(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039099
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
B60R 1/26 20220101AFI20240314BHJP
B60R 1/25 20220101ALI20240314BHJP
B60R 1/24 20220101ALI20240314BHJP
B60R 1/28 20220101ALI20240314BHJP
H04N 23/00 20230101ALI20240314BHJP
H04N 23/57 20230101ALI20240314BHJP
【FI】
B60R1/26 200
B60R1/25
B60R1/24
B60R1/28 200
H04N5/225
H04N5/225 700
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143398
(22)【出願日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中山 真悟
(72)【発明者】
【氏名】真取 忠弘
(72)【発明者】
【氏名】藤田 暁
(72)【発明者】
【氏名】田中 祐平
【テーマコード(参考)】
5C122
【Fターム(参考)】
5C122DA14
5C122EA47
5C122GD01
5C122GE09
(57)【要約】
【課題】 車両において、ドアの開閉状態に関わらず、車両の側部付近の領域を撮像可能にする。
【解決手段】 車両1は、側部に乗降口3Bを備えた車体と、車体の側部であって、乗降口より後方の部分に設けられたカメラ7Aとを有する。カメラの光軸8Aが車体の前方かつ左右外方を向いている。乗降口にはドア4Bが設けられ、ドアの上部にはドアウインドウ5が設けられている。カメラは、ドアウインドウの下端よりも上方に配置されてもよい。ドアにはサイドミラー12が設けられている。カメラは、サイドミラーの上端よりも上方に配置されてもよい。車体の側部において、乗降口より後方の部分に延長窓13が設けられている。延長窓の縁部にガーニッシュ15が設けられている。カメラはガーニッシュに設けられてもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両であって、
側部に乗降口を備えた車体と、
前記車体の側部であって、前記乗降口より後方の部分に設けられたカメラとを有し、
前記カメラの光軸が前記車体の前方かつ左右外方を向く車両。
【請求項2】
前記乗降口にはドアが設けられ、
前記ドアの上部にはドアウインドウが設けられ、
前記カメラは、前記ドアウインドウの下端よりも上方に配置されている請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記ドアにはサイドミラーが設けられ、
前記カメラは、前記サイドミラーの上端よりも上方に配置されている請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記車体の側部において、前記乗降口より後方の部分に延長窓が設けられ、
前記延長窓の縁部にガーニッシュが設けられ、
前記カメラは前記ガーニッシュに設けられている請求項1~3のいずれか1つの項に記載の車両。
【請求項5】
前記ガーニッシュは、前記延長窓の縁部に沿って延び、前記カメラが設けられたベース部と、前記ベース部から左右外方に突出し、前記カメラの周囲に配置された庇部を有する請求項4に記載の車両。
【請求項6】
前記庇部の上端及び下端が前記ベース部に結合され、前記庇部の上下方向における中間部が前記庇部の上端及び下端よりも左右外方に突出し、
前記庇部と前記ベース部との間に前後に貫通する収容空間が形成され、
前記カメラが前記収容空間に配置されている請求項5に記載の車両。
【請求項7】
前記ベース部は前記収容空間において左右外方に隆起した隆起部を有し、
前記カメラは前記隆起部に設けられている請求項6に記載の車両。
【請求項8】
前記隆起部は、前記庇部の前記中間部と結合し、
前記収容空間は、前記隆起部の上方及び下方に配置されている請求項7に記載の車両。
【請求項9】
前記カメラは、前記延長窓に設けられたウインドウパネルの車内側に配置され、前記カメラの光軸が前記ウインドウパネルを通過している請求項4に記載の車両。
【請求項10】
前記ウインドウパネルの縁部には、前記カメラと対向する透過部を避けて着色層が設けられている請求項9に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部を撮像するカメラを有する車両に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、交通参加者の中で脆弱な立場にある人々に配慮した持続可能な輸送システムを提供する取り組みが活発化している。この取り組みにおいて、出願人は予防安全技術に関する研究開発を通して交通の安全性や利便性をより一層改善することを意図している。特許文献1は、サイドミラー(ドアミラー)に設けられたカメラを有する車両を開示している。この車両は、サイドミラーから前方かつ左右外方の画像を取得することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、カメラがドアミラーに設けられた場合には、ドアの開閉に応じてカメラが撮像する領域が変化するという問題がある。すなわち、ドアが開かれた状態では、車体の側部付近の領域を撮像することができないという問題がある。また、車両に乗り降りする乗員を撮像できないという問題がある。
【0005】
本発明は、以上の背景を鑑み、車両において、ドアの開閉状態に関わらず、車両の側部付近の領域を撮像可能にすることを課題とする。また、本発明は持続可能な輸送システムの発展に寄与することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明のある態様は、車両(1)であって、側部に乗降口(3B)を備えた車体と、前記車体の側部であって、前記乗降口より後方の部分に設けられたカメラ(7A)とを有し、前記カメラの光軸(8A)が前記車体の前方かつ左右外方を向いている。
【0007】
この態様によれば、ドアの開閉状態に関わらず、車両の側部付近の領域を撮像することができる。また、車両に乗り降りする乗員を撮像することができる。
【0008】
上記の態様において、前記乗降口にはドア(4B)が設けられ、前記ドアの上部にはドアウインドウ(5)が設けられ、前記カメラは、前記ドアウインドウの下端よりも上方に配置されてもよい。
【0009】
この態様によれば、路面から巻き上げられた粉塵や液体がカメラに到達し難くなる。
【0010】
上記の態様において、前記ドアにはサイドミラー(12)が設けられ、前記カメラは、前記サイドミラーの上端よりも上方に配置されてもよい。
【0011】
この態様によれば、カメラはドアミラーの上方から、車両前方の画像を取得することができる。
【0012】
上記の態様において、前記車体の側部において、前記乗降口より後方の部分に延長窓(13)が設けられ、前記延長窓の縁部にガーニッシュ(15)が設けられ、前記カメラは前記ガーニッシュに設けられてもよい。
【0013】
この態様によれば、カメラの車体への取り付け構造を簡素にすることができる。また、カメラとガーニッシュとを組立体として用意することができる。
【0014】
上記の態様において、前記ガーニッシュは、前記延長窓の縁部に沿って延び、前記カメラが設けられたベース部(16)と、前記ベース部から左右外方に突出し、前記カメラの周囲に配置された庇部(21)を有してもよい。
【0015】
この態様によれば、庇部によってカメラを雨水等の液体や粉塵から保護することができる。また、庇部は、石や人等の物体がカメラに接触することを防止することができる。
【0016】
上記の態様において、前記庇部の上端及び下端が前記ベース部に結合され、前記庇部の上下方向における中間部が前記庇部の上端及び下端よりも左右外方に突出し、前記庇部と前記ベース部との間に前後に貫通する収容空間(22)が形成され、前記カメラが前記収容空間に配置されてもよい。
【0017】
この態様によれば、収容空間が前後に貫通しているため、収容空間に侵入した雨水等の液体や異物や後方に排出される。
【0018】
上記の態様において、前記ベース部は前記収容空間において左右外方に隆起した隆起部(17)を有し、前記カメラは前記隆起部に設けられてもよい。
【0019】
この態様によれば、カメラの光軸を前方に向けることができる。
【0020】
上記の態様において、前記隆起部は、前記庇部の前記中間部と結合し、前記収容空間は、前記隆起部の上方及び下方に配置されてもよい。
【0021】
この態様によれば、庇部の剛性を向上させることができる。
【0022】
上記の態様において、前記カメラは、前記延長窓に設けられたウインドウパネル(14)の車内側に配置され、前記カメラの光軸が前記ウインドウパネルを通過しているとよい。
【0023】
この態様によれば、ウインドウパネルの車内側にカメラを配置することができる。これにより、カメラの保護が容易になる。また、カメラの凹凸に起因する風切り音を抑制することができる。
【0024】
上記の態様において、前記ウインドウパネルの縁部には、前記カメラと対向する透過部(34)を避けて着色層(32)が設けられているとよい。
【0025】
この態様によれば、カメラの視野を確保することができる。
【発明の効果】
【0026】
以上の構成によれば、ドアの開閉状態に関わらず、車両の側部付近の領域を撮像が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図9】変形例に係る延長窓、ガーニッシュ、及びカメラを示す水平断面
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して、実施形態に係る車両について説明する。
図1及び
図2に示すように、車両1は、4輪の自動車である。車両1は、セダン型、SUV型、ワゴン型、ワンボックス型等の公知の型の車両1であってよい。本実施形態に係る車両1は、一例としてSUV型の車両1である。車両1の車体2の左右の側部のそれぞれには、少なくとも1つの乗降口3が設けられている。少なくとも1つの乗降口3は、前乗降口3Aと、後乗降口3Bとを含む。各乗降口3A、3Bには、ドア4A、4Bが設けられている。各ドア4A、4Bの上部にはドアウインドウ5が設けられている。ドアウインドウ5には、ウインドウパネル6が設けられている。
【0029】
図1に示すように、車体2には、複数のカメラ7A~7Dが設けられている。複数のカメラ7A~7Dは、公知のCMOSイメージセンサやCCDであってよい。本実施形態では、カメラ7A~7Dは、第1~第4カメラ7A~7Dを含む。左右一対の第1カメラ7Aは、車体2の左右の側部の外面であって、乗降口3より後方の部分に設けられている。詳細には、第1カメラ7Aは、車体2の側部であって、後乗降口3Bより後方の部分に設けられている。第1カメラ7Aは、車両1の後輪9の上方に配置されているとよい。第1カメラ7Aは、後輪9の前端よりも後方、かつ後輪9の後端よりも前方に配置されているとよい。また、第1カメラ7Aは、後輪9の中心よりも後方に配置されてもよい。第1カメラ7Aは、車体2のルーフ2Aよりも下方に配置されているとよい。第1カメラ7Aは、車体2の側部の外面に設けられているとよい。
【0030】
第1カメラ7Aの光軸8Aは、車体2の前方かつ左右外方を向いている。第1カメラ7Aの水平画角θAは例えば70度以上130度以下であるとよい。第1カメラ7Aの光軸8Aは、上方から見て、前方に延びる基準線LAに対して35度以上65度以下の角度αAを有するとよい。第1カメラ7Aは、車体2の側部の左右外方及び車体2の前方かつ左右外方の画像を取得する。
【0031】
左右側方から見て、第1カメラ7Aの光軸8Aと水平面とのなす角度は、上方向及び下方向に30度以下であるとよい。
【0032】
第2カメラ7Bは、フロントウインドウ2Bの上部の車内側に設けられ、車体2の前方を撮像する。第2カメラ7Bの光軸8Bは、車体2の前方に向けて延びている。第2カメラ7Bの水平画角θBは、例えば90度以上180度以下であるとよい。
【0033】
左右一対の第3カメラ7Cは、前側のドア4Aの前部に設けられ、後方かつ車体2の左右外方を撮像する。第3カメラ7Cの撮像範囲はドア4の開閉に応じて変化する。以下、ドア4が閉位置にあるとして、第3カメラ7Cの向きを説明する。第3カメラ7Cの水平画角θCは例えば70度以上130度以下であるとよい。第3カメラ7Cの光軸8Cは、上方から見て、前方に延びる基準線LCに対して115度以上145度以下の角度αCを有するとよい。前ドア4の前部には、左右外方に突出する柱状の支持部11が設けられてもよい。第3カメラ7Cは支持部11に設けられてもよい。支持部11及び第3カメラ7Cは、サイドミラー12を構成する。他の実施形態では、サイドミラー12に光学式のミラーが設けられてもよい。
【0034】
上方から見て、第2カメラ7Bの視野は、各第3カメラ7Cの視野と重なりを有するとよい。また、上方から見て、各第1カメラ7Aの視野は、左右において対応する第3カメラ7Cの視野と重なりを有するとよい。
【0035】
第4カメラ7Dは、車体2の後部に設けられ、車体2の後方を撮像する。第4カメラ7Dの光軸8Dは、車体2の後方に向けて延びている。第4カメラ7Dの水平画角θDは、例えば130度以上180度以下であるとよい。第4カメラ7Dは、車体2の後端に設けられてもよく、リヤウインドウの車内側に設けられてもよい。上方から見て、第4カメラ7Dの視野は、各第1カメラ7Aの視野と重なりを有してもよい。
【0036】
第1カメラ7Aは、ドアウインドウ5の下端よりも上方に配置されているとよい。また、第1カメラ7Aは、サイドミラーの上端よりも上方に配置されているとよい。本実施形態では、第1カメラ7Aは、サイドミラー12の上端より上方に配置されている。詳細には、第1カメラ7Aは、支持部11の上端よりも上方に配置されているとよい。
【0037】
図2に示すように、車体2の側部において、乗降口3より後方の部分に延長窓13が設けられている。本実施形態では、車体2の側部において、後乗降口3Bより後方の部分に延長窓13が設けられている。延長窓13の前縁は、後乗降口3Bの後縁に接続している。他の実施形態では、後乗降口3Bと延長窓13とが前後に離れて配置されてもよい。後乗降口3Bと延長窓13との間にピラーが配置されてもよい。延長窓13には、ウインドウパネル14が設けられている。ウインドウパネル6は延長窓13の縁部に固定されているとよい。
【0038】
延長窓13の縁部にガーニッシュ15が設けられている。ガーニッシュ15は、樹脂によって形成されているとよい。ガーニッシュ15は、延長窓13の縁部に沿って延びるベース部16を有する。また、ベース部16は、ウインドウパネル6の縁部に沿って延びている。ベース部16は、延長窓13の縁部及びウインドウパネル6の縁部を隠すように、延長窓13の縁部及びウインドウパネル6の縁部の車外側に配置される。延長窓13は、後方に向けて上下幅が小さくなっている。延長窓13は、その後端に角部を有する。ベース部16は、延長窓13の角部に沿った屈曲部16Aを有する。
【0039】
図3に示すように、第1カメラ7Aは、ガーニッシュ15に設けられている。詳細には、第1カメラ7Aは、ガーニッシュ15のベース部16に設けられている。ベース部16の外面には、左右外方に隆起した隆起部17が設けられている。第1カメラ7Aは、隆起部17に設けられているとよい。隆起部17は、前方かつ左右外方を向く傾斜面17Aを有する。傾斜面17Aには第1カメラ7Aを受容する受容孔17Bが形成されている。傾斜面17Aには第1カメラ7Aのレンズ18が露出している。第1カメラ7Aは、受容孔17Bに挿入され、受容孔17Bに結合されている。隆起部17及び第1カメラ7Aは、ベース部16の屈曲部16Aに配置されているとよい。
【0040】
ガーニッシュ15は、ベース部16から左右外方に突出し、第1カメラ7Aの周囲に配置された庇部21を有する。庇部21は、上下に延びている。庇部21の上端21A及び下端21Bは、ベース部16に結合されている。
図3及び
図4に示すように、庇部21の上下方向における中間部21Cは、庇部21の上端21A及び下端21Bよりも左右外方に突出している。庇部21とベース部16との間に前後に貫通する収容空間22が形成される。
【0041】
隆起部17及び第1カメラ7Aは収容空間22に配置されている。隆起部17は、収容空間22の上下方向における上部、中間部、及び下部のいずれに配置されてもよい。
【0042】
庇部21の上端21A及び下端21Bは、庇部21の中間部21Cよりも前方に配置されている。左右側方から見て、庇部21は、ベース部16の屈曲部16Aに沿って屈曲している。庇部21の前縁の上部は、上端21Aから中間部21Cに向けて直線状に延びている。庇部21の前縁の下部は、下端21Bから中間部21Cに向けて直線状に延びている。隆起部17の傾斜面17Aは、庇部21の前縁よりも後方に配置されている。
【0043】
図4に示すように、隆起部17は、庇部21の中間部21Cと結合してもよい。この場合、収容空間22は、隆起部17によって上下に分割される。すなわち収容空間22は、隆起部17の上方及び下方に配置されている。同じ高さにおいて、隆起部17の前縁は庇部21の前縁よりも後方に配置されているとよい。
【0044】
庇部21は、隆起部17に設けられた第1カメラ7Aの視野外に配置されている。ベース部16の外面には、隆起部17から前方に延びる溝部24が設けられている。溝部24によって、ベース部16と第1カメラ7Aの視野との重なりが抑制される。溝部24の横断面は円弧状に形成されているとよい。
【0045】
本実施形態に係る車両1によれば、ドア4の開閉状態に関わらず、車両1の側部付近の領域を撮像することができる。また、車両1に乗り降りする乗員を撮像することができる。第1カメラ7Aは、前乗降口3A及び後乗降口3Bを通して車両1に乗り降りする乗員を撮像することができる。また、第1カメラ7Aは、第1カメラ7A、第3カメラ7C、及び第4カメラ7Dと協働して、車両1の周囲の画像を取得することができる。
【0046】
第1カメラ7Aがウインドウパネル6の下端よりも上方に配置されているため、路面から巻き上げられた粉塵や液体がカメラ7に到達し難くなる。また、第1カメラ7Aがドア4ミラーを構成する支持部11よりも上方に配置されているため、第1カメラ7Aは支持部11の上方から、車両1前方の画像を取得することができる。
【0047】
第1カメラ7Aがガーニッシュ15に設けられているため、第1カメラ7Aの車体2への取り付け構造を簡素にすることができる。また、第1カメラ7Aとガーニッシュ15とを組立体として用意することができる。
【0048】
庇部21は、カメラ7を雨水等の液体や粉塵から保護することができる。また、庇部21は、石や人等の物体がカメラ7に接触することを防止することができる。また、庇部21は、車体2の外面等で反射した反射光が第1カメラ7Aに入ることを抑制することができる。
【0049】
ベース部16と庇部21と間に形成される収容空間22が前後に貫通しているため、前方から収容空間22に侵入した雨水等の液体や異物は、後方に排出される。
【0050】
第1カメラ7Aは隆起部17に設けられているため、第1カメラ7Aの光軸8Aを前方に向けることができる。隆起部17と庇部21とが結合しているため、庇部21の剛性を向上させることができる。
【0051】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、左右一対の乗降口3が、車体2に設けられてもよい。この場合、第1カメラ7Aは乗降口3よりも後方に配置されるとよい。車体2の側部から左右外方に突出する支持部が設けられ、支持部に第1カメラ7Aが設けられてもよい。
【0052】
庇部21は必須の構成でない。そのため、
図5に示すように、実施形態の変形例では庇部21は省略されてもよい。
【0053】
図6に示すように、実施形態の他の変形例では、庇部21の外面に、前後に延びる複数の突条25が設けられてもよい。複数の突条25は、上下に並んで配置されている。突条25の前後方向における中間部の上下幅は、突条25の前端及び後端のそれぞれの上下幅より大きい。各突条25は、第1カメラ7Aより上方に配置されているとよい。
【0054】
各突条25は庇部21の外面に沿って後方に流れる空気を整流し、渦流れを抑制する。これにより、庇部21による空気抵抗を低減する。また、各突条25は、庇部21の外面を流れる雨水を後方に流し、雨水が庇部21の前縁から第1カメラ7Aに流れることを抑制する。
【0055】
図7に示すように、実施形態の他の変形例では、ベース部16の外面において、第1カメラ7Aの前方に少なくとも1つの凸部26が設けられてもよい。
図7に示すように、複数の凸部26が上下に配列されているとよい。この場合、最も上方に設けられた凸部26の上端は第1カメラ7Aのレンズ18の上端よりも上方に配置されているとよい。また、最も下方に設けられた凸部26の下端は第1カメラ7Aのレンズ18の下端よりも下方に配置されているとよい。
【0056】
図8に示すように、実施形態の他の変形例では、単一の凸部26が上下に延びているとよい。凸部26の上端は第1カメラ7Aのレンズ18の上端よりも上方に配置されているとよい。また、凸部26の下端は第1カメラ7Aのレンズ18の下端よりも下方に配置されているとよい。
【0057】
凸部26は、ベース部16の表面に沿って流れる走行風に流速差を発生させる。走行風の流速は、凸部26の上方及び下方において速くなり、凸部26と対向する部分において遅くなる。これにより、凸部26の前方を流れる雨水等の水滴は凸部26において上下に流れ、第1カメラ7Aに付着し難くなる。
【0058】
凸部26は、
図5の庇部21が省略されたガーニッシュ15に設けられてもよい。
【0059】
図9に示すように、第1カメラ7Aは延長窓13に設けられたウインドウパネル14の車内側に配置されてもよい。第1カメラ7Aの光軸8Aはウインドウパネル14を通過しているとよい。第1カメラ7Aはガーニッシュ15に支持されてもよく、車体2に設けられた他のホルダ31に支持されてもよい。ホルダ31はガーニッシュ15と一体に形成されてもよい。
【0060】
延長窓13に設けられたウインドウパネル14の縁部には、着色層32が設けられている。着色層32は、延長窓13の内面に設けられた黒色セラミック層であるとよい。また、延長窓13において、第1カメラ7Aと対向する部分には透過部34が設けられている。着色層32は透過部34を避けて設けられているとよい。第1カメラ7Aは透過部34を介して車外を撮像するとよい。
【符号の説明】
【0061】
1 :車両
2 :車体
3A :乗降口
3B :乗降口
4A :ドア
4B :ドア
5 :ドアウインドウ
6 :ウインドウパネル
7A :第1カメラ
8A :光軸
11 :支持部
12 :サイドミラー
13 :延長窓
14 :ウインドウパネル
15 :ガーニッシュ
16 :ベース部
16A :屈曲部
17 :隆起部
17A :傾斜面
17B :受容孔
18 :レンズ
21 :庇部
21A :上端
21B :下端
21C :中間部
22 :収容空間
24 :溝部