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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038986
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】集積回路素子
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20240313BHJP
   H01L 21/76 20060101ALI20240313BHJP
【FI】
H01L29/78 301X
H01L29/78 301R
H01L21/76 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023119675
(22)【出願日】2023-07-24
(31)【優先権主張番号】10-2022-0114467
(32)【優先日】2022-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鄭 然 鍍
(72)【発明者】
【氏名】金 チョル
(72)【発明者】
【氏名】金 基 哲
(72)【発明者】
【氏名】朴 貴 臨
(72)【発明者】
【氏名】柳 亥 俊
(72)【発明者】
【氏名】李 彩 榮
(72)【発明者】
【氏名】崔 慶 寅
【テーマコード(参考)】
5F032
5F140
【Fターム(参考)】
5F032AA33
5F032AA44
5F032AA46
5F032AA47
5F032AA67
5F032AA69
5F032AA70
5F032BA01
5F032BA03
5F032BA05
5F032CA05
5F032CA06
5F032CA09
5F032CA10
5F032CA17
5F032DA23
5F140AA39
5F140AC01
5F140AC32
5F140AC33
5F140BB05
5F140BB06
5F140BD04
5F140BD07
5F140BD09
5F140BF05
5F140BF07
5F140BF10
5F140BH06
5F140BH27
5F140CB04
(57)【要約】
【課題】ダウンスケーリングによって、素子領域が縮小した面積を有し、素子領域に含まれる構成要素のアスペクト比が増加しても、信頼度を向上させることができる構造を有する集積回路素子を提供する。
【解決手段】本発明による集積回路素子は、基板上で第1水平方向に延長され、第1水平方向に沿って一直線に配置される一対のフィン型活性領域と、一対のフィン型活性領域間で第1水平方向に交差する第2水平方向に沿って延長されるフィン分離絶縁部と、を有し、フィン分離絶縁部は、一対のフィン型活性領域それぞれのフィン上面より高い第1垂直レベルで少なくとも1つの突出部を有する第1窒素リッチバリヤー膜と、第1窒素リッチバリヤー膜から離隔され、第1窒素リッチバリヤー膜により限定される空間内に配置される第2窒素リッチバリヤー膜と、を含む。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上で第1水平方向に延長され、前記第1水平方向に沿って一直線に配置される一対のフィン型活性領域と、
前記一対のフィン型活性領域間で前記第1水平方向に交差する第2水平方向に沿って延長されるフィン分離絶縁部と、を有し、
前記フィン分離絶縁部は、前記一対のフィン型活性領域それぞれのフィン上面より高い第1垂直レベルで少なくとも1つの突出部を有する第1窒素リッチバリヤー膜と、
前記第1窒素リッチバリヤー膜から離隔され、前記第1窒素リッチバリヤー膜により限定される空間内に配置される第2窒素リッチバリヤー膜と、を含むことを特徴とする集積回路素子。
【請求項2】
前記第1窒素リッチバリヤー膜の最上面と前記第2窒素リッチバリヤー膜の最上面とは、同一垂直レベルにあり、
前記第1窒素リッチバリヤー膜の最低面の垂直レベルは、前記第2窒素リッチバリヤー膜の最低面の垂直レベルより低いことを特徴とする請求項1に記載の集積回路素子。
【請求項3】
前記第1窒素リッチバリヤー膜は、窒素ドープシリコン酸化膜、窒素リッチシリコン窒化膜、窒素ドープシリコン膜、又はそれらの組み合わせを含み、
前記第2窒素リッチバリヤー膜は、窒素リッチシリコン窒化膜、窒素ドープシリコン膜、又はそれらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項1に記載の集積回路素子。
【請求項4】
前記一対のフィン型活性領域の内、選択された1つのフィン型活性領域上に配置される少なくとも1つのナノシートと、
前記選択された1つのフィン型活性領域上で前記少なくとも1つのナノシートを取り囲み、前記第2水平方向に延長されるゲートラインと、
前記ゲートラインと前記フィン分離絶縁部との間で、前記選択された1つのフィン型活性領域上に配置されるソース/ドレイン領域と、をさらに有し、
前記少なくとも1つの突出部は、前記第1水平方向に前記ソース/ドレイン領域に対面することを特徴とする請求項1に記載の集積回路素子。
【請求項5】
前記第2窒素リッチバリヤー膜は、前記第1窒素リッチバリヤー膜に含まれる前記少なくとも1つの突出部に対面する局部領域を含み、
前記第2窒素リッチバリヤー膜の前記局部領域は、凹凸なしに平坦に延長されることを特徴とする請求項1に記載の集積回路素子。
【請求項6】
基板上で第1水平方向に延長され、前記第1水平方向に沿って一直線に配置される一対のフィン型活性領域と、
前記一対のフィン型活性領域間で前記第1水平方向に交差する第2水平方向に沿って延長されるフィン分離絶縁部と、
前記一対のフィン型活性領域それぞれの上部に1つずつ配置され、それぞれ少なくとも1つのナノシートを含む一対のナノシートスタックと、
前記一対のフィン型活性領域上で前記少なくとも1つのナノシートを取り囲み、前記第2水平方向に延長される一対のゲートラインと、
前記一対のゲートライン間で前記フィン分離絶縁部の両側に1つずつ配置される一対のソース/ドレイン領域と、を有し、
前記フィン分離絶縁部は、前記一対のソース/ドレイン領域の内の少なくとも1つに対面する少なくとも1つの突出部を有する第1局部領域を含む第1窒素リッチバリヤー膜と、
前記第1窒素リッチバリヤー膜から離隔され、前記第1窒素リッチバリヤー膜により限定される空間内に配置される第2窒素リッチバリヤー膜と、を含むことを特徴とする集積回路素子。
【請求項7】
前記第2窒素リッチバリヤー膜は、前記第1水平方向に前記第1局部領域に対面する第2局部領域を含み、
前記第2局部領域の表面粗さは、前記第1局部領域の表面粗さより小さいことを特徴とする請求項6に記載の集積回路素子。
【請求項8】
基板上で第1水平方向に延長され、前記第1水平方向に沿って一直線に配置される第1フィン型活性領域及び第2フィン型活性領域と、
前記第1フィン型活性領域と前記第2フィン型活性領域との間で、前記第1水平方向に交差する第2水平方向に沿って延長されるフィン分離絶縁部と、
前記第1フィン型活性領域の上部に配置される少なくとも1つのナノシートと、
前記第1フィン型活性領域上で前記少なくとも1つのナノシートを取り囲み、前記第2水平方向に延長されるゲートラインと、
前記ゲートラインと前記フィン分離絶縁部との間で、前記第1フィン型活性領域上に配置されるソース/ドレイン領域と、を有し、
前記フィン分離絶縁部は、前記フィン分離絶縁部の最外部から前記フィン分離絶縁部の中央部に向かって順次に配置される第1窒素リッチバリヤー膜、第1分離絶縁膜、第2窒素リッチバリヤー膜、及び第2分離絶縁膜を含み、
前記第1窒素リッチバリヤー膜は、前記ソース/ドレイン領域に対面する局部領域で少なくとも1つの突出部を有し、
前記第2窒素リッチバリヤー膜は、前記第1分離絶縁膜を挟んで前記第1窒素リッチバリヤー膜から離隔されており、前記第1窒素リッチバリヤー膜の前記局部領域に対面する滑らかな表面を有することを特徴とする集積回路素子。
【請求項9】
前記フィン分離絶縁部は、前記ソース/ドレイン領域より低い垂直レベルにある下側分離部を含み、
前記下側分離部において、前記第1窒素リッチバリヤー膜及び前記第2窒素リッチバリヤー膜は、互いに異なる物質からなり、前記第1分離絶縁膜及び前記第2分離絶縁膜は、互いに同一の物質からなることを特徴とする請求項8に記載の集積回路素子。
【請求項10】
前記第1窒素リッチバリヤー膜、前記第1分離絶縁膜、及び第2窒素リッチバリヤー膜は、それぞれU字形の断面形状を有し、
前記第2分離絶縁膜は、内部が絶縁物質で充填されたプラグ(plug)形状を有することを特徴とする請求項8に記載の集積回路素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路素子に関し、特に、フィン型活性領域を含む集積回路素子に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路素子のダウンスケーリング(down-scaling)が急速に進められるにつれて、集積回路素子において速い動作速度だけでなく、動作に係わる正確性を確保する必要がある。
【0003】
従って、最適のパフォーマンスを提供することができ、信頼性を向上させることができる構造を有する集積回路素子を提供するための多様な研究が進めることが課題となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-326478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の集積回路素子における課題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、ダウンスケーリングによって、素子領域が縮小した面積を有し、素子領域に含まれる構成要素のアスペクト比(aspect ratio)が増加しても、信頼度を向上させることができる構造を有する集積回路素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明による集積回路素子は、基板上で第1水平方向に延長され、前記第1水平方向に沿って一直線に配置される一対のフィン型活性領域と、前記一対のフィン型活性領域間で前記第1水平方向に交差する第2水平方向に沿って延長されるフィン分離絶縁部と、を有し、前記フィン分離絶縁部は、前記一対のフィン型活性領域それぞれのフィン上面より高い第1垂直レベルで少なくとも1つの突出部を有する第1窒素リッチバリヤー膜と、前記第1窒素リッチバリヤー膜から離隔され、前記第1窒素リッチバリヤー膜により限定される空間内に配置される第2窒素リッチバリヤー膜と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、上記目的を達成するためになされた本発明による集積回路素子は、基板上で第1水平方向に延長され、前記第1水平方向に沿って一直線に配置される一対のフィン型活性領域と、前記一対のフィン型活性領域間で前記第1水平方向に交差する第2水平方向に沿って延長されるフィン分離絶縁部と、前記一対のフィン型活性領域それぞれの上部に1つずつ配置され、それぞれ少なくとも1つのナノシートを含む一対のナノシートスタックと、前記一対のフィン型活性領域上で前記少なくとも1つのナノシートを取り囲み、前記第2水平方向に延長される一対のゲートラインと、前記一対のゲートライン間で前記フィン分離絶縁部の両側に1つずつ配置される一対のソース/ドレイン領域と、を有し、前記フィン分離絶縁部は、前記一対のソース/ドレイン領域の内の少なくとも1つに対面する少なくとも1つの突出部を有する第1局部領域を含む第1窒素リッチバリヤー膜と、前記第1窒素リッチバリヤー膜から離隔され、前記第1窒素リッチバリヤー膜により限定される空間内に配置される第2窒素リッチバリヤー膜と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、上記目的を達成するためになされた本発明による集積回路素子は、基板上で第1水平方向に延長され、前記第1水平方向に沿って一直線に配置される第1フィン型活性領域及び第2フィン型活性領域と、前記第1フィン型活性領域と前記第2フィン型活性領域との間で、前記第1水平方向に交差する第2水平方向に沿って延長されるフィン分離絶縁部と、前記第1フィン型活性領域の上部に配置される少なくとも1つのナノシートと、前記第1フィン型活性領域上で前記少なくとも1つのナノシートを取り囲み、前記第2水平方向に延長されるゲートラインと、前記ゲートラインと前記フィン分離絶縁部との間で、前記第1フィン型活性領域上に配置されるソース/ドレイン領域と、を有し、前記フィン分離絶縁部は、前記フィン分離絶縁部の最外部から前記フィン分離絶縁部の中央部に向かって順次に配置される第1窒素リッチバリヤー膜、第1分離絶縁膜、第2窒素リッチバリヤー膜、及び第2分離絶縁膜を含み、前記第1窒素リッチバリヤー膜は、前記ソース/ドレイン領域に対面する局部領域で少なくとも1つの突出部を有し、前記第2窒素リッチバリヤー膜は、前記第1分離絶縁膜を挟んで前記第1窒素リッチバリヤー膜から離隔されており、前記第1窒素リッチバリヤー膜の前記局部領域に対面する滑らかな表面を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る集積回路素子によれば、隣接したトランジスタ間の絶縁のために提供されるフィン分離領域を含み、フィン分離領域は、ボイド(void)のような構造的に脆弱な欠陥がない安定した構造を有する。
特に、ダウンスケーリングによって、素子領域の面積が縮小し、フィン分離領域のアスペクト比が増加しても、フィン分離領域により隣接したトランジスタ間の絶縁が安定して行われ、集積回路素子に含まれたトランジスタで最適のパフォーマンスを提供することができる。
したがって、集積回路素子の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態による集積回路素子の一部構成を示す部分平面図である。
図2A図1のX1-X1’線に沿って切断した断面図である。
図2B図2Aにおいて「EX1」で表された局部領域の拡大断面図である。
図2C図1のY1-Y1’線に沿って切断した断面図である。
図3】本発明の他の実施形態による集積回路素子を説明するための部分平面図である。
図4】本発明のさらに他の実施形態による集積回路素子を説明するための部分平面図である。
図5】本発明のさらに他の実施形態による集積回路素子を説明するための部分平面図である。
図6A】本発明の実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するための工程順部分断面図である。
図6B】本発明の実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するための工程順部分断面図である。
図6C】本発明の実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するための工程順部分断面図である。
図6D】本発明の実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するための工程順部分断面図である。
図6E】本発明の実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するための工程順部分断面図である。
図6F】本発明の実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するための工程順部分断面図である。
図6G】本発明の実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するための工程順部分断面図である。
図6H】本発明の実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するための工程順部分断面図である。
図6I】本発明の実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するための工程順部分断面図である。
図6J】本発明の実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するための工程順部分断面図である。
図6K】本発明の実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するための工程順部分断面図である。
図6L】本発明の実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するための工程順部分断面図である。
図6M】本発明の実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するための工程順部分断面図である。
図7A】本発明の実施形態による方法によってフィン分離絶縁部を形成する例示的な方法を説明するための工程順部分断面図である。
図7B】本発明の実施形態による方法によってフィン分離絶縁部を形成する例示的な方法を説明するための工程順部分断面図である。
図7C】本発明の実施形態による方法によってフィン分離絶縁部を形成する例示的な方法を説明するための工程順部分断面図である。
図7D】本発明の実施形態による方法によってフィン分離絶縁部を形成する例示的な方法を説明するための工程順部分断面図である。
図7E】本発明の実施形態による方法によってフィン分離絶縁部を形成する例示的な方法を説明するための工程順部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明に係る集積回路素子を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
図面上の同一構成要素に対しては、同一参照符号を使用し、それらに関する重複説明は省略する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態による集積回路素子の一部構成を示す部分平面図であり、図2Aは、図1のX1-X1’線に沿って切断した断面図であり、図2Bは、図2Aにおいて「EX1」で表された局部領域の拡大断面図であり、図2Cは、図1のY1-Y1’線に沿って切断した断面図である。
図1及び図2A図2Cを参照して、ナノワイヤ又はナノシート状の活性領域と、活性領域を取り囲むゲートとを含むゲートオールアラウンド(gate-all-around)構造を有する電界効果トランジスタTRを含む集積回路素子100について説明する。
【0013】
図1及び図2A図2Cを参照すると、集積回路素子100は、基板102上に配置された素子領域RXを含む。
基板102は、水平方向(X-Y平面方向)に延長される主面110Mを有する。
基板102は、Si又はGeのような半導体、あるいはSiGe、SiC、GaAs、InAs、InGaAs、又はInPのような化合物半導体を含み得る。
本明細書で使用される用語「SiGe」、「SiC」、「GaAs」、「InAs」、「InGaAs」、及び「InP」は、それぞれの用語に含まれた元素からなる材料を意味するものであって、化学量論的関係を示す化学式ではない。
基板102は、導電領域、例えば、不純物がドーピングされたウェル(well)、又は不純物がドーピングされた構造物を含み得る。
【0014】
素子領域RXには、基板102から垂直方向に突出したフィン型(fin-type)活性領域FAが配置される。
複数のフィン型活性領域FAは、第1水平方向(X方向)に沿って互いに平行に延長される。
素子領域RXにおいて、複数のフィン型活性領域FAそれぞれ間の領域に素子分離膜114が配置される。
素子分離膜114は、複数のフィン型活性領域FAそれぞれの両側壁を覆う。
複数のフィン型活性領域FAは、素子分離膜114上にフィン状に突出する。
素子分離膜114は、酸化膜、窒化膜、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0015】
素子領域RXにフィン分離絶縁部190が配置される。
素子領域RXにおいて、複数のフィン型活性領域FAは、フィン分離絶縁部190を挟んで互いに離隔され、第1水平方向(X方向)に沿って一直線に配置された複数対のフィン型活性領域FAを含む。
フィン分離絶縁部190は、複数対のフィン型活性領域FA間で第1水平方向(X方向)に交差する第2水平方向(Y方向)に沿って延長される。
本明細書において、フィン分離絶縁部190を挟んで両側にそれぞれ1つずつ配置された一対のフィン型活性領域FAの内の1つは、第1フィン型活性領域とも称され、一対のフィン型活性領域FAの内の他の1つは、第2フィン型活性領域とも称される。
【0016】
複数のフィン型活性領域FA上には、複数のゲートライン160が配置される。
複数のゲートライン160は、第2水平方向(Y方向)に延長される。
複数のフィン型活性領域FAと複数のゲートライン160とが交差する領域において、複数のフィン型活性領域FAそれぞれのフィン上面FT上に複数のナノシートスタックNSSが配置される。
複数のナノシートスタックNSSは、それぞれフィン型活性領域FAのフィン上面FTから垂直方向(Z方向)に離隔された位置でフィン上面FTと対面する少なくとも1つのナノシートを含む。
【0017】
図2A及び図2Cに示したように、複数のナノシートスタックNSSは、それぞれフィン型活性領域FA上で垂直方向(Z方向)にオーバーラップされている第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3を含む。
第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3は、フィン型活性領域FAのフィン上面FTから垂直距離(Z方向距離)が互いに異なっている。
ナノシートスタックNSSは、フィン型活性領域FA及びゲートライン160それぞれの平面形状によって多様な平面形状を有する。
1つのフィン型活性領域FA上に配置されるナノシートスタックNSS及びゲートライン160それぞれの個数は、多様に選択可能である。
【0018】
ナノシートスタックNSSに含まれた第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3は、それぞれチャネル領域として機能する。
例示的な実施形態において、第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3は、それぞれ約4nm~約6nmの範囲内で選択される厚みを有するが、それに限定されるものではない。
ここで、第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3それぞれの厚みは、垂直方向(Z方向)に沿うサイズを意味する。
例示的な実施形態において、第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3は、垂直方向(Z方向)に沿って実質的に同一厚みを有する。
他の例示的な実施形態において、第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3の内の少なくとも一部は、垂直方向(Z方向)に沿って互いに異なる厚みを有する。
【0019】
図2Aに示したように、1つのナノシートスタックNSSに含まれた第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3は、第1水平方向(X方向)に互いに同一又は類似のサイズを有する。
他の例示的な実施形態において、図2Aに示したところと異なり、1つのナノシートスタックNSSに含まれた第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3の内の少なくとも一部は、第1水平方向(X方向)に互いに異なるサイズを有する。
複数のゲートライン160は、フィン型活性領域FA上で第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3を取り囲み、第2水平方向(Y方向)に延長される。
【0020】
図2A及び図2Cに示したように、複数のゲートライン160は、それぞれメインゲート部分160Mと複数のサブゲート部分160Sとを含む。
メインゲート部分160Mは、ナノシートスタックNSSの上面を覆い、第2水平方向(Y方向)に延長される。
複数のサブゲート部分160Sは、メインゲート部分160Mに一体に接続され、第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3それぞれの間、及び第1ナノシートN1とフィン型活性領域FAとの間にそれぞれ1つずつ配置される。
垂直方向(Z方向)において、複数のサブゲート部分160Sそれぞれの厚みは、メインゲート部分160Mの厚みよりもさらに小さい。
【0021】
複数のゲートライン160は、それぞれ金属、金属窒化物、金属炭化物、又はそれらの組み合わせを含み得る。
上記金属は、Ti、W、Ru、Nb、Mo、Hf、Ni、Co、Pt、Yb、Tb、Dy、Er、及びPdの内から選択される。
金属窒化物は、TiN及びTaNの内から選択される。
金属炭化物は、TiAlCであり得る。
しかし、複数のゲートライン160を構成する物質は、上記例示したものに限定されるものではない。
【0022】
ナノシートスタックNSSとゲートライン160との間には、ゲート誘電膜152が介在する。
例示的な実施形態において、ゲート誘電膜152は、インターフェース誘電膜と高誘電膜との積層構造からなる。
インターフェース誘電膜は、誘電率が約9以下である低誘電物質膜、例えば、シリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜又はそれらの組み合わせからなる。
例示的な実施形態において、インターフェース誘電膜は省略可能である。
高誘電膜は、シリコン酸化膜より誘電定数がさらに大きい物質からなる。
例えば、高誘電膜は、約10~25の誘電定数を有する。
高誘電膜は、ハフニウム酸化物からなるが、それに限定されるものではない。
【0023】
図2Aに示したように、フィン型活性領域FA上で1つのゲートライン160を挟んでゲートライン160の両側で、フィン型活性領域FA上には複数のリセスR1が形成される。
複数のリセスR1それぞれの最低面の垂直レベルは、フィン型活性領域FAのフィン上面FTの垂直レベルよりも低い。
本明細書で使用される用語「垂直レベル」は、基板102の主面102Mから垂直方向(Z方向又はZ方向)に沿う距離を意味する。
【0024】
複数のリセスR1内には、複数のソース/ドレイン領域130が配置される。
フィン型活性領域FA上で1つのゲートライン160を挟んでゲートライン160の両側に、一対のソース/ドレイン領域130が配置される。
複数のソース/ドレイン領域130は、ナノシートスタックNSSの両側でフィン型活性領域FA上に配置される。
ソース/ドレイン領域130は、隣接したゲートライン160により取り囲まれるナノシートスタックNSSの側壁に接する。
ソース/ドレイン領域130は、ナノシートスタックNSSに含まれた第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3それぞれの側壁に接する。
【0025】
複数のゲートライン160それぞれの両側壁は、外側絶縁スペーサ118で覆われる。
外側絶縁スペーサ118は、複数のナノシートスタックNSSの上面上でメインゲート部分160Mの両側壁を覆う。
外側絶縁スペーサ118は、ゲート誘電膜152を挟んでゲートライン160と離隔される。
外側絶縁スペーサ118は、シリコン窒化物、シリコン酸化物、SiCN、SiBN、SiON、SiOCN、SiBCN、SiOC、又はそれらの組み合わせを含み得る。
本明細書で使用される用語「SiCN」、「SiBN」、「SiON」、「SiOCN」、「SiBCN」、及び「SiOC」は、それぞれの用語に含まれた元素からなる材料を意味するものであって、化学量論的関係を示す化学式ではない。
【0026】
複数のサブゲート部分160Sそれぞれの両側壁は、ゲート誘電膜152を挟んでソース/ドレイン領域130から離隔される。
ゲート誘電膜152は、ゲートライン160に含まれたサブゲート部分160Sと第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3それぞれとの間、及びゲートライン160に含まれたサブゲート部分160Sとソース/ドレイン領域130との間に介在する。
【0027】
例示的な実施形態において、素子領域RXに形成されるトランジスタTRは、PMOSトランジスタであり、複数のソース/ドレイン領域130は、エピタキシャル成長した複数のSiGe層からなる。
例えば、複数のソース/ドレイン領域130は、それぞれp型ドーパントでドーピングされたSi1-xGe層(ここで、x≠0)からなり、リセスR1の最低面から垂直方向(Z方向)に沿って遠くなるほどGe元素の原子比が大きくなる。
p型ドーパントは、ボロン(B)、ガリウム(Ga)、炭素(C)、又はそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されるものではない。
例示的な実施形態において、複数のソース/ドレイン領域130は、それぞれp型ドーパントでドーピングされたSi1-xGe層(ここで、0.01≦x≦0.70)からなるが、それに限定されるものではない。
【0028】
他の例示的な実施形態において、素子領域RXに形成されるトランジスタTRは、NMOSトランジスタであり、複数のソース/ドレイン領域130は、エピタキシャル成長したSi層、又はエピタキシャル成長したSiC層からなる。
例えば、複数のソース/ドレイン領域130は、それぞれn型ドーパントでドーピングされたSi層からなり、n型ドーパントは、リン(P)を含むが、それに限定されるものではない。
図1及び図2Aに示したように、基板102上で複数のフィン型活性領域FAと複数のゲートライン160とが交差する部分に複数の電界効果トランジスタTRが形成される。
複数の電界効果トランジスタTRは、ロジック回路又はメモリ素子を構成する。
【0029】
図2A及び図2Bに示したように、ゲート誘電膜152、ゲートライン160、及び外側絶縁スペーサ118それぞれの上面は、キャッピング絶縁パターン164で覆われる。
キャッピング絶縁パターン164は、シリコン窒化膜を含み得る。
基板102上で複数の外側絶縁スペーサ118及び複数のソース/ドレイン領域130は、絶縁ライナー142で覆われる。
絶縁ライナー142は、それぞれシリコン窒化物(SiN)、シリコン酸化物(SiO)、SiCN、SiBN、SiON、SiOCN、SiBCN、SiOC、又はそれらの組み合わせを含み得る。
例示的な実施形態において、絶縁ライナー142は省略可能である。
絶縁ライナー142上には、ゲート間絶縁膜144が配置される。
ゲート間絶縁膜144は、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜、SiON、SiOCN、又はそれらの組み合わせを含み得る。
絶縁ライナー142を省略した場合、ゲート間絶縁膜144は、複数のソース/ドレイン領域130に接する。
【0030】
図1に示したように、フィン分離絶縁部190は、素子領域RXにおいて第2水平方向(Y方向)に沿って延長される。
フィン分離絶縁部190は、複数のゲートライン160と共に第2水平方向(Y方向)に沿って平行に延長されるライン状の平面構造を有する。
図2A及び図2Bに示したように、フィン分離絶縁部190は、基板102の一部を垂直方向(Z方向)に貫通する下側分離部190Lと、ゲート間絶縁膜144及び絶縁ライナー142を垂直方向(Z方向)に貫通する上側分離部190Uとを含む。
【0031】
フィン分離絶縁部190は、第1水平方向(X方向)に沿って一直線に配置される一対のフィン型活性領域FA上に配置される一対のソース/ドレイン領域130間に配置される。
フィン分離絶縁部190とフィン分離絶縁部190に隣接する1つのゲートライン160との間に、1つのソース/ドレイン領域130が配置される。
フィン分離絶縁部190は、フィン分離絶縁部190の最外部から第1水平方向(X方向)に沿ってフィン分離絶縁部190の中央部に向かって順次に配置される第1窒素リッチバリヤー膜192、第1分離絶縁膜194、第2窒素リッチバリヤー膜196、及び第2分離絶縁膜198を含む。
【0032】
第1窒素リッチバリヤー膜192は、フィン分離絶縁部190に隣接したソース/ドレイン領域130に対面する第1局部領域で、少なくとも1つの突出部192Pを有する。
第1局部領域は、第1窒素リッチバリヤー膜192の内のフィン型活性領域FAのフィン上面より高い第1垂直レベルLV1(図2B参照)に対応する領域である。
図2A及び図2Bには、第1窒素リッチバリヤー膜192がソース/ドレイン領域130に対面する複数の突出部192Pを有する構成を示したが、本発明が図2A及び図2Bに示したものに限定されるものではない。
【0033】
第2窒素リッチバリヤー膜196は、第1窒素リッチバリヤー膜192により限定される空間内に配置され、第1分離絶縁膜194を挟んで第1窒素リッチバリヤー膜192から離隔された位置に配置される。
第2窒素リッチバリヤー膜196は、第1窒素リッチバリヤー膜192の第1垂直レベルLV1にある第1局部領域に対面する第2局部領域を含む。
例示的な実施形態において、第2窒素リッチバリヤー膜196の第2局部領域は、突出部又は凹凸なしに垂直方向(Z方向)に沿って平坦に延長される滑らかな表面を有する。
他の例示的な実施形態において、第1垂直レベルLV1で、第2窒素リッチバリヤー膜196の第2局部領域は、突出部を含み得る。
但し、第2窒素リッチバリヤー膜196に含まれる突出部は、第1窒素リッチバリヤー膜192の突出部192Pより小さいサイズを有する。
第1垂直レベルLV1において、第2窒素リッチバリヤー膜196の表面粗さは、第1窒素リッチバリヤー膜192の表面粗さよりも小さい。
本明細書で使用される用語「表面粗さ」は、表面での粗さ程度又は屈曲程度を意味する。
【0034】
第1窒素リッチバリヤー膜192及び第2窒素リッチバリヤー膜196は、それぞれ窒素ドープシリコン酸化膜、窒素リッチシリコン窒化膜、窒素ドープシリコン膜、又はそれらの組み合わせを含み得る。
例示的な実施形態において、第1窒素リッチバリヤー膜192は、基板102に接する部分、ナノシート断片PNに接する部分、誘電膜断片P152に接する部分、外側絶縁スペーサ118に接する部分、及びキャッピング絶縁パターン164に接する部分を含む。
第1窒素リッチバリヤー膜192の内の基板102に接する部分及びナノシート断片PNに接する部分は、それぞれ窒素ドープシリコン膜からなる。
第1窒素リッチバリヤー膜192の内の誘電膜断片P152に接する部分は、窒素含有高誘電膜からなる。
例えば、第1窒素リッチバリヤー膜192の内の誘電膜断片P152に接する部分は、窒素含有ハフニウム酸化膜からなるが、それに限定されるものではない。
第1窒素リッチバリヤー膜192の内の外側絶縁スペーサ118に接する部分は、窒素ドープシリコン酸化膜、窒素リッチシリコン窒化膜、又はそれらの組み合わせからなる。
第1窒素リッチバリヤー膜192の内のキャッピング絶縁パターン164に接する部分は、窒素リッチシリコン窒化膜、窒素ドープシリコン酸化膜、又はそれらの組み合わせからなる。
【0035】
第2窒素リッチバリヤー膜196の外部側壁は、第1分離絶縁膜194に接し、第2窒素リッチバリヤー膜196の内部側壁は、第2分離絶縁膜198に接する。
例示的な実施形態において、第2窒素リッチバリヤー膜196は、窒素リッチシリコン窒化膜、窒素ドープシリコン酸化膜、又はそれらの組み合わせを含み得る。
例えば、第2窒素リッチバリヤー膜196は、窒素リッチシリコン窒化膜からなる。
本明細書において、窒素ドープシリコン酸化膜は、窒素原子を含むSiO膜を意味し、窒素リッチシリコン窒化膜は、Si膜における窒素原子の原子比よりさらに大きい原子比の窒素原子を含むシリコン窒化膜を意味し、窒素ドープシリコン膜は、p型ドーパント及び/又はn型ドーパントでドーピングされたSi膜、又はドーピングされないSi膜にさらに窒素原子が含有された膜を意味する。
【0036】
例示的な実施形態において、第1窒素リッチバリヤー膜192及び第2窒素リッチバリヤー膜196それぞれにおける窒素含量は、約30原子%~約80原子%の範囲内で選択されるが、それに限定されるものではない。
例示的な実施形態において、第1窒素リッチバリヤー膜192の一部領域における窒素含量は、第2窒素リッチバリヤー膜196における窒素含量よりも少ない。
例えば、第1窒素リッチバリヤー膜192の一部領域における窒素含量は、約30原子%~約40原子%の範囲内で選択され、第2窒素リッチバリヤー膜196における窒素含量は、約30原子%~約80原子%の範囲内で選択されるが、それらに限定されるものではない。
【0037】
第1分離絶縁膜194は、第1窒素リッチバリヤー膜192により取り囲まれ、第1窒素リッチバリヤー膜192と第2窒素リッチバリヤー膜196との間に介在する。
第2分離絶縁膜198は、第2窒素リッチバリヤー膜196により取り囲まれ、第2窒素リッチバリヤー膜196を挟んで第1分離絶縁膜194から離隔される。
例示的な実施形態において、第1分離絶縁膜194及び第2分離絶縁膜198は、それぞれシリコン窒化膜、シリコン酸化膜、又はそれらの組み合わせを含み得る。
例えば、第1分離絶縁膜194及び第2分離絶縁膜198は、それぞれ化学量論的に安定したSi膜、又はシリコン原子と窒素原子との原子比が約3:4であるシリコン窒化膜からなる。
【0038】
例えば、第1分離絶縁膜194及び第2分離絶縁膜198は、それぞれ窒素原子に対するシリコン原子の結合比が約0.75又はその以下であるシリコン窒化膜からなる。
この場合、第2窒素リッチバリヤー膜196は、窒素原子に対するシリコン原子の結合比が約0.75を超える窒素リッチシリコン窒化膜からなる。
例えば、第2窒素リッチバリヤー膜196は、Si膜(ここで、xが3であるとき、yは4を超える自然数であるか、yが4であるとき、xは3未満である自然数である)からなる。
第1分離絶縁膜194は、第1垂直レベルLV1(図2B参照)で第1窒素リッチバリヤー膜192の突出部192Pに対応する領域に形成され、ソース/ドレイン領域130に対面する少なくとも1つの突出部194Pを含む。
図2A及び図2Bには、第1分離絶縁膜194がソース/ドレイン領域130に対面する複数の突出部194Pを有する構成を示したが、本発明が図2A及び図2Bに示したものに限定されるものではない。
【0039】
図2A及び図2Bに示したように、フィン分離絶縁部190において、第1窒素リッチバリヤー膜192、第1分離絶縁膜194、及び第2窒素リッチバリヤー膜196は、それぞれU字形の断面形状を有する。
第1分離絶縁膜194、第2窒素リッチバリヤー膜196、及び第2分離絶縁膜198それぞれの全ての部分は、第1窒素リッチバリヤー膜192により限定される空間、すなわち、第1窒素リッチバリヤー膜192の内部空間に配置される。
第2窒素リッチバリヤー膜196及び第2分離絶縁膜198それぞれの全ての部分は、第1分離絶縁膜194により限定される空間、すなわち、第1分離絶縁膜194の内部空間に配置される。
第2分離絶縁膜198の全ての部分は、第2窒素リッチバリヤー膜196により限定される空間、すなわち、第2窒素リッチバリヤー膜196の内部空間に配置される。
第2分離絶縁膜198は、内部が絶縁物質で充填されたプラグ(plug)形状を有する。
【0040】
フィン分離絶縁部190において、第1窒素リッチバリヤー膜192、第1分離絶縁膜194、第2窒素リッチバリヤー膜196、及び第2分離絶縁膜198それぞれの最上面は、同一垂直レベルで同一平面(図2A及び図2BにおいてX-Y平面)上にある。
第1窒素リッチバリヤー膜192、第1分離絶縁膜194、第2窒素リッチバリヤー膜196、及び第2分離絶縁膜198それぞれの最低面の垂直レベルは、互いに異なっている。
図2A及び図2Cに示したように、第1窒素リッチバリヤー膜192の最低面の垂直レベルは、第1分離絶縁膜194の最低面の垂直レベルより低く、第1分離絶縁膜194の最低面の垂直レベルは、第2窒素リッチバリヤー膜196の最低面の垂直レベルより低く、第2窒素リッチバリヤー膜196の最低面の垂直レベルは、第2分離絶縁膜198の最低面の垂直レベルより低い。
【0041】
図2A及び図2Bに示したように、フィン分離絶縁部190の下側分離部190Lは、第1垂直レベルLV1より低い第2垂直レベルLV2で基板102の一部を貫通して垂直方向(Z方向)に延長される。
また、フィン分離絶縁部190の上側分離部190Uは、複数のフィン型活性領域FAそれぞれのフィン上面FTの垂直レベルより高い垂直レベルで垂直方向(Z方向)に沿って基板102から遠くなる方向に延長される。
フィン分離絶縁部190の最低部、すなわち、下側分離部190Lの最低部の垂直レベルは、ソース/ドレイン領域130の最低部の垂直レベルよりもさらに低い。
フィン分離絶縁部190の上側分離部190Uは、フィン分離絶縁部190を挟んで両側で隣接する一対のゲートライン160間に介在する。
第1水平方向(X方向)において、下側分離部190Lの幅は、フィン分離絶縁部190の他の部分よりもさらに小さい。
例えば、第1水平方向(X方向)において、下側分離部190Lは、上側分離部190Uよりさらに小さい幅を有する。
【0042】
フィン分離絶縁部190の下側分離部190Lにおいて、第1窒素リッチバリヤー膜192及び第2窒素リッチバリヤー膜196は、互いに異なる物質からなり、第1分離絶縁膜194及び第2分離絶縁膜198は、互いに同一の物質からなる。
例えば、フィン分離絶縁部190の下側分離部190Lにおいて、第1窒素リッチバリヤー膜192は、基板102に接し、第1窒素リッチバリヤー膜192は、約30原子%~約40原子%の範囲内で選択される窒素含量を有する窒素ドープシリコン膜からなる。
フィン分離絶縁部190の下側分離部190Lにおいて、第2窒素リッチバリヤー膜196は、第1分離絶縁膜194と第2分離絶縁膜198との間に介在し、第2窒素リッチバリヤー膜196は、約60原子%~約80原子%の範囲内で選択される窒素含量を有する窒素リッチシリコン窒化膜からなる。
しかし、本発明が上記例示したところに限定されるものではない。
フィン分離絶縁部190の下側分離部190Lにおいて、第1分離絶縁膜194及び第2分離絶縁膜198は、それぞれ窒素原子に対するシリコン原子の結合比が約0.75又はその以下であるシリコン窒化膜からなることもできる。
【0043】
図1に示したように、複数のゲートライン160は、複数のダミーゲートラインDGを含む。
複数のダミーゲートラインDGは、それぞれ第2水平方向(Y方向)に沿ってフィン分離絶縁部190と一直線上に配置され、フィン分離絶縁部190の一端部から第2水平方向(Y方向)に延長される。
複数のダミーゲートラインDGは、それぞれ第1水平方向(X方向)にフィン分離絶縁部190と隣接するゲートライン160の断面構造、例えば、図2Aに示したゲートライン160の断面構造と同一断面構造を有する。
第1水平方向(X方向)において、フィン分離絶縁部190を挟んで両側で隣接する一対のゲートライン160の内から選択される1つのゲートライン160と、フィン分離絶縁部190と一直線上に配置されるダミーゲートラインDGとの距離は、上記一対のゲートライン160の内から選択される他の1つのゲートライン160と、フィン分離絶縁部190と一直線上に配置されるダミーゲートラインDGとの距離と同一又は類似している。
【0044】
図2A及び図2Bに示したように、集積回路素子100は、複数のソース/ドレイン領域130上に配置される複数のソース/ドレインコンタクト174を含む。
複数のソース/ドレインコンタクト174は、それぞれソース/ドレイン領域130上で垂直方向(Z方向)に沿って基板102から遠くなる方向に延長される。
ソース/ドレイン領域130とソース/ドレインコンタクト174との間には、金属シリサイド膜172が介在する。
複数のソース/ドレインコンタクト174は、それぞれゲート間絶縁膜144及び絶縁ライナー142を垂直方向(Z方向)に貫通し、ソース/ドレイン領域130の内部まで延長するコンタクトホール170Hの内部を充填する。
ソース/ドレイン領域130は、金属シリサイド膜172を挟んでソース/ドレインコンタクト174から離隔される。
ソース/ドレイン領域130は、それぞれコンタクトホール170Hの外部でソース/ドレインコンタクト174の底部を取り囲む。
【0045】
例示的な実施形態において、複数のソース/ドレインコンタクト174は、それぞれ金属、導電性金属窒化物、又はそれらの組み合わせを含み得る。
例えば、複数のソース/ドレインコンタクト174は、それぞれW、Cu、Al、Ti、Ta、TiN、TaN、それらの合金、又はそれらの組み合わせを含み得る。
例示的な実施形態において、金属シリサイド膜172は、チタンシリサイドからなるが、それに限定されるものではない。
例示的な実施形態において、金属シリサイド膜172は、省略可能である。
【0046】
図1及び図2A図2Cを参照して説明した集積回路素子100は、互いに離隔された複数の窒素リッチバリヤー膜を含むフィン分離絶縁部190を含む。
フィン分離絶縁部190は、互いに離隔された第1窒素リッチバリヤー膜192及び第2窒素リッチバリヤー膜196を含み、第1窒素リッチバリヤー膜192と第2窒素リッチバリヤー膜196との空間、及び第2窒素リッチバリヤー膜196により限定される空間は、ボイドがない緻密な構造を有する第1分離絶縁膜194及び第2分離絶縁膜198で充填される。
したがって、集積回路素子100において隣接したトランジスタ間の絶縁のために提供されるフィン分離領域に配置されるフィン分離絶縁部190は、内部にボイドを含まない信頼性のある構造を有する。
【0047】
したがって、フィン分離絶縁部190により提供されるフィン分離領域は、ボイドのような構造的に脆弱な欠陥がない安定した構造を有する。
特に、ダウンスケーリングによって、素子領域の面積が縮小し、フィン分離領域のアスペクト比が増加しても、フィン分離絶縁部190を挟んで隣接したトランジスタTRそれぞれ間の絶縁がフィン分離絶縁部190により安定して行われ、隣接したトランジスタTR間に所望しない漏れ電流を抑制することができる。
したがって、集積回路素子100に含まれた複数のトランジスタTRで最適のパフォーマンスを提供することができ、集積回路素子100の信頼性が向上しうる。
【0048】
図3は、本発明の他の実施形態による集積回路素子200Aを説明するための部分平面図である。
図3を参照すると、集積回路素子200Aは、図1及び図2A図2Cを参照して集積回路素子100について説明したところとほぼ同様な構成を有する。
但し、集積回路素子200Aは、素子領域RXAに配置される複数のフィン型活性領域FA2と、フィン分離絶縁部290Aとを含む。
複数のフィン型活性領域FA2は、フィン分離絶縁部290Aを挟んで互いに離隔され、第1水平方向(X方向)に沿って一直線に配置される複数対のフィン型活性領域FA2を含む。
【0049】
複数のフィン型活性領域FA2上で、複数のゲートライン260が第2水平方向(Y方向)に互いに平行に延長される。
複数のゲートライン260の内から選択される1つのゲートライン260は、フィン分離絶縁部290Aと他のゲートライン260との間に介在する。
複数のゲートライン260は、複数のダミーゲートラインDGを含む。
複数のダミーゲートラインDGは、それぞれ第2水平方向(Y方向)に沿ってフィン分離絶縁部290Aと一直線上に配置され、フィン分離絶縁部290Aの一端部から第2水平方向(Y方向)に延長される。
素子領域RXA、フィン型活性領域FA2、ゲートライン260、及びフィン分離絶縁部290Aについてのより詳細な構成は、図1及び図2A図2Cを参照して素子領域RX、フィン型活性領域FA、ゲートライン160、及びフィン分離絶縁部190について説明したところとほぼ同様である。
【0050】
図4は、本発明のさらに他の実施形態による集積回路素子200Bを説明するための部分平面図である。
図4を参照すると、集積回路素子200Bは、図3を参照して集積回路素子200Aについて説明したところとほぼ同様な構成を有する。
但し、集積回路素子200Bは、素子領域RXBに配置される複数のフィン型活性領域FA2と、一対のフィン分離絶縁部290Bとを含む。
複数のフィン型活性領域FA2は、一対のフィン分離絶縁部290Bの内から選択された1つのフィン分離絶縁部290Bを挟んで互いに離隔され、第1水平方向(X方向)に沿って一直線に配置される複数対のフィン型活性領域FA2を含む。
【0051】
素子領域RXBにおいて、複数のフィン型活性領域FA2は、第1水平方向(X方向)に延長される一直線に沿って整列された3個の複数のフィン型活性領域FA2を含むものである。
3個の複数のフィン型活性領域FA2の内の隣接する一対のフィン型活性領域FA2は、それぞれ1つのフィン分離絶縁部290Bを挟んで互いに離隔される。
素子領域RXBにおいて、一対のフィン分離絶縁部290Bは、それぞれ第1水平方向(X方向)に延長される一直線に沿って整列された3個の複数のフィン型活性領域FA2の内から選択され、互いに隣接する2つのフィン型活性領域FA2間を通過するように第2水平方向(Y方向)に延長される。
素子領域RXB及び一対のフィン分離絶縁部290Bについてのより詳細な構成は、図1及び図2A図2Cを参照して素子領域RX及びフィン分離絶縁部190について説明したところとほぼ同様である。
【0052】
図5は、本発明のさらに他の実施形態による集積回路素子200Cを説明するための部分平面図である。
図5を参照すると、集積回路素子200Cは、図4を参照して集積回路素子200Bについて説明したところとほぼ同様な構成を有する。
但し、集積回路素子200Cは、素子領域RXCに配置される複数のフィン型活性領域FA2と、一対のフィン分離絶縁部290Cとを含む。
複数のフィン型活性領域FA2は、一対のフィン分離絶縁部290Cの内から選択された1つのフィン分離絶縁部290Bを挟んで互いに離隔され、第1水平方向(X方向)に沿って一直線に配置される複数対のフィン型活性領域FA2を含む。
【0053】
素子領域RXCにおいて、複数のフィン型活性領域FA2は、第1水平方向(X方向)に延長される一直線に沿って整列された3個の複数のフィン型活性領域FA2を含むものである。
3個の複数のフィン型活性領域FA2の内の隣接する一対のフィン型活性領域FA2は、それぞれ1つのフィン分離絶縁部290Cを挟んで互いに離隔される。
素子領域RXCにおいて、一対のフィン分離絶縁部290Cは、それぞれ第1水平方向(X方向)に延長される一直線に沿って整列された3個の複数のフィン型活性領域FA2の内から選択され、互いに隣接する2つのフィン型活性領域FA2間を通過するように第2水平方向(Y方向)に延長される。
【0054】
集積回路素子200Cに含まれる複数のゲートライン260は、第1水平方向(X方向)に延長される一直線に沿って整列された3個の複数のフィン型活性領域FA2の内から選択され、一対のフィン分離絶縁部290C間にあるフィン型活性領域FA2上に配置される1つのゲートライン260を含む。
1つのゲートライン260は、一対のフィン分離絶縁部290C間で第2水平方向(Y方向)に延長される。
素子領域RXC及び一対のフィン分離絶縁部290Cについてのより詳細な構成は、図1及び図2A図2Cを参照して素子領域RX及びフィン分離絶縁部190について説明したところとほぼ同様である。
【0055】
図6A図6Mは、本発明の実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するための工程順部分断面図である。
図6A図6Mには、図1のX1-X1’線に沿って切断した断面に対応する部分の工程順による断面構成を示す。
図6A図6Mを参照して、図1及び図2A図2Cに示した集積回路素子100の製造方法について説明する。
図6A図6Mにおいて、図2A図2Cと同一参照符号は、同一部材を示し、ここで、それらに関連する詳細な説明を省略する。
【0056】
図6Aを参照すると、基板102上に複数の犠牲半導体層104と複数のナノシート半導体層NSとを一層ずつ交互に積層した後、複数の犠牲半導体層104、複数のナノシート半導体層NS、及び基板102の一部をエッチングし、基板102にフィン型活性領域FAを定義する。
その後、フィン型活性領域FAの側壁を覆う素子分離膜114(図2C参照)を形成する。
フィン型活性領域FAのフィン上面FT上には、複数の犠牲半導体層104及び複数のナノシート半導体層NSの積層構造が残っている。
【0057】
複数の犠牲半導体層104及び複数のナノシート半導体層NSは、エッチング選択比が互いに異なる半導体材料を含む。
例示的な実施形態において、複数のナノシート半導体層NSは、Si層からなり、複数の犠牲半導体層104は、SiGe層からなる。
例示的な実施形態において、複数の犠牲半導体層104内でのGe含量は、一定である。
複数の犠牲半導体層104を構成するSiGe層は、約5原子%~約60原子%、例えば、約10原子%~約40原子%の範囲内で選択される一定のGe含量を有し得る。
複数の犠牲半導体層104を構成するSiGe層内でのGe含量は、必要に応じて多様に選択可能である。
【0058】
図6Bを参照すると、複数の犠牲半導体層104及び複数のナノシート半導体層NSの積層構造上に複数のダミーゲート構造物DGSを形成する。
複数のダミーゲート構造物DGSは、それぞれ第2水平方向(Y方向)に延長されるように形成する。
複数のダミーゲート構造物DGSは、それぞれ酸化膜D122、ダミーゲート層D124、及びキャッピング層D126が順次に積層された構造を有する。
例示的な実施形態において、ダミーゲート層D124は、ポリシリコンからなり、キャッピング層D126は、シリコン窒化膜からなる。
【0059】
図6Cを参照すると、複数のダミーゲート構造物DGSそれぞれの両側壁を覆う複数の外側絶縁スペーサ118を形成した後、複数のダミーゲート構造物DGS及び複数の外側絶縁スペーサ118をエッチングマスクとして利用して、複数の犠牲半導体層104及び複数のナノシート半導体層NSそれぞれの一部と、フィン型活性領域FAの一部とをエッチングし、複数のナノシート半導体層NSを複数のナノシートスタックNSSに分割し、フィン型活性領域FAの上部に複数のリセスR1を形成する。
複数のナノシートスタックNSSは、それぞれ第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3を含む。
複数のリセスR1を形成するために、ドライエッチング、ウェットエッチング、又はそれらの組み合わせを利用してエッチングする。
【0060】
図6Dを参照すると、図6Cの結果物において、複数のリセスR1を充填する複数のソース/ドレイン領域130を形成する。
複数のソース/ドレイン領域130を形成するために、複数のリセスR1の底面で露出されるフィン型活性領域FAの表面、ナノシートスタックNSSに含まれた第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3それぞれの側壁から半導体物質をエピタキシャル成長させる。
【0061】
図6Eを参照すると、図6Dの結果物を覆う絶縁ライナー142を形成し、絶縁ライナー142上にゲート間絶縁膜144を形成した後、絶縁ライナー142及びゲート間絶縁膜144を平坦化し、キャッピング層D126の上面を露出させる。
図6Fを参照すると、図6Eの結果物からキャッピング層D126を除去して、ダミーゲート層D124の上面を露出させ、ゲート間絶縁膜144の上面とダミーゲート層D124の上面とがほぼ同一レベルになるように、絶縁ライナー142及びゲート間絶縁膜144を一部除去する。
【0062】
図6Gを参照すると、図6Fの結果物からダミーゲート層D124及びその下部の酸化膜D122を除去して、ゲート空間GSを設け、ゲート空間GSを介して複数のナノシートスタックNSSを露出させる。
その後、フィン型活性領域FA上に残っている複数の犠牲半導体層104を、ゲート空間GSを介して除去し、ゲート空間GSを、第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3それぞれ間の空間と、第1ナノシートN1とフィン上面FTとの空間まで拡張する。
例示的な実施形態において、複数の犠牲半導体層104を選択的に除去するために、第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3と複数の犠牲半導体層104とのエッチング選択比差を利用する。
【0063】
図6Hを参照すると、第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、第3ナノシートN3及びフィン型活性領域FAそれぞれの露出された表面を覆うゲート誘電膜152を形成する。
ゲート誘電膜152を形成するために、ALD(atomic layer deposition)工程を利用する。
図6Iを参照すると、ゲート誘電膜152上でゲート空間GS(図6H参照)を充填しつつ、ゲート間絶縁膜144の上面を覆うゲート形成用導電層160Lを形成する。
ゲート形成用導電層160Lは、金属、金属窒化物、金属炭化物、又はそれらの組み合わせを含み得る。
ゲート形成用導電層160Lを形成するために、ALD工程又はCVD(chemical vapor deposition)工程を利用する。
【0064】
図6Jを参照すると、図6Iの結果物において、ゲート間絶縁膜144の上面が露出され、ゲート空間GSの上側一部が再び空になるように、ゲート形成用導電層160L及びゲート誘電膜152をその上面から一部除去し、ゲートライン160を形成する。
このとき、複数の外側絶縁スペーサ118も、それらそれぞれの上側から一部が消耗され、複数の外側絶縁スペーサ118それぞれの高さが低くなる。
その後、ゲートライン160上でゲート空間GSを充填するキャッピング絶縁パターン164を形成する。
【0065】
図6Kを参照すると、ゲート間絶縁膜144及び絶縁ライナー142を垂直方向(Z方向)に貫通してソース/ドレイン領域130を露出させる複数のコンタクトホール170Hを形成し、複数のコンタクトホール170Hを介して露出された複数のソース/ドレイン領域130の一部をシリサイド化して複数の金属シリサイド膜172を形成し、複数の金属シリサイド膜172上でコンタクトホール170Hを充填する複数のソース/ドレインコンタクト174を形成する。
複数のソース/ドレインコンタクト174が形成された後、複数のソース/ドレインコンタクト174と、それらの周辺にある複数のキャッピング絶縁パターン164及び複数の外側絶縁スペーサ118とを含む構造物それぞれの上面が平坦化された結果物が得られる。
【0066】
図6Lを参照すると、図6Kの結果物上に、複数のゲートライン160の内から選択される1つのゲートライン160を覆うキャッピング絶縁パターン164を露出させるマスクパターンMPを形成し、マスクパターンMPをエッチングマスクとして利用して、露出された部分を順次にエッチングし、基板102を露出させる分離空間SHを形成する。
例示的な実施形態において、分離空間SHを形成するために、マスクパターンMPを介して露出されたキャッピング絶縁パターン164と、その下部にあるゲートライン160のメインゲート部分160Mとを除去し、ナノシートスタックNSS上に分離空間SHを形成し、分離空間SHを介して露出されるナノシートスタックNSS、複数のサブゲート部分160S、及びそれら間に介在するゲート誘電膜152それぞれの一部をエッチングし、その結果、露出される基板102の一部をエッチングし、分離空間SHを垂直方向(Z方向)に拡張する。
【0067】
分離空間SHが形成される間に、分離空間SHを介して露出される複数のサブゲート部分160Sと、それらを覆うゲート誘電膜152の一部とが除去される。
その結果、分離空間SHが形成された後、分離空間SHを介して、第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3それぞれの残部からなる複数のナノシート断片PNと、ゲート誘電膜152の残部からなる複数の誘電膜断片P152とが残ることになる。
しかし、分離空間SHが形成された結果物上に残っている構造物は、図6Lに示したものに限定されるものではない。
例えば、分離空間SHを形成する間に、分離空間SHを介して露出されるゲート誘電膜152が全て除去され、分離空間SHを介してソース/ドレイン領域130の一部が露出されることも可能である。
【0068】
分離空間SHが形成された後、分離空間SHを介して露出される多様な種類の物質からなる構成要素により、分離空間SHの内の一部領域において、分離空間SHの内部側壁に凹凸表面SB1が形成される。
凹凸表面SB1は、ソース/ドレイン領域130が配置される垂直レベル領域と同一垂直レベル領域内にある。
図6Mを参照すると、図6Lの結果物において、分離空間SHを充填するフィン分離絶縁部190を形成し、マスクパターンMPを除去して得られた結果物を平坦化する。
【0069】
図7A図7Eは、本発明の実施形態による方法によってフィン分離絶縁部190を形成する例示的な方法を説明するための工程順部分断面図である。
図7A図7Eには、図6Mの「EX1」で表した局部領域に対応する部分での工程順による構成要素の拡大断面構造を示す。
図7A図7Eにおいて、図2A及び図2Bと同一参照符号は、同一部材を示し、ここで、それらに関連する詳細な説明を省略する。
【0070】
図7Aを参照すると、図6Lの結果物においてDPN(decoupled plasma nitridation)工程を実行し、図6Lの結果物において分離空間SHを介して露出された表面に沿って形成される第1窒素リッチバリヤー膜192を形成する。
図7Aには、第1窒素リッチバリヤー膜192が図6Lの結果物において分離空間SHを介して露出された表面上に形成された場合を例として説明したが、本発明は、それに限定されない。
例示的な実施形態において、第1窒素リッチバリヤー膜192は、図6Lの結果物において分離空間SHを介して露出された構成要素それぞれの表面に隣接した一部領域でDPN工程により窒素原子が注入された部分と、構成要素それぞれで窒素原子の注入によって体積が増加し、分離空間SHの内部に向かって拡張された部分とを含むこともできる。
【0071】
例示的な実施形態において、DPN工程は、図6Lの結果物を、N、NH、NO、NF、NO、又はそれらの組み合わせから選択された工程ガスのプラズマ雰囲気に露出させる方法によっても実行される。
例示的な実施形態において、工程ガスは、Heガスをさらに含み得る。
例示的な実施形態において、DPN工程は、約5秒~約5分間実行されるが、それに限定されるものではない。
DPN工程は、約0.5Torr以下の圧力、例えば、約10mTorr~約30mTorrの圧力、及び約0℃~約500℃の温度、例えば、約10℃~約40℃の範囲内で選択される室温雰囲気下で実行される。
【0072】
例示的な実施形態において、DPN工程を実行する間に、図6Lの結果物がローディングされた反応チャンバーに、約100W~約1000WのRFソースパワーが印加される。
工程ガスは、反応チャンバー内に、約10sccm~約500sccmの流量で供給される。
例示的な実施形態において、DPN工程を実行した後、N雰囲気、Ar雰囲気、真空雰囲気、NとArの組み合わせガス雰囲気の内から選択される1つの雰囲気、又はそれらの組み合わせからなる雰囲気で、DPN工程により得られた結果物を熱処理するアニール工程をさらに含み得る。
アニール工程は、約100℃~約800℃の温度で、約1分~約30分間実行される。
他の例示的な実施形態において、アニール工程は省略可能である。
【0073】
図7Aに示したように、図6Lの結果物において分離空間SHを介して露出された表面に沿って第1窒素リッチバリヤー膜192が形成された後、分離空間SHの内部で露出される第1窒素リッチバリヤー膜192の表面には、凹凸表面SB2が形成される。
凹凸表面SB2は、図6Lに示した分離空間SHの内側表面に含まれた凹凸表面SB1の形状が転写されたものである。
凹凸表面SB1上に第1窒素リッチバリヤー膜192が形成されることにより、第1窒素リッチバリヤー膜192に含まれた凹凸表面SB2の凹凸程度は、第1窒素リッチバリヤー膜192が形成される前の凹凸表面SB1の凹凸程度に比べて緩和されたものである。
すなわち、第1窒素リッチバリヤー膜192に含まれた凹凸表面SB2での表面粗さは、分離空間SHの内側表面に含まれた凹凸表面SB1での表面粗さよりも小さい。
【0074】
図7Bを参照すると、図7Aの結果物において、第1窒素リッチバリヤー膜192上に、分離空間SHを充填する予備第1分離絶縁膜194Lを形成する。
例示的な実施形態において、予備第1分離絶縁膜194Lは、シリコン窒化膜を含み得る。
予備第1分離絶縁膜194Lを形成するために、ALD工程を利用する。
ALD工程を利用して予備第1分離絶縁膜194Lを構成するシリコン窒化膜を形成する間に、分離空間SHで露出された第1窒素リッチバリヤー膜192に含まれた窒素原子により、シリコン窒化膜の形成に必要なソースガスが、第1窒素リッチバリヤー膜192の内側で露出される表面の全ての領域で容易に吸着可能である。
【0075】
したがって、分離空間SHのアスペクト比が比較的大きい場合にも、第1窒素リッチバリヤー膜192により限定される分離空間SHの内側でシリコン窒化膜の形成に必要なソースガスが分離空間SHの下部まで円滑に伝達可能であり、第1窒素リッチバリヤー膜192により限定される分離空間SHの垂直方向(Z方向)に沿う全長にわたってシリコン窒化膜の形成に必要なソースガスが第1窒素リッチバリヤー膜192の表面に均一に吸着可能である。
したがって、予備第1分離絶縁膜194Lの内の第1窒素リッチバリヤー膜192に隣接した部分は、ボイドがない緻密な構造を有する。
分離空間SHの中央部では、図7Bに示したようにボイドVDが形成されるが、これは、単に例示に過ぎず、予備第1分離絶縁膜194L内には、ボイドVDが形成されない。
【0076】
図7Cを参照すると、図7Bの結果物において、予備第1分離絶縁膜194Lの一部をプラズマドライエッチング工程により除去する。
その結果、予備第1分離絶縁膜194Lの内のボイドVDがある中央部は除去され、分離空間SH内にあった予備第1分離絶縁膜194Lの内の緻密な部分のみからなる第1分離絶縁膜194が残る。
分離空間SHで露出される第1分離絶縁膜194の内側表面は、突出部又は凹凸がない滑らかな表面を有する。
特に、第1分離絶縁膜194の内のソース/ドレイン領域130が配置される垂直レベル領域にある局部領域は、突出部又は凹凸なしに垂直方向(Z方向)に沿って平坦に延長される滑らかな表面を有する。
【0077】
図7Dを参照すると、図7Cの結果物において、分離空間SHで露出された第1分離絶縁膜194の内側表面に対し、図7Aを参照して説明したところと同一又は類似の工程条件でDPN工程を実行し、分離空間SHで露出された第1分離絶縁膜194の内側表面に沿って延長される第2窒素リッチバリヤー膜196を形成する。
第2窒素リッチバリヤー膜196の露出表面の内のソース/ドレイン領域130が配置される垂直レベル領域にある局部領域は、突出部又は凹凸がない滑らかな表面を有する。
【0078】
図7Eを参照すると、第2窒素リッチバリヤー膜196上に、分離空間SHを充填する第2分離絶縁膜198を形成する。
例示的な実施形態において、第2分離絶縁膜198は、シリコン窒化膜を含み得る。
第2分離絶縁膜198を形成するために、ALD工程を利用する。
ALD工程を利用して第2分離絶縁膜198を構成するシリコン窒化膜を形成する間に、分離空間SHで露出された第2窒素リッチバリヤー膜196に含まれた窒素原子により、シリコン窒化膜の形成に必要なソースガスが、第2窒素リッチバリヤー膜196の内側で露出される表面の全ての領域で容易に吸着可能である。
したがって、分離空間SHのアスペクト比が比較的大きい場合にも、第2窒素リッチバリヤー膜196により限定される分離空間SHの内側でシリコン窒化膜の形成に必要なソースガスが分離空間SHの下部まで円滑に伝達可能であり、第2窒素リッチバリヤー膜196により限定される分離空間SHの垂直方向(Z方向)に沿う全長にわたってシリコン窒化膜の形成に必要なソースガスが第2窒素リッチバリヤー膜196の表面に均一に吸着可能である。
したがって、ボイドがない緻密な構造を有する第2分離絶縁膜198が得られる。
【0079】
その後、図6Mを参照して説明したように、マスクパターンMPを除去し、第2分離絶縁膜198が形成された結果物の上面を平坦化して、図1及び図2A図2Cに示したフィン分離絶縁部190を含む集積回路素子100を製造することができる。
図6A図6M、及び図7A図7Eを参照して説明した集積回路素子100の製造方法によれば、フィン分離絶縁部190を形成するにあたって、基板102を露出させる分離空間SHを形成した後、分離空間SHの内部側壁にある凹凸表面SB1(図6L参照)の凹凸程度がDPN工程を経る間に緩和され、凹凸表面SB1での表面粗さよりも小さくなる。
また、複数のDPN工程を介して得られた第1窒素リッチバリヤー膜192及び第2窒素リッチバリヤー膜196により、それら上に形成される第1分離絶縁膜194及び第2分離絶縁膜198は、ボイドVDがない緻密な構造を有する。
したがって、分離空間SH内に形成されたフィン分離絶縁部190の信頼性を向上させることができ、フィン分離絶縁部190を含む集積回路素子100の信頼性を向上させることができる。
【0080】
以上、図6A図6M、及び図7A図7Eを参照して、図1及び図2A図2Cに示した集積回路素子100の例示的な製造方法について説明したが、図6A図6M、及び図7A図7Eを参照して説明したところから本発明の技術的思想の範囲内で多様な変形及び変更を加え、図3図5に示した集積回路素子(200A、200B、200C)、及びそれらから変形及び変更された多様な構造を有する集積回路素子を製造可能であるということを当業者ならば分かるであろう。
【0081】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0082】
100、200A、200B 集積回路素子
102 基板
104 犠牲半導体層
114 素子分離膜
118 外側絶縁スペーサ
130 ソース/ドレイン領域
142 絶縁ライナー
144 ゲート間絶縁膜
152 ゲート誘電膜
160 ゲートライン
160L ゲート形成用導電層
160M メインゲート部分
160S サブゲート部分
164 キャッピング絶縁パターン
170H コンタクトホール
172 金属シリサイド膜
174 ソース/ドレインコンタクト
190 フィン分離絶縁部
190L 下側分離部
190U 上側分離部
192 第1窒素リッチバリヤー膜
192P、194P 突出部
194 第1分離絶縁膜
196 第2窒素リッチバリヤー膜
198 第2分離絶縁膜
260 ゲートライン
290A、290B フィン分離絶縁部
D122 酸化膜
D124 ダミーゲート層
D126 キャッピング層
DG ダミーゲートライン
DGS ダミーゲート構造物
FA、FA2 フィン型活性領域
N1、N2、N3 (第1~第3)ナノシート
GS ゲート空間
NSS ナノシートスタック
PN ナノシート断片
RXA、RXB 素子領域
TR (電界効果)トランジスタ
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図6I
図6J
図6K
図6L
図6M
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E