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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038928
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】入隅部用補強具
(51)【国際特許分類】
   B27M 1/00 20060101AFI20240313BHJP
   B27M 3/00 20060101ALI20240313BHJP
【FI】
B27M1/00 D
B27M3/00 H
B27M3/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143303
(22)【出願日】2022-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】512227627
【氏名又は名称】岡本 克
(74)【代理人】
【識別番号】110003203
【氏名又は名称】弁理士法人大手門国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡本 克
【テーマコード(参考)】
2B250
【Fターム(参考)】
2B250BA04
2B250CA03
2B250EA06
2B250EA14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、木材又は木質材料から容易に加工することができるとともに簡単に取り付けることが可能な入隅部用補強具を提供することを目的とするものである。
【解決手段】本発明に係る入隅部用補強具は、複数の部材の表面が互い直交するように交差して形成される構造物の入隅部に取り付けられる木材又は木質材料からなり、入隅部の表面に当接する当接面10及び11と、当接面10及び11に接続して入隅部の表面に対して傾斜する取付面20とが形成されており、取付面20に形成された共通の開口30及び31から取付孔40~43がそれぞれ当接面10及び11に向かって穿設されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部材の表面が互い直交するように交差して形成される構造物の入隅部に取り付けられる木材又は木質材料からなる入隅部用補強具であって、
外面には、前記入隅部の互いに直交する表面に当接する複数の当接面と、前記当接面の互いに対向する辺部に接続するとともに前記表面に対して傾斜する取付面とが形成されており、
内部には、前記取付面に形成された共通の開口から一対の取付孔がそれぞれ前記当接面に向かって穿設されており、
前記取付孔は、前記当接面から所定の厚さまで穿設された固定孔部及び当該固定孔部から前記開口まで当該固定孔部よりも大径に穿設された案内孔部が直線状に形成されている入隅部用補強具。
【請求項2】
壁面と当該壁面に取り付けられた部材との間に形成される入隅部に取り付けられる請求項1に記載の入隅部用補強具であって、前記壁面及び前記部材の下面にそれぞれ当接する前記当接面は、同じ長方形状に形成されて互いに直交するように短辺部が接続されており、前記取付面は、前記当接面の接続側とは反対側の短辺部に短辺が接続された長方形状に形成されており、前記取付孔は、前記取付面の中央部分に長辺方向に沿って配列するように形成された一対の前記開口にそれぞれ前記当接面に向かって穿設されている入隅部用補強具。
【請求項3】
直交する一対の壁面及び当該壁面に取り付けられた部材の間に形成される入隅部に取り付けられる請求項1に記載の入隅部補強具であって、一対の前記壁面にそれぞれ当接する前記当接面は、同じ直角三角形状に形成されており、前記部材の下面に当接する前記当接面は正方形状に形成されており、前記取付面は、直交する辺部が前記壁面側の前記当接面及び前記部材の下面側の前記当接面の辺部とそれぞれ接続する直角三角形状の一対の傾斜面を接続して形成されており、前記取付孔は、前記傾斜面の中央部分にそれぞれ形成された前記開口にそれぞれ当該傾斜面が対向する前記壁面側の前記当接面及び前記下面側の当接面に向かって穿設されている入隅部用補強具。
【請求項4】
立設部材と当該立設部材に取り付けられた部材との間に形成される入隅部に取り付けられる請求項1に記載の入隅部用補強具であって、前記立設部材の表面に当接する前記当接面は、前記立設部材が装着される装着口の内面に前記立設部材を囲むように形成されており、前記部材の下面に当接する前記当接面は、前記立設部材を囲むように形成されており、前記取付面は、前記表面側の前記当接面及び前記下面側の前記当接面の互いに平行となる辺部にそれぞれ接続する台形状の複数の傾斜面を接続して形成されており、前記取付孔は、前記傾斜面の中央部分にそれぞれ形成された前記開口に当該傾斜面に対向する前記表面側の前記当接面及び前記下面側の前記当接面に向かって穿設されている入隅部用補強具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木材、木質材料等の建材からなる建造物といった構造物の入隅部に取り付けられる木材又は木質材料からなる入隅部用補強具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、家屋等の建築物では、複数の部材を直交するように交差させて形成された入隅部に補強部材を取り付けて構造物の強度を高めることが行われている。例えば、特許文献1では、柱及び梁が直交するように取り付けられて形成された入隅部に添柱を配置して添柱を挟み込むように木質系材料からなる一対の補強板を取り付けた構造物が記載されている。
【0003】
また、建築物以外の構造物では、壁面に直交するように板状体等の部材を取り付けた棚構造において、壁面と部材との間の入隅部に棚受けを取り付けて補強している。例えば、特許文献2では、壁面に固定した支持材に棚受材を係合させて取り付けて棚板を載置した点が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7-046403号公報
【特許文献2】実開昭62-070841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1では、柱及び梁の間に形成された入隅部に添柱の頭部及び一対の補強板を取り付けるようにしており、補強部材として複数の部材が必要となるとともに部材を取り付けるための手間もかかるようになる。
【0006】
また、特許文献2では、支持材と棚受材といった複数の部材を取り付ける必要があり、部材の材料及び加工にコストがかかり、取付作業にも手間がかかるといった課題がある。
【0007】
そこで、本発明は、木材又は木質材料から容易に加工することができるとともに簡単に取り付けることが可能な入隅部用補強具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る入隅部用補強具は、複数の部材の表面が互い直交するように交差して形成される構造物の入隅部に取り付けられる木材又は木質材料からなる入隅部用補強具であって、外面には、前記入隅部の互いに直交する表面に当接する複数の当接面と、前記当接面の互いに対向する辺部に接続するとともに前記表面に対して傾斜する取付面とが形成されており、内部には、前記取付面に形成された共通の開口から一対の取付孔がそれぞれ前記当接面に向かって穿設されており、前記取付孔は、前記当接面から所定の厚さまで穿設された固定孔部及び当該固定孔部から前記開口まで当該固定孔部よりも大径に穿設された案内孔部が直線状に形成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、上記のような構成を有することで、木材又は木質材料を入隅部の形状に合わせて当接面を形成するように加工し、入隅部の表面に対して傾斜した取付面を当接面と接続するように加工して補強具を形成することができ、容易に加工することが可能となる。例えば、木材加工の際の端材、建築物の解体の際の廃材、間伐材等を用いて加工することもでき、材料を容易に入手することが可能である。
【0010】
また、取付面を入隅部の表面に対して傾斜するように形成しているので、入隅部を形成する部材に対して曲げ剛性等の強度を高めるように補強することができる。
【0011】
そして、取付面に形成された共通の開口から当接面に向かって一対の取付孔を形成しているので、取付孔の形成による強度低下を抑止することができる。また、取付孔には、当接面から所定の厚さまで穿設された固定孔部を設けているので、補強具を固定するビス等をねじ込む際に固定孔部に沿ってスムーズにねじ込んで所定の厚さの位置で確実に取り付けることができる。また、固定孔部から開口まで固定孔部よりも大径に穿設された案内孔部を直線状に形成しているので、ビス等の固定部材を取り付ける際に、案内孔部に固定部材を挿入していけば固定孔部に確実に到達するようになり、取付作業を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る入隅部用補強具に関する実施形態の外観斜視図である。
図2図1に示す実施形態に関する正面図、左側面図、右側面図、平面図及び底面図である。
図3図1に示す入隅部用補強具を取り付けた状態を示す説明図である。
図4図1に示す実施形態の変形例に関する外観斜視図である。
図5】本発明に係る入隅部用補強具に関する別の実施形態に関する外観斜視図である。
図6図5に示す実施形態に関する正面図、背面図、左側面図、右側面図、平面図及び底面図である。
図7図5に示す入隅部用補強具を取り付けた状態を示す説明図である。
図8】本発明に係る入隅部用補強具に関する更に別の実施形態に関する外観斜視図である。
図9図8に示す実施形態に関する正面図、平面図及び底面図である。
図10図8に示す入隅部用補強具を取り付けた状態を示す説明図である。
図11図8に示す入隅部用補強具を取り付けた状態を示す外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
【0014】
図1は、本発明に係る入隅部用補強具に関する実施形態の外観斜視図であり、図2は、その正面図(図2(a))、左側面図(図2(b))、右側面図(図2(c))、平面図(図2(d))及び底面図(図2(e))を示している。背面図は、正面図と同一のため省略している。
【0015】
入隅部用補強具1は、正面及び背面からみて略直角二等辺三角形状に形成され、正面及び背面の間に所定の厚さを有する形状となっている。左側面及び底面は、それぞれ同じ長方形状に形成されて、入隅部の互いに直交する表面に当接する当接面10及び11となっており、一方の短辺部で互いに直交するように接続されている。そして、当接面10及び11の互いに対向する他方の短辺部には、それぞれ短辺が接続する長方形状の取付面20が形成されている。取付面20は、入隅部に取り付けた状態では、入隅部の表面に対して傾斜した状態に設定される。
【0016】
取付面20には、中央部分に長辺方向に沿って一対の開口30及び31が配列するように形成されている。入隅部用補強具1の内部には、開口30から一対の取付孔40及び41がそれぞれ当接面10及び11に向かって穿設されており、開口31から一対の取付孔42及び43がそれぞれ当接面10及び11に向かって穿設されている。
【0017】
取付孔40~43には、当接面10及び11から所定の厚さまで穿設された固定孔部40b~43b及び固定孔部40b~43bから開口30及び31まで穿設された案内孔部40a~43aが直線状に連通しており、案内孔部40a~43aは、固定孔部40b~43bよりも大径となるように穿設されている。
【0018】
固定孔部が穿設される厚さは、入隅部用補強具1の材料の強度に合わせて設定すればよく、例えば、材料が木材でビスにより固定する場合には15mm~20mmに設定すればよい。
【0019】
取付孔40~43の径のサイズは、例えば、入隅部用補強具1の取付部材であるビスの径のサイズに合わせて設定すればよい。固定孔部は、ビスのネジ部分の径のサイズよりもわずかに小さい径のサイズにしておくことで、ビスを固定孔部に沿って正確かつ容易にねじ込むことができるようになる。また、案内孔部は、ビスの頭部分の径のサイズよりもわずかに大きい径のサイズにしておくことで、ビスを案内孔部に沿って挿入していけば取付位置に正確に位置決めすることができるようになる。
【0020】
この例では、取付孔40~43は、当接面10及び11に対して直交する方向に沿って穿設されているが、当接面に対して傾斜する方向に穿設することもできる。例えば、入隅部用補強具1をビスにより固定する場合には、当接面に対して傾斜した方向にビスをネジ止めすることで取付強度を向上させることが可能となる。
【0021】
入隅部用補強具1は、木材又は木質材料からなり、木材加工の際の端材、建築物の解体の際の廃材、間伐材等を用いて加工することができる。例えば、断面正方形状の柱部材の端材を断面の対角線に沿って切断加工することで、図1に示す形状の補強具を簡単に成形することができる。
【0022】
図3は、壁面Wと壁面Wに取り付けられた部材である棚板Sとの間に形成された入隅部に棚受け具として入隅部用補強具1を取り付けた状態を示す説明図である。図3(a)は、取り付けられた入隅部用補強具1の正面側から見た説明図であり、図3(b)は、取り付けられた入隅部用補強具1の右側面側から見た説明図である。
【0023】
当接面10に向かって穿設された取付孔40及び42には、それぞれビス50及び52が挿入されて棚板Sの下面にねじ込んで締付固定されている。当接面11に向かって穿設された取付孔41及び43には、それぞれビス51及び53が挿入されて壁面Wにねじ込んで締付固定されている。
【0024】
取付面の中央部分に形成された共通の開口から当接面に向かって一対の取付孔を形成しているので、取付孔の形成による強度低下を抑止することができる。また、取付孔が形成された中央部分の両側には、所定の厚さで直角二等辺三角形状の補強部分Rが形成されているため、棚板Sを壁面Wに支持固定するのに十分な強度を備えることが可能となる。
【0025】
取付孔には、固定孔部が当接面から所定の厚さまで穿設されているので、入隅部用補強具を固定するビスを固定孔部に沿ってねじ込んでいけば、所定の厚さの位置で確実に締付固定することができ、入隅部用補強具を正確な位置に取り付けることが可能となる。また、固定孔部から開口まで固定孔部よりも大径に穿設された案内孔部を直線状に形成しているので、ビスを固定孔部に取り付ける際に、案内孔部にビスを挿入していけば固定孔部に確実にセットできるようになり、ビスの締付固定作業を簡単かつ効率的に行うことができる。
【0026】
図4は、図1に示す実施形態の変形例に関する外観斜視図である。図4(a)に示す変形例では、取付面20’は、曲面状に形成されており、例えば、当接面10及び11の長辺を半径とする円弧状に形成されている。こうした形状の入隅部用補強具は、円柱状の柱材の端材として得られた円柱材を軸方向に4分割することで簡単に成形加工することができる。取付面20’には、図1に示す入隅部用補強具と同様に、開口30’及び31’が形成されてそれぞれ一対の取付孔が穿設されている。そして、上述したように、取付孔にビスを挿入して正確かつ効率よく入隅部用補強具を締付固定することができる。
【0027】
図4(b)に示す例では、入隅部用補強具の幅を広く設定しており、一対の開口30’及び31’を幅方向に間隔を空けて2箇所形成するようにしている。この例では、当接面10及び11の表面積が拡がるとともに4箇所で一対の取付孔が穿設されて固定されるので、補強強度を高めることができる。また、図4(c)に示す例では、入隅部用補強具の長さを長くなるように設定しており、取付面20”に3つの開口30”、31”及び32”が形成されている。この例では、3箇所で一対の取付孔が穿設されて固定されるので、例えば、図3に示す棚板Sの幅が広くなった場合にもそれに合わせて支持強度を高めることができる。
【0028】
入隅部用補強具は、取付箇所の形状に合わせて形状を適宜変更することが可能で、例えば、複数の当接面の形状を取付箇所に応じて異なる形状とすることもできる。また、取付面の形状についても、入隅部の表面に対して傾斜していれば、図4に示す形状以外の形状に形成することもでき、特に限定されない。また、取付面に形成する開口の数についても特に限定されず、2つの開口にそれぞれ一対の取付孔を穿設する場合のほか、1つの開口で一対の取付孔を穿設したり、1つの開口から3つ以上の取付孔を穿設することもできる。
【0029】
図5は、別の実施形態に関する外観斜視図であり、図6は、その正面図(図6(a))、背面図(図6(b))、左側面図(図6(c))、右側面図(図6(d))、平面図(図6(e))及び底面図(図6(f))を示している。
【0030】
入隅部用補強具2は、三面が互いに交差して形成される入隅部に当接して取り付けられ、例えば、直交する一対の壁面及び各壁面に直交するように取り付けた天井、棚板等の部材の下面の間に形成される入隅部が挙げられる。こうした入隅部の三面に当接する当接面100、101及び102は、互いに直交するように形成されている。当接面100及び101は、直角三角形状に形成されて一対の壁面にそれぞれ当接するようになっており、当接面102は、正方形状に形成されて部材の下面に当接するようになっている。
【0031】
取付面は、直角三角形状の傾斜面110及び111が接続して形成されており、傾斜面110及び111は、入隅部の三面に対して傾斜する一対の傾斜面を形成している。傾斜面110の直交する辺部が当接面100及び102の辺部と接続し、傾斜面111の直交する辺部が当接面101及び102の辺部に接続している。
【0032】
取付面を形成する傾斜面110及び111には、それぞれ中央部分に開口120及び121が形成されている。開口120には、当接面101及び102に向かってそれぞれ取付孔130及び132が穿設されており、開口121には、当接面100及び102に向かってそれぞれ取付孔131及び133穿設されている。取付孔130~133は、取付孔40~43と同様に、各当接面から所定の厚さまで穿設された固定孔部及び固定孔部から各開口まで穿設された案内孔部が直線状に連通している。そして、案内孔部は、固定孔部よりも大径となるように穿設されており、ビス等の固定部材の取付作業を正確かつ効率よく行うことができるようになっている。
【0033】
図7は、入隅部用補強具2を取り付けた状態を示す説明図である。当接面100に向かって穿設された取付孔131及び当接面101に向かって穿設された取付孔130には、それぞれビスが挿入されて一対の壁面Wにねじ込んで締付固定されている。また、当接面102に向かって穿設された取付孔132及び133には、それぞれビスが挿入されて部材Sの下面にねじ込んで締付固定されている。
【0034】
取付面を形成する傾斜面110及び111の中央部分に形成された共通の開口120及び121から各当接面に向かって取付孔130~133を形成しているので、取付孔の形成による強度低下を抑止することができる。また、傾斜面110及び111の当接面側のそれぞれの傾斜部分及び互いに接続する側稜部分は、壁面W及び部材Sの下面に対して傾斜して設定されているので、部材Sを壁面Wに固定するのに十分な強度を備えることが可能となる。
【0035】
図8は、更に別の実施形態に関する外観斜視図であり、図9は、その正面図(図9(a))、平面図(図9(b))及び底面図(図9(c))を示している。なお、背面図及び側面図は、正面図と同一となるため、省略する。
【0036】
入隅部用補強具3は、立設部材と立設部材に取り付けられた部材との間に形成される入隅部に取り付けられるようになっている。例えば、柱部材及び柱部材の上部に固定された天井を構成する部材の間に形成される入隅部、脚部材及び脚部材の上部に取り付けられる台板等の部材の間に形成される入隅部が挙げられる。
【0037】
入隅部用補強具3は、四角推台形状に形成されており、正方形状の上面を上下方向に貫通して装着口が形成され、装着口に立設部材を差し込んで装着するようになっている。
【0038】
装着口の内面である当接面300~303は、立設部材を囲むように形成されて立設部材の表面である外周面に当接するように設定されている。入隅部用補強具3の底面である当接面304は、立設部材を囲むように形成されており、立設部材に取り付けられた部材の下面に当接するように設定されている。
【0039】
入隅部用補強具3の側面である取付面は、当接面300~303及び当接面304の互いに平行となる辺部にそれぞれ接続する台形状の傾斜面310~313を接続して形成されている。傾斜面310の中央部分には、一対の開口320及び321が形成されており、開口320及び321から当接面300及び304に向かってそれぞれ一対の取付孔が穿設されている。傾斜面311の中央部分には、一対の開口322及び323が形成されており、開口322及び323から当接面301及び304に向かってそれぞれ一対の取付孔が穿設されている。傾斜面312の中央部分には、一対の開口324及び325が形成されており、開口324及び325から当接面302及び304に向かってそれぞれ一対の取付孔が穿設されている。傾斜面313の中央部分には、一対の開口326及び327が形成されており、開口326及び327から当接面303及び304に向かってそれぞれ一対の取付孔が穿設されている。各取付孔は、上述した実施形態と同様に、各当接面から所定の厚さまで穿設された固定孔部及び固定孔部から各開口まで穿設された案内孔部が直線状に連通している。そして、案内孔部は、固定孔部よりも大径となるように穿設されており、ビス等の固定部材の取付作業を正確かつ効率よく行うことができるようになっている。
【0040】
図10は、入隅部用補強具3を取り付けた状態を示す説明図であり、図11は、取り付けた状態を示す外観斜視図である。角柱状の立設部材Pの外側面に当接する当接面300~303に向かって穿設された取付孔には、それぞれビスが挿入されて立設部材Pの外側面にねじ込んで締付固定されている。また、立設部材Pに取り付けた部材Sの下面に当接する当接面304に向かって穿設された取付孔には、それぞれビスが挿入されて部材Sの下面にねじ込んで締付固定されている。
【0041】
立設部材を囲むように傾斜面を接続して形成された取付面には、各傾斜面の中央部分に形成された一対の開口から各当接面に向かってそれぞれ取付孔を形成しているので、共通の開口で複数の取付孔が形成されて取付孔の形成による補強具の強度低下を抑止することができる。また、取付面を形成する各傾斜面が互いに接続する側稜部分は、立設部材Pの外周面及び部材Sの下面に対して傾斜して設定されているので、部材Sを立設部材Pに固定するのに十分な強度を備えることが可能となる。
【符号の説明】
【0042】
1・・・入隅部用補強具、10、11・・・当接面、20・・・取付面、30,31・・・開口、40~43・・・取付孔、2・・・入隅部用補強具、100~102・・・当接面、110、111・・・傾斜面(取付面)、120,121・・・開口、130~133・・・取付孔、3・・・入隅部用補強具、300~304・・・当接面、310~313・・・傾斜面(取付面)、320~327・・・開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11