(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000039
(43)【公開日】2024-01-05
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/27 20180101AFI20231225BHJP
F21S 43/241 20180101ALI20231225BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20231225BHJP
F21S 43/245 20180101ALI20231225BHJP
F21S 43/249 20180101ALI20231225BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20231225BHJP
F21W 103/10 20180101ALN20231225BHJP
F21W 103/55 20180101ALN20231225BHJP
F21W 105/00 20180101ALN20231225BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231225BHJP
F21Y 113/13 20160101ALN20231225BHJP
【FI】
F21S43/27
F21S43/241
F21S43/14
F21S43/245
F21S43/249
F21W103:20
F21W103:10
F21W103:55
F21W105:00
F21Y115:10
F21Y113:13
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098556
(22)【出願日】2022-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】小野塚 貴昭
(57)【要約】
【課題】導光体を傷付けることなく、取付部材に対して導光体を容易に取り付けることを可能とした車両用灯具を提供する。
【解決手段】光源と、光源から出射された光を導光させる導光体3と、導光体3が取り付けられる取付部材4と、取付部材4に対して導光体3を取り付ける取付構造20とを備え、取付構造20は、取付部材4の正面側に対して導光体3の一方側を固定する第1の固定部21と、取付部材4の背面側に対して導光体3の他方側を固定する第2の固定部22とを有する。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源から出射された光を導光させる導光体と、
前記導光体が取り付けられる取付部材と、
前記取付部材に対して前記導光体を取り付ける取付構造とを備え、
前記取付構造は、前記取付部材の正面側に対して前記導光体の一方側を固定する第1の固定部と、
前記取付部材の背面側に対して前記導光体の他方側を固定する第2の固定部とを有することを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記導光体は、前記一方側と前記他方側との間で延在する導光部と、
前記導光部の前記他方側の端部に位置して、前記光源から出射された光を前記導光部の内部へと入射する入射部と、
前記導光部の背面側に位置して、前記導光部の前記一方側に向かって導光される光を前記導光部の正面側に向けて反射する反射部と、
前記導光部の正面側に位置して、前記反射部で反射された光を前記導光部の外部へと出射する出射部とを有し、
前記導光部の一部は、前記入射部に接続する屈曲部を備えて構成され、
取り付けられる状態では、前記導光部の少なくても前記出射部が前記取付部材の正面側に位置しており、
前記入射部は、前記取付部材の背面側を越えて前記車両用灯具の後方へと突出して延びることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
取付時、前記取付構造の前記第2の固定部が位置決め構成やネジを用いることで、前記導光体の他方側に設けられる固定片を前記取付部材の背面側に係合して固定することを特徴とする請求項2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記取付構造は、前記取付部材の一部を切り欠く切欠凹部を有し、
前記導光体の前記入射部が前記切欠凹部の背面側に位置することを特徴とする請求項3に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記導光体は、前記第1の固定部と前記第2の固定部との間で前記取付部材とは非接触な状態で、前記取付部材に対して取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両に搭載される車両用灯具は、前面が開口したハウジングと、ハウジングの開口を覆うカバーレンズ(アウターレンズ)とにより構成される灯体の内側に、光源やインナーレンズ、リフレクタ、エクステンションなどの部品を配置し、これらの部品をブラケット等を介して取り付けた構造を有している(例えば、下記特許文献1を参照。)。
【0003】
具体的に、下記特許文献1には、ベース部材にリフレクタを取り付けた後、導光体の一方側の端面部をリフレクタの一方側の差込み孔に差し込んだ状態で、この差込み孔を支点として導光体をベース部材側に傾けながら、導光体の他方側の端面部をリフレクタの他方側の差込み孔に差し込むことによって、導光体をリフレクタに取り付ける構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した導光体の取付構造では、導光体を傷付けてしまうおそれがあり、その改善が求められている。
【0006】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、導光体を傷付けることなく、取付部材に対して導光体を容易に取り付けることを可能とした車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕 光源と、
前記光源から出射された光を導光させる導光体と、
前記導光体が取り付けられる取付部材と、
前記取付部材に対して前記導光体を取り付ける取付構造とを備え、
前記取付構造は、前記取付部材の正面側に対して前記導光体の一方側を固定する第1の固定部と、
前記取付部材の背面側に対して前記導光体の他方側を固定する第2の固定部とを有することを特徴とする車両用灯具。
〔2〕 前記導光体は、前記一方側と前記他方側との間で延在する導光部と、
前記導光部の前記他方側の端部に位置して、前記光源から出射された光を前記導光部の内部へと入射する入射部と、
前記導光部の背面側に位置して、前記導光部の前記一方側に向かって導光される光を前記導光部の正面側に向けて反射する反射部と、
前記導光部の正面側に位置して、前記反射部で反射された光を前記導光部の外部へと出射する出射部とを有し、
前記導光部の一部は、前記入射部に接続する屈曲部を備えて構成され、
取り付けられる状態では、前記導光部の少なくても前記出射部が前記取付部材の正面側に位置しており、
前記入射部は、前記取付部材の背面側を越えて前記車両用灯具の後方へと突出して延びることを特徴とする前記〔1〕に記載の車両用灯具。
〔3〕 取付時、前記取付構造の前記第2の固定部が位置決め構成やネジを用いることで、前記導光体の他方側に設けられる固定片を前記取付部材の背面側に係合して固定することを特徴とする前記〔2〕に記載の車両用灯具。
〔4〕 前記取付構造は、前記取付部材の一部を切り欠く切欠凹部を有し、
前記導光体の前記入射部が前記切欠凹部の背面側に位置することを特徴とする前記〔3〕に記載の車両用灯具。
〔5〕 前記導光体は、前記第1の固定部と前記第2の固定部との間で前記取付部材とは非接触な状態で、前記取付部材に対して取り付けられていることを特徴とする前記〔3〕に記載の車両用灯具。
【発明の効果】
【0008】
以上のように、本発明によれば、導光体を傷付けることなく、取付部材に対して導光体を容易に取り付けることを可能とした車両用灯具を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る車両用灯具の構成を示す正面図である。
【
図2】
図1に示す車両用灯具が備える光源を示す斜視図である。
【
図3】
図1中に示す囲み部分Aを拡大した車両用灯具の正面図である。
【
図4】
図1中に示す囲み部分Bを拡大した車両用灯具の背面図である。
【
図5】
図1中に示す線分C-Cによる車両用灯具の断面図である。
【
図6】
図1中に示す線分D-Dによる車両用灯具の断面図である。
【
図7】
図1に示す車両用灯具が備える導光レンズの正面図である。
【
図8】
図1に示す車両用灯具が備える導光レンズの背面図である。
【
図9】
図1に示す車両用灯具が備える導光レンズの側面図である。
【
図10】
図1に示す車両用灯具が備えるブラケットの正面図である。
【
図11】
図1に示す車両用灯具が備えるブラケットの背面図である。
【
図12】
図1に示す車両用灯具の取付方向を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0011】
本発明の一実施形態として、例えば
図1~
図12に示す車両用灯具1について説明する。
なお、
図1は、車両用灯具1の構成を示す正面図である。
図2は、車両用灯具1が備える光源2を示す斜視図である。
図3は、
図1中に示す囲み部分Aを拡大した車両用灯具1の正面図である。
図4は、
図1中に示す囲み部分Bを拡大した車両用灯具1の背面図である。
図5は、
図1中に示す線分C-Cによる車両用灯具1の断面図である。
図6は、
図1中に示す線分D-Dによる車両用灯具1の断面図である。
図7は、車両用灯具1が備える導光レンズ3の正面図である。
図8は、車両用灯具1が備える導光レンズ3の背面図である。
図9は、車両用灯具1が備える導光レンズ3の側面図である。
図10は、車両用灯具1が備えるブラケット4の正面図である。
図11は、車両用灯具1が備えるブラケット4の背面図である。
図12は、車両用灯具1の取付方向を示す図である。
【0012】
また、以下に示す図面では、XYZ直交座標系を設定し、X軸方向を車両用灯具1の前後方向(長さ方向)、Y軸方向を車両用灯具1の左右方向(幅方向)、Z軸方向を車両用灯具1の上下方向(高さ方向)として、それぞれ示すものとする。
【0013】
本実施形態の車両用灯具1は、例えば、車両(図示せず。)の前端側の両コーナー部(本実施形態では左前端側のコーナー部)に搭載されるヘッドランプユニットのうち、白色で発光する昼間点灯ランプ(DRL:Daytime Running Lamps)と、白色で発光する車幅灯(ポジションランプ)と、橙色で点滅発光する方向指示器(ターンランプ)とを組み合わせたトリファンクションランプに本発明を適用したものである。
【0014】
本実施形態の車両用灯具1は、
図1及び
図2に示すように、光源2と、光源2から出射された光を導光させる導光レンズ3と、導光レンズが取り付けられるブラケット4とを備え、これらが灯体(図示せず。)の内側に配置された構造を有している。
【0015】
なお、灯体は、前面が開口したハウジングと、このハウジングの開口を覆う透明なアウターレンズ(カバーレンズ)とにより構成される。また、灯体の形状については、車両のデザイン等に合わせて、適宜変更することが可能である。
【0016】
光源2は、
図2、
図5及び
図6に示すように、複数の発光ダイオード(LED)2a,2bを含み、これら複数のLED2a,2bが実装基板5の一面側(本実施形態では正面側)に実装された構造を有している。
【0017】
具体的に、本実施形態の光源2は、DRL兼ポジションランプ用光源として、白色光を発する複数のLED2aと、ターンランプ用光源として、橙色光を発する複数のLED2bとが実装基板5の縦及び横方向(上下左右方向)に並んで実装された構造を有している。なお、実装基板5は、ハウジングに固定されている。
【0018】
また、実装基板5の他面(本実施形態では背面)側には、複数のLED2a,2bが発する熱を放熱させるためのヒートシンク(図示せず。)が取り付けられている。さらに、実装基板5は、複数のLED2a,2bを駆動する駆動回路が設けられた回路基板(図示せず。)とハーネスと呼ばれる配線コードを介して電気的に接続されている。これにより、複数のLED2a,2bが発する熱から駆動回路を保護することが可能となっている。
【0019】
光源2は、複数のLED2a,2bから前方の導光レンズ3に向けて光を放射状に出射する。なお、光源2については、上述した構成に必ずしも限定されるものではなく、LED2a,2bの数や配置など適宜変更することが可能である。
【0020】
導光レンズ3は、
図7、
図8、
図9及び
図12に示すように、例えばポリカーボネイトやアクリル等の透明樹脂やガラスなどの光透過性部材からなる長尺の導光体である。なお、導光レンズ3の形状については、車両用灯具のデザイン等に合わせて、適宜変更することが可能である。
【0021】
導光レンズ3は、導光部6と、導光部6の基端側に位置する入射部7と、導光部6の背面側に位置する反射部8と、導光部6の正面側に位置する出射部9とを有している。導光レンズ3の導光部6の一部は、入射部7に接続する屈曲部10を備えて構成される。本実施形態の車両用灯具1では、導光レンズ3全体がくの字状となっているため、入射部7と導光部6の先端側との間に少なくとも一つの湾曲部10aを含むことができる。
【0022】
導光部6は、互いに隣り合うもの同士が幅方向(左右方向)に連結された状態で、互いに同一方向に向けて延在した形状を有している。また、導光部6は、光源2と対向する基端側から前方に向かって延在し、屈曲部10で屈曲しながら、その先端側が下方に向かって延在した形状を有している。なお、屈曲部10の形状については、車両用灯具のデザイン等に合わせて、適宜変更することが可能である。
【0023】
入射部7は、導光部6の基端側の端部に位置して、光源2と対向する平坦(平面)な入射面7aを有している。入射部7は、この入射面7aから光源2から出射された光を導光部6の内部へと入射する。これにより、入射面7aから入射した光は、導光部6の内部で反射を繰り返しながら、導光部6の先端側に向けて導光されることになる。
【0024】
また、入射部7については、上述した平坦(平面)な入射面7aを有する構成に限らず、光源2から放射状に出射された光を平行化又は集光しながら、導光部6の内部へと入射するレンズ形状を有する構成であってもよい。
【0025】
なお、
図6に示すように、入射部7は、後述するブラケット4を越えて後方へと延びている。これにより、導光レンズ3がブラケット4に取り付けられた状態では、ブラケット4は入射部7以外の部分をその内側に収納するようになる。言い換えれば、入射部7はブラケット4を越えてその外側に延びている。
【0026】
反射部8は、導光部6の背面側に位置して、導光部6が延在する方向(本実施形態では上下方向)に並ぶ複数の反射カット8aを有している。複数の反射カット8aについては、導光部6の背面側に入射した光を導光部6の正面側から外部へと出射(透過)する角度で反射させるものであればよく、その形状や大きさ、数等について、特に限定されるものではない。本実施形態では、複数の反射カット8aとして、導光部6の背面側を左右方向に切り欠く断面略三角形状の溝部が上下方向に並んで設けられている。
【0027】
また、複数の反射カット8aは、後述する出射部9から出射される光を導光部6が延在する方向(上下方向)に均一化するため、導光部6の基端側から先端側に向かって、反射カット8aを形成する溝部の深さが漸次深くなっている。若しくは、導光部6の基端側から先端側に向かって、複数の反射カット8aの隣り合う間隔が漸次狭くなっていてもよい。
【0028】
出射部9は、導光部6の正面側に位置して、導光部6が延在する方向(上下方向)に連続した出射面9aを有している。出射部9では、複数の反射カット8a(反射部8)により反射された光を出射面9aから導光部6の外部へと出射する。
【0029】
ブラケット4は、
図10及び
図11に示すように、導光レンズ3を取り付けるための取付部材である。なお、ブラケット4の形状については、導光レンズ3の形状に合わせて、適宜変更することが可能である。
【0030】
ブラケット4に取り付けられることによって、導光レンズ3がブラケット4に支持されるため、ブラケット4は導光レンズ3を収納できるように構成されることができる。なお、明細書に記載する際は便宜上、導光レンズ3に対向する部分をブラケットの「内側」若しくは「正面側」とし、その反面をブラケットの「外側」若しくは「背面側」とする場合がある。
【0031】
また、ブラケット4は、例えば白色のガラスエポキシ樹脂などの光拡散性を有する反射部材や、アルミ蒸着膜などの反射膜が設けられた反射部材からなる。これにより、ブラケット4は、導光部6の背面側から外部に漏れ出した光を導光部6に向けて反射するリフレクタとしての機能を有している。このリフレクタにより反射された光は、再び導光部6の内部へと入射することから、導光部6の内部で導光される光の利用効率を高めることが可能である。
【0032】
以上のような構成を有する本実施形態の車両用灯具1では、DRLとして、昼間に光源2内にあるLED2aの全てを点灯させることによって、導光レンズ3を白色発光させることが可能である。
【0033】
一方、本実施形態の車両用灯具1では、ポジションランプとして、夜間に光源2内にあるLED2aの一部を点灯させることによって、導光レンズ3を白色発光させることが可能である。
【0034】
一方、本実施形態の車両用灯具1では、ターンランプとして、光源2内にあるLED2bを点滅させることによって、導光レンズ3を点滅させながら橙色発光させることが可能である。
【0035】
なお、車両用灯具1では、各国の法規に応じて、ターンランプの点滅(点灯)中は、DRL又はポジションランプを点灯させたままとしたり、DRL又はポジションランプを消灯させたりすることが可能である。
【0036】
ところで、本実施形態の車両用灯具1は、
図1、
図3~
図6に示すように、ブラケット4に対して導光レンズ3を取り付けるための取付構造20を備えている。
【0037】
具体的に、この取付構造20は、ブラケット4の正面側に対して導光レンズ3の一方側(本実施形態では下方側)を固定する第1の固定部21と、ブラケット4の背面側に対して導光レンズ3の他方側(本実施形態では上方側)を固定する第2の固定部22とを有している。
【0038】
第1の固定部21は、ブラケット4の正面側に対して導光レンズ3の一方側をフック止めにより固定するものであり、
図7~
図9に示す導光レンズ3側に設けられた第1の固定片23、弾性片24及び係止爪25と、
図10及び
図11に示すブラケット4側に設けられた当接部26及び係止孔27とを有している。
【0039】
第1の固定片23は、導光レンズ3の一方側(下方側)の端部から下方に突出して設けられている。弾性片24は、第1の固定片23に設けられた開口部23aの内側から上方に向かって突出して設けられている。係止爪25は、弾性片24の先端側(上端側)から前方に突出して設けられている。当接部26は、ブラケット4の導光レンズ3の一方側(下方側)の端部と対向する位置から前方に突出して設けられている。係止孔27は、第1の固定片23の対応した形状で当接部26を貫通して設けられている。
【0040】
第1の固定部21では、
図3に示すように、ブラケット4の係止孔27に導光レンズ3の第1の固定片23を下方に向かって挿入し、導光レンズ3の一方側(下方側)の端部をブラケット4の当接部26に当接した状態とする。このとき、弾性片24が弾性変形しながら、この弾性片24の先端側(上端側)に設けられた係止爪25が係止孔27を貫通することによって、係止孔27が係止孔27の周囲に係止された状態となる。
【0041】
これにより、第1の固定部21では、ブラケット4の正面側に対して導光レンズ3の一方側(下方側)をフック止めにより固定することが可能である。
【0042】
第2の固定部22は、ブラケット4の背面側に対して導光レンズ3の他方側をネジ止めにより固定するものであり、
図7~
図9に示す導光レンズ3側に設けられた第2の固定片28、位置決め凹部29及び固定孔30と、
図10及び
図11に示すブラケット4側に設けられた位置決めピン31、ボス32及びネジ穴33と、ネジ34とを有している。
【0043】
第2の固定片28は、導光レンズ3の他方側(上方側)の入射部7と屈曲部10との間から側方に突出して設けられている。本実施形態の車両用灯具1では、第2の固定片28は、入射面7aと一つ目の湾曲部10bとの間に設けられている。
【0044】
位置決め凹部29は、第2の固定片28の下端部を上方に向かって切り欠くように設けられている。固定孔30は、第2の固定片28の位置決め凹部29よりも上方に位置して、第2の固定片28を貫通して設けられている。位置決めピン31は、ブラケット4の位置決め凹部29と対向する位置から後方に突出して設けられている。ボス32は、ブラケット4の固定孔30と対向する位置から後方に突出して設けられている。ネジ穴33は、ボス32の先端に設けられている。
【0045】
また、第2の固定部22は、上述した構成に必ずしも限定されなくてもよく、例えば、導光レンズ3側の位置決め凹部29と固定孔30との位置関係を適宜に調整することができる。これに伴って、ブラケット4側の位置決めピン31とボス32及びネジ穴33等を適宜調整すればよい。
【0046】
本実施形態の車両用灯具1では、
図4に示すように、上述したブラケット4の係止孔27に導光レンズ3の第1の固定片23を下方に向かって挿入したときに、導光レンズ3の位置決め凹部29にブラケット4の位置決めピン31を係合させることによって、第2の固定片28がボス32の先端と当接されると共に、導光レンズ3の固定孔30とブラケット4のネジ穴33とが一致した状態となる。この状態で、固定孔30を通してネジ34をネジ穴33に螺合する。
【0047】
これにより、第2の固定部22では、ブラケット4の背面側に対して導光レンズ3の他方側(上方側)をネジ止めにより固定することが可能である。
【0048】
また、導光レンズ3は、
図6に示すように、第1の固定部21と第2の固定部22との間でブラケット4とは非接触な状態で、ブラケット4に対して取り付けられている。
【0049】
以上のように、本実施形態の車両用灯具1では、上述した取付構造20を備えることによって、導光レンズ3を傷付けることなく、ブラケット4に対して導光レンズ3を容易に取り付けることが可能である。
【0050】
具体的に、
図12に示すように、本実施形態の取付構造20では、導光レンズ3をブラケット4に取り付ける際に、ブラケット4に対して導光レンズ3を一方向から(本実施形態では上から下へ)取り付けるようにすればよい。その際に導光レンズ3の導光部6がブラケット4と接触することがない。このため、導光レンズ3を傷付けることなく、ブラケット4に対して導光レンズ3を容易に取り付けることが可能である。
【0051】
また、本実施形態の取付構造20は、
図10及び
図11に示すブラケット4の一部を切り欠く切欠凹部35を有している。切欠凹部35は、ブラケット4の上端部を導光部6に対応した幅で下方に向かって切り欠くように設けられている。
【0052】
これにより、導光レンズ3は、
図1及び
図4に示すように、導光部6の入射部7が切欠凹部35の背面側に位置するように、ブラケット4に対して取り付けられている。
【0053】
本実施形態の車両用灯具1では、
図5に示すように、導光部6の入射部7が切欠凹部35の背面側に位置することで、導光部6の内部で導光される光うち、第2の固定片28から外部に漏れ出した光L’をブラケット4の切欠凹部35の周囲で遮光することが可能である。これにより、漏れ光L’による点光りが発生することを防ぐことが可能である。
【0054】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記取付構造20では、上述した第1の固定部21をフック止めにより固定し、第2の固定部22をネジ止めにより固定する構成となっているが、第1の固定部21及び第2の固定部22については、上述したフック止めやネジ止めに限らず、その固定方法を適宜変更することが可能である。
【0055】
なお、上記実施形態では、車両の前端側の両コーナー部に搭載される車両用灯具として、DRLとポジションランプとターンランプとを組み合わせたトリファンクションランプに本発明を適用した場合を例示しているが、ポジションランプとターンランプとを組み合わせたポジションランプ兼ターンランプに本発明を適用することも可能である。
【0056】
また、車両の後端側の両コーナー部に搭載される車両用灯具として、赤色発光する尾灯(テールランプ)とターンランプとを組み合わせたテールランプ兼ターンランプに本発明を適用することも可能である。
【0057】
また、各国の法規に応じて、ターンランプの点滅(点灯)中は、ポジションランプ又はテールランプを点灯させたままとしたり、ポジションランプ又はテールランプを消灯させたりすることも可能である。
【0058】
また、上記実施形態では、光源2として、色光の異なる複数のLED2a,2bを用いた場合を例示しているが、色光の同じ複数のLEDを用いた車両用灯具に対しても本発明を適用することが可能である。
【0059】
また、本発明が適用可能な車両用灯具については、色光の同じ複数のLEDを用いた場合、例えば、車両用前照灯(ヘッドランプ)、車幅灯(ポジションランプ)、補助前照灯(サブヘッドランプ)、前部(後部)霧灯(フォグランプ)、昼間点灯ランプ(DRL)、リッドランプ、尾灯(テールランプ)、ブレーキランプ(ストップランプ)、バックランプ、方向指示器(ウィンカーランプ)などの車両用灯具に対して、本発明を幅広く適用することが可能である。
【0060】
また、上記光源2については、上述したLED以外にも、例えばレーザーダイオード(LD)などの発光素子を用いることができる。また、発光素子が発する光の色についても、白色光や赤色光、橙色光など、その用途に応じて適宜変更することも可能である。
【0061】
また、本発明は、上述した車両用灯具以外にも、例えば、車両用室内照明やアクセサリーランプなどにも適用可能である。
【符号の説明】
【0062】
1…車両用灯具 2…光源 2a,2b…LED 3…導光レンズ(導光体) 4…ブラケット(取付部材) 5…実装基板 6…導光部 7…入射部 8…反射部 9…出射部 10…屈曲部 10a,10b…湾曲部 20…取付構造 21…第1の固定部 22…第2の固定部 23…第1の固定片 24…弾性片 25…係止爪 26…当接部 27…係止孔 28…第2の固定片 29…位置決め凹部 30…固定孔 31…位置決めピン 32…ボス 33…ネジ穴 34…ネジ 35…切欠凹部