路152から分岐してもよい。また、排気路158は、戻し流路142から分岐するように設けられてもよい。
【0033】
このような上側遮断部150は、たとえば、上側流路152における分岐部155を構成するT型金物と、このT型金物に接続された上側開閉弁153と、T型金物から上側アダプタ154に延設され且つ上側流路152の一部を構成する配管(配管は柔軟なホースによって構成されてもよく、現場に合わせて長さが調整される)と、T型金物に接続された吸気流路156を構成する配管と、上側開閉弁153から戻し流路142に延設され且つ上側流路152の一部を構成する配管(配管は柔軟なホースによって構成されてもよく、現場に合わせて長さが調整される)と、により構成されていてもよい。
【0034】
探傷装置100は、被検査管200の下側端部202に取り付けられるように構成された下側遮断部160を備えている。下側遮断部160は、本実施形態では送り流路141に接続されている。下側遮断部160は、送り流路141に連通する下側流路162と、下側流路162の端部に設けられるとともに下側流路162を開口させる下側アダプタ164と、下側流路162から分岐するドレン流路166と、を有する。ドレン流路166は、下側遮断部160(被検査管200)からの水を貯水槽121に戻すように構成された貯水槽接続流路168に接続されている。貯水槽接続流路168には、ドレン流路166からの水を貯水槽121に送るためのポンプ169が設けられている。
【0035】
下側アダプタ164は下側端部202に着脱可能に構成されている。下側アダプタ164を下側端部202に接続することにより、下側流路162が被検査管200に連通するため、下側流路162を通して送り流路141から被検査管200に水を流入させることができる。
【0036】
下側流路162には、ドレン流路166の分岐部165に対して送り流路141側の部位に配置され、手動操作により開閉可能に構成された下側開閉弁163が設けられている。下側開閉弁163は、下側流路162を開閉するために用いられる。すなわち、下側開閉弁163は、被検査管200に水を流す際に開かれる一方で、下側アダプタ164を下側端部202から取り外す際には閉じられる。
【0037】
ドレン流路166には、手動操作により開閉可能に構成されたドレン弁167が設けられている。ドレン弁167は、被検査管200に水を流す際に閉じられる一方で、下側アダプタ164を下側端部202から取り外す際には開かれる。ドレン弁167が開かれると、下側流路162からの水が、ドレン流路166を通して貯水槽接続流路168を流れる。貯水槽接続流路168には、ドレン流路166からの水を貯水槽121に水を送るためのポンプ169が設けられている。
【0038】
このような下側遮断部160は、たとえば、下側流路162における分岐部165を構成するT型金物と、このT型金物に接続された下側開閉弁163と、T型金物から下側アダプタ164に延設され且つ下側流路162の一部を構成する配管(配管は柔軟なホースによって構成されてもよく、現場に合わせて長さが調整される)と、T型金物に接続されたドレン流路166を構成する配管と、下側開閉弁163から送り流路141に延設され且つ下側流路162の一部を構成する配管(配管は柔軟なホースによって構成されてもよく、現場に合わせて長さが調整される)と、により構成されていていてもよい。
【0039】
上側開閉弁153、下側開閉弁163、吸気弁157及びドレン弁167は、手動操作により開閉可能に構成されているが、これに限らない。たとえば、探傷装置100には、各開閉弁153,163,157,167の開閉状態を切替可能に構成された制御機構が設けられていてもよい。
【0040】
下側遮断部160にはさらに、下側流路162の内部を目視確認できるように構成されたサイトグラス170が設けられている。サイトグラス170は、下側流路162において下側開閉弁163よりも送り流路141側に配置されている。サイトグラス170は、たとえば、下側流路162に繋がるように設けられ且つケーブル111を挿通させる管状に形成された流路部と、この流路部に設けられ、流路部内を外部から視認可能な透明部材からなる窓部と、により構成されている。下側開閉弁163を閉じる際に、操作者がサイトグラス170を通じてケーブル111の先端(探傷センサー110)が下側開閉弁163を通過したかどうかを確認できる。
【0041】
(探傷方法の説明)
ここで、本実施形態の探傷装置100による探傷検査方法について説明する。まず、上側遮断部150の上側アダプタ154を被検査管200の上側端部201に取り付けるとともに、下側遮断部160の下側アダプタ164を被検査管200の下側端部202に取り付ける(アダプタ取付ステップ)。
【0042】
続いて、上側遮断部150の上側開閉弁153と下側遮断部160の下側開閉弁163とを開き、吸気流路156の吸気弁157とドレン流路166のドレン弁167とを閉じる。これにより、上側流路152及び下側流路162が開かれて、切替ユニット123、送水流路143、ケーブル送り装置130、送り流路141、下側遮断部160、被検査管200、上側遮断部150及び戻し流路142が環状に連通する循環経路102が形成される(循環経路形成ステップ)。このとき、吸気流路156及びドレン流路166は閉じられている。
【0043】
続いて、切替ユニット123の水の流入先を送水流路143側に切り替えた上で、ポンプユニット122を作動させる(ポンプ作動ステップ)。ポンプユニット122により貯水槽121から吸引された水は、切替ユニット123、送水流路143、ケーブル送り装置130、送り流路141、下側遮断部160、被検査管200、上側遮断部150、戻し流路142及び切替ユニット123を順次通過するように、循環経路102を流れる。このとき、切替ユニット123に戻った水は、切替ユニット123から第1貯水槽流路144を通して貯水槽121に戻される。また、循環経路102内の空気が、排気路158の排気弁159を通して外部に排気される。
【0044】
続いて、ケーブル送り装置130を作動させて、ケーブル送り装置130から送り流路141にケーブル111を送り出す(ケーブル送りステップ)。送り流路141に送り出されたケーブル111は、ポンプユニット122からの送水とともに、下側流路162及び下側アダプタ164を通過して、下側端部202から被検査管200内に送り込まれる。そして、超音波探傷器112を作動させて、ケーブル111の先端に取り付けられた探傷センサー110により被検査管200内の探傷が行われる(探傷検査ステップ)。
【0045】
探傷が終わると、ポンプユニット122を停止する。そして、切替ユニット123による水の流入先を送水流路143から戻し流路142に切り替えて、ポンプユニット122を再度作動させる。その後、ケーブル送り装置130によるケーブル111の送り方向を反転させる。これにより、ケーブル111は、ケーブル送り装置130側に引き戻されて、被検査管200内から引き抜かれる(ケーブル戻しステップ)。このとき、ケーブル111の先端(探傷センサー110)が下側開閉弁163よりも送り流路141側まで引き戻されたかどうかを、サイトグラス170を通して確認する(確認ステップ)。
【0046】
ケーブル111の先端が下側開閉弁163よりも送り流路141側まで引き戻されたことが確認されると、ポンプユニット122を停止するとともに、上側開閉弁153及び下側開閉弁163を閉じる(遮断ステップ)。これにより、上側流路152及び下側流路162が遮断される。また、吸気弁157及びドレン弁167を開いて吸気流路156及びドレン流路166を開き、貯水槽接続流路168のポンプ169を作動させる(水抜きステップ)。
【0047】
ポンプ169の作動により、貯水槽接続流路168には、ドレン流路166から貯水槽121に向かう水流が形成される。このような貯水槽接続流路168における水流と、被検査管200内における水の自重とにより、被検査管200内の水が、下側流路162を通してドレン流路166に排出される。このとき、吸気弁157が開かれているため、外気が、吸気流路156を通して上側流路152及び被検査管200内に流入する。被検査管200内から抜き出された水は、貯水槽接続流路168を通して貯水槽121に戻される。このとき、上側開閉弁153及び下側開閉弁163が閉じられているので、送り流路141内及び戻し流路142内の水は排出されない。
【0048】
被検査管200の水抜きが終わると、吸気弁157及びドレン弁167を閉じた上で、上側アダプタ154と下側アダプタ164とを被検査管200から取り外し(アダプタ取外ステップ)、図略の別の被検査管に上側アダプタ154及び下側アダプタ164を取り付ける(第2のアダプタ取付ステップ)。このとき、上側開閉弁153及び下側開閉弁163が閉じられているため、切替ユニット123、送水流路143、ケーブル送り装置130、送り流路141及び戻し流路142に水を満たした状態で、探傷装置100を、検査済みの被検査管200から別の被検査管に繋ぎ替えることができる。
【0049】
このように構成された探傷装置100では、上側遮断部150が被検査管200の上側端部201に取り付けられるとともに、下側遮断部160が被検査管200の下側端部202に取り付けられ、この状態で、ポンプユニット122からの水とケーブル送り装置130から送り出されたケーブル111とが被検査管200内に送り込まれて、被検査管200内の探傷検査が行われる。このとき、上側遮断部150の上側開閉弁153と下側遮断部160の下側開閉弁163とを開き、上側遮断部150の吸気弁157と下側遮断部160のドレン弁167とを閉じることにより、切替ユニット123とケーブル送り装置130と被検査管200との間で水が流れるような循環経路102が形成される。
【0050】
この探傷装置100では、吸気流路156が設けられた上側遮断部150が被検査管200の上側端部201に取り付けられ、ドレン流路166が設けられた下側遮断部160が被検査管200の下側端部202に取り付けられる。このため、上側開閉弁153及び下側開閉弁163が閉じられ、吸気弁157及びドレン弁167が開かれた状態では、送り流路141及び戻し流路142から外部に水を流出させることなく、下側端部202及び下側流路162を通して被検査管200内の水をドレン流路166に流入させることができる。さらに、送り流路141、戻し流路142、切替ユニット123内及びケーブル送り装置130内に水が充填された状態を保持したまま、探傷装置100の上側遮断部150及び下側遮断部160を被検査管200の両端部から取り外して、別の被検査管の両端部に繋ぎ替えることができる。
【0051】
これにより、検査済みの被検査管200から別の被検査管に繋ぎ替える際に、探傷装置100内における排水する必要のない水の排水を抑制しつつ被検査管200内の水抜きを行うことができる。したがって、探傷装置100の繋ぎ替え作業時の時間ロスが抑制されるため、複数の被検査管に対する探傷検査の効率を向上できる。さらに、検査済みの被検査管200内の水を回収して再度利用することができる。
【0052】
また、下側流路162における下側開閉弁163よりも送り流路141側には、送り流路141の内部を視認可能なサイトグラス170が設けられている。このため、探傷が終了してケーブル111が被検査管200から引き戻されるときに、ケーブル111の先端が下側開閉弁163を通過したことをサイトグラス170により視認した上で、ケーブル送り装置130によるケーブル111の引き戻しを停止できる。このため、ケーブル111の先端(探傷センサー110)が下側開閉弁163を通過し且つ下側開閉弁163に近い位置に配置された状態することにより、ケーブル111がケーブル送り装置130側に戻され過ぎることを抑制できるため、探傷装置100の繋ぎ替え作業の効率をさらに向上できる。
【0053】
また、被検査管200の水抜き時に、下側遮断部160のドレン流路166を通して被検査管200から抜き出した水を、貯水槽接続流路168を通して貯水槽121に戻すことができる。このため、被検査管200内の水を廃棄することなく別の被検査管の探傷検に再利用できる。
【0054】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更が加えられてもよい。たとえば、下側流路162には、サイトグラス170が設けられているが、下側流路162には、サイトグラス170が設けられていなくてもよい。この場合において、下側流路162には、ケーブル111を引き戻す際にケーブル111の先端(探傷センサー110)が下側開閉弁163を通過したことを検知可能なセンサー等が設けられてもよい。
【0055】
(第2実施形態)
探傷装置100を用いて被検査管200の探傷を行う場合に、被検査管200の構成によっては、ケーブル111を被検査管200の上側端部201から挿入することがある。第2実施形態に係る探傷装置100は、図2に示すように、送り流路141が上側遮断部150に接続されるとともに、戻し流路142が下側遮断部160に接続されている。したがって、第2実施形態では、ケーブル送り装置130から送り出されたケーブル111が被検査管200の上側端部201から被検査管200内に挿入される点において、第1実施形態の探傷装置100とは異なっている。この場合、サイトグラス170は、上側遮断部150の上側流路152における上側開閉弁153よりも送り流路141側の部位に配置される。
【0056】
第2実施形態の探傷装置100による探傷検査方法では、送り流路141が接続された上側遮断部150の上側アダプタ154が、被検査管200の上側端部201に取り付けられ、また、戻し流路142が接続された下側遮断部160の下側アダプタ164が、被検査管200の下側端部202に取り付けられる(アダプタ取付ステップ)。そして、第1実施形態と同様に、上側遮断部150の上側開閉弁153と下側遮断部160の下側開閉弁163とを開き、吸気流路156の吸気弁157とドレン流路166のドレン弁167とを閉じる(循環経路形成ステップ)。
【0057】
続いて、ポンプを作動させて循環経路102に水が流れる状態とし(ポンプ作動ステップ)、ケーブル送り装置130からケーブル111を送り出す(ケーブル送りステップ)。第2実施形態においては、ケーブル送り装置130から送り出されたケーブル111は、上側遮断部150を通して上側端部201から被検査管200内に挿入される。探傷後は、被検査管200内のケーブル111が、上側遮断部150を通してケーブル送り装置130に引き戻される(ケーブル戻しステップ)。そして、上側遮断部150に設けられたサイトグラス170により、ケーブル111が上側開閉弁153よりも送り流路141側まで引き戻されたことを確認する(確認ステップ)。ケーブル111が送り流路141側に戻ったことが確認できると、ポンプユニット122を停止するとともに上側開閉弁153及び下側開閉弁163を閉じ(遮断ステップ)、吸気弁157及びドレン弁167を開いて、水を抜く(水抜きステップ)。被検査管200の水抜きが終わると、吸気弁157及びドレン弁167を閉じた上で、上側アダプタ154と下側アダプタ164とを被検査管200から取り外し(アダプタ取外ステップ)、図略の別の被検査管に上側アダプタ154及び下側アダプタ164を取り付ける(第2のアダプタ取付ステップ)。このようにして、探傷装置100が、検査済みの被検査管200から別の被検査管に繋ぎ替えられる。
【0058】
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。例えば、前記第1実施形態及び第2実施形態では、上側遮断部150が、T型金物、上側開閉弁153、吸気流路157及び配管によって構成されているが、この構成に代え、図3に示すように、上側遮断部150が、上側アダプタ154を有する三方弁210を備えていてもよい。すなわち、上側遮断部150に設けられるT型金物に代えて三方弁210が用いられてもよい。この場合、上側遮断部150は、上側流路152の一部を有する三方弁210と、三方弁210から上側アダプタ154に延設され且つ上側流路152の一部を構成する配管(配管は柔軟なホースによって構成されてもよく、現場に合わせて長さが調整される)と、三方弁210から戻し流路142に延設され且つ上側流路152の一部を構成する配管(配管は柔軟なホースによって構成されてもよく、現場に合わせて長さが調整される)と、により構成される。
【0059】
この場合、三方弁210は、上側開閉弁153及び吸気弁157の機能を果たす図略の弁体を有しており、上側流路152及び吸気流路156を開閉可能に構成される。すなわち、三方弁210は、戻し流路142と被検査管200とが連通するように上側流路152が開かれる一方で吸気流路156が閉じられる状態と、戻し流路142と被検査管200との間が遮断されるように上側流路152が閉じられる一方で吸気流路156が開かれる状態と、の間で切り換え可能な構成となっている。なお、排気弁159が設けられた排気路158は、上側流路152に接続されても、戻し流路142に接続されていてもよい。
【0060】
前記第1実施形態及び第2実施形態では、下側遮断部160が、T型金物、下側開閉弁163、ドレン弁167及び配管によって構成されているが、この構成に代え、図4に示すように、下側遮断部160が、下側アダプタ164を有する三方弁220を備えていてもよい。この場合、下側遮断部160は、下側流路162の一部を有する三方弁220と、三方弁220から下側アダプタ164に延設され且つ下側流路162の一部を構成する配管(配管は柔軟なホースによって構成されてもよく、現場に合わせて長さが調整される)と、三方弁220から送り流路141に延設され且つ下側流路162の一部を構成する配管(配管は柔軟なホースによって構成されてもよく、現場に合わせて長さが調整される)と、により構成される。
【0061】
三方弁220は、下側開閉弁163及びドレン弁167の機能を果たす図略の弁体を有し、下側流路162及びドレン流路166を開閉可能に構成される。すなわち、三方弁220は、送り流路141と被検査管200とが連通するように下側流路162が開かれる一方でドレン流路166が閉じられる状態と、送り流路141と被検査管200との間が遮断されるように下側流路162が閉じられる一方でドレン流路166が開かれる状態と、の間で切り換え可能な構成となっている。
【0062】
この構成の場合、サイトグラス170は、三方弁220に対して送り流路141側に位置するように、三方弁220に隣接する。なお、図4の形態において、上側遮断部150が三方弁210を備えた構成としてもよい。
【0063】
図示省略するが、第2実施形態において、上側遮断部150が三方弁210を備えた構成としてもよい。この場合、三方弁210は、送り流路141と被検査管200とが連通するように上側流路152が開かれる一方で吸気流路156が閉じられる状態と、送り流路141と被検査管200との間が遮断されるように上側流路152が閉じられる一方で吸気流路156が開かれる状態と、の間で切り換え可能な構成となる。
【0064】
図示省略するが、第2実施形態において、下側遮断部160が三方弁220を備えた構成としてもよい。三方弁220は、戻し流路142と被検査管200とが連通するように下側流路162が開かれる一方でドレン流路166が閉じられる状態と、戻し流路142と被検査管200との間が遮断されるように下側流路162が閉じられる一方でドレン流路166が開かれる状態と、の間で切り換え可能な構成となる。
【符号の説明】
【0065】
100 :探傷装置
110 :探傷センサー
111 :浮子付き探傷ケーブル
121 :貯水槽
122 :ポンプユニット
123 :切替ユニット
130 :ケーブル送り装置
141 :送り流路
142 :戻し流路
150 :上側遮断部
152 :上側流路
156 :吸気流路
160 :下側遮断部
162 :下側流路
166 :ドレン流路
168 :貯水槽接続流路
170 :サイトグラス
200 :被検査管
201 :上側端部
202 :下側端部
図1
図2
図3
図4
図5