IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イビデン株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-プリント配線板 図1
  • 特開-プリント配線板 図2
  • 特開-プリント配線板 図3
  • 特開-プリント配線板 図4
  • 特開-プリント配線板 図5
  • 特開-プリント配線板 図6
  • 特開-プリント配線板 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038885
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】プリント配線板
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/28 20060101AFI20240313BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20240313BHJP
【FI】
H05K3/28 Z
H01L23/12 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143223
(22)【出願日】2022-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 大介
(72)【発明者】
【氏名】小野 元通
【テーマコード(参考)】
5E314
【Fターム(参考)】
5E314AA25
5E314AA27
5E314AA32
5E314BB06
5E314BB09
5E314CC01
5E314CC06
5E314GG26
(57)【要約】
【課題】アンダーフィル材が漏れ出難い第2ダムを含むプリント配線板の提供。
【解決手段】プリント配線板は、樹脂絶縁層と、前記樹脂絶縁層上に形成されていて、電子部品を搭載するためのパッドと、前記樹脂絶縁層と前記パッド上に形成されていて、前記パッドを露出するための開口を有するソルダーレジスト層と、前記開口により露出される前記パッド上に形成されている半田バンプと、前記半田バンプ上に搭載されている前記電子部品と、前記電子部品と前記ソルダーレジスト層の間に充填されている、アンダーフィル材と、前記ソルダーレジスト層上に形成されている前記アンダーフィル材の流れを防止するためのダム、とを有する。前記ダムの断面形状は逆台形である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂絶縁層と、
前記樹脂絶縁層上に形成されていて、電子部品を搭載するためのパッドと、
前記樹脂絶縁層と前記パッド上に形成されていて、前記パッドを露出するための開口を有するソルダーレジスト層と、
前記開口により露出される前記パッド上に形成されている半田バンプと、
前記半田バンプ上に搭載されている前記電子部品と、
前記電子部品と前記ソルダーレジスト層の間に充填されている、アンダーフィル材と、
前記ソルダーレジスト層上に形成されている前記アンダーフィル材の流れを防止するためのダム、とを有するプリント配線板であって、
前記ダムの断面形状は逆台形である。
【請求項2】
請求項1のプリント配線板であって、前記ダムは前記電子部品を囲んでいる。
【請求項3】
請求項1のプリント配線板であって、前記ダムの断面形状は逆等脚台形である。
【請求項4】
請求項1のプリント配線板であって、前記ダムの頂部の形状は平坦である。
【請求項5】
請求項4のプリント配線板であって、前記ダムは、印刷により形成されている。
【請求項6】
請求項4のプリント配線板であって、前記ダムは、インクジェットにより形成されている。
【請求項7】
請求項4のプリント配線板であって、前記ダムの頂部は、プレスにより平坦に形成されている。
【請求項8】
請求項1のプリント配線板であって、前記ダムは、ネガ型のダム形成用材料により形成されていて、写真技術により前記断面形状は逆台形に形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、プリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、プリント配線板を開示している。特許文献1の図5に示されるように、特許文献1は、ダム材を孔板の環状通孔に押し込むことで、ダム部を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-67799号公報
【発明の概要】
【0004】
<特許文献1の課題>
特許文献1の技術では、ダム材を用いた印刷によってダムが形成される。そのため、形成後のダムの頂部が、丸い断面形状の曲面である。ダムへ向かって流れていったアンダーフィル材はダムの丸い表面に沿って登り上がり、ダム頂部を超えて漏れ出しやすいと考えられる。特許文献1の技術で形成されるプリント配線板では、アンダーフィル材の漏れ出しを防止することが難しいと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のプリント配線板は、樹脂絶縁層と、前記樹脂絶縁層上に形成されていて、電子部品を搭載するためのパッドと、前記樹脂絶縁層と前記パッド上に形成されていて、前記パッドを露出するための開口を有するソルダーレジスト層と、前記開口により露出される前記パッド上に形成されている半田バンプと、前記半田バンプ上に搭載されている前記電子部品と、前記電子部品と前記ソルダーレジスト層の間に充填されている、アンダーフィル材と、前記ソルダーレジスト層上に形成されている前記アンダーフィル材の流れを防止するためのダム、とを有する。前記ダムの断面形状は逆台形である。
【0006】
本発明の実施形態のプリント配線板では、ダムの断面形状が逆台形である。ダムに向かって流れるアンダーフィル材は、断面形状が逆台形となっているダムの下部に潜り込む。ダムの表面に沿って登り上がることはない。そのため、アンダーフィル材がダム頂部を超えて漏れ出難い。実施形態のプリント配線板ではアンダーフィル材の漏れ出しを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態のプリント配線板を模式的に示す断面図。
図2】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図3】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図4】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図5】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図6】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図7】等脚でない台形の断面形状のダムを有する実施形態のプリント配線板を模式的に示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態のプリント配線板>
図3は途中基板2の断面を示す。図1は、実施形態の半導体装置200の断面図である。半導体装置200は、実施形態のプリント配線板10とプリント配線板10に実装されている電子部品90で形成されている。
【0009】
図1に示されるように、プリント配線板10は、コア基板30とコア基板30の表裏に形成されているビルドアップ層80A,80Bを有する。ビルドアップ層80A,80Bは、樹脂絶縁層150U、150Lと導体層158U、158Lと樹脂絶縁層150U、150Lを貫通し隣接する導体層を接続するビア導体160U、160Dで形成されている。樹脂絶縁層150Uは最外の樹脂絶縁層である。
【0010】
プリント配線板10は、ビルドアップ層80A,80B上にソルダーレジスト層70U、70Dを有する。ソルダーレジスト層(第1ソルダーレジスト層)70Uは第1開口71Uを有する。第1開口71Uにより露出される導体層(第1導体層)158Uは電子部品90を搭載するためのパッド158pとして機能する。パッド158p上に電子部品90を実装するための半田バンプ76Uが形成されている。第2ダム102は電子部品90を囲んでいる。第2ダム102の平面形状の例は環である。
【0011】
図1に示されるように、プリント配線板10は第1ソルダーレジスト層70Uの上にアンダーフィル材100の流れを防止するための第2ダム102を有する。実施形態の半導体装置200は、電子部品90とソルダーレジスト層70Uとの間にアンダーフィル材100を有する。第2ダム102は、電子部品90を囲んでいる。第2ダム102の頂部102aの形状は、平坦である。第2ダム102は、ほぼ全周にわたって均一な高さHを有している。第2ダム102の断面形状は、逆台形である。第2ダム102の断面形状は、逆等脚台形である。断面形状が逆台形なので、アンダーフィル材100が漏れ出し難い。
【0012】
<実施形態のプリント配線板の製造方法>
図2図6は実施形態のプリント配線板10の製造方法を示す。図2図6は断面図である。
【0013】
図2に示される第1途中基板1が製造される。第1途中基板1は、コア基板30と上側のビルドアップ層80Aと下側のビルドアップ層80Bを有する。コア基板30とビルドアップ層80A、80Bは周知な方法で製造される。上側のビルドアップ層80Aは樹脂絶縁層150Uと樹脂絶縁層150U上の導体層158Uを有する。
【0014】
図3に示されるように、樹脂絶縁層150Uと導体層158U上に、ソルダーレジスト層70Uが形成される。ソルダーレジスト層70Uは、導体層158Uを露出する開口71Uを有する。開口71Uにより露出される導体層158Uは電子部品90を搭載するためのパッド158pとして機能する。パッド158p上に半田バンプ76Uが形成される。
【0015】
図4に示されるように、ソルダーレジスト層70U上に第1ダム101が形成される。第1ダム101は印刷により形成される。又は、第1ダム101はインクジェットにより形成される。又は、第1ダム101はディスペンサにより形成される。第1ダム101の頂部101aの形状は曲面である。
【0016】
第1ダム101形成用の樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と硬化剤と溶剤と添加剤で形成される。熱硬化性樹脂は、例えばエポキシ樹脂である。硬化剤は、例えばイミダゾール系触媒である。溶剤は、例えばケトンである。添加剤は、消泡剤とフィラーを含む。消泡剤は、例えばポリアルキルシロキサンである。フィラーは、例えばシリカである。
【0017】
図5に示されるように、第1ダム101の頂部101aを平坦にすることで、第1ダム101からアンダーフィル材100の流れを防止するための第2ダム102が形成される。頂部101aは、乾燥処理後、プレスにより平坦にされる。頂部101aが平坦にされることの後に第2ダム102が硬化される。
【0018】
又は、図4に示される第1ダム101は、周知のネガ型のダム形成用材料により形成される。写真技術による露光の際、ダム形成用材料に光が照射される。照射では、ダム形成用材料において第1ダム101の頂部101aの光量が底部の光量よりも大きくされる。照射後の現像において、ダム底部の厚みがダム頂部の厚みよりも薄くなる。図5に示す、逆台形の横断面形状を有する第2ダム102が形成される。
【0019】
実施形態では、第1ダム101の頂部101aの形状が曲面であっても、第2ダム102の断面形状が逆台形である。そのため、第2ダム102に向かって流れるアンダーフィル材100は、断面形状が逆台形となっている第2ダム102の下部に潜り込む。アンダーフィル材100は第2ダム102の表面に沿って登り上がることはない。そのため、アンダーフィル材100が第2ダム102の頂部102aを超えて漏れ出難い。
【0020】
図6に示されように、半田バンプ76U上に電子部品90が搭載される。図1に示されるように、電子部品90とソルダーレジスト層70Uの間にアンダーフィル材100が充填される。実施形態のプリント配線板10(図1参照)が得られる。
【0021】
図7に示されるように、別の実施形態のプリント配線板10は、図1図6とは異なる形状の第2ダム102を有する。第2ダム102の断面形状は、等脚ではない逆台形である。
【符号の説明】
【0022】
1 :第1途中基板
10 :プリント配線板
30 :コア基板
70D :ソルダーレジスト層
70U :ソルダーレジスト層
71U :開口
76U :半田バンプ
90 :電子部品
100 :アンダーフィル材
101 :第1ダム
101a:頂部
102 :第2ダム
102a:頂部
150U:樹脂絶縁層
158L:導体層
158U:導体層
158p:パッド
160D:ビア導体
160U:ビア導体
200 :半導体装置
H :第2ダムの高さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7