(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038863
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】包装容器
(51)【国際特許分類】
B65D 81/32 20060101AFI20240313BHJP
B65D 30/22 20060101ALI20240313BHJP
【FI】
B65D81/32 D
B65D30/22 G
B65D30/22 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143188
(22)【出願日】2022-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】弁理士法人小笠原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青木 和美
(72)【発明者】
【氏名】矢島 佐保
【テーマコード(参考)】
3E013
3E064
【Fターム(参考)】
3E013AB07
3E013AC13
3E013AD36
3E013AE12
3E013AF02
3E013AF17
3E013AF29
3E064AA05
3E064BA17
3E064BA55
3E064BB03
3E064BC08
3E064BC18
3E064FA01
3E064FA03
3E064GA04
3E064HP04
3E064HT07
(57)【要約】
【課題】2つの収容部間に設けられた弱シール部の剥離が容易な包装容器を提供する。
【解決手段】包装容器は、重ね合わせた第1フィルム及び第2フィルムをシールしてなる包装容器であって、第1収容部と、弱シールによって第1シール部と隔てられた第2収容部と、第1収容部を構成するフィルム材の一方に接続され、弱シール部と離間して設けられる把持部とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重ね合わせた第1フィルム及び第2フィルムをシールしてなる包装容器であって、
第1収容部と、
弱シール部によって前記第1収容部と隔てられた第2収容部と、
前記第1収容部を構成する前記第1フィルム及び第2フィルムの一方に接続され、前記弱シール部と離間して設けられる把持部とを備える、包装容器。
【請求項2】
互いに平行な一対のサイドシール部を有し、
前記第1収容部、前記弱シール部及び前記第2収容部は、前記サイドシール部の延伸方向に並べて設けられており、
前記把持部は、
前記第1収容部を構成する前記第1フィルムの外面に、前記サイドシール部と直交する所定の直線に沿って接続され、前記弱シール部と離間して設けられる第1フィン部と、
前記第1収容部を構成する前記第2フィルムの外面に、前記所定の直線に沿って接続され、前記弱シール部と離間して設けられる第2フィン部とを有する、請求項1に記載の包装容器。
【請求項3】
前記弱シール部の延伸方向と直交する方向の幅が、5mm以上15mm未満である、請求項2に記載の包装容器。
【請求項4】
前記弱シール部は、前記第1収容部側に向かって突出した形状を有している、請求項2に記載の包装容器。
【請求項5】
前記サイドシール部に平行な方向における前記所定の直線から前記弱シール部の前記第1収容部側の端縁までの最短距離をT1、前記サイドシール部に平行な方向における前記所定の直線から前記弱シール部の前記第2収容部側の端縁までの最長距離をT2としたとき、T2-T1<50mmの条件を満たす、請求項2に記載の包装容器。
【請求項6】
15≦T2-T1≦30mmの条件を満たす、請求項5に記載の包装容器。
【請求項7】
互いに平行な一対のサイドシール部を有し、
前記第1収容部は、前記サイドシール部と直交するシール部によってシールされており、
前記第1収容部、前記弱シール部及び前記第2収容部は、前記サイドシール部の延伸方向に並べて設けられており、
前記把持部は、前記第1収容部を構成する前記第1フィルムの外面に、前記サイドシール部と直交する所定の直線に沿って接続され、前記弱シール部と離間して設けられるフィン部を有し、
前記包装容器は、前記第2フィルムが内側となるように前記第2収容部が折り曲げられており、前記第1収容部を構成する前記第2フィルムの外面のうち、前記弱シール部を含む部分が、前記第2収容部を構成する前記第2フィルムの外面に剥離可能に接着された接着部が設けられており、
前記接着部のシール強度が、前記弱シール部のシール強度と略等しいか、前記弱シール部のシール強度以上であり、
平面視において、前記第1収容部の前記シール部の内側の端縁から前記所定の直線までの垂直距離をTb0、前記所定の直線から前記弱シール部の前記第1収容部側の端縁までの最短垂直距離をTb1、前記所定の直線から前記接着部の前記第1収容部側の端縁までの垂直距離をTa1、前記所定の直線から前記接着部の前記第2収容部側の端縁までの垂直距離をTa2、前記サイドシール間の距離をWとしたとき、
Tb0-Tb1≧0mm(ただし、Tb1≧0mm)
Tb1-Ta1>0mm
Ta2-Tb1≧0mm、
W/2÷Ta1≧1.5
の条件を同時に満たす、請求項1に記載の包装容器。
【請求項8】
Tb1-Ta1≧1mmである、請求項7に記載の包装容器。
【請求項9】
前記弱シール部は、前記第1収容部側に向かって突出した形状を有している、請求項7または8に記載の包装容器。
【請求項10】
請求項1に記載の包装容器の前記第1収容部及び前記第2収容部にそれぞれ内容物を充填して、前記第1収容部及び前記第2収容部が封止された包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムから構成される包装容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
1組の矩形状のフィルムを互いに重ね合せた包装容器において、弱シール部を隔てて2つの収容部を有する包装容器が知られている(特許文献1~4)。このような包装容器は、例えば高級シートマスクのパッケージなどに用いられる。2つの収容部にはそれぞれ異なる内容物(不織布と美容液など)が収容されており、使用する直前に収容部を圧縮することで弱シール部を剥離させて内容物を混合することができる。そのため、例えば、ふやけにくいように不織布を分厚くしたり、美容液に乳化剤を添加したりするなど、内容物に過剰な物性を付与する必要がない。
【0003】
包装容器の輸送などの際に弱シール部が意図せず剥離してしまうのを防ぐため、弱シール部は一定のシール強度を必要とする。しかし、弱シール部のシール強度を大きくすると、使用者が剥離させる場合に剥離しにくいという問題があった。そのため、シール強度を高めても弱シール部を剥離させやすいように、フィルムの弱シール部に沿った部分に把持部を設けた包装容器が知られている(特許文献5及び6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第7008269号公報
【特許文献2】特許第6886633号公報
【特許文献3】特開平11-227841号公報
【特許文献4】特許第5088004号公報
【特許文献5】特開2015-160630号公報
【特許文献6】特開2015-6897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、弱シール部の剥離しやすさには改善の余地があった。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、2つの収容部間に設けられた弱シール部の剥離が容易な包装容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明の一局面は、重ね合わせた第1フィルム及び第2フィルムをシールしてなる包装容器であって、第1収容部と、弱シールによって第1シール部と隔てられた第2収容部と、第1収容部を構成するフィルム材の一方に接続され、弱シール部と離間して設けられる把持部とを備える、包装容器である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、2つの収容部間に設けられた弱シール部の剥離が容易な包装容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る包装容器の概略平面図であり、
図2は、
図1のA-A’断面図である。なお、
図1及び
図2において、包装容器は内容物を充填する前の状態を示す。
【0011】
包装容器100は、矩形状の第1フィルム1及び第2フィルム2を重ね合わせて形成される。包装容器100は、第1フィルム1及び第2フィルム2の互いに平行な一対の端縁3a、3bを所定幅に渡ってシールして形成されたサイドシール部4と、弱シール部5によって隔てられた第1収容部6及び第2収容部7と、第1収容部6上に弱シール部5と離間して設けられる把持部(第1フィン部11及び第2フィン部12)とを備える。第1収容部6、弱シール部5、及び第2収容部7は、サイドシール部4の延伸方向に並べて設けられる。なお、
図1は、内容物を充填する前の包装容器100の状態を示しており、内容物の充填後は、サイドシール部4と直交する端縁3c、3dをシールすることで包装体とすることができる。包装体の状態において、弱シール部5を剥離することで第1収容部6と第2収容部7に充填されていた内容物を混合することができる。なお、第1収容部6側の端縁3cからは、第1収容部6の内容物が充填され、第2収容部7側の端縁3dからは、第2収容部7の内容物が充填される。
【0012】
(フィルム)
第1フィルム1及び第2フィルム2は、矩形状に形成され、端縁3a、3b、3c、3dをシールすることにより収容部(第1収容部6及び第2収容部7)を有する包装容器100とするためのフィルム材である。第1フィルム1及び第2フィルム2は、ヒートシール等によりサイドシール部4や弱シール部5が形成されるため、最内層にシーラント層を備える2層以上の多層フィルムを好適に用いることができる。また、バリア性を付与するために、蒸着PET(ポリエチレンテレフタレート)、透明蒸着PET、及びAL(アルミアルミニウム)などのバリア層を含むことが好ましい。
【0013】
(収容部)
第1収容部6及び第2収容部7は弱シール部5によって隔てられることで形成されており、各収容部には異なる内容物を充填することができる。第1収容部6を構成する第1フィルム1及び第2フィルム2の外面には、把持部が接続される。第1収容部6及び第2収容部7内の内容物は弱シール部5が剥離されると混合され、内容物が使用可能な状態となる。なお、把持部が形成される第1収容部6の内容物は第2収容部7より粘度の低い内容物であることが好ましく、第1収容部と第2収容部との内容積の大小関係は任意に設計できる。
【0014】
(把持部)
把持部は、第1フィン部11と第2フィン部12とを有しており、第1フィン部11と第2フィン部12とを互いに離れる方向に引っ張ることで、弱シール部5の剥離を容易に行うことができる。第1フィン部11及び第2フィン部12が設けられていない場合は、一方の収容部を扱くなどして収容部内の圧力を上げて弱シール部5を剥離させる必要がある。そのため、フィルムにシワが発生して扱い辛くなり、美粧性も損なわれる。
【0015】
第1フィン部11は、第1収容部6を構成する第1フィルム1の外面に設けられ、第2フィン部12は第1収容部6を構成する第2フィルム2の外面に設けられる。第1フィン部11及び第2フィン部12はサイドシール部4と直交する所定の直線Lに沿って接続されている。このように、第1フィン部11及び第2フィン部12は同一の直線Lに沿ってフィルムと接続されているため、フィルムとフィン部との接続部から弱シール部5までの距離が第1フィン部11と第2フィン部12とで同じとなり、弱シール部5の剥離がしやすい。また、第1フィン部11及び第2フィン部12は、いずれも弱シール部5と離間して設けられているため、第1フィン部11及び第2フィン部12を引っ張ることに伴って第1フィルム1及び第2フィルム2の未シール部が離間するが、未シール部の離間に続いて弱シール部5の剥離が進行し、弱シール部5を徐々に剥離することができる。そのため、弱シール部5上に第1フィン11部及び第2フィン部12を設け、弱シール部5を面で剥離する構成に比べて剥離に要する力を低減することができ、弱シール部5を剥離しやすい。
【0016】
第1フィン部11及び第2フィン部12は、それぞれフィルム(第1フィルム1及び第2フィルム2)の一部の内面同士を向かい合わせてフィルムの端縁のみをシールして形成してもよいし(
図2(a))、向かい合わせた内面の全部をシールして形成してもよい(
図2(b))。このように、別パーツを用いずに把持部を形成する方法を用いるとコストが低減されるため好ましい。第1フィン部11及び第2フィン部12の大きさは把持しやすいように適宜調整すればよいが、例えば、第1フィン部及び第2フィン部の幅(直線Lと垂直な方向における幅)を15mm以上とすれば、容易に指で把持して引っ張ることができる。
【0017】
(弱シール部)
弱シール部5は、第1収容部6と第2収容部7とを分離するように第1フィルム1と第2フィルム2とが剥離可能にシールされた部分であり、サイドシール部4間にサイドシール部4と略垂直な方向に延びるように設けられる。弱シール部5の形状は、弱シール部5の剥離のしやすさを考慮すると
図1のように中央部分が第1収容部6側に向かって突出した形状を有していることが好ましいが、直線形状であってもよい。また、第1収容部6側に向かって突出した形状の場合、突出部は複数あってもよい。
【0018】
弱シール部5は、把持部を介して剥離される場合において、剥離を容易に行える程度のシール強度である必要があり、包装容器100の端縁3a、3b、3c、3dのシール部に比べてシール強度が弱く設計される。一方、包装容器100の輸送時などに意図せず弱シール部5が剥離してしまうことが無い程度のシール強度を有する必要がある。弱シール部5のシール強度は、例えば、2.5~7.0N/15mmとすることができる。弱シール部5は、例えば、ヒートシールによって形成することができ、ヒートシール圧力や温度を調節することで適切なシール強度にすることができる。
【0019】
弱シール部5の線幅(前記弱シール部5の延伸方向と直交する方向の幅)は、5mm以上15mm未満であることが好ましい。5mm未満の場合はシール面積が不足し、包装体の輸送中に弱シール部5が剥離してしまう恐れがある。また、15mm以上の場合はシール面積が広過ぎるため、弱シール部5を剥離させにくくなる。
【0020】
また、弱シール部5が第1収容部6側に向かって突出した形状(
図1)の場合、直線Lから弱シール部5の第1収容部6側の端縁までの最短距離をT1、直線Lから弱シール部5の第2収容部7側の端縁までの最長距離をT2としたとき、T2-T1<50mmの条件を満たす。T2-T1が50mm以上の場合は、第1フィン部11及び第2フィン部12を互いに離れる方向に引っ張っても、収容部の変形がサイドシール部4に阻害される。そのため、弱シール部5の末端まで力が伝達されず、弱シール部5の剥離が困難となる。また、15≦T2-T1≦30mmの条件を満たすことがさらに好ましい。
【0021】
以上説明したように、第1実施形態に係る包装容器100は、弱シール部5と離間して第1フィン部11と第2フィン部12とが設けられる。これにより、第1フィン部11及び第2フィン部12を引っ張ることに伴って第1フィルム1及び第2フィルム2の未シール部が離間するが、未シール部の離間に続いて弱シール部5の剥離が進行し、弱シール部5は徐々に剥離される。そのため、弱シール部5上に第1フィン部11と第2フィン部12とを設け、弱シール部5を面で剥離する構成に比べて剥離に要する力を低減することができる。
【0022】
また、第1フィン部11及び第2フィン部12はそれぞれ同一の直線Lに沿って設けられている。そのため、第1フィン部11及び第2フィン部12の弱シール部5までの距離が同じとなり、弱シール部5を剥離しやすい。
【0023】
また、弱シール部5の幅が5mm以上15mm未満である。そのため、輸送中に弱シール部5が剥離してしまうのを抑制でき、かつ、第1フィン部11及び第2フィン部12による剥離がしやすい。
【0024】
また、T2-T1<50mmの条件を満たす。そのため、弱シール部5の剥離を確実に行うことができる。
【0025】
<第2実施形態>
図3は、第2実施形態に係る包装容器の概略平面図であり、
図4は、第2実施形態に係る包装容器の断面図である。なお、
図3において、包装容器は内容物を充填する前の状態を示しており、
図4においては内容物を充填して折り曲げた状態を示している。
【0026】
包装容器200は、矩形状の第1フィルム1及び第2フィルム2を重ね合わせて形成される。包装容器200は、第1フィルム1及び第2フィルム2の互いに平行な一対の端縁3a、3bを所定幅に渡ってシールして形成されたサイドシール部4と、弱シール部5によって隔てられた第1収容部6及び第2収容部7と、第1収容部6上の第1フィルム1の外面に弱シール部5と離間して設けられる把持部(フィン部21)とを備える。
図3は、内容物を充填する前の包装容器200の状態を示しており、内容物の充填後は、サイドシール部4と直交する端縁3c、3dをシールすることで包装体とすることができる。包装体の状態において、弱シール部5を剥離することで第1収容部6と第2収容部7に充填された内容物を混合し、内容物を使用可能な状態とすることができる。なお、第1収容部6側の端縁3cからは、第1収容部6の内容物が充填され、第2収容部7側の端縁3dからは、第2収容部7の内容物が充填される。
【0027】
本実施形態に係る包装容器200は、端縁3a、3b、3c、3dのシール後、
図4に示すように、第2フィルム2が内側となるように第2収容部7が折り曲げられており、第1収容部6と第2収容部7とが重なった状態とされる。このとき、第1収容部6を構成する第2フィルム2の外面のうち、弱シール部5を含む部分に設けられた接着部8を介して、第2フィルム2の外面同士が剥離可能に接着されている。そのため、包装袋に意図せず外力が加えられた場合であっても、外力が第1収容部6と第2収容部7とに分散され、弱シール部5の意図せぬ剥離を抑制することができる。第2収容部7のうち、第2収容部7の端縁3dから接着部8までを支持部9とする。支持部9は、弱シール部5を剥離する際に把持することで、包装体を支持するための部分である。
【0028】
(フィルム)
第1フィルム1及び第2フィルム2は、矩形状に形成され、端縁3a、3b、3c、3dをシールすることにより収容部(第1収容部6及び第2収容部7)を有する包装容器200とするためのフィルム材である。第1フィルム1及び第2フィルム2は、ヒートシール等によりサイドシール部4や弱シール部5が形成されるため、最内層にシーラント層を備える2層以上の多層フィルムを好適に用いることができる。また、バリア性を付与するために、蒸着PET(ポリエチレンテレフタレート)、透明蒸着PET、及びAL(アルミアルミニウム)などのバリア層を含むことが好ましい。
【0029】
(収容部)
第1収容部6及び第2収容部7は弱シール部5によって隔てられることで形成されており、各収容部には異なる内容物を充填することができる。第1収容部6を構成する第1フィルム1の外面には、把持部が接続される。第1収容部6及び第2収容部7内の内容物は弱シール部5が剥離されると混合され、内容物が使用可能な状態となる。
【0030】
(把持部)
把持部は、第1収容部6を構成する第1フィルム1の外面に、サイドシール部4と直交する所定の直線Lに沿って接続されるフィン部21を有する。フィン部21は、弱シール部5を剥離する際に一方の手で把持する部分である。フィン部21および支持部9をそれぞれ把持した状態で、フィン部21を支持部9から離れる方向に引っ張ることで、弱シール部5の剥離を容易に行うことができる。フィン部21を引っ張ることに伴って第1フィルム1及び第2フィルム2の未シール部が離間するが、未シール部の離間に続いて弱シール部5の剥離が進行し、弱シール部5を徐々に剥離することができる。そのため、弱シール部5上にフィン部21を設け、弱シール部5を面で剥離する構成に比べて剥離に要する力を低減することができ、弱シール部5を剥離しやすい。
【0031】
フィン部21は、2枚のフィルムを貼り合わせて形成してもよいし(
図5(a))、1枚のフィルムの一部の内面同士を向かい合わせてシールすることで形成してもよい(
図5(b))。このとき、フィン部21は、向かい合わせた内面の全部をシールして形成してもよいし、端縁など一部のみをシールして形成してもよい。
【0032】
(接着部8)
接着部8は、第1収容部6を構成する第2フィルム2の外面のうち、弱シール部5を含む部分に設けられ、第2フィルム2の外面同士を接着する。接着部8のシール強度は、15mm幅、引張速度300mm/minで引張試験をした場合において、弱シール部5のシール強度と略等しいか、弱シール部5のシール強度以上であり、かつ、包装容器200の端縁3a、3b、3c、3dのシール部のシール強度以下である。そのため、フィン部21を支持部9から離れる方向に引っ張ると、最初に弱シール部5が剥離され、その後に接着部8が剥離される。弱シール部5と接着部8のシール強度の差が1N/15mm以内であれば、測定誤差を加味して、略等しいとみなすことができる。接着部8のシール強度は、例えば、1.21N/15mm以上6.58N/15mm以下(ただし弱シール部5のシール強度より大きい)とすることができる。
【0033】
接着部8による第2フィルム2の外面同士の接着は、ポリオレフィン系イージーピールフィルムを介してホットメルトによって接着する方法を用いてもよいし、両面テープによって圧着固定する方法を用いてもよい。また、接着部8の第1収容部6側と第2収容部7側とで接着強度に差を設け、剥離時に第1収容部6または第2収容部7のいずれか一方に接着材料が残る構成にしてもよい。
【0034】
(弱シール部)
弱シール部5は、第1収容部6と第2収容部7とを分離するように第1フィルム1と第2フィルム2とが剥離可能にシールされた部分であり、サイドシール部4間にサイドシール部4と略垂直な方向に設けられる。弱シール部5の形状は、弱シール部5の剥離のしやすさを考慮すると
図1のように中央部分が第1収容部6側に向かって突出した形状を有していることが好ましいが、直線形状であってもよい。弱シール部5の線幅(弱シール部5の延伸方向と直交する方向の幅)は、例えば15mmとすることができる。弱シール部5の幅はサイドシール間の距離と等しくなり、例えば、80mmとすることができる。
【0035】
弱シール部5は、把持部を介して剥離される場合において、剥離を容易に行える程度のシール強度である必要があり、包装容器200の端縁3a、3b、3c、3dのシール部に比べてシール強度が弱く設計される。一方、包装容器200の輸送時などに意図せず弱シール部5が剥離してしまうことが無い程度のシール強度を有する必要がある。また、弱シール部5は接着部8よりも先に剥離される必要があるため、弱シール部5のシール強度接着部8と略等しいか、接着部8のシール強度未満である必要がある。弱シール部5のシール強度は、例えば、1.82N/15mm以上6.41N/15mm以下とすることができる。弱シール部5は、例えば、ヒートシールによって形成することができ、ヒートシール圧力や温度を調節することで適切なシール強度にすることができる。
【0036】
次に、弱シール部5を確実に剥離させることのできる条件について説明する。まず、フィン部21は、平面視において、サイドシール部4が伸びる方向における第1収容部6の中央から弱シール部5までの領域に設けられる必要がある。また、弱シール部5の第1収容部6側の端縁は、平面視において、接着部8の第1収容部6側の端縁と第2収容部7側の端縁との間に設けられる。また、フィン部21と接着部8(弱シール部5)との距離がサイドシール部4間の距離に対して離れすぎた場合、フィン部21を支持部9から離す方向に引っ張っても収容部の変形がサイドシール部4に阻害され、フィン部21に加えられた張力が弱シール部5に伝達されず、弱シール部5より先に接着部8が剥離してしまうため、サイドシール部4間の距離及びフィン部21と接着部8との距離を規定する必要がある。
【0037】
以上を踏まえると、本実施形態に係る包装容器200は、平面視において、第1収容部6側の端縁3cの内側の端縁から直線Lまでの垂直距離をTb0、直線Lから弱シール部5の第1収容部6側の端縁までの最短垂直距離をTb1、直線Lから接着部8の第1収納部側の端縁までの垂直距離をTa1、直線Lから接着部8の第2収容部7側の端縁までの垂直距離をTa2、サイドシール間の距離をWとしたとき、下記の条件を同時に満たすことが好ましい。
Tb0-Tb1≧0mm(ただし、Tb1≧0mm)
Tb1-Ta1>0mm
Ta2-Tb1≧0mm、
W/2÷Ta1≧1.5
【0038】
以上説明したように、第2実施形態に係る包装容器200は、弱シール部5と離間してフィン部21が設けられる。これにより、フィン部21を引っ張ることに伴って第1フィルム1及び第2フィルム2の未シール部が離間するが、未シール部の離間に続いて弱シール部5の剥離が進行し、弱シール部5は徐々に剥離される。そのため、弱シール部5上にフィン部21とを設け、弱シール部5を面で剥離する構成に比べて剥離に要する力を低減することができる。
【0039】
また、第2フィルム2が内側となるように第2収容部7が折り曲げられ、第2フィルム2の外面同士が接着されている。そのため、包装袋に意図せず外力が加えられた場合であっても、外力が第1収容部6と第2収容部7とに分散されるため、弱シール部5の意図せぬ剥離を抑制することができる。また、弱シール部5の剥離を接着部8の接着力を利用して行うことができるので、第2フィルム2に把持部を設ける必要がない。
【0040】
また、Tb0-Tb1≧0mm(ただし、Tb1≧0mm)、Tb1-Ta1>0mm、Ta2-Tb1≧0mm、W/2÷Ta1≧1.5の条件を満たすため、弱シール部5を確実に剥離させることができる。
【実施例0041】
<好適な弱シール幅の検証>
(実施例1-1)
図1に示す第1実施形態に係る包装容器100を作製した。このとき、弱シール部5の線幅を5mm、T2-T1を20mm、包装容器100の長さ(サイドシール部4が延びる方向の長さ)を200mm、包装容器100の幅(サイドシール部5に垂直な方向の幅)を150mm、端縁3cから直線Lまでの長さを130mm、第1フィン部11及び第2フィン部12の直線Lに垂直な方向の長さを15mm、端縁3cから弱シール部5の第2収容部7側の端縁までの最長距離を160mm、サイドシール部5の幅を10mmとした。また、第1フィルム1及び第2フィルム2の構成は、最外層側からPET12μm/印刷層/VP-PET12μm/L&Pシーラント(出光ユニテック株式会社製、MS-615)50μmとした。作製した包装容器100の第1収容部6に美容液を50ml充填し、第2収容部7に不織布を収容してから端縁3c、3dをシールし、実施例1-1に係る包装体を作製した。弱シール部5のシール強度は、2.5N/15mm(シール条件:100℃、0.2MPa、0.2秒)であり、端縁3a、3b、3c、3dのシール強度は8.0N/15mm(シール条件:160℃、0.2MPa、1.0秒)であった。
【0042】
(実施例1-2)
弱シール部の線幅を7mmとしたことを除き、実施例1-1と同様に実施例1-2に係る包装体を作製した。
【0043】
(実施例1-3)
弱シール部の線幅を10mmとしたことを除き、実施例1-1と同様に実施例1-3に係る包装体を作製した。
【0044】
(実施例1-4)
弱シール部の線幅を13mmとしたことを除き、実施例1-1と同様に実施例1-4に係る包装体を作製した。
【0045】
(比較例1-1)
弱シール部の線幅を1.5mmとしたことを除き、実施例1-1と同様に比較例1-1に係る包装体を作製した。
【0046】
(比較例1-2)
弱シール部の幅を3mmとしたことを除き、実施例1-1と同様に比較例1-2に係る包装体を作製した。
【0047】
(比較例1-3)
弱シール部の線幅を15mmとしたことを除き、実施例1-1と同様に比較例1-3に係る包装体を作製した。
【0048】
実施例1-1~1-4及び比較例1-1~1-3に係る包装体について、「剥離容易性」及び「外力による剥離有無」について評価した。「剥離容易性」の項目は、第1フィン部11と第2フィン部12とを互いに離れる方向に引っ張り、弱シール部5が非常に剥離しやすかった場合を「◎」、剥離しやすかった場合を「〇」、剥離はできたが剥離が困難であった場合を「×」として評価した。また、「外力による剥離有無」の項目は、包装体の輸送段階において、弱シール部が剥離していなかった場合を「◎」、弱シール部5は後退していたが内容物は混合していなかった場合を「△」、弱シール部5が剥離して内容物が混合していた場合を「×」として評価した。また、これらの結果を基に総合評価を行った。総合評価は、「剥離容易性」及び「外力による剥離有無」のいずれかの評価結果に×がある場合を「×」、×が無く△がある場合を「△」、×及び△が無く〇がある場合を「〇」その他の場合を「◎」として評価した。評価結果を表1に示す。
【0049】
【0050】
実施例1-1~1-4はいずれも弱シール部の線幅が5mm以上15mm未満であったため、第1フィン部11と第2フィン部12と介した弱シール部5の剥離が行いやすく、輸送時に意図せず弱シール部5が剥離することもなかった。
【0051】
比較例1-1~1-2は、弱シール部の線幅が5mm未満であったため、弱シール部5が輸送時に後退したり剥離したりしていた。一方、比較例1-3は、弱シール部5のシール部の線幅が15mm以上であったため、輸送時に弱シール部が後退することがなかったが、第1フィン部11と第2フィン部12を用いても弱シール部5の剥離が困難であった。
【0052】
<好適な弱シール部の形状の検証>
(実施例1-5)
T2-T1を5mmとしたことを除き、実施例1-1と同様に実施例1-5に係る包装体を作製した。
【0053】
(実施例1-6)
T2-T1を13mmとしたことを除き、実施例1-1と同様に実施例1-6に係る包装体を作製した。
【0054】
(実施例1-7)
T2-T1を15mmとしたことを除き、実施例1-1と同様に実施例1-7に係る包装体を作製した。
【0055】
(実施例1-8)
実施例1-1と同様に実施例1-8に係る包装体を作製した。
【0056】
(実施例1-9)
T2-T1を25mmとしたことを除き、実施例1-1と同様に実施例1-9に係る包装体を作製した。
【0057】
(実施例1-10)
T2-T1を30mmとしたことを除き、実施例1-1と同様に実施例1-10に係る包装体を作製した。
【0058】
(実施例1-11)
T2-T1を40mmとしたことを除き、実施例1-1と同様に実施例1-11に係る包装体を作製した。
【0059】
(比較例1-4)
T2-T1を50mmとしたことを除き、実施例1-1と同様に比較例1-4に係る包装体を作製した。
【0060】
実施例1-5~1-11及び比較例1-4に係る包装体について、「剥離容易性」について評価した。第1フィン部11と第2フィン部12とを互いに離れる方向に引っ張り、弱シール部5が非常に剥離しやすかった場合を「◎」、剥離しやすかった場合を「〇」、剥離はできたが剥離が困難であった場合を「×」として評価した。また、これらの結果を基に総合評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0061】
【0062】
実施例1-5~1-11はいずれもT2-T1が50mm未満であったため、第1フィン部11と第2フィン部12と介した弱シール部5の剥離が行いやすかった。特に、T1-T1が15mm以上30mm未満の範囲であった実施例1-7~1-10は、好適な範囲で弱シール部5が第1収容部側に突出した形状となっていたため、剥離が特に容易であった。
【0063】
比較例1-4は、T2-T1が50mmであったため、第1フィン部11と第2フィン部12とを引っ張って弱シール部5を剥離することが困難であり、シールが十分に後退しなかった。
【0064】
<把持部及び弱シール部の位置関係の検証>
(実施例2-1)
図4に示す第2実施形態に係る包装容器200を作製した。このとき、Tb0が50mm、Tb1を0mm、Ta1を-5mm、Ta2を15mm、Wを80mm、弱シール部5の線幅を5mm、サイドシール部5の幅を10mmとした。また、第1フィルム1及び第2フィルム2の構成は、最外層側からPET12μm/印刷/VP-PET12μm/L&Pシーラント(出光ユニテック株式会社製、MS-615)50μmとした。作製した包装容器100の第1収容部6に美容液を50ml充填し、第2収容部7に不織布を収容し、端縁3c、3dをシールし、実施例2-1に係る包装体を作製した。弱シール部5のシール強度は、2.5N/15mm(シール条件:100℃、0.2MPa、0.2秒)であり、接着部8の接着強度が4.16N/15mmであり、端縁3a、3b、3c、3dのシール強度は8.0N/15mm(シール条件:160℃、0.2MPa、1.0秒)であった。
【0065】
(実施例2-2)
Tb0を40mm、Tb1を10mm、Ta1を5mm、Ta2を25mmとしたことを除き、実施例2-1と同様に実施例2-2に係る包装体を作製した。
【0066】
(実施例2-3)
Tb0を35mm、Tb1を15mm、Ta1を10mm、Ta2を30mmとしたことを除き、実施例2-1と同様に実施例14に係る包装体を作製した。
【0067】
(実施例2-4)
Tb0を25mm、Tb1を25mm、Ta1を20mm、Ta2を40mmとしたことを除き、実施例2-1と同様に実施例2-4に係る包装体を作製した。
【0068】
(比較例2-1)
Tb0を20mm、Tb1を30mm、Ta1を25mm、Ta2を45mmとしたことを除き、実施例2-1と同様に比較例2-1に係る包装体を作製した。
【0069】
実施例2-1~2-4及び比較例2-1に係る包装体について、フィン部21を引っ張り、弱シール部5が剥離できた場合を「〇」、剥離ができなかった場合(剥離痕が確認できない場合)を「×」として可否を評価した。評価結果を表3に示す。
【0070】
【0071】
実施例2-1~2-4はいずれもTb0-Tb1が0mm以上であったため、弱シール部5の剥離が可能であった。
【0072】
比較例2-1は、Tb0-Tb1が0mm未満であったため、弱シール部5を剥離できなかった。
【0073】
<サイドシール間の距離に対するフィン部と弱シール部との位置関係の検証>
(実施例2-5)
Tb0を40mm、Tb1を10mm、Ta1を5mm、Ta2を25mm、Wを80mmとしたことを除き、実施例2-1と同様に実施例2-5に係る包装体を作製した。
【0074】
(実施例2-6)
Tb0を35mm、Tb1を15mm、Ta1を10mm、Ta2を30mm、Wを80mmとしたことを除き、実施例2-1と同様に実施例2-6に係る包装体を作製した。
【0075】
(実施例2-7)
Tb0を25mm、Tb1を25mm、Ta1を20mm、Ta2を40mm、Wを80mmとしたことを除き、実施例2-1と同様に実施例2-7に係る包装体を作製した。
【0076】
(実施例2-8)
Tb0を30mm、Tb1を20mm、Ta1を15mm、Ta2を35mm、Wを60mmとしたことを除き、実施例2-1と同様に実施例2-8に係る包装体を作製した。
【0077】
(比較例2-3)
Tb0を14mm、Tb1を36mm、Ta1を31mm、Ta2を51mm、Wを80mmとしたことを除き、実施例2-1と同様に比較例2-3に係る包装体を作製した。
【0078】
(比較例2-4)
Tb0を10mm、Tb1を40mm、Ta1を35mm、Ta2を55mm、Wを80mmとしたことを除き、実施例2-1と同様に比較例2-4に係る包装体を作製した。
【0079】
(比較例2-5)
Tb0を20mm、Tb1を30mm、Ta1を25mm、Ta2を45mm、Wを60mmとしたことを除き、実施例2-1と同様に比較例2-5に係る包装体を作製した。
【0080】
(比較例2-6)
Tb0を30mm、Tb1を20mm、Ta1を15mm、Ta2を35mm、Wを50mmとしたことを除き、実施例2-1と同様に比較例2-6に係る包装体を作製した。
【0081】
(比較例2-7)
Tb0を25mm、Tb1を25mm、Ta1を20mm、Ta2を40mm、Wを50mmとしたことを除き、実施例2-1と同様に比較例2-7に係る包装体を作製した。
【0082】
実施例2-5~2-8及び比較例2-3~2-7に係る包装体について、フィン部21を引っ張り、弱シール部5が問題無く剥離できた場合を「〇」、工夫すれば剥離することができた場合を「△」、剥離ができなかった場合(剥離痕が確認できない場合)を「×」として可否を評価した。評価結果を表4に示す。
【0083】
【0084】
表4に示すように、実施例2-5~2-8はいずれもW/2÷Tb1が1.5以上となり、問題無く弱シール部5を剥離することができた。
【0085】
比較例2-6は、W/2÷Tb1が1.3であり、弱シール部5を剥離することはできたが、剥離するためには工夫が必要であり、人によっては剥離できない場合があることを示唆していた。
【0086】
比較例2-3~2-5、及び2-7は、比較例2-6よりもさらにW/2÷Tb1の値が小さく、弱シール部5の剥離はできなかった。
【0087】
<弱シール部と接着部との位置関係の検証>
(実施例2-9)
Tb0を35mm、Tb1を15mm、Ta1を14mm、Ta2を24mm、Wを80mmとしたことを除き、実施例2-1と同様に実施例2-9に係る包装体を作製した。
【0088】
(実施例2-10)
Tb0を35mm、Tb1を15mm、Ta1を14mm、Ta2を19mm、Wを80mmとしたことを除き、実施例2-1と同様に実施例2-10に係る包装体を作製した。
【0089】
(実施例2-11)
Tb0を35mm、Tb1を15mm、Ta1を13mm、Ta2を18mm、Wを80mmとしたことを除き、実施例2-1と同様に実施例2-11に係る包装体を作製した。
【0090】
(実施例2-12)
Tb0を35mm、Tb1を15mm、Ta1を12mm、Ta2を17mm、Wを80mmとしたことを除き、実施例2-1と同様に実施例2-12に係る包装体を作製した。
【0091】
(実施例2-13)
Tb0を35mm、Tb1を15mm、Ta1を11mm、Ta2を16mm、Wを80mmとしたことを除き、実施例2-1と同様に実施例2-13に係る包装体を作製した。
【0092】
(実施例2-14)
Tb0を35mm、Tb1を15mm、Ta1を10mm、Ta2を15mm、Wを80mmとしたことを除き、実施例2-1と同様に実施例2-14に係る包装体を作製した。
【0093】
(比較例2-8)
Tb0を35mm、Tb1を15mm、Ta1を15mm、Ta2を25mm、Wを80mmとしたことを除き、実施例2-1と同様に比較例2-8に係る包装体を作製した。
【0094】
実施例2-9~2-14及び比較例2-8に係る包装体について、フィン部21を引っ張り、弱シール部5が剥離できた場合を「〇」、剥離ができなかった場合を「×」として可否を評価した。評価結果を表5に示す。
【0095】
【0096】
表5に示すように、実施例2-9~2-14はいずれもTb1-Ta1>0mmかつTa2-Tb1≧0mmであったため、弱シール部5を剥離することができた。
【0097】
比較例2-8は、Tb1-Ta1が0mmであったため、接着部8のみが剥離し、弱シール部5の剥離はできなかった。
【0098】
<弱シール部及び接着部のシール強度の関係の検証>
(実施例2-15)
Tb0を35mm、Tb1を15mm、Ta1を10mm、Ta2を20mm、Wを80mmとし、弱シール部5のシール強度を1.82N/15mm、接着部8のシール強度を1.21N/15mmとしたことを除き、実施例2-1と同様に実施例2-15に係る包装体を作製した。このとき、弱シール部5及び接着部8のシール強度は、包装容器200の弱シール部5及び接着部8を開封方向に15mm幅で切り出した試験片に対して引張試験機(オリエンテック社、RTC-1310A)を用いて300mm/mimで試験を行い、その最大測定値とした。
【0099】
(実施例2-16)
Tb0を35mm、Tb1を15mm、Ta1を10mm、Ta2を20mm、Wを80mmとし弱シール部5のシール強度を1.82N/15mm、接着部8のシール強度を6.58N/15mmとしたことを除き、実施例2-1と同様に実施例2-16に係る包装体を作製した。
【0100】
(実施例2-17)
Tb0を35mm、Tb1を15mm、Ta1を10mm、Ta2を20mm、Wを80mmとし弱シール部5のシール強度を4.16N/15mm、接着部8のシール強度を6.58N/15mmとしたことを除き、実施例2-1と同様に実施例2-17に係る包装体を作製した。
【0101】
(実施例2-18)
Tb0を35mm、Tb1を15mm、Ta1を10mm、Ta2を20mm、Wを80mmとし弱シール部5のシール強度を6.41N/15mm、接着部8のシール強度を6.58N/15mmとしたことを除き、実施例2-1と同様に実施例2-18に係る包装体を作製した。
【0102】
(比較例2-9)
Tb0を35mm、Tb1を15mm、Ta1を10mm、Ta2を20mm、Wを80mmとし弱シール部5のシール強度を4.16N/15mm、接着部8のシール強度を1.21N/15mmとしたことを除き、実施例2-1と同様に比較例2-9に係る包装体を作製した。
【0103】
実施例2-15~2-18及び比較例2-9に係る包装体について、フィン部21を引っ張り、弱シール部5が剥離できた場合を「〇」、剥離ができなかった場合を「×」として可否を評価した。評価結果を表6に示す。
【0104】
【0105】
表6に示すように、実施例2-15~2-18はいずれも接着部8のシール強度は、弱シール部5のシール強度と略等しいか、弱シール部5のシール強度以上であったため、弱シール部5を剥離することができた。弱シール部5と接着部8のシール強度の大小関係において±1N/15mmの差は、測定誤差を加味して略等しいとみなされるため、実施例2-15及び2-18の大小関係を「≒」と記載している。
【0106】
比較例2-9は、接着部8のシール強度が弱シール部5のシール強度よりも小さかったため、接着部8のみが剥離し、弱シール部5の剥離はできなかった。