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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038975
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】スマートVズボン
(51)【国際特許分類】
   A41D 1/06 20060101AFI20240313BHJP
【FI】
A41D1/06 502E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038144
(22)【出願日】2023-03-10
(31)【優先権主張番号】P 2022143343
(32)【優先日】2022-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】712007348
【氏名又は名称】株式会社ドクター中松創研
(72)【発明者】
【氏名】中松 義郎
(57)【要約】
【課題】スーツ等のズボンの中央凸部が無く美しく、又着用時の着座姿勢や屈曲姿勢において、股上下端位置の直上におけるズボン生地の張りやだぶつきやふくらみを発生させず、この部分が汚れず、又収納部とする。
【解決手段】ズボンの前身頃3において、股上位置5からウエスト部6に向けて斜めである前立て部10を設置したことを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉部を傾けた事を特徴とするズボン。
【請求項2】
ズボンの前身頃において、股上の下端部の位置からウエスト部に向けて斜めである前立て部を設置したことを特徴とするズボン。
【請求項3】
前記請求項2記載のズボンにおいて、ファスナー、ボタン、磁石、スナップ付テープ等の咬合具を有することを特徴とするズボン。
【請求項4】
前記請求項1記載のズボンにおいて、下前は股上の下端部の位置の直上からウエスト部近傍に向けて垂直位置に形成され、ズボンの開口端にフック等結合体を設け、これに対応する結合体をベルト部内側のほぼ正面中央部に設けズボン外側に股上から上部に傾斜したカバー部を設け、前記カバー部の端にチャックとその上部附近にフックを設け、これに対向するズボンに斜めにチャック、その上部附近にフックを設けた事を特徴とするズボン。
【請求項5】
前記請求項1記載のズボンにおいて、下前は股上の下端部の位置からウエスト部に向けて斜めに形成され、及び又は下前の上部ウエスト部は下前から離間して形成され、前記ウエスト部の先端に締結具が設けられ、及び又は下前はその上部のウエスト部と切り離して形成され、及び又は下前の上部のウエスト部の先端に締結具が設けられ、上前の上部のウエスト部に締結具が設けられ、及び又は前記下前と上前とが、少なくともその一端が着脱自在に取り付けられた伸縮自在帯により連結され、及び又はウエスト部の複数の箇所がサスペンダーにより把持され得、及び又は上前の端部が補強され得、及び又は前記上前の端部の股上位置からウエスト部近傍までが補強され得、及び又は前記上前の端部の股上位置からウエスト部近傍までが補強され得、及び又は前記上前の端部の股上位置からウエスト部近傍までの裏側に補強部材を有し得、及び又は伸縮自在帯が複数設けられ、及び又は前記伸縮自在帯の1つは上前の上部のウエスト部と下前の上部のウエスト部とを連結し、及び又は前記前立て部が湾曲し、及び又は上前のウエスト部の端部近傍に締結具が設けられ、下前のウエスト部に締結具が設けられ、及び又は上前ウエスト部の端辺近傍と下前の対応する位置に傾斜した係止具を有し、及び又は斜め前立ての上前と下前に咬合具を有し、及び又は下前の端辺近傍と上前の対応する位置に咬合具を有し、及び又は上前に第1,第2咬合具を有し、前記第2咬合具は上前の端辺近傍に設けられ前記第1咬合具は上前の端辺近傍から離間した位置に設けられ、上前の前記第2の咬合具と対応する位置の下前に咬合具が設けられたズボン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はズボンに関する発明であり、ズボンにはスラックス、スカート、パンツ、ジーンズ等も含まれる。
【背景技術】
【0002】
公知ズボン等は、脚の出し入れをする構造が不合理で見栄えが悪かった。
【0003】
公知のズボンは、中央部はズボンの継ぎ目が2重で、ふくらみ出て見た目が非常に悪く正面から見るに堪えなかった。
これは中央部をファスナでつなぐ構造なのでこの部分が固くなり盛り上がってしまうからである。
【0004】
特許文献1には、その図9に破線で示すような座位におけるズボン生地が押し広がる、または余って寄り溜まる問題を解決する手段として、着座姿勢に基づき生地部材を形成し、腿部と腹部を鼠径部に沿って直角に縫着することで解消する技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献2においては、図1に於いて前身頃の裾から股上位置5上端までの寸法を、後身頃の裾から股上位置5上端までの寸法より、所定量短くすることで、着座において腰を十分に覆うことができ、はき心地も良好とすることができまた、座位における型崩れおよび弛みを防ぐことができ、見た目を良くすることができる効果がある技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4979044号
【特許文献2】特開2008-266839号
【特許文献3】特開2008-297693号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
公知のズボンは中央部の見た目が悪い。
特許文献1の開示の技術は、着座姿勢でのだぶつきやふくらみは解消するものの、着座姿勢でのパーツ組合せとするため、直立姿勢においては、前立て部分は引っ張られて、見栄えも履き心地も悪いものとなってしまい好ましくない。
【0008】
特許文献2においては、直立姿勢では、ズボンのウエスト周りが傾斜し水平でなく、特に股上位置5上端のウエスト部が下がっているため、ベルト等でズボンを十分な締め付けができないだけでなく、前身頃から下着等がはみ出してしまう恐れもある。さらに股上位置5上端の高さが前と後ろで異なるため、着用者の従来のウエスト周りの情報(例えば胴回りや腰回り)を再度採寸して高さを決定する必要があるという不便さも発生することとなる。
【0009】
つまり、スーツ等のズボンで前立て部分4に関して、直立姿勢と着座姿勢のどちらとも、見栄えを良くすることが出来るズボンは未だにないのである。
【0010】
特許文献3には、幅を抑えて1枚のパーツを用いて見頃の作成を可能にする課題のために前立て部が斜め(特許文献中の図7,13,15等)となっている技術が開示されている。しかし、特許文献3は本願発明のようなズボンの中央部の生地の余りを解消するための技術思想が無いため、ウェスト周り部分は水平でもなく、前立てを斜めとする必要性も開示されておらず、本願発明に容易に想到するものでは無い。
【0011】
以上により、本発明により、見栄えがよく、着座姿勢にて、ズボン生地の余りやたるみは解消又は目立たなくされ、ズボンの中央部の膨らみを美しく見せ又は低く解消し、ここに着く汚れや損傷が低減され更に開閉部の開閉操作が容易になるという効果を発揮する。本発明により従来無かった三角の重なり部分にハンカチやティッシュなど物を収容する事が出来るので便利であるのみならず、これによりズボンの両サイドのポケットが不要となりズボンをはいたシルエットがさらに美しくなる。さらに、禁じているポケットハンドが無くなるという効果がある。更に、利き腕方向に斜め開閉とするズボンとする事が出来るので開口部7の開閉が容易となる効果もある。簡素な構造であるのでコストも低減できる。
【0012】
ズボンの中央線がみっともなく、出る、着座姿勢における、ズボンの中央部の生地のだぶつきやふくらみは、見栄えが悪いのみならず、テーブルや物や手とズボンのふくらみ部分とが接触しやすいので汚れやすく、生地も傷めやすいので問題である。
【0013】
以上を鑑み、本発明は、中央線が無く直立姿勢でも着座姿勢においても、ウェスト部は水平であり、ズボンの中央部の生地のあまりや膨らみは解消でき、見栄えがよく、ズボンの両サイドのポケットが除去でき、スマートでコストダウンとなり、前身頃の汚れや損傷が低減され、前立て部分の開閉操作が公知のズボンより容易で、簡易な縫製で作成できるズボン等を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
ズボンの前中央線を無くし、ズボンの前身頃の前立て部分に、あまりやだぶつきが発生する原因について概説する。ズボン着用者が、直立姿勢から着座姿勢や屈曲姿勢をとると、ズボンは、ウエスト部周りと水平には折れ曲がらない。(もし水平に曲がったのなら生地のたるみは、発生しない)。ズボンの折れ曲がる部分は、股上位置5からズボンのウエスト部側面の方向へ向かって斜めに折り畳まれる。これは、ズボン着用者の股関節の動きやひざの動きなどに起因している。ズボン着用者の腰側面、股関節、ウエスト部位置では、ズボンの生地は、ほぼ腰と脚の動きに従って動くが、前身頃の生地は、股上位置5から斜めに折り畳まれ、ズボンの中央部の方に向かって余った生地が移動し、ズボンの中央部に生地が重複することになり、だぶつきやふくらみとなる。
【0015】
本発明者は、さらに、立位と座位どちらとも、デザインよく見せ、且、前立て部分を線の無いスッキリとしたデザインとし、だぶつきやふくらみを抑制するにはどうするかを鋭意検討し、本発明を完成するに至った。
【0016】
その特徴は、前部中央で結合する事無く、ズボンの前身頃3において、股上の下端部の位置5からウエスト部6に向けて斜めである前立て部4を有することを特徴とするズボンである。
【発明の効果】
【0017】
ズボン前部中央に結合部が無く、前身頃の前立て部分が斜め横方向にあるので、従来技術の前立て部分であるズボンの中央部の余りやたるみが、解消され、ズボンの膨らみを低減し、前方から中央部の見栄えがよくスマートで且つ、汚れや損傷が低減され中央部に新たな収納部を創出出来、又、両サイドのポケットを除去出来るのでシルエットが美しくなり、更に又、開閉部の開閉操作は公知ズボンより容易となり、又、正面から見るとV形となるので勝負服として使用出来るという公知に無い特別であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】公知ズボンの、正面から見た外観図(正面図)である。
図2】本発明の第1の実施形態を示す、本発明ズボンを装着した正面写真である。
図3】本発明の第1の実施形態を示す、本発明ズボンの斜め部(前立部)4のポケットを説明する写真である。
図4】本発明の第1の実施形態を示す、本発明ズボンを装着し座った時の写真である。
図5】本発明の第1の実施形態を示す、本発明ズボンの斜め部4を固定する、フック、面ファスナ97、98及びファスナ(チャック)93、94を開いた写真である。
図6】本発明の第1の実施形態を示す、図5と同様に、本発明ズボンの斜め部4を固定するフック822、811、面ファスナ97、98及びファスナ(チャック)93、94を開いた写真である。
図6-1】本発明の第1の実施形態を示す図6ズボンの(A)正面図及び(B)ファスナを開いた図である。
図6-2】本発明の第1実施形態図5、6に示すズボンで、斜め部が股上位置までの開口可能に面ファスナを設けた(A)正面図、(B)面ファスナを開いたときのレイアウト図である。
図7】本発明の第1の実施形態を示す、本発明ズボンの斜め部4の固定を、2か所のフック822、82、811、81、及びファスナ(チャック)93、94で行われる写真
図7-1】本発明の第1の実施形態を示す図7ズボンの(A)正面図及び(B)ファスナ93,94を開いた図である。
図8】本発明の第2の実施形態を示す、斜めの開閉部72の中にポケット45を設けた本発明ズボンの正面図である。
図9】公知のズボンを装着し着席した時のズボンの凸出部41を示す側面図。
図10】本発明の第3の実施形態を示す、斜め部41のV字形状に縫い目をつけた本発明ズボンの正面図である。
図11】本発明の第4の実施形態を示し、斜め部41のV字を白いテープ等で縁取った本発明ズボンの正面図である。
図12】本発明の第5の実施形態を示し、斜め部41のV字に繻子で縁取り、微光で光る本発明ズボンの正面図である。
図13】本発明の第6の実施形態を示し、斜め部41のV字にLED180を設けバッテリで光るようにした状態の正面図である。
図14】本発明の第7の実施形態を示す、斜め部41のV字に反射テープ190を設けた本発明の正面図である。
図15】本発明の第8の実施形態を示す、正面図であって、本発明ズボンと上衣を一体にしたタキシードデザインである。(A)は片側のタキシードの襟の繻子部分200とズボンの片側繻子部分43を結合させたデザイン、(B)は上着とズボンでデザインを結合して八字状とした本発明である。
図16】本発明の第9の実施形態を示す、ダブルブレストの上着ダブルボタンとズボンのV字を合わせたボタン210を、合わせて全体とし結合したデザイン。
図17】本発明の第10の実施形態を示す、詰襟で上衣はジャケット形でズボンは腰上まであり、繻子でV字部を延長上衣と結合した正面図。
図18】本発明の第11の実施形態を示す、上着とズボンを結合し、サスペンダ260を設け、V字ダブルの金ボタン240を設けた正面図。
図19】本発明の第12の実施形態を示す、斜めズボンの正面図である。
図20】本発明の第12の実施形態を示す、本発明ズボンの上面図である。
図21】本発明の第13の実施形態を示す、ズボンの正面図である。
図22】本発明の第13の実施形態を示す、上面図である。
図23】本発明の第14の実施形態を示す、ズボンの正面図である。
図24】本発明の第14の実施形態を示す、上面図である。
図25】本発明の第15の実施形態を示す、ズボンの正面図である。
図26】本発明の第15の実施形態を示す、上面図である。
図27】本発明の第16の実施形態を示す、ズボンの正面図である。
図28】本発明の第16の実施形態を示す、上面図である。
図29】本発明の第17の実施形態を示す、ズボンの正面図である。
図30】本発明の第17の実施形態を示す、上面図である。
図31】本発明の第18の実施形態を示す、ズボンの正面図である。
図32】本発明の第18の実施形態を示す、上面図である。
図33】本発明の第19の実施形態を示す、ズボンの正面図である。
図34】本発明の第19の実施形態を示す、上面図である。
図35】本発明の第20の実施形態を示す、ズボンの正面図である。
図36】本発明の第20の実施形態を示す、上面図である。
図37】本発明の第21の実施形態を示す、ズボンの正面図である。
図38】本発明の第21の実施形態を示す、フックの拡大図である。
図39】本発明の第22の実施形態を示す、ズボンの正面図である。
図40】本発明の第22の実施形態を示す、上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
公知ズボンは立った時図1に示すもので、座った時図9である。
【0020】
図1は、正面から見た公知ズボンの正面図を示す。ズボンのパーツ(布)は正面側には右前身頃1(まえみごろ),左前身頃2があり、合わせて前身頃3とする。前身頃3の中央部分のファスナ等が縫製されている部分を前立て部分4と呼ぶ。前立て部分4には、股上位置5から股上位置5上端のウエスト部6に向かって開口部分7が作られている。
【0021】
公知ズボンの前立て部4は開口部分7にて開口される。
前立て部4の表面側の布の裏と、内側の布には、チャック、即ち1対のファスナ93,94、スライダー92が、垂直に設置される。ファスナ93,94の上部のウエスト部6には、1対のフック81,82が縫着され、開口部分7およびファスナ93,94の開閉時にはフック81,82も開閉されるようになっているのが普通である。
【0022】
81,82は、カギフックであるが、係止具は各種のタイプがある。金属製が多いが、樹脂製やボタンも用いられる。ファスナ93,94も、金属製や樹脂製やボタンが用いられる。
【0023】
図1の公知ズボンを着用した場合、中央に接続線7が出てカッコ悪い、その上、チャック等の厚みで盛り上がり4、美とデザイン的に悪い。又、図9の如く着座姿勢において、前身頃3は生地が引張られたり、余る状態41となる。特に、ズボンの中央部は、前述の通り、生地が余り41、上下からの力が働き、図9に示す着座時の側面から見た前立て部の点線記載の様な、大きなふくらみ41が発生し見栄えが悪くなってしまう。

又、公知のズボンは中央帯が突出しているので汚れやすい。更にあまり広く開口出来ないという欠点もあり、正面がスマートでなく、中央部が盛り上がる等の多くの欠点があった。
また、ポケットハンドが禁じられている場合、ポケットハンドする者をストップできなかった。
【0024】
[第1実施形態]
図2~8は本発明の第1実施例を示す。
本発明のポイントは、縦に合わせ目が無く、斜めの合わせ目43を有することである。
【0025】
図2は、本発明を装着した時の正面の写真である。
斜めの逆三角形状の斜め部4で前を覆い、ファスナは斜め部4の内側に設けられている。装着者のウェストに固定するためのウエスト帯6やベルト差し61を有する。また、斜め部4及びウェスト部6は形が崩れたり、折れ曲がったりしないように、芯地を設ける。
【0026】
図3は、本発明ズボンは、側部にポケットが存在せず、斜めの逆三角形状の斜め部4の内側にポケット45がある。これにより、両サイドのポケットを除去出来るのでシルエットが美しくなるという効果がある。また、斜め部は芯地を入れ、倒れないようにしている。ウエスト帯の中央には胴回り一周にわたり芯地が縫い込まれている。
【0027】
図4は、本発明ズボンを装着したまま座った時の写真である。
斜め部41が、公知のズボンに比べて、すっきりとしてしわが寄っていないのがわかる。また、ウェスト部6型崩れせず固定されていることがわかる。
【0028】
図5は、本発明ズボンの斜め部4を固定する、フック、面ファスナ97、98及びファスナ(チャック)93、94を開いた写真である。
斜め部4は、芯地を入れた外側41と、内側42の2層構造となっており、剛性が高くなっている。
また、フック811に対応するフック822(図6に記載)により、斜め部4を、ウエストへ傾けて引っ張る形となっている。
さらに面ファスナ(97、98)は自在に長さ調整できるので、任意の胴回りの者でも対応可能となる。
図6は、図5と同様で、若干上方より撮影したものである。
【0029】
図7は、本発明ズボンの斜め部4を固定するのに、ダブルフック82、822、81、811(記載せず)をウェスト帯6に設けた構成となっている写真である。強力にウェストに固定しておくことができる。2対のフックは100~300mm離れて設けてある。
【0030】
図6―1は、第1実施形態図5、6に示すズボン写真の、(A)正面図、(B)ファスナを開いたときのレイアウト図である。
(A)に示すように、ズボンの斜め部(の前立て)41を閉じたときの状態を示すが、ウエスト部6にはベルト差し61があり、ウエスト部の内側でフック811(点線部)と822(図示せず)及び面ファスナ98(点線部)と97(図示せず)により結合されて装着者のウエストに固定される。面ファスナ(97、98)は自在に長さ調整できる。
(B)に示すように、ズボンの前立て部は、外側の布の斜め部41 と内側の布の斜め部42があり、その縁には、ファスナ94、93が縫製され、スライダー92にて開閉可能となっている。
内側の前立て斜め部42は、ズボン中央部の股上位置より外側の斜め布41と十分重なりファスナを隠し丈夫に仕上げるため長めに作成されている(図中向かって右側に長くなっている)
(B)に示すように、ズボンの前立て部は、外側の布の斜め部41 と内側の布の斜め部42があり、その縁には、ファスナ94、93が縫製され、スライダー92にて開閉可能となっている。
内側の前立て斜め部42は、ズボン中央部の股上位置より外側の斜め布41と十分重なりファスナを隠し丈夫に仕上げるため長めに作成されている(図中向かって右側に長くなっている)
図6―2は、第1実施形態図5、6に示すズボン写真で、斜め部が股上位置までの開口可能とする為に面ファスナを設けた(A)正面図、(B)面ファスナを開いたときのレイアウト図である。
前立て部の開閉は、面ファスナ97、98が用いられ、股上位置まで面ファスナは設けられている。これにより、前立て部は広く開く事が出来排尿等の時便利である。

また、図7―1は、第1実施形態図7に示すズボン写真の、(A)正面図、(B)ファスナを開いたときのレイアウト図である。
(A)に示すように、ズボンの斜め部(の前立て)41を閉じたときの状態を示すが、ウエスト部6にはベルト差し61があり、ウエスト部の内側でフック811(点線部)と822、及び98(点線部)と97、により結合されて装着者のウエストに固定される。
(B)に示すように、ズボンの前立て部は、外側の布の斜め部41 と内側の布の斜め部42があり、その縁には、ファスナ94、93が縫製され、スライダー92にて開閉可能となっている。
内側の前立て斜め部42は、ズボン中央部の股上位置より外側の斜め布41と十分重なりファスナを隠し丈夫に仕上げるため長めに作成されている(図中向かって右側に長くなっている)

そして図の、前立て部の略逆三角形状の生地の位置や製造方法や、見栄えを良くするなどの変形はすべて本願発明に含まれる。
略逆三角形状生地は、硬さがあるほうが好ましく、補強芯を設けることが好ましい。
【0031】
[第2実施形態]
図8は本願発明の第2の実施形態を示す。図8は、内側斜め部41の内側にポケット45を設けた図である。ポケットの出し入れはファスナで開閉可能な斜め前立ての端部より挿入する。
このポケットは、ウェスト帯6の内側に設けてもよいが、見た目もスッキリ見えるのは、図8の様に斜め部に設けたポケットが他の効果も見込めて好ましい。
【0032】
図8のウェスト部6は、股上位置5の直上から、向かって右方向で側面までの、任意の地点で公知の手段にて着用者の腰部分に巻き付き締結されている。例えばフックやボタンやチャック、伸縮自在帯、形状記憶補強材を用いて、ウェスト部6等に固定する。
【0033】
ウェスト部は、ズボンがずり落ちない程度に補正補強をしてもよい。
図8においては、斜め前立て部41の上端の位置は、着用者とズボン生地が連動するウェスト部6の固定位置より、少なくとも左側又は右側(左利きの場合)であることが好ましい。さらに見栄えも考慮し、図8の開口部分7と垂線との角度θが50度以下で5度以上とするのが好ましい。角度が大きいと、着座時のふくらみを抑制する動きでウェスト周りから離れすぎて見栄えが悪くなる。角度が小さいとふくらみを抑制する効果が少ないし、開口部分に間隙ができやすい。
いづれにしても接合部が中央にない事が見栄え上や操作上重要である。
【0034】
上前41の形状は、三角形状となるが、どのような形状になってもよい。下前42の形状も同様である。また、図8は斜め部41は左方向にあるが、右向へ斜めとすることもできる。
【0035】
[第3実施形態]
図10は、本発明の第3の実施形態を示す、斜め部41のV字形状に縫い目43をつけた本発明ズボンの正面図である。
左右対称で、すっきり見えるので、機能性に富んでいる。
【0036】
[第4実施形態]
図11は、本発明の第4の実施形態を示し、斜め部41のV字を白いテープ等で縁取った本発明ズボンの正面図である。
斜めラインを印象的に見せる。
テープは、白に限らずどのような色でもよいが、目につく色のほうが見栄えが良い。
【0037】
[第5実施形態]
図12は、本発明の第5の実施形態を示し、斜め部41のV字に繻子で縁取り、微光で光る本発明ズボンの正面図である。
これにより、更にエレガントに見させることができる。
【0038】
[第6実施形態]
図13は、本発明の第6の実施形態を示し、前立て41のV字にLED180を設けバッテリで光るようにした状態の正面図である。
例えばV字の片側に10ケのLEDやLEDベルトを縫着し、ポケットに入れたバッテリと結線して光を放つようにすると、夜でも安心して歩くことができる。
【0039】
[第7実施形態]
図14は、本発明の第7の実施形態を示す、前立て41のV字に反射テープ190を設けた本発明の正面図である。
反射テープをV字に張り付けることにより、対向車に安全に夜道を歩くことができる。
本発明はV字部分のみならず上半身にもテープ、LED、反射物を設けてもよい。
【0040】
[第8実施形態]
図15は、本発明の第8の実施形態を示す、正面図であって、本発明ズボンと上衣を一体にしたタキシードデザインである。(A)は片側のタキシードの襟の繻子部分200とズボンの片側繻子部分43を結合させた
デザイン、(B)は上着とズボンでデザインを結合して八字状とした本発明である。
このような、ズボンの斜め部端部の模様を結合して合わせることで、美的にもよいが、強度的にも有利となる効果がある。
【0041】
[第9実施形態]
図16は、本発明の第9の実施形態を示す、ダブルブレストの上着ダブルボタンとズボンのV字を合わせたボタン210を、合わせて全体とし結合したデザインである。
【0042】
[第10実施形態]
図17は、本発明の第10の実施形態を示し、詰襟で上衣はジャケット形でズボンは腰上まであり、詰襟250で繻子でV字部を延長上衣と結合したデザインである。
【0043】
[第11実施形態]
図18は、本発明の第11の実施形態を示し、上着とズボンを結合し、詰襟250で、フックで上衣を結合し、サスペンダー260でズボンを釣るようにし、V字ダブルの金ボタン240を設けたデザインである。
【0044】
[第12実施形態]
図19、20は、本発明の第12の実施形態を示す、斜め部のズボンの正面図及び上面図である。
実施例1都の違いは、股上5から斜め部41を設けた本発明ズボンであるが、図20で分かるように、斜め部41と下斜め部42はウエスト部で繋止せず、剛性を持たせることで、ウェストにズボンを巻き付けかつ前立てが垂れてしない様にする。
本発明の第12実施例によると、どのような動きをしても、ズボンの斜め部の形状が崩れないという効果がある。
【0045】
[第13実施形態]
図21、22は、本発明の第13の実施形態を示す、本発明ズボンの正面図と上面図である。
図21は、上前41部分の裏端に補強部材140を縫着し、上前41が前方(紙面手前)方向に倒れない様に強化した図である。
図22は上面図である。
【0046】
上前の端部の補強は、股上位置5から上前上端部迄行う。ウエスト部へ上前41を固定させずに、材質は、軽くて、上前部分が倒れない程度に折れ曲がりにくく、しかし容易に開口させることが出来る素材をもちいる。例えば樹脂製(PVC,PP,PE等)の棒又は板状部材が好ましい。補強部材140の下端は股上位置5から後身頃にわたって設けてもよい。上前41部分の裏端の補強に加えて、上前41部分胴回り位置を補強するのが好ましい。
強化部分に例えば面ファスナ等結合材を設けて、上前41と下前42を接合させてもよい。
【0047】
樹脂製の板を補強することで、上前が前方向に垂れてしまうことが無く、前身頃の見栄えがよく、簡単に開口することが出来る。
【0048】
[第14実施形態]
図23、24は、本発明の第14の実施形態を示す、ズボンの正面図及び上面図である。
図23は、前記第13の実施形態に加えて、上前41部分の上部のウエスト部に当たる位置に補強材140を載置したものである。ウエスト部6に平行方向に対して、垂れたり、しわにならず、スムーズに上前41の移動を促進できる効果がある。
【0049】
補強材140の形状として、ウエスト部6周囲の形状と同じものとするのがよい。
着座姿勢をとるとき、ズボンのウエスト部と上前部との間に隙間が空かなくなるという効果がある。
【0050】
[第15実施形態]
図25、26は、本発明の第15の実施形態を示す、ズボンの正面図及び上面図である。
図25は、下前42とウエスト部6の側面とを伸縮自在帯12にて連結し、更に、下前42と上前41とを伸縮自在帯13にて連結した状態を示す。
【0051】
本実施形態によると、ウエスト部6にて上前41を引っ張っているので、前方へたおれなく、且つ、着座する時、下前部分の移動がスムーズに行われ、余分な生地が緩和される。さらに、上前と下前はたがいに引き合っているので、上前部分の移動もスムーズに行われる。
【0052】
ウエスト部側面の係止位置は、直立と着座姿勢にて着用者とズボン生地がずれない位置である横腰の股関節位置が最も好ましいが、ウエスト部6の横腰でも構わない。
下前の係止連結部116の位置は、側方へ引っ張られる力が働く位置とする。また、上方へも引っ張られる力が働くような位置としてもよい。下前の係止連結部116(上前との連結部)の位置は、上前の係止連結部114と同じ高さで横方向へ相互が引っ張られるような位置とする。また、ウエスト部係止位置、下前係止連結部位置113、下前係止連結部位置116、上前係止連結部位置114の順に低くしてゆく構成とすることもできる。これにより、上前と下前は別々の力を利用してスムーズに余分な生地を緩和させられる。
【0053】
[第16実施形態]
図27、28は、本発明の第16の実施形態を示す、ズボンの正面図である。
図27は、斜め部41を、湾曲させた形状としたことを示す図である。図28はその上面図である。
図27では湾曲は、「し」の字となるように湾曲したので、股上位置5近傍での上前幅が広くとれ、着座姿勢の時、股上位置5近傍で上前41と下前42の間の隙間がより小さく出来るという効果がある。
【0054】
[第17実施形態]
図29、30は、本発明の第17の実施形態を示す、ズボンの正面図である。
本発明ズボンは、内側の下斜め部42は小さく、前立ての中央部分に、開口空間を設けた発明である。
開口空間を設けたことで、コストダウンが図れ、男性での排尿が容易にできる。
【0055】
[第18実施形態]
図31、32は、本発明の第18の実施形態を示す、ズボンの正面図及び、上面図である。
図31は、図29のファスナの縫着位置に、ボタンまたはスナップボタンを縫着するものである。ボタンの場合は下前42にボタン96を縫着し、上前41側にボタン穴95を形成する。ボタンの取り付け間隔は、上前41と下前42の隙間が空かないようにつけてゆく。例えば20cmの前立ての開口部なら、2~10個から選択すれば良く3~5個が好ましい。ボタン穴は、図31の様に横に切込みを入れるのみならず、縦方向に切込みを入れてもよい。これにより座る場合に動きやすくなり生地の膨らみを抑制できる。
【0056】
[第19実施形態]
図33、34は、本発明の第19の実施形態を示す、ズボンの正面図及び上面図である。
図33は、図29のファスナ縫着位置に、面ファスナ97,98を縫着したものである。厚さは片側2mm以下とする薄いものをもちいる。図31のボタンの位置に、面ファスナを部分的に縫着してもよい。
【0057】
本第19の実施形態によると、咬合具により上側斜め部41と下側斜め部42が閉じるので、横方向からズボンの内が見えないという効果がある。また、ウエスト部6と上前41に係止具を縫着すれば、さらに上前と下前の閉塞度が高くなる。
【0058】
[第20実施形態]
図35、36は、本発明の第20の実施形態を示す、ズボンの正面図及び上面図である。
図35は、2種類の咬合具を設けた、斜め部41である。
斜め部41の内側に、面ファスナ98を設ける。端部にファスナ93を設け、これに対応する様にファスナ94及び面ファスナ97を設けることが特徴である。
本発明の第19の実施例によると、2重に結合するので、斜め部4はしっかりした構造となる。
また、咬合具は、ファスナ以外に、ボタン、フック、面ファスナーを用いることができる。面ファスナとすることは、上前と下前を咬合するにあたり、ウエスト部6の円周の長さを微調整できるので、好ましい。
【0059】
[第21実施形態]
図37、38は、本発明の第21の実施形態を示す、ズボンの正面図及びフックの拡大図である。
図37において、斜め前立41部分に第1のスナップ付き布テープ132を縫着し、斜め前立の下側のエッジ42部分に第2のスナップ付き布テープ134を縫着している。
図38は第1のスナップ付き布テープ132及び第2のスナップ付き布テープ134の拡大図である。
第1のスナップ付き布テープ132は第1のスナップ133を有しており、第1のスナップ133の中央部には凸部がある構造となっている。
第2のスナップ付き布テープ134は第2のスナップ135を有しており、第2のスナップ135の中央部には凹部がある構造となっている。
第1のスナップ133と第2のスナップ135を合わせることにより上前41を下前42に係合することが出来る。
【0060】
[第22実施形態]
図39、40は、本発明の第22の実施形態を示す、ズボンの正面図及び上面図である。
本発明ズボンは、斜め部4に2組の面ファスナ97、98を設けて、確実に固定する。
図39では、斜め部の端部43に面ファスナ97、98を設けさらに、斜め部4の内側にも、面ファスナ97、98を設ける。
第21の実施例によると、2重のファスナで固定するので、前立て部分の剛性が上がり、更にスッキリした形状になる。
【0061】
以上の如く、本発明によると、前身頃の前立て部分を、股上位置5からウエスト部6に向けて斜めに前立41としたことで、前部中央に合せ目が無いので直立姿勢でも着座姿勢においても美しくしわが出ず、座位の時に、ズボンの中央部における生地のあまりや膨らみはなく、見栄えがよく、前身頃の汚れや損傷が低減され、前立て部分の開閉操作が容易で、前記斜め開口部からティッシュ又はハンカチを挿入収納出来るので便利である。
側面からズボンを見ても内が見えることなく、簡易に作成できるという効果を奏する。
【0062】
また、本願発明の、実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明で述べたズボンは、スラックス、スカート、パンツ、ジーンズを含むのみならず介護用下衣にも適用され、男性用女性用に限らず、本願特徴を有する物はすべて適用される。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、見た目が美しく人間の動きによる、衣服のだぶつきを解消するので、見栄えや実用性あるニューファッションブランドとして衣料産業上利用可能性大である。


【符号の説明】
【0064】
1 右前身頃
2 左前身頃
3 前身頃
4 斜め部、公知ズボンの前立て部
41 斜め部(前立て部4の外側の布)
42 斜め部41の内側の布
43 斜め部41のV字形状の端部合わせ目
44 曲がった形状の斜め部
45 斜め部内側のポケット
5 股上位置
6 ウエスト部
61 ベルト差し
62 ウエスト部の芯地
63 ウエスト部に設けたインナーポケット
7 ズボンの開口部
71 ズボン前面中央開口端
72 ズボン斜め開口部 (43と同義)
8 咬合具
81 フック
82 フック
811 掛けフック
822 受けフック
92 スライダー
93 ファスナー
94 ファスナー
95 ボタン穴
96 ボタン
97 面ファスナー
98 面ファスナー
10 ズボンの左右の縫い合せ部
110 伸縮自在帯
120伸縮自在帯
132 第1のスナップ付き布テープ
133 第1のスナップ
134 第2のスナップ付き布テープ
135 第2のスナップ
140 補強材
150 チャック開閉把手
160 繻子の縁取り紐又は帯
170 白テープ
180 LED
190 飾り反射帯
200 上着と一体のダブルでエッジに繻子があるライン
210 上着と一体のダブルのボタン
220 ジャケット
230 腰上まであるズボン
240 金ボタン
250 詰襟


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図6-1】
図6-2】
図7
図7-1】
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