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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038941
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】サーバ装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20240313BHJP
【FI】
G08G1/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143323
(22)【出願日】2022-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】早川 和裕
(72)【発明者】
【氏名】中村 亮太
(72)【発明者】
【氏名】元山 純一
(72)【発明者】
【氏名】三国 司
(72)【発明者】
【氏名】本間 拓也
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181EE15
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF27
5H181FF32
5H181MB07
5H181MB08
(57)【要約】
【課題】複数人が絡む事故の発生時に、迅速かつ正確な判断や処置を担保する。
【解決手段】事故の発生時に、事故車両を含む周辺車両あるいは携帯端末と通信接続を行い、事故車両を含む周辺車両あるいは携帯端末から事故情報を収集する収集部202と、収集された事故情報から事故車両を特定する特定部203と、特定された事故車両に関する情報と紐ついた事故のID情報を生成するID情報生成部204と、ID情報と少なくとも収集された事故情報とを紐付けたデータベースを格納する記憶部205と、データベースに同一のID情報が複数ある場合に、複数台が絡む事故であると判定する判定部206と、複数台が絡む事故が発生したと判定された場合に、ID情報に紐ついた事故情報を緊急通報センターあるいは、情報提供の要請がある緊急救命機関、保険会社を含む要求元に通報する通報部208と、を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
事故の発生時に、事故車両を含む周辺車両あるいは携帯端末と通信接続を行い、前記事故車両を含む周辺車両あるいは前記携帯端末から事故情報を収集する収集部と、
収集された前記事故情報から前記事故車両を特定する特定部と、
特定された前記事故車両に関する情報と紐ついた事故のID情報を生成するID情報生成部と、
前記ID情報と少なくとも前記収集部において収集された事故情報とを紐付けたデータベースを格納する記憶部と、
前記データベースに同一の前記ID情報が複数ある場合に、複数台が絡む事故であると判定する判定部と、
前記複数台が絡む事故が発生したと判定された場合に、前記ID情報に紐ついた前記事故情報を緊急通報センターあるいは、情報提供の要請がある緊急救命機関、保険会社を含む要求元に通報する通報部と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
該収集された前記事故情報を整理して通報情報を生成する通報情報生成部を備えたことを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記事故車両に関する情報が、車体番号あるいは車両識別番号であることを特徴とする請求項1または2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記データベースには、前記事故車両に関する情報に、さらに診断情報が紐付けられていることを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両において、交通事故や車両故障などの緊急事態が発生したときに、その状態を示す緊急通報を、携帯電話や自動車電話あるいは車両に搭載された通信機器等の移動体通信網を通じて報知するシステムが実用化されている。
【0003】
上記のシステムとして、緊急センターにおいて衝突事故の内容を詳しく把握するために、車両に対する歩行者の衝突時の状況を特定する歩行者事故情報を検出する歩行者事故情報センサと、車両の衝突時の乗員の危険発生時の状況を特定する乗員事故情報を検出する乗員事故情報センサと、歩行者との衝突を判定したとき、前記歩行者事故情報を緊急通報センターの通信装置に送信し、乗員の危険発生を判定したとき、前記乗員の事故情報を前記通信装置に送信する事故情報送信部と、を備える緊急通報システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、事故車両が基地局と通信可能な装置を搭載していない場合であっても、事故現場周辺から事故情報を収集することを可能とするために、事故を起こした車両である事故車両あるいは基地局が、事故発生を検知した場合に、事故毎に個別のIDを生成し、事故車両あるいは狭域通信基地局が、IDを含む画像保存要求を生成し、その画像保存要求を自車両周辺の無線通信エリアあるいは自局のサービスエリアに向けて送信し、無線通信エリア内あるいはサービスエリア内で画像保存要求を受信した周辺車両が、その画像保存要求に含まれたIDを抽出して、常時自車両の周辺を撮影し常に所定時間分の最新画像データが記録された一時記録部から画像データを読み出し、周辺車両が、IDと一時記録部から読み出した画像データとを関連付けて、事故情報として事故情報保存部に保存する技術も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-244167号公報
【特許文献2】特開2009-165021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のように、車両が関わる事故が発生した場合には、緊急通報センター等の機関がその事故の内容を詳しく把握できるような情報提供が必要となる。そのため、特許文献2に記載の技術は、上記の要請に応えるもののように思える。
【0007】
しかしながら、特許文献2に記載の技術では、緊急通報センター等の機関が必要とするデータが、それぞれの周辺車両の事故情報保存部に保存されている。
そのため、緊急通報センター等の機関が多くの情報から、その事故の内容を詳しく把握できるような情報提供を求める場合には、それぞれの周辺車両にアクセスして情報を収集する必要があるため、迅速な判断や処置を行うことが困難であったという課題があった。
【0008】
そこで、本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、複数人が絡む事故の発生時に、迅速かつ正確な判断や処置を担保するサーバ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
形態1;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、事故の発生時に、事故車両を含む周辺車両あるいは携帯端末と通信接続を行い、前記事故車両を含む周辺車両あるいは前記携帯端末から事故情報を収集する収集部と、収集された前記事故情報から前記事故車両を特定する特定部と、特定された前記事故車両に関する情報と紐ついた事故のID情報を生成するID情報生成部と、前記ID情報と少なくとも前記収集部において収集された事故情報とを紐付けたデータベースを格納する記憶部と、前記データベースに同一の前記ID情報が複数ある場合に、複数台が絡む事故であると判定する判定部と、前記複数台が絡む事故が発生したと判定された場合に、前記ID情報に紐ついた前記事故情報を緊急通報センターあるいは、情報提供の要請がある緊急救命機関、保険会社を含む要求元に通報する通報部と、を備えることを特徴とするサーバ装置を提案している。
【0010】
形態2;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、該収集された前記事故情報を整理して通報情報を生成する通報情報生成部を備えたことを特徴とするサーバ装置を提案している。
【0011】
形態3;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記事故車両に関する情報が、車体番号あるいは車両識別番号であることを特徴とするサーバ装置を提案している。
【0012】
形態4;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記データベースには、前記事故車両に関する情報に、さらに診断情報が紐付けられていることを特徴とするサーバ装置を提案している。
【発明の効果】
【0013】
本発明の1またはそれ以上の実施形態によれば、複数人が絡む事故の発生時に、迅速かつ正確な判断や処置を担保することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係るサーバ装置が用いられる緊急通報システムの構成を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る車両の構成を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係るサーバ装置の構成を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係るサーバ装置における車両と車両情報との関係(A)と、車両情報とID情報との関係(B)とを例示した図である。
図5】本発明の実施形態に係るサーバ装置におけるデータベースを例示した図である。
図6】本発明の実施形態に係るサーバ装置の処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態>
以下、図1から図6を用いて、本実施形態に係るサーバ装置200について説明する。
なお、以下では、緊急通報システム1を用いて、本実施形態に係るサーバ装置200について説明する。
【0016】
<緊急通報システム1の構成>
図1に示すように、本実施形態に係る緊急通報システム1は、車両100_1~100_Nと、サーバ装置200と、緊急通報センター300と、緊急救命機関400と、保険会社500と、を含んで構成されている。
【0017】
車両100_1~100_Nは、事故車両を含む周辺の車両であり、後述するサーバ装置200との通信機能を備えた車両である。
また、例えば、特定の回線を通じて、事故とは関係の無い車両とも通信が可能である。
本実施形態においては、事故の発生時に、車両100_1~100_Nは、事故に関する情報をサーバ装置に送信する。事故に関する情報としては、車両100_1~100_Nの記憶部に記憶された衝突状態、衝突場所、画像、音声データ等の情報を例示することができる。
なお、本実施形態においては、サーバ装置200に対する事故に関する情報の供給元として、車両100_1~100_Nを例示して説明するが、スマートフォンやウェラブルデバイス等の携帯端末を含めてもよい。
【0018】
サーバ装置200は、事故情報の供給元である車両100_1~100_Nと事故情報の要求元である緊急通報センター300、緊急救命機関400、保険会社500等の間で、事故情報を一元管理し、緊急通報センター300、緊急救命機関400、保険会社500等の処理が迅速かつ正確に行われるような役割を果たす。
【0019】
緊急通報センター300は、サーバ装置200からのを受け付け、担当者に事故情報を通知する。通報を受けた担当者は、その事故の内容に応じて、消防署や警察署あるいは病院等に通報を行う。
【0020】
緊急救命機関400は、重篤な患者への措置を行う救命医療機関であり、患者への措置にあたって、事故の詳細な情報や基礎疾患の有無等に関する情報の提供をサーバ装置200に対して要求する。
【0021】
保険会社500は、自動車保険を扱う保険会社であり、保険料の支払に関する契約者のけがの有無、けがの状態、自動車の損傷状況、修理工場の手配等に必要な情報の提供をサーバ装置200に対して要求する。
【0022】
<車両100の構成>
図2に示すように、本実施形態に係る車両100は、事故情報取得部110と、通信部120と、車両情報記憶部130と、制御部140と、を含んで構成されている。
【0023】
事故情報取得部110は、例えば、先進運転支援システム(ADAS)に用いられる撮像装置の撮像画像やドライブレコーダーにより撮像された車両100_1~100_N周囲の撮像画像、ナビゲーションシステムによる自車位置情報やマイク等で集音された音声データを事故情報として取得する。
【0024】
通信部120は、サーバ装置200との通信を行うための、例えば、通信モジュールである。通信形態としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)等を例示することができる。
通信部120は、例えば、サーバ装置200からの事故情報の送信要求に対して、事故情報取得部110において取得された事故情報および後述する車両情報記憶部130に格納されている自車の車両情報を送信する。
【0025】
車両情報記憶部130は、自車の車両情報を保存する。
車両情報としては、車体番号あるいは車両識別番号(VIN)等を例示することができる。
【0026】
制御部140は、図示しないROM(Read Only Memory)等に格納された制御プログラムにしたがって、車両100全体の動作を制御する。本実施形態において、例えば、制御部140は、サーバ装置200からの事故情報の送信要求に対して、事故情報取得部110において取得された事故情報および車両情報記憶部130に格納されている自車の車両情報をサーバ装置200に送信するよう制御する。
【0027】
<サーバ装置200の構成>
図3に示すように、本実施形態に係るサーバ装置200は、通信部201と、収集部202と、特定部203と、ID情報生成部204と、記憶部205と、判定部206と、通報情報生成部207と、通報部208と、制御部209と、を含んで構成されている。
【0028】
通信部201は、事故の発生時に、事故車両を含む周辺の車両100_1~100_Nあるいは携帯端末との通信を行うための、例えば、通信モジュールである。通信形態としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)等を例示することができる。
通信部120は、例えば、制御部210の制御信号に基づいて起動し、事故車両を含む周辺の車両100_1~100_Nあるいは携帯端末からの事故情報を受信する。
なお、通信部120において、各車両100_1~100_Nから受信した事故情報を逐次、後述する収集部202に送信する。
【0029】
収集部202は、事故の発生時に、通信部201が事故車両を含む周辺車両あるいは携帯端末から受信する事故車両を収集する。
なお、収集部202は、事故情報を提供する車両100_1~100_Nの位置情報や撮像画像の撮像日時の同一性等により、事故情報を精査する。
【0030】
特定部203は、収集された事故情報から事故車両を特定する。
具体的には、例えば、収集された事故情報のうち、車両100_1~100_Nにおいて、先進運転支援システム(ADAS)に用いられる撮像装置の撮像画像やドライブレコーダーにより撮像された車両100_1~100_N周囲の撮像画像に写り込んだ損傷車両のナンバープレート画像を画像解析して得られるナンバー情報から事故車両の車両情報を特定する。
特定部203において特定された事故車両の情報は、後述するID情報生成部204に出力される。
【0031】
ID情報生成部204は、特定部203において特定された事故車両に関する情報と紐付いた事故についてのID情報を生成する。
ここで、事故車両に関する情報としては、例えば、車体番号あるいは車両識別番号(VIN)等の車両に固有な情報を例示することができる。具体的には、車両と車体番号あるいは車両識別番号(VIN)等の車体情報とは、図4(A)に示されるように紐付いており、ナンバー情報とも紐付いている。
そして、事故車両に関する情報と紐付いた事故についてのID情報として、図4(B)に示すようなID情報を生成する。
例えば、3台の車両100_1、100_2、100_3が絡む事故であった場合には、3台の車両100_1、100_2、100_3のすべてが撮像された収集情報は、もとより、3台の車両のうち2台の車両が撮像された収集情報、3台のうち1台の車両が撮像された収集情報の3つの事故情報に同一のID情報「XabcY」が付される。
【0032】
記憶部205は、ID情報生成部204において生成されたID情報と少なくとも収集部202において収集された事故情報とを紐付けたデータベースを格納する。
具体的には、記憶部205は、図5に示されるようなデータベースを格納する。
なお、データベースには、更に、マイナンバー情報やカルテ情報等の診断情報を紐付けてもよい。
【0033】
判定部206は、記憶部205に格納されたデータベースに同一のID情報が複数ある場合に、複数台が絡む事故であると判定する。つまり、上記のように、例えば、3台の車両100_1、100_2、100_3が絡む事故であった場合には、3台の車両100_1、100_2、100_3のすべてが撮像された収集情報は、もとより、3台の車両のうち2台の車両が撮像された収集情報、3台のうち1台の車両が撮像された収集情報の3つの事故情報に同一のID情報「XabcY」が付される。
換言すれば、車両100_1のみの単独事故であった場合には、複数の車両100_2~100_Nから多くの事故情報が得られたとしても、得られた事故情報は一括りにされる。
そのため、記憶部205に格納されたデータベースに同一のID情報が複数ある場合に、複数台が絡む事故であるということになる。
【0034】
通報情報生成部207は、収集部202において収集された事故情報を整理して通報する情報を生成する。
ここで、「整理」とは、事故車両を含む周辺の車両100_1~100_Nあるいは携帯端末から収集された情報から重複する情報を排除したり、複数の情報を組み合わせて、事故に絡む車両の台数やけが人の数等、情報の精度を高める処理を例示することができる。
【0035】
通報部208は、複数台が絡む事故が発生したと判定された場合に、ID情報に紐ついた事故情報を緊急通報センター300あるいは、情報提供の要請がある緊急救命機関400、保険会社500を含む要求元に通報する。
なお、緊急救命機関400、保険会社500等の要求元は、例えば、緊急通報センター300から得られたID情報を通知した上で、情報提供の要請を行う。
【0036】
制御部209は、図示しないROM(Read Only Memory)等に格納された制御プログラムにしたがって、サーバ装置200全体の動作を制御する。
本実施形態においては、制御部209は、緊急救命機関400、保険会社500等の要求元からID情報を提示した情報提供の要請を受けた場合に、通報部208に対して、ID情報に紐ついた事故情報を通報するように制御する。
【0037】
<サーバ装置200の処理>
図6を用いて、本実施形態に係るサーバ装置200の処理について説明する。
【0038】
図6に示すように、制御部209は、事故が発生したか否かを判定する(ステップS110)。そして、制御部209が、事故は発生していないと判定した場合(ステップS110の「NO」)には、処理を元に戻して待機モードに移行する。
【0039】
一方で、制御部209が、事故は発生していると判定した場合(ステップS110の「YES」)には、収集部202は、通信部201が事故車両を含む周辺車両100_1~100_Nあるいは携帯端末から受信する事故情報を収集する(ステップS120)。
【0040】
次いで、特定部203は、収集された事故情報から事故車両を特定する(ステップS130)。
【0041】
ID情報生成部204は、特定部203において特定された事故車両に関する情報と紐付いた事故についてのID情報を生成する(ステップS140)。
そして、ID情報生成部204において生成されたID情報と少なくとも収集部202において収集された事故情報とを紐付けたデータベースが生成され、記憶部205に格納される(ステップS150)。
【0042】
判定部206は、記憶部205に格納されたデータベースに同一のID情報が複数ある場合に、複数台が絡む事故であると判定する(ステップS160)。
そして、判定部206が発生した事故は、複数台が絡む事故であると判定する場合(ステップS160の「YES」)には、通報情報生成部207は、収集部202において収集された事故情報を整理して通報する情報を生成し(ステップS170)、通報部208は、複数台が絡む事故が発生したと判定された場合に、ID情報に紐付いた通報情報生成部207によって生成された通報情報を緊急通報センター300あるいは、情報提供の要請がある緊急救命機関400、保険会社500を含む要求元に通報して(ステップS180)、処理を終了する。
【0043】
一方で、判定部206は、発生した事故は、複数台が絡む事故ではないと判定する場合(ステップS160の「NO」)には、車両が個別に、通報情報生成部207によって生成された通報情報を緊急通報センターに通報して(ステップS190)、処理を終了する。
【0044】
<作用・効果>
以上、説明したように、本実施形態に係る緊急通報システム1におけるサーバ装置200の収集部202は、事故の発生時に、事故車両を含む周辺車両100_1~100_Nあるいは携帯端末と通信接続を行い、事故車両を含む周辺車両100_1~100_Nあるいは携帯端末から事故情報を収集し、特定部203は、収集された事故情報から事故車両を特定して、ID情報生成部204は、特定された事故車両に関する情報と紐付いた事故のID情報を生成する。
そして、記憶部205は、ID情報と少なくとも収集部202において収集された事故情報とを紐付けたデータベースを格納する。
つまり、収集部202が収集した事故情報と、ID情報生成部204が生成する特定された事故車両に関する情報と紐付いた事故のID情報とを紐付けたデータベースを格納する。
そのため、サーバ装置200において、事故情報をID情報ととともに一元管理することができる。
また、サーバ装置200の判定部206が、当該事故が複数台の車両が絡む事故であると判定した場合には、通報情報生成部207は、ID情報に紐付いた事故情報を緊急通報センター300あるいは、情報提供の要請がある緊急救命機関400、保険会社500を含む要求元に通報する。
つまり、通例、複数台の車両が絡む事故の場合には、複数の車両から、緊急通報センター300や警察署、消防署、緊急救命機関400、保険会社500等に、個別の通報が行われる。
しかし、この状況では、どこまでが同一の事故に関する情報なのかが分からず、各情報を紐付けるために、各機関が個別の情報収集等を行う必要がある。
本実施形態に係る緊急通報システム1におけるサーバ装置200によれば、事故情報をID情報とともに一元管理しているため、事故発生直後に、速やかに警察、消防、緊急救命機関400が活動を行え、その後の保険会社500等の処理をスムーズ、かつ、認識のズレを生じることなく、最適に処理することができる。
【0045】
また、本実施形態に係る緊急通報システム1におけるサーバ装置200の通報情報生成部207は、収集部202において収集された事故情報を整理して通報する情報を生成する。
ここで、通報情報生成部207が行う収集された事故情報の整理とは、事故車両を含む周辺車両100_1~100_Nあるいは携帯端末から取集された事故情報から重複する事故情報を排除したり、複数の事故情報を組み合わせて、事故に絡む車両の台数やけが人の数等、情報の精度を高める処理等である。
そのため、複数台が絡む事故において、迅速かつ正確な情報発信を担保することができる。
【0046】
また、本実施形態に係る緊急通報システム1におけるサーバ装置200において、事故車両に関する情報は、当該車両の車体番号あるいは車両識別番号である。
そのため、事故車両を一意に特定することができる。
また、上記の情報を用いたID情報と収集部202において収集された事故情報が紐付けられているため、例えば、緊急救命機関400や保険会社500等は、例えば、緊急通報センター300等からID情報を入手することにより、迅速かつ正確に得たい事故情報を入手することができる。
【0047】
また、本実施形態に係る緊急通報システム1におけるサーバ装置200において、データベースには、事故車両に関する情報に、さらに診断情報が紐付けられている。
そのため、例えば、緊急救命機関400は、事故車両の乗員の健康保険証番号あるいは既往歴、治療中の疾病情報を手間なく、迅速に入手することができる。
【0048】
なお、制御部209等の処理をコンピュータシステムが読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを制御部209等に読み込ませ、実行することによって本発明のサーバ装置200を実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0049】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0050】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0051】
以上、この発明の実施形態について、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0052】
1;緊急通報システム
100;車両
110;事故情報取得部
120;通信部
130;車両情報記憶部
140;制御部
200;サーバ装置
201;通信部
202;収集部
203;特定部
204;ID情報生成部
205;記憶部
206;判定部
207;通報情報生成部
208;通報部
209;制御部
300;緊急通報センター
400;緊急救命機関
500;保険会社
図1
図2
図3
図4
図5
図6