(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038868
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】空気処理装置
(51)【国際特許分類】
A61L 9/00 20060101AFI20240313BHJP
A61L 2/10 20060101ALI20240313BHJP
A61L 9/20 20060101ALI20240313BHJP
F24F 8/167 20210101ALI20240313BHJP
F24F 8/22 20210101ALI20240313BHJP
【FI】
A61L9/00 C
A61L2/10
A61L9/20
F24F8/167
F24F8/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143198
(22)【出願日】2022-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 淳
(72)【発明者】
【氏名】福田 直生
(72)【発明者】
【氏名】柴原 雄右
(72)【発明者】
【氏名】松本 卓馬
(72)【発明者】
【氏名】大武 寛和
(72)【発明者】
【氏名】藤原 章裕
(72)【発明者】
【氏名】冨山 彩弥香
(72)【発明者】
【氏名】小西 達也
(72)【発明者】
【氏名】森 聖也
【テーマコード(参考)】
4C058
4C180
【Fターム(参考)】
4C058AA23
4C058BB06
4C058KK02
4C058KK22
4C058KK28
4C058KK46
4C180AA02
4C180AA07
4C180CC03
4C180DD03
4C180EA16X
4C180EA27Y
4C180EA33X
4C180EA34X
4C180EA54X
4C180HH05
4C180HH11
4C180HH15
4C180MM06
(57)【要約】
【課題】光触媒モジュールを取り外した状態において処理空間の外部への紫外線の出射が有効に防止される空気処理装置を提供すること。
【解決手段】実施形態によれば、空気処理装置は、処理ボックス、紫外光源、蓋部及び光触媒モジュールを備える、処理ボックスの内部には、処理空間が形成され、処理空間は、挿入口を通して外部空間に連通可能である。紫外光源は、処理ボックスの処理空間において紫外線を照射し、蓋部は、挿入口を閉鎖する閉鎖状態に付勢される。光触媒モジュールは、付勢に反して閉鎖状態から蓋部を移動させることにより、挿入口から処理空間に挿入可能となり、光触媒モジュールは、処理空間に配置される状態において、挿入口を閉鎖する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に処理空間が形成され、挿入口を通して前記処理空間が外部空間に連通可能な処理ボックスと;
前記処理ボックスの前記処理空間において紫外線を照射する紫外光源と;
前記挿入口を閉鎖する閉鎖状態に付勢される蓋部と;
付勢に反して前記閉鎖状態から前記蓋部を移動させることにより、前記挿入口から前記処理空間に挿入可能となり、前記処理空間に配置される状態において、前記挿入口を閉鎖する光触媒モジュールと;
を具備する、空気処理装置。
【請求項2】
前記処理ボックスの前記処理空間は、第1の開口及び第2の開口のそれぞれにおいて前記外部空間と連通し、
前記挿入口及び前記紫外光源は、前記処理空間において前記第1の開口と前記第2の開口との間に位置し、
前記第1の開口と対向する状態で前記処理空間に配置されるファンをさらに具備し、
前記ファンを駆動することにより、前記第1の開口と前記第2の開口との間での空気の流れが処理空間において形成され、
前記挿入口は、前記処理空間において、前記第2の開口と前記紫外光源との間に位置する、
請求項1の空気処理装置。
【請求項3】
前記蓋部は、第1の蓋部材及び第2の蓋部材を備え、
前記蓋部の前記閉鎖状態では、前記第1の蓋部材及び前記第2の蓋部材は、互いに対して協働して前記挿入口を閉鎖する、
請求項1の空気処理装置。
【請求項4】
前記蓋部の前記閉鎖状態では、前記第1の蓋部材の一部が、前記第2の蓋部材の一部に対してオーバラップする、請求項3の空気処理装置。
【請求項5】
前記処理空間に前記光触媒モジュールが配置される状態では、前記第1の蓋部材は、前記光触媒モジュールに対して前記紫外光源が位置する側に位置し、前記第2の蓋部材は、前記光触媒モジュールに対して前記紫外光源が位置する側とは反対側に位置し、前記第1の蓋部材及び前記第2の蓋部材のそれぞれは、前記処理ボックスの内表面から内側へ向かって突出し、前記処理ボックスの前記内表面からの前記第1の蓋部材の突出長は、前記処理ボックスの前記内表面からの前記第2の蓋部材の突出長に比べて大きい、
請求項4の空気処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、空気処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線及び光触媒フィルタを用いて空気の除菌及び脱臭を行う空気処理装置が知られている。このような空気処理装置では、処理ボックスの内部の処理空間へ、外部から空気を導入する。そして、処理空間において紫外線及び光触媒モジュールを用いて、導入された空気を除菌及び脱臭等する。そして、除菌及び脱臭等された空気は、処理空間の外部へ排出される。前述のような空気処理装置では、光触媒モジュールを定期的に洗浄したり、交換したりする必要がある。空気処理装置では、光触媒モジュールの交換において、処理空間から外部への紫外線の出射を有効に防止することが、求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、光触媒モジュールを取り外した状態において処理空間の外部への紫外線の出射が有効に防止される空気処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、空気処理装置は、処理ボックス、紫外光源、蓋部及び光触媒モジュールを備える、処理ボックスの内部には、処理空間が形成され、処理空間は、挿入口を通して外部空間に連通可能である。紫外光源は、処理ボックスの処理空間において紫外線を照射し、蓋部は、挿入口を閉鎖する閉鎖状態に付勢される。光触媒モジュールは、付勢に反して閉鎖状態から蓋部を移動させることにより、挿入口から処理空間に挿入可能となり、光触媒モジュールは、処理空間に配置される状態において、挿入口を閉鎖する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、光触媒モジュールを取り外した状態において処理空間の外部への紫外線の出射が有効に防止される空気処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る空気処理装置を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る空気処理装置を、奥行き方向に直交又は略直交する断面で示す断面図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る空気処理装置を、横方向に直交又は略直交する断面で一部を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る空気処理装置を、反射板を処理ボックスから分離した状態で示し、横方向に直交又は略直交する断面で一部を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る空気処理装置の外郭シャーシを示す斜視図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る空気処理装置の外郭シャーシを、天壁を省略して示す斜視図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係る空気処理装置の処理ボックス及び反射板を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態に係る空気処理装置の処理ボックス及び反射板を、処理ボックスの天壁を省略して示す斜視図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態に係る空気処理装置の処理ボックス及び反射板を、反射板を処理ボックスから分離した状態で示し、処理ボックスの天壁を省略して示す斜視図である。
【
図10】
図10は、第1の実施形態に係る空気処理装置の照明器具を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、第1の実施形態に係る空気処理装置の光触媒モジュールを示す斜視図である。
【
図12】
図12は、第1の変形例に係る空気処理装置の処理ボックス及び反射板の組合わせ体において、蓋部及びその近傍を、処理ボックスの横方向に対して直交又は略直交する断面で示す断面図である。
【
図13】
図13は、第1の変形例に係る空気処理装置の処理ボックスにおいて、蓋部及びその近傍を、処理ボックスの横方向に対して直交又は略直交する断面で示す断面図である。
【
図14】
図14は、第1の変形例に係る空気処理装置の処理ボックス及び反射板を、処理ボックスの天壁を省略して示す斜視図である。
【
図15】
図15は、第3の変形例に係る空気処理装置の処理ボックス及び反射板を、処理ボックスから反射板を分離した状態で示し、処理ボックスの横方向に対して直交又は略直交する断面で示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態の空気処理装置(1)は、処理ボックス(15)、紫外光源(41)、蓋部(70;70A,70B)及び光触媒モジュール(42;42A,42B)を備える、処理ボックス(15)の内部には、処理空間(30)が形成され、処理空間(30)は、挿入口(73;73A,73B)を通して外部空間に連通可能である。紫外光源(41)は、処理ボックス(15)の処理空間(30)において紫外線を照射し、蓋部(70;70A,70B)は、挿入口(73;73A,73B)を閉鎖する閉鎖状態に付勢される。光触媒モジュール(42;42A,42B)は、付勢に反して閉鎖状態から蓋部(70;70A,70B)を移動させることにより、挿入口(73;73A,73B)から処理空間(30)に挿入可能となり、光触媒モジュール(42;42A,42B)は、処理空間(30)に配置される状態において、挿入口(73;73A,73B)を閉鎖する。これにより、光触媒モジュール(42;42A,42B)を取外した状態において、処理空間(30)から処理ボックス(15)の外部への紫外線の出射が、有効に防止される。
【0009】
実施形態の空気処理装置(1)では、処理ボックス(15)の処理空間(30)は、第1の開口(37)及び第2の開口(38)のそれぞれにおいて外部空間と連通し、挿入口(73;73A)及び紫外光源(41)は、処理空間(30)において第1の開口(37)と第2の開口(38)との間に位置する。空気処理装置(1)は、ファン(40)を備え、ファン(40)は、第1の開口(37)と対向する状態で処理空間(30)に配置される。ファン(40)を駆動することにより、第1の開口(37)と第2の開口(38)との間での空気の流れが、処理空間(30)におい形成され、挿入口(73;73A)は、処理空間(30)において、第2の開口(38)と紫外光源(41)との間に位置する。これにより、紫外光源(41)からの紫外線及び光触媒モジュール(42;42A)を用いて処理空間(30)で空気の除菌及び脱臭が行われている状態において、紫外光源(41)から第2の開口(38)に向かう紫外線が、光触媒モジュール(42;42A)によって遮断され、第2の開口(38)を通して処理空間(30)から処理ボックス(15)の外部へ紫外線が出射されることが、有効に防止される。
【0010】
実施形態の空気処理装置(1)では、蓋部(70)は、第1の蓋部材(71A)及び第2の蓋部材(71B)を備え、蓋部(70)の閉鎖状態では、第1の蓋部材(71A)及び第2の蓋部材(71B)は、互いに対して協働して挿入口(73)を閉鎖する。これにより、光触媒モジュール(42)への紫外線の入射及び空気の流入に対する第1の蓋部材(71A)及び第2の蓋部材(71B)を含む蓋部(70)の影響が、低減される。
【0011】
実施形態の空気処理装置(1)では、蓋部(70)の閉鎖状態において、第1の蓋部材(71A)の一部が、第2の蓋部材(71B)の一部に対してオーバラップする。複数の蓋部材(71A,71B)を設けても、光触媒モジュール(42)が処理空間(30)から取出された状態において、挿入口(73)を通して処理空間(30)から処理ボックス(15)の外部へ紫外線が出射されることが、有効に防止される。
【0012】
実施形態の空気処理装置(1)では、処理空間(30)に光触媒モジュール(42)が配置される状態において、第1の蓋部材(71A)は、光触媒モジュール(42)に対して紫外光源(41)が位置する側に位置し、第2の蓋部材(71B)は、光触媒モジュール(42)に対して紫外光源(41)が位置する側とは反対側に位置する。処理空間(30)に光触媒モジュール(42)が配置される状態では、第1の蓋部材(71A)及び第2の蓋部材(71B)のそれぞれは、処理ボックス(15)の内表面から内側へ向かって突出する。処理空間(30)に光触媒モジュール(42)が配置される状態では、処理ボックス(15)の内表面からの第1の蓋部材(71A)の突出長(D1)は、処理ボックス(15)の内表面からの第2の蓋部材(71B)の突出長(D2)に比べて大きい。これにより、光触媒モジュール(42)を取外した状態において、挿入口(73)を通して処理空間(30)から処理ボックス(15)の外部へ紫外線が出射されることが、さらに有効に防止される。
【0013】
以下、実施形態について図面を参照にして説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
まず、実施形態の一例として、第1の実施形態について説明する。
図1、
図2、
図3及び
図4は、第1の実施形態に係る空気処理装置1を示す。空気処理装置1は、照明一体型の空気処理装置である。
図1乃至
図4に示すように、空気処理装置1は、外郭シャーシ10、照明器具12、処理ボックス15及び反射板16を備える。
図1乃至
図4の一例では、空気処理装置1に2つの照明器具12が設けられる。空気処理装置1及び外郭シャーシ10では、奥行方向(矢印X1で示す方向)、奥行方向に対して交差する(直交又は略直交する)横方向(矢印Y1で示す方向)、及び、奥行方向及び横方向の両方に対して交差する(直交又は略直交する)高さ方向(矢印Z1で示す方向)が、規定される。奥行方向はX方向とも称され、横方向はY方向とも称され、高さ方向はZ方向とも称される。
図1は、斜視図であり、
図2は、奥行方向に直交又は略直交する断面を示す断面図である。
図3及び
図4は、横方向に対して直交又は略直交する断面で一部を示す斜視図であり、
図4では、反射板16を処理ボックス15から分離した状態が示される。
【0015】
外郭シャーシ10は、天井面等の壁面13(
図2参照)に、設置される。外郭シャーシ10が天井面に設置される場合、空気処理装置1及び外郭シャーシ10の高さ方向は、鉛直方向(重力方向)と一致又は略一致する。外郭シャーシ10は、天壁21及び周壁22を備え、外郭シャーシ10では、天壁21及び周壁22によって、内部空洞23が規定される。天壁21は、シャーシ天壁とも称される。本実施形態では、内部空洞23は、少なくとも1方向において外部と連通する空間であり、閉鎖空間ではない。外郭シャーシ10では、天壁21は、高さ方向の一方側から内部空洞23に隣接し、周壁22は、内部空洞23を外周側から全周に渡って囲む。天壁21は、天井面等の壁面13と接する状態、又は、壁面13とは対向する状態で配置される。なお、外郭シャーシ10では、天壁21、周壁22及びシャーシ底壁によって内部空洞23が規定されてもよい。この場合、内部空洞23は閉鎖空間となり、外郭シャーシ10は、内部に内部空洞23が形成される箱形状になる。
【0016】
また、外郭シャーシ10では、周壁22は、天壁21に接続され、天壁21から高さ方向に沿って延設される。周壁22は、例えば、1つの部材で構成されてもよく、複数の部材により構成されてもよい。内部空洞23は、高さ方向について天壁21が位置する側とは反対側へ、開口する。内部空洞23の開口では、周壁22において天壁21とは反対側の端によって、開口縁が形成される。内部空洞23は、開口において、部屋等の壁面13によって規定される空間に向かって開口し、内部空洞23と部屋等の壁面13によって規定される空間とは連通する。外郭シャーシ10が天井面に設置される場合、内部空洞23は、開口において鉛直下側へ向かって開口する。
【0017】
図5は、外郭シャーシ10を斜視図で示す。
図5に示すように、外郭シャーシ10では、天壁21の一方側の面である内表面に、フレーム25が設置される。フレーム25は、周壁22によって囲まれる内部空洞23に配置される。フレーム25は、例えば、天壁21とは一体に構成される。
図5の一例では、3つのフレーム25が設置され、3つのフレーム25は、外郭シャーシ10の横方向に並んで配置される。3つのフレーム25の中では、フレーム25Aが、外郭シャーシ10の横方向について中央に配置される。そして、フレーム25Bは、フレーム25Aに対して、外郭シャーシ10の横方向の一方側に並んで配置され、フレーム25Cは、フレーム25Aに対して、外郭シャーシ10の横方向についてフレーム25Bとは反対側に並んで配置される。フレーム25のそれぞれは、外郭シャーシ10の奥行方向に沿って延設され、外郭シャーシ10では、奥行方向について一端部から他端部に渡って、フレーム25のそれぞれが延設される。
【0018】
外郭シャーシ10では、フレーム25のそれぞれに、受け金具26が取付けられる。
図5の一例では、フレーム25のそれぞれに、受け金具26が2つずつ取付けられる。受け金具26は、内部空洞23に配置される。フレーム25のそれぞれでは、2つの受け金具26は、外郭シャーシ10の奥行方向に、互いに対して離れて配置される。例えば、フレーム25のそれぞれでは、外郭シャーシ10の奥行方向について一端部に、2つの受け金具26の一方が取付けられ、外郭シャーシ10の奥行方向について他端部に、2つの受け金具26の他方が取付けられる。なお、フレーム25のそれぞれには、受け金具26が1つのみ設けられてもよく、受け金具26が3つ以上設けられてもよい。
【0019】
図6は、外郭シャーシ10を、天壁21を省略した斜視図で示す。
図5及び
図6に示すように、フレーム25Aでは、外郭シャーシ10の横方向についてフレーム25Bが位置する側の側部に、係合穴27Aが形成され、外郭シャーシ10の横方向についてフレーム25Cが位置する側の側部に、係合穴27Bが形成される。
図5及び
図6の一例では、係合穴27Aが2つ形成され、係合穴27Bが2つ形成される。フレーム25Aでは、2つの係合穴27Aは、外郭シャーシ10の奥行方向に、互いに対して離れて配置され、2つの係合穴27Bは、外郭シャーシ10の奥行方向に、互いに対して離れて配置される。
【0020】
また、フレーム25Bでは、外郭シャーシ10の横方向についてフレーム25Aが位置する側の側部に、係合穴28Aが形成され、フレーム25Cでは、外郭シャーシ10の横方向についてフレーム25Aが位置する側の側部に、係合穴28Bが形成される。
図5及び
図6の一例では、係合穴28Aが2つ形成され、係合穴28Bが2つ形成される。フレーム25Bでは、2つの係合穴28Aは、外郭シャーシ10の奥行方向に、互いに対して離れて配置され、フレーム25Cでは、2つの係合穴28Bは、外郭シャーシ10の奥行方向に、互いに対して離れて配置される。
【0021】
図7は、処理ボックス15及び反射板16を斜視図で示す。
図7では、処理ボックス15及び反射板16が組合わされた状態が示される。
図7等に示すように、処理ボックス15、及び、処理ボックス15及び反射板16の組合わせ体では、奥行方向(矢印X2で示す方向)、奥行方向に対して交差する(直交又は略直交する)横方向(矢印Y2で示す方向)、及び、奥行方向及び横方向の両方に対して交差する(直交又は略直交する)高さ方向(矢印Z2で示す方向)が、規定される。
図1等において矢印X1で示す奥行方向は、
図7等において矢印X2で示す奥行方向と平行又は略平行であり、
図1等において矢印Y1で示す横方向は、
図7等において矢印Y2で示す横方向と平行又は略平行であり、
図1等において矢印Z1で示す高さ方向は、
図7等において矢印Z2で示す高さ方向と平行又は略平行である。
【0022】
処理ボックス15では、奥行方向に沿った寸法が、横方向に沿った寸法より大きく、横方向に沿った寸法が、高さ方向に沿った寸法より大きい。処理ボックス15は、天壁31、底壁32、一対の対向する側壁33A,33B、及び、一対の対向する側壁35A,35Bを備え、これらの壁部に囲まれた内側空間を構成する。天壁31は、ボックス天壁とも称され、処理ボックス15の内側空間は、後述するように処理空間30とも称される。処理ボックス15では、少なくとも内側空間へ臨む内表面が、紫外線を反射する材料から形成され、例えば、アルミニウム合金及びステンレス合金等のいずれかから形成される。
【0023】
図8及び
図9は、処理ボックス15の天壁31を省略した状態で処理ボックス15及び反射板16を斜視図で示す。
図8では、処理ボックス15及び反射板16が組合わされた状態が示され、
図9では、反射板16を処理ボックス15から分離した状態が示される。
図3、
図4、
図8及び
図9等に示すように、処理ボックス15の内部には、処理空間30が形成される。処理ボックス15では、天壁31及び底壁32は、高さ方向に互いに対して離れて配置され、処理空間30を間に挟んで互いに対して対向する。また、処理ボックス15では、側壁33A,33B,35A,35Bによって、処理空間30を外周側から全周に渡って囲む周壁が、形成される。側壁33A,33B,35A,35Bのそれぞれは、天壁31から底壁32まで、処理ボックス15の高さ方向に沿って延設される。
【0024】
一対の側壁33A,33Bは、処理ボックス15の奥行方向に互いに対して離れて配置され、処理空間30を間に挟んで互いに対して対向する。また、一対の側壁35A,35Bは、処理ボックス15の横方向に互いに対して離れて配置され、処理空間30を間に挟んで互いに対して対向する。側壁33A,33Bのそれぞれは、側壁35Aから側壁35Bまで、処理ボックス15の横方向に沿って延設される。また、側壁35A,35Bのそれぞれは、側壁33Aから側壁33Bまで、処理ボックス15の奥行方向に沿って延設される。
【0025】
処理ボックス15の底壁32には、開口37,38が形成される。処理空間30は、開口37,38のそれぞれにおいて、処理ボックス15の外部に対して開口する。開口37,38のそれぞれでは、処理空間30は、処理ボックス15の高さ方向について、天壁31が位置する側とは反対側へ開口する。開口37,38は、処理ボックス15の奥行方向に、互いに対して離れて位置する。例えば、処理ボックス15の底壁32では、奥行方向について一端部に、開口37が形成され、奥行方向について開口37とは反対側の端部に、開口38が形成される。
【0026】
処理ボックス15には、ファン40が取付けられ、ファン40は、処理ボックス15の内部の処理空間30に配置される。
図8及び
図9等の一例では、ファン40は、底壁32の内表面に取付けられる。そして、ファン40は、処理空間30が位置する側から、すなわち、内側から、開口37に対して対向する。以下の説明では、2つの開口37,38の中でファン40が内側から対向する一方を、開口37とし、第1の開口とも称する。そして、2つの開口37,38の中で第1の開口とは異なる一方を、開口38とし、第2の開口とも称する。なお、
図8及び
図9等の一例では、第2の開口となる開口38において、底壁32がルーバー状に形成され、開口38は、複数のスリット孔が並んで形成される構成となる。ただし、開口37,38のそれぞれの形状等は、
図8及び
図9の形状等に限定されるものではない。
【0027】
図1乃至
図9等の一例では、ファン40を駆動することにより、処理ボックス15の内部の処理空間30へ、処理ボックス15の外部から開口37を通して、空気が導入される。そして、処理空間30において、開口37から開口38に向かって空気が流れ、開口37から開口38に向かう空気の流れが形成される。そして、開口38へ流れた空気は、開口38を通して、処理空間30から処理ボックス15の外部へ排出される。したがって、開口(第1の開口)37が、処理空間30へ空気を導入する導入口となり、開口(第2の開口)38が、処理空間30から空気を排出する排出口となる。
【0028】
なお、ある一例では、ファン40を駆動することにより、処理ボックス15の内部の処理空間30へ、処理ボックス15の外部から開口38を通して、空気が導入されてもよい。この場合、処理空間30において、開口38から開口37に向かって空気が流れ、開口38から開口37に向かう空気の流れが形成される。そして、開口37へ流れた空気は、開口37を通して、処理空間30から処理ボックス15の外部へ排出される。したがって、本一例では、開口(第2の開口)38が、処理空間30へ空気を導入する導入口となり、開口(第1の開口)37が、処理空間30から空気を排出する排出口となる。
【0029】
また、処理ボックス15の処理空間30には、紫外光源41が配置される。紫外光源41は、処理空間30において紫外線を照射する。紫外光源41は、処理ボックス15の長手方向について、開口37,38の間に位置する。すなわち、紫外光源41は、処理空間30において、導入口と排出口との間に位置する。
図1乃至
図9の一例では、紫外光源41は、側壁35Aの内表面に取付けられる。ただし、紫外光源41は、側壁35Bの内表面に取付けられてもよく、天壁31又は底壁32の内表面に取付けられてもよい。処理ボックス15の内表面は、前述のように、紫外線を反射する材料から形成される。このため、処理空間30において紫外光源41から照射された紫外線は、天壁31、底壁32及び側壁33A,33B,35A,35Bのそれぞれの内表面において反射する。したがって、紫外光源41からの紫外線が処理ボックス15の外部へ出射されることが、有効に防止される。
【0030】
反射板16は、処理ボックス15に分離可能に組合わせられる。反射板16は、処理ボックス15に組合わせられることにより、処理ボックス15の外側を覆う。反射板16では、少なくとも処理ボックス15と対向しない側の表面が、可視光を反射する材料から形成され、例えば、アルミニウム、セラミックス及び銀等のいずれかから形成される。このため、反射板16は、可視光を反射する。反射板16は、底板部45及び傾斜板部46A,46Bを備える。底板部45は、傾斜板部46A,46Bの間を中継し、傾斜板部46A,46Bのそれぞれは、底板部45に対して傾斜する。反射板16が処理ボックス15に組合わせられた状態では、底板部45は、処理ボックス15の横方向について、傾斜板部46A,46Bの間に位置する。
【0031】
反射板16が処理ボックス15に組合わせられた状態では、底板部45は、処理ボックス15(組合わせ体)の高さ方向について天壁31が位置する側とは反対側から、処理ボックス15の底壁32を覆い。底壁32に当接する。そして、傾斜板部46Aは、処理ボックス15の横方向の外側から、処理ボックス15の側壁35Aを覆い、傾斜板部46Bは、処理ボックス15の横方向の外側から、処理ボックス15の側壁35Bを覆う。また、反射板16が処理ボックス15に組合わせられた状態では、傾斜板部46A,46Bのそれぞれにおいて、組合わせ体の横方向について外側の部位ほど、組合わせ体の高さ方向について処理ボックス15の底壁32から離れる。
【0032】
また、
図4及び
図9等に示すように、本実施形態では、反射板16の底板部45に、貫通孔47,48が形成される。反射板16が処理ボックス15に組合わせられた状態では、貫通孔47,48は、処理ボックス15の奥行方向に、互いに対して離れて配置される。また、反射板16が処理ボックス15に組合わせられることにより、貫通孔47は、外側から、すなわち、処理空間30とは反対側から、処理ボックス15の開口37に対向する。そして、貫通孔48は、外側から、すなわち、処理空間30とは反対側から、処理ボックス15の開口38に対向する。このため、反射板16が処理ボックス15に組合わせられた状態では、処理空間30は、開口37及び貫通孔47を介して組合わせ体の外部に開口するとともに、開口38及び貫通孔48を介して組合わせ体の外部に開口する。
【0033】
図3及び
図8等に示すように、反射板16が処理ボックス15に組合わせられた状態では、処理ボックス15の処理空間30に、光触媒モジュール42が配置される。そして、光触媒モジュール42は、処理ボックス15の長手方向について、開口37,38の間に配置される。すなわち、反射板16が処理ボックス15に組合わせられた状態では、光触媒モジュール42は、処理空間30において、導入口と排出口との間に位置する。光触媒モジュール42では、母材の表面に光触媒が担持される。光触媒モジュール42では、複数(無数)の貫通孔が母材に形成され、母材は、例えば、酸化アルミニウム及び窒化アルミニウム等のセラミックスから形成される。また、母材に担持される光触媒は、例えば、酸化チタン及び酸化タングステン等の金属酸化物から形成される。
【0034】
紫外光源41は、ピーク波長が320nm以上かつ400nm以下の範囲になる紫外線を処理空間30において照射し、主にUV-Aを照射する。処理空間30では、紫外光源41から出射した紫外線、及び、紫外光源41からの出射後に処理ボックス15の内表面等で反射した紫外線が、光触媒モジュール42に照射される。処理空間30において、紫外光源41から主にUV-Aが光触媒モジュール42に照射されることにより、光触媒モジュール42において活性酸素及びOHラジカルが生成される。そして、生成された活性酸素及びOHラジカルによって、処理空間30の空気に含まれるウイルス、菌(細菌)及び臭い物質等が、分解される。これにより、処理空間30において、空気の脱臭及び除菌が行われる。
【0035】
また、
図1乃至
図9等の一例では、紫外光源41は、前述したUV-Aに加えて、ピーク波長が200nm以上かつ320nm以下の範囲になる紫外線(UV-C)を処理空間30において照射する。この場合、UV-Aに加えてUV-Cが、処理空間30において紫外光源41から照射される。UV-Cは、開口37,38の間で流れる空気、すなわち、導入口から排出口に向かって流れる空気に対して、照射される。処理空間30において、紫外光源41からUV-Cが空気に照射されることにより、空気に含まれるウイルス及び菌(細菌)等の活動が抑制される。これにより、処理空間30において空気の除菌が行われる。
【0036】
ここで、“除菌”とは、空気中に存在するウイルス及び菌(細菌)等を不活性化すること等を意味し、“除菌”の代わりに“殺菌”、“滅菌”及び“減菌”等といった用語を用いることも可能である。このため、実施形態では、“除菌”という用語と用いるが、“除菌”という用語を、“殺菌”、“滅菌”及び“減菌”等に置き換え可能である。
【0037】
前述のような構成であるため、反射板16が処理ボックス15に組合わせられた組合わせ体では、ファン40を駆動することにより、貫通孔47及び開口37を通して、又は、貫通孔48及び開口38を通して、処理空間30に空気が導入される。そして、処理空間30において、開口37,38の間で空気が流れ、導入口から排出口に向かう空気の流れが形成される。また、処理空間30では、紫外線(主にUV-A)及び光触媒モジュール42を用いた空気の脱臭及び除菌が行われるとともに、紫外線(主にUV-C)を用いた空気の除菌が行われる。そして、除菌及び脱臭が行われた空気が、開口38及び貫通孔48を通して、又は、開口37及び貫通孔47を通して、組合わせ体の外部へ排出される。
【0038】
図3、
図4及び
図7等に示すように、処理ボックス15において天壁31の外表面、すなわち、天壁31において処理空間30とは反対側を向く面には、取付け金具51が設置され、
図7等の一例では、処理ボックス15に、2つの取付け金具51が設置される。そして、2つの取付け金具51は、処理ボックス15の奥行方向に、互いに対して離れて配置される。処理ボックス15では、取付け金具51のそれぞれに対応させて1つずつバネ部材52が設けられ、取付け金具51のそれぞれにバネ部材52の対応する1つが接続される。
図1乃至
図9等の一例では、2つのバネ部材52のそれぞれが、対応する取付け金具51を介して、処理ボックス15の天壁31に取付けられる。
【0039】
また、バネ部材52のそれぞれは、外郭シャーシ10に設けられる受け金具26のそれぞれに、引掛けることが可能であり、バネ部材52のそれぞれは、引掛けられた受け金具26と、係合する。本実施形態では、受け金具26は、内部空洞23に臨む状態で、外郭シャーシ10の天壁21に配置される。なお、ある一例では、外郭シャーシ10が箱形状であり、受け金具26は、内部空洞23に臨まない状態で、外郭シャーシ10のシャーシ底壁に配置される。
【0040】
本実施形態の空気処理装置1では、処理ボックス15に取付けられる2つのバネ部材52のそれぞれは、フレーム25Aに設けられる2つの受け金具26の対応する一方と、係合する。これにより、処理ボックス15は、フレーム25Aにおいて外郭シャーシ10に取付けられる。なお、空気処理装置1では、2つのバネ部材52のそれぞれを、フレーム25Bに設けられる2つの受け金具26の対応する一方と、係合させてもよい。この場合、処理ボックス15は、フレーム25Bにおいて外郭シャーシ10に取付けられる。同様に、空気処理装置1では、2つのバネ部材52のそれぞれを、フレーム25Cに設けられる2つの受け金具26の対応する一方と、係合させてもよい。この場合、処理ボックス15は、フレーム25Cにおいて外郭シャーシ10に取付けられる。なお、外郭シャーシ10へ処理ボックス15を取付ける構造は、前述した構造に限定されるものではない。例えば、固定構造物への照明器具の取付けに用いられている適宜の構造を、外郭シャーシ10へ処理ボックス15を取外し可能に取付ける構造として、適用してもよい。
【0041】
また、
図7乃至
図9等に示すように、反射板16では、傾斜板部46Aにおいて底板部45とは反対側の端に、係合片53Aが取付けられ、傾斜板部46Bにおいて底板部45とは反対側の端に、係合片53Bが取付けられる。
図1乃至
図9等の一例では、係合片53Aが2つ設けられ、係合片53Bが2つ設けられる。反射板16が処理ボックス15に組合わせられた状態では、係合片53Bは、組合わせ体(処理ボックス15)の横方向について、処理ボックス15に対して、係合片53Aとは反対側に位置する。また、反射板16が処理ボックス15に組合わせられた状態では、2つの係合片53Aは、組合わせ体の奥行方向に、互いに対して離れて配置され、2つの係合片53Bは、組合わせ体の奥行方向に、互いに対して離れて配置される。
【0042】
本実施形態の空気処理装置1では、前述のように、処理ボックス15は、外郭シャーシ10のフレーム25Aに取付けられる。この場合、反射板16では、2つの係合片53Aのそれぞれは、フレーム25Bの2つの係合穴28Aの対応する一方に挿入され、2つの係合穴28Aの対応する一方と係合する。そして、2つの係合片53Bのそれぞれは、フレーム25Cの2つの係合穴28Bの対応する一方に挿入され、2つの係合穴28Bの対応する一方と係合する。係合片53Aのそれぞれと係合穴28Aの対応する一方との係合、及び、係合片53Bのそれぞれと係合穴28Bの対応する一方との係合によって、反射板16が外郭シャーシ10に取付けられる。
【0043】
なお、処理ボックス15が外郭シャーシ10のフレーム25Bに取付けられる場合は、反射板16に傾斜板部46A及び係合片53Aが設けられず、底板部45が処理ボックス15に接続される。そして、2つの係合片53Bのそれぞれを、フレーム25Aの2つの係合穴27Aの対応する一方に挿入し、2つの係合穴27Aの対応する一方と係合することにより、反射板16が外郭シャーシ10に取付けられる。また、処理ボックス15が外郭シャーシ10のフレーム25Cに取付けられる場合は、反射板16に傾斜板部46B及び係合片53Bが設けられず、底板部45が処理ボックス15に接続される。そして、2つの係合片53Aのそれぞれを、フレーム25Aの2つの係合穴27Bの対応する一方に挿入し、2つの係合穴27Bの対応する一方と係合することにより、反射板16が外郭シャーシ10に取付けられる。
【0044】
前述のように処理ボックス15及び反射板16が外郭シャーシ10に取付けられることにより、処理ボックス15がフレーム25A~25Cのいずれに取付けられる場合も、外郭シャーシ10が規定する内部空洞23に、処理ボックス15及び反射板16の組合わせ体が配置される。また、処理ボックス15及び反射板16が外郭シャーシ10に取付けられた状態では、処理ボックス15(組合わせ体)の奥行方向が、外郭シャーシ10(空気処理装置1)の奥行方向と一致又は略一致し、処理ボックス15の横方向が、外郭シャーシ10の横方向と一致又は略一致し、処理ボックス15の高さ方向が、外郭シャーシ10の高さ方向と一致又は略一致する。そして、処理ボックス15及び反射板16が外郭シャーシ10に取付けられた状態では、処理空間30は、開口37(貫通孔47)及び開口38(貫通孔48)のそれぞれにおいて、外郭シャーシ10の天壁21が位置する側とは反対側に向かって開口する。このため、組合わせ体が外郭シャーシ10に取付けられた状態では、処理ボックス15の底壁32は、処理ボックス15の天壁31に比べて、外郭シャーシ10の天壁21から離れて位置する。
【0045】
また、処理ボックス15及び反射板16の組合わせ体が外郭シャーシ10に取付けられた状態でファン40を駆動することにより、貫通孔47及び開口37を通して、又は、貫通孔48及び開口38を通して、外郭シャーシ10が設置される壁面13によって規定される空間から、処理空間30に空気が導入される。そして、処理空間30において、導入された空気に対して、前述のようにして除菌及び脱臭を行う。そして、除菌及び脱臭が行われた空気が、開口38及び貫通孔48を通して、又は、開口37及び貫通孔47を通して、壁面13によって規定される空間へ排出される。
【0046】
図10は、照明器具12を斜視図で示す。
図10等に示すように、照明器具12では、長手方向(矢印X3で示す方向)、長手方向に対して交差する(直交又は略直交する)幅方向(矢印Y3で示す方向)、及び、長手方向及び幅方向の両方に対して交差する(直交又は略直交する)高さ方向(矢印Z3で示す方向)が、規定される。照明器具12では、長手方向に沿った寸法が、幅方向に沿った寸法、及び、高さ方向に沿った寸法のそれぞれより大きい。なお、
図1等において矢印X1で示す奥行方向は、
図10において矢印X3で示す長手方向と平行又は略平行であり、
図1等において矢印Y1で示す横方向は、
図10において矢印Y3で示す幅方向と平行又は略平行であり、
図1等において矢印Z1で示す高さ方向は、
図10において矢印Z3で示す高さ方向と平行又は略平行である。
【0047】
照明器具12は、天板55及びカバー部材56を備える。照明器具12では、カバー部材56は、高さ方向の一方側から、天板55に取付けられる。照明器具12では、天板55及びカバー部材56によって囲まれる内部空間に、可視光LED等の可視光を発光する発光素子(図示しない)が配置される。発光素子は、例えば、天板55の内表面に取付けられる。ある一例では、照明器具12は、発光素子として可視光LEDを複数備えるLEDバーである。天板55は、可視光を透過させない、又は、ほとんど透過させない。また、カバー部材56は、ガラス等の可視光を透過可能な材料から形成される。このため、照明器具12では、発光素子からの可視光は、カバー部材56を通して照射され、高さ方向についてカバー部材56が位置する側へ向かって照射される。
【0048】
照明器具12において天板55の外表面、すなわち、天板55においてカバー部材56とは反対側を向く面には、取付け金具51と同様の取付け金具61が設置される。
図10の一例では、1つの照明器具12に、2つの取付け金具61が設置される。そして、2つの取付け金具61は、照明器具12の長手方向に、互いに対して離れて配置される。照明器具12のそれぞれでは、取付け金具61のそれぞれに対応させて1つずつバネ部材52と同様のバネ部材62が設けられ、取付け金具61のそれぞれにバネ部材62の対応する1つが接続される。
図10等の一例では、2つのバネ部材62のそれぞれが、対応する取付け金具61を介して、照明器具12の天板55に取付けられる。また、バネ部材62のそれぞれは、バネ部材52と同様に、外郭シャーシ10に設けられる受け金具26のそれぞれに、引掛けることが可能であり、バネ部材62のそれぞれは、引掛けられた受け金具26と、係合する。
【0049】
本実施形態の空気処理装置1では、2つの照明器具12が、外郭シャーシ10に取付けられる。そして、2つの照明器具12の一方では、2つのバネ部材62のそれぞれは、フレーム25Bに設けられる2つの受け金具26の対応する一方と、係合する。これにより、2つの照明器具12の一方は、フレーム25Bにおいて外郭シャーシ10に取付けられる。また、2つの照明器具12の他方では、2つのバネ部材62のそれぞれは、フレーム25Cに設けられる2つの受け金具26の対応する一方と、係合する。これにより、2つの照明器具12の他方は、フレーム25Cにおいて外郭シャーシ10に取付けられる。なお、空気処理装置1では、フレーム25Aにも、照明器具12を取付け可能である。この場合、2つのバネ部材62のそれぞれを、フレーム25Aに設けられる2つの受け金具26の対応する一方と係合させることにより、照明器具12をフレーム25Aに取付ける。
【0050】
前述のように照明器具12が外郭シャーシ10に取付けられることにより、照明器具12がフレーム25A~25Cのいずれに取付けられる場合も、外郭シャーシ10が規定する内部空洞23に、照明器具12が配置される。また、照明器具12が外郭シャーシ10に取付けられた状態では、照明器具12の長手方向が、外郭シャーシ10(空気処理装置1)の奥行方向と一致又は略一致し、照明器具12の幅方向が、外郭シャーシ10の横方向と一致又は略一致し、照明器具12の高さ方向が、外郭シャーシ10の高さ方向と一致又は略一致する。そして、照明器具12が外郭シャーシ10に取付けられた状態では、カバー部材56は、天板55に対して、外郭シャーシ10の天壁21が位置する側とは反対側に配置される。
【0051】
また、照明器具12が外郭シャーシ10に取付けられた状態で照明器具12を作動することにより、照明器具12は、外郭シャーシ10の天壁21が位置する側とは反対側へ向かって、可視光を照射する。このため、外郭シャーシ10が設置される壁面13によって規定される空間へ、照明器具12から可視光が照射される。ここで、空気処理装置1では、可視光を反射する反射板16が、処理ボックス15の外側を覆う。これにより、空気処理装置1では、照明器具12からの可視光が処理ボックス15の処理空間30へ入射することが、有効に防止される。
【0052】
図4及び
図9等に示すように、光触媒モジュール42は、反射板16に取付けられる。光触媒モジュール42が反射板16に取付けられるため、反射板16を処理ボックス15から分離することにより、光触媒モジュール42は、反射板16と一緒に処理ボックス15から分離される。
図1乃至
図9等の一例では、反射板16において底板部45の内表面に、光触媒モジュール42が取付けられる。また、光触媒モジュール42は、反射板16において、貫通孔47,48の間に配置される。なお、反射板16では、貫通孔47,48以外の貫通孔は形成されず、光触媒モジュール42が取付けられる位置に、貫通孔等は形成されない。
【0053】
図4及び
図9等に示すように、処理ボックス15の底壁32には、開口37,38に加えて、挿入口73が形成される。処理空間30は、挿入口73において、処理ボックス15の外部に対して開口可能である。挿入口73は、処理ボックス15の奥行方向について、開口37,38の間に位置する。そして、挿入口73は、開口(第2の開口)38と紫外光源41との間に位置し、紫外光源41に対して、開口38が位置する側に配置される。すなわち、開口37,38の中でファン40が対向配置されない一方と紫外光源41との間に、挿入口73が形成される。このため、挿入口73から開口38までの距離は、挿入口73から開口(第1の開口)37までの距離に比べて、小さい。
【0054】
光触媒モジュール42は、処理ボックス15の挿入口73から処理空間30へ挿入可能である。このため、処理ボックス15への反射板16の組合わせでは、光触媒モジュール42は、処理ボックス15の挿入口73から処理空間30に挿入され、処理空間30に配置される。そして、処理ボックス15からの反射板16の分離では、挿入口73を通して、処理空間30から光触媒モジュール42が取出される。処理ボックス15へ反射板16を組合わせた状態では、光触媒モジュール42は、内側から、すなわち、処理空間30が位置する側から、底壁32の挿入口73に隣接する。このため、処理ボックス15へ反射板16を組合わせた状態では、光触媒モジュール42は、開口38と紫外光源41との間に位置し、紫外光源41に対して、開口38が位置する側に配置される。
【0055】
処理ボックス15には、挿入口73を閉鎖可能な蓋部70が取付けられる。本実施形態では、蓋部70は、1つの蓋部材71から構成される。蓋部材71は、処理ボックス15の底壁32に接続される接続端、及び、接続端とは反対側の端となる非接続端(自由端)を備える。蓋部材71は、バネ部材等の付勢部材72を介して、処理ボックス15に取付けられる。
図4及び
図9等の一例では、蓋部材71は、底壁32の内表面に設置され、挿入口73の近傍で底壁32に取付けられる。そして、蓋部材71の接続端は、挿入口73に対して紫外光源41が位置する側の接続位置で、処理ボックス15の内表面に接続される。蓋部70を構成する蓋部材71は、付勢部材72によって、挿入口73を閉鎖する閉鎖状態に付勢される。
図4及び
図9等では、蓋部70の閉鎖状態における蓋部材71は、破線で示す。
【0056】
処理ボックス15から反射板16が分離された状態、すなわち、光触媒モジュール42が処理空間30に配置されていない状態では、蓋部材71(蓋部70)は、付勢部材72からの付勢によって、閉鎖状態になる。このため、光触媒モジュール42が処理空間30に配置されていない状態では、蓋部70によって、挿入口73が閉鎖される。処理ボックス15への反射板16の組合わせでは、付勢部材72からの付勢に反して蓋部材71(蓋部70)を閉鎖状態から移動させ、挿入口73から処理空間30へ光触媒モジュール42を挿入する。
図1乃至
図9等の一例では、光触媒モジュール42が、処理ボックス15の内側へ向かって、すなわち、処理空間30が位置する側へ向かって、閉鎖状態の蓋部材71を押圧することにより、蓋部材71が閉鎖状態から移動する。
【0057】
処理ボックス15へ反射板16を組合わせた状態、すなわち、光触媒モジュール42が処理空間30に配置される状態では、蓋部70の代わりに、光触媒モジュール42及び反射板16が挿入口73を閉鎖する。また、
図1乃至
図9等の一例では、光触媒モジュール42が処理空間30に配置される状態において、蓋部材71は、処理ボックス15の底壁32の内表面から処理ボックス15の内側へ向かって突出する。この際、蓋部材71では、非接続端によって、処理ボックス15の内表面からの突出部分の突出端が形成される。また、
図1乃至
図9等の一例では、光触媒モジュール42が処理空間30に配置される状態において、蓋部材71は、光触媒モジュール42に対して紫外光源41が位置する側に位置する。そして、光触媒モジュール42が処理空間30に配置される状態では、蓋部材71は、紫外光源41が位置する側から光触媒モジュール42に隣接する。
【0058】
図11は、光触媒モジュール42を斜視図で示す。
図11に示すように、光触媒モジュールでは、厚さ方向(矢印T1で示す方向)、厚さ方向に対して交差する(直交又は略直交する)幅方向(矢印W1で示す方向)、及び、厚さ方向及び幅方向の両方に対して交差する(直交又は略直交する)高さ方向(矢印H1で示す方向)が、規定される。光触媒モジュール42では、厚さ方向についての寸法は、幅方向についての寸法、及び、高さ方向についての寸法のそれぞれに比べて、小さい。光触媒モジュール42は、一対の主面65,66を備える。光触媒モジュール42では、主面65は、厚さ方向一方側を向き、主面66は、厚さ方向について主面65とは反対側を向く。
【0059】
光触媒モジュール42には、複数の孔67が形成され、孔67のそれぞれは、主面65から主面66まで、厚さ方向に沿って延設される。このため、光触媒モジュール42では、厚さ方向の一方側から流入した空気が、孔67を通って、光触媒モジュール42を通過可能である。すなわち、光触媒モジュール42では、厚さ方向に沿って空気が透過可能である。また、厚さ方向の一方側から光触媒モジュール42に紫外線が入射されると、入射された紫外線の一部は、孔67等を通って光触媒モジュール42を透過し、入射された紫外線の残りの一部は、光触媒モジュール42によって透過が遮断される。また、幅方向の一方側から光触媒モジュール42に紫外線が入射されると、入射された紫外線の大部分が、光触媒モジュール42によって透過が遮断され、入射された紫外線は、光触媒モジュール42を透過しない又はほとんど透過しない。
【0060】
図3及び
図8等に示すように、本実施形態では、光触媒モジュール42は、高さ方向が処理ボックス15の高さ方向と一致又は略一致する状態で、処理空間30に配置される。そして、光触媒モジュール42が処理空間30に配置された状態では、光触媒モジュール42の厚さ方向が、処理ボックス15の奥行方向と一致又は略一致し、光触媒モジュール42の幅方向が、処理ボックス15の横方向と一致又は略一致する。このため、導入口から排出口への処理空間30での空気の流れ(開口37,38の間での空気の流れ)の流れ方向に光触媒モジュール42の厚さ方向が沿う状態で、処理空間30に光触媒モジュール42が配置される。したがって、処理空間30に配置される光触媒モジュールでは、主面65,66の一方が、導入口が位置する側を向き、主面65,66の他方が、排出口が位置する側を向く。
【0061】
空気処理装置1では、光触媒モジュール42を定期的に洗浄もしくは交換する必要がある。以下、光触媒モジュール42を交換する際の動作や作用を説明するが、光触媒モジュール42を洗浄する際の取外しについても、同様の動作や作用を適用可能である。本実施形態では、空気の導入口及び排出口とは別の挿入口73を通して、光触媒モジュール42が処理空間30に挿入される。そして、蓋部70は、挿入口73を閉鎖する閉鎖状態に付勢される。これにより、光触媒モジュール42の交換において、光触媒モジュール42が処理空間30から取出された状態でも、蓋部70(蓋部材71)によって、挿入口73が閉鎖される。このため、光触媒モジュール42が処理空間30から取出された状態において、挿入口73を通して処理空間30から処理ボックス15の外部へ紫外線が出射されることが、有効に防止される。したがって、光触媒モジュール42を取外した状態において、処理空間30から処理ボックス15の外部への紫外線の出射が、有効に防止される。
【0062】
また、本実施形態では、付勢に反して閉鎖状態から蓋部70を移動させることにより、挿入口73から処理空間30に光触媒モジュール42を挿入可能である。このため、蓋部70を設けても、処理空間30に光触媒モジュール42が適切に配置される。また、本実施形態では、光触媒モジュール42が処理空間30に配置される状態において、光触媒モジュール42が挿入口73を閉鎖する。このため、紫外光源41からの紫外線及び光触媒モジュール42を用いて処理空間30で空気の除菌及び脱臭が行われている状態でも、挿入口73を通して処理空間30から処理ボックス15の外部へ紫外線が出射されることが、有効に防止される。
【0063】
また、本実施形態では、処理空間30において、開口37,38との間に、紫外光源41及び挿入口73が位置し、ファン40は、処理空間30において開口(第1の開口)37と対向する状態で配置される。そして、挿入口73及び蓋部70は、処理空間30において、開口(第2の開口)38と紫外光源41との間に位置する。このため、挿入口73から処理空間30に光触媒モジュール42が挿入されることにより、処理空間30において紫外光源41と開口38との間に、光触媒モジュール42が配置される。これにより、紫外光源41からの紫外線及び光触媒モジュール42を用いて処理空間30で空気の除菌及び脱臭が行われている状態において、紫外光源41から開口38に向かう紫外線が、光触媒モジュール42によって遮断され、開口38を通して処理空間30から処理ボックス15の外部へ紫外線が出射されることが、有効に防止される。また、紫外光源41から開口37に向かう紫外線が、ファン40によって遮断され、開口37を通して処理空間30から処理ボックス15の外部へ紫外線が出射されることが、有効に防止される。
【0064】
また、本実施形態では、光触媒モジュール42が処理空間30に配置される状態において、蓋部材71は、光触媒モジュール42に対して紫外光源41が位置する側に位置する。このため、処理空間30から挿入口73を通して光触媒モジュール42を取出すことによって蓋部材71が閉鎖状態に変化している際等において、挿入口73を通して処理ボックス15の外部へ紫外線が出射されること等が、有効に防止される。したがって、光触媒モジュール42の交換において、挿入口73を通して処理空間30から処理ボックス15の外部へ紫外線が出射されることが、さらに有効に防止される。
【0065】
また、本実施形態では、光触媒モジュール42の厚さ方向が、処理ボックス15の奥行方向と一致又は略一致する状態で、光触媒モジュール42が処理空間30に配置される。このため、開口37,38の間での空気の流れの流れ方向に光触媒モジュール42の厚さ方向が沿う状態で、処理空間30に光触媒モジュール42が配置される。これにより、導入口から排出口に向かって流れる空気が、孔67等を通って光触媒モジュール42を透過する。開口37,38の間で流れる空気が光触媒モジュール42を透過する状態で、紫外線及び光触媒モジュール42を用いて空気を除菌及び脱臭することにより、空気の除菌性能及び脱臭性能が向上する。
【0066】
(変形例)
なお、前述の実施形態等では、蓋部70は、1つの蓋部材71から構成されるが、これに限るものではない。
図12及び
図13に示す第1の変形例では、蓋部70は、2つの蓋部材71A,71Bから構成される。
図12は、処理ボックス15及び反射板16の組合わせ体において蓋部70及びの近傍を示し、
図13は、処理ボックス15において蓋部70及びその近傍を示す。また、
図12及び
図13は、処理ボックス15の横方向に対して直交又は略直交する断面を示す。また、
図13の状態では、反射板16は、処理ボックス15から分離され、光触媒モジュール42は、処理空間30に配置されていない。
【0067】
図12及び
図13に示すように、本変形例では、蓋部70の閉鎖状態において、2つの蓋部材71A,71Bは、互いに対して協働して、挿入口73を閉鎖する。
図12及び
図13等の一例では、蓋部材71A,71Bのそれぞれは、底壁32の内表面に設置され、挿入口73の近傍で底壁32に取付けられる。蓋部材71A,71Bのそれぞれは、処理ボックス15の底壁32に接続される接続端、及び、接続端とは反対側の端となる非接続端を備える。蓋部材(第1の蓋部材)71Aは、バネ部材等の付勢部材72Aを介して、処理ボックス15に取付けられ、蓋部材(第2の蓋部材)71Bは、バネ部材等の付勢部材72Bを介して、処理ボックス15に取付けられる。また、蓋部材71Aは、付勢部材72Aによって、挿入口73を閉鎖する閉鎖状態に付勢され、蓋部材71Bは、付勢部材72Bによって、挿入口73を閉鎖する閉鎖状態に付勢される。
【0068】
本変形例でも、挿入口73は、処理空間30において、紫外光源41と開口38との間に形成される。また、本変形例では、蓋部材71Aの接続端は、挿入口73に対して紫外光源41が位置する側の接続位置で、処理ボックス15の内表面に接続され、蓋部材71Bの接続端は、挿入口73に対して開口38が位置する側の接続位置で、処理ボックス15の内表面に接続される。また、蓋部70の閉鎖状態では、蓋部材71Aの一部が蓋部材71Bの一部にオーバラップする状態で、蓋部材71A,71Bによって挿入口73が閉鎖される。
図12及び
図13の一例では、蓋部70の閉鎖状態において、蓋部材71Aの非接続端及びその近傍が、蓋部材71Bの非接続端及びその近傍にオーバラップする。また、蓋部材71Aが蓋部材71Bへオーバラップする部分では、蓋部材71Aは、処理空間30が位置する側から、すなわち、内側から、蓋部材71Bに当接する。
【0069】
本変形例では、光触媒モジュール42が、処理ボックス15の内側へ向かって、すなわち、処理空間30が位置する側へ向かって、閉鎖状態の蓋部材71A,71Bを押圧することにより、蓋部70を構成する蓋部材71A,71Bが閉鎖状態から移動する。これにより、光触媒モジュール42が挿入口73から処理空間30に挿入され、処理空間30に光触媒モジュール42が配置される。本変形例でも、光触媒モジュール42が処理空間30に配置される状態では、蓋部70の代わりに、光触媒モジュール42及び反射板16が挿入口73を閉鎖する。
【0070】
また、本変形例では、光触媒モジュール42が処理空間30に配置される状態において、蓋部材71A,71Bのそれぞれは、処理ボックス15の底壁32の内表面から処理ボックス15の内側へ向かって突出する。この際、蓋部材71A,71Bのそれぞれでは、非接続端によって、処理ボックス15の内表面からの突出部分の突出端が形成される。また、本変形例では、光触媒モジュール42が処理空間30に配置される状態において、蓋部材71Aは、光触媒モジュール42に対して紫外光源41が位置する側に位置し、紫外光源41が位置する側から光触媒モジュール42に隣接する。そして、光触媒モジュール42が処理空間30に配置される状態では、蓋部材71Bは、光触媒モジュール42に対して開口38が位置する側に位置し、紫外光源41が位置する側とは反対側から光触媒モジュール42に隣接する。
【0071】
また、本変形例では、光触媒モジュール42が処理空間30に配置される状態において、処理ボックス15の内表面から蓋部材(第1の蓋部材)71Aは、突出長D1突出する。そして、光触媒モジュール42が処理空間30に配置される状態では、処理ボックス15の内表面から蓋部材(第2の蓋部材)71Bは、突出長D2突出する。本変形例では、蓋部材71Aにおける接続端から非接続端までの寸法は、蓋部材71Bにおける接続端から非接続端までの寸法に比べて、大きい。このため、蓋部材71Aの突出長D1は、蓋部材71Bの突出長D2に比べて大きい。
【0072】
本変形例でも、前述の実施形態等と同様の作用及び効果を奏する。このため、本変形例でも、光触媒モジュール42を取外した状態において、処理空間30から処理ボックス15の外部への紫外線の出射が、有効に防止される。
【0073】
また、本変形例では、蓋部70は、2つの蓋部材71A,71Bから構成される。これにより、蓋部材71A,71Bのそれぞれにおいて接続端から非接続端までの寸法を小さくしても、蓋部材71A,71Bによって挿入口73を閉鎖可能となる。蓋部材71A,71Bにおける接続端から非接続端までの寸法が小さくなることにより、光触媒モジュール42が処理空間30に配置される状態において、光触媒モジュール42への紫外線の入射及び空気の流入を蓋部材71A等が遮断する領域を小さくすることが、可能となる。これにより、光触媒モジュール42への紫外線の入射及び空気の流入に対する蓋部70(蓋部材71A,71B)の影響が、低減される。
【0074】
また、本変形例では、蓋部70の閉鎖状態において、蓋部材71Aの一部が、蓋部材71Bの一部に対してオーバラップする。このため、蓋部70の閉鎖状態において、蓋部材71A,71Bの間の隙間から処理ボックス15の外部へ紫外線が出射されること等が、有効に防止される。したがって、複数の蓋部材71A,71Bを設けても、光触媒モジュール42が処理空間30から取出された状態において、挿入口73を通して処理空間30から処理ボックス15の外部へ紫外線が出射されることが、有効に防止される。
【0075】
また、本変形例では、光触媒モジュール42が処理空間30に配置される状態において、蓋部材71Aは、光触媒モジュール42に対して紫外光源41が位置する側に位置し、蓋部材71Bは、光触媒モジュール42に対して紫外光源41が位置する側とは反対側に位置する。そして、光触媒モジュール42が処理空間30に配置される状態では、蓋部材(第1の蓋部材)71Aの突出長D1は、蓋部材(第2の蓋部材)71Bの突出長D2に比べて大きい。このため、処理空間30から挿入口73を通して光触媒モジュール42を取出すことによって蓋部材71A,71Bが閉鎖状態に変化している際等において、蓋部材71A,71Bの間の隙間から処理ボックス15の外部へ紫外線が出射されること等が、有効に防止される。したがって、光触媒モジュール42の交換において、挿入口73を通して処理空間30から処理ボックス15の外部へ紫外線が出射されることが、さらに有効に防止される。
【0076】
なお、ある変形例では、蓋部70は、3つ以上の蓋部材から構成され、蓋部70の閉鎖状態において、3つ以上の蓋部材が互いに対して協働して挿入口73を閉鎖する。また、別のある変形例では、蓋部70の閉鎖状態において、蓋部材71Aが蓋部材71Bに対してオーバラップしない。この場合、蓋部70の閉鎖状態において、蓋部材71Aの非接続端が蓋部材71Bの非接続端と当接していることが、好ましい。これにより、蓋部70の閉鎖状態において、蓋部材71A,71Bの間の隙間から処理ボックス15の外部へ紫外線が出射されること等が、有効に防止される。
【0077】
また、前述の実施形態等では、光触媒モジュール42の厚さ方向が、開口37,38の間での空気の流れの流れ方向と一致又は略一致する状態で、光触媒モジュール42が処理空間30に配置されるが、これに限るものではない。
図14に示す第2の変形例では、光触媒モジュール42の厚さ方向が、開口37,38の間での空気の流れの流れ方向に対して交差する状態で、光触媒モジュール42が処理空間30に配置される。
図14は、反射板16が処理ボックス15に組合わせられた状態を、処理ボックス15の天壁31を省略して示す。
【0078】
図14の変形例では、処理空間30に配置された光触媒モジュール42において、光触媒モジュール42の厚さ方向が、開口37,38の間での空気の流れの流れ方向に対して直交又は略直交する。また、ある変形例では、光触媒モジュール42の厚さ方向が、開口37,38の間での空気の流れの流れ方向に対して傾斜する状態で、処理空間30に光触媒モジュール42が配置されてもよい。ただし、いずれの場合も、前述の実施形態等と同様に、光触媒モジュール42は、高さ方向が処理ボックス15の高さ方向と一致又は略一致する状態で、処理空間30に配置される。
【0079】
本変形例でも、前述の実施形態等と同様の作用及び効果を奏する。このため、本変形例でも、光触媒モジュール42を取外した状態において、処理空間30から処理ボックス15の外部への紫外線の出射が、有効に防止される。
【0080】
本変形例では、紫外光源41は、側壁35Aの内表面に配置される。このため、開口37,38の間での空気の流れの流れ方向に対して交差する状態で、光触媒モジュール42が処理空間30に配置することにより、光触媒モジュール42の主面65,66の一方が紫外光源41と対向する状態で、処理空間30に光触媒モジュール42を配置可能となる。光触媒モジュール42の主面65,66の一方を紫外光源41と対向して配置することにより、光触媒モジュール42に紫外光源41からの紫外線が入射し易くなる。これにより、紫外線及び光触媒モジュール42を用いた空気の除菌及び脱臭において、空気の除菌性能及び脱臭性能が向上する。紫外光源41は、側壁35Bの内表面に配置される場合も、開口37,38の間での空気の流れの流れ方向に対して交差する状態で、光触媒モジュール42が処理空間30に配置することにより、本変形例と同様の作用及び効果を奏する。
【0081】
また、前述の実施形態等では、処理ボックス15に、挿入口73が1つのみ形成され、処理ボックス15への反射板16の組合わせ体において、処理空間30に光触媒モジュール42が1つのみ配置されるが、これに限るものではない。
図15に示す第3の変形例では、処理ボックス15へ反射板16を組合わせた状態において、2つの光触媒モジュール42A,42Bが配置される。そして、処理ボックス15には、2つの挿入口73A,73Bが形成され、2つの蓋部70A,70Bが設けられる。
図15は、反射板16が処理ボックス15から分離された状態を、処理ボックス15の横方向に対して直交又は略直交する断面で示す。
【0082】
本変形例では、蓋部70A,70Bのそれぞれは、
図1乃至
図9の一例の蓋部70と同様の構成である。このため、蓋部70Aでは、付勢部材72によって、挿入口73Aを閉鎖する閉鎖状態に蓋部材71が付勢され、蓋部70Bでは、付勢部材72によって、挿入口73Bを閉鎖する閉鎖状態に蓋部材71が付勢される。
図15では、蓋部70A,70Bの閉鎖状態における蓋部材71は、破線で示す。
【0083】
本変形例では、処理ボックス15への反射板16の組合わせでは、挿入口73Aから処理空間30へ光触媒モジュール42Aを挿入し、挿入口73Bから処理空間30へ光触媒モジュール42Bを挿入する。この際、付勢に反して蓋部70A,70Bのそれぞれの蓋部材71を閉鎖位置から移動させることにより、光触媒モジュール42A,42Bを処理空間30へ配置する。本変形例では、光触媒モジュール42Aは、
図1乃至
図9等の一例の光触媒モジュール42と同様に、紫外光源41とファン40が対向配置されない開口(第2の開口)38との間に配置される。また、光触媒モジュール42Bは、紫外光源41とファン40が対向配置される開口(第1の開口)37との間に配置される。したがって、光触媒モジュール42Bは、紫外光源41とファン40との間に配置される。
【0084】
本変形例でも、前述の実施形態等と同様の作用及び効果を奏する。このため、本変形例でも、光触媒モジュール42を取外した状態において、処理空間30から処理ボックス15の外部への紫外線の出射が、有効に防止される。
【0085】
また、本変形例では、処理空間30において紫外光源41と開口37との間にも、光触媒モジュール42Bが配置される。これにより、紫外光源41からの紫外線及び光触媒モジュール42A,42Bを用いて処理空間30で空気の除菌及び脱臭が行われている状態において、紫外光源41から開口37に向かう紫外線が、ファン40に加えて光触媒モジュール42Bによっても遮断される。したがって、開口37を通して処理空間30から処理ボックス15の外部へ紫外線が出射されることが、さらに有効に防止される。
【0086】
なお、
図15の変形例では、光触媒モジュール42A,42Bのそれぞれは、導入口から排出口への処理空間30での空気の流れ(開口37,38の間での空気の流れ)の流れ方向に厚さ方向が沿う状態で、処理空間30に配置される。ただし、ある変形例では、光触媒モジュール42A,42Bの少なくとも一方は、開口37,38の間での空気の流れの流れ方向に対して厚さ方向が交差する状態で、処理空間30に配置されてもよい。また、ある変形例では、処理空間30に3つ以上の光触媒モジュール42が配置されてもよい。この場合、3つ以上の光触媒モジュール42のそれぞれに対応させて1つずつ、処理ボックス15に挿入口73が形成される。そして、光触媒モジュール42と同一の数形成される挿入口73のそれぞれに対して、前述の実施形態等のいずれかと同様の蓋部(70;70A,70B)が設けられる。
【0087】
また、前述の実施形態等では、光触媒モジュール42が、処理ボックス15の内側へ向かって、閉鎖状態の蓋部材71等を押圧することにより、蓋部70を閉鎖状態から移動させるが、蓋部70を閉鎖状態から移動させる構成は、これに限るものではない。ある変形例では、処理ボックス15の内表面に沿ってスライド可能に、蓋部70を構成する蓋部材71等が、処理ボックス15に取付けられる。本変形例でも、蓋部材71は、挿入口73を閉鎖する閉鎖状態に付勢され、光触媒モジュール42が処理空間に配置されていない状態では、蓋部材71(蓋部70)によって、挿入口73が閉鎖される。
【0088】
ただし、本変形例では、光触媒モジュール42を処理空間30に配置する際に、作業者が指等によって蓋部材71を処理ボックス15の内表面に沿ってスライドさせ、蓋部材71(蓋部70)を閉鎖状態から移動させる。そして、作業者等は、蓋部材71を閉鎖状態から移動した位置で維持したまま、挿入口73から光触媒モジュール42を処理空間30へ挿入する。本変形例でも、前述の実施形態等と同様の作用及び効果を奏する。このため、本変形例でも、光触媒モジュール42を取外した状態において、処理空間30から処理ボックス15の外部への紫外線の出射が、有効に防止される。
【0089】
また、前述の実施形態等では、照明器具12を取付け可能な外郭シャーシ10に、処理ボックス15が取付けられるが、これに限るものではない。壁面13等に設置される外郭シャーシに処理ボックス15が取付けられる構成であれば、その外郭シャーシに照明器具等は取付けられなくてもよい。
【0090】
これら少なくとも一つの実施形態によれば、紫外光源は、処理ボックスの処理空間において紫外線を照射し、蓋部は、挿入口を閉鎖する閉鎖状態に付勢される。光触媒モジュールは、付勢に反して閉鎖状態から蓋部を移動させることにより、挿入口から処理空間に挿入可能となり、光触媒モジュールは、処理空間に配置される状態において、挿入口を閉鎖する。これにより、光触媒モジュールを取外した状態において処理空間の外部への紫外線の出射が有効に防止される空気処理装置を提供することができる。
【0091】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0092】
1…空気処理装置、10…外郭シャーシ、12…照明器具、15…処理ボックス、16…反射板、30…処理空間、37…開口(第1の開口)、38…開口(第2の開口)、40…ファン、41…紫外光源、42,42A,42B…光触媒モジュール、70,70A,70B…蓋部、71…蓋部材、71A…蓋部材(第1の蓋部材)、71B…蓋部材(第2の蓋部材)、72…付勢部材、73,73A,73B…挿入口。