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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038990
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】包装容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/36 20060101AFI20240313BHJP
   B65D 30/16 20060101ALI20240313BHJP
【FI】
B65D33/36
B65D30/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023128836
(22)【出願日】2023-08-07
(31)【優先権主張番号】P 2022143308
(32)【優先日】2022-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 実智昭
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雅安
(72)【発明者】
【氏名】大塚 貴博
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AB25
3E064BA01
3E064BA17
3E064BA27
3E064BA28
3E064BA30
3E064BA36
3E064BA54
3E064BA55
3E064BB03
3E064BC08
3E064BC18
3E064BC20
3E064EA12
3E064FA01
3E064FA03
3E064HM01
3E064HN04
3E064HN05
3E064HN24
3E064HN25
(57)【要約】
【課題】収容物を容易に取り出すことができる包装容器。
【解決手段】天部と、前記天部と対向して設けられた底部と、前記天部及び前記底部の間に配置された胴部とを備え、前記天部は、正面視において、前記底部から離間する方向に向かう凸状の外縁を有し、前記胴部は、正面部と、該正面部と対向して設けられた背面部とを有し、前記天部の前記外縁は、開口可能に構成されると共に、曲線又は2以上の直線で形成されており、前記天部は、開口を開閉可能な開閉機構を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天部と、
前記天部と対向して設けられた底部と、
前記天部及び前記底部の間に配置された胴部と
を備え、
前記天部は、正面視において、前記底部から離間する方向に向かう凸状の外縁を有し、
前記胴部は、正面部と、該正面部と対向して設けられた背面部とを有し、
前記天部の前記外縁は、開口可能に構成されると共に、曲線又は2以上の直線で形成されており、
前記天部は、開口を開閉可能な開閉機構を有し、
シート状材料で構成されている
包装容器。
【請求項2】
前記開閉機構は、前記天部の前記外縁に沿って設けられている
請求項1に記載の包装容器。
【請求項3】
前記底部は、前記正面部と前記背面部に連接されている底マチ部を有し、
前記底マチ部を接地させた状態で自立可能に構成されている
請求項1又は2に記載の包装容器。
【請求項4】
前記天部の前記開口を前記胴部の前記正面部及び前記背面部が離間する方向に拡開した際に、前記正面部の側部と前記背面部の側部とが互いに接近する方向に傾倒するように構成されている
請求項1又は2に記載の包装容器。
【請求項5】
前記胴部は、前記正面部と前記背面部に連接されている側部を有し、
前記側部は、横マチ部を有する
請求項1又は2に記載の包装容器。
【請求項6】
正面視において、
平面視における前記天部の前記外縁に平行な直線である天部線と、
前記天部及び前記胴部の第1の境界点を通り、前記天部線と直交する直線である第1の側部線と、
前記第1の境界点及び前記天部の前記外縁の平面視における中間点を通る直線である第1の斜線と
からなる仮想直角三角形における前記第1の側部線と前記第1の斜線のなす角が90度未満に構成されている
請求項1又は2に記載の包装容器。
【請求項7】
前記天部の前記外縁は、正面視における左右両側に傾斜部を有する
請求項1又は2に記載の包装容器。
【請求項8】
前記天部の前記外縁は、左右非対称に形成されており、正面視における左右の一方側に傾斜部を有する
請求項1又は2に記載の包装容器。
【請求項9】
前記天部の前記外縁は、前記底部から離間する方向に向けて凸となる円弧状に形成されている
請求項1又は2に記載の包装容器。
【請求項10】
前記天部の前記開口の一端部側と他端部側に耳部を備え、
前記耳部は、前記天部の前記開口が開く方向に張力を発生させるように前記胴部に接着されている
請求項1又は2に記載の包装容器。
【請求項11】
前記胴部の一部にヒートシール剤が塗工されており、
前記耳部は、前記ヒートシール剤を介してヒートシールにより前記胴部に接着されている
請求項10に記載の包装容器。
【請求項12】
前記シート状材料は、デッドホールド性を有する非金属材料で構成されている
請求項11に記載の包装容器。
【請求項13】
前記側部は、天面部を有し、
前記天部は、前記天面部と連接するとともに、前記天面部と交差する方向に延出しており、
前記天部の前記外縁から前記開閉機構までの長さは、前記天面部から前記開閉機構までの長さの1倍以上である
請求項5に記載の包装容器。
【請求項14】
前記天部の前記外縁から前記開閉機構までの長さは、10mm以上である
請求項11に記載の包装容器。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載の包装容器と、
複数のシート材と
を備え、
前記包装容器は、前記シート材を積み重ねて収容するように構成されている
シート入り包装容器。
【請求項16】
前記シート材に吸収される含浸材を備え、
前記シート材の前記含浸材の含浸率は、200%以上である
請求項15に記載のシート入り包装容器。
【請求項17】
前記含浸材は、粉体を含む
請求項16に記載のシート入り包装容器。
【請求項18】
前記胴部の高さは、30mm以上である
請求項15~17のいずれか1項に記載のシート入り包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、粉状又は粒状の収容物を入れた状態では膨らんで立体形状となり、内部の収容物を全て取り出した状態では平坦状に折り畳んで廃棄することが可能な包装容器が知られている。例えば、特許文献1には、上端に開口部が設けられた筒状の胴部と、該胴部の下端に接続される底部と、胴部の開口部付近に設けられ、該開口部を密封するための雌雄咬合型のチャックとを備え、胴部及び底部がフィルムにより形成されると共に、立体形状となった状態で自立できるように底部のみがガゼット形状に形成された包装体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-175945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の包装体を含む従来の包装容器では、開口部が正面視及び平面視において一直線に形成されているため、開口部が広がりにくく、使用者が開口部から手を入れて収容物を摘み出す際や、計量スプーン等で収容物を掬い出す際に、スムーズに収容物の取り出しを行うことが困難であるという問題がある。
【0005】
本発明は、収容物を容易に取り出すことができる包装容器に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、天部と、前記天部と対向して設けられた底部と、前記天部及び前記底部の間に配置された胴部とを備え、前記天部は、正面視において、前記底部から離間する方向に向かう凸状の外縁を有し、前記胴部は、正面部と、該正面部と対向して設けられた背面部とを有し、前記天部の前記外縁は、開口可能に構成されると共に、曲線又は2以上の直線で形成されており、前記天部は、開口を開閉可能な開閉機構を有する包装容器に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る包装容器によれば、収容物を容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態に係る包装容器を示す概略図である。
図2】第1実施形態の包装容器を示す正面図である。
図3】第1実施形態の包装容器の閉じた状態を示す平面図である。
図4】第1実施形態の包装容器の閉じた状態を示す側面図である。
図5】第1実施形態の包装容器の天部の外縁形状を示す正面図である。
図6】第1実施形態の包装容器の開いた状態を示す平面図である。
図7】第1実施形態の包装容器の開いた状態を示す側面図である。
図8】第1実施形態の包装容器の変形例を示す概略図である。
図9】第1実施形態の包装容器の変形例を示す正面図である。
図10】第1実施形態の包装容器の変形例を示す正面図である。
図11】第1実施形態の包装容器の天部の外縁の中間点を示す図である。
図12】第1実施形態の包装容器の変形例の天部の外縁形状を示す正面図である。
図13】本発明の第2実施形態に係る包装容器を示す概略図である。
図14】第2実施形態の包装容器の閉じた状態を示す斜視図である。
図15】第2実施形態の包装容器の胴部を示す正面図である。
図16】第2実施形態の包装容器を示す正面図である。
図17】第1実施形態の包装容器の天マチ部を有する変形例を示す概略図である。
図18】第1実施形態の包装容器の天マチ部を有する変形例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
[第1実施形態に係る包装容器の構成]
まず、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る包装容器1を概説する。第1実施形態に係る包装容器1は、天部10と、天部10と対向して設けられた底部30と、天部10及び底部30の間に配置された胴部50とを備え、天部10は、正面視において、底部30から離間する方向に向かう凸状の外縁10aを有し、胴部50は、図3に示すように、正面部52と、該正面部52と対向して設けられた背面部54とを有する。なお、天部とは、図1に示す高さ方向Zにおける上方に位置する部位であり、底部とは、高さ方向Zにおける下方に位置する部位である。
【0011】
包装容器1は、可撓性を有する材料、例えば、シート状の材料等で構成されており、底部30及び胴部50の各縁部が接合されることによって、内部に収容物Iを収容可能な空間を有する袋状に形成されている。包装容器1は、収容物Iとして、例えば、粉粒状の洗剤やシート状化粧品等を収納することができる。シートの各接合には、ヒートシール、超音波シール、高周波シール、接着剤等の各種公知の方法を用いることができるが、ヒートシール、超音波シール、高周波シール等による熱融着が、加工が容易であることや接着剤の使用抑制の観点から好ましい。
【0012】
包装容器1は、包装する収容物Iに応じて合成樹脂製シート等の種々の任意の材料を採用可能である。包装容器1は、1枚のシートで構成されてもよいし、複数枚のシートで構成されてもよい。収容物Iが粉粒状の洗剤等の場合、包装容器1を形成するために使用され得る例示的な材料として、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン等のポリアミド、低密度ポリエチレン(LDPE)、リニア低密度ポリエチレン(L-LDPE)、延伸ポリプロピレン(OPP)、無延伸ポリプロピレン(CPP)等のオレフィン系フィルム等が挙げられ、単層又は積層フィルムとして使用できる。
【0013】
また、収容物Iが含水型シート状化粧品等の場合、包装容器1を形成するために使用され得る例示的な材料として、ある程度柔軟であり、シート状化粧品に浸み込ませる液体を透過、揮発させない任意の材料を用いて形成することができる。例えばアルミニウムを蒸着した熱可塑性樹脂フィルム、熱可塑性樹脂フィルムの間にアルミニウムを挟んだフィルム等が挙げられる。具体的には、包装容器1は、基材フィルム層、シーラントフィルム層及びバリア層で構成され得る。
【0014】
基材フィルム層を構成するフィルムとしては、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ-ト(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)等)、ポリオレフィン(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等)、ポリアミド(ナイロン-6、ナイロン-66等)等から構成される一層又は二層以上の延伸又は未延伸フィルム、好ましくは二軸延伸フィルムが例示できる。
【0015】
シーラントフィルム層を構成するフィルムとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン-プロピレン共重合体(EP)、未延伸ポリプロピレン(CPP)、エチレン-オレフィン共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)及びエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等から構成される一層又は二層以上のフィルムが例示できる。
【0016】
バリア層としては、アルミニウム等の金属箔、又は塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)等のフィルムや樹脂、或いは任意の合成樹脂フィルム(例えば、基材フィルム層であってもよい)に、アルミニウム、酸化アルミニウムやシリカ等の無機酸化物等を蒸着(又はスパッタリング)したフィルムが例示できる。
【0017】
底部30は、図1及び図4に示すように、胴部50の正面部52と背面部54に連接されている底マチ部32を有し、包装容器1は、底マチ部32を接地させた状態で自立可能に構成されている。第1実施形態及び後述する第2実施形態において、「マチ部」は、胴部50の正面部52と背面部54との間に厚みや奥行きをもたせる部分を意味する。
【0018】
具体的には、第1実施形態において、底部30は、略長方形状の底マチ部32が正面下部シール部32a及び背面下部シール部32bを有することによって正面部52と背面部54に連接されており、収容物Iが充填された際に、安定性のある底部30が形成され、自立性を有するものとなる。
【0019】
なお、収容物Iがシート状化粧品等の場合、底マチ部32の平面視における面積は、シート状化粧品の面積と同程度若しくは、それよりも大きいことが好ましい。
【0020】
天部10は、図6に示すように、包装容器1の内部に密封されている収容物Iを露出させるための開口20を備えている。具体的には、天部10の外縁10aは拡開可能に構成されると共に、曲線又は2以上の直線で形成されている(図2参照)。すなわち、天部10は、胴部50の正面部52及び背面部54の境界で分割されており、図6及び図7に示すように、使用者が開口20を開く際に正面方向と背面方向に互いに離間するよう構成されている。
【0021】
天部10の外縁10aは、封止して製品化されている状態から、使用者がこの封止部分を切り取り線に沿って切り取って開口20を形成し、開口20から収容物Iを繰り返し取り出して使用できるようにしてもよいし、天部10の外縁10aを封止せずに後述する開閉機構Cのみで内部を密閉した状態で製品化されていてもよい。
【0022】
平面視における開口20の開口面積は、収容物Iの取り出しやすさの観点から、好ましくは2000mm以上である。より好ましくは、4000mm以上であり、より好ましくは5000mm以上である。さらに、生産性の観点から、開口20はその開口面積が100000mm以下であることが好ましい。また好ましくは50000mm以下であり、より好ましくは20000mm以下である。ここで、平面視における開口20の開口面積とは、開口20の正面部と背面部に張力を加え最大限開いた状態において、該開口20を平面方向から見た場合の投影面積のことをいう。
【0023】
天部10は、図1に示すように、開口20を開閉可能な開閉機構Cを有する。開閉機構Cは、例えば、図2に示すように、天部10の外縁10aに沿って設けられている。開閉機構Cとしては、例えば、互いに対向して設けられた凹凸部材が嵌合、分離する雌雄咬合型のチャックや、雄雄咬合型チャック、レールファスナー、スライダー、マジックテープ(登録商標)、マグネット、両面テープ等が挙げられる。これら単独で使用してもよく、複数、複合的に使用してもよい。
【0024】
使用者は、使用に際して開閉機構Cを開封することで包装容器1内に収容されている収容物Iを指で摘んで、又は、収容物Iを計量スプーン等で掬って外部へ取り出す。このような構成を備える包装容器1は、使用者が収容物Iを必要量取り出したら、その都度、開閉機構Cを閉塞させることで収容物Iを効果的に保存することができる。
【0025】
第1実施形態において、天部10の外縁10aの形状は、図1及び図2に示すようなテーパ形状、すなわち、正面視における左右両側に傾斜部Sを有する形状に限定されず、曲線又は2以上の直線で形成されると共に、正面視において、底部30から離間する方向に向かう凸状の形状であれば、例えば、図9に示すような正面視における左右の一方側のみに傾斜部Sを有する左右非対称な形状や図10に示すような底部30から離間する方向に向けて凸となる円弧状の形状、台形状、三角形状等、種々の任意の形状を採用可能であるが、以下の条件を満たす形状であることが好ましい。
【0026】
すなわち、包装容器1は、図5に示す天部線TL(図3参照)、第1の側部線SL及び第1の斜線DLからなる仮想直角三角形における第1の側部線SLと第1の斜線DLとのなす角θが、開口20の開口面積の観点から、90度未満に構成されることが好ましく、89°以下に構成されることがより好ましく、85°以下に構成されることが更に好ましく、75°以下に構成されることがより更に好ましい。また、第1の側部線SLと第1の斜線DLのなす角θは、内容積の観点から、5°以上に構成されることが好ましく、20°以上に構成されることがより好ましく、30°以上に構成されること更に好ましい。
【0027】
ここで、「天部線TL」とは、正面視において、平面視における天部10の外縁10aに平行な直線をいう。また、「第1の側部線SL」とは、正面視において、天部10及び胴部50の第1の境界点Pを通り、天部線TLと直交する直線をいう。さらに、「第1の斜線DL」とは、正面視において、第1の境界点P及び天部10の外縁10aの平面視における中間点mを通る直線をいう。中間点mは、図11に示すように、天部10の外縁10aの平面視における長さLが同じであれば、天部10の外縁10aの形状に関わらず同じ位置である。またさらに、「第1の境界点P」とは、具体的には、正面視における天部10の外縁10aと胴部50の外縁との境界点をいう。なお、図9に示すような正面視における左右の一方側のみに傾斜部Sを有する左右非対称な形状の場合の第1の側部線SLと第1の斜線DLとのなす角θは、図12に示すとおりである。
【0028】
包装容器1において、図5に示す天部線TL、第2の側部線SL及び第2の斜線DLからなる仮想直角三角形における第2の側部線SLと第2の斜線DLとのなす角θは、上述した第1の側部線SLと第1の斜線DLとのなす角θと同様の数値範囲内における任意の角度を採用可能である。ここで、「第2の側部線SL」とは、正面視において、天部10及び胴部50の第2の境界点Pを通り、天部線TLと直交する直線をいう。また、「第2の斜線DL」とは、正面視において、第2の境界点P及び天部10の外縁10aの平面視における中間点mを通る直線をいう。またさらに、「第2の境界点P」とは、具体的には、正面視における天部10の外縁10aと胴部50の外縁との境界点をいう。
【0029】
また、包装容器1は、外観の観点から、正面視において、高さ方向Zで線対象に構成されることが好ましい。すなわち、天部10の外縁10aは、正面視における左右両側に傾斜部Sを有することが好ましい。具体的には、第1の側部線SLと第1の斜線DLのなす角θと第2の側部線SLと第2の斜線DLのなす角θが等しいことが好ましい。ただし、包装容器1は、正面視において、左右非対称、すなわち、第1の斜線DLのなす角θと第2の側部線SLと第2の斜線DLのなす角θが異なる角度で構成されてもよい。例えば、包装容器1は、図9に示すように、天部10の外縁10aが左右非対称に形成されており、正面視における左右の一方側のみに傾斜部Sを有する形状であってもよい。
【0030】
また、第1実施形態において、包装容器1は、図4に示すように、収容物Iとして、略直方体状に集積された複数のシート状化粧品を収容可能に構成されている。さらに、包装容器1は、図6に示すように、天部10の開口20を胴部50の正面部52及び背面部54が離間する方向に拡開した際に、正面部52の側部52a,52bと背面部54の側部54a,54bとが互いに接近する方向に傾倒するように構成されている。
【0031】
具体的には、包装容器1は、図4に示すように、天部10の開閉機構Cを閉塞させた状態において、胴部50の奥行き方向Yの幅Wが、底マチ部32の奥行き方向Yの幅WB1と同程度若しくは僅かに狭くなるように構成されている。ここで、僅かに狭くとは、収容物Iがシート状化粧品等である場合に、胴部50の幅Wが底マチ部32の幅WB1よりも狭く、シート状化粧品の外縁に胴部50の正面部52及び背面部54の内面が触れない程度に広い幅であることを意味する。
【0032】
包装容器1は、図7に示すように、使用者が天部10の開閉機構Cを開封し、正面側と背面側が接合されていない天部10の開口20を広げることで、開口20の奥行き方向Yの幅Wが底部30の底マチ部32の奥行き方向Yの幅WB2よりも広くなる。一方で、正面部52と背面部54が接合され、又は一体で形成されている胴部50は、図6に示すように、胴部50の正面部52及び背面部54の中央部が奥行き方向Yに広がると共に、正面部52の側部52a,52bと背面部54の側部54a,54bが幅方向Xの包装容器1の内部空間を狭める方向に互いに傾倒する。これにより、幅方向Xの胴部50の幅Wが幅方向Xの底マチ部32の幅Wよりも狭くなる。
【0033】
このような構成を備えることにより、包装容器1は、図6に示すように、例えば、収容物Iがシート状化粧品等の底部30に平積みされたものである場合、最上部の収容物Iの外縁が、包装容器1の内部空間を狭める方向に傾倒した胴部50の正面部52の側部52a,52b及び背面部54の側部54a,54bと、底部30の底マチ部32の側部(図示せず)とによって押さえられる。なお、包装容器1は、底部30の幅方向Xの長さ(左右一対の正面下部シール部32a(又は背面下部シール部32b)の下端間の長さ)と、集積された複数のシート状化粧品の幅方向Xの長さが同程度に構成されることで、より効果的に最上部の収容物Iの外縁を抑えることができる。
【0034】
包装容器1の形状は、図1に示す形状以外にも種々の任意の形状を採用可能である。例えば、包装容器1´は、図8に示すように、胴部50が正面部52と背面部54に連接されている側部56を有してもよい。側部56は、正面部52と背面部54の内側にV字状に折り込み可能、又は、正面部52と背面部54の外側に逆V字状に折り畳み可能な左右一対の横マチ部58を有する。また、天部10は、図17及び図18に示すように、正面側と背面側に連接されている天マチ部59を有してもよい。
【0035】
[第1実施形態に係る包装容器の利点]
以上説明したように、第1実施形態に係る包装容器1は、天部10と、天部10と対向して設けられた底部30と、天部10及び底部30の間に配置された胴部50とを備え、天部10は、正面視において、底部30から離間する方向に向かう凸状の外縁10aを有し、胴部50は、正面部52と、該正面部52と対向して設けられた背面部54とを有し、天部10の外縁10aは、開口可能に構成されると共に、曲線又は2以上の直線で形成されており、天部10は、開口20を開閉可能な開閉機構Cを有する。
【0036】
そして、第1実施形態に係る包装容器1は、このような構成を備えることにより、開口20を形成する天部10の外縁10aの長さが一直線に設けられている従来の包装容器よりも長くなる。そのため、本実施形態に係る包装容器1は、正面視における開口幅(平面視における天部10の外縁10aの長さ)が従来の包装容器と同じであっても従来の包装容器より開口20の周長が長くなり、開口20の開口面積が大きくなるため、収容物Iを容易に取り出すことができるという利点を有している。
【0037】
例えば、粉粒状の洗剤等の収容物Iを計量スプーンで掬い出す際に、開口20の開口面積が大きいことで計量スプーンが開口20に接触しづらくなるため、粉粒状の洗剤等を溢すことなく取り出すことができる。また、固形の収容物Iを取り出す際に、開口20に収容物Iが引っ掛かることなく取り出すことができる。特に、非正方形状、非立方体形状の収容物Iであっても開口20に邪魔されることなく取り出すことができる。さらに、液体を含浸したシート状化粧品等のウエットタイプのシート材の収容物Iを取り出す際に、液漏れすることなく、高含浸のまま取り出すことができる。またさらに、液中に粉体を分散させた液体を含浸したシート状化粧品等であっても、シート材の収容物Iを取り出す際に、シート材が開口20に引っ掛かり、シート材の表面に付着した粉体がシート材から剥がれることなく、取り出すことができる。また、シート材の収容物Iを取り出す際に、シート材が破れたり、2枚取り出したりすることがなく、一度取り出したシート材の収容物Iを戻す際にも容易に戻すことができる。
【0038】
また、第1実施形態に係る包装容器1において、開閉機構Cは、天部10の外縁10aに沿って設けられている。このような構成を備えることにより、包装容器1を構成する材料が開閉機構Cを構成する材料より可撓性がある材料であっても、材料の伸縮性が阻害されず、開口20の開閉の妨げにならないという利点を有している。また、開閉機構Cによって開口20の開口面積が減少することを防止できると共に、包装容器1の容量を十分に確保できるという利点を有している。さらに、収容物Iが液体を含浸したシートや粉体を付着させたシート等であっても繰り返し封止すことができるという利点を有している。なお、開閉機構Cは、正面部52及び背面部54の上部、すなわち、天部10の外縁10aの近傍に設けられることが好ましいが、これに限定されない。
【0039】
さらに、第1実施形態に係る包装容器1において、底部30は、正面部52と背面部54に連接されている底マチ部32を有する。このような構成を備えることにより、例えば、シート状化粧品等の収容物Iを平積みして保存することができるという利点を有している。また、天部10の開口20を開きやすくなるという利点を有している。
【0040】
またさらに、第1実施形態に係る包装容器1は、天部10の開口20を胴部50の正面部52及び背面部54が離間する方向に拡開した際に、正面部52の側部52a,52bと背面部54の側部54a,54bとが互いに接近する方向に傾倒するように構成されている。このような構成を備えることにより、例えば、収容物Iがシート状化粧品等の底部30に平積みされたものである場合、最上部の収容物Iの外縁が、包装容器1の内部空間を狭める方向に傾倒した胴部50の正面部52の側部52a,52b及び背面部54の側部54a,54bによって押さえられるため、使用者が最上位の収容物Iのみを取り出しやすくなるという利点を有している。
【0041】
また、第1実施形態に係る包装容器1において、胴部50は、正面部52と背面部54に連接されている側部56を有し、側部56は、横マチ部58を有する。このような構成を備えることにより、使用者が天部10の開口20を開いた際に横マチ部58が広がるため、開口20の開口面積がより大きくなり、収容物Iをさらに容易に取り出すことができるという利点を有している。
【0042】
さらに、第1実施形態に係る包装容器1は、正面視において、平面視における天部10の外縁10aに平行な直線である天部線TLと、天部10及び胴部50の第1の境界点Pを通り、天部線TLと直交する直線である第1の側部線SLと、第1の境界点P及び天部10の外縁10aの平面視における中間点mを通る直線である第1の斜線DLとからなる仮想直角三角形における第1の側部線SLと第1の斜線DLのなす角θが90度未満に構成されている。このような構成を備えることにより、包装容器1の容量を確保しつつ収容物Iを容易に取り出すことができるという利点を有している。
【0043】
また、第1実施形態に係る包装容器1において、天部10の外縁10aは、図1及び図2に示すように、正面視における左右両側に傾斜部Sを有している。このような構成を備えることにより、最も開口面積が大きく、容易に取り出すことができるという利点を有している。
【0044】
なお、天部10´の外縁10a´は、図9に示すように、左右非対称に形成されており、正面視における左右の一方側に傾斜部Sを有する構成であっても良い。このような構成を備える場合には、開閉機構Cを正面部52側及び背面部54側に設ける際に位置ずれがしにくくなり、生産効率が良いという利点を有している。また、開閉機構Cを開閉する際に、スムーズに開閉することが可能という利点を有している。
【0045】
また、天部10´´の外縁10a´´は、図10に示すように、底部30から離間する方向に向けて凸となる円弧状に形成される構成であっても良い。このような構成を備える場合には、開閉機構Cを正面部52側及び背面部54側に設ける際に位置ずれがしにくくなり、生産効率が良いという利点を有している。また、角となる部分がないため、開閉機構Cを開閉する際に、スムーズに開閉することが可能という利点を有している。
【0046】
[第2実施形態に係る包装容器の構成]
次に、第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同じ機能を果たす部分には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。第2実施形態に係る包装容器1´´は、図13及び図14に示すように、天部10´´´の開口20´の一端部20a側と他端部20b側に耳部12を備える。また、包装容器1´´の底部30´は、正面部52´と背面部54´に連接されている底マチ部32´を有する。
【0047】
包装容器1´´の胴部50´は、正面部52´と背面部54´に連接されている側部56´を有する。側部56´は、横マチ部58´と天面部60とを有する。胴部50´の高さHは、図15に示すように、大量の収容物Iを収容する観点から、好ましくは、20mm以上であり、より好ましくは、30mm以上である。
【0048】
第2実施形態の包装容器1´´は、収容物Iとして、例えば、不織布で構成されたシート状化粧品等の複数のシート材を積み重ねて収容するように構成されている。また、包装容器1´´は、シート材と共に、化粧水や美容液、保湿剤、制汗剤等のシート材に吸収される含浸材を収容する。また、含浸材は、液体を含んでもよい。具体的には、含浸材は、液体に粉体を分散させたものであってもよい。さらに、シート材は、含浸材を含浸させると共に、シート材の表面に粉体を付着させたものであってもよい。シート材の含浸材の含浸率は、例えば、200%以上であり、また例えば、400%以上や、800%以上が可能である。
【0049】
シート材の含浸材の含浸率が200%以上となると、シート材への含浸以外に、包装容器1′′の底部30′への含浸材の溜まりが重要になる。具体的には、底部30′に溜まった含浸材は、シート材を取り出し際に、シート材と一緒にその一部が放出されることになる。そのため、従来の開口部が狭い包装容器では、開口部にシート材が接触した際に、開口部によってシート材に含浸した含浸材が搾り取られるように放出されたり、上述したように底部30′に溜まった含浸材が放出されたりするため、含浸材によって開口部が汚れることになる。本発明では、開口20′が大きく開くため、上述したような開口部の汚れを防止することが可能となる。
【0050】
天部10´´´は、胴部50´の天面部60と連接するとともに、天面部60と交差する方向に延出している。天部10´´´の外縁10a´´´から開閉機構Cまでの長さLは、図16に示すように、開閉機構Cの開閉のしやすさの観点から、好ましくは、天面部60から開閉機構Cまでの長さLの0.5倍以上であり、より好ましくは、1倍以上である。また、天部10´´´の外縁10a´´´から開閉機構Cまでの長さLは、開閉機構Cの開閉のしやすさの観点から、好ましくは、5mm以上であり、より好ましくは、10mm以上である。
【0051】
耳部12は、図13及び図14に示すように、天部10´´´の開口20´が開く方向に張力を発生させるように胴部50´に接着されている。具体的には、耳部12は、天部10´´´及び胴部50´の外縁部であり、胴部50′の一部にヒートシール剤が塗工されており、耳部12は、ヒートシール剤を介してヒートシールにより胴部50´の側部56´に折り曲げて接着されている。耳部12の接着には、ヒートシール、超音波シール、高周波シール、ホットメルト等の接着剤等の各種公知の方法を用いることができる。
【0052】
なお、包装容器1′′は、耳部12を折り曲げた状態で保持し易くする観点から、デッドホールド性を有する非金属材料のシート状材料で構成されていることが好ましいが、これに限定されない。第2実施形態において、デッドホールド性を有する非金属材料とは、例えば、ポリエステル、セロハン、紙、高密度ポリエチレン(HDPE)等である。
【0053】
[第2実施形態に係る包装容器の利点]
以上説明したように、第2実施形態に係る包装容器1´´は、第1実施形態に係る包装容器1と同様に、天部10´´´の外縁10a´´´が開口可能に構成されると共に、曲線又は2以上の直線で形成されていることにより、正面視における開口幅が従来の包装容器と同じであっても従来の包装容器より開口20´の周長が長くなり、開口20´の開口面積が大きくなるため、収容物Iを容易に取り出すことができるという利点を有している。
【0054】
また、第2実施形態に係る包装容器1´´は、天部10´´´の開口20´の一端部20a側と他端部20b側に耳部12を備え、耳部12は、天部10´´´の開口20´が開く方向に張力を発生させるように胴部50′に接着されている。このような構成を備えることにより、開閉機構Cを開封し、開口20´を開いた際に、開口20´が自然に閉じることなく、開口20´を開いた状態を保持し、開口面積を維持できるため、収容物Iを容易に取り出すことができるという利点を有している。また、開口20´の中心部の開きが大きくなるため、収容物Iがより容易に取り出したり、取り出した収容物Iを元状態に戻したりできる。さらに、開口20´の耳部12に近い両端部の開きが小さくなるため、収容物Iがシート材である場合、シート材の外縁部がより効果的に抑えられ、シート材の二枚取りを防止できる。
【0055】
胴部50′の一部にヒートシール剤が塗工されており、耳部12は、ヒートシール剤を介してヒートシールにより胴部50′に接着されている。このような構成を備えることにより、トップシールやエンドシール部の跳ね上がりを防止することが出来るという利点を有している。
【0056】
シート状材料は、デッドホールド性を有する非金属材料で構成されている。このような構成を備えることにより、環境負荷が少ない包装容器1´´を提供することができるという利点を有している。また、収容物Iの種類によっては、金属材料が腐食や変色を起こすことがあるが、シート状材料が非金属材料で構成されることにより、シート状材料が金属材料で構成される場合に比べて多様な収容物Iを収容することができるという利点を有している。
【0057】
さらに、第2実施形態に係る包装容器1´´において、側部56´は、天面部60を有し、天部10´´´は、天面部60と連接するとともに、天面部60と交差する方向に延出しており、天部10´´´の外縁10a´´´から開閉機構Cまでの長さLは、天面部60から開閉機構Cまでの長さLの1倍以上である。このような構成を備えることにより、開閉機構Cを閉塞させる際に、指が胴部50´と当たりにくくなるため、閉塞しやすくなるという利点を有している。また、開閉機構Cを開封する際にも、開封しやすくなるという利点を有している。
【0058】
またさらに、第2実施形態に係る包装容器1´´において、天部10´´´の外縁10a´´´から開閉機構Cまでの長さLは、10mm以上である。このような構成を備えることにより、開閉機構Cを開封する際に、天部10´´´をつまみやすくなるため、開閉機構Cを開封しやすくなるという利点を有している。
【0059】
[変形例]
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に記載の範囲には限定されない。上述した実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
【0060】
例えば、上述した第1実施形態及び第2実施形態において、開閉機構Cは、天部10,10´´´の外縁10a,10a´´´に沿って設けられているものとして説明したが、これに限定されず、開閉機構Cは、天部10,10´´´の外縁10a,10a´´´に沿って設けられていなくてもよい。例えば、開閉機構Cは、天部10,10´´´の外縁10a,10a´´´に沿わずに、正面視において、底部30,30´から離間する方向に向かう凸状の形状を有してもよく、正面視において幅方向Xに一直線に設けられてもよいし、天部10,10´´´の外縁10a,10a´´´と略同形状に設けられてもよい。
【0061】
上述した第1実施形態及び第2実施形態において、底部30,30´は、正面部52,52´と背面部54,54´に連接されている底マチ部32,32´を有するものとして説明したが、これに限定されず、底部30,30´は底マチ部32,32´を有さなくてもよい。包装容器1,1´´は、収容物Iを密封可能な構成であれば、種々の任意の包装形態を採用可能である。例えば、包装容器1,1´´は、シートを筒状にして、筒状となった該シートにおける2つの開口部の一方をヒートシール等によって封止することで底部30,30´を形成すると共に、他方の開口部を天部10,10´´´とする所謂三方袋等であってもよい。
【0062】
上述した第1実施形態及び第2実施形態において、包装容器1,1´´は、天部10,10´´´の開口20,20´を胴部50,50´の正面部52,52´及び背面部54,54´が離間する方向に拡開した際に、正面部52,52´の側部52a,52bと背面部54,54´の側部54a,54bとが互いに接近する方向に傾倒するように構成されているものとして説明したが、これに限定されない。包装容器1,1´´は、天部10,10´´´の開口20,20´を胴部50,50´の正面部52,52´及び背面部54,54´が離間する方向に拡開した際に、正面部52,52´の側部52a,52bと背面部54,54´の側部54a,54bとが互いに接近する方向に傾倒しなくてもよい。
【0063】
上述した第1実施形態及び第2実施形態において、胴部50,50´は、正面部52,52´と背面部54,54´に連接されている側部56,56´を有し、側部56,56´は、横マチ部58,58´を有するものとして説明したが、これに限定されず、胴部50,50´は、側部56,56´を有さなくてもよいし、側部56,56´は、横マチ部58,58´を有さなくてもよい。
【0064】
上述した第1実施形態及び第2実施形態において、胴部50,50´の正面部52,52´と背面部54,54´は、同形同大に形成されていることを前提として説明したが、これに限定されず、異なる形状で形成されてもよい。また、正面部52,52´と背面部54,54´のいずれか一方にのみ把持代を設けてもよい。
【0065】
上述した第2実施形態において、包装容器1´´は、天部10´´´の開口20´の一端部20a側と他端部20b側に耳部12を備え、耳部12は、天部10´´´の開口20´が開く方向に張力を発生させるように胴部50′に接着されているものとして説明したが、これに限定されず、包装容器1´´は、耳部12を備えなくてもよい。また、包装容器1´´が耳部12を備える場合、耳部12は、胴部50′に接着されていなくてもよい。
【0066】
上述した第2実施形態において、包装容器1´´は、胴部50′の一部にヒートシール剤が塗工されており、耳部12は、ヒートシール剤を介してヒートシールにより胴部50′に接着されているものとして説明したが、これに限定されない。耳部12は、ヒートシール剤を介してヒートシールにより胴部50′に接着されていなくてもよい。例えば、ホットメルトや、接着剤、粘着剤、超音波シール等であってもよい。
【0067】
シート状材料は、デッドホールド性を有する非金属材料で構成されているものとして説明したが、これに限定されず、シート状材料は、金属材料で構成されてもよい。
【0068】
上述した第2実施形態において、側部56´は、天面部60を有し、天部10´´´は、天面部60と連接するとともに、天面部60と交差する方向に延出しており、天部10´´´の外縁10a´´´から開閉機構Cまでの長さLは、天面部60から開閉機構Cまでの長さLの1倍以上であるものとして説明したが、これに限定されず、側部56´は、天面部60を有さなくてもよい。
【0069】
上述した第2実施形態において、天部10´´´の外縁10a´´´から開閉機構Cまでの長さLは、10mm以上であるものとして説明したが、これに限定されず、天部10´´´の外縁10a´´´から開閉機構Cまでの長さLは、10mm未満であってもよい。
【0070】
上述した第2実施形態において、包装容器1´´は、シート材に吸収される含浸材を備え、シート材の含浸材の含浸率は、200%以上であるものとして説明したが、これに限定されず、包装容器1´´は、シート材に吸収される含浸材を備えなくてもよい。また、シート材の含浸材の含浸率は、200%未満であってもよい。
【0071】
上述した第2実施形態において、包装容器1´´は、シート材に吸収される含浸材を備え、シート材の含浸材の含浸率は、200%以上であるものとして説明したが、これに限定されない。包装容器1´´は、含浸材を備えなくてもよい。また、包装容器1´´が含浸材を備える場合、シート材の含浸材の含浸率は、200%未満であってもよい。
【0072】
上述した第2実施形態において、含浸材は、粉体を含むものとして説明したが、これに限定されず、含浸材は、粉体を含まなくてもよい。
【0073】
上述した第2実施形態において、胴部50´の高さHは、30mm以上であるものとして説明したが、これに限定されず、胴部50´の高さHは、30mm未満であってもよい。
【符号の説明】
【0074】
1,1´,1´´ 包装容器
10,10´,10´´,10´´´ 天部
10a,10a´,10a′′,10a´´´ 外縁
12 耳部
20,20´ 開口
30,30´ 底部
32,32´ 底マチ部
32a 正面下部シール部
32b 背面下部シール部
50,50´ 胴部
52,52´ 正面部
54,54´ 背面部
56,56´ 側部
58,58´ 横マチ部
59 天マチ部
60 天面部
C 開閉機構
I 収容物
S 傾斜部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図17
図18