(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038942
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
G08B 25/10 20060101AFI20240313BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20240313BHJP
G08B 25/08 20060101ALI20240313BHJP
G08B 21/00 20060101ALI20240313BHJP
H04M 11/04 20060101ALI20240313BHJP
H04W 4/40 20180101ALI20240313BHJP
H04W 4/02 20180101ALI20240313BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240313BHJP
G08G 1/13 20060101ALI20240313BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20240313BHJP
B60R 21/00 20060101ALI20240313BHJP
【FI】
G08B25/10 D
G08B25/04 C
G08B25/08 A
G08B21/00 U
H04M11/04
H04W4/40
H04W4/02
G08G1/09 F
G08G1/13
G08G1/00 J
B60R21/00 340
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143324
(22)【出願日】2022-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】早川 和裕
(72)【発明者】
【氏名】中村 亮太
(72)【発明者】
【氏名】元山 純一
(72)【発明者】
【氏名】三国 司
(72)【発明者】
【氏名】本間 拓也
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
5H181
5K067
5K201
【Fターム(参考)】
5C086AA54
5C086BA22
5C086CA09
5C086CA25
5C086CA28
5C086CB26
5C086CB36
5C086DA14
5C086DA33
5C086EA41
5C086FA17
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA10
5C087AA19
5C087AA37
5C087BB11
5C087BB20
5C087BB74
5C087DD14
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF16
5C087FF23
5C087GG02
5C087GG10
5C087GG17
5C087GG35
5C087GG70
5C087GG83
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181EE15
5H181FF03
5H181MC17
5H181MC19
5K067BB03
5K067DD52
5K067EE02
5K067EE10
5K201BA02
5K201BA03
5K201CA04
5K201CC04
5K201CC10
5K201EA07
5K201EC05
5K201EC06
5K201EC08
5K201ED04
5K201ED05
5K201EF04
(57)【要約】
【課題】複数人が絡む事故の発生時に、事故の内容を正確に把握できる情報を円滑かつ迅速に発信することを担保する。
【解決手段】事故車両を含む周辺車両100あるいは周辺の携帯端末300を含む機器からの画像情報により、緊急通報機能を有しない事故車両が含まれるのか否かを判定し、上記事故車両が含まれる場合に、事故車両のうち緊急通報を発報した車両の位置情報を取得する。取得した位置情報をカバーエリアとする基地局500に対して、設定した対象地域内の車両100あるいは携帯端末300に情報提供の要請を行い、上記事故車両を含む周辺車両100等から事故情報を収集するとともに、上記設定した対象地域内の車両100等からの情報を収集する。そして、上記設定した対象地域内の車両100等からの情報に付された位置情報に基づいて、収集された情報から事故情報を抽出し、収集あるいは抽出された事故情報を発報情報として通報する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数台が絡む多重事故が発生した場合に、事故車両を含む周辺車両と通信接続を行う通信部と、
前記事故車両を含む周辺車両あるいは周辺の携帯端末を含む機器からの画像情報により、緊急通報機能を有しない前記事故車両が含まれるのか否かを判定する判定部と、
前記緊急通報機能を有しない前記事故車両が含まれる場合に、前記事故車両のうち緊急通報を発報した車両の位置情報を取得する位置情報取得部と、
該取得した位置情報をカバーエリアとする基地局に対して、設定した対象地域内の車両あるいは携帯端末に情報提供要請を報知するよう要請する情報提供要請部と、
前記事故車両を含む周辺車両あるいは周辺の携帯端末から事故情報を収集するとともに、前記設定した対象地域内の車両あるいは携帯端末からの情報を収集する情報収集部と、
前記設定した対象地域内の車両あるいは携帯端末からの情報に付された位置情報に基づいて、該収集された情報から事故情報を抽出する抽出部と、
該収集あるいは抽出された事故情報を発報情報として緊急通報センターに通報する通報部と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記事故情報には、SNSの情報を含むことを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記事故車両を含む周辺車両あるいは周辺の携帯端末から事故情報および該抽出された前記事故情報を整理して前記発報情報を生成する発報情報生成部を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のサーバ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関する。
【背景技術】
【0002】
車両において交通事故や車両故障などの緊急事態が発生したときに、その状態を示す緊急通報を、携帯電話や自動車電話あるいは車両に搭載された通信機器等の移動体通信網を通じて報知するシステムが実用化されている。
【0003】
上記のシステムとして、緊急センターにおいて衝突事故の内容を詳しく把握するために、車両に対する歩行者の衝突時の状況を特定する歩行者事故情報を検出する歩行者事故情報センサと、車両の衝突時の乗員の危険発生時の状況を特定する乗員事故情報を検出する乗員事故情報センサと、歩行者との衝突を判定したとき、前記歩行者事故情報を緊急通報センターの通信装置に送信し、乗員の危険発生を判定したとき、前記乗員の事故情報を前記通信装置に送信する事故情報送信部と、を備える緊急通報システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、車載携帯電話の圏外において事故が発生した場合に、緊急通報データをトランシーバユニットで通信可能な他車に送信して、自車に代わって他車に緊急通報を委ねる技術も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-244167号公報
【特許文献2】特開2001-93069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のように、車両が関わる事故が発生した場合には、緊急通報センターが、その事故の内容を詳しく把握できるような情報提供が必要となる。
また、複数台の車両や人が絡む事故のような場合に、特許文献2に記載のように、自車両において通信不能な場合に、他車両が代わって、緊急通報を行うことも考えられる。
しかしながら、特許文献2に記載の技術では、通信不能な車両に代わって、救助要請等を行うことは可能であっても、通信不能な車両が有する画像や音声等の事故に関する情報を活用することができないことから、緊急通報センターがその事故の内容を詳しく把握できる情報を提供するという面においては、解決すべき課題があった。
【0007】
そこで、本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、複数人が絡む事故の発生時に、事故の内容を正確に把握できる情報を円滑かつ迅速に発信することを担保するサーバ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
形態1;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、複数台が絡む多重事故が発生した場合に、事故車両を含む周辺車両と通信接続を行う通信部と、前記事故車両を含む周辺車両あるいは周辺の携帯端末を含む機器からの画像情報により、緊急通報機能を有しない前記事故車両が含まれるのか否かを判定する判定部と、前記緊急通報機能を有しない前記事故車両が含まれる場合に、前記事故車両のうち緊急通報を発報した車両の位置情報を取得する位置情報取得部と、該取得した位置情報をカバーエリアとする基地局に対して、設定した対象地域内の車両あるいは携帯端末に情報提供要請を報知するよう要請する情報提供要請部と、前記事故車両を含む周辺車両あるいは周辺の携帯端末から事故情報を収集するとともに、前記設定した対象地域内の車両あるいは携帯端末からの情報を収集する情報収集部と、前記設定した対象地域内の車両あるいは携帯端末からの情報に付された位置情報に基づいて、該収集された情報から事故情報を抽出する抽出部と、該収集あるいは抽出された事故情報を発報情報として緊急通報センターに通報する通報部と、を備えることを特徴とするサーバ装置を提案している。
【0009】
形態2;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、事故情報には、SNSの情報を含むことを特徴とするサーバ装置を提案している。
【0010】
形態3;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記事故車両を含む周辺車両あるいは周辺の携帯端末から事故情報および該抽出された前記事故情報を整理して前記発報情報を生成する発報情報生成部を備えたことを特徴とするサーバ装置を提案している。
【発明の効果】
【0011】
本発明の1またはそれ以上の実施形態によれば、複数人が絡む事故の発生時に、事故の内容を正確に把握できる情報を円滑かつ迅速に発信することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係るサーバ装置が用いられる緊急通報システムの構成を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る車両の構成を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るサーバ装置の構成を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る携帯端末の構成を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るサーバ装置の処理を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るサーバ装置における情報提供要請処理を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係るサーバ装置におけるジオフェンシング処理を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態に係るサーバ装置への携帯端末からの情報提供要請に関する処理を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態に係るサーバ装置における事故情報収集処理を示す図である。
【
図10】本発明の実施形態に係るサーバ装置への車両走行時の画像情報送信処理を示す図である。
【
図11】本発明の実施形態に係るサーバ装置による携帯端末内の画像検索収集処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態>
以下、
図1から
図11を用いて、本実施形態に係るサーバ装置200について説明する。
なお、以下では、緊急通報システム1を用いて、本実施形態に係るサーバ装置200について説明する。
【0014】
<緊急通報システム1の構成>
図1に示すように、本実施形態に係る緊急通報システム1は、車両100_1~100_Nと、サーバ装置200と、携帯端末300_1~300_Nと、緊急通報センター400と、を含んで構成されている。
【0015】
車両100_1~100_Nは、事故車両を含む周辺の車両であり、後述するサーバ装置200との通信機能を備えた車両である。
本実施形態においては、事故の発生時に、車両100_1~100_Nは、事故に関する情報をサーバ装置200に送信する。事故に関する情報としては、車両100_1~100_Nの記憶部に記憶された衝突状態、衝突場所、画像、音声データ等の情報を例示することができる。
【0016】
サーバ装置200は、車両100_1~100_Nや携帯端末300_1~300_Nから事故情報を収集する。本実施形態において、サーバ装置200は、事故車両の中に緊急通報機能を有しない車両が存在する場合に、他の事故に絡んだ車両100_1~100_Nや事故地点周辺の携帯端末300_1~300_Nはもとより、事故地点から特定エリア内の車両100_1~100_Nや携帯端末300_1~300_Nにも事故情報の収集に関する要請を行い、事故情報を収集する。
【0017】
携帯端末300_1~300_Nは、事故車両の乗員が所有する携帯端末はもとより、事故地点周辺の携帯端末または事故地点から特定エリア内の携帯端末を含む。
また、携帯端末300_1~300_Nとしては、スマートフォン、ウェラブル端末を含む。
携帯端末300_1~300_Nは、サーバ装置200からの要請に応じて、事故に関する静止画像、動画像、音声データ等を提供する。
また、携帯端末300_1~300_Nは、内部に保存したSNSに関する情報や画像情報、音声情報に対するサーバ装置200による検索を許諾する。
【0018】
緊急通報センター400は、サーバ装置200からのを受け付け、担当者に事故情報を通知する。通報を受けた担当者は、その事故の内容に応じて、消防署や警察署あるいは病院等に通報を行う。
【0019】
<車両100の構成>
図2に示すように、本実施形態に係る車両100は、事故情報取得部110と、通信部120と、ジオフェンシング検知部130と、位置情報取得部140と、制御部150と、を含んで構成されている。
【0020】
事故情報取得部110は、例えば、先進運転支援システム(ADAS)に用いられる撮像装置の撮像画像やドライブレコーダー等により撮像された車両100_1~100_N周囲の撮像画像やマイク等で集音された音声データを事故情報として取得する。
【0021】
通信部120は、サーバ装置200との通信を行うための、例えば、通信モジュールである。
通信形態としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)等を例示することができる。
通信部120は、例えば、サーバ装置200からの事故情報の送信要求に対して、事故情報取得部110において取得された事故情報を送信する。
また、通信部120は、基地局500から受信したジオフェンシング機能をONする制御信号を後述するジオフェンシング検知部130に送信し、後述する位置情報取得部140が取得した自車位置情報をサーバ装置200に送信する。
【0022】
ジオフェンシング検知部130は、通信部120を介して受信した基地局500からのジオフェンシング機能をONする旨の制御信号を入力し、その旨を後述する制御部150に通知する。
【0023】
位置情報取得部140は、ジオフェンシング機能がONとなった時に、例えば、ナビゲーションシステムから自車位置情報を取得する。
位置情報取得部140は、取得した自車位置情報をサーバ装置200に送信する。
【0024】
制御部150は、図示しないROM(Read Only Memory)等に格納された制御プログラムにしたがって、車両100全体の動作を制御する。
本実施形態において、例えば、制御部150は、サーバ装置200からの事故情報の送信要求に対して、事故情報取得部110において取得された事故情報や位置情報取得部140が取得した自車位置情報をサーバ装置200に送信するよう制御する。
【0025】
<サーバ装置200の構成>
図3に示すように、本実施形態に係るサーバ装置200は、通信部201と、判定部202と、位置情報取得部203と、情報提供要請部204と、情報収集部205と、抽出部206と、発報情報生成部207と、通報部208と、制御部209と、を含んで構成されている。
【0026】
通信部201は、事故の発生時に、事故車両を含む周辺の車両100_1~100_Nあるいは周辺の携帯端末300_1~300_Nとの通信を行うための、例えば、通信モジュールである。
通信形態としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)等を例示することができる。
通信部120は、例えば、制御部209の制御信号に基づいて起動し、事故車両を含む周辺の車両100_1~100_Nあるいは周辺の携帯端末300_1~300_Nからの事故情報を受信する。
なお、通信部120において、各車両100_1~100_Nあるいは周辺の携帯端末300_1~300_Nから受信した事故情報を逐次、後述する情報収集部205に送信する。
【0027】
判定部202は、事故車両を含む周辺車両100_1~100_Nあるいは周辺の携帯端末300_1~300_Nを含む機器からの画像情報により、緊急通報機能を有しない事故車両が含まれるのか否かを判定する。
具体的に、判定部202は、通信部201が受信した事故情報の画像情報の中から事故車両のナンバープレート情報を取得し、例えば、陸運局や国土交通省のサーバにアクセスして、取得したナンバープレート情報を照会して、緊急通報機能の有無を判定する。
なお、判定部202は、例えば、道路に設置された監視カメラの画像情報から事故車両のナンバープレート情報を取得してもよい。
【0028】
位置情報取得部203は、判定部202の判定結果により、緊急通報機能を有しない事故車両が含まれる場合に、事故車両のうち緊急通報を発報した車両100_1~100_Nの位置情報を取得する。
位置情報取得部203において取得された位置情報は、後述する情報提供要請部204に送出される。
【0029】
情報提供要請部204は、通信部201を介して、取得した位置情報をカバーエリアとする基地局500に対して、設定した対象地域内の車両100_1~100_Nあるいは携帯端末300_1~300_Nに情報提供要請を報知するよう要請する。
【0030】
情報収集部205は、事故車両を含む周辺車両100_1~100_Nあるいは周辺の携帯端末300_1~300_Nから事故情報を取得するとともに、設定した対象地域内の車両100あるいは携帯端末300から情報を収集する。
なお、情報収集部205において収集された設定した対象地域内の車両100あるいは携帯端末300から情報は、後述する抽出部206に送出され、情報収集部205において収集された事故車両を含む周辺車両100_1~100_Nあるいは周辺の携帯端末300_1~300_Nからの事故情報は、発報情報生成部207に送出される。
【0031】
抽出部206は、設定した対象地域内の車両100あるいは携帯端末300からの情報に付された位置情報に基づいて、情報収集部205において収集された情報から事故情報を抽出する。
なお、抽出部206において抽出された事故情報は、後述する発報情報生成部207に送出される。
【0032】
発報情報生成部207は、事故車両を含む周辺の車両100_1~100_Nから取集された事故情報および抽出部206において抽出された事故情報を整理して発報情報を生成する。
ここで、「整理」とは、事故車両を含む周辺の車両100_1~100_Nから取集された事故情報および抽出部206において抽出された事故情報から重複する事故情報を排除したり、複数の事故情報を組み合わせて、事故に絡む車両の台数やけが人の数等、情報の精度を高める処理を例示することができる。
発報情報生成部207において、生成された発報情報は、後述する通報部208に送出される。
【0033】
通報部208は、発報情報生成部207において生成された発報情報を緊急通報センター400に通報する。
【0034】
制御部209は、図示しないROM(Read Only Memory)等に格納された制御プログラムにしたがって、サーバ装置200全体の動作を制御する。
本実施形態において、制御部209は、情報提供要請部204に対して、基地局500への情報提供要請を発出するよう制御する。
また、制御部209は、通報部208に対して、発報情報を緊急通報センター400に通報するように制御する。
【0035】
<携帯端末300の構成>
図4に示すように、本実施形態に係る携帯端末300は、事故情報取得部310と、通信部320と、ジオフェンシング検知部330と、位置情報取得部340と、制御部350と、を含んで構成されている。
【0036】
事故情報取得部310は、例えば、撮像装置の撮像画像やマイク等で集音された音声データを事故情報として取得する。
【0037】
通信部320は、サーバ装置200との通信を行うための、例えば、通信モジュールである。
通信形態としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)等を例示することができる。
通信部320は、例えば、サーバ装置200からの事故情報の送信要求に対して、事故情報取得部310において取得された事故情報を送信する。
また、通信部320は、基地局500から受信したジオフェンシング機能をONする制御信号を後述するジオフェンシング検知部330に送信し、後述する位置情報取得部340が取得した自車位置情報をサーバ装置200に送信する。
【0038】
ジオフェンシング検知部330は、通信部120を介して受信した基地局500からのジオフェンシング機能をONする旨の制御信号を入力し、その旨を後述する制御部350に通知する。
【0039】
位置情報取得部340は、ジオフェンシング機能がONとなった時に、例えば、GPS等から現在の位置情報を取得する。
位置情報取得部340は、取得した現在の位置情報をサーバ装置200に送信する。
【0040】
制御部350は、図示しないROM(Read Only Memory)等に格納された制御プログラムにしたがって、携帯端末300全体の動作を制御する。
本実施形態において、例えば、制御部350は、サーバ装置200からの事故情報の送信要求に対して、事故情報取得部310において取得された事故情報や位置情報取得部340が取得した現在の位置情報をサーバ装置200に送信するよう制御する。
【0041】
<サーバ装置200の処理>
図5を用いて、本実施形態に係るサーバ装置200の処理について説明する。
【0042】
図5に示すように、制御部209は、事故が発生したか否かを判定する(ステップS100)。
そして、制御部209が、事故は発生していないと判定した場合(ステップS100の「NO」)には、処理を元に戻して待機モードに移行する。
【0043】
一方で、制御部209が、事故は発生していると判定した場合(ステップS100の「YES」)には、判定部202は、事故車両を含む周辺車両100_1~100_Nあるいは周辺の携帯端末300_1~300_Nを含む機器からの画像情報により、緊急通報機能を有しない事故車両が含まれるのか否かを判定する(ステップS200)。
【0044】
判定部202は、事故車両を含む周辺車両100_1~100_Nあるいは周辺の携帯端末300_1~300_Nを含む機器からの画像情報により、緊急通報機能を有しない事故車両が含まれていないと判定する場合(ステップS200の「NO」)には、処理を終了する。
【0045】
一方で、判定部202は、事故車両を含む周辺車両100_1~100_Nあるいは周辺の携帯端末300_1~300_Nを含む機器からの画像情報により、緊急通報機能を有しない事故車両が含まれていると判定する場合(ステップS200の「YES」)には、位置情報取得部203は、事故車両のうち緊急通報を発報した車両100_1~100_Nの位置情報を取得する(ステップS300)。
【0046】
次いで、情報提供要請部204は、通信部201を介して、取得した位置情報をカバーエリアとする基地局500に対して、設定した対象地域内の車両100_1~100_Nあるいは携帯端末300_1~300_Nに情報提供要請を報知するよう要請する(ステップS400)。
なお、情報提供要請処理の詳細については、後述する。
【0047】
情報収集部205は、事故車両を含む周辺車両100_1~100_Nあるいは周辺の携帯端末300_1~300_Nから事故情報を取得するとともに、設定した対象地域内の車両100_1~100_Nあるいは携帯端末300_1~300_Nから情報を収集する(ステップS500)。
なお、事故情報収集処理の詳細については、後述する。
【0048】
抽出部206は、設定した対象地域内の車両100あるいは携帯端末300からの情報に付された位置情報に基づいて、情報収集部205において収集された設定した対象地域内の車両あるいは携帯端末からの情報から事故情報を抽出する(ステップS600)。
【0049】
発報情報生成部207は、情報収集部205において収集された事故車両を含む周辺車両あるいは周辺の携帯端末から事故情報および抽出部206において抽出された事故情報を整理して発報情報を生成する(ステップS700)。
【0050】
通報部208は、発報情報生成部207において生成された発報情報を緊急通報センター400に通報して処理を終了する(ステップS800)。
【0051】
<情報提供要請処理>
図6から
図8を用いて、情報提供要請処理について説明する。
【0052】
図6に示すように、情報提供要請処理は、ジオフェンシング処理(ステップS410)と、協力依頼処理(ステップS420)とからなる。
【0053】
図7に示すように、ジオフェンシング処理では、まず、サーバ装置200は、位置情報取得部203により取得された事故車両のうち緊急通報を発報した車両100_1~100_Nの位置情報に基づいて、事故発生地点付近の基地局500を選定する(ステップS411)。
【0054】
次いで、サーバ装置200は、対象地域を設定し、情報提供要請部204は、通信部201を介して、取得した位置情報をカバーエリアとする基地局500に対して、設定した対象地域内の車両100_1~100_Nあるいは携帯端末300_1~300_Nに情報提供要請を報知するよう要請する(ステップS412)。
【0055】
サーバ装置200は、情報収集部205が設定した対象地域内の車両100_1~100_Nあるいは携帯端末300_1~300_Nからの情報収集を完了したか否かを判定する(ステップS413)。サーバ装置200は、情報収集部205が設定した対象地域内の車両100あるいは携帯端末300からの情報収集を完了していないと判定する場合(ステップS413の「NO」)には、処理を元に戻して待機モードに移行する。
【0056】
一方で、サーバ装置200は、情報収集部205が設定した対象地域内の車両100あるいは携帯端末300からの情報収集を完了していると判定する場合(ステップS413の「YES」)には、地域設定を解除して処理を終了する(ステップS413)。
【0057】
図8に示すように、協力依頼処理では、設定した対象地域内の携帯端末300_1~300_Nの制御部350は、基地局500からの対象地域の設定指示があったか否かを判定する(ステップS421)。携帯端末300_1~300_Nの制御部350は、携帯端末300_1~300_Nのジオフェンシング検知部330が基地局500からのジオフェンシング信号を検知していない場合(ステップS421の「NO」)には、処理を元に戻して待機モードに移行する。
【0058】
一方で、携帯端末300_1~300_Nの制御部350は、携帯端末300_1~300_Nのジオフェンシング検知部330が基地局500からのジオフェンシング信号を検知している場合(ステップS421の「YES」)には、携帯端末300_1~300_Nの通信部320は、基地局500から、事故地域情報および事故発生に関する時間情報を受信し、それらの情報を携帯端末300_1~300_Nの制御部350に送出する(ステップS422)。
【0059】
基地局500は、携帯端末300_1~300_Nに情報提供への協力要請に関するポップアップを通知する。携帯端末300_1~300_Nの制御部350は、図示しない表示部にポップアップを表示させる(ステップS423)。
【0060】
携帯端末300_1~300_Nの所有者は、図示しない撮像装置を起動させて、周辺の画像を撮像し、撮像した画像情報を通信部320に送出する(ステップS424)。
【0061】
通信部320は、受け取った画像情報をサーバ装置200に送信して、処理を終了する(ステップS425)。
【0062】
<事故情報収集処理>
図9から
図11を用いて、事故情報収集処理について説明する。
【0063】
図9に示すように、事故情報収集処理は、画像情報送信処理(ステップS510)と、SNS検索処理(ステップS520)とからなる。
【0064】
図10に示すように、画像情報送信処理では、まず、設定した対象地域内の車両100_1~100_Nの制御部150は、基地局500からの対象地域の設定指示があったか否かを判定する(ステップS511)。車両100_1~100_Nの制御部150は、車両100_1~100_Nのジオフェンシング検知部130が基地局500からのジオフェンシング信号を検知していない場合(ステップS511の「NO」)には、処理を元に戻して待機モードに移行する。
【0065】
一方で、車両100_1~100_Nの制御部150は、車両100_1~100_Nのジオフェンシング検知部130が基地局500からのジオフェンシング信号を検知している場合(ステップS511の「YES」)には、車両100_1~100_Nの通信部120は、基地局500から、事故地域情報および事故発生に関する時間情報を受信し、それらの情報を車両100_1~100_Nの制御部150に送出する(ステップS512)。
【0066】
車両100_1~100_Nの制御部150は、図示しないナビゲーション装置からの情報に基づいて、車両100_1~100_Nが事故発生地域内の該当ルートを走行しているのか否かを判定する(ステップS513)。そして、車両100_1~100_Nの制御部150は、車両100_1~100_Nが事故発生地域内の該当ルートを走行していないと判定する場合(ステップS513の「NO」)には、処理を終了させる。
【0067】
一方で、車両100_1~100_Nの制御部150は、車両100_1~100_Nが事故発生地域内の該当ルートを走行していると判定する場合(ステップS513の「YES」)には、そのルートの画像が保存されているか否かを判定する(ステップS514)。そして、車両100_1~100_Nの制御部150は、そのルートの画像が保存されていないと判定する場合(ステップS514の「NO」)には、処理を終了させる。
【0068】
一方で、車両100_1~100_Nの制御部150は、そのルートの画像が保存されていると判定する場合(ステップS514の「YES」)には、保存されている画像を、通信部320を介してサーバ装置200に送信して、処理を終了する(ステップS515)。
【0069】
図8に示すように、SNS検索処理では、サーバ装置200の制御部209が事故の発生を検知すると(ステップS521)、サーバ装置200の制御部209は、設定した対象地域内の携帯端末300_1~300_Nに対してSNSに関する情報を検索する(ステップS522)。
【0070】
サーバ装置200の制御部209は、検索の結果、設定した対象地域内の携帯端末300_1~300_Nに該当地域の画像を含むSNSの情報があるか否かを判定する(ステップS523)。そして、サーバ装置200の制御部209は、検索の結果、設定した対象地域内の携帯端末300_1~300_Nに該当地域の画像を含むSNSの情報がないと判定した場合(ステップS523の「NO」)には、検索を繰り返す。
【0071】
一方で、サーバ装置200の制御部209は、検索の結果、設定した対象地域内の携帯端末300_1~300_Nに該当地域の画像を含むSNSの情報があると判定する(ステップS523の「YES」)には、該当事故の画像があるか否かを判定する(ステップS524)。そして、サーバ装置200の制御部209は、該当事故の画像がないと判定する場合(ステップS524の「NO」)には、検索を繰り返す。
【0072】
一方で、サーバ装置200の制御部209は、該当事故の画像があると判定する場合(ステップS524の「YES」)には、その画像を収集して処理を終了する(ステップS525)。
【0073】
<作用・効果>
以上、説明したように、本実施形態に係るサーバ装置200において、判定部202は、事故車両を含む周辺車両100_1~100_Nあるいは周辺の携帯端末300_1~300_Nを含む機器からの画像情報により、緊急通報機能を有しない事故車両が含まれるのか否かを判定する。位置情報取得部203は、緊急通報機能を有しない事故車両が含まれる場合に、事故車両のうち緊急通報を発報した車両の位置情報を取得する。そして、情報提供要請部204は、取得した位置情報をカバーエリアとする基地局500に対して、設定した対象地域内の車両100_1~100_Nあるいは携帯端末300_1~300_Nに情報提供要請を報知するよう要請する。
つまり、位置情報取得部203は、緊急通報機能を有しない事故車両が含まれる場合に、事故車両のうち緊急通報を発報した車両の位置情報を取得し、情報提供要請部204は、取得した位置情報をカバーエリアとする基地局500に対して、設定した対象地域内の車両100_1~100_Nあるいは携帯端末300_1~300_Nに情報提供要請を報知するよう要請する。
事故車両に緊急通報機能を有しない事故車両が含まれている場合には、他の事故車両による通常の緊急通報情報のみでは、事故の詳細が把握できない場合が生じる可能性があるが、本実施形態に係るサーバ装置200のように、位置情報取得部203が、事故車両のうち緊急通報を発報した車両の位置情報を取得し、情報提供要請部204が、取得した位置情報をカバーエリアとする基地局500に対して、設定した対象地域内の車両100_1~100_Nあるいは携帯端末300_1~300_Nに情報提供要請を報知するよう要請することにより、複数人が絡む事故の発生時に、事故の内容を正確に把握できる情報を円滑かつ迅速に発信することができる。
また、情報収集部205は、事故車両を含む周辺車両100_1~100_Nあるいは周辺の携帯端末300_1~300_Nから事故情報を収集するとともに、設定した対象地域内の車両100_1~100_Nあるいは携帯端末300_1~300_Nからの情報を収集する。
そのため、不足する情報を補うに十分な情報を収集することができることから、複数人が絡む事故の発生時に、事故の内容を正確に把握できる情報を円滑かつ迅速に発信することができる。
また、抽出部206は、設定した対象地域内の車両100_1~100_Nあるいは携帯端末300_1~300_Nからの情報に付された位置情報に基づいて、収集された情報から事故情報を抽出する。
そのため、事故の詳細を把握するための確度の高い情報が得られることから、複数人が絡む事故の発生時に、事故の内容を正確に把握できる情報を円滑かつ迅速に発信することができる。
【0074】
また、本実施形態に係るサーバ装置200において、事故情報には、SNSの情報を含む。
つまり、事故情報には、サーバ装置200が携帯端末300_1~300_N内を検索することにより得られるSNSの情報およびサーバ装置200がネット上でキーワード検索を行うことにより得られるSNSの情報を含む。
そのため、事故発生直後に事故現場付近にいたが、今は、離れてしまった人が投稿したSNS情報も対象となることから、情報を得る範囲が広がる。
これにより、不足する情報を補うに十分な情報を収集することができることから、複数人が絡む事故の発生時に、事故の内容を正確に把握できる情報を円滑かつ迅速に発信することができる。
【0075】
また、本実施形態に係るサーバ装置200の発報情報生成部207は、事故車両を含む周辺車両あるいは周辺の携帯端末から事故情報および抽出部206において抽出された事故情報を整理して発報情報を生成する。
ここで、発報情報生成部207が行う収集された事故情報の整理とは、事故車両を含む周辺車両あるいは周辺の携帯端末から事故情報および抽出部206において抽出された事故情報から重複する事故情報を排除したり、複数の事故情報を組み合わせて、事故に絡む車両の台数やけが人の数等、情報の精度を高める処理等である。
そのため、複数台が絡む事故において、迅速かつ正確な情報発信を担保することができる。
【0076】
<変形例1>
本実施形態において、判定部202は、事故車両を含む周辺車両100_1~100_Nあるいは周辺の携帯端末300_1~300_Nを含む機器からの画像情報により、緊急通報機能を有しない事故車両が含まれるのか否かを判定するとしたが、通信機能を有しない事故車両を含むか否かを判定するようにしてもよい。
【0077】
なお、情報提供要請部204、制御部209等の処理をコンピュータシステムが読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを情報提供要請部204、制御部209等に読み込ませ、実行することによって本発明のサーバ装置200を実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0078】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0079】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0080】
以上、この発明の実施形態について、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0081】
1;緊急通報システム
100;車両
110;事故情報取得部
120;通信部
130;ジオフェンシング検知部
140;位置情報取得部
150;制御部
200;サーバ装置
201;通信部
202;判定部
203;位置情報取得部
204;情報提供要請部
205;情報収集部
206;抽出部
207;発報情報生成部
208;通報部
209;制御部
300;携帯端末
310;事故情報取得部
320;通信部
330;ジオフェンシング検知部
340;位置情報取得部
350;制御部
400;緊急通報センター
500;基地局