(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038876
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
F24F 11/63 20180101AFI20240313BHJP
F24F 1/0076 20190101ALI20240313BHJP
F24F 8/30 20210101ALI20240313BHJP
F24F 11/52 20180101ALI20240313BHJP
F24F 1/0025 20190101ALI20240313BHJP
F24F 1/0035 20190101ALI20240313BHJP
F24F 1/0041 20190101ALI20240313BHJP
【FI】
F24F11/63
F24F1/0076
F24F8/30
F24F11/52
F24F1/0025
F24F1/0035
F24F1/0041
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143209
(22)【出願日】2022-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】村上 智哉
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 裕記
(72)【発明者】
【氏名】牧角 将
(72)【発明者】
【氏名】岡元 諒
【テーマコード(参考)】
3L049
3L051
3L260
【Fターム(参考)】
3L049BD02
3L051BC00
3L260AB02
3L260BA09
3L260BA12
3L260CB53
3L260FC03
3L260FC28
3L260GA15
(57)【要約】
【課題】、排気運転時に静電霧化ユニットから室内に放出すべきイオンを含む液体微粒子が、排気運転によって室外に排出されるのを防止する。
【解決手段】コントローラ8は、静電霧化ユニット75及び排気装置の一例である換気装置6の運転と停止を制御する。コントローラ8は、換気装置6の運転中に、静電霧化ユニット75を停止状態とする制御を行う。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電によるイオンを含む液体微粒子を放出する静電霧化ユニット(75)を内部に有する室内機(2)と、
前記室内機の内部に吸気口(28a)を配置している排気ダクト(28)を有し、前記室内機から前記排気ダクトを通して室内空気を室外に排出する排気運転をする排気装置(6)と、
前記静電霧化ユニット及び前記排気装置の運転と停止を制御するコントローラ(8)と、
を備え、
前記コントローラは、前記排気装置の運転中に、前記静電霧化ユニットを停止状態とする制御を行う、空気調和機(1)。
【請求項2】
前記コントローラは、前記排気運転の開始に応じて前記静電霧化ユニットを停止する制御を行う、
請求項1に記載の空気調和機(1)。
【請求項3】
前記静電霧化ユニットが停止したことを報知する報知装置(29)を備える、
請求項1または請求項2に記載の空気調和機(1)。
【請求項4】
前記コントローラは、前記排気運転の停止に応じて前記静電霧化ユニットの運転を開始する制御を行う、
請求項1または請求項2に記載の空気調和機(1)。
【請求項5】
前記室内機は、クロスフローファン(22)と、前記クロスフローファンにより発生する層流が通過する内部の送風空間(FS)に連通している吹出口(23b)を有するケーシング(23)とを有し、
前記送風空間は、前記クロスフローファンの長手方向の中央を通って前記長手方向に垂直な平面で2分割してなる第1空間(R1)と第2空間(R2)を含み、
前記静電霧化ユニットは、前記送風空間の前記第2空間に前記液体微粒子を放出する放出口(75a)を有し、
前記排気ダクトの前記吸気口は、前記送風空間の前記第1空間に連通している、
請求項1または請求項2に記載の空気調和機(1)。
【請求項6】
前記静電霧化ユニットは、前記送風空間の外に配置されている空気取入口(72a)を有する、
請求項5に記載の空気調和機(1)。
【請求項7】
前記室内機は、前記送風空間における前記クロスフローファンの上流に配置され、前記送風空間に流れ込む空気から塵埃を除去するプレフィルタ(24)を備え、
前記排気ダクトの前記吸気口は、排気時に吸い込む空気の一部が前記プレフィルタを通過する位置に配置されている、
請求項5に記載の空気調和機(1)。
【請求項8】
前記排気ダクトは、給気と排気に用いられる換気ダクト(28)であり、
前記静電霧化ユニットは、前記送風空間以外の前記ケーシングの内部空間を前記平面で分割した空間のうち前記第2空間に近い側の空間に配置されている、
請求項5に記載の空気調和機(1)。
【請求項9】
前記コントローラは、冷房運転中に、室内温度が室外温度より高いという条件が満たされていることを条件として、前記排気運転を行わせる、
請求項1または請求項2に記載の空気調和機(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、室内の空気を室外に排気する排気運転の運転中に、放電によるイオンを含む液体微粒子の放出が可能な室内機を備える空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の空気調和機には、特許文献1(特開2010-223583号公報)に記載されているように、空気調和機の運転中に負に帯電した静電ミストを発生させる静電霧化装置を備えるものがある。特許文献1は、空気調和機が空調運転時に静電霧化装置を動作させることを開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、室内空気を室外に排気する排気運転を空気調和機が行える場合に、排気運転時に静電霧化装置を作動させると、静電霧化装置から室内に放出すべき静電ミストが、排気運転によって室外に排出される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1観点の空気調和機は、室内機と排気装置とコントローラとを備える。室内機は、放電によるイオンを含む液体微粒子を放出する静電霧化ユニットを内部に有する。排気装置は、室内機の内部に吸気口を配置している排気ダクトを有し、室内機から排気ダクトを通して室内空気を室外に排出する排気運転をする。コントローラは、静電霧化ユニット及び排気装置の運転と停止を制御する。コントローラは、排気装置の運転中に、静電霧化ユニットを停止状態とする制御を行う。
【0005】
第1観点の空気調和機では、コントローラが排気装置の運転中に静電霧化ユニットを停止状態とするので、静電霧化ユニットから放出された液体微粒子が外に排気運転で排出されるのを防ぐことができる。
【0006】
第2観点の空気調和機は、第1観点の空気調和機であって、コントローラが、排気運転の開始に応じて静電霧化ユニットを停止する制御を行う。
【0007】
第2観点の空気調和機では、排気運転の開始に応じて静電霧化ユニットを停止することで、静電霧化ユニットから放出された液体微粒子が外に排気運転で排出されるのを防ぐことが容易に行える。
【0008】
第3観点の空気調和機は、第1観点または第2観点の空気調和機であって、静電霧化ユニットが停止したことを報知する報知装置を備える。
【0009】
第3観点の空気調和機では、報知装置が静電霧化ユニットの停止を報知することで、静電霧化ユニットが停止した理由をユーザに認識させることができる。
【0010】
第4観点の空気調和機は、第1観点から第3観点のいずれかの空気調和機であって、コントローラは、排気運転の停止に応じて静電霧化ユニットの運転を開始する制御を行う。
【0011】
第5観点の空気調和機は、第1観点から第4観点のいずれかの空気調和機であって、室内機は、クロスフローファンと、クロスフローファンにより発生する層流が通過する内部の送風空間に連通している吹出口を有するケーシングとを有する。送風空間は、クロスフローファンの長手方向の中央を通って長手方向に垂直な平面で2分割してなる第1空間と第2空間を含む。静電霧化ユニットは、送風空間の第2空間に液体微粒子を放出する放出口を有する。排気ダクトの吸気口は、送風空間の第1空間に連通している。
【0012】
第5観点の空気調和機では、静電霧化ユニットが排気ダクトから遠いところに設けられることで、排気によって静電霧化ユニットの放電電極が汚れることが抑制される。
【0013】
第6観点の空気調和機は、第5観点の空気調和機であって、静電霧化ユニットが、送風空間の外に配置されている空気取入口を有する。
【0014】
第6観点の空気調和機では、静電霧化ユニットが送風空間外から空気を取り入れるので、排気によって静電霧化ユニットの放電電極が汚れるのを抑制できる。
【0015】
第7観点の空気調和機は、第5観点または第6観点の空気調和機であって、室内機が、送風空間におけるクロスフローファンの上流に配置され、送風空間に流れ込む空気から塵埃を除去するプレフィルタを備える。排気ダクトの吸気口が、排気時に吸い込む空気の一部がプレフィルタを通過する位置に配置されている。
【0016】
第8観点の空気調和機は、第5観点から第7観点のいずれかの空気調和機であって、排気ダクトが、給気と排気に用いられる換気ダクトである。静電霧化ユニットが、送風空間以外のケーシングの内部空間を平面で分割した空間のうち第2空間に近い側の空間に配置されている。
【0017】
第8観点の空気調和機では、静電霧化ユニットが第2空間に近い側の空間に配置されているので、給気時の外気の条件によって給気の湿度が高い状態になることで液体微粒子を安定的に発生させられない不具合を抑制できる。
【0018】
第9観点の空気調和機は、第1観点から第8観点のいずれかの空気調和機であって、コントローラは、冷房運転中に、室内温度が室外温度より高いという条件が満たされていることを条件として、排気運転を行わせる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態に係る空気調和機の構成の一例を示す概念図である。
【
図2】
図1の空調システムが有する冷媒回路と空気流路とを説明するための図である。
【
図3】実施形態に係る室内機の構成の一例を示す分解斜視図である。
【
図4】実施形態に係る室内機の構成の一例を示す断面図である。
【
図5A】実施形態に係る空調室内機の一部を破断した部分破断平面図である。
【
図5B】実施形態に係る空調室内機の一部を破断した部分破断正面図である。
【
図6】実施形態に係る静電霧化ユニットの配置位置を説明するための空調室内機の模式的な断面図である。
【
図7】静電霧化ユニットの放出口の配置位置の一例を示す部分拡大斜視図である。
【
図11】
図8のI-I線で切断した換気ダクトの断面図である。
【
図12】静電霧化装置の構成の概要を示す模式図である。
【
図13】静電霧化ユニットの構成の概要を示す模式的な断面図である。
【
図14A】変形例に係る室内機の一部を破断した部分破断平面図である。
【
図14B】変形例に係る室内機の一部を破断した部分破断正面図である。
【
図15】変形例に係る静電霧化ユニットの配置位置を説明するための空調室内機の模式的な断面図である。
【
図16】コントローラの接続関係の一例を示すブロック図である。
【
図17】排気と静電霧化ユニットの動作との関係を説明するためのフローチャートである。
【
図18】静電霧化ユニットの放出口の配置位置の他の例を示す部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(1)空気調和機の概略構成
(1-1)空気調和機の全体構成の概要
図1に示されているように、実施形態に係る空気調和機1は、室内機2と室外機4と換気装置6とを備えている。なお、以下の説明では、
図1、
図4及び
図6に示されている「上」、「下」、「前」、「後」という表現を用いて、それぞれの矢印の方向を説明する場合がある。
図3の「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」という表現を用いて室内機2における方向を説明する場合がある。また、
図2及び
図6には、太線の矢印で空気の流れが示されている。太線の矢印には、実線と破線とがある。この空気調和機1の運転モードには、例えば、冷房運転、暖房運転、除湿運転、加湿運転、送風運転、給気運転、排気運転及び空気清浄運転がある。空気調和機1は、
図1及び
図2に示されているように、室内機2及び換気装置6を制御するコントローラ8を備えている。
【0021】
室内機2は、部屋RMに対して設置され(
図1参照)、部屋RMの中の空気調和を行う。部屋RMの中というのは室内の一例である。室内機2と室外機4とは、冷媒連絡管11,12で接続されている(
図2参照)。室内機2と室外機4と冷媒連絡管11,12とは冷媒回路13を構成している。空気調和機1は、換気装置6を用いなくても、室内機2と室外機4を用いることで、例えば、冷房運転、暖房運転、除湿運転、送風運転及び空気清浄運転を行うことができる。冷媒回路13では、例えば、冷房運転、暖房運転及び除湿運転の際に、蒸気圧縮式冷凍サイクルが繰り返される。室内機2と室外機4は、コントローラ8により制御される。
【0022】
本実施形態では、室内機2が部屋RMの壁WLに取り付けられて設置される場合について説明する。しかし、室内機2のタイプは、部屋RMの壁WLに設置されるタイプに限られるものではない。室内機2は、例えば、天井CIまたは床FLに設置されるタイプである場合がある。
【0023】
室内機2は、
図3、
図4、
図5A及び
図5Bに示されているように、室内熱交換器21を有している。室内機2は、室内熱交換器21に空気を通して空気の熱交換を行う。換気装置6による給気が行われていない場合には、室内熱交換器21を通過する空気は室内空気である。換気装置6による給気が行われている場合には、室内熱交換器21を通過する空気は室内空気と室外空気である。室内熱交換器21は、複数の伝熱フィン21aと複数の伝熱管21bとを有している。室内熱交換器21においては、複数の伝熱フィン21aの間を空気が通過する。また、熱交換の際には、複数の伝熱フィン21aの間を空気が通過すると同時に、伝熱管21bの中を冷媒が流れる。伝熱管21bの中を流れる冷媒は、熱媒体の一種である。伝熱管21bは、複数回折り返されていて各伝熱フィン21aを複数回貫通するように、複数の伝熱フィン21aと熱的に接続されている。
【0024】
空気調和機1は、室内機2及び室外機4とともに、
図1及び
図2に示されている換気装置6を用いることで、例えば、排気運転、給気運転及び加湿運転を行うことができる。言い換えると、このような構成の空気調和機1の室内機2は、例えば、冷房運転、暖房運転、除湿運転、加湿運転、送風運転、排気運転、給気運転及び空気清浄運転に対応した運転ができる。換気装置6は、室内機2を介して室内に連通している給排気ホース68を有している。室内機2は、換気装置6により、給排気ホース68を通じて部屋RMの中(室内)に外気を供給することができる。また、室内機2は、換気装置6により、給排気ホース68を通じて部屋RMの中(室内)の空気を屋外ODに排気することができる。このように、室内機2は、換気装置6により、部屋RMの換気を行うことができる。本開示において説明する外気は、屋外ODの空気であり、室内空気は部屋RMの中の空気である。また、室内機2は、換気装置6により、給排気ホース68を通じて部屋RMの中(室内)に供給される水分で、室内の湿度を上げる加湿を行うことができる。
【0025】
空気調和機1のコントローラ8は、
図2及び
図16に示されているように、室内機2を制御する室内制御部81と、室外機4と換気装置6とを制御する室外制御部82とを含んでいる。室内制御部81及び室外制御部82は、それぞれ、例えば、マイクロコンピュータにより実現されるコントローラである。例えば、室内制御部81は、制御演算装置81aと記憶装置81bとタイマ81cとを備える。制御演算装置81aには、CPUまたはGPUといったプロセッサを使用できる。制御演算装置81aは、記憶装置81bに記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って、例えば所定の演算処理及びシーケンス制御を行う。さらに、制御演算装置81aは、プログラムに従って、演算結果を記憶装置81bに書き込んだり、記憶装置81bに記憶されている情報を読み出したりすることができる。例えば、室外制御部82は、制御演算装置82aと記憶装置82bとタイマ82cとを備える。制御演算装置82aには、CPUまたはGPUといったプロセッサを使用できる。制御演算装置82aは、記憶装置82bに記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って、例えば所定の演算処理及びシーケンス制御を行う。さらに、制御演算装置82aは、プログラムに従って、演算結果を記憶装置82bに書き込んだり、記憶装置82bに記憶されている情報を読み出したりすることができる。
【0026】
(1-2)室内機の静電霧化ユニットの配置
室内機2は、
図1、
図3及び
図4に示されているケーシング23を備えている。ここで説明する室内機2のケーシング23は、フレーム23fとグリル23gと前面パネル23pとを有している(
図3参照)。ただし、室内機2のケーシング23の構成は、ここで説明する構成には限られない。このケーシング23は、長手方向D1に沿って長く延びている。クロスフローファン22も、長手方向D1に沿って延びている。長手方向D1は、クロスフローファン22の長手方向である。
図3及び
図5Bに示されているように、長手方向D1におけるクロスフローファン22の一端E1は、ケーシング23を正面から見て左手になり、長手方向D1におけるクロスフローファン22の他端E2は、ケーシング23を正面から見て右手になる。
【0027】
ケーシング23の中の内部空間のうち、クロスフローファン22により発生する層流が通過する空間が送風空間FSである。送風空間FSは、クロスフローファン22の長手方向D1の中央CEを通って長手方向D1に垂直な仮想の平面VPで2分割してなる第1空間R1と第2空間R2を含む(
図3参照)。本開示において、クロスフローファン22の長手方向D1の中央CEよりも、クロスフローファン22の一端E1に近い空間が第1空間R1である。また、中央CEよりもクロスフローファン22の他端E2に近い空間が第2空間R2である。クロスフローファン22が発生する気流が層流であるため、クロスフローファン22による空気の流れは、仮想の平面VPに対して平行な流れとなる。
【0028】
外気は、換気装置6から給排気ホース68を通って、第1空間R1に配置された換気ダクト28(
図2及び
図5参照)より供給される。
図2において、一点鎖線の太い矢印で外気の流れが示されている。クロスフローファン22が発生する気流が層流であるため、第2空間R2は、第1空間R1に比べて換気ダクト28から供給される外気が到達しにくい。
【0029】
換気ダクト28の開口28a(
図2及び
図11参照)は、第1空間R1に連通している。換気ダクト28が排気ダクトとして機能するときには、開口28aは、室内空気を吸気する吸気口として機能する。言い換えると、開口28aは、排気ダクトの吸気口の一例である。換気ダクト28を用いて排気するときには、主に第1空間R1から室内空気が、換気ダクト28の開口28aに吸い込まれる。そのため、第2空間R2から換気ダクト28の開口28aに吸い込まれる空気の量は、第1空間R1から開口28aに吸い込まれる空気の量に比べて非常に少ない。
【0030】
室内機2は、
図2に示されている静電霧化ユニット75を備えている。静電霧化ユニット75は、放電によるイオンを含む液体微粒子を放出する装置である。液体微粒子を放出するための静電霧化ユニット75の放出口75aは、第2空間R2に連通している(
図2及び
図7参照)。
【0031】
(2)詳細構成
(2-1)室内機
図2、
図4及び
図6に示されているように、室内機2は、室内熱交換器21と、クロスフローファン22と、ケーシング23と、エアフィルタ24と、ドレンパン26と、水平フラップ27aと、垂直フラップ27b(
図7参照)と、換気ダクト28と、静電霧化ユニット75を含む静電霧化装置70(
図12参照)とを備えている。また、室内機2は、室内温度センサ31と、室内湿度センサ32とを備えている。
図2及び
図16に示されているように、室内温度センサ31と室内湿度センサ32は、室内制御部81に接続されている。
【0032】
ケーシング23は、上部に、吸込口23aを有し、下部に、吹出口23bを有している。室内機2は、クロスフローファン22を駆動して、室内空気を吸込口23aから吸込み、室内熱交換器21を通過した空気を吹出口23bから吹き出す。ケーシング23において、送風空間FSは、吸込口23aと吹出口23bとを繋ぐ空気流路である。クロスフローファン22は、室内機2の断面視において(
図4参照)、ケーシング23の中の略中央部分に配置されている。クロスフローファン22は、長手方向D1に沿って羽根が延びており、長手方向D1に対して垂直な方向に空気の流れである層流を生じさせる。
【0033】
吸込口23aから吹出口23bに向う送風空間FSにおいて、クロスフローファン22の上流に室内熱交換器21が配置されている。室内熱交換器21は、伝熱管21bの延びる方向に見て(側面視において)、クロスフローファン22の上方を覆うように、下に向って開いた形状を呈する。下に向かってとは、重力方向の下方であって、天井CIから床FLに向かってという意味である。ここでは、このような形状をΛ形状またはC字形状と呼ぶ。室内熱交換器21は、壁WLから遠い第1熱交換部21Fと壁WLに近い第2熱交換部21Rを有している。Λ形状またはC字形状の室内熱交換器21の第1熱交換部21Fの下部及び第2熱交換部21Rの下部の下に、ドレンパン26が配置されている。室内熱交換器21のうちの第1熱交換部21Fで発生した結露は、室内熱交換器21の前方下部に配置されているドレンパン26で受け止められる。室内熱交換器21のうちの第2熱交換部21Rで発生した結露は、室内熱交換器21の後方下部に配置されているドレンパン26で受け止められる。送風空間FSは、長手方向D1に沿って長く延びるようにドレンパン26に空いた開口を通って、吹出口23bへと続いている。
【0034】
吹出口23bには、水平フラップ27a及び垂直フラップ27bが配置されている。水平フラップ27aは、吹出口23bから吹出される空気の風向を上下に変更する。そのため、水平フラップ27aは、モータ27mにより、水平方向とのなす角を変更することができるように構成されている。垂直フラップ27bは、吹出口23bから吹出される空気の風向を左右に変更することができるように構成されている。室内機2は、例えば、垂直フラップ27bが前後方向とのなす角を変更するようにモータ27n(
図16参照)で駆動する。
【0035】
室内機2は、送風空間FSに流れ込む空気から塵埃を除去するプレフィルタであるエアフィルタ24を備えている。冷房運転時及び暖房運転時の気流の流れにおけるケーシング23の中の吸込口23aの下流且つ室内熱交換器21の上流には、エアフィルタ24が配置されている。室内熱交換器21に供給される室内空気は、実質的に全てエアフィルタ24を通過する。従って、エアフィルタ24の網目よりも大きな塵埃は、エアフィルタ24で除去されるので室内熱交換器21には到達しない。クロスフローファン22が室内熱交換器21の下流にあるので、エアフィルタ24は、クロスフローファン22より上流に配置されていることになる。
【0036】
室内機2は、ケーシング23の中に、排気ダクトとして、換気ダクト28を備えている。
図5A及び
図5Bに示されているように、換気ダクト28は、送風空間FSのうちの第1空間R1に配置されている。換気ダクト28の開口28aは、室内熱交換器21に対向するように配置されている(
図6参照)。室内機2が給気運転を行っているときには、換気ダクト28からは、外気が吹き出される。また、室内機2が排気運転を行っているときには、換気ダクト28へは、室内空気が吸引される。給気運転のときには、換気装置6における加湿動作が停止されており、換気装置6から給排気ホース68を通じて換気ダクト28に外気がそのまま送られる。排気運転のときも、換気装置6における加湿動作が停止されおり、換気ダクト28から給排気ホース68を通じて換気装置6に室内空気が送られる。室内機2が加湿運転を行っているときに、換気ダクト28からは、加湿された外気が吹き出される。加湿運転のときには、換気装置6において加湿動作が行われており、換気装置6から給排気ホース68を通じて換気ダクト28に加湿された外気が送られる。換気ダクト28には、ダクトフィルタ28bが設けられている。給排気ホース68を通じて送られてきた外気はダクトフィルタ28bを通過してケーシング23の中に吹出される。
【0037】
静電霧化ユニット75を含む静電霧化装置70(
図12参照)は、送風空間FSの外に配置されている。
図6に示されているように、静電霧化ユニット75を含む静電霧化装置70はケーシング23の中に配置される。静電霧化装置70は、例えば、長手方向D1においてクロスフローファン22の他端E2に近い側のケーシング23の右側面(他端側の側面)に沿って配置される。長手方向D1の中央CEよりも一端E1に近い側をケーシング23の一端側、中央CEよりも他端E2に近い側をケーシング23の他端側という。さらに詳細には、静電霧化ユニット75の放出口75aが第2空間R2に連通しているが、静電霧化ユニット75を含む静電霧化装置70は、第2空間R2の外に配置されている。例えば、静電霧化装置70は、送風空間FS以外のケーシング23の内部空間を、仮想的な平面VP(
図3参照)で分割した空間のうち第2空間R2に近い側の空間に配置されている。言い換えると、静電霧化装置70が配置されている空間は、ケーシング23の内部空間から送風空間FSの除いた空間のうち、仮想的な平面VPよりも右側の空間である。
図6の静電霧化装置70は、例えば、液体微粒子を放出させるための空気を送風空間FS以外の空間から取り入れる。この室内機2では、静電霧化装置70が、ケーシング23の中の送風空間FS以外の空間IS(
図6参照)から、液体微粒子を放出させるための空気を取り入れている。この空間ISは、ケーシング23の中の空間であって、クロスフローファン22の他端E2の近傍の空間である。クロスフローファン22の他端E2の近傍で空間ISを室内空間から仕切っているのは、ケーシング23の右側面である。
【0038】
室内機2の中に配置されている室内制御部81は、
図2に示されているように、クロスフローファン用のモータ22m、水平フラップ用のモータ27m及び垂直フラップ用のモータ27nに接続されている。室内制御部81は、クロスフローファン22のモータ22mの回転速度並びに水平フラップ27aのモータ27m及び垂直フラップ27bのモータ27nの回転角度を制御することができる。室内制御部81は、室外機4の中に配置されている室外制御部82(
図2参照)に接続されている。ここでは、タイマ81cと制御演算装置81aと記憶装置81bとを室内制御部81が有している場合について説明するが、タイマ81cと制御演算装置81aと記憶装置81bとは、コントローラ8の他の箇所に設けられてもよい。例えば、タイマ81cと制御演算装置81aと記憶装置81bとは、室外制御部82に設けられてもよい。室内制御部81は、室内温度センサ31により室内空気の温度を検知することができ、室内湿度センサ32により室内空気の相対湿度を検知することができる。室内制御部81は、タイマ81cを使って静電霧化装置70(静電霧化ユニット75)の運転開始と運転停止のタイミングを設定することができる。
【0039】
室内機2は、ケーシング23の中の送風空間FS以外の箇所に配置され、長手方向D1に延びている電装品箱90を有している(
図3参照)。室内機2において、室内制御部81は、電装品箱90の第1電装室91(
図5A及び
図5B参照)に収納されている。第1電装室91は、第1空間R1に近いケーシング23の内部空間に配置されている。第1電装室91は、50ボルト未満の電圧によって駆動される第1電気回路部品が収納されている空間である。第1電気回路部品には、室内制御部81を構成している電気回路部品が含まれる。電装品箱90は、第2空間R2に近いケーシング23の内部空間に第2電装室92を有している。第2電装室92は、50ボルト以上の電圧によって駆動される第2電気回路部品が収容されている空間である。第2電気回路部品には、静電霧化ユニット75に給電するための電気回路部品が含まれる。第2電装室92は、第2空間R2に近いケーシング23の内部空間に配置されている。第2電装室92が第2空間R2の近くに配置されているため、第2電装室92から静電霧化ユニット75までの配線距離を短くすることができる。
【0040】
室内機2は、静電霧化ユニット75が停止したことを報知する報知装置29を備えている。報知装置29は、例えば、電装品箱90に設けられている。報知装置29は、例えば、LEDなどの発光素子を含んでおり、発光素子が発光することまたは点滅を繰り返すことによってユーザに静電霧化ユニット75が停止していることを報知する。しかし、報知装置29は、電装品箱90に設けられるものには限られず、例えば、リモートコントローラ9の表示装置を報知装置29の表示装置として用いることもできる。例えば、リモートコントローラ9の表示装置に静電霧化ユニット75が停止したことを表示することで、静電霧化ユニット75が停止したことを報知することができる。
【0041】
(2-1―1)換気ダクト
換気ダクト28は、
図8、
図9、
図10及び
図11に示されているように、開口28a、ダクトフィルタ28b、幅広部28c、接続部28d及び出入口28eを有している。円筒状の接続部28dに給排気ホース68が接続される。給気運転時には、接続部28dの先端の出入口28eからは、給排気ホース68を通じて外気が流れ込む。また、排気運転時には、接続部28dの先端の出入口28eから給排気ホース68に室内空気が流出する。排気運転時の気流の流れにおける接続部28dの上流には、接続部28dよりも長手方向D1(左右方向)に広がっている幅広部28cが設けられている。幅広部28cには、ダクトフィルタ28bが抜き差し可能に取り付けられている。ダクトフィルタ28bは、室内機2の前面パネル23pを開けて、ケーシング23の後方から前方に向かって引き抜くことができる。排気運転時の気流の流れにおけるダクトフィルタ28bの上流には、開口28aが形成されている。
【0042】
開口28aは、プレフィルタであるエアフィルタ24を挟んで、室内熱交換器21に対向している。エアフィルタ24は、冷房運転時及び暖房運転時の気流におけるクロスフローファン22の上流の送風空間FSに配置されている。排気運転時に、開口28aから吸い込まれる室内空気は、エアフィルタ24を通過して、換気ダクト28に流れ込む。言い換えると、排気ダクトの吸気口として機能する換気ダクト28の開口28aは、排気時に吸い込む空気の一部がプレフィルタであるエアフィルタ24を通過する位置に配置されている。また、給気運転時に、開口28aから吹き出された外気は、エアフィルタ24を通過して、室内熱交換器21に流れ込む。クロスフローファン22が長手方向D1に対して垂直な方向に空気の流れを生じさせるため、換気ダクト28から吹出された外気は、第1空間R1を流れ、第2空間R2には流れない。
【0043】
(2-1―2)静電霧化装置
静電霧化ユニット75は、
図12に示されているように、静電霧化装置70の中に配置されている。静電霧化ユニット75は、放出口75aを有している。静電霧化装置70は、例えば、筐体71、吸入口72a、送風装置74及び高圧トランス73を備えている。放出口75aは、送風空間FSの第2空間R2に連通している。放出口75aが連通する個所は、送風空間FSの中でも、例えば、ケーシング23の吹出口23bに繋がっているスクロール部である。
図7に示されているように、放出口75aは、スクロール部の側壁23wに接続されている。
【0044】
静電霧化装置70の吸入口72aには、ケーシング23の中の送風空間FS以外の箇所から室内空気が吸入される。吸入口72aから吸入した空気を、筐体71の中の静電霧化ユニット75を通して、放出口75aから放出するために、静電霧化装置70は、筐体71の中に送風装置74を備えていることが好ましい。しかし、送風装置74が無くても筐体71の中に気流が生じる場合には、送風装置74を省いてもよい。
【0045】
静電霧化ユニット75は、
図13に示されているように、放電電極78に結露した水分を、放電により、イオンを含む水微粒子77に変えて放出する。以下、イオンを含む水微粒子77を静電ミストという場合がある。放電電極78で高電圧放電を発生させるために、高圧トランス73によって放電電極78と対向電極79との間に高電圧が印加される。放電電極78に生じる放電現象により、放電電極78の上の水分がナノメートルサイズの微粒子となって帯電し、イオンを含む水微粒子77が発生する。
【0046】
静電霧化ユニット75は、放電電極78に結露水を発生させるために、例えば、冷却素子76を備えている。冷却素子76は、放熱面76aと冷却面76bとを有する。放熱面76aには、例えば、放熱部76cが熱的に接続されている。放熱部76cには、例えば放熱フィンを用いることができる。冷却面76bは、電気絶縁材(図示せず)を介して放電電極78に熱的に接続されている。冷却面76bに立てて設置されている放電電極78は、対向電極40から所定距離だけ離して配置されている。冷却素子76には、例えばペルチェ素子がある。冷却素子76は複数設けられてもよい。冷却素子76がペルチェ素子である場合、ペルチェ素子に直流電流を流すと、冷却面76bで吸熱が発生し、放熱面76aで発熱が発生するので、冷却面76bに熱的に接続されている放電電極78の温度が低下する。放電電極78の温度が、吸入口72aから吸入した空気の露点温度よりも低下すると、放電電極78で結露が生じる。放電電極78を高圧トランス73のマイナス側に、対向電極79を高圧トランス73のプラス側に接続することで、水微粒子77にマイナスイオンが生じる。そのため、放電電極78で生じた静電ミストは、負に帯電している。
【0047】
(2-2)室外機
室外機4は、
図2に示されているように、圧縮機41と四方弁42とアキュムレータ43と室外熱交換器44と室外膨張弁45と室外ファン46とハウジング47とを備えている。また、室外機4は、室外温度センサ51を備えている。
図2及び
図16に示されているように、室外温度センサ51は、室外制御部82に接続されている。圧縮機41と四方弁42とアキュムレータ43と室外熱交換器44と室外膨張弁45と室外ファン46とは、ハウジング47の中に収納されている。ハウジング47は、外気を吸い込む後方開口部47a(
図2参照)と、熱交換後の空気を吹き出す前方開口部47b(
図1及び
図2参照)とを有する。後方開口部47aは、ハウジング47の後側に配置されている。室外機4は、室内機2に熱エネルギーを供給する熱源ユニットとして機能する。
【0048】
圧縮機41は、ガス冷媒を吸入して圧縮して吐出する。圧縮機41は、例えば、圧縮機用のモータ41mの運転周波数をインバータにより調整することで運転容量を変更することができる可変容量圧縮機である。運転周波数が大きいほど圧縮機41の運転容量が大きくなる。四方弁42は、4つのポートを有している。四方弁42の第1ポートP1は、圧縮機41の吐出口に接続されている。四方弁42の第2ポートP2は、室外熱交換器44の一方の出入口に接続されている。四方弁42の第3ポートP3は、アキュムレータ43に接続されている。四方弁42の第4ポートP4は、室内熱交換器21の一方の出入口に接続されている。
【0049】
アキュムレータ43は、四方弁42の第3ポートP3と圧縮機41の吸入口との間に接続されている。室外熱交換器44は、他方の出入口を室外膨張弁45の一方の出入口に接続している。室外膨張弁45は、他方の出入口を室内熱交換器21の他方の出入口に接続している。室外熱交換器44は、一方の出入口または他方の出入口から内部に流入した冷媒と、外気との間で熱交換を行う。
【0050】
室外機4の中には、コントローラ8を構成している室外制御部82が配置されている。室外制御部82は、室内制御部81に接続されている。室外制御部82は、圧縮機41のモータ41m、四方弁42、室外ファン用のモータ46m及び室外温度センサ51に接続されている。コントローラ8は、室外制御部82により、圧縮機41のモータ41mの運転周波数、四方弁42の開度及び室外ファン46のモータ46mの回転速度を制御することができる。
【0051】
冷媒回路13には、圧縮機41と、四方弁42と、アキュムレータ43と、室外熱交換器44と、室外膨張弁45と、室内熱交換器21とが含まれている。冷媒回路13には、冷媒が循環している。冷媒としては、例えば、R32冷媒及びR410冷媒などのフロン類、並びに二酸化炭素などがある。蒸気圧縮式冷凍サイクルでは、冷媒が圧縮機41で圧縮されて昇温され、その後、室外熱交換器44または室内熱交換器21で冷媒が放熱する。また、蒸気圧縮式冷凍サイクルでは、室外膨張弁45で冷媒が減圧膨張され、その後、室内熱交換器21または室外熱交換器44で冷媒が吸熱する。アキュムレータ43では、圧縮機41に吸入される冷媒の気液分離が行われる。四方弁42は、冷媒回路13における冷媒の流れの向きを切り換える。
【0052】
(2-3)換気装置6
本実施形態の
図2に示されている換気装置6は、吸着ロータ61、ヒータ62、切換ダンパ63、給排気ファン64、吸着ファン65、ダクト66、給排気ホース68及びハウジング69を備えている。換気装置6は、室外機4と一体化されている。しかし、換気装置6と室外機4は分離可能な別体として構成することもできる。換気装置6は、給気機能と排気機能を有している。換気装置6は、給気運転と排気運転とを切り換えることができるが、給気運転と排気運転とを同時に行うことはできない。また、換気装置6は、加湿機能を有している。加湿運転時に、換気装置6は、外気から水分を取り入れる。換気装置6は、取り入れた水分を外気に付与することで高湿度の空気を生成することができる。換気装置6は、この高湿度の空気を室内機2に送る。室内機2は、加湿運転時に、換気装置6から送られてきた高湿度の空気と室内空気とを混合する。室内機2は、高湿度の空気が混合された空気を部屋RMの中(室内)に吹き出すことで、室内を加湿する。
【0053】
換気装置6は、コントローラ8により制御される。コントローラ8は、吸着ロータ用のモータ61m、ヒータ62、切換ダンパ用のモータ63m、給排気ファン用のモータ64m及び吸着ファン用のモータ65mに接続されている(
図16参照)。
【0054】
換気装置6は、加湿動作を停止して、加湿を行わずに外気を室内機2に送ることもできる。室内機2は、給気運転時に、換気装置6から送られてきた外気と室内空気とを混合する。室内機2は、外気が混合された空気を部屋RMの中(室内)に吹き出すことで、外気を室内に給気することができる。また、換気装置6は、加湿動作を停止して、加湿を行わずに室内機2から屋外ODに室内空気を排気することもできる。排気運転時に、室内機2は、部屋RMの中の室内空気を屋外ODに排気することができる。換気装置6は、換気ダクト28を通じて、給気を行ったり、排気を行ったりするため、給気と排気を同時に行うことはできない。換気装置6は、後述する切換ダンパ63によって給気と排気とを切り換える。
【0055】
図1及び
図2に示されている換気装置6は、吸着ロータ61と、ヒータ62と、切換ダンパ63と、給排気ファン64と、吸着ファン65と、ダクト66と、ハウジング69とを備えている。また、換気装置6は、給排気ホース68を備えている。換気装置6のハウジング69は、室外機4のハウジング47に取り付けられている。換気装置6は、ハウジング69に、吸着用空気吹出口69aと吸着用空気取入口69bと加湿用空気取入口69cとを有している。
【0056】
吸着ロータ61は、例えば、ハニカム構造を持つ円盤状の調湿用ロータである。調湿用ロータである吸着ロータ61は、例えば、接触する空気中の水分を吸着する性質を有している吸着剤を焼成することにより形成される。吸着ロータ61の吸着剤は、加熱されることによって吸着した水分を脱離するという性質を有している。ハニカム構造の吸着ロータ61を加熱されてない空気が通過するときには吸着ロータ61に空気の水分が吸着される。ハニカム構造の吸着ロータ61を加熱された空気が通過するときには吸着ロータ61の水分が空気に付与される。吸着ロータ61は、モータ61mにより駆動されて回転する。吸着ロータ61の回転速度は、モータ61mの回転速度を変えることにより変更することができる。
【0057】
ヒータ62は、加湿用空気取入口69cと切換ダンパ63との間に配置されている。加湿用空気取入口69cから取り入れられた外気は、ヒータ62を通過した後、さらに吸着ロータ61を通過して切換ダンパ63に到達する。ヒータ62で加熱された空気が吸着ロータ61を通過する際に、吸着ロータ61から水分が脱離して、加熱された外気に水分が吸着ロータ61から供給される。ヒータ62は、出力を変化させることができ、出力の変化によってヒータ62を通過した空気の温度を変化させることができる。吸着ロータ61は、特定の温度範囲内では、吸着ロータ61を通過する空気の温度が高いほど脱離する水分量が多くなる傾向がある。ヒータ62の温度及び吸着ロータ61の回転速度を変更することで、外気に付与される水分量を調節することができる。
【0058】
切換ダンパ63は、第1出入口63aと第2出入口63bとを持っている。切換ダンパ63は、給排気ファン64が駆動しているときに空気を吸い込む空気の入口を、第1出入口63aとするか又は第2出入口63bとするかを切り換えることができる。切換ダンパ63の空気の入口を第1出入口63aとする場合に、外気は、
図2に実線で示された矢印の向きに流れ、加湿用空気取入口69cから、吸着ロータ61、ヒータ62、吸着ロータ61、第1出入口63a、給排気ファン64、第2出入口63b、ダクト66、給排気ホース68、室内機2の順に流れる。切換ダンパ63の空気の入口を第2出入口63bとするように切り換えると、逆に、
図2に破線で示された矢印の向きに、室内機2から、給排気ホース68、ダクト66、第2出入口63b、給排気ファン64、第1出入口63a、吸着ロータ61、ヒータ62、吸着ロータ61、加湿用空気取入口69cの順に空気が流れる。切換ダンパ63の切り換えは、モータ63mにより行われる。
【0059】
給排気ファン64は、切換ダンパ63の第1出入口63aと第2出入口63bとの間に配置されている。給排気ファン64は、第1出入口63aから第2出入口63bまたは第2出入口63bから第1出入口63aに向う空気の流れを発生させる。給排気ファン64は、モータ64mにより駆動される。給排気ホース68は、一方端をダクト66に接続し、他方端を室内機2に接続している。このような構成により、給排気ホース68と部屋RMとは室内機2を介して連通している。
【0060】
吸着用空気取入口69bから吸着用空気吹出口69aに続く通路に吸着ファン65が配置され、この通路に掛かるように吸着ロータ61が配置されている。吸着ファン65により吸着用空気取入口69bから吸着用空気吹出口69aに向う気流が発生すると、吸着ロータ61を通過する外気から吸着ロータ61への水分の吸着が生じる。吸着ファン65は、モータ65mにより駆動される。
【0061】
吸着ロータ61のモータ61m、切換ダンパ63のモータ63m、給排気ファン64のモータ64m、吸着ファン65のモータ65m及びヒータ62は、室外制御部82に接続されている。コントローラ8は、室外制御部82により、吸着ロータ61の回転速度、切換ダンパ63の切り換え、給排気ファン64及び吸着ファン65のオンオフ、及びヒータ62の出力を制御することができる。
【0062】
(3)空気調和機及び室内機の動作
(3-1)概要
空気調和機1の運転モードには、例えば、冷房運転、暖房運転、除湿運転、加湿運転、送風運転、給気運転、排気運転及び空気清浄運転がある。なお、前述の各種の運転は、それぞれ単独で実施することもできるが、複数の運転を組み合わせることもできる。例えば、暖房運転と加湿運転、冷房運転と加湿運転、送風運転と加湿運転を組み合わせることができ、それらの組合せにさらに空気清浄運転を組み合わせることができる。また、給気運転と冷房運転、給気運転と暖房運転、給気運転と除湿運転、及び給気運転と送風運転を組み合わせることができ、それらの組合せにさらに空気清浄運転を組み合わせることができる。排気運転と冷房運転、排気運転と暖房運転、排気運転と除湿運転、及び排気運転と送風運転を組み合わせることができる。しかし、排気運転と空気清浄運転を組み合わせることができない。
【0063】
(3-2)冷房運転
冷房運転の開始前に、コントローラ8の室内制御部81には、例えば、リモートコントローラ9(
図16参照)から冷房運転が指示されるとともに目標温度が指示される。冷房運転時に、コントローラ8は、四方弁42を、
図2において実線で示されている状態に切り換える。冷房運転時の四方弁42は、第1ポートP1と第2ポートP2の間で冷媒を流し、第3ポートP3と第4ポートP4の間で冷媒を流す。冷房運転時の四方弁42は、圧縮機41から吐出される高温高圧のガス冷媒を室外熱交換器44に流す。室外熱交換器44では、冷媒と、室外ファン46により供給される外気との間で熱交換が行われる。室外熱交換器44で冷やされた冷媒は、室外膨張弁45で減圧されて室内熱交換器21に流れ込む。室内熱交換器21では、冷媒とクロスフローファン22により供給される空気との間で熱交換が行われる。クロスフローファン22により供給される空気には、室内空気のみの場合と、室内空気と外気両方の場合とがある。室内熱交換器21での熱交換により温められた冷媒は、四方弁42及びアキュムレータ43を経由して、圧縮機41に吸入される。
【0064】
室内熱交換器21で冷やされた室内空気或いは室内空気と外気の混合空気が室内機2から部屋RMに吹出されることで、室内の冷房が行われる。この空気調和機1では、冷房運転において、室内熱交換器21が冷媒の蒸発器として機能して部屋RMを冷やし、室外熱交換器44が冷媒の放熱器として機能する。コントローラ8は、室内温度センサ31で検出した温度を目標温度に近づけるように、室内制御部81と室外制御部82によって、室内機2と室外機4を制御する。冷房運転のみを行う場合に、コントローラ8は、換気装置6の動作を停止させる。
【0065】
なお、除湿運転における冷媒回路13の動作は、冷房運転と同様であるので、ここでは除湿運転における圧縮機41、四方弁42、アキュムレータ43、室外熱交換器44、室外膨張弁45及び室内熱交換器21の動作についての説明を省略する。
【0066】
冷房運転または除湿運転においては、冷房運転または除湿運転の終了後に、室内機2の内部を乾燥させる内部乾燥運転を行う。この内部乾燥運転は、送風運転または暖房運転と同様の運転である。
【0067】
(3-3)暖房運転
暖房運転の開始前に、コントローラ8の室内制御部81には、例えば、リモートコントローラ9から暖房運転が指示されるとともに目標温度が指示される。暖房運転時に、コントローラ8は、四方弁42を、
図2において破線で示されている状態に切り換える。暖房運転時の四方弁42は、第1ポートP1と第4ポートP4の間で冷媒を流し、第2ポートP2と第3ポートP3の間で冷媒を流す。暖房運転時の四方弁42は、圧縮機41から吐出される高温高圧のガス冷媒を室内熱交換器21に流す。室内熱交換器21では、クロスフローファン22により供給される空気と冷媒との間で熱交換が行われる。クロスフローファン22により供給される空気には、室内空気のみの場合と、室内空気と外気両方の場合とがある。室内熱交換器21で冷やされた冷媒は、室外膨張弁45で減圧されて室外熱交換器44に流れ込む。室外熱交換器44では、冷媒と室外ファン46により供給される外気との間で熱交換が行われる。室外熱交換器44での熱交換により温められた冷媒は、四方弁42及びアキュムレータ43を経由して、圧縮機41に吸入される。
【0068】
室内熱交換器21で温められた室内空気或いは室内空気と外気の混合空気が室内機2から部屋RMに吹出されることで、室内の暖房が行われる。この空気調和機10では、暖房運転においては、室内熱交換器21が冷媒の放熱器として機能して部屋RMを温め、室外熱交換器44が冷媒の蒸発器として機能する。コントローラ8は、室内温度センサ31で検出した温度を目標温度に近づけるように、室内制御部81と室外制御部82によって、室内機2と室外機4を制御する。暖房運転のみを行う場合に、コントローラ8は、換気装置6の動作を停止させる。
【0069】
(3-4)送風運転
送風運転の開始前に、コントローラ8の室内制御部81には、例えば、リモートコントローラ9から送風運転が指示される。送風運転時には、コントローラ8が、圧縮機41を停止させ、冷媒回路13における冷凍サイクルを停止させる。送風運転では、リモートコントローラ9から目標風量が指示される場合と、室内機2に目標風量を自動で選択させる場合がある。室内制御部81は、目標風量になるように、クロスフローファン22のモータ22mを制御する。例えば、室内制御部81は、最も回転速度の小さいLLタップから、Lタップ、Mタップ、Hタップの順に回転速度を大きくすることができるように構成されている。送風運転では、部屋RMの中の室内空気が室内機2により循環する。送風運転のみを行う場合に、コントローラ8は、換気装置6の動作を停止させる。
【0070】
(3-5)加湿運転
加湿運転の開始前に、コントローラ8の室内制御部81には、例えば、リモートコントローラ9から加湿運転が指示されるとともに目標湿度が指示される。加湿のみを行う加湿運転時には、コントローラ8が、圧縮機41を停止させ、冷媒回路13における冷凍サイクルを停止させる。しかし、例えば、加湿暖房運転または加湿冷房運転では、冷媒回路13における冷凍サイクルも加湿運転と同時に実施される。加湿運転と送風運転を組み合わせるときには、例えばリモートコントローラ9からの指示によって風量を変更することができる。
【0071】
コントローラ8は、加湿運転の指示を受けると、まず、換気装置6に給排気ホース68の乾燥を行わせる。コントローラ8は、給排気ホース68の乾燥後、換気装置6に加湿動作が開始される。コントローラ8は、吸着ファン65を駆動させ且つ吸着ロータ61を回転させるように制御する。吸着ファン65の駆動によって吸着ロータ61を外気が通過することで、吸着ロータ61には、外気から水分が吸着する。吸着ロータ61の回転により、吸着ロータ61の中の水分が吸着した箇所が、ヒータ62によって加熱された空気の通過する場所に移動する。その結果、吸着ロータ61の中の水分が吸着した箇所から加熱された空気へと水分の脱離が生じる。吸着ロータ61を通過して高湿度になった空気が、給排気ファン64により、給排気ホース68及び室内機2を通して部屋RMに送られる。加湿運転において、室内制御部81は、高湿度の空気を部屋RMの中に吹出させるために、室内機2のクロスフローファン22を駆動させる。コントローラ8は、所定の湿度センサで検出した湿度を目標湿度に近づけるように室内機2と室外機4と換気装置6を制御する。所定の湿度センサは、換気装置6及び室内機2において空気が流れる流路に設けられている湿度センサである。所定の湿度センサには、例えば、室内湿度センサ32、換気ダクト28に取り付けられた湿度センサがある。
【0072】
(3-6)給気運転
給気運転の開始前に、コントローラ8の室内制御部81には、例えば、リモートコントローラ9から給気運転が指示される。給気運転時には、加湿運転が停止される。また、冷房または暖房を行わずに給気運転を行う場合には、コントローラ8が、圧縮機41を停止させ、冷媒回路13における冷凍サイクルを停止させる。ただし、例えば、給気しつつ冷房する場合、給気しつつ除湿する場合及び給気しつつ暖房する場合には、コントローラ8は、圧縮機41を駆動して、冷媒回路13における冷凍サイクルを実施する。送風運転と給気運転を組み合わせるときには、例えばリモートコントローラ9からの指示によって風量を変更することができる。
【0073】
給気運転時に加湿を停止するために、吸着ファン65及び吸着ロータ61の回転が停止される。給気運転では、コントローラ8は、給排気ファン64を駆動するようにモータ64mを制御する。また、給気運転では、コントローラ8は、切換ダンパ63を制御することにより、給気状態に切り換える。給気状態においては、外気が、加湿用空気取入口69cから取り入れられ、給排気ホース68及び室内機2を通して部屋RMに吹出される。給気運転において、室内制御部81は、外気を部屋RMの中に吹出させるために、室内機2のクロスフローファン22を駆動させる。給気運転時において、換気ダクト28は、換気装置6による加湿を受けていない外気をそのまま給気する給気ダクトとして機能する。
【0074】
(3-7)排気運転
排気運転の開始前に、コントローラ8の室内制御部81には、例えば、リモートコントローラ9から排気運転が指示される。排気運転の開始は、コントローラからの指示に限らない。冷房運転中に室内温度が室外温度より高いという条件が満たされた場合に開始することもある。これは温度が高い室内空気を室外に逃がすことによって快適性を高めるためである。排気運転時には、加湿運転が停止される。また、冷房または暖房を行わずに排気運転を行う場合には、コントローラ8が、圧縮機41を停止させ、冷媒回路13における冷凍サイクルを停止させる。ただし、例えば、排気しつつ冷房する場合、排気しつつ除湿する場合及び排気しつつ暖房する場合には、コントローラ8は、圧縮機41を駆動して、冷媒回路13における冷凍サイクルを実施する。
【0075】
排気運転時に加湿を停止するために、吸着ファン65及び吸着ロータ61の回転が停止される。排気運転では、コントローラ8は、給排気ファン64を駆動するようにモータ64mを制御する。また、排気運転では、コントローラ8は、切換ダンパ63を制御することにより、排気状態に切り換える。排気状態においては、室内空気が、部屋RMから室内機2及び給排気ホース68を通して加湿用空気取入口69cより排気される。排気運転時において、換気ダクト28は、換気装置6による排気運転のための排気ダクトとして機能する。
【0076】
(3-8)空気清浄運転
空気調和機1は、静電霧化装置70を用いて空気清浄運転を行うことができる。ここで、空気清浄運転とは、空気中の有害成分及び/または臭気成分を抑制する運転である。空気清浄運転は、例えば、静電霧化装置70が発生するイオンを含む水微粒子(静電ミスト)で有害成分または臭気成分を抑える運転である。静電霧化装置70を用いる空気清浄運転は、他の運転、例えば、冷房運転、暖房運転、除湿運転、加湿運転、送風運転もしくは給気運転またはそれらを組み合わせた運転とともに行われる。
【0077】
静電霧化ユニット75及び排気装置としての機能を有する換気装置6の運転と停止は、コントローラ8により制御される。コントローラ8は、換気装置6が排気運転を行っている最中には、静電霧化ユニット75を停止状態とする制御を行う。換気装置6が排気運転を行っている最中というのは、排気装置の運転中と言い換えることができる。
【0078】
ただし、冷房運転または除湿運転の後において、コントローラ8が、室内機2の内部を乾燥させる内部乾燥運転の運転中または内部乾燥運転後に、排気を行うと同時に静電霧化ユニット75を作動させる制御を行う。これにより、室内機2の内部で、カビ及び雑菌が繁殖するのを抑制し、室内機2の内部を清潔に保つことができる。また、給排気ホース内を筐体内の塵埃などが通過することになるため、静電霧化ユニット75を作動させることで給排気ホース内を除菌することができる。なお、このような制御が行われないように空気調和機1を構成することもできる。
【0079】
図17に示されているように、空気清浄運転の指示があった場合には(ステップST1)、コントローラ8は、排気の指示があるか否かを判断する(ステップST2)。コントローラ8は、排気の指示があったと判断すると(ステップST2のYesの場合)、さらに、内部乾燥運転における排気の指示か否かを判断する(ステップST3)。コントローラ8は、排気の指示が内部乾燥運転におけるものと判断すると(ステップST3のYesの場合)、静電霧化ユニット75を作動させる(ステップST4)。コントローラ8は、内部乾燥運転ではなく、単なる排気運転の指示があった場合(ステップST3のNoの場合)には、静電霧化ユニット75を停止状態にする(ステップST5)。ただし、空気清浄運転の指示があり(ステップST2のNoの場合)、且つ排気の指示があった場合(ステップST2のNo)には、静電霧化ユニットを作動させる(ステップST4)。この場合は、単に静電浄化運転と排気運転を組み合わせる場合に該当する。
【0080】
ステップST4で、静電霧化ユニット75を作動させる場合、コントローラ8は、例えば、排気運転の開始に応じて静電霧化ユニット75を停止する制御を行う。具体的には、例えば、コントローラ8は、排気運転を実施する指示を換気装置6に出すタイミングで、静電霧化ユニット75を停止する指示を静電霧化装置70に出す。また、ステップST4で、静電霧化ユニット75を作動させる場合、コントローラ8は、例えば、排気運転の停止に応じて静電霧化ユニット75の運転を開始する制御を行う。具体的には、例えば、コントローラ8は、排気運転を停止する指示を換気装置6に出すタイミングで、静電霧化装置70の差動の開始時を出す。
【0081】
(4)変形例
(4-1)変形例A
上記実施形態では、静電霧化装置70及び静電霧化ユニット75がケーシング23の中に配置される場合について説明した。しかし、静電霧化装置70及び静電霧化ユニット75は、ケーシング23の外に配置されてもよい。
【0082】
(4-2)変形例B
上記実施形態では、静電霧化装置70及び静電霧化ユニット75は、送風空間FS(第1空間R1及び第2空間R2)の外から空気を取り入れる場合について説明した。しかし、静電霧化装置70及び静電霧化ユニット75に送り込む空気は、
図14A、
図14B及び
図15に示されているように、第2空間R2から取り入れられてもよい。例えば、静電霧化装置70の吸入口72aは、エアフィルタ24の下流且つ室内熱交換器21の上流の第2空間R2に連通してもよい。その場合でも、静電霧化ユニット75の放出口75aは、例えば、ケーシング23の吹出口23bに繋がっているスクロール部の側壁23wに接続されてもよい。この場合、吸入口72aと放出口75aが、第2空間R2に連通している。
【0083】
(4-3)変形例C
上記実施形態では、静電霧化ユニット75が静電霧化装置70の中に配置され、送風装置74で静電ミストをケーシング23の吹出口23bから吹き出させる場合について説明した。しかし、送風装置74を省いてもよい。例えば、第2空間R2の空気の流れの中に静電霧化ユニット75を位置させることにより、送風装置74を省いてもよい。
【0084】
(4-4)変形例D
上記実施形態では、換気ダクト28の開口28aから室内熱交換器21に向けて外気を吹き出さす場合について説明した。しかし、換気ダクト28から外気を吹き出す方向は室内熱交換器21に向かう方向には限られない。例えば、
図14A及び
図14Bに示されているように、換気ダクト28から室内熱交換器21に向かう方向に対して直交する方向に外気を吹き出してもよい。言い換えると、換気ダクト28から長手方向D1に沿って外気を吹き出してもよい。
【0085】
(4-5)変形例E
上記実施形態では、排気ダクトが、換気ダクト28である場合について説明した。しかし、排気ダクトは、換気ダクト28だけには限られない。例えば、換気装置6に代えて、給気機能の無い室内空気の排気のみを行う排気装置が屋外に設けられてもよい。排気装置が設置される場合には、換気ダクト28に代えて排気ダクトがケーシング23の中に配置される。そのように構成された場合には、室内機2は、給気運転を行うことができないが、排気運転を行い、室内空気を部屋RM(室内)に排気することはできる。排気ダクトと静電霧化ユニット75との配置関係は、換気ダクト28と静電霧化ユニット75との配置関係と同様に設定することができる。
【0086】
(4-6)変形例F
上記実施形態では、静電霧化ユニット75の放出口75aが、スクロール部の側壁23wに接続されて、第2空間R2と連通している場合について説明した。しかし、放出口75aが接続される場所は、スクロール部の側壁23wには限られない。
図4に二点鎖線で示した配置位置PL1,PL2,PL3に、放出口75aを配置してもよい。配置位置PL1は、第2空間R2に面し、且つ側面視においてケーシング23の前面とエアフィルタ24との間に位置する。配置位置PL2は、第2空間R2に面し、且つ側面視においてエアフィルタ24と室内熱交換器21との間に位置する。配置位置PL3は、第2空間R2に面し、且つ側面視において室内熱交換器21とクロスフローファン22との間に位置する。
【0087】
(4-7)変形例G
上記実施形態では、イオンを含む液体微粒子として、イオンを含む水微粒子77を例に挙げて説明した。しかし、イオンを含む液体微粒子は、イオンを含む水微粒子77に限られるものではない。例えば、液体が、水と水以外の成分を含む液体であってもよい。
【0088】
(4-8)変形例H
上記実施形態では、換気装置6が加湿機能を有する場合について説明した。しかし、換気装置6には、加湿機能を有しない換気装置を適用することができる。
【0089】
(4-9)変形例I
上記実施形態では、静電霧化ユニット75の放出口75aが、スクロール部の側壁23wに接続されて、第2空間R2と連通している場合について説明した。しかし、放出口75aが連通する場所は、第2空間R2には限られない。
図5Bに示した配置位置PL4に、放出口75aを配置してもよい。配置位置PL4は、第1空間R1に面し、且つ側面視においてケーシング23の前面とエアフィルタ24との間に位置する。また、
図18に示したように、静電霧化ユニット75の放出口75aが、スクロール部の側壁23wに接続されて、第2空間R2と連通するように室内機2を構成することができる。
【0090】
(5)特徴
(5-1)
上述の空気調和機1は、コントローラ8が、静電霧化ユニット75及び排気装置としての機能を有する換気装置6の運転と停止を制御する。換気装置6は、排気装置の一例である。コントローラ8は、換気装置6の排気運転中に、静電霧化ユニット75を停止状態とする制御を行う。コントローラ8が換気装置6の排気運転中に静電霧化ユニット75を停止状態とするので、静電霧化ユニット75から放出された水微粒子77が外に排気運転で排出されるのを防ぐことができる。
【0091】
(5-2)
上述の空気調和機1は、コントローラ8が、排気運転の開始に応じて静電霧化ユニット75を停止する制御を行う。排気運転の開始に応じて静電霧化ユニット75を停止することで、静電霧化ユニット75から放出された水微粒子77が外に排気運転で排出されるのを防ぐことが容易に行える。
【0092】
(5-3)
上述の空気調和機1は、静電霧化ユニット75が停止したことを報知する報知装置29を備えている。報知装置29が静電霧化ユニット75の停止を報知することで、静電霧化ユニット75が停止した理由をユーザに認識させることができる。
【0093】
(5-4)
上述の空気調和機1は、静電霧化ユニット75が、送風空間FSの第2空間R2に水微粒子77を放出する放出口75aを有する。排気ダクトの吸気口の一例である換気ダクト28の開口28aは、送風空間FSの第1空間R1に連通している。静電霧化ユニット75が換気ダクト28から遠いところに設けられることで、排気によって静電霧化ユニット75の放電電極78が汚れることが抑制される。
【0094】
(5-5)
上述の空気調和機1は、静電霧化ユニット75が、送風空間FSの外に配置されている空気取入口の一例である静電霧化装置70の吸入口72aを有する。静電霧化ユニット75が送風空間FSの外から空気を取り入れるので、排気によって静電霧化ユニット75の放電電極78が汚れるのを抑制できる。
【0095】
(5-6)
上述の空気調和機1は、排気ダクトとして、給気と排気に用いられる換気ダクト28を備えている。静電霧化ユニット75が、送風空間FS以外のケーシング23の内部空間を平面で分割した空間のうち第2空間R2に近い側の空間に配置されている。静電霧化ユニット75が第2空間R2に近い側の空間に配置されているので、給気時の外気の条件によって給気の湿度が高い状態になることで水微粒子77を安定的に発生させられない不具合を抑制できる。
【0096】
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0097】
1 空気調和機
2 室内機
6 換気装置(排気装置の例)
8 コントローラ
22 クロスフローファン
23 ケーシング
23a 吸込口
23b 吹出口
24 エアフィルタ (プレフィルタの例)
28 換気ダクト (排気ダクトの例)
28a 開口 (吸気口の例)
29 報知装置
72a 吸入口 (空気取入口の例)
75 静電霧化ユニット
75a 放出口
E1 クロスフローファンの一端
E2 クロスフローファンの他端
FS 送風空間
R1 第1空間
R2 第2空間
【先行技術文献】
【特許文献】
【0098】