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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039097
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20240314BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143387
(22)【出願日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】富樫 太一
(72)【発明者】
【氏名】林 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】原 章博
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】エネルギーの管理を行う管理システムの利便性を向上することができる技術を提供する。
【解決手段】例示的な表示装置は、エネルギーの管理を行う管理システムが有する表示装置であって、前記管理システムが有する機器の稼働状態を示す状態監視画面を表示する。前記状態監視画面は、前記機器を表す機器アイコンを含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギーの管理を行う管理システムが有する表示装置であって、
前記管理システムが有する機器の稼働状態を示す状態監視画面を表示し、
前記状態監視画面は、前記機器を表す機器アイコンを含む、表示装置。
【請求項2】
前記機器アイコンは、前記機器の種類に応じて変更される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記状態監視画面は、前記稼働状態を数値で示す数値情報領域を含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記状態監視画面は、前記機器の情報を文字で示す文字情報領域を含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記状態監視画面は、複数の前記機器アイコン間を結ぶ連結線を含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記連結線は、エネルギーの種類又は形態に応じて表示態様が変更される、請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記状態監視画面は、前記機器の稼働に伴うエネルギーの状態を示すエネルギー状態表示アイコンを含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記機器アイコンの表示位置および大きさのうちの少なくも一方は、変更可能に設けられる、請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記状態監視画面は、前記機器の種類に応じて切替可能な複数の画面を含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記状態監視画面は、前記管理システムの制御状態を示す制御状態表示エリアを含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記状態監視画面は、前記機器の制御状態を変更可能とする制御ボタンを含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
前記制御ボタンは、前記機器の制御状態に応じて表示態様が変更される、請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記制御ボタンの操作に連動して表示内容が変更される機器管理画面を表示する、請求項11に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気エネルギーおよび熱エネルギーを融通し合う電気・熱エネルギーネットワークが知られる(例えば特許文献1参照)。電気・熱エネルギーネットワークは、例えば、コージェネレーションシステムと、再生可能エネルギー源と、電気貯蓄部と、熱貯蓄部と、電力供給網と、熱エネルギー供給システムと、電気負荷と、熱負荷とを接続する。電気・熱エネルギーネットワークのエネルギー管理の最適化は、制御装置(コンピュータ)によって行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6423967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気・熱エネルギーネットワークのエネルギー管理を行う制御装置は、マンマシンインターフェースとして、入力装置および表示装置を備える。表示装置は、各種の入力画面等を表示する。
【0005】
ところで、電気・熱エネルギーネットワークに接続される機器は多数存在する。これら多数の機器の状態を表示装置によって表示される画面によって簡単に把握できると便利である。
【0006】
本発明は、エネルギーの管理を行う管理システムの利便性を向上することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の例示的な表示装置は、エネルギーの管理を行う管理システムが有する表示装置であって、前記管理システムが有する機器の稼働状態を示す状態監視画面を表示する。前記状態監視画面は、前記機器を表す機器アイコンを含む。
【発明の効果】
【0008】
例示的な本発明によれば、エネルギーの管理を行う管理システムの利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】管理システムのイメージ図
図2】システムコントローラの構成を示すブロック図
図3】表示装置の画面にログイン画面が表示された状態を示す模式図
図4】表示装置の画面にホーム画面が表示された状態を示す模式図
図5】表示装置の画面に状態監視画面が表示された状態を示す模式図
図6】機器ごとに複数種類の機器アイコンが準備される場合の一例を示す図
図7図5に示す状態監視画面の画面設定を変更した状態を例示する図
図8】変形例の状態監視画面を示す模式図
図9A】制御ボタンの操作について説明するための図
図9B】制御ボタンの操作について説明するための図
図9C】制御ボタンの操作について説明するための図
図10】制御ボタンの表示態様の変更について説明するための図
図11A】機器管理画面が制御ボタンの操作に連動することを説明するための図
図11B】機器管理画面が制御ボタンの操作に連動することを説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
<1.管理システム>
図1は、本発明の実施形態に係る管理システム100のイメージ図である。管理システム100は、エネルギーの管理を行う。すなわち、管理システム100はエネルギー管理システムである。詳細には、管理システム100は、電気エネルギーおよび熱エネルギーの管理を行う。管理システム100は、例えば、居住施設、産業施設、又は、居住施設および産業施設に適用される。
【0012】
図1に示すように、管理システム100は、システムコントローラ1を含む。管理システム100は、システムコントローラ1を中心として電気エネルギーおよび熱エネルギーの管理を行う。管理システム100は、電力を供給可能に設けられる設備(電気関連設備)と、温熱および冷熱のうちの少なくとも一方を供給可能に設けられる設備(熱関連設備)とを含んで構成される。これらの設備(機器)は、システムコントローラ1によって制御される。
【0013】
なお、温熱とは、熱のうち温かい熱であり、冷熱とは、熱のうち冷たい熱である。すなわち、熱を温かい熱と冷たい熱とに区別した場合における、温かい熱が温熱であり、冷たい熱が冷熱である。例えば、温熱とは、室内の温度と比較して高い温度の空気であり、冷熱とは、室内の温度と比較して低い温度の空気である。また、図1に示す設備は単なる例示であり、図1に示す設備のいずれかが欠けた構成に変更したり、図1に示されない設備が追加された構成に変更したりしてよい。
【0014】
図1に示す例では、管理システム100は、上述の電気関連設備として、再生可能エネルギー発電装置2と、蓄電池3とを含む。再生可能エネルギー発電装置2および蓄電池3は、システムコントローラ1の管理下で動作を行う。
【0015】
再生可能エネルギー発電装置2は、例えば太陽光、風力、水力、又は、地熱等の再生可能エネルギーを用いて発電する装置である。再生可能エネルギー発電装置2は、例えば太陽光発電装置又は風力発電装置であってよい。再生可能エネルギー発電装置2は、発電により得られた電力を管理システム100が有する電力供給ラインに供給可能となっている。蓄電池3は、例えば再生可能エネルギー発電装置2等の発電設備で発電された電力を蓄電すると共に、蓄えた電力を必要に応じて放電する。すなわち、蓄電池3は、管理システム100が有する電力供給ラインに電力を供給可能となっている。蓄電池3は、例えばリチウムイオン電池であってよい。
【0016】
なお、管理システム100は、電力系統10に接続されている。電力系統10は、大規模な商用電力系統であり、管理システム100が有する受電設備に電力を供給する。管理システム100は、電力系統10から電気を購入して電力の供給を受けることができる。システムコントローラ1は、電力系統10から電力の供給を受けるか否かを制御可能に設けられる。システムコントローラ1は、電力系統10に対して電力を供給するか否かを制御可能に設けられてもよい。
【0017】
図1に示す例では、管理システム100は、上述の熱関連設備として、ボイラー4と、ヒートポンプ5と、貯湯槽6とを含む。ボイラー4、ヒートポンプ5、および、貯湯槽6は、システムコントローラ1の管理下で動作を行う。
【0018】
ボイラー4は、ガス等の燃料の燃焼により得られた水蒸気または温水の熱エネルギーを、管理システム100が有する熱供給ラインに供給可能となっている。ヒートポンプ5は、ガス燃料等を燃料とするエンジンを作動させて、冷媒を圧縮する圧縮部を駆動し、冷媒の凝縮熱または蒸発熱によって温調を行う。ここで、温調とは、例えば、ヒートポンプ5を空調機に適用する場合には室内等の空気の温度調節であり、ヒートポンプ5をチラーに適用する場合にはチラー用の循環液の温度調節である。循環液は、代表的には水を例示できる。ヒートポンプ5は、温調対象を冷却する冷却運転と、温調対象を加熱する加熱運転とを実行可能である。すなわち、ヒートポンプ5は、温熱および冷熱を切り替えて、管理システム100が有する熱供給ラインに供給可能となっている。貯湯槽6は、ボイラー4等に接続されて槽内の水媒体を高温のお湯に熱交換して温熱を蓄熱可能である。貯湯槽6に蓄熱された熱は、管理システム100が有する熱供給ラインに供給可能である。
【0019】
図1に示す例では、管理システム100は、上述の電気関連設備および熱関連設備に兼用される設備として、コージェネレーションシステム7を含む。コージェネレーションシステム7は、システムコントローラ1の管理下で動作を行う。コージェネレーションシステム7は、ガス燃料等の燃料によりエンジンを駆動し、エンジンの駆動により動作を行う発電機を用いて発電を行う。発電機で発電した電力は、管理システム100が有する電力供給ラインに供給可能となっている。また、コージェネレーションシステム7は、エンジンで発生した熱(排熱)を利用する排熱回収ボイラーで得られた水蒸気または温水の熱エネルギーを、管理システム100が有する熱供給ラインに供給可能となっている。
【0020】
管理システム100に含まれる電力負荷に対して、再生可能エネルギー発電装置2、蓄電池3、電力系統10、或いは、コージェネレーションシステム7から電力が供給される。電力負荷は、例えば、電灯、各種の電気機器が挙げられる。また、管理システム100に含まれる熱負荷に対して、ボイラー4、ヒートポンプ5、貯湯槽6、或いは、コージェネレーションシステム7から温熱或いは冷熱が供給される。熱負荷は、例えば、冷房装置、暖房装置、冷蔵庫、冷凍庫、貯湯槽等である。
【0021】
<2.システムコントローラ>
図2は、本発明の実施形態に係るシステムコントローラ1の構成を示すブロック図である。図2に示すように、システムコントローラ1は、制御装置11と、入力装置12と、表示装置13とを有する。すなわち、管理システム100は表示装置13を有する。管理システム100は、制御装置11と入力装置12とをさらに有する。
【0022】
制御装置11は、管理システム100の全体を制御する。制御装置11は、CPU等の演算用の集積回路、RAM(Random Access Memory)、および、ROM(Read Only Memory)等を含んで構成される。制御装置11は、CPU等の演算用の集積回路がROM等のメモリに記憶されるコンピュータプログラムに従った演算処理を実行することにより、各種の機能を発揮する。
【0023】
入力装置12は、制御装置11への指令の入力を可能に設けられる。入力装置12は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス、タッチパッド、ボタン、回転つまみ等の少なくともいずれか1つを含んで構成される。例えば入力装置12がタッチパネルである場合、入力装置12と表示装置13とは一体型の装置であってよい。また、当該一体型の装置に、制御装置11が含まれてもよい。
【0024】
表示装置13は、制御装置11の制御の下、管理システム100に関わる各種の情報を表示する画面や、制御装置11に指令を行うための入力画面等を表示する。表示装置13は、例えば、液晶パネルや有機ELパネル等を用いて構成される。表示装置13は、タッチパネルを含んで構成されてよく、この場合は、上述のように、表示装置13が入力装置12として兼用される。表示装置13は、管理システム100が有する各種の機器に対して、近くに配置されても、遠隔地に配置されてもよい。すなわち、本実施形態の構成には、表示装置13が各機器に対して遠隔地にあることを含む。
【0025】
<3.表示装置の画面表示>
次に、表示装置13の画面の表示について詳細に説明する。
【0026】
(3-1.画面表示の概要)
図3は、表示装置13の画面130にログイン画面131が表示された状態を示す模式図である。管理システム100にアクセスしようとする者(ユーザ)は、最初にログイン画面131で所定の情報を入力することを要求される。すなわち、管理システム100に関わる各種の情報を表示する画面、および、制御装置11に指令を入力するための入力画面等は、ログイン画面131においてユーザが必要な情報を入力しないと見ることができない。
【0027】
本実施形態では、図3に示すように、ログイン画面131は、ログイン情報入力領域1311を有する。ログイン情報入力領域1311は、ユーザ名を入力するユーザ名入力領域1311aと、予めユーザ名に紐づけられたパスワードを入力するパスワード入力領域1311bと、ログインボタン1311cとを有する。すなわち、ログイン画面131においては、ユーザ名の入力と、パスワードの入力とが要求される。
【0028】
ユーザ名およびパスワードの入力は、例えば、キーボードまたはタッチパネル等を利用して行われる。入力にタッチパネルやマウスが利用される構成では、ログイン画面131内に現れるキーボード(仮想のキーボード)を用いて入力が行われる構成であってよい。ソフトキーボードは、例えば、ユーザがユーザ名入力領域1311aまたはパスワード入力領域1311bをタッチやクリックした場合に、ログイン画面131内に現れる構成であってよい。同様のソフトキーボードが、ログイン画面131以外の他の種類の画面における文字および数字の入力に利用されてもよい。
【0029】
なお、本実施形態では、ログイン画面131は、上端部に画面130の左右方向に延びるヘッダ領域200を有する。また、ログイン画面131は、下端部に画面130の左右方向に延びるフッタ領域300を有する。ヘッダ領域200およびフッタ領域300は、ログイン画面131以外の他の種類の画面にも適宜表示される。ヘッダ領域200には、例えば、会社のロゴ、画面表示に関するメニュー等が表示される。フッタ領域300には、例えば、時刻、ログインが許可されたユーザ名等が表示される。
【0030】
ユーザ名とパスワードとが入力された後に、ログインボタン1311cがタッチ等により操作されると、ホーム画面132が表示される。なお、ユーザ名とパスワードとのうちの少なくともいずれか一方が不適切である場合、エラー表示がログイン画面131に表示され、ホーム画面132は表示されない。
【0031】
図4は、表示装置13の画面130にホーム画面132が表示された状態を示す模式図である。本実施形態では、ホーム画面132は、管理システム100における電気エネルギーおよび熱エネルギーの需要と供給とを一目で把握できるように工夫された画面である。図4に示す例では、ホーム画面132はヘッダ領域200を有する。ヘッダ領域200は、選択可能な画面表示の種類を示すメニュー領域400を含む。本実施形態では、メニュー領域400には、ホームボタン401と、状態監視ボタン402と、グラフボタン403と、機器管理ボタン404と、運用設定ボタン405とが含まれる。各ボタン401~405の操作には、例えばタッチパネル、マウス、または、キーボード等が利用されてよい。
【0032】
図4に示す例では、ホーム画面132が選択された状態であるために、当該選択された状態であることを示す選択表示が施されている。詳細には、選択表示として、ホームボタン401を囲う枠が表示されている。ただし、選択表示は、ボタンを囲む枠に限らず、ボタンの色を他のボタンと異なる色とする構成や、ボタンに他のボタンと異なるハッチングを施す構成等、他の構成とされてよい。
【0033】
状態監視ボタン402が選択されると、状態監視画面が表示される。状態監視画面は、管理システム100に含まれる各機器の稼働状況の詳細を表示する。各機器には、熱機器および電気機器が含まれる。熱機器は、例えば、上述の熱関連設備(電気関連設備と兼用される設備を含む)と熱負荷(空調機器や足湯設備等)とを含む。電気機器は、例えば、上述の電気関連設備(熱関連設備と兼用される設備を含む)と電力負荷とを含む。
【0034】
グラフボタン403が選択されると、グラフ画面が表示される。グラフ画面は、例えば、一日分の時間毎の熱負荷や電力負荷の大きさの推移と、負荷に対する各機器の出力の内訳を示したグラフ等を表示する。
【0035】
機器管理ボタン404が選択されると、機器管理画面が表示される。機器管理画面は、各機器の入出力情報を含む機器管理情報を表示する。
【0036】
運用設定ボタン405が選択されると、運用設定画面が表示される。運用設定画面は、管理システム100の運用に関わる情報を入力する入力画面を含む。運用に関わる情報は、管理システム100の制御方式に関する情報を含む。本実施形態では、運用設定画面において、例えば最適化制御やデマンド制御等の有効と無効とを選択することができる構成となっている。
【0037】
最適化制御は、管理システム100を利用するユーザ(代表例は顧客)によって選択される最適化ターゲットに応じて制御を行う制御方式である。最適化ターゲットとしては、例えば、ユーザが負担する各種の料金の低減を優先するコスト優先、機器運用で生じる二酸化炭素排出量の低減を優先する二酸化炭素排出量優先、機器運用に必要な一次エネルギーの消費量の低減を優先する一次次エネルギー消費量優先などが挙げられる。本実施形態では、この3つの最適化ターゲットの中からいずれか1つをユーザが選択可能となっている。ユーザがコスト優先を選択すると、最適化制御が有効に設定されていることを前提として、コストの低減を優先した運転制御が行われることになる。ユーザが二酸化炭素排出量優先を選択すると、最適化制御が有効に設定されていることを前提として、二酸化炭素排出量の低減を優先した運転制御が行われることになる。ユーザが一次エネルギー消費量優先を選択すると、最適化制御が有効に設定されていることを前提として、一次エネルギーの消費量の低減を優先した運転制御が行われることになる。
【0038】
デマンド制御は、電力系統10から受電する電力が目標デマンド値を超えないように管理システム100に含まれる機器を制御する制御方式である。目標デマンド値は、契約電力以下に設定される。例えば、最適化制御およびデマンド制御が有効に設定されている場合、原則として、管理システム100は、最適化制御で運転を行い、受電電力が目標デマンド値に近づくと、デマンド制御に切り替える。
【0039】
以上説明からわかるように、表示装置13は、管理システム100で管理する情報を複数種類の画面に切り替えて表示可能である。図4に示す例では、少なくとも、ホーム画面、状態監視画面、グラフ画面、機器管理画面、および、運用設定画面の5種類の画面に切り替え可能である。ただし、これらの画面表示は例示にすぎず、表示装置13により表示可能な画面の種類は適宜変更されてよい。
【0040】
なお、図4に示す例では、メニュー領域400には、送りボタン406が含まれる。送りボタン406をタッチ等により操作すると、メニュー領域400に表示される画面種類選択用のボタンの種類が切り替わる。すなわち、図4に示す例では、ホーム画面、状態監視画面、グラフ画面、機器管理画面、および、運用設定画面の5種類以外の画面を表示させることができる。上述の5種類以外の画面の例として、ユーザの情報を入力するユーザ管理画面や、画面に関わる条件の設定を行う画面設定画面等が挙げられる。
【0041】
また、図4に示す例では、ホーム画面132はフッタ領域300を有する。フッタ領域300は、ユーザ名を示すアイコン領域301と、日付および時刻を含む時間情報領域302とを含む。本実施形態では、アイコン領域301がタッチ等により操作されると、ログアウトを行うことができる。好ましい構成として、アイコン領域301が操作されると、ログアウトを実行してよいか否かを確認する確認画面が画面にポップアップ表示され、当該確認画面でログアウトを許可するとログアウトが実行される。
【0042】
本実施形態では、好ましい形態として、ホーム画面132等のメニュー領域400により選択可能な各種の画面は、管理システム100の制御状態を示す制御状態表示エリア500をさらに含む。このような構成とすることで、ユーザは、各種の情報を把握することができる画面で、管理システム100の制御状態の情報も同時に得ることができる。すなわち、ユーザの利便性を向上することができる。
【0043】
なお、本実施形態では、制御状態表示エリア500は、ヘッダ領域200に含まれる。詳細には、メニュー領域400の右隣りに配置される。ただし、制御状態表示エリア500の位置は適宜変更されてよい。図4に示す例では、制御状態表示エリア500には、「最適化」が表示されている。これは、管理システム100が上述の最適化制御で運転されていることを示す。制御状態表示エリア500には、この他、例えば、「デマンド」、「停止中」等が表示される。
【0044】
(3-2.状態監視画面)
表示装置13は、管理システム100が有する機器の稼働状態を示す状態監視画面を表示する。図5は、表示装置13の画面130に状態監視画面135が表示された状態を示す模式図である。状態監視画面135は、メニュー領域400に表示される状態監視ボタン402に対してタッチ等の操作を行うことにより選択することができる。なお、図5に示すように、状態監視画面135は、管理システム100の制御状態を示す制御状態表示エリア500を含む。上述のホーム画面132と同様に、制御状態表示エリア500は、ヘッダ領域200に含まれる。
【0045】
図5に示すように、状態監視画面135は、サブメニュー領域410を含む。サブメニュー領域410は、ヘッダ領域200の下に設けられる帯状の領域である。状態監視画面135は、サブメニュー領域410に表示される複数のボタン411g、411h、411iの中から選択されたボタンに応じた内容を表示する。本実施形態では、状態監視画面135のサブメニュー領域410に表示されるボタンには、熱機器ボタン411gと、電気機器ボタン411hと、空調機器ボタン411iとが含まれる。
【0046】
図5は、電気機器ボタン411hが選択された場合の画面を示す。図5に示すように、電気機器ボタン411hが選択された場合、状態監視画面135には、電気機器の稼働状態が表示される。図5に示す例では、太陽光発電装置(PV)、コージェネレーションシステム(CP)、電力系統、および、電力負荷の稼働状態が表示されている。
【0047】
図示は省略するが、熱機器ボタン411gが選択された場合、状態監視画面135には、熱機器の稼働状態が表示される。熱機器ボタン411gが選択された状態監視画面135には、例えば、ボイラー、チラー、コージェネレーションシステム、および、熱負荷の稼働状態が表示される。また、空調機器ボタン411iが選択された場合、状態監視画面135には、空調機器の稼働状態が表示される。空調機器ボタン411iが選択された状態監視画面135には、例えば、空調機器を構成するガスヒートポンプ等の稼働状態が表示される。
【0048】
以上からわかるように、状態監視画面135は、機器の種類に応じて切替可能な複数の画面を含む。すなわち、状態監視画面135は、機器の種類に応じて切替可能に設けられる。機器の種類には、例えば、熱機器、電気機器、および、空調機器が含まれる。別の言い方をすると、状態監視画面135は、エネルギーの種類に応じて切替可能な複数の画面を含む。稼働状態を示す画面が機器(又はエネルギー)の種類に応じて切替可能に設けられることにより、画面に示す稼働状態の情報を適度な量として見易くすることができる。
【0049】
なお、本実施形態では、状態監視画面135以外の他の画面(例えばホーム画面132等)が表示されている状態において、状態監視ボタン402が選択されると、サブメニュー領域410に表示される複数のボタン411g~411iのうちのいずれかである特定のボタンが自動的に選択され、選択されたボタンに対応する画面が表示される。いずれのボタンを特定のボタンとするかは適宜決められてよい。例えば、熱機器ボタン411gが特定のボタンに指定されている場合には、状態監視ボタン402が選択されると、熱機器ボタン411gが自動的に選択されて、熱機器の稼働状態を示す画面が表示される。
【0050】
図5に示すように、状態監視画面135は、サブメニュー領域410の下側に機器の稼働状態を示す。状態監視画面135は、管理システム100が有する機器を表す機器アイコン1351を含む。機器アイコン1351は、機器の種類に応じて変更される。図5に示す例において、太陽光発電装置(PV)、コージェネレーションシステム(CP)、電力系統、および、電力負荷は、互いに異なる機器アイコン1351で表されている。このような機器アイコン1351を用いて各機器の稼働状態を示すことで、画面を見たユーザは、機器の稼働状態を容易に把握することができる。なお、機器の種類に応じて変更されるとは、表示装置13が機器の種類を認識し、認識した種類に応じて自動的に機器アイコン1351を選択することであってよい。また、機器の種類に応じて変更されるとは、表示装置13の操作者が、機器の種類に応じて手動で機器アイコン1351を選択することであってもよい。
【0051】
また、状態監視画面135は、機器の稼働状態を数値で示す数値情報領域1352を含む。数値情報領域1352は、機器ごとに設けられる。機器ごとに設けられる数値情報領域1352は、機器ごとに設けられる機器アイコン1351の周囲に配置されることが好ましい。図5に示す例では、各数値情報領域1352は、各機器アイコン1351の下側に配置されている。状態監視画面135に数値情報領域1352を表示させることにより、機器の稼働状態を正確に把握し易くすることができる。なお、数値情報領域1352は、表示されなくてもよい。
【0052】
また、状態監視画面135は、機器の情報を文字で示す文字情報領域1353を含む。文字情報領域1353は、機器ごとに設けられる。機器ごとに設けられる文字情報領域1353は、機器ごとに設けられる機器アイコン1351の周囲に配置されることが好ましい。図5に示す例では、各文字情報領域1353は、各機器アイコン1351の上側に配置されている。状態監視画面135に文字情報領域1353を表示させることにより、機器の種類を把握し易くすることができる。なお、文字情報領域1353は、表示されなくてもよい。
【0053】
また、状態監視画面135は、複数の機器アイコン1351間を結ぶ連結線1354を含む。状態監視画面135に連結線1354を表示させることにより、複数の機器間の関係性を把握し易くすることができる。連結線1354は、矢印線であることが好ましい。これにより、エネルギーの流れを把握し易くすることができる。例えば、図5に示す例では、矢印の向きによって、太陽光発電装置(PV)、コージェネレーションシステム(CP)、及び、系統から、電力負荷にエネルギー(電力)が流れていることを、状態監視画面135を見て即座に把握することができる。なお、連結線1354は、表示されなくてもよい。
【0054】
連結線1354は、エネルギーの種類又は形態に応じて表示態様が変更されることが好ましい。エネルギーの種類としては、例えば、電気エネルギー、熱エネルギー、冷熱、温熱等が挙げられる。エネルギーの形態としては、例えば、熱を与えることや、熱を奪うことが挙げられる。また、エネルギーの形態としては、例えば、電力の需要と供給とが挙げられる。
【0055】
表示態様の変更は、例えば、連結線1354の色の変更や、線種の変更等であってよい。例えば、冷熱を表す連結線1354と、温熱を表す連結線1354とでは、表示態様が変更されてよい。冷熱を表す連結線1354を青線で表示し、温熱を表す連結線1354を赤線で表示してよい。また、熱を与えるエネルギーの流れ示す連結線1354と、熱を奪うエネルギーの流れを示す連結線1354とでは、表示態様が変更されてよい。熱を与えるエネルギーの流れを示す連結線1354を実線で表示し、熱を奪うエネルギーの流れを示す連結線1354を破線で表示してよい。
【0056】
また、状態監視画面135は、機器の稼働に伴うエネルギーの状態を示すエネルギー状態表示アイコン1355を含む。図5に示す例において、エネルギー状態表示アイコン1355は、状態監視画面135の右側に表示されているが、その表示箇所は適宜変更されてよい。エネルギー状態表示アイコン1355は、表示されなくてもよい。
【0057】
エネルギー状態表示アイコン1355は、複数種類準備されており、エネルギーの状態に応じて自動的に切り替えられる。状態監視画面135に、エネルギーの状態に応じて表示が切り替えられるエネルギー状態表示アイコン1355が表示されることで、ユーザは、管理システム100のエネルギーの状態を簡単に把握することができる。
【0058】
エネルギーの状態は、詳細には、管理システム100のエネルギーの状態である。エネルギーの状態は、例えば、運用計画値を基準に判定されてよい。例えば、エネルギーが運用計画値に近い状態で管理システム100が稼働していれば、エネルギーの状態は「良好」であると判定されてよい。また、エネルギーが運用計画値からずれた状態で管理システム100が稼働していれば、エネルギーの状態は「不良」であると判定されてよい。このような2段階の判定が行われる構成の場合には、エネルギー状態表示アイコン1355は2種類であってよい。
【0059】
図5に示す例では、エネルギーが、複数の種別に細分化して表示されている。そして、細分化されたエネルギーのそれぞれに対して、エネルギー状態表示アイコン1355を用いてエネルギーの状態が示されている。電力負荷および受電電力については、エネルギーの状態が良好であることを示すエネルギー状態表示アイコン1355が表示されている。発電電力については、エネルギー状態が不良であることを示すエネルギー状態表示アイコン1355が表示されている。
【0060】
なお、エネルギーの状態は、2段階より多い複数段階で表されてもよく、この場合には、エネルギー状態表示アイコン1355の種類は、2種類より多くされる。また、図5に示す画面は、電気機器の稼働状態を示す画面であるのために、電気に関わるエネルギーの状態が表示されている。例えば、熱機器の稼働状態を示す画面である場合には、熱に関わるエネルギーの状態が表示されてよい。例えば、温熱負荷、温熱出力、冷熱負荷、および、冷熱出力等のエネルギーの状態が、エネルギー状態表示アイコン1355によって表示されてよい。
【0061】
また、状態監視画面135に表示される機器アイコン1351は、機器の稼働状態に応じて自動的に切り替えられてよい。この場合、各機器について、機器アイコン1351が複数種類準備されてよい。図6は、機器ごとに複数種類の機器アイコン1351が準備される場合の一例を示す図である。
【0062】
図6において、機器アイコン1351は、一例として、コージェネレーションシステム(CP)の機器アイコンである。図6の上段に示す機器アイコン1351は、コージェネレーションシステムを表す機器アイコンの基本形である。この基本形となる機器アイコン1351は、以下に説明する3つの場合以外の場面で表示される。
【0063】
図6の下段左側に示す機器アイコン1351aは、コージェネレーションシステムが運転状態であることを表す機器アイコンである。機器アイコン1351aは、コージェネレーションシステムが運転状態である場合に表示される。図6の下段真ん中に示す機器アイコン1351bは、コージェネレーションシステムがメンテナンス中であることを表す機器アイコンである。機器アイコン1351bは、コージェネレーションシステムがメンテナンス中である場合に表示される。図6の下段右側に示す機器アイコン1351cは、コージェネレーションシステムに警告(アラーム)が発令されていることを表す機器アイコンである。機器アイコン1351cは、コージェネレーションシステムに警告が発令されている場合に表示される。
【0064】
なお、以上では機器がコージェネレーションシステムである場合を示したが、他の機器についても、同様に複数種類の機器アイコンが準備されてよい。
【0065】
また、機器アイコン1351の表示位置および大きさのうちの少なくも一方は、変更可能に設けられてよい。同様に、数値情報領域1352の表示位置および大きさのうちの少なくとも一方は、変更可能に設けられてよい。また、文字情報領域1353の表示位置および大きさのうちの少なくとも一方は、変更可能に設けられてよい。また、機器アイコン1351等の表示位置の変更に合わせて、連結線1354の表示位置等も変更可能に設けられてよい。また、例えば、連結線1354の太さも変更可能に設けられてよい。これらの構成とすることにより、ユーザの好みに応じた画面表示が可能になる。
【0066】
図7は、図5に示す状態監視画面135の画面設定を変更した状態を例示する図である。図7に示す例では、図5の場合と比べて、各機器アイコン1351の表示位置が変更されている。また、各機器アイコン1351の表示位置の変更に伴って、各数値情報領域1352および各文字情報領域1353の表示位置も、図5の場合と比べて変更されている。
【0067】
また、図7に示す例では、機器アイコン1351等の位置の変更に伴って、連結線1354の表示位置および形態も、図5の場合と比べて変更されている。また、図7に示す例では、各機器アイコン1351、各数値情報領域1352、および、各文字情報領域1353は、図5の場合と比べて、表示の大きさが大きくされている。なお、図7に示す例では、エネルギー状態表示アイコン1355は、表示されない状態とされている。
【0068】
表示の位置や大きさの変更は、例えば、メニュー領域400に表示可能に設けられる画面設定ボタン(不図示)を選択することにより表示される画面設定画面を用いて行われてよい。画面設定画面においては、状態監視画面135に表示させたい機器アイコン1351を任意に選択できてよい。そして、選択した各種の機器アイコン1351を、状態監視画面135における表示可能範囲の、任意の位置に設定できてよい。同じ種類の機器アイコン1351について、大きさが異なる複数の機器アイコン1351が準備されており、当該大きさ違いの複数の機器アイコン1351からいずれを選択するかによって機器アイコン1351の大きさが変更されてよい。ただし、機器アイコン1351の大きさは任意に変更できる構成とされてもよい。
【0069】
なお、画面設定画面では、機器アイコン1351と同様に、数値情報領域1352、文字情報領域1353、および、エネルギー状態表示アイコン1355の種類選択、表示位置、および、大きさを自由に設定できてよい。また、画面設定画面では、連結線1354の位置設定等も可能に設けられてよい。
【0070】
(3-3.変形例)
図8は、変形例の状態監視画面135Xを示す模式図である。変形例の状態監視画面135Xは、先に説明した図5に示す状態監視画面135と概ね同じである。状態監視画面135Xは、管理システム100が有する機器の制御状態を変更可能とする制御ボタン1356を含む。この点が、上述の実施形態と異なる。
【0071】
詳細には、制御ボタン1356は、状態監視画面135Xに表示される仮想的なボタンである。制御ボタン1356は、機器の制御の実行と停止(ONとOFF)を切り替えるソフトボタンである。状態監視画面135Xに表示される制御ボタン1356をタッチ等によって操作することで、機器の制御の実行と停止が切り替わる。状態監視画面135Xに制御ボタン1356が表示されることにより、状態監視画面135Xにおいて、機器の制御の実行と停止を手動で設定することができる。
【0072】
なお、制御ボタン1356は、状態監視画面135Xに表示される機器のうち、管理システム100で制御操作を行うことができる全ての機器に対して設けられてもよいが、一部の機器に対してのみ設けられてもよい。図8に示す例では、太陽光発電装置(PV)とコージェネレーションシステム(CP)とに対して、制御ボタン1356が設けられている。例えば、太陽光発電装置(PV)とコージェネレーションシステム(CP)とのうち、いずれか一方に対してのみ、制御ボタン1356が設けられてもよい。
【0073】
制御ボタン1356は、機器アイコン1351等と同様に、表示位置や大きさを変更可能に設けられてよい。図8に示す例では、各機器に対応付けられた制御ボタン1356のそれぞれは、対応付けられた機器を表す機器アイコン1351の周囲に配置されている。詳細には、各制御ボタン1356は、各機器アイコン1351の右隣りに配置されている。
【0074】
図9A図9B、および、図9Cは、制御ボタン1356の操作について説明するための図である。図9Aは、図8に示す状態監視画面135Xにおいて、コージェネレーションシステムを表す機器アイコン1351の右隣にある制御ボタン1356がタッチ等により操作された場合の画面例を示す。図9Aに示すように、制御ボタン1356が操作されると、状態監視画面135X上にポップアップ表示1357が現れる。
【0075】
ポップアップ表示1357は、切替操作領域1357aとOKボタン1357bとを含む。切替操作領域1357aに黒塗りの円で表示されるスライド部1357cを左右にスライドすることで、制御停止(OFF)と制御実行(ON)とを切り替えることができる。本例では、制御ボタン1356が操作された時点で、コージェネレーションシステムは制御停止状態であったために、スライド部1357cは制御停止側(左側)に位置している。
【0076】
図9Bは、図9Aに示すポップアップ表示1357のスライド部1357cを操作した状態を示す図である。詳細には、図9Aに示す状態から、スライド部1357cが制御実行側(右側)に操作された状態を示す図である。この状態で、OKボタン1357bが操作されることにより、「制御実行」の選択が確定する。すなわち、機器の制御状態が、制御停止(OFF)状態から制御実行(ON)状態に変更される。
【0077】
図9Cは、図9BにおいてOKボタン1357bが操作(タッチ等)された状態を示す図である。図9Cに示すように、制御停止状態から制御実行状態に変更されることにより、制御ボタン1356の表示も変更される。すなわち、制御ボタン1356は、機器の制御状態に応じて表示態様が変更される。これにより、ユーザは、状態監視画面135X上において、機器の制御状態が変更されたことを確認することができる。
【0078】
図9A等に示すように、状態監視画面135Xに表示される制御ボタン1356は、文字部1356aと、背景領域1356bと、枠領域1356cとを有する。文字部1356aは、文字で構成される部分である。本例では、文字部1356aは、「制御停止」または「制御実行」の文字で構成される。
【0079】
背景領域1356bは、文字部1356aと重ねられて、文字部1356aの背景を構成する領域である。本例では、文字部1356aを構成する文字が表示される領域よりも広い領域を有する。背景領域1356bは左右方向に延びる矩形状である。枠領域1356cは、背景領域1356bの外縁を囲む枠状の領域である。
【0080】
機器の制御状態が変更されると、文字部1356aと、背景領域1356bと、枠領域1356cとの表示態様が適宜変更される。
【0081】
図10は、制御ボタン1356の表示態様の変更について説明するための図である。図10において、「機器の値」は、管理システム100が有する制御装置11(図2参照)が運用設定にしたがって自動的に決定する制御信号を示す。制御信号「0」は、制御の停止(OFF、無効)を意味し、制御信号「1」は、制御の実行(ON、有効)を意味する。また、図10において、「手動制御状態の不実施」は、手動による設定が実施されていない状態を示す。「手動制御状態のOFF制御」は、手動により制御停止が設定された状態を示す。「手動制御状態のON制御」は、手動により制御実行が設定された状態を示す。なお、本例では、制御装置11によって決定される制御指令よりも、手動で設定された制御指令が優先される。
【0082】
図10に示されるように、機器の制御が停止されている状態と、機器の制御が実行されている状態とでは、文字部1356aの表示態様が異なる。詳細には、文字自体と、文字の色とが異なる。文字の色は、一例として、制御停止の場合には黒色であり、制御実行の場合には白色である。なお、文字自体の相違のみで、文字の色は同じとされてもよい。
【0083】
また、機器の制御が停止されている状態と、機器の制御が実行されている状態とでは、背景領域1356bの表示態様が異なる。詳細には、背景領域1356bの色が相違する。本例では、背景領域1356bは、一例として、制御停止の場合には白色であり、制御実行の場合は黒色である。なお、背景領域1356bの表示態様の相違は、色の相違ではなく、例えばハッチングの有無等であってもよい。
【0084】
また、本例では、機器が現在の制御状態となった理由の違いによって、制御ボタン1356の表示態様が異なる。詳細には、機器が現在の制御状態となった理由が、制御装置11による自動制御によるのか、手動制御によるのかによって、枠領域1356cの表示態様が変わる。自動制御による場合、枠領域1356cにはハッチングが施されない。枠領域1356cは白色である。一方、手動制御による場合、枠領域1356cにハッチングが施される。なお、枠領域1356cの表示態様の相違は、ハッチングの有無ではなく、例えば、ハッチングの種類の相違や、色の相違等であってもよい。
【0085】
図8に示す例では、コージェネレーションシステムについて、自動的に機器の制御が停止されている。このために、文字部1356aの文字は、黒色の「制御停止」である。背景領域1356bは、白色である。枠領域1356cは、ハッチング無し(白色)である。
【0086】
図8に示す状態から制御ボタン1356を用いて、コージェネレーションシステムが制御実行にされた場合は、手動により制御実行に変更されたことになる。このために、図9Cに示すように、文字部1356aの文字は、白色の「制御実行」である。背景領域1356bは、黒色である。枠領域1356cは、ハッチング有りである。
【0087】
本例では、表示装置13は、制御ボタン1356の操作に連動して表示内容が変更される機器管理画面134(図11A等参照)を表示する。機器管理画面134は、機器ごとの詳細な状態を示す画面である。状態監視画面135Xと連動する機器管理画面134が表示されることにより、機器の状態を様々な観点で把握することができるために便利である。なお、機器管理画面134は、上述のように、機器管理ボタン404をタッチ等によって操作することで表示される。
【0088】
図11Aおよび図11Bは、機器管理画面134が制御ボタン1356の操作に連動することを説明するための図である。図11Aは、図8に示す状態監視画面135Xが表示されている状態から機器管理ボタン404を選択した場合に表示される画面の一部を例示する。図11Bは、図9Cに示す状態監視画面135Xが表示されている状態から機器管理ボタン404を選択した場合に表示される画面の一部を例示する。
【0089】
なお、図11Aおよび図11Bに示す機器管理画面134において、「管理アドレス」は、制御装置11(図2参照)において定義されているアドレスである。「種別」は、入力または出力の分類を示す。「項目名」は、入力または出力を管理される対象の具体的な名称である。「現在状態」は、管理アドレスを用いて管理される各項目の入力または出力の現在の状態を示す。「制御理由」は、管理アドレスを用いて管理される各項目の入力または出力が現在の状態である制御上の理由を示す。「手動設定」は、管理アドレスを用いて管理される各項目の入力情報または出力情報の手動設定に関わる情報を表示する。また、図11Aおよび図11Bにおいて「コージェネ」はコージェネレーションシステムの略称である。
【0090】
上述のように、図8に示す例では、コージェネレーションシステムは、制御装置11による制御信号によって自動的に制御停止されている。これに対応して、図11Aに示す機器管理画面134おいては、コージェネレーションシステムの外部運転指令は「無効」(制御停止)となっている。
【0091】
図8に示す状態において、コージェネレーションシステムに対応付けられた制御ボタン1356が手動操作されて、図9Cに示すようにコージェネレーションシステムの制御の実行が開始されたとする。この場合、図11Bに示すように、機器管理画面134において、コージェネレーションシステムの外部運転指令は「有効」(制御実行)となる。また、コージェネレーションシステムの外部運転指令の制御理由は「手動」となり、手動設定の切り替えを行う操作ボタン1341が「手動中」の文字が入った表示になる。すなわち、機器管理画面134の表示内容は、制御ボタン1356の操作に連動して変更される。
【0092】
なお、以上においては、状態監視画面135Xに表示される制御ボタン1356の操作に連動して、機器管理画面134の表示内容が変更されることを示した。これと同様に、機器管理画面134における手動設定の切り替えを行う操作ボタン1341の操作と連動して、制御ボタン1356の表示態様は変更される。
【0093】
また、本例では、手動制御が行われていない場合、機器管理画面134における手動設定の切り替えを行う操作ボタン1341は、ハッチングが施されていない状態である。一方、手動制御が行われている場合、機器管理画面134における手動設定の切り替えを行う操作ボタン1341は、ハッチングが施された状態となる。これは、制御ボタン1356の枠領域1356c(手動制御か否かでハッチングの有無が変わる)の表示態様の変更の仕方と同様である。すなわち、本例では、制御ボタン1356の表示態様の変更の仕方と、機器管理画面134における手動設定用の操作ボタンとの表示態様の変更の仕方とは、共通性を有する。このような統一感を持たせることで、画面表示の把握を行い易くすることができる。
【0094】
<4.留意事項等>
本明細書中に開示される種々の技術的特徴は、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。また、本明細書中に示される複数の実施形態および変形例は可能な範囲で組み合わせて実施されてよい。
【0095】
<5.付記>
本明細書における例示的な表示装置は、エネルギーの管理を行う管理システムが有する表示装置であって、前記管理システムが有する機器の稼働状態を示す状態監視画面を表示し、前記状態監視画面は、前記機器を表す機器アイコンを含む構成(第1の構成)であってよい。
【0096】
上記第1の構成の表示装置において、前記機器アイコンは、前記機器の種類に応じて変更される構成(第2の構成)であってよい。
【0097】
上記第1又は第2の構成の表示装置において、前記状態監視画面は、前記稼働状態を数値で示す数値情報領域を含む構成(第3の構成)であってよい。
【0098】
上記第1から第3のいずれかの構成の表示装置において、前記状態監視画面は、前記機器の情報を文字で示す文字情報領域を含む構成(第4の構成)であってよい。
【0099】
上記第1から第4のいずれかの構成の表示装置において、前記状態監視画面は、複数の前記機器アイコン間を結ぶ連結線を含む構成(第5の構成)であってよい。
【0100】
上記第5の構成の表示装置において、前記連結線は、エネルギーの種類又は形態に応じて表示態様が変更される構成(第6の構成)であってよい。
【0101】
上記第1から第6のいずれかの構成の表示装置において、前記状態監視画面は、前記機器の稼働に伴うエネルギーの状態を示すエネルギー状態表示アイコンを含む構成(第7の構成)であってよい。
【0102】
上記第1から第7のいずれかの構成の表示装置において、前記機器アイコンの表示位置および大きさのうちの少なくも一方は、変更可能に設けられる構成(第8の構成)であってよい。
【0103】
上記第1から第8のいずれかの構成の表示装置において、前記状態監視画面は、前記機器の種類に応じて切替可能な複数の画面を含む構成(第9の構成)であってよい。
【0104】
上記第1から第9のいずれかの構成の表示装置において、前記状態監視画面は、前記管理システムの制御状態を示す制御状態表示エリアを含む構成(第10の構成)であってよい。
【0105】
上記第1から第10のいずれかの構成の表示装置において、前記状態監視画面は、前記機器の制御状態を変更可能とする制御ボタンを含む構成(第11の構成)であってよい。
【0106】
上記第11の構成の表示装置において、前記制御ボタンは、前記機器の制御状態に応じて表示態様が変更される構成(第12の構成)であってよい。
【0107】
上記第11又は第12の構成の表示装置は、前記制御ボタンの操作に連動して表示内容が変更される機器管理画面を表示する構成(第13の構成)であってよい。
【符号の説明】
【0108】
13・・・表示装置
100・・・管理システム
134・・・機器管理画面
135、135X・・・状態監視画面
500・・・制御状態表示エリア
1351・・・機器アイコン
1352・・・数値情報領域
1353・・・文字情報領域
1354・・・連結線
1355・・・エネルギー状態表示アイコン
1356・・・制御ボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11A
図11B