(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038903
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】画像形成装置及び画像形成プログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20240313BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240313BHJP
G03G 15/36 20060101ALI20240313BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20240313BHJP
G06F 21/62 20130101ALI20240313BHJP
【FI】
B41J29/38 301
G03G21/00 500
G03G15/36
B41J29/00 Z
G06F21/62 345
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143265
(22)【出願日】2022-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 和也
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061CL10
2C061HJ06
2C061HK05
2C061HN08
2C061HN15
2C061HV01
2C061HV09
2C061HV31
2C061HV36
2C061HV60
2H270LB11
2H270NE07
2H270PA70
2H270PA75
2H270ZD04
(57)【要約】
【課題】秘密データを含む画像形成データの画像形成処理において不具合が発生した場合に、秘密データを他のデータに置換した画像形成データの画像形成処理を実行せずに、そのまま不具合解析用データとして使用する場合と比較して、不具合の解析を効率良く行うことを可能にすることができる。
【解決手段】画像形成装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、第1の画像形成データの画像形成処理において不具合が発生した場合、前記第1の画像形成データに含まれる秘密データを非可視化した不具合解析用の第2の画像形成データを生成し、生成した前記第2の画像形成データについて前記画像形成処理を実行させ、前記第2の画像形成データについて実行させた前記画像形成処理の処理結果に応じた不具合解析用データを出力する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
第1の画像形成データの画像形成処理において不具合が発生した場合、前記第1の画像形成データに含まれる秘密データを非可視化した不具合解析用の第2の画像形成データを生成し、
生成した前記第2の画像形成データについて前記画像形成処理を実行させ、
前記第2の画像形成データについて実行させた前記画像形成処理の処理結果に応じた不具合解析用データを出力する
画像形成装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記第2の画像形成データの画像形成処理で前記不具合が再現した場合は、前記第2の画像形成データを含む前記不具合解析用データを出力する
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記第2の画像形成データの画像形成処理で不具合が再現しなかった場合は、前記第1の画像形成データと前記第2の画像形成データとの差分を表す差分データと、前記第2の画像形成データと、を含む前記不具合解析用データを出力する
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記第1の画像形成データの前記画像形成処理の処理結果を更に含む前記不具合解析用データを出力する
請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記第1の画像形成データの画像形成処理において記録されたログデータと前記第2の画像形成データの画像形成処理において記録されたログデータとの比較結果を用いて、前記不具合が再現したか否かを特定する
請求項2~4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記秘密データは、個人を特定可能な個人データである
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項7】
コンピュータに、
第1の画像形成データの画像形成処理において不具合が発生した場合、前記第1の画像形成データに含まれる秘密データを非可視化した不具合解析用の第2の画像形成データを生成し、
生成した前記第2の画像形成データについて前記画像形成処理を実行させ、
前記第2の画像形成データについて実行させた前記画像形成処理の処理結果に応じた不具合解析用データを出力する
ことを含む処理を実行させる画像形成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置及び画像形成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、上位側の装置から受信した印刷データを印刷出力する印刷装置において、前記印刷データを印刷イメージデータに変換するイメージデータ変換部を備え、該イメージデータ変換部は文字データ置換部を有し、前記イメージデータ変換部は、文字データの置換モードが指示されているかを判定し、置換モードに設定されている場合には、前記文字データ置換部にて、乱数によってランダム文字コードを生成し、生成された文字コードに対応する文字フォントデータにて前記印刷イメージデータを生成することを特徴とする画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、秘密データを含む画像形成データの画像形成処理において不具合が発生した場合に、秘密データを他のデータに置換した画像形成データの画像形成処理を実行せずに、そのまま不具合解析用データとして使用する場合と比較して、不具合の解析を効率良く行うことを可能にすることができる画像形成装置及び画像形成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1態様は、画像形成装置であって、プロセッサを備え、前記プロセッサは、第1の画像形成データの画像形成処理において不具合が発生した場合、前記第1の画像形成データに含まれる秘密データを非可視化した不具合解析用の第2の画像形成データを生成し、生成した前記第2の画像形成データについて前記画像形成処理を実行させ、前記第2の画像形成データについて実行させた前記画像形成処理の処理結果に応じた不具合解析用データを出力する。
【0006】
本開示の第2態様は、第1態様の画像形成装置において、前記プロセッサは、前記第2の画像形成データの画像形成処理で前記不具合が再現した場合は、前記第2の画像形成データを含む前記不具合解析用データを出力する。
【0007】
本開示の第3態様は、第1態様の画像形成装置において、前記プロセッサは、前記第2の画像形成データの画像形成処理で不具合が再現しなかった場合は、前記第1の画像形成データと前記第2の画像形成データとの差分を表す差分データと、前記第2の画像形成データと、を含む前記不具合解析用データを出力する。
【0008】
本開示の第4態様は、第3態様の画像形成装置において、前記プロセッサは、前記第1の画像形成データの前記画像形成処理の処理結果を更に含む前記不具合解析用データを出力する。
【0009】
本開示の第5態様は、第2~第4態様の何れかの態様に係る画像形成装置において、前記プロセッサは、前記第1の画像形成データの画像形成処理において記録されたログデータと前記第2の画像形成データの画像形成処理において記録されたログデータとの比較結果を用いて、前記不具合が再現したか否かを特定する。
【0010】
本開示の第6態様は、第1態様の画像形成装置において、前記秘密データは、個人を特定可能な個人データである。
【0011】
本開示の第7態様は、画像形成プログラムであって、コンピュータに、第1の画像形成データの画像形成処理において不具合が発生した場合、前記第1の画像形成データに含まれる秘密データを非可視化した不具合解析用の第2の画像形成データを生成し、生成した前記第2の画像形成データについて前記画像形成処理を実行させ、前記第2の画像形成データについて実行させた前記画像形成処理の処理結果に応じた不具合解析用データを出力することを含む処理を実行させる。
【発明の効果】
【0012】
第1態様及び第7態様によれば、秘密データを含む画像形成データの画像形成処理において不具合が発生した場合に、秘密データを他のデータに置換した画像形成データの画像形成処理を実行せずに、そのまま不具合解析用データとして使用する場合と比較して、不具合の解析を効率良く行うことを可能にすることができる、という効果を有する。
【0013】
第2態様によれば、不具合解析用データが第2の画像形成データを含まない場合と比較して、不具合の解析を効率良く行うことを可能にすることができる、という効果を有する。
【0014】
第3態様によれば、不具合解析用データが、第1の画像形成データと第2の画像形成データとの差分を表す差分データと、第2の画像形成データと、を含まない場合と比較して、不具合の解析を効率良く行うことを可能にすることができる、という効果を有する。
【0015】
第4態様によれば、不具合解析用データが、第1の画像形成データの画像形成処理の処理結果を含まない場合と比較して、不具合の解析を効率良く行うことを可能にすることができる、という効果を有する。
【0016】
第5態様によれば、第1の画像形成データの画像形成処理において記録されたログデータと第2の画像形成データの画像形成処理において記録されたログデータとの比較結果を用いずに不具合が再現したか否かを特定する場合と比較して、不具合が再現したか否かを特定する精度を高めることができる、という効果を有する。
【0017】
第6態様によれば、個人データの漏洩を抑制することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】画像形成処理の一例を示すフローチャートである。
【
図3】第1の画像形成データに基づいて記録用紙に形成される画像の一例を示す図である。
【
図4】第2の画像形成データに基づいて記録用紙に形成される画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本開示の技術を実施するための実施形態の一例を詳細に説明する。なお、動作、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。各図面は、本開示の技術を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本開示の技術は、図示例のみに限定されるものではない。また、本実施形態では、本開示の技術と直接的に関連しない構成や周知な構成については、説明を省略する場合がある。
【0020】
図1には、本実施形態に係る画像形成装置10の概略構成を例示した。
図1に示すように、画像形成装置10は、コンピュータ20を含んで構成されている。
【0021】
コンピュータ20は、CPU(Central Processing Unit)20A、ROM(Read Only Memory)20B、RAM(Random Access Memory)20C、及び入出力インターフェース(I/O)20Dがバス20Eを介して各々接続された構成となっている。CPU20Aは、プロセッサの一例である。
【0022】
I/O20Dには、操作表示部21、画像読取部22、画像形成部23、用紙供給部24、用紙排出部25、ネットワーク通信インターフェース(I/F)26、電話回線インターフェース(I/F)27、及び記憶部28等の各機能部が接続されている。
【0023】
操作表示部21は、例えばコピー開始等を指示するためのスタートボタン及びテンキー等の各種ボタン、並びに、コピー濃度等の各種の画像形成条件を設定するための設定画面及び装置の状態等の各種画面を表示するためのタッチパネル等を含んで構成される。
【0024】
画像読取部22は、ラインCCD等の画像読取センサ及び画像読取センサを走査するための走査機構等を含んで構成され、装置にセットされた原稿の画像を読み取る所謂スキャナーとしての機能を有する。
【0025】
画像形成部23は、例えば所謂電子写真方式により記録媒体上に画像を形成する機能を有する。具体的には、画像形成部23は、感光体ドラムを帯電するための帯電装置、帯電された感光体ドラム上を画像に応じた光で露光することにより感光体ドラム上に画像に応じた静電潜像を形成する露光装置、感光体ドラム上に形成された静電潜像をトナー現像する現像装置、感光体ドラム上に形成された画像に応じたトナー像を記録媒体に転写する転写装置、及び記録媒体に転写された画像に応じたトナー像を定着する定着装置等を含んで構成される。露光装置としては、半導体レーザ、回転多面鏡、コリメータレンズ、シリンドリカルレンズ、及びfθレンズ等の光学系を含んで構成された光走査装置、又は、複数のLEDから成るLEDヘッド等が挙げられる。なお、画像形成部23は、インクジェット記録方式により記録媒体上に画像を形成する構成としてもよい。
【0026】
用紙供給部24は、記録用紙が収容される用紙トレイ及び用紙トレイから画像形成部23へ記録用紙を供給する供給機構等を含んで構成される。
【0027】
用紙排出部25は、記録用紙が排出される排出トレイ及び画像形成部23で画像が形成された記録用紙を排出トレイ上に排出させるための排出機構等を含んで構成される。
【0028】
ネットワーク通信I/F26は、図示しないネットワークを介して外部装置とデータ通信を行うためのインターフェースである。
【0029】
電話回線通信I/F27は、図示しない電話回線を介して接続された他の画像形成装置とファクシミリ通信を行うためのインターフェースである。
【0030】
記憶部28は、例えばコピー、ファクシミリ通信、及びプリント等の各種処理結果に関するログデータ28D及び後述する画像形成プログラム28P等が記憶される。
【0031】
なお、画像形成プログラム28Pは、不揮発性の非遷移的(non-transitory)記録媒体に記憶して、又はネットワークを介して配布して、画像形成装置10に適宜インストールされるようにしてもよい。
【0032】
不揮発性の非遷移的記録媒体の例としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、光磁気ディスク、HDD(ハードディスクドライブ)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、フラッシュメモリ、メモリカード等が挙げられる。
【0033】
次に、画像形成装置10のCPU20Aで実行される画像形成処理について、
図2に示すフローチャートを参照して説明する。
【0034】
ステップS100では、CPU20Aが、第1の画像形成データを受信したか否かを判定する。第1の画像形成処理データは、記録用紙上に印刷すべき文字及び画像等のデータを含み、例えば外部装置からネットワーク通信I/F26を介して送信される。
【0035】
そして、例えば外部装置からネットワーク通信I/F26を介して第1の画像形成データを受信した場合はステップS101へ移行し、第1の画像形成データを受信していない場合は受信するまで待機する。
【0036】
ステップS101では、CPU20Aは、ステップS101で受信した第1の画像形成データに基づいて、画像形成処理を実行する。具体的には、例えばステップS101で受信した第1の画像形成データに基づいて記録用紙に画像が形成されるように画像形成部23を制御する。また、画像形成処理におけるログデータ28Dを記憶部28に記憶する。ここで、ログデータは、画像形成処理における一連の処理の各処理の処理結果、不具合の発生の有無、及び不具合が発生した場合の不具合の内容等が含まれる。また、不具合には、例えば受信した第1の画像形成データに対して行う各種の画像処理において発生した不具合、用紙供給部24における用紙供給処理において発生した不具合、画像形成部23における画像形成処理において発生した不具合、及び用紙排出部25における用紙排出処理において発生した不具合等の各種不具合が含まれる。
【0037】
ステップS102では、CPU20Aが、ステップS101の画像形成処理で不具合が発生したか否かを判定する。そして、ステップS101の画像形成処理で不具合が発生した場合はステップS103へ移行し、不具合が発生していない場合は本ルーチンを終了する。
【0038】
ステップS103では、CPU20Aが、第1の画像形成データが秘密データを含むか否かを判定する。ここで、秘密データとは、不特定の人に公開されるべきではないデータである。秘密データとしては、例えば個人データが挙げられる。ここで、個人データとは、個人を特定可能な情報であり、名前、住所、及び電話番号等の少なくとも1つの情報を含む。第1の画像形成データが秘密データを含むか否かを判定する方法は、種々公知の方法が用いることができるが、秘密データが個人データの場合は、例えば第1の画像形成データに名前、住所、及び電話番号等の少なくとも1つの情報が含まれるか否かを判定する。なお、秘密データは、個人データに限られるものではなく、例えば企業における社外秘データ等であってもよい。
【0039】
そして、第1の画像形成データが秘密データを含む場合は、ステップS104へ移行し、第1の画像形成データが秘密データを含まない場合は、ステップS106へ移行する。
【0040】
ステップS104では、CPU20Aが、第2の画像形成データを生成する。ここで、第2の画像形成データとは、ステップS101で受信した第1の画像形成データに含まれる秘密データを非可視化した不具合解析用のデータである。具体的には、例えば第1の画像形成データに含まれる秘密データが個人データの場合は、個人データを不特定の人に公開されても問題のない置換データに置換する。例えば、
図3に示すように、第1の画像形成データに基づいて記録用紙に形成される画像G1が個人データKDを含む場合には、
図4に示すように、個人データKDを置換データCDに置換された画像G2が記録用紙に形成されるような第2の画像形成データを生成する。なお、置換の方法は、種々公知の方法を用いることができ、例えば特許文献1記載の方法を用いることができる。また、個人データを置換データに置換するのではなく、個人データを削除してもよい。
【0041】
ステップS105では、CPU20Aが、ステップS101と同様に、第2の画像形成データに基づいて、画像形成処理を実行すると共に、画像形成処理におけるログデータ28Dを記憶部28に記憶する。
【0042】
ステップS106では、CPU20Aが、ステップS101で受信した第1の画像形成データを不具合解析用データとして出力する。なお、CPU20Aは、不具合解析用データを記憶部28に出力して記憶させてもよいし、ネットワーク通信I/F26を介して外部装置に送信してもよい。
【0043】
ステップS107では、CPU20Aが、不具合が再現したか否か、すなわち、ステップS102で不具合が発生した場合と判定したときと同様の不具合が発生したか否かを判定する。具体的には、例えば第1の画像形成データの画像形成処理において記録されたログデータと第2の画像形成データの画像形成処理において記録されたログデータとの比較結果を用いて、不具合が再現したか否かを特定する。より具体的には、例えば不具合が発生した時点を含む過去の予め定めた期間のログデータの比較結果が一致した場合は不具合が再現したとする。そして、不具合が再現した場合はステップS108へ移行し、不具合が再現していない場合は、ステップS109へ移行する。
【0044】
ステップS108では、CPU20Aが、ステップS104で生成した第2の画像形成データを不具合解析用データとして出力する。なお、ステップS106と同様に、CPU20Aは、不具合解析用データを記憶部28に出力して記憶させてもよいし、ネットワーク通信I/F26を介して外部装置に送信してもよい。このように、不具合が再現した場合は、秘密データが置換データに置換された第2の画像形成データを出力する。すなわち不具合が再現することが判っている第2の画像形成データを出力する。このため、不具合を解析する側において、改めて不具合が再現するか否かについて確認する必要はなく、不具合の解析を効率良く行うことが可能となる。
【0045】
ステップS109では、CPU20Aが、ステップS101で受信した第1の画像形成データとステップS104で生成した第2の画像形成データとの差分を表す差分データを生成する。ここで、差分データとは、第1の画像形成データに含まれる秘密データ及び秘データを置換した置換データを含むデータである。すなわち、差分データは、第1の画像形成データのどのデータをどのように変更したかを示すデータである。
【0046】
ステップS110では、CPU20Aが、ステップS101で実行した第1の画像形成データの画像形成処理の処理結果であるログデータ、ステップS109で生成した差分データ、及びステップS104で生成した第2の画像形成データを含む不具合解析用データを出力する。なお、ステップS106と同様に、CPU20Aは、不具合解析用データを記憶部28に出力して記憶させてもよいし、ネットワーク通信I/F26を介して外部装置に送信してもよい。このように、不具合が再現しない場合でも、第1の画像形成データの画像形成処理の処理結果であるログデータ、差分データ、及び第2の画像形成データを含む、不具合の解析に役立つ不具合解析用データを出力するので、不具合を解析する側において、不具合を効率良く解析することが可能となる。なお、本実施形態では、第1の画像形成データの画像形成処理の処理結果であるログデータ、差分データ、及び第2の画像形成データを含む不具合解析用データを出力する場合について説明したが、第1の画像形成データの画像形成処理の処理結果であるログデータを含めずに、差分データ及び第2の画像形成データを含む不具合解析用データを出力するようにしてもよい。
【0047】
上記では、本開示の技術を特定の実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術は係る実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能である。
【0048】
また、上記実施の形態では、記憶部に記憶したプログラムを実行することにより行われる処理を説明したが、プログラムの処理をハードウェアで実現してもよい。
【0049】
さらに、上記実施形態における処理は、プログラムとして光ディスク等の記憶媒体等に記憶して流通するようにしてもよい。
【0050】
本開示において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0051】
また上記実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0052】
(付記)
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
第1の画像形成データの画像形成処理において不具合が発生した場合、前記第1の画像形成データに含まれる秘密データを非可視化した不具合解析用の第2の画像形成データを生成し、
生成した前記第2の画像形成データについて前記画像形成処理を実行させ、
前記第2の画像形成データについて実行させた前記画像形成処理の処理結果に応じた不具合解析用データを出力する
画像形成装置。
(((2)))
前記プロセッサは、前記第2の画像形成データの画像形成処理で前記不具合が再現した場合は、前記第2の画像形成データを含む前記不具合解析用データを出力する
(((1)))記載の画像形成装置。
(((3)))
前記プロセッサは、前記第2の画像形成データの画像形成処理で不具合が再現しなかった場合は、前記第1の画像形成データと前記第2の画像形成データとの差分を表す差分データと、前記第2の画像形成データと、を含む前記不具合解析用データを出力する
(((1)))記載の画像形成装置。
(((4)))
前記プロセッサは、前記第1の画像形成データの前記画像形成処理の処理結果を更に含む前記不具合解析用データを出力する
(((3)))記載の画像形成装置。
(((5)))
前記プロセッサは、前記第1の画像形成データの画像形成処理において記録されたログデータと前記第2の画像形成データの画像形成処理において記録されたログデータとの比較結果を用いて、前記不具合が再現したか否かを特定する
(((2)))~(((4)))の何れか1つに記載の画像形成装置。
(((6)))
前記秘密データは、個人を特定可能な個人データである
(((1)))~(((5)))の何れか1つに記載の画像形成装置。
(((7)))
コンピュータに、
第1の画像形成データの画像形成処理において不具合が発生した場合、前記第1の画像形成データに含まれる秘密データを非可視化した不具合解析用の第2の画像形成データを生成し、
生成した前記第2の画像形成データについて前記画像形成処理を実行させ、
前記第2の画像形成データについて実行させた前記画像形成処理の処理結果に応じた不具合解析用データを出力する
ことを含む処理を実行させる画像形成プログラム。
【0053】
(((1)))及び(((7)))によれば、秘密データを含む画像形成データの画像形成処理において不具合が発生した場合に、秘密データを他のデータに置換した画像形成データの画像形成処理を実行せずに、そのまま不具合解析用データとして使用する場合と比較して、不具合の解析を効率良く行うことを可能にすることができる、という効果を有する。
(((2)))によれば、不具合解析用データが第2の画像形成データを含まない場合と比較して、不具合の解析を効率良く行うことを可能にすることができる、という効果を有する。
(((3)))によれば、不具合解析用データが、第1の画像形成データと第2の画像形成データとの差分を表す差分データと、第2の画像形成データと、を含まない場合と比較して、不具合の解析を効率良く行うことを可能にすることができる、という効果を有する。
(((4)))によれば、不具合解析用データが、第1の画像形成データの画像形成処理の処理結果を含まない場合と比較して、不具合の解析を効率良く行うことを可能にすることができる、という効果を有する。
(((5)))によれば、第1の画像形成データの画像形成処理において記録されたログデータと第2の画像形成データの画像形成処理において記録されたログデータとの比較結果を用いずに不具合が再現したか否かを特定する場合と比較して、不具合が再現したか否かを特定する精度を高めることができる、という効果を有する。
(((6)))によれば、個人データの漏洩を抑制することができる、という効果を有する。
【符号の説明】
【0054】
10 画像形成装置
20 コンピュータ
21 操作表示部
22 画像読取部
23 画像形成部
24 用紙供給部
25 用紙排出部
26 ネットワーク通信I/F
27 電話回線通信I/F
28 記憶部
28D ログデータ
28P 画像形成プログラム
CD 置換データ
KD 個人データ