(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038871
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】プログラム、組物、尿検査具及び参照具であってその用途が脱水症予防であるもの、並びに、脱水症予防方法
(51)【国際特許分類】
G16H 50/30 20180101AFI20240313BHJP
【FI】
G16H50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143202
(22)【出願日】2022-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】000104113
【氏名又は名称】カゴメ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】今森 久弥
(72)【発明者】
【氏名】牛田 悠介
(72)【発明者】
【氏名】真木 謙造
(72)【発明者】
【氏名】植野 春乃
(72)【発明者】
【氏名】林 宏紀
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】 脱水症予防行為を習慣化することである。
【解決手段】 プログラムによってコンピュータが実行するのは、第1の出力処理及び第
2の出力処理である。当該第1の出力処理で、出力装置にて出力されるのは、第1の脱水
予防情報であり、その出力条件は、第1の尿反応の入力である。前記第2の出力処理で、
当該出力装置にて出力されるのは、第2の脱水予防情報であり、その出力条件は、第2の
尿反応の入力である。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラムであって、それによってコンピュータが実行するのは、以下の処理である:
第1の出力:出力されるのは、第1の脱水予防情報であり、その出力条件は、第1の尿
反応の入力であり、及び、
第2の出力:出力されるのは、第2の脱水予防情報であり、その出力条件は、第2の尿
反応の入力である。
【請求項2】
請求項1のプログラムであって、
前記第1の脱水予防情報に含まれるのは、脱水度及び追加摂取水分量の少なくとも一方
である。
【請求項3】
前記追加摂取水分量が応答するのは、前記第1の尿反応に加えて、第1の既摂取水分量で
ある。
【請求項4】
請求項1のプログラムであって、
前記第2の脱水予防情報に含まれるのは、脱水度及び助言である。
【請求項5】
請求項4のプログラムであって、
前記助言が応答するのは、前記第2の尿反応に加えて、第1の既摂取水分量及び第2の
既摂取水分量の差分又は比である。
【請求項6】
組物であって、それを構成するのは、以下である:
尿検査具:これで呈されるのは、尿反応であり、及び、
参照具:これで対応付けられているのは、尿反応及び脱水度である。
【請求項7】
請求項6の組物であって、
前記参照具で対応付けられるのは、前記脱水度及び追加摂取水分量である。
【請求項8】
尿検査具であって、それを構成するのは、以下である:
柄部、
液溜部:これに隣り合うのは、前記柄部であり、及び、
反応部:これで呈されるのは、尿反応であり、かつ、当該反応部が設けられるのは、前
記液溜部である。
【請求項9】
参照具であって、それで対応付けられているのは、尿反応及び脱水度である。
【請求項10】
請求項9の参照具であって、それで対応付けられているのは、前記脱水度及び追加摂取水
分量である。
【請求項11】
脱水症予防方法であって、それを構成するのは、以下である:
第1の提示:提示されるのは、第1の脱水予防情報であり、その際に用いるのは、第1
の尿反応であり、及び、
第2の提示:提示されるのは、第2の脱水予防情報であり、その際に用いるのは、第2
の尿反応であり、その提示日は、前記第1の提示の日後、3か月経過前迄である。
【請求項12】
請求項11の方法であって、
前記第1の脱水予防情報に含まれるのは、脱水度及び追加摂取水分量の少なくとも一方
である。
【請求項13】
請求項11の方法であって、
前記第2の脱水予防情報に含まれるのは、脱水度及び助言である。
【請求項14】
請求項11乃至13の何れかの方法であって、それを構成するのは、更に、以下である:
検尿:得られるのは、前記第1の尿反応又は前記第2の尿反応であり、当該検尿が実施
されるのは、高温下の作業前、当該作業後又は当該作業中である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に関係するのは、プログラム、組物、尿検査具及び参照具であってその用途が脱
水症予防であるもの、並びに、脱水症予防方法である。
【背景技術】
【0002】
近年、夏季平均気温の上昇に起因して、熱中症の患者数が増加している。熱中症とは、
生体機能障害の総称であって、その主原因が水分調節機能、ナトリウム調節機能又は体温
調節機能の破綻であるものをいう。当該熱中症を例示すると、体温上昇、目眩、痙攣、頭
痛などである。
【0003】
熱中症を深刻に捉えているのは、作業現場であり、とりわけ、農作業の現場である。夏
場、屋内外を問わず、農作業が行われるのは、高温下である。とりわけ、我が国において
、農作業を担っているのは、主に、高齢者である。非特許文献1で開示されるとおり、熱
中症患者数の多くを占めるのは、高齢者である。
【0004】
熱中症予防で必要なのは、脱水状態の早期検知である。特許文献1で開示されているの
は、脱水検知用試験片である。この試験片で検出されるのは、尿中のケトン体、又は、皮
膚中のケトン体ガス(アセトン)である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】環境省発行「=イベント主催者・施設管理者のための=夏季のイベントにおける熱中症対策ガイドライン2020」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、脱水症予防行為の習慣化である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
脱水症予防行為の習慣化に必要なのは、(1)検査結果への納得感、(2)改善策の個
別化である。前記(1)の観点から、発明者が採用したのは、尿反応である。納得感が生
じる条件は、五感が働くことだからである。尿の色は、視認され、かつ、排尿は、体感さ
れる。尿に反映されるのは、体内の保水状態である。また、検尿が行われるのは、生活動
線上であり、追加される手間が少ない。前記(2)の観点から、発明者が採用したのは、
脱水度毎の追加摂取水分量である。脱水度が異なれば、追加摂取水分量も異なるからであ
る。以上の観点から、本発明を定義すると、以下のとおりである。
【0009】
<プログラム>プログラムによってコンピュータが実行するのは、第1の出力処理及び
第2の出力処理である。当該第1の出力処理で、出力装置にて出力されるのは、第1の脱
水予防情報であり、その出力条件は、第1の尿反応の入力である。前記第2の出力処理で
、当該出力装置にて出力されるのは、第2の脱水予防情報であり、その出力条件は、第2
の尿反応の入力である。
【0010】
<組物>組物を構成するのは、尿検査具及び参照具である。当該尿検査具で呈されるの
は、尿反応である。前記尿検査具を構成するのは、柄部、液溜部、及び反応部である。当
該液溜部に隣り合うのは、前記柄部である。前記反応部で呈されるのは、尿反応であり、
かつ、当該反応部が設けられるのは、前記液溜部である。前記参照具で対応付けられてい
るのは、少なくとも、尿反応及び脱水度である。
【0011】
<脱水症予防方法>脱水症予防方法を構成するのは、第1の提示及び第2の提示である
。当該第1の提示において、人又は装置によって提示されるのは、第1の脱水予防情報で
あり、その際に用いるのは、第1の検査日における被検者の尿反応である。前記第2の提
示において、人又は装置によって提示されるのは、第2の脱水予防情報であり、その際に
用いるのは、第2の検査日における前記被検者の尿反応である。第2の脱水予防情報の提
示日は、前記第1の提示の日後、3か月経過前迄である。
【発明の効果】
【0012】
本発明で実現されるのは、脱水症予防行為の習慣化である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図13】第2の脱水度及び第2の既摂取水分量の関係である。
【
図14】第2の脱水度並びに第1の既摂取水分量及び第2の既摂取水分量の差分の関係である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<脱水症予防方法>脱水症予防方法とは、2以上の行為の組合せであって、その目的が
脱水症予防(人に対する治療、手術、診断を除く。)であるものをいう。
図1で示すのは
、脱水症予防方法の一実施の形態である。脱水症予防方法(M)を構成するのは、検尿(
P1)、第1の提示(P2)、及び、第2の提示(P3)である。脱水症予防方法(M)
を特徴付けるのは、第1の提示(P2)及び第2の提示(P3)である。
【0015】
<検尿>検尿(P1)の目的は、被検者の尿反応の把握である。検尿(P1)の実施時
期は、複数日であり、好ましくは、2日以上/3か月である。例えば、2回目以降の検尿
が実施されるのは、初回の検尿の日の後(以下、「検尿の日」を「検査日」といい、「日
の後」を略して「日後」という。)、3か月経過前迄である。検尿(P1)が実施される
のは、高温下の作業前、当該作業後又は当該作業中であり、好ましくは、当該作業の直後
である。尿検査の場所は、不問であるが、好ましくは、御手洗である。
【0016】
<第1の提示>第1の提示(P2)の目的は、体内状況の認識である。例えば、第1の
提示(P2)で被検者が認識するのは、自己の脱水度である。当該過程で、人又は装置に
よって提示されるのは、第1の脱水予防情報である。その際に、人又は装置が用いるのは
、第1の尿反応である。
【0017】
<第2の提示>第2の提示(P3)の目的は、脱水症予防の動機づけである。例えば、
第2の提示(P3)で被検者が動機付けられるのは、給水(D)の習慣化である。当該過
程で、人又は装置によって提示されるのは、第2の脱水予防情報である。その際に、人又
は装置が用いるのは、第2の尿反応である。第2の提示(P3)が実施されるのは、第1
の提示(P2)の日後である。例えば、第2の提示(P3)の実施時期は、第1の提示(
P2)の日後、3か月経過前迄である。つまり、これらの情報が提示される頻度は、一つ
の季節(例えば、夏季)当たり少なくとも2回以上である。
【0018】
<尿反応>尿反応とは、化学変化であって、そこに反映されているのが被検者の尿成分
又は物性であるものをいう。当該尿反応を例示すると、尿比重などである。当該尿比重に
相関するのは、脱水度である。第1の尿反応と区別されるのは、第2の尿反応である。両
者を区別する基準は、検尿日である。前記第2の尿反応が得られるのは、前記第1の尿反
応が得られた日後である。説明の便宜上、本実施の形態では、前記第1の尿反応が得られ
るのは、初日の検尿時である。また、前記第2の尿反応が得られるのは、最終日の検尿時
である。
【0019】
<脱水予防情報>脱水予防情報とは、情報であって、その用途が脱水予防であるものを
いう。当該脱水予防情報を例示すると、脱水度、追加摂取水分量、助言などである。第1
の脱水予防情報と区別されるのは、第2の脱水予防情報である。前記第1の脱水予防情報
に含まれるのは、脱水度、追加摂取水分量及び助言の少なくとも一つ以上である。前記第
2の脱水予防情報に含まれるのは、少なくとも、脱水度及び助言である。
【0020】
<脱水度>脱水度とは、指標であって、それで示されるのが被検者の脱水の程度である
ものをいう。指標の表現形式は、不問であり、例示すると、階級(例えば、高、中、低)
、数値(例えば、80%)、図柄(例えば、顔のアイコン)などである。第1の脱水度と
区別されるのは、第2の脱水度である。両者を区別する基準は、検査日である。
【0021】
<追加摂取水分量>追加摂取水分量とは、水分量であって、被検者が追加的に摂取すべ
きものをいう。指標の表現形式は、不問であり、例示すると、階級(例えば、多、少)、
数値(例えば、500ml)、図柄(例えば、ペットボトルのアイコン)などである。
【0022】
<助言>助言とは、言葉であって、その狙いが脱水予防であるものをいう。助言を例示
すると、水分摂取の方法、脱水回避の方法である。助言を大別すると、一般的助言、及び
、個別的助言である。
【0023】
<一般的助言>一般的助言とは、助言であって、それに検査結果が影響しないものをい
う。一般的助言を例示すると、体調不良時における摂取水分量の増加等である。
【0024】
<個別的助言>一般的助言とは、助言であって、それに検査結果が影響するものをいう
。個別的助言を例示すると、被検者の体質上又は生活習慣上脱水し易い旨である。
【0025】
<組物>組物とは、2以上の物品の組合せであって、その用途が脱水症予防であるもの
をいう。
図2で示すのは、組物の一実施の形態である。組物1で実現されるのは、脱水症
予防方法(M)の全部又は一部である。組物1を構成するのは、尿検査具10及び参照具
20である。尿検査具10及び参照具20が置かれている場所は、御手洗である。
【0026】
<尿検査具>尿検査具とは、器具であって、その用途が尿検査であるものをいう。
図3
で示すのは、尿検査具の一実施の形態である。尿検査具10を構成するのは、柄部11、
液溜部12、及び、反応部13である。尿検査具10が使われる時期は、検尿P1である
。
【0027】
<柄部>柄部11の用途は、持ち手である。柄部11の剛性は、反応部13の剛性より
も高い。それによって、尿が当たっても、柄部11は、曲がり難い。柄部11に形成され
ているのは、折曲線11aである。柄部11の材質は、不問であるが、好ましくは、紙又
は樹脂(例えば、プラスチック等)である。
【0028】
<液溜部>液溜部12で保持されるのは、液体である。液溜部12に隣り合うのは、柄
部11である。折曲線11aで形成されるのは、液溜部12である。すなわち、柄部11
が折り曲げられると、液溜部12が形成される。通常、液溜部12の材質と同一なのは、
柄部11の材質である。
【0029】
<反応部>反応部13で呈されるのは、被検者の尿反応である。反応部13が設けられ
るのは、液溜部12である。液溜部12に保持されるのは、尿である。保持されている間
、この尿が触れているのは、反応部13である。反応部13の形態は、不問であるが、通
常、紙片又は塗料である。反応部13を例示すると、試験紙「ウロピースS」(製造元:
東洋濾紙株式会社)などである。当該試験紙を採用する場合、前記尿反応に相当するのは
、尿比重である。
【0030】
<参照具>参照具とは、器具であって、その用途が脱水度の把握であるものをいう。図
4で示すのは、参照具の一実施の形態である。参照具20を構成するのは、尿反応21、
脱水度22、追加摂取水分量23、及び、助言24である。すなわち、尿反応21、脱水
度22、追加摂取水分量23,及び、助言24が在るのは、同一平面である。参照具20
が使われる時期は、第1の提示P2及び第2の提示P3である。
【0031】
尿反応21を表現するのは、色である。尿比重が検査される場合、尿反応21aの列で
示すのは、尿比重の高位(例えば、尿比重≧1.025)である。尿反応21bの列で示
すのは、尿比重の中位(例えば、1.010<尿比重<1.025)である。尿反応21
cの列で示すのは、尿比重の低位(例えば、尿比重≦1.010)である。
【0032】
脱水度22を表現するのは、文字である。文字22aで示すのは、脱水度「高」である
。文字22aに対応するのは、尿反応21aである。文字22bで示すのは、脱水度「中
」である。文字22bに対応するのは、尿反応21bである。文字22cで示すのは、脱
水度「低」である。文字22cに対応するのは、尿反応21cである。つまり、脱水度2
2に対応するのは、尿反応21である。
【0033】
追加摂取水分量23を表現するのは、容器の図柄である。図柄23aで示すのは、追加
摂取水分量の上限値(例えば、追加摂取水分量=1000ml)である。図柄23aに対
応するのは、尿反応21aである。図柄23bで示すのは、追加摂取水分量の中間値(例
えば、追加摂取水分量=500ml)である。図柄23bに対応するのは、尿反応21b
である。図柄23cで示すのは、追加摂取水分量の下限値(例えば、追加摂取水分量=0
ml)である。図柄23cに対応するのは、尿反応21cである。つまり、追加摂取水分
量23に対応するのは、尿反応21、及び、脱水度22である。
【0034】
助言24を表現するのは、文字である。文字24aで示すのは、既摂取水分量が極めて
不十分な旨である。文字24aに対応するのは、尿反応21aである。文字24bで示す
のは、既摂取水分量が不十分な旨である。文字24bに対応するのは、尿反応21bであ
る。文字24cで示すのは、既摂取水分量が十分な旨である。文字24cに対応するのは
、尿反応21cである。つまり、助言24に対応するのは、尿反応21、脱水度22、及
び、追加摂取水分量23である。助言24に含まれるのは、一般的助言(例えば、体調不
良時に必要なのが普段よりも多めの水分である旨)である。
【0035】
<システム>システムとは、複数の装置の組合せであって、その用途が脱水症予防であ
るものをいう。
図5で示すのは、システムの一実施の形態である。システム10で電子的
に実現されるのは、脱水症予防方法の全部又は一部である。システム100を構成するの
は、利用者装置110及び管理装置120である。これらの装置を接続するのは、通信回
線である。本実施の形態で採用するのは、クライアント‐サーバ型システムであるが、本
発明で排除されないのは、スタンドアロン型システムである。
【0036】
<利用者装置>利用者装置とは、情報処理装置であって、それを操作するのが利用者(
例えば、被検者など)であるものをいう。利用者装置110を構成するのは、入力装置、
出力装置、通信装置、記憶装置、及び、処理装置である。これらの装置を接続するのは、
システムバスである。つまり、利用者装置110を構成するのは、コンピュータの基本要
素である。
【0037】
<管理装置>管理装置とは、情報処理装置であって、それを操作するのが管理者である
ものをいうである。管理装置120を構成するのは、入力装置、出力装置、通信装置、記
憶装置、及び、処理装置である。これらの装置を接続するのは、システムバスである。つ
まり、管理装置120を構成するのは、コンピュータの基本要素である。
【0038】
<入力装置>入力装置とは、装置であって、その用途が入力であるものをいう。入力装
置30は、汎用されており、例示すると、キーボード、ポインティングデバイス、コード
リーダ、ICリーダ、OCRやマイクロホン等である。入力装置で入力されるのは、各種
データであり、その入力先は、記憶装置である。
【0039】
<出力装置>出力装置とは、装置であって、その用途が出力であるものをいう。出力に
含まれるのは、表示、投影、印刷、その他これらに類する態様である。出力装置は、汎用
されており、例示すると、ディスプレイモニタ、プリンタ、プロジェクタ等である。出力
装置で出力されるのは、各種データである。
【0040】
<通信装置>通信装置とは、装置であって、その用途が通信であるものをいう。通信に
含まれるのは、公衆回線通信及び専用回線通信である。当該通信装置は、汎用されており
、例示すると、Wi-Fi(登録商標)モデム、Bluetooth(登録商標)モデム
等である。当該通信装置で授受されるのは、各種データである。
【0041】
<記憶装置>記憶装置とは、装置であって、その用途が記憶であるものをいう。記憶装
置を大別すると、主記憶装置及び補助記憶装置である。
【0042】
<主記憶装置>主記憶装置とは、装置であって、そこで一時的に記憶されるのが各種デ
ータであるものをいう。前記主記憶装置を例示すると、RAM等である。各種データを例
示すると、コンピュータ読み取り可能なプログラム(以下、「プログラム」という。)、
演算テーブル、データベース、入出力値等である。
【0043】
<補助記憶装置>補助記憶装置とは、装置であって、そこで恒常的に記憶されるのが各
種データであるものをいう。前記補助記憶装置を例示すると、ROM、SSD、HDD等
である。各種データを例示すると、プログラム、ルックアップテーブル、データベース、
入出力値等である。
【0044】
<処理装置>処理装置とは、装置であって、その用途が制御及び演算であるものをいう
。前記処理装置を具現化するのは、MPUやCPU等である。当該処理装置で読み出され
るのは、前記プログラムであり、それによって実行されるのは、出力処理である。
【0045】
<出力処理>出力処理とは、処理であって、それによって得られるのが出力値であり、
その際用いられるのが入力値であるものをいう。本実施の形態では、出力処理を大別する
と、第1の出力処理及び第2の出力処理である。
【0046】
<第1の出力処理>第1の出力処理により、利用者装置110で出力されるのは、第1
の脱水予防情報であり、その出力条件は、第1の尿反応が入力されることである。つまり
、管理装置120で処理されるのは、少なくとも、第1の尿反応であり、その結果、利用
者装置110で出力されるのは、第1の脱水予防情報である。当該第1の脱水予防情報に
含まれるのは、第1の脱水度及び第1の追加摂取水分量である。
【0047】
<第2の出力処理>第2の出力処理により、利用者装置110で出力されるのは、第2
の脱水予防情報であり、その出力条件は、第2の尿反応が入力されることである。つまり
、管理装置120で処理されるのは、少なくとも、第2の尿反応であり、その結果、利用
者装置110で出力されるのは、第2の脱水予防情報である。当該第2の脱水予防情報に
含まれるのは、第2の脱水度、及び、助言である。
【0048】
<データベース>
図6で示すのは、データベースの構成である。データベース130を
管理するのは、管理者装置120である。データベース130を構成するのは、複数のレ
コード131である。各レコードを構成するのは、複数のフィールド132である。各フ
ィールド132に対応するのは、各カラム133である。カラム133aで定義されるの
は、IDである。IDは、通常、主キーである。カラム133bで定義されるのは、第1
の検査日である。カラム133cで定義されるのは、第1の既摂取水分量である。カラム
133dで定義されるのは、第1の脱水度である。カラム133eで定義されるのは、第
2の検査日である。カラム133fで定義されるのは、第2の既摂取水分量である。カラ
ム133gで定義されるのは、第2の脱水度である。
【0049】
<画面遷移>
図7で示すのは、画面遷移の一例である。利用者装置110で出力される
のは、順に、ID入力画面210、水分量入力画面220、尿反応入力画面230である
。入力された尿反応が第1の尿反応である場合、利用者装置110で出力されるのは、第
1の出力画面240である。入力された尿反応が第2の尿反応である場合、利用者装置1
10で出力されるのは、第2の出力画面250である。そのような分岐を判定する要素は
、カラム133cの値である。すなわち、第1の尿反応が記憶されていなければ、入力さ
れた尿反応は、第1の尿反応(例えば、検尿初日の尿反応)である。他方、第1の尿反応
が記憶されていれば、入力された尿反応は、第2の尿反応(例えば、検尿最終日の尿反応
)である。
【0050】
<ID入力画面>
図8で示すのは、ID入力画面の一例である。ID入力画面210で
受け付けるのは、IDの入力である。ID入力画面210を構成するのは、ID枠211
及び画面遷移釦212である。ID枠211が操作されると、ソフトウェアキーボードが
立ち上がる。画面遷移釦212が操作されることで、画面が遷移する先は、水分量入力画
面220である。入力されたIDを一時的に記憶するのは、管理装置120の主記憶装置
である。
【0051】
<水分量入力画面>
図9で示すのは、水分量入力画面の一例である。水分量入力画面2
20で受け付けるのは、既摂取水分量の入力である。水分量入力画面220を構成するの
は、ID枠221、水分量枠222、水分量図柄223、及び、画面遷移釦224である
。ID枠221に表示されるのは、入力されたIDである。水分量枠222に含まれるの
は、増減釦222a、222bである。水分量枠222に最初に表示されるのは、所定の
既摂取水分量(例えば、0ml)である。増減釦222a、222bを操作することで、
表示される既摂取水分量が変動する。増減釦222a、222bが操作されるのは、既摂
取水分量が正確に把握される場合である。他方、水分量図柄223が操作されるのは、既
摂取水分量が大まかに把握される場合である。水分量図柄223を操作することで、表示
される既摂取水分量が変動する。画面遷移釦224が操作されると、画面が遷移する先は
、尿反応入力画面230である。入力された既摂取水分量を一時的に記憶するのは、管理
装置120の主記憶装置である。
【0052】
<尿反応入力画面>
図10で示すのは、尿反応入力画面の一例である。尿反応入力画面
230で受け付けるのは、尿反応の入力である。尿反応入力画面230を構成するのは、
ID枠231、尿反応釦232、画面遷移釦233である。ID枠231に表示されるの
は、入力されたIDである。尿反応釦232が操作されると、操作された尿反応釦232
が活性化する。被検者が操作する尿反応釦232に対応するのは、尿検査具10の呈色で
ある。画面遷移釦233が操作されると、画面が遷移する先は、第1の出力画面240又
は第2の出力画面250である。入力された尿反応を一時的に記憶するのは、管理装置1
20の主記憶装置である。
【0053】
<第1の出力画面>
図11で示すのは、第1の出力画面の一例である。第1の出力画面
240で提示されるのは、第1の脱水予防情報である。第1の出力画面240を構成する
のは、ID枠241、検査日枠242、脱水度枠243、既摂取水分量枠244、追加摂
取水分量枠245、及び、助言枠246である。
【0054】
ID枠241に表示されるのは、入力されたIDである。入力されたIDを一時的に記
憶するのは、管理装置120の主記憶装置である。
【0055】
検査日枠242に表示されるのは、第1の検査日である。当該検査日の源泉は、不問で
あるが、入力装置、GPS衛星などである。GPS衛星で発信されるのは、日時である。
この日時を受信するのは、通信装置である。当該入力装置及び当該通信装置が備わってい
るのは、利用者装置110である。当該検査日を一時的に記憶するのは、管理装置120
の主記憶装置である。その後、当該検査日を管理するのは、データベース130である。
【0056】
脱水度枠243に表示されるのは、第1の脱水度(例えば、高、中、低など)である。
当該脱水度を演算する際に用いられるのは、第1の尿反応である。尿反応及び脱水度の関
係は、前述のとおりである。そのような演算を実現するのは、アルゴリズム又はルックア
ップテーブルである。例えば、当該テーブルで対応付けているのは、尿反応及び脱水度で
ある。前記第1の尿反応を一時的に記憶するのは、管理装置120の主記憶装置である。
得られた前記第1の脱水度を一時的に記憶するのは、管理装置120の主記憶装置である
。その後、当該第1の脱水度を管理するのは、データベース130である。
【0057】
既摂取水分量枠244に表示されるのは、入力された第1の既摂取水分量(例えば、1
000mlなど)である。当該第1の既摂取水分量を一時的に記憶するのは、管理装置1
20の主記憶装置である。その後、当該第1の既摂取水分量を管理するのは、データベー
ス130である。
【0058】
追加摂取水分量枠245に表示されるのは、追加摂取水分量(例えば、1000mlな
ど)である。当該追加摂取水分量が応答するのは、第1の尿反応及び第1の既摂取水分量
である。すなわち、当該追加摂取水分量を演算する際に用いられるのは、第1の尿反応及
び第1の既摂取水分量である。追加摂取水分量及び第1の尿反応の関係は、前述のとおり
である。第1の既摂取水分量が使われるのは、追加摂取水分量の適性化である。例えば、
脱水度が「高」である場合、第1の既摂取水分量が所定値(例えば、2000ml)未満
であるときは、表示される追加摂取水分量は、上限値(例えば、1500ml)である。
他方、第1の既摂取水分量が所定値(例えば、2000ml)以上であるときは、表示さ
れる追加摂取水分量は、上限値よりも少ない値(例えば、500ml)である。そのよう
な演算を実現するのは、アルゴリズム又はルックアップテーブルである。例えば、当該テ
ーブルで対応付けているのは、尿反応、既摂取水分量並びに追加摂取水分量である。第1
の尿反応及び第1の既摂取水分量を一時的に記憶するのは、管理装置120の主記憶装置
である。得られた追加摂取水分量を一時的に記憶するのは、管理装置120の主記憶装置
である。その後、当該既摂取水分量を管理するのは、データベース130である。
【0059】
助言枠246に表示されるのは、一般的助言である。当該一般的助言を記憶するのは、
管理装置120の補助記憶装置である。当該一般的助言が読みだされ、一時的に記憶され
る先が管理装置120の主記憶装置である。
【0060】
<第2の出力画面>
図12で示すのは、第2の出力画面の一例である。第2の出力画面
250で提示されるのは、第2の脱水予防情報である。第2の出力画面250を構成する
のは、ID枠251、検査日枠252、脱水度枠253、前回脱水度枠254、既摂取水
分量枠255、前回既摂取水分量枠256、及び、助言枠257である。
【0061】
ID枠251に表示されるのは、入力されたIDである。入力されたIDを一時的に記
憶するのは、管理装置120の主記憶装置である。
【0062】
検査日枠252に表示されるのは、第2の検査日である。検査日の源泉は、不問である
が、入力装置、GPS衛星などである。GPS衛星で発信されるのは、日時である。この
日時を受信するのは、通信装置である。当該入力装置及び当該通信装置が備わっているの
は、利用者装置110である。当該検査日を一時的に記憶するのは、管理装置120の主
記憶装置である。その後、当該検査日を管理するのは、データベース130である。
【0063】
脱水度枠253に表示されるのは、第2の脱水度である。当該第2の脱水度を演算する
際に用いられるのは、第2の尿反応である。尿反応及び脱水度の関係は、前述のとおりで
ある。そのような演算を実現するのは、アルゴリズム又はルックアップテーブルである。
例えば、当該テーブルで対応付けているのは、尿反応及び脱水度である。当該第2の尿反
応を一時的に記憶するのは、管理装置120の主記憶装置である。得られた第2の脱水度
を一時的に記憶するのは、管理装置120の主記憶装置である。その後、当該第2の脱水
度を管理するのは、データベース130である。
【0064】
前回脱水度枠254に表示されるのは、前回の脱水度(例えば、第1の脱水度など)で
ある。前回の脱水度を記憶しているのは、管理装置120の補助記憶装置である。すなわ
ち、前回の脱水度を管理しているのは、データベース130である。
【0065】
既摂取水分量枠255で表示されるのは、入力された第2の既摂取水分量(例えば、1
000mlなど)である。当該第2の既摂取水分量を一時的に記憶するのは、管理装置1
20の主記憶装置である。その後、当該第2の既摂取水分量を管理するのは、データベー
ス130である。
【0066】
前回既摂取水分量枠256で表示されるのは、前回の既摂取水分量(例えば、第1の既
摂取水分量など)である。前回の既摂取水分量を記憶しているのは、管理装置120の補
助記憶装置である。すなわち、前回の既摂取水分量を管理しているのは、データベース1
30である。
【0067】
助言枠257で表示されるのは、個別的助言である。当該個別的助言が応答するのは、
第1の尿反応、第2の尿反応、第1の既摂取水分量、又は、第2の既摂取水分量の何れか
である。すなわち、当該個別的助言を導く際に用いられるのは、第1の尿反応(例えば、
検尿初日の尿反応)及び第2の尿反応(例えば、検尿最終日の尿反応)の少なくとも一方
、並びに、第1の既摂取水分量(例えば、検尿初日の既摂取水分量)及び第2の既摂取水
分量(例えば、検尿最終日の既摂取水分量)の少なくとも一方である。前記尿反応及び前
記既摂取水分量を一時的に記憶するのは、管理装置120の主記憶装置である。当該個別
的助言の導出を実現するのは、アルゴリズム又はルックアップテーブルである。具体的に
は、以下のとおりである。
【0068】
図13で示すのは、第2の脱水度及び第2の既摂取水分量の関係である。第2の既摂取
水分量が所定値(例えば、2000ml)以上であるにもかかわらず、第2の脱水度が「
高」又は「中」である場合、個別的助言で推奨されるのは、水分摂取以外(例えば、「適
度な休憩及び塩分摂取を心掛けましょう。」)である。第2の既摂取水分量が所定値(例
えば、2000ml)以上であり、かつ、第2の脱水度が「低」である場合、個別的助言
で推奨されるのは、現状の水分摂取の継続(例えば、「適度な休憩及び塩分摂取を心掛け
ましょう。」)である。第2の既摂取水分量が所定値(例えば、2000ml)未満であ
り、かつ、第2の脱水度が「高」又は「中」である場合、個別的助言で推奨されるのは、
摂取水分量の増加(例えば、「水分摂取を心掛けましょう。」)である。第2の既摂取水
分量が所定値(例えば、2000ml)未満であり、かつ、第2の脱水度が「低」である
場合、個別的助言で推奨されるのは、特定条件下での摂取水分量の増加(例えば、「高温
下の作業時には、水分摂取を心掛けましょう。」)である。前述のとおり、第2の脱水度
に対応するのは、第2の尿反応である。本実施の形態で採用しるのは、第2の尿反応に代
えて、第1の尿反応及び第2の尿反応間の変化、又は、第1の脱水度及び第2の脱水度間
の変化である。
【0069】
図14で示すのは、第2の脱水度並びに第1の既摂取水分量(Itk1)及び第2の既
摂取水分量(Itk2)の差分(ΔItk=Itk2‐Itk1)の関係である。当該差分(
ΔItk)が所定値(例えば、1000ml)以上であるにもかかわらず、第2の脱水度
が「高」又は「中」である場合、個別的助言で推奨されるのは、水分摂取以外(例えば、
「適度な休憩及び塩分摂取を心掛けましょう。」)である。前記差分(ΔItk)が所定
値(例えば、1000ml)以上であり、かつ、第2の脱水度が「低」である場合、個別
的助言で推奨されるのは、現状の水分摂取の継続(例えば、「適度な休憩及び塩分摂取を
心掛けましょう。」)である。前記差分(ΔItk)が所定値(例えば、1000ml)
未満であり、かつ、第2の脱水度が「高」又は「中」である場合、個別的助言で推奨され
るのは、摂取水分量の増加(例えば、「水分摂取を心掛けましょう。」)である。前記差
分(ΔItk)が所定値(例えば、1000ml)未満であり、かつ、第2の脱水度が「
低」である場合、個別的助言で推奨されるのは、特定条件下での摂取水分量の増加(例え
ば、「高温下の作業時には、水分摂取を心掛けましょう。」)である。前述のとおり、第
2の脱水度に対応するのは、第2の尿反応である。本実施の形態で採用しうるのは、第2
の尿反応に代えて、第1の尿反応及び第2の尿反応間の変化、又は、第1の脱水度及び第
2の脱水度間の変化である。
【0070】
本実施の形態で採用しうるのは、前記差分(ΔItk)に代えて、比(Itk2/ΔIt
k1)である。この場合、比(Itk2/ΔItk1)が所定値(例えば、1.3)以上で
あるにもかかわらず、第2の脱水度が「高」又は「中」である場合、個別的助言で推奨さ
れるのは、水分摂取以外(例えば、「適度な休憩及び塩分摂取を心掛けましょう。」)で
ある。前記比(Itk2/ΔItk1)が所定値(例えば、1.3)以上であり、かつ、第
2の脱水度が「低」である場合、個別的助言で推奨されるのは、現状の水分摂取の継続(
例えば、「適度な休憩及び塩分摂取を心掛けましょう。」)である。前記比(Itk2/
ΔItk1)が所定値(例えば、1.3)未満であり、かつ、第2の脱水度が「高」又は
「中」である場合、個別的助言で推奨されるのは、摂取水分量の増加(例えば、「水分摂
取を心掛けましょう。」)である。前記比(Itk2/ΔItk1)が所定値(例えば、1
.3)未満であり、かつ、第2の脱水度が「低」である場合、個別的助言で推奨されるの
は、特定条件下での摂取水分量の増加(例えば、「高温下の作業時には、水分摂取を心掛
けましょう。」)である。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明が有用な分野は、健康指導である。
【符号の説明】
【0072】
M 脱水症予防方法
P1 検尿
P2 第1の提示
P3 第2の提示
1 組物
10 尿検査具
11 柄部
12 液溜部
13 反応部
20 参照具
21 尿反応
22 脱水度
23 追加摂取水分量