(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039012
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】イメージセンサ
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20240313BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20240313BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20240313BHJP
【FI】
H01L27/146 D
H01L21/88 J
H01L21/90 A
H01L27/146 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023145492
(22)【出願日】2023-09-07
(31)【優先権主張番号】10-2022-0114457
(32)【優先日】2022-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】柳 制亨
(72)【発明者】
【氏名】林 夏珍
(72)【発明者】
【氏名】全 宅洙
【テーマコード(参考)】
4M118
5F033
【Fターム(参考)】
4M118AA05
4M118AB01
4M118BA04
4M118BA14
4M118CA02
4M118CA03
4M118CA32
4M118CA33
4M118CA34
4M118CB01
4M118CB02
4M118CB03
4M118CB13
4M118DD04
4M118DD12
4M118EA14
4M118EA18
4M118FA27
4M118FA35
4M118FB09
4M118GA02
4M118GD03
4M118GD13
4M118HA33
5F033HH19
5F033HH32
5F033HH33
5F033HH34
5F033JJ01
5F033JJ19
5F033JJ32
5F033JJ33
5F033JJ34
5F033KK19
5F033KK32
5F033KK33
5F033KK34
5F033MM12
5F033MM30
5F033NN06
5F033NN32
5F033NN39
5F033QQ04
5F033QQ07
5F033QQ09
5F033QQ24
5F033QQ37
5F033RR03
5F033RR04
5F033RR06
5F033RR21
5F033SS04
5F033SS15
5F033TT02
5F033UU04
5F033WW00
5F033XX26
(57)【要約】
【課題】イメージセンサを提供する。
【解決手段】第1ピクセルと、第1ピクセルと隣接して配された第2ピクセルと、を含む半導体基板;第1ピクセルと第2ピクセルとの間のピクセル分離構造体;第1ピクセル、第2ピクセル及びピクセル分離構造体の上に配された反射防止層;反射防止層及び半導体基板を貫通する貫通ビアホール内に配される貫通ビア構造体;を含み、貫通ビア構造体は、貫通ビアホールの内壁上に配される第1導電層と、貫通ビアホールの内壁上において、第1導電層上に配される第2導電層と、を含み、反射防止層は、TiO
2によってなり、第1導電層は、Tiより仕事関数が高い物質によってなることを特徴とするイメージセンサである。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ピクセルと、前記第1ピクセルと隣接して配された第2ピクセルと、を含む半導体基板と、
前記第1ピクセルと前記第2ピクセルとの間のピクセル分離構造体と、
前記第1ピクセル、前記第2ピクセル及び前記ピクセル分離構造体の上に配された反射防止層と、
前記反射防止層及び前記半導体基板を貫通する貫通ビアホール内に配される貫通ビア構造体と、を含み、
前記貫通ビア構造体は、
前記貫通ビアホールの内壁上に配される第1導電層と、
前記貫通ビアホールの内壁上において、前記第1導電層上に配される第2導電層と、を含み、
前記反射防止層は、TiO2によってなり、
前記第1導電層は、Tiより仕事関数が高い物質によってなることを特徴とするイメージセンサ。
【請求項2】
前記第1導電層は、WN、TiN及びTaNのうち少なくともいずれか一つによってなることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記半導体基板は、第1面と前記第1面に反対となる第2面と、を含み、
前記反射防止層は、前記第2面上に配され、
前記貫通ビア構造体は、前記第2面上から前記第1面上に延長されることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
前記半導体基板の第2面と前記反射防止層との間に配される第1暗電流抑制層をさらに含み、
前記第1暗電流抑制層は、それぞれAlOx(ここで、xは、0より大きく、2より小さい)及びHfOのうち少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記反射防止層上に配される絶縁層をさらに含み、
前記絶縁層は、SiOx(xは、0より大きく、2より小さいか、あるいはそれと同じである)を含むことを特徴とする請求項4に記載のイメージセンサ。
【請求項6】
前記貫通ビア構造体は、Tiを含まないことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項7】
前記半導体基板の第1面上に配される第1前面構造物と、
前記第1前面構造物に付着された第2前面構造物と、をさらに含み、
前記貫通ビア構造体は、前記第1前面構造物の一部、及び前記第2前面構造物の一部を貫通することを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項8】
前記第1前面構造物は、前記第1前面構造物の内部に配される第1導電パターンを含み、
前記第2前面構造物は前記第2前面構造物の内部に配される第2導電パターンを含み、
前記貫通ビア構造体は、前記第1導電パターン及び前記第2導電パターンを電気的に連結することを特徴とする請求項7に記載のイメージセンサ。
【請求項9】
前記第1導電層は、前記反射防止層の側面に接触することを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項10】
前記第1導電層は、4.33eVより大きい仕事関数を有する物質によってなることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項11】
前記第1導電層は、前記反射防止層の上面一部を覆い、
前記貫通ビア構造体は、前記貫通ビア構造体の断面形状が第1方向に幅が狭くなるテーパ形状であることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項12】
第1ピクセルと、前記第1ピクセルと隣接して配された第2ピクセルと、を含む半導体基板と、
前記第1ピクセルと前記第2ピクセルとの間のピクセル分離構造体と、
前記第1ピクセル、前記第2ピクセル及び前記ピクセル分離構造体の上に配された反射防止層と、
前記半導体基板の第1面上に配され、第1導電パターンを含む第1前面構造物と、
前記第1前面構造物に付着され、第2導電パターンを含む第2前面構造物と、
前記反射防止層及び前記半導体基板を貫通する貫通ビアホール内に配され、前記第1前面構造物の一部と、前記第2前面構造物の一部とを貫通し、前記第1導電パターンと前記第2導電パターンとを電気的に連結する貫通ビア構造体と、を含み、
前記貫通ビア構造体は、
前記貫通ビアホールの内壁上に配される第1導電層と、
前記貫通ビアホールの内壁上において、前記第1導電層上に配される第2導電層と、を含み、
前記第1導電層は、窒化物を含み、前記第2導電層は、タングステンを含むことを特徴とするイメージセンサ。
【請求項13】
前記第1導電層は、W、Ti及びTaのうち少なくともいずれか1つの金属を含む金属窒化物を含むことを特徴とする請求項12に記載のイメージセンサ。
【請求項14】
前記第1導電層は、前記反射防止層の側面と接触し、
前記第2導電層は、前記反射防止層と離隔されたことを特徴とする請求項12に記載のイメージセンサ。
【請求項15】
前記第2導電層は、前記第1導電層と接触して配されることを特徴とする請求項12に記載のイメージセンサ。
【請求項16】
前記半導体基板は、第1面と、前記第1面に反対となる第2面と、を含み、
前記半導体基板の第2面と前記反射防止層との間に配される第1暗電流抑制層と、
前記反射防止層上に配される第2暗電流抑制層と、
前記第2暗電流抑制層と前記反射防止層との間に配される絶縁層と、をさらに含み、
前記第1暗電流抑制層及び前記第2暗電流抑制層は、それぞれAlOx(ここで、xは、0より大きく、2より小さい)及びHfOのうち少なくとも一つを含み、
前記絶縁層は、SiOx(xは、0より大きく、2より小さいか、あるいはそれと同じである)を含むことを特徴とする請求項12に記載のイメージセンサ。
【請求項17】
前記貫通ビア構造体は、前記第1暗電流抑制層、前記第2暗電流抑制層及び前記絶縁層それぞれの側面と接触することを特徴とする請求項16に記載のイメージセンサ。
【請求項18】
ロジック素子が形成された第1半導体基板、及び前記第1半導体基板の上部の第1前面構造物を具備した第1半導体チップと、
前記第1半導体チップ上に積層され、多数のピクセルが形成された第2半導体基板、前記第2半導体基板の上部に配された反射防止層、前記第2半導体基板の下部の第2前面構造物を具備した第2半導体チップと、
前記反射防止層、前記第2半導体基板及び第2前面構造物の一部を貫通し、前記ロジック素子と、前記多数のピクセルとを電気的に連結する貫通ビア構造体と、を含み、
前記反射防止層は、TiO2を含み、
前記貫通ビア構造体は、タングステンを含む第2導電層、及びTiより高い仕事関数を有する物質によってなる第1導電層を含み、
前記第1導電層は、前記反射防止層の側面と接触することを特徴とするイメージセンサ。
【請求項19】
前記第1導電層は、WN、TiN及びTaNのうち少なくともいずれか一つを含み、
前記第2導電層は、前記反射防止層と離隔され、前記第1導電層と接触し、
前記反射防止層は、HfO2を含まないことを特徴とする請求項18に記載のイメージセンサ。
【請求項20】
前記第1前面構造物は、第1導電パターンを含み、前記第2前面構造物は、第2導電パターンを含み、
前記第1導電層は、前記第1導電パターン及び前記第2導電パターンとそれぞれ接触することを特徴とする請求項18に記載のイメージセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
イメージセンサは、光学イメージ信号を電気信号に変換させる装置である。該イメージセンサは、ピクセル領域とロジック領域とを含むものでもある。ピクセル領域には、複数個のピクセルが二次元アレイ構造に配列され、ピクセルを構成する単位ピクセルは、1つのフォトダイオードとピクセルトランジスタとを含むものでもある。該ロジック領域には、ピクセル領域からのピクセル信号を処理するためのロジック素子が配されうる。
【0003】
最近、ピクセル領域とロジック領域とをそれぞれの半導体チップに形成し、2個の半導体チップを積層した構造の背面照射(BSI:back side illumination)イメージセンサが開発されている。背面照射(BSI)を具現するためのボンディング技術は、酸化物対酸化物の工程と、金属対金属の工程とに分けられ、それらに適用される貫通シリコンビア(TSV:through silicon via)方式または背面貫通スタック(BVS:back via stack)方式の技術に大きな関心が向けられている。TSV方式またはBSV方式の場合、複数の端子間の漏れ電流(leakage current)発生を抑制するために、複数の端子間に、絶縁構造(isolation structure)を形成しうる。ただし、該絶縁構造の一部に欠陥(defect)が生じる場合、依然として漏れ電流が生じうるという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の技術的思想が解決しようとする課題は、貫通ビア構造体と反射防止層との間の漏れ電流が低減され、向上されたイメージ品質を有するイメージセンサを提供することである。
【0005】
また、本発明の技術的思想が解決しようとする課題は、前述の課題に制限されるものではなく、他の課題は、以下の記載から、通常の技術者に明確に理解されうるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の技術的思想は、第1ピクセルと、前記第1ピクセルと隣接して配された第2ピクセルと、を含む半導体基板;前記第1ピクセルと前記第2ピクセルとの間のピクセル分離構造体;前記第1ピクセル、前記第2ピクセル及び前記ピクセル分離構造体の上に配された反射防止層;並びに前記反射防止層及び前記半導体基板を貫通する貫通ビアホール内に配される貫通ビア構造体;を含み、前記貫通ビア構造体は、前記貫通ビアホールの内壁上に配される第1導電層;及び前記貫通ビアホールの内壁上において、前記第1導電層上に配される第2導電層を含み、前記反射防止層は、TiO2によってなり、前記第1導電層は、Tiより仕事関数が高い物質によってなることを特徴とするイメージセンサを提供する。
【0007】
また、本発明の技術的思想は、前記課題を解決するために、第1ピクセルと、前記第1ピクセルと隣接して配された第2ピクセルと、を含む半導体基板;前記第1ピクセルと前記第2ピクセルとの間のピクセル分離構造体;前記第1ピクセル、前記第2ピクセル及び前記ピクセル分離構造体の上に配された反射防止層;前記半導体基板の第1面上に配され、第1導電パターンを含む第1前面構造物;前記第1前面構造物に付着され、第2導電パターンを含む第2前面構造物;並びに前記反射防止層及び前記半導体基板を貫通する貫通ビアホール内に配され、前記第1前面構造物の一部と、前記第2前面構造物の一部とを貫通し、前記第1導電パターンと前記第2導電パターンとを電気的に連結する貫通ビア構造体;を含み、前記貫通ビア構造体は、前記貫通ビアホールの内壁上に配される第1導電層;及び前記貫通ビアホールの内壁上において、前記第1導電層上に配される第2導電層を含み、前記第1導電層は、窒化物を含み、前記第2導電層は、タングステンを含むことを特徴とするイメージセンサを提供する。
【0008】
また、本発明の技術的思想は、前記課題を解決するために、ロジック素子が形成された第1半導体基板、及び前記第1半導体基板の上部の第1前面構造物を具備した第1半導体チップ;前記第1半導体チップ上に積層され、多数のピクセルが形成された第2半導体基板、前記第2半導体基板の上部に配された反射防止層、前記第2半導体基板下部の第2前面構造物を具備した第2半導体チップ;並びに前記反射防止層、前記第2半導体基板及び第2前面構造物の一部を貫通し、前記ロジック素子と、前記多数のピクセルとを電気的に連結する貫通ビア構造体;を含み、前記反射防止層は、TiO2を含み、前記貫通ビア構造体は、タングステンを含む第2導電層、及びTiより高い仕事関数を有する物質によってなる第1導電層を含み、前記第1導電層は、前記反射防止層の側面と接触することを特徴とするイメージセンサを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の技術的思想によるイメージセンサは、TiNを含む貫通ビア構造体、及びTiO2を含む反射防止層を含む。仕事関数が高いTiNでもって貫通ビア構造体を形成し、貫通ビア構造体と反射防止層とを接触させることにより、イメージセンサの漏れ電流を防止することができる。また、前記イメージセンサは、TiO2を利用して反射防止層を形成することにより、青色光に対する感度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態による積層構造のイメージセンサを示すが、第1半導体チップと第2半導体チップとを分離して示す分離斜視図である。
【
図2】
図1のイメージセンサにおいて、第1半導体チップのピクセル領域に含まれたピクセルを構成する単位ピクセルに係わる回路図である。
【
図3】
図1のイメージセンサにおいて、第1半導体チップのピクセル領域に含まれたピクセルを構成する単位ピクセルに係わる回路図に対応する概略的な平面図である。
【
図4】
図1の積層構造のイメージセンサのA部分を拡大して示す平面図である。
【
図5】
図1の積層構造のイメージセンサのA部分を拡大して示す断面図である。
【
図6】
図5のイメージセンサ1000のA’部分を拡大して示す断面図である。
【
図7】
図5のイメージセンサのA’部分に係わる例示的な実施形態を示す断面図である。
【
図8】
図5のイメージセンサのA’部分に係わる例示的な実施形態を示す断面図である。
【
図9】本発明の一実施形態によるイメージセンサの製造方法を示す図である。
【
図10】本発明の一実施形態によるイメージセンサの製造方法を示す図である。
【
図11】本発明の一実施形態によるイメージセンサの製造方法を示す図である。
【
図12A】本発明の一実施形態によるイメージセンサの製造方法を示す図である。
【
図13】従来のイメージセンサのエネルギーバンドダイヤグラムである。
【
図14】従来のイメージセンサに係わる漏れ電流を示すグラフである。
【
図15】本発明の一実施形態によるイメージセンサのエネルギーバンドダイヤグラムである。
【
図16】本発明の一実施形態によるイメージセンサに係わる漏れ電流を示すグラフである。
【
図17】マルチカメラモジュールを含む電子装置のブロック図である。
【
図19】本発明の技術的思想の実施形態によるイメージセンサの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下においては、添付図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明する。図面上の同一構成要素については、同一参照符号を使用し、それらに係わる重複説明は、省略する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態による積層構造のイメージセンサ1000を示すが、第1半導体チップと第2半導体チップとを分離して示す分離斜視図である。
【0013】
図1を参照すれば、本実施形態の積層構造のイメージセンサ1000(以下、簡単に、「イメージセンサ」とする)は、第1半導体チップ100と第2半導体チップ200とを含むものでもある。本実施形態のイメージセンサ1000は、第1半導体チップ100上に、第2半導体チップ200が積層された構造を有しうる。本実施形態のイメージセンサ1000は、例えば、CIS(CMOS(complementary metal oxide semiconductor) image sensor)でもある。
【0014】
第1半導体チップ100は、ロジック領域LAと第1周辺領域PE1とを含むものでもある。ロジック領域LAは、第1半導体チップ100の中央領域に配され、多数のロジック素子が配されうる。該ロジック素子は、第2半導体チップ200のピクセルからのピクセル信号を処理するための多様な素子を含むものでもある。例えば、該ロジック素子は、アナログ信号処理素子、ADC(analog-to-digital converter)、イメージ信号処理素子、制御素子などを含むものでもある。しかしながら、ロジック領域LAに含まれる素子が、前記素子に限定されるものではない。例えば、ロジック領域LAには、ピクセルに、電源やグラウンドを供給するための素子や、抵抗やキャパシタのような受動素子が含まれうる。
【0015】
第2半導体チップ200のピクセル領域PAからのピクセル信号が、第1半導体チップ100のロジック領域LAのロジック素子に伝達されうる。また、第1半導体チップ100のロジック領域LAのロジック素子から、駆動信号、電源/グラウンド信号が、第2半導体チップ200のピクセル領域PAのピクセルに伝達されうる。
【0016】
第1周辺領域PE1は、ロジック領域LAを取り囲む構造でもって、ロジック領域LAの外部に配されうる。例えば、第1周辺領域PE1は、ロジック領域LAの4面を取り囲む形態でもって、ロジック領域LAの外部に配されている。しかしながら、一実施形態により、第1周辺領域PE1は、ロジック領域LAの2面または3面の外部にだけ配されうる。一方、表示されていないが、第2半導体チップ200の貫通ビア(through via)領域VCx、VCy1、VCy2に対応し、第1周辺領域PE1にも、貫通ビア領域が配されうる。
【0017】
第2半導体チップ200は、ピクセル領域PAと第2周辺領域PE2とを含むものでもある。ピクセル領域PAは、第2半導体チップ200の中央領域に配され、多数のピクセルPXa(
図4)が二次元アレイ構造に配されうる。ピクセル領域PAは、中心のアクティブピクセル領域PAaと、アクティブピクセル領域PAaを取り囲むダミーピクセル領域(図示せず)と、を含むものでもある。アクティブピクセル領域PAaには、アクティブピクセルPXaが配され、ダミーピクセル領域(図示せず)には、ダミーピクセル(図示せず)が配されうる。
【0018】
第2周辺領域PE2は、ピクセル領域PAの外部に配されうる。例えば、第2周辺領域PE2は、ピクセル領域PAの4面を取り囲む構造でピクセル領域PAの外部に配されうる。しかしながら、実施形態により、第2周辺領域PE2は、ピクセル領域PAの2面または3面の外部にだけ配されうる。第2周辺領域PE2には、貫通ビア領域VCx、VCy1、VCy2が配されうる。貫通ビア領域VCx、VCy1、VCy2には、多数の貫通ビア構造体230が配されうる。貫通ビア構造体230は、第2半導体チップ200の第2前面構造物220の配線を介し、ピクセル領域PAのピクセルに連結されうる。また、貫通ビア構造体230は、第2半導体チップ200の第2前面構造物220の配線を、第1半導体チップ100の第1前面構造物120の配線に連結させることができる。第1半導体チップ100の第1前面構造物120の配線は、ロジック領域LAのロジック素子に連結されうる。
【0019】
貫通ビア領域VCx、VCy1、VCy2は、第1方向(x方向)に延長されるロウ貫通ビア領域VCxと、第2方向(y方向)に延長されるカラム貫通ビア領域VCy1、VCy2と、を含むものでもある。カラム貫通ビア領域VCy1、VCy2は、ピクセル領域PA左側の第1カラム貫通ビア領域VCy1と、ピクセル領域PA右側の第2カラム貫通ビア領域VCy2と、を含むものでもある。一実施形態により、第1カラム貫通ビア領域VCy1と、第2カラム貫通ビア領域VCy2のうちいずれか一つは、省略されうる。
【0020】
図2及び
図3は、
図1のイメージセンサ1000において、第1半導体チップのピクセル領域に含まれたピクセルを構成する単位ピクセルに係わる回路図、及びそれに対応する概略的な平面図である。以下において、
図1を共に参照して説明する。
【0021】
図1、
図2及び
図3を参照すれば、本実施形態のイメージセンサ1000において、第2半導体チップ200のアクティブピクセル領域PAaには、多数の共有(shared)ピクセルSPが二次元アレイ構造に配列されうる。
図2において、2個の共有ピクセルSP1、SP2が図示されているが、実際には、第2半導体チップ200のアクティブピクセル領域PAaには、第1方向(x方向)と第2方向(y方向)とに沿い、多数の共有ピクセルSPが二次元アレイ構造に配列されうる。
【0022】
共有ピクセルSPそれぞれは、ピクセル共有領域PAsとトランジスタ(TR)領域PAtとを含むものでもある。例えば、ピクセル共有領域PAsには、フォトダイオードPD(photo-diode)、伝送トランジスタ(TR)TG及びフローティング拡散(floating
diffusion)領域FDが配され、TR領域PAtには、リセットトランジスタ(TR)RG、ソースフォロワトランジスタ(TR)SF及び選択トランジスタ(TR)SELが配されうる。
【0023】
フォトダイオードPDは、PN接合ダイオードであり、入射された光量に比例し、電荷、えば、負電荷である電子と、正電荷である正孔を生成することができる。伝送トランジスタ(TR)TGは、フォトダイオードPDで生成された電荷をフローティング拡散領域FDに伝送し、リセットトランジスタ(TR)RGは、フローティング拡散領域FDに保存されている電荷を、周期的にリセット(reset)させることができる。また、ソースフォロワトランジスタ(TR)SFは、バッファ増幅器(buffer amplifier)であり、フローティング拡散領域FDに充電された電荷による信号をバッファリング(buffering)し、選択トランジスタ(TR)SELは、スイッチの役割を行うTRであり、当該ピクセルを選択することができる。一方、選択トランジスタ(TR)SELのソース領域にカラムラインColに連結され、選択トランジスタ(TR)SELのソース領域の電圧が、出力電圧Voutとして、カラムラインColを介して出力されうる。本実施形態のイメージセンサ1000において、1つのフォトダイオードPDが1つのピクセルに対応し、従って、以下において、特別に言及されなければ、フォトダイオードPDとピクセルは、同一概念として扱う。
【0024】
図3に図示されているように、1つのピクセル共有領域PAsには、4個のフォトダイオードPDが配されうる。従って、1つの共有ピクセルSPは、4個のピクセル、例えば、4個のアクティブピクセルPXaを含むものでもある。具体的には、共有ピクセルSPは、4個のフォトダイオードPD1~PD4が1つのフローティング拡散領域FDを取り囲みながら共有する構造を有しうる。
【0025】
1つの共有ピクセルSPにおいて、4個のフォトダイオードPD1~PD4による1つのフローティング拡散領域FDの共有は、
図2の回路図を介して知ることができるように、フォトダイオードPD1~PD4それぞれに対応する伝送トランジスタ(TR)TG1~TG4を介して行われうる。具体的には、第1フォトダイオードPD1に対応する第1伝送トランジスタ(TR)TG1、第2フォトダイオードPD2に対応する第2伝送トランジスタ(TR)TG2、第3フォトダイオードPD3に対応する第3伝送トランジスタ(TR)TG3、及び第4フォトダイオードPD4に対応する第4伝送トランジスタ(TR)TG4は、フローティング拡散領域FDを共通ドレイン領域として共有しうる。
【0026】
なお、共有ピクセルSPの共有の概念は、4個のフォトダイオードPD1~PD4が、1つのフローティング拡散領域FDを共有するという意味だけではなく、4個のフォトダイオードPD1~PD4が、伝送トランジスタ(TR)TG1~TG4を除いたピクセルトランジスタ(TR)RG、FS、SELを共有するという意味を含むものでもある。すなわち、共有ピクセルSPを構成する4個のフォトダイオードPD1~PD4は、リセットトランジスタ(TR)RG、ソースフォロワトランジスタ(TR)SF及び選択トランジスタ(TR)SELを共有しうる。リセットトランジスタ(TR)RG、ソースフォロワトランジスタ(TR)SF及び選択トランジスタ(TR)SELは、TR領域PAtにおいて、第2方向(y方向)に沿って配されうる。しかしながら、ピクセル共有領域PAs内のフォトダイオードPD1~PD4、及び伝送トランジスタ(TR)TG1~TG4の配置構造により、リセットトランジスタ(TR)RG、ソースフォロワトランジスタ(TR)SF及び選択トランジスタ(TR)SELは、TR領域PAtにおいて、第1方向(x方向)に沿って配されうる。
【0027】
図2の回路図を介し、ピクセルトランジスタ(TR)TG、RG、SF、SELの連結関係について簡単に述べれば、4個のフォトダイオードPD1~PD4は、それぞれ対応する4個の伝送トランジスタ(TR)TG1~TG4のソース領域を構成することができる。フローティング拡散領域FDは、伝送トランジスタ(TR)TG1~TG4の共通ドレイン領域を構成し、配線ILにより、リセットトランジスタ(TR)RGのソース領域に連結されうる。また、フローティング拡散領域FDは、配線ILを介し、ソースフォロワトランジスタ(TR)SFのゲート電極にも連結されうる。リセットトランジスタ(TR)RGのドレイン領域と、ソースフォロワトランジスタ(TR)SFのドレイン領域とが共有され、電源電圧Vpixに連結されうる。ソースフォロワトランジスタ(TR)SFのソース領域と、選択トランジスタ(TR)SELのドレイン領域とが互いに共有されうる。選択トランジスタ(TR)SELのソース領域には、出力電圧Voutが連結されうる。すなわち、選択トランジスタ(TR)SELのソース領域の電圧が、出力電圧Voutとして、カラムラインColを介して出力されうる。
【0028】
本実施形態のイメージセンサ1000において、単位共有ピクセルSPは、ピクセル共有領域PAsの4個のピクセルと、それに対応するTR領域PAtのトランジスタ(TR)RG、SF、SELとによって構成され、また、ピクセル共有領域PAsには、共有されたフォトダイオードPD1~PD4の個数に対応する伝送トランジスタ(TR)TG1~TG4が配されうる。なお、4個のピクセルが、1つの共有ピクセルSPを構成した構造をもって説明したが、本実施形態のイメージセンサ1000の共有ピクセル構造は、それに限定されるものではない。例えば、本実施形態のイメージセンサ1000において、2個のピクセルが、1つの共有ピクセルを構成したり、8個のピクセルが、1つの共有ピクセルを構成したりすることもできる。また、一実施形態により、アクティブピクセル領域PAaには、共有ピクセルではなく、単一ピクセルが配されうる。該単一ピクセルの場合、それぞれのピクセルが、フォトダイオードPD、フローティング拡散領域FD及びピクセルトランジスタ(TR)TG、RG、SF、SELを含むものでもある。
【0029】
図4は、
図1の積層構造のイメージセンサのA部分を拡大して示す平面図である。
【0030】
図1及び
図4を参照すれば、ピクセル領域PAは、アクティブピクセル領域PAaを含むものでもある。アクティブピクセル領域PAaには、アクティブピクセルPXaが二次元アレイ構造に配されうる。アクティブピクセル領域PAaのアクティブピクセルPXaは、ピクセル分離構造体215によって互いに分離されうる。
図4を介して知ることができるように、ピクセル分離構造体215は、平面的に見るとき、ピクセルPXaの二次元アレイ構造に対応し、二次元格子形態を有しうる。
【0031】
貫通ビア領域VCy1は、複数の貫通ビア構造体230を含むものでもある。例示的な実施形態において、貫通ビア構造体230は、第1半導体チップ100と第2半導体チップ200とを電気的に連結することができる。例示的な実施形態において、貫通ビア構造体230は、ピクセル領域PAaとロジック領域LAとを電気的に連結することができる。
【0032】
【0033】
図5を参照すれば、イメージセンサ1000は、マイクロレンズML、カラーフィルタCF、第1半導体チップ100、第2半導体チップ200及び貫通ビア構造体230を含むものでもある。
【0034】
カラーフィルタCF及びマイクロレンズMLは、第2半導体チップ200の上部側に形成されうる。第2半導体チップ200内にピクセルが形成された第2半導体基板210を基準に、カラーフィルタCFとマイクロレンズMLとが第2前面構造物220と反対方向に形成された構造を、背面照射(BSI)構造と称することができ、本実施形態のイメージセンサ1000において、第2半導体チップ200は、背面照射(BSI)構造を有しうる。
【0035】
第1半導体チップ100は、第1半導体基板110、第1前面構造物120を含むものでもある。第3方向(z方向)に沿う垂直構造として見るとき、第1半導体チップ100下部側に第1半導体基板110が位置し、上部側に第1前面構造物120が位置することができる。
【0036】
第1半導体チップ100は、メモリ領域をさらに含むものでもある。該メモリ領域には、メモリ素子が配されうる。例えば、該メモリ素子は、DRAM(dynamic random access memory)及び/またはMRAM(magnetic random access memory)を含むものでもある。それにより、該メモリ領域には、多数のDRAMセル、及び/または多数のMRAMセルが二次元アレイ構造に配されうる。なお、第1半導体チップ100がメモリ領域を含む場合、該メモリ領域のメモリ素子は、ロジック領域のロジック素子と共に形成されうる。例えば、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)工程を介し、ロジック領域のロジック素子と、メモリ領域のメモリ素子とが共に形成されうる。参照として、該メモリ領域のメモリ素子は、フレームイメージを保存するためのイメージバッファメモリ(image buffer memory)として利用されうる。
【0037】
第1半導体基板110は、第1前面構造物120の下部に配されうる。第1半導体基板110には、ロジック素子が形成されうる。第1半導体基板110は、シリコンによって形成されうる。しかしながら、第1半導体基板110の材質がシリコンに限定されるものではない。例えば、第2半導体基板210は、ゲルマニウム(Ge)のような単元素半導体や、シリコンカバイド(SiC)、ヒ化ガリウム(GaAs)、ヒ化インジウム(InAs)またはリン化インジウム(InP)のような化合物半導体を含むものでもある。
【0038】
第1前面構造物120は、電子素子TR、第1絶縁層121及び第1導電パターン122を含むものでもある。
図5の貫通ビア領域VCy1において、便宜上、2層の第1導電パターン122が図示されているが、第1前面構造物120には、複数層の第1導電パターン122が配されうる。
【0039】
電子素子TRは、ゲート絶縁層、ゲート電極及びスペーサを含むものでもある。該ゲート電極は、ドーピングされたポリシリコン、金属、金属シリサイド、金属窒化物または金属含有膜のうち少なくとも一つを含むものでもある。例示的な実施形態において、第2半導体チップ200のピクセルPX1、PX2は、電子素子TRに電気的に連結されうる。
【0040】
第1導電パターン122は、例えば、ロジック領域LA(
図1)のロジック素子に連結されうる。また、第1前面構造物120の第1導電パターン122は、貫通ビア構造体230を介し、第2前面構造物220の第2導電パターン222に連結されうる。
【0041】
第2半導体チップ200は、第2半導体基板210、第2前面構造物220及び反射防止構造物240を含むものでもある。第3方向(z方向)に沿う垂直構造として見るとき、第1半導体チップ100下部側に第1半導体基板110が位置し、上部側に第1前面構造物120が位置しうる。
【0042】
第2半導体基板210は、第1ピクセルPX1、第2ピクセルPX2及びピクセル分離構造体215を含むものでもある。第2半導体基板210は、第1面210Aと、第1面210Aに反対となる第2面210Bと、を含むものでもある。第2半導体基板210の第1面210Aは、第2前面構造物220と接する第2半導体基板210の下部面でもある。第2半導体基板210の第2面210Bは、反射防止構造物240と接する第2半導体基板210の上部面でもある。第2半導体基板210は、シリコンを含むものでもある。しかしながら、第2半導体基板210の材質がシリコンに限定されるものではない。第2半導体基板210の材質は、第1半導体基板110の材質と同一でもある。反射防止構造物240は、
図6を参照して後述する。
【0043】
ピクセル分離構造体215は、第3方向(z方向)に、第2半導体基板210を貫通する構造を有しうる。ピクセル分離構造体215が第2半導体基板210を貫通する構造に形成されることにより、傾いて入射される光によるクロストークが防止されうる。
【0044】
第2前面構造物220は、第2絶縁層221及び第2導電パターン222を含むものでもある。
図5の貫通ビア領域VCy1において、便宜上、2層の第2導電パターン222が図示されているが、第2前面構造物220には、複数層の第1導電パターン122が配されうる。互いに異なる層の第2導電パターン222は、垂直コンタクトを介し、互いに連結されうる。第2導電パターン222は、ピクセルに連結されうる。
【0045】
図1及び
図5を参照し、貫通ビア構造体230について具体的に説明すれば、貫通ビア構造体230は、第1導電層232及び第2導電層234を含むものでもある。第1導電層232は、貫通ビアホールTHの内壁上に配されうる。第1導電層232は、反射防止構造物240の側面と接触しうる。
【0046】
例示的な実施形態において、第1導電層232は、窒化物を含むものでもある。例示的な実施形態において、第1導電層232は、W、Ti及びTaのうち少なくともいずれか1つの金属を含む金属窒化物を含むものでもある。第1導電層232は、WN、TiN及びTaNのうち少なくともいずれか一つによってもなる。また、第1導電層は、Tiを含まないのである。第1導電層232は、第2導電層234に対するバリア膜でもある。例示的な実施形態において、第1導電層232を形成する物質の仕事関数は、Tiの仕事関数よりも大きくなる。例示的な実施形態において、第1導電層232を形成する物質の仕事関数は、4.33eVよりも大きくなる。
【0047】
第2導電層234は、貫通ビアホールTHの内壁上において、第1導電層232上に配されうる。第2導電層234は、反射防止構造物240の側面と離隔されうる。すなわち、第2導電層234は、反射防止構造物240と接触しないのである。第2導電層234は、W(タングステン)でもある。
【0048】
貫通ビア構造体230は、貫通ビア領域VCx、VCy1、VCy2に配されうる。貫通ビア構造体230は、第2半導体基板210、第2前面構造物220及び第1前面構造物120の一部を貫通する貫通ビアホールTHを形成しうる。
【0049】
第2前面構造物220及び第1前面構造物120それぞれは、第1導電パターン122及び第2導電パターン222をそれぞれ含むものでもあり、第1導電パターン122及び第2導電パターン222は、貫通ビアホールTH形成のためのエッチング工程において、エッチング停止層(etching stopper)として機能することができる。例えば、第2前面構造物220の第2導電パターン222において、最上部の第2配線222tがエッチング停止層として機能することができる。第1前面構造物120の第1導電パターン122において、最上部の第1配線122tは、エッチング停止層として機能することができる。
【0050】
例示的な実施形態において、反射防止構造物240及び第2配線222tの位置と構造とに基づき、貫通ビアホールTHは、反射防止構造物240の位置から第2配線222tの位置までは、広幅を有しうる。例示的な実施形態において、貫通ビアホールTHは、第1配線122t及び第2配線222tの位置から第1配線122tの位置までは、狭幅を有しうる。貫通ビアホールTH及び貫通ビア構造体230は、テーパ形状でもある。
【0051】
第2配線222tと第1配線122tは、電源印加用配線または信号印加用配線に該当し、貫通ビア構造体230と接触することができる。一部例示において、第1半導体チップ100からの電源、例えば、(-)電圧が、第1配線122t、貫通ビア構造体230及び第2配線222tを介し、第2半導体チップ200のピクセル領域PAのピクセルに印加されうる。
【0052】
また、第1半導体チップ100からの(-)電圧は、第1配線122t及び貫通ビア構造体230を介し、第2半導体チップ200のピクセル分離構造体215に印加されうる。ここで、貫通ビアホールTHのスペース部分は、追って、カラーフィルタ形成前、ソルダレジスト(PR)のような保護層で充填されうる。
【0053】
例示的な実施形態において、貫通ビア構造体230は、反射防止構造物240から、第2半導体基板210の第2面210B上に延長されうる。例示的な実施形態において、貫通ビア構造体230は、第2半導体基板210の第2面210B上から第1面210A上に延長されうる。例示的な実施形態において、貫通ビア構造体230は、第2前面構造物220から第1前面構造物120の一部に延長されうる。
【0054】
それにより、前述のように、第1半導体チップ100からの(-)電圧が、第1配線122t及び貫通ビア構造体230を介し、ピクセル分離構造体215に印加されうる。さらには、実際、貫通ビア構造体230は、第2半導体基板210上面上の反射防止構造物240上に拡張されうる。
【0055】
反射防止構造物240は、酸化膜系統の透明な絶縁層でもある。反射防止構造物240は、多重層形態に形成されうる。例えば、反射防止構造物240は、反射防止層と、反射防止層下部の下部絶縁層と、反射防止層上部の上部絶縁層を含むものでもある。一方、貫通ビア構造体230は、反射防止構造物240上において、一定部分まで拡張されうる。例えば、貫通ビア構造体230は、隣接する他の貫通ビア構造体230と連結されないのである。
【0056】
さらには、本実施形態のイメージセンサ1000は、イメージセンサを含むカメラや光学検査装置などに利用されうるだけではなく、指紋センサ、虹彩センサ、ビジョンセンサなどにも活用されうる。さらには、本実施形態のイメージセンサ1000の技術的思想は、イメージセンサ分野を外れ、(-)バイアス電圧が印加されるパッケージ形態の半導体装置にも拡張されて活用されうる。
【0057】
イメージセンサ1000は、反射防止構造物240を構成する物質として、HfO2の代わりに、TiO2が選択され、貫通ビア構造体230を構成する物質として、TiN、WN、TaNのうちいずれか一つが選択されうる。貫通ビア構造体230は、Tiを含まないのである。貫通ビア構造体230は、Tiより仕事関数が高い物質によって形成されうる。例示的な実施形態において、反射防止構造物240の側面と、貫通ビア構造体230は、接触されるが、TiN-HfO2-TiN間の接合を介し、反射防止構造物240に流れる漏れ電流を抑制することができる。また、反射防止構造物240を構成する物質として、HfO2の代わりにTiO2を選択することにより、イメージセンサ1000は、青色光に対する感度を向上させることができる。そのような構造を介し、イメージセンサ1000の信頼性を向上させることができる。
【0058】
図6は、
図5のイメージセンサ1000のA’部分を拡大して示す断面図である。
【0059】
図6を、
図5と共に参照すれば、反射防止構造物240は、第1暗電流抑制層242、反射防止層244、絶縁層246及び第2暗電流抑制層248を含むものでもある。反射防止構造物240は、第2半導体基板210の第2面210B上に、第1暗電流抑制層242、反射防止層244、絶縁層246及び第2暗電流抑制層248の順序に積層されうる。
【0060】
第1暗電流抑制層242は、第2半導体基板210上に配されうる。第1暗電流抑制層242の下部面は、第2半導体基板210の第2面210Bと接触しうる。第1暗電流抑制層242の上部面は、反射防止層244の下部面と接触しうる。また、第1暗電流抑制層242は、反射防止層244と第1半導体基板110との間に配されうる。
【0061】
例示的な実施形態において、第1暗電流抑制層242の側面は、貫通ビアホールTHによって露出されうる。例示的な実施形態において、第1暗電流抑制層242の側面は、貫通ビア構造体230の第1導電層232と接触しうる。例示的な実施形態において、第1暗電流抑制層242の側面は、貫通ビア構造体230の第2導電層234と離隔されうる。
【0062】
例示的な実施形態において、第1暗電流抑制層242は、酸化アルミニウム(AlO)、酸化タンタル(TaO)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化ジルコニウム(ZrO)及び酸化ランタン(LaO)のうち少なくともいずれか1つの物質を含むものでもある。例示的な実施形態において、第1暗電流抑制層242は、AlOx(ここで、xは、0より大きく、2より小さい)を含むものでもある。例示的な実施形態において、第1暗電流抑制層242は、酸化アルミニウム(AlOx)によってなる単一物質層でもある。
【0063】
反射防止層244は、第1暗電流抑制層242上に配されうる。例示的な実施形態において、反射防止層244の側面は、貫通ビアホールTHによって露出されうる。例示的な実施形態において、反射防止層244の側面は、貫通ビア構造体230の第1導電層232と接触しうる。例示的な実施形態において、反射防止層244の側面は、貫通ビア構造体230の第2導電層234と離隔されうる。例示的な実施形態において、反射防止層244は、酸化チタン(TiO2)を含むものでもある。反射防止層244は、酸化チタン(TiO2)を含む単一層でもある。
【0064】
絶縁層246は、反射防止層244上に配されうる。例示的な実施形態において、絶縁層246の側面は、貫通ビアホールTHによって露出されうる。例示的な実施形態において、絶縁層246の側面は、貫通ビア構造体230の第1導電層232と接触しうる。例示的な実施形態において、絶縁層246の側面は、貫通ビア構造体230の第2導電層234と離隔されうる。例示的な実施形態において、絶縁層246は、PETEOS、SiOC、SiOx(xは、0より大きく、2より小さいか、あるいはそれと同じである)及びSiNのうち少なくともいずれか1つの物質を含むものでもある。絶縁層246は、SiO2によってなる単一物質層でもある。
【0065】
第2暗電流抑制層248は、絶縁層246上に配されうる。例示的な実施形態において、第2暗電流抑制層248の側面は、貫通ビアホールTHによって露出されうる。例示的な実施形態において、第2暗電流抑制層248の側面は、貫通ビア構造体230の第1導電層232と接触しうる。例示的な実施形態において、第2暗電流抑制層248の側面は、貫通ビア構造体230の第2導電層234と離隔されうる。
【0066】
第2暗電流抑制層248は、酸化アルミニウム(AlO)、酸化タンタル(TaO)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化ジルコニウム(ZrO)及び酸化ランタン(LaO)のうち少なくともいずれか1つの物質を含むものでもある。例示的な実施形態において、第2暗電流抑制層248は、酸化ハフニウム(HfO)によってなる単一物質層でもある。他の例示的な実施形態において、第1暗電流抑制層242及び第2暗電流抑制層248は、同一物質によってもなる。第1暗電流抑制層242及び第2暗電流抑制層248は、それぞれAlOx及びHfOのうち少なくとも一つを含むものでもある。第1暗電流抑制層242及び第2暗電流抑制層248は、HfO2を含まないのである。また、反射防止構造物240は、HfO2を含まないのである。
【0067】
図5及び
図6を参照して説明されたイメージセンサ1000によれば、反射防止層244は、チタン酸化物を含むことにより、青色光に対する低減が向上されうる。それだけではなく、第1導電層232の仕事関数が相対的に高いので、第1導電層232が反射防止層244と接触しても、イメージセンサ1000は、低減された漏れ電流を有しうる。
【0068】
図7及び
図8は、
図5のイメージセンサのA’部分に係わる例示的な実施形態を示す断面図である。
図6との差異を主として説明する。
【0069】
図7を参照すれば、例示的な実施形態において、反射防止構造物240は、第1暗電流抑制層242、反射防止層244及び絶縁層246を含む多重層でもある。すなわち、第2暗電流抑制層248を含まず、反射防止構造物240の最上端層は、絶縁層246でもある。絶縁層246の上部面の一部は、貫通ビア構造体230の第1導電層232と直接接触しうる。
【0070】
図8を参照すれば、例示的な実施形態において、反射防止構造物240は、第1暗電流抑制層242及び反射防止層244を含む多重層でもある。すなわち、第2暗電流抑制層248及び絶縁層246を含まないのである。反射防止層244の上部面の一部は、貫通ビア構造体230の第1導電層232と直接接触しうる。
【0071】
図9ないし
図12Aは、本発明の一実施形態によるイメージセンサの製造方法である。
【0072】
図9を参照すれば、まず、第1半導体チップ100の第1前面構造物120と、第2半導体チップ200の第2前面構造物220とが互いに対向されるように接着された半導体素子が具備されうる。ここで、第1前面構造物120は、第1導電パターン122を含み、第2前面構造物220は、第2導電パターン222を含むものでもある。第1前面構造物120と第2前面構造物220との間に接着層(図示せず)が形成されうる。
【0073】
その後、第2半導体チップ200の第2前面構造物220上に、反射防止構造物240を形成しうる。具体的には、第1暗電流抑制層242、反射防止層244、絶縁層246及び第2暗電流抑制層248を順次に積層しうる。ここで、反射防止層244は、TiO2によってなる単一層でもある。
【0074】
図10を参照すれば、第2暗電流抑制層248上に、エッチングマスクパターン(図示せず)を形成しうる。該エッチングマスクパターンは、貫通ビアホールTHを形成するためのマスクでもある。該エッチングマスクパターンを利用し、反射防止構造物240、第2半導体チップ200及び第1前面構造物120をエッチングすることにより、第1前面構造物120の第1導電パターン122、及び第2前面構造物220の第2導電パターン222を露出させる貫通ビアホールTHを形成しうる。
【0075】
図11を参照すれば、貫通ビアホールTHの内壁を覆う貫通ビア構造物240を形成しうる。貫通ビア構造物240は、第2暗電流抑制層248の上面を覆うことができる。貫通ビア構造物240を形成する方法は、まず、第1導電層232を貫通ビアホールTHの内壁、及び第2暗電流抑制層248の上面に形成する段階、並びに第1導電層232の上面に、第2導電層234を形成する段階を含むものでもある。その後、第2暗電流抑制層248上の貫通ビア構造物240の一部をエッチングし、第2暗電流抑制層248の一部を露出させることができる。
【0076】
図12Aを参照すれば、貫通ビア構造物240の第2導電層234のスペース(space)に、ソルダレジスト(PR)を含む保護層236を形成しうる。ここで、保護層236は、カラーフィルタCF形成前に形成されうる。
【0077】
【0078】
図12Bを参照すれば、貫通ビアホールTHの幅を、
図12Aの貫通ビアホールTHより狭く形成しうる。その後の段階において、第1導電層232及び第2導電層234の厚みを、
図12Aの第1導電層232及び第2導電層234の厚みより厚く形成しうる。貫通ビアホールTHの内壁、及び第2暗電流抑制層248の上面に沿い、第1導電層232をまず形成し、第1導電層232のスペースを完全に充填しながら、第2導電層234を形成しうる。
図12Aと異なり、貫通ビア構造物240は、保護層236を含まないのである。
【0079】
図13は、比較例によるイメージセンサのエネルギーバンドダイヤグラムである。
図14は、比較例によるイメージセンサに係わる漏れ電流を示すグラフである。
【0080】
図13の(a)は、Ti-HfO-Ti間において接合された場合のエネルギーバンドダイヤグラムである。
図13の(b)は、Ti-TiO
2-Ti間において接合された場合のエネルギーバンドダイヤグラムである。
図13の(a)及び(b)において、エネルギーバンドダイヤグラムの縦軸は、エネルギーを示し、横軸は、接合された物質を示す。
図14のグラフ横軸は、漏れ電流を示し、縦軸は、確率分布を示す。横軸の単位は、マイクロアンペア(μA)を示し、縦軸の単位は、百分率(%)を示す。
【0081】
図13の(a)を参照すれば、エネルギーバンドダイヤグラムの縦軸は、エネルギーを示し、横軸は、接合された物質を示す。縦軸の単位は、eVである。ここで、エネルギーバンドダイヤグラムは、第1導電層232の物質としてTiを使用し、反射防止層244の物質としてHfOを使用した。Tiの仕事関数は、4.33eVであり、HfOの電子親和度は、2.65eVである。それらを接合した場合、エネルギーバリアd1は、1.68eVと示された。相対的に高いエネルギーバリアd1により、第1導電層232と反射防止層244との間の漏れ電流は、抑制されているた。しかしながら、HfOを反射防止層244として使用することにより、青色光に対する感度が低くなるという問題点があった。
【0082】
図13の(b)を参照すれば、青色光に対する感度を解決するために、第1導電層232の物質としてTiを使用し、反射防止層244の物質としてTiO
2を使用した。青色光に対する感度は、改善されたが、エネルギーバンドダイヤグラムに示されているように、エネルギーバリアd2が相対的に低くなり、エネルギーバリアd2は、0.18eVである。それにより、反射防止層244と第1導電層232との間の漏れ電流が生じるという問題点があった。
【0083】
図14を参照すれば、実線は、Tiによってなる第1導電層232に対し、反射防止層244をHfOでもって構成した場合であり、点線は、Tiによってなる第1導電層232に対し、反射防止層244をTiO
2でもって構成した場合である。点線が実線より右側に偏っているが、実際、Ti-HfO-Ti接合より、Ti-TiO
2-Ti接合において、反射防止層244と第1導電層232との間の漏れ電流が相対的に増大することを知ることができる。
【0084】
図15は、本発明の一実施形態によるイメージセンサのエネルギーバンドダイヤグラムである。
図16は、本発明の一実施形態によるイメージセンサに係わる漏れ電流を示すグラフである。
【0085】
図15は、Ti-TiO
2-Ti間において接合された場合と、TiN-TiO
2-TiN間において接合された場合と、を比較したエネルギーバンドダイヤグラムである。
図16のグラフの横軸は、漏れ電流を示し、縦軸は、確率分布を示す。横軸の単位は、マイクロアンペア(μA)を示し、縦軸の単位は、百分率(%)を示す。
【0086】
図15を参照すれば、反射防止層244としてTiO
2を使用した場合において、第1導電層232を、TiよりもTiNを使用した場合、エネルギーバリアd3が増大したことが分かった。反射防止層244と第1導電層232との界面において、エネルギーバリアd3は、0.35eVであり、
図13の(b)に図示されたエネルギーバリアd2に比べ、さらに高い値を有するということを確認することができる。
【0087】
図16を参照すれば、反射防止層244としてTiO
2を使用した場合において、実線は、第1導電層232としてTiNを使用した場合であり、点線は、Tiを使用した場合である。点線が実線より右側に移動して偏っているが、第1導電層232をTiでもって形成した場合より、第1導電層232をTiNでもって形成した場合、漏れ電流が低減されるということを知ることができる。
【0088】
それを介し、本発明の一実施形態により、反射防止層244をTiO2で形成し、第1導電層232をTiNで形成した場合、青色光に対するイメージセンサ1000の感度を向上させ、漏れ電流を抑制することができるということを確認した。
【0089】
図17は、マルチカメラモジュールを含む電子装置のブロック図であり、
図18は、
図17のカメラモジュールの詳細ブロック図である。
【0090】
図17を参照すれば、電子装置1000は、カメラモジュールグループ1100、アプリケーションプロセッサ1200、PMIC 1300及び外部ストレージ1400を含むものでもある。
【0091】
カメラモジュールグループ1100は、複数のカメラモジュール1100a、1100b、1100cを含むものでもある。たとえ図面には、3個のカメラモジュール1100a、1100b、1100cが配された実施形態が図示されているにしても、本実施形態がそれに限定されるものではない。一部実施形態において、カメラモジュールグループ1100は、2個のカメラモジュールのみを含むか、あるいはn個(ここで、nは、4以上の自然数である)のカメラモジュールを含むように変形されて実施されうる。
【0092】
図18を参照すれば、カメラモジュール1100bは、プリズム1105、光学経路フォールディング要素(OPFE:optical path folding element)1110、アクチュエータ1130、イメージセンシング装置1140及び保存部1150を含むものでもある。
【0093】
ここで、カメラモジュール1100bの詳細構成につき、さらに具体的に説明するが、以下の説明は、本実施形態により、他のカメラモジュール1100a、1100cについても、同一に適用されうる。
【0094】
プリズム1105は、光反射物質の反射面1107を含み、外部から入射される光Lの経路を変形させることができる。
【0095】
一部実施形態において、プリズム1105は、第1方向(X方向)に入射される光Lの経路を、第1方向(X方向)に垂直である第2方向(Y方向)に変更させることができる。また、プリズム1105は、光反射物質の反射面1107を、中心軸1106を中心にA方向に回転させるか、あるいは中心軸1106をB方向に回転させ、第1方向(X方向)に入射される光Lの経路を、垂直である第2方向(Y方向)に変更させることができる。このとき、OPFE
1110も、第1方向(X方向)及び第2方向(Y方向)と垂直である第3方向(Z方向)に移動することができる。
【0096】
一部実施形態において、図示されているように、プリズム1105のA方向最大回転角度は、正(+)のA方向には、15°以下であり、負(-)のA方向には、15°より大きくもなるが、本実施形態がそれに限定されるものではない。
【0097】
一部実施形態において、プリズム1105は、正(+)または負(-)のB方向に、20°前後、10°から20°、あるいは15°から20°の間で動くことができ、ここで、動く角度は、正(+)または負(-)のB方向に同一角度で動くか、あるいは1°前後の範囲において、ほぼ類似した角度まで動くことができる。
【0098】
一部実施形態において、プリズム1105は、光反射物質の反射面1107を、中心軸1106の延長方向と平行な第3方向(Z方向)に移動させることができる。
【0099】
OPFE 1110は、例えば、m個(ここで、mは、自然数である)のグループによってなる光学レンズを含むものでもある。m個のレンズは、第2方向(Y方向)に移動し、カメラモジュール1100bの光学ズーム倍率(optical zoom ratio)を変更させることができる。例えば、カメラモジュール1100bの基本光学ズーム倍率をZとするとき、OPFE
1110に含まれたm個の光学レンズを移動させる場合、カメラモジュール1100bの光学ズーム倍率は、3Z、5Z、または5Z以上の光学ズーム倍率に変更されうる。
【0100】
アクチュエータ1130は、OPFE
1110または光学レンズを特定位置に移動させることができる。例えば、アクチュエータ1130は、正確なセンシングのために、イメージセンサ1142が光学レンズの焦点距離(focal length)に位置するように、光学レンズの位置を調整することができる。
【0101】
イメージセンシング装置1140は、イメージセンサ1142、制御ロジック1144及びメモリ1146を含むものでもある。イメージセンサ1142は、光学レンズを介して提供される光Lを利用し、センシング対象のイメージをセンシングすることができる。制御ロジック1144は、カメラモジュール1100bの全般的な動作を制御しうる。例えば、制御ロジック1144は、制御信号ラインCSLbを介して提供された制御信号により、カメラモジュール1100bの動作を制御することができる。
【0102】
メモリ1146は、矯正データ1147のような、カメラモジュール1100bの動作に必要な情報を保存することができる。矯正データ1147は、カメラモジュール1100bが、外部から提供された光Lを利用し、イメージデータを生成するのに必要な情報を含むものでもある。矯正データ1147は、例えば、前述の回転度(degree of rotation)に係わる情報、焦点距離に係わる情報、光学軸に係わる情報などを含むものでもある。カメラモジュール1100bが、光学レンズの位置によって焦点距離が変わるマルチステート(multi state)カメラ形態に具現される場合、矯正データ1147は、光学レンズのそれぞれの位置別(または、ステート別)焦点距離値と、オートフォーカシング(auto focusing)とに係わる情報を含むものでもある。
【0103】
保存部1150は、イメージセンサ1142を介してセンシングされたイメージデータを保存しうる。保存部1150は、イメージセンシング装置1140の外部に配され、イメージセンシング装置1140を構成するセンサチップとスタックされた(stacked)形態に具現されうる。一部実施形態において、保存部1150は、EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)によって具現されうるが、本実施形態がそれに限定されるものではない。
【0104】
図17及び
図18を共に参照すれば、一部実施形態において、複数のカメラモジュール1100a、1100b、1100cそれぞれは、アクチュエータ1130を含むものでもある。それにより、複数のカメラモジュール1100a、1100b、1100cそれぞれは、その内部に含まれたアクチュエータ1130の動作による、互いに同一であるか、あるいは互いに異なる矯正データ1147を含むものでもある。
【0105】
一部実施形態において、複数のカメラモジュール1100a、1100b、1100cのうち、例えば、1つのカメラモジュール1100bは、前述のプリズム1105と、OPFE
1110を含むフォールデッドレンズ(folded lens)形態のカメラモジュールであり、例えば、残りカメラモジュール1100a、1100cは、プリズム1105とOPFE
1110とが含まれていないバーチカル形態のカメラモジュールでもあるが、本実施形態がそれに限定されるものではない。
【0106】
一部実施形態において、複数のカメラモジュール1100a、1100b、1100cのうち、例えば、1つのカメラモジュール1100cは、例えば、IR(infrared ray)を利用し、深さ(depth)情報を抽出するバーチカル形態のデプスカメラ(depth camera)でもある。その場合、アプリケーションプロセッサ1200は、そのようなデプスカメラから提供されたイメージデータと異なるカメラモジュール(例えば、カメラモジュール1100aまたは1100b)から提供されたイメージデータを併合し、三次元深さイメージ(3D depth image)を生成することができる。
【0107】
一部実施形態において、複数のカメラモジュール1100a、1100b、1100cのうち少なくとも2つのカメラモジュール(例えば、カメラモジュール1100a、1100b)は、互いに異なる観測視野(field of view)(視野角)を有しうる。その場合、例えば、複数のカメラモジュール1100a、1100b、1100cのうち少なくとも2つのカメラモジュール(例えば、カメラモジュール1100a、1100b)の光学レンズが互いに異なりうるが、それに限定されるものではない。
【0108】
また、一部実施形態において、複数のカメラモジュール1100a、1100b、1100cそれぞれの視野角は、互いに異なりうる。その場合、複数のカメラモジュール1100a、1100b、1100cそれぞれに含まれた光学レンズも、互いに異なりうるが、それに限定されるものではない。
【0109】
一部実施形態において、複数のカメラモジュール1100a、1100b、1100cそれぞれは、互いに物理的に分離されて配されうる。すなわち、1つのイメージセンサ1142のセンシング領域を、複数のカメラモジュール1100a、1100b、1100cが分割して使用するのではなく、複数のカメラモジュール1100a、1100b、1100cそれぞれの内部に、独立したイメージセンサ1142が配されうる。
【0110】
さらに
図17を参照すれば、アプリケーションプロセッサ1200は、イメージ処理装置1210、メモリコントローラ1220、内部メモリ1230を含むものでもある。アプリケーションプロセッサ1200は、複数のカメラモジュール1100a、1100b、1100cと分離されて具現されうる。例えば、アプリケーションプロセッサ1200と、複数のカメラモジュール1100a、1100b、1100cは、別途の半導体チップでもって、互いに分離されて具現されうる。
【0111】
イメージ処理装置1210は、複数のサブイメージプロセッサ1212a、1212b、1212c、イメージ生成器1214及びカメラモジュールコントローラ1216を含むものでもある。
【0112】
イメージ処理装置1210は、複数のカメラモジュール1100a、1100b、1100cの個数に対応する個数の複数のサブイメージプロセッサ1212a、1212b、1212cを含むものでもある。
【0113】
それぞれのカメラモジュール1100a、1100b、1100cから生成されたイメージデータは、互いに分離されたイメージ信号ラインISLa、ISLb、ISLcを介し、対応するサブイメージプロセッサ1212a、1212b、1212cに提供されうる。例えば、カメラモジュール1100aから生成されたイメージデータは、イメージ信号ラインISLaを介し、サブイメージプロセッサ1212aに提供され、カメラモジュール1100bから生成されたイメージデータは、イメージ信号ラインISLbを介し、サブイメージプロセッサ1212bに提供され、カメラモジュール1100cから生成されたイメージデータは、イメージ信号ラインISLcを介し、サブイメージプロセッサ1212cに提供されうる。そのようなイメージデータ伝送は、例えば、MIPI(mobile industry processor interface)に基づくカメラ直列インターフェース(CSI:camera serial interface)を利用して行われうるが、本実施形態がそれに限定されるものではない。
【0114】
なお、一部実施形態において、1つのサブイメージプロセッサが、複数のカメラモジュールに対応するようにも配される。例えば、サブイメージプロセッサ1212aとサブイメージプロセッサ1212cとが、図示されているように、互いに分離されて具現されるものではなく、1つのサブイメージプロセッサに統合されて具現され、カメラモジュール1100aとカメラモジュール1100cとから提供されたイメージデータは、選択素子(例えば、マルチプレクサ)などを介して選択された後、統合されたサブイメージプロセッサに提供されうる。
【0115】
それぞれのサブイメージプロセッサ1212a、1212b、1212cに提供されたイメージデータは、イメージ生成器1214に提供されうる。イメージ生成器1214は、イメージ生成情報(generating information)またはモード信号(mode signal)により、それぞれのサブイメージプロセッサ1212a、1212b、1212cから提供されたイメージデータを利用し、出力イメージを生成することができる。
【0116】
具体的には、イメージ生成器1214は、イメージ生成情報またはモード信号により、互いに異なる視野角を有するカメラモジュール1100a、1100b、1100cから生成されたイメージデータのうち、少なくとも一部を併合し(merge)、出力イメージを生成することができる。また、イメージ生成器1214は、イメージ生成情報またはモード信号により、互いに異なる視野角を有するカメラモジュール1100a、1100b、1100cから生成されたイメージデータのうちいずれか一つを選択し、出力イメージを生成することができる。
【0117】
一部実施形態において、イメージ生成情報は、ズーム信号(zoom signalまたはzoom factor)を含むものでもある。また、一部実施形態において、該モード信号は、例えば、ユーザから選択されたモードに基づく信号でもある。
【0118】
イメージ生成情報がズーム信号(ズームファクタ)であり、それぞれのカメラモジュール1100a、1100b、1100cが互いに異なる観測視野(視野角)を有する場合、イメージ生成器1214は、ズーム信号の種類により、互いに異なる動作を遂行することができる。例えば、該ズーム信号が第1信号である場合、カメラモジュール1100aから出力されたイメージデータと、カメラモジュール1100cから出力されたイメージデータとを併合した後、併合されたイメージ信号と、併合に使使用されていないカメラモジュール1100bから出力されたイメージデータとを利用し、出力イメージを生成することができる。もし該ズーム信号が第1信号と異なる第2信号である場合、イメージ生成器1214は、そのようなイメージデータ併合を行わず、それぞれのカメラモジュール1100a、1100b、1100cから出力されたイメージデータのうちいずれか一つを選択し、出力イメージを生成することができる。しかしながら、本実施形態がそれに限定されるものではなく、必要によっては、イメージデータを処理する方法は、いかほどにも変形されて実施されうる。
【0119】
一部実施形態において、イメージ生成器1214は、複数のサブイメージプロセッサ1212a、1212b、1212cのうち少なくとも一つから、露出時間が異なる複数のイメージデータを受信し、複数のイメージデータに対してHDR処理を行うことにより、ダイナミックレンジが増大された併合されたイメージデータを生成することができる。
【0120】
カメラモジュールコントローラ1216は、それぞれのカメラモジュール1100a、1100b、1100cに制御信号を提供することができる。カメラモジュールコントローラ1216から生成された制御信号は、互いに分離された制御信号ラインCSLa、CSLb、CSLcを介し、対応するカメラモジュール1100a、1100b、1100cに提供されうる。
【0121】
複数のカメラモジュール1100a、1100b、1100cのうちいずれか一つは、ズーム信号を含むイメージ生成情報またはモード信号により、マスター(master)カメラモジュール(例えば、カメラモジュール1100b)に指定され、残りカメラモジュール(例えば、カメラモジュール1100a、1100c)は、スレーブ(slave)カメラに指定されうる。そのような情報は、制御信号に含まれ、互いに分離された制御信号ラインCSLa、CSLb、CSLcを介し、対応するカメラモジュール1100a、1100b、1100cに提供されうる。
【0122】
ズームファクタまたは動作モード信号により、マスター及びスレーブとして動作するカメラモジュールが変更されうる。例えば、カメラモジュール1100aの視野角が、カメラモジュール1100bの視野角より広く、ズームファクタが低いズーム倍率を示す場合、カメラモジュール1100bがマスターとして動作し、カメラモジュール1100aがスレーブとして動作しうる。反対に、ズームファクタが高いズーム倍率を示す場合、カメラモジュール1100aがマスターとして動作し、カメラモジュール1100bがスレーブとして動作しうる。
【0123】
一部実施形態において、カメラモジュールコントローラ1216からそれぞれのカメラモジュール1100a、1100b、1100cに提供される制御信号は、シンクイネーブル(sync enable)信号を含むものでもある。例えば、カメラモジュール1100bがマスターカメラであり、カメラモジュール1100a、1100cがスレーブカメラである場合、カメラモジュールコントローラ1216は、カメラモジュール1100bにシンクイネーブル信号を伝送することができる。そのようなシンクイネーブル信号を提供されたカメラモジュール1100bは、提供されたシンクイネーブル信号を基にシンク信号(sync signal)を生成し、生成されたシンク信号をシンク信号ラインSSLを介し、カメラモジュール1100a、1100cに提供することができる。カメラモジュール1100bとカメラモジュール1100a、1100cは、そのようなシンク信号に同期化され、イメージデータをアプリケーションプロセッサ1200に伝送することができる。
【0124】
一部実施形態において、カメラモジュールコントローラ1216から、複数のカメラモジュール1100a、1100b、1100cに提供される制御信号は、モード信号によるモード情報を含むものでもある。該モード情報に基づき、複数のカメラモジュール1100a、1100b、1100cは、センシング速度と係わり、第1動作モード及び第2動作モードで動作することができる。
【0125】
複数のカメラモジュール1100a、1100b、1100cは、第1動作モードにおいて、第1速度で、イメージ信号を生成(例えば、第1フレームレートのイメージ信号を生成する)し、それを、第1速度より速い第2速度でエンコーディング(例えば、第1フレームレートより高い第2フレームレートのイメージ信号をエンコーディングする)し、エンコーディングされたイメージ信号を、アプリケーションプロセッサ1200に伝送することができる。
【0126】
アプリケーションプロセッサ1200は、受信されたイメージ信号、言い替えれば、エンコーディングされたイメージ信号を、内部に具備される内部メモリ1230、またはアプリケーションプロセッサ1200外部の外部ストレージ1400に保存し、その後、内部メモリ1230または外部ストレージ1400からエンコーディングされたイメージ信号を読み取ってデコーディングし、デコーディングされたイメージ信号に基づいて生成されるイメージデータをディスプレイすることができる。例えば、イメージ処理装置1210の複数のサブイメージプロセッサ1212a、1212b、1212cにおいて対応するサブプロセッサがデコーディングを行うことができ、またデコーディングされたイメージ信号に対し、イメージ処理を行うことができる。
【0127】
複数のカメラモジュール1100a、1100b、1100cは、第2動作モードにおいて、第1速度より遅い第3速度で、イメージ信号を生成(例えば、第1フレームレートより低い第3フレームレートのイメージ信号を生成する)し、該イメージ信号を、アプリケーションプロセッサ1200に伝送することができる。アプリケーションプロセッサ1200に提供されるイメージ信号は、エンコーディングされていない信号でもある。アプリケーションプロセッサ1200は、受信されるイメージ信号に対し、イメージ処理を行うか、あるいは該イメージ信号を内部メモリ1230または外部ストレージ1400に保存することができる。
【0128】
PMIC1300は、複数のカメラモジュール1100a、1100b、1100cそれぞれに、電力、例えば、電源電圧を供給することができる。例えば、PMIC
1300は、アプリケーションプロセッサ1200の制御下で、パワー信号ラインPSLaを介し、カメラモジュール1100aに第1電力を供給し、パワー信号ラインPSLbを介し、カメラモジュール1100bに第2電力を供給し、パワー信号ラインPSLcを介し、カメラモジュール1100cに第3電力を供給することができる。
【0129】
PMIC1300は、アプリケーションプロセッサ1200からの電力制御信号PCONに応答し、複数のカメラモジュール1100a、1100b、1100cそれぞれに対応する電力を生成し、また、電力のレベルを調整することができる。電力制御信号PCONは、複数のカメラモジュール1100a、1100b、1100cの動作モード別に、電力調整信号を含むものでもある。例えば、該動作モードは、低電力モード(low power mode)を含むものでもあり、このとき、電力制御信号PCONは、低電力モードで動作するカメラモジュール、及び設定される電力レベルに係わる情報を含むものでもある。複数のカメラモジュール1100a、1100b、1100cそれぞれに提供される電力のレベルは、互いに同一でもあり、あるいは互いに異なってもいる。また、電力のレベルは、動的に変更されうる。
【0130】
図19は、本発明の技術的思想の実施形態によるイメージセンサの構成を示すブロック図である。
【0131】
図19を参照すれば、イメージセンサ1500は、ピクセルアレイ1510、コントローラ1530、ロウドライバ1520及びピクセル信号処理部1540を含むものでもある。
【0132】
イメージセンサ1500は、前述のイメージセンサ1000を含むものでもある。ピクセルアレイ1510は、二次元的に配列された複数の単位ピクセルを含むものでもあり、それぞれの単位ピクセルは、光電変換素子を含むものでもある。該光電変換素子は、光を吸収して光電荷を生成し、生成された光電荷による電気的信号(出力電圧)は、垂直信号ラインを介し、ピクセル信号処理部1540に提供されうる。
【0133】
ピクセルアレイ1510が含む単位ピクセルは、ロウ(row)単位で、1回に一つずつ出力電圧を提供することができ、それにより、ピクセルアレイ1510の1つのロウに属する単位ピクセルは、ロウドライバ1520が出力する選択信号により、同時に活性化されうる。選択されたロウに属する単位ピクセルは、吸収した光による出力電圧を、対応するカラムの出力ラインに提供することができる。
【0134】
コントローラ1530は、ピクセルアレイ1510をして、光を吸収させ、光電荷を蓄積させるか、あるいは蓄積された光電荷を臨時に保存させ、保存された光電荷による電気的信号を、ピクセルアレイ1510の外部に出力させるように、ロウドライバ1520を制御することができる。また、コントローラ1530は、ピクセルアレイ1510が提供する出力電圧を測定するように、ピクセル信号処理部1540を制御することができる。
【0135】
ピクセル信号処理部1540は、相関二重サンプラ(CDS)1542、アナログデジタル・コンバータ(ADC)1544及びバッファ1546を含むものでもある。相関二重サンプラ1542は、ピクセルアレイ1510から提供された出力電圧をサンプリングしてホールドすることができる。
【0136】
相関二重サンプラ1542は、特定のノイズレベルと、生成された出力電圧によるレベルとを二重にサンプリングし、その差に該当するレベルを出力することができる。また、相関二重サンプラ1542は、ランプ信号生成器1548が生成したランプ信号を入力されて互いに比較し、該比較結果を出力することができる。
【0137】
アナログデジタル・コンバータ1544は、相関二重サンプラ1542から受信するレベルに対応するアナログ信号をデジタル信号に変換することができる。バッファ1546は、該デジタル信号をラッチすることができ、ラッチされた信号は、順次にイメージセンサ1500の外部に出力され、イメージプロセッサ(図示せず)に伝達されうる。
【0138】
以上、本発明について、望ましい実施形態を挙げ、詳細に説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想及びその範囲内において、当分野において通常の知識を有する者によりさまざまな変形及び変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明の、イメージセンサは、例えば、イメージ処理関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0140】
100 第1半導体チップ
110 第1半導体基板
120 第1前面構造物
200 第2半導体チップ
210 第2半導体基板
220 第2前面構造物
230 貫通ビア構造体
240 反射防止構造物
1000 イメージセンサ