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特開2024-39014スピンドル及びクランプ機構を含むタイヤ検査アセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039014
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】スピンドル及びクランプ機構を含むタイヤ検査アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   G01M 17/02 20060101AFI20240313BHJP
【FI】
G01M17/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023145985
(22)【出願日】2023-09-08
(31)【優先権主張番号】63/404,625
(32)【優先日】2022-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】597000191
【氏名又は名称】アクロン・スペシャル・マシナリー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AKRON SPECIAL MACHINERY INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】2740 Cory Avenue,Akron,Ohio ,U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】エドワード ジェイ ベイリー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ザクラノヴィチ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】タイヤ検査装置は、全体として、よりロバストなセンタリング、荷重に対するより高い剛性、及び、再現性を妨げ得る可変クリアランスのより大きな排除、を提供する。
【解決手段】タイヤ検査アセンブリは、スピンドルと、クランプ機構と、を備える。タイヤ検査アセンブリは、タイヤを取り付け、その膨張を許容し、取り付けられたタイヤの試験を実施するように機能する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロック位置及びロック解除位置を有するタイヤ検査アセンブリであって、
当該タイヤ検査アセンブリは、
上部ロッキングアセンブリ及び下部ロッキングアセンブリを有するチャックアセンブリと、
複数の受容溝を含むシャフト部分を有するロッキングシャフトを含む上部ツールアセンブリと、
前記上部ロッキングアセンブリと前記複数の受容溝のそれぞれ1つとの間に位置決めされた第1の複数のロッキングボールであって、前記ロック位置にある時、当該第1の複数のロッキングボールが、前記複数の受容溝の前記それぞれ1つに対して2つの接触点を有し、前記上部ロッキングアセンブリに対して1つの接触点を有する、第1の複数のロッキングボールと、
前記下部ロッキングアセンブリと前記複数の受容溝の別のそれぞれ1つとの間に位置決めされた第2の複数のロッキングボールであって、前記ロック位置にある時、当該第2の複数のロッキングボールが、前記複数の受容溝の前記別のそれぞれ1つに対して2つの接触点を有し、前記下部ロッキングアセンブリに対して1つの接触点を有する、第2の複数のロッキングボールと、
を備え、
前記シャフト部分の一部は、前記ロック位置において前記チャックアセンブリ内に位置決めされ、
前記複数の受容溝は、ゴシックアーチとして成形されている
ことを特徴とするタイヤ検査アセンブリ。
【請求項2】
ロック位置及びロック解除位置を有するタイヤ検査アセンブリであって、
当該タイヤ検査アセンブリは、
上部ロッキングアセンブリ及び下部ロッキングアセンブリを有するチャックアセンブリと、
シャフト部分を有するロッキングシャフトを含む上部ツールアセンブリと、
を備え、
前記上部ロッキングアセンブリは、第1の複数のセグメントからなっており、
前記下部ロッキングアセンブリは、第2の複数のセグメントからなっており、
前記シャフト部分の一部は、前記ロック位置において前記チャックアセンブリ内に位置決めされる
ことを特徴とするタイヤ検査アセンブリ。
【請求項3】
ロック位置及びロック解除位置を有するタイヤ検査アセンブリであって、
当該タイヤ検査アセンブリは、
上部ツールアセンブリを前記ロック位置にロックするためのチャックアセンブリと、
回転シャフトを収容して回転させるためのスピンドルアセンブリと、
前記チャックアセンブリと前記スピンドルアセンブリとの間に位置決めされた回転カップリングと、
を備えたことを特徴とするタイヤ検査アセンブリ。
【請求項4】
ロック位置及びロック解除位置を有するタイヤ検査アセンブリであって、
当該タイヤ検査アセンブリは、
上部ロッキングアセンブリ及び下部ロッキングアセンブリを有するチャックアセンブリと、
複数の受容溝を含むシャフト部分を有するロッキングシャフトを含む上部ツールアセンブリと、
前記上部ロッキングアセンブリと前記複数の受容溝のそれぞれ1つとの間に位置決めされた第1の複数のロッキングボールであって、前記ロック位置にある時、当該第1の複数のロッキングボールが、前記複数の受容溝の前記それぞれ1つに対して2つの接触点を有し、前記上部ロッキングアセンブリに対して1つの接触点を有する、第1の複数のロッキングボールと、
前記下部ロッキングアセンブリと前記複数の受容溝の別のそれぞれ1つとの間に位置決めされた第2の複数のロッキングボールであって、前記ロック位置にある時、当該第2の複数のロッキングボールが、前記複数の受容溝の前記別のそれぞれ1つに対して2つの接触点を有し、前記下部ロッキングアセンブリに対して1つの接触点を有する、第2の複数のロッキングボールと、
回転シャフトを収容して回転させるためのスピンドルアセンブリと、
前記チャックアセンブリと前記スピンドルアセンブリとの間に位置決めされた回転カップリングと、
を備え、
前記上部ロッキングアセンブリは、第1の複数のセグメントからなっており、
前記下部ロッキングアセンブリは、第2の複数のセグメントからなっており、
前記シャフト部分の一部は、前記ロック位置において前記チャックアセンブリ内に位置決めされ、
前記複数の受容溝は、ゴシックアーチとして成形されている
ことを特徴とするタイヤ検査アセンブリ。
【請求項5】
前記第1の複数のセグメントは、3~6個のセグメントを含んでおり、
前記第2の複数のセグメントは、3~6個のセグメントを含んでいる
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のタイヤ検査アセンブリ。
【請求項6】
複数のバネ
を更に備え、
前記複数のバネの各々が、前記上部ロッキングアセンブリの前記第1の複数のセグメントのそれぞれ1つに作用し、
前記ロック位置は、前記上部ロッキングアセンブリの前記第1の複数のセグメントから、及び、前記複数のバネから、の二重作用クランプを含む
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のタイヤ検査アセンブリ。
【請求項7】
前記上部ロッキングアセンブリと前記下部ロッキングアセンブリとの間に位置決めされた複数の中間バネ
を更に備え、
前記複数の中間バネの各々が、前記下部ロッキングアセンブリの前記第2の複数のセグメントのそれぞれ1つに作用する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のタイヤ検査アセンブリ。
【請求項8】
前記回転カップリングは、前記チャックアセンブリ及び前記スピンドルアセンブリの外部に位置決めされている
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のタイヤ検査アセンブリ。
【請求項9】
前記回転カップリングは、前記スピンドルアセンブリと結合されている
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のタイヤ検査アセンブリ。
【請求項10】
回転シャフトを収容して回転させるためのスピンドルアセンブリと、
前記チャックアセンブリと前記スピンドルアセンブリとの間に位置決めされた回転カップリングと、
を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のタイヤ検査アセンブリ。
【請求項11】
前記第1の複数のロッキングボールは、6~12個のロッキングボールを含んでおり、
前記第2の複数のロッキングボールは、6~12個のロッキングボールを含んでいる
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のタイヤ検査アセンブリ。
【請求項12】
スピンドルアセンブリの回転シャフトを駆動可能なモータ
を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のタイヤ検査アセンブリ。
【請求項13】
シャフト部分が、ゴシックアーチとして成形された複数の受容溝を含む
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のタイヤ検査アセンブリ。
【請求項14】
第1の複数のセグメントからなる上部ロッキングアセンブリと、
第2の複数のセグメントからなる下部ロッキングアセンブリと、
を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載のタイヤ検査アセンブリ。
【請求項15】
前記回転カップリングは、ボールベアリングを有していない
ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載のタイヤ検査アセンブリ。
【請求項16】
前記スピンドルアセンブリ内であって前記回転シャフトの周囲に位置決めされた第2回転カップリング
を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載のタイヤ検査アセンブリ。
【請求項17】
前記第2回転カップリングは、ボールベアリングを有していない
ことを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載のタイヤ検査アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2022年9月8日出願の米国特許仮出願第63/404,625号の利益を主張するものである。当該米国特許仮出願は、当該参照によって、本明細書に組み込まれる(incorporated by reference)。
【0002】
[発明の分野]
本発明の1または複数の実施形態は、タイヤ検査アセンブリに関する。本発明の1または複数の実施形態は、スピンドル及びクランプ機構に関する。本発明の1または複数の実施形態は、スピンドル及びクランプ機構を利用するタイヤ検査アセンブリに関する。
【0003】
[発明の背景]
製造されたタイヤは、一般に、公衆向けの販売に供される前に一定の試験を受ける。1つのそのような試験は、タイヤ検査チャックの使用を含む。当該タイヤ検査チャックは、一般に、タイヤを取り付け、その膨張(空気導入)を許容するように機能する。この試験は、一般に、タイヤのバランス、及び、場合によっては幾何形状、を検査する目的で行われる。
【0004】
米国特許第5,257,561号に示される1つの先行装置は、タイヤ加工機内のタイヤ保持ジグを含み、当該タイヤ保持ジグは、クイックリリースロック手段を含む。当該保持ジグは、第1ホイール半部支持アセンブリと第2ホイール半部支持アセンブリとを含み、それらの各々が、模擬ホイールを形成するように、両アセンブリのロック(係止)及び位置合わせを容易化するためのロック手段の構成要素(コンポーネント)を含む。
【0005】
しかしながら、当該技術分野において、改良されたタイヤ検査装置に対するニーズがある。より詳細には、当該技術分野において、改良されたスピンドル及びクランプ機構に対するニーズがある。更に詳細には、当該技術分野において、よりロバストなセンタリング、荷重に対するより高い剛性、及び、再現性を阻害し得る可変クリアランスの排除、を提供するタイヤ検査装置に対するニーズがある。
【発明の概要】
【0006】
本発明の一実施形態は、ロック位置及びロック解除位置を有するタイヤ検査アセンブリであって、当該タイヤ検査アセンブリは、上部ロッキングアセンブリ及び下部ロッキングアセンブリを有するチャックアセンブリと、複数の受容溝を含むシャフト部分を有するロッキングシャフトを含む上部ツールアセンブリと、前記上部ロッキングアセンブリと前記複数の受容溝のそれぞれ1つとの間に位置決めされた第1の複数のロッキングボールであって、前記ロック位置にある時、当該第1の複数のロッキングボールが、前記複数の受容溝の前記それぞれ1つに対して2つの接触点を有し、前記上部ロッキングアセンブリに対して1つの接触点を有する、第1の複数のロッキングボールと、前記下部ロッキングアセンブリと前記複数の受容溝の別のそれぞれ1つとの間に位置決めされた第2の複数のロッキングボールであって、前記ロック位置にある時、当該第2の複数のロッキングボールが、前記複数の受容溝の前記別のそれぞれ1つに対して2つの接触点を有し、前記下部ロッキングアセンブリに対して1つの接触点を有する、第2の複数のロッキングボールと、を備え、前記シャフト部分の一部は、前記ロック位置において前記チャックアセンブリ内に位置決めされ、前記複数の受容溝は、ゴシックアーチとして成形されていることを特徴とするタイヤ検査アセンブリを提供する。
【0007】
本発明の別の一実施形態は、ロック位置及びロック解除位置を有するタイヤ検査アセンブリであって、当該タイヤ検査アセンブリは、上部ロッキングアセンブリ及び下部ロッキングアセンブリを有するチャックアセンブリと、シャフト部分を有するロッキングシャフトを含む上部ツールアセンブリと、を備え、前記上部ロッキングアセンブリは、第1の複数のセグメントからなっており、前記下部ロッキングアセンブリは、第2の複数のセグメントからなっており、前記シャフト部分の一部は、前記ロック位置において前記チャックアセンブリ内に位置決めされることを特徴とするタイヤ検査アセンブリを提供する。
【0008】
本発明の更に別の一実施形態は、ロック位置及びロック解除位置を有するタイヤ検査アセンブリであって、当該タイヤ検査アセンブリは、上部ツールアセンブリを前記ロック位置にロックするためのチャックアセンブリと、回転シャフトを収容して回転させるためのスピンドルアセンブリと、前記チャックアセンブリと前記スピンドルアセンブリとの間に位置決めされた回転カップリングと、を備えたことを特徴とするタイヤ検査アセンブリを提供する。
【0009】
本発明の更に別の一実施形態は、ロック位置及びロック解除位置を有するタイヤ検査アセンブリであって、当該タイヤ検査アセンブリは、上部ロッキングアセンブリ及び下部ロッキングアセンブリを有するチャックアセンブリと、複数の受容溝を含むシャフト部分を有するロッキングシャフトを含む下部ツールアセンブリと、前記上部ロッキングアセンブリと前記複数の受容溝のそれぞれ1つとの間に位置決めされた第1の複数のロッキングボールであって、前記ロック位置にある時、当該第1の複数のロッキングボールが、前記複数の受容溝の前記それぞれ1つに対して2つの接触点を有し、前記上部ロッキングアセンブリに対して1つの接触点を有する、第1の複数のロッキングボールと、前記下部ロッキングアセンブリと前記複数の受容溝の別のそれぞれ1つとの間に位置決めされた第2の複数のロッキングボールであって、前記ロック位置にある時、当該第2の複数のロッキングボールが、前記複数の受容溝の前記別のそれぞれ1つに対して2つの接触点を有し、前記下部ロッキングアセンブリに対して1つの接触点を有する、第2の複数のロッキングボールと、回転シャフトを収容して回転させるためのスピンドルアセンブリと、前記チャックアセンブリと前記スピンドルアセンブリとの間に位置決めされた回転カップリングと、を備え、前記上部ロッキングアセンブリは、第1の複数のセグメントからなっており、前記下部ロッキングアセンブリは、第2の複数のセグメントからなっており、前記シャフト部分の一部は、前記ロック位置において前記チャックアセンブリ内に位置決めされ、前記複数の受容溝は、ゴシックアーチとして成形されていることを特徴とするタイヤ検査アセンブリを提供する。
【0010】
本発明の利点は、以下の詳細な説明、添付の特許請求の範囲、及び、添付の図面に関連して、より良好に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、ロック位置で示された、タイヤ検査アセンブリの正面断面図である。
【0012】
図2図2は、ロック位置で示された、タイヤ検査アセンブリの一部の正面断面図である。
【0013】
図3図3は、ロック位置で示された、タイヤ検査アセンブリのロッキング機構の正面断面拡大図である。
【0014】
図4図4は、ロック解除位置で示された、タイヤ検査アセンブリの一部の正面断面図である。
【0015】
図5図5は、ロック解除位置で示された、タイヤ検査アセンブリのロッキング機構の正面断面拡大図である。
【0016】
図6図6は、タイヤ検査アセンブリの上部ロッキングセグメントアセンブリの斜視図である。
【0017】
図7図7は、タイヤ検査アセンブリの下部ロッキングセグメントアセンブリの斜視図である。
【0018】
図8図8は、ロック解除位置で示された、タイヤ検査アセンブリの一部の正面断面図であり、対応する力の要旨を示している。
【0019】
図9図9は、ゴシックアーチ溝プロファイルの概略図であり、ゴシックアーチ溝内に位置決めされたロッキングボールを示している。
【0020】
図10図10は、タイヤ検査アセンブリのカップリング及び他の構成要素の正面断面拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の1または複数の実施形態は、タイヤ検査アセンブリに関する。本発明の1または複数の実施形態は、スピンドル及びクランプ機構に関する。本発明の1または複数の実施形態は、スピンドル及びクランプ機構を利用するタイヤ検査アセンブリに関する。タイヤ検査アセンブリは、タイヤ検査装置、タイヤ試験アセンブリ、または、タイヤ試験装置、と呼ばれ得て、一般に、タイヤを取り付け、その膨張を許容するように機能する。この態様において、取り付けられたタイヤに対して、1または複数の試験が実施され得る。例示的な試験は、タイヤのバランスの検査、及び、タイヤの幾何形状の検査、を含む。有利なことに、タイヤ検査装置は、特にそのスピンドルとクランプ機構とを介して、全体として、よりロバストなセンタリング、荷重に対するより高い剛性、及び、再現性を妨げ得る可変クリアランスのより大きな排除、を提供する。
【0022】
図面を参照して、タイヤ検査装置10が図示されている。これは、タイヤ検査アセンブリ10、タイヤ試験アセンブリ10、または、タイヤ試験装置10とも呼ばれ得る。タイヤ検査装置10は、モータ12と、スピンドルアセンブリ14と、チャックアセンブリ16と、上部ツールアセンブリ18と、を含む。上部ツールアセンブリ18は、上部リム20とロッキングシャフト22とを含む。下部リム24が、全体的に、チャックアセンブリ16と上部ツールアセンブリ18との間に位置決めされている。
【0023】
これらの構成要素(コンポーネント)の様々な具体的詳細が、本明細書において以下に更に説明されるが、ここではその一般的な概要が提供される。モータ12は、最も底部の構成要素であり、スピンドルアセンブリ14の回転シャフト26を駆動する。本明細書で使用される「最も底部」という用語及び他の位置用語は、図1に示された形態に対するものであるが、タイヤ検査装置10の他の相対位置も利用され得る、と理解されるべきである。スピンドルアセンブリ14の回転シャフト26は、モータ12から上方に延び、スピンドルアセンブリ14の外側スピンドル部分28を通って、チャックアセンブリ16まで延びている。チャックアセンブリ16は、一般に、上部ツールアセンブリ18を下部ツール(例えば、下部リム24)との相対位置にロックするように機能する。当該ロック位置は、測定位置とも呼ばれ得る。当該測定位置にある間、上部リム20と下部リム24との間に位置決めされたタイヤ(図示せず)は、回転され得て試験され得る。
【0024】
前述のように、モータ12は、スピンドルアセンブリ14の回転シャフト26を駆動する。スピンドルアセンブリ14は、精密回転アセンブリ14と呼ばれ得る。モータ12によるシャフト26の回転は、試験のためにタイヤ(図示せず)を回転させる役割を果たす。一例として、試験されるタイヤの回転は、1または複数のロードセル(図示せず)に作用する荷重の変動を検出するために使用され得る。モータ12は、特に、シャフト26の取り付け位置30に結合され、この取り付け位置30は、モータ12の内側部分内に位置決めされるシャフト26の底部及び遠位端を含む。モータ12は、当該モータ12が内部ベアリングを有さず、代わりにスピンドルベアリング38に依存するように、シャフト26に位置合わせされて固定される。このような提供は、シャフトに作用する複数のベアリングの使用に特有であり得るミスアライメントと振動とを最小化する。モータ12の他の詳細(例えば、速度及び出力)並びにタイヤの試験の他の詳細は、当業者には一般的に知られているであろう。
【0025】
モータ12の上方の位置において、スピンドルアセンブリ14は、膨張空気入口32を含む。膨脹空気入口32は、第1回転カップリング34に通じている。第1回転カップリング34は、膨脹カップリング34とも呼ばれ得る。第1回転カップリング34は、当該第1回転カップリング34が静止エラストマーシール35によって外側スピンドル部分28と結合されていることに基づいて、当該外側スピンドル部分28と一体化されている、と言われ得る。回転カップリング34のこの内側部分がエラストマーシール35を介して回転シャフト26に結合されていることにより、シャフト26の回転が可能になる。第1回転カップリング34はスピンドルアセンブリ14と一体化されているので、モータ12がシャフト26を回転させる時、第1回転カップリング34はスピンドルアセンブリ14内で静止している。
【0026】
第1回転カップリング34と第2回転カップリング36とが、一般に、回転するスピンドルアセンブリ14を介してチャックアセンブリ16の様々な機能に空気圧(すなわち、空気)を供給する役割を果たす。第1回転カップリング34は、特に、取り付けられた試験タイヤを膨張させるための大量の空気圧を適用するために、空気入口32とスピンドルアセンブリ14との間のカップリングとして利用される。
【0027】
スピンドルアセンブリ14内の位置及びその下部に第1回転カップリング34を設けることにより、性能、サービス及び分解に関連する一定の利点が実現される。第1スピンドルベアリング38以外のベアリングを排除することは、従来のカップリングに比べ、1または複数の利点を提供する。従来のカップリングは、しばしば複数のベアリングを含み得て、これは不所望の振動の原因となり得る。モータ12は、比較的容易に取り外され得て、その後、第1回転カップリング34がアクセスされ得る。
【0028】
前述されたように、スピンドルアセンブリ14の外側スピンドル部分28は、第1回転カップリング34及び回転シャフト26の一部を収容する。従って、外側スピンドル部分28は、スピンドルハウジング28と呼ばれ得る。第1回転カップリング34は、それらの間にOリング37を利用することによって外側スピンドル部分28内に配置され、第1回転カップリング34の回転を防止するための滑り嵌め(snug fit)を提供する。前述されたように、シャフト26は、エラストマーシール35内で回転する。当該エラストマーシール35は、第1回転カップリング34の内側低摩擦シール35とも呼ばれ得る。
【0029】
前述されたように、1または複数のボールベアリング38が、外側スピンドル部分28とシャフト26との間に位置決めされ得る。例えば、図1は、2つの上部ボールベアリング38及び2つの下部ボールベアリング38を示している。このようなボールベアリングは、一般に当業者に知られており、インナーレース、複数のボール、及び、アウターレースを含み得る。
【0030】
スピンドルアセンブリ14は、モータ12内にフィードバック装置39を更に含む。フィードバック装置39は、一般に、シャフト26の角度位置と速度とを対応する機器に提供し、モータ12の速度制御と不均衡角度の測定とを提供する役割を果たす。例示的なフィードバック装置39は、エンコーダである。
【0031】
第2回転カップリング36が、外側スピンドル部分28の上方に位置決めされ、外側スピンドル部分28に対して固定されている。第2回転カップリング36は、ロック解除カップリング36とも呼ばれ得て、一般に、本明細書で更に説明されるように、空気圧信号(すなわち、空気)を印加してピストンアセンブリ40を作動させて、上部ツールアセンブリ18をロック解除する役割を果たす。第2回転カップリング36は、空気入口マニホルド41(図2)を含む。この態様において、第2回転カップリング36は、ピストンアセンブリ40を作動させるための空気圧信号(すなわち、空気)を提供し得る。
【0032】
図10を参照して、第2回転カップリング36は、外側スピンドル部分28に取り付けられ、当該カップリング36内で静止して回転シャフト26に対して空気圧シールを提供する複数のシール要素43(図10)を含む。複数のシール要素43の間には溝45があり、当該溝45が、シャフト26内の1または複数の半径方向通路49を介して、空気圧をシャフト26内に伝達する。半径方向通路49は、空気圧がピストンアセンブリ40に作用することを許容するシャフト26内の軸方向孔51と交差する。第1回転カップリング34と同様に、第2回転カップリング36は、第1スピンドルベアリング38以外のベアリングの排除を含んでおり、これもまた不所望の振動の排除または低減をもたらす。換言すれば、全ての機能部が第1スピンドルベアリング38を共有する。また、外側スピンドル部分28の上方でその外側の位置に第2回転カップリング36を設けることによって、性能、サービス及び分解に関連する一定の利点が実現される。第2回転カップリング36は、当該第2回転カップリング36を貫通して外側スピンドル部分28内に至る複数の垂直ファスナ(例えば、ネジ)を介して、外側スピンドル部分28と固定され得る。
【0033】
前述されたように、チャックアセンブリ16は、一般に、外側スピンドル部分28と下部リム24との間に位置決めされる。チャックアセンブリ16は、精密クランプ機構16とも呼ばれ得て、一般に、上部ツールアセンブリ18を下部ツール(例えば、下部リム24)に対する測定位置内にロックする機構として機能し、また、スピンドルアセンブリ14を介して当該タイヤ及びアセンブリを回転させることを補助する。本明細書で更に説明されるように、チャックアセンブリ16の構成要素は、ロック位置と呼ばれ得る第1位置(例えば、図2図3)と、ロック解除位置と呼ばれ得る第2位置(例えば、図4図5)と、を有する。
【0034】
チャックアセンブリ16は、一般にチャックロッキングアセンブリ44を収容する外側チャック部42を含む。従って、外側チャック部42は、チャックハウジング42とも呼ばれ得る。外側チャック部42の下部領域は、チャックシリンダ42とも呼ばれ得る。チャックロッキングアセンブリ44は、一般に、ピストンアセンブリ40、下部ロッキングアセンブリ46、上部ロッキングアセンブリ48、及び、複数のバネ50、を含む。以下で更に説明されるように、チャックロッキングアセンブリ44は、上部ツールアセンブリ18及び複数のロッキングボール52と協働(連動)するように動作する。
【0035】
ロック位置リング54が、外側チャック部42の外側に位置決めされている。ロック位置リング54は、ロッド60を介してピストンアセンブリ40によって駆動される下部支持体56及び上部円筒リング58(図2)を含む。下部支持体56及び上部円筒リング58は、図面内では別個の構成要素として示されているが、これは、製造及び組立を容易にするためである可能性がある。一方、他の実施形態では、下部支持体56及び上部円筒リング58は、一体の構成要素であり得る。下部支持体56は、ピストンアセンブリ40のロッド60に固定され得る。上部円筒リング58は、1または複数のファスナ62によって下部支持体56に固定され得る。
【0036】
ロック位置リング54は、タイヤ検査装置10の動作の適切な順序付けを確実にするために、近接センサ(図示せず)によって検出され得る。ロック位置リング54はピストンアセンブリ40と共に上下に移動するので、当該移動が、チャックアセンブリ16及びタイヤ検査装置10がロック位置にあるかロック解除位置にあるかを示す目的で、利用され得る。本明細書で以下に更に説明されるように、ロック位置リング54が上方位置にある場合、これは一般に、チャックアセンブリ16及びタイヤ検査装置10がロック解除位置にあることを示し、ロック位置リング54が下方位置にある場合、これは一般に、チャックアセンブリ16及びタイヤ検査装置10がロック位置にあることを示す。
【0037】
図2乃至図5において最も良く視認されるように、ピストンアセンブリ40は、チャックアセンブリ16及びタイヤ検査装置10をロック位置とロック解除位置との間で移動させるために上下に動く様々な構成要素を含んでいる。ピストンアセンブリ40は、ロッド60、及び、ロッド66に固定されたベース64、を含む。前述されたように、ロッド60は、下部円筒リング56を介して上部円筒リング58を取り付ける役割を果たす。ロッド60が、ピストンアセンブリ40の位置を伝達する。
【0038】
ロッド60は、近接ロッド60とも呼ばれ得て、下部円筒リング56とロック位置リング54とに固定され、それらの移動をもたらす。おそらく図5において最も良く視認されるように、ロッド60の各端部60Aが、それぞれの固定を提供するために、ロッド60の本体部分60Bよりも小径であり得る。図面に示されるように、ロッド60の一部がチャックハウジング42の外側に位置決めされ得る。
【0039】
ロッド66は、張力及び荷重に耐えるロッドである。ロッド66は、テンションロッド66とも呼ばれ得て、下部ロッキングアセンブリ46を貫通する孔68(図5及び図7)を通過して延びている。孔68は、クリアランスホール68とも呼ばれ得る。ロッド66は、上方に延びて、上部ロッキングアセンブリ48に固定されている。より具体的には、ロッド66のそれぞれの端部が、上部ロッキングアセンブリ48のそれぞれの穴70(図5)内に固定されている。おそらく図5において最も良く視認されるように、ロッド66の各端部66Aが、それぞれの固定を提供するために、ロッド66の本体部分66Bよりも小径であり得る。ロッド66が上部ロッキングアセンブリ48に固定されることにより、ピストンアセンブリ40の移動は上部ロッキングアセンブリ48の移動をも引き起こす。
【0040】
上部ロッキングアセンブリ48の更なる説明として、図6が参照される。上部ロッキングアセンブリ48は、複数のセグメント86に分割された概ね円筒形のスリーブであり、それら複数のセグメント86は、第1の複数のロッキングボール52にロッキング力又はクランプ力を適用する際に主要な役割を果たす。上部ロッキングアセンブリ48を複数のセグメント86に分割することにより、当該複数のセグメント86は、ロック位置とロック解除位置との間の移動に十分な「ゆとり(give)」を提供し得る。この態様において、半径方向のクリアランスが排除され得る。換言すれば、上部ロッキングアセンブリ48の分割により、複数のセグメント86は負荷を受ける時に半径方向に広がり、外側チャック部42の内面に対する半径方向のクリアランスを排除する。そして、上部ロッキングアセンブリ48を複数のセグメント86に分割することにより、当該複数のセグメント86は、第1の複数のロッキングボール52に半径方向のクランプ力を提供する。この態様において、当該クランプ力は、バネ50を介して伝達される鉛直方向のクランプ力をも含むことに基づいて、二重作用クランプと表現され得る。上部ロッキングアセンブリ48に作用するバネ50は、初期クランプ力を提供する。膨張圧力が、ピストン40に作用し、ロッド66を介して上部ロッキングアセンブリ48を引き下げる。
【0041】
上部ロッキングアセンブリ48を複数のセグメント86として提供することの利点についてのコメントとして、ある種の従来の機械におけるセグメント化されていないロッキングスリーブ要素は、摺動のために半径方向のクリアランスを必要とする。この従来の半径方向のクリアランスは、ミスアライメントを許容し、これは、繰返し性能に悪影響を及ぼし得る。
【0042】
各セグメント86は、本体88を含む。本体88は、テンションロッド66を固定するための穴70(図5)を、一端に含む。他端において、本体88は、バネ50の一端に対して位置決めされる。本体88の外側には、より広い直径を含む外面94があり、これは、精密センタリング面94とも呼ばれ得る。精密センタリング面94は、タイヤ検査装置10の正確な動きを達成するように設計されるべきである。
【0043】
本体88の内部には、ロッキングボール52用の溝98を含む内面96がある。当該溝98は、ロッキングボール52がロック解除位置で休息するロック解除ポケット100を含む。当該溝98は、更に、ロッキングボール52がロック位置で押し付けられるテーパ付きロック面102を含み、それは、楔102とも呼ばれ得る。
【0044】
図6は、6つのセグメント86を有する上部ロッキングアセンブリ48を示すが、他の実施形態では、他の数のセグメント86が好適であり得る。他の実施形態では、セグメント86の他の例示的な数は、3つ以上、4つ以上、または、それ以上、を含む。これらの数、及び、本明細書の他の箇所に開示される他の特定の数は、3~6個のセグメント86等、好適な範囲を形成するために利用され得る。1または複数の実施形態では、セグメント86の数は、セグメント72の数と同じである。
【0045】
下部ロッキングアセンブリ46の更なる説明として、図7が参照される。図7は、その構成要素をより良く示すために、使用位置(例えば、図1)に対して下部ロッキングアセンブリ46の反転位置を示している、ということが理解されるべきである。下部ロッキングアセンブリ46は、上部ロッキングアセンブリ48と本質的に同一の態様で、複数のセグメント72に分割された概ね円筒形のスリーブであり、それら複数のセグメント72は、第2の複数のロッキングボール52にロッキング力又はクランプ力を適用する際に主要な役割を果たす。下部ロッキングアセンブリ46を複数のセグメント72に分割することにより、当該複数のセグメント72は、ロック位置とロック解除位置との間の移動に十分な半径方向の拡張を提供する。この態様において、上部ロッキングアセンブリ48と同一の態様で、半径方向のクリアランスが排除され得る。クランプ力は、中間バネ106(図3)のバネ力を介して伝達される鉛直方向のクランプ力をも含むことに基づいて、二重作用クランプと表現され得る。
【0046】
各セグメント72は、それを貫通する孔68を有する本体74を含む。本体74の外側には、より広い直径を含む外面76があり、これは、精密センタリング面76とも呼ばれ得る。精密センタリング面76は、タイヤ検査装置10の正確な動きを達成するように設計されるべきである。
【0047】
本体74の内部には、ロッキングボール52用の溝80を含む内面78がある。当該溝80は、ロッキングボール52がロック解除位置で休息するロック解除ポケット82を含む。当該溝80は、更に、ロッキングボール52がロック位置で押し付けられるテーパ付きロック面84を含み、それは、楔84とも呼ばれ得る。
【0048】
図7は、6つのセグメント72を有する下部ロッキングアセンブリ46を示すが、他の実施形態では、他の数のセグメント72が好適であり得る。他の実施形態では、セグメント72の他の例示的な数は、3つ以上、4つ以上、または、それ以上、を含む。これらの数は、3~6個のセグメント72等、好適な範囲を形成するために利用され得る。
【0049】
前述されたように、複数のバネ要素50(図4)が上部ロッキングアセンブリ48に作用する。ロック位置(図2及び図3)では、バネ50のバネ力が上部ロッキングアセンブリ48に作用することが許容され、それによって、ピストンアセンブリ40をロック位置に移動させ得る。
【0050】
ロック解除位置(図4及び図5)では、バネ50のバネ力は、ピストンアセンブリ40を作動させることによって、十分に克服される。このピストンアセンブリ40の作動が、バネ50をロック解除位置まで圧縮する。
【0051】
タイヤ検査装置10は、セグメント72及びセグメント86の数に対応する数のバネ50を含み得て、前述からの対応する数が、バネ50に関してここにも組み込まれる。
【0052】
バネ50からのバネ力は、中間バネ106(図3)と協働(連動)して作用する。中間バネ106は、ロッド66のそれぞれの端部の周りに位置決めされている。バネ50と同様に、ロック位置では、中間バネ106のバネ力は下部ロッキングアセンブリ46に作用することが許容され、上部ロッキングアセンブリ48の力及び移動を下部ロッキングアセンブリ46に伝達する。バネ106は、上部ロッキングアセンブリ48と下部ロッキングアセンブリ46との間に弾性的な接続を提供し、ロッキング機構全体のあらゆる寸法変化に対応する。ロック解除位置では、中間バネ106のバネ力は、ピストンアセンブリ40が下部ロッキングアセンブリ46及び上部ロッキングアセンブリ44の両方を一体的に動かすことを許容するのに十分である。
【0053】
タイヤ検査装置10は、バネ50、セグメント72及びセグメント86の数に対応する数の中間バネ106を含み得て、前述からの対応する数が、当該バネ106に関してここにも組み込まれる。
【0054】
バネ50は、保持プレート108によって所定位置に固定されている。1または複数のファスナ(図示せず)が、保持プレート108をバネ要素50と固定するために使用され、それにより、下方に配置された全ての構成要素を所定位置に固定するのに十分な反力を提供している。
【0055】
保持プレート108及びバネ50は、全体として、ロッキングスリーブ113のリム取り付け提供部112内に位置決めされている。保持プレート108は、1または複数のファスナ(図示せず)を用いてロッキングスリーブ113のリム取り付け提供部112に固定され得る。
【0056】
ロッキングスリーブ113のリム取り付け提供部112は、下部リム24をそれに十分かつ正確に固定するように、下部リム24の内部部分を受容するように成形されている。下部リム24は、1または複数のファスナ(図示せず)によってロッキングスリーブ113のリム取り付け提供部112に固定され得る。
【0057】
下部リム24は、上部リム20と協働して、タイヤの取り付けに特有の必要なツール(tooling)を提供するようにサイズ決めされている。下部リム24及び上部リム20は、車両用途のためにタイヤが装着されるホイールを模している。図示されたような下部リム24及び上部リム20は、典型的には、複数のタイヤサイズに対応するように設計されている。
【0058】
前述されたように、上部リム20は、上部ツールアセンブリ18の一部であり、上部ツールアセンブリ18はまた、ロッキングシャフト22を含む。ロッキングシャフト22は、そこから延びるシャフト部分116を有するハンドル部分114を含む。ロック解除位置では、シャフト部分116は、図4に示されるように、タイヤの挿入または取り外しを主目的とするチャックアセンブリ16の外側への移動を含め、所望のように位置決めされ得る。ロック位置では、シャフト部分116は、図2及び図3に示されるように、タイヤの膨張(空気注入)及びその後の検査に必要とされる特定の幅でのクランプ(把持)を許容するように、チャックアセンブリ16の内側に位置決めされる。
【0059】
ロッキングシャフト22のシャフト部分116は、ロッキングスリーブ113、特にそのスリーブ部分115(図2)、と協働する。スリーブ部分115は、ロッキングボール52がロック位置とロック解除位置との間を移動する様々な貫通孔117を含む。換言すれば、スリーブ部分115の貫通孔117は、ロッキングボール52を収容すると言われ得る。
【0060】
ロッキング部分116とも呼ばれ得るシャフト部分116は、ロッキングボール52を受容するための複数の受容溝118が形成された外面を有する。当該複数の受容溝118は、(単に)溝118またはゴシックアーチ溝118とも呼ばれ得て、シャフト部分116の外面の一部、大部分、または全体、に亘ることができる。十分な数の受容溝118が、異なるサイズのタイヤが当該タイヤ検査装置10で使用されることを許容するように、シャフト部分116の外面に存在するべきである。すなわち、十分な数の受容溝118を有することにより、ロッキングボール52は、異なるサイズのタイヤに対して、複数の受容溝118のうちの異なるものに挿入し得る。この態様において、下部リム24及び上部リム20は、ロック位置について異なる位置に存在し得て、これは、当該ツールの適用ビード幅の調整とも呼ばれ得る。
【0061】
前述されたように、溝118は、好ましくはゴシックアーチの形状とされ得る。図9を参照して、ポインテッド(尖った)アーチとも呼ばれ得るゴシックアーチが、尖ったクラウン部120と、2つの湾曲側面122と(弧状セグメント122とも呼ばれ得る)、を有するアーチである。2つの弧状セグメント122は、尖ったクラウン部120(アーチの頂部120とも呼ばれ得る)で、比較的鋭い角度で合流する。これは、ロッキングボール52に対するオフセット半径を有する溝118とも呼ばれ得る。
【0062】
図9において最も良く視認されるように、溝118のゴシックアーチ形状は、ロック位置において、当該溝118内のロッキングボール52に3つの接触点Pを提供する。溝118について最も低い(浅い)半径の各点で、ロッキングボール52は溝118と接触し、それによって当該溝118内で2つの接触点Pを提供する。本明細書で以下に更に説明されるように、ロック位置においてクランプ力が適用される時、第3の接触点Pが、ロッキングボール52とテーパ付きロック面84またはテーパ付きロック面102との間に存在する。
【0063】
3つの接触点Pを有するこの形態は、一般に、改善された寸法安定性と剛性とを提供するのに役立つ。更に、3つの接触点Pを有するこの形態は、一般に、改善された精度と再現性とを提供するのにも役立つ。これは、測定性能にとって重要であり得る。
【0064】
1または複数の実施形態において、溝118の全てがゴシックアーチの形状である。1または複数の実施形態において、溝118の全てが円弧の形状という訳ではない。
【0065】
ロッキングボール52を更に参照して、複数のロッキングボール52は、タイヤ検査装置10をロック位置に十分にロックするように、任意の適切な数を含み得る。前述されたように、複数のロッキングボール52は、第1の複数の上部ロッキングボール52と、第2の複数の下部ロッキングボール52と、を含み得る。
【0066】
1または複数の実施形態において、第1の複数の上部ロッキングボール52は、6~12個のロッキングボール52を含む。1または複数の実施形態において、各セグメント86が、1または複数のロッキングボール52を含み、他の実施形態において、各セグメント86が、2またはそれ以上のロッキングボール52を含み、他の実施形態において、各セグメント86が、1~3個のロッキングボール52を含む。
【0067】
1または複数の実施形態において、第2の複数の下部ロッキングボール52は、6~12個のロッキングボール52を含む。1または複数の実施形態において、各セグメント72が、1または複数のロッキングボール52を含み、他の実施形態において、各セグメント72が、2またはそれ以上のロッキングボール52を含み、他の実施形態において、各セグメント72が、1~3個のロッキングボール52を含む。
【0068】
図5を参照して、ロッキングボール52がロック位置でクランプされる表面は、当該表面の角度ANGによって特徴付けられ得る。これらの表面は、テーパ付きロック表面84及びテーパ付きロック表面102を含む。1または複数の実施形態において、角度ANGは10°~20°であり得て、他の実施形態において、角度ANGは約10°であり得て、他の実施形態において、約20°であり得る。角度ANGは、クランプ力の最適化に依存し得る。ここで与えられる角度は、鉛直軸を基準としている。
【0069】
次に、タイヤ検査装置10の動作及び連続する工程が更に説明される。当該装置10をロック解除位置にするために、ピストンアセンブリ40が、回転カップリング36を介して供給されスピンドルシャフト26を介して伝達される空気圧信号によって、上方に起動される。このロック解除位置では、ピストンアセンブリ40からのピストン力が、バネアセンブリ50及び中間バネ106のバネ力に打ち克つのに十分である。下部ロックアセンブリ46と上部ロックアセンブリ48とは一体となって上方に移動し、ロッキングボール52は、ロック解除ポケット82、100内に落下して当該ロック解除ポケット82、100内に移動することが許容される。ロック解除位置(図4及び図5)から開始して、上部ツールアセンブリ18は、上部リム20が下部リム24に近接して位置決めされないように、チャックアセンブリ16から取り外される。
【0070】
試験されるタイヤ(図示せず)に対して、上部リム20及び下部リム24は、当該タイヤを受容するように設計されるべきであり、当該タイヤは所定のビード幅を含むであろう。タイヤの一側が、まず、下部リム24上に位置決めされる。次に、ロッキングシャフト22のシャフト部分116がタイヤの内径を通して挿入され、それによってチャックアセンブリ16に入る。この動きは、一般に、上部リム20がタイヤの他側と接触して上部リム20と下部リム24との間で当該タイヤを挟むように予め設定されたビード幅になるまで、継続する。
【0071】
シャフト部分116及びロッキングシャフト22が所望位置に至ると、バネアセンブリ50及び中間バネ106のバネ力がピストンアセンブリ40を下方に圧縮することを許容するべく、ピストンアセンブリ40からピストン力(すなわち、空気圧)を除去するような処置が取られる。バネアセンブリ50及び中間バネ106のバネ力がピストンアセンブリ40からの力に対して十分である時、当該バネ力は、ロッキングボール52を溝80、98内で、特にテーパ付きロック面84、102に対して、ロックさせる。換言すれば、バネアセンブリ50及び中間バネ106は、テーパ付きロック面84、102の角度面がロッキングボール52に対して駆動されることに基づいて、ロッキングボール52をロック位置に駆動する。図9に関連して前述されたように、ロッキングボール52のこのロック位置は、強い力で接触する3点を含む。更に、当該力がロッキングボール52に適用される時、セグメント72、86もまた半径方向外向きに駆動される。
【0072】
タイヤが所定のビード幅に取り付けられ、チャックアセンブリ16がロック位置にクランプされると、当該タイヤは試験空気圧に膨張される。前述されたように、これは、タイヤに空気を供給するために、回転シャフト26及び上部ツールアセンブリ18に空気を提供する膨張空気入口32を介して行われる。膨張圧がピストンアセンブリ40に作用して、バネ50及び中間バネ106によって提供される力に加えて、大きな力を提供する。この追加のクランプ力は、膨張圧に起因するタイヤ及びリムのアセンブリ内の大きな力のために必要である。従って、当該2段階のクランプが、タイヤ検査装置10内で改善された剛性及び最小化された撓みを提供し、これは、測定品質に関連する利点を提供する。
【0073】
ボール52は、複数の溝80、98の間、具体的にはテーパ付きロック面84、102に対して、強い力で半径方向にロックされる。膨脹分離力に起因する反力が、貫通孔117の上部の平坦な部分または直交する部分によって受け入れられて抵抗される。ボールソケット117とも呼ばれ得る貫通孔117は、ロッキングスリーブ113のスリーブ部分115内にある。貫通孔117のテーパ付きの下部が、ロック解除中にボール52がポケット82、100内に落下するのを補助する。この全体的な形態の観点で、下部のロッキング構成要素(例えば、下部ロッキングアセンブリ46)は、全ての構成要素に亘って強い力のロックを提供するために、上部のロッキング構成要素(例えば、上部ロッキングアセンブリ48)と堅固に連結される。この動作の観点で、ロック位置は正確で再現可能性がある。ロック位置における力の要旨の他の態様が、図8に示される。前述されたように、タイヤ検査装置10の形態と協働する当該力の組合せが、正確な位置合わせと再現性とをもたらす。
【0074】
タイヤの試験の完了時、タイヤ検査装置10をロック解除するための手順が取られる。まず、タイヤが膨張解除され、ピストンアセンブリ40が再び起動される。前述されたように、ピストンアセンブリ40は、バネアセンブリ50及び中間バネ106に対してセグメント72、86を並進移動させる。これは、ロッキングボール52がセグメント72、86内に形成されたロック解除ポケット82、100内に移動するのに十分なクリアランスを提供し、それは貫通孔117のテーパ付きの下部によって補助される。このようにして、ロッキングシャフト22と上部ツールアセンブリ18とが、タイヤをアンロードして当該測定サイクルを引き続き繰り返すために適切な位置にまで、取り外されて自由になる。
【0075】
本明細書に開示されていない、タイヤ検査装置の好適な設計及び動作に関する他の詳細は、当業者には一般的に知られている可能性がある。例えば、タイヤ検査装置の好適な設計及び動作に関連する他の態様は、米国特許第5,257,561号及び米国特許出願公開第2017/0343453号に開示されている場合があり、これらの文献はこの点に関して当該参照により本明細書に組み込まれる(incorporated by reference)。
【0076】
前述されたことに照らして、本発明は、改良されたタイヤ検査アセンブリを提供することによって当該技術を進歩させることが理解されるべきである。本発明の特定の実施形態が本明細書において詳細に開示されているが、本発明の変形が当業者によって容易に理解されるため、本発明はそれらの実施形態に限定されない、ということが理解されるべきである。本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲から理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【外国語明細書】