IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 晶科能源(海▲寧▼)有限公司の特許一覧 ▶ ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039031
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】光起電力モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/05 20140101AFI20240313BHJP
【FI】
H01L31/04 570
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023210686
(22)【出願日】2023-12-14
(62)【分割の表示】P 2023134991の分割
【原出願日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】202210615452.5
(32)【優先日】2022-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210983460.5
(32)【優先日】2022-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522171073
【氏名又は名称】晶科能源(海▲寧▼)有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】519095522
【氏名又は名称】ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【弁理士】
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】金浩
(72)【発明者】
【氏名】黄世亮
(72)【発明者】
【氏名】郭志球
(72)【発明者】
【氏名】関迎利
(72)【発明者】
【氏名】楊敬国
(57)【要約】      (修正有)
【課題】光起電力の分野に関し、光起電力モジュールの隣接する電池ストリング間の短絡のリスクを回避した、接続技術を提供する。
【解決手段】電池ユニットグループは、直列および/または並列に接続される複数の電池ストリングを含み、隣接する電池ストリング同士は、接続構造によって接続されており、接続構造は、引出し構造を含み、引出し構造は、本体部と、本体部に設けられた第1接続部、第2接続部とを含み、第1接続部が第2接続部に接続され、第1接続部は本体部の長手方向と平行であり、第2接続部は第1接続部から延出している。
【選択図】図21
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続構造であって、前記接続構造は、引出し構造(2)を含み、前記引出し構造(2)は、本体部(21)と、前記本体部(21)に設けられた第1接続部(211)、第2接続部(212)とを含み、前記第1接続部(211)が前記第2接続部(212)に接続され、前記第1接続部(211)は前記本体部(21)の長手方向と平行であり、前記第2接続部(212)は前記第1接続部(211)から延出しており、
前記第1接続部(211)と前記第2接続部(212)とは別体構造を採用し、前記第1接続部(211)と前記第2接続部(212)とを溶接した後に、溶接された全体を本体部21に溶接する、 ことを特徴とする光起接続構造。
【請求項2】
前記第1接続部(211)は前記本体部(21)の一部を覆い、前記第1接続部(211)の前記本体部(21)における正投影は、前記本体部(21)と重なる領域を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起接続構造。
【請求項3】
前記重なる領域は前記第1接続部(211)の前記本体部(21)における正投影と重なり合っている、
ことを特徴とする請求項2に記載の光起接続構造。
【請求項4】
前記第1接続部(211)の前記第1エッジ(22)に近い一端は前記第2接続部(212)に接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起接続構造。
【請求項5】
前記本体部(21)に垂直な長手方向において、前記本体部(21)には、第1折り線(201)及び第2折り線(202)が設けられており、前記第1折り線(201)は前記本体部(21)と前記第1接続部(211)との境界に位置し、前記第2折り線(202)は前記第1接続部(211)と前記第2接続部(212)との境界に位置し、
前記本体部(21)の厚み方向において、前記第1折り線(201)は前記第1エッジ(22)と向き合い、前記第2折り線(202)は前記第1接続部(211)の前記第1エッジ(22)から離れたエッジと向き合っている、
ことを特徴とする請求項4に記載の光起接続構造。
【請求項6】
前記第1本体部(21a)は、前記第1接続部(211)と背中合わせに固定接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起接続構造。
【請求項7】
前記本体部(21)の厚み方向において、前記第1接続部(211)の厚さは前記第1本体部(21a)の厚さ以下であり、または、前記第1接続部(211)の厚さは前記第2本体部(21b)の厚さ以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起接続構造。
【請求項8】
前記第1接続部(211)の長さは、前記第2接続部(212)の前記本体部(21)から延出した高さ以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起接続構造。
【請求項9】
前記第1接続部(211)の長さと前記第2接続部(212)の前記本体部(21)から延出した高さとの比は0.4~1である、
ことを特徴とする請求項8に記載の光起接続構造。
【請求項10】
前記第1接続部(211)は前記第2接続部(212)と一体成形されており、
前記第1接続部(211)と前記第2接続部(212)は前記本体部(21)に固定接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起接続構造。
【請求項11】
前記本体部(21)の幅方向において、前記第2本体部(21b)の幅は前記第1本体部(21a)の幅以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起接続構造。
【請求項12】
前記本体部(21)の厚み方向の断面において、前記第1本体部(21a)と前記第2本体部(21b)との断面積は等しい、
ことを特徴とする請求項11に記載の光起接続構造。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の接続構造を含む、
ことを特徴とする光起電力モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は、光起電力の分野に関し、特に光起電力モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
太陽エネルギーは、クリーンで環境に優しい再生可能な新型エネルギーであり、リソースが十分で、安全で、クリーンで、広く分布し、技術が確実であるなどの利点があり、大きな発展の見通しがある。光起電力モジュールの新技術の研究開発と応用により、光起電力システムの発電効率と確実性を効果的に向上させ、電力コストを削減することができ、光起電力業界では、電池モジュールの性能を継続的に向上させ、コストを削減し、電池モジュールの新技術の適用を駆動しかつ成熟させることが要求されている。
【0003】
光起電力モジュールは、一般的に複数の電池ストリングが直列および/または並列に接続された後に、フレーム、ガラスパネル、バックプレート、シール材を封入して真空シーリングによって形成されるものである。そのうち、電池ストリングの間は、バスバーを介して直列および/または並列に接続され、かつ、引出し線を介してジャンクションボックスに接続され、太陽電池セルによって生成された電力を外部回路に接続し、光起電力モジュールによって生成された電流を伝達する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例は、ダイオードの両端にそれぞれ接続された2つの引出し線の間の間隔が小さすぎることに起因する電池ストリング間の短絡のリスクを回避する光起電力モジュールを提供することを目的とする。
【0005】
上記の問題を解決するために、本願の実施例には、光起電力モジュールが提供され、当該光起電力モジュールは、少なくとも1つの電池ユニットグループを備え、電池ユニットグループは、直列および/または並列に接続される複数の電池ストリングを含み、隣接する電池ストリング同士は、接続構造によって接続されており、接続構造は、引出し構造を含み、引出し構造は、本体部と、本体部に設けられた第1接続部、第2接続部とを含み、第1接続部が第2接続部に接続され、第1接続部は本体部の長手方向と平行であり、第2接続部は第1接続部から延出しており、本体部の長手方向において、本体部は第1エッジを有し、第2接続部は第1接続部よりも第1エッジに近く、第2接続部と第1エッジとの間の間隔は2mm~20mmである。
【0006】
また、第1接続部は本体部の一部を覆い、第1接続部の本体部における正投影は、本体部と重なる領域を有する。
【0007】
また、重なる領域は第1接続部の本体部における正投影と重なり合っている。
【0008】
また、第1接続部の第1エッジに近い一端は第2接続部に接続されている。
【0009】
また、本体部に垂直な長手方向において、本体部には、第1折り線及び第2折り線が設けられており、第1折り線は本体部と第1接続部との境界に位置し、第2折り線は第1接続部と第2接続部との境界に位置する。
本体部の厚み方向において、第1折り線は第1エッジと向き合い、第2折り線は第1接続部の第1エッジから離れたエッジと向き合っている。
【0010】
また、本体部の長手方向において、本体部は、第1本体部と第2本体部を含み、本体部の厚み方向において、第1本体部は第1接続部と向き合い、第1本体部は第2本体部と共に本体部を構成し、本体部の厚み方向において、第1本体部の厚さは、第2本体部の厚さ以下である。
【0011】
また、第1本体部は、第1接続部と背中合わせに固定接続されている。
【0012】
また、本体部の厚み方向において、第1接続部の厚さは第1本体部の厚さ以下であり、または、第1接続部の厚さは第2本体部の厚さ以下である。
【0013】
また、第1接続部の長さは、第2接続部の本体部から延出した高さ以下である。
【0014】
また、第1接続部の長さと第2接続部の本体部から延出した高さとの比は0.4~1である。
【0015】
また、第1接続部は第2接続部と一体成形されており、第1接続部と第2接続部は本体部に固定接続されている。
【0016】
また、本体部の幅方向において、第2本体部の幅は第1本体部の幅以下である。
【0017】
また、本体部の厚み方向の断面において、第1本体部と第2本体部との断面積は等しい。
【0018】
また、電池ストリングは、直列に接続された複数の電池セルを含み、電池セルには、メイングリッドが設けられており、電池ユニットグループは、第1方向に沿って順次配列された第1電池ユニット及び第2電池ユニットを含み、第1方向はメイングリッドの延在方向であり、メイングリッドの延在方向は本体部の長手方向と垂直であり、引出し構造は第1電池ユニットと第2電池ユニットとの間に設けられ、第1電池ユニットの電池ストリングと第2電池ユニットの電池ストリングとはいずれも本体部に接続されており、または、第1電池ユニットの電池ストリングと第2電池ユニットの電池ストリングとはいずれも第1接続部に接続されている。
【0019】
また、第1電池ユニットと第2電池ユニットとの間に、ダイオードがさらに設けられており、ダイオードの正極は第2接続部に接続され、または、ダイオードの負極は第2接続部に接続されている。
【0020】
また、第1電池ユニットと第2電池ユニットとはいずれもリボンを介して本体部または第1接続部に接続され、リボンの延在方向は本体部の長手方向と交差し、リボンの電池ユニットグループから露出した一端は本体部に接続され、または、リボンの電池ユニットグループから露出した一端は第1接続部に接続されている。
【0021】
また、上記の光起電力モジュールは、電池ストリングの上面を覆うためのカバープレートと、電池ストリングの裏面を覆うためのバックプレートと、第2接続部に接続されたダイオードが設けられたジャンクションボックスと、をさらに備え、電池ストリングとカバープレートとの間、及び電池ストリングとバックプレートとの間のいずれにも、接着層が設けられている。
【発明の効果】
【0022】
従来技術と比べて、本願の実施例に提供された技術考案には、以下の利点がある。
【0023】
本願の実施例に係る光起電力モジュールは、引出し構造の本体部に、第1接続部及びダイオードに接続されるための第2接続部が設けられ、第2接続部の本体部における位置は本体部の長手方向における第1エッジに近く、第2接続部と第1エッジとの間の間隔は2mm~20mmである。本願の実施例は、引出し構造に第1接続部及び第2接続部を設け、第1接続部は本体部と平行であり、第2接続部は第1接続部から延出し、ダイオードに接続されることに用いられる。また、本願の実施例に係る引出し構造の第2接続部と本体部のエッジとの間に間隔があるため、ダイオードの両端にそれぞれ接続された2つの第2接続部の間に間隔があり、これにより、電池ストリング間の短絡のリスクを回避し、光起電力モジュールの確実性を確保し、光起電力モジュールの製造の難易度を低減する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、光起電力モジュールの電池セルの接続を示す図である。
図2図2は、バックコンタクト型太陽電池セルの裏面の構成を示す図である。
図3図3は、別のバックコンタクト型太陽電池セルの裏面の構成を示す図である。
図4図4は、バックコンタクト型太陽電池セルの接続を示す図である。
図5図5は、別のバックコンタクト型太陽電池セルの接続を示す図である。
図6図6は、別のバックコンタクト型太陽電池セルの接続を示す図である。
図7図7は、別のバックコンタクト型太陽電池セルの接続を示す図である。
図8図8は、絶縁印刷が完了したバックコンタクト型太陽電池セルの構成を示す図である。
図9図9は、光起電力モジュールの構成を示す図である。
図10図10は、図9における光起電力モジュールの回路図である。
図11図11は、従来技術における第1バスバーの構成を示す図である。
図12図12は、従来技術における隣接する第1バスバーの殺ぎ継ぎ構成を示す図である。
図13図13は、本願の一実施例に係る光起電力モジュールの構成を示す図である。
図14図14は、図13におけるA箇所の構成を示す図である。
図15図15は、本願の一実施例に係る光起電力モジュールの局所を示す図である。
図16図16は、図13における光起電力モジュールの回路図である。
図17図17は、本願の一実施例に係る引出し構造の構成を示す図である。
図18図18は、本願の一実施例に係る引出し構造が折り畳まれていない時のタイル模式図である。
図19図19は、本願の一実施例に係る引出し構造が折り畳まれた時の模式図である。
図20図20は、本願の一実施例に係る引出し構造の断面図である。
図21図21は、本願の別の実施例に係る引出し構造を示す図である
図22a図22aは、本願の別の実施例に係る引出し構造が折り畳まれた時の模式図である。
図22b図22bは、本願の別の実施例に係る引出し構造の断面図である。
図23a図23aは、本願の別の実施例に係る引出し構造が折り畳まれた時の模式図である。
図23b図23bは、本願の別の実施例に係る引出し構造の断面図である。
図24図24は、本願の一実施例に係る隣接する引出し構造の位置関係を示す図である。
図25図25は、本願の別の実施例に係る光起電力モジュールの構成を示す図である。
図26図26は、本願の別の実施例に係る光起電力モジュールの構成を示す図である。
図27図27は、本願の一実施例に係る本体部の上面図である。
図28図28は、本願の別の実施例に係る本体部の上面図である。
図29図29は、本願の一実施例に係る本体部の断面図である。
図30図30は、本願の一実施例に係る本体部の断面図である。
図31図31は、本願の別の実施例に係る光起電力モジュールの構成を示す図である。
図32図32は、本願の別の実施例に係る光起電力モジュールの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
背景技術から分かるように、電池ストリングの間はバスバーを介して直列および/または並列に接続され、引出し線を介してジャンクションボックス内のダイオードに接続されている。ジャンクションボックスの両端に位置する引出し線の間隔が小さすぎると、電池ストリング間の短絡のリスクが高くなりやすいため、ジャンクションボックスの両端に位置する引出し線の間の間隔の設定は特に重要となっている。
【0026】
光起電力モジュールの製造過程において、通常、リボンを使用して複数の電池セルを直列に接続し、電池ストリングを形成する。従来の光起電力モジュールの場合、幾つかの実施例において、セルの正極メイングリッド、負極メイングリッドを対向して設置された電池セルの上面、裏面にそれぞれ位置させることができ、即ち、正極メイングリッドは電池セルの上面に位置し、負極メイングリッドは電池セルの裏面に位置する。他の幾つかの実施例において、正極メイングリッドは電池セルの裏面に位置し、負極メイングリッドは電池セルの上面に位置してもよく、上面とは、一般的に太陽光を直接に受光する表面を指し、裏面とは、一般的に上面に対向する面を指す。1つの例として、図1に示されるように、セルの正極メイングリッド110、負極メイングリッド120はそれぞれ電池セル100の裏面、上面に位置し、リボン4によって隣接する電池セル100の間の接続を実現できる。例えば、リボン4の一端を電池セル100の上面の負極メイングリッド120に溶接し、リボン4の他端を隣接する電池セル100の裏面の正極メイングリッド110に溶接することで、隣接する電池セル100の直列接続を実現する。
【0027】
しかしながら、バックコンタクト型光起電力モジュールの場合、図2及び図3に示されるように、セルの正極メイングリッド、負極メイングリッドはいずれも電池セル100の裏面に分布している。1つの例として、図2及び図3には、バックコンタクト型光起電力モジュールの裏面の2つのパータンデザインが示されており、電池セル100の裏面のメイングリッドの数は、奇数であってもよいし、偶数であってもよい。図2に示される電池セル100の裏面におけるメイングリッドの数は奇数であり、ここで、正極メイングリッド110と負極メイングリッド120との数は等しくない。図3に示される電池セル100の裏面におけるメイングリッドの数は偶数であり、ここで、正極メイングリッド110と負極メイングリッド120との数は等しい。
【0028】
幾つかの実施例において、一般的に、小間隔または負間隔で電池セル100を配列させる方法を用いて、光起電力モジュールのレイアウト設計を行い、電池セル100は全体または複数の電池スライスの形で電気的に接続されることで複数の電池ストリング10を形成し、複数の電池ストリング10は、直列および/または並列で電気的に接続されている。バックコンタクト型セルの正極メイングリッド110と負極メイングリッド120が交互に配列しているため、図4図5に示されるように、電池ストリング10の一端には、リボン4が電池セル100のエッジに位置する現象がある。図6図7に示されるように、並列領域における隣接する電池ストリング10間の少なくとも1つの電池ストリングの第1バスバー6は、全てのメイングリッド線を貫通する必要があり、光起電力モジュールによって生成された電気エネルギーは第1バスバー6の端部に位置する引出し部によって引き出され、この引出し部は、一般的に、第1バスバー6を折り曲げることで形成されるものである。電池ストリング10にリボン4が電池セル100のエッジに位置する現象があるため、引出し部とリボン4との間隔が小さすぎると、隣接する引出し部の間には、殺ぎ継ぎが形成されたり、間隔が小さすぎたりし、セルの継続的な最適化に伴って、その後のメイングリッドの数はさらに増加する可能性があり、引き出し部間の間隔がさらに狭くなり、特にバックコンタクト型光起電力モジュールの場合、光起電力モジュールの製造に深刻な影響を与えてしまう。
【0029】
なお、バックコンタクト型光起電力モジュールは、正極メイングリッド110と負極メイングリッド120の数が異なり、かつ、メイングリッド線の数が異なることを除いて、切断線の上下両側における対称的なメイングリッド線の極性が同じであってもよいし、異なってもよく、また、メイングリッド線に垂直な方向において、細グリッドが設けられてり、細グリッドは極性が異なるメイングリッドと接触しない。図8を参照すると、図8は、絶縁印刷が完了したバックコンタクト型光起電力モジュールの構成を示す図であり、バックコンタクト型セルの裏面を上に向いて絶縁印刷し、絶縁印刷が完了したバックコンタクト型光起電力モジュールは、正極メイングリッド110、負極メイングリッド120、正極細グリッド130、負極細グリッド140及び絶縁ペースト13を備え、そのうち、絶縁ペースト13の印刷高さは、細グリッドの高さの2倍以上である。
【0030】
1つの例として、図9は、バックコンタクト型光起電力モジュールの全体構成を示す図である。従来のバックコンタクト型光起電力モジュールのレイアウトは、通常、電池ハーフシートのレイアウトを用い、図9に示されるように、電池セル100は電池スライスであってもよい。そのうち、電池スライスは、電池基板を第1方向に沿って均一に2等分するように分割した電池ハーフシートであってもよいし、電池基板を第1方向に沿ってN枚に切断した電池スライスであってもよく、ここで、N≧2でかつNは正整数である。例えば、電池セル100は、電池基板を第1方向に沿って切断した3等分スライスであってもよく、または、電池セル100は、電池基板を第1方向に沿って切断した4等分スライスであってもよく、または、電池セル100は、さらに電池基板を第1方向に沿って切断した6等分スライスであってもよい。
【0031】
バックコンタクト型光起電力モジュールの製造過程において、隣接する電池スライスを直列に接続してから並列に接続して、光起電力モジュールを形成することができる。異なる電池ストリング間の直列接続を実現するために、隣接する電池ストリング10の極性が逆になるようにする必要があり、そのため、隣接する電池ストリング10の極性が逆になるように、電池ストリング10のとなりの隣接する電池ストリング10を180°回転させる必要がある。隣接する電池ストリング10の極性を図10の光起電力モジュールの回路図に示す。そして、2つの電池ストリング10ごとの間に第2バスバー5を溶接し、2つの電池ストリング10の直列接続を実現する。図9に示されるように、隣接する2列(列の方向は第2方向である)の電池ストリング10は電池ストリング10の第2方向におけるエッジに位置する第2バスバー5を介して2列の電池ストリング10を直列に接続して、電池ユニットを形成する。電池ユニットは、第2方向に沿って順次に配列された上部電池ユニット111及び下部電池ユニット112を含むことができ、図9には、上部電池ユニット111及び下部電池ユニット112の数がいずれも3つである場合が示されている。そのうち、上部電池ユニット111及び下部電池ユニット112はいずれも2つの電池ストリング10を含み、各電池ストリング10は直列に接続された6つの電池セル100を含む。
【0032】
引き続き図9を参照すると、当該光起電力モジュールの第2バスバー5の数は6つであり、そのうち、3つの第2バスバー5は、上部電池ユニット111の第2方向における上部に位置し、上部電池ユニット111内の2つの電池ストリング10の接続を実現し、3つの第2バスバー5は、下部電池ユニット112の第2方向における底部に位置し、下部電池ユニット112内の2つの電池ストリング10の接続を実現する。そして、上部電池ユニット111及び下部電池ユニット112を第1バスバー6を介して並列に接続し、ここで、上部電池ユニット111及び下部電池ユニット112の電池ストリング10の極性が一致することを確保するために、上部電池ユニット111および/または第2電池ユニット112を180°回転させることで実現する。その後、上部電池ユニット111と下部電池ユニット112との間に設けられた第1バスバー9によって上部電池ユニット111と下部電池ユニット112の接続を実現し、これによって、電池ユニットを形成し、そして、複数組の電池ユニットを直列または並列にして光起電力モジュールを形成する。
【0033】
通常、光起電力モジュールは、ジャンクションボックスをさらに備え、ジャンクションボックスは光起電力モジュールのバックプレートに設置され、ジャンクションボックス内にダイオード3が設けられており、ジャンクションボックスは、通常、隣接する電池ユニット間に位置し、上部電池ユニット111と下部電池ユニット112とを接続する第1バスバー6の一端のエッジから引出し線が延出し、この引出し線によりダイオード3の一端との接続を実現し、ダイオード3の他端が隣接する電池セルを接続する第1バスバー6の引出し線に接続され、隣接する電池ユニットの接続を実現する。図10に示されるように、2つの電池ストリング10の各々が直列に接続されることで上部電池ユニット111または下部電池ユニット112を形成し、上部電池ユニット111と下部電池ユニット112の出力端はいずれもダイオード3に接続され、即ち、電池セルは、それによって生成された電気エネルギーが第1バスバー6の引出し部61を介して引き出され、ダイオード3に接続されている。図11に示されるように、引出し部61は一般的に第1バスバー6を折り曲げることで形成されている。第1バスバー6の折り曲げ半径、溶接の操作性などの問題を考慮すると、第1バスバー6の引出し部61とリボン4との間の間隔は、一般的に10mmである。しかし、この技術考案を用いると、光起電力モジュールにおいて隣接する第1バスバー6における対向して設けられた引出し部61に殺ぎ継ぎが形成されたり、隣接する引出し部61の間の間隔が小さすぎたりしてしまい、図12に示されるように、隣接する第1バスバー6における対向して設けられた引出し部61の間の間隔は狭くなり、電池セル100のエッジに位置するリボン4の間隔も小さくなる。バックコンタクト型光起電力モジュールの継続的な最適化に伴い、その後のメイングリッドの数がさらに増加する可能性があり、対向して設けられた2つの引出し部61の間の間隔がさらに狭くなり、これによって、電池ストリング10の間の短絡のリスクは疑いなく高くなり、バックコンタクト型光起電力モジュールの製造に深刻な影響を与えてしまう。
【0034】
上記の技術的課題を解決するために、図13を参照して、本願の実施例には、光起電力モジュールが提供され、この光起電力モジュールは、少なくとも1つの電池ユニットグループ1を備え、電池ユニットグループ1は、直列および/または並列に接続される複数の電池ストリング10を含み、隣接する電池ストリング10同士は、接続構造によって接続されており、接続構造は、引出し構造2を含み、引出し構造2は、本体部21と、本体部21に設けられた第1接続部211、第2接続部212とを含み、第1接続部211が第2接続部212に接続され、第1接続部211は本体部21の長手方向と平行であり、第2接続部212は第1接続部211から延出しており、本体部21の長手方向において、本体部21は第1エッジ22を有し、第2接続部212は第1接続部211よりも第1エッジ22に近く、第2接続部212と第1エッジ22との間の間隔は2mm~20mmである。
【0035】
なお、図13に示されるように、接続構造は、引出し構造2と第2バスバー5とを含み、そのうち、第2バスバー5は2組を含み、2組の第2バスバー5は、隣接する電池ストリング10間の直列接続を実現するように、光起電力モジュールの第2方向における上縁と下縁にそれぞれ設置されている。引出し構造2は、2組の電池ストリング10ごとが直列に接続された後に形成された電池ユニットの間に設けられ、電池ユニットの電流を引き出すことに用いられ、かつダイオード3に接続され、これによって隣接する電池ユニットの接続を実現する。
【0036】
幾つかの実施例において、第2接続部212と第1エッジ22との間の間隔は、2mm、4mm、6mm、12mm、16mmまたは20mmとすることができる。好ましくは、第2接続部212と第1エッジ22との間の間隔は、6mm~12mmとすることができる。
【0037】
図14及び図15を参照して、図13のA箇所の拡大図である。1つの例として、図14は、本体部21における第1接続部211と第2接続部212の設置位置を示す図である。図13に示される光起電力モジュールを例にすると、図16から見られるよに、当該光起電力モジュールは3つの電池ユニットグループ1を含み、2つの電池ユニットグループ1ごとに1つのジャンクションボックスが設けられ、引出し構造2における第1接続部211から延出した第1接続部212はジャンクションボックス内のダイオード3に接続されている。なお、図13及び図16における電池セル100は電池ハーフシートである。図14に示されるように、引出し構造2は4つを含み、いずれも第2方向に順次配列された2つの電池ユニットの間に位置し、光起電力モジュールの左側縁に近寄る引出し構造2に第1接続部211と第2接続部212が設けられ、隣接する電池ユニットと共に1つのダイオード3を接続するために、第1接続部211と第2接続部212は、本体部21に対して引出し構造2の第1エッジ22に近接して設けられ、この場合、第1エッジ22は引出し構造2の右側縁である。光起電力モジュールの右側縁に近寄る引出し構造2に第1接続部211と第2接続部212が設けられ、隣接する電池ユニットと共に1つのダイオード3を接続するために、第1接続部211と第2接続部212は、本体部21に対して引出し構造2の第1エッジ22に近接して設けられ、この場合、第1エッジ22は引出し構造2の左側縁である。本体部21における第1エッジ22は2つを含むことができ、図14に示されるように、光起電力モジュールの中央位置に位置する2つの引出し構造2のいずれにも2つの接続部が設けられており、2つの接続部は本体部の21の中央領域に対していずれも本体部21の両側のエッジに近い位置に設置されており、この場合、第1エッジ22は2つがあり、それぞれ本体部21の長手方向における2つのエッジである。第2接続部212と隣接する電池ユニットとが共に1つのダイオード3を接続するために、接続部における第2接続部212は第1接続部211よりもいずれも本体部21の両側の第1エッジ22に近く、第2接続部212と第1エッジ22との間の間隔は2mm~20mmである。
【0038】
図15は、接続部が本体部21のエッジに近い位置に設置された模式図である。1つの例として、図15には、接続部が本体部21のエッジに近い位置に設置された場合が示されており、電池の短絡のリスクを回避するように、隣接する接続部の第2接続部212の間に安全な距離が残されている。
【0039】
なお、1つの例として、図13には、光起電力モジュールは3つの電池ユニットグループ1を含み、電池ユニットグループ1には、第2方向に順次配置された2つの電池ユニットが含まれ、各電池ユニットは、直列に接続された2つの電池ストリング10を含み、かつ、各電池ストリング10は直列に接続された7つの電池セル100を含む、という場合が示されている。本願の実施例では、電池ストリング10における電池セル100の数、電池ストリング10の数、及び電池ユニットグループ1の数を限定しない。
【0040】
図17は、本願の実施例に係る引出し構造を示す図である。図17に示されるように、第1接続部211は第2接続部212よりも第1エッジ22に近く、第1接続部211の第1エッジ22に近い一端は第1エッジ22に接続され、第1接続部211の第1エッジ22から離れた一端は第2接続部212に接続され、第2接続部212と第1エッジ22との間の間隔は0.5mm~30mmであり、即ち、第1接続部211の第1エッジ22から離れた一端と第1エッジ22との間の間隔は0.5mm~30mmである。
【0041】
好ましくは、第2接続部212と第1エッジ22との間の間隔は2mm~20mmである。通常、第2接続部212と第1エッジ22との安全な距離を確保し、電池の短絡のリスクを回避し、光起電力モジュールの確実性を確保するために、一般的に第2接続部212と第1エッジ22との間の間隔は2mmを超えている。幾つかの実施例において、第2接続部212と第1エッジ22との間の間隔は4mm、6mm、12mm、16mmまたは20mmであってもよい。
【0042】
幾つかの実施例において、第1接続部211は本体部21の一部を覆い、第1接続部211の本体部21における正投影は、本体部21と重なる領域を有する。
【0043】
引き続き図17を参照すると、第1接続部211は本体部21の第1エッジ22に近い部分の表面を覆い、第1接続部211の本体部21を覆う部分を被覆部と称する。第1接続部211の幅が被覆部の幅よりも大きい場合、第1接続部211の本体部21に垂直な方向における正投影の面積は被覆部の面積よりも大きく、第1接続部211の幅が被覆部の幅よりも小さい場合、第1接続部211の本体部21に垂直な方向における正投影の面積は被覆部の面積よりも小さく、かつ第1接続部211の本体部21における正投影は被覆部の内部に位置する。
【0044】
幾つかの実施例において、重なる領域は第1接続部211の本体部21における正投影と重なり合っている。
【0045】
引き続き図17を参照すると、第1接続部211の幅が被覆部の幅と等しく、かつ第1接続部211の長さが被覆部の長さと等しい場合、被覆部は第1接続部211の本体部21における正投影と完全に重なり合っており、即ち重なる領域は第1接続部211の本体部21における正投影と重なり合っている。
【0046】
幾つかの実施例において、第1接続部211の第1エッジ22から離れた一端は第2接続部212に接続され、第1接続部211は、それぞれ第2接続部212、本体部21と一体成形されている。図17に示されるように、第1接続部211の第1エッジ22に近い一端は本体部21の第1エッジ22に接続され、第1接続部211の第1エッジ22から離れた一端は第2接続部212に接続されている。第1接続部211は、それぞれ第2接続部212、本体部21と一体成形されており、1本のバスバーを本体部21とし、本体部21を折り曲げることで引出し構造2を得ることができる。
【0047】
幾つかの実施例では、本体部21に垂直な長手方向において、本体部21には、第1折り線201及び第2折り線202が設けられており、第1折り線201は本体部21と第1接続部211との境界に位置し、第2折り線202は第1接続部211と第2接続部212との境界に位置し、本体部21の厚み方向において、第1折り線201は第1エッジ22と向き合い、第2折り線202は第1接続部211の第1エッジ22から離れたエッジと向き合っている。
【0048】
本体部21、第1接続部211及び第2接続部212が一体化された構造である場合、1本のバスバーを本体部21とすることができる。図18を参照して、長板状の本体部21には、第1折り線201及び第2折り線202が順次設けられており、まず、第1折り線201に沿って本体部21の方向に向かって本体部21を折り畳み、第1折り線201の右側に位置する本体部21と第1折り線201の左側に位置する本体部21とを部分的に重ね、この時、第2折り線202が本体部21の一部の表面を覆う折り畳み部分に位置し、そして、図19に示されるように、本体部21の第2折り線202に沿って折り畳み部分を再び折り畳む。最終的に、図17に示される引出し構造が得られ、一部の本体部21を覆う第1接続部211及び第1接続部211に垂直な第2接続部212を形成し、第1接続部211を本体部211に溶接固定し、引出し構造2を得る。
【0049】
引き続き図17を参照すると、幾つかの実施例では、本体部21の長手方向において、本体部21は、第1本体部21aと第2本体部21bを含み、本体部21の厚み方向において、第1本体部21aは第1接続部211と向き合い、第1本体部21aは第2本体部21bと共に本体部21を構成し、本体部21の厚み方向において、第1本体部21aの厚さは、第2本体部21bの厚さ以下である。
【0050】
幾つかの実施例において、本体部21を第1接続部211に溶接した後に本体部21の厚さが大きすぎることに起因して、その後のリボン4との接続に接着剤が不足になる現象を回避するために、第1接続部211と向き合う本体部21の第1本体部21aの厚さを適宜に薄くして、本体部21が第1接続部211に溶接された後に第1本体部21aが第1本体部21aに重畳されることによって本体部21の一部の領域が厚すぎることになってしまう状況を回避し、光起電力モジュールのレイアウトの配置に影響を与えない。
【0051】
好ましくは、第1本体部21aの厚さは第2本体部21bの厚さよりも小さい。第1本体部21aと第1接続部211とを重ね合わせて設置しているため、引出し構造2の第1接続部211と第1本体部21aとが折り畳まれた後に厚さが大きすぎることによって引出し構造2の性能に影響を与えることを回避するために、第1本体部21aの厚さを薄くすることができる。図20に示されるように、第1本体部21aの厚さは第2本体部21bの厚さの2分の1とし、第1接続部211の厚さを第1本体部21aの厚さとほぼ等しくすることができ、このように設定することで、第1本体部21aと第1接続部211とを重ね合わせた後の全体の厚さと第2本体部21bの厚さとをほぼ等しくし、引出し構造2全体の性能を確保することができる。これと共に、このように設定することで、光起電力モジュール全体のレイアウトの配置にも有利である。本体部21に第2接続部212が設けられた後に、本体部21の厚さを過度に大きくすることなく、光起電力モジュールが元のレイアウトに配置されることを確保する。
【0052】
幾つかの実施例において、第1本体部21aは、第1接続部211と背中合わせに固定接続されている。
【0053】
引き続き図20を参照すると、引出し構造2の全体性を確保するために、第1本体部21aは、第1接続部211と背中合わせに貼り合わせており、つまり、第1本体部21aの上面は第1接続部の下面と貼り合わせ、かつ第1本体部21aの上面と第1接続部の下面とははんだ付けにより溶接され、これにより、第1本体部21aと第1接続部211を固定し、本体部21と引出し構造2を固定する。
【0054】
図21を参照すると、幾つかの実施例において、本体部21の長手方向において、本体部21は、第1本体部21aと第2本体部21bを含み、本体部21の厚み方向において、第1本体部21aは第1接続部211と向き合い、第1本体部21aは第2本体部21bと共に本体部21を構成し、本体部21の厚み方向において、第1本体部21aの厚さは、第2本体部21bの厚さ以下である。
【0055】
幾つかの実施例において、図21に示されるように、本体部21の厚み方向において、第1本体部21aの厚さは、第2本体部21bの厚さと等しい。
【0056】
幾つかの実施例において、接続部は第1本体部21aに位置し、第2本体部21bは接続部の本体部における正投影と重なる領域を有しない。具体的には、本体部21の長手方向において、第2本体部21bの本体部21における正投影と接続部の本体部21における正投影との間の間隔は、0以上かつ5mm以下であり、これにより、電池の短絡のリスクを回避し、光起電力モジュールの確実性を確保する。
【0057】
図22aに示されるように、第1接続部211が本体部21と重なっている領域は第1本体部21aであり、第1接続部211が本体部21と重なっていない領域は第2本体部21bであり、第1本体部21aは第2本体部21bと共に本体部21を構成している。本体部21を第1接続部211に溶接した後に本体部21の厚さが大きすぎることに起因して、その後のリボン4との接続に接着剤が不足になる現象を回避するために、本体部21の第1本体部21aの厚さを適宜に薄くして、本体部21が第1接続部211に溶接固定された後に第1本体部21aが第1接続部211に重畳されることによってこの領域の厚さが厚すぎて、光起電力モジュールの配置に影響を与えることを回避する。
【0058】
好ましくは、第1本体部21aの厚さは第2本体部21bの厚さよりも小さい。積層して設けられた2つの第1サブ接続部211aが第1本体部21aに溶接されるため、第1サブ接続部211aが第1本体部21aに溶接された後に本体部21の厚さが大きすぎることを回避するために、図22bに示されるように、第1本体部21aの厚さは、第2本体部21bの厚さの3分の1とし、第1サブ接続部211aの厚さは、第2本体部21bの厚さの3分の1とし、第1サブ接続部211aの厚さと第1本体部21aの厚さとはほぼ等しくすることができ、このように設定することで、2つの第1サブ接続部211aが第1本体部21aに重畳された後の合計厚さが第2本体部21bの厚さとほぼ等しいことを確保することができ、引出し構造2全体の性能を確保し、光起電力モジュールの配置に悪影響を及ぼすことを回避する。
【0059】
他の幾つかの実施例において、本願の実施例に係る引出し構造は、他の折り曲げ方法によって形成されることができ、図22aに示されるように、3回折り曲げることで図23aに示される引出し構造を得ることもできる。具体的には、第1回の折り曲げは、バスバーの右側部分を第1折り線201に沿って本体部21の上方まで折り曲げる(内に折り曲げる)ことであり、第2回の折り曲げは、本体部21の上方に位置するバスバーを第2折り線202に沿って折り曲げ、折り曲げられたバスバーを本体部21と平行になるようにすることであり、第3回の折り曲げは、第2回に折り曲げられたバスバーを第3折り線203に沿って折り曲げ(上に折り曲げる)、本体部21から延出した第2接続部212を形成することである。このように設置することで、引出し構造の製造を容易にし、引出し構造2全体の安定性を確保することができる。
【0060】
具体的には、図23aを参照すると、本体部21に垂直な長手方向において、第1折り線201は本体部21と第1接続部211との境界に位置し、第1接続部211は、積層して設けられた2つの第1サブ接続部211aを含み、第2折り線202は、2つの第1サブ接続部211aの接続境界に設けられ、第3折り線203は、第1サブ接続部211aと第2接続部212との境界に位置する。本体部21の厚み方向において、第1折り線201、第3折り線203はいずれも第1エッジ22と向き合い、第2折り線202は、第1接続部211の第1エッジ22から離れたエッジと向き合っている。本体部21を折り畳むことによって形成された第1接続211は本体部21の上面に位置し、第1接続部211は本体部21と平行であり、第2接続部212は第1接続部211と垂直である。
【0061】
図23aに示されるように、第1接続部211が本体部21と重なっている領域は第1本体部21aであり、第1接続部211が本体部21と重なっていない領域は第2本体部21bであり、第1本体部21aは第2本体部21bと共に本体部21を構成している。本体部21を第1接続部211に溶接した後に本体部21の厚さが大きすぎることに起因して、その後のリボン4との接続に接着剤が不足になる現象を回避するために、本体部21の第1本体部21aの厚さを適宜に薄くして、本体部21が第1接続部211に溶接固定された後に第1本体部21aが第1接続部211に重畳されることによってこの領域の厚さが厚すぎて、光起電力モジュールの配置に影響を与えることを回避する。
【0062】
好ましくは、第1本体部21aの厚さは第2本体部21bの厚さよりも小さい。積層して設けられた2つの第1サブ接続部211aが第1本体部21aに溶接されるため、第1サブ接続部211aが第1本体部21aに溶接された後に本体部21の厚さが大きすぎることを回避するために、図23bに示されるように、第1本体部21aの厚さは、第2本体部21bの厚さの3分の1とし、第1サブ接続部211aの厚さは、第2本体部21bの厚さの3分の1とし、第1サブ接続部211aの厚さと第1本体部21aの厚さとはほぼ等しくすることができ、このように設定することで、2つの第1サブ接続部211aが第1本体部21aに重畳された後の合計厚さが第2本体部21bの厚さとほぼ等しいことを確保することができ、引出し構造2全体の性能を確保し、光起電力モジュールの配置に悪影響を及ぼすことを回避する。
【0063】
図24に示されるように、本願の実施例では、本体部21に第1接続部211と第2接続部212が設けられており、第1接続部211は本体部21の長手方向と平行であり、第2接続部212は第1接続部211から延出している。幾つかの実施例において、第1接続部211は第2接続部212と垂直である。第2接続部212の第1接続部211から延出した一端はダイオード3に接続され、電池セル100に溶接されたリボン4の電池セル100から延出した一端は、引出し構造2の第2接続部212を除く他の部分に接続され、つまり、リボン4の電池セル100から延出した一端は、本体部21に接続されてもよいし、第1接続部211に接続されてもよい。
【0064】
幾つかの実施例において、本体部21を第1接続部211と第2接続部212に溶接した後に本体部21の厚さが大きすぎることに起因して、その後のリボン4との接続に接着剤が不足になる現象を回避するために、本体部21の第1本体部21aの厚さを適宜に薄くして、本体部21が第1接続部211と第2接続部212に溶接された後の第1本体部21aの厚さを確保する。
【0065】
理解できるように、本願の実施例に提供された引出し構造2は、図9に示されるバックコンタクト型光起電力モジュールの隣接する電池ストリングの接続にも用いられる。図25に示されるように、バックコンタクト型光起電力モジュールは、並列に接続された複数の電池ユニットグループ1を備え、各電池ユニットグループ1は第1電池ユニット11及び第2電池ユニット12を含み、第1電池ユニット11及び第2電池ユニット12はいずれも直列に接続された電池ストリング10を含み、第1電池ユニット11の電池ストリング10は第1電池ユニット11の上部に位置する第2バスバー5を介して接続され、第2電池ユニット12の電池ストリング10は第1電池ユニット11の底部に位置する第2バスバー5を介して接続されている。引出し構造2は第1電池ユニット11と第2電池ユニット12との間に設けられ、第1電池ユニット11と第2電池ユニット12はさらに引出し構造2によって接続されている。隣接する引出し構造2はそれぞれ本体部21に設けられた第2接続部212によってダイオード3に接続されている。
【0066】
本願の実施例に係る引出し構造2は、通常の光起電力モジュールの電池ストリングの接続にも用いられることができ、図26に示されるように、引出し構造2は第1電池ユニット11と第2電池ユニット12との間に設けられ、第1電池ユニット11及び第2電池ユニット12の電池ストリング10は引出し構造2によって接続されている。
【0067】
幾つかの実施例において、本体部21の厚み方向において、第1接続部211の厚さは第1本体部21aの厚さ以下であり、または、第1接続部211の厚さは第2本体部21bの厚さ以下である。
【0068】
なお、第1接続部211の厚さは、第1本体部21aの厚さと等しくしてもよいし、第2本体部21bの厚さと等しくしてもよい。
【0069】
好ましくは、第1本体部21aの厚さは、0.2mm~0.4mmとすることができ、例えば、第1本体部21aの厚さは、0.2mm、0.23mm、0.3mm、0.35mm又は0.4mmとすることができる。第2本体部21bの厚さは0.4mm~0.8mmとすることができ、例えば、第2本体部21bの厚さは0.4m、0.5m、0.6m、0.7m又は0.8mmとすることができる。
【0070】
幾つかの実施例において、第1接続部211の長さは、第2接続部212の本体部21から延出した高さ以下である。
【0071】
例を挙げると、第1接続部211の長さは、本体部21の長さの20%~40%程度とすることができる。好ましい実施例の形態として、第1接続部211の長さが長すぎることによって本体部21全体の厚さに影響を与えることを回避するように、第1接続部211の長さは第2接続部212の本体部21から延出した高さ以下である。
【0072】
幾つかの実施例において、第1接続部211の長さと第2接続部212の本体部21から延出した高さとの比は0.4~1である。例えば、第1接続部211の長さと第2接続部212の本体部21から延出した高さとの比は0.4、0.5、0.6、0.7、0.8または1であってもよい。好ましくは、第1接続部211の長さと第2接続部212の本体部21から延出した高さとの比は0.6である。
【0073】
例を挙げると、第2接続部212の本体部21から延出した高さは8mmであってもよく、第1接続部211の本体部21の長手方向における長さは約3mm~8mmである。好ましくは、第1接続部211の本体部21の長手方向における長さは約4mm~5mmである。
【0074】
幾つかの実施例において、第1接続部は第2接続部と一体成形されており、第1接続部と第2接続部は本体部21に固定接続されている。
【0075】
好ましくは、第1接続部211と第2接続部212は、1本のバスバーを折り曲げることで形成され、そして、本体部21に溶接されることができる。
【0076】
幾つかの実施例において、第1接続部と第2接続部とは別体構造を用いることもでき、第1接続部と第2接続部とを溶接した後に、溶接された全体を本体部21に溶接すればよい。
【0077】
幾つかの実施例において、本体部21の幅方向において、第2本体部21bの幅は第1本体部21aの幅以下である。
【0078】
幾つかの実施例において、図21に示されるように、本体部21の幅方向において、第2本体部21bの幅は第1本体部21aの幅と等しい。
【0079】
他の幾つかの実施例において、図27及び図28は、本体部21の上面図である。図27及び図28から見られるように、本体部21の幅方向において、第1本体部21aの幅は第2本体部21bの幅よりも大きい。ここで、図28に示されるように、第2本体部21bの第1本体部21aの左側縁から離れた方向において、第2本体部21bの幅は徐々に小さくなり、第2本体部21bの第1本体部21aの右側縁から離れた方向において、第2本体部21bの幅は徐々に小さくなる。
【0080】
他の幾つかの実施例では、本体部21の厚み方向において、第1本体部21aの厚さは、第2本体部21bの厚さよりも小さい。1つの例として、図29及び図30は、本体部21の厚さの断面図である。そのうち、図30に示されるように、第2本体部21bの幅は、第1本体部21aの左側縁から離れる方向において徐々に大きくなり、第2本体部21bの幅は、第1本体部21aの右側縁から離れる方向において徐々に大きくなる。本願の実施例に係る本体部21の第1本体部21aの厚さは第2本体部21bの厚さよりも小さく、第2本体部21bの幅は第1本体部21aの幅よりも小さく、これにより、全体の部品のレイアウトの配置に有利である。本体部21の第1本体部21aが接続部に溶接された場合、本体部21の両端の幅を増加せずに、光起電力モジュールが元のレイアウトに配置されることを確保する。
【0081】
幾つかの実施例では、本体部21の厚み方向の断面において、第1本体部21aと第2本体部21bとの断面積は等しい。
【0082】
幾つかの実施例において、第1本体部21aと第2本体部21bの断面積はほぼ等しくてもよく、工程の原因から、第1本体部21aと第2本体部21bとの断面積を比較すると、それらの面積の大きさが10%異なっていてもよい。なお、一般的に、バスバーは、コアとコアの外部に被覆されたコーティングとを含み、本体部21の厚み方向の断面において、第1本体部21aと第2本体部21bのコアの断面積は等しい。
【0083】
幾つかの実施例において、図13に示されるように、電池ストリング10は、直列に接続された複数の電池セル100を含み、電池セル100には、メイングリッドが設けられており、電池ユニットグループ1は、第1方向に沿って順次配列された第1電池ユニット11及び第2電池ユニット12を含み、第1方向はメイングリッドの延在方向であり、メイングリッドの延在方向は本体部21の長手方向と交差し、引出し構造2は第1電池ユニット11と第2電池ユニット12との間に設けられ、第1電池ユニット11の電池ストリング10と第2電池ユニット12の電池ストリング10とはいずれも本体部21に接続されており、または、第1電池ユニット11の電池ストリング10と第2電池ユニット12の電池ストリング10とはいずれも第1接続部211に接続されている。
【0084】
なお、メイングリッドの延在方向は本体部21の長手方向と交差し、ここで、メイングリッドの延在方向は本体部21の長手方向と垂直であってもよいし、ほぼ垂直であってもよい。
【0085】
幾つかの実施例において、第1電池ユニット11と第2電池ユニット12との間に、ダイオード3がさらに設けられており、ダイオード3の正極は第2接続部212に接続され、または、ダイオード3の負極は第2接続部212に接続されている。
【0086】
図16を参照して、図13に示される光起電力モジュールに対応する回路図である。図16から見られるように、ダイオード3は第1電池ユニット11と第2電池ユニット12との間に設けられており、ダイオード3の両端はそれぞれ隣接する電池ユニットにおける電池ストリング10に接続されている。引出し構造2は第1電池ユニット11と第2電池ユニット12との間に設けられており、隣接する第2接続部212の第1接続部211から延出した一端はそれぞれダイオード3の正極、負極に接続されている。
【0087】
図13を参照して、幾つかの実施例において、第1電池ユニット11と第2電池ユニット12とはいずれもリボン4を介して本体部21または第1接続部211に接続され、リボン3の延在方向は本体部21の長手方向と交差し、リボン4の電池ユニットグループ1から露出した一端は本体部21に接続され、または、リボン4の電池ユニットグループ1から露出した一端は第1接続部211に接続されている。
【0088】
図31を参照して、幾つかの実施例において、上記の光起電力モジュールは、電池ストリング10の上面を覆うためのカバープレート101と、電池ストリング10の裏面を覆うためのバックプレート102と、ジャンクションボックスとをさらに備え、バックコンタクト型光起電力モジュールの場合、リボン4は、電池セル100の裏面に設けられ、正極メイングリッドと負極メイングリッドを接続する。ジャンクションボックスは一般的にバックプレート102に設けられ、ダイオード3はジャンクションボックス内に設けられ、ダイオード3は第2接続部212に接続され、電池ストリング10とカバープレート101との間、及び電池ストリング10とバックプレート102との間のいずれにも、接着層が設けられている。
【0089】
他の幾つかの実施例において、図32に示されるように、従来の光起電力モジュールの場合、正極メイングリッドと負極メイングリッドはリボン4を介して接続されている。リボン4の一端は電池セル100の裏面に位置し、リボン4の他端は電池セル100の上面に位置する。
【0090】
具体的には、幾つかの実施例において、複数の電池ストリング10の間は接続構造によって接続されてもよい。封止層112は太陽電池の正面及び裏面を覆う。具体的に、接着層は第1接着層103と第2接着層104を含み、第1接着層103は、電池ストリング10とカバープレート101との間に設けられ、電池ストリング10とカバープレート101との固定を実現し、第2接着層は、電池ストリング10とバックプレート102との間に設けられ、電池ストリング10とバックプレート102との固定を実現する。幾つかの実施例において、カバープレート101は、ガラスカバープレート、プラスチックカバープレートなどの光透過機能を有するカバープレートであってもよい。
【0091】
本願の実施例に係る光起電力モジュールは、引出し構造2の本体部21に、第1接続部211及びダイオード3に接続されるための第2接続部212が設けられ、第2接続部212の本体部21における位置は本体部21の長手方向における第1エッジ22に近く、第2接続部212と第1エッジ22との間の間隔は2mm~20mmである。本願の実施例は、引出し構造2に第1接続部211及び第2接続部212を設け、第1接続部211は本体部21と平行であり、第2接続部212は第1接続部211から延出し、ダイオード3に接続されることに用いられる。また、本願の実施例に係る引出し構造2の第2接続部212と本体部21のエッジとの間に間隔があるため、ダイオード3の両端にそれぞれ接続された2つの第2接続部212の間に間隔があり、これにより、電池ストリング10間の短絡のリスクを回避し、光起電力モジュールの確実性を確保し、光起電力モジュールの製造の難易度を低減する。
【0092】
当業者であれば、上述した各実施形態は、本発明を実現する具体的な実施例であり、実用上では、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、形態及び細部において様々な変更を実施できることが理解できる。いずれの当業者は、本発明の精神と範囲を逸脱しない限り、それぞれ変更及び修正を加えることが可能であるため、本発明の保護範囲は請求の範囲に限定された範囲を基準とすべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22a
図22b
図23a
図23b
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32