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特開2024-39009ダウンカット端部を備えるビレットのためのフラッシュ溶接
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039009
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】ダウンカット端部を備えるビレットのためのフラッシュ溶接
(51)【国際特許分類】
   B21B 15/00 20060101AFI20240313BHJP
   B21B 39/20 20060101ALI20240313BHJP
   B21B 1/04 20060101ALI20240313BHJP
   B23K 11/04 20060101ALI20240313BHJP
【FI】
B21B15/00 A
B21B15/00 D
B21B39/20 A
B21B1/04
B21B15/00 C
B23K11/04 310
B23K11/04 101
B23K11/04 510
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023144973
(22)【出願日】2023-09-07
(31)【優先権主張番号】2213171.8
(32)【優先日】2022-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2216645.8
(32)【優先日】2022-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】520317457
【氏名又は名称】デイビッド・テン・ポン
【氏名又は名称原語表記】David Teng Pong
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】ポン,デイビッド テン
【テーマコード(参考)】
4E002
【Fターム(参考)】
4E002AB06
4E002BA01
4E002BD05
4E002BD06
4E002BD08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】切断動作によって変形が生じたダウンカット端部を有する鋼製ビレット同士を溶接するための方法および装置を提供する。
【解決手段】連続圧延して圧延製品を得るためのエンドレスバーを形成するために、先に溶接されたビレット後部に次のビレット前部のダウンカット端部の向きを決定するステップと、溶接部のバリがシェービングカッターによって除去されるために、先に溶接されたビレット後部のダウンカット端部に次のビレットの前部のダウンカット端部を位置合わせするように、長手軸の周りに次のビレットが回転される必要可否かを、決定するステップと、決定に基づいて、ビレット回転手段を動作させて、エンドレスバーを形成するステップと、ビレット同士をフラッシュ溶接するステップと、シェービングカッターを使用して、接合部からバリを除去するステップとを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダウンカット式で切断されたダウンカット端部を有する複数の鋼製のビレットを互いに溶接するための方法であって、
それぞれの前記ダウンカット端部は、前記ビレットの端部領域から離れた前記ビレットの通常の正方形の断面輪郭に比べて、前記ビレットの前記端部領域における前記ビレットの輪郭の内側へ前記ビレットの1つの側面が徐々に延びるような前記ビレットの断面の変形を有し、前記変形は、先になされた前記切断の動作によって生じたものであり、
前記方法は、連続的に圧延して圧延製品を得るためのエンドレスバーを形成するために、フラッシュ溶接装置と、余分な溶接材料を除去するための1つまたは複数のシェービングカッターとを使用するものであり、
先に溶接されたビレットの後部に溶接される次のビレットの前部のダウンカット端部の向きを決定するステップと、
前記フラッシュ溶接装置によって形成される溶接部のバリが前記シェービングカッターによって首尾よく除去され得るために、前記先に溶接されたビレットの前記後部のダウンカット端部に前記次のビレットの前記前部のダウンカット端部を位置合わせするように前記次のビレットの長手軸の周りに前記次のビレットが回転される必要があるか否かを、前記向きに基づいて決定するステップと、
決定された前記回転の要否に応じて、前記次のビレットの長手軸の周りに前記次のビレットを回転させるようにビレット回転手段を動作させて、連続的に圧延して圧延製品を形成するためのエンドレスバーを形成するステップと、
前記フラッシュ溶接装置を使用して、前記位置合わせされたビレット同士をフラッシュ溶接するステップと、
前記1つまたは複数のシェービングカッターを使用して、形成された前記エンドレスバーのフラッシュ溶接された接合部から余分な溶接材料のバリを除去するステップと、
を備える方法。
【請求項2】
前記ダウンカット端部を形成する前記切断の動作は、
前記ビレットの一方側に配置された静止シャーと、他方側に配置された可動シャーとを有する機械式剪断機によって、前記静止シャーと前記可動シャーとの間における前記ビレットの断面を横切るように前記可動シャーが前記静止シャーに向かって移動しながら行われ、
この結果として、前記ビレットの前記1つの側面が前記ビレットの輪郭の内側へ少なくとも25mm以上、又は前記ビレットの前記通常の断面輪郭の厚さの少なくとも10%だけ延びるような変形を生じさせたものである、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ビレットにおける前記変形した前記ダウンカット端部の領域は、前記ビレットの先端から少なくとも10センチメートルの領域を含む、
請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
1つまたは複数のシェービングカッターによって前記余分な溶接材料が首尾よくバリ取りされ得るように、前記フラッシュ溶接装置のフラッシュ時間とアプセット距離とを、前記ビレットの前記ダウンカット端部の変形される面の側において前記余分な溶接材料が前記ビレットの輪郭からはみ出すのに十分な値に制御するステップを更に備える、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記シェービングカッターは、前記フラッシュ溶接された接合部から前記余分な溶接材料をすべて除去するのに十分な切り込み深さになるように、前記ビレットの前記ダウンカット端部における少なくとも変形される面の側において、前記溶接されたエンドレスバーの前記通常の正方形の断面の輪郭の内側を切断するように構成されている、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
先に溶接されたビレットに溶接される前記次のビレットの長手軸の周りの前記回転は、前記フラッシュ溶接装置によって形成される溶接部のバリが前記シェービングカッターによって首尾よく除去され得るように、互いに溶接されるビレットの前記ダウンカット端部同士を同じ方向に相補的に位置合わせする回転、又は、互いに溶接されるビレットの前記ダウンカット端部同士を反対方向に位置合わせする回転である、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
連続的に圧延して圧延製品を得るために形成される前記エンドレスバーは、表面の欠陥または前記余分な溶接材料のバリ取りによる輪郭の変化が前記圧延製品に生じないように、1つまたは複数の圧延スタンドで圧延される、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
ダウンカット式で切断されたダウンカット端部を有する複数の鋼製のビレットを互いに溶接するための装置であって、
それぞれの前記ダウンカット端部は、前記ビレットの端部領域から離れた前記ビレットの通常の正方形の断面輪郭に比べて、前記ビレットの前記端部領域における前記ビレットの輪郭の内側へ前記ビレットの1つの側面が徐々に延びるような前記ビレットの断面の変形を有し、前記変形は、前記切断の動作によって生じたものであり、
前記溶接は、連続的に圧延して圧延製品を得るためのエンドレスバーを形成するためのものであり、
先に溶接されたビレットの後部に溶接される次のビレットの前部のダウンカット端部の向きを決定し、且つ、前記先に溶接されたビレットの前記後部のダウンカット端部に前記次のビレットの前記前部のダウンカット端部を位置合わせするように前記次のビレットの長手軸の周りに前記次のビレットが回転される必要があるか否かを、前記向きに基づいて決定するためのビレット方向決定手段と、
前記ビレット方向決定手段によって決定された回転に基づいて、前記位置合わせを達成するように前記次のビレットの長手軸の周りに前記次のビレットを回転させるように構成されたビレット回転装置と、
圧延用のエンドレスバーを形成するように前記位置合わせがなされたビレット同士をフラッシュ溶接するためのフラッシュ溶接装置と、
前記ビレット間の溶接接合部から余分な溶接材料のバリを除去するための1つまたは複数のシェービングカッターと、を備え、
前記決定された回転は、前記フラッシュ溶接装置によって形成される溶接部のバリが前記シェービングカッターによって首尾よく除去され得るような回転である、
装置。
【請求項9】
前記ビレット回転装置は、前記フラッシュ溶接装置によって形成される溶接部のバリが前記シェービングカッターによって首尾よく除去され得るように、先に溶接されたビレットに溶接される前記次のビレットの長手軸の周りに前記次のビレットを回転させて、互いに溶接されるビレットの前記ダウンカット端部同士を同じ方向に相補的に位置合わせするか、又は、互いに溶接されるビレットの前記ダウンカット端部同士を反対方向に位置合わせするように構成されている、
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記フラッシュ溶接装置のフラッシュ時間とアプセット距離とが、1つまたは複数のシェービングカッターによって前記余分な溶接材料が首尾よくバリ取りされ得る程度に前記ビレットの前記ダウンカット端部の変形される面の側において前記余分な溶接材料が前記ビレットの輪郭からはみ出すのに十分な値になるように、前記フラッシュ溶接装置が構成されている、
請求項8または請求項9に記載の装置。
【請求項11】
形成される前記エンドレスバーが圧延製品に圧延されるのに十分な可鍛性を有するように、フラッシュ溶接の前に各ビレットを加熱するために配置された再加熱炉を更に備える、
請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記ビレット方向決定手段は、ビレットの前記ダウンカット端部の向きを決定するために、前記再加熱炉と前記フラッシュ溶接装置との間に配置され、1つまたは複数のプロセッサに結合された1つまたは複数のカメラを備える、
請求項8から請求項11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
形成される前記エンドレスバーを連続的に圧延して圧延製品にするために使用される1つまたは複数の圧延スタンドを更に備える、
請求項8から請求項12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記シェービングカッターは、前記エンドレスバーの輪郭表面ごとに別個の切断手段を備える、
請求項8から請求項13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記シェービングカッターは、前記フラッシュ溶接された接合部から前記余分な溶接材料をすべて除去するのに十分な切り込み深さになるように、前記ビレットの前記ダウンカット端部における少なくとも変形される面の側において、前記溶接されたエンドレスバーの前記通常の正方形の断面の輪郭の内側を切断するように構成されている、
請求項8から請求項14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
前記1つまたは複数のシェービングカッターは、前記余分な溶接材料による表面の欠陥を生じさせることなく、1つまたは複数の圧延スタンドによって、前記エンドレスバーが連続的に圧延されて圧延製品を形成するように、前記溶接接合部からバリを除去する、
請求項8から請求項15のいずれか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、連続的に圧延して圧延製品にするためのエンドレスバーを形成するために鋼製ビレットを溶接するための方法および装置に関する。特に、本明細書に開示される装置および方法は、ダウンカット端部を有する鋼製ビレットを互いに溶接する際に使用するためのものである。
【背景技術】
【0002】
鋼圧延機では、通常、それぞれ重さ2トン、150mm×150mm×12mの角ビレットが、再加熱炉で加熱された後、様々な断面および大きさに圧延される。最終の鋼製品は通常12メートルの商用長さで販売されるため、前記2トンのビレットは、大きさ及び種類が異なる最終製品に対して、12メートル未満の半端な最終長さを常に有することになる。この損失は5%以上になり得る。この損失を軽減するために、圧延機の最初のスタンドに入る前に、加熱されたビレットがフラッシュ溶接されてもよい。第1のビレットの後端部は、第2のビレットの前端部に溶接され、以降、同様に続く。このことは、「エンドレスバーローリング(エンドレスバー圧延)」または「エンドレス溶接ローリング(エンドレス溶接圧延)」として知られ得る。この結果、端部の損失は実質的にゼロになる。
【0003】
鋼製ビレット(鋼ビレット)は主に連続鋳造機から製造され、これにより、溶鋼は、そのような機械を通過する間に連続的に、凝固されて、無限に長い正方形の輪郭のビレットになる。最終製品として圧延鋼を製造するために、凝固された角ビレットは、さまざまな方法と装置を使用して、熱間圧延機でのその後の圧延プロセスでの圧延のための中間鋼製品として都合の良い長さ(通常は12m)のビレットに切断される必要がある。したがって、中間製品のビレットは、その後、エンドレスバーを形成するようにフラッシュ溶接して最終圧延製品に圧延するために、鋼圧延機の別の場所にある再加熱炉に投入される。
【0004】
ビレットが再加熱炉から出ると、第1のビレットの後端部と第2のビレットの前端部は、高電流を流すことによって加熱され、これらの端部が部分的に溶融する。次に、これらの端部は、フラッシュ溶接の形成によって融合するように互いに押し付けられて、これによって溶接されたビレットは、連続的に圧延され得る。フラッシュ溶接された接合部が最初の圧延スタンドを通過する直前に、当該接合部における余分な溶接部は、表面の欠陥として最終製品に入り込まないように削り取られる。余分な溶接部を削り取るのは困難な場合がある。これまでのところ、きれいに削られた接合部を得るためには、溶接されるビレットの均一な正方形の断面同士が溶接される必要がある。
【0005】
以上の文脈において、本開示が考案されている。
【発明の概要】
【0006】
ビレット製造プロセスにおけるビレットの切断には、「ガス切断(Flame Cut)」、「斜め切断(Diagonal Cut)」、「ダウンカット(Down Cut)」の3種類があり、それぞれの種類の切断は、ビレット切断面の断面に異なる影響を与える。
【0007】
「ガス切断」および「斜め切断」によって切断されたビレット端部は、適切に均一な正方形の断面を有するため、首尾よくフラッシュ溶接がなされるが、「ダウンカット」によって切断されたビレット端部は激しく変形するため、当該ダウンカット端部を有するビレットのフラッシュ溶接を首尾よく行うことはできない。ビレット端部から離れたビレットの通常の正方形の断面形状に比べて、それぞれのダウンカット端部の断面は、ビレットの1つの側面がビレットの端部領域においてビレットの輪郭の中へ徐々に径方向内側に延びるような変形を有する。当該変形は、先の切断動作(例えば、ビレットを製造するための連続鋳造プロセスでの切断動作)から生じたものである。
【0008】
このようなことが生じる理由は、次の通りである。ダウンカットされたビレット端部の通常のフラッシュ溶接プロセス(すなわち、ビレット同士を電気アークで溶かし、これらを互いに押し付けて溶接部を形成するプロセス)は実行され得るが、この溶接によって生成された接合部は、バリ取りによっては適切にきれいに削られることができず、表面の欠陥、すなわち「ヘゲ」として最終製品に残り、スクラップとして拒否される。
【0009】
本願発明者によって認識されたことによれば、「ガス切断」および「斜め切断」から得られるような比較的均一な正方形の断面の場合、次にフラッシュ溶接されるビレットに対するビレットの向き(ビレットの軸に沿った向き)は重要でなく、ビレット同士の相対的な向きに関係なく、余分な溶接部は正常に削り取られる。しかしながら、「ダウンカット」から得られるようなビレット端部の不規則な断面の場合、特に、バリ取りカッター(デバリングカッター)が「ダウンカット」接合部の溶接部にアクセスできない場合、完全にきれいに削られた溶接接合部の実現は得られず、余分な溶接部は最終製品の表面の欠陥になり得る。
【0010】
これに関して、このような「ダウンカット」されたビレット端部のフラッシュ溶接の問題は、(4つの側面のいずれにおいてもなされ得る)フラッシュ溶接がなされる際のビレットの向き(ビレットの軸に沿った向き)がランダムであることに起因して生じることが認識されている。
【0011】
一つの側面から見て、本開示は、ダウンカット端部を有する鋼製のビレット同士を溶接する方法を提供する。それぞれのダウンカット端部は、前記ビレットの端部領域から離れた前記ビレットの通常の正方形の断面輪郭(断面形状)に比べて、前記ビレットの前記端部領域における前記ビレットの輪郭の中へ前記ビレットの1つの側面が徐々に径方向内側に延びるような前記ビレットの断面の変形を有し、前記変形は、先になされた切断の動作によって生じたものである。本方法は、連続的に圧延して圧延製品を得るためのエンドレスバーを形成するために、フラッシュ溶接装置と、余分な溶接材料を除去するための1つまたは複数のシェービングカッターとを使用するものである。
【0012】
本方法は、先に溶接されたビレットの後部に溶接される次のビレットの前部のダウンカット端部の向きを決定するステップと、前記フラッシュ溶接装置によって形成される溶接部のバリが前記シェービングカッターによって首尾よく除去され得るために、前記先に溶接されたビレットの前記後部のダウンカット端部に前記次のビレットの前記前部のダウンカット端部を位置合わせするように前記次のビレットの長手軸(長手方向軸)の周りに前記次のビレットが回転される必要があるか否かを、前記向きに基づいて決定するステップと、決定された前記回転の要否に応じて、前記次のビレットの長手軸の周りに前記次のビレットを回転させるようにビレット回転手段を動作させて、連続的に圧延して圧延製品を形成するためのエンドレスバーを形成するステップと、前記フラッシュ溶接装置を使用して、前記位置合わせされたビレット同士をフラッシュ溶接するステップと、前記1つまたは複数のシェービングカッターを使用して、形成された前記エンドレスバーのフラッシュ溶接された接合部から余分な溶接材料のバリを除去するステップと、を備える。
【0013】
ダウンカット端部を有する鋼製のビレット同士を溶接してエンドレスバーを形成することは、これまで実現されていなかったが、このことによって、フラッシュ溶接プロセスで形成された余分な溶接材料が確実に除去され、最終圧延製品のヘゲが回避され得るため、エンドレスバー圧延を利用する製造業者は、任意の態様で切断されたビレットから圧延鋼製品を製造する手段を持つことが可能になる。
【0014】
このことは、ビレットのダウンカット端部同士を相補的または反対方向に位置合わせするようにビレットの長手軸の周りでビレットを回転させることによって達成され、これにより、フラッシュ溶接接合部の余分な溶接材料が、後続の処理ステップにおいて首尾よくバリ取りされ得る。ビレットのダウンカット端部同士がこのように位置合わせされない場合、シェービングカッターが余分な溶接材料に到達して溶接接合部のバリを首尾よく除去することが、前記変形によって阻害される。
【0015】
「ガス切断」および「斜めカット」のビレットの場合、ビレットの向きがランダムに提示されても、バリ取りが首尾よくなされ得る。なぜなら、これらのビレットは、その正方形の断面を保持し、これにより、ビレットの向きに関係なくフラッシュ溶接されて首尾よくバリ取りされ得るためである。
【0016】
エンドレスバーから製造される圧延製品には、鉄筋および鋼板などの製品が含まれ得る。
【0017】
複数の実施形態において、前記ダウンカット端部を形成する前記切断の動作は、前記ビレットの一方側に配置された静止シャーと、他方側に配置された可動シャーとを有する機械式剪断機によって、前記静止シャーと前記可動シャーとの間における前記ビレットの断面を横切るように前記可動シャーが前記静止シャーに向かって移動しながら行われることを特徴とし、この結果として、前記ビレットの前記1つの側面が前記ビレットの輪郭の内側へ少なくとも25mm以上、又は前記ビレットの前記通常の断面輪郭の厚さの少なくとも10%だけ延びるような変形を生じさる。他の実施形態において、前記ビレットの前記1つの側面が前記ビレットの輪郭の内側へ少なくとも10mm以上、少なくとも15mm以上、少なくとも20mm以上、少なくとも30mm以上、少なくとも35mm以上、又は少なくとも40mm以上、延びる。他の実施形態において、前記ビレットの前記1つの側面が前記ビレットの輪郭の内側へ、前記ビレットの前記通常の断面輪郭の厚さの少なくとも5%だけ、前記ビレットの前記通常の断面輪郭の厚さの少なくとも7%だけ、前記ビレットの前記通常の断面輪郭の厚さの少なくとも12%だけ、前記ビレットの前記通常の断面輪郭の厚さの少なくとも15%だけ、前記ビレットの前記通常の断面輪郭の厚さの少なくとも17%だけ、又は、前記ビレットの前記通常の断面輪郭の厚さの少なくとも20%だけ、延びる。反対側の側面では、通常のビレットの輪郭から離れるような何らかの変形が形成される可能性があり、その結果、反対側の側面は径方向外側に延びるが、通常は、より短い長さにわたってより少量だけ延びる。
【0018】
複数の実施形態において、前記ビレットにおける前記変形した前記ダウンカット端部の領域は、前記ビレットの先端から少なくとも10センチメートルの領域を含む。このことは、切断動作中にビレットの端部が受ける力によるものである。他の実施形態において、前記ビレットにおける前記変形した前記ダウンカット端部の領域は、前記ビレットの先端から少なくとも5センチメートルの領域、少なくとも7センチメートルの領域、少なくとも12センチメートルの領域、少なくとも15センチメートルの領域、少なくとも17センチメートルの領域、少なくとも20センチメートルの領域、少なくとも25センチメートルの領域、又は少なくとも30センチメートルの領域を含む。
【0019】
複数の実施形態において、本発明の方法は、1つまたは複数のシェービングカッターによって前記余分な溶接材料が首尾よくバリ取りされ得るように、前記フラッシュ溶接装置のフラッシュ時間とアプセット距離とを、前記ビレットの前記ダウンカット端部の変形される面の側において前記余分な溶接材料が前記ビレットの輪郭からはみ出すのに十分な値に制御するステップを更に備える。
【0020】
複数の実施形態において、前記シェービングカッターは、前記フラッシュ溶接された接合部から前記余分な溶接材料をすべて除去するのに十分な切り込み深さになるように、前記ビレットの前記ダウンカット端部における少なくとも変形される面の側において、前記溶接されたエンドレスバーの前記通常の正方形の断面の輪郭の内側を切断するように構成されてもよい。
【0021】
複数の実施形態において、先に溶接されたビレットに溶接される前記次のビレットの長手軸の周りの前記回転は、前記フラッシュ溶接装置によって形成される溶接部のバリが前記シェービングカッターによって首尾よく除去され得るように、互いに溶接されるビレットの前記ダウンカット端部同士を同じ方向に相補的に位置合わせする回転、又は、互いに溶接されるビレットの前記ダウンカット端部同士を反対方向に位置合わせする回転である。
【0022】
複数の実施形態において、連続的に圧延して圧延製品を得るために形成される前記エンドレスバーは、表面の欠陥または前記余分な溶接材料のバリ取りによる輪郭の変化が前記圧延製品に生じないように、1つまたは複数の圧延スタンドで圧延される。
【0023】
別の側面から見て、本開示は、ダウンカット式で切断されたダウンカット端部を有する複数の鋼製のビレットを互いに溶接するための装置を提供する、本装置において、それぞれの前記ダウンカット端部は、前記ビレットの端部領域から離れた前記ビレットの通常の正方形の断面輪郭に比べて、前記ビレットの前記端部領域における前記ビレットの輪郭の内側へ前記ビレットの1つの側面が徐々に延びるような前記ビレットの断面の変形を有し、前記変形は、前記切断の動作によって生じたものであり、前記溶接は、連続的に圧延して圧延製品を得るためのエンドレスバーを形成するためのものである。
【0024】
複数の実施形態において、本装置は、先に溶接されたビレットの後部に溶接される次のビレットの前部のダウンカット端部の向きを決定し、且つ、前記先に溶接されたビレットの前記後部のダウンカット端部に前記次のビレットの前記前部のダウンカット端部を位置合わせするように前記次のビレットの長手軸の周りに前記次のビレットが回転される必要があるか否かを、前記向きに基づいて決定するためのビレット方向決定手段と、前記ビレット方向決定手段によって決定された回転に基づいて、前記位置合わせを達成するように前記次のビレットの長手軸の周りに前記次のビレットを回転させるように構成されたビレット回転装置と、圧延用のエンドレスバーを形成するように前記位置合わせがなされたビレット同士をフラッシュ溶接するためのフラッシュ溶接装置と、前記ビレット間の溶接接合部から余分な溶接材料のバリを除去するための1つまたは複数のシェービングカッターと、を備え、前記決定された回転は、前記フラッシュ溶接装置によって形成される溶接部のバリが前記シェービングカッターによって首尾よく除去され得るような回転である。
【0025】
複数の実施形態において、前記ビレット回転装置は、前記フラッシュ溶接装置によって形成される溶接部のバリが前記シェービングカッターによって首尾よく除去され得るように、先に溶接されたビレットに溶接される前記次のビレットの長手軸の周りに前記次のビレットを回転させて、互いに溶接されるビレットの前記ダウンカット端部同士を同じ方向に相補的に位置合わせするか、又は、互いに溶接されるビレットの前記ダウンカット端部同士を反対方向に位置合わせする。
【0026】
複数の実施形態において、前記フラッシュ溶接装置のフラッシュ時間とアプセット距離とが、1つまたは複数のシェービングカッターによって前記余分な溶接材料が首尾よくバリ取りされ得る程度に前記ビレットの前記ダウンカット端部の変形される面の側において前記余分な溶接材料が前記ビレットの輪郭からはみ出すのに十分な値になるように、前記フラッシュ溶接装置が構成される。
【0027】
複数の実施形態において、形成される前記エンドレスバーが圧延製品に圧延されるのに十分な可鍛性を有するように、フラッシュ溶接の前に各ビレットを加熱するために再加熱炉が配置される。
【0028】
複数の実施形態において、前記ビレット方向決定手段は、ビレットの前記ダウンカット端部の向きを決定するために、再加熱炉と前記フラッシュ溶接装置との間に配置され、1つまたは複数のプロセッサに結合された1つまたは複数のカメラを備える。これにより、再加熱炉、鋼製のビレット、またはフラッシュ溶接装置の熱がビレット方向決定手段を損傷しないように、装置の他の部分から離れた場所でビレット方向決定がなされ得る。ビレットの向きの決定は、プロセッサがカメラフィードで観察されたビレットを分析し、ビレットの向きを決定し、溶接相手の前方のビレットに位置合わせするためのビレットの適切な回転を決定することによって、自動的に実行されてもよい。
【0029】
複数の実施形態において、本装置は、形成される前記エンドレスバーを連続的に圧延して圧延製品にするために使用される1つまたは複数の圧延スタンドを更に備える。
【0030】
複数の実施形態において、前記シェービングカッターは、前記エンドレスバーの輪郭表面ごとに別個の切断手段を備え、これにより、それぞれの輪郭表面から余分な溶接材料が除去され得る。
【0031】
複数の実施形態において、前記シェービングカッターは、前記フラッシュ溶接された接合部から前記余分な溶接材料をすべて除去するのに十分な切り込み深さになるように、前記ビレットの前記ダウンカット端部における少なくとも変形される面の側において、前記溶接されたエンドレスバーの前記通常の正方形の断面の輪郭の内側を切断するように構成される。
【0032】
複数の実施形態において、本装置は、溶接部のバリを除去するための1つまたは複数のシェービングカッターをさらに備え、これにより、前記余分な溶接材料による表面の欠陥を生じさせることなく、1つまたは複数の圧延スタンドによって、前記エンドレスバーが連続的に圧延されて圧延製品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1a】「ガス切断」されたビレットの図であり、当該ビレットは、切断動作後にも元の正方形の断面を維持することを示している。
図1b】「ガス切断」された鋼製ビレットの端部を示し、フラッシュ溶接とバリ取りが首尾よくなされ得るように構成されていることを示す。
図2a】「斜め切断」されたビレットの写真であり、この種のビレットの変形が最小限であることを示している。
図2b】斜め切断された鋼製ビレットの端部を示し、フラッシュ溶接とバリ取りが首尾よくなされ得るように構成されていることを示す。
図3a】「ダウンカット」されたビレットの図であり、この種のビレットの変形特性を示している。
図3b】「ダウンカット」されたビレットの図であり、ビレットの端部領域の変形と、これらの端部領域から離れた位置においてビレットの通常の正方形の断面形状が保持されることとを示している。
図3c】フラッシュ溶接されるダウンカット端部を有する鋼製ビレットを示し、ダウンカット端部の変形が直角方向に位置合わせされ、その結果、フラッシュ溶接とバリ取りが首尾よくなされないことによる欠陥が生じることを示す。
図3d】フラッシュ溶接されるダウンカット端部を有する鋼製ビレットを示し、ダウンカット端部の変形が別の直角方向に位置合わせされ、その結果、フラッシュ溶接とバリ取りが首尾よくなされないことによる欠陥が生じることを示す。
図3e】フラッシュ溶接されるダウンカット端部を有する鋼製ビレットを示し、ダウンカット端部の変形が反対方向に位置合わせされ、その結果、フラッシュ溶接とバリ取りが首尾よくなされることを示す。
図3f】フラッシュ溶接されるダウンカット端部を有する鋼製ビレットを示し、ダウンカット端部の変形が同じ方向に相補的に位置合わせされ、その結果、フラッシュ溶接とバリ取りが首尾よくなされることを示す。
図4】「ダウンカット」されたビレット同士を首尾よく溶接して、圧延製品に圧延するためのエンドレスバーを得るための装置の概略図である。
図5】「ダウンカット」されたビレット同士を首尾よく溶接して、圧延製品に圧延するためのエンドレスバーを得るための方法を詳述するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
添付の図面に関連して以下に述べられる詳細な説明は、本発明における現時点で好ましい実施形態の説明を意図しており、本発明が実施され得る唯一の形態を表すことを意図するものではない。本発明の精神および範囲内に包含されることが意図される複数の異なる実施形態によって、同一または同等の機能が達成され得ることが理解されるべきである。さらに、「備える」、「有する」、「含む」という用語、又は他の任意の用語は、非排他的な包含をカバーすることを意図したものであり、複数の要素または複数のステップのリストを含む装置および方法のステップには、それらの要素またはステップのみが含まれるのではなく、明示的にリストされていない、又は固有ではない他の要素またはステップが含まれ得る。要素またはステップを備える(有する、含む)という表現は、さらなる制約がなければ、その要素またはステップを構成する追加の同一の要素またはステップの存在を妨げるものではない。
【0035】
図4は、「ダウンカット」されたビレット同士を首尾よく溶接して、圧延製品に圧延するためのエンドレスバーを得るための装置の、本開示の態様に係る一実施形態の概略図を示す。図4は、互いに溶接されてエンドレスバーとなる一連のビレットのうちの「ダウンカット」された鋼製ビレット401と、加工ラインに沿って鋼製ビレットを搬送するためのコンベヤ402と、再加熱炉406と、フラッシュ溶接装置407およびこれに関連する制御手段408と、シェービングカッター410と、圧延スタンド412とを示す。
【0036】
再加熱炉406は、鋼製ビレット401を加熱するように構成および動作され、これにより、ビレットは、圧延スタンド412によって圧延製品413に圧延するのに適切な展性を有し得る。
【0037】
鋼製ビレット同士を首尾よくフラッシュ溶接してこれらのビレット間に溶接接合部409を形成するために、フラッシュ溶接装置407は、制御手段408によって制御され、鋼製ビレットとともにコンベヤ402に沿って移動する手段を備えるように構成される。
【0038】
シェービングカッター410は、バリ取りとしても知られる、溶接接合部409から余分な溶接材料を除去するためのものである。これにより、図4に示すように、バリ取りされた溶接接合部411が生成され、このプロセスが行われなかった場合、又は、このプロセスが首尾よくなされなかった場合、形成された圧延製品413には、余分な溶接材料において押し付けられたことによる表面欠陥すなわち「ヘゲ」が含まれることになる。
【0039】
圧延スタンド412は、形成されたエンドレスバーを圧延して鉄筋または鋼板などの圧延製品413にし、シェービングカッター410を通過した後にエンドレスバーの表面に形成された凹部またはシェービング変形を滑らかにするように構成されている。
【0040】
図1aは、「ガス切断」されたビレットの図であり、当該ビレットは、連続鋳造プロセスにおける切断動作後にも元の正方形の断面を維持することを示している。「ガス切断」は、燃料ガスと酸素を用いて行われる。このプロセスでは機械的な力が作用しないため、結果として得られるビレット端部の断面は、元の正方形の断面を維持する(図1a参照)。この種のビレット端部は、例えばエンドレスバー圧延プロセスなどにおけるフラッシュ溶接用として、製造業者に好まれる。なぜなら、ビレット端部の断面が正方形であることにより、ビレットの向きに関係なく、また結果的に欠陥が生じることなく、標準的なフラッシュ溶接プロセスを使用してビレット端部同士が溶接され得るためである。しかしながら、この方法には、燃料ガスと酸素による燃焼に伴う損失が生じるという欠点がある。
【0041】
図1bは、鋼製ビレットの「ガス切断」された端部を示し、フラッシュ溶接とバリ取りが首尾よくなされ得るように構成されていることを示す。このプロセスは、図4の装置を使用して実行され得るが、ビレット回転手段405は必須ではなく、用いられなくてもよい。さらに、フラッシュ溶接装置407及びシェービングカッター410は、完全にバリ取りされ得る溶接接合部409を形成するように従来の方法で動作されてもよい。図示のように、「ガス切断」されたビレット101-A,101-Bは、フラッシュ溶接装置を使用してフラッシュ溶接され、エンドレスバー101-ABと、余分な溶接材料を備えたフラッシュ溶接接合部102とが形成される。余分な溶接材料は、1つまたは複数のシェービングカッターを用いて、形成されたエンドレスバー101-ABのフラッシュ溶接接合部102から首尾よくバリ取りされ得る。
【0042】
図2aは、「斜め切断」されたビレットの写真であり、この種のビレットの変形が最小限であることを示している。「斜め切断」されるビレットは、連続鋳造プロセスにおいて機械的剪断によって斜めに切断される。これにより、ビレットの断面が多少変形するが、正方形の断面が維持され、フラッシュ溶接において製造業者に使用され得る(図2a参照)。なぜなら、これらのビレットの断面により、ビレットの向きに関係なく、また結果的に欠陥が生じることなく、標準的なフラッシュ溶接プロセスを使用してビレット同士が溶接され得るためである。
【0043】
図2bは、斜め切断された鋼製ビレットの端部を示し、フラッシュ溶接とバリ取りが首尾よくなされ得るように構成されていることを示す。このプロセスは、図4の装置を使用して実行されてもよいが、ビレット回転手段405は必須でなく、用いられなくてもよい。さらに、フラッシュ溶接装置407及びシェービングカッター410は、完全にバリ取りされ得る溶接接合部409を形成するように従来の方法で動作されてもよい。図示のように、「斜め切断」されたビレット201-A,201-Bは、フラッシュ溶接装置を使用してフラッシュ溶接され、エンドレスバー201-ABと、余分な溶接材料を備えたフラッシュ溶接接合部202とが形成される。余分な溶接材料は、1つまたは複数のシェービングカッターを用いて、形成されたエンドレスバー201-ABのフラッシュ溶接接合部202から首尾よくバリ取りされ得る。
【0044】
図3aは、「ダウンカット」されたビレットの図であり、この種のビレットの変形特性を示している。「ダウンカット」法では、連続鋳造プロセスにおけるシャーの切断動作により、ビレットの端部の断面が大きく変形される。ダウンカットによる機械的剪断は、ビレットの1つの側面からビレットの輪郭を横切ってビレットを切断し得る。機械的剪断機の切断作用により、ビレットの「ダウンカット」面におけるビレット端部の輪郭が、ビレット端部から離れたビレットの通常の輪郭と比較して径方向内側に延びるように長手軸において湾曲される。例えば、ダウンカットされたビレットの輪郭は、ビレットの端部から長さ100mmにわたって、通常のビレットの輪郭から約25mm以上の距離だけ径方向内側に湾曲してもよい。このことは、150mm×150mm(150mm角)のビレットの場合、ビレットの長さに沿ったビレットの輪郭に比べて、ビレットの端部の輪郭がダウンカット面において17%変形することを示し得る。反対側の側面では、通常のビレットの輪郭から離れる何らかの変形が形成される可能性があり、その結果、反対側の側面は径方向外側に延びるが、通常は、より短い長さにわたってより少量だけ延びる。
【0045】
図3bは、「ダウンカット」されたビレット301の図であり、ビレットの端部領域303の変形と、これらの端部領域303から離れた位置においてビレットの通常の正方形の断面輪郭302が保持されることとを示している。図3bの陰影部は、説明のみを目的としており、ビレットの物理的特性を示すものではなく、「ダウンカット」されたビレット301のどの部分が端部領域303を構成するかを示すものである。ここで、ビレットの1つの側面でのビレットの断面の変形は、ビレットの端部から離れたビレットの通常の正方形の断面輪郭302と比較して、ビレットの輪郭の中へ徐々に径方向内向きに延びる。破線304は、「ダウンカット」されたビレット301の通常の正方形の断面輪郭302の端部と、変形したダウンカット端部領域303の始まりとを示すものであり、各端部領域303は、ビレットの少なくとも10cmの長さ部分を構成する。
【0046】
図3cは、フラッシュ溶接されるダウンカット端部を有する鋼製ビレット311-A,311-Bを示し、ダウンカット端部の変形が直角方向に位置合わせされ、その結果、フラッシュ溶接とバリ取りが首尾よくなされないことによる欠陥が生じることを示す。ビレットの上面、つまり、ダウンカット動作において機械的剪断によって切断および変形される側面には陰影が付されているが、この陰影部は、ビレットの物理的特性を示すために使用されるものではない。図示のように、「ダウンカット」されたビレット311-A,311-Bは、フラッシュ溶接装置を使用してフラッシュ溶接され、エンドレスバー311-ABと、余分な溶接材料を備えたフラッシュ溶接接合部312とが形成される。ここで、図3cは、ビレット311-A,311-Bが直角に向けられて、互いに位置合わせするためのビレット回転手段が用いられない状態でフラッシュ溶接される場合(例えば、本開示に係る場合)に生じ得ることを示すものである。余分な溶接材料は、1つまたは複数のシェービングカッターを用いて、形成されたエンドレスバー311-ABのフラッシュ溶接接合部312からバリ取りされるが、この場合、余分な溶接材料のすべてが首尾よく除去されるわけではない。この原因は、余分な溶接材料がビレットの通常の断面内にランダムな向きにあるため、この材料にシェービングカッターが到達できないことである。この結果、当該材料は、表面の欠陥、すなわち「ヘゲ」として最終製品に残り、形成された製品はスクラップとして拒否される。
【0047】
図3dは、フラッシュ溶接されるダウンカット端部を有する鋼製ビレット321-A,321-Bを示し、ダウンカット端部の変形が別の直角方向に位置合わせされ、その結果、フラッシュ溶接とバリ取りが首尾よくなされないことによる欠陥が生じることを示す。ビレットの上面、つまり、ダウンカット動作において機械的剪断によって切断および変形される側面には陰影が付されているが、この陰影部は、ビレットの物理的特性を示すために使用されるものではない。図示のように、「ダウンカット」されたビレット321-A,321-Bは、フラッシュ溶接装置を使用してフラッシュ溶接され、エンドレスバー321-ABと、余分な溶接材料を備えたフラッシュ溶接接合部322とが形成される。また、図3dも、ビレット321-A,321-Bが別の直角方向に向けられて、互いに位置合わせするためのビレット回転手段が用いられない状態でフラッシュ溶接される場合(例えば、本開示に係る場合)に生じ得ることを示すものである。余分な溶接材料は、1つまたは複数のシェービングカッターを用いて、形成されたエンドレスバー321-ABのフラッシュ溶接接合部322からバリ取りされるが、この場合、余分な溶接材料のすべてが首尾よく除去されるわけではない。この原因は、余分な溶接材料がビレットの通常の断面内にランダムな向きにあるため、この材料にシェービングカッターが到達できないことである。この結果、当該材料は、表面の欠陥、すなわち「ヘゲ」として最終製品に残り、形成された製品はスクラップとして拒否される。
【0048】
ダウンカットされたビレット端部を有するビレット同士のフラッシュ溶接を首尾よく達成させるために、本願発明者は改良されたプロセスを開発した。この改良プロセスには、例えば図3e(反対側へのダウンカット位置合わせ)または図3f(相補的なダウンカット位置合わせ)に示す位置合わせのように、所望の位置合わせでの溶接の前に、曲がった端部の両方が位置合わせされるように、各ビレットが位置合わせされているか又は位置合わせされることを保証することが含まれる。
【0049】
図3eは、フラッシュ溶接されるダウンカット端部を有する鋼製ビレット331-A,331-Bを示し、ダウンカット端部の変形が互いに反対方向に位置合わせされ、その結果、フラッシュ溶接とバリ取りが首尾よくなされることを示す。ビレットの上面、つまり、ダウンカット動作において機械的剪断によって切断および変形される側面には陰影が付されているが、この陰影部は、ビレットの物理的特性を示すために使用されるものではない。図示のように、「ダウンカット」されたビレット331-A,331-Bは、フラッシュ溶接装置を使用してフラッシュ溶接され、エンドレスバー331-ABと、余分な溶接材料を備えたフラッシュ溶接接合部332とが形成される。互いに反対側に位置合わせされた構成では2つの側面のみに余分な材料が生じるため、1つ又は複数のシェービングカッターを用いて、形成されたエンドレスバー331-ABのフラッシュ溶接接合部332から余分な溶接材料が首尾よくバリ取りされ得る。ここで、ビレットの通常の断面の輪郭の内側にあり得るビレットの所望の側面にフラッシュ溶接により確実に形成された余分な溶接材料が、シェービングカッターにより確実に除去され得るように、フラッシュ溶接時間、アプセット距離、又はシェービングカッターが構成されてもよい。シェービングカッターは、ダウンカット変形を示す2つの側面においてビレットの通常の断面の輪郭の内側を切断するように構成されてもよい。ただし、この構成は、溶接材料がビレットの通常の断面の輪郭の外側に確実に広がるようにフラッシュ溶接時間とアプセット距離が構成されている場合には、必ずしも必要でない。
【0050】
図3fは、フラッシュ溶接されるダウンカット端部を有する鋼製ビレット341-A,341-Bを示し、ダウンカット端部の変形が同じ方向に相補的に位置合わせされ、その結果、フラッシュ溶接とバリ取りが首尾よくなされることを示す。ビレットの上面、つまり、ダウンカット動作において機械的剪断によって切断および変形される側面には陰影が付されているが、この陰影部は、ビレットの物理的特性を示すために使用されるものではない。図示のように、「ダウンカット」されたビレット341-A,341-Bは、フラッシュ溶接装置を使用してフラッシュ溶接され、エンドレスバー341-ABと、余分な溶接材料を備えたフラッシュ溶接接合部342とが形成される。相補的に位置合わせされた構成では1つの側面のみに余分な材料が生じるため、1つ又は複数のシェービングカッターを用いて、形成されたエンドレスバー341-ABのフラッシュ溶接接合部342から余分な溶接材料が首尾よくバリ取りされ得る。ここで、ビレットの通常の断面の輪郭の内側にあり得るビレットの所望の側面にフラッシュ溶接により確実に形成された余分な溶接材料が、シェービングカッターにより確実に除去され得るように、フラッシュ溶接時間、アプセット距離、又はシェービングカッターが構成されてもよい。シェービングカッターは、ダウンカット変形を示す2つの側面においてビレットの通常の断面の輪郭の内側を切断するように構成されてもよい。ただし、この構成は、溶接材料がビレットの通常の断面の輪郭の外側に確実に広がるようにフラッシュ溶接時間とアプセット距離が構成されている場合には、必ずしも必要でない。
【0051】
図4に示すように、溶接前にビレットを回転させて、ダウンカットされたビレット端部同士を位置合わせするように、ビレット回転手段(ビレット回転機)405が制御されてもよい。フラッシュ溶接プロセスでは、例えば、ビレットをフラッシュ溶接するための通常のフラッシュ時間およびアプセット距離と比較して、フラッシュ時間が延長されてもよく、アプセット距離が増大されてもよい。
【0052】
フラッシュ溶接装置407のフラッシュ時間は、鋼製ビレットの端部間に、部分的に溶融するために使用される高電流電気アークが存在する時間であり、アプセット距離は、コンベヤ402上を移動する鋼製ビレットが、エンドレスバーを形成するようにビレットの部分的に溶融した端部同士を融合させる機能のために互いに押し付けられている間に移動する距離である。
【0053】
例えば、20秒を超えるフラッシュ時間が使用されてもよく、40mmを超えるアプセット距離が使用されてもよい。フラッシュ時間および/またはアプセット距離は、シェービングカッター/バリ取り機(デバリング機)によって削られるときに表面の欠陥が確実に回避されるように、位置合わせされたビレット端部における溶接を形成するのに十分な値に変更され得る。このことは、フラッシュ時間およびアプセット距離の延長により、溶接接合部409の余剰分がビレットの輪郭からさらに突出することで達成され得る。これにより、シェービングカッター410は、首尾よくバリ取りできるように接合部により良好にアクセスし得る。
【0054】
ビレット方向決定手段403は、入ってくる鋼製ビレット401のダウンカット端部の向きを決定するために使用され、制御手段404を介してビレット回転手段405に結合される。これにより、先に溶接されたビレットに対して溶接されるビレットは、その長手軸の周りに回転されて、当該ビレットの前部のダウンカット端部を、先に溶接されたビレットの後部のダウンカット端部に位置合わせすることができる。これにより、フラッシュ溶接装置407によって形成される溶接接合部409は、シェービングカッター410によって首尾よくバリ取りされ得る。
【0055】
例えばソフトウェアによって、再加熱炉406の投入側でビレット回転装置を動作させるように構成されたプロセッサに結合されたカメラは、再加熱炉406の内側で回転し得るビレットの向きを検出して修正するために(すなわち、ビレット方向決定手段403として)使用され得る。再加熱炉の排出側においても、(例えば歩行床炉内でビレットが回転する場合、)同じカメラ及び回転装置の構成が追加または代替として使用されてもよい。プロセッサに接続されたカメラは、第1のビレットの後端の画像を取得でき、図3e又は図3fに示す構成で次のビレットを先のビレットの後端に一致するように回転させ得る。このようにして、ビレットのランダムな向きは、相補的に位置合わせされた向き、又は反対方向の向きのみに制限され、これに応じて、溶接接合部の余剰分が首尾よく完全に削り取られ得る。
【0056】
形成された溶接部の余剰分を除去するために、(バリ取りを実行する)シェービングカッター410は、径方向内側に曲がった端部を有するダウンカット面をより深く切り込むように構成されてもよい。このより深い切り込みにより、図3のエンドレスバー331-AB,341-ABに見られるように、接合部のビレットの断面にわずかな凹面が生じ得る。このわずかな凹面は、少なくとも1つ又は2つの圧延スタンド412を通過した後に分散され、最終製品に欠陥ないしヘゲが生じることなく、長さ方向に沿って圧延製品の断面が均一になる。このようにして、「ダウンカット」されたビレットのフラッシュ溶接の課題が克服され得る。
【0057】
図5は、「ダウンカット」されたビレット同士を首尾よく溶接して、圧延製品に圧延するためのエンドレスバーを得るための方法を詳述するフローチャートを示す。
【0058】
ステップ501では、先に溶接されたビレットの後部に溶接されるビレットの前部のダウンカット端部の向き(ビレットの変形の向き)が決定される。
【0059】
決定された向きに基づいて、ステップ502では、先に溶接されたビレットに溶接される次のビレットが、その前部のダウンカット端部を、先に溶接されたビレットの後部のダウンカット端部に位置合わせするように、当該次のビレットの長手軸の周りに回転される必要があるかどうかが決定される。これにより、フラッシュ溶接装置によって形成される溶接部がシェービングカッターによって首尾よくバリ取りされ得る。
【0060】
決定された回転に基づいて、ステップ503では、圧延製品に連続的に圧延するためのエンドレスバーを形成するようにフラッシュ溶接するために、ビレットの長手軸の周りにビレットを回転させるように、ビレット回転手段が動作される。
【0061】
ステップ504では、フラッシュ溶接装置を使用して、位置合わせされたビレットのフラッシュ溶接が実行される。
【0062】
ステップ505では、1つ又は複数のシェービングカッターを用いて、形成されたエンドレスバーのフラッシュ溶接接合部から余分な溶接材料がバリ取りされる。
【0063】
ステップ506において、形成されたエンドレスバーは、連続的に圧延されて圧延鋼製品となる。
【0064】
本発明の目的は、フラッシュ溶接機を、ダウンカット端部を含むあらゆる種類のビレット端部の切断に対応できるように多用途化し、柔軟性による明白な利点をもたらすことである。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図3f
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-12-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダウンカット式で切断されたダウンカット端部を有する複数の鋼製のビレットを互いに溶接するための方法であって、
それぞれの前記ダウンカット端部は、前記ビレットの端部領域から離れた前記ビレットの通常の正方形の断面輪郭に比べて、前記ビレットの前記端部領域における前記ビレットの輪郭の内側へ前記ビレットの1つの側面が徐々に延びるような前記ビレットの断面の変形を有し、前記変形は、先になされた前記切断の動作によって生じたものであり、
前記方法は、連続的に圧延して圧延製品を得るためのエンドレスバーを形成するために、フラッシュ溶接装置と、余分な溶接材料を除去するための1つまたは複数のシェービングカッターとを使用するものであり、
先に溶接されたビレットの後部に溶接される次のビレットの前部のダウンカット端部の向きを決定するステップと、
前記フラッシュ溶接装置によって形成される溶接部のバリが前記シェービングカッターによって首尾よく除去され得るために、前記先に溶接されたビレットの前記後部のダウンカット端部に前記次のビレットの前記前部のダウンカット端部を位置合わせするように前記次のビレットの長手軸の周りに前記次のビレットが回転される必要があるか否かを、前記向きに基づいて決定するステップと、
決定された前記回転の要否に応じて、前記次のビレットの長手軸の周りに前記次のビレットを回転させるようにビレット回転手段を動作させて、連続的に圧延して圧延製品を形成するためのエンドレスバーを形成するステップと、
前記フラッシュ溶接装置を使用して、前記位置合わせされたビレット同士をフラッシュ溶接するステップと、
前記1つまたは複数のシェービングカッターを使用して、形成された前記エンドレスバーのフラッシュ溶接された接合部から余分な溶接材料のバリを除去するステップと、
を備える方法。
【請求項2】
前記ダウンカット端部を形成する前記切断の動作は、
前記ビレットの一方側に配置された静止シャーと、他方側に配置された可動シャーとを有する機械式剪断機によって、前記静止シャーと前記可動シャーとの間における前記ビレットの断面を横切るように前記可動シャーが前記静止シャーに向かって移動しながら行われ、
この結果として、前記ビレットの前記1つの側面が前記ビレットの輪郭の内側へ少なくとも25mm以上、又は前記ビレットの前記通常の断面輪郭の厚さの少なくとも10%だけ延びるような変形を生じさせたものである、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ビレットにおける前記変形した前記ダウンカット端部の領域は、前記ビレットの先端から少なくとも10センチメートルの領域を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
1つまたは複数のシェービングカッターによって前記余分な溶接材料が首尾よくバリ取りされ得るように、前記フラッシュ溶接装置のフラッシュ時間とアプセット距離とを、前記ビレットの前記ダウンカット端部の変形される面の側において前記余分な溶接材料が前記ビレットの輪郭からはみ出すのに十分な値に制御するステップを更に備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記シェービングカッターは、前記フラッシュ溶接された接合部から前記余分な溶接材料をすべて除去するのに十分な切り込み深さになるように、前記ビレットの前記ダウンカット端部における少なくとも変形される面の側において、前記溶接されたエンドレスバーの前記通常の正方形の断面の輪郭の内側を切断するように構成されている、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
先に溶接されたビレットに溶接される前記次のビレットの長手軸の周りの前記回転は、前記フラッシュ溶接装置によって形成される溶接部のバリが前記シェービングカッターによって首尾よく除去され得るように、互いに溶接されるビレットの前記ダウンカット端部同士を同じ方向に相補的に位置合わせする回転、又は、互いに溶接されるビレットの前記ダウンカット端部同士を反対方向に位置合わせする回転である、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
連続的に圧延して圧延製品を得るために形成される前記エンドレスバーは、表面の欠陥または前記余分な溶接材料のバリ取りによる輪郭の変化が前記圧延製品に生じないように、1つまたは複数の圧延スタンドで圧延される、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ダウンカット式で切断されたダウンカット端部を有する複数の鋼製のビレットを互いに溶接するための装置であって、
それぞれの前記ダウンカット端部は、前記ビレットの端部領域から離れた前記ビレットの通常の正方形の断面輪郭に比べて、前記ビレットの前記端部領域における前記ビレットの輪郭の内側へ前記ビレットの1つの側面が徐々に延びるような前記ビレットの断面の変形を有し、前記変形は、前記切断の動作によって生じたものであり、
前記溶接は、連続的に圧延して圧延製品を得るためのエンドレスバーを形成するためのものであり、
先に溶接されたビレットの後部に溶接される次のビレットの前部のダウンカット端部の向きを決定し、且つ、前記先に溶接されたビレットの前記後部のダウンカット端部に前記次のビレットの前記前部のダウンカット端部を位置合わせするように前記次のビレットの長手軸の周りに前記次のビレットが回転される必要があるか否かを、前記向きに基づいて決定するためのビレット方向決定手段と、
前記ビレット方向決定手段によって決定された回転に基づいて、前記位置合わせを達成するように前記次のビレットの長手軸の周りに前記次のビレットを回転させるように構成されたビレット回転装置と、
圧延用のエンドレスバーを形成するように前記位置合わせがなされたビレット同士をフラッシュ溶接するためのフラッシュ溶接装置と、
前記ビレット間の溶接接合部から余分な溶接材料のバリを除去するための1つまたは複数のシェービングカッターと、を備え、
前記決定された回転は、前記フラッシュ溶接装置によって形成される溶接部のバリが前記シェービングカッターによって首尾よく除去され得るような回転である、
装置。
【請求項9】
前記ビレット回転装置は、前記フラッシュ溶接装置によって形成される溶接部のバリが前記シェービングカッターによって首尾よく除去され得るように、先に溶接されたビレットに溶接される前記次のビレットの長手軸の周りに前記次のビレットを回転させて、互いに溶接されるビレットの前記ダウンカット端部同士を同じ方向に相補的に位置合わせするか、又は、互いに溶接されるビレットの前記ダウンカット端部同士を反対方向に位置合わせするように構成されている、
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記フラッシュ溶接装置のフラッシュ時間とアプセット距離とが、1つまたは複数のシェービングカッターによって前記余分な溶接材料が首尾よくバリ取りされ得る程度に前記ビレットの前記ダウンカット端部の変形される面の側において前記余分な溶接材料が前記ビレットの輪郭からはみ出すのに十分な値になるように、前記フラッシュ溶接装置が構成されている、
請求項8に記載の装置。
【請求項11】
形成される前記エンドレスバーが圧延製品に圧延されるのに十分な可鍛性を有するように、フラッシュ溶接の前に各ビレットを加熱するために配置された再加熱炉を更に備える、
請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記ビレット方向決定手段は、ビレットの前記ダウンカット端部の向きを決定するために、前記再加熱炉と前記フラッシュ溶接装置との間に配置され、1つまたは複数のプロセッサに結合された1つまたは複数のカメラを備える、
請求項11に記載の装置。
【請求項13】
形成される前記エンドレスバーを連続的に圧延して圧延製品にするために使用される1つまたは複数の圧延スタンドを更に備える、
請求項8に記載の装置。
【請求項14】
前記シェービングカッターは、前記エンドレスバーの輪郭表面ごとに別個の切断手段を備える、
請求項8に記載の装置。
【請求項15】
前記シェービングカッターは、前記フラッシュ溶接された接合部から前記余分な溶接材料をすべて除去するのに十分な切り込み深さになるように、前記ビレットの前記ダウンカット端部における少なくとも変形される面の側において、前記溶接されたエンドレスバーの前記通常の正方形の断面の輪郭の内側を切断するように構成されている、
請求項8に記載の装置。
【請求項16】
前記1つまたは複数のシェービングカッターは、前記余分な溶接材料による表面の欠陥を生じさせることなく、1つまたは複数の圧延スタンドによって、前記エンドレスバーが連続的に圧延されて圧延製品を形成するように、前記溶接接合部からバリを除去する、
請求項8に記載の装置。
【外国語明細書】