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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038970
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】エレベータかご装置及びエレベータ
(51)【国際特許分類】
   B66B 5/22 20060101AFI20240313BHJP
   B66B 11/02 20060101ALI20240313BHJP
   B66B 5/00 20060101ALI20240313BHJP
【FI】
B66B5/22 Z
B66B11/02 C
B66B5/00 G
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004491
(22)【出願日】2023-01-16
(31)【優先権主張番号】P 2022143046
(32)【優先日】2022-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】片山 知
(72)【発明者】
【氏名】井上 祐紀
(72)【発明者】
【氏名】廣畑 圭司朗
【テーマコード(参考)】
3F304
3F306
【Fターム(参考)】
3F304BA24
3F304DA47
3F304DA49
3F304DA51
3F306AA11
3F306CB06
3F306CB60
(57)【要約】
【課題】 かごをかごレールに停止することができるエレベータかご装置を提供する。
【解決手段】 エレベータかご装置は、かごレールに案内されることによって上下方向に走行するエレベータかご装置であって、かごと、かごに取り付けられてかごと共に移動し、かごを前記かごレールに停止させる停止装置と、を備え、停止装置は、かごに固定される停止固定部と、停止固定部と協働してかごをかごレールに停止させる停止位置と、停止位置よりも下方である待機位置と、の間で、停止固定部に対して可動である停止可動部と、停止可動部を待機位置から停止位置へ移動させるために、退避位置から動作位置へ移動する動作部と、動作部を動作位置から退避位置へ戻すために、自ら駆動を発生させることによって動作部に力を加える駆動源と、を備える。
【選択図】 図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
かごレールに案内されることによって上下方向に走行するエレベータかご装置であって、
かごと、
前記かごに取り付けられて前記かごと共に移動し、前記かごを前記かごレールに停止させる停止装置と、を備え、
前記停止装置は、
前記かごに固定される停止固定部と、
前記停止固定部と協働して前記かごを前記かごレールに停止させる停止位置と、前記停止位置よりも下方である待機位置と、の間で、前記停止固定部に対して可動である停止可動部と、
前記停止可動部を前記待機位置から前記停止位置へ移動させるために、退避位置から動作位置へ移動する動作部と、
前記動作部を前記動作位置から前記退避位置へ戻すために、自ら駆動を発生させることによって前記動作部に力を加える駆動源と、を備える、エレベータかご装置。
【請求項2】
前記停止可動部に接続され、前記停止可動部に力を伝達する伝達部をさらに備え、
前記動作部は、前記伝達部と分離されており、前記退避位置から前記動作位置へ移動することによって、前記伝達部を押す、請求項1に記載のエレベータかご装置。
【請求項3】
前記駆動源は、前記停止可動部が前記停止位置に位置するときに、前記動作部を前記動作位置から前記退避位置へ戻すことによって、前記動作部を前記伝達部から離す、請求項2に記載のエレベータかご装置。
【請求項4】
前記動作部が前記退避位置から前記停止位置へ移動することを阻止する阻止状態と、当該阻止を解除する解除状態と、に切り替え可能な阻止部をさらに備え、
前記駆動源は、前記阻止部を介して、前記動作部に力を加え、
前記阻止部は、前記動作部が前記動作位置から前記退避位置へ戻ったときに、前記阻止状態になる、請求項1~3の何れか1項に記載のエレベータかご装置。
【請求項5】
前記動作部は、処理装置が前記かごを停止させる停止指示の情報を取得し且つ前記かごの走行速度が設定速度以下であるときに、前記退避位置から前記動作位置へ移動する、請求項1~3の何れか1項に記載のエレベータかご装置。
【請求項6】
請求項1~3の何れか1項に記載のエレベータかご装置と、
前記エレベータかご装置を案内するかごレールと、を備える、エレベータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、エレベータかご装置及びエレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、エレベータは、上下方向に走行するエレベータかご装置を備えている。そして、エレベータかご装置のかごは、所定の位置(例えば、乗場の床の位置等)で停止される(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1に係るエレベータにおいては、エレベータかご装置に設けられた第1係合部が、昇降路に設けられた第2係合部と係合することによって、エレベータかご装置は、所定の位置(例えば、乗場の床の位置等)で停止される。ところで、エレベータかご装置を案内するかごレールに、かごを停止させたいという要望がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-343678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、課題は、かごをかごレールに停止することができるエレベータかご装置及びエレベータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
エレベータかご装置は、かごレールに案内されることによって上下方向に走行するエレベータかご装置であって、かごと、前記かごに取り付けられて前記かごと共に移動し、前記かごを前記かごレールに停止させる停止装置と、を備え、前記停止装置は、前記かごに固定される停止固定部と、前記停止固定部と協働して前記かごを前記かごレールに停止させる停止位置と、前記停止位置よりも下方である待機位置と、の間で、前記停止固定部に対して可動である停止可動部と、前記停止可動部を前記待機位置から前記停止位置へ移動させるために、退避位置から動作位置へ移動する動作部と、前記動作部を前記動作位置から前記退避位置へ戻すために、自ら駆動を発生させることによって前記動作部に力を加える駆動源と、を備える。
【0007】
エレベータは、前記のエレベータかご装置と、前記エレベータかご装置を案内するかごレールと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係るエレベータの概要図
図2】同実施形態に係るエレベータかご装置の底面図
図3】同エレベータかご装置の要部正面図
図4】同実施形態に係る停止装置の要部正面図であって、停止可動部が待機位置に位置する状態を示す図
図5】同停止装置の要部正面図であって、停止可動部が停止位置に位置する状態を示す図
図6】同実施形態に係るエレベータかご装置の要部背面図
図7】同実施形態に係る停止装置の要部背面図であって、停止可動部が待機位置に位置する状態を示す図
図8】同停止装置の要部背面図であって、かごが設定過速度で走行した状態を示す図
図9】同停止装置の要部背面図であって、停止可動部が停止位置に位置する状態を示す図
図10】同停止装置の要部背面図であって、停止可動部が待機位置に位置する状態を示す図
図11】同停止装置の要部背面図であって、停止可動部が停止位置に位置する状態を示す図である。
図12】同停止装置の要部背面図であって、第2動作部が退避位置に位置する状態を示す図
図13】他の実施形態に係る停止装置の要部背面図であって、停止可動部が待機位置に位置する状態を示す図
図14】同停止装置の要部背面図であって、停止可動部が停止位置に位置する状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
各図面において、構成要素の寸法は、例えば、理解を容易にするために、実際の寸法に対して拡大、縮小して示す場合があり、また、各図面の間での寸法比は、一致していない場合がある。なお、各図面において、例えば、理解を容易にするために、構成要素の一部を省略して示す場合がある。
【0010】
第1、第2等の序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、構成要素は、この用語によって特に限定されるものではない。なお、序数を含む構成要素の個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよい場合がある。また、以下の明細書及び図面で用いられる序数は、特許請求の範囲に記載された序数と異なる場合がある。
【0011】
以下、エレベータ及びエレベータかご装置における一実施形態について、図1図14を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、エレベータ及びエレベータかご装置の構成等の理解を助けるために例示するものであり、エレベータ及びエレベータかご装置の構成を限定するものではない。
【0012】
図1及び図2に示すように、エレベータ1は、例えば、かご2と、かご2を上下方向D3に移動させるかご駆動部3と、上下方向D3へ延び、かご2を案内するかごレール4a~4dと、エレベータ1の全体を制御する処理装置5と、情報が入力される入力部6と、情報を出力する出力部7とを備えていてもよい。
【0013】
特に限定されないが、本実施形態においては、かご駆動部3は、リニアモータ3であって、エレベータ1は、リニアモータ式の駆動方式であり、例えば、かご2に接続されるロープ等を備えていない。なお、エレベータ1は、例えば、ロープ式の駆動方式である、という構成でもよく、また、例えば、油圧式の駆動方式である、という構成でもよい。
【0014】
各図において、第1方向D1は、水平方向と平行な方向である第1横方向D1であり、第2方向D2は、水平方向と平行な方向であって、且つ、第1横方向D1と直交する第2横方向D2であり、第3方向D3は、第1横方向D1及び第2横方向D2と直交する鉛直方向であって、上下方向D3である。なお、例えば、かご2に対して人が乗り降りする方向は、第1横方向D1としてもよい。
【0015】
入力部6は、図示していないが、例えば、かご2内及び乗場等に配置されて乗客に操作される操作盤と、保守員に操作される保守盤とを備えていてもよい。保守盤は、例えば、かご2外に常設されていてもよく、また、例えば、処理装置5等に電気的に着脱可能であってもよい。また、操作盤には、例えば、戸開閉指示情報、行先階指示情報、行先方向指示情報等が入力されてもよく、保守盤には、例えば、保守に関する情報(例えば、かご2の昇降指示情報等)が入力されてもよい。
【0016】
出力部7は、図示していないが、例えば、かご2内及び乗場等に配置される出力盤と、外部装置(例えば、中央監視装置等)へ向けて情報を送信する送信手段とを備えていてもよい。特に限定されないが、出力盤は、例えば、音声部(例えば、ブザー、スピーカ)、表示部(例えば、表示板、表示灯)等を備えていてもよい。
【0017】
処理装置5は、例えば、本実施形態のように、各情報(データ)を取得する取得部5aと、各情報を記憶する記憶部5bと、各情報を演算する演算部5cと、各部を制御する制御部5dとを備えていてもよい。取得部5aは、例えば、入力部6に入力されたり、外部装置(例えば、中央監視装置)等から送信された情報を受信したりすることによって、情報を取得してもよい。
【0018】
処理装置5は、例えば、一つの装置で構成されていてもよく、また、例えば、互いに通信可能な複数の装置で構成されていてもよい。具体的には、処理装置5の各部5a~5dは、例えば、一つの装置に備えられていてもよく、また、例えば、互いに通信可能な複数の装置に分散して備えられていてもよい。
【0019】
なお、処理装置5は、CPU及びMPU等のプロセッサ(例えば、演算部5c、制御部5d)、ROM及びRAM等のメモリ(例えば、取得部5a、記憶部5b)、各種インターフェイス(例えば、取得部5a)等を備えるコンピュータである。そして、メモリに格納されたプログラムをプロセッサが実行し、ソフトウェア及びハードウェアが協働することによって、処理装置5の各部5a~5dが実現されている。
【0020】
図1図3に示すように、かご駆動部3であるリニアモータ3は、例えば、本実施形態のように、昇降路に対して固定されるモータ固定子3aと、かご2に接続され、モータ固定子3aに対して可動であるモータ可動子3bとを備えていてもよい。そして、例えば、モータ可動子3bは、磁石を備え、モータ固定子3aは、磁石に上下方向D3の電磁力を与えるコイルを備えている、という構成でもよい。
【0021】
特に限定されないが、エレベータ1においては、例えば、本実施形態のように、リニアモータ3は、かご2を第2横方向D2で挟むように、備えられていてもよい。また、特に限定されないが、各リニアモータ3においては、例えば、本実施形態のように、モータ可動子3bは、上下方向D3に離れて備えられていてもよい。
【0022】
かご2は、例えば、本実施形態のように、かご室8a及びかご枠8bを有するかご本体部8と、モータ可動子3bに接続され、かごレール4a~4dに案内される第1及び第2かご案内部9,10と、かご案内部9,10とかご本体部8とを接続するかご接続部2aと、かご2の走行速度を検出する速度検出部11とを備えていてもよい。
【0023】
かご接続部2aは、例えば、本実施形態のように、かご案内部9,10がかご本体部8に対して可動となるように、かご案内部9,10とかご本体部8とを接続していてもよい。これにより、例えば、かご案内部9,10の振動をかご本体部8のかご室8aに伝達することを抑制することができる。特に限定されないが、かご接続部2aは、例えば、弾性部材(例えば、積層ゴム等)としてもよい。
【0024】
第1及び第2かご案内部9,10は、例えば、本実施形態のように、かご2を第2横方向D2で挟むように、配置されていてもよい。なお、本実施形態においては、一つのリニアモータ3に対して、モータ可動子3bが上下方向D3に離れて一対備えられているため、第1及び第2かご案内部9,10のそれぞれも、上下方向D3に離れて一対備えられていてもよい。
【0025】
かご案内部9,10は、例えば、本実施形態のように、かご接続部2aに固定される案内枠部9a,10aと、案内枠部9a,10aに接続され、かごレール4a~4dに案内される被案内部9b,10bとを備えていてもよい。特に限定されないが、被案内部9b,10bは、例えば、本実施形態のように、かごレール4a~4dに案内されるローラとしてもよい。
【0026】
また、特に限定されないが、ローラは、第1横方向D1でかごレール4a~4dに当たるローラと、第2横方向D2でかごレール4a~4dに当たるローラとを備えており、各ローラの回転軸の位置は、例えば、案内枠部9a,10aに対して不変であり、固定されている、という構成でもよい。これにより、かご案内部9,10がかごレール4a~4dに対して横方向D1,D2に移動することを抑制することができる。
【0027】
かごレール4a~4dの個数は、特に限定されず、例えば、二つでもよく、また、例えば、本実施形態のように、四つでもよい。具体的には、例えば、本実施形態のように、かごレール4a~4dは、第1かご案内部9を案内する第1及び第3かごレール4a,4cと、第2かご案内部10を案内する第2及び第4かごレール4b,4dとを含んでいてもよい。
【0028】
第1及び第3かごレール4a,4cと、第2及び第4かごレール4b,4dとは、かご2を挟むように、第2横方向D2で離れていてもよい。また、第1及び第3かごレール4a,4cは、例えば、第1横方向D1で離れていてもよく、また、第2及び第4かごレール4b,4dは、例えば、第1横方向D1で離れていてもよい。
【0029】
速度検出部11の構成は、特に限定されない。例えば、速度検出部11は、かごレール4aに上下方向D3に並べられる複数の被検出部(図示していない)を検出することによって、かご2の走行速度を検出してもよい。また、例えば、速度検出部11は、かごレール4a~4dに接する回転体(例えば、後述するガバナローラ22a)の回転を検出することによって、かご2の走行速度を検出してもよい。
【0030】
図2及び図3に示すように、エレベータ1は、例えば、本実施形態のように、かご2をかごレール4a~4dに停止させる停止装置12を備えていてもよい。そして、停止装置12は、例えば、本実施形態のように、かご2に取り付けられてかご2と共に移動してもよい。なお、かご2及び停止装置12を備える装置は、エレベータかご装置1aといい、エレベータかご装置1aは、かごレール4a~4dに案内されることによって上下方向D3に走行する。
【0031】
停止装置12は、例えば、本実施形態のように、複数の停止部13と、複数の停止部13が連動するように複数の停止部13に接続され、複数の停止部13へ力を伝達する伝達部14とを備えていてもよい。なお、本実施形態においては、停止装置12は、下方の第1及び第2かご案内部9,10に接続されているが、例えば、上方の第1及び第2かご案内部9,10に接続されていてもよい。
【0032】
停止部13の個数は、特に限定されず、例えば、二つでもよく、また、例えば、本実施形態のように、四つでもよく、かご2をかごレール4a~4dに停止できる個数であればよい。また、例えば、本実施形態のように、停止部13の個数は、かごレール4a~4dの個数と同じであってもよい。
【0033】
各停止部13は、例えば、本実施形態のように、かご案内部9,10に対して固定される停止固定部15と、伝達部14に接続され、停止固定部15に対して可動である停止可動部16とを備えていてもよい。停止可動部16は、例えば、停止固定部15と接することによって停止固定部15と協働してかご2を停止させる停止位置(図5参照)と、停止位置よりも下方の待機位置(図3及び図4参照)との間で、停止固定部15に対して可動であってもよい。
【0034】
伝達部14は、例えば、本実施形態のように、第1横方向D1を軸にして回転可能な第1及び第2軸14a,14bと、軸14a,14bに固定され、停止可動部16に回転可能に接続される第1~第4回転材14c~14fと、第1及び第2回転材14c,14dにそれぞれ回転可能に接続される長尺材14gとを備えていてもよい。これにより、各軸14a,14bが連動して回転することによって、各回転材14c~14fが連動して回転するため、各停止可動部16は、連動して上下方向D3へ移動する。
【0035】
停止装置12は、例えば、本実施形態のように、かご2の下方への走行加速度が設定過加速度以上であるときに停止可動部16を停止位置へ移動させる第1停止機構17と、第1かご案内部9と第2かご案内部10とにそれぞれ接続されるベース部18,18とを備えていてもよい。なお、伝達部14の第1及び第2軸14a,14bは、例えば、本実施形態のように、ベース部18に回転可能に接続されていてもよい。
【0036】
ここで、第1停止機構17の構成について、図4及び図5を参照しながら説明する。なお、第1停止機構17は、過加速度停止機構ともいう。また、第1停止機構17の構成は、以下の構成に限定されない。
【0037】
図4に示すように、第1停止機構17は、例えば、本実施形態のように、かご2の下方への走行加速度が設定過加速度以上であるときに停止可動部16を停止位置へ移動させるために、停止可動部16に上方への力を加える過加速度加力部19と、停止可動部16が待機位置に位置するときに、停止可動部16の重量を支持する支持部20とを備えていてもよい。
【0038】
停止可動部16は、例えば、本実施形態のように、楔状に形成される可動本体部16aと、可動本体部16aと伝達部14の回転材14c~14fとを接続する可動接続部16bとを備えていてもよい。そして、例えば、停止可動部16が停止位置に位置するときに、可動本体部16aが、停止固定部15と協働してかごレール4a~4dに加圧して接触することによって、かご2は、かごレール4a~4dに停止する、という構成でもよい。
【0039】
過加速度加力部19は、例えば、本実施形態のように、停止可動部16に上方への弾性復元力を加えるために、長尺材14gの長手方向に弾性変形する第1弾性体19aと、ベース部18に固定され、第1弾性体19aの第1端を保持する第1保持材19bと、長尺材14gに固定され、第1弾性体19aの第2端を保持する第2保持材19cとを備えていてもよい。
【0040】
これにより、第1弾性体19aの弾性復元力は、伝達部14によって、停止可動部16に伝達される。そして、過加速度加力部19は、伝達部14に接続されているため、停止可動部16に上方への力を加え続けている。特に限定されないが、第1弾性体19aは、例えば、本実施形態のように、弦巻ばねとしてもよい。
【0041】
なお、過加速度加力部19は、弾性復元力を加える第1弾性体19aではなく、例えば、電力を用いることなく停止可動部16に上方への力を加える部材(例えば、重力を加える錘等)を備えていてもよい。また、例えば、過加速度加力部19は、電力を用いて停止可動部16に上方への力を加える部材(例えば、モータ、電磁シリンダ等)を備えていてもよい。
【0042】
支持部20は、例えば、本実施形態のように、停止可動部16を直接的に下方から支持していてもよく、また、例えば、伝達部14を支持することによって、停止可動部16を間接的に支持していてもよい。これにより、停止可動部16が待機位置に位置するときに、支持部20が停止可動部16の重量を支持しているため、過加速度加力部19は、停止可動部16の一部の重量によって、弾性変形している。
【0043】
したがって、待機位置は、釣合位置よりも、上方の位置となっている。なお、釣合位置とは、かご2の加速度がゼロである場合に、停止可動部16の重量が過加速度加力部19の弾性復元量と釣り合う位置のことである。
【0044】
ここで、第1停止機構17の動作について、図4及び図5を参照しながら説明する。なお、第1停止機構17の動作は、以下の動作に限定されない。
【0045】
図4に示すように、例えば、かご2の加速度がゼロである場合に、過加速度加力部19の第1弾性体19aは、停止可動部16の重量(詳細には、伝達部14等の重量も含む)を受けることによって、収縮するように弾性変形する。それに対して、かご2が加速度を有して下方へ走行した場合には、停止可動部16に対して上方への慣性力(具体的には、停止可動部16の質量とかご2の移動加速度との積)が働く。
【0046】
これにより、停止可動部16の見掛けの重量(質量による重力と当該慣性力との合力)が、第1弾性体19aが停止可動部16に加える上方への弾性復元力よりも、小さくなった場合に、停止可動部16は、上方へ移動する。なお、停止可動部16の見掛けの重量が小さいほど、即ち、かご2の下方への走行加速度が大きいほど、第1弾性体19aの弾性復元量が大きくなるため、停止可動部16の位置は、上方になる。
【0047】
したがって、かご2の下方への走行加速度が基準加速度以上となることによって、停止可動部16は、待機位置から上方へ移動することになる。その結果、例えば、かご2の下方への走行加速度が基準加速度未満である場合に、停止可動部16が待機位置から移動することを抑制することができる。
【0048】
特に限定されないが、基準加速度は、例えば、かご2の定格加速度(通常運転時の最大加速度)よりも、大きくてもよく、例えば、重力加速度の10%としてもよい。これにより、かご2が通常運転しているときに、停止可動部16を待機位置で保持することができる。したがって、例えば、停止可動部16を不必要に上下方向D3に移動することを抑制することができる。
【0049】
また、例えば、かご2内で乗客が飛び跳ねた場合等に、かご2の下方への走行加速度は、瞬間的に、重力加速度の50%程度となることがある。そこで、基準加速度は、例えば、重力加速度の50%とすることが好ましい。これにより、例えば、かご2内で乗客が飛び跳ねた場合等に、停止可動部16が上下方向D3に移動することを抑制することができる。
【0050】
そして、かご2の下方への走行加速度が設定過加速度以上になった場合には、図5に示すように、停止可動部16は、停止位置まで上方へ移動する。これにより、停止可動部16は、停止固定部15と協働して、かご2をかごレール4a~4dに停止させる。
【0051】
したがって、かご2の下方への走行加速度が設定過加速度以上となった場合に、電気信号を用いることなく、停止装置12によってかご2をかごレール4a~4dに停止させることができる。なお、特に限定されないが、設定過加速度は、例えば、重力加速度の70%~90%としてもよい。
【0052】
ところで、本実施形態においては、第1及び第2かご案内部9,10は、かご接続部2aによって、かご本体部8に対して可動である(図3参照)。それに対して、図5に示すように、ベース部18は、例えば、本実施形態のように、第1かご案内部9に可動に接続される第1接続部18a(図11及び図12も参照)と、第2かご案内部10に回転可能に接続される第2接続部18b(図9も参照)とを備えていてもよい。
【0053】
これにより、第1及び第2かご案内部9,10がかご本体部8に対して移動した場合に、ベース部18がかご本体部8に対して移動するため、伝達部14も、かご本体部8に対して移動する。したがって、第1及び第2かご案内部9,10がかご本体部8に対して移動した場合でも、停止固定部15に対する停止可動部16の位置を適正にすることができる。
【0054】
特に限定されないが、ベース部18の第1接続部18aは、例えば、本実施形態のように、第1かご案内部9の被接続部9c(図11及び図12も参照)を内周面で案内する長尺な案内孔としてもよい。これにより、ベース部18の第1接続部18aは、第1かご案内部9に対して可動であり、しかも、ベース部18の第2接続部18bは、第2かご案内部10に対して回転可能となる。
【0055】
図6に示すように、停止装置12は、例えば、かご2の下方への走行速度が設定過速度以上であるときに、停止可動部16を停止位置へ移動させる第2停止機構21と、かご2の走行速度が設定速度以下であるときに、停止可動部16を停止位置へ移動させる第3停止機構30とを備えていてもよい。なお、設定過速度は、設定速度よりも速い。
【0056】
次に、第2停止機構21の構成について、図7を参照しながら説明する。なお、第2停止機構21は、過速度停止機構ともいう。なお、第2停止機構21の構成は、以下の構成に限定されない。
【0057】
図7に示すように、第2停止機構21は、例えば、かご2の走行速度を検出する調速部22と、停止可動部16が停止位置へ移動するように、停止可動部16に上方への力を加える過速度加力部23と、調速部22の検出に基づいて、過速度加力部23が停止可動部16に力を加えることを起動する起動部24とを備えていてもよい。
【0058】
調速部22は、例えば、本実施形態のように、第2かご案内部10に対して回転可能に接続されるガバナローラ22aと、ガバナローラ22aが回転することに伴って、公転軸を軸にして公転する錘22b,22bと、ガバナローラ22aと錘22bとを接続する錘接続部22cと、公転軸へ近づく方向への弾性復元力を錘22bに加える調速弾性部22dとを備えていてもよい。
【0059】
ガバナローラ22aは、例えば、本実施形態のように、第4かごレール4dに接するように配置されていてもよい。これにより、かご2が走行することに伴って、ガバナローラ22aは、回転する。したがって、かご2の走行速度が速いほど、錘22bに働く遠心力が大きくなるため、錘22bの位置は、公転軸から離れることになる。そして、かご2が設定過速度で走行した場合に、錘22bは、設定位置に位置する。
【0060】
なお、例えば、ガバナローラ22aは、かごレール4a~4dとは別のレールに接することによって、かご2の走行に伴って回転する、という構成でもよい。このように、特に限定されないが、本実施形態に係る停止装置12においては、ガバナロープがない調速部22、即ち、ガバナロープレスの調速部22とすることができる。また、錘接続部22cは、例えば、本実施形態のように、錘22bが公転軸から離れることに伴って、第2横方向D2に移動する調速移動部22eを備えていてもよい。
【0061】
また、例えば、本実施形態のように、伝達部14は、過速度加力部23から力を受けるために、第2軸14bに固定される第1係合部14hを備え、過速度加力部23は、退避位置(図7及び図8参照)から動作位置(図9参照)まで移動することによって第1係合部14hを押す第1動作部23aを備えている、という構成でもよい。これにより、過速度加力部23が、伝達部14から分離されているため、過加速度加力部19(図4及び図5参照)の力による伝達部14の動作、即ち、過加速度加力部19の力による停止可動部16の移動は、過速度加力部23によって阻害されない。
【0062】
過速度加力部23は、例えば、本実施形態のように、停止可動部16に弾性復元力を加えるために、第1動作部23aに弾性復元力を加える第2弾性体23bと、ベース部18に固定され、第2弾性体23bの第1端を保持する第3保持材23cと、第1動作部23aに固定され、第2弾性体23bの第2端を保持する第4保持材23dとを備えていてもよい。
【0063】
第2弾性体23bは、例えば、本実施形態のように、第1動作部23aが第1係合部14hに当たる第2横方向D2に、弾性変形してもよい。これにより、第2弾性体23bの第2横方向D2への弾性復元力が、第1動作部23aに加えられる。特に限定されないが、第2弾性体23bは、例えば、本実施形態のように、弦巻ばねとしてもよい。
【0064】
なお、過速度加力部23は、弾性復元力を加える第2弾性体23bではなく、例えば、電力を用いることなく停止可動部16に上方への力を加える部材(例えば、重力を加える錘等)を備えていてもよい。また、過速度加力部23は、例えば、電力を用いて停止可動部16に上方への力を加える部材(例えば、モータ、電磁シリンダ等)を備えていてもよい。
【0065】
起動部24は、例えば、本実施形態のように、第1動作部23aに回転可能に接続される第1回転部25と、第1回転部25の第1端部25aを当て止めする第1当止部26と、第1当止部26と協働して第1回転部25の回転を阻止するために、第1回転部25の第2端部25bを当て止めする第2回転部27と、第2回転部27の回転を阻止するために、第2回転部27を当て止めする回転阻止部28とを備えていてもよい。
【0066】
これにより、回転阻止部28が第2回転部27の回転を阻止し、第1当止部26と第2回転部27とが第1回転部25の回転を阻止することによって、第1動作部23aの動作は、阻止されている。一方、回転阻止部28が第2回転部27の回転の阻止を解除することによって、第1及び第2回転部25,27が回転可能になるため、第1動作部23aは、第2弾性体23bの弾性復元力によって、動作する。
【0067】
第2回転部27は、例えば、本実施形態のように、第1回転部25の第2端部25bを当て止めする第2当止部27aと、回転阻止部28に当て止めされる第1被当止部27bと、第2当止部27aと第1被当止部27bとの間に配置され、回転の軸となる軸部27cとを備えていてもよい。そして、各当止部26,27aは、例えば、本実施形態のように、第2弾性体23bが第1動作部23aに加える弾性復元力の方向と反対方向から、第1回転部25の端部25a,25bを当て止めしていてもよい。
【0068】
例えば、本実施形態のように、第1当止部26は、ベース部18に固定され、回転阻止部28は、調速移動部22eに固定されている、という構成でもよい。また、第2回転部27は、ベース部18に回転可能に接続されていてもよい。
【0069】
なお、例えば、本実施形態のように、第1及び第2回転部25,27のテコの原理によって、第2回転部27が回転阻止部28に加える力は、第2弾性体23bが第1動作部23aに加える力よりも、小さくなっていてもよい。これにより、第2回転部27と回転阻止部28との間に生じる摩擦力を小さくすることができるため、調速移動部22eの移動を円滑にすることができる。
【0070】
しかも、回転阻止部28は、例えば、本実施形態のように、第2回転部27の第1被当止部27bを上方から当て止めしていてもよい。これにより、回転阻止部28が第2回転部27の自重を受けないため、第2回転部27と回転阻止部28との間に生じる摩擦力をさらに小さくすることができる。したがって、調速移動部22eの移動をさらに円滑にすることができる。
【0071】
また、第1被当止部27bは、例えば、転動可能な転動体(例えば、ローラ)としてもよい。これにより、第2回転部27と回転阻止部28との間に生じる摩擦力を効率的に小さくすることができる。したがって、調速移動部22eの移動を効率的に円滑にすることができるため、例えば、調速部22でかご2の速度の検出を正確に行うことができる。
【0072】
ここで、第2停止機構21の動作について、図7図9を参照しながら説明する。なお、第2停止機構21の動作は、以下の動作に限定されない。
【0073】
まず、かご2の移動速度が設定過速度未満である場合には、図7に示すように、回転阻止部28が第2回転部27を当て止めしているため、第1及び第2回転部25,27の回転は、阻止されている。これにより、第2回転部27は、起動前位置に位置しており、停止可動部16は、待機位置に位置している。
【0074】
それに対して、例えば、かご2の下方への走行速度が設定過速度になり、図8に示すように、錘22bが設定位置まで移動したときに、回転阻止部28は、第2回転部27の当て止めを解除する位置まで第2横方向D2へ移動する。したがって、第1及び第2回転部25,27の回転が可能となる。
【0075】
これにより、図9に示すように、第2弾性体23bが復元するため、第1動作部23aは、退避位置から動作位置まで第2横方向D2に移動することによって、第1係合部14hを押して、第2弾性体23bの弾性復元力を第1係合部14hに加える。それに伴って、第2軸14bが回転するため、停止可動部16は、停止位置まで移動する。
【0076】
したがって、停止可動部16は、停止固定部15と協働して、かご2をかごレール4a~4dに停止させる。その結果、かご2の下方への走行速度が設定過速度以上で移動した場合に、電気信号を用いることなく、停止装置12によってかご2をかごレール4a~4dに停止させることができる。なお、特に限定されないが、設定過速度は、例えば、かご2の定格速度(通常運転時の最大速度)よりも大きくしてもよく、例えば、かご2の定格速度の110%~120%としてもよい。
【0077】
なお、かご2の走行速度が設定過速度未満である場合には、調速移動部22eが移動しても、過速度加力部23による力が停止可動部16に加えられないため、過加速度加力部19の力による停止可動部16の移動は、過速度加力部23によって阻害されない。即ち、過加速度加力部19による停止可動部16の移動は、過速度加力部23による停止可動部16の移動から、独立されている。これにより、例えば、停止可動部16が停止位置に位置するときの走行加速度が、設定過加速度からずれることを抑制することができる。
【0078】
また、かご2の走行速度が設定過速度で移動したときに、過速度加力部23が停止可動部16に力を加えることを開始して、停止可動部16を停止位置まで一気に移動させる。即ち、過速度加力部23による停止可動部16の移動は、過加速度加力部19による停止可動部16の移動から、独立されている。これにより、例えば、停止可動部16が停止位置に位置するときの走行速度が、設定過速度からずれることを抑制することができる。
【0079】
次に、第3停止機構30の構成について、図10図12を参照しながら説明する。なお、第3停止機構30は、通常停止機構ともいい、また、例えば、着床時停止機構や保守時停止機構ともいう。なお、第3停止機構30の構成は、以下の構成に限定されない。
【0080】
図10に示すように、第3停止機構30は、例えば、停止可動部16が停止位置へ移動するように、停止可動部16に上方への力を加える動作加力部31と、停止可動部16を停止位置から待機位置へ戻す復帰部32と、動作加力部31が停止可動部16に力を加えることを阻止する阻止部33とを備えていてもよい。
【0081】
また、例えば、本実施形態のように、伝達部14は、動作加力部31から力を受けるために、第1軸14aに固定される第2係合部14iを備え、動作加力部31は、動作することによって、第2係合部14iを押す第2動作部31aを備えている、という構成でもよい。これにより、動作加力部31は、伝達部14から分離されている。
【0082】
動作加力部31は、例えば、本実施形態のように、停止可動部16に弾性復元力を加えるために、第2動作部31aに弾性復元力を加える第3弾性体31bと、ベース部18に固定され、第3弾性体31bの第1端を保持する第5保持材31cと、第2動作部31aに固定され、第3弾性体31bの第2端を保持する第6保持材31dとを備えていてもよい。なお、第5保持材31cは、例えば、第2横方向D2へ延びる長尺な第2動作部31aを、第2横方向D2へ沿って案内するように構成されていてもよい。
【0083】
第3弾性体31bは、例えば、本実施形態のように、第2動作部31aが第2係合部14iに当たる第2横方向D2に、弾性変形してもよい。これにより、第3弾性体31bの第2横方向D2への弾性復元力が、第2動作部31aに加えられる。特に限定されないが、第3弾性体31bは、例えば、本実施形態のように、弦巻ばねとしてもよい。
【0084】
なお、動作加力部31は、例えば、弾性復元力を加える第3弾性体31bではなく、電力を用いることなく停止可動部16に上方への力を加える部材(例えば、重力を加える錘)を備えていてもよい。特に限定されないが、動作加力部31は、例えば、電力を用いることなく弾性復元力及び重力の少なくとも一方の力によって、停止可動部16に上方への力を加える、という構成でもよい。
【0085】
阻止部33は、例えば、本実施形態のように、電力が供給されるときに動作加力部31が停止可動部16に力を加えることを阻止し、且つ、電力の供給が停止されるときに当該阻止を解除してもよい。これにより、阻止部33は、第2動作部31aが退避位置から停止位置へ移動することを阻止する阻止状態と、当該阻止を解除する解除状態とに、切り替え可能である。なお、阻止部33の構成は、特に限定されない。
【0086】
阻止部33は、例えば、本実施形態のように、ベース部18に固定される電磁石33aと、電磁石33aの磁力によって吸引される磁性体33bと、磁性体33bが固定され、第2動作部31aの端部の第2被当止部31fを当て止めする第3当止部33cとを備えていてもよい。第3当止部33cは、例えば、本実施形態のように、長尺に形成され、ベース部18に対して回転可能であってもよい。
【0087】
復帰部32は、例えば、本実施形態のように、停止可動部16が停止位置に位置するときに、第2動作部31aを動作位置(図11参照)から退避位置(図10参照)へ戻すために第2動作部31aに力を加える復帰加力部32aを備えてもよい。これにより、停止可動部16が停止位置に位置するときに、第2動作部31aを伝達部14の第2係合部14iから離すことができる。
【0088】
なお、復帰加力部32aの構成は、特に限定されない。復帰加力部32aは、例えば、本実施形態のように、ベース部18に対して回転可能なプーリ32bと、自ら駆動を発生させる(自ら出力する)ことによって、プーリ32bを回転させる駆動源(例えば、モータ)32cと、駆動源32cの駆動をプーリ32bに伝達する伝達部材(例えば、ベルト、チェーン)32dとを備えていてもよい。なお、第3当止部33cは、例えば、本実施形態のように、プーリ32bの回転軸に連結されることによって、プーリ32bと一体となって回転してもよい。
【0089】
そして、例えば、本実施形態のように、第2動作部31aの第2被当止部31fが第3当止部33cに当たる位置は、伝達部材32dがプーリ32bに接続される位置よりも、プーリ32bの回転軸に近くてもよい。これにより、テコの原理によって、駆動源32cで必要となる駆動力を小さくすることができる。
【0090】
なお、第3当止部33cは、例えば、プーリ32b及び伝達部材32dを介することなく、駆動源32cの回転軸に直接連結されていてもよい。また、復帰加力部32aは、例えば、往復移動する駆動源(例えば、シリンダ)32cと、第3当止部33cが回転するように、第3当止部33cと駆動源32cとを接続するリンク部材とを備えていてもよい。
【0091】
そして、第3停止機構30は、例えば、本実施形態のように、第2動作部31aが退避位置に位置することを検出する第1位置検出部34と、第2動作部31aが動作位置に位置することを検出する第2位置検出部35とを備えていてもよい。なお、各位置検出部34,35の構成は、特に限定されず、各位置検出部34,35は、例えば、各種センサ(近接センサ、接触センサ、光電センサ)としてもよい。
【0092】
第1位置検出部34は、例えば、本実施形態のように、第3当止部33cの位置を検出することによって、第2動作部31aが退避位置に位置することを検出してもよい。なお、第1位置検出部34は、例えば、プーリ3bの所定部分、磁性体33b又は第2動作部31aの所定部分の位置を検出することによって、第2動作部31aが退避位置に位置することを検出してもよい。
【0093】
第2位置検出部35は、例えば、本実施形態のように、第3当止部33cの位置を検出することによって、第2動作部31aが動作位置に位置することを検出してもよい。なお、第2位置検出部35は、例えば、プーリ3bの所定部分、磁性体33b又は第2動作部31aの所定部分の位置を検出することによって、第2動作部31aが動作位置に位置することを検出してもよい。
【0094】
ここで、第3停止機構30の動作について、図10図12を参照しながら説明する。なお、第3停止機構30の動作は、以下の動作に限定されない。
【0095】
図10に示すように、阻止部33に電力が供給されていることによって、電磁石33aが磁性体33bを吸引しているため、第2動作部31aは、退避位置で保持される。これにより、阻止部33へ電力が供給されることによって、阻止部33は、動作加力部31が停止可動部16に力を加えることを阻止している。
【0096】
そして、例えば、入力部6(図1参照)に停止指示情報が入力され、処理装置5(図1参照)が停止信号を取得することによって、かご2を所定位置で停止させるために、かご2の走行速度が減速される。なお、入力部6に入力される停止指示情報は、特に限定されない。
【0097】
例えば、入力部6が操作盤であって、所定位置は、乗客がかご2に乗り降りするための乗場の床の位置であってもよい。即ち、かご装置1aが着床するための停止の指示であってもよい。また、例えば、入力部6が保守盤であって、所定位置は、保守作業を行うための所望の保守位置であってもよい。即ち、エレベータ1を保守するための停止の指示であってもよい。
【0098】
その後、例えば、速度検出部11(図1参照)によって、かご2の走行速度が設定速度以下(例えば、ゼロ)と検出される。これにより、阻止部33への電力の供給が停止されるため、阻止部33は、動作加力部31による停止可動部16への加力の阻止を、解除する。なお、このとき、駆動源32cの駆動が発生していないため、プーリ32bは、自由に回転可能である。
【0099】
これにより、図11に示すように、第3弾性体31bが復元するため、第2動作部31aは、第2横方向D2に移動することによって、第2係合部14iを押して、第3弾性体31bの弾性復元力を第2係合部14iに加える。それに伴って、第1軸14aが回転し、第2動作部31aが動作位置まで移動することによって、停止可動部16は、停止位置まで移動する。
【0100】
そして、第2位置検出部35が、第3当止部33cを介して第2動作部31aの位置を検出した後に、例えば、かご駆動部3(図1参照)の駆動を停止することによって、かご2は、自重によって、下方へ移動する。これにより、停止可動部16は、停止固定部15と協働して、かご2をかごレール4a~4dに停止させる。
【0101】
これにより、かご2の走行速度が設定速度以下であるときに、動作加力部31が停止可動部16に上方への力を加えて停止位置まで移動させるため、かご2をかごレール4a~4dに停止することができる。なお、特に限定されないが、設定速度は、例えば、定格速度の10%以下としてもよく、また、例えば、定格速度の5%以下としてもよい。
【0102】
ところで、例えば、停電等によって、阻止部33への電力の供給が停止された場合には、阻止部33への電力の供給が停止されるため、阻止部33が動作加力部31による停止可動部16への加力の阻止を解除し、しかも、動作加力部31が、電力を用いることなく、停止可動部16に上方への力を加えるため、停止可動部16は、停止位置へ移動する。これにより、例えば、停電等によって、電力の供給が停止された場合でも、かご2をかごレール4a~4dに停止することができる。
【0103】
一方で、図12に示すように、停止可動部16が停止位置に位置するときに、復帰加力部32aが阻止部33の第3当止部33cを介して第2動作部31aに力を加えることによって、第2動作部31aは、伝達部14の第2係合部14iから離れる。そして、第2動作部31aが動作位置から退避位置へ戻ったときに、阻止部33へ電力が供給されることによって、阻止部33は、第2動作部31aが退避位置から停止位置へ移動することを阻止する阻止状態になる。
【0104】
その後、第1位置検出部34が、第3当止部33cを介して第2動作部31aの位置を検出した後に、例えば、かご2は、上方へ移動する。これにより、停止可動部16が自重によって下方へ移動するため、停止可動部16は、待機位置に戻る。
【0105】
なお、例えば、乗客がかご2に乗り降りするために、かご2が乗場の床の位置に停止しているときには、第2位置検出部35が、第3当止部33cを介して第2動作部31aの位置を検出し、且つ、速度検出部11がかご2の停止(速度ゼロ)を検出した場合に、かご2の扉(図示していない)が開いていても、復帰部32により第2動作部31aを退避位置へ移動させてもよい。これにより、例えば、かご2の扉が閉まった後に、かご2の走行を円滑に開始することができる。
【0106】
[1]
以上より、エレベータかご装置1aは、本実施形態のように、かごレール4a~4dに案内されることによって上下方向D3に走行するエレベータかご装置1aであって、かご2と、前記かご2に取り付けられて前記かご2と共に移動し、前記かご2を前記かごレール4a~4dに停止させる停止装置12と、を備え、前記停止装置12は、前記かご2に固定される停止固定部15と、前記停止固定部15と協働して前記かご2を前記かごレール4a~4dに停止させる停止位置と、前記停止位置よりも下方である待機位置と、の間で、前記停止固定部15に対して可動である停止可動部16と、前記停止可動部16を前記待機位置から前記停止位置へ移動させるために、退避位置から動作位置へ移動する動作部(本実施形態においては、第2動作部)31aと、前記動作部31aを前記動作位置から前記退避位置へ戻すために、自ら駆動を発生させることによって前記動作部31aに力を加える駆動源32cと、を備える、という構成が好ましい。
【0107】
斯かる構成によれば、動作部31aが退避位置から動作位置へ移動することで、停止可動部16が停止位置へ移動するため、停止可動部16は、停止固定部15と協働して、かご2をかごレール4a~4dに停止させる。これにより、かご2をかごレール4a~4dに停止することができる。
【0108】
しかも、駆動源32cが、自ら駆動を発生させることによって、動作部31aに力を加えるため、動作部31aは、動作位置から退避位置へ戻る。これにより、他の駆動を必要とすることなく、駆動源32の駆動によって、動作部31aを退避位置へ戻すことができる。
【0109】
[2]
また、上記[1]のエレベータかご装置1aは、本実施形態のように、前記停止可動部16に接続され、前記停止可動部16に力を伝達する伝達部14をさらに備え、前記動作部(本実施形態においては、第2動作部)31aは、前記伝達部14と分離されており、前記退避位置から前記動作位置へ移動することによって、前記伝達部14を押す、という構成が好ましい。
【0110】
斯かる構成によれば、停止可動部16に力を伝達する伝達部14が、動作部31aと分離されており、動作部31aは、退避位置から動作位置へ移動することによって、伝達部14を押す。これにより、停止可動部16は、待機位置から停止位置へ移動する。
【0111】
[3]
また、上記[2]のエレベータかご装置1aにおいては、本実施形態のように、前記駆動源32cは、前記停止可動部16が前記停止位置に位置するときに、前記動作部(本実施形態においては、第2動作部)31aを前記動作位置から前記退避位置へ戻すことによって、前記動作部31aを前記伝達部14から離す、という構成が好ましい。
【0112】
斯かる構成によれば、停止可動部16が停止位置に位置するときに、駆動源32cが、動作部31aを動作位置から退避位置へ戻すことによって、動作部31aは、伝達部14から離れる。これにより、停止可動部16を待機位置に戻すことができる。
【0113】
[4]
また、上記[1]~[3]の何れか一つのエレベータかご装置1aは、本実施形態のように、前記動作部(本実施形態においては、第2動作部)31aが前記退避位置から前記停止位置へ移動することを阻止する阻止状態と、当該阻止を解除する解除状態と、に切り替え可能な阻止部33をさらに備え、前記駆動源32cは、前記阻止部33を介して、前記動作部31aに力を加え、前記阻止部33は、前記動作部31aが前記動作位置から前記退避位置へ戻ったときに、前記阻止状態になる、という構成が好ましい。
【0114】
斯かる構成によれば、阻止部33が阻止状態から解除状態へ切り替わることによって、動作部31aは、退避位置から停止位置へ移動する。そして、駆動源32cが、阻止部33を介して、動作部31aに力を加えることによって、動作部31aが動作位置から退避位置へ戻ったときに、阻止部33は、阻止状態になる。
【0115】
[5]
また、上記[1]~[4]の何れか一つのエレベータかご装置1aにおいては、本実施形態のように、前記動作部(本実施形態においては、第2動作部)31aは、処理装置5が前記かご2を停止させる停止指示の情報を取得し且つ前記かご2の走行速度が設定速度以下であるときに、前記退避位置から前記動作位置へ移動する、という構成が好ましい。
【0116】
斯かる構成によれば、処理装置5がかご2を停止させる停止指示の情報を取得し、且つ、かご2の走行速度が設定速度以下であるときに、動作部31aは、退避位置から動作位置へ移動する。これにより、停止可動部16は、待機位置から停止位置へ移動する。
【0117】
[6]
また、エレベータは、本実施形態のように、上記[1]~[5]の何れか一つのエレベータかご装置1aと、前記エレベータかご装置を案内するかごレールと、を備える、という構成が好ましい。
【0118】
斯かる構成によれば、かご2をかごレール4a~4dに停止することができる。
【0119】
[a1]
また、エレベータかご装置1aは、本実施形態のように、かごレール4a~4dに案内されることによって上下方向D3に走行するエレベータかご装置1aであって、かご2と、前記かご2に取り付けられて前記かご2と共に移動し、前記かご2を前記かごレール4a~4dに停止させる停止装置12と、を備え、前記停止装置12は、前記かご2に固定される停止固定部15と、前記停止固定部15と協働して前記かご2を前記かごレール4a~4dに停止させる停止位置と、前記停止位置よりも下方である待機位置と、の間で、前記停止固定部15に対して可動である停止可動部16と、前記かご2の走行速度が設定速度以下であるときに、前記停止可動部16を前記停止位置へ移動させるために、前記停止可動部16に上方への力を加える動作加力部31と、を備える、という構成が好ましい。
【0120】
斯かる構成によれば、かご2の走行速度が設定速度以下であるときに、動作加力部31は、停止可動部16に上方への力を加える。これにより、停止可動部16が停止位置へ移動するため、停止可動部16は、停止固定部15と協働して、かご2をかごレール4a~4dに停止させる。これにより、かご2の走行速度が設定速度以下であるときに、かご2をかごレール4a~4dに停止することができる。
【0121】
[a2]
また、上記[a1]のエレベータかご装置1aにおいては、本実施形態のように、前記停止装置12は、電力が供給されるときに前記動作加力部31が前記停止可動部16に力を加えることを阻止し、且つ、電力の供給が停止されるときに当該阻止を解除する阻止部33を備え、前記動作加力部31は、電力を用いることなく停止可動部16に上方への力を加える、という構成が好ましい。
【0122】
斯かる構成によれば、阻止部33へ電力が供給されるときに、阻止部33は、動作加力部31が停止可動部16に力を加えることを阻止する一方で、阻止部33への電力の供給が停止されるときに、阻止部33は、当該阻止を解除する。これにより、阻止部33への電力の供給が停止されることによって、かご2をかごレール4a~4dに停止することができる。
【0123】
また、例えば、停電等によって、阻止部33への電力の供給が停止された場合でも、動作加力部31が、電力を用いることなく、停止可動部16に上方への力を加えるため、停止可動部16は、停止位置へ移動する。これにより、例えば、停電等によって、電力の供給が停止された場合でも、かご2をかごレール4a~4dに停止することができる。
【0124】
[a3]
また、上記[a1]又は[a2]のエレベータかご装置1aにおいては、本実施形態のように、前記停止装置12は、前記停止可動部16に上方への力が加わることを解除して且つ前記停止可動部16を前記停止位置から前記待機位置へ戻す復帰部32を備える、という構成が好ましい。
【0125】
斯かる構成によれば、停止可動部16に上方への力が加わることが、解除されるため、停止可動部16は、停止位置から待機位置へ戻る。これにより、復帰部32によって、停止可動部16を待機位置へ戻すことができる。
【0126】
[a4]
また、上記[a1]~[a3]の何れか一つのエレベータかご装置1aにおいては、本実施形態のように、前記停止装置12は、前記停止可動部16に力を伝達する伝達部14を備え、前記動作加力部31は、前記伝達部14とは分離されて且つ前記伝達部14を押すことによって前記停止可動部16に上方への力を加える動作部(本実施形態においては、第2動作部)31aを備え、前記復帰部32は、前記停止可動部16が前記停止位置に位置するときに、前記動作部31aを前記伝達部14から離すために、前記動作部31aに力を加える復帰加力部32aを備える、という構成が好ましい。
【0127】
斯かる構成によれば、停止可動部16に力を伝達する伝達部14が、動作部31aと分離されており、動作部31aが伝達部14を押すことによって、停止可動部16に上方への力が加えられる。これにより、停止可動部16が停止位置へ移動するため、かご2は、かごレール4a~4dに停止する。
【0128】
一方で、停止可動部16が停止位置に位置するときに、復帰加力部32aが動作部31aに力を加えることによって、動作部31aは、伝達部14から離れる。これにより、停止可動部16を待機位置に戻すことができる。
【0129】
[a5]
また、上記[a1]~[a4]の何れか一つのエレベータかご装置1aにおいては、本実施形態のように、前記停止装置12は、前記かご2の下方への走行速度が前記設定速度よりも速い設定過速度以上であるときに前記停止可動部16を前記停止位置へ移動させるために、前記停止可動部16に上方への力を加える過速度加力部23を備える、という構成が好ましい。
【0130】
斯かる構成によれば、かご2の下方への走行速度が設定過速度以上であるときに、過速度加力部23は、停止可動部16に上方への力を加える。これにより、停止可動部16が停止位置へ移動するため、かご2は、かごレール4a~4dに停止する。したがって、かご2の下方への走行速度が設定過速度以上であるときにも、かご2をかごレール4a~4dに停止することができる。
【0131】
[a6]
また、上記[a1]~[a5]の何れか一つのエレベータかご装置1aにおいては、本実施形態のように、前記停止装置12は、前記かご2の下方への走行加速度が設定過加速度以上であるときに前記停止可動部16を前記停止位置へ移動させるために、前記停止可動部16に上方への力を加える過加速度加力部19を備える、という構成が好ましい。
【0132】
斯かる構成によれば、かご2の下方への走行加速度が設定過加速度以上であるときに、過加速度加力部19は、停止可動部16に上方への力を加える。これにより、停止可動部16が停止位置へ移動するため、かご2は、かごレール4a~4dに停止する。したがって、かご2の下方への走行加速度が設定過加速度以上であるときにも、かご2をかごレール4a~4dに停止することができる。
【0133】
[a7]
また、エレベータ1は、本実施形態のように、上記[a1]~[a6]の何れか一つのエレベータかご装置1aと、前記エレベータかご装置1aを案内するかごレール4a~4dと、を備える、という構成が好ましい。
【0134】
斯かる構成によれば、かご2の走行速度が設定速度以下であるときに、かご2をかごレール4a~4dに停止することができる。
【0135】
なお、エレベータ1及びエレベータかご装置1aは、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、エレベータ1及びエレベータかご装置1aは、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0136】
(A)上記実施形態に係るエレベータかご装置1aにおいては、阻止部33は、電力が供給されるときに動作加力部31が停止可動部16に力を加えることを阻止し、且つ、電力の供給が停止されるときに当該阻止を解除する、という構成である。しかしながら、エレベータかご装置1aは、斯かる構成に限られない。例えば、阻止部33は、電力の供給が停止されるときに動作加力部31が停止可動部16に力を加えることを阻止し、且つ、電力が供給されるときに当該阻止を解除する、という構成でもよい。
【0137】
(B)また、上記実施形態に係るエレベータかご装置1aにおいては、動作加力部31は、電力を用いることなく停止可動部16に上方への力を加える、という構成である。しかしながら、エレベータかご装置1aは、斯かる構成に限られない。
【0138】
例えば、動作加力部31は、電力を用いて停止可動部16に上方への力を加える、という構成でもよい。一例として、動作加力部31は、第3弾性体31bを備えておらず、駆動源32cの駆動によって、第2動作部31aを退避位置から動作位置まで移動させ、停止可動部16に上方への力を加え、且つ、駆動源32cの駆動によって、第2動作部31aを動作位置から退避位置まで移動させる、という構成でもよい。
【0139】
(C)また、上記実施形態に係るエレベータかご装置1aにおいては、復帰部32(駆動源32c)は、第2動作部31aを動作位置から退避位置へ戻すために、第2動作部31aに力を加える、という構成である。しかしながら、エレベータかご装置1aは、斯かる構成に限られない。
【0140】
例えば、復帰部32(駆動源32c)は、第1動作部23aを動作位置から退避位置へ戻すために、第1動作部23aに力を加える、という構成でもよい。また、例えば、エレベータかご装置1aは、第2動作部31aを動作位置から退避位置へ戻すために、第2動作部31aに力を加える復帰部32(駆動源32c)だけでなく、第1動作部23aを動作位置から退避位置へ戻すために、第1動作部23aに力を加える復帰部(駆動源)も備えている、という構成でもよい。
【0141】
(D)また、上記実施形態に係るエレベータかご装置1aにおいては、動作加力部31は、伝達部14とは分離されている、という構成である。しかしながら、エレベータかご装置1aは、斯かる構成に限られない。例えば、動作加力部31は、伝達部14とは分離されずに、接続されている、という構成でもよい。
【0142】
(E)また、上記実施形態に係るエレベータかご装置1aにおいては、停止装置12は、過速度加力部23及び過加速度加力部19を備えている、という構成である。しかしながら、エレベータかご装置1aは、斯かる構成に限られない。例えば、停止装置12は、過速度加力部23及び過加速度加力部19の少なくとも一方を備えていない、という構成でもよい。
【0143】
(F)また、上記実施形態に係るエレベータかご装置1aにおいては、動作加力部31が上方への力を加える停止可動部16は、過速度加力部23が上方への力を加える停止可動部16と、同じである、という構成である。しかしながら、エレベータかご装置1aは、斯かる構成に限られない。例えば、動作加力部31が上方への力を加える停止可動部16は、過速度加力部23が上方への力を加える停止可動部と、異なる、という構成でもよい。
【0144】
(G)また、上記実施形態に係るエレベータかご装置1aにおいては、動作加力部31が上方への力を加える停止可動部16は、過加速度加力部19が上方への力を加える停止可動部16と、同じである、という構成である。しかしながら、エレベータかご装置1aは、斯かる構成に限られない。例えば、動作加力部31が上方への力を加える停止可動部16は、過加速度加力部19が上方への力を加える停止可動部と、異なる、という構成でもよい。
【0145】
(H)また、上記実施形態に係るエレベータかご装置1aにおいては、復帰部32(駆動源32c)は、阻止部33を介して、第2動作部31aに間接的に力を加える、という構成である。しかしながら、エレベータかご装置1aは、斯かる構成に限られない。例えば、復帰部32(駆動源32c)は、第2動作部31aに直接的に力を加える、という構成でもよい。
【0146】
(I)また、エレベータかご装置1aにおいては、図13及び図14に示すように、第3停止機構30は、第3当止部33cの回転を規制する規制部36を備えている、という構成でもよい。なお、特に限定されないが、規制部36は、例えば、ベース部18に固定されていてもよい。斯かる構成によれば、図14に示すように、阻止部33が解除状態になったときに、第3当止部33cが規制部36に当たることによって、第3当止部33cが回転し過ぎることを規制することができる。
【0147】
(J)なお、例えば、特許請求の範囲、明細書及び図面において示したシステム、方法、プログラム、及び装置における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、前の処理の出力を後の処理で用いるものでない限り、任意の順序で実現できる。例えば、便宜上、「まず」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実行することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0148】
1…エレベータ、1a…エレベータかご装置、2…かご、2a…かご接続部、3…かご駆動部(リニアモータ)、3a…モータ固定子、3b…モータ可動子、4a…第1かごレール、4b…第2かごレール、4c…第3かごレール、4d…第4かごレール、5…処理装置、5a…取得部、5b…記憶部、5c…演算部、5d…制御部、6…入力部、7…出力部、8…かご本体部、8a…かご室、8b…かご枠、9…第1かご案内部、9a…案内枠部、9b…被案内部、9c…被接続部、10…第2かご案内部、10a…案内枠部、10b…被案内部、11…速度検出部、12…停止装置、13…停止部、14…伝達部、14a…第1軸、14b…第2軸、14c…第1回転材、14d…第2回転材、14e…第3回転材、14f…第4回転材、14g…長尺材、14h…第1係合部、14i…第2係合部、15…停止固定部、16…停止可動部、16a…可動本体部、16b…可動接続部、17…第1停止機構(過加速度停止機構)、18…ベース部、18a…第1接続部、18b…第2接続部、19…過加速度加力部、19a…第1弾性体、19b…第1保持材、19c…第2保持材、20…支持部、21…第2停止機構(過速度停止機構)、22…調速部、22a…ガバナローラ、22b…錘、22c…錘接続部、22d…調速弾性部、22e…調速移動部、23…過速度加力部、23a…第1動作部、23b…第2弾性体、23c…第3保持材、23d…第4保持材、24…起動部、25…第1回転部、25a…第1端部、25b…第2端部、26…第1当止部、27…第2回転部、27a…第2当止部、27b…第1被当止部、27c…軸部、28…回転阻止部、30…第3停止機構(通常停止機構)、31…動作加力部、31a…第2動作部、31b…第3弾性体、31c…第5保持材、31d…第6保持材、31f…第2被当止部、32…復帰部、32a…復帰加力部、32b…プーリ、32c…駆動源、32d…伝達部材、33…阻止部、33a…電磁石、33b…磁性体、33c…第3当止部、34…第1位置検出部、35…第2位置検出部、36…規制部、D1…第1横方向、D2…第2横方向、D3…上下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2024-02-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
かごレールに案内されることによって上下方向に走行するエレベータかご装置であって、
かごと、
前記かごに取り付けられて前記かごと共に移動し、前記かごを前記かごレールに停止させる停止装置と、を備え、
前記停止装置は、
前記かごに固定される停止固定部と、
前記停止固定部と協働して前記かごを前記かごレールに停止させる停止位置と、前記停止位置よりも下方である待機位置と、の間で、前記停止固定部に対して可動である停止可動部と、
前記停止可動部を前記待機位置から前記停止位置へ移動させるために、退避位置から動作位置へ移動する動作部と、
前記動作部を前記動作位置から前記退避位置へ戻すために、自ら駆動を発生させることによって前記動作部に力を加える駆動源と、を備える、エレベータかご装置であって、
前記動作部が前記動作位置に位置することを検出する位置検出部と、
前記かごの走行速度を検出する速度検出部と、をさらに備え、
前記駆動源は、前記位置検出部が前記動作部が前記動作位置に位置することを検出し且つ前記速度検出部が前記かごの停止を検出した場合に、前記動作部を前記動作位置から前記退避位置へ戻すために、前記動作部に力を加える、エレベータかご装置
【請求項2】
前記停止可動部に接続され、前記停止可動部に力を伝達する伝達部をさらに備え、
前記動作部は、前記伝達部と分離されており、前記退避位置から前記動作位置へ移動することによって、前記伝達部を押す、請求項1に記載のエレベータかご装置。
【請求項3】
前記駆動源は、前記停止可動部が前記停止位置に位置するときに、前記動作部を前記動作位置から前記退避位置へ戻すことによって、前記動作部を前記伝達部から離す、請求項2に記載のエレベータかご装置。
【請求項4】
かごレールに案内されることによって上下方向に走行するエレベータかご装置であって、
かごと、
前記かごに取り付けられて前記かごと共に移動し、前記かごを前記かごレールに停止させる停止装置と、を備え、
前記停止装置は、
前記かごに固定される停止固定部と、
前記停止固定部と協働して前記かごを前記かごレールに停止させる停止位置と、前記停止位置よりも下方である待機位置と、の間で、前記停止固定部に対して可動である停止可動部と、
前記停止可動部を前記待機位置から前記停止位置へ移動させるために、退避位置から動作位置へ移動する動作部と、
前記動作部を前記動作位置から前記退避位置へ戻すために、自ら駆動を発生させることによって前記動作部に力を加える駆動源と、を備える、エレベータかご装置において、
前記動作部が前記退避位置から前記停止位置へ移動することを阻止する阻止状態と、当該阻止を解除する解除状態と、に切り替え可能な阻止部をさらに備え、
前記駆動源は、前記阻止部を介して、前記動作部に力を加え、
前記阻止部は、前記動作部が前記動作位置から前記退避位置へ戻ったときに、前記阻止状態になる、エレベータかご装置。
【請求項5】
前記動作部は、処理装置が前記かごを停止させる停止指示の情報を取得し且つ前記かごの走行速度が設定速度以下であるときに、前記退避位置から前記動作位置へ移動する、請求項1~の何れか1項に記載のエレベータかご装置。
【請求項6】
請求項1~の何れか1項に記載のエレベータかご装置と、
前記エレベータかご装置を案内するかごレールと、を備える、エレベータ。