(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038998
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】調理容器用着脱式取っ手
(51)【国際特許分類】
A47J 45/07 20060101AFI20240313BHJP
A47J 36/34 20060101ALI20240313BHJP
A47J 45/10 20060101ALI20240313BHJP
【FI】
A47J45/07 A
A47J36/34
A47J45/10 A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023134183
(22)【出願日】2023-08-21
(31)【優先権主張番号】10-2022-0113847
(32)【優先日】2022-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】516013435
【氏名又は名称】ヤン、ウォン ジュン
【氏名又は名称原語表記】YANG,Won Jun
【住所又は居所原語表記】(Byeollae-dong,Byeolsarangmaeul Moamiraedo Apt.)2302-1501,336 Buram-ro Namyangju-si Gyeonggi-do 472-501,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130960
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 正之
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ウォン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ミン ジェング
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA16
4B055BA36
4B055BA38
4B055CA42
4B055CA48
4B055CB03
4B055CC26
4B055CC34
(57)【要約】 (修正有)
【課題】機能性及び使用性をより向上できる調理容器用着脱式取っ手を提供する。
【解決手段】調理容器用着脱式取っ手は、本体10、本体10の下部にヒンジ結合されるレバー、本体10の内部に前後進可能に設けられる加圧部材30、加圧部材30を付勢するスプリング40、本体10の上部に設けられるカバー50、カバー50に貫設されるボタン70を含んで構成される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端に容器支持部(12)が形成されている本体(10);前記本体(10)の下部にヒンジ結合され、内側に係止部(22)が突設されているレバー(20);前記本体(10)の内部に前後進可能に設けられ、前記容器支持部(12)に対応する容器加圧部(32)及び前記係止部(22)を選択的に支持する支持部(34)が形成されている加圧部材(30);前記加圧部材(30)を付勢するスプリング(40);前記本体10の上部に設けられ、ボタン設置孔52が形成されているカバー(50);前記ボタン設置孔(52)を介して外部に突出し、前記係止部(22)を加圧して前記支持部(34)への支持状態を解除するボタン(70)を含み、
前記本体(10)の底面には、スリット状の複数の遊動防止溝部(16)が並んで形成され、前記レバー(20)には、前記遊動防止溝部(16)に対応結合される遊動防止突起部(24)が形成され、
前記支持部(34)は、前記係止部(22)を加圧支持する支持台(34a);前記支持台(34a)から下向きに傾斜して形成され、前記レバー(20)の引き動作によって前記係止部(22)と連動して前記係止部(22)を前記支持台(34a)に案内する連動ガイド(34b)からなり、前記係止部(22)は、前記連動ガイド(34b)に沿って転がり接触する回転ローラであり、
前記加圧部材(30)は、金属製の板状体からなり、前記支持台(34a)及び前記連動ガイド(34b)は、前記加圧部材(30)の板面の所定の部分が切開されて下向きに傾斜するように一体に折曲形成されていることを特徴とする、調理容器用着脱式取っ手。
【請求項2】
前記カバー(50)の内部に固定される固定体(60)をさらに含み、
前記ボタン(70)は、前記固定体(60)にヒンジ結合され、引き動作によって前記係止部(22)を加圧することを特徴とする、請求項1に記載の調理容器用着脱式取っ手。
【請求項3】
前記ボタン(70)は、前記ボタン設置孔(52)に上下流動可能に設けられ、押す動作によって前記係止部(22)を加圧することを特徴とする、請求項1に記載の調理容器用着脱式取っ手。
【請求項4】
前記固定体(60)は、
前記ボタン設置孔(52)と対応するように前記カバー(50)の内部に安着され、貫通孔(63)が形成されている安着台(62);前記安着台(62)の一端に形成され、前記カバー(50)に固定される固定片(64)からなり、
前記ボタン(70)の底面には、前記貫通孔(63)を通過して前記係止部(22)を押す押さえ突起(72)が形成されることを特徴とする、請求項2に記載の調理容器用着脱式取っ手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理容器用着脱式取っ手に関し、より詳細には、調理容器の一側に着脱可能に結合される調理容器用着脱式取っ手に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、調理容器は、移動や保管を容易にするためにその一側に取っ手が備えられ、このような取っ手は、調理容器の種類に応じて種々の多様な形態に区分されている。
【0003】
調理容器の一側に着脱可能に結合される着脱式取っ手もその1つである。
【0004】
特に、調理容器用着脱式取っ手は、機能性に優れて需要がますます増加している傾向にあり、それに伴い、それに関する研究開発が活発に行われている。
【0005】
従来の調理容器用着脱式取っ手は、開放部が形成されている胴体;胴体の下部にピン組立され、開放部を介して胴体の外部に露出するレバー;胴体に内蔵され、一側が第1スプリングにより支持されて長手方向に延びて胴体の前方に密着部が露出するクランプ;レバーの後方に胴体にヒンジ組立された回動バー、クランプに連結される作動バーの他側がレバーの作動溝に沿って作動する回動ピンによりレバーと斜めな角度で組立されたクランプ密着手段;クランプの上部に備えられ、一側に形成された固定部が胴体の前方に露出するホルダ;胴体に内蔵され、ホルダが胴体の内側に引っ張られるように付勢力を与える第2スプリング;胴体の外側に露出し、下端部が作動バーを下方に押圧してクランプを復帰させるためのボタンから構成される。
【0006】
このような調理容器用着脱式取っ手は、特許文献1に開示されている。
【0007】
しかし、前記調理容器用着脱式取っ手は、全体的な構成が複雑で組立及びメンテナンスが難しいだけでなく、それによる時間及びコストが多くかかるという問題がある。
【0008】
また、クランプ密着手段の構造的特徴により、故障や破損が発生する可能性が高い。
【0009】
これはつまり、調理容器用着脱式取っ手の機能性及び使用性を低下させる結果をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国登録特許第10-0971872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、構成が単純でありながらも作動を安定して実現できる調理容器用着脱式取っ手を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するための本発明による調理容器用着脱式取っ手は、本体;前記本体の下部にヒンジ結合されるレバー;前記本体の内部に前後進可能に設けられる加圧部材;前記加圧部材を付勢するスプリング;前記本体の上部に設けられるカバー;前記カバーに貫設されるボタンを含むことにその技術的特徴がある。
【発明の効果】
【0013】
本発明による調理容器用着脱式取っ手は、その構成が単純であることから、組立はもちろんメンテナンスも容易であるだけでなく、それによる時間及びコストを相対的に低減することができる。
【0014】
また、その作動を安定して実現することができ、寿命(耐久性)を一層強化することができる。
【0015】
それにより、調理容器用着脱式取っ手の機能性及び使用性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1実施例による調理容器用着脱式取っ手の正面図である。
【
図2】本発明の第1実施例による調理容器用着脱式取っ手の平面図である。
【
図3】本発明の第1実施例による調理容器用着脱式取っ手の断面図である。
【
図4】本発明の第1実施例による調理容器用着脱式取っ手の本体の内部構造を示す構成図である。
【
図5】本発明の第1実施例による調理容器用着脱式取っ手のレバーを示す構成図である。
【
図6】本発明の第1実施例による調理容器用着脱式取っ手の本体及びレバーの結合構造を示す部分断面図である。
【
図7】本発明の第1実施例による調理容器用着脱式取っ手の加圧部材を示す構成図である。
【
図8】本発明の第1実施例による調理容器用着脱式取っ手のカバーの内部構造を示す構成図である。
【
図9】本発明の第1実施例による調理容器用着脱式取っ手の固定体及びボタンの結合構造を示す構成図である。
【
図10】本発明の第1実施例による調理容器用着脱式取っ手の作動状態図である。
【
図11】本発明の第2実施例による調理容器用着脱式取っ手の正面図である。
【
図12】本発明の第2実施例による調理容器用着脱式取っ手の平面図である。
【
図13】本発明の第2実施例による調理容器用着脱式取っ手の断面図である。
【
図14】本発明の第2実施例による調理容器用着脱式取っ手の本体の内部構造を示す構成図である。
【
図15】本発明の第2実施例による調理容器用着脱式取っ手のボタンを示す構成図である。
【
図16】本発明の第2実施例による調理容器用着脱式取っ手の作動状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明による調理容器用着脱式取っ手について添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
図1~
図9に示すように、本発明の第1実施例による調理容器用着脱式取っ手は、本体10;本体10の下部にヒンジ結合されるレバー20;本体10の内部に前後進可能に設けられる加圧部材30;加圧部材30を付勢するスプリング40;本体10の上部に設けられるカバー50;カバー50の内部に固定される固定体60;カバー50に貫設されるボタン70を含んで構成される。
【0019】
本体10は、上部が開放されたバー(bar)形状を有し、その下部には連通孔11が形成されている。
【0020】
このような本体10は、物的特性に優れた合成樹脂材質からなることが好ましい
【0021】
また、本体10の先端には、調理容器C(
図10参照)の一側面を支持する容器支持部12が一体に形成され、その内部には、スプリング40が収容されて取り付けられる溝状のスプリング取付部14が形成されている。
【0022】
さらに、本体10の底面には、スリット状の複数の遊動防止溝部16が並んで形成されている。
【0023】
レバー20は、その一端部が本体10にピン結合されて本体10に対して所定の角度でティルト動作し、本体10の内部に挿入されるレバー20の内側には係止部22が上方向に突設されている。
【0024】
係止部22は、加圧部材30に接触できるように本体10の連通孔11に対応して位置し、このような係止部22としては、レバー20の動作を円滑に実現すると共にレバー20の動作による損傷(摩耗など)を最小限に抑えるために、回転ローラを用いることが好ましい。回転ローラは、レバー20の引き動作によって加圧部材30の支持部34に形成されている連動ガイド34bに沿って転がり接触する。
【0025】
例えば、係止部22として回転ローラを用いない場合は、加圧部材30との摩擦により、レバー20の動作がスムーズに行われなくなったり、摩耗が発生するという問題が生じ得る。
【0026】
また、係止部22として用いられる回転ローラは、レバー20に一体に形成されている一対の結合部26間に着脱可能に結合される。
【0027】
さらに、レバー20には、本体10の遊動防止溝部16に対応結合される遊動防止突起部24が形成され、このような遊動防止突起部24により、本体20との結合状態を強固かつ安定して維持することができる。
【0028】
一方、レバー20は、物的特性に優れた合成樹脂材質からなり、レバー20及び本体10の結合状態を一層強化できるように、レバー20の遊動防止突起部24及び本体10の遊動防止溝部16に磁力成分がさらに含有されるようにしてもよい。
【0029】
加圧部材30は、その前後進動作により調理容器C(
図10参照)を選択的に加圧するためのものであり、このような加圧部材30は、金属製の板状体からなることが好ましい。
【0030】
また、加圧部材30には、本体10の容器支持部12に対応する容器加圧部32が折曲形成されると共に、レバー20の係止部22を選択的に支持する支持部34が形成されている。
【0031】
特に、支持部34は、支持台34a;支持台34aから下向きに傾斜して形成される連動ガイド34bからなる。
【0032】
支持台34aは、レバー20の係止部22を強固かつ安定して加圧支持する役割を果たし、連動ガイド34bは、レバー20の係止部22の移動と連動して係止部22を支持台34aに簡便かつ安定して案内する役割を果たす。
【0033】
このような支持台34a及び連動ガイド34bは、別途の部材を用いるのではなく、加圧部材30の板面の所定の部分を切開して下向きに傾斜するように折曲形成するので、その形成作業が容易である。
【0034】
また、加圧部材30の端部には、スプリング40に嵌められて支持される嵌合突起部36が一体に突設されている。
【0035】
一方、レバー20の係止部22に接触する支持台34aの部位には、滑りを防止して係止部22の支持状態をより安定して維持するように、滑り防止コーティング層や滑り防止溝などがさらに形成されてもよく、加圧部材30の容器加圧部32には、調理容器C(
図10参照)との密着力を高めるために、ゴムカバーが備えられることが好ましい。
【0036】
スプリング40は、本体10のスプリング取付部14に取り付けられた状態で加圧部材30を付勢する役割を果たす。
【0037】
このようなスプリング40により、加圧部材30の弾性的な前後進動作が可能になる。
【0038】
一方、スプリング40としては、圧縮スプリングをはじめ、公知の様々な種類のものを選択的に適用することができる。
【0039】
カバー50は、合成樹脂材質からなり、本体10に対応結合され、下部が開放されたバー形状を有する。
【0040】
また、カバー50は、ネジなどにより、本体10に着脱可能に結合されることが好ましい。このようなカバー50の上面には、所定の大きさのボタン設置孔52が形成されている。
【0041】
固定体60は、カバー50のボタン設置孔52と対応するようにカバー50の内部に安着され、貫通孔63が形成されている安着台62;安着台62の一端に形成され、カバー50に固定される固定片64からなる。
【0042】
特に、安着台62の貫通孔63は、レバー20の結合部26と対応する位置に設けられている。
【0043】
ボタン70は、固定体60にヒンジH結合されてカバー50のボタン設置孔52を介して外部に突出しており、先端の引き動作により一定角度に回転してレバー20の係止部22を押し下げて移動させることによって、加圧部材30の支持部34への支持状態を解除する。
【0044】
そのようなボタン70は流線形のプレートの形状をしている。そして、ボタン70の底面後端には引き動作により連動され、固定体60の安着台62に形成された貫通孔63を通過して外部に突出してレバー20の係止部22を押す一対の押さえ突起72が形成されている。
【0045】
また、ボタン70は、引き動作が容易になるように先端が上方に折り曲げられた構造を有することが好ましい。
【0046】
上記のボタン70は、その構造的特徴により、引き動作をより容易に実施することができ、頻繁な引き動作による損傷や故障を最小限に抑えることができる。
【0047】
以下、以上説明した調理容器用着脱式取っ手の作動状態について
図10を参照して説明する。
【0048】
まず、
図10の(a)は取っ手が調理容器Cから脱着された状態を示すものであり、カバー50内部の固定体60とヒンジ係合した状態のボタン70の引き動作によりレバー20がティルト動作して本体10に対して下降すると共に、加圧部材30の容器加圧部32は本体10の容器支持部12から所定距離離隔した状態を維持する。
【0049】
このとき、加圧部材30は、スプリング40により前進されている状態を維持し、レバー20の係止部22は、加圧部材30に形成されている支持部34に接触した状態で移動する。
【0050】
そして、レバー20を所定の外力で引くと、
図10の(b)のように、レバー20の係止部22が加圧部材30の支持部34に沿って上方に移動してスプリング40の付勢力により支持部34に支持されることにより、
図10の(c)のように、取っ手が調理容器Cに装着される。
【0051】
このとき、加圧部材30は、スプリング40に付勢された状態でレバー20の係止部22との接触により前後進動作が行われる。
【0052】
また、
図11~
図16に示すように、本発明の第1実施例による調理容器用着脱式取っ手は、本体10;本体10の下部にヒンジ結合されるレバー20;本体10の内部に前後進可能に設けられる加圧部材30;加圧部材30を付勢するスプリング40;本体10の上部に設けられるカバー50;カバー50に貫設されるボタン70を含んで構成される。
【0053】
カバー50の上面にはボタン設置孔52が形成され、その内部にはボタン70の位置状態を安定して保持するための一対の固定突起部54が形成されている。
【0054】
ボタン70は、カバー50のボタン設置孔52に上下流動可能に設けられ、押す動作によりレバー20の係止部22(
図5参照)を押し下げて押圧部材30の支持部34への支持状態を解除する。
【0055】
また、ボタン70の下端外側には、カバー50の固定突起部54に結合される結合孔71aが形成されている離脱防止翼部72aが設けられている。このような離脱防止翼部72aによってボタン70が上部に離脱することを防止することができる。そして、ボタン70には、レバー20の係止部22(
図5参照)または結合部26(
図5参照)を押下するための接触部74aが形成されている。
【0056】
一方、本体10、レバー20、押圧部材30及びばね40は、
図1~
図9で説明したものと同様の構成であるので、その詳細な説明は省略する。
【符号の説明】
【0057】
10 本体
12 容器支持部
16 遊動防止溝部
20 レバー
22 係止部
24 遊動防止突起部
30 加圧部材
32 容器加圧部
34 支持部
34a 支持台
34b 連動ガイド
36 嵌合突起部
40 スプリング
50 カバー
52 ボタン設置孔
54 拘束突起
60 固定体
70 ボタン