(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038988
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】農作業機
(51)【国際特許分類】
A01B 35/04 20060101AFI20240313BHJP
【FI】
A01B35/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023123640
(22)【出願日】2023-07-28
(31)【優先権主張番号】P 2022143264
(32)【優先日】2022-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000188009
【氏名又は名称】松山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】小山 瑞樹
(72)【発明者】
【氏名】倉田 泰徳
(72)【発明者】
【氏名】嶋形 祐汰
(72)【発明者】
【氏名】小林 貴史
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 智之
【テーマコード(参考)】
2B034
【Fターム(参考)】
2B034AA03
2B034BA07
2B034BB01
2B034BC06
2B034EA03
2B034EA14
2B034EB24
2B034EB29
(57)【要約】
【課題】作業者の負担軽減を図ることができる農作業機を提供する。
【解決手段】農作業機1は、耕耘作業をする耕耘体12と、この耕耘体12の後方で整地作業をする整地体13と、この整地体13の接地圧を調整する接地圧調整部51とを備える。接地圧調整部51は、駆動ユニット53と、この駆動ユニット53からの動力に基づいて回動する回動体54と、この回動体54と整地体13とに架設した付勢手段55とを有する。付勢手段55は、ガススプリング81を有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耕耘作業をする耕耘体と、
前記耕耘体の後方で整地作業をする整地体と、
前記整地体の接地圧を調整する接地圧調整部とを備え、
前記接地圧調整部は、
駆動手段と、
前記駆動手段からの動力に基づいて回動支点を中心として回動する回動体と、
前記回動体と前記整地体とに架設され、前記整地体を付勢する付勢手段とを有する
ことを特徴とする農作業機。
【請求項2】
前記回動体は、長孔部を有し、
前記付勢手段は、前記長孔部に当該長孔部に沿って移動可能に取り付けられている
ことを特徴とする請求項1記載の農作業機。
【請求項3】
前記長孔部は、前記回動支点を略中心とする円弧状の曲線部分を有する
ことを特徴とする請求項2記載の農作業機。
【請求項4】
前記付勢手段の状態は、前記回動支点を中心とする前記回動体の回動によって切換可能となっている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の農作業機。
【請求項5】
前記駆動手段は、前記回動支点と同軸上に配置された駆動軸を有し、
前記回動体は、前記駆動軸に連結されている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の農作業機。
【請求項6】
前記付勢手段は、伸縮可能なガススプリングを有し、
前記ガススプリングは、上端側が前記回動体に取り付けられ、下端側が前記整地体に取り付けられている
ことを特徴とする1ないし3のいずれか一記載の農作業機。
【請求項7】
前記付勢手段は、上端側が前記回動体に取り付けられた連結ロッドと、この連結ロッドの外周側に設けられたバネとを有し、
前記連結ロッドは、前記整地体に取り付けられたロッド挿通体に挿通されている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の農作業機。
【請求項8】
耕耘作業をする耕耘体と、
前記耕耘体の後方で整地作業をする整地体と、
前記整地体の接地圧を調整する接地圧調整部とを備え、
前記接地圧調整部は、圃場での前記耕耘体及び前記整地体による作業中に、圃場に接地して整地作業している前記整地体の接地圧を調整可能となっている
ことを特徴とする農作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作業を行う農作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載された農作業機が知られている。
【0003】
この従来の農作業機は、例えば走行車であるトラクタの後部に連結される機体と、この機体に回転可能に設けられ、所定方向に回転しながら耕耘作業をする耕耘体と、この耕耘体の後方で整地作業をする整地体と、この整地体を付勢するねじりバネと、このねじりバネの一端側に連続して一体に設けられた操作レバーと、この操作レバーを支持するレバー支持体とを備えている。
【0004】
そして、ねじりバネは、作業者による操作レバーの手動操作に基づいて、整地体をこの整地体の接地圧が増大する方向に付勢する状態と、整地体をこの整地体の接地圧が減少する方向に付勢する状態と、整地体を付勢しない状態とに選択的に切換可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の農作業機では、整地体の接地圧を調整する際に、作業者は、ねじりバネの一端側に連続した操作レバーを手動操作してレバー支持体の所望孔に位置決めする必要があるため、その整地体の接地圧の調整に手間取るおそれがある。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、作業者の負担軽減を図ることができる農作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る農作業機は、耕耘作業をする耕耘体と、前記耕耘体の後方で整地作業をする整地体と、前記整地体の接地圧を調整する接地圧調整部とを備え、前記接地圧調整部は、駆動手段と、前記駆動手段からの動力に基づいて回動支点を中心として回動する回動体と、前記回動体と前記整地体とに架設され、前記整地体を付勢する付勢手段とを有するものである。
【0009】
また、本発明に係る農作業機は、耕耘作業をする耕耘体と、前記耕耘体の後方で整地作業をする整地体と、前記整地体の接地圧を調整する接地圧調整部とを備え、前記接地圧調整部は、圃場での前記耕耘体及び前記整地体による作業中に、圃場に接地して整地作業している前記整地体の接地圧を調整可能となっているものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、作業者の負担軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る農作業機の側面図である。
【
図2】同上農作業機(展開状態の農作業機)の背面図である。
【
図3】同上農作業機の接地圧調整部を示す背面図である。
【
図5】同上農作業機の作業時(加圧機構の付勢手段の加圧状態)における側面図である。
【
図6】同上農作業機の作業時(加圧機構の付勢手段のフリー状態)における側面図である。
【
図7】同上接地圧調整部の回動体の長孔部の説明図である。
【
図8】本発明の第2の実施の形態に係る農作業機の部分背面図である。
【
図9】同上農作業機の作業時(浮かせ機構の付勢手段のフリー状態)における側面図である。
【
図10】同上農作業機の作業時(浮かせ機構の付勢手段の浮かせ状態)における側面図である。
【
図11】本発明の第3の実施の形態に係る農作業機の作業時(付勢手段の加圧状態)における側面図である。
【
図12】同上農作業機の作業時(付勢手段の浮かせ状態)における側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の第1の実施の形態について
図1ないし
図7を参照して説明する。
【0013】
図中の1は農作業機で、この農作業機1は、例えば走行車であるトラクタ(図示せず)の後部に連結され、そのトラクタの走行により圃場を前方(進行方向)に移動しながら農作業、すなわち例えば代掻作業等を行う代掻機である。
【0014】
農作業機1は、例えば折畳み可能な3分割構造の折畳み作業機で、トラクタの後部の3点リンク部に着脱可能に連結される中央作業部2と、この中央作業部2の左右方向両端部に回動中心軸5を中心として上下方向に回動可能に設けられた延長作業部(サイド作業部)3と、この延長作業部3を中央作業部2に対して上下方向に回動させる回動駆動手段である電動油圧シリンダ4とを備えている。
【0015】
そして、左右の延長作業部3の各々は、いずれも電動油圧シリンダ4の伸縮動作に基づいて、一方向への回動(開方向への約180度回動)により展開作業状態となり、他方向への回動(閉方向への約180度回動)により折畳非作業状態となる。それゆえ、農作業機1は、中央作業部2のみで作業を行う状態と、中央作業部2と左右両方の延長作業部3とで作業を行う状態と、中央作業部2と左右いずれか一方の延長作業部3とで作業を行う状態とに選択的に切換可能である。
【0016】
中央作業部2は、トラクタの3点リンク部に着脱可能に連結される機体11と、この機体11に回転可能に設けられ、所定方向に回転しながら耕耘作業をする耕耘体12と、機体11の耕耘カバー部15の後端部に上下方向に回動可能に設けられ、耕耘体12の後方で整地作業をする整地体13とを備えている。
【0017】
機体11は、トラクタの3点リンク部に着脱可能に連結される3点連結部16を有し、この3点連結部16はトップマスト17及びロワアーム18等で構成されている。機体11は、左右方向中央部にミッションケース部19を有し、このミッションケース部19には入力軸20が回転可能に設けられている。入力軸20は、トラクタのPTO軸にジョイントを介して接続される。そして、入力軸から入力されたPTO軸側からの動力は、不図示の動力伝達手段によって耕耘体12に伝達される。
【0018】
耕耘体12は、その動力伝達手段からの動力に基づいて所定方向に駆動回転する左右方向の耕耘軸21と、この耕耘軸21に着脱可能に取り付けられた複数の耕耘爪(図示せず)とを有している。なお、耕耘体12の上方部は、機体11の耕耘カバー部15で覆われている。
【0019】
整地体13は、機体11の耕耘カバー部15の後端部に上下方向に回動可能に取り付けられた略板状の第1整地体(均平板)23と、この第1整地体23の下端部に上下方向に回動可能に取り付けられた略板状の第2整地体(レーキ)24とを有している。
【0020】
延長作業部3は、中央作業部2の機体11に対して回動中心軸(回動支点)5を中心として上下方向に回動可能な延長機体31と、この延長機体31に回転可能に設けられ、当該延長作業部3の展開作業状態時に中央作業部2の耕耘体12と一体となって耕耘作業をする延長耕耘体32と、延長機体31の耕耘カバー部35の後端部に上下方向に回動可能に設けられ、当該延長作業部3の展開作業状態時に中央作業部2の整地体13と一体となって整地作業をする延長整地体33とを備えている。
【0021】
延長耕耘体32は、中央側の耕耘体12と同様、左右方向の耕耘軸36と、この耕耘軸36に着脱可能に取り付けられた複数の耕耘爪37とを有している。また、延長整地体33は、中央側の整地体13と同様、略板状の第1整地体(均平板)38と、この第1整地体38の下端部に上下方向に回動可能に取り付けられた略板状の第2整地体(レーキ)39とを有している。
【0022】
なお、延長整地体33の第2整地体39の外端部には、延長レーキ40が回動可能に設けられている。この延長レーキ40は、延長レーキ切換手段41の回動アーム42の回動によって展開作業状態及び折畳非作業状態に選択的に切換可能となっている。
【0023】
また、農作業機1は、作業時における圃場面に対する中央作業部2の整地体13の接地圧(ただし、中央作業部2と展開作業状態の延長作業部3とで作業をする場合は、互いに一体となって整地作業をする整地体13及び延長整地体33の両接地圧である)を調整する接地圧調整部51を備えている。
【0024】
すなわち例えば、中央作業部2の左右の2箇所(1箇所でもよくその箇所も任意である)には、トラクタに乗った作業者が作業中にリモコン等の操作部(図示せず)によって遠隔操作可能な電動式の接地圧調整部(接地圧調整装置)51が設けられている。
【0025】
つまり、接地圧調整部51は、トラクタに乗った作業者による操作部の操作に基づいて、圃場での少なくとも耕耘体12及び整地体13による代掻作業中に(展開状態では耕耘体12及び延長耕耘体32と整地体13及び延長整地体33とによる代掻作業中に)、その圃場(圃場面)に接地して所望の作業姿勢となって前方に移動しながら整地作業している最中の整地体13の接地圧(展開状態では整地体13及び延長整地体33の両接地圧)を、土質等の圃場条件に応じて調整可能となっている。
【0026】
すなわち例えば、作業者は、リモコン操作で接地圧調整部51を遠隔操作(遠隔制御)することにより、トラクタ走行中の代掻作業時において、圃場面に接地した状態の整地作業中の整地体13を、付勢なしの状態(付勢手段にて付勢されない状態)から接地圧増大状態(付勢手段にて下方側へ加圧された付勢状態)に変更したり、逆に接地圧増大状態から付勢なしの状態に変更したりすることが可能(整地体の加圧のオンオフが可能な構成には限らず整地体の加圧を無段階に調整可能な構成等でもよい)である。
【0027】
また、後述する第2の実施の形態や第3の実施の形態においても同様であり、接地圧調整部51は、作業者による操作部の操作に基づいて、作業中に圃場に接地して所望の作業姿勢となって前方に移動しながら整地作業している最中の1つの整地体13や2つ又は3つの整地体13,33の接地圧を圃場条件に応じて調整可能となっている。
【0028】
なお、左右一対の接地圧調整部51(51a、51b)は、左右対称の点で異なるが、基本的な構成は同一である(
図2参照)。また、例えば左右の両接地圧調整部51が左右対称の構成ではなく全く同一の構成でもよく、さらに、接地圧調整部51が中央作業部2のみに設けられた構成には限定されず、例えば延長作業部3のみに設けられた構成や、中央作業部2及び延長作業部3の両方にそれぞれ設けられた構成等でもよい。
【0029】
接地圧調整部51は、トラクタ側から遠隔操作可能(遠隔制御可能)な駆動手段である駆動ユニット53と、この駆動ユニット53からの動力に基づいて左右方向の中心軸(回動支点)50を中心として少なくとも第1位置及び第2位置間で回動可能な回動体54と、この回動体54と整地体13とに架設され、圃場での作業時(農作業機の作業姿勢時)において所定の状態の際に整地体13を付勢する付勢手段55とを有している。
【0030】
そして、付勢手段55の状態(作業時における付勢手段による付勢状態)は、駆動ユニット53からの動力に基づく回動体54の回動によって切換可能(変更可能)となっている。
【0031】
具体的には、この付勢手段55は、例えば整地体13をこの整地体13の接地圧が増大する方向(接地圧増大方向である下方側)に付勢する状態(加圧状態)と、整地体13を付勢しない状態(フリー状態)とに選択的に切換可能となっている。なお、回動体54及び付勢手段55等によって、整地体13を接地圧増大方向に付勢(加圧)する加圧機構60が構成されている。
【0032】
駆動ユニット(モータユニット)53は、比較的薄い箱状の収納ケース61を有し、この収納ケース61は、取付具62によって板状の取付体63に固定的に取り付けられて支持されている。取付体63は、取付具64によって機体11の耕耘カバー部15の上面側に固定的に取り付けられている。なお、例えば取付体63が耕耘カバー部15の上面に溶接固定された構成でもよく、また、取付体63を耕耘カバー部15の上面に一体に突設した構成等でもよい。
【0033】
収納ケース61内には、例えばトラクタ側から操作部(リモコン)の操作で遠隔操作可能(遠隔制御可能)な駆動源である電動モータ及び複数のギア等が収納されている。
【0034】
そして、収納ケース61の側面からは、当該収納ケース61内の電動モータからの動力を出力する左右方向の駆動軸(回動軸)66が側方に向かって突出しており、この駆動軸66の先端部には、回動体54における筒状の連結部70が固定ピン67によって連結固定されている。具体的には、筒状の連結部70が駆動軸66の外周側に嵌合され、かつ、これら連結部70及び駆動軸66に形成された孔部に固定ピン67が挿入されている。また、駆動軸66は、取付体63に取り付けられた中心軸50と同軸上に位置しており、その中心軸50は抜止ピン68によって抜け止めされている。なお、固定ピン67も抜止ピン(図示せず)によって抜け止めされている。
【0035】
回動体(カム)54は、互いに離間対向する左右一対の扇状の対向板部71を有している。両対向板部71は、連結ピン72によって一体的に連結され、取付体63に対して中心軸50を中心として前後方向に回動可能となっている。
【0036】
回動体54の両対向板部71の後側には、付勢手段55の上端部を案内する長孔部73が形成されている。そして、長孔部73は、側面視で回動体54の回動支点(回動中心)である中心軸50を略中心(中心の場合も含む)とする円弧状の曲線部分74と、この曲線部分74に連設された一直線状の直線部分75とを有している。つまり、この長孔部73は、例えば1つの曲線部分74と1つの直線部分75とで構成されたもので、側面視で略く字状に形成されている。なお、長孔部73は、中心軸50を略中心とした1つの円弧状の曲線部分のみからなるものでもよく、また、単数又は複数の曲線部分や単数又は複数の直線部分を適宜組み合わせたもの等でもよい。
【0037】
ここで、
図7に示すように、側面視において、回動体54の長孔部73における円弧状の曲線部分74の円弧中心P(P1,P2)は、回動体54の中心軸50とは重ならず、その中心軸50の径方向外方側に少しずれている。つまり、回動体54が第1位置に位置した状態では、曲線部分74の円弧中心P1は、中心軸50の外周縁の近傍位置であってその中心軸50の中心Oよりも上方に位置している。これに対し、回動体54が第2位置に位置した状態では、曲線部分74の円弧中心P2は、中心軸50の外周縁の近傍位置であってその中心軸50の中心Oよりも下方に位置している。
【0038】
また、機体11の耕耘カバー部15に対して固定された取付体63には、それぞれ軸状の第1ストッパー76及び第2ストッパー77が取り付けられている。そして、回動体54は、第1ストッパー76との当接により後方側への回動が規制されることで第1位置に位置決めされ、かつ、第2ストッパー77との当接により前方側への回動が規制されることで第2位置に位置決めされる。つまり、回動体54は、駆動ユニット53の駆動軸66の回動に基づいて、一方向への回動により第1位置に位置した状態(第1状態)となり、他方向への回動により第2位置に位置した状態(第2状態)となる。
【0039】
なお、例えば2つのストッパー76,77を設けずに、駆動ユニット53の電動モータを制御部で制御して回動体54が予め設定された位置(第1位置や第2位置等)に停止するようにしてもよく、また第1位置及び第2位置間の任意位置で停止するようにしてもよい。
【0040】
付勢手段55は、例えば伸縮可能なガススプリング(付勢体)81を有したもので、その一端部側(回動体側の端部側である上端側)が回動体54の長孔部73に当該長孔部73に沿って移動可能(スライド可能)に取り付けられ、かつ、その他端部側(整地体側の端部側である下端側)が整地体13の取付部14に回動可能に取り付けられている。
【0041】
ガススプリング81は、窒素ガス等が封入されたシリンダー部82と、このシリンダー部82に対して進退可能なロッド部83とを有している。なお、ガススプリング81は、例えばシリンダー部82内にフリーピストンを有するフリーピストンタイプのガススプリングである。
【0042】
そして、ロッド部83の先端部である上端部にはスライド部材である取付ピン85が取り付けられ、この取付ピン85は、回動体54の長孔部73内に当該長孔部73に沿ってスライド可能に挿通されている。なお、取付ピン85は抜止ピン(図示せず)によって抜け止めされている。また、シリンダー部82の基端部である下端部は、整地体13の第1整地体23に立設された取付部14に取付ピン86を介して回動可能に取り付けられている。このようにしてガススプリング81が回動体54と整地体13との間に架設されている。
【0043】
なお、中央作業部2の左右方向の中央部には、少なくとも整地体13を整地作業状態(機体に対して上下動可能な状態)及び土引作業状態(機体に対して固定されたロック状態)に選択的に切換可能な切換部88が設けられている(
図2参照)。
【0044】
次に、上記農作業機1の作用等を説明する。
【0045】
例えば、
図2の如く両延長作業部3を展開作業状態にして、中央側の中央作業部2と左右両側の延長作業部3とで代掻作業(耕耘整地作業)を行う場合について説明する。
【0046】
圃場(水を入れた水田)で、トラクタの走行により農作業機1を作業姿勢にして前方(進行方向)に移動させると、耕耘体12及び延長耕耘体32が互いに一体となって耕耘作業をし、かつ、整地体13及び延長整地体33が互いに一体となって整地作業をする。
【0047】
ここで、
図5に示すように、接地圧調整部51の回動体54が第1ストッパー76に当接して第1位置に位置した場合には、取付ピン85が長孔部73の端部に当接して上方側への移動が規制されることにより、付勢手段55のガススプリング81は回動体54と整地体13との間で圧縮された状態となっている。
【0048】
その結果、整地体13及び延長整地体33は、ガススプリング81の付勢力によって下方側に付勢(加圧)されているため、圃場面との接地圧が自重のみに基づく接地圧よりも増大した状態(接地圧増大状態)で整地作業をする。
【0049】
これに対し、
図6に示すように、接地圧調整部51の回動体54が第2ストッパー77に当接して第2位置に位置した場合には、取付ピン85は長孔部73の中間部に位置してその長孔部73に沿ってスライド可能であることから、付勢手段55のガススプリング81は圧縮されておらず、伸び切った自然長の状態となっている。
【0050】
その結果、整地体13及び延長整地体33は、ガススプリング81によって付勢されることなく、自重のみに基づく接地圧で圃場面に接地した状態(付勢手段による付勢なしの状態)で整地作業をする。
【0051】
例えばこの作業途中で、圃場面に対する整地体13及び延長整地体33の接地圧を、自重のみに基づく接地圧よりも大きくしたい場合、作業者は、トラクタに乗ったまま、リモコン操作で電動モータを駆動させて回動体54を第1位置まで回動させればよい。また、回動体54を第2位置に戻すだけで、ガススプリング81をフリー状態(自然長の状態)にできる。
【0052】
つまり、作業者は、リモコン操作で接地圧調整部51の電動モータを遠隔制御することにより、トラクタ走行中の代掻作業時においてその代掻作業を続行しながら、圃場面に接地した状態で整地作業中の整地体13,33の接地圧を変更できる。
【0053】
なお、中央作業部2のみで作業をする場合は、中央作業部2の整地体13の接地圧のみを接地圧調整部51で調整可能であり、また、中央作業部2と左右いずれか一方の延長作業部3とで作業を行う場合は、中央作業部2の整地体13の接地圧と当該左右いずれか一方の延長作業部3の延長整地体33の接地圧とを接地圧調整部51で同時に調整可能である。
【0054】
そして、上述した第1の実施の形態に係る農作業機1によれば、接地圧調整部51は、駆動源である電動モータ等を含む駆動ユニット53と、この駆動ユニット53からの動力に基づいて回動する回動体54と、この回動体54と整地体13とに架設された接地圧調整用の付勢手段55とを有するため、従来の作業機に比べて、整地体13や延長整地体33の接地圧を容易に調整でき、よって作業者の負担軽減を図ることができる。
【0055】
また、回動体54は、当該回動体54の回動支点である中心軸50を略中心とする円弧状の曲線部分74を少なくとも一部に含む長孔部73を有し、かつ、付勢手段55は、回動体54側の端部側(上端側)がその長孔部73に当該長孔部73に沿って移動可能に取り付けられているため、接地圧調整部51の構成の簡素化やコンパクト化等を適切に図ることができる。
【0056】
しかも、回動体54の長孔部73は、1つの曲線部分74と1つの直線部分75とで構成されたものであるから、付勢手段55の上端側の取付ピン85を当該長孔部73に沿ってスムーズに移動させることができる。
【0057】
さらに、付勢手段55は、ガススプリング81を有する構成であるから、例えば連結ロッドとこの連結ロッドの外周側に設けられたバネとを有するような構成等に比べて、構成の簡素化やコンパクト化等をより一層適切に図ることができる。
【0058】
また、接地圧調整部51は、作業者による操作部の操作に基づいて、圃場での少なくとも耕耘体12及び整地体13による代掻作業中(田面を整地体が均している最中)に、その圃場に接地して整地作業している整地体13の接地圧を調整可能(例えば当該整地作業中の整地体の加圧のオンオフやその加圧の無段階調整が可能)となっているので、その接地圧調整のためにトラクタの3点リンク部で農作業機1を持ち上げる必要がないことから、代掻作業を中断せずに、代掻作業しながら土質等の圃場条件に応じて整地体13の接地圧(整地力)を調整することができ、よって、圃場条件に合った適切な代掻作業(耕耘整地作業)を効率的に行うことができる。
【0059】
次に、本発明の第2の実施の形態について
図8ないし
図10を参照して説明する。
【0060】
図8ないし
図10に示す農作業機1は、整地体13をこの整地体13の接地圧が減少する方向に付勢する浮かせ機構90を接地圧調整部51に付加したものである。
【0061】
すなわち、この接地圧調整部51は、加圧機構60及び浮かせ機構90の両方を備えたもので、一方側の加圧機構60の付勢手段55で整地体13を接地圧増大方向に付勢する状態と、他方側の浮かせ機構90の付勢手段95で整地体13を接地圧減少方向に付勢する状態とに選択的に切換可能となっている。
【0062】
なお、
図8に図示したものでは、加圧機構60が駆動ユニット53の左側に配置され、浮かせ機構90が駆動ユニット53の右側に配置されているが、この配置には限定されず、例えば左右逆の配置でもよく、また駆動ユニット53の片側に両機構60,90を配置してもよい。また、例えばそれぞれ個別の駆動手段で両機構60,90を別々に動作させてもよい。さらに、例えば駆動ユニット53の両側に加圧機構60を配置した構成や、駆動ユニット53の両側に浮かせ機構90を配置した構成等でもよい。
【0063】
浮かせ機構90は、両機構60,90に対して共用の駆動ユニット53からの動力に基づいて左右方向の中心軸(回動支点)91を中心として少なくとも第1位置及び第2位置間で回動可能な回動体94と、この回動体94と整地体13とに架設され、圃場での作業時(農作業機の作業姿勢時)において所定の状態の際に整地体13を付勢する付勢手段95とを有している。
【0064】
そして、付勢手段95の状態(作業時における付勢手段による付勢状態)は、駆動ユニット53からの動力に基づく回動体94の回動によって切換可能(変更可能)となっている。
【0065】
具体的には、この付勢手段95は、例えば整地体13をこの整地体13の接地圧が減少する方向(接地圧減少方向である上方側)に付勢する状態(浮かせ状態)と、整地体13を付勢しない状態(フリー状態)とに選択的に切換可能となっている。
【0066】
駆動ユニット53の駆動軸66は、収納ケース61の左右の両側面からそれぞれ突出している。そして、駆動軸66のうち一方側の先端部には加圧機構60の回動体54が連結固定されている一方、駆動軸66のうち他方側の先端部には浮かせ機構90の回動体94が連結固定されている。
【0067】
つまり、駆動軸66における他方側の先端部には、回動体94における筒状の連結部100が固定ピン97によって連結固定されている。具体的には、筒状の連結部100が駆動軸66の外周側に嵌合され、かつ、これら連結部100及び駆動軸66に形成された孔部に固定ピン97が挿入されている。また、駆動軸66は、取付体98に取り付けられた中心軸91と同軸上に位置しており、その中心軸91は抜止ピン99によって抜け止めされている。なお、固定ピン97も抜止ピン(図示せず)によって抜け止めされている。
【0068】
回動体94は、互いに離間対向する左右一対の扇状の対向板部101を有している。両対向板部101は、連結ピン102によって一体的に連結され、取付体98に対して中心軸91を中心として前後方向に回動可能となっている。
【0069】
回動体94の両対向板部101の後側には、付勢手段95の上端部を案内する長孔部103が形成されている。そして、長孔部103は、側面視で回動体94の回動支点(回動中心)である中心軸91を略中心(中心の場合も含む)とする円弧状の曲線部分104を有している。つまり、この長孔部103は、例えば1つの曲線部分104のみで構成されている。なお、この長孔部103も、上述した長孔部73と同様、単数又は複数の曲線部分や単数又は複数の直線部分を適宜組み合わせたもの等でもよい。
【0070】
そして、回動体(第2のカム)94は、加圧機構60の回動体(第1のカム)54と同時に回動するもので、当該回動体54と同様、駆動ユニット53の駆動軸(左右方向長手状の1本の共用駆動軸)66の回動に基づいて、一方向への回動により第1位置に位置した状態(第1状態)となり、他方向への回動により第2位置に位置した状態(第2状態)となる。
【0071】
付勢手段95は、例えば長手状の連結ロッド111及びコイルバネ(付勢体)112を有したもので、その一端部側(回動体側の端部側である上端側)が回動体94の長孔部103に当該長孔部103に沿って移動可能(スライド可能)に取り付けられ、かつ、その他端部側(整地体側の端部側である下端側)が整地体13の取付部10に回動可能に取り付けられている。
【0072】
連結ロッド111の上端部にはスライド部材である取付ピン115が取り付けられ、この取付ピン115は、回動体94の長孔部103内に当該長孔部103に沿ってスライド可能に挿通されている。また、連結ロッド111の下端部には環状部材116及びピン部材117が取り付けられている。弾性変形可能なバネであるコイルバネ(弾性体)112の下端部は、環状部材116に当接している。なお、連結ロッド111の下端部には複数のピン用孔114が形成されており、その中から選択された一のピン用孔114にピン部材117が取り付けられている。つまり、連結ロッド111に対するピン部材117の取付位置が変更可能となっている。
【0073】
さらに、連結ロッド111は、ロッド挿通体であるタンブラ118の挿通孔119にスライド可能(摺動可能)に挿通されている。このタンブラ118は、整地体13の取付部10に回動可能に取り付けられている。つまり、連結ロッド111は、この連結ロッド111を摺動可能に支持するタンブラ118を介して整地体13側に接続されている。
【0074】
そして、連結ロッド111の中間部のうち、そのタンブラ118よりも上方に位置する部分には、環状部材121及びピン部材122が取り付けられている。このピン部材(ストッパーピン)122は、付勢手段95のフリー状態時に、連結ロッド111の下がり過ぎを防止して、当該連結ロッド111の下端部と第2整地体24との干渉を回避する(
図9参照)。
【0075】
なお、農作業機1の作業姿勢では、連結ロッド111の中間部がタンブラ118を介して整地体13に取り付けられた状態となっているが、農作業機1のスタンド姿勢等では、連結ロッド111の下端側がタンブラ118を介して整地体13に取り付けられた状態となる。すなわち例えば、農作業機1をスタンドで支持したスタンド姿勢時や農作業機1をトラクタの3点リンク部(作業機昇降装置)で持ち上げた持上姿勢時においては、整地体13が自重で垂れ下がった状態(非作業状態)となっており、このため、付勢手段95の連結ロッド111の下端側が整地体13の取付部10にタンブラ118を介して回動可能でかつ摺動可能に取り付けられて支持(連結)されている。
【0076】
そして、圃場での作業時(作業姿勢)において、
図9に示すように、接地圧調整部51の浮かせ機構90の回動体94が第1位置に位置した場合(このとき加圧機構60の回動体54も第1位置に位置している)には、取付ピン115は長孔部103の中間部に位置してその長孔部103に沿ってスライド可能で、かつ、コイルバネ112の上端部とタンブラ118との間には隙間125が存在するため、浮かせ機構90の付勢手段95のコイルバネ112は圧縮されておらず、伸び切った自然長の状態となっている。またこのとき、加圧機構60の付勢手段55のガススプリング81は、回動体54と整地体13との間で圧縮された状態となっている(
図5に示す加圧状態)。
【0077】
その結果、整地体13及び延長整地体33(中央作業部2のみによる場合は整地体13のみ)は、加圧機構60のガススプリング81の付勢力によって下方側に付勢されているため、圃場面との接地圧が増大した状態(自重のみに基づく接地圧よりも大きな接地圧で圃場面に接地した状態である接地圧増大状態)で整地作業をする。
【0078】
これに対し、
図10に示すように、接地圧調整部51の浮かせ機構90の回動体94が第2位置に位置した場合(このとき加圧機構60の回動体54も第2位置に位置している)には、取付ピン115が長孔部103の端部に当接して回動体94にて連結ロッド111が持ち上げられることにより、浮かせ機構90の付勢手段95のコイルバネ112はタンブラ118と環状部材116との間で圧縮された状態となっている。またこのとき、加圧機構60の付勢手段55のガススプリング81は、自然長の状態となっている(
図6に示すフリー状態)。
【0079】
その結果、整地体13及び延長整地体33(中央作業部2のみによる場合は整地体13のみ)は、浮かせ機構90のコイルバネ112の付勢力によって上方側に付勢されているため、圃場面との接地圧が減少した状態(自重のみに基づく接地圧よりも小さな接地圧で圃場面に接地した状態である接地圧減少状態)で整地作業をする。なおこの場合も、上記第1の実施の形態と同様、作業者は、リモコン操作で接地圧調整部51の電動モータを遠隔制御することにより、トラクタ走行中の代掻作業時においてその代掻作業を続行しながら、圃場面に接地した状態で整地作業中の整地体13,33の接地圧を変更できる。
【0080】
そして、この第2の実施の形態に係る農作業機1でも、上記第1の実施の形態と同様、整地体13や延長整地体33の接地圧を容易に調整でき、よって作業者の負担軽減を図ることができる等の作用効果を奏することができる。
【0081】
次に、本発明の第3の実施の形態について
図11及び
図12を参照して説明する。
【0082】
図11及び
図12に示す農作業機1の接地圧調整部51の付勢手段55は、上記第1の実施の形態のものとは異なり、例えば整地体13を接地圧増大方向に付勢する状態(加圧状態)と、整地体13を接地圧減少方向に付勢する状態(浮かせ状態)とに選択的に切換可能となっている。
【0083】
つまり、この付勢手段55は、例えば長手状の連結ロッド130、第1コイルバネ(加圧用の付勢体)131及び第2コイルバネ(浮かせ用の付勢体)132を有したもので、その一端部側(回動体側の端部側である上端側)が回動体54の長孔部73に当該長孔部73に沿って移動可能(スライド可能)に取り付けられ、かつ、その他端部側(整地体側の端部側である下端側)が整地体13の取付部14に回動可能に取り付けられている。
【0084】
連結ロッド130の上端部にはスライド部材である取付ピン135が取り付けられ、この取付ピン135は、回動体54の長孔部73内に当該長孔部73に沿ってスライド可能に挿通されている。また、連結ロッド130の下端部には環状部材136及びピン部材137が取り付けられている。弾性変形可能なバネである第2コイルバネ132の下端部は、環状部材136に当接している。同じく弾性変形可能なバネである第1コイルバネ131の下端部は、ロッド挿通体であるタンブラ138に当接している。
【0085】
さらに、連結ロッド130は、タンブラ138の挿通孔139にスライド可能(摺動可能)に挿通されている。このタンブラ138は、整地体13の取付部14に回動可能に取り付けられている。つまり、連結ロッド130は、この連結ロッド130を摺動可能に支持するタンブラ138を介して整地体13側に接続されている。
【0086】
そして、連結ロッド130の中間部のうち、そのタンブラ138よりも上方に位置する部分には、環状部材141及びピン部材142が取り付けられている。なお、例えば複数のピン用孔を形成して連結ロッド130に対するピン部材137,142の取付位置を変更可能な構成としてもよい。
【0087】
そして、
図11に示すように、接地圧調整部51の回動体54が第1位置に位置した場合には、取付ピン135が長孔部73の一端部に当接して回動体54にて連結ロッド130が押し下げられることにより、第1コイルバネ131は環状部材141とタンブラ138との間で圧縮された状態となっている。またこのとき、タンブラ138と第2コイルバネ132との間には隙間143があり、この第2コイルバネ132は自然長の状態となっている。
【0088】
その結果、整地体13及び延長整地体33(中央作業部2のみによる場合は整地体13のみ)は、第1コイルバネ131の付勢力によって下方側に付勢されているため、圃場面との接地圧が増大した状態(圃場面側に加圧された状態である接地圧増大状態)で整地作業をする。
【0089】
これに対し、
図12に示すように、接地圧調整部51の回動体54が第2位置に位置した場合には、取付ピン135が長孔部73の他端部に当接して回動体54にて連結ロッド130が持ち上げられることにより、第2コイルバネ132はタンブラ138と環状部材136との間で圧縮された状態となっている。またこのとき、ピン部材142と環状部材141との間には隙間144があり、第1コイルバネ131は自然長の状態となっている。
【0090】
その結果、整地体13及び延長整地体33(中央作業部2のみによる場合は整地体13のみ)は、第2コイルバネ132の付勢力によって上方側に付勢されているため、圃場面との接地圧が減少した状態(圃場面に浮いた状態である接地圧減少状態)で整地作業をする。なおこの場合も、上記第1の実施の形態と同様、作業者は、リモコン操作で接地圧調整部51の電動モータを遠隔制御することにより、トラクタ走行中の代掻作業時においてその代掻作業を続行しながら、圃場面に接地した状態で整地作業中の整地体13,33の接地圧を変更できる。
【0091】
そして、この第3の実施の形態に係る農作業機1でも、上記第1の実施の形態と同様、整地体13や延長整地体33の接地圧を容易に調整でき、よって作業者の負担軽減を図ることができる等の作用効果を奏することができる。
【0092】
なお、上述した各実施の形態において、例えばポテンショメータ等の検出部で軸(回動体等でもよい。以下でも同様)の回動位置を検出し、その軸の回動位置を制御部を通じて端末等の表示部に加圧力や浮かせ力として表示(数値化或いはグラフ等で可視化)させるようにしてもよい。同じく例えばポテンショメータ等の検出部で軸の回動位置を検出し、任意の位置で軸の回動を停止させ、その位置を制御部に記憶させるようにしてもよい。
【0093】
また、第1の実施の形態における接地圧調整部は、加圧機構の付勢手段がガススプリングを有する構成には限定されず、例えば連結ロッドとこの連結ロッドの外周側に設けられたバネ(円筒状の加圧用の圧縮バネ等の弾性体)とを有する構成等でもよい。
【0094】
さらに、第2の実施の形態における接地圧調整部は、加圧機構及び浮かせ機構の両方を備えたものには限定されず、例えば浮かせ機構(減圧機構)のみを備えたものでもよく、また、例えば駆動手段の両側に加圧機構を備えた構成や、駆動手段の両側に浮かせ機構を備えた構成等でもよく、さらに加圧機構(加圧部)や浮かせ機構(減圧部)の個数も任意である。
【0095】
また、第2、3の実施の形態では、圃場での作業時(作業姿勢時)において、回動体を第1位置(加圧用の停止位置)まで回動させた場合には整地体が付勢手段で下方側に付勢され、回動体を第2位置(浮かせ用の停止位置)まで回動させた場合には整地体が付勢手段で上方側に付勢される場合について説明したが、例えば回動体を第1位置及び第2位置間の第3位置(フリー用の停止位置)で停止させた場合に整地体が付勢手段(ガススプリング、バネ等)で付勢されない状態(フリー状態)となるようにしてもよく、また第1位置及び第2位置間の任意位置で停止するようにしてもよい。
【0096】
さらに、いずれの実施の形態においても、リモコン等の操作部の操作に基づいて駆動手段が作動する構成には限定されず、例えば土質や圃場面の仕上り具合等の圃場状態(圃場条件)を検知する検知部の検知結果に基づいて駆動手段が作動する構成等でもよい。
【0097】
また、農作業機が3分割構造の折畳み作業機である場合ついて説明したが、例えば折畳み不可能な一本物の作業機でもよく、さらに整地体は、第1整地体と第2整地体とを有するものには限られず、例えば第1整地体である均平板のみを有するものでもよい。
【0098】
さらに、付勢手段が回動体と第1整地体とに架設された構成には限定されず、例えば付勢手段が回動体と第2整地体とに架設された構成等でもよい。また、付勢手段が有するガススプリングの本数は、1本でも複数本でもよく、任意である。
【0099】
また、接地圧調整部の回動体を回動させる駆動手段の駆動源は、モータには限定されず、例えばシリンダ等でもよい。さらに、操作部は、専用のリモコンには限定されず、例えば接地圧調整部を操作するための所定のアプリをダウンロードした携帯端末機等でもよい。
【0100】
なお、本発明のいくつかの実施形態及びその変形例について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、各実施形態及び各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0101】
1 農作業機
12 耕耘体
13 整地体
50 回動支点である中心軸
51 接地圧調整部
53 駆動手段である駆動ユニット
54 回動体
55,95 付勢手段
66 駆動軸
73,103 長孔部
74,104 曲線部分
81 ガススプリング
111,130 連結ロッド
112 バネであるコイルバネ
118,138 ロッド挿通体であるタンブラ
131 バネである第1コイルバネ
132 バネである第2コイルバネ