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特開2024-39115業務支援システム、業務支援方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039115
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】業務支援システム、業務支援方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0484 20220101AFI20240314BHJP
【FI】
G06F3/0484
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143424
(22)【出願日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】竹内 浩志
(72)【発明者】
【氏名】中山 知大
(72)【発明者】
【氏名】桑田 綾乃
(72)【発明者】
【氏名】植村 賢二朗
(72)【発明者】
【氏名】大塚 洋行
(72)【発明者】
【氏名】實方 圭太
(72)【発明者】
【氏名】石井 克幸
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA24
5E555AA52
5E555BA02
5E555BA04
5E555BB02
5E555BB04
5E555BC04
5E555DB53
5E555DC09
5E555DC11
5E555EA22
5E555EA24
5E555EA25
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】 業務支援を必要とする利用者の端末に表示される画面情報に秘密情報が含まれる場合にも、業務支援を行う支援者に効率良く利用者の画面情報を共有する。
【解決手段】 業務支援を必要とする利用者の端末と、業務支援を行う支援者の端末とで、業務支援に利用する利用者の端末に表示される画面情報を共有する業務支援システムであって、利用者の端末の画面情報を取得する取得手段と、画面情報に含まれる秘密情報を特定する特定手段と、特定手段によって特定された秘密情報のマスキングを行うマスキング手段と、秘密情報のマスキングが行われた画面情報を、支援者の端末に表示させるよう制御する制御手段とを備える、業務支援システム。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
業務支援を必要とする利用者の端末と、前記業務支援を行う支援者の端末とで、前記業務支援に利用する利用者の端末に表示される画面情報を共有する業務支援システムであって、
前記利用者の端末の前記画面情報を取得する取得手段と、
前記画面情報に含まれる秘密情報を特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された前記秘密情報のマスキングを行うマスキング手段と、
前記秘密情報のマスキングが行われた画面情報を、前記支援者の端末に表示させるよう制御する制御手段と
を備える、業務支援システム。
【請求項2】
前記秘密情報は、個人情報、個人関連情報、機密情報のうちの少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする、請求項1に記載の業務支援システム。
【請求項3】
前記秘密情報を特定するための情報を保存する記憶手段をさらに備え、
前記特定手段は、前記記憶手段に格納された情報に基づいて前記画面情報に含まれる前記秘密情報を特定する、請求項2に記載の業務支援システム。
【請求項4】
前記利用者から前記秘密情報の設定を受け付ける秘密情報設定手段をさらに備える、請求項3に記載の業務支援システム。
【請求項5】
前記支援者の端末に表示された前記画面情報に対する前記マスキングの一部を除外する要求を、前記支援者の端末から受け付ける除外要求受付手段と、
前記要求を前記利用者の端末に通知する通知手段と
をさらに備える、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の業務支援システム。
【請求項6】
前記利用者の端末から、前記要求を承諾するか否かの承諾情報を受け付ける除外承諾受付手段をさらに備え、
前記マスキング手段は、前記承諾情報をさらに受信し、前記要求を承諾する旨の情報を受信した場合に前記一部のマスキングを除外することを特徴とする、請求項5に記載の業務支援システム。
【請求項7】
業務支援を必要とする利用者の端末と、前記業務支援を行う支援者の端末とで、前記業務支援に利用する利用者の端末に表示される画面情報を共有する業務支援方法であって、
業務支援システムが、
前記利用者の端末の前記画面情報を取得し、
前記画面情報に含まれる秘密情報を特定し、
前記特定された前記秘密情報のマスキングを行い、
前記秘密情報のマスキングが行われた画面情報を、前記支援者の端末に表示させるよう制御する
ことを特徴とする、業務支援方法。
【請求項8】
業務支援を必要とする利用者の端末と、前記業務支援を行う支援者の端末とで、前記業務支援に利用する利用者の端末に表示される画面情報を共有するコンピュータプログラムであって、
コンピュータに、
前記利用者の端末の前記画面情報を取得する処理と、
前記画面情報に含まれる秘密情報を特定する処理と、
前記特定された前記秘密情報のマスキングを行う処理と、
前記秘密情報のマスキングが行われた画面情報を、前記支援者の端末に表示させるよう制御する処理と
を実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、業務支援を必要とする利用者の端末と、業務支援を行う支援者の端末とで、利用者の端末に表示される画面情報を共有する業務支援システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
業務システムの利用者は、業務システムの使用方法が分からない場合、業務の支援を行う支援者に問合せを行うことがある。ここで、支援者とは、当該業務システムの使用方法に精通した者を指す。例えば、支援者とは、業務システムの管理者を指す。問合せを行う際、利用者の端末に表示される画面情報を支援者に共有することができると、利用者の状況を正確に共有することができるため、業務支援を効率的に行うことが可能である。
【0003】
しかしながら、利用者の端末に表示される画面情報には、個人情報等の秘密情報が含まれる場合も多い。こうした場合には、利用者は、秘密情報の保護の観点から、画面情報を支援者に共有することができない。こうした場合、利用者は、例えば事前に秘密情報のマスキングを行っておく等の対策を講じる必要がある。
【0004】
画像に含まれる個人情報にマスキングを行う技術の一例が、特許文献1及び非特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2018/225775号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】“画像に含まれるセンシティブデータを秘匿化する”Cloud Data Loss Prevention/ドキュメント/ガイド、[online]、更新日:令和4年8月13日、Google Cloud、[令和4年8月15日検索]、インターネット<URL:https://cloud.google.com/dlp/docs/redacting-sensitive-data-images>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
例えば利用者は、上述した特許文献1又は非特許文献1に記載された技術を用いて、問合せに必要な画面情報の画面キャプチャに対してマスキングを行う。しかし、この場合には以下のような問題がある。例えば、問合せ時に当該画面情報以外の新たな情報を共有することになった場合、当該新たな情報に秘密情報が含まれるとすぐに共有することができないため、非効率的である。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、業務支援を必要とする利用者の端末に表示される画面情報に秘密情報が含まれる場合にも、業務支援を行う支援者に効率良く利用者の画面情報を共有することが可能な業務支援システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の業務支援システムは、業務支援を必要とする利用者の端末と、業務支援を行う支援者の端末とで、業務支援に利用する利用者の端末に表示される画面情報を共有する業務支援システムであって、利用者の端末の画面情報を取得する取得手段と、画面情報に含まれる秘密情報を特定する特定手段と、特定手段によって特定された秘密情報のマスキングを行うマスキング手段と、秘密情報のマスキングが行われた画面情報を、支援者の端末に表示させるよう制御する制御手段とを備える。
【0010】
本発明の業務支援方法は、業務支援を必要とする利用者の端末と、業務支援を行う支援者の端末とで、業務支援に利用する利用者の端末に表示される画面情報を共有する業務支援方法であって、業務支援システムが、利用者の端末の画面情報を取得し、画面情報に含まれる秘密情報を特定し、特定された秘密情報のマスキングを行い、秘密情報のマスキングが行われた画面情報を、支援者の端末に表示させるよう制御することを特徴とする。
【0011】
本発明のコンピュータプログラムは、業務支援を必要とする利用者の端末と、業務支援を行う支援者の端末とで、業務支援に利用する利用者の端末に表示される画面情報を共有するコンピュータプログラムであって、コンピュータに、利用者の端末の画面情報を取得する処理と、画面情報に含まれる秘密情報を特定する処理と、特定された秘密情報のマスキングを行う処理と、秘密情報のマスキングが行われた画面情報を、支援者の端末に表示させるよう制御する処理とを実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、画面情報に秘密情報が含まれる場合にも、効率良く画面情報を共有することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態における業務支援システム1の構成例を示す図である。
図2】第1実施形態におけるサーバ100の構成を示すブロック図である。
図3】第1実施形態において、特定部102が秘密情報の特定のために用いる情報の一例を示す図である。
図4】取得部101が取得した画面情報の一例を示す図である。
図5】マスキング部103によって行われるマスキングの処理を説明するための図である。
図6】第1実施形態におけるサーバ100の動作例を示すフローチャートである。
図7】第1実施形態における業務支援システム1の変形例を示すブロック図である。
図8】第2実施形態におけるサーバ100の構成を示すブロック図である。
図9】第2実施形態において、特定部102が秘密情報の特定のために用いる情報の一例を示す図である。
図10】秘密情報の設定を受け付けるために、利用者端末200に表示する内容の一例を示す図である。
図11】秘密情報の登録を受け付けるために、利用者端末200に表示する内容の一例を示す図である。
図12】除外要求受付部107が除外要求を受け付ける処理において、支援者端末300に表示する内容の一例を示す図である。
図13】通知部108が利用者端末200に通知する内容の一例を示す図である。
図14】第2実施形態におけるサーバ100の動作例を示すフローチャートである。
図15】サーバ100、利用者端末200及び支援者端末300における情報のやり取りを示すシーケンス図である。
図16】本開示における業務支援システム1を、プロセッサを含むコンピュータ装置10で実現したハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態における業務支援システム1の構成例を示す図である。業務支援システム1は、業務支援を必要とする利用者の端末と、業務支援を行う支援者の端末とで、利用者の端末に表示される画面情報を共有するためのシステムである。業務支援を必要とする利用者は、以下、単に「利用者」とも記載し、業務支援を行う支援者は、以下、単に「支援者」とも記載する。
【0016】
業務支援システム1は、サーバ100と、利用者端末200-1~利用者端末200-n1と、支援者端末300-1~支援者端末300-n1とから構成される。図1において、利用者端末及び支援者端末は複数あるものと想定した。そのため、利用者端末は、「利用者端末200-1」、…「利用者端末200-n1」(n1は自然数)と表記されている。同様に、支援者端末は、「支援者端末300-1」、…「支援者端末300-n2」(n2は自然数)と表記されている。以降の説明において、利用者端末200-1~利用者端末200-n1を、利用者端末200と総称する。同様に、支援者端末300-1~支援者端末300-n2を、支援者端末300と総称する。業務支援システム1において、n1及びn2の値、すなわち利用者端末200及び支援者端末300の台数は同じである必要はない。
【0017】
サーバ100は、利用者端末200から取得した画面情報に含まれる秘密情報を特定し、特定した秘密情報に対してマスキングを行う。サーバ100の具体的な構成については後述する。本発明において、マスキングとは、秘密情報が含まれる特定の領域を覆い隠す処理を指す。マスキングの具体的な処理については後述する。サーバ100は、利用者端末200及び支援者端末300のそれぞれと情報通信網を介して接続されているものとする。情報通信網は、例えば、インターネット回線網、専用回線、又は移動体通信網である。情報通信網は、前述した通信網うちのいずれかの組合せであっても良い。
【0018】
利用者端末200は、利用者が業務に使用する端末である。利用者端末200は、少なくともディスプレイ等の表示手段(図示せず)を備える。利用者端末200は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット端末、移動体通信端末である。業務支援システム1において、利用者端末200は1つ以上あれば良く、複数であっても良い。以降の説明では、利用者端末200は1つとして説明するが、これは数量を限定するものではない。
【0019】
支援者端末300は、支援者の所持する端末である。支援者端末300は、例えば、PC、タブレット端末、移動体通信端末である。支援者端末300は、少なくともディスプレイ等の表示手段(図示せず)を備える。支援者端末300は、1つであっても複数であっても良い。
【0020】
次に、第1実施形態におけるサーバ100の構成について詳細に説明する。図2は、第1実施形態におけるサーバ100の構成を示すブロック図である。図2を参照すると、サーバ100は、取得部101と、特定部102と、マスキング部103と、制御部104とから構成される。
【0021】
取得部101は、利用者端末200から画面情報を取得する取得手段の一例である。画面情報とは、利用者端末200の表示手段に表示される画面の情報を指す。取得部101は、所定のフレームレートで画面情報を順次取得する。具体的には、取得される画面情報とは、所定のフレームレートで抽出された画面の表示内容を指す。画面情報には、ウィンドウの画面、URL等のアクセス先の情報、動画情報、静止画情報、コード化されたオブジェクト情報が含まれてもよい。所定のフレームレートは、サーバ100の管理者が任意に設定できるものとする。取得部101は、取得した画面情報を記憶手段(図示せず)に格納する。格納された画面情報は、特定部102及びマスキング部103の処理で利用される。
【0022】
特定部102は、画面情報に含まれる秘密情報を特定する特定手段の一例である。秘密情報とは、関係者以外に開示すべきではない情報を指し、例えば、個人情報、個人関連情報、機密情報等を指す。秘密情報は、上述した情報以外にも、例えば利用者が開示を望まない情報であっても良い。利用者が開示を望まない情報とは、例えば、表示するウィンドウ以外の情報(デスクトップ画面の表示情報等)を指す。利用者が開示を望まない情報を特定部102が特定する具体的な処理については第2実施形態で説明するため、ここでの説明は省略する。
【0023】
特定部102は、例えば以下のようにして画面情報に含まれる秘密情報に該当する文字を特定する。まず、特定部102は、画面情報からウィンドウを認識する。次に、特定部102は、取得部101が取得した画面情報に対して文字認識処理を行う。特定部102は、文字認識処理において、画面情報から文字の領域と文字以外の領域とを判別し、文字の領域から文字を認識してもよい。次に、特定部102は、サーバ100の内部あるいは外部に備えられた記憶手段(図示せず)に格納された情報を参照し、秘密情報に該当する文字を特定する。
【0024】
図3は、特定部102が秘密情報の特定のために用いる情報の一例を示す図である。図3において、特定のための情報は、キーワードと秘密情報の該当箇所とを互いに紐付けた情報である。図3において、秘密情報の特定のために用いられるキーワードの一例として、氏名、住所、個人番号及び社外秘を記載したが、キーワードはこれらに限定されない。これらのキーワードに加え、例えば、保険者番号、クレジットカード番号、GOV.UK Verify(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland Government Verify)等のデジタルID(identification)が含む情報、及び国民識別番号を含んでも良い。国民識別番号は、先に述べた個人番号に限定されず、例えば、社会保障番号、公民身分番号、国民保険番号及び税務識別番号を含む。
【0025】
特定部102は、例えば、図3に示すような情報を用いて秘密情報を特定する。具体的には、まず、特定部102は、画面情報に対して文字認識処理を行い、さらに図3に示す情報におけるキーワードである「氏名」、「住所」、「個人番号」、及び「社外秘」を探索する。特定部102は、画面情報からキーワードが探索された場合、キーワードに紐付けられた該当箇所における文字列、数字又はキーワードを含むウィンドウ全体を秘密情報として特定する。例えば、特定部102は、キーワード「氏名」の範囲の座標及び文字サイズを取得し、当該座標及び文字サイズを基に、「氏名」の範囲から距離X1(X1は自然数)以内の文字列を秘密情報として特定する。また、特定部102は、キーワード「住所」の範囲の座標及び文字サイズを取得し、当該座標及び文字サイズを基に、「住所」の範囲から距離X2(X2は自然数)以内の文字列及び数字を秘密情報として特定する。同様にして、特定部102は、キーワード「住所」の範囲の座標及び文字サイズを取得し、当該座標及び文字サイズを基に、「住所」の範囲から距離X3(X3は自然数)以内の12桁の数字を秘密情報として特定する。距離X1、X2及びX3はあらかじめユーザによって定められた値であり、それぞれが同一の値である必要はない。また、上述した秘密情報の特定に係る処理は一例であり、これに限定されない。上述した秘密情報の特定に係る処理は、一般的な文字認識処理で代用し得る。
【0026】
あるいは、特定部102は、画面情報に含まれる人物の顔情報を秘密情報として特定する。特定部102は、例えば、既知の顔検出技術やテンプレートマッチングによって、画面情報に含まれる顔の領域を秘密情報として特定する。
【0027】
特定部102が行う具体的な処理について、図4を参照してさらに説明する。図4は、取得部101が取得した画面情報の一例を示す図である。まず特定部102は、画面情報からウィンドウA、及びウィンドウBを特定する。次に特定部102は、各ウィンドウの画面情報に対して文字認識処理を行う。次に、特定部102は、図3に示す情報に基づいて、ウィンドウAの「氏名:」、「住所:」及び「個人番号:」に続く文字情報と、ウィンドウB全体を、秘密情報であると特定する。また、特定部102は、既知の顔検出技術やパターンマッチングによって、ウィンドウAに含まれる顔領域を秘密情報であると特定する。
【0028】
マスキング部103は、特定部102によって特定された秘密情報のマスキングを行うマスキング手段の一例である。マスキング部103が行う処理について、図5を参照して説明する。図5は、マスキング部103によって行われるマスキングの処理を説明するための図である。例えば、マスキング部103は、特定部102が特定した秘密情報に重畳して、図5のウィンドウA上段に示すような塗りつぶしの矩形を合成する。あるいは、特定部102は、特定部102が特定した秘密情報に重畳して、図5のウィンドウA下段に示すような秘密情報の種類を示す文字情報を表示する。秘密情報のマスキングは、秘密情報が判別できない程度に行えば良く、マスクの色や塗りつぶしのパターンは限定されない。図5のウィンドウA上段及びデスクトップ画面の表示情報に示すように、黒の塗りつぶしの矩形であっても良いし、図5のウィンドウBに示すように、所定のパターンで塗りつぶしをしても良い。
【0029】
制御部104は、秘密情報のマスキングが行われた画面情報を、支援者の端末に表示させるよう制御する制御手段の一例である。制御部104は、マスキング部103によって秘密情報のマスキングが行われた画面情報を、支援者端末300の表示手段に表示させるように制御する。具体的には、制御部104は、マスキングが行われた画面情報を支援者端末300へ配信する。マスキングが行われた画面情報は、支援者端末300だけでなく、利用者端末200へも配信してもよい。
【0030】
次に、第1実施形態におけるサーバ100の動作の一例について、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0031】
サーバ100は、一例として、利用者端末200から画面情報の共有の要求を受信することにより、画面共有のための処理を開始する。
【0032】
まず、取得部101は、利用者端末200の画面情報を、所定のフレームレートで取得する(ステップS101)。
【0033】
次に、特定部102は、取得部101が取得した画面情報に含まれる秘密情報を特定する(ステップS102)。
【0034】
次に、マスキング部103は、特定部102によって特定された秘密情報のマスキングを行う(ステップS103)。
【0035】
次に、制御部104は、秘密情報のマスキングが行われた画面情報を、支援者端末300に表示させるように制御する(ステップS104)。
【0036】
サーバ100は、所定の終了条件を満たすまで、ステップS101~ステップS104の処理を繰り返す(ステップS105)。所定の終了条件とは、例えば、利用者端末200から共有の停止の要求を受信することである。サーバ100は、所定の終了条件を満たすと(ステップS105 YES)、画面共有のための一連の処理を終了する。
【0037】
第1実施形態におけるサーバ100は上記のように構成されている。次に、第1実施形態の効果について説明する。
【0038】
上述したように、業務支援システム1は、利用者端末200の画面情報を取得し、画面情報に含まれる秘密情報を特定し、特定された秘密情報のマスキングを行い、マスキングが行われた画面情報を支援者端末300に表示させるように制御する。換言すれば、第1実施形態における業務支援システム1は、業務支援を必要とする利用者の端末に表示される画面情報に秘密情報が含まれる場合にも、業務支援を行う支援者に効率良く利用者の画面情報を共有することができる。
【0039】
第1実施形態における業務支援システム1は、以下のように変形しても良い。
【0040】
本実施形態では、取得部101、特定部102、マスキング部103及び制御部104はサーバ100の構成であるとしたが、これに限定されない。例えば、図7に示すように、取得部101、特定部102、マスキング部103は利用者端末200に備えられ、制御部104がサーバ100に備えられるものとしても良い。
【0041】
[第2実施形態]
以下に、本発明に係る第2実施形態を説明する。なお、この第2実施形態の説明において、第1実施形態と同一名称部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0042】
第2実施形態における業務支援システム1も、第1実施形態における業務支援システム1と同様に、サーバ100と、利用者端末200と、支援者端末300とから構成される。第2実施形態における利用者端末200及び支援者端末300は、ディスプレイ等の表示手段(図示せず)に加え、マウス、キーボード等の入力手段(図示せず)を備える。
【0043】
図8は、第2実施形態におけるサーバ100の構成を示すブロック図である。第2実施形態におけるサーバ100は、取得部101と、特定部102と、マスキング部103と、制御部104と、記憶部105と、秘密情報設定部106と、除外要求受付部107と、通知部108と、除外承諾受付部109とから構成される。
【0044】
記憶部105は、秘密情報を特定するための情報を保存する記憶手段の一例である。記憶部105は、図3に示すような、キーワードと秘密情報の該当箇所とを互いに紐付けた情報に加え、秘密情報を特定するための辞書情報を保存する。辞書情報とは、秘密情報の候補を表す辞書の情報であり、例えば「人名辞書」「地名辞書」等を指す。これらの辞書情報は、例えば以下のようにして使用される。例えば辞書情報は、図9に示すように、キーワードからあらかじめ定められた一定の距離以内にある辞書に含まれる文字列を秘密情報として特定するために使用される。あるいは、辞書情報は、辞書に含まれる単語を全て秘密情報と特定するために使用される。第2実施形態において、記憶部105はサーバ100の構成の一部としたが、サーバ100の外部にあっても良い。特定部102は、記憶部105に保存された情報に基づいて、画面情報に含まれる秘密情報を特定する。
【0045】
秘密情報設定部106は、利用者から秘密情報の設定を受け付ける秘密情報設定手段の一例である。
【0046】
秘密情報設定部106は、例えばマスキングを行う秘密情報の種類を利用者端末200から受信する。図10は、秘密情報の設定を受け付けるために利用者端末200に表示する内容の一例を示す図である。サーバ100は、例えば利用者端末200から画面情報の共有の要求を受信すると、利用者端末200に図10に示すようなウィンドウを表示させる。秘密情報設定部106は、図10に示すウィンドウを介して入力された事項を受信し、特定部102へ出力する。特定部102は、画面情報のうち、秘密情報設定部106から取得した情報のみにマスキングを行う。この構成により、利用者は、支援者の立場によって開示する情報の範囲を変更することが可能になる。
【0047】
あるいは、秘密情報設定部106は、ユーザから秘密情報を登録する指示を受け付けても良い。図11は、秘密情報の登録を受け付けるために利用者端末200に表示する内容の一例を示す図である。利用者は、図11に示すようなウィンドウを介して、利用者が開示を望まない情報を秘密情報として登録する要求を出す。具体的には、利用者は図11に示すウィンドウを介して、任意のキーワード、辞書情報等を秘密情報として登録する要求を出す。秘密情報設定部106は、当該要求を受信し、記憶部105に追加する。この構成により、利用者は、あらかじめ設定された秘密情報に加え、自身が開示を望まない情報を自由に設定することが可能になる。さらに、あらかじめ記憶部105に保存される辞書情報を補完するような辞書情報を登録すれば、マスキングの精度を向上させることが可能になる。あらかじめ記憶部105に保存される辞書情報を補完するような辞書情報とは、例えば、あらかじめ記憶部105に保存されている人名辞書に掲載されていない人名を収録した辞書情報等を指す。
【0048】
除外要求受付部107は、支援者端末300に表示された画面情報に対するマスキングの一部を除外する要求を、支援者端末300から受け付ける除外要求受付手段の一例である。画面情報に対するマスキングの一部を除外する要求は、以下、除外要求とも記す。除外要求受付部107は、例えば以下のようにして除外要求を受信する。まず、支援者端末300を操作する支援者は、支援者端末300の入力手段を介して除外要求を行う。例えば、支援者は、画面情報のうちマスキングを除外したい箇所をクリックすることにより、除外要求を行う。次に、支援者端末300は、当該除外要求をサーバ100に送信する。当該除外要求には、マスキングを除外する要求があった領域に関しての情報が含まれる。そして、除外要求受付部107は、当該要求を支援者端末300から受信する。
【0049】
除外要求受付部107の処理の一例について、図面を用いてさらに説明する。図12は、除外要求受付部107が除外要求を受け付ける処理において、支援者端末300に表示する内容の一例を示す図である。支援者は、支援者端末300に表示された画面情報のうち、マスキングを除外したい箇所にカーソルを合わせてクリックする。支援者端末300は、クリックを検知すると、マスキングを除外する要求があった領域を強調表示した画面情報に重畳して、マスキングの除外を要求するか否かの入力を受け付けるウィンドウを表示する。図12では、強調表示の一例として、マスキングを除外する要求があった領域を枠線で囲んで表示しているが、強調表示はこれに限定されない。当該ウィンドウを介して支援者が「はい」を選択すると、支援者端末300は、マスキングを除外する要求があった領域に関しての情報を含む当該除外要求をサーバ100に送信する。
【0050】
通知部108は、除外要求受付部107が受け付けた除外要求を利用者端末200に通知する通知手段の一例である。図13は、通知部108が利用者端末200に通知する内容の一例を示す図である。通知部108は、例えば利用者端末200の表示手段に図13に示すようなウィンドウを表示することにより、除外要求を通知する。具体的に、通知部108は、支援者端末300からマスキングの除外の要求があった領域について通知を行う。図13では、一例として、当該領域を枠線で囲むことによって、マスキングの除外の要求があった領域を示している。通知の方法はこれに限定されず、利用者が除外の要求があった領域を認識できる方法であれば良い。通知部108により、利用者は、支援者がマスキングの除外を要求していること、及び、除外の要求があった領域について把握することができる。
【0051】
除外承諾受付部109は、利用者端末200から、除外承諾受付部109が受け付けた要求を承諾するか否かの承諾情報を受け付ける除外承諾受付手段の一例である。除外要求受付部107は、例えば、通知部108が通知した要求を承諾するか否かの入力を受け付けるウィンドウを利用者端末200に表示する。あるいは、図13に示すように、通知部108が要求を通知する際に、要求を承諾するか否かの入力を受け付けるための情報を同時に表示しても良い。除外承諾受付部109は、利用者端末200の入力手段を介して入力された承諾情報を受信する。
【0052】
マスキング部103は、承諾情報をさらに受信する。そして、マスキング部103は、除外承諾受付部109が受け付けた要求を承諾する旨の情報を受信した場合に、当該一部のマスキングを除外する。具体的には、マスキング部103は、秘密情報に重畳して合成したマスクを削除する。そして、制御部104は、マスキングを除外した画面情報を支援者端末300へ表示させるよう制御する。
【0053】
次に、第2実施形態におけるサーバ100の動作の一例について、図14のフローチャートを参照して説明する。
【0054】
サーバ100は、一例として、利用者端末200から画面情報の共有の要求を受信することにより、処理を開始する。ステップS201~ステップS204までの処理は、第1実施形態におけるステップS101~ステップS104までの処理と同一であるため、説明を省略する。
【0055】
除外要求受付部107は、支援者端末300からマスキングを除外する除外要求を受信しているか否かを確認する(ステップS205)。除外要求受付部107は、除外要求を受けていない場合には(ステップS205 NO)、ステップS210の処理へ進む。除外要求を除外要求受付部107が受けている場合には(ステップS205 YES)、通知部108は、除外要求を利用者端末200へ通知する(ステップS206)。そして、除外承諾受付部109は、利用者端末200から承諾情報を受信する(ステップS207)。
【0056】
ステップS204~ステップS207の処理について、図15を参照して詳細に説明する。図15は、サーバ100、利用者端末200及び支援者端末300における情報のやり取りを示すシーケンス図である。
【0057】
まず、サーバ100の制御部104は、秘密情報のマスキングが行われた画面情報を、支援者端末300に表示させるように制御する(ステップS204)。支援者端末300は、サーバ100から画面情報を受信し、支援者端末300の表示手段を介して画面情報を表示する。
【0058】
次に、除外要求受付部107は、マスキングの一部を除外する除外要求を支援者端末300から受信する(ステップS205 YES)。
【0059】
次に、通知部108は、受信した除外要求を利用者端末へ通知する(ステップS206)。利用者端末200は、当該通知を受信する。
【0060】
次に、除外承諾受付部109は、利用者端末200から、除外承諾受付部109が受け付けた要求を承諾するか否かの承諾情報を受け付ける(ステップS207)。
【0061】
図14のフローチャートに説明を戻す。利用者端末200から除外要求を承諾する旨の情報を受信している場合(ステップS208 YES)、マスキング部103は、当該除外要求に基づいて画面情報の一部のマスキングを除外する(ステップS209)。一方で、利用者端末200から除外要求を承諾しない旨の情報を受信している場合には(ステップS208 NO)、画面情報のマスキングを除外せず、ステップS210の処理へ進む。
【0062】
サーバ100は、上述した処理を終えると、ステップS210の処理を行う。ステップS210の処理は、第1実施形態におけるステップS105の処理と同一であるため、説明を省略する。
【0063】
第2実施形態におけるサーバ100は上記のように構成されている。第2実施形態における業務支援システム1は、第1実施形態で説明した効果に加え、以下のような効果を得ることができる。
【0064】
上述した業務支援システム1は、支援者端末300に表示された画面情報に対するマスキングの一部を除外する除外要求を支援者端末300から受け付け、当該除外要求を利用者端末200に通知する。さらに、上述した業務支援システム1は、利用者端末200から、除外要求を承諾するか否かの承諾情報を受け付け、要求を承諾する旨の情報を受信した場合に一部のマスキングを除外する。上記構成により、業務支援システム1は、例えば支援者が業務の支援に必要と判断する情報までマスキングを行ってしまった場合にマスキングを除外することができる。つまり、第2実施形態における業務支援システム1は、より効率的に利用者の画面情報を共有することが可能になる。
【0065】
第2実施形態における業務支援システム1は、以下のように変形しても良い。
【0066】
本実施形態では、取得部101、特定部102、マスキング部103、制御部104、記憶部105、秘密情報設定部106、除外要求受付部107、通知部108、及び除外承諾受付部109はサーバ100の構成であるとしたが、これに限定されない。例えば、秘密情報設定部106は利用者端末の構成としても良い。
【0067】
[コンピュータによるハードウェア構成]
以上説明した本開示の各実施形態における各構成要素は、その機能をハードウェア的に実現することは勿論、プログラム制御に基づくコンピュータ装置、ファームウェアによって実現することができる。
【0068】
図16は、本開示における業務支援システム1を、プロセッサを含むコンピュータ装置10で実現したハードウェア構成の一例を示す図である。各実施形態のサーバ100、利用者端末200及び支援者端末300は、コンピュータ装置10によって実現される。コンピュータ装置10は、図16に示すように、CPU(Central Processing Unit)11、メモリ12、プログラムを格納するハードディスク等の記憶装置13、入力装置及び出力装置接続用の入出力インタフェース14、及びネットワーク接続用の通信インタフェース15を含む。
【0069】
CPU11は、オペレーティングシステムを動作させて、本発明の業務支援システム1全体を制御する。例えば、CPU11は、ドライブ装置等に装着された記憶媒体からメモリ12にプログラムやデータを読み出す。また、CPU11は、例えば第1実施形態における取得部101、特定部102、マスキング部103、及び制御部104の一部として機能し、プログラムに基づいて処理又は命令を実行する。あるいは、CPU11は、第2実施形態における取得部101、特定部102、マスキング部103、制御部104、記憶部105、秘密情報設定部106、除外要求受付部107、通知部108、及び除外承諾受付部109の一部として機能し、プログラムに基づいて処理又は命令を実行する。
【0070】
記憶装置13は、例えば光ディスク、フレキシブルディスク、磁気光ディスク、外付けハードディスク、又は半導体メモリ等である。記憶装置の一部の記憶媒体は、不揮発性記憶装置であり、そこにプログラムを記録する。また、プログラムは、通信網に接続されている外部コンピュータ(図示せず)からダウンロードされてもよい。
【0071】
入出力インタフェース14に接続される入力装置は、例えばマウスやキーボード等により実現され、入力操作に用いられる。同様に、入出力インタフェース14に接続される出力装置は、例えばディスプレイ等によって実現され、出力結果の表示及び確認に用いられる。
【0072】
以上、各実施形態を参照して本発明について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。例えば、複数の動作をフローチャートの形式で順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の動作を実行する順番を限定するものではない。このため、各実施形態を実施するときには、その複数の動作の順番は、内容に支障がない範囲で変更することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 業務支援システム
10 コンピュータ装置
11 CPU
12 メモリ
13 記憶装置
14 入出力インタフェース
15 通信インタフェース
100 サーバ
101 取得部
102 特定部
103 マスキング部
104 制御部
105 記憶部
106 秘密情報設定部
107 除外要求受付部
108 通知部
109 除外承諾受付部
200 利用者端末
300 支援者端末
図1
図2
図3
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図16