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特開2024-38945医療機器の操作方法等に関する情報共有システム
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  • 特開-医療機器の操作方法等に関する情報共有システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038945
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】医療機器の操作方法等に関する情報共有システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 80/00 20180101AFI20240313BHJP
【FI】
G16H80/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143329
(22)【出願日】2022-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】522358032
【氏名又は名称】株式会社Kiwi
(74)【代理人】
【識別番号】230110397
【弁護士】
【氏名又は名称】田中 雅敏
(74)【代理人】
【識別番号】230128875
【弁護士】
【氏名又は名称】原 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】大石 杏衣
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】医療従事者等の医療機器利用者へ情報提供し、かつ、利用者からの疑問・質問への回答、トラブルやインシデント情報の提供を受ける医療機器等に関する情報共有システムを提供する。
【解決手段】医療機器等に関する情報共有システム1であって、複数の利用者端末5及びサーバー・コンピューター2は、インターネット等の電気通信回線4を通じて相互に接続される。サーバ―・コンピューターは、医療機器取扱情報記録部と、医療機器使用者等情報記録部と、医療機器教育・研修情報記録部と、を有し、利用者は、利用者端末を操作してサーバー・コンピューターの医療機器取扱情報記録部、医療機器使用者等情報記録部および医療機器教育・研修情報記録部に記録された各情報を利用者端末の画像表示部へ表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字入力装置および/または音声入力装置、撮像装置、通信部、及び画像表示部を備える利用者端末と、
少なくとも通信部及び画像生成部を備えるサーバー・コンピューターと、を含む医療機器等に関する情報共有システムであって、
前記利用者端末及びサーバー・コンピューターは、インターネット等の電気通信回線を通じて相互に接続され、
前記サーバ―・コンピューターは、医療機器取扱情報記録部と、医療機器使用者等情報記録部と、医療機器教育・研修情報記録部を有し、
利用者は、利用者端末を操作してサーバー・コンピューターの医療機器取扱情報記録部、医療機器使用者等情報記録部および医療機器教育・研修情報記録部に記録された各情報を利用者端末の画像表示部へ表示することができる情報共有システム。
【請求項2】
前記サーバ―・コンピューターは、さらに
利用者端末の撮像装置で撮影した医療機器の画像解析、利用者端末の文字入力装置および/または音声入力装置で入力した情報により機種を特定する医療機器特定手段と、
医療機器特定手段にて特定した医療機器に関する情報を医療機器取扱情報記録部から取得する医療機器取扱情報取得手段と、
取得した医療機器に関する情報を利用者端末の画像表示部に表示する医療機器取扱情報表示手段を有する請求項1の情報共有システム。
【請求項3】
前記サーバ―・コンピューターは、さらに利用者端末の文字入力装置および/または音声入力装置にて利用者が入力した情報を医療機器使用者等情報記録部へ記録する医療機器使用者等情報記録手段と、利用者端末の撮像装置で撮影した医療機器の画像解析、利用者端末の文字入力装置および/または音声入力装置で入力した情報により機種を特定する医療機器特定手段を利用して特定した医療機器に関する情報を医療機器使用者等情報記録部から取得する医療機器使用者等情報取得手段と、取得した医療機器使用者等情報を利用者端末の画像表示部に表示する医療機器使用者等情報表示手段有する請求項1または2の情報共有システム。
【請求項4】
前記サーバ―・コンピューターは、さらに利用者端末の文字入力装置および/または音声入力装置にて利用者が入力した情報により特定する医療機器教育・研修情報特定手段と、医療機器教育・研修情報特定手段で特定した医療機器教育・研修情報を医療機器教育・研修情報記録部から取得する医療機器教育・研修情報取得手段と、取得した医療機器教育・研修情報を利用者端末の画像表示部へ表示する医療機器教育・研修情報表示手段と、利用者が必要に応じて文字入力装置および/または音声入力装置にて、画像表示部に表示された医療機器教育・研修情報にしたがって入力した情報を医療機器教育・研修情報記録部へ記録する医療機器教育・研修実施情報記録手段と、利用者端末の文字入力装置および/または音声入力装置にて利用者が入力した情報により特定する医療機器教育・研修実施情報特定手段と、医療機器教育・研修実施情報特定手段で特定した医療機器に関する情報を医療機器教育・研修情報記録部から取得する医療機器教育・研修実施情報取得手段と、取得した医療機器教育・研修実施情報を画像表示部へ表示する医療機器教育・研修実施情報表示手段有する請求項1または2の情報共有システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器利用者へ各種医療機器情報を提供する医療機器(医療器具及び介護機器を含む。以下同じ。)に関する情報共有システムであり、医療従事者や医療機器を利用する患者やその家族、介護者等へ医療機器に関する情報を提供し、かつ医療機器利用者から情報提供を受けて医療機器に関する情報を拡充して共有することができる医療機器等に関する情報共有システムを提供する。
【背景技術】
【0002】
医療の現場では種々の医療機器が使用されており、メスやピンセットなどの小型のものから心臓ペースメーカー、放射線治療装置などの大型のものまで多種多様な機器が存在する。
【0003】
使用方法は機器ごとに異なり、取扱説明書が添付されているものの、紙ベースであってかつそのページ数は膨大で、機器取扱いの習得は容易でなく、しかも医療の現場において機器の操作方法の誤りは人の生命身体に直接的かつ重大な影響を及ぼす危険があることから、医療機器を使用する際には相当程度の知識と経験が不可欠とされる。
【0004】
もっとも、医療機器に関する教育、研修は、ごく基本的な機器の使用方法等については、看護学校や病院等の医療機関で実施されるものの、場合によってはその質や頻度が不十分であることも少なくないため、医療従事者等が安心・安全かつ適切に医療機器を操作できるようになるための仕組みが求められていた。
【0005】
この点に関して、近年では、医療機器に関する情報を提供するサービスやシステムが開発され、例えば、初心者、初級者、中級者、上級者等の異なるレベルの操作者であっても使い易い医療機器情報提供装置(特許文献1)、故障時に必要な処置を容易に把握できる医療機器情報共有システム(特許文献2)が開示されている。
【0006】
また、従来の医療機器に関する情報を提供するサービスやシステムは、特定の医療機関で内部のみを対象に運用している場合が多く、その場合外部の医療従事者は利用できなかった。
【0007】
医療従事者以外にも、医療機器を利用する患者、その家族、介護者は、医療機器に関する情報を必要としており、同様に、その情報を入手することは困難な状況にある。
【0008】
一方、医療機器メーカーや臨床工学技士等の医療機器専門家のもとには医療機器に関する情報や、トラブル、インシデント等への対応方法に関する多くの知見の蓄積があるものの、医療機器を利用する医療従事者、患者、その家族、介護者と直接接する機会は少なく、一般の医療機器利用者からの医療機器に関するトラブル、インシデント等に関する問い合わせを受けたり、その情報を共有することは一般的ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2012-14407号公報
【特許文献2】国際公開第2017/216929 号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は、医療従事者、患者、その家族、介護者その他医療機器を使用する者へ即時かつ容易に必要な情報を提供するとともに、使用者からの疑問・質問への回答、トラブルやインシデント情報を共有することができる情報共有システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するための手段として、本発明情報共有システムは、以下の構成を具備してなるものである。
【0012】
(1)文字入力装置および/または音声入力装置、撮像装置、通信部、及び画像表示部を備える利用者端末と、少なくとも通信部及び画像生成部を備えるサーバー・コンピューターとを含む医療機器等に関する情報共有システムであって、前記利用者端末及びサーバー・コンピューターは、インターネット等の電気通信回線を通じて相互に接続され、前記サーバ―・コンピューターは、医療機器取扱情報記録部と、医療機器使用者等情報記録部と、医療機器教育・研修情報記録部を有し、利用者は、利用者端末を操作してサーバー・コンピューターの医療機器取扱情報記録部、医療機器使用者等情報記録部および医療機器教育・研修情報記録部に記録された各情報を利用者端末の画像表示部へ表示することができる医療機器等に関する情報共有システム。
【0013】
(2)前記サーバ―・コンピューターは、さらに利用者端末の撮像装置で撮影した医療機器の画像解析、利用者端末の文字入力装置および/または音声入力装置で入力した情報、により機種を特定する医療機器特定手段と、医療機器特定手段にて特定した医療機器に関する情報を医療機器取扱情報記録部から取得する医療機器取扱情報取得手段と、取得した医療機器に関する情報を利用者端末の画像表示部に表示する医療機器取扱情報表示手段とを有する(1)に記載の医療機器等に関する情報共有システム。
【0014】
(3)前記サーバ―・コンピューターは、さらに利用者端末の文字入力装置および/または音声入力装置にて利用者が入力した情報を医療機器使用者等情報記録部へ記録する医療機器使用者等情報記録手段と、利用者端末の撮像装置で撮影した医療機器の画像解析、利用者端末の文字入力装置および/または音声入力装置で入力した情報、により機種を特定する医療機器特定手段を利用して特定した医療機器に関する情報を医療機器使用者等情報記録部から取得する医療機器使用者等情報取得手段と、取得した医療機器使用者等情報を利用者端末の画像表示部に表示する医療機器使用者等情報表示手段を有する(1)または(2)記載の医療機器等に関する情報共有システム。
【0015】
(4)前記サーバ―・コンピューターは、さらに利用者端末の文字入力装置および/または音声入力装置にて利用者が入力した情報により特定する医療機器教育・研修情報特定手段と、医療機器教育・研修情報特定手段で特定した医療機器教育・研修情報を医療機器教育・研修情報記録部から取得する医療機器教育・研修情報取得手段と、取得した医療機器教育・研修情報を利用者端末の画像表示部へ表示する医療機器教育・研修情報表示手段と、利用者が必要に応じて文字入力装置および/または音声入力装置にて、画像表示部に表示された医療機器教育・研修情報にしたがって入力した情報を医療機器教育・研修情報記録部へ記録する医療機器教育・研修実施情報記録手段と、利用者端末の文字入力装置および/または音声入力装置にて利用者が入力した情報により特定する医療機器教育・研修実施情報特定手段と、医療機器教育・研修実施情報特定手段で特定した医療機器に関する情報を医療機器教育・研修情報記録部から取得する医療機器教育・研修実施情報取得手段と、取得した医療機器教育・研修実施情報を画像表示部へ表示する医療機器教育・研修実施情報表示手段と、を有する(1)~(3)のいずれかに記載の医療機器等に関する情報共有システム。
【0016】
上記の構成により、医療機器利用者は本発明の情報共有システムの利用者端末を使用していつでも医療機器情報を検索し、医療機器に関する使用方法、トラブル対応等を確認することができる。
【0017】
また、本発明の情報共有システムの利用者は、医療機器に関する疑問、質問、トラブル、インシデント等の情報をシステムへ記録して利用者間で当該情報を共有でき、医療機器専門家等からの回答や参考情報を入手することができる。
【0018】
また、本発明の情報共有システムの利用者は、医療機器に関する教育・研修を受講することができ、医療機器に関する知識・スキルを向上することができる。
【発明の効果】
【0019】
医療機器の利用者は本発明の情報共有システムを使用して医療機器に関する情報をいつでも入手可能で、医療機器に関する疑問、質問、トラブル、インシデント等の情報を共有することができ、入手した情報や質問への回答等により医療機器に関するインシデント等の問題を速やかに解決できる可能性が高くなる。
【0020】
上記に加え、医療機器の利用者は、本発明の情報共有システムの医療機器教育・研修情報を利用して医療機器の知識・スキルを向上することができることから、医療機器使用によるトラブル、事故等を予防して安全に医療機器を使用できる可能性が高くなる。
【0021】
また、利用者固有の医療機器教育・研修実施情報等を利用して、医療従事者等の効率的な教育、人材マッチング等へ応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】医療機器等に関する情報共有システムの1例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明するが、本発明の一例を示すものであって、本発明の技術的範囲はこれらに限られるものではない。
【実施例0024】
図1に示す通り、本発明の医療機器等に関する情報共有システム1は、サーバー・コンピューター2およびモニター3等を備える。
【0025】
サーバー・コンピューター2は通信部を備え、インターネット回線4を通じて、同様に通信部を備える利用者端末5と相互に接続される。
【0026】
サーバー・コンピューター2は、医療機器に関連する情報をハードディスク、ストレージ等の記憶装置内に設定した医療機器取扱情報記録部、医療機器使用者等情報記録部、医療機器教育・研修情報記録部へ記録することができる。
【0027】
なお、本発明の医療機器取扱情報記録部、医療機器使用者等情報記録部、医療機器教育・研修情報記録部は、本発明の情報共有システムの構成、必要となる機能、情報量等によって、統合、分割、独立等させて運用することができる。
【0028】
利用者端末5は、サーバー・コンピューター2とインターネット回線4を通じて通信可能で、医療従事者等の本発明の情報共有システムの利用者が操作する端末である。
【0029】
利用者端末5は、従来端末として利用されているものを使用することができ、例えば、携帯電話、携帯情報端末、タブレット端末、パーソナルコンピューター、ヘッドマウントディスプレイ等を使用することができる。
【0030】
利用者端末5は、医療機器を撮影することができるカメラ6を含む撮像装置を備える。
【0031】
利用者端末5は、前記撮像装置にて医療機器の写真、動画、静止画等を撮影し、画像データとして端末内の適宜の記憶領域に記録する。
【0032】
利用者端末5は、記録した画像データをサーバー・コンピューター2へ送信する。
【0033】
サーバー・コンピューター2は、受信した画像を記憶装置に記録する。
【0034】
サーバー・コンピューター2は、記録した医療機器の画像をもとに、画像生成部にて医療機器の画像データを作成する。
【0035】
サーバー・コンピューター2は、上記画像データの画像解析結果や、利用者端末の文字入力装置、音声入力装置等で入力したキーワード等の情報による検索結果等を利用して医療機器特定手段により医療機器を特定する。
【0036】
サーバー・コンピューター2は、医療機器特定手段によって特定された医療機器に関する情報を、記憶装置内に設定した医療機器取扱情報記録部、医療機器使用者等情報記録部、医療機器教育・研修情報記録部から読み出して利用者端末5へ送信する。
【0037】
利用者端末5は、サーバー・コンピューター2から受信した医療機器に関する情報を画像表示部7へ表示する。
【0038】
上記により、本発明の情報共有システム1の利用者は、必要とするときに医療機器に関する情報を利用者端末5の画像表示部7へ適宜表示させることが可能である。
【0039】
本発明(2)において、サーバー・コンピューター2は、上記医療機器特定手段により特定した医療機器に関する医療機器取扱情報を、医療機器取扱情報記録部から、医療機器取扱情報取得手段にて取得する。
【0040】
医療機器取扱情報とは、医療機器の使用方法、操作方法、使用目的、効能、効果、使用上の注意、アラーム情報、使用時における患者の状況、トラブル事例、トラブルへの対応方法等の動画、文章、写真等の様々な医療機器の取扱いに関する情報である。トラブル対応動画は、AR機器との組合せによって、使用者が現実に見る医療機器に重ねて表示することで、より簡易かつ具体的に分かりやすく使用者に対処方法を提示するように構成することも可能である。これらの取扱情報の提供主体としては、医療従事者等の機器使用者に加え、機器メーカーも含まれる。
【0041】
サーバー・コンピューター2は、取得した医療機器取扱情報を通信部から利用者端末5へ送信し、利用者端末5は画像表示部7においてこれを表示する。
【0042】
なお、医療機器取扱情報表示手段および画像表示部7は、さらに医療機器に関連する使用履歴、故障歴、メンテナンスの連絡先電話番号等の情報を表示する構成でもよい。
【0043】
上記により、医療機器利用者は、必要な医療機器の取扱いに関する情報を必要なときに利用者端末5の画像表示部7へ表示させることができる。
【0044】
本発明(3)において、医療機器利用者は、利用者端末5の文字入力装置、音声入力装置等を利用して、医療機器の使用感、疑問、質問、トラブル、インシデント等の情報を利用者端末5へ入力する。
【0045】
利用者端末5は、上記入力した情報をサーバー・コンピューター2へ送信する。
【0046】
サーバー・コンピューター2は、受信した情報を医療機器使用者等情報記録手段により医療機器使用者等情報記録部へ記録する。
【0047】
一方、医療機器専門家は、文字入力装置、音声入力装置等を利用して、医療機器利用者からの疑問、質問、トラブル、インシデント等に対する回答、助言、その他の参考情報等をサーバー・コンピューター2へ付与する。
【0048】
上記情報の記録にともない、利用者等からの情報が医療機器使用者等情報記録部へ記録されたことを利用者端末5へ通知したり、記録された内容を利用者端末の画像表示部7へ表示する等の機能を追加してもよい。
【0049】
上記の医療機器使用者等情報記録部の情報を閲覧等する場合は、まず閲覧等の対象となる医療機器について利用者端末5の文字入力装置、音声入力装置等で入力したキーワード等の情報によって検索して特定する等の医療機器特定手段によって特定する。
【0050】
サーバー・コンピューター2は、利用者が医療機器特定手段で特定した医療機器に関する医療機器使用者等情報を、医療機器使用者等情報記録部から、医療機器使用者等情報取得手段にて取得する。
【0051】
サーバー・コンピューター2は、取得した医療機器使用者等情報を医療機器使用者等情報表示手段にて利用者端末5へ送信し、利用者端末5の画像表示部7に表示する。
【0052】
なお、医療機器使用者等情報表示手段および画像表示部7は、当該情報に加えて、当該医療機器の医療機器取扱情報、および/または当該医療機器に関連する使用履歴、故障歴、メンテナンスの連絡先電話番号等の情報を表示する構成でもよい。
【0053】
上記により、医療機器利用者は、医療機器に関する他の利用者から提供された情報、医療機器専門家から提供された情報を必要なときに利用者端末5の画像表示部7へ表示させることができ、また医療機器にかかる質問、疑問、トラブル情報、インシデント情報等を本発明の情報共有システム1へ提供して他の利用者と情報共有を図ることができる。
【0054】
また、医療機器利用者が閲覧等の対象となる医療機器について利用者端末5の文字入力装置、音声入力装置等で入力する際に、利用者端末のチャット機能(チャットアプリ)、サーバー・コンピューターに設定したチャットボットによる自動応答機能を利用して、チャットを通じて必要な情報を特定し、または医療機器特定手段を経由して、前記医療機器使用者等情報を特定することが可能である。
【0055】
上記チャットボット自動応答機能を利用することにより、医療機器利用者は、必要最低限の情報、やり取りを通じて簡単に医療機器に関する情報を利用者端末5の画像表示部7に表示することが可能である。
【0056】
また、医療機器特定手段やチャットボット自動応答機能において医療機器利用者が特定した医療機器に関する質問やその関連情報、医療機器専門家からの回答やその関連情報を抽出し一覧化してサーバー・コンピューターの記憶装置に保存し、Q&A集として利用者端末5に表示する機能を有してもよい。
【0057】
さらにまた、上記の医療機器特定手段やチャットボット自動応答機能による医療機器に関する情報、Q&A集にて求める情報が得られなかった医療機器利用者に対して、医療機器専門家等への問い合わせ先情報を利用者端末5の画像表示部7に表示して、電話、メール、その他オンライン通信機能等による問い合わせを可能とする機能を有してもよい。
【0058】
上記チャットボット自動応答機能、Q&A集、オンライン通信機能等の複数の問い合わせ手段を有することにより、医療機器利用者は、必要に応じて情報入手手段を選択することができ、定型的で簡単な情報はチャット、問い合わせが多数発生して情報が蓄積されているものはQ&A集、定型的な情報では不十分な場合はオンライン通信機能等による問い合わせ手段を適宜利用することができる一方、医療機器専門家等は対応をオンライン通信機能等による問い合わせへ集中でき、負担が軽減されるため、本発明の情報共有システム1の双方の利用者にとって有益である。
【0059】
本発明(4)において、サーバー・コンピューター2は、利用者が医療機器特定手段で特定した医療機器に関する医療機器教育・研修情報を、その記憶装置内に記録した医療機器教育・研修情報記録部から、医療機器教育・研修情報取得手段にて取得する。
【0060】
医療機器教育・研修情報とは、医療機器利用者向けの医療機器に関する教育・研修資料、データ、利用者の研修状況、修了証発行の有無、その他本発明の情報共有システム利用者の教育、研修に関する情報である。
【0061】
サーバー・コンピューター2は、取得した医療機器教育・研修情報を医療機器教育・研修情報表示手段にて利用者端末5へ送信し、利用者端末5の画像表示部7に表示する。
【0062】
なお、医療機器教育・研修情報表示手段および画像表示部7は、当該情報に加えて、本発明の情報共有システム1の医療機器利用者全般の教育・研修実施状況、教育・研修プログラムごとの利用者の順位、獲得ポイント、成績上位者、その他教育、研修に関する情報を表示する構成でもよい。従来は医療機器の取扱スキルに関する技量が把握しにくかったところ、斯かる構成によれば、客観的に基準に基づく指標によって履修状況を表すことが可能となり、かつ、医療従事者に関しては病院横断的に技量のレベルに関する情報を利用することも可能となる。
【0063】
本発明の情報共有システム1は、サーバー・コンピューター2と利用者端末5との通信機能を利用して、e-Learning等のオンライン研修手段によって利用者の学習管理を行うことも可能である。
【0064】
また、医療機器利用者は、画像表示部に表示された医療機器教育・研修情報にしたがって、利用者端末5の文字入力装置、音声入力装置等を利用して、研修の結果や研修受講記録等の研修状況、修了証発行の有無、その他利用者の技能・訓練の情報を利用者端末5へ入力する。
【0065】
利用者端末5は、上記入力した情報をサーバー・コンピューター2へ送信する。
【0066】
サーバー・コンピューター2は、受信した情報を医療機器教育・研修実施情報記録手段により医療機器教育・研修情報記録部へ、医療機器教育・研修実施情報として記録する。
【0067】
上記の医療機器教育・研修実施情報を閲覧等する場合は、まず閲覧等の対象となる医療機器利用者等について利用者端末5の文字入力装置、音声入力装置等で入力したキーワード等の情報によって検索して特定する等の医療機器教育・研修実施情報特定手段によって特定する。
【0068】
サーバー・コンピューター2は、利用者が医療機器教育・研修実施情報特定手段で特定した医療機器に関する医療機器教育・研修実施情報を、医療機器教育・研修情報記録部から、医療機器教育・研修実施情報取得手段にて取得する。
【0069】
サーバー・コンピューター2は、取得した医療機器教育・研修実施情報を医療機器教育・研修実施情報表示手段にて利用者端末5へ送信し、利用者端末5の画像表示部7に表示する。
【0070】
上記により、医療機器利用者は、医療機器に関する教育・研修をいつでも本発明の情報共有システム1で受講することができ、その状況を医療機器教育・研修情報記録部へ記録することができる。
【0071】
上記の記録は、利用者端末5にていつでも確認でき、医療機関を異動するなど所属が変わっても再登録等することなく利用を継続できる。
【0072】
また、上記の教育・研修実施情報についても、本発明の情報共有システム1の利用者であれば誰でも上記手段により閲覧することが可能であることから、利用者にとって医療機器の教育・研修を受講するやる気につながり、また、他の利用者に自分の知識、経験、習熟度等を開示することができることに加え、さらに医療者免許番号と修了状況を紐づけることで効率的な教育や人材マッチングにも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明の新規医療機器等に関する情報共有システムは、特定の医療従事者に限らず患者等の一般の医療機器利用者もアクセス可能であり、必要な時にいつでも医療機器に関する情報を入手でき、医療機器の専門家とインシデント情報等を共有でき、さらに医療機器に関する知識・スキルを向上することができるため、当該情報共有システムを利用することにより医療機器利用者は医療機器を正しく安全に使用することができる。
【0074】
上記に加え、利用者の医療機器教育・研修実施情報等を利用して、医療従事者の効率的な教育、人材マッチング等への応用が可能であり、将来的に医療機器情報検索に関する機能、医療機器情報を記録する機能を拡充させることによる医療機器を管理するシステムへの発展も可能である。
図1