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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038985
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】トイレの補助装置
(51)【国際特許分類】
   A47K 17/02 20060101AFI20240313BHJP
【FI】
A47K17/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108716
(22)【出願日】2023-06-30
(31)【優先権主張番号】P 2022143232
(32)【優先日】2022-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】513213690
【氏名又は名称】堀田 茂治
(74)【代理人】
【識別番号】110001601
【氏名又は名称】弁理士法人英和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀田 茂治
【テーマコード(参考)】
2D037
【Fターム(参考)】
2D037BA12
(57)【要約】
【課題】 体幹の弱い人や脛の短い人が使用する場合でも容易に利用することのできるトイレの補助装置を提供すること及び使用者が安心して利用することができ、確実に便器と立ち位置との関係を適正にすることのできるトイレの補助装置を提供すること。
【解決手段】
右側の補助装置と左側の補助装置からなるトイレの補助装置であって、両補助装置は同一又は左右対称の構成であり、右側の補助装置は、右足全体を置くことのできる右底部1R、右甲当て部2R、右底部1Rの後方両側部に固定されている2つの右取付部3R、右取付部3Rに回動自在に固定されている右立上げ部4R、2つの右立上げ部4Rの間に掛け渡された柔軟性のある右脛当て部5R、右上桟部6Rと右底部1Rの前端部との間に掛け渡され右立上げ部4Rが前方に倒れるのを防止する右弾性体7R、右立上げ部4Rが前方側に倒れる角度を制限する右ストッパ8R及び右立上げ部4Rが後方側に倒れないようにする右後方ストッパ9Rを備えている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洋式便器又は男性用小便器で男性が小便をする時に利用するトイレの補助装置であって、
右足全体を置くことのできる右底部と、
左足全体を置くことのできる左底部と、
前記右底部の前方両側部に両端部が固定されている帯状の右甲当て部と、
前記左底部の前方両側部に両端部が固定されている帯状の左甲当て部と、
前記右底部の後方両側部に固定されている2つの右取付部と、
前記左底部の後方両側部に固定されている2つの左取付部と、
前記2つの右取付部にそれぞれ回動自在に固定されている2つの右立上げ部と、
前記2つの左取付部にそれぞれ回動自在に固定されている2つの左立上げ部と、
前記2つの右立上げ部の間に掛け渡された柔軟性のある右脛当て部と、
前記2つの左立上げ部の間に掛け渡された柔軟性のある左脛当て部と、
前記2つの右立上げ部の上端部をつなぐ右上桟部と前記右底部の前端部との間に掛け渡され、前記2つの右立上げ部が前方に倒れるのを防止する右弾性体若しくは右伸縮ロッド又は前記2つの右立上げ部の中間部から前方側に突出し、前記2つの右立上げ部が前方に倒れるのを防止する2つの右弾性部材若しくは2つの右伸縮部材と、
前記2つの左立上げ部の上端部をつなぐ左上桟部と前記左底部の前端部との間に掛け渡され、前記2つの左立上げ部が前方に倒れるのを防止する左弾性体若しくは左伸縮ロッド又は前記2つの左立上げ部の中間部から前方側に突出し、前記2つの左立上げ部が前方に倒れるのを防止する2つの左弾性部材若しくは2つの左伸縮部材と、を備えている
ことを特徴とするトイレの補助装置。
【請求項2】
前記2つの右立上げ部が前方側に倒れる角度を制限する右ストッパと、
前記2つの左立上げ部が前方側に倒れる角度を制限する左ストッパと、を備えている
ことを特徴とする請求項1に記載されているトイレの補助装置。
【請求項3】
洋式便器又は男性用小便器で男性が小便をする時に利用するトイレの補助装置であって、
右足全体を置くことのできる右底部と、
左足全体を置くことのできる左底部と、
前記右底部の後方両側部に固定されている2つの右取付部と、
前記左底部の後方両側部に固定されている2つの左取付部と、
前記2つの右取付部にそれぞれ回動自在に固定されている2つの右立上げ部と、
前記2つの左取付部にそれぞれ回動自在に固定されている2つの左立上げ部と、
前記2つの右立上げ部の間に掛け渡された柔軟性のある右脛当て部と、
前記2つの左立上げ部の間に掛け渡された柔軟性のある左脛当て部と、
前記2つの右立上げ部の上端部をつなぐ右上桟部と前記右底部の前端部との間に掛け渡され、前記2つの右立上げ部が前方に倒れるのを防止する右弾性体若しくは右伸縮ロッド又は前記2つの右立上げ部の中間部から前方側に突出し、前記2つの右立上げ部が前方に倒れるのを防止する2つの右弾性部材若しくは2つの右伸縮部材と、
前記2つの左立上げ部の上端部をつなぐ左上桟部と前記左底部の前端部との間に掛け渡され、前記2つの左立上げ部が前方に倒れるのを防止する左弾性体若しくは左伸縮ロッド又は前記2つの左立上げ部の中間部から前方側に突出し、前記2つの左立上げ部が前方に倒れるのを防止する2つの左弾性部材若しくは2つの左伸縮部材と、
前記右底部と前記左底部とを前記洋式便器又は前記男性用小便器の下端部の幅より広い間隔で固定する接続部材と、を備えている
ことを特徴とするトイレの補助装置。
【請求項4】
前記2つの右立上げ部が前方側に倒れる角度を制限する右ストッパと、
前記2つの左立上げ部が前方側に倒れる角度を制限する左ストッパと、を備えている
ことを特徴とする請求項3に記載されているトイレの補助装置。
【請求項5】
洋式便器又は男性用小便器で男性が小便をする時に利用するトイレの補助装置であって、
右足全体を置くことのできる右底部と、
左足全体を置くことのできる左底部と、
前記右底部の前方両側部に両端部が固定されている帯状の右甲当て部と、
前記左底部の前方両側部に両端部が固定されている帯状の左甲当て部と、
前記右底部の後方両側部に固定され、前方斜め上側に延びる2つの右立上げ部と、
前記左底部の後方両側部に固定され、前方斜め上側に延びる2つの左立上げ部と、
前記2つの右立上げ部の間に掛け渡された柔軟性のある右脛当て部と、
前記2つの左立上げ部の間に掛け渡された柔軟性のある左脛当て部と、を備えている
ことを特徴とするトイレの補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洋式便器又は男性用小便器で男性が小便をする時に利用するトイレの補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洋式便器で男性が小便をする時には、便器カバー開放するとともに、便座を着座位置から上げた状態で便器本体の開口部分に対して直に放尿している。
ところが、通常の洋式便器は床面から便器本体上端までの高さが37cm程度と低く、放尿位置から便器までの距離が大きくなるため、便器回りに尿が飛散したり、便器内の水面に直接進入した尿が水を跳ね上げたりして飛沫が周囲に飛び散り易く、非衛生的で掃除が大変であった。また、放尿位置を下げようとすると無理な姿勢を取る必要があるが、老人や身長の高い人が、そのような姿勢を取ることは困難である。そして、男性用小便器で小便をする時においても、便器から離れた位置や便器の左右どちらかにずれた位置に立って放尿してしまうと、便器回りに尿が飛散するため、非衛生的で掃除が大変であった。
そのような問題を解決するため、特許文献1(特開2004-267669号公報)には、左右の下肢を受ける第1下肢受(2)及び第2下肢受(3)を備え、両下肢受(2)(3)を便器本体(21)の左右に並べるとともに、第1上受面(2a)及び第2上受面(3a)の高さを便器本体(21)の高さに対応できるように調整できるようにした小便補助具(1)が記載されている(特に、要約、段落0010~0013及び図1、5を参照)。
また、特許文献2(特開2005-253748号公報)には、便器本体(1)の左右両側の上部側に、水平方向に突出する状態で膝当て部材(4)を取り付け、膝当て部材(4)は、便器本体(1)の外周面に沿った取り付け部(5)、上方側程奥側になるように傾斜して立ち姿勢の放尿者が曲げた状態の膝を当接する膝当て部(6)及び上下の補強部(7)を備え、取り付け部(5)をボルト(8)によって便器本体(1)に取り付け固定できるようにした洋式便器が記載されている(特に、要約、段落0018~0021及び図1を参照)。
さらに、特許文献3(特開2006-198362号公報)には、靴型(1)及び山状突起(2)等を便器(4)外の適正な位置に設置することによって、山状突起(2)内に足の位置が正確に入り、便器(4)と立ち位置との関係が適正になるので、便器(4)外への尿漏れを防止できる旨記載されている(特に、要約、段落0006~0007及び図2を参照)。
【0003】
しかし、特許文献1記載の小便補助具は、第1上受面(2a)及び第2上受面(3a)の高さを便器本体(21)の高さに対応させて調整して利用し、特許文献2記載の洋式便器は、便器本体(1)の左右両側の上部側に膝当て部材(4)を取り付けて利用するものであるため、体幹の弱い人は第1上受面(2a)及び第2上受面(3a)や膝当て部材(4)に左右の膝付近を当てて安定した姿勢に保つのが難しい、子供や脛の長さが短い人(おおよそ30cm以下の人)は、踏み台や下駄等を併用しなければならないといった問題があった。また、特許文献3記載の便器(4)は、靴型(1)や山状突起(2)等を無視されてしまうと、便器(4)と立ち位置との関係が適正にならず、便器(4)外への尿漏れを防止できないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-267669号公報(特許第3896337号公報)
【特許文献2】特開2005-253748号公報(特許第4425670号公報)
【特許文献3】特開2006-198362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような問題点を解決し、体幹の弱い人や脛の短い人が使用する場合でも、容易に利用することのできるトイレの補助装置を提供することが第1の課題である。
また、使用者が安心して利用することができ、確実に便器と立ち位置との関係を適正にすることのできるトイレの補助装置を提供することが第2の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、洋式便器又は男性用小便器で男性が小便をする時に利用するトイレの補助装置であって、
右足全体を置くことのできる右底部と、
左足全体を置くことのできる左底部と、
前記右底部の前方両側部に両端部が固定されている帯状の右甲当て部と、
前記左底部の前方両側部に両端部が固定されている帯状の左甲当て部と、
前記右底部の後方両側部に固定されている2つの右取付部と、
前記左底部の後方両側部に固定されている2つの左取付部と、
前記2つの右取付部にそれぞれ回動自在に固定されている2つの右立上げ部と、
前記2つの左取付部にそれぞれ回動自在に固定されている2つの左立上げ部と、
前記2つの右立上げ部の間に掛け渡された柔軟性のある右脛当て部と、
前記2つの左立上げ部の間に掛け渡された柔軟性のある左脛当て部と、
前記2つの右立上げ部の上端部をつなぐ右上桟部と前記右底部の前端部との間に掛け渡され、前記2つの右立上げ部が前方に倒れるのを防止する右弾性体若しくは右伸縮ロッド又は前記2つの右立上げ部の中間部から前方側に突出し、前記2つの右立上げ部が前方に倒れるのを防止する2つの右弾性部材若しくは2つの右伸縮部材と、
前記2つの左立上げ部の上端部をつなぐ左上桟部と前記左底部の前端部との間に掛け渡され、前記2つの左立上げ部が前方に倒れるのを防止する左弾性体若しくは左伸縮ロッド又は前記2つの左立上げ部の中間部から前方側に突出し、前記2つの左立上げ部が前方に倒れるのを防止する2つの左弾性部材若しくは2つの左伸縮部材と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載されているトイレの補助装置において、
前記2つの右立上げ部が前方側に倒れる角度を制限する右ストッパと、
前記2つの左立上げ部が前方側に倒れる角度を制限する左ストッパと、を備えていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、洋式便器又は男性用小便器で男性が小便をする時に利用するトイレの補助装置であって、
右足全体を置くことのできる右底部と、
左足全体を置くことのできる左底部と、
前記右底部の後方両側部に固定されている2つの右取付部と、
前記左底部の後方両側部に固定されている2つの左取付部と、
前記2つの右取付部にそれぞれ回動自在に固定されている2つの右立上げ部と、
前記2つの左取付部にそれぞれ回動自在に固定されている2つの左立上げ部と、
前記2つの右立上げ部の間に掛け渡された柔軟性のある右脛当て部と、
前記2つの左立上げ部の間に掛け渡された柔軟性のある左脛当て部と、
前記2つの右立上げ部の上端部をつなぐ右上桟部と前記右底部の前端部との間に掛け渡され、前記2つの右立上げ部が前方に倒れるのを防止する右弾性体若しくは右伸縮ロッド又は前記2つの右立上げ部の中間部から前方側に突出し、前記2つの右立上げ部が前方に倒れるのを防止する2つの右弾性部材若しくは2つの右伸縮部材と、
前記2つの左立上げ部の上端部をつなぐ左上桟部と前記左底部の前端部との間に掛け渡され、前記2つの左立上げ部が前方に倒れるのを防止する左弾性体若しくは左伸縮ロッド又は前記2つの左立上げ部の中間部から前方側に突出し、前記2つの左立上げ部が前方に倒れるのを防止する2つの左弾性部材若しくは2つの左伸縮部材と、
前記右底部と前記左底部とを前記洋式便器又は前記男性用小便器の下端部の幅より広い間隔で固定する接続部材と、を備えていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載されているトイレの補助装置において、
前記2つの右立上げ部が前方側に倒れる角度を制限する右ストッパと、
前記2つの左立上げ部が前方側に倒れる角度を制限する左ストッパと、を備えていることを特徴とする。
【0010】
請求項5に係る発明は、洋式便器又は男性用小便器で男性が小便をする時に利用するトイレの補助装置であって、
右足全体を置くことのできる右底部と、
左足全体を置くことのできる左底部と、
前記右底部の前方両側部に両端部が固定されている帯状の右甲当て部と、
前記左底部の前方両側部に両端部が固定されている帯状の左甲当て部と、
前記右底部の後方両側部に固定され、前方斜め上側に延びる2つの右立上げ部と、
前記左底部の後方両側部に固定され、前方斜め上側に延びる2つの左立上げ部と、
前記2つの右立上げ部の間に掛け渡された柔軟性のある右脛当て部と、
前記2つの左立上げ部の間に掛け渡された柔軟性のある左脛当て部と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明のトイレの補助装置は、右底部と、左底部と、右甲当て部と、左甲当て部と、2つの右取付部と、2つの左取付部と、2つの右取付部にそれぞれ回動自在に固定されている2つの右立上げ部と、2つの左取付部にそれぞれ回動自在に固定されている2つの左立上げ部と、2つの右立上げ部の間に掛け渡された柔軟性のある右脛当て部と、2つの左立上げ部の間に掛け渡された柔軟性のある左脛当て部と、2つの右立上げ部の上端部をつなぐ右上桟部と右底部の前端部との間に掛け渡され、2つの右立上げ部が前方に倒れるのを防止する右弾性体若しくは右伸縮ロッド又は2つの右立上げ部の中間部から前方側に突出し、2つの右立上げ部が前方に倒れるのを防止する2つの右弾性部材若しくは2つの右伸縮部材と、2つの左立上げ部の上端部をつなぐ左上桟部と左底部の前端部との間に掛け渡され、2つの左立上げ部が前方に倒れるのを防止する左弾性体若しくは左伸縮ロッド又は2つの左立上げ部の中間部から前方側に突出し、2つの左立上げ部が前方に倒れるのを防止する2つの左弾性部材若しくは2つの左伸縮部材と、を備えており、洋式便器又は男性用小便器で男性が小便をする時に、右足の甲を右甲当て部に挿入して右底部に右足の裏をつけ、左足の甲を左甲当て部に挿入して左底部に左足の裏をつけて洋式便器又は男性用小便器の前に近づいた上で、右足の脛を右脛当て部に押し当て、左足の脛を左脛当て部に押し当てて前方に体重をかけるだけで放尿位置を下げることができるので、体幹の弱い人や脛の短い人が使用する場合でも、容易に利用することができ、確実に便器と立ち位置との関係を適正にすることができる。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る発明のトイレの補助装置による効果に加えて、2つの右立上げ部が前方側に倒れる角度を制限する右ストッパと、2つの左立上げ部が前方側に倒れる角度を制限する左ストッパと、を備えており、2つの右立上げ部及び2つの左立上げ部が一定角度以上に倒れることがないので、体重の重い人が使用しても放尿位置が下がり過ぎることがない。また、ストッパがあると体重をかけたとき、2つの右立上げ部及び2つの左立上げ部が必ず一定角度で止まることが分かるので、安心してトイレの補助装置を利用することができる。
【0013】
請求項3に係る発明のトイレの補助装置は、右底部と、左底部と、2つの右取付部と、2つの左取付部と、2つの右取付部にそれぞれ回動自在に固定されている2つの右立上げ部と、2つの左取付部にそれぞれ回動自在に固定されている2つの左立上げ部と、2つの右立上げ部の間に掛け渡された柔軟性のある右脛当て部と、2つの左立上げ部の間に掛け渡された柔軟性のある左脛当て部と、2つの右立上げ部の上端部をつなぐ右上桟部と右底部の前端部との間に掛け渡され、2つの右立上げ部が前方に倒れるのを防止する右弾性体若しくは右伸縮ロッド又は2つの右立上げ部の中間部から前方側に突出し、2つの右立上げ部が前方に倒れるのを防止する2つの右弾性部材若しくは2つの右伸縮部材と、2つの左立上げ部の上端部をつなぐ左上桟部と左底部の前端部との間に掛け渡され、2つの左立上げ部が前方に倒れるのを防止する左弾性体若しくは左伸縮ロッド又は2つの左立上げ部の中間部から前方側に突出し、2つの左立上げ部が前方に倒れるのを防止する2つの左弾性部材若しくは2つの左伸縮部材と、を備えており、洋式便器又は男性用小便器で男性が小便をする時に、洋式便器又は男性用小便器の前に近づき、右底部に右足の裏をつけ、左底部に左足の裏をつけた上で、右足の脛を右脛当て部に押し当て、左足の脛を左脛当て部に押し当てて前方に体重をかけるだけで放尿位置を下げることができるので、体幹の弱い人や脛の短い人が使用する場合でも、容易に利用することができ、確実に便器と立ち位置との関係を適正にすることができる。
【0014】
請求項4に係る発明によれば、請求項3に係る発明のトイレの補助装置による効果に加えて、2つの右立上げ部が前方側に倒れる角度を制限する右ストッパと、2つの左立上げ部が前方側に倒れる角度を制限する左ストッパと、を備えており、2つの右立上げ部及び2つの左立上げ部が一定角度以上に倒れることがないので、体重の重い人が使用しても放尿位置が下がり過ぎることがない。また、ストッパがあると体重をかけたとき、2つの右立上げ部及び2つの左立上げ部が必ず一定角度で止まることが分かるので、安心してトイレの補助装置を利用することができる。
【0015】
請求項5に係る発明のトイレの補助装置は、右足全体を置くことのできる右底部と、左足全体を置くことのできる左底部と、右底部の前方両側部に両端部が固定されている帯状の右甲当て部と、左底部の前方両側部に両端部が固定されている帯状の左甲当て部と、右底部の後方両側部に固定され、前方斜め上側に延びる2つの右立上げ部と、左底部の後方両側部に固定され、前方斜め上側に延びる2つの左立上げ部と、2つの右立上げ部の間に掛け渡された柔軟性のある右脛当て部と、2つの左立上げ部の間に掛け渡された柔軟性のある左脛当て部と、を備えており、洋式便器又は男性用小便器で男性が小便をする時に、右足の甲を右甲当て部に挿入して右底部に右足の裏をつけ、左足の甲を左甲当て部に挿入して左底部に左足の裏をつけて洋式便器又は男性用小便器の前に近づいた上で、右足の脛を右脛当て部に押し当て、左足の脛を左脛当て部に押し当てるだけで放尿位置が下がるので、誰でも容易に利用することができ、確実に便器と立ち位置との関係を適正にすることができる。また、構造が単純で軽量なので歩き易く、安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施例1に係るトイレの補助装置(右側)の斜視図。
図2】実施例1に係るトイレの補助装置を利用している時の様子を示す図。
図3】実施例2に係るトイレの補助装置の斜視図。
図4】実施例2に係るトイレの補助装置を洋式便器にセットした時の平面図。
図5】変形例3に係るトイレの補助装置(右側)の斜視図。
図6】変形例6に係るトイレの補助装置の斜視図。
図7】変形例8に係るトイレの補助装置(右側)の斜視図。
図8】変形例8に係るトイレの補助装置を利用している時の様子を示す図。
図9】実施例3に係るトイレの補助装置(右側)の斜視図。
図10】実施例3に係るトイレの補助装置を利用している時の様子を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、実施例によって本発明の実施形態を説明する。
【実施例0018】
図1は、実施例1に係るトイレの補助装置の一部(右側の補助装置)の斜視図である。
そして、実施例1に係るトイレの補助装置は、図1に示す右側の補助装置と図示しない左側の補助装置とからなり、補助装置(右側)は以下の構成を備えている。
(1)草履のような形状で右足全体を置くことのできる右底部1R。
なお、右底部1Rの形状は、右足を置いて歩き易くするために、前方部が上方側に傾斜しているとともに、中央部より前方側は前方ほど薄くなっている。
(2)右底部1Rの前方両側部に両端部が固定されている帯状の右甲当て部2R。
(3)右底部1Rの後方両側部に固定されている2つの右取付部3R。
(4)2つの右取付部3Rにそれぞれ回動自在に固定されている2つの右立上げ部4R。
(5)2つの右立上げ部4Rの間に掛け渡された柔軟性のある右脛当て部5R。
(6)2つの右立上げ部4Rの上端部をつなぐ右上桟部6R。
(7)右上桟部6Rの中央と右底部1Rの前端部との間に掛け渡されている右弾性体7R。
(8)2つの右立上げ部4Rの中間部からそれぞれ前方側に突出し、2つの右立上げ部4Rが前方側に倒れる角度を制限する2つの右ストッパ8R。
(9)2つの右立上げ部4Rの下端部からそれぞれ後方側に突出し、2つの右立上げ部4Rが後方側に倒れないようにする2つの右後方ストッパ9R。
そして、右底部1R、右取付部3R、右立上げ部4R、右上桟部6R、右ストッパ8R及び右後方ストッパ9Rの材質は、硬質プラスチック、木材又はステンレス等の金属であり、右甲当て部2Rの材質は、軟質プラスチック、ゴム、厚手の布等であり、右脛当て部5Rは、軟質プラスチック板、ゴム板、各種の布又は各種の紐を編んだもの等であり、右弾性体7Rは、板バネ又はコイルスプリング等である。
また、図示しない補助装置(左側)は、補助装置(右側)と全く同じ構成又は左右対称の構成であるので、以下では補助装置(左側)の各構成は、上記(1)~(9)の「右」及び「R」を、それぞれ「左」及び「L」に代えて説明する。
【0019】
図2は、実施例1に係るトイレの補助装置を利用している時の様子を示す図である。
実施例1に係るトイレの補助装置を使用して洋式便器10で男性が小便をする時には、右足の甲を右甲当て部2Rに挿入して右底部1Rの表面に右足の裏をつけ、左足の甲を左甲当て部2Lに挿入して左底部1Lの表面に左足の裏をつけて洋式便器10の前に近づいた上で、右足の脛を右脛当て部5Rに押し当て、左足の脛を左脛当て部5Lに押し当てて前方に体重をかける。そうすると、図2に示すように右弾性体7R及び左弾性体7Lが内側に曲がり、利用者の体重に応じて右弾性体7R及び左弾性体7Lの抗力と釣り合う位置まで左右の膝が前方側に下がるので、自然な体勢で放尿位置を下げることができる。
そして、体重の重い人が利用した場合でも、2つの右ストッパ8R及び2つの左ストッパ8Lの下端部が、それぞれ右底部1Rの表面及び左底部1Lの表面に到達すると、その位置で左右の膝の前方側への動きが止まるので、放尿位置が下がり過ぎることはない。
【実施例0020】
図3は、実施例2に係るトイレの補助装置の斜視図である。
実施例2に係るトイレの補助装置は、図3に示すように、右側の補助装置、左側の補助装置及びこれらを接続する部材からなり、補助装置(右側)は以下の構成を備えている。
(11)長さ30cm、幅12cm、高さ1cmの直方体状の板状体からなり、右足全体を置くことのできる右底部11R。
(12)右底部11Rの前方両側部に両端部が固定されている帯状の右甲当て部12R。
(13)右底部11Rの後方両側部に固定されている2つの右取付部13R。
(14)2つの右取付部13Rにそれぞれ回動自在に固定されている2つの右立上げ部14R。
(15)2つの右立上げ部14Rの間に掛け渡された柔軟性のある右脛当て部15R。
(16)2つの右立上げ部14Rの上端部をつなぐ右上桟部16R。
(17)右上桟部16Rの中央と右底部11Rの前端部との間に掛け渡されている右弾性体17R。
(18)2つの右立上げ部14Rの中間部からそれぞれ前方側に突出し、2つの右立上げ部14Rが前方側に倒れる角度を制限する2つの右ストッパ18R。
(19)2つの右立上げ部14Rの下端部からそれぞれ後方側に突出し、2つの右立上げ部14Rが後方側に倒れないようにする2つの右後方ストッパ19R。
そして、右底部11R、右取付部13R、右立上げ部14R、右上桟部16R、右ストッパ18R及び右後方ストッパ19Rの材質は、硬質プラスチック、木材又はステンレス等の金属であり、右甲当て部12Rの材質は、軟質プラスチック、ゴム、厚手の布等であり、右脛当て部15Rは、軟質プラスチック板、ゴム板、各種の布又は各種の紐を編んだもの等であり、右弾性体17Rは、板バネ又はコイルスプリング等である。
また、補助装置(左側)は、補助装置(右側)と左右対称の構成となっており、補助装置(右側)の説明における「右」及び「R」を、それぞれ「左」及び「L」に代えるだけとなるので、補助装置(左側)についての説明は省略する。
さらに、右底部11Rの左側面中央部には右接続部20Rが設けられ、左底部11Lの右側面中央部には左接続部20Lが設けられているとともに、一端部を右接続部20Rに着脱自在に固定でき、他端部を左接続部20Lに着脱自在に固定できる接続部材21を備えており、右底部11Rと左底部11Lとを洋式便器10の下端部の幅(通常は20cm程度)より広い間隔(通常は40cm程度)で固定できるようになっている。
【0021】
図4は、実施例2に係るトイレの補助装置を洋式便器にセットした時の平面図である。
実施例2に係るトイレの補助装置を使用して洋式便器10で男性が小便をする時には、右足の甲を右甲当て部12Rに挿入し、左足の甲を左甲当て部12Lに挿入した上で、右足の脛を右脛当て部15Rに押し当て、左足の脛を左脛当て部15Lに押し当てて前方に体重をかける。そうすると、実施例1と同様に右弾性体17R及び左弾性体17Lが内側に曲がり、利用者の体重に応じて右弾性体17R及び左弾性体17Lの抗力と釣り合う位置まで左右の膝が前方側に下がるので、自然な体勢で放尿位置を下げることができる。
そして、体重の重い人が利用した場合でも、実施例1と同様に2つの右ストッパ18R及び2つの左ストッパ18Lの作用により、2つの右立上げ部14R及び2つの左立上げ部14Lが一定角度で止まるので、放尿位置が下がり過ぎることはない。
【0022】
実施例1及び2に係るトイレの補助装置の変形例を列記する。
(変形例1)実施例1及び2に係るトイレの補助装置は、2つの右立上げ部4R、14Rの中間部からそれぞれ前方側に突出し、2つの右立上げ部4R、14Rが前方側に倒れる角度を制限する2つの右ストッパ8R及び2つの左立上げ部4L、14Lの中間部からそれぞれ前方側に突出し、2つの左立上げ部4L、14Lが前方側に倒れる角度を制限する2つの左ストッパ8Lを備えていたが、2つの右立上げ部4R、14R及び2つの左立上げ部4L、14Lが前方側に倒れる角度は、右弾性体7R及び左弾性体7Lが有する弾性によって利用者の体重に応じて制限されるので、2つの右ストッパ8R及び2つの左ストッパ8Lは設けなくても良い。
また、2つの右ストッパ8R及び2つの左ストッパ8Lに代えて、右底部1Rの前方両側部及び左底部1Lの前方両側部から斜め後ろ側に延びる2つの右ストッパ及び2つの左ストッパを設け、2つの右立上げ部4R、14R及び2つの左立上げ部4L、14Lが一定角度まで倒れたとき、それぞれが2つの右ストッパ及び2つの左ストッパの先端部に到達して止まるようにしても良い。
さらに、2つの右ストッパ8R、18R及び2つの左ストッパ8L、18Lに代えて、右底部1R、11Rの前端部及び左底部1L、11Lの前端部から斜め後ろ側に延びる1つ若しくは2つの右ストッパ及び1つ若しくは2つの左ストッパを設け、2つの右立上げ部4R、14R及び2つの左立上げ部4L、14Lが一定角度まで倒れたとき、右上桟部6R、16R及び左上桟部6L、16Lが、それぞれ1つ若しくは2つの右ストッパ及び1つ若しくは2つの左ストッパの先端部に到達して止まるようにしても良い。
【0023】
(変形例2)実施例1及び2に係るトイレの補助装置は、右上桟部6R、16Rの中央と右底部1R、11Rの前端部との間に掛け渡されている右弾性体7R及び左上桟部6L、16Lの中央と左底部1L、11Lの前端部との間に掛け渡されている左弾性体7Lを備えていたが、右弾性体7R、17Rを右伸縮ロッドに代え、右上桟部6R、16Rの中央及び右底部1R、11Rの前端部に右伸縮ロッドの両端を回動自在に固定するとともに、左弾性体7L、17Lを左伸縮ロッドに代え、左上桟部6L、16Lの中央及び左底部1L、11Lの前端部に左伸縮ロッドの両端を回動自在に固定しても良い。
なお、右伸縮ロッド及び左伸縮ロッドは、両端が押されていない場合には伸びた状態、両端が押されている場合には押圧力に応じて縮んだ状態となるタイプのものを用いる。
そのため、右伸縮ロッド及び左伸縮ロッドの内部には、両端からの押圧力に抗するため、弾力性のある部材が設けられているか流体が封入されている。
【0024】
(変形例3)実施例1及び2に係るトイレの補助装置は、右上桟部6R、16Rの中央と右底部1R、11Rの前端部との間に掛け渡されている右弾性体7R及び左上桟部6L、16Lの中央と左底部1L、11Lの前端部との間に掛け渡されている左弾性体7L、17L並びに2つの右立上げ部4R、14Rの中間部からそれぞれ前方側に突出し、2つの右立上げ部4R、14Rが前方側に倒れる角度を制限する2つの右ストッパ8R、18R及び2つの左立上げ部4L、14Lの中間部からそれぞれ前方側に突出し、2つの左立上げ部4L、14Lが前方側に倒れる角度を制限する2つの左ストッパ8L、18Lを備えていたが、右弾性体7R、17R及び右ストッパ8R、18Rに代えて、図5に示すように、2つの右立上げ部4R、14Rの中間部から前方側に突出する2つの右伸縮部材22Rを設け、同様に左弾性体7L、17L及び左ストッパ8L、18Lに代えて、2つの左立上げ部4L、14Lの中間部から前方側に突出する2つの左伸縮部材22Lを設けても良い。
そして、変形例3によれば、実施例1及び2と同様に、利用者が右足の脛を右脛当て部5R、15Rに押し当て、左足の脛を左脛当て部5L、15Lに押し当てて前方に体重をかけると、右伸縮部材22R及び左伸縮部材22Lが、それぞれ右底部1R、11Rの両側部及び左底部1L、11Lの両側部に到達した後は、2つの鶴巻バネ23R及び23Lの作用により徐々に縮み、利用者の体重に応じて、2つの鶴巻バネ23R及び23Lの抗力と釣り合う位置か、右伸縮部材22R及び左伸縮部材22Lの最大収縮位置になるまで左右の膝が前方側に下がるので、自然な体勢で放尿位置を下げることができる。
なお、図5においては、右伸縮部材22R及び左伸縮部材22Lの内部に鶴巻バネ23R、23Lを設けたが、変形例2の右伸縮ロッド及び左伸縮ロッドと同様に、弾力性のある部材が設けられているか流体が封入されていれば良く、さらに、右伸縮部材22R及び左伸縮部材22L自体を、それぞれ右弾性部材及び左弾性部材に変更しても良い。
【0025】
(変形例4)実施例1及び2に係るトイレの補助装置は、2つの右立上げ部4R、14Rの下端部からそれぞれ後方側に突出し、2つの右立上げ部4R、14Rが後方側に倒れないようにする2つの右後方ストッパ9R、19R及び2つの左立上げ部4L、14Lの下端部からそれぞれ後方側に突出し、2つの左立上げ部4L、14Lが後方側に倒れないようにする2つの左後方ストッパ9L、19Lを備えていたが、2つの右立上げ部4R、14R及び2つの左立上げ部4L、14Lは、それぞれ右弾性体7R、17R及び左弾性体7L、17Lによって、前方側に引っ張られているので、2つの右後方ストッパ9R、19R及び2つの左後方ストッパ9L、19Lは設けなくても良い。
【0026】
(変形例5)実施例2に係るトイレの補助装置においては、右底部11R及び左底部11Lの前方両側部に両端部が固定されている帯状の右甲当て部12R及び左甲当て部12Lが設けられていたが、実施例2の場合は右底部11R及び左底部11Lを移動させる必要がないので、右甲当て部12R及び左甲当て部12Lは設けなくても良い。
(変形例6)実施例2に係るトイレの補助装置においては、右底部11Rの左側面中央部に右接続部20Rが設けられ、左底部11Lの右側面中央部に左接続部20Lが設けられていたが、図6に示すように、右底部11Rの前面左側に右接続部24Rを設け、左底部11Lの前面右側に左接続部24Lを設けるとともに、U字型の接続部材25の一端部を右接続部24Rに着脱自在に固定でき、他端部を左接続部24Lに着脱自在に固定できるようにしても良い。そして、U字型の接続部材25を用いて右底部11Rと左底部11Lを固定すれば、実施例2に係るトイレの補助装置を利用せずに用便するとき、補助装置を邪魔にならない位置(洋式便器10の奥側)に移動させることができる。
(変形例7)実施例2及び変形例6に係るトイレの補助装置においては、接続部材21及びU字型の接続部材25の一端部を右接続部20R、24Rに着脱自在に固定でき、他端部を左接続部20L、24Lに着脱自在に固定できるようになっていたが、一方の端部は着脱自在でなくても良い。
また、接続部材21及びU字型の接続部材25は、右底部1R、11Rと左底部1L、11Lを洋式便器10の下端部の幅より広い間隔(通常は40cm程度)で固定できる一定の長さ及び形状であったが、右底部1R、11Rと左底部1L、11Lとの間隔を調整できるようにするため、接続部材21の一部及びU字型の接続部材25の中央部の長さを伸縮自在としても良い。
【0027】
(変形例8)実施例1及び2に係るトイレの補助装置は、2つの右立上げ部4R、14R、2つの右立上げ部4Rの間に掛け渡された柔軟性のある右脛当て部5R、15R、2つの左立上げ部4L、14L及び2つの左立上げ部4L、14Lの間に掛け渡された柔軟性のある左脛当て部5L、15Lを備えており、図2に示すように、右脛当て部5R及び左脛当て部5Lに、それぞれ右足及び左足の脛の中央部を押し当てるものとして説明したが、図7に示すように、2つの右立上げ部4R’、14R’及び右脛当て部5R’、15R’の長さを長くして、右脛当て部5R’、15R’に、右足の脛の中央部から膝を押し当てるようにしても良い。そして、そうする場合には、2つの左立上げ部4L’、14L’及び左脛当て部5L’、15L’の長さも、それぞれ2つの右立上げ部4R’、14R’及び右脛当て部5R’、15R’の長さと同じ長さにする必要がある。
図8は、変形例8に係るトイレの補助装置を利用して、男性用小便器30で男性が小便をする時の様子を示す図である。利用方法は、実施例1とほぼ同じであり、利用者の体重に応じて右弾性体7R及び左弾性体7Lの抗力と釣り合う位置まで左右の膝が前方側に下がるので、自然な体勢で放尿位置を下げることができ、小便器と立ち位置との関係を適正にすることができる。
【実施例0028】
図9は、実施例3に係るトイレの補助装置の一部(右側の補助装置)の斜視図である。
実施例3に係るトイレの補助装置は、図9に示す右側の補助装置と図示しない左側の補助装置とからなり、補助装置(右側)は以下の構成を備えている。
(21)草履のような形状で右足全体を置くことのできる右底部31R。
なお、右底部31Rの形状は、右足を置いて歩き易くするために、前方部が上方側に傾斜しているとともに、中央部より前方側は前方ほど薄くなっており、右足の脛及び膝を前に出し易くするために、後方側は後方ほど厚くなっている。
(22)右底部31Rの前方両側部に両端部が固定されている帯状の右甲当て部32R。
(23)右底部31Rの後方両側部に固定され、前方斜め上側に延びる2つの右立上げ部34R。なお、2つの右立上げ部34Rの下部は前方側に広がって強度を高めてある。
(24)2つの右立上げ部34Rの間に掛け渡された柔軟性のある右脛当て部35R。
(25)2つの右立上げ部34Rの上端部をつなぐ右上桟部36R。
そして、右底部31R、右立上げ部34R及び右上桟部36Rの材質は、硬質プラスチック、木材又はステンレス等の金属であり、右甲当て部32Rの材質は、軟質プラスチック、ゴム、厚手の布等であり、右脛当て部35Rは、実施例1、2の右脛当て部5R、15Rで用いられる軟質プラスチック板やゴム板の厚さより3~5倍厚く、クッション性の大きいスポンジ、軟質プラスチック板又はゴム板等である。
また、図示しない補助装置(左側)は、補助装置(右側)と全く同じ構成又は左右対称の構成であるので、以下では補助装置(左側)の各構成は、上記(21)~(25)の「右」及び「R」を、それぞれ「左」及び「L」に代えて説明する。
【0029】
図10は、実施例3に係るトイレの補助装置を利用している時の様子を示す図である。
実施例3に係るトイレの補助装置を使用して洋式便器10で男性が小便をする時には、右足の甲を右甲当て部32Rに挿入して右底部31Rの表面に右足の裏をつけ、左足の甲を左甲当て部32Lに挿入して左底部31Lの表面に左足の裏をつけて洋式便器10の前に近づいた上で、右足の脛を右脛当て部35Rに押し当て、左足の脛を左脛当て部35Lに押し当てて前方に体重をかける。
そうすると、図10に示すように厚く、クッション性の大きい右脛当て部35R及び左脛当て部35Lは凹み、左右の膝が前方側に下がり小便器に近づくので、自然な体勢で放尿位置を下げることができ、便器と立ち位置との関係を適正にすることができる。
【0030】
実施例1~3及び変形例8に係るトイレの補助装置の変形例を記載する。
(変形例9)実施例1~3に係るトイレの補助装置は、図2、4、10に示すように、いずれも洋式便器10で男性が小便をする時に利用するものとして説明したが、変形例8に係るトイレの補助装置と同様、図8に示すように、男性用小便器で男性が小便をする時に利用しても良い。逆に、変形例8に係るトイレの補助装置も、実施例1~3に係るトイレの補助装置と同様、洋式便器10で男性が小便をする時に利用することができる。
【符号の説明】
【0031】
1R 右底部 1L 左底部
2R 右甲当て部 2L 左甲当て部
3R 右取付部 3L 左取付部
4R、4R’ 右立上げ部 4L、4L’ 左立上げ部
5R、5R’ 右脛当て部 5L、5L’ 左脛当て部
6R 右上桟部 6L 左上桟部
7R 右弾性体 7L 左弾性体
8R 右ストッパ 8L 左ストッパ
9R 右後方ストッパ 9L 左後方ストッパ 10 洋式便器
11R 右底部 11L 左底部
12R 右甲当て部 12L 左甲当て部
13R 右取付部 13L 左取付部
14R、14R’ 右立上げ部 14L、14L’ 左立上げ部
15R、15R’ 右脛当て部 15L、15L’ 左脛当て部
16R 右上桟部 16L 左上桟部
17R 右弾性体 17L 左弾性体
18R 右ストッパ 18L 左ストッパ
19R 右後方ストッパ 19L 左後方ストッパ
20R 右接続部 20L 左接続部 21 接続部材
22R 右伸縮部材 22L 左伸縮部材
23R、23L 鶴巻バネ 24R 右接続部
24L 左接続部 25 U字型の接続部材 30 男性用小便器
31R 右底部 31L 左底部
32R 右甲当て部 32L 左甲当て部
34R 右立上げ部 34L 左立上げ部
35R 右脛当て部 35L 左脛当て部
36R 右上桟部 36L 左上桟部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10