(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038994
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】血栓吸引システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/22 20060101AFI20240313BHJP
【FI】
A61B17/22
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023130899
(22)【出願日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】17/930,430
(32)【優先日】2022-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510292504
【氏名又は名称】コリンダス、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】弁理士法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ジェイ. ブラッカー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KL03
4C160MM36
4C160NN01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ロボットカテーテル式処置システムを使用した機械的血栓除去の効率、有効性、及び/又は安全性を改善できるシステムを提供する。
【解決手段】血栓420に対して第1の位置に、カテーテル440に画定されているカテーテルの内腔を配置すること、チューブ460a、bの内腔をカテーテルの内腔と流体連通させない状態でチューブの内腔の排気を開始すること、チューブの内腔中圧力が目標の吸引圧以下になることを判断すること、チューブの内腔中圧力が目標の吸引圧以下であるとの判断に応じて、チューブの内腔とカテーテルの内腔との間に流体連通を自動的に確立すること、を含むシステム400及び方法。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルに画定された内腔を血栓に対し配置する第1のコマンドを受信し、
チューブの内腔が前記カテーテルの内腔と流体連通していない状態で、前記チューブの内腔の排気を開始する第2のコマンドを受信し、
前記チューブの内腔中圧力が目標の吸引圧以下になることを判断し、
前記チューブの内腔中圧力が前記目標の吸引圧以下になったとの判断に応答して、前記チューブの内腔と前記カテーテルの内腔との間に流体連通を自動的に確立する、ことを含む方法。
【請求項2】
前記チューブの内腔と前記カテーテルの内腔との間に流体連通を自動的に確立した後、前記チューブの内腔中圧力が第2の圧力よりも大きいかどうかを判断し、
前記チューブの内腔中圧力が前記第2の圧力よりも大きいと判断したときに、前記チューブの内腔と前記カテーテルの内腔との間の流体連通を自動的に終了する、ことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記チューブの内腔と前記カテーテルの内腔との間に流体連通を自動的に確立した後で且つ前記チューブの内腔中圧力が前記第2の圧力よりも大きいかどうかを判断する前に、前記チューブの内腔中圧力が予め規定された範囲内にあるかどうかを判断し、
前記チューブの内腔中圧力が前記予め規定された範囲内にあると判断したときに、前記チューブの内腔中圧力が閾値の吸引圧よりも低くなるまで前記カテーテルの内腔の位置を自動的に調節する、ことをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記チューブの内腔と前記カテーテルの内腔との間に流体連通を自動的に確立した後、前記チューブの内腔中圧力が予め規定された範囲内にあるかどうかを判断し、
前記チューブの内腔中圧力が前記予め規定された範囲内にあると判断したときに、前記チューブの内腔中圧力が閾値の吸引圧よりも低くなるまで前記カテーテルの内腔の位置を自動的に調節する、ことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記チューブの内腔と前記カテーテルの内腔との間に流体連通を自動的に確立した後、前記チューブの内腔中圧力が第2の圧力よりも大きいかどうかを判断し、
前記チューブの内腔中圧力が前記第2の圧力よりも大きいと判断したときに、操作者に指標を表示し、
前記指標を表示した後、前記チューブの内腔中圧力が前記第2の圧力よりも大きい間に、操作者からコマンドを受信し、
前記コマンドの受信に応答して、前記チューブの内腔と前記カテーテルの内腔との間の流体連通を自動的に終了する、ことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記チューブの内腔と前記カテーテルの内腔との間に流体連通を自動的に確立した後で且つ前記チューブの内腔中圧力が前記第2の圧力よりも大きいかどうかを判断する前に、前記チューブの内腔中圧力が予め規定された範囲内にあるかどうかを判断し、
前記チューブの内腔中圧力が前記予め規定された範囲内にあると判断したときに、前記チューブの内腔中圧力が閾値の吸引圧よりも低くなるまで前記カテーテルの内腔の位置を自動的に調節する、ことをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
カテーテルに画定された内腔を血栓に対し配置する第1のコマンドを受信し、
チューブの内腔が前記カテーテルの内腔と流体連通していない状態で、前記チューブの内腔の排気を開始する第2のコマンドを受信し、
前記チューブの内腔中圧力が目標の吸引圧以下になることを判断し、
前記チューブの内腔中圧力が前記目標の吸引圧以下になったとの判断に応答して、操作者に第1の指標を表示し、
前記第1の指標を表示した後、前記チューブの内腔中圧力が前記目標の吸引圧以下にある間に、前記チューブの内腔と前記カテーテルの内腔との間に流体連通を確立する第3のコマンドを操作者から受信し、
前記第3のコマンドの受信に応答して、前記チューブの内腔と前記カテーテルの内腔との間に流体連通を自動的に確立する、ことを含む方法。
【請求項8】
前記チューブの内腔と前記カテーテルの内腔との間に流体連通を自動的に確立した後、前記チューブの内腔中圧力が第2の圧力よりも大きいかどうかを判断し、
前記チューブの内腔中圧力が前記第2の圧力よりも大きいと判断したときに、操作者に第2の指標を表示し、
前記第2の指標を表示した後、前記チューブの内腔中圧力が前記第2の圧力よりも大きい間に、操作者から第4のコマンドを受信し、
前記第4のコマンドの受信に応答して、前記チューブの内腔と前記カテーテルの内腔との間の流体連通を自動的に終了する、ことをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記チューブの内腔と前記カテーテルの内腔との間に流体連通を自動的に確立した後で且つ前記チューブの内腔中圧力が前記第2の圧力よりも大きいかどうかを判断する前に、前記チューブの内腔中圧力が予め規定された範囲内にあるかどうかを判断し、
前記チューブの内腔中圧力が前記予め規定された範囲内にあると判断したときに、前記チューブの内腔中圧力が閾値の吸引圧よりも低くなるまで前記カテーテルの内腔の位置を自動的に調節する、ことをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記チューブの内腔と前記カテーテルの内腔との間に流体連通を自動的に確立した後で且つ前記チューブの内腔中圧力が前記第2の圧力よりも大きいかどうかを判断する前に、前記チューブの内腔中圧力が予め規定された範囲内にあるかどうかを判断し、
前記チューブの内腔中圧力が前記予め規定された範囲内にあると判断したときに、前記チューブの内腔中圧力が閾値の吸引圧よりも低くなるまで前記カテーテルの内腔の位置を調節するために、操作者に第3の指標を表示する、ことをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記チューブの内腔と前記カテーテルの内腔との間に流体連通を自動的に確立した後、前記チューブの内腔中圧力が予め規定された範囲内にあるかどうかを判断し、
前記チューブの内腔中圧力が前記予め規定された範囲内にあると判断したときに、前記チューブの内腔中圧力が閾値の吸引圧よりも低くなるまで前記カテーテルの内腔の位置を自動的に調節する、ことをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記チューブの内腔と前記カテーテルの内腔との間に流体連通を自動的に確立した後、前記チューブの内腔中圧力が予め規定された範囲内にあるかどうかを判断し、
前記チューブの内腔中圧力が前記予め規定された範囲内にあると判断したときに、前記チューブの内腔中圧力が閾値の吸引圧よりも低くなるまで前記カテーテルの内腔の位置を調節するために、操作者に第3の指標を表示する、ことをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
内腔を画定したカテーテルと、
真空源と、
内腔を画定しており、該内腔の第1の端部が前記真空源と流体連通するチューブと、
前記チューブの内腔の第2の端部及び前記カテーテルの内腔の第1の端部と流体連通する流体制御器と、
前記チューブの内腔中圧力を測定する圧力センサと、
制御ユニットと、を含むシステムであって、
前記制御ユニットが、
前記圧力センサから測定された圧力を受信し、前記チューブの内腔中圧力が目標の吸引圧以下になることを判断し、
前記チューブの内腔中圧力が前記目標の吸引圧以下になったとの判断に応答して、前記チューブの内腔と前記カテーテルの内腔との間に流体連通を確立するために前記流体制御器を自動的に制御するように構成される、システム。
【請求項14】
前記制御ユニットは、
前記チューブの内腔中圧力が第2の圧力よりも大きいかどうかを判断し、
前記チューブの内腔中圧力が前記第2の圧力よりも大きいと判断したときに、前記チューブの内腔と前記カテーテルの内腔との間の流体連通を終了するように前記流体制御器を自動的に制御するようにさらに構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記カテーテルの動作を制御するカテーテル制御器をさらに含み、
前記制御ユニットは、
前記チューブの内腔中圧力が予め規定された範囲内にあるかどうかを判断し、
前記チューブの内腔中圧力が前記予め規定された範囲内にあると判断したときに、前記チューブの内腔中圧力が閾値の吸引圧よりも低くなるまで前記カテーテルを動作させるために前記カテーテル制御器を自動的に制御するようにさらに構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記カテーテルの動作を制御するカテーテル制御器をさらに含み、
前記制御ユニットは、
前記チューブの内腔中圧力が予め規定された範囲内にあるかどうかを判断し、
前記チューブの内腔中圧力が前記予め規定された範囲内にあると判断したときに、前記チューブの内腔中圧力が閾値の吸引圧よりも低くなるまで前記カテーテルを動作させるために前記カテーテル制御器を自動的に制御するようにさらに構成される、請求項13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ここで使用する「細長い医療デバイス(EMD)」は、カテーテル(例えば、ガイドカテーテル、マイクロカテーテル、吸引カテーテル、バルーン/ステントカテーテル)、ワイヤ式デバイス(例えば、ガイドワイヤ、マイクロワイヤ、塞栓コイル、ステント回収器など)、及びこれらの組み合わせを含んだ医療デバイスを言う(ただし、これらに限定されない)。一般に、EMDは、多くの低侵襲医療処置に使用され得る。このような処置は、様々な血管系の疾患の診断及び治療を容易にすることができ、神経血管インターベンション(NVI)(又は神経インターベンション)手術、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)、及び末梢血管インターベンション(PVI)が含まれる。通常、これらの処置は、患者血管系を通してガイドワイヤをナビゲートし、そのガイドワイヤを介して作業カテーテルを進めて治療を行うことを含む。
【0002】
カテーテル処置は、動脈や静脈などの適切な血管にシースを挿入してアクセスを得ることから始まる。次に、例えば、診断ガイドワイヤをシースに通し、内頸動脈(NVIの場合)、冠状動脈口(PCIの場合)、又は浅大腿動脈(PVIの場合)などの一次位置まで進める。その後、ガイドカテーテルを、診断ガイドワイヤを通じて一次位置まで進める。診断ガイドワイヤを除去し、そして、標的血管系をナビゲートするのに適したガイドワイヤを、ガイドカテーテルを通して血管系内の標的位置(例えば、病変、血栓)へ押し込む。蛇行解剖学的構造の場合のような特定の状況では、ガイドワイヤを通じて支持カテーテル又はマイクロカテーテルを挿入して、その中を通るガイドワイヤのナビゲーションの補助とする。
【0003】
ガイドワイヤ又はガイドワイヤ/マイクロカテーテルを標的位置に向かってナビゲートするために、医師は、遠位先端を標的位置への経路に沿って適切な分岐血管に向けるように、他の分岐血管に進入することを避けながら、近位端を操作してガイドワイヤ又はガイドワイヤ/マイクロカテーテルを進める。処置の前に、医師は、患者血管系の連続的な造影画像を得るために撮像システム(例えば、フルオロスコープ)を使用することができ、ガイドワイヤ又はガイドワイヤ/マイクロカテーテルを標的位置にナビゲートするためのロードマップとして使用する画像の1つを選択することができる。医師がガイドワイヤ又はガイドワイヤ/マイクロカテーテルをナビゲートしている間に造影画像を得ることもでき、医師は、デバイスが標的位置への正しい経路に沿って移動していることを確認できる。
【0004】
ロボットカテーテル式処置システムは、ガイドワイヤ及びカテーテルの各々を支持し、医師が望むようにガイドワイヤ及びカテーテルの各々を物理的に操作することにより、上記のプロセスを容易にする。例えば、ロボットカテーテル式処置システムは、ガイドワイヤを保持し、医師のコマンドに応答してガイドワイヤを前進、後退、回転させるための機械的コンポーネントを含む。医師は、このようなコマンドを、制御コンソールに搭載された入力デバイス(例えば、ジョイスティック、ボタン、スクロールホイール、タッチスクリーン)を介して提供することができる。入力デバイスにより、医師は、その時に制御する1つ以上のガイドワイヤ及び/又はカテーテルを選択することができる。これにより、ロボットカテーテル式処置システムは、完全手動のカテーテル処置に比べ、優れた制御性と精度を提供できる。加えて、制御コンソール、したがって医師は、処置時にガイドワイヤ及び/又はカテーテルの位置を追跡するために使用される撮像システムによって放射されるX線から保護される。
【0005】
ロボットカテーテル式処置システムは、例えばNVI、PCI、及びPVIなどのカテーテル処置を行う医師を補助するために使用される。ロボット支援NVI処置の例としては、動脈瘤のコイル塞栓術、動静脈奇形の液体塞栓術、急性虚血性脳卒中の場合の大血管閉塞の機械的血栓摘出術などがある。このようなNVI処置では、医師は、ロボットシステムを使用し、神経血管ガイドワイヤ及びマイクロカテーテルを操作して病変へのアクセスを得て、正常な血流を回復させる治療を行う。アクセスは、上述のようにシースやガイドカテーテルを使用して提供されるが、さらに遠位の領域を提供するため及び/又はマイクロカテーテル及びガイドワイヤに十分な支持を提供するために、中間カテーテルを必要とする場合もある。ガイドワイヤの遠位先端は、病変及び治療の種類に応じて、病変の中へ又は病変の先へナビゲートされる。動脈瘤を治療する場合は、マイクロカテーテルを病変の中に進め、ガイドワイヤを除去し、マイクロカテーテルを通して動脈瘤内にいくつかのコイルを留置する。そして、コイルを用いて動脈瘤を塞栓する。動静脈奇形の治療の場合は、マイクロカテーテルを介して液体塞栓を奇形内に注入する。
【0006】
従来の機械的血栓除去術では、血管閉塞の治療に吸引を使用することがある。吸引は、上述のマイクロカテーテルを通して直接行うこともあれば、より大口径の吸引カテーテルを用いて行うこともある。マイクロカテーテル又は吸引カテーテルを閉塞血栓にナビゲートした後、これに接続された吸引ポンプを作動させて陰圧を発生し、血栓をカテーテルに引き込む。従来の吸引システムでは、血管から血栓を完全に除去するまでにかなりの時間を要することがある。加えて、従来のシステムは、血栓を除去するために必要とされるより長く陰圧を発生して印加する。これらの欠点のいずれも、血管系及び/又は吸引ポンプに対する損傷のリスクを増加させる。ロボットカテーテル式処置システムを使用した機械的血栓除去の効率、有効性、及び/又は安全性を改善できるシステムが望まれる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】ロボットカテーテル式処置システムの一実施例に係る斜視図。
【
図2】ロボットカテーテル式処置システムの一実施例に係るブロック図。
【
図3】ロボットカテーテル式処置システムのロボット駆動装置の一実施例に係る斜視図。
【
図10】一実施例に係る血栓除去処理中の重ねられたEMDを見せる血管の破断図。
【
図12a】血栓除去処理の一実施例に係るフロー図。
【
図12b】血栓除去処理の一実施例に係るフロー図。
【
図13a】血栓除去処理の一実施例に係るフロー図。
【
図13b】血栓除去処理の一実施例に係るフロー図。
【発明の詳細な説明】
【0008】
以下の説明は、当技術分野で通常の知識を有する者が、記載された実施の形態を実施し使用できるようにするために提供される。種々の改変が当技術分野で通常の知識を有する者に明らかなのはもちろんである。
【0009】
一実施例によれば、血栓の吸引は、吸引(すなわち、真空)源が閾値の陰圧に達したと判断された後にのみ開始される。このような開始手順が除去効果を増加させ、多くの例で血栓の迅速な除去をもたらす。
【0010】
一実施例において、吸引カテーテルに画定される吸引カテーテル内腔が、血栓に対して第1の位置に配置される。次いで、吸引カテーテル内腔と流体連通していないチューブ内腔の排気が開始される。所定時間後、チューブ内腔中の圧力が目標の吸引圧以下であると判断される。この、チューブ内腔中の圧力が目標の吸引圧以下であるという判断に応答して、流体連通が、チューブ内腔と吸引カテーテル内腔との間に(例えば、バルブを開放すること、クランプを解放することなどによって)自動的に確立される。このようなプロセスは、そうではない場合に比べて、より迅速に血栓を除去するのに貢献する。一例において、操作者に、チューブ内腔中の圧力が目標の吸引圧以下であることが通知され、操作者は、チューブ内腔と吸引カテーテル内腔との間の流体連通を自動的に確立するコマンドを送信する。
【0011】
一実施例によれば、さらに、チューブ内腔中の圧力が第2の圧力よりも大きいかどうかを判断し、チューブ内腔中の圧力が第2の圧力よりも大きいと判断した場合には、チューブ内腔と吸引カテーテル内腔との間の流体連通を自動的に終了する(例えば、バルブを閉じること、クランプを締めることなどによって)。これらの例によれば、血栓を除去するために本当に必要な時間にまで、吸引時間を極力短くすることができる。
【0012】
同様に、一実施例によれば、チューブ内腔中の圧力が第2の圧力よりも大きくなったことを操作者に知らせる通知を行うことができる。この通知の後、そしてチューブ内腔中の圧力が第2の圧力を上回っている間、チューブ内腔と吸引カテーテル内腔との間の流体連通は、操作者からのコマンドの受信に応答して自動的に終了する。
【0013】
一実施例によれば、血栓に対面する吸引カテーテルの先端の適切な位置を維持するために、処置中に必要に応じて吸引カテーテルを再配置することも含む。例えば、チューブ内腔と吸引カテーテルとの間の流体連通を自動的に確立した後、チューブ内腔中の圧力が第2の圧力よりも大きいかどうかを判断する前に、チューブ内腔中の圧力が予め規定された範囲内にあるかどうかを判断する。チューブ内腔中の圧力が予め規定された範囲内にあると判断された場合、チューブ内腔中の圧力が閾値の吸引圧力よりも小さくなるまで、吸引カテーテル内腔の位置が自動的に調整される。
【0014】
一実施例に係る
図1は、カテーテル式処置システム10の斜視図である。カテーテル式医療処置システム10は、カテーテル式医療処置、例えば、PCI(例えば、STEMIの治療)、NVI(例えば、急性主幹動脈閉塞(ELVO)の治療)、及びPVI(例えば、重症下肢虚血(CLI)のため)を実施するために使用され得る。カテーテル式医療処置は、患者の疾患の診断を補助するために1つ以上のカテーテル又は他のEMDを使用する診断カテーテル処置を含む。一実施例において、造影剤をカテーテルを通して1つ以上の動脈に注入し、造影剤がその中にある間に患者の脈管構造の画像を取得する。
【0015】
カテーテル式医療処置には、カテーテル式治療処置(例えば、血管形成術、ステント留置、末梢血管疾患の治療、血栓除去、動静脈奇形治療、動脈瘤の治療)も含まれ、この場合、カテーテル(又は他のEMD)を用いて疾患が治療される。カテーテル式医療処置で使用されるEMDの具体的なタイプ又は性質は、実施する処置のタイプに基づいて選択される。カテーテル式処置システム10は、処置に使用される特定のEMDを収容するために必要な調節により、様々なカテーテル式医療処置を行うことができる。
【0016】
カテーテル式処置システム10は、数ある要素の中でも特に、ベッドサイドユニット20及び制御ステーション26を含む。ベッドサイドユニット20は、患者12の傍に配置されるロボット駆動装置24及び位置決めシステム22を含む。患者12は患者テーブル18に寝かされている。位置決めシステム22は、ロボット駆動装置24の位置決め及び支持に使用される。位置決めシステム22は、例えば、ロボットアーム、関節式アーム、ホルダなどである。位置決めシステム22は、一端で、例えば、患者テーブル18のレール、ベース、又はカートに取り付けられる。位置決めシステム22の他端に、ロボット駆動装置24が取り付けられる。位置決めシステム22は、患者12を患者テーブル18に寝かせる際には(ロボット駆動装置24と共に)退避させることができる。
【0017】
患者12を患者テーブル18に寝かせた後、位置決めシステム22を用いて、処置のためにロボット駆動装置24を患者12に対して固定又は位置決めすることができる。一実施例において、患者テーブル18は、床及び/又は地面に据え付けられた台座17によって支持され作動する。患者テーブル18は、台座17に対して、多自由度、例えば、ロール、ピッチ、ヨーで動くことができる。ベッドサイドユニット20は、操作者制御機器及びディスプレイ(図示せず)を含むこともできる。例えば、これら制御機器及びディスプレイは、ロボット駆動装置24のハウジングに配置することができる。
【0018】
「手前/正面」は、ここでは、患者12に面し、位置決めシステム22から遠い側のロボット駆動装置24の側方を指し、一方、「奥/背面」は、位置決めシステム22に近い側のロボット駆動装置24の側方を指す。「上/上方/上側」は重力の方向とは反対の一般的な方向を指し、「下/下方/下側」は重力の方向の一般的な方向を指す。
【0019】
ロボット駆動装置24は、通例、適切なEMD及び関連する付属品(例えば、塞栓コイル、液体塞栓、吸引ポンプ、造影剤注入システム、薬剤、止血弁アダプタ、シリンジ、ストップコック、膨張デバイスなど)を備えていて、操作者11が、制御ステーション26にある制御機器及び入力機器など、制御システムの様々な制御機器を操作することによって、カテーテル式医療処置を実行できるようにしている。ベッドサイドユニット20、特にロボット駆動装置24は、ここに説明する機能をベッドサイドユニット20に付与するためのあらゆるコンポーネント及び/又はコンポーネントの組み合わせを含む。
【0020】
ロボット駆動装置24は複数のデバイスモジュール32を含み、デバイスモジュール32のそれぞれは、その各EMDを駆動するように制御される。さらに、デバイスモジュール32の各々は、患者12に向かって及び患者12から離れる方向に直線的に移動するように制御可能である。一実施例において、ロボット駆動装置24は、患者12の動脈中で診断カテーテルの中へ及びガイドカテーテルの中へガイドワイヤを挿入するためにデバイスモジュール32の1つ以上を制御することができる。EMDは、例えばイントロデューサシースを介して、挿入点16において患者12の体内(例えば、血管)に入る。
【0021】
ベッドサイドユニット20は制御ステーション26と通信し、制御ステーション26は、制御ステーション26の制御機器によって生成される信号をベッドサイドユニット20へ無線又は有線で送信し、ロボット駆動装置24の機能を含めてベッドサイドユニット20の様々な機能を制御すること可能にする。後述するように、制御ステーション26は、制御コンピューティングシステム34(
図2に示す)を含むか、又は、制御コンピューティングシステム34を介してベッドサイドユニット20と接続される。ベッドサイドユニット20は、フィードバック信号(例えば、負荷、速度、動作条件、警告信号、エラーコードなど)を制御ステーション26又は制御コンピューティングシステム34、あるいはその両方に、提供することもできる。制御コンピューティングシステム34とカテーテル式処置システム10の各コンポーネントとの間の通信は、無線接続、ケーブル接続、又はコンポーネント間の通信を可能にするその他のあらゆる手段を用いた、通信リンクを介して提供される。制御ステーション26又は他の類似の制御システムは、ロボット駆動装置24に対し、現場又は離れた所に位置し得る。
【0022】
「ローカル/局地/局所」は、患者12及びベッドサイドユニット20の現場を指すために使用される。「リモート/遠隔」は、ベッドサイドユニット20及び/又は患者12への実質的に直接の物理的アクセスをもたない場所を指すために使用される。カテーテル処置システム10は、ローカルサイトの制御ステーション26又はリモートサイトの制御ステーション26、あるいは同時にローカルの制御ステーション26とリモートの制御ステーション26の両方によって、操作することができる。ローカルサイトにある場合、操作者11と制御ステーション26は、患者12及びベッドサイドユニット20と同じ部屋又は隣の部屋に配置される。
【0023】
リモートサイトの制御ステーション26(及び制御コンピューティングシステム)は、例えばインターネットを介するなど、通信システム及びサービスを使用して、ベッドサイドユニット20及び/又はローカルサイトの制御コンピューティングシステムと通信することができる。一実施例において、リモートサイトとローカルサイトとは、同じ建物の別々の部屋、同じ市内の別々の建物、別々の市町村、又は、リモートサイトがベッドサイドユニット20及び/又は患者12への実質的に直接の物理的アクセスを提供しない、その他の別々の場所にある。
【0024】
制御ステーション26は、通例、1つ以上の入力システム28を含み、この入力システム28は、ロボット駆動装置24及び/又はカテーテル式処置システム10の様々な他のコンポーネント又はシステムを制御するためのユーザ操作を受信するように構成された制御機器を含む。図示の実施例において、制御ステーション26は、操作者11がベッドサイドユニット20を制御してカテーテル式医療処置を行うことを可能にする。例えば、入力システム28は、ベッドサイドユニット20に、ロボット駆動装置24の駆動機構によって制御されるEMDを使用して様々な診断又はインターベンション処置を実行させるように構成することができる(例えば、ガイドワイヤの前進、後進又は回転、カテーテルの前進、後進又は回転、カテーテルに位置したバルーンの膨張又は収縮、ステントの配置及び/又は展開、ステント回収器の配置及び/又は展開、コイルの配置及び/又は展開、カテーテルへの造影剤の注入、カテーテルへの液体塞栓の注入、カテーテルへの薬剤又は生理食塩水の注入、カテーテルでの吸引)。
【0025】
1つ以上の入力システム28は、1つ以上のタッチスクリーン、ジョイスティック、スクロールホイール、及び/又はボタンを含み得る。入力システム28に加えて、制御ステーション26は、フットスイッチや、音声コマンドなどのためのマイクロフォンといった追加のユーザ制御機器44を使用することができる。入力システム28は、EMDの前進、後進、及び/又は回転を指示し、そして、ポンプ、バルブ、スイッチ、クランプなどを含む様々なコンポーネントの作動又は作動停止を指示できるように構成される。
【0026】
1つ以上の入力システム28はデバイス選択ボタンを含み、操作者11が、1つ以上の入力システム28の入力制御機器のユーザ操作を通して、ロボット駆動装置24に装填されたEMDのうちのどれを制御するかを選択できるようにすることができる。自動化ルーチンボタンを選択することもでき、この場合、操作者11からの個々の直接コマンドなしでEMDのアルゴリズム的動作が可能になる。一実施例において、入力システム28は、タッチスクリーン(例えば、ディスプレイ30)に表示される1つ以上の制御手段又はアイコン(図示せず)を含み、これらは、有効化されると、カテーテル式処置システム10のコンポーネントを作動させる。
【0027】
ディスプレイ30は、制御ステーション26にいる操作者11に情報又は患者固有のデータを表示するように構成することができる。一実施例において、制御ステーション26は、2つ以上のディスプレイ30を含んでいてもよい。例えば、ディスプレイ30は、画像データ(例えば、X線画像、MRI画像、CT画像、超音波画像)、血行動態データ(例えば、血圧、心拍数)、患者履歴情報(例えば、病歴、年齢、体重)、病変又は治療評価データ(例えば、血管内超音波(IVUS)、光干渉断層撮影(OCT)、冠血流予備量比(FFR))を表示するように構成される。さらに、ディスプレイ30は、処置に特有の情報(例えば、処置チェックリスト、勧告、処置の期間、カテーテル又はガイドワイヤの位置、吸引真空レベル、送り込んだ薬剤又は造影剤の容量)を表示するように構成することができる。加えて、ディスプレイ30は、後述するように、制御コンピューティングシステムに関する機能を提供する情報を表示するように構成してもよい。ディスプレイ30は、タッチスクリーン、つまりシステム10の入力デバイスを備え得る。
【0028】
カテーテル式処置システム10は、撮像システム14も含む。撮像システム14は、カテーテル式医療処置と併用可能なあらゆる医用撮像システムであり得る(例えば、非デジタルX線、デジタルX線、CT、MRI、超音波)。一実施例において、撮像システム14は、制御ステーション26と通信するデジタルX線撮像デバイスである。撮像システム14は、患者12に対し様々な角度位置で画像を得るために(例えば、矢状面像、尾面像、前後面像)、患者12の周りを撮像システム14が部分的又は完全に回転することを可能にするCアームを含むことができる。一実施例において、撮像システム14は、X線源13と、イメージインテンシファイアとしても知られる検出器15と、を有するCアームを含んだ透視システムである。
【0029】
撮像システム14は、処置中に患者12の適切な領域のX線画像を取得するように構成することができる。例えば、撮像システム14は、神経血管状態を診断するために、頭部の1つ以上のX線画像を取得するように構成することができる。撮像システム14は、処置中にガイドワイヤ、ガイドカテーテル、マイクロカテーテル、ステント回収器、コイル、ステント、バルーンなどを適切に位置決めできるよう操作者11を補助するために、カテーテル式処置中に1つ以上のX線画像(例えば、リアルタイム画像)を取得するように構成することもできる。収集された1つ以上の画像は、ディスプレイ30に表示される。例えば、画像をディスプレイ30に表示して、操作者11が吸引カテーテルの先端を血栓に隣接する位置に正確に移動させることができるようにする。
【0030】
ここでは、X、Y、及びZ軸を含む直交座標系が導入される。正のX軸が、長手方向(軸方向)の遠位方向、すなわち、近位端から遠位端へ向かう方向を指す。Y軸とZ軸は、X軸に対する横断面内にあり、正のZ軸が上向き、つまり重力と反対の方向を向いており、これに従う右手の法則に基づいた方向がY軸である。
【0031】
一実施例に係る
図2は、カテーテル式処置システム10のブロック図である。カテーテル式処置システム10は、制御コンピューティングシステム34を含む。制御コンピューティングシステム34は、物理的に、例えば制御ステーション26の一部であってもよい。制御コンピューティングシステム34は、通例、ここに説明するカテーテル式処置システム10を制御するのに適したコンピュータ処理ユニットを備える。例えば、制御コンピューティングシステム34は、埋め込みシステム、専用回路、プログラムコードを実行する汎用プロセッサなどである。制御コンピューティングシステム34は、ベッドサイドユニット20、通信システム及びサービス36(例えば、インターネット、ファイアウォール、クラウドサービス、セッションマネージャ、病院ネットワーク)、ローカル制御ステーション38、追加の通信システム40(例えば、テレプレゼンスシステム)、リモート制御ステーション及びコンピューティングシステム42、及び患者センサ56(例えば、心電図(ECG)デバイス、脳波(EEG)デバイス、血圧モニタ、温度モニタ、心拍モニタ、呼吸モニタ)と通信する。制御コンピューティングシステム34は、撮像システム14、患者テーブル18、追加の医療システム50、造影剤注入システム52、及び補助デバイス54(例えば、IVUS、OCT、FFR)とも通信する。
【0032】
上述のように、ベッドサイドユニット20は、ロボット駆動装置24、位置決めシステム22、及び追加の制御機器及びディスプレイ46を含む。追加の制御機器及びディスプレイ46は、ロボット駆動装置24のハウジングに配置することができる。インターベンションデバイス及び付属機器48(例えば、ガイドワイヤ、カテーテル)がベッドサイドシステム20に接続される。一実施例において、インターベンションデバイス及び付属機器48は、それぞれの補助デバイス54(例えば、IVUSシステム、OCTシステム、FFRシステム)と接続する専用のデバイス(例えば、IVUSカテーテル、OCTカテーテル、FFRワイヤ、造影用診断カテーテル)を含む。
【0033】
一実施例において、制御コンピューティングシステム34は、ローカル制御ステーション38の1つ以上の入力システム28の制御機器のユーザ操作に基づく制御信号を受信し生成するように構成されている。リモート制御ステーション及びコンピューティングシステム42は、ローカル制御ステーション38と同様のコンポーネントを含み得る。リモート制御ステーション42及びローカル制御ステーション38は、それらの必要な機能に基づいて、別個のあつらえたものとすることができる。追加のユーザ制御機器44は、例えば、1つ以上の足入力コントローラを含み得る。足入力コントローラは、操作者が、X線源をオン/オフしたり、複数の保存画像をスクロールするなど、撮像システム14の機能を選択することを可能にするように、構成することができる。別の実施例では、足入力コントローラは、入力システム28の制御機器にマッピングされるEMDの選択を操作者が行えるように、構成することができる。追加の通信システム40(例えば、音声会議、ビデオ会議、テレプレゼンス)を採用して、患者、医療スタッフ(例えば、アンギオスイート(angio-suite)スタッフ)、及び/又はベッドサイド近辺の機器との、操作者のやりとりを補助することができる。
【0034】
制御コンピューティングシステム34は、ポンプ58及び真空制御器59とも通信する。ポンプ58は、血栓吸引に適した真空を生成するための何らかの生成源を備える。一実施例において、制御器59は、インターベンションデバイス及び付属機器48の吸引カテーテルの内腔とポンプ58を選択的に流体連通させることができる。
【0035】
一実施例によれば、操作者11は、遠隔制御ステーション42の入力システムを操作してロボット駆動装置24を制御し、患者血管内の血栓に対する第1の位置に吸引カテーテルを配置する。予定されたシーケンスで複数のEMDを操作することを含むそのような位置決めの具体例を、ここに説明する。吸引カテーテルは、真空制御器59に連結されており、そしてこの真空制御器59は、チューブを介してポンプ58に連結されている。真空制御器59は、吸引カテーテルの内腔とチューブの内腔との間の流体連通を防いでいる。真空制御器59は、クランプ、バルブ、又は他の1つ以上の適切な何らかのデバイスを含み得る。
【0036】
制御コンピューティングシステム34は、ポンプ58を制御して、真空制御器59につながれているチューブの内腔の排気を開始する。一実施例において、制御コンピューティングシステム34は、チューブ内腔中の圧力が目標の吸引圧以下になることを判断する。この判断に応じて、制御コンピューティングシステム34は真空制御器59を制御し、チューブ内腔と吸引カテーテル内腔との間の流体連通を確立する(例えば、制御器59のバルブ、クランプ、又は他のデバイスを開放することによって)。この作動が、吸引カテーテルに血栓を引き入れる(吸い込む)ことに寄与する。
【0037】
一実施例において、制御コンピューティングシステム34は、チューブ内腔中の圧力が第2の圧力よりも大きいか判断し(例えば、ポンプ58との通信を経て)、これに応じ、真空制御器59を制御して、チューブ内腔と吸引カテーテル内腔との流体連通を終了させる。この作動が、血栓を除去するために必要ではない余計な吸引を回避する。
【0038】
あるいは、制御コンピューティングシステム34は、ローカル制御ステーション38又はリモート制御ステーション42に、チューブ内腔中の圧力が目標の吸引圧以下であることを指示し、この情報が、例えばディスプレイ30を介して操作者11に提示される。そして、操作者11は、制御コンピューティングシステム34にコマンドを送信し(例えば、1つ以上の入力システム28を使用して)、チューブ内腔と吸引カテーテル内腔との間の流体連通を自動的に確立させる。同様にして、操作者11に、チューブ内腔中の圧力が第2の圧力よりも大きいことが示され、これに応じ、操作者11は、制御コンピューティングシステム34にコマンドを送信し、チューブ内腔と吸引カテーテルとの間の流体連通を終了させる。
【0039】
また別の実施例によると、チューブ内腔と吸引カテーテルとの間の流体連通を自動的に確立した後、チューブ内腔中の圧力が第2の圧力よりも大きいかどうかを判断する前に、制御コンピューティングシステム34は、チューブ内腔中の圧力が予め規定された範囲内であるか判断する。チューブ内腔中の圧力が予め規定された範囲内であると判断されれば、制御コンピューティングシステム34は、ロボット駆動装置24に、チューブ内腔中の圧力が閾値の吸引圧よりも小さくなるまで、(例えば、中間圧力変化を考慮してある又は考慮していない予めプログラムされた動作シーケンスにより)吸引カテーテル内腔の位置を調節するように指示する。
【0040】
カテーテル式処置システム10は、明示はしていないその他各種のシステム及び/又はデバイスを含むように接続又は構成することができる。例えば、カテーテル式処置システム10は、画像処理エンジン、データストレージ及びアーカイブシステム、自動バルーン及び/又はステント膨張システム、薬剤注入システム、薬剤追跡及び/又はログシステム、ユーザログ、暗号化システム、又は、カテーテル式処置システム10のアクセス又は使用を制限するシステムを含むことができる。なお、留意すべきは、ここで制御コンピューティングシステム34に係る判断のいずれも、システム10のいずれか適切なコンポーネント又はシステム10に接続されたいずれか適切なコンポーネントによって実行することも可能である、ということである。
【0041】
既述したように、制御コンピューティングシステム34は、ロボット駆動装置24、位置決めシステム22、及び場合によって追加の制御機器及びディスプレイ46を含むベッドサイドユニット20と通信する。制御コンピューティングシステム34は、リモート制御ステーション42の入力システムの制御機器のユーザ操作に基づく信号をリモート制御ステーション42から受信し、対応する制御信号をベッドサイドユニット20に提供して、該当するEMDを様々な自由度で駆動するために使用されるモータ及び駆動機構の動作を制御する。種々の駆動機構がロボット駆動装置24の一部として設けられる。
【0042】
一実施例に係る
図3は、カテーテル式処置システム10のロボット駆動装置24の斜視図である。実施例が
図3のロボット駆動装置24に限定されるわけではない。
図3のロボット駆動装置24は、直線部材60に連結された複数のデバイスモジュール32a-dを含む。各デバイスモジュール32a-dは、直線部材60に移動可能に取り付けられたそれぞれのステージ62a-dを介して直線部材60に連結されている。一つ一つのデバイスモジュール32a-dは、オフセットブラケット78a-dのようなコネクタを使用してステージ62a-dに連結することができる。別の実施例では、デバイスモジュール32a-dは、ステージ62a-dに直接取り付けられる。各ステージ62a-dは、直線部材60に沿って直線的に移動するように、個別に作動させることができる。したがって、各ステージ62a-d(及びステージ62a-dに連結された対応するデバイスモジュール32a-d)は、互いに対し及び直線部材60に対し、独立して動作することができる。
【0043】
各ステージ62a-dを作動させるために駆動機構が使用される。
図3に示す実施例において、駆動機構は、ステージ62a-dのそれぞれとステージ駆動機構76とに連結された個別のステージ並進モータ64a-dを含み、ステージ駆動機構76は、例えば、回転ナットを利用する送りねじ、ピニオンを利用するラック、ピニオン又はプーリを利用するベルト、スプロケットを利用するチェーンである。あるいは、ステージ並進モータ64a-dは、それ自体がリニアモータであってもよい。一実施例において、ステージ駆動機構76はこれらの機構の組み合わせであり、例えば、各ステージ62a-dが違うタイプのステージ駆動機構を採用する。ステージ駆動機構が送りねじ及び回転ナットである実施例の場合、送りねじを回転させ、そしてステージ62a-dのそれぞれを送りねじと係合又は非係合とし、例えば前進又は後進させるなど、移動させる。
図3に図示の実施例では、ステージ62a-d及びデバイスモジュール32a-dは縦列駆動の構成になっている。
【0044】
各デバイスモジュール32a-dは、デバイスモジュール68a-dと、デバイスモジュール68a-dに搭載・連結されたカセット66a-dと、を含む。
図3に図示の実施例において、各カセット66a-dは、上下の方向でデバイスモジュール68a-dに装着されている。他の実施例では、各カセット66a-dは、別の装着方向でデバイスモジュール68a-dに装着される。各カセット66a-dは、EMD(図示せず)の近位部と接続し支持するように構成されている。また、各カセット66a-dは、直線部材60に沿って直線的に移動する対応するステージ62a-dの作動によって提供される直線動作に加えて、1つ以上の自由度を提供する要素を含むことができる。例えば、カセット66a-dは、カセットがデバイスモジュール68a-dに連結されているときに、カセット中に支持されているEMDを回転させるために使用される要素を含むことができる。各デバイスモジュール68a-dは、各カセット66a-d内の機構に駆動インターフェースを提供して追加の自由度を提供するために、少なくとも1つのカプラを含む。各カセット66a-dは、デバイス支持体79a-dが位置するチャンネルも含み、各デバイス支持体79a-dは、EMDの座屈を防止するために使用される。
【0045】
デバイスモジュール32a,32b,32cのそれぞれに支持アーム77a,77b,77cが取り付けられ、デバイス支持体79b,79c,79dそれぞれの近位端を支持する固定点を提供する。ロボット駆動装置24は、デバイス支持体79に接続されたデバイス支持体接続部72、遠位支持アーム70、及び支持アーム77oも含む。支持アーム77oは、最も遠位のデバイスモジュール32aに収容された最も遠位のデバイス支持体79aの近位端を支持する固定点を提供するために使用される。イントロデューサインターフェース支持体(リダイレクタ)74は、デバイス支持体接続部72及びEMD(例えば、イントロデューサシース)に接続することができる。ロボット駆動装置24のこのような構成は、単一の直線部材でアクチュエータを使用することにより、ロボット駆動装置24の大きさ及び重さを軽減するという利点を有する。
【0046】
病原体による患者の汚染を防ぐために、ヘルスケアスタッフは、ベッドサイドユニット20と患者12が収容されている部屋で無菌技術を使用する。ベッドサイドユニット20及び患者12を収容する部屋は、例えば、カテーテルラボ又はアンギオスイートである。無菌技術は、滅菌バリア、滅菌器具、適切な患者準備、環境管理、及び接触ガイドラインを使用することから構成される。すなわち、すべてのEMD及びインターベンション付属品は滅菌され、滅菌バリア又は滅菌器具のいずれかとの接触だけが許される。一実施例において、滅菌ドレープ(図示せず)を非滅菌ロボット駆動装置24を覆って配置する。各カセット66a-dは滅菌され、ドレープ付きロボット駆動装置24と少なくとも1つのEMDとの間の滅菌インターフェースとして作用する。各カセット66a-dは、一回の使用を目的として滅菌されるように設計されるか、あるいは、カセット66a-d又はそのコンポーネントを複数の処置で使用できるように全部もしくは一部を再滅菌できるように設計される。
【0047】
ここで使用する「カセット」は、少なくとも1つのEMDを支持し動作(例えば、回転及び/又は並進)させるためのコンポーネントを含むロボット駆動システムのコンポーネントを広く指す。「デバイスモジュール」は、カセットのEMD作動要素と接続する駆動カプラを備えた1つ以上のモータを含むロボット駆動システムのコンポーネントを広く指す。カセットは、少なくとも1つのEMDとデバイスモジュールとの間の滅菌インターフェースを直接的に又はデバイスアダプタを介して、提供する。「駆動モジュール」は、デバイスモジュールとカセットの組み合わせを指す。
【0048】
一実施例において、EMDは、近位端にハブを有するカテーテル及びそのハブからカテーテルの遠位端に向かって延びる可撓性シャフトであり、シャフトがハブよりも柔らかい。一実施例において、カテーテルは、ハブとシャフトとの間の移行部分である中間部を含み、中間部は、ハブよりも柔らかく、シャフトよりも硬い、中間の可撓性である。一実施例において、中間部はストレインリリーフである。
【0049】
部材(例えば、カテーテル式処置システムのEMD又は他の要素)の長手軸(縦軸)は、部材の近位部から部材の遠位部への方向に部材横断面の中心を通過する部材の長さ方向の線又は軸である。例えば、ガイドワイヤの長手軸は、ガイドワイヤの近位部からガイドワイヤの遠位部へ向かう方向において、たとえガイドワイヤが当該部分において直線でなくとも、中心軸である。
【0050】
部材の軸方向の移動は、部材の長手軸に沿った部材の並進(平行移動)を意味する。例えば、EMDの遠位端を、その長手軸に沿って遠位方向に、患者の中へ又はさらに患者の中へ、軸方向に移動させる場合、EMDは前進させられている。EMDの遠位端を、その長軸に沿って近位方向に、患者から外へ又はさらに患者から外へ、軸方向に移動させる場合、EMDは引き抜かれている。
【0051】
これに関連して、軸方向挿入は、第1の部材を第2の部材の長手軸に沿って第2の部材に挿入することを意味する。例えば、コレットに軸方向に装填されるEMDは、コレットに軸方向に挿入される。軸方向挿入の一例として、ガイドワイヤの近位端にカテーテルを後方装填することがあげられる。横方向挿入は、第1の部材を第2の部材の長手軸に交差する平面内の方向で第2の部材に挿入することを意味する。横方向挿入は、径方向装填又は側方装填とも呼ばれる。
【0052】
部材の回転動作は、部材局部の長手軸の周りの角度方向の部材の変化をいう。例えば、EMDの回転動作は、加えられたトルクによってEMDが長手軸の周りに時計回り又は反時計回りする、EMDの回転に該当する。連続的動作は、リセットを必要とせず、中断のない動作を指し、離散的動作は、リセットを必要とし、中断される動作を指す。
【0053】
「遠位」と「近位」は、2つの異なる部分の相対的位置を定義する。ロボット駆動装置の場合、「遠位」及び「近位」は、使用目的に応じたロボット駆動装置の患者に対する位置によって定義される。
【0054】
相対的位置を定義するために使用される場合、遠位の部分は、ロボット駆動装置が目的の使用位置にあるときの近位の部分よりも患者に近いロボット駆動装置の部分である。患者の体内で言えば、アクセスポイントからの経路に沿ってより遠くにある血管系ランドマークが、アクセスポイントに近いランドマークよりも遠位であると見なされる。アクセスポイントは、EMDが患者に入っていくポイントである。同様に、近位の部分は、ロボット駆動装置が目的の使用位置にあるときの遠位の部分よりも患者から遠い部分である。
【0055】
方向を定義するために使用される場合、遠位方向は、ロボット駆動装置が目的の使用位置にあるときに、何かが動いているか何かが動こうとしている経路、又は、何かが近位の部分から遠位の部分及び/又は患者の方を目指しているか向いている経路、を指す。近位方向は遠位方向の反対方向である。例えば、
図1を参照すると、患者に向いた操作者の視点からロボット駆動装置が示されている。この配置の場合、遠位方向は正のX座標軸の方向であり、近位方向は負のX座標軸の方向である。
【0056】
モジュールの動作に関して
図3を参照すると、EMDは、ロボット駆動装置24の遠位端を画定するイントロデューサインターフェース支持体74を通って患者へ向かう経路において遠位方向に移動する。ロボット駆動装置24の近位端は、負のX軸の方向に遠位端から最も遠い点である。
【0057】
個々のモジュールの位置に関しても
図3を参照すると、最も遠位のデバイスモジュールは、ロボット駆動装置24の遠位端に最も近いデバイスモジュール32aである。最も近位のデバイスモジュールは、負のX軸の方向にロボット駆動装置24の遠位端から最も遠くに配置されたデバイスモジュール32dである。デバイスモジュールの相対的位置は、ロボット駆動装置の遠位端に対するそれらの相対的な配置によって決定される。例えば、デバイスモジュール32bは、デバイスモジュール32cの遠位にある。
【0058】
EMD又はロボット駆動装置の遠位/近位部、セクション(部位)、又は端部に関して言うと、カセット66a及びデバイスモジュール68aの部分は、ロボット駆動装置の遠位端に対するそれらの配置によって規定される。例えば、カセット66aがデバイスモジュール68aの使用位置にあるとき、カセット66aの遠位端は、ロボット駆動装置の遠位端に最も近いカセットの部分であり、カセット66aの近位端は、負のX軸の方向にロボット駆動装置の遠位端から最も遠いカセットの部分である。別の言い方をすれば、カセット66aの遠位端は、使用位置で患者に至る経路に最も近いEMDが通るカセットの部分である。
【0059】
上述したように、制御ステーション26などの制御ステーションの実施例は、ベッドサイドユニット20を制御するために各種の様々な入力システムを含むことができる。入力システムは、ロボット駆動装置24の動作を制御する(又は指示する)ためにユーザが操作することのできる各種の様々な入力制御機器(例えば、ボタン、スクロールホイール、ジョイスティック、タッチスクリーン)を含む。このような入力制御機器は、複数のEMDの個別の(時には同時の)動作を必要とする所望のタスクを実行するために、入力システムにおいて様々なレイアウトやパターンで配列することができ、所望の機能とその機能の協調的順位付けを容易にする。
【0060】
さらに、入力システムの実施例は、各種の様々な制御モードで作動するように構成することができる。第1の制御モードにおいて入力システムの1つ以上の制御機器に割り当ててある機能は、第2の制御モードにおいてそれら1つ以上の制御機器に割り当ててある機能とは異なる機能とすることができ、制御モードは、実行される処置、制御される1つ以上のデバイス、操作者の好み、又は他の何らかの因子に基づいて、選択できる。入力システムは、操作者からの入力又は制御コンピューティングシステム34からの入力に応答して、複数の制御モードを切り替えるように構成することができる。
【0061】
ここに説明する入力システムは、制御ステーション26の表面に、固定されるか、集積されるか、又は単に載置することができる。ここに説明する入力システムは、1つの集積型ハウジングか、個別に移動させることのできる複数のハウジングを有する。
【0062】
一実施例に係る
図4は、血栓除去システムの概略図である。システム400の各コンポーネントは、ハードウェア及び/又はソフトウェアの適切な組み合わせからなる1つ以上のデバイスによって実装することができ、図示された中の2つ以上のコンポーネントを同じデバイスで実施することもできる。
【0063】
図4は、患者体内の静脈又は動脈からなる血管410を示す。血管410は、患者体内のどの位置にあってもよい。血栓420が血管410の中にある。実施例が
図4やこれ以降の図に示した相対的な大きさ及び形状の血栓及び血管に限定されるわけではない。実施例が実質的につながった1つの血栓に限定されるわけでもない。
【0064】
カテーテル制御器430は、カテーテル440を血管410中の血栓420へナビゲートするように作動する。図示のように、カテーテル制御器430は、カテーテル440の先端440aを、血管410の中の血栓420に隣接する位置に到達させている。カテーテル440は、陰圧を発生させる内腔を画定するEMDであり得る。カテーテル440は、カテーテル内腔を画定する、目的に合うように設計された吸引カテーテルから構成され得る。
【0065】
後述のとおり、カテーテル制御器430は、図示された位置にカテーテル440をナビゲートするために、1つ以上の図示せぬガイドワイヤ及びカテーテルを操作する(すなわち、前進/後進/回転)ことができる。このようなナビゲーションは、ロボット駆動装置24のようなロボット駆動装置を用いて容易にすることができる(これに限定されない)。すなわち、一実施例において、カテーテル制御器430は、カテーテル式処置システム10に含まれ得る。
【0066】
真空源450は、インターベンション室において陰圧を発生させるのに適したポンプその他のデバイスを含む。システム400によると、真空源450は、バルブ/クランプ470につながれたチューブ(配管)460aに接続されている。バルブ/クランプ470は、カテーテル制御器430を介してカテーテル440につながれたチューブ460bに接続されている。チューブ460a及びチューブ460bは、ここに説明する血栓吸引に適したチューブからなり、共にチューブ内腔を含む。
【0067】
バルブ/クランプ470が閉まっていると、真空源450により発生する陰圧は、チューブ460aの内腔中に現れるが、チューブ460bの内腔中には(したがってカテーテル440の中にも)現れない。バルブ/クランプ470が開いていると、真空源450、チューブ460aの内腔、チューブ460bの内腔、及びカテーテル440の内腔は、すべて互いに流体連通する。したがって、真空源450により発生する陰圧は、カテーテル440の先端440aに発現する。
【0068】
システム400によれば、圧力センサ480は、真空源450に接続されているか又は一体化されている。圧力センサ480は、真空源450により生成される圧力、例えば、バルブ/クランプ470が閉じているときにチューブ460aの中に発生する圧力を測定する。バルブ/クランプ470は、圧力センサ480との通信を通してこの圧力を監視し、これに基づいて自身の開閉を判断できる。
【0069】
例えば、一実施例において、カテーテル制御器430は、操作者の制御下で一連のEMDを操作し、カテーテル440の先端440aを血栓420に近接させて位置決めする。次に、チューブ460bが、手動か又はカテーテル制御器430の機構を介してカテーテル440に接続され、チューブ460bとカテーテル440とが互いに流体連通する。真空源450は、チューブ460aの中の陰圧発生を開始するように作動する(例えば、カテーテル制御器430又は操作者からのコマンドにより)。
【0070】
バルブ/クランプ470は、チューブ460aの中の圧力が目標の吸引圧以下となっていることが判断されるまで、圧力センサ480によって測定される圧力を監視する。あるいは、圧力センサ480によってチューブ460aの中の圧力が目標の吸引圧以下となっていることが判断された後、圧力センサ480からバルブ/クランプ470に信号を送信する。いずれの場合も、その判断に応答して、バルブ/クランプ470が開いてチューブ460aとチューブ460bとカテーテル440との間の流体連通が自動的に確立される。この結果、血栓420が血管410から強制的に除去されてカテーテル440内に吸い込まれる。
【0071】
バルブ/クランプ470が開いた後、バルブ/クランプ470は、圧力センサ480に従い、チューブ460aの内腔中圧力が第2の圧力よりも大きくなることを判断し、これに応じてバルブ/クランプ470が閉じ、チューブ460aの内腔とカテーテル440との間の流体連通を自動的に終了させる。この手順は、血栓420の除去完了を検出し、完了に応じて吸引を終了させるように作用する。
【0072】
一実施例において、バルブ/クランプ470が開いた後、チューブ460aの内腔中圧力が第2の圧力よりも大きくなってバルブ/クランプ470が閉じる前、バルブ/クランプ470は、チューブ460aの内腔中圧力が予め規定された範囲内にあることを圧力センサ480により判断する。予め規定された範囲は、第1の圧力よりも高く且つ第2の圧力よりも低く、カテーテル440への吸引に対する何らかの抵抗の存在を示すことを目的とするが、チップ440aが血栓420に対して配置された場合に予想される程度までではない。チューブ460aの内腔中圧力が予め規定された範囲内であると判断されれば、バルブ/クランプ470(又は、例えば圧力センサ480)はカテーテル制御器430と通信し、チューブ460aの内腔中圧力が所定の圧力以下になるまでカテーテル440の位置を変える(例えば回転)。
【0073】
一実施例において、バルブ/クランプ470は、カテーテル制御430器のコンポーネントである。この場合、単一セクションのチューブが、真空源450から当該バルブ/クランプ470まで延び、そして、カテーテル制御器430によってカテーテル440と直接接続される。
【0074】
一実施例に係る
図5は、血栓除去システムの概略図である。システム500に関し、上述のような血管510及び血管510内にある血栓520が示されている。カテーテル制御器530は、カテーテル制御器430及びカテーテル440に関して説明したように、カテーテル540を血栓520へナビゲートするように作動する。
【0075】
真空源550、チューブ560a、チューブ560b、バルブ/クランプ570、及び圧力センサ580は、システム400の同様の名前を付けてある要素に関して上述したように構成される。システム500は、圧力センサ580とバルブ/クランプ570との間に配置された圧力制御器590も含む。圧力制御器590は、バルブ/クランプ470に関して上述したようにバルブ/クランプ570の判断及び制御を実行する。概して、圧力制御器590は、圧力センサ580と通信してチューブ560aの内腔中圧力を監視し、これに基づいてバルブ/クランプ570に開閉の指示を出す。一実施例において、圧力制御器590は、カテーテル制御器530のコンポーネントである。この例について言えば、圧力制御器590は、システム10の制御コンピューティングシステム34で構成され得る。
【0076】
圧力制御器590は、真空源550を作動させ、チューブ560aの中で陰圧生成を開始する。圧力制御器590は、圧力センサ580により測定される圧力を、チューブ560aの中の圧力が目標の吸引圧以下になるまで監視する。この判断に応答して、圧力制御器590はバルブ/クランプ570に開の指示を出し、チューブ560aとチューブ560bとカテーテル540との間に流体連通を自動的に確立する。
【0077】
このバルブ/クランプ570の開に続いて、圧力制御器590は、圧力センサ580により測定される圧力を、チューブ560aの中の圧力が第2の圧力よりも大きくなるまでさらに監視し、これに応じて、バルブ/クランプ570に閉じるよう指示を出し、チューブ560aの内腔とカテーテル540との間の流体連通を自動的に終了させる。さらに、チューブ560aの内腔中圧力が第1の圧力よりも高く且つ第2の圧力よりも低い予め規定された範囲内にあると圧力制御器590が判断する場合、圧力制御器590は、カテーテル制御器530と通信し、チューブ560aの内腔中圧力が第1の圧力以下になるまでカテーテル540の位置を変化させる(例えば、回転させる)。
【0078】
一実施例に係る
図6は、血栓除去システムの概略図である。システム600は、圧力センサ580及び圧力制御器590の上述の機能が圧力センサ及び制御器690に組み込まれていることを除いて、
図5のシステム500と同様である。真空源680、チューブ660a、チューブ660b、バルブ/クランプ670、及びカテーテル制御器630は、システム500の同様の名前を付けてある要素に関して上述したように構成される。
【0079】
圧力センサ及び制御器690は、真空源680と通信し、チューブ660aの内腔中圧力を監視し、これに従ってバルブ/クランプ670に開閉の指示を出す。システム500の圧力制御器590に関して上述したように、一実施例において、圧力センサ及び制御器690はカテーテル制御器630のコンポーネントである。例えば、圧力センサ及び制御器690は、システム10の制御コンピューティングシステム34で構成され得る。
【0080】
圧力センサ及び制御器690は、真空源680を作動させ、チューブ660aの中で陰圧の生成を開始する。圧力センサ及び制御器690は、真空源680により生成される圧力を、チューブ60aの中の圧力が目標の吸引圧以下であると判断されるまで、監視する(例えば、圧力センサを含む真空源680と通信して、又は、チューブ660aの光学的検知によって)。この判断に応答して、圧力センサ及び制御器690は、バルブ/クランプ670に開くよう指示を出し、チューブ660aとチューブ660bとカテーテル640との間に流体連通を自動的に確立する。
【0081】
次に、圧力センサ及び制御器690は、チューブ660aの中の圧力が第2の圧力よりも大きくなったことを判断し、これに応じて、バルブ/クランプ670に閉じるよう指示を出し、チューブ660aの内腔とカテーテル640との間の流体連通を自動的に終了させる。上述のように、バルブ/クランプ670が開いてから閉じるまでの間に、チューブ660aの内腔中圧力が第1の圧力よりも高く且つ第2の圧力よりも低い予め規定された範囲内にあることを圧力センサ及び制御器690が判断した場合、圧力センサ及び制御器690は、カテーテル制御器630と通信し、チューブ660aの内腔中圧力が第1の圧力以下になるまで、カテーテル640の位置を変化させる(例えば、回転させる)。
【0082】
一実施例に係る
図7は、血栓除去システムの概略図である。システム700は、操作者に対する圧力に基づいた指標の表示とこれに続くシステム700の操作者制御を含んでいる。システム700は、2つの代替構成で図示されており、第1の構成では、圧力センサ770aが真空源740に接続されているか又は一体化されており、第2の構成では、圧力センサ770bが真空源740とは別になっている。圧力センサ770bは、光学手段、チューブ750aの中のセンサ素子、又はその他の適切な技術により、チューブ750aの中の圧力を判断する。
【0083】
圧力センサの実装(例えば、圧力センサ770aか圧力センサ770bか)にかかわらず、システム700は、チューブ750aの中の圧力の指標をディスプレイ780を介して操作者775に表示することを含む。
図7は、圧力センサ770a/圧力センサ770bとディスプレイ780との間の直接的な通信リンクを示しているが、圧力値は、圧力センサ770a/圧力センサ770bから、例えば制御コンピューティングシステム34など各種の中間コンポーネントを介して、ディスプレイ780に送信され得る。
【0084】
術中、操作者775は、カテーテル制御器730(例えば、システム10などのカテーテル式ロボット処置システムの)を操作して、血管710内の血栓720に対してカテーテル740を位置決めする。操作者775が満足する位置に決まると、操作者775は、真空源740を作動させ、チューブ750aの中の陰圧生成を開始する。
【0085】
ディスプレイ780は、操作者775に対し陰圧の指標を表示する。この指標は、圧力値及び/又はチューブ750aの中の圧力が目標の吸引圧以下であることの提示を含むことができる。指標は、単に、チューブ750aの中の圧力が目標の吸引圧以下となってシステムの吸引準備ができていることを知らせる通知であってもよい。指標を受け取った後、操作者775は、操作者制御器790を操作してバルブ/クランプ760に開くよう指示を出し、チューブ750aとチューブ750bとカテーテル740との間に流体連通を自動的に確立させる。操作者制御器790は、ここに説明する入力システムのいずれかで構成され、例えば、タッチスクリーン(例えば、ディスプレイ780が操作者制御器790も構成するなど)、コンソールボタン、フットスイッチ、及びジョイスティックが含まれる(これらに限定されない)。
【0086】
バルブ/クランプ760が開いた後、ディスプレイ780は、さらに、チューブ750aの中の圧力が第2の圧力よりも大きくなったことの指標を表示する。この指標は、吸引を終了するための通知を含むことができる。指標に応じて、操作者775は、操作者制御器790を操作してバルブ/クランプ760を閉じ、チューブ750aとカテーテル740との間の流体連通を終了させる。システム700の一実施例において、チューブ750aの中の圧力を監視し、チューブ750aの中の圧力が第2の圧力よりも大きくなったと判断したときに、バルブ/クランプ760は、操作者775の介在なしで、自動的に閉じるように指示される。
【0087】
上述したバルブ/クランプ760の開から閉までの間に、ディスプレイ780は、チューブ750aの内腔中圧力が第1の圧力よりも高く且つ第2の圧力よりも低い予め規定された範囲内にあることの指標を表示し得る。指標は、例えば圧力値及び/又は血栓720に対しカテーテル740を再配置すべき通知を含む。指標に基づいて、操作者775は、カテーテル740を再配置するためにカテーテル制御器730の作動を指示する。再配置作動は、予めプログラムされた動作のセット及び/又操作者775により指示される個別動作からなる。一実施例において、ディスプレイ780は、チューブ750aの内腔中圧力が第1の圧力以下に減少したときに指標を表示し、この時点で、操作者775は、カテーテル制御器730に対する指示を止めることができる。
【0088】
一実施例に係る
図8は、血栓除去システムの概略図である。システム800は、システム700の具体例である。特に、バルブ840がバルブ/クランプ760の具体例である。システム700で説明したように、操作者875は、カテーテル制御器820を作動させて、血管内の血栓に対してカテーテル810を位置決めすることができる。配置が満足のいくものになれば、真空源830を作動させ、チューブ850aの中の陰圧発生を開始する。
【0089】
ディスプレイ870は、操作者875に陰圧の指標を表示する。指標を受け取った後、操作者875は、バルブ740を直接操作して開くことができ、これに従いチューブ850aとチューブ850bとカテーテル810との間に流体連通が自動的に確立される。図示の実施例の場合、バルブ840は流量制御バルブで、片手で操作してバルブ840を開いたり閉じたりできるスライダースイッチ845を含んでいる。一実施例において、2つの内腔間の流体連通を確立し終了させる各種の適切なデバイスを採用することもできる。
【0090】
ディスプレイ780は、チューブ750aの中の圧力が第2の圧力よりも大きくなったことの指標をさらに表示することができる。この指標は、吸引を終了するための通知を含むことができる。指標に応じて、操作者775は、操作者制御器790を操作してバルブ/クランプ760を閉じ、チューブ750aとカテーテル740との間の流体連通を終了させる。システム700の一実施例において、チューブ750aの中の圧力が監視され、チューブ750aの中の圧力が第2の圧力よりも大きくなったことが判断されたら、バルブ/クランプ760は、操作者775の介在なしで閉じるように自動的に指示される。
【0091】
上述したバルブ/クランプ760の開から閉までの間に、ディスプレイ780は、チューブ750aの内腔中圧力が第1の圧力よりも高く且つ第2の圧力よりも予め規定された範囲内にあることの指標を表示することができる。この指標は、例えば圧力値及び/又は血栓720に対してカテーテル740を再配置すべき通知を含む。指標に基づいて、操作者775は、カテーテル740を再配置するためにカテーテル制御器730の作動を指示することができる。再配置作動は、予めプログラムされた動作セット及び/又は操作者775により指示される個別の動作からなる。一実施例において、ディスプレイ780は、チューブ750aの内腔中圧力が第1の圧力以下に減少したときに指標を表示し、この時点で、操作者775は、カテーテル制御器730に対する指示を止めることができる。
【0092】
一実施例に係る
図9は、血栓を吸引する過程900のフロー図である。ここに説明する過程900及びその他の過程は、ハードウェア及びソフトウェアのいずれか適切な組み合わせを使用して実行することができる。これらの過程を実施するソフトウェアプログラムコードは、固定ディスク、揮発性又は不揮発性のランダムアクセスメモリ、DVD、フラッシュドライブ、及び磁気テープを含む非一時的有形媒体によって保存可能であり、そして、1つ以上のマイクロプロッサ、マイクロコントローラ、処理コア、及びプロセッサスレッドを含む(これらに限定されない)適切な処理ユニットによって実行される。実施例は、以下に説明する例に限定されない。
【0093】
最初に、S910において、吸引カテーテル内腔を画定している吸引カテーテルを、血栓に対し第1の位置に配置する。例えば、操作者は、ロボット駆動装置を制御して、S910において、規定されたシーケンス一連のEMDを操作し、吸引カテーテルの先端を血栓に対して位置決めする。そのような規定されたシーケンスの一例によれば、イントロデューサシースが、橈骨動脈又は大腿動脈など(これらに限定されない)のアクセス部位に挿入される。次に、診断用ガイドワイヤをシースに挿入し、操作者のコマンドに応じるロボット駆動装置により頭蓋底まで進める。その後、ガイドカテーテルとベースカテーテルを診断ガイドワイヤを通し頭蓋底へ進める(同時又は順番に)。そして、診断用ガイドワイヤとガイドカテーテルを抜去し、ベースカテーテルは残す。
【0094】
続いて、吸引カテーテルで包んだマイクロカテーテルに包まれたマイクロワイヤからなる同軸の「スタック」を、ベースカテーテルに挿入する。マイクロワイヤの先導で、スタックは、頭蓋底(すなわち、ベースカテーテルが終わる所)を通過し、マイクロワイヤが血栓に到達するまで血管系をナビゲートする。その後、吸引カテーテルの内腔が血栓に接触するまで、(構造的支持のための)マイクロカテーテルの有りか無しのどちらかで、吸引カテーテルを進める。以上の過程は、同時に取得される造影X線画像によって支援される。
【0095】
図10は、ベースカテーテル1010が入っている血管1000を示している。マイクロワイヤ1020、マイクロカテーテル1030、及び吸引カテーテル1040からなるスタックは、ベースカテーテル1010を通過して血栓1050への経路上にある。マイクロワイヤ1020が血栓1050に到達しており、マイクロカテーテル1030は、マイクロワイヤ1020を通し血栓1050に向けて進められている。次に、吸引カテーテル1040が、血栓1050に到達するまで、マイクロカテーテル1030(及びマイクロワイヤ1020)を通し進められる。マイクロワイヤ1020及びマイクロカテーテル1030は、その後、吸引カテーテル1040内から取り出される。
【0096】
過程900に戻ると、S920で、内腔中に陰圧を発生させるべく、チューブ内腔の排気が開始される。チューブの内腔は、上述のようにポンプその他の真空源に接続される。また、既述したように、チューブの内腔は、吸引カテーテルと流体連通はしていない。一実施例によると、操作者は、S920で、真空源に作動を指示するために、ロボットカテーテル式処置システムに備えられた入力制御器を操作する。
【0097】
チューブの内腔中圧力が目標圧力と等しくなる(又は目標圧力を下回る)まで、フローはS930で待機する。目標圧力は、操作者によって予め定められ及び/又は設定され、血栓の大きさ及び/又は形状、血栓のある血管の性質(例えば、傷つきやすい、蛇行した、損傷している)、又はその他の因子に基づいて決定される。チューブの内腔中圧力が目標圧力と等しい(又は下回った)と判断されれば、フローはS940に進む。
【0098】
S940で、チューブの内腔と吸引カテーテルの内腔との間に流体連通が自動的に確立される。S940の例をいくつかここに説明する。一例において、チューブと吸引カテーテルが、S940に先立って、閉められたバルブの一端と他端に接続されており、S940では、このバルブを開くことを含む。バルブは、電気機械式アクチュエータにより開くこともできるし、操作者が手動で開くこともできる。S940の具体例は、ここに説明する例に限定されない。
【0099】
図11に示す過程1100のS1110~S1140は、過程900のS910~S940と同様に進行する。S1140の後、S1150で、チューブの内腔中圧力が第2の目標圧力を上回る(又は同等である)と判断されるまで、フローは待機する。上述のように、第2の(目標)圧力は、血管(及び吸引カテーテル)から血栓が排出された場合に予想される圧力である。
【0100】
第2の目標圧力に達すると、フローはS1160に進む。S1160で、チューブの内腔と吸引カテーテルの内腔との間の流体連通を終了させる。上記の例に続けて言えば、S1160は、チューブの内腔と吸引カテーテルの内腔との間に配置されたバルブを電気機械的に閉じる又は手動によって閉じることを含む。
【0101】
図12a-bを参照すると、過程1200のS1205、S1210、及びS1215は、過程900のS910、S920、及びS930とそれぞれ同様に進行する。S1220で、チューブの内腔中圧力(すなわち、吸引カテーテルの内腔に現れる圧力)が目標圧力に達していることを示す指標が操作者に表示される。上述のように、指標は、操作者コンソールのディスプレイにより表示され、真空源又は別個の圧力センサから制御コンピューティングシステムへ通信され、そして制御コンピューティングシステムが指標の表示を指示する。
【0102】
S1225で、操作者からコマンドを受信するまで、フローは待機する。S1225で待機している間、目標圧力は維持される。操作者は、フローがS1230に進むと、これに応じて、制御コンソールの入力制御器を操作し、吸引を行うようにシステムに指示を出す。
【0103】
S1230で、チューブの内腔と吸引カテーテルの内腔との間に流体連通が自動的に確立される。その後、チューブの内腔中圧力が第2の標的圧力を上回る(又は同等である)と判断されるまで、フローはS1235で待機する。S1240で、もう一つの指標が操作者に表示され、この指標は、チューブの内腔中(及び吸引カテーテルの内腔中)の圧力が第2の目標圧力に達していることを示す。操作者から次のコマンドを受信するまで、フローはS1245で待機する。
【0104】
操作者は、S1245で、制御コンソールの入力制御器を操作し、システムに吸引を終了するよう指示を出す。これに応じて、S1250で、チューブの内腔と吸引カテーテルの内腔との間の液体連通を終了させる。例えば、S1250で、チューブの内腔と吸引カテーテルの内腔との間に配置されたバルブを閉じる。
【0105】
一実施例に係る
図13a-bは、過程1300のフロー図である。過程1300のS1310~S1340は、過程900のS910~S940と同様に進行する。チューブの内腔と吸引カテーテルとの間の流体連通がS1340で確立された後、フローはS1350に進む。
【0106】
S1350で、チューブの内腔中圧力が予め規定された範囲内にあるかどうかが判断される。上述のように、予め規定された範囲は、血栓を適切に吸引できる態様で吸引カテーテルが血栓に対しかみ合っていないことを示す、予め決められた圧力の範囲である。チューブの内腔中圧力が予め規定された範囲内にない場合は、フローはS1370に進む。
【0107】
S1350で、チューブの内腔中圧力が予め規定された範囲内であると判断された場合、S1360で、チューブの内腔中圧力が閾値の吸引圧を下回るまで、吸引カテーテルの内腔の位置が自動的に調節される。この調節は、カテーテルの位置を良くすることを目的とした1回以上のカテーテル動作のセットを使用して、操作者の介入なしで自動的に行われ得る。一実施例において、調節は、部分的に又は全体的に操作者の制御下で行われる。
【0108】
S1370で、チューブの内腔中圧力が第2の圧力を上回るかどうかが判断される。上回っていない場合、フローはS1350に戻り、上記ステップを継続する。上回っていれば、ここに説明した又は既知のシステムを使用して、S1380で、チューブの内腔と吸引カテーテルの内腔との間の流体連通を自動的に終了させる。
【0109】
当分野で通常の知識を有する者は、上述した実施例の様々な改変及び修正について、特許請求の範囲から逸脱することなくなせることを当然理解する。したがって、特許請求の範囲に係る思想は、ここに具体的に説明した以外にも実施し得ることは当然である。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【外国語明細書】