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特開2024-39004シールリング位置決め部品およびコネクタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039004
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】シールリング位置決め部品およびコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6581 20110101AFI20240313BHJP
   H01R 13/6582 20110101ALI20240313BHJP
   H01R 13/52 20060101ALI20240313BHJP
   H01R 13/506 20060101ALI20240313BHJP
【FI】
H01R13/6581
H01R13/6582
H01R13/52 301H
H01R13/506
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023143344
(22)【出願日】2023-09-05
(31)【優先権主張番号】202222385937.8
(32)【優先日】2022-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】シィアォピン リィー
(72)【発明者】
【氏名】スゥチィー セリーナ チェン
【テーマコード(参考)】
5E021
5E087
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA09
5E021FB07
5E021FC21
5E021FC40
5E021LA01
5E021LA09
5E021LA15
5E021LA21
5E087EE14
5E087FF12
5E087FF18
5E087JJ09
5E087LL03
5E087LL12
5E087MM05
5E087RR03
5E087RR12
5E087RR26
(57)【要約】      (修正有)
【課題】シールリング位置決め部品、およびシールリング位置決め部品を備えるコネクタを提供する。
【解決手段】シールリング位置決め部品は、コネクタの外側ハウジング1に装着されて、シールリングを外側ハウジングに位置決めするように構成されている。シールリング位置決め部品5は、周壁と、周壁の内周面に形成された押圧突起とを備える。押圧突起は、コネクタのシールドシェル3の2つのハーフシェルの外側に押圧されるように構成されて、シールドシェルの2つのハーフシェルの接合縁部が互いに接触するようになっている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタの外側ハウジング(1)に装着されて、シールリング(4)を前記外側ハウジング(1)に位置決めするように構成されているシールリング位置決め部品であって、
前記シールリング位置決め部品(5)は、
周壁(51)と、
前記周壁(51)の内周面に形成された押圧突起(50)と
を備え、
前記押圧突起(50)は、前記コネクタのシールドシェル(3)の2つのハーフシェル(31a)の外側に押圧されるように構成されて、前記シールドシェル(3)の前記2つのハーフシェル(31a)の接合縁部(31b)が互いに接触するようになっている、シールリング位置決め部品。
【請求項2】
前記押圧突起(50)は、前記シールリング位置決め部品(5)の軸方向に沿って延びる複数の突出リブ(53)を含み、
前記複数の突出リブ(53)は、前記シールリング位置決め部品(5)の周方向に離間している、請求項1に記載のシールリング位置決め部品。
【請求項3】
前記押圧突起(50)は、前記シールリング位置決め部品(5)の周方向に沿って延びる複数の突出リブを含み、
前記複数の突出リブは、前記シールリング位置決め部品(5)の前記周方向に離間している、請求項1に記載のシールリング位置決め部品。
【請求項4】
前記押圧突起(50)は、前記シールリング位置決め部品(5)の周方向に沿って連続して延びる単一の突出リブを含む、請求項1に記載のシールリング位置決め部品。
【請求項5】
前記突出リブ(53)は、板状で、前記周壁(51)に対して垂直である、請求項2に記載のシールリング位置決め部品。
【請求項6】
ガイド面(53a)が、前記突出リブ(53)の前端部に形成され、前記ガイド面(53a)は、前記シールリング位置決め部品(5)の前記軸方向に対して傾斜し、前記シールドシェル(3)の前記2つのハーフシェル(31a)を、前記複数の突出リブ(53)によって囲まれた空間に案内するために使用される、請求項2に記載のシールリング位置決め部品。
【請求項7】
前記周壁(51)は、前記シールリング位置決め部品(5)の前記軸方向において互いに反対の前端部と後端部とを有し、
前記周壁(51)の前記前端部は、前記シールリング(4)の後側に当接して、前記シールリング(4)を軸方向に位置決めするために使用される、請求項2に記載のシールリング位置決め部品。
【請求項8】
前記複数の突出リブ(53)は、前記周壁(51)の前記後端部に隣接し、前記シールドシェル(3)の前記2つのハーフシェル(31a)の後端部の外側に当接するために使用される、請求項7に記載のシールリング位置決め部品。
【請求項9】
前記周壁(51)の後端部に形成され、かつ前記シールリング位置決め部品(5)の内側に向かって径方向に突出する位置決めフランジ(52)をさらに備え、
前記位置決めフランジ(52)は、前記外側ハウジング(1)の第1の周壁(11)の後端面に当接して、前記シールリング位置決め部品(5)を軸方向に位置決めするように構成されている、請求項2に記載のシールリング位置決め部品。
【請求項10】
前記突出リブ(53)の後端部は、前記位置決めフランジ(52)の内側に接続されている、請求項9に記載のシールリング位置決め部品。
【請求項11】
前記周壁(51)の内面に形成されたバックル突起(55)をさらに備え、
前記バックル突起(55)は、前記外側ハウジング(1)のスナップスロット(1c)にスナップ留めされて、前記シールリング位置決め部品(5)を前記外側ハウジング(1)に固定するように構成されている、請求項1に記載のシールリング位置決め部品。
【請求項12】
前記周壁(51)の内面に形成されたフールプルーフ突起(54)をさらに備え、
前記フールプルーフ突起(54)は、前記外側ハウジング(1)のフールプルーフスロット(1b)に挿入されて、前記シールリング位置決め部品(5)が前記外側ハウジング(1)に正しい向きで取り付けられることを保証するように構成されている、請求項1に記載のシールリング位置決め部品。
【請求項13】
前記シールリング位置決め部品(5)は一体部品である、請求項1から12のいずれか一項に記載のシールリング位置決め部品。
【請求項14】
第1の周壁(11)および前記第1の周壁(11)によって囲まれた内側キャビティ(101)を含む外側ハウジング(1)と、
前記外側ハウジング(1)の前記内側キャビティ(101)に取り付けられ、かつ端子スロット(201)が形成された内側ハウジング(2)と、
前記内側ハウジング(2)の前記端子スロット(201)に設けられた端子と、
前記内側ハウジング(2)が設けられているシールドシェル(3)と、
前記外側ハウジング(1)の前記第1の周壁(11)に外装されたシールリング(4)と、
前記第1の周壁(11)の後端部に外装され、かつ前記シールリング(4)に当接する、請求項1から13のいずれか一項に記載の前記シールリング位置決め部品(5)と
を備え、
前記シールドシェル(3)は、端壁(32)と、前記端壁(32)に接続された2つのハーフシェル(31a)とを含み、前記2つのハーフシェル(31a)は、組み合わされて、前記シールドシェル(3)の外周壁(31)を形成し、
前記シールリング位置決め部品(5)の前記押圧突起(50)が、前記2つのハーフシェル(31a)の外側に押圧されて、前記シールドシェル(3)の前記2つのハーフシェル(31a)の前記接合縁部(31b)が、間隙なく互いに接触するようになっている、コネクタ。
【請求項15】
複数のスロット(1a)が、前記外側ハウジング(1)の後端部に形成され、前記複数のスロット(1a)は、前記外側ハウジング(1)の周方向に離間し、
前記シールリング位置決め部品(5)の前記押圧突起(50)は、複数の突出リブ(53)を含み、前記突出リブ(53)はそれぞれ、前記複数のスロット(1a)に挿入され、前記シールドシェル(3)の前記2つのハーフシェル(31a)の外側に当接する、請求項14に記載のコネクタ。
【請求項16】
スナップスロット(1c)が、前記第1の周壁(11)に形成され、前記スナップスロット(1c)は、前記シールリング位置決め部品(5)のバックル突起(55)に係合して、前記シールリング位置決め部品(5)を前記第1の周壁(11)に固定する、請求項14に記載のコネクタ。
【請求項17】
フールプルーフスロット(1b)が、前記第1の周壁(11)に形成され、前記フールプルーフスロット(1b)は、前記シールリング位置決め部品(5)のフールプルーフ突起(54)に係合して、前記シールリング位置決め部品(5)が前記外側ハウジング(1)に正しい向きで取り付けられることを保証する、請求項14に記載のコネクタ。
【請求項18】
前記外側ハウジング(1)は、
前記第1の周壁(11)を取り囲む第2の周壁(13)と、
前記第1の周壁(11)と前記第2の周壁(13)との間に接続された径方向壁(14)と
をさらに含み、
間隙(103)が、前記第1の周壁(11)と前記第2の周壁(13)との間に形成されて、相手側コネクタの相手側ハウジングの挿入を可能にし、
前記シールリング(4)の前側および後側がそれぞれ、前記径方向壁(14)および前記シールリング位置決め部品(5)に当接して、前記シールリング(4)を軸方向に位置決めし、
前記シールリング(4)は、前記相手側ハウジングと前記外側ハウジング(1)の前記第1の周壁(11)との間で径方向に圧縮されて、前記相手側ハウジングと前記外側ハウジング(1)の前記第1の周壁(11)との間にシールを実現するように構成されている、請求項14に記載のコネクタ。
【請求項19】
前記外側ハウジング(1)は、前記第1の周壁(11)の前端部に接続された前端壁(12)をさらに含み、
ケーブル孔(102)が、前記外側ハウジング(1)の前記前端壁(12)に形成され、ケーブル貫通孔(33)が、前記シールドシェル(3)の前記端壁(32)に形成され、
前記コネクタは、ケーブルをさらに備え、前記ケーブルの一端部が、前記ケーブル孔(102)および前記ケーブル貫通孔(33)を通って前記端子スロット(201)に挿入され、前記端子に電気的に接続されている、請求項18に記載のコネクタ。
【請求項20】
前記シールドシェル(3)の内部に向かって曲げられた複数の第1の弾性片(3a)が、前記シールドシェル(3)の前記外周壁(31)の後縁部に形成され、前記第1の弾性片(3a)は、前記相手側コネクタの相手側シールドシェルに電気的に接触するために使用され、
前記シールドシェル(3)の内部に向かって曲げられた複数の第2の弾性片(3b)が、前記シールドシェル(3)の前記ケーブル貫通孔(33)の縁部に形成され、前記複数の第2の弾性片(3b)は、前記ケーブルのシールド層に電気的に接触するために使用され、
前記シールリング位置決め部品(5)の前記押圧突起(50)は、前記シールドシェル(3)の後端部の外側に当接して、前記第1の弾性片(3a)を支持する、請求項19に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、開示全体が参照により本明細書に組み込まれている、2022年9月8日に中国国家知識産権局に出願された中国特許出願第CN202222385937.8号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、シールリング位置決め部品、およびシールリング位置決め部品を備えるコネクタに関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術において、コネクタは、一般的に、外側ハウジングと、内側ハウジングと、端子と、シールドシェルとを備える。内側ハウジングは外側ハウジングに取り付けられ、端子は内側ハウジングに取り付けられ、シールドシェルは、内側ハウジングの外側に外装される。外側ハウジングは、通常、一体の射出成形部品であり、シールドシェルは、通常、一体の金属打抜き部品である。シールドシェルは、通常、端壁と、端壁に接続された2つのハーフシェルとを含み、2つのハーフシェルは、組み合わされて、シールドシェルの外周壁を形成する。従来技術において、射出成形を容易にするために、外側ハウジングは、ある一定の傾斜を有する必要があり、これにより、シールドシェルの2つのハーフシェルを閉じることができず、2つのハーフシェルの接合縁部間にある一定の間隙が生じるため、コネクタの電磁シールド効果が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の欠点のうちの少なくとも1つの局面を克服または軽減するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の態様によれば、シールリング位置決め部品が提供される。シールリング位置決め部品は、コネクタの外側ハウジングに装着されて、シールリングを外側ハウジングに位置決めするように構成されている。シールリング位置決め部品は、周壁と、周壁の内周面に形成された押圧突起とを含む。押圧突起は、コネクタのシールドシェルの2つのハーフシェルの外側に押圧されるように構成されて、シールドシェルの2つのハーフシェルの接合縁部が互いに接触するようになっている。
【0006】
本発明の例示的な実施形態によれば、押圧突起は、シールリング位置決め部品の軸方向に沿って延びる複数の突出リブを含み、複数の突出リブは、シールリング位置決め部品の周方向に離間している。
【0007】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、押圧突起は、シールリング位置決め部品の周方向に沿って延びる複数の突出リブを含み、複数の突出リブは、シールリング位置決め部品の周方向に離間している。
【0008】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、押圧突起は、シールリング位置決め部品の周方向に沿って連続して延びる(周方向に沿って連続して一周する、周方向に沿った1つの円で連続して延びる, continuously extending one circle along a circumferential direction)単一の突出リブを含む。
【0009】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、突出リブは、板状で、周壁に対して垂直である。
【0010】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、ガイド面が、突出リブの前端部に形成され、ガイド面は、シールリング位置決め部品の軸方向に対して傾斜し、シールドシェルの2つのハーフシェルを、複数の突出リブによって囲まれた空間に案内するために使用される。
【0011】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、周壁は、シールリング位置決め部品の軸方向において互いに反対の前端部と後端部とを有し、周壁の前端部は、シールリングの後側に当接して、シールリングを軸方向に位置決めするために使用される。
【0012】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、複数の突出リブが、周壁の後端部に隣接し、シールドシェルの2つのハーフシェルの後端部の外側に当接するために使用される。
【0013】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、シールリング位置決め部品は、周壁の後端部に形成され、かつシールリング位置決め部品の内側に向かって径方向に突出する位置決めフランジをさらに備え、位置決めフランジは、外側ハウジングの第1の周壁の後端面に当接して、シールリング位置決め部品を軸方向に位置決めするように構成されている。
【0014】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、突出リブの後端部は、位置決めフランジの内側に接続されている。
【0015】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、シールリング位置決め部品は、周壁の内面に形成されたバックル突起をさらに備え、バックル突起は、外側ハウジングのスナップスロットにスナップ留めされて、シールリング位置決め部品を外側ハウジングに固定するように構成されている。
【0016】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、シールリング位置決め部品は、周壁の内面に形成されたフールプルーフ突起をさらに備え、フールプルーフ突起は、外側ハウジングのフールプルーフスロットに挿入されて、シールリング位置決め部品が外側ハウジングに正しい向きで取り付けられることを保証するように構成されている。
【0017】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、シールリング位置決め部品は一体部品である。
【0018】
本発明の別の態様によれば、コネクタが提供される。コネクタは、第1の周壁および第1の周壁によって囲まれた内側キャビティを含む外側ハウジングと、外側ハウジングの内側キャビティに取り付けられ、かつ端子スロットが形成された内側ハウジングと、内側ハウジングの端子スロットに設けられた端子と、内側ハウジングが設けられているシールドシェルと、外側ハウジングの第1の周壁に外装されたシールリングと、第1の周壁の後端部に外装され、かつシールリングに当接する上記のシールリング位置決め部品とを備える。シールドシェルは、端壁と、端壁に接続された2つのハーフシェルとを含み、2つのハーフシェルは、組み合わされて、シールドシェルの外周壁を形成し、シールリング位置決め部品の押圧突起が、2つのハーフシェルの外側に押圧されて、シールドシェルの2つのハーフシェルの接合縁部が、間隙なく互いに接触するようになっている。
【0019】
本発明の例示的な実施形態によれば、複数のスロットが、外側ハウジングの後端部に形成され、複数のスロットは、外側ハウジングの周方向に離間し、シールリング位置決め部品の押圧突起は、複数の突出リブを含み、これらの突出リブはそれぞれ、複数のスロットに挿入され、シールドシェルの2つのハーフシェルの外側に当接する。
【0020】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、スナップスロットが、第1の周壁に形成され、スナップスロットは、シールリング位置決め部品のバックル突起に係合して、シールリング位置決め部品を第1の周壁に固定する。
【0021】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、フールプルーフスロットが、第1の周壁に形成され、フールプルーフスロットは、シールリング位置決め部品のフールプルーフ突起に係合して、シールリング位置決め部品が外側ハウジングに正しい向きで取り付けられることを保証する。
【0022】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、外側ハウジングは、第1の周壁を囲む第2の周壁と、第1の周壁と第2の周壁との間に接続された径方向壁とをさらに含む。間隙が、第1の周壁と第2の周壁との間に形成されて、相手側コネクタの相手側ハウジングの挿入を可能にし、シールリングの前側および後側がそれぞれ、径方向壁およびシールリング位置決め部品に当接して、シールリングを軸方向に位置決めし、シールリングは、相手側ハウジングと外側ハウジングの第1の周壁との間で径方向に圧縮されて、相手側ハウジングと外側ハウジングの第1の周壁との間にシールを実現するように構成されている。
【0023】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、外側ハウジングは、第1の周壁の前端部に接続された前端壁をさらに含み、ケーブル孔が、外側ハウジングの前端壁に形成され、ケーブル貫通孔が、シールドシェルの端壁に形成されている。コネクタは、ケーブルをさらに備え、ケーブルの一端部が、ケーブル孔およびケーブル貫通孔を通って端子スロットに挿入され、端子に電気的に接続されている。
【0024】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、シールドシェルの内部に向かって曲げられた複数の第1の弾性片が、シールドシェルの外周壁の後縁部に形成され、第1の弾性片は、相手側コネクタの相手側シールドシェルに電気的に接触するために使用され、シールドシェルの内部に向かって曲げられた複数の第2の弾性片が、シールドシェルのケーブル貫通孔の縁部に形成され、複数の第2の弾性片は、ケーブルのシールド層に電気的に接触するために使用され、シールリング位置決め部品の押圧突起は、シールドシェルの後端部の外側に当接して、第1の弾性片を支持する。
【0025】
本発明の上記の例示的な実施形態において、シールリング位置決め部品は、シールドシェルの2つのハーフシェルを閉方向に向けて押圧することができ、シールドシェルの2つのハーフシェルの接合縁部が、間隙なく互いに接触するようになっており、コネクタの電磁シールド効果を向上させる。
【0026】
加えて、本発明の上記の例示的な実施形態において、シールリング位置決め部品は、第1の弾性片をシールドシェルにおいて支持して、シールドシェルと相手側シールドシェルとの間に確実な電気的接触を保証することもできる。同時に、シールリング位置決め部品は、シールドシェルを内側ハウジング上に押圧して、シールドシェルのバックル構造と内側ハウジングとが互いに確実に係合することを保証することもできる。
【0027】
添付図面を参照しながらその例示的な実施形態を詳細に説明することにより、本発明の上記その他の機構がより明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の例示的な実施形態によるコネクタの説明斜視図である。
図2】本発明の例示的な実施形態によるコネクタの長手方向断面図である。
図3】本発明の例示的な実施形態によるコネクタの説明分解図である。
図4】本発明の例示的な実施形態によるコネクタのシールリング位置決め部品の、後側から見た説明斜視図である。
図5】本発明の例示的な実施形態によるコネクタのシールリング位置決め部品の、前側から見た説明斜視図である。
図6】外側ハウジングが示されていない、本発明の例示的な実施形態によるコネクタの横方向断面図である。
図7】外側ハウジングが示されていない、本発明の例示的な実施形態によるコネクタの、前側から見た説明斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下で、添付図面を参照しながら、本開示の例示的な実施形態について詳細に説明する。図中、同一の参照数字は同一の要素を指す。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書に記載される実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものになるように、かつ当業者に本開示の概念を十分に伝えるように提供される。
【0030】
以下の詳細な説明では、説明の目的で、開示する実施形態の徹底的な理解をもたらすために、多数の具体的な詳細を記載する。しかしながら、これらの具体的な詳細がなくても1つまたは複数の実施形態を実施することができることが明らかであろう。他の例では、図面を簡略化するために、周知の構造およびデバイスを概略的に示す。
【0031】
本発明の一般的な概念によれば、シールリング位置決め部品が提供される。シールリング位置決め部品は、コネクタの外側ハウジングに装着されて、シールリングを外側ハウジングに位置決めするように構成されている。シールリング位置決め部品は、周壁と、周壁の内周面に形成された押圧突起とを含む。押圧突起は、コネクタのシールドシェルの2つのハーフシェルの外側に押圧されるように構成されて、シールドシェルの2つのハーフシェルの接合縁部が互いに接触するようになっている。
【0032】
本発明の別の一般的な概念によれば、コネクタが提供される。コネクタは、第1の周壁および第1の周壁によって囲まれた内側キャビティを含む外側ハウジングと、外側ハウジングの内側キャビティに取り付けられ、かつ端子スロットが形成された内側ハウジングと、内側ハウジングの端子スロットに設けられた端子と、内側ハウジングが設けられているシールドシェルと、外側ハウジングの第1の周壁に外装されたシールリングと、第1の周壁の後端部に外装され、かつシールリングに当接する上記のシールリング位置決め部品とを備える。シールドシェルは、端壁と、端壁に接続された2つのハーフシェルとを含み、2つのハーフシェルは、組み合わされて、シールドシェルの外周壁を形成し、シールリング位置決め部品の押圧突起が、2つのハーフシェルの外側に押圧されて、シールドシェルの2つのハーフシェルの接合縁部が、間隙なく互いに接触するようになっている。
【0033】
図1は、本発明の例示的な実施形態によるコネクタの説明斜視図である。図2は、本発明の例示的な実施形態によるコネクタの長手方向断面図である。図3は、本発明の例示的な実施形態によるコネクタの説明分解図である。
【0034】
図1図3に示すように、図示の実施形態において、コネクタは、外側ハウジング1と、内側ハウジング2と、端子(図示せず)と、シールドシェル3と、シールリング4と、シールリング位置決め部品5とを備える。外側ハウジング1は、第1の周壁11と、第1の周壁11によって囲まれた内側キャビティ101とを含む。内側ハウジング2は、外側ハウジング1の内側キャビティ101に取り付けられている。端子は、内側ハウジング2の端子スロット201に配置されている。内側ハウジング2は、シールドシェル3に配置されている。シールリング4は、第1の周壁11に取り付けられている。シールリング位置決め部品5は、第1の周壁11の後端部に取り付けられ、シールリング4に当接する。
シールドシェル3は、端壁32と、端壁32に接続された2つのハーフシェル31aとを含む。2つのハーフシェル31aは、開閉することができる。2つのハーフシェル31aが閉じると、2つのハーフシェル31aは、組み合わされて、シールドシェル3の外周壁31を形成する。
【0035】
図4は、本発明の例示的な実施形態によるコネクタのシールリング位置決め部品5の、後側から見た説明斜視図である。図5は、本発明の例示的な実施形態によるコネクタのシールリング位置決め部品5の、前側から見た説明斜視図である。図6は、外側ハウジング1が示されていない、本発明の例示的な実施形態によるコネクタの横方向断面図である。図7は、外側ハウジング1が示されていない、本発明の例示的な実施形態によるコネクタの、前側から見た説明斜視図である。
【0036】
図1図7に示すように、本発明の例示的な実施形態において、シールリング位置決め部品5が開示されている。シールリング位置決め部品5は、コネクタの外側ハウジング1に装着するのに適しており、シールリング4を外側ハウジング1に位置決めするために使用される。シールリング位置決め部品5は、周壁51と押圧突起50とを含む。押圧突起50は、周壁51の内周面に形成されている。押圧突起50は、コネクタのシールドシェル3の2つのハーフシェル31aの外側を押圧するために使用されて、シールドシェル3の2つのハーフシェル31aの接合縁部31bが、間隙なく互いに接触するようになっており、それにより、コネクタの電磁シールド効果を向上させる。
【0037】
図1図7に示すように、図示の実施形態において、押圧突起50は、複数の突出リブ53を含む。各突出リブ53は、シールリング位置決め部品5の軸方向に沿って延びる。複数の突出リブ53は、シールリング位置決め部品5の周方向に間隔を置いて分散され、シールドシェル3の2つのハーフシェル31aの外側を押圧するために使用される。図示の実施形態において、突出リブ53は、板状で、周壁51に対して垂直である。
【0038】
しかしながら、押圧突起50の構造は図示の実施形態に限定されないことに留意されたい。例えば、本発明の別の例示的な実施形態において、押圧突起50は、シールリング位置決め部品5の周方向に沿ってそれぞれ延びる複数の突出リブを含むことができる。複数の突出リブは、シールリング位置決め部品5の周方向に間隔を置いて分散され、シールドシェル3の2つのハーフシェル31aの外側を押圧するために使用される。
【0039】
図示しないが、本発明の別の例示的な実施形態において、押圧突起50は、単一の突出リブを含むことができ、この突出リブは、シールリング位置決め部品5の周方向に沿って連続して延びて(周方向に沿って一周して、周方向に沿った1つの円で延びて, extends one circle along the circumferential direction)、シールドシェル3の2つのハーフシェル31aの外側を押圧する。
【0040】
図1図7に示すように、図示の実施形態において、ガイド面53aが、突出リブ53の前端部に形成され、このガイド面53aは、シールリング位置決め部品5の軸方向に対して傾斜し、シールドシェル3の2つのハーフシェル31aを、複数の突出リブ53によって囲まれた収容空間に案内するために使用される。
【0041】
図1図7に示すように、図示の実施形態において、シールリング位置決め部品5の周壁51は、シールリング位置決め部品5の軸方向において互いに反対の前端部と後端部とを有する。シールリング位置決め部品5の周壁51の前端部は、シールリング4の後側に当接して、シールリング4を軸方向に位置決めするために使用される。
【0042】
図1図7に示すように、図示の実施形態において、複数の突出リブ53が、周壁51の後端部に隣接し、シールドシェル3の2つのハーフシェル31aの後端部の外側を押圧するために使用される。図示の実施形態において、シールドシェル3の後端部は、後側ポートを有する開放端部である。
【0043】
図1図7に示すように、図示の実施形態において、シールリング位置決め部品5は、周壁51の後端部に形成され、かつシールリング位置決め部品5の内側に向かって径方向に突出する位置決めフランジ52をさらに備える。位置決めフランジ52は、外側ハウジング1の第1の周壁11の後端面に当接するのに適しており、シールリング位置決め部品5を軸方向に位置決めするために使用される。図示の実施形態において、突出リブ53の後端部は、位置決めフランジ52の内側に接続されている。
【0044】
図1図7に示すように、図示の実施形態において、シールリング位置決め部品5は、周壁51の内面に形成されたバックル突起55をさらに備える。バックル突起55は、外側ハウジング1のスナップスロット1cに係合するように構成され、シールリング位置決め部品5をハウジング1に固定するために使用される。
【0045】
図1図7に示すように、図示の実施形態において、シールリング位置決め部品5は、周壁51の内面に形成されたフールプルーフ突起54をさらに備える。フールプルーフ突起54は、外側ハウジング1のフールプルーフスロット1bに挿入されて、シールリング位置決め部品5が外側ハウジング1に正しい向きで取り付けられることを保証するのに適している。
【0046】
図1図7に示すように、図示の実施形態において、シールリング位置決め部品5は一体部品である。例えば、シールリング位置決め部品5は、一体の射出成形部品であってよい。
【0047】
図1図7に示すように、本発明の例示的な実施形態において、コネクタも開示されている。コネクタは、外側ハウジング1と、内側ハウジング2と、端子(図示せず)と、シールドシェル3と、シールリング4と、上記のシールリング位置決め部品5とを備える。外側ハウジング1は、第1の周壁11と、第1の周壁11によって囲まれた内側キャビティ101とを含む。内側ハウジング2は、外側ハウジング1の内側キャビティ101に取り付けられている。端子は、内側ハウジング2の端子スロット201に配置されている。内側ハウジング2は、シールドシェル3に配置されている。シールリング4は、第1の周壁11に取り付けられている。シールリング位置決め部品5は、第1の周壁11の後端部に取り付けられ、シールリング4に当接する。
シールドシェル3は、端壁32と、端壁32に接続された2つのハーフシェル31aとを含む。2つのハーフシェル31aは、開閉することができる。2つのハーフシェル31aが閉じると、2つのハーフシェル31aは、組み合わされて、シールドシェル3の外周壁31を形成する。押圧突起50が、2つのハーフシェル31aの外側に押圧されて、シールドシェル3の2つのハーフシェル31aの接合縁部31bを、間隙なく互いに接触させる。
【0048】
図1図7に示すように、図示の実施形態において、複数のスロット1aが、外側ハウジング1の後端部に形成され、複数のスロット1aは、外側ハウジング1の周方向に離間している。シールリング位置決め部品5の複数の突出リブ53は、複数のスロット1aに挿入され、シールドシェル3の2つのハーフシェル31aの外側に当接する。
【0049】
図1図7に示すように、図示の実施形態において、スナップスロット1cが、第1の周壁11に形成され、スナップスロット1cは、シールリング位置決め部品5のバックル突起55に係合して、シールリング位置決め部品5を第1の周壁11に固定する。
【0050】
図1図7に示すように、図示の実施形態において、フールプルーフスロット1bが、第1の周壁11に形成され、フールプルーフスロット1bは、シールリング位置決め部品5のフールプルーフ突起54に係合して、シールリング位置決め部品5が外側ハウジング1に正しい向きで取り付けられることを保証する。
【0051】
図1図7に示すように、図示の実施形態において、外側ハウジング1は、第2の周壁13と径方向壁14とをさらに含む。第2の周壁13は、第1の周壁11を囲む。径方向壁14は、第1の周壁11と第2の周壁13との間に接続されている。第1の周壁11と第2の周壁13との間に間隙103があり、相手側コネクタ(図示せず)の相手側ハウジング(図示せず)の挿入を可能にする。シールリング4は、外側ハウジング1の第1の周壁11と相手側ハウジングとの間で径方向に圧縮されて、外側ハウジング1の第1の周壁11と相手側ハウジングとの間にシールを実現するのに適している。図示の実施形態において、シールリング4の前側および後側がそれぞれ、径方向壁14およびシールリング位置決め部品5に当接して、シールリング4を軸方向に位置決めする。
【0052】
図1図7に示すように、図示の実施形態において、ハウジング1は、第1の周壁11の前端部に接続された前端壁12をさらに含む。ケーブル孔102が、外側ハウジング1の前端壁12に形成され、ケーブル貫通孔33が、シールドシェル3の端壁32に形成されている。コネクタは、ケーブル(図示せず)をさらに備え、ケーブルの一端部が、ケーブル孔102およびケーブル貫通孔33を通って端子スロット201に挿入され、端子(図示せず)に電気的に接続されている。
【0053】
図1図7に示すように、図示の実施形態において、複数の第1の弾性片3aが、シールドシェル3の外周壁31の後縁部に形成され、シールドシェル3の内部に向かって曲げられている。第1の弾性片3aは、相手側コネクタの相手側シールドシェル(図示せず)に弾性的に電気的接触するために使用される。複数の第2の弾性片3bが、シールドシェル3のケーブル貫通孔33の縁部に形成され、シールドシェル3の内部に向かって曲げられ、ケーブル(図示せず)のシールド層(図示せず)に弾性的に電気的接触するために使用される。シールドシェル3は、ケーブルのシールド層に直接接触して、コネクタの電磁シールド効果を向上させることができる。
【0054】
図1図7に示すように、図示の実施形態において、シールリング位置決め部品5の複数の突出リブ53が、シールドシェル3の後端部の外側に当接して、複数の第1の弾性片3aを支持する。このようにして、複数の第1の弾性片3aと相手側シールドシェルとの間の弾性接触力を増大させることができ、それにより、シールドシェル3と相手側シールドシェルとの間に確実な電気的接触を保証する。
【0055】
上記の実施形態は例示的なものであり、限定的なものではないことを、当業者には理解されたい。例えば、当業者であれば、構成上または原理上矛盾することなく、上記の実施形態に多くの修正を加えることができ、異なる実施形態に記載する様々な機構を互いに自由に組み合わせることができる。
【0056】
いくつかの例示的な実施形態について図示し説明したが、本開示の原理および趣旨から逸脱することなく、これらの実施形態に様々な変更または修正を加えることができることが、当業者には理解されよう。本開示の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物により定義される。
【0057】
本明細書で使用されるとき、単数形で記載され「a」または「an」という単語が前に付く要素は、前記要素またはステップの複数形を除外することが明示的に述べられていない限り、これらを除外しないものとして理解すべきである。さらに、本発明の「一実施形態」への言及は、記載された機構を同じく組み込む追加の実施形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図していない。さらに、そうではないと明示的に述べられていない限り、特定の特性を有する1つの要素もしくは複数の要素を「備える」または「有する」実施形態は、その特性を有していない追加のそのような要素を含むことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】